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2009年1〜12月に読んだ本


  ※何らかの事故で、3〜5月の記録はいったん失われました。修復に努めましたが、完全には復活できていないことをお詫びいたします。(2009.10/13、2010.2/7)

 児童文学  絵本  ヤングアダルト  SF
 ファンタジー  ミステリー  その他の小説  小説以外
児童文学
◆『チェラブ Mission4 大もうけ』ロバート・マカモア作、ほるぷ出版  <児童文学>
 《12/31読了》チェラブ卒業生の警察官からの依頼で、ロシアから移住してきた兄弟が営む中古車販売店を探るため、兄弟役の弟としてジェームズは潜入。近所の自殺した青年のパソコンに残されていたパスワードから、地元の警官も絡んだ犯罪が明るみに。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『偉大なる王』ニコライ・アポロノヴィッチ・バイコフ原作 斎藤洋文、講談社  <児童文学>
 《12/25読了》ロシアの作家バイコフ(1872〜1958)の原作(1936)を斉藤洋がリライト。「あとがき」で、斉藤洋は、動物文学は、主人公の動物を現実の姿に近づけるほど物語性を失い、ドキュメントに近づく、と指摘している。バイコフの『偉大なる王』完訳版(今村龍夫訳、中公文庫)は限りなくドキュメントに近いともいう。斉藤洋は、原作より物語性を重視して、原作にない部分も書き加えた、それで完訳版より面白くなった、と感じられることをリライトの免罪符としたい、と書いているが…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『霧の森となぞの声』岡田淳作、偕成社  <児童文学>
 《12/24読了》こそあどの森の物語10。「なぞの歌声」にひかれて行けば、眠り込む、またはとらわれる、というのは定番なんですね。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『マルベリーボーイズ』ドナ・ジョー・ナポリ作、偕成社  <児童文学>
 《12/22読了》9歳のベニアミーノは新しい靴をはかされて貨物船に乗せられた。ナポリ生まれのユダヤ人は決してくじけることはない。新品の靴のおかげで八百屋の手伝いをさせてもらいトマトをもらったり、迷子になった金持ちの息子と思われ書類を盗られたり。盗みはしない。物乞いもしないで生き抜いていく。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 10/28朝日31面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ピーターと象と魔術師』ケイト・ディカミロ作、岩波書店  <児童文学>
 《12/15読了》どうもディカミロとは相性が悪い…。ピーターの妹探しと魔術師の自己実現と…象徴的な美しさがあるとは思うのだが。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『楽しいスケート遠足』ヒルダ・ファン・ストックム作、福音館書店  <児童文学>
 《12/12読了》『銀のスケート靴』の挿絵を描いた画家が、自分で話も書いた作品。先生が、女の子たちを長い棒につかまらせて遅れないようにするとか、よくまだ滑れない小さい子が腰掛けを押しながら滑っている風景とか、オランダではそうやって、生活の中にスケートがあるんだなあと思った。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 11/26朝日34面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ウィッティントン』アラン・アームスロング作、さ・え・ら書房  <児童文学>
 《12/10読了》ウィッティントンという名前の老いた猫が、ある農場に住みついて、自分の名前の由来になった少年がどのようにしてロンドンへ行き身をたてたかを納屋の動物たちに語っていく…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 11/26朝日34面、2010.1/23読売夕刊10面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ローズと魔法の薬』岡田春恵作、学習研究社  <児童文学>
 《12/9読了》ローズをタイムスリップさせてフレミング博士のところへ送り込む。それまでの薬は症状を和らげるなどの対症療法か水銀など間違った処方が多かった。だがペニシリンは、直接、バクテリア系の病気のコンタギオンを殺す、画期的な薬だった。『病気の魔女と薬の魔女』続編。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『クツカタッポと三つのねがいごと』エミリー・ロッダ作、あすなろ書房  <児童文学>
 《12/7読了》「チュウチュウ通り」2番地。1番地の泥棒の話より、こっちの方が面白い。やっぱり、「願い事」って、願っちゃった後にいろいろ思いつくんですよね。児童図書館研究会東京支部12月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 10/28朝日31面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『魔使いの戦い』(上) ジョゼフ・ディレイニー作、東京創元社  <児童文学>
 《12/6読了》大人はいよいよ頼りにならない。魔使いがいない間に牧師さんは殺されちゃうし。トムはかあさんが残してくれたトランクの鍵を三つとも渡す約束をしちゃうし。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『トゥルビンとメルクリンの不思議な旅』作、小峰書店  <児童文学>
 《12/5読了》これは児童文学だろうか? 児童図書館研究会東京支部11月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『ベンガルトラの森へ』門田修作、理論社  <児童文学>
 《12/4読了》作者がベンガルに行ったときの体験に基づいているらしいが、ノンフィクションで書いた方がよかったのでは。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『スパイガール3 セレブ警護!』アリー・カーター作、理論社  <児童文学>
 《12/2読了》父親が上院議員のメイシー。その父が副大統領候補に立候補したので、遊説についていき笑顔で手をふらなければならない。メイシーの支えになるため呼ばれたカミーは、あるホテルの屋上でヘリコプターで来た誘拐犯を撃退。学校に戻ったメイシーには24時間護衛がつくが、なんとその人はカミーのアビーおばさんだった…。深刻一辺倒じゃない語り口がいい。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『無人島の冒険』ロン・ロイ作、国土社  <児童文学>
 《11/25読了》以前に『炎の無人島』というタイトルで出版されていた作品。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『 (りょく) 瑠璃の鞠(まり)』 久保田香里作、岩崎書店  <児童文学>
 《11/17読了》人の心から辛い思いや嫌な記憶を吸い取る緑瑠璃の鞠は、鬼の宝物。ひとりぼっちの女の子は小鬼からそれをもらった。何年か後、京の都に夜盗「闇の疾風(はやて)」が出没。零落した貴族の夏姫に仕える女の童わかぎは、主のおっとりさにいらだちながら、何もできないでいた。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『グリム姉妹の事件簿 事件のかげに大男あり』マイケル・バックリー作、東京創元社  <児童文学>
 《11/2読了》おばあちゃんだと言うレルダに引き取られたサブリナとダフネの姉妹。死んだと聞いていたのに、なんで両親が失踪してから一年もたってから名乗り出たのか。おまけに妖精だの魔法だのうさんくさい。サブリナは信じようとしないが、目の前でお祖母ちゃんが乗った車を大男がさらっていった! 児童図書館研究会東京支部12月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『黒魔女コンテスト』エヴァ・イボットソン作、偕成社  <児童文学>
 《10/30読了》魔女や魔法使いは生まれたときから歯がはえそろっていて、泣いても涙が出ないらしい。「黒い」魔法使いアリマンは、魔法使い稼業に疲れて引退を決意。後継ぎを得るべく結婚相手を魔女コンテストで選ぶことに。最も「黒い」魔法を使った者を妻にする、という勝負に、アリマンに一目惚れした白魔女ベラドンナも参加。この設定だけでも笑えるのに、秘書のリードベター氏や召使いのレスター、7人の魔女たちそれぞれが滑稽。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『消えちゃったドラゴン』パトリシア・C. リーデ作、東京創元社  <児童文学>
 《10/16読了》〈魔法の森2〉。今度は王子様が主人公。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『キャットと魔法の卵』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作、徳間書店  <児童文学>
 《10/10読了》『魔女と暮らせば(魔女集会通り26番地)』の1年後の設定。クレストマンシー城のまわりの村には、実は三つの魔女の一族が住んでいた…。それは「地気」の力という、違う系統の魔力で、キャットにも備わっているらしい。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『日曜日島のパパ』ペッテル・リードベック作、岩波書店  <児童文学>
 《10/6読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『ひとりっ子エレンと親友』ベバリー・クリアリー作、学習研究社  <児童文学>
 《9/24読了》エレンは、おかあさんから寒い季節に着せられるケイトの長い下着が大嫌い。こんなみっともないもの学校中で自分しか来ていないに違いない。おまけにバレエ教室のとき、練習着の下でズルズル落っこちていくし…。クリアリーは、よっぽどこの下着で苦労したに違いない。女の子の心理がよく描けているのはもちろんだが、いやもう人に言えない苦労が手に取るようにわかる。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『獣の奏者 完結編』上橋菜穂子作、講談社  <児童文学>
 《9/22読了》口伝えの伝承は思いがけない死で途切れ、言葉や文字による伝承は、変化とともに伝わらなくなる。記録文書は火事で焼ける。危険を承知で、王獣と闘蛇を戦わせるエリン。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『ひとりたりない』今村葦子作、理論社  <児童文学>
