HOME MG Book Soccer Propile


絵本の水族館


さかなやカエル、アザラシの絵本で、水族館気分を味わってみましょう。

    この夏、安曇野ちひろ美術館で「絵本水族館」という展示室があり、ワイルドスミスのタツノ オトシゴやバーニンガムのワニ、さらにはカッパ、ドラゴン、人魚までいました。それにヒントを得て、このページを作ってみました。(2011.9)
    写真の絵本を足しました。(2015.10)


目次

New!ほんとのさかなのへんなせいかつ
スイミー   しりたがりやのちいさな魚のお話   あたごの浦  
ゆかいなかえる   かようびのよる  
わにわにのおふろ  
海のおばけオーリー   コウテイペンギンのおやこ


さかな

New! ほんとのさかなのへんなせいかつ

ゆらゆらチンアナゴ 横塚眞己人 写真、江口絵理 文 ほるぷ出版

   砂から上半身だけ出してフーラフラ。見ていて飽きません。この本では、めったに見られない、穴から出て泳ぐ姿や、 からまっちゃったところなども見られます。チンアナゴの黒いまだらは5つって決まっているのは知っていましたか?
ゆりかごは口の中 子育てをする魚たち 桜井淳史 文・写真 ポプラ社

   南アメリカ・アマゾン川原産のエンゼルフィッシュは、オスとメスが協力して卵や稚魚の世話をします。新鮮な水を卵に 送ったり、水草から落ちた稚魚を葉っぱに戻したり。でもアフリカ・ナイル川原産のドワーフエジプシャンマウスブルーダーという魚は、 産んだ卵をすぐメスが口に入れて、かえった後も独り立ちできるまで口の中で育てます。作者は子育て中のメスにエサを与えてみたら、 どうするだろう? と実験もしてみます。
   作者は写真家で、産卵や子育ての写真を撮るために自分で魚を育てていましたが、いろいろな疑問がわいてきて、 何種類ものマウスブルーダーの仲間が棲む、アフリカのタンガニーカ湖へ出かけます。そしてタンガニーカ湖の湖底の岩場などを観察し、 入口がせまい岩穴に産卵するのは、口の中と同じくらい安全らしいことを発見。しかも早くかえった子魚が弟妹たちの卵の世話をするのです。
   卵を産みっぱなしのマンボウは3億個も産みますが、エンゼルフィッシュは1回に500〜1500個、口の中で子育てする ブリシャルディやモーリーは、20個以下や10個以下です。ものすごく安全な子育て法ですが、なんとこれに托卵するナマズがいる というのです! 世の中、上には上がいるということでしょうか。(※この本は、絵本ではなく、読み物です。)
へんないきものすいぞくかん ナゾの1日 松橋利光 写真、なかのひろみ 文 アリス館

   ヘンな生き物大集合! 世界一大きいダンゴムシの仲間、ダイオウグソクムシや、オウムガイ、テズルモズルなどの一日を紹介します。 深海に落ちてくる弱った生き物を食べているダイオウグソクムシへのエサやりは1ヵ月に1度。2年くらい食べなくても平気。24時間ヘンな 格好でじーっとしていることもある。カワテブクロは大きなヒトデ。壁を上ったり、意外と活動的。何かを背中に乗せたいカニから逃げる ヒトデもオカシイ。スナギンチャクは、ヤドカリの殻にとりつくイソギンチャクの仲間。殻はとかされ、スナギンチャク100%のおうちに なると、あとはヤドカリと一緒に成長するので、もう引っ越さなくてもイイ。マカロニみたいな10本ある足(?)の先っぽにポリプをしまっている。 テズルモズルは、クモヒトデの仲間らしいが、つる植物みたい。写真は鳥羽水族館が全面協力。
スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし レオ・レオニ さく・え、 谷川 俊太郎 訳 好学社

   スイミーは小さな赤い魚たちの中で、一匹だけ黒かった。ある日、大きな魚がやってきて、きょうだいたちをひとのみ。 スイミーはひとりで海をたんけん。レースのようなワカメのはやしや、ゼリーのようなクラゲなどさまざまなものに出会う。そのうち、 きょうだいたちにそっくりな赤い小魚たちに会うが、大きな魚をこわがってみんな岩かげから出てこない…。そこでスイミーは考えた。 スイミーの出したアイディアとは、みんなで一匹の大きな魚のようにおよぐこと。「ぼくが目になろう。」というセリフで、スイミーだけ 黒いわけがストンときます。
しりたがりやのちいさな魚のお話 エルサ・ベスコフ 作・絵、 石井 登志子 やく 福音館書店

