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2007フィギュアスケート・バックナンバー


12/27〜29 全日本選手権 (大阪)
12/14〜15 グランプリ・ファイナル (トリノ)
11/24-25 全日本ジュニアフィギュアスケート (仙台)
11/29〜12/2 NHK杯 (GPシリーズ第6戦・仙台)
11/22〜25 ロシア杯 (GPシリーズ第5戦・モスクワ)
11/15〜18 フランス杯 (GPシリーズ第4戦・パリ)
11/8〜10 中国杯 (GPシリーズ第3戦・ハルピン)
11/2〜4 スケート・カナダ (GPシリーズ第2戦・ケベック)
10/26〜28 スケート・アメリカ (GPシリーズ第1戦・レディング)
3/20〜25 世界フィギュアスケート選手権 (東京)
2/26〜3/4 世界ジュニア・フィギュアスケート選手権 (ドイツ・オーバストドルフ)
2/5〜11 四大陸選手権 (コロラドスプリングス)
1/22〜28 ヨーロッパ選手権 (ワルシャワ)

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フィギュアスケート (2007.12/28,29)

全日本フィギュアスケート選手権 (2007.12/27〜29 大阪)

 女子SPは、安藤(20)が今季初めて冒頭の連続3回転ルッツ・ループを決め、それまでの1位鈴木明子(22)の58.66点を10点も上回る68.68点(技術点38.24,演技構成点30.44)をたたき出した。ただ全体に丁寧に滑っていて、ちょっとキレのよさが不足だっった。太田由希奈(21)が復活してきて、再び四大陸の代表をねらうと言っていて、嬉しかった。本番では、ステップからの3回転サルコウがシングルになってしまい、7位(26.8,24.4)。その他の滑りの優雅さ、つなぎの全てが「絵になる」スケーティングは健在。でも演技力、滑りとも5点台で、演技構成点は全体的に低め。樋口コーチともども暗い顔。やはり二年のブランクで評価は新人並なのか。真央(17)が、やはり冒頭の連続ジャンプで今季初めて3回転3回転を決め(後で見るとセカンドジャンプは両足だったが)、その後もノーミスで、こちらは伸びがあり、72.92点(41.4,31.52)というとんでもない点が出た。衣装を変えたのがよかったのか。抽選で最終組に中野と村主が入ったが、村主(26)は今季初めてほぼノーミスで3位(34.7,28.8)。中野(21)はなんとステップからの3回転が2回転になり、4位(32.4,28.76)。6位に全日本ジュニア女王の水津(17)、9位に武田(19)の若手が並ぶ。水津は3回転3回転を決め、武田は連続ジャンプ が2回転2回転になった。今回最年少14歳の西野がアクセルで転倒したものの10位と健闘。「緊張しなかった。楽しかった」と度胸は満点。フリーでは、太田がトーループが斜めになり転倒、指の先までの表現力はさすがだが8位(43.12,50)で総合7位。沢田はジャンプはほぼノーミスだったが10位(47.01,43.2)、武田もほぼノーミスで4位(59.19,49.44)と躍進、総合6位。真央は、最終組の一番滑走で、なんとトリプルアクセルがシングルになったが、最初の3回転3回転はクリーンに決め、二つ目の連続ジャンプに3回転トーループ・3回転フリップをよろけたが入れ、3連続も入り、最後のダブルアクセルも決まり、それまでの1位武田を20点以上離し、ダントツの1位70.25,62.16)。水津は二回転倒して13位(39.81,44.64)、総合10位。村主は今季不調のジャンプが三つもダブルになり6位(44.05,54.24)で総合4位。またも世界選手権を逃した。続いて中野は最初のトリプルアクセルは着氷でよろけたが、こらえ、あとはほぼノーミスで終わった瞬間、涙。堂々の3位(65.39,57.76)で世界選手権へ。摂食障害で滑れない時もあって復活したという鈴木は、5位(50.07,51.2)。最終滑走の安藤は、3連続ジャンプの最初の3回転でよろけてシークエンスになってしまったのが響き、フリー1位(72.7,62.8)ながら総合2位。
 男子は、織田が出る予定だったが「年内自粛」を自分で決めたとかで不出場。SP、フリーとも高橋の圧勝。特にフリーは今季初めて4回転を二回入れ、2回目の連続ジャンプで少しよろけたが後ろにダブルジャンプをつけた。トリプルアクセルもクリーン。小塚は課題のトリプルアクセルもきちんと跳び、ステップに進歩があったと思う。スピンもうまい。南里はSP、フリーとも得意なはずのトリプルアクセル着氷で乱れたが、ふりーでは、高橋の直後という不利な滑走順の中、3回転ループで転倒もしたが、後半自分を取り戻してカルメンの曲想を表現した。中庭は、SP3位で4位の南里と3点差でフリーに臨み、冒頭の4回転、トリプルアクセル、その他の3回転ジャンプのほぼ全てで着氷に乱れ。ただ、演技に迫力があった。一回も転倒しなかったが、南里に0.87及ばず、世界選手権を逃し、4大陸代表に。番組の最後の泣いている姿が痛々しかった。今回は行かせてやりたかった。
 ダンスは、リード姉弟のひと組のみエントリー。本番はOD、FDとも瞬間芸の放映。リフトの一部とステップの一部しかやらず。エキシビションは全部やったけど。そのエキシビションも、14歳の西野と男子ジュニア2位の佐々木(馬の頭をかぶって登場)は全部やったのに、無良、石川翔子など他の若手のは瞬間芸。きのうまでの振り返りをやめれば、入るのでは。インタビューで、高橋のショートの「ヒップホップ調白鳥の湖」のプログラムは、実はモロゾフに押しつけられたものだと言っていた。知らなかった。本人はやりたくなかったそうだ。

