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フィギュアスケート (2009.12/6,2010.4/15,26,27,29)
ジュニアGPファイナル (2009.12/3〜6 代々木・東京)
なんと、男子は羽生、女子は村上がそれぞれ逆転優勝。村上はステップの途中でころんだのに、SP1位のロシアのシェルペンも前半の連続ジャンプが単独になり、後半に連続を入れてきたが、回転不足になったらしい。ジュニアはそれぞれ8人または8組出場。
ペアは、高橋・トラン組が2位と健闘。ロシア3組、中国2組、アメリカ、カナダ、日本からひと組ずつ。ロシアのうち2組とアメリカの組は、男性が21歳なので、もう来年からシニアでやらなければならないが、今季組み替えたばかりの組も多く、やっていけるのだろうかと心配になる。SPでは、解説の若松さんが注目していた、中国の小柄な若いズイ・カン組がトップ。女性のズイはなんと14歳だが、たいへんうまい。リフトなどシニアでも見ないような姿勢の変化を見せた。最終滑走で56.80の高得点。高橋・トラン組もソロジャンプで高橋がちょっとよろけたが、スロートリプルサルコウや、ピンとしたリフトの姿勢などその他の要素はちゃんとこなし、終わったとき、高橋は力強く万歳をした出来。技術点32.32、演技構成点22.12、合計54.44で、3位と5点以上離して2位につけた。トランは、高橋と組むまではシングルの選手だったというのは、初めて聞いた。若松さんによれば、組んだばかりの頃、カナダで見たときは「リフトなど危なっかしかった」らしい。
フリーでは、前半の4組目に出てきたジャン・ワン組(中)がなかなか好感の持てる演技で3位浮上。逆に後半に出てきたカナダのホール・ジョンソン組(SP4位)やロシアのストルボワ・クリモフ組(SP3位)は、ソロジャンプで女性が転倒するなどで順位を下げた。高橋・トラン組は、冒頭のソロジャンプで高橋がよろめいたが、こらえ、最初のスロージャンプは成功。2度目の方は、ちょっと回転不足だったが、リフト、スパイラルなどちゃんとこなし、技術点は4番目の44.88だったが、演技構成点は2番目の46.48で2位キープ。高橋は演技が終わったとき、のけぞった姿勢でガッツポーズ、得点が出たときは口をまん丸にして驚いていた。首位のズイ・カン組は、全体のスピードがすばらしく、演技力も愛嬌たっぷりにチャップリンの「街の灯」の曲を演じた。スロージャンプで回りすぎてステップアウトなどあったが、圧倒的な技術点55.41を出し、演技構成点も一番の48.24で堂々の初優勝。高橋たちとは15点近い差となった。
男子SPは、全日本ジュニア2位の中村は、得意のトリプルアクセルで転倒、動揺してか、ステップからの3回転でも転倒して最下位の8位から。中国の長身のソンは、滑りが荒削りながら、トリプルアクセル他ジャンプは全て決めて、技術点42.40、演技構成点29.30、合計71.70で1位。羽生とジュニアグランプリシリーズで優勝争いしたというアメリカのマイナーが2位。羽生はジュニアGP2大会優勝で、ファイナルも優勝候補。注目が高かったせいか、トリプルアクセルで片手をついたが、最後ビールマンスピンも決め、技術点37.80、演技構成点は最高の32.05を出して合計69.85で3位。18歳、19歳が多い中、14歳で互角にやっているのはすごい。
フリーでは、中村が最初に登場。やっぱりトリプルアクセルで転倒、その他も1回転やもう一度転倒もあり、8位に終わる。ロシアの16歳、ガチンスキーは滑りがなめらかで、将来性を感じた。後半組二人目に出てきた羽生は、最初のトリプルアクセルでなんとか踏ん張るが、後半、二つ目のトリプルアクセルで転倒。しかし3回転3回転も入り、技術点71.02、演技構成点66.90の自己ベスト更新。次のマイナーは羽生を上回れず。最終滑走のソンはいきなり高く美しいトリプルアクセルからの連続ジャンプ、単独のトリプルアクセルと決めてきたが、3連続ジャンプが3回転1回転1回転になり、ループも2回転に。それでも技術点では羽生を上回る71.19を出したが、演技構成点がのびず62.10、羽生が3位から逆転優勝。解説の田村岳斗は、「この若さで追われる立場になるのはたいへんだ。」と言っていた。
ダンスODは、後半4組のうち、最終滑走のシブタニ兄妹だけがアメリカで、あと3組はロシア。なかでもモンコ・ハリアビン組が滑りもうまくてロシア民謡で滑り、OD首位。シブタニ兄妹は抜群のスピードと技術力の高さで迫ったが、1位と0.49差の2位から。BS朝日解説の木戸さんは、「たいへん上手だが、肩に力が入っていることと男女の身長に差がありすぎること」の2点が惜しい、という。妹のマイアは、まだ15歳なので、これから伸びるかも。女性が15歳のイリニク・カサラポフ組は、ロシアには珍しく南米の民族音楽に合わせて滑り、3位。前半4組の内、イタリアのアレッサンドリーニ・ヴァトゥリ組は、男性が二回も転倒し、最下位から。カナダのラルフ・ヒル組は、男性が黒人なのを生かしてアフリカ民謡、というよりゴスペルに聞こえたが、相変わらず男性の滑りがうまくて4位から。
フリーでは、全体的にODより滑り込んである感じで、イタリアの組も挽回。「ロミオとジュリエット」を踊ったプスカス・ゲレーロ組(露)は、得点が伸びずフリー5位。ラルフ・ヒル組は基本に忠実な感じの滑りで4位キープ。「シンドラーのリスト」で滑ったイリニク・カサラポフ組は、初々しい感じながら、よく曲想を表現し、演技構成点最高の42.81を出して逆転で2位浮上。タンゴを踊ったシブタニ兄妹は、今できることはかなりやれたと思うが、木戸さんによれば「上半身の力をもっと抜くことができるといい」そうだ。フリー3位で総合3位。最終滑走のモンコ・ハリアビン組はブルースで踊って大人の雰囲気だったが、女性17歳、男性19歳。もう、シニアでも通用しそうだったが、木戸さんによればまだ伸び代はある、とのこと。ソチ五輪には実力者になっているかもしれない。
女子は、アメリカ四人、ロシア三人に村上佳奈子(15歳)。SP前半四人の筆頭に、どう見ても日系のエリー・カワムラ(米)が出てきたが、体型が怒り肩で、体も硬そうで、6位から。3番目のガオ(15歳)も、東洋系で、キム・ヨナと同じくオーサー・コーチ。細い体に柔らかい滑りで5位。後半の四人はみな滑りがうまい。14歳のシェルペン(露)はジャンプを全て美しく決め、技術点37.78、演技構成点21.76でSP首位。最終滑走の村上は、フラメンコの曲で、3回転3回転の連続ジャンプも決め、ステップ、スパイラル、スピンなど危なげなくノーミスで滑り、1位かと思ったが、演技構成点はダントツの24.52を出したが、技術点が35点で、0.02差の2位。解説の横谷さんは、「ダウングレードがあったかもしれない。」と言っていた。
フリーでは、前半四人が全てアメリカ人。ガオは自己ベストを出して、3位に。逆に後半最初に出てきたオヴチャロワ(露)は、転倒もしてフリー6位。「白鳥の湖」の曲で滑った村上は、前半のスピンの途中でぐらついたのと、後半のステップで転倒してしまったが、その他の要素は三連続ジャンプも決まり、加点がもらえた感じで、技術点は三番目の54.09、演技構成点はトップの47.92で逆転優勝。シェルペンは、初めのふたつのジャンプがそれぞれ三連続と連続ジャンプだったが、着氷でぐらつき、単独に。後半にダブルアクセルからの三回転連続ジャンプを入れて挽回を図ったが、技術点55.59、演技構成点44.16で2位に。
フィギュアスケート (2010.1/3,4,5,6)
全日本フィギュアスケート選手権 (2009.12/25〜27 大阪) 第78回
男子SPでは、高橋が「ダントツの」1位。技術点51点台、演技構成点41点台に場内がどよめいた。小塚が珍しくステップでバランスを崩して片手つきのミスがあったが2位。ただ、高橋とは12点以上の差。昨年覇者の織田はジャンプで両手をつき、転倒扱い、出遅れて3位。「五輪出場内定選手」として恥ずかしくない滑りを意識して緊張したとのこと。翌日の朝日新聞によれば、高橋は、公式練習ではジャンプも跳べず、疲労がたまっていたのに、本番では別人だったと評した。今年からシニアデビューの町田が4位。腰の怪我からの復帰戦の無良が5位。足の手術をして臨んだ24歳の南里は7位、28歳の中庭は冒頭の連続ジャンプの4回転で転倒して8位。ジュニアから参戦の中村が10位、羽生は13位。放送はなかったが、前にビールマンスピンをする珍しい男子選手だった柴田は11位。
フリーでは、南里はSPよりよいできで6位、総合5位。ジュニアの中村が冒頭のジャンプふたつで転倒したが、ステップに見るものがあり、将来楽しみな7位。今年からシニアの佐々木はSPと同じく「躍る」プログラムを見せて9位。中庭は、4回転は回転不足で両足、他のジャンプでも二回転倒、タイミングが全く狂って無惨なできで18位、総合12位。引退かもしれない。放送されなかったが、ジュニアの羽生はフリー5位で総合6位。町田は最終組の一番滑走でやっぱり緊張したが合計で215点台に乗せ4位キープ。織田は4回転に挑戦して転倒したが他のジャンプは全ており、動きはよくなかったが、技術点は最高の85点、演技構成点80.7点をたたき出して2位。無良は風邪もひいたとかで得意のトリプルアクセルがふたつともシングルになり14位、総合10位。小塚は4回転を回避して3回転ルッツにしたが、最後の方のフリップが2回転に、ダブルアクセルが1回転になったものの3位に踏みとどまった。高橋は貫禄の滑りで、冒頭の4回転こそ回 転不足で両足だったが、ステップ、スピンなど磨きがかかり、演技構成点は最高の88.3点を出して、完璧ではないが、優勝。
アイスダンスは二組出場、リード姉弟のみ放送あり。日本舞踊テイストのオリジナルダンスは、ずいぶんよくなったように思った。扇の使い方など様になってきた。姉のキャシーが練習中に転んで悪化させたという腰のヘルニアが心配。「天使と悪魔」のフリーダンスもだいぶこなれてきて、ODで弟のクリスが逆回転の途中で足をついてしまったツイズルもまあまあのできで、3連覇。
ペアは、高橋・トラン組だけの出場だったが、今年見た中で一番いいできだった。
女子SPでは、武田を久しぶりに見た。ジャンプは全部降りたが、演技構成点が24点台と伸びず、12位。三年くらい前、全日本ジュニアで鮮烈だった西野は16歳(?)だいぶ女性らしくなってきたが14位から。ジュニアから参加の中村11位、藤沢9位、今井7位。ジュニア女王の村上15歳は、村主を上回って5位。その村主は、得意のルッツジャンプが決まらず、6位からと出遅れた。真央は、演技構成点に8点台を並べて32点台、技術点も36点台で1位。鈴木明子は、4位、中野は固かったが、技術点は最高の38.7を出して2位から。GPファイナルで五輪代表内定の安藤が3位。
