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Yahoo! オークションで本を買う。


 11/30のマザーグース研究会関東支部例会で、「Yahoo! オークション」でマザー・グース・グッズを入手した人から、本もあると聞き、のぞいていました。年末のある晩、今まで知らなかったマザー・グース関連本を見つけたので、ひとつ入札してみようと思い立ちました。
 「Yahoo! オークション」に落札者として参加するためには、「Yahoo! JAPAN ID」とメールアドレスとクレジット・カードが必要です。
 つまり初めてのときはまず、「Yahoo! JAPAN」に登録して「Yahoo! JAPAN ID」を取る必要があります。それから「Yahoo! オークション」に登録します。(さらに、Yahoo!を通してカード決済するときには、「Yahoo! ウォレット」にも登録します。あんまり何回もパスワードとか暗証番号とか入力するので、夜中の作業向きではありません。もう、このへんでメゲそうになりました。)  「Yahoo! JAPAN ID」登録項目は以下の通りです。

名前: SUZUKI NXXXo
Yahoo! JAPAN ID: joyce×××
パスワード:×××
ユーザー情報 性別: 女性    生年月日: -非表示 -
   業種: 政府/自治体   職種: 事務職
   登録メールアドレス 1:
住所情報 名前: SUZUKI Nxxxo     フリガナ: -未設定 -
 自宅の住所: 210-00xx
 電話: -未設定 -      ファックス: -未設定 -
 緊急連絡先: -未設定 -   勤務先/通学先住所: -未設定 -
 電話: -未設定 -    ファックス: -未設定 -

 「Yahoo! ウォレット」の登録項目は以下の通りです。
名前:名前(フリガナ):郵便番号:都道府県:市区郡:町村名と番地:ビル、マンション名:電話番号:

Yahoo! ウォレットのお支払い方法
カード会社:カード番号:カード利用期限:暗証番号(セキュリティーキー)

 いよいよ、落札した本を紹介しましょう。

12/23*落札商品名『マザーグースのお菓子絵本』宮川敏子 立風書房 1987 2800円 (原価980円) 12/24振込み、12/25着

 全然、競争入札者がいなかったので、開始価格で落札しました。するとすぐに、「Yahoo! オークション」から自動メールが来て、「出品者からの連絡を待て」他、出品者の連絡先や口座番号などが書かれていました。 (出品するときには、落札者に払い込んでもらう専用の口座を用意する必要がありそうです。) 出品者からメールが来て、初めてYahoo! JAPAN IDではなく相手の名前と、それから支払い方法、送付方法がわかります。ふつう支払いは、郵便振込みか、銀行振込み (インターネット口座なるものや、ジャパネットとかいう電子銀行もあるようです。) 、Yahoo! を通す「Yahoo! ペイメント」など複数の方法からこちらの都合のいいものを選べます。送付方法は、冊子小包やゆうパックが普通ですが、クロネコ便保証付きとかを推奨してこちらに選ばせる出品者もいます。
 こちらから折り返し、商品送付先の住所、名前、支払い方法などを連絡します。今回は、支払いは「Yahoo!ペイメント」でカード決済。一瞬で振り込まれます。一件ごとにYahoo! に仲介手数料 310円が入ります。先方が振込みを確認後に発送する場合と、「振り込みました。」とこちらがメールした時点ですぐ発送してくれるといろいろです。そのへんは、出品者からの初めのメールに書いてあります。
 あっという間に本が届いた(出品者は福岡の人)のでびっくり。とは言え、届いた本を見たら元の値段がおよそ付け値の1/3だったのでちょっとがっかり。本の状態もよく梱包もプロ級だったのですが。(翌日、同じ本が1000円で別の人から出ていたし。)

