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2011フィギュアスケート・バックナンバー


12/8〜11 ジュニア・グランプリ・ファイナル (ケベック・カナダ)
12/25〜28 ロシア選手権 (サランスク)
12/23〜26 全日本選手権 (大阪)
12/8〜11 グランプリ・ファイナル ペア・アイスダンス (ケベック・カナダ)
12/8〜11 グランプリ・ファイナル (ケベック・カナダ)
11/25〜27 全日本ジュニア (八戸)
11/25〜27 ロシア杯 ペア・アイスダンス (GPシリーズ第6戦・モスクワ)
11/25〜27 ロシア杯 (GPシリーズ第6戦・モスクワ)
11/18〜20 フランス杯 ペア・アイスダンス (GPシリーズ第5戦・パリ)
11/18〜20 フランス杯 (GPシリーズ第5戦・パリ)
11/11〜13 NHK杯 (GPシリーズ第4戦・札幌)
11/4〜6 中国杯 ペア・アイスダンス (GPシリーズ第3戦・上海)
11/4〜6 中国杯 (GPシリーズ第3戦・上海)
10/28〜30 スケート・カナダ ペア・アイスダンス (GPシリーズ第2戦・ミシサガ)
10/28〜30 スケート・カナダ (GPシリーズ第2戦・ミシサガ)
10/21〜23 スケート・アメリカ ペア・アイスダンス (GPシリーズ第4戦・オンタリオ・カリフォルニア州)
10/21〜23 スケート・アメリカ (GPシリーズ第1戦・オンタリオ・カリフォルニア州)
4/24〜5/1 世界フィギュアスケート選手権 ペア・アイスダンス (モスクワ)
4/24〜5/1 世界フィギュアスケート選手権 シングル (モスクワ)
2/28〜3/6 世界ジュニア・フィギュアスケート選手権 (・韓国)
2/15〜20 四大陸選手権 ペア・アイスダンス (台北)
2/15〜20 四大陸選手権 (台北)
1/22〜30 全米選手権 ペア・アイスダンス (グリーンズボロ・ノースカロライナ州)
1/22〜30 全米選手権 (グリーンズボロ・ノースカロライナ州)
1/24〜30 ヨーロッパ選手権 (ベルン・スイス)

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フィギュアスケート (2012.2/6,7,)

ジュニアGPファイナル (2011.12/8〜11 ケベック・カナダ) GPシリーズ

 放送は、全てフリーのみ。シングル6人、ペア、ダンス6組ずつ。
 <男子シングル>田中刑事と日野龍樹が出場。SPは、日野が5位で田中が6位。フリーでは、田中(17)が第一滑走。冒頭の3回転フリップは全ジャッジが加点の出来。二つ目のアクセルが1回転に。後半のルッツでも失敗。演技構成点も滑走技術だけかろうじて6点台。昨季の世界ジュニア銀メダルもこれでは得点が伸びない。技術点最低の55.33、演技構成点五番目の57.66、合計112.99でフリー5位、総合6位。
 日野(16)は、冒頭のトリプルアクセルからの連続3回転はよかったが、フリップはeマークで-1〜-2、ルッツからの連続ジャンプはルッツで両手つき、第二ジャンプは1回転。とうとう後半のトリプルアクセルは転倒。スピンは二つレベル4をとったが、技術点五番目の60.77、演技構成点最低の52.86、合計112.63でフリー6位、総合5位。二人とも全然、顔がついていない。

 なんといっても発見は、SP2位のジェイソン・ブラウン(米、16)。昨年も見たがこんなにいい選手だったか。4回転もトリプルアクセルもないプログラムでもすばらしかった。なんといっても滑りがなめらかで速い。スピン三つのうちレベル4は一つで二つはレベル3だが、いずれも全ジャッジが加点。直線のステップはレベル4の上、全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転、フリップからの3連続ジャンプ、ダブルアクセルからの連続ジャンプは全て後半に成功。基礎点63.14に全体で加点6点以上。演技構成点も三つの要素で7点台。技術点二番目の69.92、演技構成点最高の69.72、合計139.64は自己ベスト更新でフリー2位、総合優勝。
 SP1位のファリス(米、16)は初めて見たが、やはりいい素質を感じる。トリプルアクセル、フリップからの連続3回転、ルッツからの連続ジャンプ、レベル4のスピンと調子よく進んだ後の直線のステップの直後に転倒。動揺したのか二つ目のトリプルアクセルも転倒。ループは2回転に。ルッツ、サルコウは決め、最後のスピンはレベル3だが全ジャッジから加点をもらい、立ち直ったところを見せた。技術点4番目の63.85、演技構成点二番目の69.14、合計130.99でフリー3位、総合3位。
 SP3位のハン・ヤン(中、15)は、トリプルアクセル、4回転、フリップからの連続3回転、ルッツといきなりジャンプを立て続けに決めて、点数を荒稼ぎ。最初の三つのジャンプは全ジャッジが加点。滑りは荒っぽいが勢いがある。ジャンプは力業で、足に負担がかかりそうな着氷。技術点最高の77.86、演技構成点3番目の63.84、合計141.7でフリー1位、総合2位。

 <女子シングル>庄司理紗が出場。SP4位。総合6位。ロシアが表彰台独占。
 庄司(15)は練習から顔がガチガチだった。冒頭にサルコウからの3連続ジャンプを決めたのにほぐれない。ルッツは回転不十分、スピンとアクセルからの連続ジャンプはよかったが、フリップは完全に回転不足で転倒。ループでも回転不足。直線のステップとレイバックスピンはレベル2。演技構成点は滑走技術だけ6点台であとは5点台。持ち味を出せずに終わった。技術点37.35、演技構成点46.47とも最低の合計82.82でフリー6位、総合6位。
 SP5位のコロベイニコワ(露、15)は168pの長身。冒頭で全ジャッジが加点した連続3回転を決めると、ルッツとフリップも加点の出来。後半最初のループだけステップアウトしたが、サルコウからの連続ジャンプなど後はミスなく演技した。演技構成点もつなぎ以外は6点台。技術点57.31、演技構成点48.63とも3番目の合計105.94の自己ベスト更新でフリー3位、逆転で総合3位。

 SP2位のシェルペン(露、16)は、おととしのジュニアGPファイナル2位、昨年は5位。今年は冒頭に連続3回転を続けて二つ跳んできた。二つ目のサルコウからの連続3回転は、回っていたのに転倒。スピンが一つレベル1になったが、後半には、eマークは付いたがフリップからの3連続ジャンプも決めた。演技構成点もつなぎ以外は6点台。技術点58.15、演技構成点50.2とも二番目の合計107.35でフリーも2位、総合2位。
 SP1位のリプニツカヤ(露、13)は、先日見たロシア国内選手権の垂直足スピンが印象的。SPでは見事な連続3回転を決めたそうだが、この日はなし。冒頭ダブルアクセルからの3連続ジャンプを鮮やかに決める。ルッツだけeマークだが、五種類の3回転を全て跳び、スピンは三つともレベル4。最後のレイバックの「リプニツカヤ」スピンは、一人だけ加点2で残りの全ジャッジが加点3。演技構成点はつなぎ以外が7点台。技術点ダントツの63.51、演技構成点も最高の56.24、合計119.75は2位を大きく引き離したフリー1位、総合優勝。シェルペンとコーチが同じで、シェルペンもうれしそうに拍手して抱き合って喜んでいた。

 <ペア>中国とロシアから二組ずつ、地元カナダとアメリカからひと組ずつ出場。
 去年は、スイ・ハン組(中、16,19)がシニアのファイナルに出ていたので、高橋・トラン組が優勝した。今年はシニアのファイナルを逃したのでこちらに出場。なんと冒頭で4回転スローサルコウに挑戦、両足気味だったが、認定。今季鬼門のソロジャンプは、女性の第一ジャンプが2回転になったが、3連続ジャンプにできた。続くツイストも4回転に挑戦。こちらは直前の組み手が一瞬遅れて回転不足に。しかし、デススパイラル、スピン二つ、リフト二つはレベル4。もうひとつのスローフリップジャンプは全ジャッジが加点2。もったいなかったのは、ダブルアクセルで男性が1回転になったのと、コリオスパイラルが秒数不足で無得点になったこと。基礎点が47.81にしかならず、全体の加点は0.63。演技構成点は全ての要素で6点台後半。ミスがあり、今季最高点より18点以上低かったが、技術点四番目の48.44、演技構成点最高の54.56、合計103.0でフリー1位、総合優勝。
 二番滑走で、もうひと組の中国ペア、SP5位のユウ・ジン組(15,17)。冒頭のツイストは中国らしくかなり横になり、加点もほぼ全ジャッジが1〜2。シークエンスのダブルアクセルもなんとか決めたが、トウループで女性が転倒。しかし、その後はスピン二つとリフト二つでレベル4。一つ目のリフトと二つ目のスロージャンプでは全ジャッジが加点。基礎点50.78に全体で3点以上の加点。演技構成点は全て5点台。女性に全く表情がない。技術点最高の53.9、演技構成点五番目の44.98、合計97.88でフリー3位、総合5位。
 SP2位の地元カナダのボーバク・ベハリー組(17,20)は、今年2月組み替えたばかり。それでも二つのスピンはレベル4。二つのスロージャンプも加点評価。全体で基礎点45.66に3点以上の加点。演技構成点はつなぎ以外6点台前半。技術点三番目の48.98、演技構成点最高の50.9、合計99.88でフリー2位。

 <アイスダンス>ロシアから3組、ウクライナから2組、アメリカから1組参加。
 三番滑走のステファノワ・ブキン組(露、16,18)は、スピンとステップはレベル2、それ以外はレベル4。ツイズルは全ジャッジが加点2。全体で基礎点32.5に5点以上の加点。演技構成点もつなぎ以外は7点台半ば。技術点四番目の38.14、演技構成点二番目の44.55、合計82.69でフリー2位。
 SD2位のヤノウスカヤ・モズコフ組(露、15,16)は長身カップル。とても15〜6歳には見えない大人っぽいダンス。二つのステップはレベル2、それ以外はレベル4。特にツイズルは全ジャッジが加点1〜3。全体で基礎点33.0に加点5.36。演技構成点はつなぎ以外7点台。技術点三番目の38.36、演技構成点三番目の42.03、合計80.39でフリー3位。
 昨年2位のシニシナ・ジガンシン組(露、16,19)は、「オペラ座の怪人」の曲。ステップ二つはレベル3、そのほかの要素はレベル4。対角線のステップ以外の要素は、全ジャッジが加点。全体で基礎点36.0に6.92もの加点。演技構成点も全て7点台、つなぎ以外は7点台後半。技術点42.93、演技構成点45.13とも最高の合計87.06でフリー1位、総合優勝。女子に続いてダンスもロシアが表彰台独占。


フィギュアスケート (2011.2/1,2,3,4)

ロシア選手権 (2011.12/25〜28 サランスク)

 Jスポーツが今年から放送を始めたコンテンツ。リンクサイドのコーチ陣の表情が国際大会よりも険しいのが印象的。シングルは18人ずつらしくてびっくり。全日本でも30人出るのに。
 <男子シングル>なんといってもプルシェンコ(29)だった。SPの冒頭で、少しバランスを崩しながらも4回転を決めたのが大きかった。フリーでもしっかり4回転を決め、そつなく演じてみせた。
 他に見応えがあるのは、ガチンスキー(18)くらいで、他は見劣りがした。そのガチンスキーもSPで4回転を転倒してまだ力量不足を露呈、2位。昨年優勝したというメンショフ(28)もジャンプでミスを連発、7位に沈む。2007、2008と国内連覇したヴォロノフ(24)も3位がやっと。4位はジャン・ブッシュ。ただひとり、4回転3回転の連続ジャンプを決めた。他にもかつてGPシリーズに出ていたボロドゥリンとかルータイとかどうしたのだろう。

 <女子シングル>女子は驚くべきことに、レオノワ(21)が最年長、平均年齢が15歳とか! 最年少は12歳で、まだジュニアですらなく、再来年のソチ五輪の時でも14歳で出場資格はない。しかし、出て来る選手はみな上手で、男子とだいぶ様相が違う。今年鮮烈なシニアデビューを果たしたトゥクタミシェワ、ソトニコワを筆頭に、15歳が強い。
 GPファイナル4位で少し調子を落としたトゥクタミシェワは、アクセル以外のジャンプがうまく決まらず、なんと6位。GPファイナル3位のレオノワは、少し疲れがあったようで、無難にまとめて3位。2009年に優勝したマカロワもジャンプが決まらず、4位。2位は、13歳のリプニツカヤ。サーシャ・コーエンばりの足を垂直に上げるスピンがすごい。
 結局、SP、フリーともノーミスで滑ったソトニコワが連覇、しかも3回目の優勝。空恐ろしい。他にもいとも簡単に連続3回転を跳ぶ選手がたくさんいて、レオノワやマカロワは、ソチまでトップでロシアから出られるか非常に厳しい感じ。