 《9/20読了》おねえちゃんが突然の交通事故で死んだ。おとうさんもおかあさんも茫然自失だし、弟は一言も口をきかなくなり、おねしょもするようになった。こういうSOSを出せるおばあちゃんがいるといいが。児童図書館研究会東京支部9月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『獣の奏者 探求編』上橋菜穂子作、講談社  <児童文学>
 《9/19読了》そのまま「残った人」たちに王獣と闘蛇の秘密を聞きに行けるとよかったのに。東の国が何年も前に闘蛇使いをさらい、既に軍勢を持っているかもしれないという中で、エリンはやむなく、王獣を武器として訓練し始める。エリンのやんちゃな息子があぶなっかしい。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『ルルと魔法のぼうし』スーザン・メドー作、徳間書店  <児童文学>
 《9/19読了》魔法の帽子の中に、後先考えずに入ってしまうルルだが、いたずらっ子アールのせいで帽子の世界は大混乱。ルルは前向きな性格で運命を切り開く。素直に楽しめる作品。児童図書館研究会東京支部9月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『バレエをおどりたかった馬』ハーラル・ストルテンベルグ作、福音館書店  <児童文学>
 《9/17読了》豚やニワトリたちと田舎で静かに暮らしていた馬は、道案内した旅のバレエ団がお礼に見せてくれたバレエのとりこになってしまう。とうとう町のバレエ学校に入ろうと決心。下宿先を見つけ、バレエ学校に入学(お金はどうしたのかな?)。練習に励む日々。「馬がバレエを躍る」という設定は噴飯ものだが、物語はたんたんと進み、ついに卒業の日を迎える。いや〜馬がバレエを躍れるようになるんですね。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『トレッリおばあちゃんのスペシャル・メニュー』シャロン・クリーチ作、評論社  <児童文学>
 《9/16読了》親友のベイリーは目が不自由。何でもいっしょに遊んできたのに小学校は別々に。点字を独力で覚えたのも役に立ちたいと思ったのに、嫌がられてしまった。このおばあちゃんは料理の合間に自分の子どもの頃の話をしてさりげなく考えさせる。1章がすごく短くて読みやすいがシャロン・クリーチだと思うとちょっと物足りない。児童図書館研究会東京支部10月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『秘密の道をぬけて』ロニー・ショッター作、あすなろ書房  <児童文学>
 《9/14読了》「秘密の道」とは、南部からの逃亡奴隷を無事にカナダへ逃がす「地下鉄道」のこと。アマンダの家はその「駅」だった。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『天才少年ダンボール博士の日記』フランク・アッシュ作、ポプラ社  <児童文学>
 《9/10読了》なんでも子ども部屋のガラクタで発明しちゃう、天才少年。宇宙船までダンボールとガムテープなどで作ってしまう。なんで宇宙旅行に行くのかと言えば、弟がうるさいから。かるーく楽しめます。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『おどるキノコ イカタケのひみつ』吉見昭一作、岩崎書店  <児童NF>
 《9/9読了》キノコを愛する著者が珍しいイカタケを観察した記録。いや〜変なキノコがあるものです。白い足のような、かさにあたる部分がだんだん開いていく様が躍っているようなので、この題名らしいが、足の部分が上向きに伸びた段階では、本当に烏賊が地面から生えているよう! しかも、開ききった中心から腐ったような臭いを出して蠅を呼び寄せて胞子を運ばせるという。観察も夜中から夜明けとかで、お仕事の合間に睡眠不足で記録したとか。品切れですが、名著です。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『ゴーストアビー』ロバート・ウェストール作、あかね書房  <児童文学>
 《9/6読了》かあさんが死んでから無気力なとうさんを支えていたマギーは、古い修道院アビーの改築の仕事を引き受けさせた。ところがそのアビーでは、直していないベルがなったり、マギーにしか見えない幽霊が出たりする。ウエストールらしいゴースト・ストーリー。建物の再生と家族の再生を重ねて描く。児童図書館研究会東京支部6月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『海の島 ステフィとネッリの物語』アニカ・トール作、新宿書房  <児童文学>
 《8/28読了》ステフィ(ステファニー)12歳とネッリ(エレノア)7歳・シュタ イナー姉妹はナチの弾圧から逃れてオーストリア・ウィーンからスウェーデ ンの離島にやってきた。スウェーデン語もわからない、いじめっ子はいる中 で六年生の学年を優秀で卒業。ただしメルタの家は漁師で、中学へ行かせ るお金はないという。父と同じ医者になるのが夢だったステフィは失意の夏を迎える。4部作の第一作。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ササフラス・スプリングスの七不思議』ペティ・G. バーニィ作、評論社  <児童文学>
 《8/15読了》ミズーリ州ササフラス・スプリングスには何もない。ぼく、エベン・マカリスターは地理で最高点のほうびに先生からもらった世界の七不思議の本に夢中。父さんにササフラス・スプリングスで七不思議を見つけたら、コロラド州のいとこを訪ねる切符をかってやろうと言う…。のこぎりって本当に奏でられるのかな?
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 6/24朝日32面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ミラート年代記 2』ラルフ・イーザウ作、あすなろ書房  <児童文学>
 《8/10読了》カメレオン人のカグアンは海に沈んだ魔剣「悲痛」を呼び戻し、鍛え直すためにスサンに旅立った。「シリリムの双子」は魔剣がマゴスの手に渡る前に阻止しようと旅立つ。しかし、この期に及んでもエルギルとトウィクスはけんかをしている。マゴスとの戦いでトウィクスがいなくなる。死んでしまったのだろうか?
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『プリンセス・アカデミー』シャノン・ヘイル作、小学館  <児童文学>
 《8/7読了》タイトルから軽そうな学園少女小説かと思ったら、大間違い! さすがニューベリー賞オナー作品だけあります。読むと、「勇気」がもらえます。私でも、「地の塩」になれるかも…! この分厚さにためらっている人がいたら、心配なし! 児童図書館研究会東京支部9月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『スカルダガリー 2』デレク・ランディ作、小学館  <児童文学>
 《8/5読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『きっとどこかの空の下で』三輪裕子作、小峰書店  <児童文学>
 《7/30読了》主人公は27歳の千絵。イギリスのバンベリーに「マザーグース」の取材に来ているフリーライター。という書き出しで、思わず読んでしまった。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ミステリアス・セブンス 封印の七不思議』如月かずさ作、岩崎書店  <児童文学>
 《7/28読了》第7回ジュニア冒険小説大賞受賞作。挿絵の佐竹美保で得しているか。マーヒーの『ポータブル・ゴースト』に少し似ている。主人公は、小六の男の子ガオ。幼なじみの女の子に、学校の七不思議調査に強引に引き込まれる。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『地下牢の幽霊』アンソニー・リード作、評論社  <児童文学>
 《7/20読了》殺された男をモデルにした、ろう人形館の地下室で、サージ元大尉は深夜、うり二つの幽霊を目撃。ベイカー少年探偵団のウィギンズたちはサージの見たものをつきとめようと地下室に乗り込み、双子の兄弟マレーと突き詰める。ロシアから亡命してきた革命家とロシア秘密警察オフラナの手先。マレーを裏切ったのは誰か。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『建具職人の千太郎』岩崎京子作、くもん出版  <児童文学>
 《7/20読了》横浜・鶴見の建具屋「建喜」に、千太郎が奉公に行ったのは数えで七つの文化十年(1813)。十歳になって、修行の一歩目のかんなかけを始める。この時代、庶民は「机」というものを見たことがない。机の脚と天板は「地獄ほぞ」という、釘を使わないやり方でつなぐ。この仕事が小僧卒業制作で、やっと弟子入りとなる。児童図書館研究会東京支部8月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『天山の巫女ソニン 5 大地の翼』菅野雪虫作、講談社  <児童文学>
 《7/13読了》これで完結。沙維(サイ)に巨山(コザン)のイェラ王女がやってくる。最初は警戒していた王子たちも、イェラが美人なのでご機嫌取り。ソニンは、イェラが美しい化粧を「必要だった」と言っていたことを思い出す。社交辞令に終始していたが、最後の宴会で酒席にまぎれて「沙維には王子が無駄に多すぎる」と発言、王子たちの執着を切る。しかもその晩、ソニンに言うともなく「巨山王は夏の戦にこりたから冬に攻める」とつぶやいて去る。若いのに、海千山千のイェラ王女に比べ、ソニンが仕えるイウォル王子のキャラがちょっと弱い。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『オックスフォード物語 マリアの夏の日』ジリアン・エイブリー作、偕成社  <児童文学>
 《7/5読了》1875年5月、11歳のマリアは、両親を早くに亡くしてルシア大伯母さんに育てられていたが、寄宿学校に入れられ4週間たったところで耐えられずに逃げだした。まだ女性の高等教育が一般的でなかった時代。作者は『がんばれウィリー』(1971)でガーディアン賞。久々の神宮輝夫訳。「オックスフォード物語」はこの後「チャールコート屋敷の侵入者たち」(1958)「トマスのいないジェイムズ」(1959)「ゾウ戦争」(1960)と続く(全て未訳)。児童図書館研究会東京支部8月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『復讐の誓い 〈クロニクル千古の闇5〉』ミシェル・ペイヴァー作、評論社  <児童文学>