 さて、具体的な内容ですが、巻頭32ページはカラー口絵。30種のお菓子の写真とマザー・グースの唄(訳と原詩)、ケイト・グリーナウェイのイラストが見開きに配されています。ただし、唄とイラストは全然合っていません。最初の「メアリの仔羊」のイラストは、ウィリー坊やだし、五つ目の「巻き毛のおじょうさん」のイラストは、ジャック・スプラットとその女房だし、元唄と合っているのは15編のうち6編のみ。唄とお菓子の組み合わせも、ちょっとこじつけが多い。「メアリの仔羊」には、羊型に切ったスポンジケーキに白いバタークリームを塗ったもの、「小さな町の路地裏に男の子と女の子がおりました」と始まる唄のお菓子は、男の子と女の子の形に抜いたクッキー、ハンプティ・ダンプティ(答えが「卵」の謎々唄)のお菓子は、卵たっぷりのカスタード・プリン、「ランカシャーのずっと向こうで生まれてサワーミルクをなめた坊や」の唄には、チーズケーキ、とか。お菓子の出てくる「市場に行こう プラムケーキを買いに」「ハートのクイーンがタルトをやいた」「ちびすけジャック・ホーナーは…クリスマス・パイを食べていた」「パンチとジュディ パイをとりっこ」などの唄は、ハート型のタルトやとりっこしたいアップル・パイなどが取り合わせられ、不自然ではないのですが。
 真ん中がレシピです。口絵で唄と関係なかった方のお菓子は、このページにこじつけマザー・グースの唄(訳と原詩)とケイト・グリーナウェイのイラストが白黒で付いています。この部分で15編新たに掲載されています。唄とイラストが合っているのは4編のみ。そもそもグリーナウェイのマザー・グース絵本に出ていない唄が多いのですが。初めて見た唄もありました。「白鳥」という短い4行の唄(p.12)ですが。他に、「ポリーはやかんを火にかけて」という唄(p.42)も、見慣れないヴァージョンが出ています。二行目が繰り返しにならず、「サリーはふいごをふうと吹き/モリーはマフィン売りを呼んでいる」という形。訳をつけた谷林真理子という人が、巻末の方で三ページほどマザー・グースの唄について解説しています。

 その他、落札した本は、以下の通り。

12/28 * 落札商品名『 [奇跡の絶版雑誌]  日本児童文学別冊 マザー・グースのすべて』22巻14号通巻251号 ほるぷ 1976 1,000 円 (原価1200円) 12/31振込み、1/2着

 こちらの出品者は大阪の人。送付方法を(1) 保険なしの定形外郵便、(2) 保険なしのクロネコメール便、(3) 保険付きのクロネコメール便のうちから選択でした。ご推奨の(3)にしたら、送料が本の値段に近い 840円かかりました。支払い方法は、また「Yahoo! ペイメント」にしました。寒い中、振込に出かけなくてもいいので便利です。(あんまり簡単なので怖いかも。)
 届いた本は、三十年近く前のものとしてはすごくよい状態で、どこかの倉庫で眠っていたのかなあという感じ。しかも梱包は、素人にはできないような密封透明袋入り。 「この出品者の他の商品を見る」という画面もあるので、のぞくと多数あり、全て 「絶版雑誌」や「廃盤CD」。セミプロとお見受けしました。
 この別冊は、もう全然古本屋とか出ないし、神奈川県立図書館は欠号だし、都立中央のは合本されているし、都立日比谷にあったバラのは都立多摩へ移管されちゃうし、買うのはあきらめていたものです。ほんとにどこにあったのかなあ?

12/30 * 落札商品名『マザー・グースの料理絵本』 フランシス・シェリダン・グラール著 唄・谷川俊太郎訳 ドナルド・ヘンドリッ クス画 主婦の友社 1978  600円(原価780円) 1/5振込み、1/5着