フリーでは、村主はやはりルッツが回転不足で両足着氷、その他のジャンプもふるわずフリー9位で総合7位。最終組一番滑走で出てきた中野は、ものすごく緊張していて、最初のジャンプが回転不足に。技術点、演技構成点とも63点台を出したが、フリー3位で総合3位。安藤は、滑りに心が入っていない感じで、ジャンプに加点がつかず、演技構成点こそ真央に次ぐ64点台を出したが、技術点は52点。フリー4位で総合4位。真央は、冒頭のトリプルアクセルを決めると、後はダブルアクセルに変更して、技術点、演技構成点とも67点台で堂々の1位で4連覇。鈴木は、なんと要素でないところで一回転倒したが、ジャンプ、ステップに勢いがあり、技術点65点台を出して逆転2位で初の五輪を射止めた。演技構成点は中野と同じ63.28。総合で中野との差は0.17。シビアな結果となった。最終滑走は、ジュニアの村上。はつらつと滑って5位。大健闘だ。同じくジュニアの今井がフリー6位で総合6位。中野は「あと四年この緊張を持続できない」と 言ったそうだ。世界選手権代表には選出された。村主も進退を考えるだろう。
これで、五輪代表は、男子が高橋、小田、小塚。女子が安藤、浅田、鈴木。3月の世界選手権には、男子は同じ顔ぶれ、女子は浅田、安藤、中野。1月末の四大陸選手権には、男子は小塚、町田、南里。女子は浅田、中野、鈴木。
フィギュアスケート (2010.1/3)
全日本ジュニアフィギュアスケート選手権 (2009.11/23 新横浜)
BSフジではダイジェストとも言えないような簡略放送。男子は、昨年も優勝の14歳の羽生がフリーでトリプルアクセルを失敗しながらもSPの貯金で逃げ切って連覇。2位は、フリー1位の18歳の中村。初めて見たが、手足も長くて、ジャンプも比較的安定していて、このまま伸びれば世界に通用するかも。女子は、ジュニアGPファイナルで優勝した15歳の村上がSP、フリーともほぼノーミスで優勝。昨年女王の今井はSP3位、フリー2位で2位。男女とも上位5人程度、全日本シニアに参加。
フィギュアスケート (2009.12/26,27,28,30)
GPファイナル (2009.12/3〜6 東京)
女子SPは、鈴木明子から。しっかり滑りきり、SP5位から。次のワグナー(米)に追いつかせなかった。でも、好調を維持しているレオノワ(露)には今季最高点で抜かれた。ロシェット(カナダ)は、冒頭の連続ジャンプでバランスをくずして調子にのれず。安藤は、最初の3回転3回転のはずが3回転2回転になったものの、その他は手堅く表現し、SP1位から。最後のキム(韓)は、今季不安定なステップからの3回転が1回転になってしまい、SP2位。ただし、1位とは0.56差。
フリーは、ワグナーは今持てるものを全部出せてノーミスで滑ったが、要素でないところのスピードや表現がまだまだ。鈴木明子は「ウエストサイドストーリー」にのせて全てのジャンプをクリーンに決めて、直線のステップはキレのある大きな動きで滑りきり、会場全部を味方に付けスタンディングオベーションをもらいフリー3位で総合3位に食い込む。ロシェットは最初の連続ジャンプが2回転になり、第二ジャンプを付けられず、次のジャンプも1回転など絶不調。ステップもよろめきフリー5位。レオ ノワはファイナル初出場の緊張が出たようで、動きも表情も硬く、ジャンプの両手つきもあり最下位に。キムは冒頭の連続ジャンプは3回転2回転になり、両足着氷もあったが、技術点、演技構成点とも61点台を出し、逆転で優勝。安藤も冒頭は3回転2回転の連続ジャンプとし、ダブアクセルとの連続ジャンプも2回転になったが、あとは美しくまとめた。逃げ切りかと思われたが、技術点が58点台とキムに及ばず、その分フリー2位で総合2位、五輪代表内定。
男子SPは、一番滑走のベルネル(チェコ)がいきなり4回転3回転の美しいジャンプを決めたが、アクセルとステップからの3回転がどちらも1回転になってしまった。次の高橋は3回転3回転から入り、トリプルアクセル、ステップからの3回転ともスピードにのったまま決め、ステップも調子よく、技術点は最高の48.3の高得点。SP1位から。ウィア(米)はそつなくまとめたが、届かず。アボット(米)も速い滑りでよかったが、なんとステップからの3回転で転倒。ライサチェク(米)はうまかったが、絶好調でなく2位。ただし、演技構成点は高橋と同じ41.65、技術点が48.2の僅差。織田はグランプリポイントが最高点で最後に登場、全てのジャンプに加点がつきそうな速く美しいできだったが、演技構成点がのびずSP3位から。
フリーは、ベルネルは最初からジャンプがメロメロになってしまい、よく途中棄権しなかったと思うほど。アボットは技術点で最高の82点台を出し、フリー2位、総合4位。ウィアはジャンブ全てをきちんと跳びフリー4位だが総合3位。織田はジャンプは跳んだが、演技が硬めでフリー3位で総合2位、五輪代表は内定。高橋は、冒頭の4回転は回転不足で転倒したが、トリプルアクセル、ステップ、スピンなどはきちんとできて演技構成点はさすがの82点台。フリーは5位で総合5位。ライサチェクは4回には挑まなかったが、その他は全て滑りきり、演技構成点84点台を出しフリー1位で優勝。
ペアは、ジャン・ジャン組(中国)が第1滑走。SPを見る限り、女性のダン・ジャンの調子がだいぶよくなったようで、一安心。その代わり、次に出てきた川口・スミルノフ組(露)が細かいミスがあり、最下位。前半3組目がなんと世界王者のサブチェンコ・ソルコビー組(独)。こちらも調子が出てきたようで、今季最高の高得点。後半最初にロシアのムホルトワ・トランコフ組。なかなかよい滑りで3位に付ける。しかし、次のパン・トン組はよく見えたが得点が伸びず、4位。最後の申・趙組は貫禄で首位。
フリーは、川口・スミルノフ組は4回転こそ跳ばなかったが、慎重にほぼ完璧に滑り、逆転で5位。ジャン・ジャン組は心配だ。パン・トン組は技術点67点台、演技構成点66点台と出して前半組ながら合計で201点を超えた。サブチェンコ・ソルコビー組もそつなく滑ったが、点がのびずフリー4位。しかし申・趙組はスピンが少々ずれたくらいでミスらしいミスもなく、技術点は67点台だが、演技構成点は71点台をたたき出し、自己ベストも更新、合計214点台で2位と12点以上離した堂々の復活。このまま細かいミスを直して五輪でやれれば初の金メダルは間違いないだろう。
ダンスは、二組が出場辞退したという。ベルビン・アゴスト組(米)とファイエラ・スカリ組(伊)だろうか? ODは、カナダの若いウィーヴァー・ポジェ組(19歳,17歳)から。ファイナル初出場とあって緊張している。イタリアのカッペリーニ・ラノッテ組は、GPシリーズでは男性が付けていた仮面をはずした。解説の本田によれば、「表情が見えないので、表現に影響があると判断したのではないか。」次のカー姉弟(英)も初出場だとはびっくり。フランスのペシャラ・ブルザ組はファイナル2度目。だが、カナダのヴァーチュー・モイヤー組がフラメンコで今季最高を更新すれば、アメリカのデイヴィス・ホワイト組もほんの少しツイズルでズレがあったものの今季最高を更新して、1.8差の首位。
フリーでは、ウィーヴァー・ポジェ組はスローな曲を表情たっぷりに滑り今できることを全て出せた感じでよかったが、カッペリーニ・ラノッテ組に届かず。カー姉弟は少し勢いがなく、メダルに届かず。ペシャラ・ブルザ組は、リフトは独創的で、時計を表わした衣装や振り付けもセンスがいいが、男性のスケーティングが安定しないものの3位を守った。ヴァーチュー・モイヤー組は、目にも止まらぬ早業のリフトの姿勢変化やモイヤーの足の上でヴァーチューがノーハンドでバランスをとるリフトなど他のどこ にもない技術を披露。フリーは1位をとったが、銀メダル。デイヴィス・ホワイト組はとにかくスピード感あふれる演技で圧倒、「オペラ座の怪人」を滑りきり、初優勝。
フィギュアスケート (2009.12/23,24)
スケート・カナダ アイスダンス、ペア (2009.11/19〜22 キッチナー) GPシリーズ第六戦
アイスダンス規定はタンゴ・ロマンチカ(放送なし)。地元カナダのヴァーチュー・モイヤー組がトップ、フランスの中堅、ペシャラ・ブルザ組が2位、3位に地元カナダの若手、ウィーヴァー・ポジェ組が入った。ODでは、めずらしく、ヴァーチューがバランスをくずしたが、BS朝日解説の木戸さんによれば、「男性の調子がよすぎて、女性を振り回してしまった」とのこと。「一度演技を止めて、女性の手を取り直して再開するという、教えることができない度胸が驚異的だ。」と言う。それでも2位のペシャラ・ブルザ組と10点差をつけて首位。フラメンコとしては、3位のウィーヴァー・ポジェ組の方がらしかったように思うがその他の技術的な点が違うのだろう。ウィーヴァー・ポジェ組は、中国杯ではOD最下位だったが、今回は快心の演技。
ベイツ・サミュエルソン組(米)が音楽が始まる前から演技しているのが観客に受けていたが、今年はホフロワ・ノビツキー組(露)、カッペリーニ・ラノッテ組(伊)など音楽が始まる前からの演技が目立った。シンクロのようだ。「フォークダンスは2人の位置がサイドバイサイドが多く、多様性に欠けるのでジャッジしにくい」そうだ。「メリハリをつけるにはビートの長さ分だけフリーレッグをピンとのばすこと」とか「音が聞こえてから動いているとコンマ何秒かのタイムラグが出る」とかいろいろ勉強になった。
フリーでは、順位の入れ替わりはなく、ウィーヴァー・ポジェ組が初の表彰台、ヴァーチュー・モイヤー組は連覇でファイナル進出。
ペアは、中国杯で思いがけない転倒があったドイツのサブチェンコ・ソルコビー組が登場。SPからたいへん慎重に滑って、1位。ロシアの若手ムホルトワ・トランコフが続く。中国から参加がなく、地元カナダから3組出場。若いデュベ・ダヴィソン組が3位。4位につけたラングロワ・ヘイ組(カナダ)は、女性の顔に見覚えがあると思ったら、組み替えて2年目とかで、以前のパートナーと世界選手権上位にもなったとのこと。フリーでは、サブチェンコ・ソルコビー組が技術点、演技構成点とも66点台を出し、まだ完璧ではないが、余裕の演技だった。まだとてもロシア若手は適わない感じ。
フィギュアスケート (2009.12/6,7.13)
スケート・カナダ (2009.11/19〜22 キッチナー) GPシリーズ第六戦