 <アイスダンス>10組が出場。ボブロワ・ソロビエフ組(21,23)の貫禄勝ち。GPファイナル6位で、疲れもあったようだが、最小限のミスで押さえ、昨年に続き連覇。ファイナルの試合はこれから詳しく分析して、欧州選手権に備えるとのこと。
 昨年2位のリアザノワ・トカチェンコ組(20,25)が3位。昨年の世界ジュニア2位で今季シニアデビューのブシュカシュ・ゲレーロ組(19,18)は、4位。男性がオーストラリア出身で、拠点がアメリカという変わり種。男性は2008年までリアザノアと組んでいた。
 昨年3位のイリニク・カツァラポフ組が2位。ただ、今季、女性の成長で体重が増えたせいか、2009年「シンドラーのリスト」で世界ジュニアに優勝したときの印象が強いせいか、動きにキレがないように見える。フリーの「アヴェ・マリア」も、この組の特徴をもう少し生かした振り付けにしてほしいと解説の藤森さんが言う。

 <ペア>トップの二組、川口・スミルノフ組とボロソジャー・トランコフ組がいずれも怪我で欠場。ただ、両組とも欧州選手権の出場は決まっているとのこと。出場12組も多いが、いずれが優勝しても初優勝。ペアの層が厚いだけでなく、レベルが高いのがよくわかった。
 GPシリーズに出ているイリシェチキナ・マイスラーゼ組(20,23)は、2008年の世界ジュニア優勝だが、今季は女性のジャンプが不調で伸び悩んでいる。この大事な国内選手権でもソロジャンプで女性がSP、フリーとも転倒し、6位に沈んだ。解説の岡部さんは「女性に笑顔がない」。
 優勝候補筆頭のバザロワ・ラリオノフ組(18,25)は、女性の姿勢が美しい。会場であるサランスクに、コーチが招聘されて、半年前ともに拠点を移したとのこと。SP、フリーともよい出来で、初優勝。
 意外によかったのは、今季シニアデビューのストルボワ・クリモフ組(19,21)。二人とも年よりずっと大人びて見え、SPは少し緊張気味だったが、フリーはGPシリーズで見たときよりずっとよい出来で、2位に躍進。
 3位は若いジュニアのマルテイシェワ・ロゴノフ組。4位は、2010年春に組んだばかりのゲルボルト・エンベルト組(22,22)。男性が189pの長身で、女性は2009年シングルで欧州選手権6位になったことがある。

 全ての競技の表彰式は、エキシビションの前にまとめてあり、そこでは金メダリストのコーチもメダルをもらっていた。こういうのもいいと思った。


フィギュアスケート (2012.1/23,25,26,28)

GPファイナル ペア・アイスダンス (2011.12/8〜11 ケベック・カナダ) GPシリーズ

 <ペア>高橋・トラン組(19,21)が出場。SP最下位だが、顔ぶれを見ると、無理もないかと思う。テレ朝チャンネル解説の若松さんが「出るだけでもたいへんな大会なので、得るものは大きい」と言う。冒頭のソロジャンプで珍しくトランが転倒。ツイストは、ジャッジ9人中7人から加点。リフトは、全ジャッジが加点1〜3。デススパイラルも全ジャッジが加点1〜2。ステップとデススパイラルには、カナダの観客からも拍手。スピン以降の後半の四つの要素は全てレベル4。演技構成点も三つの要素が7点台。技術点32.53、演技構成点28.01、合計59.54。
 ジャン・ジャン組(中、26,27)は、まだ試運転中の感じ。滑りのスピードがないし、細かいところが合っていない。冒頭のスロージャンプは「教科書」のようにきれいで、ほぼ全ジャッジが加点2〜3。ツイストもいいと思ったが、レベル1。ソロジャンプはぴったりで全ジャッジが加点1〜2。スピンとリフトはレベル4だが、ステップとデススパイラルはレベル3。全体で29.14の基礎点に加点5.33。演技構成点もつなぎ以外が7点台。技術点三番目の34.43、演技構成点四番目の29.0、合計63.43でSP3位。

 川口・スミルノフ組(露)は、冒頭のソロジャンプで女性が2回転、男性も着氷でバランスをくずし、減点評価。ステップとリフトレベル4。リフトは全ジャッジが加点2〜3。デススパイラルがレベル3、ツイストとスピンはレベル2。演技構成点は振り付けと音楽表現が8点台。技術点五番目の29.85、演技構成点三番目の31.52、合計61.37でSP4位。
 サブチェンコ・ゾルコピー組(独)は、珍しく、冒頭のスロージャンプで女性が両手つき。「高すぎて着氷姿勢が取れなかったようだ」と若松さん。残りの要素は全ジャッジが加点。特にリフトは、加点2〜3。直線のステップは加点1〜3。全体で基礎点30.9に加点5点以上。演技構成点は全て8点台。技術点二番目の36.13、演技構成点二番目の33.69、合計69.82でSP2位。
 最終滑走はボロソジャル・トランコフ組(露)。ツイストは、レベル1だが、高く、真横に近くなりきれいだった。ほぼ全ジャッジが加点3。スロージャンプも加点2〜3。リフトと直線のステップはレベル4、全ジャッジが加点1〜3。全体で基礎点28.7に8.13もの加点。終始スピードがあり、キレがあった。演技構成点もつなぎ以外は8点台後半。技術点最高の36.83、演技構成点も最高の34.74、合計71.57でSP1位。

 フリーも一番滑走は高橋・トラン組。解説の若松さんは、「基本の姿勢がいい」とのこと。冒頭の3回転ツイストは、練習より高く、ほぼ全ジャッジが加点。ソロジャンプは、女性が両足ぎみの着氷、連続ジャンプでは第1ジャンプで高橋が転倒。デススパイラルとリフトはレベル4。二つ続けたスロージャンプは最初で転倒、二つ目も両足になった。二つ目のリフトは全ジャッジが加点1〜3。演技構成点も振り付けと音楽表現が7点台。合計104.88でフリーも6位。
 川口・スミルノフ組は、冒頭のソロジャンプはぴたりと決まった。得意でないツイストはイマイチだったが、減点評価にはならず。スロージャンプも全ジャッジが加点1〜2。デススパイラルはレベル3、二つのスピンと三つのリフトはレベル4。一つ目と三つ目のリフトは全ジャッジが加点1〜3の出来。演技構成点は三つの要素が8点台。若松さんは、「つなぎの滑りが美しい」と言う。ただ、後半、スピードが落ち、川口の手術した左肩が回復していないのかもしれない、とのこと。技術点61.77、演技構成点64.63とも三番目の、合計126.4でフリーは3位、逆転で総合3位。

 ジャン・ジャン組は、冒頭の3連続ジャンプ、サルコウのソロジャンプ、とジャンプを続けて決めた。真横になるルッツのツイストは全ジャッジが加点1〜2。ソロスピンはレベル4、スロージャンプは全ジャッジが加点2〜3。二つ目のスロージャンプも全ジャッジが加点1〜3。デススパイラルもレベル4をとったが、最後のリフトで上がった後、ほとんど回らずに下りてきてしまい減点評価。演技後すぐ、男性が左肩を押さえていた。技術点61.04、演技構成点58.07とも四番目の合計119.11でフリー4位、総合も4位と後退。
 サブチェンコ・ゾルコピー組はほぼノーミスの演技。冒頭のスローフリップジャンプは、全ジャッジが加点2〜3。一つ目のリフト以外は全てレベル4。最後に二つ目のスロージャンプが決めた。全体で基礎点58.79に加点11点以上。演技構成点は振り付けと音楽表現が9点台。技術点70.8、演技構成点71.64とも最高の合計142.44でフリー1位、逆転優勝。
 最終滑走のボロソジャル・トランコフ組は、冒頭のツイストが全ジャッジから加点3。連続ジャンプでは、第1ジャンプで男性の着氷が不安定だったがこらえた。スピン二つとリフト三つはレベル4。特に一つ目のスロージャンプは、全ジャッジが加点2〜3。一つ目のリフトも全ジャッジが加点1〜3。全体で基礎点57.75に加点11点以上。演技構成点は振り付けと音楽表現が9点台。技術点69.22、演技構成点71.29とも二番目の合計140.51でフリー2位、僅差で総合2位。

 <アイスダンス>最初に地元のウィーバー・ポジェ組(22,24)。スケート・カナダ、NHK杯、ロシア杯全て2位。冒頭にルンバのパートを二つ続ける。二つともレベル4。なかなか気合いが入っている。直線のリフトとツイズルもレベル4。演技構成点は三つの要素で8点台。地元の声援を力に変えて、技術点四番目の34.28、演技構成点五番目の31.96、合計66.24の今季最高でSD4位。
 ペシャラ・ブルザ組(仏、27,30)は最年長。スケート・アメリカ、ボンパール杯とも2位。スロースターターとのことだが、地元のボンパール杯でかなり仕上げていた。ルンバのパートは二つともレベル4。解説の木戸さんは「パターンダンスのどの部分もエッジが深い」。一つ目のルンバは全ジャッジが加点1〜2。カーブのリフトとツイズルもレベル4。どちらも全ジャッジがほぼ加点2。演技構成点は全て8点台。技術点三番目の34.85、演技構成点三番目の33.83、合計68.68でSD3位。
 ボブロワ・ソロビエフ組(露。21,22)は、「パワフルだが、滑りが荒い。」と木戸さん。ルンバの一つ目のパートとツイズル、直線のリフトはレベル4。サーキュラーステップがレベル2。木戸さんによれば「足首が硬くエッジが浅いので、レベルがひとつ落ちるかもしれない」。演技構成点はつなぎ以外の要素は8点台。技術点六番目の31.72、演技構成点四番目の32.33、合計64.05でSD6位。

 後半の3組は、全て同じコーチ。イゴール・シュピルバンドとマリナ・ズエワの門下生。シブタニ兄妹(米、17,20)は、ルンバのパートは二つともレベル4。高速ツイズルはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。木戸さんは「軸の作り方が上手い」。最後の回転リフトもレベル4で全ジャッジが加点1〜2。演技構成点はパフォーマンスと振り付けが8点台。技術点五番目の34.15、演技構成点六番目の31.38、合計65.53でSD5位。
 ヴァーチュー・モイア組(加、22,24)は、地元の大声援で調子よく滑り出したが、一つ目のルンバのパートはレベル3で全ジャッジが加点1〜3。その後、つなぎのステップで男性がなんと転倒。すぐに立ち上がってツイズルをレベル4でこなしたのはさすが。二つ目のルンバとカーブのリフトはレベル4、サーキュラーステップはレベル3だが、全ジャッジが加点1〜3。転倒した影響か、いつもより勢いがないように感じられた。演技構成点はつなぎとパフォーマンス以外の三つの要素が9点台。技術点二番目の35.36、演技構成点も二番目の37.67、合計71.01でSD2位。モイアが転倒した場面が3方向の角度からリプレーされたので、キスアンドクライでモイアは転倒のジェスチャーをしていた。木戸さんによれば「男性の位置取りが悪かった」らしい。
 デイヴィス・ホワイト組(米、24,24)は、全ての要素がレベル4。ツイズル以外の要素では全ジャッジが加点ほぼ2〜3。全体で基礎点32.0に6.5の加点。演技構成点は全て9点台。演技全体に勢いがあった。技術点最高の38.5、演技構成点も最高の37.67、合計76.17でSD1位。

 フリーは、ボブロワ・ソロビエフ組から。「ワルプルギスの夜」の曲。冒頭に難しい直線のリフト。レベル4に全ジャッジが加点2。ツイズルもレベル4で、カーブのリフトもレベル4に全ジャッジが加点2。ステップは二つともレベル3。最後の要素、回転リフトは時間オーバーで減点1。全体で基礎点39.5に加点6.3。演技構成点はつなぎ以外8点台。技術点六番目の45.8、演技構成点五番目の48.45、合計93.25でフリーも6位。
 シブタニ兄妹は、女性が衣装を赤からオレンジに変えたらしい。冒頭のツイズルは、レベル4に全ジャッジが加点1〜3。リフトも全てレベル4で全ジャッジが加点。二つのステップはレベル3。全体で基礎点40.0に加点7.78。演技構成点はパフォーマンスだけが8点台。技術点五番目の47.78、演技構成点六番目の47.24、合計95.02は今季最高でフリー5位。木戸さんは「まだ二人で互いに動きを合わせている。男性が女性を動かすようになると動きが一体となる。」と言う。
 ウィーバー・ポジェ組は、今季最高の演技。二つのステップと直線のリフトはレベル3だが、全体で基礎点39.5に加点10点。「灰色の道」という曲を全身の表情たっぷりに演じた。演技構成点は全て8点台。技術点三番目の49.5、演技構成点四番目の50.33、合計99.83でフリー4位。