 《7/5読了》アザラシ族の義兄弟ベイルが「魂喰らい」のシアジに殺された。一緒に見張りにつくはずだったが、トラクは、ベイルがレンに求婚するつもりだと聞いて一人で行かせてしまったのだ。「復讐の誓い」をたてトラクはシアジを追って「深い森」へ。母の一族アカシカ族の魔導師デュレインは、トラクの母が息子の過酷な運命を知り、命とひきかえに万物の精霊に願い、トラクに「精霊渡り」の力を授けたと教える。次が最終巻。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『みにくいおひめさま』フィリス・マッギンリー作、瑞雲舎  <児童文学>
 《6/28読了》学習研究社1968年刊の改訂再刊。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『グリーンフィンガー 〈約束の庭〉』ポール・メイ作、さ・え・ら書店  <児童文学>
 《6/23読了》これも庭が人を癒す話の一種。児童図書館研究会東京支部8月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『湖のほとりの小さな町』シーリア・ウィルキンズ作、福音館書店  <児童文学>
 《6/20読了》キャロラインは、イライシャ伯父さんの申し出で、町に出てミルウォーキー女子大学に進学。おじさんは『ミルウォーキー・ウィークリー・レジスター』という新聞社を経営。家には女中もいる。洗濯も皿洗いもやらなくていい。お湯の出る蛇口、ガスランプ、荷物用エレベーター。マーガレットおばさんは植字工として働いている。レストランでの外食、安息日である日曜日のピクニック・ランチ。全てが初めてのことばかり。大学では英文学と数学、歴史と地理、家政学と美容体操を学ぶ。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ピピンとトムトム』たかどのほうこ作、理論社  <児童文学>
 《6/15読了》面白かったけど、一過性。シリーズ化するのかな。児童図書館研究会東京支部7月Text
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『リーコとオスカーともっと深い影』アンドレアス・シュタインヘーフェル作、岩波書店  <児童文学>
 《6/9読了》「深い才能に恵まれた」リーコは、道が覚えられないので、お使いはまっすぐな商店街だけ。ものを考えるのも時間がかかる。でも、連続子ども誘拐犯を見つけたのは、リーコの観察力と行動力。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『RDG 2 はじめてのお化粧』荻原規子作、角川書店  <児童文学>
 《6/6読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『ロジーナのあした』カレン・クシュマン作、徳間書店  <児童文学>
 《6/3読了》作者の母方の祖母はポーランドからの移民の娘だった。墓碑銘の「ロジーナ・チェルヴィスキ」から主人公の名前を借りようとして、「ロジーナ」は「家族」という意味のポーランド語だとわかったと「まえがき」にあった。12歳のロジーナはママを発疹チフスで亡くして孤児になった。シカゴの子ども援助協会は、孤児院に入りきらない孤児たちを西部の里親に預けていた。それにしても12歳の子どもを後妻にしようとする男なんて信じられない。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 5/9赤旗11面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ベルおばさんが消えた朝』ルース・ホワイト作、徳間書店  <児童文学>
 《6/1読了》1953年のアメリカ。炭坑のそばの町で大きくなった12歳の少女ジプシー。五歳のときパパが死んだ。ママは町で一番の美人。最近、新聞社の編集長ドットソンさんと再婚した。ある日、山奥の炭坑夫と結婚した、ママの妹のベルおばさんがいなくなった。朝早くて寝間着のはずなのに洋服も靴も残っている。車もある。おばさん失踪の謎とジプシーの悪夢は関係があった。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 4/22朝日29面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『魔法の館にやとわれて』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作、徳間書店  <児童文学>
 《5/21読了》クレストマンシー少年時代のエピソード。イギリスがヨーロッパと陸続きらしい。誰かが金儲けのために、しょっちゅう「変化」をおこしているため、世界が非常に不安定になっていた。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『風の館の物語3』あさのあつこ作、講談社  <児童文学>
 《5/13読了》風の館をほしがっている邪悪な存在。洵は街で茶色づくめの服の顔のない男に会う。千夏の父・千昭が、大晦日の朝に突然帰ってきた。ことばたくみに人の暗い記憶や醜い考えをかき立てる。何かが襲いかかってきたところで「続く」。この手法は『6』と同じ。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『ドラゴン・キーパー 紫の幼龍』キャロル・ウィルキンソン作、金の星社  <児童文学>
 《5/11読了》ピンは幼い紫色の竜ロン・カイデュアンを泰山で育てていたが、ようやく姿変えを始めた頃、ネクロマンサーに見つけられ、井戸に隠れて何とか逃れる。ピンが竜守りの血筋を調べに行くと言ったのは家族を探しに行きたかったから。でも自分を用済みにする男の子ジュンを見つけただけ。おまけにユイ夫婦はピン「萍」の名前を記した木簡を読めなかった。第2巻も波瀾万丈、ピンは竜を守れるのか。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『あたしが部屋から出ないわけ』A.クーテュール作、文研出版  <児童文学>
 《5/8読了》フランスの作品。9歳の少女リュシーは、おばあちゃんがなくなってから、おとうさんと再婚相手イサベルと暮らしている。おとうさんはおばあちゃんが住んでいた所の近くのサマーキャンプに行かせようとするが、リュシーはその日からストライキに入る。何を聞かれてもドアを開けず、「いやだ」としか応えない。食事は誰もいないときに台所ですます。おとうさんのリュシーへの対応がかたくななのに対し、義母のイサベルは柔軟。初めは夫とリュシーだけの問題と思って口を出さないあたりがフランス的か。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 2/21読売夕刊10面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『スパイガール 2 男子禁制』アリー・カーター作、理論社  <児童文学>
 《5/3読了》。15歳で10年生の「カメレオン」ことキャメロン・モーガン、通称カミーたちのギャラガー・アカデミー(スパイ養成女子校)に、男子の交流学生がやってきた。ブラックソーン男子校から来たザックがカミーにからむ。ザックは尾行されないで時間内に所定の場所までたどり着くという抜き打ち試験の時、カミーがまいたと思った相手だった。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『おばあちゃん、ぼしゅう中!』アーニャ・トゥッカーマン作、徳間書店  <児童文学>
 《4/22読了》ベルリンに住む10歳のシュテフィにはおばあちゃんがいない。ママは自分の母親とつきあいをやめ、パパにはあったこともない。近所の友だちは放課後、塾やおばあちゃんの家に行く。暇をもてあまし、自分で考えろと母親から言われて新聞広告に「おばあちゃん募集」を出す。シュテフィがゲットーのこともヒトラーのこともほとんど知らないらしいことが不思議。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ぼくだけの山の家』ジーン・クレイグヘッド・ジョージ作、偕成社  <児童文学>
 《4/22読了》『狼と暮らした少女ジュリー』の作者。サムは6人兄弟の家を出て、曾祖父が購入したキャッツキル山地の放棄された開墾地で一人暮らしを敢行。大きなベイツガの木のウロを焼いて広げ、家にする。魚だけでは栄養不足になると思い、ハヤブサのヒナを手に入れて「フライトフル」と名づけて猟を仕込む。ペンナイフだけじゃ本当はここまでできないと思うけど、ロビンソン・クルーソーみたいな楽しさがある。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 3/28朝日31面、5/16読売夕刊10面、8/8赤旗11面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『黒ねこ亭でお茶を』長井理佳作、岩崎書店  <児童文学>
 《4/17読了》四年生のマリコは亡くなったおばあちゃんの家に引っ越してきた。おばあちゃんの庭が大好きで、夢でおばあちゃんが「この庭にはおもしろいことがたくさんかくしてある」と言う。お気に入りの場所キイチゴのしげみに言ってみると、「黒ねこ亭」という看板が出ていて、もう十年も前からそこにいるように黒猫が紅茶しか出さない店を出していた。いきなりファンタジーになる。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ふたごの兄弟の物語』上・下 トンケ・ドラフト作、岩波少年文庫  <児童文学>
 《4/16読了》名作『王への手紙』の作者の初期の作品。架空の国(昔のイタリアみたい)に住む、ふたごの兄弟ラウレンゾーとジャコモ。オムニバス短編集の形で子ども時代から世の中に冒険に出ていろいろな体験のエピソードが綴られる。ひとつひとつは面白いが、ちょっと間延びしているか。兄は貴金属細工師フィリポ親方に弟子入り。弟が弟子入りしたのは盗賊のヤノス。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 1/31朝日28面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『マタギに育てられたクマ 白神山地のいのちを守って』金治直美作、佼成出版社  <児童nf>
 《4/14読了》「熊の湯温泉」の旅館の主人、吉川さんは、何代も続いたマタギでもある。山狩りでは、里言葉を使わず、山言葉で話す。山はトマ、クマはイタジ、猿はシネカ、キツネはオナガ。殺すはたたく。乳離れしていない子熊のいる母熊をしとめたので飼うことに。クマが子別れする2年半後、山奥に置いてくるが翌朝もどっってくる。『大きくなりすぎた熊』そっくり。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 1/19産経10面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『雨ふる本屋』日向理恵子作、童心社  <児童文学>