   スイスイはちいさなスズキの子。とてもしりたがりやで、水のない上の世界の二本足のニンゲンを見てみたくて しかたがない。ある日、男の子のトーマスにスイスイはつりあげられてしまう。スイスイをかわいがっている、カレイのテンテンおばさん、 コイのピカピカおじさん、カワカマスのガミガミおじさんは、年とったカエルの魔女にたのんで、水の外に行ける魔法をかけてもらい、 スイスイを助けに行く…。なかなかシュールに展開する、スウェーデンのロングセラー絵本。
あたごの浦 脇 明子、脇 和子 再話、大道 あや 絵 福音館書店

   ある月の夜に、たこが浜辺でなすびを食べていると、タイがきて、「お月さんがきれいなけん、演芸会でもせんか」と いうことになる。魚たちが浜辺にあがってきて、歌ったり踊ったり。次に隠し芸をひろうすることになり、まず、タイがするするっと松に のぼり、「松にお日さん、これどうじゃ」。すると魚たちが感心して、「妙々々々々々」。つぎにフグが…。讃岐の昔話の再話。 ぜひ声に出して読んでみてください。

目次へ
かえる
 ゆかいなかえる ジュリエット・キープス ぶん・え、 いしい ももこ 訳 福音館書店

   よんひきのかえるたちのゆかいなくらし。いちばんはやくおよげるのは? あの丸太まできょうそうだ!  かえるをたべようとサギがきたら、かくれんぼ。こんどはカタツムリのかくしっこ。なつのよるには、うたをうたい、ふゆになると、 とうみんする。はるがくるまで、おやすみなさい。
 かようびのよる デヴィッド・ウィーズナー作・絵、 当麻 ゆか 訳 徳間書店

   「かようび、よる8時ごろ…」とはじめにト書きがあり、あとは文字なしの世界で、かえるたちが宙に浮く。 池からうきあがり、ハスの葉にのったまま庭をつっきり、家の中へ。テレビの前で眠ってしまったおばあさんのまわりに、ズラリとかえる。 いっぴきはリモコンを操作している。いったい何を見ているのかな? サンドイッチを食べている男の家も描かれるが、どうやら これは、画家の自画像らしい。さて、夜明けとともに、かえるの浮遊力はなくなる。「つぎのかようび、よる7時58分…」には、別の動物が 浮き上がるようだ。なんの説明もなく、ひたすら展開を絵で楽しむ絵本。

目次へ
ワニ
わにわにのおふろ 小風 さち 文、 山口 マオ 絵 福音館書店

  なぜか、リアルなワニが、人間向きの家に住み、人間のような生活をしているのが、みょうにおかしいわにわにのシリーズ。 「わにわにはおふろがだいすきです。」とよつんばいでおふろばへ。ゆぶねにおもちゃを投げ入れて、あぶくをとばし、シャワーホースを マイクに、二本足で立って歌も歌う。体はあらったのか? と思うが、またよつんばいで出てきて、タオルでからだをふく。最後に、 ストローでジュースをのんでいる絵が、いかにもいいふろだったらしい顔をしている。

目次へ
あざらし、ペンギン
海のおばけオーリー マリー・ホール・エッツ作・絵、 石井 桃子 訳 岩波書店

   オーリーは、アザラシの赤ちゃん。おかあさんがエサを食べに行っているとき、つかまって水族館へ。だんだん元気が なくなっていき、見かねた飼育係が、こっそり逃がしてくれる。自由になったオーリーは、元気を取り戻し、湖でさわぎをおこしてしまい、 「かいぶつあらわる」などと地元の新聞に出てしまう。心配した飼育係の「海へ帰れ」という言葉で、オーリーはお母さんを思い出し、 湖から湖へ、海にむかって泳いでいく。アメリカ五大湖って海までつながっているんだ、と覚えた絵本です。
コウテイペンギンのおやこ 内山 晟 写真・文 ポプラ社

   コウテイペンギンは、メスが卵を生むと温めてかえすのはオスの仕事。メスが戻ってくるまで4ヵ月も絶食とは…。 写真家自ら南極に足を運び、ペンギンの子育てを撮影。最初の南極行きでは、親の足の上にいるヒナを撮れず、再挑戦。 ブリザードを耐えるペンギンの群を写しているときも、好きなことができて幸せだったとのこと。

目次へ





※画像または書名リンクは、楽天ブックスまたはAmazon.co.jpへのアフィリエイト・リンクです。 お買い物にお役立てください。(2008.12/30)


この部屋についてのご感想、リンクのご連絡などは こちらへお寄せください。

「本の部屋」へ