 ペシャラ・ブルザ組の、冒頭の女性が肩の上で倒立するリフトはレベル4で二人のジャッジ以外は加点3。滑りのスピードがあがり、サーキュラーステップも速いままぴったり合わせて、レベルは3だが全ジャッジが加点1〜3。リフトとツイズルはレベル4。ツイズルは逆回りで女性が少しずれた。全体で基礎点40.0に加点9.32。演技構成点は振り付けの要素が9点台。技術点四番目の49.32、演技構成点三番目の52.69、合計101.01でフリー3位、総合3位。四年連続ファイナルの表彰台とのこと。
 ヴァーチュー・モイア組は、ミュージカル「パリのアメリカ人」の曲。F.アステアとA. ヘプバーンの主演らしい。全ての要素がレベル4。冒頭の対角線のステップは全ジャッジが加点2〜3。最後のリフト三つも全ジャッジ加点2〜3。全体で基礎点43.0に加点11.65。演技構成点はつなぎ以外9点台後半。技術点最高の54.65、演技構成点二番目の57.68、合計112.33でフリーも2位、総合2位。SDの転倒の差がそのまま勝敗を分けた。木戸さんは、「F.アステアの演技ならもっと柔らかい動きがほしい」と注文。ただし、「会場の広さのために力強く滑らないとリンクいっぱい使い切れない」とも言う。難しいところ。
 最終滑走のデイヴィス・ホワイト組は、ミッドラインステップだけがレベル3。全ての要素に全ジャッジが加点。全体で基礎点41.5に13点近い加点。演技構成点は全て9点台後半。技術点二番目の54.43、演技構成点最高の57.95、合計112.38でフリーも1位、総合優勝。



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フィギュアスケート (2011.12/9,10,12,2012.1/16,18,20,21)

ロシア杯 ペア・アイスダンス (2011.11/25〜27 モスクワ) GPシリーズ第6戦

 <ペア>7組出場。第1滑走のアメリカのペアと次のカナダのペアはシニアデビュー。どちらも好感が持てる素直な滑り。昨季世界ジュニア4位のケイン・リーガン組(16,22)は、まず直線のステップから。これはレベル2。ソロジャンプはぴたりと決めた。ツイストは2回転。スロージャンプは前向きに着氷、ステップアウト。スピンだけレベル4。演技構成点は5点台。合計49.03でSP5位。
 ジョーンズ・ギャスケル組(15,21)は、ツイストは3回転。ソロジャンプのダブルアクセルで女性がオーバーターン。スロージャンプは加点の出来。直線のステップはレベル1。演技構成点は5点台。合計47.76でSP6位。

 第2グループ最初のストルボワ・クリモフ組(露、19,21)は、昨年の世界ジュニア銀メダリスト。フランス大会でミスしたデススパイラルが無得点。テレ朝チャンネルの解説、八木沼さんは「SPではデススパイラルのとき男性はピボットの軸足を替えてはいけないと決まっているが、心配だ」と言っていたが、それらしい。演技構成点は6点台。合計51.73で今季最高は出したが、SP4位。
 この大会で2位になればファイナルへ行けるというベルトン・ホタレック組(伊、21,27)。冒頭のソロジャンプは全ジャッジが加点1〜2の出来。ツイストは落とし気味で減点評価。リフトとスピン、デススパイラルはレベル4。直線のステップは全ジャッジが加点1〜2。演技構成点はパフォーマンスと音楽表現が7点台。技術点32.67、演技構成点27.46とも三番目のSP3位。

 川口・スミルノフ組(露、30,27)は既にファイナルを決めていてこれが3大会目。冒頭のソロジャンプはきれいに決めた。ツイストは少し抱え気味。スロージャンプは全ジャッジが加点1〜3。直線のステップはレベル2だが、レベル4のリフトともに全ジャッジが加点1〜2。全体で基礎点28.4に加点5点以上。演技構成点振り付けが8点台、残りは7点台後半。川口は、演技後、あまり笑っていなかった。全てそつなく滑ったが、攻めていなかったからか。技術点33.63、演技構成点31.54とも二番目の合計65.17でSP2位。
 最終滑走はサブチェンコ・ゾルコビー組(独、27,32)。ここもファイナルは既に決めている。冒頭で高すぎるくらい豪快なスロージャンプを決めると加点評価。あとの要素もほぼ全ジャッジが加点1〜2。全体で基礎点28.7に加点7点以上。演技構成点は全ての要素が8点台。技術点36.06、演技32.66とも最高の合計68.72でSP1位。

 フリーでは、ストルボワ・クリモフ組は、滑り出しの要素でないところで男性の支え手がはずれて、女性が転倒。スロー再生では、女性の足が滑ったようにも見えた。3連続ジャンプは決まったが、スロージャンプで転倒。スピンは二つともレベル4だが、解説の八木沼さんが「安定している」と言っていたリフトの三つ目で女性が下りてくるときに落ちてしまった。途中のコリオスパイラルも無得点。とても昨年世界ジュニア2位(優勝はスイ・ハン組(中)、3位は高橋・トラン組)と思えない出来で、技術点五番目の97.93、演技四番目の51.38、合計97.93でフリー5位、総合5位。
 ベルトン・ホタレック組は、冒頭の3連続ジャンプを決めてリズムに乗ると思ったが、ツイストは2回転。ソロジャンプは女性が1回転。二つ目のスロージャンプも2回転でステップアウト。やはりファイナルを意識して固くなったのか。最後のデススパイラルもレベル1だった。演技構成点はつなぎ以外の要素は7点台。技術点四番目の51.94、演技構成点三番目の55.95、合計107.89でフリーも3位、総合3位。

 川口・スミルノフ組はドビュッシーの「月の光」の曲。冒頭のソロジャンプは全ジャッジが加点1〜3。ツイストは少し持たれ気味だが加点2のジャッジも複数。スパイラルも全ジャッジが加点1〜3。二つ目のスロージャンプがステップアウト。男性が片足になるリフトが、ちょっと片足が進まなかったが、リフトを三つとも後半に持ってきて、最後のレベル4のペアスピンともどもほぼ全ジャッジが加点。全体で基礎点56.11に9点以上の加点。演技構成点も全ての要素が8点台。技術点65.7、演技構成点66.97とも二番目の合計132.67でフリー2位、総合2位。
 サブチェンコ・ゾルコビー組はまたも冒頭に非常に高さのあるスローフリップジャンプ。全ジャッジが加点2〜3。ダブルアクセルで男性がステップアウトした以外にミスがなく、スピン二つとデススパイラル、リフト三つがレベル4。演技構成点もつなぎ以外のの要素が8点台後半。技術点70.98、演技構成点68.99とも最高の合計139.97でフリーも1位、総合優勝。

 <アイスダンス>リード姉弟が出場予定だったが、NHK杯の時の怪我で欠場。7組参加。ロシアが3組出場。この時点でファイナルが決まっているのは、シブタニ兄妹(米)、ヴァーチュー・モイア組(加)、ペシャラ・ブルザ組(仏)の3組。このロシア杯で残り3組が決まる。
 二番滑走のプシュカシュ・ゲレーロ組(19,20)は、今季シニアデビュー。ツイズルはレベル4だったが、サーキュラーステップはレベル2、ルンバは二つともレベル3。地元大会で少し緊張していた。合計52.05でSD5位。

 リャザノワ・トカチェンコ組(20,24)は、ルンバの一つ目とリフト、ツイズルでレベル4。演技構成点も全て6点台。技術点三番目の28.86、演技構成点四番目の26.97、合計55.83でSD4位。
 ロシア国内王者のボブロワ・ソロビエフ組(21,22)は、中国杯で優勝。女性の衣装と髪型を変えてきた。ルンバの部分が二つともレベル2。ツイズルも男性が逆回りで最後の回転が足りずレベル3。サーキュラーステップ内のツイズルでも男性が足をついてしまい、レベル2。演技構成点は全ての要素で8点台だが、技術点四番目の27.65、演技構成点二番目の34.04、合計61.69でSD3位。キスアンドクライではコーチたちも不本意そうだった。

 ウィーバー・ポジェ組(加、22,24)は、スケート・カナダとNHK杯で2位。これが3大会目。ルンバの一つ目でレベル4、加点もついた。リフトとツイズルもレベル4、サーキュラーステップはレベル3だが、リフトともに全ジャッジから加点1〜2。全体の滑りも終始速くて、演技構成点もつなぎの要素以外は8点台。技術点二番目の32.08、演技構成点三番目の32.37、合計64.45でSD2位。
 デイヴィス・ホワイト組(米、24,24)は、スケート・アメリカで優勝。いきなり冒頭で男性がつまづいて片ひざをついたが、転倒にはならず。すぐに最初の要素のツイズルがあったが見事にこなした。最後のリフトとともにレベル4。二つのルンバのパートとサーキュラーステップはレベル3。全てが早いスピードの中で途切れなく演技していた。演技構成点は全て9点台。技術点33.29、演技構成点36.65とも最高の合計69.94でSD1位。

 フリーでは、二番滑走のプシュカシュ・ゲレーロ組は、ツイズルと前半のリフト二つはレベル4だが、ステップがレベル1と2。最後のロングリフトもレベル1と2。合計72.48でフリー7位、総合7位。
 第2グループ最初のリャザノワ・トカチェンコ組は、スピンと直線のリフトとカーブのリフト、ツイズルはレベル4。ステップはレベル2と1。後半のリフト二つがレベル1。合計76.9でフリー5位、総合4位。
 ボブロワ・ソロビエフ組の女性は、フリーの衣装も変えてきたと思う。背中の露出が少なくなっている。二つのステップがレベル2、最後の回転リフトがレベル3だが、あとの要素はレベル4。途中、要素でないところで女性が一瞬つまずいたが、全体で基礎点36.5に加点7点以上。演技構成点もつなぎ以外は8点台後半。技術点三番目の43.52、演技構成点二番目の51.62、合計95.14でフリーも3位、総合3位。ファイナル決定。

 ウィーバー・ポジェ組も2位をキープすればファイナル決定。全ての要素をレベル3と4にそろえてきた上、ほぼ全ジャッジが加点。特にカーブのリフトと二つ目の回転リフトは、レベル4に全ジャッジが加点2。全体で基礎点40.0に加点6.5。演技構成点も全て8点台。もの悲しい曲で、素晴らしい演技にロシアの観客が大いに沸いた。技術点二番目の46.5、演技構成点三番目の50.23、合計96.73でフリーも2位、総合2位。ファイナルへ。
 デイヴィス・ホワイト組も、全ての要素をレベル3と4にそろえてきた上、全ジャッジが全ての要素に加点ほぼ2〜3。レベル3なのは二つのステップと最後の回転リフトだけ。全体で基礎点39.5に何と11.35の加点。演技構成点も全ての要素で9点台後半。ヨハン・シュトラウスの曲で、舞踏会を演じた。ただ、不思議なのは、これだけの内容なのに、少し長く感じること。技術点最高の50.85、演技構成点も最高の58.27、合計109.12は自己ベスト更新、フリーも1位で総合優勝。もちろんファイナル決定。


フィギュアスケート (2012.1/11,13,14,)

ボンパール杯 ペア・アイスダンス (2011.11/18〜20 パリ) GPシリーズ第5戦

 <ペア>SP一番滑走に、この春組みかえたデュベ・ウルフ組(加、24,21)。男性は緊張しているように見えた。まだツイストも2回転。リフトはレベル3だがその他の要素はレベル2。テレ朝チャンネルの解説、若松さんは「カナダ大会よりよくなっている」と言う。合計53.24でSP5位。
 デュハメル・ラドフォード組(加、25,26)は、2010年の春から組んだ。「アランフェス」の曲。二年目にしては四つの要素でレベル4。ソロジャンプも3回転サルコウを決めた。技術点最高の34.06、演技構成点四番目の27.0、合計61.06でSP2位。
 第2グループ最初のストルボワ・クリモフ組(露、19,21)は、昨年の世界ジュニア銀メダリストで、今年シニアデビュー。「ボレロ」の曲で、ロシアにしては、ユニゾンに欠けると思っていたが、ステップがずれているように見えた(ジャッジは加点評価)。デススパイラルで一周したところで男性がバランスを崩して転倒。減点2で、合計48.81のSP7位と出遅れ。

