HOME | MG | Book | Soccer | Propile |
※なお、ここに掲載した研究発表や講演の 概要は、あくまでも筆者個人のメモに基づき、そのごく一部をまとめたもので、学会の 公式の記録ではありません。(2007.1/9)
講演 マザー・グースとイギリス・ロマン派詩人
ウィリアム・ワーズワース (1770-1850) 豊田 恵美子 先生(イギリスロマン派学会理事、オックスフォード大学客員研究員) |
|
ロマン派の詩人は、自由に自分の言葉で詩を書いた、という点で伝統の破壊者だった。そしてバイロンもシェリーもキーツも25歳くらいまでに才能を開花させ、若死にだった。ワーズワースだけが長生きし、30歳以降は、駄作も多くなった。ワーズワースにとっての詩のインスピレーションは、幼児体験の鮮烈な想起ができるときだった。 「形成一転(The Tables Turned)」には、マザー・グースの「男の子、女の子、出ておいで(Boys and girls come out to play)」のイメージが見られる。「私は一人でさまよっていた(I wandered lonely as a Cloud)」には、複数のマザー・グースの影響がある。「3月は強い風が吹く(March brings breezes)」というマザー・グースの中の「dancing daffodil」という用語が使われている。また「かわいい水仙(Daffy-down-dilly)」のイメージもある。さらに、発表年では「キラキラ星(Twinkle twinkle little star)」より一年早いが、そのイメージも見られる。ジェーン・テイラーが「キラキラ星」を既存の詩を元に創作したと考えれば、あり得ること。「私の心ははずむ(My heart leaps up when I behold)」には、「私が幼い頃(When I was little boy)」というマザー・グースのシニシズムの優れたパロディが見られる。また、初めの二行を朗読すると、「キラキラ星」とぴったり同じリズムであることがわかる。「かっこう鳥に(To the cockoo)」には、「かっこうはかわいい小鳥(The cuckoo)」というマザー・グースの影響があるのに加え、「トムは笛吹の息子(Tom, he was a piper's son)」の中の「Over the hills and far away」のフレーズのイメージもある。その他、「サイモン・リー 老いたる狩人その関係した事件とともに」には、肩すかしのマザー・グースの伝統が息づいている。 |
|
目次へ |
|
展示 | |
ルーシー・カズンズの絵本とグッズ | 関西支部手作りのハンプティ・ダンプティほか |
関西支部手作りのミニブック | 関西支部手作りのマザーグース・グッズほか |
関西支部手作りのマザーグース・カレンダー | 関西支部手作りのトールペインティング作品ほか |
生徒たちの訳したマザー・グース | 白秋の『まざあ・ぐうす』が収録された『白秋全集』 |