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2006年に買ったマザー・グースの本いろいろ

※一部、2007年1月に買った本もあります。

目次
1  親子で楽しむマザーグース ベビー編、
    親子で楽しむマザーグース キッズ編
6  The Orchard Book of Nursery Rhymes
2  AERA English アエラ・イングリッシュ 7  どうぶつむらのマザー・グース
3  マザーグース RED MOON、
    マザーグース BLUE MOON
8  オフ・オフ・マザー・グース
4  かえるだんなのけっこんしき、
    Frog went a-courtin'
9  もうひとつのマザー・グース
5   The Tall Book of Mother Goose 10  ようこそ「マザーグース」の世界へ

現在でも、購入できる図書には、Amazon.co.jpおよびオンライン書店「bk1」への表紙画像付きリンクを 張りました。お買い物にお役立てください。(2007.2/18)



『親子で楽しむマザーグース ベビー編』 CD付き
百々佑利子訳、ラボ教育センター、2006.6
『親子で楽しむマザーグース キッズ編』 CD付き
百々佑利子訳、ラボ教育センター、2006.11

  『ベビー編』には24篇収録。『キッズ編』には33篇収録。原詩と訳、イラスト付きの 「あそび方」、「パパ、ママのための豆知識」、時々「イースターについて」などのコラムや、 マザー・グース絵本、マザー・グースの唄が出てくる本の紹介があります。
  ラボ教育センターからは、既に『はじめてのマザーグース』 『マザーグースとあそぶ本』 『マザーグースのたからもの』『詩とナーサリーライム』1〜3(品切れ)など、いろ いろ出版されていますが、この2冊の特徴は、「『おはよう』から『おやすみ』まで」とあるように、一日の 生活に沿って、唄を紹介している点。「おはよう」「あそびのじかん」「おひるのじかん」「英語であそぼ」 「おかいものにでかけよう」「おやつのじかん」「おともだちとあそぼ」「季節のうた」「パパ、あそんで」 「ねんねの前に」「おはなしきかせて」「おやすみなさい」などなどの章に分けられています。
オンライン書店ビーケーワン:親子で楽しむマザーグース ベビー編          オンライン書店ビーケーワン:親子で楽しむマザーグース キッズ編
『AERA English アエラ・イングリッシュ』 2006.7月号
朝日新聞社

  pp.16-21に「意外に近道? 大人のマザーグース」を収録しています。「Humpty Dumpty」 「Jack and Jill」「Three Blind Mice」「Twinkle Twinkle Little Star」「Hickory Dickory Dock」 「Roses are Red」「Hey Diddle Diddle」の7篇を紹介。原詩とイラスト、「POINT」で用語説明、囲みで 各唄が比喩として使われる、等の一言解説(福光恵文、北谷しげひさ絵)。
  英語のリズムを身に付けるには、 繰り返し口ずさむことという鷲津名津江先生のコメントも。「映画の中のマザーグース」ミニコーナーでは、 『映画の中のマザーグース』(品切れ) 『もっと知りたいマザーグース』(ともにスクリーンプイ出版)の著者、鳥山さんのコメント。
   「Recommended Mother Goose BOOKS (マザーグースをもっと知るためのブックガイド)」では、『うたおう!  マザーグース』(アルク)、『わらべうたとナーサリー・ライム』(増補版、鷲津名都江著、晩声社)、 『英語で読もうMother Goose』(平野敬一著、筑摩書房)などの他、 なぜか『鏡の国のアリス』(偕成社文庫)を含めて8冊紹介。
  ※なお、『AERA English』 2006.7月号は、雑誌のため既に品切れです。 右のアマゾン・リンクでは購入できませんので、ご了承ください。
『マザーグース RED MOON』  『マザーグース BLUE MOON』
B.B.C.プロジェクト制作・編集、重野しのぶ翻訳・アドバイザー、フレーベル館、2006.4

  マーガレット・ミントという、犬?を基本形にした女の子キャラクターが 唄の主人公を演じているようなイラストです。B.B.C.プロジェクトは、イベント制作会社。 フレーベル館のホームページには、「マザーグースが、キュートに現代によみがえりました」 とありますが、若い人向けで、子ども向けではないようです。
  『RED MOON』に11篇、『BLUE MOON』に9篇収録。所々に、キャラクターを唄によみこんだ パロディーがはさみこまれていますが、目次には出ていません。巻末に、 The Oxford Dictionary of Nursery Rhymes, (I. & P. Opie編、Oxford University Press, 1951) からの原詩が載っています。
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『かえるだんなのけっこんしき』
ジョン・ラングスタッフ再話、フョードル・ロジャンコフスキー絵、さくまゆみこ訳、光村教育図書、2001
Frog went a-courtin'
John Langstaff再話, Feodor Rojankovsky絵, Harcourt Brace & Company, 1955 (reprint 1991)