 エボラ・ラドウィク組(米。27,31)は、中国杯でもミスしたソロジャンプで女性が転倒。しかし、スピンとリフトはレベル4、スローループジャンプは全ジャッジが加点1〜3。リフトは全ジャッジが加点2。デススパイラルはレベル2だが、全ジャッジが加点1〜2。演技構成点はつなぎ以外の要素は7点台。さすが組んで10年の経験がある。技術点四番目の29.83、演技構成点三番目の28.86、合計57.69でSP4位。
 ボロソジャル・トランコフ組(露、25,28)は、ハードロックの曲。なんと冒頭のツイストで女性が着氷後に転倒。しかし、直後のソロジャンプは見事に決めた。スロージャンプでは片手をついたが、こらえた。リフト、ステップ、スピンはレベル4。演技構成点は三つの要素で8点台。技術点二番目の33.01、演技構成点最高の31.68、合計63.69でSP首位。
 最終滑走は、若いバザロワ・ラリョノフ組(露、18,25)。「トスカ」の曲。ツイストはレベル2だが、空中でかなり横向きになり、全ジャッジが加点1〜2。ところがスロージャンプでは転倒。スピンとリフトはレベル4。リフトは上がるときに女性が男性の体を一周するように上がり、下りるときも上下に回ってから着氷など、最近の身軽なジュニア上がりの選手たちに顕著な複合技を見せた。このリフトも全ジャッジが加点1〜2。演技構成点は全ての要素で7点台。技術点三番目の30.88、演技構成点二番目の29.18、合計59.06でSP3位。演技終了直後はそれなりに充実した表情だった女性が、得点か順位を見たら険しい顔になった。

 フリーでは、SP6位のドン・ウー組(中、22,24)がなかなかよい滑り。ツイストはレベル1だがほぼ全ジャッジが加点1〜2。ソロジャンプで女性が転倒したが、スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点の出来。全体で基礎点50.75に加点3.1。合計98.48を出し、フリーは5位、総合6位。
 デュベ・ウルフ組は、でだしはよかったが、アクセルの連続ジャンプの二つめで男性が両手つき。最後のリフトもあがらず、無得点。ペアスピンもレベル1で、合計97.44でフリー6位、総合5位。
 エボラ・ラドウィク組は、課題のソロジャンプはなんとかおりたが、女性が回転不十分。アクセルの連続ジャンプは一つ目で女性が転倒。しかしスロージャンプは二つとも全ジャッジが加点する出来で、リフトも三つともレベル4。特に「リバースラッソー」というリフトは、逆向きに上がり、「難しいのでやる人はあまりいない」とか。最後のペアスビンで女性の体が浮いて足が氷から離れたため、無得点。演技構成点は全て7点台前半。技術点四番目の54.04、演技構成点三番目の58.85、合計111.89でフリーも4位、総合4位。

 バザロワ・ラリョノフ組は、昨年に比べて勢いがない、SPからフリーで順位を落とす傾向がある、と言われていたが、いい内容。ツイストは高く、全ジャッジが加点1〜3。アクセルの連続ジャンプは、女性のジャンプが回転ぎりぎり。スピン二つとリフト二つがレベル4。特に最初の独特の入り方のレリフトは、全ジャッジが加点2。スロージャンプも二つとも、ほぼ全ジャッジが加点。演技構成点はつなぎ以外の要素は7点台後半。つなぎの要素も7点台。技術点最高の65.34、演技構成点二番目の60.51、合計125.85でフリー2位、総合2位と巻き返した。女性もキスアンドクライでニコニコしていた。
 デュハメル・ラドフォード組は、3連続ジャンプで二人のジャンプする方向が違ってしまい、おまけに第3ジャンプで二人とも両手つき(転倒扱いか)。男性は回転不足もとられた。スピン二つとリフト三つはレベル4。一つ目のスロージャンプで転倒。全体で減点3。演技構成点はつなぎ以外の要素は7点台前半。技術点三番目の61.35、演技構成点四番目の57.21、合計115.56でフリー3位、総合3位。ファイナルは微妙。(最終的にはファイナル決定。)
 ボロソジャル・トランコフ組は、なんと冒頭のツイストが1回転に。SPの失敗がよぎったのかもしれないとのこと。しかし、直後のソロジャンプはぴたりと決め、全ジャッジが加点。一つ目のスロージャンプも全ジャッジが加点2〜3。デススパイラル、足換えスビン、リフト三つがレベル4。二つ目のスロージャンプで女性が片手つき。演技構成点は全て8点台。技術点二番目の64.2、演技構成点最高の66.24、合計130.44でフリーも1位、総合優勝。

 <アイスダンス>SDは、今春組みかえたチョック・ベイツ組(米、19,22)から。テレ朝チャンネルの解説、木戸さんは「まだお互いを気にしながら滑っている」とのこと。互いが空気のような存在になると、ダンスの表現に集中できる、とも。ルンバの部分とサンバの部分の差があまりなかった。合計52.01でSD5位。
 スペインから初出場でシニアデビューのフルタド・ディアス組(19,21)。女性が太めに見えたが、リフトはレベル4。ルンバの二つのパートもレベル3と2。ツイズルはレベル3だが、サーキュラーステップはレベル1。合計45.71でSD8位。
 ファン・ジェン組(中、24,24)は、前の中国杯でのミスをしっかり修正し、かなりいい出来。ツイズルとリフトはレベル4。ルンバのパートはレベル3と2。蛍光イエローの衣装はどうかと思うが、最後に追加のリフトで女性が逆さづりになって終わるのも決まり、合計50.71でSD6位。

 後半はイリニク・カツァラポフ組(露、17,20)から。木戸さんは「若手らしくパワフルなダンス」と言う。ツイズルとリフトはレベル4だが、ルンバのパートは二つともレベル2。キーポイントのチョクトーのエッジが浅い。サーキュラーステップもレベル2。技術点四番目の27.78、演技構成点も四番目の30.39、合計58.17でSD4位。
 カッペリーニ・ラノッテ組(伊)は、さすがにラテン国の人らしく、ルンバのパートは二つともレベル4。ルンバが両方レベル4なのは初めて見た。ツイズルとリフトもレベル4。特にリフトは全ジャッジが加点1〜3。演技構成点はつなぎ以外の要素が7点台後半。技術点二番目の33.78、演技構成点三番目の30.84、合計64.62でSD3位。

 ヴァーチュー・モイア組(加)は、とにかく加点が多い。ルンバのパートは二つともレベル3だが、二つ目のパートでゼロが一人いるだけで加点1〜2。木戸さんは「このレベルの選手ならキーポイント以外も深いエッジで滑ってほしい」と注文。ツイズルとリフトはレベル4で、全ジャッジが加点2〜3。最後のサーキュラーステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。全体で基礎点28.5に加点6点以上。演技構成点もつなぎ以外の要素が9点台、つなぎも8.93と驚異的な得点。技術点最高の34.64、演技構成点も最高の36.54、合計71.18でSD首位。
 最終滑走は、地元のペシャラ・ブルザ組(仏、27,30)。リオのカーニバルをイメージしたという緑の衣装はちょっと上品。スロースターターとのことだが、地元大会に仕上げてきた。さかずにベテランだけあって、パターンダンスは全て深いエッジ。ルンバの最初のパートはレベル4で全ジャッジが加点1〜2。リフトとツイズルもレベル4で全ジャッジが加点。サーキュラーステップもレベル3だが全ジャッジが加点1〜2。全体で基礎点29.5に6点近い加点。演技構成点はつなぎ以外の要素が8点台。技術点三番目の33.43、演技構成点二番目の33.09、合計66.52でSD2位。1位と思ったより差がついた。

 フリーでは、第1グループ最後のチョック・ベイツ組が、ツイズルの最初の部分で男性がバランスをくずし、レベル2になり減点評価。リフト四つとスピンはレベル4をとったが、技術点四番目の39.29、演技構成点五番目の40.64、合計78.93でフリー5位、総合5位。
 イリニク・カツァラポフ組は、「アヴェ・マリア」の曲。リフト二つとツイズルはレベル4。スピンと対角線のステップ、直線のリフトと最後の三つの要素はレベル2。演技構成点は全ての要素が7点台。技術点四番目の82.15、演技構成点六番目の44.5、合計82.15でフリー4位、総合4位。
 カッペリーニ・ラノッテ組は、高橋大輔も使った「道」の曲。観客を引き込む表現力がイタリアの伝統。ツイズル、スピンとリフト三つがレベル4。二つの回転リフトは、全ジャッジが加点1〜3。全体で基礎点37.0に加点5点以上。演技構成点では音楽表現が8点台。技術点42.43、演技構成点46.71とも三番目の合計89.14でフリー3位、総合3位。

 ペシャラ・ブルザ組は、「ファラオと彼のミイラ」という曲。最初の肩の上で倒立するリフトがすごい。ほぼ全ジャッジが加点2〜3。二つのステップ以外の要素は全てレベル4。全体で基礎点40.0に733の加点。演技構成点も全て8点台。技術点47.33、演技構成点50.71とも二番目の合計98.04でフリーも2位、総合2位。
 最終滑走のヴァーチュー・モイア組は、全ての要素に全ジャッジが加点。二つのステップ以外の要素は全てレベル4。ステップ二つとツイズル、後半のリフト三つは全ジャッジが加点2〜3。最後も音楽に合わせてピタリと終わった。基礎点40.0に全体で10.96の驚異的な加点。演技構成点は全ての要素が9点台。技術点50.96、演技構成点55.79とも最高の合計105.75でフリーも1位、総合優勝。


フィギュアスケート (2012.1/4,7,8,9)

中国杯 ペア・アイスダンス (2011.11/4〜6 上海) GPシリーズ第3戦

 <ペア>8組参加。シニア二年目のスイ・ハン組、2年ぶりのジャン・ジャン組、川口・スミルノフ組などが出場。SPでは、第1グループ最後に、男性の右手粉砕骨折で昨季休んだジャン・ジャン組(中。26,27)が登場。トランシルバニアの子守唄の曲。それまでのペアと基本の滑りの速さが違う。いきなりスロージャンプを鮮やかに決める。全ジャッジが加点2〜3。ツイストもなんなくこなす。ソロジャンプは女性が2回転になり、減点評価。ペアスピンとデススパイラルはレベル4。リフトと直線のステップはレベル3と2。演技構成点は全ての要素が7点台。技術点六番目の30.77、演技構成点二番目の29.8、合計60.57でSP3位。

 第2グループ最初のエボラ・ラドウィク組(米。26,31)は、ソロジャンプで女性がステップアウト。スピンとリフトはレベル4、ステップとデススパイラルはレベル3。演技構成点は全ての要素が6点台。技術点五番目の31.39、演技構成点も五番路目の26.49、合計57.88でSP5位。
 スケート・アメリカで3位のムアタワーズ・モスコヴィッチ組(加。19,27)は、リフト、ステップ、スピンがレベル4、デススパイラルはレベル3。演技構成点は、つなぎ以外の要素は7点台。技術点三番目の32.63、演技構成点も三番目の28.15、合計60.78でSP2位。

 シニア二年目のスイ・ハン組(中。16,19)は、カントリーダンス。スケート・カナダに続いて出場。冒頭のソロジャンプで女性が転倒。確かスケート・カナダのときもミスした部分。ツイストとスロージャンプは見事。全ジャッジが加点2〜3。スピンとリフトはレベル4。細かいユニゾンは合っていない。演技構成点は三つの要素が7点台。技術点二番目の33.16、演技構成点五番目の27.84、合計60.0でSP4位。
 最終滑走は、川口・スミルノフ組(露。30,27)。冒頭のソロジャンプは成功。ツイストはキャッチが少し低い。スロージャンプも成功。ステップはレベル3だが、リフト、デススパイラル、スピンはレベル4。基本の滑りが速い。ユニゾンが素晴らしい。演技構成点は全ての要素が7点台で、つなぎ以外の要素は7点台後半。技術点最高の34.47、演技構成点も最高の30.98、合計64.45でSP1位。NHK敗の時は、終始不満顔だった川口も、この日はニコニコしていた。

 フリーでは、第1グループ最後のエボラ・ラドウィク組は、ソロジャンプで女性が転倒。しかし、スピン、リフトでレベル4。演技構成点は全ての要素が6点台。技術点二番目の60.51、演技構成点五番目の53.24、合計112.75でフリー3位。
 第2グループ最初のスイ・ハン組。得意のツイストで着氷後転倒。続く連続ジャンプでも動揺したのか、女性が転倒。次のスロージャンプは見事に成功、加点1〜3。デススパイラル、スピン、三つのリフトはレベル4。しかしダブルアクセルでもミスが出て、技術点五番目の56.66、演技構成点四番目の54.81、合計109.47でフリー5位。昨年GPファイナル3位の組も今季は出場を逃した。