男子SPで高橋が2位、昨年ファイナル覇者アボット(米)が1位。 カザフスタンの16歳、デニス・テンが3位。プロベール(仏)は「時計仕掛けのオレンジ」で観客の心を掴むよいできで4位。地元期待のチャンは、ふくらはぎの怪我でロシア杯を欠場、これがGP初戦。冒頭の連続ジャンプも精彩を欠き、スピンでもふらついて6位から。最終滑走のヴァンデルペレン(ベルギー)は冒頭のトリプルアクセルが1回転になり、その後もスピードがなく、何と12人中11位に沈んだ。キャリエール(米)もトリプルアクセルが不調で10位から。初めて見るアメリカのマーバヌーザディーは、顔はインド系か。なかなか滑りがいい。フリーでは、プロベールがノーミスのできで、総合3位。逆にデニス・テンは気負ったのか、3回転ルッツなどで三回も転倒して沈んだ。高橋は冒頭の4回転を「跳躍中に」3回転に変えたが、さすがに滑らかで速い滑りで、フリー1位で総合2位。演技構成点は81点台をたたき出した。アボットはただ一人4回転を決め、3回転3回転2回転の三連族ジャンプも後半に決めるなど、技術点、演技構成点とも70点大を出して優勝。アボットと高橋はファイナル進出。
女子SPでは鈴木明子が8位。長洲未来(米)が出たが放送されず(SP3位)。シズニー(米)がノーミスでSP2位。ジャン(米)はまずまずに見えたが、7位。レピスト(フィンランド)は連続ジャンブが3回転2回転で全体に精彩を欠き4位から。最終滑走のロシェット(カナダ)はさすがうまく仕上げてきて1位発進。フリーでは、鈴木は固い表情で、冒頭の3連続ジャンプは決めたが、その他のジャンプで2回転や回転不足などがあり、「ウエストサイド・ストーリー」の曲想を演じるところまでいかなかった。ジャンもフリップで二回転倒し、SP5位のファヌフ(カナダ)は四回も転倒。長洲、レピスト、シズニーはミスもあったが転倒などはせず、結局5位で、ロシェットが優勝するとGPファイナル出場も決まった。
ペアはサブチェンコ・ソルコビー組が優勝、アイスダンスはヴアーチュー・モイヤー組が優勝。規定はタンゴ・ロマンチカ。
フィギュアスケート (2009.12/21,22)
スケート・アメリカ アイスダンス、ペア (2009.11/13〜16 レークプラシッド) GPシリーズ第五戦
アイスダンスの規定はゴールデン・ワルツ(放送なし)。ベルビン・アゴスト組(米)がトップ、ホフロワ・ノビツキー組(露)が2位でODへ。ナヴァーロ・ボメントレ組(米)は衣装も奇抜だが、リズムもアフロ・キューバンとかで変わっている。ザレツキー兄妹(イスラエル)はユダヤ民謡で、前回より滑りが滑らかになり、3位。イタリアの若手カッペリーニ・ラノッテ組は「帰れソレントへ」等に乗せて2位。逆にホフロワ・ノビツキー組は、ツイズルの逆回りに入ったところで、女性が足をついてしまうなど不調でOD4位で5位に沈む。ベルビン・アゴスト組はツイズルなどスローでもぴったりで、演技構成点を31点台に乗せ、首位キープ。フリーでは、ザレツキー兄妹が今までなくスローな曲でしっかりと滑りきり、フリー2位で総合3位へ。カッペリーニ・ラノッテ組は、女性が吸血鬼のようなメイクで表情での演技も雄弁で、フリー3位で総合2位に躍進。ホフロワ・ノビツキー組はODでのミスのせいか慎重になりすぎ、フリーも4位で総合4位。ベルビン・アゴスト組は、フリーはまだなんとなく未完成のような感じだが、大きなミスはなく、優勝し、GPファイナル進出を決めた。
ペアは、中国杯に続いて、復帰した申・趙組がSPトップで出場。またしてもいきなり74点台の高得点を出し1位。2位はウクライナのヴォロソザル・モロゾフ組。ここはツイストリフトが中国に次いで高くて横になっている。スロージャンプも安定。モロゾフの調子も戻っている。3位に地元カナダのデュハメル・ブンタン組が入り、アメリカのマクラフリン・ブルベイカー組が4位。ロシア杯の時よりはよくなっているがまだ本来のスピードはない。変だったのは、ジャン・ジャン組(中国)。中国杯と同じく明らかに 女性のダン・ジャンの調子が悪く、5位スタート。フリーでもかろうじて滑りきったという感じで、フリー2位にはなったが、演技構成点は全て6点台という低調。デュハメル・ブンタン組が6分練習のスロージャンプの時、女性が右足首を痛め、演技途中で転倒して棄権。ジャン・ジャン組は繰り上がって総合3位。マクラフリン・ブルベイカー組は、まだ女性のジャンプが復調していなくてキレに欠けたが4位をキープ。ヴォロソザル・モロゾフ組はモロゾフがソロジャンプで手をついたり両足になったりしてフリー3位で総合2位。申・趙組は細かいミスはあったものの要素が滑らかに演技に織り込まれており、音楽表現やつなぎの演技もレベルが高く、2位に30点近い差を付けての連覇でファイナル進出。このままオリンピックのメダルもとりそうだ。
フィギュアスケート (2009.11/15,17)
スケート・アメリカ (2009.11/13〜16 レークプラシッド) GPシリーズ第五戦
女子は、キム(韓)がSPでまたも自分の世界最高点を更新してトップ、フリーでは、冒頭の連続3回転の第二ジャンプでよろめき、次の3回転フリップ転倒し、その上3回転ルッツが1回転になり、フリーは2位ながらも、そのまま逃げ切った。村主はSP4位で、演技構成点は、キムに次ぐ得点をマーク。フリーでは、後半、2回転になるジャンプなどがあり、5位、総合4位。全体的には前回よりよかった。SP2位は地元のフラット。フリーは1位で総合2位。ハンガリーのベテラン、28歳のセベスチャンがSP3位、そのまま総合も3位と気を吐いた。その他、エミリー・ヒューズ(米)が復帰。でも放映されず(7位)。グルジアのゲデバニシビリもジャンプが跳べず、SP、フリーとも6位。
男子は、ライサチェク(米)が優勝、南里が9位。みんなジャンプのモスが多く、ミスがなかったのはフランスの18歳、アメディオとライサチェクくらい。地元のブラッドリーはフリーで4回転を跳び、完璧ではなかったが、ベテランらしくまとめて3位に入った。2位は、カナダのソーヤー。SPで最終滑走で出てきたチェコのヴェルネルは、ジャンプがどうにも不調で、SP11位という大波乱。フリーではそこそこ跳んだが、やはりミスもあり、フリー3位でようやく総合5位。SP2位の新鋭アメディオはフリー6位で惜しくも総合4位。滑りが滑らかで速く、将来が楽しみ。SP3位のムロズ(米)は、フリーで崩れて11位、総合8位。
ペアは、復帰した申・趙組が優勝、アイスダンスはベルビン・アゴスト組が優勝とか。ダンスの規定はゴールデン・ワルツ。
フィギュアスケート (2009.11/6,7,10,11,12,)
NHK杯 (2009.11/5〜8 長野) GPシリーズ第四戦
女子は、安藤がSPのステップからの3回転ジャンプで転倒し2位から。ヨーロッパ・チャンピオンのレピスト(フィンランド)は、連続ジャンプの後半が一回転になり4位。中野は連続ジャンプの後半が付けられず3位から。ノーミスで滑ったワグナー(米)が1位。世界ジュニア女王のレオノワ(露)は、ロシア杯より固かったが、5位。マイアー(スイス)は昨年の怪我もあり8位。フリーではマイアーは棄権。レオノワは溌剌と滑り、ほぼノーミスで技術点57点台、演技構成点51点台でフリー1位、総合2位。レピストは滑りは速かったがジャンプが2回転や1回転になり、フリー4位で総合5位。中野は最後の3回転サルコウで転倒、技術点が44点台と伸びず、演技構成点53点台、フリー5位で総合4位。安藤もジャンプのさえがなく、片手を付いたものもあり、技術点は48点台、ただ演技構成点は最高の58点台を出してレオノワを逆転、フリー2位で総合優勝。最終滑走のワグナーは前半はよかったが、後半スタミナ切れか、急にジャンブのステップアウトやスピンの回転数などミスを連発、フリー3位で総合3位。GPシリーズ初優勝を意識しすぎたのかもしれない。とにかく全体にミスが多かった。安藤は滑り終わったときはミスが多くて泣きそうな顔だったが、優勝となって笑っていいのか困った感じだった。安藤はGPファイナル確定。中野はおそらくだめだろう。今年はオリンピック出場の選考で、GPファイナルに出場した場合、表彰台で日本人トップが内定するらしい。
男子は、高橋大輔復帰戦。ところがジャッジにアピールしようとしすぎて、得意のステップで転倒、ステップからの3回転もよろけてSPは4位。小塚はいい状態で臨んだのに、トリプルアクセルで転倒、5位から。ウィア(米)は前回不調のトリプルアクセルを跳んできたが点が伸びず3位。アボット(米)は、自信なさげに滑ったが、ノーミスで2位。コーチが佐藤由香だった! ただひとりSPから4回転3回転を決めたジュベール(仏)がダントツでトップ。ベルントソン(スウェーデン)、ボロドゥリン(露)なども出場。GPシリーズ初出場の村上は、3回転3回転の連続ジャンプ、トリプルアクセルなど ジャンプを全て決め、12人中9位。フリーはなんだかメチャメチャだった。小塚は冒頭の四回転で転倒、トリプルアクセルもだめ、いろいろ減点されたらしくフリー10位の総合7位。高橋はやっぱり四回転で転倒、シングルアクセルから3回転の連続ジャンプ。他に回りすぎて着氷が変だったりもう一度転倒したりで4位のまま。ただ演技構成点は、ジュベールも上回る76.9点を出した。ウィアも体調が不十分とかで無難に滑ることに集中、ステップからのループがばらけた以外はまとめて3位キープ、総合2位。SP2位の アボットはどうしたことか、三回も転倒してフリー6位、総合5位に転落。代わりにチェコの19歳、ブレジナが高いジャンプを美しく全て決め、技術点78点台の高得点で総合3位に躍進。ジュベールは余裕をもって冒頭の四回転を決めると、二つ目の四回転はやめ、後半に連続ジャンプをもっていって技術点70.65、演技構成点76.7点でNHK杯初優勝。「GPファイナルで日本に戻ってくる」と言っていた。
ペアのSPでは、井上・ボールドウィン組(米)は、サイドバイサイドのジャンプで井上が転倒、スロージャンプをトリプルアクセルから3回転ループに変え、成功させたが、点が伸びず4位から。3位は放送されなかったアメリカの若いデニー・バレット組。川口・スミルノフ組(露)は、かなり完成していてロシア杯のとき転倒したというサイドバイサイドのジャンプも成功。川口の白鳥の衣装もよい。技術点は38点台末とすばらしかったが、演技構成点は29点台だったが1位発進。中国のパン・トン組は、技術点は37点台だったが、演技構成点がただひと組30点台に乗せ、2位から。GPシリーズ初出場の高橋・トラン組は、17歳と19歳で、スロージャンプで転倒したが、あとはそつなくこなしたものの、いかにもまだジュニアといった感じで、最下位の8位。フリーでは、高橋・トラン組はサイドバイサイドのダブルアクセルと、ひとつ目のスロージャンプで高橋が転倒、ジャンプシークエンスの第1ジャンブでトランが転倒して8位のまま。転倒しなければ、どのくらいだったのか見たかった。いずれにしろ、まだ審査員に覚えてもらう段階。パン・トン組はノーミスのでき。川口・スミルノフ組はジャンプで失敗し、2位。