フィギュアスケート (2007.12/15、2008.1/21)

グランプリファイナル (2007.12/14〜15 トリノ)
 高橋。浅田真央、中野。男子SPはなぜか3人しか放映しない。スイスのランビエール、アメリカのウィア、高橋。どうしてSP2位のライサチェクをやらないのか、理解に苦しむ。ランビエールは、4回転を今季初めて決め、ステップも進化したようだし、スピンは全盛時ほどではないがやっぱり素晴らしい。全体にSPなのに、バレエのよう。
 ペアは川口・スミルノフがカナダ大会とロシア大会の3位で6組目に滑り込んだ。中国のパン・トン組が前半グループに入っているのは変。後半のグループにカナダのデューブ・ダヴィソン組がいるが初耳。ペアは全体に世代交代期か。SPでは復調したサブチェンコ・ソルコビー組(独)が0.74点差で張・張組を抑えて1位。フリーではアメリカの若手、マクラフリン・ブルベイカー組が男性の怪我で欠場し、川口・スミルノフ組が逆転で4位も狙える位置に。冒頭にスロージャンプで4回転に挑戦したが、転倒。まだスピンの同調性とかステップのスタミナとかいろいろ課題は多々。得点を見て、スミルノフは笑顔だったが、川口はSPの時よりも険しい表情だった。中国のパン・トン組の調子は完調ではなく、3位キープがやっと。張・張組も、冒頭のソロジャンプで男性が両手をついてから慎重だった。サブチェンコ・ソルコビー組は大きなミスさえなければ順当勝ち。特に、今季フリーは最後にスロージャンプでしめくくるという変則だが、見事に決め、最終的には7点以上差をつけた。
 ダンスは、ファイナルは規定がない。また、今季から小道具を使っていいことになったとのこと。ODでは、応援しているカナダのヴァーチュー・モイヤー組は、後半グループで出てきたが、前半グループで滑ったドンニナ・シャバリン組に1.17及ばず、4位発進。ロシアのホフロワ・ノビツキー組は5位。今季初めてベルビン・アゴスト組を見た。移民の国アメリカのウェスタン・ダンスは、元は何なんだろう。フランスのデロベル・ショーフェルダー組を0.35押さえてトップ。

フィギュアスケート (2007.12/4)

全日本ジュニアフィギュアスケート (2007.11/24-25 仙台)
 フジテレビ地上波で深夜1時間枠の放送。男女の上位フリーのみ。女子は水津17歳が1位で連覇。初めて見る日本橋女学館の石川が2位、新鋭14歳の西野が3位。西野は「真央の再来」など言われるだけあってジャンプが得意。男子は昨年覇者の町田はSP8位でフリーもダブルジャンプが多く、総合7位。昨年僅差で2位の無良はSP1位で臨んだが、二つ目のトリプルアクセル転倒しながらも優勝。驚愕のノービスから飛び級の12歳羽生がフリー1位で総合3位。5種類の3回転ジャンプを既にマスターしており、手足も長い。このまますくすく伸びていってほしい。

フィギュアスケート (2007.12/2、2008.1/6〜8)