  あの「蛙の求婚」の絵本です。アメリカ・バージョンなので、コルデコットの絵本などとは、だいぶ違います。
「かえるだんなが おでかけだ / かたなと ピストル いさましく」と始まります。訳は、さくまゆみこ。
  まず、蛙は腰にピストルと剣を両方下げて、勇ましく馬に乗って出かけます。ねずみ(mouse)のお嬢さんの伯父さんがくまねずみ(rat)なのはイギリス・バージョンと同じです。結婚式にいろいろな虫や動物が次々やってきて、最後は、猫が乱入しますが、蛙とねずみは無事逃れて、フランスへ新婚旅行というオチ。(イギリス・バージョンだと、お客は来なくて、ねずみたちは猫にやられ、一人逃れた蛙もアヒルに食べられて一巻の終わり、というオチ。)
  原書の方を読むと、お客たちと手土産が脚韻を踏むのが楽しいです。‘moth’と‘tablecloth’、‘bug’と‘jug’、‘coon’と‘spoon’、‘snake’と‘cake’、‘ants’と‘dance’などなど。
  ロジャンコフスキーは、この絵本でコルデコット賞(アメリカで前の年に出版された中で最も優れた絵本に与えられる)を受賞。
オンライン書店ビーケーワン:かえるだんなのけっこんしき     
The Tall Book of Mother Goose
Aleksey Ivanov, Olga Ivanov絵、Harperfestival、2006

  51篇収録。以前、同じタイトルで、同じ出版社からロジャンコフスキー絵の本(初版1942)が出ていたときは、もっと多く102篇収録されていました。どちらもロシア系の挿し絵画家なのがおもしろい偶然ですが、ロジャンコフスキーはフランスから亡命してきた翌年に描いたせいか、「Ladybird (テントウムシ)」の唄のイラストを鳥で()描いています(編集者が見落としたのでしょうか)。新しいイワノフ絵のこの本には、この唄は入っていません。イラストもオーソドックスな解釈のものが多いです。
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The Orchard Book of Nursery Rhymes
Zena Sutherland選 Faith Jaques絵、Orchard Books Australia、1990

  76篇収録。挿し絵は、人形が自分で家を探す絵本『ティリーのねがい』 『ティリーのクリスマス』(いずれもこぐま社、1995。後者は品切れ)などが翻訳されているイギリスの絵本 作家フェイス・ジェイクス。
  あまり他で見ない唄が出ています。「Anna Elsie, / She jumped with surprise」(p.14) 「アンナ・マライア、火の上に座った」のような唄。 「Higglety, pigglety, pop! / The dog has eaten the mop.」(p.58) 「There was a maid on Scrabble Hill」(p.58) 「There was a young farmer of Leeds」(p.60) 「Moses supposes his toeses are roses」(p.62)早口言葉。 「Flying-man, Flying-man, / Up in the sky」(p.68)など。
  巻末で、画家が唄について5ページもコメントしています。収穫は、笛吹きの息子トムが 盗んだ豚が、「お菓子のブタ」のイラストで描かれていること(p.39)。本物の子豚でない絵は、初めて 見ました。巻末の画家コメントにも注記されています。「In fact, the 'pig' refers to a pastry pig.」
『どうぶつむらのマザー・グース』
リチャード・スキャリー編・絵、石濱恒夫訳、ブック・ローン出版、1979

  「スキャリーおじさんのどうぶつえほん」第8巻。60篇収録。内47篇は、 『Richard Scarry's Best Mother Goose Ever 』(50篇収録。初版1964年)と 異なる唄。重なっている13篇は、同じイラストだが、一回り小さくなっています。
  この絵本のタイトルページ を見たら、既に、笛吹きの息子トムが盗んだ豚が、「お菓子のブタ」のイラストで描かれていました  パン屋さんの看板に「こぶたのしょうがパン」とでかでかと書いてあり、トムもパン屋さんも豚に 描いてあります。トムが豚だと生きた子豚を盗むのは不自然だし。『Richard Scarry's Best Mother Goose Ever』にも、もちろん同じイラストがありました(看板は「GINGERBREAD PIGS」)。だから、上記の本で 「盗んだ豚が「お菓子のブタ」のイラストで描かれている…絵は、初めて見」た、というのは間違い。 『Richard Scarry's Best Mother Goose Ever』を入手したとき、ちゃんと全部見たはずなのに、 日本語の看板「こぶたのしょうがパン」のおかげで、やっと気がつくことができたというおそまつでした。
『オフ・オフ・マザー・グース』
和田誠訳、ちくま文庫、2006