アイスダンスは、ODからの放送。規定はタンゴ・ロマンチカ。ODの今年のテーマはカントリー・ダンス。一昨年のフォークダンスとどこが違うのだろう。リード姉弟は和服をアレンジした衣装で、日本舞踊のテイストを取り入れた踊りを披露。ちょっと変な衣装だったが、要素は確実にこなして技術点24点台、演技構成点22点台でCDからの7位をキーブ(10組出場)。カー姉弟(英)は、アメリカン・カントリーで、コミカルに演じて技術点、演技構成点とも28点台で2位。3位のカナダの組とは10点以上差をつけた。1位は デイヴィス・ホワイト組(米)。インドの民族舞踊を取り入れたダンスで、デイヴィスが左右に首を動かしたり、面白かった。衣装もよかった。ホワイトは到底インド人には見えなかった。技術点、演技構成点とも31点台で、演技構成点はただひと組、全て8点台をたたき出した。
フリーでは、リード姉弟は天使(クリス)と悪魔(キャシー)を演じ、なかなか面白かった。クリスは、今年は足の具合もよく、昨年よりよい滑りができている、とのこと。インタビューでも、日本語でしゃべろうとしていた。カー姉弟とデイヴィス・ホワイト組はさすがにうまく、特にデイヴィス・ホワイト組は演技構成点でただひと組51点台の高得点で優勝。ベルビン・アゴスト組をぬきそうな勢い。
フィギュアスケート (2009.12/18,20)
中国杯 ペア、アイスダンス (2009.10/29〜11/1 北京) GPシリーズ第3戦
アイスダンスは9組出場。規定はゴールデンワルツ(放送なし)。地元中国からは2組出場。国内チャンピオンの方が世界ランクは低くて最初に登場。でも、世界ランクの方が実力を反映しているように見えた。後半の5組で出た、カナダの若いウィーヴァー・ポジェ組は、ODはフラメンコで、なかなか感じが出ていてよかったと見えたのに、ステップでつまづいたり転倒があってOD最下位で8位に沈んだ。フリーでは持ち直してほぼノーミスで4位、総合6位。優勝候補は、アメリカのベルビン・アゴスト組。ODはモルダビアの民族舞踊とかでよくわからなかった。解説の本田もアナウンサーも、全然曲名も言わないし、どこのダンスかろくに解説してくれない。対抗は、ロシアのホフロワ・ノビツキー組とイタリアのベテラン、ファイエラ・スカリ組。ODはそれぞれの国のフォークダンスで、なかなかよかったが、どの組もODはまだ滑り込み不足という感じ。OD4位のウクライナのザドロズニク・ヴェルビロ組は、民族衣装に、男性は長い口ひげを付けて出てきて雰囲気があった。フリーでは、ホフロワ・ノビツキー組はまたしてもロシア民謡のような曲で、いつものキレがないようだった。でも2位をキープ。逆にファイエラ・スカリ組はベテランらしくまとめてフリー2位だったが、総合3位。ベルビン・アゴスト組は宗教的な曲でまだぎこちないところもあったが、どの組よりも速く美しく、演技構成点に8点台を並べ、結局2位に14点も差をつけて優勝。
ペアSPは、プロから復帰した申・趙組がSP最初に滑走。一番滑走もものとせず、楽しげに滑りきって、いきなり技術点40点台、演技構成点31点台を出した。同じ中国のジャン・ジャン組は女性が(?)不調のようで、演技構成点は2番目に高い28点台を出したが技術点が33点台でなんと5位から。ロシアの若手イリシェキナ・マイスラーゼ組は女性が18歳に見えないくらい細いが、3位につけた。2位はウクライナのヴォロソザル・モロゾフ組。なんだかモロゾフが不調のようだった。フリーはさすがにジャン・ジャン組が少し盛り返して2位、ヴォロソザル・モロゾフ組が3位。カナダの組み替えたデュハメル・ブンタン組が4位。申・趙組はまだ細かいミスはあるもののひと組だけ「別世界」で、技術点、演技構成点とも60点台を出し、2位と15点近い差をつけて優勝。
フィギュアスケート (2009.11/3,4,5)
中国杯 (2009.10/29〜11/1 北京) GPシリーズ第三戦
日本からは、男子に織田、女子に村主と鈴木明子。女子は、SPで鈴木明子が4位、村主が6位。首位は長洲未来(米)。優勝候補のロシェットがルッツジャンプが跳べずに7位から。コストナー(伊)は3位。フラット(米)が2位。ところがフリーでは、鈴木はほぼノーミスの速い滑りで自己ベスト更新したが、ロシェットはダブルアクセルで転倒、コストナーは2回転や1回転のジャンプがあり、フラットもキレがなく、点数がのびない。長洲は、連続ジャンプなど安定を欠いたが、転倒もせず首位キープかと思われたが 、技術点が思わぬ低得点で、5位に転落。ジャンプが全て回転不足になったらしい。鈴木はびっくりの初優勝。
男子は、SPで織田が世界王者ライサチェク(米)を押さえて首位。ロシアチャンピオンボロノフが4回転3回転を決めて2位。4位にイタリアのコンテスティ。フリーでは、織田は跳ぶと言っていた4回転を回避、トリプルアクセルもはぜて1回転半になりながら、チャップリンメドレーの曲の表現力はよくなり、逃げ切った。ライサチェクはSP、フリーとも演技構成点は織田を上回ったが、フリー2位で総合2位。ボロノフは重圧かジャンプが決まらずフリー3位で総合3位。カザフスタンのデニス・テンは、ジャンプの調子が悪かったが、たいそうよく滑る選手で楽しみだ。
ペアに何と申・趙組が復帰! 優勝したらしい。アイスダンス優勝は、ベルビン・アゴスト組らしい。ダンスの規定はゴールデンワルツ。
フィギュアスケート (2009.12/14,16)
ロシア大会 ペア、アイスダンス (2009.10/22〜25 モスクワ) GPシリーズ第2戦
アイスダンスは9組登場。前半4組は、今年からGPシリーズシニア初参戦の若手ばかり。ロシアの一番若手は、なんと今年組んだばかりのカップル。ドンニナ・シャパリン組が怪我のため欠場。となると、アメリカのデイヴィス・ホワイト組が優勝候補。CDトップで、ODでは最後に登場してインド舞踊のプログラム。NHK杯で先に見たが、あれほど滑らかでないが、たいへんな速さでツイズルもステップもミスなくこなして、ODだけで10点もの差を2位とつけた。その2位は、イタリアの若いカッペリーニ・ラノッテ組。今年からコーチを変えたということで、なんとなく、ダンスに彼ららしさがあまり出ていない感じ。フリーでは、皆完成度はODより高かったが、デイヴィス・ホワイト組がダントツの速さ・うまさで優勝。BS朝日の解説は、なんと本田で、「ジャンプがない、というくらいしか知らなかったが見てみると面白い」とのことでまだまだ勉強中。
ペアは、ロシアがやはり3組出場。女性が14歳でシニア初参戦のマルティシェワ・ロゴノフ組は、男性と7歳も年が違うのに、滑りの上手さは格別。まだ、緊張からか、ジャンプにミスが多く出て、上位に食い込めなかったが、非常に将来有望そう。BS朝日の解説の若松さんも「すごく難しいリフトをしている」と驚いていた。優勝争いは、現在ロシア選手権2連覇中の川口・スミルノフ組と中国のパン・トン組。しかし、SPで川口がソロジャンプで転倒。フリーでは、4回転の予定のスロージャンプを3回転にするなどまだ本調子ではなく、技術点、演技構成点とも59点台を出したが、パン・トン組は、SP、フリーとも、ソロジャンプでの回転数の違いくらいしかミスがなく、フリーは技術点、演技構成点とも、60点台に乗せ、さらに差を広げて堂々の優勝。アメリカのマクラフリン・ブルベイカー組は、滑りに勢いがなく、どちらかが怪我しているか、滑り込み不足のような感じで、SP、フリーとも3位で、2位とは大差の結果に終わった。
フィギュアスケート (2009.10/27,29,30)
ロシア大会 (2009.10/22〜25 モスクワ) GPシリーズ第2戦
まさか本当にブルシェンコ(露)が復帰するとは。しかも三年半休んで一番滑走で、SPからいきなり4回転3回転の連続ジャンプをあんなに鮮やかに決めてくるとは。最後のステップからの3回転ジャンプが2回転になり、要素としてひとつ欠けたにもかかわらず、技術点43点台、演技構成点38点台で合計82.25を出しダントツのトップ。他の選手はジャンプにミスが出て、勝負にならない。さすがにウィア(米)と小塚はほぼノーミスで滑った。小塚はジミ・ヘンドリクスの曲で、佐藤由香が振り付けたという。要素と要素の間のつなぎが弱い感はあったが、要素自体はきちんとやれたように見えた。特にステップはよかった。プルシェンコ以外で唯一技術点で40点台を出し、6.75差の2位から。ウィアは演技構成点で2番目の35点台を出したが技術点が小塚より3点以上低く、3位から。4位にロシアの新鋭ボロドゥリン。最終滑走はヴァンデルペレン(ベルギー)だったが、スピードがなく、どこか痛いようで、まったく振るわず7位に沈んだ。
フリーでは、ヴァンデルペレンは相変わらず全くスピードがなかったが、3回転3回転などほぼノーミスで5位まで浮上。逆にウィアがトリプルアクセルの不調でフリー6位に沈む。小塚は、冒頭の4回転に挑戦、回転不足で両足着氷だったが転ばず、後は今できることを発揮。表情、腕の使い方など表現力もアップ、技術点70点台(当初69点台)、演技構成点69点台で3位と10点以上話した堂々の2位。4分半のスタミナはどうかと思われたプルシェンコだが、体重9kgしぼったというだけあり、軽々と4回転3回転、トリプルアクセルを決め、その他のジャンプも軽々、最後のステップでは指を一本立て優勝を確信。ただ一人別世界の技術点81点台を出し、演技構成点も2位の小塚より7.6も高い76点台で復活優勝。総合で35.52差。3位にボロドゥリン、ウィアが総合4位に入った。ブルシェンコはエキシビションでもトリプルアクセルを三回も跳んで(!)好調をアピールした。
女子では、真央のトリプルアクセル不調が続いている。最初の連続ジャンプのトリプルアクセルを両足で下りると、一瞬とまってしまった。最後のダブルアクセルはきれいに跳んだが、実は採点上、最初のがダウングレードされ2回転扱い、最後のはダブリでノーカウントとなり、演技構成点は最高の28.84を出しながら何と6位から。SP1位には、ノーミスで滑ったセベスチャン(ハンガリー)、2位に全米女王のシズニー。ともに技術点32点台。安藤は、演技構成点では28点台の高得点を出したが、3位から。4位に地元ロシアのレオノワ、5位にワグナー(米)。
フリーでは、後半最初の滑走者となった真央は、最初のトリプルアクセルで転倒、次のはパンクしてシングルに。後半の3回転3回転の第1ジャンプが2回転になり第二ジャンプを付けられず。技術点は40点台に低迷、演技構成点が最高の59点台で何とか5位に上がる。レオノワは伸び盛りの勢いで、ジャンプが不完全でもなんのその、観客全てを味方に付けて、3位に躍進。ワグナーも今持てるものを発揮して2位。逆にシズニーとセベスチャンは、ジャンプの回転不足が多く、4位と7位(総合6位)に沈む。安藤は、一回転倒したにもかかわらず、最初の連続ジャンプも3回転2回転にしたが、加点をとれる演技が多く、技術点58点台、演技構成点57点台で逆転優勝。