NHK杯 (2007.11/29〜12/2 仙台) GP第6戦
 高橋、中庭、南里。安藤、武田。SP5位の武田は、最終組で滑走、トリプルフリップで転倒した以外は、加点のとれるジャンプが多く、自己ベストで3位に。安藤は、SP2位からコストナーを追うはずが、直前の6分間練習でジャンプの後転倒して右足を痛そうにしていたのだが、冒頭の連続ジャンプの予定のトリプルルッツで転倒、ダブルアクセルも転倒、単独のルッツも転倒と、連続ジャンプが一つも入らず、最悪の出来で4位に。これで2位でも行けたGPファイナルはおじゃん。ひとつ前に滑ったSP3位のサラ・マイヤー(スイス)も逆転優勝のプレッシャーからか、ジャンプがシングルになったり、ひどかったが、スピンやステップが評価されたらく、そこそこの点が出て、2位。SP1位のコストナー(伊)は、途中ダブルジャンプが続いたり、最後シングルアクセルになったりしたが、逃げ切って優勝。ちょっとナサケナイか。
 男子は、SPで高橋がトリプルアクセルでちょっとよろけて2位、チェコのベルネルが素晴らしい連続3回転、表現力などで1位、アメリカの新鋭18歳のキャリエールがシングルアクセルでも滑らかな滑りで3位、今季最高かというSPで南里が4位、中庭が7位。中国大会では、もう引退間近と思われた李が体調を戻しそこそこで8位。フリーでは、中庭が4回転に挑戦してやはり転倒、フリー9位で総合8位。南里は最初のトリプルアクセルからの連続ジャンプは成功したが、最後のダブルアクセルからの3連続ジャンプを単独トリプルアクセルに変えてメダルをねらったが転倒、大幅に順位を落としフリー11位で総合10位。高橋は4回転を二回入れる予定を一回に変更し、冒頭の連続ジャンプの所で試みたが転倒、しかし、その後は立ち直り、後半にトリプルアクセルからの3連続ジャンプから始まる5つのジャンプを全て成功、ただひとり技術点80点台にのせた。SPとの合計234.22は高得点を期待していた会場からもドヨメキが。表彰台確保でGPファイナル確定。しかし最終滑走のベルネルも素晴らしい出来で、冒頭の4回転を完璧に決め、3連続ジャンプ、スピン、ステップ、和太鼓のリズムとはっぴのような衣装も会場に受けた。背中に銀糸で竜の絵、前に銀色でなぜか「勇名トラ」と書いてある。ひとつシングルアクセルになっただけで自己ベストにふさわしい素晴らしい演技で、高橋に迫る229.45で銀メダル。昨季のヨーロピアンで2位になっているが、GPシリーズでは初の表彰台とか。最下位に沈んだ李は、国内チャンピオンとして臨んだと言うが、ジャンプが全く跳べず、今季限りで自分に引導を渡した感じ。
 ようやく、ペアとダンスを見ることができた。ダンスは10組出場。日本からはリード姉弟。ODは最下位発進。今年のODはカントリーダンスということで、ギリシャのフォークダンス「ゾルバ」を採用。振り付けはモロゾフ。20歳と18歳、弟は膝の手術明けだし、今年がGPデビューなのでまだまだスピードも遅い。アゼルバイジャンとホフロワ・ノビツキー組(露。CD3位)がロシアン・ジプシーダンス。CD4位のカー姉弟(英)は、スコティッシュ・ダンス。2人ともキルトをはいて、なかなかよかった。CD2位のヴァーチュー・モイヤー組(カナダ)はロシアン・フォークダンスでOD1位。CD1位のデロベル・シェーフェルダー組(仏)はガボットでOD2位だが総合1位。1位と2位は3.9点差、2位と3位も4点差。フリーでは、リード姉弟は初めのツイズルは少しずれたが、だんだんよくなり、足の長さを生かしたリフトなどで今季ベストを出し、8位に。4位のカー姉弟は、宇宙人を表現したようで、髪も銀色に染め、衣装には青地に金で渦巻き星雲、2人ともぴったりしたパンツスタイル。3位のロシアは、「はげ山の一夜」にのって速いスピードですごいリフトを次々繰り出したが、終わりのポーズで男性が前のめりに手をついてしまった。これでは2位との差は埋まらない。カナダの若い2人は、「シェルブールの雨傘」でしっとりと、しかも高速でなんなくレベル4のツイズルやスピンをこなす。解説の樋口さんも「ダンスを踊るために生まれてきたようだ」とうっとり。フリー1位(技術点52.9,演技構成点47.28)の高得点をたたき出したが、総合2位。首位のフランスは無難に滑って金を獲得。これで上位2組がGPファイナル出場権を得た。
 ペアは、7組出場。ドイツのサブチェンコ・ソルコビー組が飛び抜けている。ソルコビーの調子がいまひとつなのに、2位に24点差以上つけて優勝。アメリカの昨季のジュニア ・チャンピオン、マクラフリン・ブルベイカー組がSP4位からフリー2位で逆転銀メダル。3位にはカナダの若手、デューブ。ダヴィソン組が入った。みんなスロージャンプやサイドバイサイドで転倒が多く、GPシリーズのレベルじゃないようだった。

フィギュアスケート (2007.12/26、2008.1/20)

ロシア杯 (2007.11/22-25 モスクワ) GP第5戦
 小塚。中野、村主。男子シングルはウィアとランビエールの一騎打ち。小塚はSPもか なりよかったが7位。フリーもほぼノーミスでトリプルアクセルもきちんとおりたが、5位までしか挽回できなかった。つなぎが悪いと思う。氷をつかむ滑りは一番上手いくらい。地元ロシア勢は、ウスペンスキー、ルータイ、グリアツェフと若手がそろったが、一番成績がよかったグリアツェフの演技は確かにうまいのだが、面白みがない。SP2位のウィアは、4回転なしで、トリプルアクセルを決め、守りの滑りで優勝。SP1位のランビエールは、SPと同じく安全策で苦手のアクセルは二回ともダブルで。スペインの闘牛士をイメージした表現力はすごかったが、ふたつの4回転が両足着氷と転倒では。カナダのバトルは、フリーで3位と健闘したが、SP6位の出遅れで総合4位だった。女子は 、キム・ヨナがSP・フリーともダントツの1位。中野はSP2位、フリーは完璧なトリプルアクセルを下りたが、3位で総合2位。村主はSP4位からだったが、プログラムが合っていないのかフリーもいまいちで、6位で総合5位。カナダのロシェットがSP5位から気迫の追い上げでフリー2位とせまったが、総合3位。地元ロシア勢は、女子も若手を3人出してきたが、ペトゥシコワの6位が最高。もう今年はソコロワ、ボルチコワは出ないのかも。
 ダンスとペアのレベルも低かった。ペアでは、中国の張・張組とドイツのサブチェンコ・ソルコビー組しか国際レベルじゃない。川口・スミルノフ組を今季初めて見た。まだ組み替えて一年ちょっととは思えない。SPの衣装はなかなかいいが、フリーの衣装は、おかっぱ・童顔の川口では小学生みたい。音楽の「ある愛の歌」とも合わないし。SP4位からフリーで3位に入り、初のファイナル進出は立派。ダンスにいたっては、地元ロシアのドンニナ・シャバリンの一人勝ち。