  ハードカバー版2冊『オフ・オフ・マザー・グース』『またまたマザー・グース』の単なる 合本ではなく、「2冊をシャッフルした」と書いてあるごとく、交互でもなく、絶妙に混ぜてあります。 また、「ちょっと長目のあとがき」自体も2冊分を「つき混ぜて」合体。イラストは、すべて描き下ろし。
  とにかく脚韻を生かそうと、多少の語句の変更も断行した、こだわりの翻訳。例えば「オレンジと レモン」と鳴る鐘が出てくるロンドンの鐘づくしの唄では、原詩では「レモン」と脚韻を踏むのはセント・ クレメントの鐘だが、和田訳では「れんがとセメント」とセント・クレメントを組み合わせ、元々「れんがと セメント(原詩ではタイルズ)」と鳴っていたセント・ジャイルズの鐘の所へ「オレンジとレモン」を 「オレンジとゆず」に変えて入れ替えてあります。ここまで徹底したのは、谷川訳という正統な訳があるので、 言葉遊びと割り切れたから、だそうです。120篇収録。
オンライン書店ビーケーワン:オフ・オフ・マザー・グース  ※右欄のハードカバーの
『オフ・オフ・マザー・グース』は
品切れです。
     オンライン書店ビーケーワン:またまた・マザー・グース
『もうひとつのマザー・グース』
中山克郎訳、小学館スクウェア、2006

  東京布井出版から私家版の形で1981年に出たものの復刊。129篇収録。「序」で平野敬一氏が 「すぐれた古典的な北原白秋訳にしても、現代的感覚が横溢している谷川俊太郎訳にしても、原詩の響きの 快さをあますことなく移しえているとは言いがたい。中山さんの翻訳は、…(中略)…一歩も二歩も抜きんでて いるように思われる。」と絶賛。
  『オフ・オフ・マザー・グース』(和田誠訳、筑摩、1989)が出版される前、唯一、韻に こだわって、尚かつ口調のよさも生かした訳として貴重。「かじよ かじよと かしやのおばさん / どこよ  どこよと とこやのおばさん」ほか。私が好きなのは、落語調の「ダービの羊」、文語調の「三つの舟  漕ぎ寄りぬ」など。
  巻末には、英文のマザー・グース・クロスワードパズルのおまけまである、サービス精神 満点のお薦めの一冊。
オンライン書店ビーケーワン:もうひとつのマザー・グース
『ようこそ「マザーグース」の世界へ』
鷲津名都江著、日本放送出版協会(NHKライブラリー)、2007

  NHK教育テレビで2004.12/6〜2005.1/31まで毎回25分ずつ8回放送された同名の講座のテキストを 編集し直し、あちこち増補した上、さらに第八章「マザーグース日本渡来」を加筆したものです。この加筆 部分では、前著 『マザーグースと日本人』(吉川弘文館、2001)にも書いた、明治25(1892)年の『幼稚園唱歌』掲載の 「きらきら」「我小猫を愛す」など4篇が最も早い時期の日本語訳だったという、おさらいの後、 川戸道昭氏の論文「明治のマザーグース −英語リーダーを仲立ちとするその受容の全容−」 (『児童文学翻訳作品総覧 7 アメリカ編』大空社・ナダ出版センター、2006所収)から、もっと早い時期 の翻訳の存在を紹介しています。
  福沢諭吉が持ち帰ったウィルソン・リーダーという英語教科書の第2巻に「キラキラ星」 (原詩に少し改変あり)など3篇が載っており、その直訳書が明治15(1882)年に出版されたこと、さらに 「サージェント第一リーダー 第二部」という教科書にも「キラキラ星」が出ており、その第一部の独習書 『サーゼント氏第一リーダー独案内』(1886)には、数え歌の「一、二、三、四、五」の訳が出ていること などが紹介されています。
  文庫判と新書判の中間サイズのコンパクトな入門書。
オンライン書店ビーケーワン:ようこそ「マザーグース」の世界へ

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