ダンスの規定は、タンゴ・ロマンチカ。1位はデイヴィス・ホワイト組(米)。2位にカッペリーニ・ラノッテ組(伊)。ペアのSPは、1位がパン・トン組(中国)。2位に川口・スミルノフ組(露)。放送は全くなし。エキシビションで川口・スミルノフ組をやっただけ。
フィギュアスケート (2009.12/2,4,5)
フランス杯 アイスダンス、ペア (2009.10/15〜18 パリ) GPシリーズ第一戦
テレ朝のアイスダンス放送はODから。二年前と同じフォークダンス。全部で10組出場。地元フランスは、デロベル・ショーンフェルダー組が欠場で、ペシャラ・ブルザ組を筆頭に3組出場。アメリカン・カントリーダンスでOD2位。イギリスのカー姉弟もアメリカン・カントリーで、姉がツイズルでちょっとよろめいて、3位。カナダのヴァーチュー・モイヤー組はフラメンコで、技術点、演技構成点とも唯一30点台を出し、ダントツの1位。それでも解説の木戸さんによれば、「高いレベルを簡単に取ろうとしているが、まだ基礎的な技術にジュニアっぽいところが残っている。もっと足首を使って腰を落として滑ればもっとよくなる。間の取り方、雰囲気の出し方はうまい。」とのこと。カー兄弟も「2006年にプラトフコーチの元に移って技術的なことが改善されてきた。去年までと違い腰の向きが進行方向に沿うようになり、滑りが安定した。」らしい。その他、ロシアのルブレワ・シェフェール組(OD5位、フリー4位、総合5位)がロシアン・カントリー、アメリカのナヴァーロ・ボメントリ組(OD4位、フリー7位、総合6位)がネイティブ・アメリカンの扮装で雰囲気を出していた。フリーでは、ヴァーチュー・モイヤー組がマーラーの5番で滑ってそのまま優勝したが、得点が200点に届かなかったので、それほど喜んでいなかった。2位がペシャラ・ブルザ組、3位はカー姉弟。 アメリカの若いベイツ・サミュエルソン組が4位に入った。
ペアは、8組出場。前半4組の最後に井上・ボールドウィン組(米)が出てきて、前3組とは格の違う滑りを見せ4位と僅差のSP5位。後半の若いロシアのムホルトワ・トランコフ組と世界王者のサブチェンコ・ソルコビー組(独)がSP2位と1位。カナダのデュベ・デイヴィソン組が3位。ところがフリーでは、井上・ボールドウィン組がスロー・トリプルアクセルを成功させて、フリー3位で総合4位。1位のサブチェンコ・ソルコビー組はサブチェンコがスパイラルステップで転倒、その後のソロジャンプではソルコビーが転倒、最後のスロージャンプは1回転になるなど調子を崩してフリー4位でようやく総合3位。ムホルトワ・トランコフ組はほぼノーミスでGPシリーズ初優勝。デュベ・デイヴィソン組が2位。
フィギュアスケート (2009.10/18)
フランス大会 (2009.10/15〜18 パリ) GPシリーズ第一戦
オリンピックシーズンなので、グランプリシリーズの順番が変わった。男子、女子とも出場選手が豪華。男子はチャン(カナダ)が欠場したが、フランスからジュベール、プロベール、ポンセロの三人、チェコのヴェルネル、日本の織田、アメリカから世界ジュニア王者のリッポンとブラッドリー。織田は、SPで技術点は4回転なしでも最高の44点台を出しながら、力を入れてきた演技構成点が34点台と伸びず、最終滑走者のヴェルネルが4回転も成功、技術点43点台、演技構成点37点台で逆転され2位から。ポンセロも4回転を決め、4位につけた。ジュベールは、冒頭の4回転、トリプルアクセル、ステップからの3回転と全てにミスが出て、6位から。リッポンがまだジュニアらしさがありながらほぼノーミスで3位発進。フリーでは、ジュベールはやっぱりジャンプが不調で、3回転3回転など決めたが、4位がやっと。ポンセロ、リッポン、ボロノフ(露)とみんなジャンプにミスが出た。織田は4回転こそ回避したもののチャップリンのメドレーを軽快に滑りきり、自己ベストを更新する高得点。技術点はなんと86点台、演技構成点76点台。見事に優勝。ヴェルネルは4回転、トリプルアクセルなど前半のジャンプは好調だったが、後半、2回転や1回転になったりものもあり、逆転され、総合2位。3位はリッポン。
女子は、10人のみ。フィンランドのコルピ、グルジアのゲデバニシビリ、アメリカのジャン、イタリアのコストナー、日本から浅田と中野、韓国のキム。SPでは、コルピ、ゲデバニシビリ、コストナーは、ジャンプの失敗があり、それぞれ6位、8位、7位から。中野は「オペラ座の怪人」でかなり完成度の高い滑りを見せ、技術点32点台、演技構成点26点台で2位から。ジャンは慎重な滑りで5位、意外だったのは、アメリカの新鋭ギルズが4位につけたこと。真央は、滑る前から心配そうな顔だったが、トリプルアクセルからの連続ジャンプがスピード不足で、シングルアクセルと2回転ジャンプになり、後は無難に滑ったが、技術点29点台、演技構成点も29点台で3位から。曲は去年のフリーと同じ「仮面舞踏会」。キムは、冒頭の連続ジャンプで3回転ルッツ3回転トーループを鮮やかに決め、ステップからの3回転フリップ他、既に完成している感じのレベルの高い演技で、ダントツの技術点43点台、演技構成点32点台で中野に16点以上の大差でトップ。フリーは、コストナーは相変わらずジャンプが不調。総合6位。コルピは全然跳べず、8位に落ちた。中野は「火の鳥」、衣装もパンツルックで派手。トリプルアクセルは跳ばず、滑らかで速い滑りとスピンで魅せた。フリー3位で総合3位。真央は、冒頭のトリプルアクセルからの連続ジャンプは鮮やかに決めたが、ふたつ目のトリプルアクセルは回転不足で両足、最後のダブルアクセルもミスが出て、技術点55点台にとどまり、演技構成点は61点近くまで出したが、総合2位。キムは、冒頭の3回転3回転連続ジャンプも高く、次の3回転フリップは完全に抜けたが、あとは加点の付く美しさで技術点67点台の高得点、演技構成点も66点台と合計210点の世界最高点を更新、優勝。真央に36点以上の差をつけた。今からこんなに完成していて五輪まで調子は続くのか。
ペアとダンスは、テレビ朝日には存在しない。ペアは、ロシアのムホルトワ・トランコフ組が逆転優勝。2位がカナダのデューブ・デイヴィソン組。世界チャンピオンのサブチェンコ・ソルコビー組が3位。SP1位だったのに、何があったのだろう。アイスダンスは、カナダのヴァーチュー・モイヤー組がCD、OD、フリーとも1位で完全優勝。2位と最終的に16点差。地元のバンクーバー五輪に向けて準備万端といったところか。早く放送が見たい。2位がフランスのペシャラ・ブルザ組。3位がイギリスのカー姉弟。今年の規定は、ゴールデン・ワルツ。
フィギュアスケート (2009.4/16,18,2010.2/11)
第一回国別対抗戦 (2009.4/16〜19 代々木)
世界ランク場6ヵ国による国別対抗。日本、アメリカ、カナダ、中国、フランス、ロシアが出場。男女シングル2名ずつ、ペア、アイスダンスひと組ずつ。日本は織田、小塚、安藤、浅田真央、高橋・トラン組、リード姉弟。アメリカは、ライサチェク、アボット、フラット、ジャン、デニー・バレット組(初耳)、ベルビン・アゴスト組。カナダは、チャン、チッパー、ロシェット、ファヌフ、デューブ・デイヴィソン組、ヴァーチュー・モイヤー組。中国は、ペアのジャン・ジャン組以外は、名前と顔が結びつかない。フランスは、ジュベール、アモディオ(これまた初耳)、C. ディディエ、G. ディディエ、ジェイムズ・ボヌール組、ペシャラ・ブルザ組。ロシアは、ルータイ、ボロノフ、レオノワ、ゲルボルト(初耳)、川口・スミルノフ組、ホフロワ・ノビツキー組。放送はテレ朝系列。
ダンスODは3組のみ放映。リード姉弟、ヴァーチュー・モイヤー組、ベルビン・アゴスト組。ヴァーチュー・モイヤー組は疲れているのか、ツイズルでモイヤーがよろめいたり、ステップのタイミングが少しずれていたりで2位。ベルビン・アゴスト組はほぼノーミスで1位。放映はなかったが、ロシアが3位でフランスが4位。リード姉弟は何かの要素のレベルが認定され直して5位から。
男子SPは、日本のキャプテン、織田がトップで無難に4回転を回避して滑りきった(技術点44.8。3位)。小塚は、3回転フリップをおりたところで転倒、トリプルアクセルも1回転に(10位)。驚いたことに、アボットが二回転倒(5位)。チャンも冒頭のトリプルアクセルなどで二回転倒(9位)。ライサチェクは世界王者らしく力強くノーミスで(技術点45.3。2位)。しかし、最終滑走のジュベールが力業で4回転3回転の連続ジャンプを決め、ほぼノーミスで技術点46.54、逆転で1位に。
ペアは、SP2位のロシア・川口・スミルノフ組がスローの4回転ジャンプに挑戦したが、回転不足で両手つき。中国のジャン・ジャン組は、ソロジャンプの乱れはあったが、さすがの演技で余裕の1位。しかしペア以外の種目のポイントが低くて総合6位。
女子SPは、笑顔が武田に似ているレオノワが6位、全米女王のフラットが滑らかな速い滑りだったが3回転3回転が認定されず5位。ジャンはジャンプの調子が戻り、滑りのスピードはないがスピンも相変わらずすばらしく4位。安藤はほぼノーミスで3位。やはり3回転3回転は認定されず、他にスパイラルがレベル1だったようだ。ロシェットは無難にノーミスで安藤と合計点62.08は同じながら、技術点(33.6)で上回って2位。最後の真央は、SPの構成を変え、冒頭の連続ジャンプにトリプルアクセルを持ってくる。無事、成功し、ステップからのジャンプも苦手のルッツからフリップに変更、ただ一人技術点44.4をたたき出し、2位に13点以上の大差をつけた。フリーでは、フラットとジャンがほぼノーミスで滑り、3位と4位を確保し、アメリカの総合優勝が決定。安藤は4回転に挑戦したが、直前練習で転倒してまた右肩を痛めたとかで迷いがあり、2回転になり転倒。女子総合5位で優勝を逃す。ロシェットは、冒頭の3連続ジャンプの予定がよろめいたのとステップでちょっとふらついたくらいで、2位を確保、カナダの総合2位も確定。真央は、トリプルアクセル二回に挑戦。最初のはあまりにもよく跳べて少し回りすぎたため単独に。2回目は回転不足となったが、連続ジャンプは成功。その他のジャンプも決め、今季最後の「仮面舞踏会」のストレートステップも滑りきり、ただひとり200点台にのせた。
次回は2年後だとか。いったいこの大会は何だろう。みんなシーズンオフで今ひとつだったが。エキシビション(放送未見)でランビエールがすばらしい滑りを披露したとか。 エキシビションのランビエールはやはりすばらしかった。バンクーバーに向け、復帰は本気らしい。(後日記)