フィギュアスケート (2007.11/28、2008.1/20)

フランス杯 (2007.11/15-18 パリ) GP第4戦
 中庭SP5位、フリー7位で総合7位。昨年4回転を三回も跳び、今年もカナダ大会で 優勝した大本命ジュベール(仏)が病気で欠場。SP1位は同じフランスのプロベール、2 位16歳のパトリック・チャン(カナダ)、3位ベルギーのヴァンデルペレン。中庭は、SPでは4回転をやめ、ルッツからの3回転3回転をねらったが、セカンドジャンプで片手付き。トリプルアクセルも片手付き。フリーでは、果敢に4回転を跳び、また片手つきながら、四回回っていた。チャンはSP、ショートともノーミス。プロベールはSP1位が重かったのか、ジュベールのいない大会で地元の期待が重かったのか、吸血鬼のフリーは、ジャンプのキレがなく、3位に沈んだ。ヴァンデルペレンも出だしはよかったが、自滅して4位。ロシアの新鋭ポロノフがSP(4位)、フリーとも自己ベストで2位に躍進。女子は、真央が優勝、沢田11位。沢田は、SPがまさかの最下位で、ジャンプ、スピンなどほとんど全て回転不足と判定されたらしい。フリーでは少し挽回し、初めの連続ジャンプを成功させ、11位。真央は、SPでは、カナダ大会で失敗した課題の初めの連続 ジャンプのセカンドジャンプが1回転に。それでも1位だったが、涙でインタビューは1時間後だった。フリーでは、最初にトリプルアクセルが回転不足で転倒したが、3回転3回転も成功し、今年加点がもらえるようになったステップなどで上積みして笑顔で優勝、GPファイナル進出決定。SP2位のマイズナー(米)は、フリーで転倒し、総合2位。SP終了時点では2人の差は0.92だったが、終わってみれば21点以上開いていた。SP5位だった16歳のワグナー(米)がほぼノーミスのフリー2位で総合3位。逆にSPノーミスで3位だった、初出場のエストニアのグレボワは、フリーで転倒などミスを連発して7位、総合6位に沈んだ。
 ペアは、中国の張・張組が初登場。SP、フリーとも同じ中国のパン・トン組を10点も 上回る充実ぶりで優勝。男性の滑りが滑らかになって、ツイスト・リフト、リフトとも、非常に余裕があり、流れるようになった。ソロジャンプやソロスピンのユニゾンも格段によくなった。パン・トン組は、逆に実力が出ていない感じ。特にトンの体調が悪いようだ。この二組以外はあまり見たことのない選手ばかり。実力も17点以上下回った。

フィギュアスケート (2007.11/28、2008.1/20)

中国杯 (2007.11/8〜10 ハルピン) GP第3戦
 村主4位、柴田最下位の12位。男子はなぜかアメリカからライサチェク、ウィアの両 雄が参加、前チャンピオンのスイスのランビエールもいて、強豪ぞろい。ライサチェクは4回転こそ転倒したが、高橋に負けたアメリカ大会よりずっとよくなり、SPは自己ベスト更新、気迫のフリーで総合2位。ウィアはコーチを変え、再びやわらかさを生かすプログラムで4回転を跳ばずにフリーで自己ベスト更新し、優勝。ランビエールはジャンプが絶不調で4回転は転倒、精彩なく3位。日本の柴田はガチガチでSP、フリーとも最下位。フリーは少し持ち直し、ビールマンスピンなど見せたが、11位のチェンジャン・リーに届かず。それにしてもリーは地元なのに、ひどい出来で、ジャンプが全然跳べず、28歳ではもう引退か、という感じだった。
 女子はキム・ヨナ(韓国)が優勝、なんとジャン(米)が14歳で2位、コストナー(伊)が3位。村主は得意のルッツで転倒、SPまさかの11位発進。さすがにフリーでは持ち直し、フリー3位で総合4位。キム・ヨナは、フリーでただ一人100点台の自己ベストを出し、強い。
 ペアのフリーだけ見られた。地元中国からは3組出場。でも、パン・トン組以外はまだまだ国際レベルじゃない。アメリカの若手、マクラフリン・ブルベイカー組が2位。女性は何とまだ15歳というが、とてもそんなに若く見えない。早熟なのかもしれない。

フィギュアスケート (2007.11/7,9)