 《4/13読了》ルウ子はお使いの帰り道、雨に降られて図書館で雨宿り。カタツムリを追いかけて図書館の奧へ迷い込み、見たことのない長い通路の先に現われた「雨ふる本屋」の扉。そこに入ると室内なのに雨が降っていて、床には草。店長はドードー鳥のフルホンさん、助手の妖精使い、舞々子さん。この本屋は未刊の物語の種を雨で育てて売っている。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ハンスぼうやの国』バルブロ・リンドグレーン作、あすなろ書房  <児童文学>
 《4/11読了》現代スウェーデンの「プーさん」ということだが、面白くない。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 5/9赤旗11面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『ケストレルの戦争』ロイド・アリグザンダー作、評論社  <児童文学>
 《4/10読了》ウエストマーク戦記 2。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『王国の独裁者』ロイド・アリグザンダー作、評論社  <児童文学>
 《4/5読了》ウエストマーク戦記 1。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 3/14読売夕刊12面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『キャットとアラバスターの石』ケイト・ソーンダズ作、小峰書店  <児童文学>
 《3/31読了》考古学者のカッツゥンバーク教授がパパに残したアラバスターの石は、パンクーの神殿の鍵だった。エジプトの猫神パンクーは、人間を猫に変えるだけでなく、「神聖なるイワシ」を使って猫たちに戦争をやらせていた。アラバスターの石で猫に変身したキャットは、猫たちの戦争に巻き込まれる。面白いけど、一過性の作品。児童図書館研究会東京支部4月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 2/16産経10面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ビーバー族のしるし』エリザベス・ジョージ・スピア作、あすなろ書房  <児童文学>
 《3/24読了》『からすが池の魔女』『青銅の弓』の作者の作品。主人公のマットは13歳。父が開拓地に残りの家族を連れてくるまでの2ヶ月間、小屋で一人暮らしすることになる。ところが逃亡者にライフル銃を盗まれ、クマに食糧を荒らされ、蜂蜜を取りに行ってひどい目に。彼を手当てしてくれたのは、ビーバー族のインディアン、サクニスだった。ぬぷんから1986年『ビーバーのしるし』犬飼千澄訳として出版された本の新訳。児童図書館研究会東京支部4月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 2/28朝日29面、3/14赤旗11面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『ドリーム・ギバー』ロイス・ローリー作、金の星社  <児童文学>
 《3/22読了》同じ作者の受賞作『ザ・ギバー』と関係ある内容かと思ったら、全く違った。「ドリーム・ギバー」とは、何か妖精のような感じの、人間に夢を送る存在だった。夢=よい記憶が人間の力になることをファンタジーで表現したいようだが、あまり成功していない。児童図書館研究会東京支部4月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『プーカと最後の大王(ハイ・キング) 時間のない国で2』ケイト・トンプソン作、東京創元社  <児童文学>
 《3/17読了》山羊の姿をしたプーカは、実は妖精族より古い神の化身で、この地球を作ったらしい。人間があまりに増えて、再び浄化したいと思っている。前作『時間のない国で』の主人公JJは、既に4児の父。フィドル制作者として暮らすはずだったが、演奏旅行で世界各地を飛び回っている。今回はその次女ジェニーが主人公。妖精との取引は慎重にやらないと。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『氷の心臓』カイ・マイヤー作、あすなろ書房  <児童文学>
 《3/17読了》始まりは、雪鷲に化けた女魔法使いタムシンが雪の女王の氷の心臓のかけらを盗み出して、いかにも魔法がらみの事件が起こりそうでワクワクするのに、すぐ1893年のサンクトペテルブルクの古いグランドホテルに住むメイドボーイ、マウスの話になって、なかなか話が見えてこない。無政府主義者による革命とか人間を搾取しては放り出す雪の女王とか。七つの門の封印とか、トナカイを変身させた少年エルレンとかいろいろ面白い細部はあるが、少々詰め込み過ぎか。児童図書館研究会東京支部3月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『ルール!』シンシア・ロード作、主婦の友社  <児童文学>
 《3/15読了》キャサリンは、12歳で弟のデービッドは8歳。デービッドは自閉症で、キャサリンはデービッドのために「ルール」を作っている。「食べるときは口をとじます」「なにかもらったときは気に入らなくても「ありがとう」っていいます」「こんにちはってあいさつされたら、こんにちはってあいさつします」「こたえたくないことをきかれたときはぜんぜんちがうことをこたえます」自閉症でなくても有効そう。児童図書館研究会東京支部3月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 3/7読売夕刊10面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ハブテトルハブテトラン』中島京子作、ポプラ社  <児童文学>
 《3/14読了》母の田舎の広島県福山市に二学期だけ転校してきた五年生の大輔。「ハブテトル」とは備後弁で「すねている、むくれている」という意味。福山市松永の町の地場産業である下駄づくりが物語に生かしてある。広島の学校のガキ大将が大輔を気に入ってすぐ仲間に誘ったり、女の子が好きになってくれたり少し具合が良すぎる感じ。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『三つ穴山へ、秘密の探検』ペール・オーロフ・エンクイスト作、あすなろ書房  <児童文学>
 《2/24読了》児童図書館研究会東京支部3月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『リンゴの丘のベッツィー』ドロシー・キャンフィールド・フィッシャー作、徳間書店  <児童文学>
 《2/23読了》なかなかよかった。9歳のベッツィーは、パットニー農場に来て、当然のように、お手伝いや自分ですることを求められ、考えるようになる。特に、口数の少ないアンおばさんならどうするだろう? と考えて、窮地を切り抜け、たくましくなっていく。児童図書館研究会東京支部2月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『かりんちゃんと十五人のおひなさま』なかがわちひろ作、偕成社  <児童文学>
 《2/17読了》久々に読んで嬉しい新刊。ひなまつりの本の定番になってほしい。児童図書館研究会東京支部3月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 1/31朝日28面、2/14赤旗11面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『ケンケンとムンムン』なんぶかずや作、福音館書店  <児童文学>
 《2/16読了》全然面白くない。『ねこのタクシー』の人の作品とは思えない。南の島の「妖精」というケンケンとムンムンを、田島征三が勢いあるイラストで描いているが、却ってイメージを限定してしまっているように思う。児童図書館研究会東京支部2月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『牛追いの冬』マリー・ハムズン作、岩波少年文庫  <児童文学>
 《2/14読了》オーラは11歳になって町の学校に通っている。マルタはまだ6歳で学校へ行かなくていいのにインゲリドと一緒に行くことに。こちらには瀬名恵子の後書きがついている。5人兄弟の総領だったのでオーラの気持ちがよくわかるとのこと。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『小さい牛追い』マリー・ハムズン作、岩波少年文庫  <児童文学>
 《2/12読了》10歳のオーラと8歳のエイナールは、今年の夏は牛追いの仕事をする。ランゲリュード農場は、夏になると、近所の牛や山羊を預かって山の牧場に放牧するのだ。ノルウェーの古典的作品。中川李枝子の後書きがついている。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『美しいハンナ姫』マリア・ケンジョジーナ作、岩波少年文庫  <児童文学>
 《2/12読了》ポーランドの昔話を元にした短編集。表題作は、どんな王子の求婚も断わっているハンナ姫が、かしこい王子が化けた下働きの持っている宝石にひかれて近づくが、その男に恋してしまい、駆け落ちして、王子の城の下働きになる。一種のじゃじゃ馬ならし。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『青銅の弓』E. G. スピア作、岩波書店  <児童文学>
 《2/8読了》むかーし読んだがだいぶ忘れていた。イエスが布教し始めた頃のイスラエルのガリラヤ人の青年、18歳の鍛冶見習いダニエルが主人公。両親をローマ兵に殺された後、鍛冶屋の7年間の徒弟に出されたが、逃亡して山賊ロシュの所にいる。気にかかるのは、村に残してきたおばあと妹のレア。山にやってきたラビの息子、ヨエルと双子の妹マルテースに消息をたずねる。ダニエルは、ロシュが、ローマからイスラエルを解放する勇者だと信じているが…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ふたご桜のひみつ たそがれ団地物語』たからしげる作、岩崎書店  <児童文学>
 《2/6読了》優人が古い団地で出会った桜子という女の子は、花の咲かない桜の古木の化身だという。団地ができたときには、嵐子という姉と2人で見事な花を咲かせていたのに駐車場拡張のため、嵐子は切られ、桜子は移植されてから咲かなくなった。桜伐採反対をした家族がかつて住んでいた空き家で、優人に過去の風景を見せるタイムトリップの手法は少々強引。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『病気の魔女と薬の魔女』岡田晴恵作、学習研究社  <児童文学>
 《2/6読了》けっこう面白かった。新型インフルエンザ流行の危険を広く知らせるため、ウイルス学者の著者が、新米の薬の魔女ローズを主人公に、魔女の戦いとしてお話にした作品。薬の魔女のファーマ先生とカビの魔女アン先生の所で修行中のローズは、ワクチンの魔女ワッカ先生の所に見習いに出される。病気の魔女たちは、ワルプルギスの夜に、最近大疫病が起こせていないことを憤慨し、疫病の当番を決め、協力し合うことを決議。これを読めば、「知識のワクチン」は手に入る?!