フィギュアスケート (2009.3/29,2010.1/15,16,17,19,20,22,23,26,29,31,2/3,5)
世界選手権 (2009.3/23〜28 ロサンゼルス・アメリカ)
ペアは、SP2位だった川口・スミルノフ組が3位で初の表彰台。Jスポーツの放送がある4月下旬まで見られない。
ようやく見た。17ヵ国から25組が参加。前年より4組増えたと解説の杉田さんが喜んでいた。アメリカでの世界選手権は4回目だか5回目になるらしいがロサンゼルスは初めてだそうだ。SPでは、最後のひとつ前の組に中国がふた組。今季(2009-10)不調のジャン・ジャン組は、完璧なSP。「歌の翼」に乗せて白鳥の舞を見せた(技術点38.66、演技構成点28.76)が、SP3位。パン・トン組も充実の演技だったが、技術点35.78、演技構成点29.4でSP5位。ロシアのムホルトワ・トランコフ組もノーミスで、演技終了後に女性が見せた表情がすごかった。技術点38.16、演技構成点28.72でSP4位。逆に全米王者のマクラフリン・ブルベイカー組は、女性がソロジャンプで転倒してSP9位。最終組のカナダの若手デュベ・デイヴィソン組も女性がジャンプでステップアウトしてSP7位。しかし、川口・スミルノフ組(露)が、完璧な演技を見せて技術点38.94、演技構成点30.0で、それでもSP2位。杉田さんが川口がロシア国籍をとったことにふれて「綴りがKa"v"agutiになった」と言っていた。昨年覇者のサブチェンコ・ソルコビー組(独)がただひと組技術点41点台を出し、演技構成点も最高の31点台でSP首位。
フリーは、SP17位のジェイムズ・ボヌール組(仏)がツイストリフトを抱えてしまった以外はノーミスのできでフリー11位総合12位。元ポーランドの選手だったシュデクがコーチのケンプ・キング組(英)はフリー13位だが今季最高。総合も13位。マクラフリン・ブルベイカー組は滑りは速かったが、また女性がジャンプで転倒してフリー12位総合11位。逆にデニー・バレット組(米)は、ほぼノーミスでフリー9位総合9位。初出場だが地元でのびのび。パン・トン組は大会に入ってから、男性が風邪をひいたとかでスピン・ステップなど微妙に合わずフリー4位総合4位。ジャン・ジャン組は女性がひざを痛めた時期もあったと言うが、スロージャンプで手をついたもののフリー2位。総合で逆転2位。サブチェンコ・ソルコビー組は、ソルコビーがステップの途中で転倒したが、「何事なかったように」残りを滑り、最後にスロージャンプを決めて、ただひと組演技構成点64.08の高得点を出してフリーも1位で連覇。最終滑走の川口・スミルノフ組は、ソロジャンプでスミルノフが片手を付き、スロー4回転では回ったものの立てずに顔面を打つ転倒、その後がんばったがフリー3位で総合3位。初のメダル獲得。2位とは0.13差だった。
男子は、50人参加。SPで織田は、3回転3回転が壁に近すぎて転倒、フェンス激突、SP7位。ライサチェク(米)は地元の大声援を受け、ほぼノーミスでこの時点でトップに。直後のジュベール(仏)が4回転3回転を跳んだが、間で片手をついたものの技術点46点、演技構成点38.4とも最高で、SP首位。ポンセロ(仏)も4回転3回転を跳んだが、間にターンが入ってしまい、トリプルアクセルもステップアウト、11位から。全米王者のアボットは、3回転3回転で片手をついて10位から。小塚は「テイクファイブ」の曲でほぼノーミスで5位。ヴェルネル(チェコ)は4回転3回転を跳び、Jスポーツ解説の田村岳斗が「今季SPで4回転を決めたのを初めて見た」と言っていた。SP4位。チャン(カナダ)は、流れるような速い滑りでタンゴの曲にのせて3回転3回転も決まり、技術点は2番目の45.6でSP3位。最終滑走のヴァンデルペレン(ベルギー)は「はげ山の一夜」の曲で、出だしの3回転3回転はよかったが次第に滑りが重くなり、SP14位。
フリーでは、スペインの17歳、フェルナンデスが最初に登場。スペイン人で初めてトリプルアクセルを跳んだそうだ。フリー19位、総合19位。第2組では無良がトリプルアクセルからの連続ジャンプを決めたが、サルコウで転倒、フリー16位、総合15位。四月に腰を手術したというベルントソン(スウェーデン)は、ジャンプがだめでフリー20位、総合20位。逆にカザフスタンの15歳、デニス・テンは、美しいトリプルアクセルなどほぼノーミスで、観客もスタンディングオベーション。技術点77.89の高得点、SPと合計211点台でフリー6位、初出場で総合8位。ルータイ(露)は4回転やトリプルアクセルを決めたが、フリー9位、総合10位。ヴァンデルペレンは滑りに早さとキレがなくフリー15位、総合14位。ロシア期待のボロノフは、始め固くてぎこちなかったのが災いして14位。織田は、またしてもジャンプを跳びすぎてフリー8位、総合7位。はじめのトリプルアクセルが連続ジャンプにならなかったので、次のジャンプに3回転を付け、もうひとつ単独のトリプルアクセルを跳び、さらに連続ジャンプを跳んだ後に、3連続のジャンプを跳んでしまい、これがノーカウント。解説の田村岳斗の心配が現実になってしまった。アボットは本来のできではなくフリー10位。逆に最終組のコンテスティ(伊)は、酔いどれガンマンを表情たっぷりに演じきり、フリー5位。「もう4回転の時代じゃない」とジュベールに喧嘩を売ったらしいチャンは、3回転3回転もいいできでフリー2位、総合でも逆転で2位。小塚は無難に滑ったが、トリプルアクセルでよろけてフリー7位、総合6位。ヴェルネルは冒頭の4回転3回転もトリプルアクセルも決めて、解説の樋口さんも田村岳斗も「4回転とトリプルアクセルの両方が成功したのは今季初めて見た。」と口をそろえた。フリー4位、総合4位。地元のライサチェクは完璧な「パリのアメリカ人」で、なんと技術点80.53、演技構成点も79が出て、涙ぐんでいた。最終滑走のジュベールは、4回転はひとつにして、トリプルアクセルからの連続ジャンプにしたが、これが着氷が悪く第2ジャンプが1回転に。さらに最後のダブルアクセルで回りすぎて転倒、万事休した。フリー3位で総合も3位。表彰台では実に不本意そうな顔で、にこにこ顔のチャンと対照的だった。小塚がひとつ順位を落としたが、上位2人の合計が「13」以内なら五輪3枠なので、ギリギリとれた。
女子は、54人参加。SPで全米女王のシズニーがダブルアクセルで転倒。カナダのファヌフは連続ジャンプの最初で転倒。村主は3回転ルッツからの連続ジャンプをきれいに決めたように見えたが、Jスポーツ解説の村主千香さんによれば「エッジがインサイド」だったらしい。9位から。安藤は、連続ジャンプは3回転3回転を跳び、久々に笑顔で滑り終わって4位。真央は、どうしたかステップからの3回転が2回転になりこの要素がなくなり、3位。ロシェット(カナダ)は安定した滑りで2位。ジャンプが乱れている2009-2010シーズンとは比べものにならない。キム・ヨナ(韓国)は、自信が四大陸選手権で出したSP世界最高点を更新し、2位を10点以上上回って1位。
フリーでは、真央が最終組の1番滑走で、トリプルアクセルを二回決めて逆転なるかだったが、二回目で転倒、回転不足もあり、総合で4位。ロシェットはサルコウがパンクした以外はほぼノーミスで2位キープ、安藤も連続ジャンプは3回転2回転とし、ほぼノーミスで3位浮上。4番目にキムが登場、完璧な3回転3回転、いつも失敗していた後半の二回目の3回転ルッツなど成功させ、サルコウが一回転になったり最後のスピンが得点なし(ひとつの姿勢が2回転に不足)になったりしながらもフリーだけで207点をたたき出し、文句なしの初優勝。次のコストナー(伊)は、絶不調で、冒頭の連続ジャンプの最初の3回転で手をつき、次はダブル・シングル・シングルの三連続ジャンプ、後はダブルアクセル以外全てのジャンプが1回転となり、技術点は32点台、総合で12位に大転落。村主が8位に浮上。最終滑走はヨーロピアン初優勝のレピスト(フィンランド)だったが、やっぱり緊張からか、ジャンプの失敗が続き、6位。5位には、ひとつ前の組で滑った全米2位のフラット(米)が食い込んだ。
アイスダンスは、22ヵ国から30組参加。昨年王者のデロベル・ショーンフェルダー組(仏)は女性の怪我で欠場。規定はパソドブレ。技術点の基礎点は15.5。日本のリード姉弟も健闘していたが、スピードと正確さが足りない。技術点14.6でCDは18位。1位はドンニナ・シャパリン組(露)。ただ一組技術点21点台、合計も40点台に乗せた。ヨーロッパ選手権では男性の怪我でOD以降を棄権したが、大丈夫らしい。2位は地元のベルビン・アゴスト組(米)。3位はヴァーチュー・モイヤー組(カナダ)。4位に成長著しいデイヴィス・ホワイト組(米)。男性のホワイトは、金髪のき毛をひっつめて結んでいて雰囲気が違った。5位はホフロワ・ノビツキー組(露)。6位のペシャラ・ブルザ組(仏)は、前年のODがフラメンコで、Jスポーツ解説の藤森さんによると同じ振り付け師に頼んだという。7位がファイエラ・スカリ組(伊)。同じラテンで得意かと思ったら、男性が繊細で力強さがないとのこと。規定廃止の動きがあるらしいが、この同じステップを踊るというのは、見ていて差がはっきりするので面白いから、ぜひ残してほしい。とにかくバンクーバー五輪まではあるらしいので一安心。
ODは、1920〜40年代のリズム。リード姉弟は、四大陸選手権を棄権したが、ゆっくりしたリズムでチャールストンを踊りきって、今季最高点を出し、15位。アメリカの若手サミュエルソン・ベイツ組が速いツイズル、いかにもアメリカ的な水兵と踊り子の踊りを滑って11位。クローン・ポワリエ組(カナダ)は、深い正確なエッジで解説の藤森さんの評価が高い。付け口ひげは、当時の映画に出てきたそうだ。ドンニナ・シャパリン組は練習不足か微妙に合わないところがあったが演技構成点に8点台を並べ、OD2位。ベルビン・アゴスト組はタップダンス。最初にちょっとだけタップのステップ。やはり演技構成点に8点台を並べてODは1位、ここまでの2位。ヴァーチュー・モイヤー組も女性の手術で練習不足、OD6位ながらCDの貯金でここまでの1位。最終滑走は、欧州選手権銀のファイエラ・スカリ組(伊)。水兵の踊りで、後半に男性がつまづいて転倒、女性も巻き込まれて減点2。OD10位に後退。