スケート・カナダ (2007.11/2〜4 ケベック) GP第2戦
 浅田真央優勝、中野2位、武田6位。女子SPでは、まず武田がベストの滑りで6位。シニアデビュー初戦でフリーは最終組に。中野はステップからのルッツ転倒。普段、練習でも転倒しない人が転んで、解説の荒川も驚いていた。その後、スパイラル、ステップ、スピンときちんと滑り、4位。真央は、冒頭の3回転フリップ3回転ループの後半ジャンプが回転不足で両手つき、トリプルアクセルも不調でダブル、今季力を入れたというステップは長足の進歩でも3位。アメリカ大会から連戦のエミリー・ヒューズが2位、フィンランドの新鋭レピストがコンビネーションで3回転連続ジャンプをクリーンに入れてなんと1位。地元期待のロシェットは5位。昨年逆転優勝したが、厳しい出遅れ。中野がSPで使ったショパンの幻想即興曲は、真央もフリーで使用。荒川もかつてSPで使ったという人気曲。フリーでは武田がまずまず無難に滑り、ロシェットは気合いで序盤は素晴らしかったが、後半ダブルジャンプやシークエンスが抜け、それでもフリー3位で銅メダル。中野は、今季成功率が高くなったというトリプルアクセルが決まり、高速ドーナツスピンも好調、フリップだけダブルになったが銀メダル、真央は逆に不調のトリプルアクセルは封印、その代わりコンビネーションも決め、プラスがもらえるジャンプやステップで勝負して金メダル。
 男子は、日本人がいないせいか、SPは優勝候補のジュベールと地元バトルの2人だけしかやらず。ジュベールはSPで4回転を決め、ダントツの78点台で2位のポンセロ(仏)に10点以上の差。フリーでは4回転転倒、トリプルアクセルも着氷でよろめいたがSPの貯金で逃げ切り。バトルはSPのステップからのルッツで転倒、昨年、怪我で出遅れたため、フリーは同じプログラムだったが、4回転の予定が2回転になったのを始め、二回転フリップなど減点されそうなジャンプばかりで3位のまま。逆にSP5位のヴァンデルペレン(ベルギー)は、ほぼ完璧なフリーで、大逆転の2位。相変わらず、BS朝日にはペアとダンスは影も形も存在しない。ダンスでは、私が応援しているカナダの若手ヴァーチュー・モイヤー組が優勝。ペアは独のサブチェンコ・ソルコビー組が優勝。川口・スミルノフ組が3位につけた。

フィギュアスケート (2007.10/31)

スケート・アメリカ (2007.10/26〜28 レディング) GP第1戦
 高橋優勝、南里10位、小塚8位。安藤2位、浅田舞8位。男子SPは、ヒップホップ風の「白鳥の湖」で滑った高橋がただ一人80点台にのせダントツの1位。米のライサチェクが2位、カナダの新鋭16歳のチャンが3位。フリーでは最終滑走で曲は「ロミオとジュリエット」、4回転は成功したもののトリプルアクセルとルッツで転倒、フリー2位。昔の「 へたれ」が消えただけたいしたものか。ライサチェクは4回転で転倒したものの気迫で盛り上げフリー1位。昨年は織田、一昨年は高橋が優勝していずれも2位だったライサチェクだが、SPの差は逆転できず。南里はジャンプは無難に跳んだが、SP(月光)9位、フリー(カルメン)12位。期待の小塚はSP10位、フリーはビートルズをピアノ曲で滑り少し盛り返して7位。女史SPでは、浅田舞は「ロミオとジュリエット」でのびのび滑り5位、フリー最終組に。昨季世界女王の安藤はSP(サムソンとデリラ)のストレートラインステップでなぜか転倒、冒頭の3回転ルッツ-ループも3-2回転になり2位で、フリー(カルメン)1位でも逆転できず。前世界女王のマイズナーがそつなく滑って優勝。驚異のノービスからジュニアを一年で優勝して駆け抜けた米のキャロライン・ジャンは、SP、フリーとも3位。BS朝日はシングル以外、存在しないかのような放送で、ダンスもペアも一切情報なし。おかげでキャシー・リードとクリス・リードがダンスでどうだったかさっぱりわからず。10組中9位に終わったらしい。優勝は米のベルビン・アゴスト組。ペアはカナダのデューブ・デイヴィソン組が中国のパン・トン組を押さえて優勝。

フィギュアスケート (2007.3/21,22,23,24)

世界フィギュア選手権 (2007.3/20〜25 東京)
 ダンスの規定は、ルンバになったらしい。ウエストミンスターワルツとゴールデンワルツは見たが、ルンバの規定は今季初めて見ることになる。今大会で引退の渡部・木戸組は苦手で28組中15位とか。ODでは、ひとつ下がって16位、FDでまた挽回して、15位で花道を飾った。優勝は、ODで首位にたったデンコワ・スタビスキーが連覇。
 ペアは、組んで一年たたない、川口・スミルノフ組(露)がSP4位と健闘。ロシアが、旧ソ連諸国でない国出身の選手を自国代表と認めるのは、初めてとか。川口25歳、スミルノフ22歳。このまますくすく伸びてほしい。SP1位はもちろん申・趙組。トリノ五輪の昨季はまだ趙の怪我上がりだったが、今季はスピード、高さ、正確さ、優雅さがそろった。昨季の世界王者パン・トン組は、3位。ドイツのサブチェンコ・ソルコビー組が2位。アメリカの井上・ボールドウィン組は、スロートリプルアクセルで転倒して6位。トリノ五輪銀の中国のジャン・ジャン組はSPのプログラムを変更したようで、出遅れて10位。フジテレビは、中国とドイツ、日本人のいる組しか放映しないので、5位につけたカナダのマルコー・ブンタン組やポーランドのシュデク夫妻の演技はわからず。