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 1/26産経10面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『ラッキー・トリンブルのサバイバルな毎日』スーザン・パトロン作、あすなろ書房  <児童文学>
 《2/5読了》カリフォルニアのモハーヴェ砂漠の町ハードパン。人口43人。ラッキー・トリンブルは後見人のブリジットとトレーラーハウスに暮らしている。ラッキーが八歳のとき、母親のルシルは嵐の翌朝、電線を踏んで感電死した。そこで離婚していた父親がフランス人の最初の妻ブリジットを呼び寄せた。ラッキーはブリジットがフランスにかえってしまわないか絶えず心配している。それを防ぐためには、自分が世界的有名な科学者になることだと考えている。児童図書館研究会東京支部1月text。2007年ニューベリー賞受賞作か…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ほとばしる夏』J. L. コンリー作、福音館書店  <児童文学>
 《2/3読了》中学生の娘と息子がありながら、「自分がなにものであるか」探しに出奔してしまう父。そんな父を帰ってくると信じる15歳の娘シャーナ。夏の間、知り合いの山小屋で過ごすことになり、そこの川で頑固な「森林管理官」の老人に出会う。これは「川」の物語。釣りやカヌー、川に住むマス、かつて川縁に住んでいたアルゴンキン族…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『魔の山』モーリー・ハンター作、評論社  <児童文学>
 《1/30読了》稀代の頑固者マカリスターが、ペギー・アンと結婚したいと思い、少しでも収穫を増やそうと「いい人の畑」を耕したときから、いい人=「シーSidhe」との戦いが始まった…。結婚した後、息子が生まれたが、ある年、町へ出かけたきり戻らなかった。成長した息子が父を助け出しに行くという時、ペギー・アンはパンを2つに割り、「呪いとともに大きい方をとるか、祝福とともに小さい方をとるか」尋ねる。スコットランドの昔話「赤鬼エティン」とそっくりだ。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『家庭教師りん子さんが行く!』加藤純子作、ポプラ社  <児童文学>
 《1/27読了》毎日小学生新聞連載に大幅加筆したもの。新米家庭教師りん子先生が受け持つ3人の五年生の話。なんかピリッとしない。加筆が効いてない感じ。児童図書館研究会東京支部1月text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 1/5産経15面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『くらやみ谷の魔物』富安陽子作、偕成社  <児童文学>
 《1/23読了》ついに魔物登場。贈り物を受け入れたばかりに、スズナ山の動物は、決して狩られない上に自分の獲物ははずさないようになり、結局エサをとるために隣の山を浸食するハメに。父の神は、スズナ山の生き物は全て殺し、スズナ姫は何百年か監禁するという…。魔物の正体は「しょうそくはっそく、だいそくにそく」という古い水の生きものたちの子守歌から判明する。いや〜ずっと読まなくては、と思っていたが、やっと読めた。いいぞ、スズナ姫!
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『大雲払いの夜』富安陽子作、偕成社  <児童文学>
 《1/23読了》大晦日に降ると決まっている雪は、山神が呼び寄せた雪雲をキツネが尻尾で払って、雪を降らすから…だったのか。山の古木、千年桜の樹が人間に盗まれた。フクロウに「山神のたたり」はどうするか聞かれたスズナ姫は、植木屋の家をツルやツタでしめあげてしまう。山神が緑の指を持っているのは当然か。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『赤姫さまの冒険』パウル・ビーヘル作、徳間書店  <児童文学>
 《1/22読了》オランダの銀の石筆賞受賞作品。12際の誕生日までお城の外に出なかったお姫さまが、初めてのパレードで3人の盗賊に誘拐される。自力で脱出した赤姫さまは行く先々で本物とは信じてもらえずにスープを作ったり皿洗いをしたり。一方、赤姫さまを目撃しなかった酒場の客たちは、本当はそんな姫はいないんだから、偽物をしたててお城に連れて行けば、金銀のほうびがもらえるとたくらむ…。幼年文学『たのしいゾウの大パーティー』の作者の風刺的な作品。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『つる姫』阿久根治子作、福音館文庫  <児童文学>
 《1/18読了》戦国時代、瀬戸内海のの大三島を守る大祝(おおほうり)家に、姫が生まれた。父は娘の生まれる前夜、竜神が女神に化身する夢を見、娘がその女神にそっくりなことを知る。つる姫と名づけられ、兄たちのすることを自分も望み、父は夢のこともあり、弓矢や学問を手ほどきした。周防の大名、大内氏は何度も大三島を攻めてくる。つる15歳のとき、味方だった因島の村上水軍が大内家についた。城主・次兄の戦死。とうとう、つるが城主に。こんなところに雄々しい姫がいた、という骨太の歴史物語。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『せせらぎのむこうに』シーリア・ウィルキンズ作、福音館書店  <児童文学>
 《1/14読了》ローラの母キャロラインの子ども時代のシリーズ「クワイナー一家物語」久々の続刊。前の作品から2年後か? キャロライン11歳。おかあさんがホルブルックさんと再婚し、コンコードヒルでの生活も3年目で豊作に恵まれる。川べりで日曜日なのにバイオリンを弾いている男の子に会う。これが新しくイリノイから来たチャーリー・インガルス。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『なまけものの王さまとかしこい王女のお話』ミラ・ローベ作、徳間書店  <児童文学>
 《1/13読了》ナニモセン五世は、落ちた冠を拾うのまで333人の家来にやってもらっているうちに、病気になってしまう。ピンパーネッラ王女は、王家のものにしては落ちつきなく、お城充走り回っては、お父さんを外に連れ出そうとしたり、活動的。お医者さんも魔女も役立たず、王女が助けを求めた羊飼いの少年のおじいさんの特効薬とは?