 ジャン・ジャン組は冒頭に3連続ジャンプ。男性が第2ジャンプでつまったが、こらえた。ツイストと一つ目のスロージャンプは見事でほぼ全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプで女性が転倒。スピンと二つのリフトがレベル4。デススパイラルはレベル1で何かミスがあったらしい。演技構成点は全ての要素が7点台。まだ復帰戦という感じで勢いはない。技術点三番目の59.07、演技構成点二番目の59.03、合計117.1でフリー2位、総合2位。ファイナル進出。
 ムアタワーズ・モスコヴィッチ組は冒頭の連続3回転で女性が転倒。一つ目のスロージャンプも転倒したが二つ目は成功。リフト二つとスピン一つがレベル4。演技構成点はつなぎ以外の要素が7点台。技術点六番目の56.47、演技構成点三番目の56.79、合計111.26でフリー4位、総合3位。昨年ファイナル4位で今年は表彰台が目標だったらしいが、ファイナル進出は逃した。
 川口・スミルノフ組は昨季と同じ「月の光」の曲。大きなミスもなくかなりいい出来。冒頭の連続ジャンプで川口が最後片手をついただけで、スロージャンプも二つとも決まり、ソロジャンプのアクセルもぴったりのタイミング。スパイラルと三つのリフトは全ジャッジが加点。最後のペアスピンだけレベル1。全体で基礎点52.8に6点近い加点。演技構成点は三つの要素で8点台。技術点四番目の58.53、演技構成点ダントツの63.76、合計122.29でフリーも1位、総合優勝。

 <アイスダンス>SD最初は、この夏組みかえたサミュエルソン・ギレス組(米、21,25)。まだゆっくり合わせている感じ。リフトとツイズルはレベル4だが、ツイズルは減点評価。ルンバのパートは二つともレベル2。合計43.64でSD7位。
 今年からシニアデビューのリヒトマン・コプリー組(米、18,22)。ジュニアで男性が見事なチャップリンを演じたのが印象に残っている。ツイズルとリフトはレベル4をとったが、サーキュラーステップは減点評価。ルンバは2バートともレベル1。技術点最低の18.79、演技構成点七番目の21.47、合計40.26のSD8位という厳しい評価。シニアデビューで少し固かったかもしれない。
 第2グループ最初の地元中国の王者、ファン・ジェン組(24,24)は、リフトがあげられないという大きなミス。ルンバのパートはレベル3と2と健闘したのに、技術点七番目の21.73、演技構成点五番目の23.34、合計45.07でSD6位と出遅れ。

 ボブロワ・ソロビエフ組(露、21,23)は、ルンバのパートはともにレベル3。ツイズルとリフトはレベル4の上、全ジャッジが加点1〜2。サーキュラーステップもレベル3だが全ジャッジが加点1〜2。全体で基礎点28.5に加点4。演技構成点は全ての要素で8点台。ちょっと点が甘いのではないか。技術点最高の32.5、演技構成点33.23、合計65.73でダントツのSD1位。
 シブタニ兄妹(米、17,20)は、得意のアップテンポの曲で、ルンバのパートはともにレベル3。得意の高速ツイズルはレベル4で加点は0〜3。最後の回転リフトはレベル1だが、全ジャッジが加点1〜3。全体で基礎点24.5に加点3.21。演技構成点は全ての要素が7点台。技術点三番目の27.71、演技構成点二番目の30.08、合計57.79でSD2位。テレ朝チャンネルの解説、河合彩さんは「世界選手権3位のシブタニ兄妹の方が上かと思っていた」と言った。

 フリーでは、リヒトマン・コプリー組から。ピンクパンサーの曲で、軽快に滑りきった。リフトは三つともレベル4。ステップは二つとも少し減点がついたが、概ね可もなく不可もなく、演技構成点は全ての要素が5点台。技術点六番目の37.65、演技構成点最低の31.7、合計59.35でフリー6位、総合7位。
 サミュエルソン・ギレス組は、スピン、リフト三つはレベル4をとったが、サーキュラーステップと回転リフトがレベル1。リフトの時間オーバーと違反要素(衣装の羽根が落ちた?)で減点が3もついた。技術点、演技構成点とも七番目の合計63.1でフリー8位。

 ファン・ジェン組は、アルゼンチンタンゴの曲で、よく表現した。ツイズルと三つのリフトはレベル4。スピンがレベル2、回転リフトはレベル1だったが、演技構成点はつなぎ以外の要素が6点台。技術点四番目の38.34、演技構成点五番目の36.7、合計75.04でフリー5位、総合5位と少し盛り返した。
 もうひと組の地元からのユウ・ワン組(25,25)は「ハウルの動く城」の曲。衣装は、SDよりずっと上品でよかった。ここもツイズルと三つのリフトはレベル4をとったが、回転リフトがレベル1。ステップ二つとスピンもレベル2。演技構成点は全ての要素が5点台。技術点最低の33.57、演技構成点六番目の33.66、合計67.23でフリー7位、総合8位。

 クームズ・バックランド組(英、22,22)は、プレスリーの曲。工夫された素早いリフトが特徴。最後のポーズに入る直前で転倒。リフトの時間オーバーもあり、減点3がなければ、GPシリーズ初の表彰台だった。技術点三番目の39.92、演技構成点四番目の39.58、合計76.5でフリー4位、総合4位。
 シブタニ兄妹は、グレン・ミラー・メドレー。ツイズル、四つのリフトはレベル4。スピンとステップ一つがレベル2、リフトの時間オーバーなど取りこぼしもあったが、全体としてはよい出来。演技構成点もつなぎの要素以外は8点台。技術点二番目の43.14、演技構成点も二番目の48.47、合計90.61でフリーも2位、総合2位。
 ボブロワ・ソロビエフ組は、オペラ「ファウスト」から「ワルプルギスの夜」。魔女集会の雰囲気の衣装で、つなぎもつめこんだ内容。サーキュラーステップがレベル2、対角線のステップがレベル3だったがそれ以外の要素は全てレベル4の上、ほぼ全ジャッジが加点。基礎点38.5に全体で7.45の加点。演技構成点は全ての要素が8点台。文句ない内容で、技術点最高の45.95、演技構成点も最高の51.84、合計97.79でフリー1位、総合優勝。


フィギュアスケート (2011.12/20,21,28,30)

スケートカナダ ペア、アイスダンス (2011.10/28〜30 ミシサガ) GPシリーズ第2戦

 <ペア>高橋・トラン組が出場。8組参加。
 第1グループの三番滑走、デュハメル・ラドフォード組(加、25,26)は、昨年春組みかえた。テレ朝チャンネルの解説、若松さんは「カナダでは、ペアが一番人気がある」と言う。冒頭のツイストは全ジャッジが加点1〜2。ソロジャンプはぴたりと合った。スピンは少し減点評価。演技構成点は全ての要素で6点台後半。技術点二番目の35.37、演技構成点三番目の27.0、合計62.37でSP2位。
 イリシェチキナ・マイスラーゼ組(露、19,23)は、若いが組んで6年目。昨年と同じ「セビリアの理髪師」の曲。女性の調子がよくないようだった。冒頭のソロジャンプで女性が両足着氷。スロールッツジャンプは、全ジャッジが加点1〜2。演技構成点は全ての要素で6点台。技術点五番目の32.34、演技構成点も五番目の25.8、合計58.14でsp5位。

 ボロソジャル・トランコフ組(露、26,28)も昨年五月に組みかえたばかり。それでいて、四月の世界選手権で銀メダル。今季、もうプログラムをかなりしあげている。黒い衣装で登場したときから演技に入っている。冒頭のツイストは、全ジャッジが加点2〜3。スローフリップジャンプもうまく足首で下り、リフト、ステップ、デススパイラル、スピンでレベル4。全体で基礎点30.9に8点以上の加点。演技構成点はつなぎの以外の要素が7点台後半。技術点最高の39.39、演技構成点も最高の31.03、合計70.42は自己ベスト更新でSP1位。
 高橋・トラン組(19,21)は、「イマジン」の曲。地元のトランは少し緊張しているようだった。冒頭のソロジャンプで高橋が片手をついたがころばなかった。今季から始めた3回転ツイストは加点の出来。スローサルコウジャンプは少し回りすぎてステップアウト、でもころばなかった。スピン、リフト、直線のステップ、デススパイラルでレベル4。演技構成点は振り付けの要素で7点台、他は6点台後半。技術点三番目の33.01、演技構成点二番目の27.59、合計60.6は自己ベスト更新でSP3位。
 最後のスイ・ハン組(中、16,19)は、あまり点が出なかった。冒頭のソロジャンプは女性の足がからまったようになり、ステップアウト。ステップからの得意のツイストは瞬間芸ですごかった。全ジャッジが加点1〜2。スローフリップジャンプもきれいに決まり、加点0〜3。スピンとリフトはレベル4だが、ステップとデススパイラルはレベル3。後者はきれいにアーチもあり、男性も持ち手を替えてもよく膝を曲げていたと思ったのだが。演技構成点はつなぎの以外の要素で6点台後半。技術点四番目の32.48、演技構成点も四番目の26.75、合計59.23でSP4位から。高橋・トラン組は、この組にジュニアの間ずっと勝てなかった。

 フリーでは、第1滑走の中国から初出場の若手ユウ・ジン組(15,17)が、SP最下位を挽回する演技。レベル3のツイストを加点1〜2の出来で決め、ダブルアクセルのシークエンスもピタリ。後半に二つのスロージャンプを続けて、特に後の方は、全ジャッジから加点2〜3。リフト三つとスピン一つでレベル4。滑走速度は遅いし、つなぎの要素はほとんどないが、技術点三番目の64.13、演技構成点44.95、合計109.08でフリー4位、総合7位。
 第2グループ最初のスイ・ハン組は、冒頭でいとも軽々と4回転ツイストをやってきた。次の3連続ジャンプは、回転不足と回転不十分があり、減点評価。デススパイラル、スピン、リフトすべてレベル4。全体で基礎点57.03に9点近い加点。技術点最高の66.01、演技構成点四番目の55.58、合計121.59でフリー2位と躍進、総合2位。
 高橋・トラン組は、続けて見ると滑りのスピードと滑らかさが素晴らしい。冒頭の3回転ツイストはきれいに決まり、ほぼ全ジャッジから加点。課題のソロジャンプもちゃんと跳べた。ただ、連続ジャンプが2回転1回転になってしまう。スピンも二つともレベル2、コリオスパイラルは6秒に足りず、無得点など取りこぼしも。演技構成点は音楽表現の要素以外は7点台。技術点最低の51.91、演技構成点二番目の56.9、合計108.81でフリーは5位、総合4位。

 地元のデュハメル・ラドフォード組は、冒頭のルッツのツイストは全ジャッジが加点1〜2。ルッツからの3連続は回転不十分になり、サルコウのソロジャンプは2回転に。後半、リフトが一つ、途中でバランスがくずれレベル1になり、スロージャンプも両足ぎみで減点評価。演技構成点は全ての要素が7点台。技術点四番目の55.73、演技構成点三番目の56.74、合計112.47でフリー3位、総合3位。
 ボロソジャル・トランコフ組は、映画「ブラックスワン」の曲。冒頭のツイストは、全ジャッジが加点2〜3の出来。スピン二つとリフト二つがレベル4。後半のスローサルコウが減点評価。演技構成点はつなぎの以外の要素が8点台。解説の若松さんは、「全てが流れの中にある。」と言う。技術点二番目の65.19、演技構成点最高の65.77、合計130.96の高得点でフリーも1位、総合優勝。

 <アイスダンス>7組出場。二番滑走のチョック・ベイツ組(米、19,22)は、今年の春に組みかえた。チョックが組んでいたズーラインは引退。ベイツは、昨季はアキレス腱の怪我で休んでいた。ベイツは2008世界ジュニア優勝、チョックは2009年ジュニア優勝。ツイズルとかまだ息が合っていない。合計50.43でSD6位から。
 第2グループのカッペリーニ・ラノッテ組(伊、24,26)は、組んで7年目。昨季前半は男性の怪我で休んでいた。「少し前なら中堅の年頃だが、リフトなど力が必要になって全体が若くなり、既にベテランの風格。」とテレ朝チャンネルの解説、河野さんは言う。さすがに南欧の国の人、ルンバのパターンダンスは二パートともレベル3。クリエイティブパートのサンバは氷の上とは思えないほど見事。ツイズルと回転リフトは全ジャッジから加点1〜2。基礎点26.5に全体で4点の加点。演技構成点では三つの要素が8点台。技術点三番目の30.5、演技構成点二番目の31.42、合計61.92でSD3位。