 男子。シングルは、今年から予選が廃止。その代わり世界ランク順に組み分けされ、織田は、バトル(カナダ)、ブラッドリー(米)などとラス前グループ。最終組は、ライサチェク(米)、ウィア(米)、ランビエール(スイス)、ジュベール(仏)、高橋、サンデュ(カナダ)、プロベール(仏)。織田は、最初のジャンプ・トリプルアクセルがすっぽぬけて精彩を欠き、SP14位。トリノ五輪銅のバトルは、のびのびと滑り、それまでの1位メイビー(カナダ)を大幅に上回る79.90で自己ベスト更新し、SP2位。ライサチェクは、コンビで4回転に挑戦したが、片手をつき、SP5位。ウィアは、全米の転倒もあってか慎重に滑り、勢いがなく、4位。昨季王者のランビエールは、ヨーロピアン欠場のせいかなんか痩せて見えたが、まさかのトリプルアクセル転倒で6位。トリノ五輪銀、今季無敗のジュベールは、2月に足を6針ぬう怪我をしたとのことだが、冒頭で4回転3回転のコンビを決め、ダントツの自己ベスト83.64で首位に躍り出た。高橋は、最初のコンビジャンプの二つ目が回転不足で技術点が伸びず、74.51で3位。滑りとステップはかなり滑らかだったが、本人は「今季最悪のでき」だそうだ。サンデュは、お約束のように二つ目のジャンプ・トリプルアクセルで転倒し11位に沈んだ。フリーでは、ラス前グループのチェコのベルネルが4回転を二回決め、首位に。織田は、冒頭のトリプルアクセルからの三連続ジャンプを成功させ、SPよりずっとよいできだったが、連続ジャンプを四回跳んだら しく、フリー6位の総合7位。ライサチェクは、最終組トップで緊張気味の滑りで、フリー5位でベルネルも上回れない。全米がピークだったか。ウィアは全米よりよかったが慎重さが目立ち、4回転も転倒し、フリー10位に沈んだ。一方、ランビエールは、苦手のトリプルアクセルを決め、4回転からの三連続ジャンプも成功させ、スピンもSPよりずっと 素晴らしく、昨季のいいときに近いできだったが、二つ目の4回転でよろめき、その他細かいミスもありフリー2位、総合で銅メダル。ジュベールは結局4回転を冒頭の一回しか跳ばなかったが、その他のジャンプ全て成功、スピンとステップもそつなくこなして初優勝。ちょっと無難路線だった。次の高橋は、見るからに緊張していたが、最初の4回転で片手をついた以外は、ジャンプ、スピン、ステップともキレがあり、最後のストレートラインでは、満場の手拍子のなか滑りきった後、感極まった表情に。フリー1位で、銀メダルは立派。最終滑走のバトルは、ジャンプにミスが出てフリー8位で総合6位。最終組の選手にはみんな、国旗や横断幕など掲げる日本女性ファンがいて、このホームな感じが日本への親しみを増すのだろうなと思った。

 女子は、浅田真央がSPでまさかのジャンプ失敗。コンビジャンプの二つ目がすっぽぬけて1回転に。SP5位の大誤算。直前にキム(韓)が、腰の痛みなど感じさせないノーミスの滑りで技術点41点台の高得点を出し、構成点合計で71.95のダントツの首位に。それまで3回転3回転のコンビを決めた、ヨーロピアン女王のコストナー(伊)が首位だったが、結局SP3位。その67.15をキムは大幅に上回った。昨季世界女 王マイズナー(米)も3回転3回転のコンビを決め自己ベスト64.67を出したが、SP4位。安藤に期待がかかったが、冒頭のルッツ・ループ連続3回転が決まり、のった。スピン、スパイラル、ステップのできばえもよく、自己ベスト更新。それでも技術点が37点台、合計67.98で、キムに追いつけず2位。中野は、ラス前グループで終始リラックスした表 情で情感たっぷりな芸者「サユリ」をほぼノーミスで演じきったが、コンビジャンプのひとつ目のルッツ着氷で乱れ、3回転2回転に。点も相変わらず伸びず、技術点は33点台、合計60.62で自己ベスト更新でもSP7位。構成点の内、スケートスキルだけ7点台が出た。どのへんが足りないのだろう。
 なんと! 逆転で安藤が優勝!! 直前の六分間練習で、ひとり落ち着いた顔だった。最終組トップのコストナーは、冒頭の3回転3回転の最初のジャンプで転倒。その後もダブルジャンプになるなど、精彩を欠いた。緊張か、ヨーロピアン優勝時の勢いがない。フリー9位総合6位。2番目のヒューズも転倒、フリー13位総合9位。キムもSPでは腰は痛くなかったと言ったが、今日は顔が白い。出だしのコンビジャンプは3回転3回転を美しく跳び、次のコンビジャンプもきれいに決まったときは、優勝は決まったかという感じ。しかし、後半三連続ジャンプの最初でまさかの転倒、その後さらに再度転倒し、フリー4位だったが、この時点では首位。構成点で、5つの要素のうち3つで8点台が出た。総合銅メダル。続く真央も顔はこわばっていたが、冒頭のステップからのトリプルアクセルを成功させ、3回転3回転のコンビジャンプも三連続ジャンプもことごとく決まり、精神力の強さを感じた。スピンとステップはまだまだ改良の余地ありと見た。滑り終わってリンクからあがるとき、涙がポタポタ流れていた。さすがの真央もすごいプレッシャーだったようだ。フリーは自己ベストの1位でこの時点で首位。マイズナーは、冒頭の3回転3回転の最初のルッツで腰砕けになり、SP4位からの挽回はできず総合4位。最終滑走の安藤は、落ち着いて最初のジャンプを決め、世界女子でただ一人というルッツ・ループ連続3回転も決めたためか、公式練習で成功していた4回転サルコウを3回転に変更。後半の三連続ジャンプも含め、ノーミスで滑り、自己ベスト更新。フリー2位で、総合で真央を0.64上回った。日本女子の金メダルは2004年の荒川以来。金銀受賞はもちろん史上初。東アジアで世界の表彰台独占。受賞インタビューで安藤は泣き通しだったが、きちんと答えていた。モロゾフコーチが父親のように嬉しそうだった。真央のインタビューは、ちょっとくやしそうだった。「SPが大事なことがよくわかった」と言っていたのがおかしい。中野は、ラス前グループの最終滑走で、練習では成功してい たトリプルアクセルで転倒、でものびのびと滑って、フリー6位で総合5位は、昨年と同じ順位。