フリーでは、リード姉弟は長い手足を生かして、エッジもずいぶん深く滑れるようになり、フリー16位、総合も16位。リフトで時間超過があって減点。ファイエラ・スカリ組はノーミスだったが、ODのミスの影響が残っている感じでリフトの時間超過もありフリー8位。最終組は豪華。ヴァーチュー・モイヤー組が技術点で50.7を出してフリー4位、総合3位とくれば、次のベルビン・アゴスト組も技術点50.5を出して合計点を100点台に乗せ、フリーは1位、総合2位。ただ、前者の華麗なリフトを見た後だと、後者のリフトは変化に乏しい感じ。デイヴィス・ホワイト組は、スピードが落ちずに「サムソンとデリラ」をノーミスで滑り、技術点は最高の51.2を出し、フリー3位と追い上げたが、わずか0.04差で総合4位。ドンニナ・シャパリン組はスピードこそ劣るが、演技構成点で最高の50.15、技術点とも50点台を出し、逃げ切って初優勝。最終滑走のホフロワ・ノビツキー組は、欧州王者として臨んだが、藤森さんに「欧州選手権のときの方がよかった。今季のリフトは新鮮味がない」と言われてしまい、フリー6位、総合6位。上位4組はすべて演技構成点に8点台を並べ、合計も200点に乗せた。
フィギュアスケート (2009.3/30,31,9/15,18,10/12)
世界ジュニア選手権 (2009.2/22〜3/1 ソフィア・ブルガリア)
昨年に続いてソフィアで開催。本当は、チェコのオストラバで開催の予定だったらしい。ペアには、日本の高橋・トラン組が出場。SP8位で、フリー7位、総合で7位。初めてまともに見たような気がする。SPでは合計点は7位の中国のペアと同点だったが、技術点が中国の方が0.2高く、8位となった。フリーでは、技術点、演技構成点とも上回り、7位。フリーのジャンプインスピンの入りで転倒し、要素がなくなってしまったのが痛かった。ステップはレベル3をとれたようで、プログラムを全部こなせれば、もっと点が出そう。1位、2位、5位がロシア、3位がアメリカ、4位と6位がカナダ。2位に入 ったロシアのマルティシェワ・ロゴノフ組は、SP11位から、フリーで1位をとり、挽回。まだ女性が13歳だか14歳とかで、今こんなにうまいのに、ものすごく伸び代もありそうで、すごく楽しみ。
アイスダンスの規定は、パソ・ドブレ。初出場の全米ジュニアチャンピオン、チョーク・ズーリン組(米)が1位、昨年の全米ジュニアチャンピオン、ハベル兄妹(米)が2位、プスカシュ・キセレフ組(露)が3位。日系の初出場のシブタニ兄妹(米。14歳と17歳)は5位。ODのテーマはシニアと同じく1920〜40年代のリズム。シブタニ兄妹はオドロキだった。妹のマイアはまだ145cmしかないが、2人ともものすごく滑りが滑らかで、見ていて無理がない。全米ジュニアでも2位。解説の藤森さんも、「すごく期待されている組で、アメリカは絶対手放さないだろう」と惜しそうだった。ただ日系でこれだけできるなら、日本人にも期待が持てるとも言っていた。フリー2位で逆転して総合2位。チョーク・ズーリン組も滑りが上手くて速い。フリーは「オペラ座の怪人」を表情たっぷりにノーミスで滑りきり、全て1位で完全優勝。両組とも、コーチはイゴール・シュピルバンド。OD3位につけたハベル兄妹は、アメリカが表彰台独占かと思ったが、フリーがチョーク・ズーリン組の直後で、見劣りがした。フリー4位で総合4位。ジュニアではメダルがとれずじまいに。総合3位は、規定7位、OD2位、フリー3位のロシアのリアザノワ・ゲレイロ組。男性は、父親がポルトガル人で、オーストラリアで育ったという変わり種。その他、総合5位に入ったカナダのラルフ・ヒル組は、男性のヒルは黒人で、まだ17歳だが、滑りが実にうまい。足が氷に吸い付いているよう。ダンスも、フリーのブルースを実に楽しげに踊り、藤森さんが「とても楽しみ」とコメント。9位のアレッサンドリーニ・ヴァトゥーリ組(伊)や、10位のフィンドレー・リシャー組(仏)は女性はカナダ出身で、楽しみな感じだった。
男子シングルは、リッポン(米)が連覇。世界ジュニアでは、「連覇」というのは初めてらしい。優勝すると普通、シニアに行ってしまうが、アメリカは上がつかえている。SP、フリーとも1位で完全優勝。昨年はトリプルアクセルなしでの優勝だったが、今回は、美しく二回も決めた。ジュニアは、SPのジャンプやスピンの種類が決められているが、ステップからのトリプルルッツ、足替えスピンはシットスピンの組み合わせ。2位はチェコのブレジナ。3位にロシアのグリゴリエフ。4位のカザフスタンのデニス・テンが異色。中国系のような容貌で、実に滑りがうまい。ロシアで練習しているそうだ。日本の羽生は、今季最高は出したものの、SP11位、フリー13位で総合12位。来年も1枠かな。ビールマンスピンができるほど体が柔らかいのだが、トリプルアクセルで手をついた。
女子は、なんとロシアのレオノワが優勝。SP3位、フリー2位ながら、大きなミスをしなかったのがよかった。屈託なく笑うようすが、日本の武田にそっくり。今回は出戻り組が多く、アメリカのワグナー(二年ぶり)、グルジアのゲデバニシビリ(四年ぶり)や、ジャン(米)のようにシニアで活躍中の選手なども。ジャンは一昨年優勝、昨年2位。再び優勝をねらってきたが、何とSP10位の大幅出遅れ。しかし、フリーは今季見た中で一番いいくらいで、1位、総合2位と盛り返した。ゲデバニシビリは、SPが完璧と言ってもいいくらいで、2位と3点近くあいた1位にたったが、フリーでジャンプが決まらず、11位、総合6位。いつもSPとフリーがそろわない。ワグナーは、全米で4位となり、世界選手権(2枠)に入れずジュニアに出場。SP2位、フリー3位で総合3位。初出場のハッカー(米)やヨシ・ヘルゲソン(スウェーデン。姉がシニアにいる)もそつなく滑り、5位と4位に入った。日本は、今井と鈴木の2人が出場。鈴木はSP25位で上位24人に残れず。24位の韓国の選手と0.44差だった。今井はSP17位、フリー16位で総合16位。ジャンプのミスなど全体にぱっとしない。
フィギュアスケート (2010.1/10,11)
四大陸選手権 ペア、アイスダンス (2009.2/4〜8 バンクーバー・カナダ)
ペアは、11組出場。チャイニーズ・タイペイの選手を初めて見た。アメリカ生まれで、アメリカで練習しているそうだ。全米3位の井上・ボールドウィン組は、SPでは課題のツイストリフトがフリーではだいぶよくなり、ジャンプもなんとかこなし、ペアスピンはすばらしくSPは5位、フリーではスロージャンプが両足になり7位で総合7位。全米王者のマクラフリン・ブルベイカー組は、スピードは速いがジャンプにミスがあり、SP7位、フリーで盛り返して5位、総合5位。新しい女性と組んだ、カナダのデュハメル・ブンタン組はSP4位、フリー6位で総合4位。カナダ王者のデュベ・デイヴィソン組は、なめらかな滑りでほぼノーミスだったが、技術点は最高の37点台だが、演技構成点が27点台でSP、フリーとも2位。中国のジャン・ジャン組は、女性のダン・ジャンにジャンプミスがあり、SP、フリーとも3位。女性の足の故障で三日しか練習できなかったとか。前回覇者のパン・トン組は、余裕の演技でSP、フリーとも1位で連覇。フリーではただひと組、技術点(67点台)、演技構成点(61点台)とも最高の60点台に乗せた。
アイスダンスには11組出場。日本のリード姉弟は直前に怪我で辞退。規定はフィンステップという新しいダンス。フィンランドの選手がODで踊ったものから作られ、規定に取り上げられるのは初めてとか。Jスポーツの解説の藤森さんは「シャンパンのようにはじけるダンス」という。デイヴィス・ホワイト組(米)もずいぶん速く弾んで踊っていたが、CD1位は地元カナダで昨年覇者のヴァーチュー・モイヤー組。ヴァーチューの足の治療でGPシリーズすべて欠場し、これが今季(先季)国際公式戦の復帰戦。規定3位は初出場の若いクローン・ポワリエ組(18歳と17歳。カナダ)。4位にやはり初出場の若いアメリカのサミュエルソン・ベイツ組。ODは、30〜40年代のリズム。ブルースやチャールストンが多い。ヴァーチュー・モイヤー組はトップを保ったが、女性の足がまだ万全ではなく、2位のデイヴィス・ホワイト組とは0.5点の僅差。初出場の二組は、スローな曲を上手に滑ったクローン・ポワリエ組を、軽快にチャールストンを表現しきったサミュエルソン・ベイツ組が上回った。ポワリエは、17歳の若さで口ひげをつけて出てきたが、様になっていた。この組はエッジで滑る一足が長くて美しい。サミュエルソン・ベイツ組は技術点で最高の33点台を出した(OD1位、2位とも技術点は31.6)。フリーでは、とうとうデイヴィス・ホワイト組が逆転し、1.5点差ながら初優勝。ヴァーチューは軽いスタンブルなどあったが、モイヤーの足の上でノーハンドのバランスをとるリフト(今季は下り方がジャンプ)も披露。サミュエルソン・ベイツ組は初出場で堂々の3位。このほか、中国は3組出場したが、初出場のワン・ガオ組(20歳と28歳。男性は別のパートナーとだが4回目とか)は、長い手足を生かした滑りで、将来性を感じた。
フィギュアスケート (2009.2/8,9)
四大陸選手権 (2009.2/5〜8 バンクーバー・カナダ)
女子シングルSPでは、浅田真央がまさかの6位スタート(57.86)。もちろん首位はキム・ヨナ。ただひとり70点台(72.24)。真央は、冒頭の連続3回転の最初のルッツのエッジを修正中で回転不足になり、2番目の3回転も回転不足。素人目には、最初のルッツはちゃんと3回転したように見えたが。村主は、冒頭の3回転ルッツ2回転トーループ から無難に滑り、3位から(60.18)。過去七回出場、三回優勝で開示用も大きな拍手。鈴 木明子は緊張したのか、ジャンプが乱れて9位から。地元ロシェットは、最終滑走のプレ ッシャーにも負けず、堂々の2位(66.90)。3位は、やはりカナダのファヌフ。5位は全米で2位ののキャロライン・ジャン。ジャンプが復活してきた。このリンクは来年の五輪会場だが、リンクの狭い方の幅が公式より4mも短いためか、カナダの選手以外は慎重に滑っている感じ。来年までには改修するらしい。
フリーでは、最終組トップが真央。今回ジャンプの調子が今ひとつなので、トリプルアクセルは二回を一回に、苦手のサルコーはやめるなど変更。しかし、最初のジャンプがシングルアクセルに。次の三連続ジャンプを決めると、再びトリプルアクセルに挑戦、見事に決めた。後半、トウループが2回転になったが、その他はまとめ、フリー1位(118.66)、総合3位(176.52)。村主は、後半の、得意のはずのルッツで着氷が乱れ、その後も一回つまづいて止まったりする珍しいミスが出て6位に後退。ファヌフは滑り出しはたいへんよかったが、後半ミスが出て、5位。ジャンは、ほぼノーミスで今季最高を出したが、真央に届かず、4位。ロシェットは貫禄で2位キープ。最終滑走のキムは、途中のループジャンプで転倒。その後の三連続ジャンプも回転不足になったらしく、フリー3位だが(116.83)、優勝。第3組で滑った鈴木明子は、ダブルアクセルとの連続ジャンプが一回転になるミスがあったが、SPでも評価された華麗なステップで観客を魅了。8位に順位を上げた。全米女王のシズニーは、ジャンプの失敗があり9位。