 地元のウィーバー・ポジェ組(22,24)は、女性の衣装がトラ模様で奇抜。ルンバは二パートともレベル3。直線のリフトとツイズルがレベル4。レベルは3のサーキュラーステップと直線のリフトは全ジャッジ加点1〜2。基礎点28.5に全体で4点近く加点。演技構成点は全ての要素が7点台。技術点二番目の63.31、演技構成点三番目の30.89、合計63.31でSD2位。
 やはり地元のヴァーチュー・モイア組が最終滑走。冒頭のルンバはレベル4。タンゴなどラテンダンスが得意なだけのことはある。河野さんによれば、男女ともに行うダブルチョクトウというステップが難しいらしいが、見分けられない。ツイズルとカーブのリフトでレベル4。最後のサーキュラーステップはレベル3だが、全ジャッジ加点2。基礎点29.5に全体で5点以上の加点。演技構成点は三つの要素が9点台、あと二つも8点台。技術点最高の35.25、演技構成点も最高の36.36、合計71.61で断然トップのSD1位。

 フリーでは、チョック・ベイツ組はショパンの曲。ツイズルとリフトのうち三つがレベル4。技術点四番目の43.51、演技構成点五番目の41.16、合計84.67でフリー4位。
 カッペリーニ・ラノッテ組は、冒頭のツイズルとリフト三つ、スピンがレベル4。全体で基礎点38.0に加点8点以上。演技構成点のうち三つの要素が8点台。技術点二番目の46.01、演技構成点三番目の46.94、合計92.95でフリー2位。
 ウィーバー・ポジェ組は、スピンとリフト四つともレベル4。回転リフトは全ジャッジが加点。全体で基礎点37.5に加点が7.59。演技構成点のうち三つの要素が8点台。技術点三番目の45.09、演技構成点二番目の47.59、合計92.68でフリー3位。
 最終滑走は、ヴァーチュー・モイア組。冒頭の対角線のステップと、サーキュラーステップはレベル3だったが、その他の要素は全てレベル4。しかも全ての要素に全ジャッジが加点。演技構成点の全ての要素が9点台。全体が流れるような動きの中に自然に組み込まれていて、それでいてもっとよくなる余地もあった。基礎点40.0に加点10点以上という驚異的な評価で、技術点最高の50.9、演技構成点も最高の55.83、合計106.73でフリーも1位、総合優勝。


フィギュアスケート (2011.12/23,24,25,26)

全日本選手権 (2011.12/23〜26 大阪)

 <男子シングル>織田がヒザの怪我のため、欠場。29人参加。SP第2グループに世界ジュニア銀メダルの田中刑事(17)。トリプルアクセル、連続3回転、ステップからのルッツとジャンプを決める。合計67.48でSP6位。全日本ジュニア5位の宇野(14)は、アクセルはダブルだが、ジャンプ全てきれいに成功。スピンも上手で、合計63.49でSP7位。第3グループには、全日本ジュニア優勝の日野(16)。相変わらず線が細くて不安定な感じ。連続3回転で両手つき。合計60.19でSP11位から。
 第4グループには、GPファイナルを逃した、昨年優勝の小塚。フリップからの連続3回転、トリプルアクセル、ステップからのルッツと決める。スピン、ステップとも磨きがかかったようで、今季一番の出来ではないか。終わった後、めずらしくガッツポーズ。合計は自己ベスト更新の85.6でSP2位。町田(20)もよかった。ロシア民謡の曲で、ジャンプは全て下り、民謡の踊りのステップもずいぶん様になってきた。合計74.64でSP4位。佐々木は、忍者のプログラム。しかし冒頭のトリプルアクセルで転倒に近い両手つき。ステップからのフリップは片手あげ。ステップはさすがに踊れる演技派。国際舞台に出れば通用するのに。合計60.45でSP10位。村上大介(20)は、冒頭の4回転で転倒。ここが連続ジャンプだったようで、要素を失う。滑りも滑らかで、スビンやステッブもよかったが、合計62.65でSP9位と出遅れ。

 最終グループは中村健人(20)から。連続3回転、トリプルアクセルは決めたが、ステップからのフリップで転倒。しかし、得意のステップでタンゴの曲を十分に表現。合計68.58でSP5位。高橋は、なんと冒頭で4回転3回転を決める。トリプルアクセル、ステップからのルッツも決め、既にこの時点で1位は間違いなし。スビン、ステップはさらに切れ味よく、観客は総立ち。本人も会心の出来らしく、ガッツポーズ。得点は、合計96.05と高得点をたたき出した。その割に、試合後のインタビューでは、「4回転はよかったが、その他はまだまだ…」のような発言。フジテレビ解説の本田は、「SPで4回転を決めたのは、2005年以来。」と言う。
 無良は、冒頭の4回転がパンクして2回転に。トリプルアクセルは高く力強く決めたが、連続ジャンプの最初で転倒、要素を失う。合計60.05でまさかのSP12位から。最後は羽生。冒頭の4回転はほどけて3回転に。トリプルアクセル、ステップからのルッツに、両手上げのダブルトウループ。4回転がトウループなので、ほどけた時点で、ルッツに付ける第2ジャンプに3回転は付けられないと考える冷静さはあった。その他の要素は滑りきって、合計74.32でSP3位。4位の町田とは0.32差。ところが、翌日の新聞を見たら、羽生と町田の順位が入れ替わっている。羽生のスピンのレベルが3から2に訂正があり、0.5点差し引いたためらしい。

 フリーでは、第3グループでSP12位の無良は、4回転を初めジャンプを決め、技術点四番目の74.06、演技構成点70.1、合計144.16でフリー4位、総合5位。ロープを巻き付けたような衣装はちょっとだらしなく見える。SP7位の宇野は、ダブルアクセル・3回転トウループを初め、ジャンプは好調だったが、さすが30秒長いシニアのプログラムに、最後のサルコウで転倒。スピン、ステップはジュニアと思えない巧みさで、技術点63.63、演技構成点64.3、合計126.93で、フリー10位、総合9位は立派。もっと背が伸びるといいのだが。

 最終グループでは、直前の6分間練習からロシア杯のようにジャンプ合戦。SP3位の町田から。ランビエールが振り付けた「ドンキホーテ」。前見たときよりはよくなっているが、もっと見栄は美しく、腕は背中の真ん中から動かしてほしい。冒頭予定していた4回転が不調のため、ダブルアクセルに変更。トリプルアクセルは二つとも決めたが、最後にルッツが2回転に。技術点68.44、演技構成点四番目の71.9、合計138.84でフリー6位、総合4位。
 SP6位の田中は、冒頭でトリプルアクセルからの連続ジャンプを決めるが、二つ目のトリプルアクセルはオーバーターン。連続3回転で転倒。それでも今できることはやり、技術点六番目の69.77、演技構成点65.2、合計133.97でフリー7位、総合7位。
 1位と10点以上の差がある小塚は、冒頭4回転を決める。トリプルアクセル、連続3回転も決めたが、二つ目のトリプルアクセルで転倒、第2ジャンプが入らず。しかし、その他スピン、ステップは滑りきり、技術点二番目の84.87、演技構成点も二番目の81.5、合計165.37でフリー2位、総合2位。

 大幅リードの高橋は、冒頭の4回転トウループで転倒。一つ目のトリプルアクセルは決めたが、後半、二つ目で転倒。最後のフリップも転倒。得意のステップもさえない感じ。技術点三番目の74.65、演技構成点最高の86.9、合計158.55でフリー3位、総合優勝。さすがに三回転んだのは反省していて「何とか逃げ切った。疲れがあって、練習し過ぎかもしれない。」
 羽生は、最初の動きから気合い充分。冒頭の4回転をなんとか着氷。後半にトリプルアクセルからの3連続を跳び、場内にどよめきを起こした。体力が持つのかと思うほど渾身の滑りのまま、直線のステップを滑りきったが、直後のサルコウが1回転に。試合後のインタピューで「ファイナルとまた同じ失敗をしてしまった」と反省しきり。技術点最高の88.59、演技構成点三番目の79.0、合計167.59でフリー1位、逆転で総合3位。表彰台でものすごく嬉しそうだった。なんだかまた足が伸びたようだ。
 最終滑走は、SP5位の中村。SPのときより動きが固い。トリプルアクセルで転倒。後半、二つ目のトリプルアクセルは連続ジャンプで成功。最後のジャンプ二つが2回転になった。技術点61.36、演技構成点七番目の67.0、合計127.36でフリー9位、総合8位。

   <女子シングル>SPには29人参加。第2グループに昨季全日本ジュニア優勝(今季は3位)の庄司(15)。冒頭でサルコウからの連続3回転を決め、大きなミスはなかったが、技術点27.18、演技構成点24.32、合計51.5でこの時点で3位、SP11位。今季全日本ジュニア優勝の宮原(13)は、冒頭の連続3回転のところで転倒。次のルッツに第2ジャンプをつけた。最後にステップでも転倒し、かなり緊張したようだ。技術点25.94、演技構成点23.12、合計47.06でSP15位。
 第4グループ最初に村元姉妹。ともに大きなミスはなく、怪我から2年ぶりの全日本出場の姉の小月(21)は合計53.16でSP8位、妹の哉中(かな)は、合計54.2でその時点で1位、SP6位。村元哉中まで、第1滑走の佐藤未生(15)が1位だった。村上佳菜子(17)は、SPは自信があったと言うだけあり、冒頭の連続3回転をきれいに決めると、ジャンプは全て流れの中で美しく決めた。GPシリーズのときは靴が不調だったらしいが、新しい靴でスピン、ステップもスピードにのって滑り、技術点最高の35.92、演技構成点三番目の29.64、合計65.56の高得点でSP1位。最後に西野(18)。今季からシニアとのことで、東日本選手権3位で出場。だいぶジャンプも戻ってきた。スピンやステップも雰囲気が出てきたが、基本の滑りがもっと伸びると国際舞台でもやっていけると思う。

 最終グループでは、今井(18)が東日本選手権優勝で出場。今季から拠点をアメリカに移し、佐藤有香コーチに基礎から教わっているだけあり、滑りがとても伸びるようになった。冒頭の連続ジャンプは第1ジャンプを下りた後一瞬止まったが、2回転を付けた。解説の八木沼さんが「スピンがこの一年でとても上手くなった」と言う。技術点五番目の30.22、演技構成点四番目の27.6、合計57.82でSP5位。「得点も順位も関係なく、今できることを見せたい」と言っていた浅田真央は、まずきれいなダブルアクセルから。フリップからの連続ジャンプ、ステップからのループも決めたが、本来の勢いは無い感じ。スピン、ステップもレベルは高いが、キレがないようだ。ただお母さんの葬儀など五日間練習を休んだはずで、その中からこれだけのレベルの演技ができるのはさすが。技術点二番目の33.8、演技構成点最高の31.6、合計65.4で僅差のSP2位。最終滑走に鈴木明子。なんと直前の6分間練習でも決めていた連続3回転の第2ジャンプが1回転に。第1ジャンプがやや勢いがありすぎて回りすぎか。他のジャンプ、スピン、ステップはさすがの出来で、技術点七番目の28.56、演技構成点二番目の31.04、合計59.6でSP3位。

 フリーの最終グループは、鈴木明子から。冒頭のルッツは美しく決めた。次のアクセルが1回転になったが、第2ジャンプに3回転を付ける。3連続ジャンプを後半に決めたが、二つ目のルッツは1回転、フリップがオーバーターン。最後のステップは素晴らしかった。技術点三番目の56.87、演技構成点二番目の62.8、合計119.67でフリー1位、総合2位。
 初めて最終組で滑る村元哉中は、冒頭のフリップが1回転になったが、他は大きなミスなく滑り、合計99.91でフリー9位、総合10位。
 西野は、冒頭のルッツからの連続ジャンプを初め、ダブルアクセルからの3連続など好調。ただ、最後の方でルッツが1回転、サルコウでステップアウト気味になり、得点は伸びず。技術点44.65、演技構成点三番目の53.28、合計97.93でフリー11位、総合8位。