フィギュアスケート (2007.4/1,10)

世界ジュニア選手権 (2007.2/26〜3/4 ドイツ・オーバストドルフ)
 男子は無良が最高で8位。女子は初出場の水津(すいず)が5位。バンクーバーは、真央vs.キム・ヨナかと思っていたが、ジュニア女子1〜3位のアメリカが手強そう。優勝したカロライン・ジャンは、13歳の中国系。キム・ヨナのように総合力がある。体型は完全に少女なのに、頭が腰につきそうなビールマン、安定した垂直のスパイラル、高速スピン、とどれをとってもシニアに通用する技術だけでなく、優雅な滑りまで披露。13歳の優勝は、ミシェル・クワン以来とか。2位の長須未来は、両親は日本人だが、アメリカ生まれ。解説の杉田さんは、将来日本から出てほしいと言っていたが、13歳にして、軽々とジャンプ、スピン、スパイラルなどシニア顔負けの安定感。
 ペアには、アメリカ3組、カナダ2組、ロシア3組と中国、台湾、スイスほかが1組ずつ。中国は若手が伸び悩み。台湾は、アメリカで生まれたヤン兄妹でこの先楽しみ(12位)。カナダは国内2位の方がよかった(6位)。ロシアも国内優勝ペアは女性が38度の発熱とかでキレがなく(銅メダル)、国内2位のバザロワ・ラリオノフ組の方がティホノフ組のようなロシアらしい感じで好感(銀メダル)。アメリカ国内優勝のマクローリン・ブルベイカー組は、昨年3月組んだばかりで、まだ無敗という最強ペア。最初からリフトなど合ったという、驚異の息の合い方。ひと組だけシニアばりの完成度で、別世界のフリー101点台。総合2位に11点以上の差をつけて初優勝。女性はまだ14歳とは信じられない。川口とスミルノフのように、組み替えが成功した例だろう。
 アイスダンスは、ロシア、エストニア、カナダ、アメリカなどが上位。イタリアも健闘。規定は、初めて見たシルバー・サンバ。ここで自己ベストでトップにたったボブロワ・ソロヴィエフ組が優勝。自己ベストで規定2位のエストニアのグランバーグ・ランド組がOD, FDとも自己ベストでの3位で銀メダル。規定6位だったカナダのウィーバー・ポジェ組は、3つとも自己ベストで銅メダル。男性は、姿勢、仕草などモイヤーを思い出させる。ジュラア・グランプリ・ファイナルで準優勝の全米ジュニア・チャンピオンのハベル兄妹は、規定12位で出遅れ、体調も悪く6位にとどまった。地元ドイツのヘルマン兄妹も、3つとも自己ベストで健闘し10位。今後が楽しみな組が多かった。
 男子SPは、無良がトリプルアクセルと3回転コンビジャンプが成功する「最高のでき」で3位、中国系カナダ人のパトリック・チャンが1位、中国のジャンが2位、カナダのレイノルズが4位、ロシアのボロゾフ(ウルマノフがコーチ)が5位、アメリカのキャリエールが6位。フリーでは、キャリエールが逆転で優勝。チャンが2位、ボロゾフが3位。でも、アメリカのあと2人の方が伸びしろが感じられ、10位のハルヴァーソンは、ビールマンスピンもできる16歳(?)で楽しみ。無良は、トリプルアクセルは決めたもののスピンでミスが出て、フリー8位で8位。町田はフリーではノーミスの演技で自己ベストを出し、SP17位から9位。
 女子は、SPでは全米ジュニア1位の長須未来、2位のキャロライン・ジャンと2人の13歳が上位。日本の初出場の村本は転倒(21位)、水津は、自己ベストが出てよかった(5位)が、武田は最終グループですべったが、キレがなく、スピンはばらけ気味、ジャンプの後両手もついて15位。フリーでは、村本は自己ベストのできでフリー8位、総合11位。昨年4位の武田は、地力を発揮できたとは言えず、フリー7位、総合9位。身長が伸びて、ジャンプのバランスが悪くなったらしい。ただ、韓国の選手と0.02だったので、もう少しがんばれば来年も3枠取れたのだが、上位2人のポイントが14以下は2人までなので、ひと枠減った。水津は、初出場、最終組、最終滑走ながら持てる力を出し切り、自己ベストでフリー6位、総合5位。優勝はジャン。いきなり3連続ジャンプを決め、最後は高速スピン。銀メダルは、長須。3回転ジャンプの種類も多いし、回転も速い。スピンの軸もぶれないし速い。スパイラルの足はよく上がるし伸びている。浅田真央より天才かも。3位もアメリカのワーグナー。父が軍人でドイツ生まれ。アングロサクソン系が1人もいないのもアメリカらしい。ジュニアで表彰台一国独占はアメリカは初めて(シニアではクリスティ山口のときにあったとか)。過去にロシアが二回あったそうだ。 

フィギュアスケート (2007.3/2,17,27)