男子SPは、小塚が3位から(76.61)。トリプルアクセルの着氷が怪しかったがふんばり 、ステップ、滑りのスピードは一流。日本でちゃんとリンクが狭いことを調べ、その大きさで練習してきたとのこと。しかし、地元のパトリック・チャンは相変わらずすごい。技術点50点台を叩きだし、88.90点もの高得点。小塚を12点以上も上回った。2位に入ったライサチェク(米)もほぼノーミスながら、81点台。「ボレロ」でSPを滑った。最終滑走の織田は、冒頭の連続3回転の2番目の3回転が2回転になってよろけた以外は大きなミスはなかったが、75.04。フジテレビ解説の荒川が言ったように、のびのび滑っていない。南里の放映はなし(11位)。
フリーでは、ライサチェクは、今季序盤の点数が出ないプログラムを修正し、155点台の高得点。でも昨季の爆発的な強さはなし。小塚は冒頭の4回転転倒は織り込み済み、後半のトリプルアクセルが両足着氷になったが、それ以外ミスなし。でも145点台しか出なかった。この時点で2位。すぐ後にチャンが滑り、珍しく後半のジャンプでミスしたが、なんと技術点、演技構成点とも80点台の高得点でさらにライサチェクを引き離しての優勝。末恐ろしい18歳だ。全米王者として出場のアボットは、後半自滅。4回転不発、転倒もありフリー6位、総合5位。また最終滑走の織田は、やはり冒頭の4回転で転倒、トリプルアクセルでも片手をついたり、滑りにスピードがないし、キレもない。どこか痛いのかもしれない。それでも145点台を出し、4位に。南里の放送はまたもなく、足の痛みとかで12位に後退。
ペアとダンスは瞬間映像と結果のみのフジだった。ダンスは、リード姉弟が公式練習でクリスの怪我のため出場辞退。クリスは今年の開幕前の膝の手術が通算3回目とか。カナダのヴァーチュー・モイヤー組が復活して2位のは見たかった…逆転したデイビス・ホワイトも見たいけど、Jスポーツがやるまでお預け。
フィギュアスケート (2009.7/7,21,22,23,24,8/4,5,10,11)
ヨーロッパ選手権 (2009.1/19〜25 ヘルシンキ・フィンランド)
男子は、SPからジュベール(仏)が4回転3回転を決めて、ダントツの1位。2位に昨年覇者のベルネル(チェコ)。80点台はこの2人だけだが、点差は5点以上ある。3位にイタリアの新鋭コンテスティが入った。二年ぶりと言うことだが、以前はフランス国籍だったとか。ベルギーのヴァンデルペレンはどこか痛いような慎重な滑りぶりで無難に4位。5位にはプロベール(仏)。トリプルアクセルで転倒しSP12位だったが、17歳のスペインのフェルナンデス選手が新鮮だった。フリーでは、第1組に出てきたスイスのオスマンがダントツでトップに立った。ところが、第3組のポンセロ(仏)が、4回転をクリーンに跳び、技術点81点、演技構成点70点という超高得点をたたき出し、最終組にまで圧力をかけた。最終組のベルネルは、ジャンプが不調で、一回転になったりして結局6位に沈んだ。プロベール(仏)は、そこそこうまく滑ったが、基本の滑りがよくないので、点がのびず、この時点でポンセロに続く2位。続くコンテスティは、ガンベルトを腰にまいてウエスタンの演技。ジャンプも決まり、なんとここで逆転の1位に。ジュベールは、3週間前に変えたばかりという新しいプログラム。4回転、トリプルアクセルと万全でないが何とか跳び、途中3回転ルッツで転倒しながらも、2位に12点差もつけて二年ぶりの優勝。ヴァンデルペレンは、手術したのに痛みが再発したとかで、背中、腰、ひさ、足首と満身創痍。やはり慎重な滑りで、スピードやキレはなかったが、Jスポーツの解説、本田武史が「ジャンプは全て加点がつく」と言っていた。最後まで滑りきった途端、感激して泣きそうだった。結局3位になり、ポンセロは4位に。SP6位のボロノフ(露)は、4回転で転倒、回転不足や一回転ジャンプなど多発し、自滅して9位に。
女子は、サラ・マイアー(スイス)が欠場。SPでは、地元フィンランドのレピストが3回転3回転の連続ジャンプを決め、首位。最後のアクセルがシングルになってしまったが、ただ一人技術点で30点台を出した。続いて0.56差で同じくフィンランドのポイキオ。ポイキオは、ほぼノーミスで滑ったように見えたが、スパイラルなど三つの要素がレベル1に評価されたのが響いた。コストナー(伊)は最終滑走で、素晴らしいスピードにのった滑りだったが、最初の連続ジャンプの第1ジャンプで少しよろめき、ステップからのルッツはトゥをつく足が軸足にぶつかって転倒。これでスピンやステップもいつもほどのキレがないと解説の村主千香さんは言っていたが、演技構成点は、最高の27.96でSP3位。もう1人のフィンランド、コルピは、連続ジャンプの第1ジャンプで両手をつき、転倒扱いで減点1。第二ジャンプも跳べず。ステップからのジャンプも回転不足で、さんざんの技術点22.16でSP7位。ベルギーのヴァンデルペレンと去年結婚したイギリスのマッコーケルは、スピードはないが、きれいなエッジの滑りで着実に要素をこなし、メダルを狙える4位につけた。
フリーでは、第2組に出てきた27歳のセベスチェン(ハンガリー)が転倒があったものの今季最高を出してトップに。第3組のディートルト(独)、レオノワ(露)がそれぞれ今季最高を出して首位が入れ替わる。地元のコルピは、滑り出してすぐ、転倒して壁に激突。やり直したが最初の3回転ルッツは跳べず。レオノワに4点ほど差のついた2位。最終組は、コストナーが112点もの高得点を出したが、レピストが連続3回転を3回転2回転にしても合計110点台で初優勝。直後に滑ったポイキオも、2回転になったジャンプもあったが大きなミスなく3位。初出場のロシアのゲルボルトが最終滑走ながら、がんばって6位。レオノワは最終的に4位、コルピは5位に入った。その他イタリアのポルトンなど将来楽しみな選手がいた。
ペアは、過去最多の21組出場。SPは、ウクライナのモロゾフ組と現世界チャンピオンのサブチェンコ・ソルコビー組(独)が他を引き離している。解説の杉田さんが、「モロゾフ組はコーチを変えたら、見違えるほど演技内容が変わった」と言う。最終組でロシアの二番手ムホルトワ・トランコフ組が何と1位に立ち、川口・スミルノフ組(露)は、今季ずっとツイストリフトが抱え気味になる悪癖が出て、3位に甘んじた。フリーでは、ロシアの若手ペアは、1位の重圧からか、スロージャンプで女性が大転倒、壁にぶつかってすごく痛そうだった。結局3位に後退。サブチェンコ・ソルコビー組は完璧と言っていいできで二連覇。最終滑走の川口の組は、逆転優勝をねらって、スロージャンプ4回転に挑戦したが、四回まわったものの、両足下りで片手もついてしまった。でも逆転で2位。
アイスダンスは、昨年覇者デロベル・ショーンフェルダー組が、女性の肩の手術で欠場。珍しくコンパルソリーを8組ほど放送。新しい「フィンステップ」というダンスで、クイックステップの氷上版とか。ハンガリーから、以前、アッティラ・クルトと組んでいたノラ・ホフマンがアメリカから移籍してきたザボジン選手と組み替えて出てきた。優勝候補のひとつ、ロシアのドンニナ・シャバリン組は、男性がヒザを二回も手術したと言う話をしていたら、シャバリンが二巡目の最後で転倒。OD以降を欠場。結局、同じロシアのホフロワ・ノビツキー組が1位。イタリアのファイエラ・スカリ組が2位。3位にはイギリスのカー姉弟がつけた。フリーでは、若いイタリアのカッペリーニ・ラノッテ組が滑らかなスピードある滑りで、ほぼノーミスの演技。総合5位。ハンガリーのホフマン・ザボジン組は、途中で男性が転倒して以後、ダンスにキレが戻らず残念。最終組は、ODまでで4位に付けていたナヴァーロ・ボメントレ組が衣装の早変わりも見せたが、ほぼ完璧な滑りで技術点、演技構成点とも46点台の高得点で初のメダルの期待。ファイエラ・スカリ組も「月光」の曲でピエロをもの悲しく滑りきり、技術点、演技構成点とも45点台で総合2位をキープ。カー姉弟は本当に滑りがうまくなった。技術点46点台、演技構成点45点台で、あとひと組を残して2位に入り、初の表彰台、3位を確信すると、弟のジョンはキスアンドクライで泣き出した。最終滑走のホフロワ・ノビツキー組は、さすがに少し緊張したようだが、こちらもほぼノーミスで滑り、2位に10点以上の差をつけて初優勝。
フィギュアスケート (2009.6/21,22,25,)
全米選手権 (2009.1/18〜25 クリーブランド、オハイオ)
驚いたことに、女子シングルは、直前にマイズナーとエミリー・ヒューズが怪我のため欠場、23人出場。SPで1位だったアリッサ・シズニーの初優勝。フリーでは転倒して3位だったが、SPで2位のフラットと5点以上あった差で逃げ切った。昨年、表彰台を独占したジュニア勢は、ディフェンディング・チャンピオンの長洲未来は、今シーズンずっとジャンプの調子が悪かったが、SP6位、フリー5位で総合5位。2位だったフラットがSP、フリーとも2位で二年連続2位。昨年3位で、昨年のメダリストで唯一世界 選手権に行ったワグナーは、SPで失敗し12位、フリーで1位という力演を見せたが、惜しくも総合4位。昨年4位で悔しそうにしていたジャンは、SP3位、フリー4位で総合3位。初の表彰台で嬉しそうだった。
男子は、抽選のSP滑走順がすごかった。一番滑走がライサチェク、二番滑走がアボット。いきなり優勝候補が滑って採点しにくかったのでは。順当にSP2位、1位をとった。キャレエール、リッポンなどジュニアのチャンピオンも第1組に入り、豪華メンバー。自己ベストの更新を狙ったペニントンが第2組で滑り、SP3位。最終組は、3番目にウィア(SP7位)、5番目にブラッドリー(SP5位)。最終滑走のムロズがSP4位に付けた。フリーでウィアは5位、総合も5位。ライサチェクは4位だったが、総合3位で念願 の地元ロスでの世界選手権へ。ムロズとブラッドリーは4回転ジャンプを決め、それぞれフリー2位、総合2位、フリー3位、総合4位。アボットはフリーも1位で完全優勝。
アイスダンスは、これまた優勝候補ベルビン・アゴスト組が欠場。アゴストの腰が不調とのこと。デイヴィス・ホワイト組が優勝候補筆頭でOD、フリーも1位で優勝だったが、Jスポーツでは放送はフリーのみ。2位は若手のサミュエルソン・ベイツ組。OD、フリーとも2位だった。3位にはSP6位だったベテランのナバーロ・ボメントレ組がフリー3位で入った。規定の3位がやはりものを言ったようだ。
ペアも放送はフリーのみ。どうしたんだろう。井上・ボルドウィン組はSP3位から。昨年覇者のマクラフリン・ブルベイカー組はSP2位。SP1位はグランプリシリーズでは見たことのない、デニー・バレット組。結局、フリーでマクラフリン・ブルベイカー組が逆転して連覇、井上・ボルドウィン組も3位キープして表彰台。