 こちらの出品者は下関市の人で、支払いは、郵便振替、ぱるる口座、ジャパンネットバンクからの選択だったので、郵便振替にしたのですが、落札したのが暮れもみそかだったので、やむなく代金振込みは年明けの月曜日(1/5)になってしまう旨をメールしたところ、1/3に「1/2に発送した」というメールが来ました。
 本の状態は、表紙の角とか背の下とかにスレというか軽い破れがありますが、中身は極めて良好。美本のコレクターではないので私にはこれで充分。価格は、原価より安くて良心的。(その後、同じ本が出品されているのを何回か見ましたが、この本は1500円というのもありました。)
 この本は、昨年、本は神奈川県立図書館から借りたことがあって、どういう本かはわかっていて入札したもの。フランス系の作者名ですが、原著のコピーライトを見ると、アメリカのロサンゼルスの発行(1970)。訳者の名前がどこにも記載されていなくて、主婦の友社の編集部の誰かなのかと思えば、前書きの末尾に小文字で「訳詩ならびに日本語訳については平野敬一先生、料理については、西洋料理研究家の石垣猛先生のご指導をいただきました。また井上貴代さんには編集面でいろいろご協力いただきました。ここにお名前を記して心からお礼申し上げます。」とあり、この前書きを書いたのが社内の身内なら編集担当者にお礼は言わないよなーと思ったり。書誌的には整った本ではありません。
 見開きの左ページに原著のイラストと谷川俊太郎訳のマザー・グース、右ページに38種のお料理のレシピという構成。巻末にすべての唄の原詩を収録。38編のうち、20編は草思社の訳(と言っても、「Rowley Powley」という唄は草思社版では「Georgie Porgie」だったけど)ということで、残りはこの本のための新訳であるという点がミソです。
 料理と唄は、やはりかなりこじつけ気味で、羊飼いのボー・ピープちゃんの羊肉料理、24羽の黒つぐみのパイは牛レバーの薄切り24枚で代用、ハンプティ・ダンプティ風卵料理は、固ゆで卵のみじん切りをホワイトソースとカイエンヌ・ペッパーで和えタルト型につめるだけ。また、イラストは良家の子女風で、本格的に料理を作るための本というより、お洒落な一冊としてアメリカでも出版されたのかな、と思います。

 インターネット取引の怖さもいろいろ言われていますが、これまでの3人とも、迅速で、かつ丁寧な対応で連絡も誠実だったと言えます。値付けも、最初の人以外、原価より安かったし。すべて、商品到着後、その日のうちにお礼のメールを出し、「Yahoo! オークション」から来た自動メールにリンクが張ってある「出品者の評価」に書き込むか、本人宛に評価をメールしました。この「出品者の評価」は公開されていて、他の人が入札するとき参考にするものです。だいたい、「スムーズにお取引できました。」「速やかにご入金いただきありがとうございます。」「また、ご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。」といった感じ。
 いずれもオークションとはいえ、競争入札者がいなくて、開始価格で落札。競っていくスリル・怖さは未体験です。「Yahoo!オークション」を教えてくれた人は、自分で上限 (3000円までとか)を設けていると言っていました。確かにそういう自主規制が必要だと思います。

 と言っていたら、ついに、競争入札者が登場しました! サンリオ1992年発行のCDで「えいごでうたおう ふしぎのくにのマザー・グース」。谷川俊太郎訳、葉祥明絵の歌詞ブックも付いているもので、「Hey, Diddle, Diddle」と「Jack and Jill」のセット。原価各2500円。1/25振込み、1/26着。
 開始価格が 500円で、入札単位は10円。終了3日前に「500円」と入れたら、次の日「Yahoo! オークション」から「高値更新のお知らせ」とメールが。「あなたの入札価格より高値を付けた人がいます。さらに入札しますか? するならここ(URL) をクリック」と、ご丁寧にもリンクを張ってあります。夫は「商売上手だなあ」と感心していますが、まあ、アメリカ本国でできたシステムなのでしょう。で、「520円」とケチケチ10円上乗せしたら、途端に相手の「自動入札」でさらに高値が付きました。入札確定画面で「どうしますか?」と出てきます。くやしいから、こちらも自動入札とやらにしてみようと、もう一回入札の画面に入って、「最高限度額」(これを設定しないと自動にできない)にまたもやケチケチと「1000円」と入れ、どうだ、と確定すると「あなたが現在の最高額入札者です」とメッセージが出ました。「自動入札」を設定すると、「最高限度額」内で相手より最低入札単位だけ高い価格を自動で入札してくれます。
 2日ほど動きがなくて、私が「相手の最高限度額も1000円だったら、落とせないかも。1010円にしておくべきだったか」と悩みつつ様子を見ると、何と早くも「810円」に! 一応まだ私が「最高額入札者」ですが、最後の5分でどーんと値上げする手もあるらしい。「あと1日」なので、明日の夜には決着が着くわけですが、なかなかスリリング。結局、「最高限度額」を2010円に値上げして寝ました。翌日帰宅後のぞくと、「あと2時間」。何と、今までの競争入札者じゃない人が競っていて「1310円」に! えええっ! というわけで目が離せず、このままで私が落札するまで見続けてしまいました。
 既に、無事に手元に届きましたが、「Yahoo! オークション川柳」から一首引用。
「オークション 私の懐 ハックション」てなことにならないようにしたいと思います。



(『ぱろっと通信』No.87 (2004.2.1発行)より転載)

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