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『時間をまきもどせ!』ナンシー・エチメンティ作、徳間書店  <児童文学>
 《1/10読了》ぼくことギブ・フィニーは3週間前に、近くの森で変な老人から「パワー・オブ・アン」という機械をもらった。「間違いをやり直せる」機械だと言う。6歳の妹ロキシーが犬を追いかけて、トラックにはねられて意識不明の重体に。ギブは「パワー・オブ・アン」を試してみる…。人生、記憶が残ったままやり直せることはない。どうするのが一番よかったのか、作者は読者によくよく考えて行動せよ、と言いたいのか。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 12/1産経11面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『トランプおじさんとペロンジのなぞ』たかどのほうこ作、偕成社  <児童文学>
 《1/9読了》哲学者のトランプおじさんと飼い犬のイルカーネポポラーレが探偵と助手になり、モグラの新聞『もぐらクラブ』の活字が消える謎を追う。たかどほうこにしては少し理屈臭い。巻末に、ホネホネさんの挿絵画家にしむらあつこの「どうぶつ文字あいうえお表」あり。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ジャングルのジャランジャラン』さとうち藍作、旺文社  <児童NF>
 《1/8読了》バクが見たくて、マレーシアのジャングルへ。ジャランジャランとは散歩のこと。ジャランは歩くこと。ジャングルの魅力は伝わるが、著者の中学生時代の話から悪夢の話へ飛び、マレーシアへ行けたのがいつのことか時の経過がわからない。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『天山の巫女ソニン 四 夢の白鷺』菅野夏虫作、講談社  <児童文学>
 《1/7読了》前の三巻でようやく三国を紹介し終わり、ここから本編かも。カンナムへの戦災支援が正しく使われているか視察しにイウォル王子が派遣され、ソニンはクワン王子の妹リアンの世話に呼ばれる。さらに台風で追い打ちをうけたカンナムにコザンが食糧による支配をたくらむ。ファンタジーというより国際政治というものの力学がわかりやすく描かれている。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★

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絵本
◆『おいしいおと』三宮麻由子文 ふくしまあきえ絵、福音館書店  <絵本>
 《9/8読了》「おいしそう」に読むのがひと工夫いるが、とにかく舌を滑らかにしないと。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『プアー』長新太作、和田誠しあげ、福音館書店  <絵本>
 《9/8読了》長新太が遺した原稿に、和田誠が色をつけてしあげた作品。犬の体の一部分だけ「プアー」のセリフとともにふくらんだり伸びたり。意味不明だが(いつも意味不明だし)、子どもは「プアー」の音で楽しむので、だいじょうぶ。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『おかえし』村山桂子さく、織茂恭子え、 福音館書店  <絵本>
 《2/15読了》キツネのおくさんが引っ越しのあいさつにつんだイチゴを持ってきた。タヌキの奥さんはおかえしにほりたてのタケリコを持って行った。するとまた、キツネのおくさんが「おかえしのおかえし」にやってきて…キリなし話なのかと思ったら、ちゃんとオチがついた。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『なにをかこうかな』マーガレット & H. A. レイ作、文化出版局  <絵本>
 《2/15読了》うさぎのビリーが絵を描いていると…犬やあひるやヤマアラシ、ふくろう、ゾウまでやってきて、みんな自分に似た所を描き足すものだから、へんてこな「あひるいぬ」か「ぞうねずみ」みたいな絵になってしまう。「おさるのジョージ」のレイ夫妻の楽しい絵本。だんだんヘンテコな絵になっていくのが、吹き出すほどおかしい。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『かじってみたいな、お月さま』アッシュ作、評論社  <絵本>
 《2/15読了》クマとコトリが「お月さまはおいしいか」で意見が分かれる。弓矢で撃ち落とそうとするがダメ。クマはロケットを作り始めるが、夏が終わり、コトリは南へ。冬になって完成したロケットに乗り込んだクマは、秒読みしながら…クマが眠っちゃうのは、予想がついたけど、このオチには、なるほど。
 アマゾン書店のリンクは、原作Mooncakeのもの。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま』イ・ヨンギュン作、福音館書店  <絵本>
 《2/14読了》韓国の絵本。縫い物の上手なあかてぬぐいのおくさんのお針の七つ道具たちが、自分が一番重要だと理由を上げて主張する。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『おやすみみみずく』パット・ハッチンス作、偕成社  <絵本>
 《2/13読了》みみずくが木のうろで眠ろうとすると、いろいろな鳥たちがやってきて、なかなか眠れない…。最後、寝不足みみずくがどうするかと思ったら、飛び出してきて威勢よく「ぶっきょっこーぶっきょっこー」と鳴いたのはちょっとびっくり。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『仔牛の春』五味太郎作、リプロポート  <絵本>
 《1/19読了》「春がきます」「雪がとけます」で仔牛の背中に黒い模様。「土が顔をだします」で黒い部分が増える。「草が芽をふきます」で仔牛の背中はなんと大地だった…! ボローニャ国際絵本原画展入賞作品。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★

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ヤングアダルト
◆『少年少女飛行倶楽部』加納朋子作、文藝春秋  <YA>
 《12/28読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)] 6/13読売夕刊10面  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『反撃』草野たき作、ポプラ社  <YA>
 《11/21読了》5人の中学生を主人公にした短編集。本人の一人称でメインストーリーが語られ、後日譚が三人称で付いている。前の作品の主人公や次の作品の主人公が後日譚に出てきてつないでいる。グループに属さないでいることや母のコンプレックスが本人と従姉妹に覆いかぶさっているとか都会や外国に憧れて現実逃避したり、危うい中学時代の生きのび方が各人各様に描かれている。東京支部11月Text。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『たまごを持つように』まはら三桃作、講談社  <YA>
 《7/30読了》『武士道シックスティーン』の弓道版という感じ。主人公は、中2の早弥。中三の夏の大会までを描く。剣道なら素振りというところを弓道では、「素びき」という。タイトルは、弓を持つ左手の感覚を「握卵」と言うところから。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『武士道セブンティーン』誉田哲也作、文藝春秋  <YA>
 《4/7読了》早苗が転校した福岡南高校には、二年前、香織が全中決勝で負けた黒岩レナがいた。そこの剣道部は、勝つためには手段を選ばない。レナは元々フェンシングをやりたかった。ルールぎりぎりならなにをしてもよいという考えに早苗は疑問を持つ。香織の言っていた「武士道」が必要なのではと思うが説明できない。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆

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SF
◆『軌道上の戦い』エリザベス・ベア作、ハヤカワ文庫SF  <SF>
 《6/20読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『竜と竪琴師』アン・マキャフリイ作、ハヤカワ文庫SF  <SF>
 《2/14読了》竪琴師の長ロビントンの子ども時代から若き日を描いた作品。竜騎士でもないのに竜の声が聞けたり、作曲師の父ペティロンからは、不当な扱いを受けたり。歌唱師の母メレランは憤慨しながらも、ロビーの才能を育む。ロビントンには、新婚で亡くした妻がいたとは知らなかった。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★

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ファンタジー
◆『黒衣の女王』<グイン・サーガ126> 栗本薫作、ハヤカワ文庫JA  <ファンタジー>
 《12/20読了》イシュトヴァーンの求婚にリンダはぐらっとしそうになる。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ガーゴイルの誓い』<魔法の国ザンス18> ピアズ・アンソニイ作、ハヤカワ文庫FT  <ファンタジー>
 《11/26読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『コブの怪しい魔法使い』シャンナ・スウェンドン作、創元推理文庫  <ファンタジー>
 《11/15読了》ケイティは、「魔法製作会社」最強の魔法使い、オーウェンの弱点になりたくなくて、せっかく相思相愛の仲になったのに、故郷のテキサスの田舎町コブに帰郷。それなのに、町に一軒のモーテルの窓ガラスが割れずに消え失せたり、町庁舎の建物の飾りが動いたり、スーパーから出てきた人たちが躍ったり、変な事件が続々と起こる。とうとうネット上に通信魔法使い養成講座を発見したので、本社に連絡すると、ガーゴイルのサムに続いてオーウェンもやってきたから、家族たちは大騒ぎ。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『天翔の矢』マーセデス・ラッキー作、中央公論新社C★NOVELS Fantasia  <ファンタジー>
 《10/30読了》「ヴァルデマールの使者」3部作完結編。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『チェンジリング・シー』パトリシア・A. マキリップ作、小学館ルルル文庫  <ファンタジー>
 《10/13読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『茨文字の魔法』パトリシア・A. マキリップ作、創元推理文庫  <ファンタジー>
 《9/28読了》この世界では、図書館が孤児を拾って助手に育てている。ネペンテスもその一人。知られていない文字の解読に才能を発揮している。あるとき魔法使いの城から解読を頼まれた本を司書に持って行くよう頼まれた彼女は、書かれている茨文字に引きつけられ、司書に渡さずに独力での解読にとりつかれる。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『裏切りの月に抱かれて』パトリシア・ブリッグズ作、ハヤカワ文庫FT  <ファンタジー>