 浅田真央は、冒頭にまたダブルアクセル。直前の6分間練習ではトリプルアクセルも下りていたが、「演技全体を考えて」決めたと言う。フリップからの連続ジャンプ、ダブルアクセル・3回転トウループも決めるが、苦手のサルコウが2回転、最後は得意のループも2回転でバランスも崩して着氷。最後のステップはスピードにのって滑りきり、技術点四番目の54.43、演技構成点最高の64.24、合計118.67でフリー2位、総合優勝。滑り終わったとき、すごくホッとした表情になった。
 SP5位の今井は、のびのある滑り出しから、連続3回転を鮮やかに決める。試合で跳ぶのは初めてらしい。フリップが回転が足りなかったが、高速スピンは見事。技術点六番目の53.25、演技構成点四番目の55.6、合計108.85でフリー5位、総合4位。
 最終滑走の村上佳菜子は、冒頭のルッツをきれいに決める。苦手のループは1回転に。ただ、後半、3回転ループからの連続ジャンプは決める。フリップは両足になり、第2ジャンプが入らず。直線のステップの途中でなんと転倒。しかしあきらめずに3連続ジャンプを決めて締める。技術点48.21、演技構成点三番目の59.92、合計107.13でフリーは6位、総合で3位に滑り込む。

 <ペア>4年連続で高橋・トラン組ひと組が出場。フリーでは、鬼門のソロジャンプで転びはしなかったが、二人のタイミングが全然違い、トランの方がバランスを崩した。一つ目のスロージャンプはこらえたが、二つ目のスロージャンプで転倒。技術点52.31、演技構成点56.24、合計107.55。SPとの総計164.97で優勝。

 <アイスダンス>リード姉弟は、クリスの足の骨折の回復が進まないため、欠場。ただし、その他に3組エントリーがあり、ジュニアもひと組出場予定。優勝は、今季組みかえたブリナ・オイ(米)・水谷組。昨季まで水谷と組んでいた平井は、デ・ラ・アソンションと組んで2位。

 世界選手権代表は、男子が高橋、小塚、羽生。女子が浅田、鈴木明子、村上佳菜子。ペアは高橋・トラン組。アイスダンスはリード姉弟。四大陸代表は、男子が高橋、町田、無良。女子が浅田、村上、今井。ペアとアイスダンスは同じ。世界ジュニア代表は、男子が田中刑事、宇野、日野。女子が佐藤未生、宮原、庄司。ジュニアのアイスダンスは枠がないらしい。


フィギュアスケート (2011.12/18)

全日本ジュニア選手権 (2011.11/25〜27 八戸・青森)

 <男子シングル>日野が優勝。30人参加。SPは、全く放送なし。SP1位田中刑事(17)、2位木原龍一(19)、3位宇野昌磨(13)。日野龍樹(16)は、SP6位から。トリプルアクセルで転倒、スピンは二つレベル1では仕方ないか。今年からジュニア参戦の宇野はルッツはeマークだが、スピンは三つともレベル4。田中は、ルッツがやはりeマークの上、-2〜-3の評価、スピン二つがレベル1。
 フリーは、日野だけ放送。あとは田中と宇野のハイライトのみ。宇野は冒頭のルッツがeマーク、ダブルアクセルに3回転トウループは回転不十分。後半の3連続ジャンプは第1と第2ジャンプが回転不足。スピンは二つレベル4。直線のステップは全ジャッジが加点1〜3。フジテレビ解説の八木沼さんは、「去年よりスケートののびがある。」とのこと。技術点七番目の51.3、演技構成点三番目の60.6、合計111.9でフリー5位。
 田中は、ジャンプが不調で、トリプルアクセルが1回転、後半のトウループは回転不足で転倒並の-3。技術点四番目のの60.11、演技構成点最高の64.7、合計124.81でフリー3位、総合2位。
 日野は、冒頭でトリプルアクセルからの連続3回転を決め、フリップはeマークだが、ルッツからの連続ジャンプや後半に3連続も決め、スピンも二つレベル4をとった。技術点最高の72.93、演技構成点四番目の58.5、合計131.43でフリー1位、逆転優勝。目立つ顔立ちなのだから、もっと姿勢をよくして表情がつけば、表現点も出てくると思う。
 総合3位には、SP、フリーとも2位だった木原が入り、上位三人は全日本に出場。

 <女子シングル>13歳の宮原が優勝。朝日新聞2011.11/28夕刊13面に記事。30人参加。SPの放送は、昨年優勝の庄司(15)のハイライトと宮原のみ。宮原はフリップからの連続3回転を軽々と決め、スピンは三つともレベル4。うち二つは全ジャッジが加点1〜2。技術点最高の33.04、演技構成点二番目の23.72、合計56.76でSP1位。
 庄司は冒頭のサルコウからの連続3回転が、回転不十分で両足着氷。ルッツもeマークの上、回転不十分。スピンもレベル4は一つだけで、あとの二つはレベル3と1。技術点13番目の24.9、演技構成点最高の24.4、合計49.3でSP7位と大きく出遅れ。
 フリーも庄司と宮原のみ放送。庄司は、冒頭のサルコウからの3連続ジャンプを3−3−2で決めた。ルッツとフリップとループは回転不十分になったが、ダブルアクセルから3回転トウループと、レイバックスピンは、全ジャッジが加点1〜2の出来。技術点四番目の51.43、演技構成点二番目の50.96、合計102.39でフリー2位、総合3位。
 宮原は、冒頭にルッツからの連続3回転を決め、これだけで基礎点10.1に加点0.7を稼ぐ。スピンは三つともレベル4、後半にはルッツからの3連続も決め、全ての要素が加点評価。技術点最高の64.37、演技構成点も最高の51.04、合計115.41でフリーも1位、ジュニア一年目で初優勝。13歳にしては表情もついていて、将来が楽しみ。
 総合2位には、SP、フリーとも3位の友滝が入り、上位三人は全日本に出場。


フィギュアスケート (2011.12/13,14,15,)

スケートアメリカ ペア、アイスダンス (2011.10/21〜23 オンタリオ・カリフォルニア州) GPシリーズ第1戦

 <ペア>8組参加。1番滑走は今年3月に組みかえた、アメリカのデニー・コーフリン組(17,25)。それぞれ前のパートナーのときに全米を制したことがある実力者同士。「エデンの東」の曲で、まだスピードはないものの3回転ツイスト、ステップと三つのリフトはレベル4と全ての要素をミスなくこなし、技術点二番目の33.82、演技構成点六番目の25.8、合計59.62で、SP2位と好発進。
 その他のアメリカの二組は、グランプリシリーズ初登場。2009年から組んでいるヴァイス・ボールドウィン組(25,33)の男性は、井上玲奈と組んでいたボールドウィンの弟。合計51.55でSP7位。マーリー・ブルベイカー組(16,25)も2010年8月に組みかえたばかり。女性はまだ子どもっぽいが、昨年の全米のときよりも上手になっていた。合計56.16でSP6位。
 昨年一年間、男性の中指骨折で休んでいた、トリノ五輪銀メダリストのジャン・ジャン組(中、26,27)。いきなり、全ジャッジが加点2〜3の美しいスロージャンプ。リフトは三つともレベル4、演技構成点もつなぎ以外の要素は7点台。技術点最高の34.17、演技構成点二番目の28.68、合計62.85でSP1位。

 ロシア期待の若手バザロワ・ラリョーノフ組(18,25)は、「トスカ」の曲。冒頭のソロジャンプで男性が転倒。しかし、ツイスト、スロージャンプ、デススパイラルで全ジャッジから加点。技術点三番目の32.42、演技構成点三番目の28.2、合計59.62は、デニー・コーフリン組と同点だが、技術点の差でSP3位。
 サブチェンコ・ソルコビー組(独、27,33)は「天使と悪魔」の曲。冒頭のスロートリプルアクセルで転倒。少し動揺があったのか、ツイストがレベル1で減点評価。ソロジャンプも減点評価。しかし、リフトとステップはレベル4、ペアスピンはレベル2ながら全ジャッジが加点。演技構成点も全ての要素で7点台。技術点六番目の29.48、演技構成点最高の30.97、合計59.45でSP5位。5位だが、2位から5位までみんな59点台で団子状態。ただ、5位だし第1グループでの滑走になるが、どうなるか。

 フリーは、第1グループ最後のサブチェンコ・ソルコビー組が優勝。冒頭のスロージャンプは、全ジャッジが加点。連続ジャンプは同調性が乱れ、減点評価。スピン一つとリフト二つ、デススパイラルがレベル4。まだレベルのとりこぼしもあり、要素以外の全体の統一感がなかったが、全体の基礎点53.57に7点近く加点。技術点二番目の60.41、演技構成点最高の64.12、合計124.53で逆転。
 第2グループ最初のムアタワーズ・モスコヴィッチ組(加、19,27)は、全てのジャンプを決めた。ソロジャンプで-2をもらった以外は、リフトは三つともレベル4、最後までスピードのある滑りなどよい出来だった。全体で基礎点54.17に5点以上の加点。技術点最高の61.65、演技構成点四番目の56.18、合計117.83でフリー2位、総合3位。

 バザロワ・ラリョーノフ組は、冒頭のソロジャンプで女性が両足、ダブルアクセルの連続ジャンプで男性がステップアウト。二つ目のスロージャンプでも着氷後すぐ足を付き、減点評価。しかし、ツイストはレベルこそ2だが、ほぼ全ジャッジが加点2〜3。リフトも二つがレベル4、かなりよい印象だった。全体で基礎点54.78に4点近い加点。技術点四番目の58.72、演技構成点五番目の55.6、合計114.32でフリー5位、総合5位。
 デニー・コーフリン組は、大きなミスなく滑りきった。ダブルアクセルの連続ジャンプは、女性の第2ジャンプが1回転になり、減点評価だったが、ツイストと最初のスロージャンプは全ジャッジが加点1〜2。リフト二つとペアスピンはレベル4、特に最後のリフトは、全ジャッジが加点1〜3。全体で基礎点54.17に5点以上の加点。組んで半年でこれだけできれば素晴らしいと思う。技術点三番目の59.36、演技構成点も三番目の56.42、合計115.78でフリー4位、総合4位。
 ジャン・ジャン組は、冒頭に見事に合った3連続ジャンプを決めた。次のリフトとツイストまでの三つの要素は全ジャッジが加点1〜2。ソロジャンプが2回転扱いとなり、減点評価。二つ目のスロージャンプもすぐ足を付き、減点評価。レベル4をとれたのは、ペアスピンと最後のリフトだけ。プログラム全体のまとまりがなく、長く感じたが、一年のブランクが影響しているのかもしれない。それでも演技構成点は全ての要素で7点台を出し、技術点五番目の56.96、演技構成点二番目の58.85、合計115.81でフリー3位、総合2位。

 <アイスダンス>8組参加。SDのパターンダンスは、ルンバ。地元アメリカから2組がグランプリシリーズ初参戦。ハベル・ドナヒュー組(20,20)は、今年の春に組みかえたばかり。女性は、昨年まで兄と組んでいた。演技構成点四番目の25.06、合計49.71でSD6位。カヌーシオ・ロレーロ組(21,21)は、2007年から組んでいる。合計42.05でSD7位。
 第1グループ最後のポール・イスラム組(加、20,21)の女性が二度も転倒。よかったのは直線のリフトとツイズルくらい。技術点は基礎点を下回ってしまった。本来は滑らかな滑りなのに演技構成点の滑走技術は4点台。合計37.5で最下位から。テレ朝チャンネル解説の木戸さんは「回転のときブレードの重心が移動してしまったため転倒した」と言う。また、最終的な目標は国内選手権や世界選手権であり、この大会での失敗を気にする必要はない、とも話した。

 第2グループはラルフ・ヒル組(加、19,20)から。女性がだいぶ太ったように見えたが、マイケル・ジャクソンの曲で、軽快に滑った。冒頭のサーキュラーステップと直線のリフトでほぼ全ジャッジが加点。演技構成点も全ての要素が6点台。技術点五番目の27.79、演技構成点も五番目の24.89、合計52.68でSD4位。
 ペシャラ・ブルザ組(仏、27,30)は、今季からコーチをカメレンゴ氏とクリロワさんに変えた。木戸さんによれば、「昨年まで単純なリフトだったが、今季はステップ数が多いものに挑戦している」とのこと。ただ、途中で男性が転倒したり、ツイズルで女性が逆回転のとき反対方向に進んだりとまだまだ。ルンバは両パートともレベル3。演技構成点のうち振り付けの要素は8点台。技術点29.51、演技構成点31.56とも二番目の合計60.07でSD2位に、笑顔はなかった。
 現世界王者、デイヴィス・ホワイト組(米、24,24)は、冒頭のツイズルはやや回転がずれたが、その他の要素では全ジャッジが加点。特にサーキュラーステップは全ジャッジが加点2。全体で基礎点28.5に加点5.54。ルンバは両パートともレベル3。演技構成点もつなぎと音楽表現以外の要素が9点台。技術点最高の34.14、演技構成点も最高の36.19、合計70.33でSD1位。