四大陸選手権  (2007.2/5〜11 アメリカ・コロラドスプリングス)
 ペアは、中国のシェン・ツァオ組が堂々の優勝。ひと組だけ別世界。演技構成点の方には、8点台がズラリ。合計も203点台に。中国の2番手パン・トン組は、今季女性が腎炎でGPアメリカ大会を欠場、今回は男性がインフルエンザ、少し前に交通事故にも遭ったとか。18点差の2位。しかしそれでも3位の井上・ボルドウィン組に10点差。井上組は、全米3位の時よりよかったし、SPでは、スロートリプルアクセルも決まったのだが。最下位のウズベキスタンは、6回目の出場とかだが、全然記憶にない。痛々しいほど全てがシンプル。ダンスは、圧巻。世界選手権優勝候補のデュブレイル・ローゾン組(カナダ)が、ゴールデンワルツのCDでトップに立てば、ベルビン・アゴスト組(米)がODで逆転。アメリカの若手と、私の好きなカナダの若手、ヴァーチュー・モイヤー組が僅差で3位・4位。日本から初出場の、アメリカ育ちのリード姉弟(姉19歳、弟17歳)は、すごく長い手足を生かして、好感。アメリカのノービスの大会で優勝したこともあるらしい。FDでは、全米選手権からフリーを新プログラムで滑ったベルビン・アゴスト組もよかったが、デュブレイル・ローゾン組が演技構成点で8点を並べ、初優勝。ヴァーチュー・モイヤー組も逆転で3位確保。表彰台をカナダとアメリカで独占。リード姉弟はODの7位をFDでも確保。コーチがモロゾフとシェーリン・ボーン(元カナダ世界ダンス王者)なのだから、すくすく伸びてほしい。解説の藤森さんによれば、世界選手権は、アメリカ、カナダ、ロシア、ドイツ、ブルガリアの5強の争いとのこと。
 男子は、日本から中庭、南里、神崎が出場。神崎はSPでステップからのルッツで両手をついた他はノーミスで7位。中庭はSPで4回転はやめ、フリーでは何とか跳べたが、トリプルアクセルが不調、南里はフリーで最初のトリプルアクセルで転倒、途中棄権かと思ったが、何とか滑りきった。神崎は初出場ながら、今シーズン・この大会で引退と決めていることもあってか、3人の中では一番の出来。
 女子は、日本から村主、恩田、沢田あきの3人。今回、アメリカとカナダは、世界選手権出場選手を送り込んできた。しかし、マイズナーもシズニーもヒューズもカナダのロシェットも転倒。波乱のSPとなった。村主も得意のルッツで転倒し、コンビがなくなってしまい、さらにフリップまで転倒。痛々しい。冬季アジア大会から連戦で披露のピークらしい。恩田も転倒こそしなかったが、コンビジャンプの最初で片手を付き、二つ目が一回転でポイント0。得意のはずのダブルアクセルもステップアウトし、SP7位。結局、日本勢では、ただ一人ほぼノーミスで滑った、初出場の沢田のSP3位が最高。ロシェット、ヒューズが1位と2位。フリーでは、なんと村主が棄権。前日の転倒で背骨を痛めたとか。恩田は、初めの三連続ジャンプを成功。この時点で1位、総合6位に巻き返した。これで引退かもしれないとのこと。SP1位のロシェットは、ルッツが二つとも1回転になったのが響き、ヒューズに逆転され、総合3位。ヒューズは、高地で終盤息切れする選手がほとんどの中、パワフルに滑りきった。結局マイズナーがSP6位から巻き返して優勝。3回転3回転が決まり、ミスは一つだけ。沢田が最終滑走で、ほぼノーミスで4位に食い込んだのは快挙。

フィギュアスケート (2007.2/20-24)

ヨーロッパ選手権  (2007.1/22〜28 ポーランド・ワルシャワ)
 99年ぶりにワルシャワで開催された今大会は、ロシアの衰退が顕著だった。ペアは、トットミアニーナ組が引退してオベルタス組がロシアのトップかと思いきや、国内優勝はさらに若手とか。しかし、とにかくドイツのサブチェンコ・ショルコビー組の実力が飛び抜けている。ベテランのペトロワ・ティホノフ組(露)とシュデク組が2位、3位。シュデク組は、地元の大声援を受けて、すごく嬉しそうだった。アイスダンスはナフカ組が引退、こちらは順当に若いドムニナ・シャバリン組(露)が国内トップ、続いてホホロワ・ノビツキー組が伸びてきた。結果も僅差で、デロベル・ショーンフェルダー組(仏。規定のゴールデンワルツが最高!)が優勝。ドムニナ・シャバリン組が2位、デンコワ・スタビスキー組(ブルガリア)が3位は順当か。
 男子はプルシェンコが、女子はスルツカヤが引退同然のシーズンで、シングルはロシアの若手が伸び悩み。層が薄くなったということか。男子は、スイスのランビエールも「競技意欲が湧かない」ということで欠場。ロシアのクリムキンも不調か。若手3人の内、最終滑走に残ったのは、初出場・二十歳のルタイ。ジュベールは、GPフランス大会では三回決めたフリーでの4回転を一回にしても、余裕の優勝。2位にチェコのベルネル、3位にベルギーのファン・デル・ペレン。ベルネルは初の表彰台。チェコの2位、ベルギーの3位も初めてとか。女子は、コストナー(伊)の復活が嬉しい。


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