 《9/7読了》またしても、現代社会に隠れ住んでいる「フェイ」や「狼人間」や吸血鬼がカミングアウトする物語。主人公は、ネイティブ・アメリカンの血を引く「ウォーカー」。コヨーテに変身する。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『死者の短剣 惑わし』ロイス・マクマスター・ビジョルド作、創元推理文庫  <ファンタジー>
 《7/16読了》話は始まったばかり。普通の農民の世界と、魔術師の一族である「湖の民」がいる世界。「枯死の魔物」である悪鬼がこの世界をむしばんでいる。湖の民は、不死の悪鬼を「死者の短剣」で滅ぼしている。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『レディ・ガンナーと二人の皇子』上・中・下 茅田砂胡作、角川スニーカー文庫  <ファンタジー>
 《6/28読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『牢の中の貴婦人』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作、創元推理文庫  <ファンタジー>
 《6/12読了》ずうっと手紙文なのは、まいった。どうも主人公のエミリーは、現代英国から、違う系列のイギリスに当たる国に来てしまったらしい。その理由や牢から脱出した後の冒険があると思ったら全然説明がない。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『死せる魔女がゆく』上・下 キム・ハリスン作、ハヤカワ文庫FT  <ファンタジー>
 《6/3読了》主人公のレイチェルは魔法使い。普通に吸血鬼だのレプラコーンだのピクシーだのがいるが、パラレルワールドの現代アメリカ。1960年代に致死性ウイルスで人類の大半が死滅し、「異界人」が表舞台に登場し、なんとか共存しているという設定。レイチェルは異界保安局(IS)勤務の調査官だが、仕事に嫌気がさして退職。途端に元上司に命を狙われるハメに。一緒に退職した友人の吸血鬼アイヴィが超優秀な捜査官で、そのせいらしい。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『ヤーンの選択』栗本薫作、ハヤカワ文庫JA  <ファンタジー>
 《5/22読了》グイン・サーガ125。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『ミロクの巡礼』栗本薫作、ハヤカワ文庫JA  <ファンタジー>
 《4/30読了》グイン・サーガ伝124。ヨナがパロを出て、ミロク教徒の巡礼たちとダネイン大湿原を渡り、草原で襲われ、スカールに助けられる。観光編。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『駆け出し魔法使いとはじまりの本』ダイアン・デュエイン作、創元推理文庫  <ファンタジー>
 《3/26読了》一風変わった魔法使い修行。いじめっ子たちから隠れた図書館で見つけた本に魔法使いになる方法が書いてある。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『剣の輪舞』増補版 エレン・カシュナー作、ハヤカワ文庫FT  <ファンタジー>
 《3/15読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『魔術師(マジシャン)ニコロ・マキャベリ』マイケル・スコット作、理論社  <ファンタジー>
 《1/11読了》フラメルが皆を連れて逃れてきたパリで頼ったのは、エンドルの魔女にネットで連絡して教えてもらった昔の弟子サン・ジェルマン。何と妻はジャンヌ・ダルク。ディー博士はパリにいるマキャベリに電話。マキャベリはあのマキャベリで、フランスの対外治安総局の長官になっている。ソフィーの双子の弟、ジョシュはディーに助けられ、「目覚め」をほどこせる者がいるというカタコンベへついていく…。相変わらずのジェットコースター感だが、ディースが呼び出した怪物ニドホグってどんな見かけなのかな?
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★

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ミステリー
◆『ベベ・ベネット、死体を発見』ローズマリー・マーティン作、創元推理文庫  <ミステリー>
 《12/27読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『子猫探偵ニックとノラ 『ジャーロ』傑作短編アンソロジー2』ジャン・グレープ他作、光文社文庫  bk1書評あり <ミステリー>
 《12/14読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ハートブレイク・レストラン』松尾由美作、光文社文庫  <ミステリー>
 《11/29読了》隅の老人のようにファミレスの片隅にすわって、ミス・マープルのように謎解きをする老婦人は実は…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ワタリガラスはやかまし屋』クリスティン・ゴフ作、創元推理文庫  <ミステリー>
 《11/20読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『目撃者は鳥カゴのなか』リンダ・O. ジョンストン作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《11/12読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『エノーラ・ホームズの事件簿 ワトスン博士と奇妙な花束』ナンシー・スプリンガー作、小学館ルルル文庫  <ミステリー>
 《11/5読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『料理人は夜歩く』カレン・マキナニー作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《10/21読了》島に新しく赴任した牧師はハンサムで、親友は「待ち望んでいた相手」だと夢中。宿泊客には、将来自分もB&Bを開きたいとまとわりつく女と、元婚約者がやって来て、ややこしいことに。またもや沼沢地を買い占める開発の話がおこり、土地の一部を所有する女性が、かわいがっていた猫たちを放ったまま不審死。自殺とされかかったが、続けて牧師が殺される。B&Bの屋根裏には、誰もいないのに足音が聞こえる。〈朝食のおいしいB&B 2〉。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『夜ふかし屋敷のしのび足』コニス・リトル作、創元推理文庫  <ミステリー>
 《10/10読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『ジャスミン・ティーは幽霊と』ローラ・チャイルズ作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《10/7読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『かぼちゃケーキを切る前に』リヴィア・J.ウォッシュバーン作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《9/21読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『記憶をなくして汽車の旅』コニス・リトル作、創元推理文庫  <ミステリー>
 《9/12読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『待ちに待った個展の夜に』ジェイニー・ボライソー作、創元推理文庫  <ミステリー>
 《8/31読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『夢見の旅人』ジェイン・アン・クレンツ作、二見文庫  <ミステリー>
 《8/4読了》「レベル5」という明晰夢を見る才能の持ち主イザベルが主人公。SFかなーと思ったが、どちらかと言えば、ミステリだった。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『捜査官ケイト 過去からの挨拶』ローリー・キング作、集英社文庫  <ミステリー>
 《7/27読了》〈シャーロック・ホームズの愛弟子〉シリーズもあるローリー・キングが、もうひとつのシリーズ、捜査官ケイトの被害者にシャーロキアン(イギリスでは、「ホームジアン」と言うそうな)を登場させた。自分でもシャーロキアンなのに、ケイトには、この変人たち、マニアの世界に辟易した態度をとらせるのがおかしい。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『秋のカフェ・ラテ事件』クレオ・コイル作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《7/10読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『数独パズル殺人事件』シェリー・フレイドント作、ヴィレッジブックス  <ミステリー>
 《6/26読了》パズルの魅力にとりつかれたアヴォンデール教授にかわいがられたキャサリンは、教授の遺言でパズル博物館の後継者に指名された。元はアメリカで生まれた「ナンバープレイス」というパズルが日本で紹介されたときに付けられた名前が「数独」。あるマスには、その数字独りしか入らないから、というのが命名の理由。数あるパズル中で、愛好者というか中毒者が多いのはどうしてか。私も好きだが、ナンバークロスも好きだし、今はなき「ケイだけクロス」も好きだったなぁ…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『ディミティおばさま現わる』ナンシー・アサートン作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《6/15読了》読み始めから面白い。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『ペニーフット・ホテル受難の日』ケイト・キングズバリー作、創元推理文庫  <ミステリー>
 《5/26読了》上流の女性が働かないものとされていた1906年のイギリス。ヴィクトリア女王が亡くなってエドワード王の時代。亡き夫が改装した元貴族の屋敷でホテルのオーナーを続けるセシリー。まだ借金が残っているのに、泊まり客の一人が死んでいるのが発見された。しかも週末のパーティー用に借りてきていたニキシヘビが逃亡。果たしてホテルの評判を守り通すことはできるのか。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『赤き死の訪れ』ポール・ドハティー作、創元推理文庫  <ミステリー>
 《5/25読了》「アセルスタン修道士」シリーズ2作目。ロンドン塔に勤務している騎士が、わざわざ用心して避難した寝室で殺された。事前に届いた船の絵の描かれた手紙は何を意味するのか?!
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『チェリー・チーズケーキは演じている』ジョアン・フルーク作、ヴィレッジブックス文庫  <ミステリー>
 《5/18読了》「ハンナ・スウェンセン」8作目。映画のロケがやってきた。末の妹ミシェルが大学で、プロデューサーの助手になったためらしい。映画監督はなかなかの変人で、毎朝ハンナのチェリー・チーズケーキを所望。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『エノーラ・ホームズの事件簿 [2] ふたつの顔を持つ令嬢』ナンシー・スプリンガー作、小学館ルルル文庫  <ミステリー>
 《5/15読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『エノーラ・ホームズの事件簿 [1] 消えた公爵家の子息』ナンシー・スプリンガー作、小学館ルルル文庫  <ミステリー>
 《5/12読了》マンガのようなイラストがついているが、なかなかシビアな出だし。ホームズの時代、女性は、夫が死ぬと長男の指図に従わなければならない。マイクロフト、シャーロック、エノーラの母は、エノーラの14歳の誕生日に家を出た。エノーラが10年ぶりに会った兄たちから聞いたのは母と兄たちの確執。自分も寄宿学校に入れられるとわかったとき、母の誕生日プレゼントが役に立つ。お母さんが家出したのも無理はない。お母さんの暗号好きが楽しい。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『墜落』リンダ・フェアスタイン作、ハヤカワミステリ文庫  <ミステリー>
 《4/19読了》「アレックス・クーパー」8作目。メトロポリタン劇場の通風口に投げ落とされたバレリーナと、オーディションの空中ブランコから落ちた若い女優のことをかけた題名。ニューヨークにかつてモスクがたくさんあったとは。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『スリー・パインズ村の不思議な事件』ルイーズ・ペニー作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《4/2読了》カナダのミステリー。デビュー作らしいが、ガマシュ警視の人物がいい味。引退した小学校の教師が描いた絵のために殺される。隣人のモロー夫妻、カブリとオリヴィエのゲイのカップル、新米の刑事ニコルなど様々な人間模様を描き込んでいるが、ちょっと視点が多すぎると思う。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『猫はチーズをねだる』リリアンJ. ブラウン作、ハヤカワミステリ文庫  <ミステリー>
 《3/18読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ルイザと女相続人の謎』アンナ・マクリーン作、創元推理文庫  <ミステリー>
 《3/5読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『幼き子らよ、我がもとへ』上・下 ピーター・トレメイン作、創元推理文庫  <ミステリー>
 《3/1読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『骨の城』アーロン・エルキンズ作、ハヤカワミステリ文庫  <ミステリー>
 《2/17読了》「スケルトン探偵」13作目。デヴォン・コーンウォール管区にあるシリー諸島警察の訳あり巡査部長クラッパーと部下のロブ巡査のコンビの味がいい。探査犬も細分化されていて、遺体探査犬は、生きている人間の臭跡は終えないとはオドロキ。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『注文の多い宿泊客』カレン・マキナニー作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《1/25読了》アメリカ・メイン州のクランベリー島でB&B「グレイ・ホエール・イン」を経営し始めたナタリー・バーンズ第一作。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『いたずらフェレットは容疑者』リンダ・O. ジョンストン作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《1/22読了》アメリカでは、州によっては、フェレットをペットとして飼うことは法律違反とは知らなかった。よりにもよって、弁護士免許回復のための倫理法試験と重なって、貸している我が家に自動車が突っ込み、違反のフェレットが飼われていることが判明。おまけに続けて、借家人が留守の間に、先日のパーティーで招かれざる客だった男を死体で発見。しかも、死体の首にはフェレットの噛み傷が…。果して真の死因は、そしてケンドラは試験に合格し資格を回復できるのか?
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ジャスミン・ティーは幽霊と』ローラ・チャイルズ作、ランダムハウス講談社文庫  <ミステリー>
 《1/4読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆

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その他の小説
◆『ロング・ドッグ・バイ』霞流一作、理論社  <その他の小説>
 《6/14読了》児童図書館研究会東京支部6月Textだが、子どもの本じゃない。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5)
◆『自由の鐘』ドロシー・ギルマン作、集英社文庫  <ミステリー>
 《5/9読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『マハラジャのルビー サリー・ロックハートのぼうけん1』フィリップ・プルマン作、創元推理文庫  <その他の小説>
 《2/25読了》「ライラの冒険」三部作や、『ぼく、ねずみだったの!』の作者による、冒険少女小説。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★

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小説以外
◆『日本サッカー 世界で勝つための戦術論』西部謙司作、青春新書  <その他>
 《12/28読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『「J」の履歴書 日本サッカーとともに』川淵三郎著、日本経済新聞社  <その他>
 《11/24読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『永遠のサッカー小僧 中村憲剛物語』森沢明夫著、講談社  <その他>
 《11/8読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『笑う食卓』西村淳著、新潮文庫  <その他>
 《11/3読了》『バルサの食卓』に出てきた「南極料理人」が面白そうだったので読んでみた。「楊貴妃の涙」と名づけられた皮なしシューマイとかおいしそう。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『続 実況席のサッカー論』山本浩、倉敷保雄著、出版芸術社  <その他>
 《10/23読了》元NHKのベテランアナ山本さんとスカパー! の倉敷さんの対談本第2弾。山本:オシムは「ベンチからはずれる選手を説得してこい」とコーチに練習させる。…サイドチェンジを蹴らないでショートパスばかりだと出し手の足元を見るので視野が下がり狭くなる。ボールを見る時間が長いとシュートも決まらない。GKやDFを見る時間が減るしプレーが遅くなる。決定力不足はそこに関係がある。…そうだったのか!
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『ジャガイモの世界史』伊藤章治著、中公新書  <その他>
 《8/29読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『すごい本屋!』井原万見子著、朝日新聞出版  <その他>
 《8/5読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★☆
◆『子どもの本は世界の架け橋』イェラ・レップマン作、こぐま社  <その他>
 《7/4読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『今日、有効な戦術が明日、通じるとは限らない』犬飼基昭著、宝島社新書  <その他>
 《7/5読了》現日本サッカー協会会長の本。浦和レッズの社長時代、就任の挨拶をする日、雨が降っていたのでクラブハウスの中に入ったら、何と雨漏りがしていたので、「クラブハウスを建て直す」とその場で約束してしまった。その時は条例のために誰もが無理だと思ったが、実際に立派なクラブハウスを建てて、サポーターの心を掴んだ。おかしかったのは、レッズのサポーターは、今でも、社長はレッズから日本サッカー協会へ出向していると思っていて、「いつ戻ってくるんですか?」と聞くという。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『共感する女脳、システム化する男脳』サイモン・バロン=コーエン著、日本放送出版協会  <その他>
 《6/7読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★★
◆『ファンタジーのDNA』荻原規子著、理論社  <その他>
 《5/11読了》理論社のホームページのウェブエッセイより。小学館の『少年少女世界の名作全集』50巻のうちイギリス編、フランス編、アメリカ編が面白いと発見。中学でナルニア再評価。高校でサトクリフやルグウィン「ゲド戦記」、フランバーズ屋敷。ガーナー、「プリデイン」でケルト神話へ。アメリカ人がウェールズの「マビノギオン」を素材にできるなら古事記を素材に書けるのではと考えた。スサノオを創作に生かすことをすっぱりやめにした途端にできたのが『空色勾玉』。
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◆『サッカー馬鹿、海を渡る リーガ・エスパニョーラで働く日本人』川内イオ著、水曜社  <その他>
 《5/7読了》…。
新聞書評[太字は記名書評(それ以外は短文紹介)]  評価 (黒星3つで満点。白星は0.5) ★☆
◆『金メダルシューズのつくり方 "世界のミムラ"が明かすシューズ職人の哲学』三村仁司著、情報センター出版局  <その他>
 《4/24読了》1948年生まれ、兵庫県出身の著者は、高校時代陸上の選手だった。製造課に5年、研究所で素材の研究3年を経て、別注シューズの開発担当に。君原健二、ショーター、瀬古、ロサ・モタ、谷口、森下、エゴロワ、有森、高橋尚子…。テニスの沢松奈生子、野球の新庄など、あらゆる靴を開発。せっかくよかれと思っても、選手がはいてくれないことも。
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◆『サッカーロマン主義』信藤健仁著、出版芸術社  <その他>
 《2/5読了》ベルマーレのDFだった信藤さんがそんなに攻撃的なサッカーを志向しているとは知らなかった。それは、ゲームを通してファンにエンターテインメントを届けたいという信念に基づく。守備を固めてつまらないサッカーで勝利に汲々として、選手たちは何が楽しいのか。ファンはついてくるのか。何より日本のサツカーの発展のためになるのか。という著者の思いには深くうなずける。
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◆『できる男は空気が読める サッカー審判に学ぶ「英断力」』高田静夫著、ベースボールマガジン社新書  <その他>
 《2/2読了》ワールドカップに参加した日本2人目の審判にして、94年1/16Jリーグチャンピオンシップ第2戦鹿島対川崎戦でジーコのつば吐き事件にも自信をもって2枚目のイエローカードを出した主審でもある著者。世界トップクラスの主審は普段の人柄とフィールドでの態度や物腰が二重人格のように変わる。イングランドの主審は対話型で、ドイツやイタリアは問答無用でカードも素早く出す、というのはいかにも。
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