 フリーはポール・イスラム組から。リフト四つとツイズルはレベル4で加点評価。ステップは二つともレベル2。ちょっと勢いはなかった。リフトが一つ時間オーバーで減点1。演技構成点は振り付けの要素だけが6点台。ある程度09/10世界ジュニア銀の実力は出せたのでは。技術点六番目の40.21、演技構成点34.99、合計74.2でフリー7位。
 ハベル・ドナヒュー組は、アップテンポの曲で滑りきった。リフト四つとスピン、ツイズルがレベル4。リフトが一つ時間オーバーで減点1。演技構成点は全ての要素が6点台。技術点三番目の43.11、演技構成点三番目の39.22、合計81.33でフリー3位。
 SP5位のトビアス・スタグニナス組(リトアニア、20,26)は、女性がアメリカ出身。五年連続国内王者。グランプリシリーズは初参戦。コーチはシュピルバンドさん。ステップ二つ以外の要素はレベル4。演技構成点も全ての要素が6点台。技術点四番目の41.99、演技構成点も四番目の38.76、合計80.75でフリー4位、総合3位。

 第2グループはラルフ・ヒル組から。木戸さんが「足首が柔らかい。」と言う。いきなりミラーのツイズルで注目。サーキュラーステップと回転リフトで全ジャッジから加点。リフト三つとスピンはレベル4。演技構成点も全ての要素が6点台。持ち味を出したいい出来だと思ったが、技術点五番目の40.22、演技構成点六番目の38.39、合計78.61でフリー5位は少し意外。
 ペシャラ・ブルザ組は、いつかのエキジビションで見たような「ミイラとファラオ」。女性がミイラの布のような衣装。いきなり男性の肩の上で倒立のようなリフト。リフト四つとツイズル、スビンがレベル4。ステップ二つはレベル3と2。全体で基礎点38.5に8点近い加点。リフト一つが時間オーバーで減点1。演技構成点は全ての要素が8点台。木戸さんは「止まったポーズが美しい」「この組はスロースターター」と言う。技術点二番目の46.42、演技構成点も二番目の50.8、合計96.22でフリー2位、総合2位。
 最後のデイヴィス・ホワイト組は、オーソドックスなワルツなどのスタイルを高速で滑りきった。リフト、スピン、ツイズルはレベル4、二つのステップはレベル3、全ての要素が全ジャッジから加点2〜3。全体で基礎点40.0に11.21の驚異的な加点。演技構成点はなんと全ての要素が9点台。技術点51.21、演技構成点56.53とも最高の合計107.74でフリーも1位で総合優勝。木戸さんはそれでも「速さが荒さになることがある。つなぎの要素が雑。もっと深いエッジで滑ればもっと点が出る」と言う。



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フィギュアスケート (2011.12/9,10,12,)

ロシア杯 (2011.11/25〜27 モスクワ) GPシリーズ第6戦

 <男子シングル>羽生が出場。9人参加。ヴェルネル(チェコ)が欠場。
 SPは、最初に地元ヴォロノフ(露、24)。冒頭のたぶん4回転からの連続ジャンプが3回転で転倒。スピン二つでレベル4を取ったが、技術点最低の29.51、合計61.15でSP8位。
 ムロズ(米、20)は冒頭の4回転ルッツが回転不十分で転倒。トリプルアクセルもステップアウト。合計69.35でSP6位。
 第2グループ最初はフェルナンデス(西、20)。黄色い衣装のせいか昨季より太って見える。冒頭の4回転は決めたが、連続ジャンプは最初が2回転に。スピンは二つレベル4、ステップはレベル2。モロゾフからオーサーにコーチを替えて、本人は「スケートが簡単になった」(『朝日新聞』2011.12/6夕刊)と言うが、滑りはよくなってきたのにキレがない感じ。技術点四番目の40.11、演技構成点二番目タイの38.39、合計78.5でSP4位。

 羽生(16)は、冒頭の4回転で両手をついたが、トリプルアクセル、ルッツからの連続3回転とも加点の出来。スピン三つとステップが全てレベル4の上、全ジャッジから加点。演技構成点もつなぎ以外の要素は7点台後半。技術点最高の45.2、演技構成点四番目の37.58、合計82.78は中国杯で出した自己ベストをさらに更新し、SP2位。
 SP1位はアボット(米、26)。冒頭にフリップからの連続3回転をきれいに決め、その他の要素全ても加点の出来。基礎点35.7、全体で7点以上の加点。演技構成点は全ての要素が8点台。技術点二番目の42.04、演技構成点最高の41.5、合計83.54。
 地元のガチンスキー(18)は、冒頭の4回転で転倒、連続ジャンプの要素が入らず。スピン一つとステップはレベル4をとり、演技構成点もつなぎ以外の要素は7点台後半。技術点五番目の38.3、演技構成点も五番目の37.43、合計74.73でSP5位。
 最後のブレジナ(チェコ、21)は4回転は跳ばず。加点のつくトリプルアクセル、フリップからの連続ジャンプ、レベル4のスピン二つ、演技構成点もつなぎ以外の要素は7点台後半などノーミスだったが、技術点三番目の40.62、演技構成点二番目タイの38.39、合計79.01でSP3位。

 なんと、フリーで羽生が逆転優勝。第1グループ最初のメンショフ(露、28)は、SPと同じく4回転を二回跳んできた。しかし、ルッツとループが2回転になった上、連続ジャンプを四つ入れてしまい、4点くらい損して合計131.77でフリー8位、総合8位。ヴォロノフも冒頭に4回転を入れたが回転不十分で減点評価。フリップもeマークで、合計136.04でフリー6位、総合7位。
 ムロズはジャンプが絶不調。冒頭の4回転トウループも-1〜-2。アクセルは1回転と2回転のみ。軸が傾き、ほどけている。技術点最低の50.36、合計116.14でフリー9位、総合9位。
 第2グループ最初のガチンスキーもジャンプの調子が今ひとつ。冒頭の4回転で転倒。トリプルアクセルはよかったが、トリプルアクセルからの3連続ジャンプは三つ目が1回転。ルッツも2回転になり、技術点三番目の72.5、演技構成点五番目の75.2、合計146.7でフリー4位、総合5位。

 フェルナンデスは、冒頭に4回転トウループとサルコウを決めた。続けてトリプルアクセルからの連続3回転も決め、前半の五つの要素は全ジャッジから加点。後半疲れたのか、ルッツが2回転、3連続ジャンプの最初と最後が1回転になったが、スピンは三つともレベル4をとり、技術点二番目の81.77、演技構成点も二番目の81.36、合計163.13でフリー1位、総合2位。
 ブレジナは、トリプルアクセル、フリップからの連続3回転は全ジャッジが加点。4回転サルコウは-1。スピンは三つともレベル4をとったが、ルッツが2回転になったり、全体に滑りにスピードがなかった。技術点四番目の70.92、演技構成点も四番目の76.42、合計147.38でフリー3位、総合4位。
 羽生は、冒頭の4回転で両手をついて転倒扱い。トリプルアクセル、フリップ、フライングスピンと全ジャッジから加点。サーキュラーステップの途中でも転倒。しかし、後半のトリプルアクセルからの連続3回転、ループからの連続ジャンプも決まり、直線のコリオステップは全ジャッジから加点1〜2。演技構成点も滑走技術でついに8点を出し、技術点最高の82.5、演技構成点三番目の78.38、合計158.88でフリー2位、総合優勝。これでファイナルへ。
 アボットは、冒頭の4回転は回転不十分で転倒。トリプルアクセル、足替えシットスピン、フリップ、ステップと加点の出来だったが、後半のトリプルアクセルで転倒すると、ループが2回転になったり、サルコウからの連続ジャンプが0〜-1。スピン二つもレベル3で、技術点八番目の64.1、演技構成点最高の83.44、合計145.54でフリー5位、総合3位とふんばった。
 羽生は初の表彰台が優勝とは、大物だ。2位のフェルナンデスとは0.03差の僅差。

 <女子シングル>真央と今井が出場。SP1位の真央がそのまま優勝、ファイナルへ。
 一番滑走のビルコワ(露、17)が冒頭連続3回転を決め、ほぼノーミスで、技術点三番目の31.56、合計56.3を出し、SP4位。
 二番目のソトニコワ(露、15)も、冒頭のルッツで転倒したものの、スピンは三つともレベル4、転倒以外の全ての要素に加点。演技構成点も滑走技術と振り付けで7点台をもらい、技術点四番目の31.56、演技構成点も四番目の27.69、合計57.79でSP3位。
 第2グループ最初の今井(18)は、ステップからのループとダブルアクセルで少し減点評価。スピンは三つともレベル4、今できることをやったが、技術点六番目の29.16、演技構成点五番目の26.04、合計55.2でSP6位。

 フラット(米、19)は、ステップからのループとレイバックスピンでやや減点評価。スピンもレベル4はひとつだけ。ほとんど加点が無く、演技構成点も全て6点台。技術点七番目の27.62、演技構成点六番目の25.74、合計53.36で不本意なSP8位から。
 真央(21)は、ダブルアクセルを軽々と跳ぶと、すごく簡単そうにフリップ・ループの連続ジャンプ、ステップをこなした。スピン二つと直線のステップはレベル4で、全ジャッジから加点1〜2。SPって簡単! とばかりに楽々と滑り終えた。初めてというパンツスタイルの青い衣装もいい。全体で基礎点27.8に5点以上の加点。演技構成点は全ての要素が7点台の後半。技術点二番目の33.34、演技構成点最高の30.95、合計64.29でSP1位。
 コルピ(フィン、23)は、冒頭の連続ジャンプはよかったが、ステップからのループをステップアウト。アクセルは1回転になってしまい、要素を失う。スピン二つはレベル4、演技構成点は全ての要素が7点台。技術点八番目の26.01、演技構成点三番目の29.8、合計55.81SP5位。
 最後に地元のレオノワ(露、21)。冒頭の連続3回転がきれいに決まり、加点1.3。スピン一つと直線のステップはレベル4をとり、全体で5点近い加点。演技構成点も全ての要素が7点台の後半。技術点最高の33.87、演技構成点二番目の30.04、合計63.91でSP2位。

 フリーは、三番目にフラット。足でも痛いのか。後半ジャンプが決まらず、サルコウが2回転、連続の後半が1回転。滑りもスピードが出ない。演技構成点はつなぎ以外の要素は6点台。合計94.27でフリー9位、総合9位。
 第1グループの最後に今井。ジャンプに少しミスが出た。今年の夏に怪我をして二ヵ月くらい練習が遅れた、とのことだが、そう考えるとよくできたとも言える。冒頭のループが-1〜-2。ルッツは回転不足で転倒に近いミス。連続ジャンプは三つとも可もなく不可もなく。レベル4の足替えスビンとフライングスピンは少し加点。しかし終盤のレイバックスビンはレベル1で-1〜-2。演技構成点は全ての要素が6点台。技術点六番目の48.09、演技構成点も六番目の51.47、合計99.56でフリー6位、総合6位。
 第2グループ最初のコルピも本来の出来ではない。最初のトウループが2回転になると、サルコウは2回転の上、回転不足でほとんど転倒の両手つき。アクセルやループからの連続ジャンプはなんとか跳んだが、サルコウからの連続ジャンプはまたもや2回転に。ただ、レベル4のスピン二つとコリオスパイラル、直線のステップで全ジャッジから加点。演技構成点は全ての要素が7点台。技術点七番目の46.49、演技構成点三番目の58.62、合計105.11でフリー5位、総合5位。

 ビルコワは冒頭の連続3回転はよかった。しかし、ループからの連続ジャンプは大きくよろけて全ジャッジが減点評価。スピンは二つレベル4をとり、演技構成点は全ての要素が6点台後半。技術点四番目の55.5、演技構成点五番目の54.27、合計109.77でフリー4位、総合4位。
 ソトニコワは、冒頭のルッツからの連続3回転がeマークで減点評価。二つ目のフリップは転倒したので、シークエンス扱い。スピンは三つともレベル4、演技構成点はつなぎ以外の要素は7点台。技術点二番目の56.34、演技構成点四番目の56.62、合計111.96でフリー3位、総合3位。
 レオノワは、髪をアップにし、黒い衣装で大人びた雰囲気。逆転を意識したのか、それとも馴れないクラシック系の曲のせいか、少し動きが固いようだ。冒頭の連続3回転は全ジャッジから加点の出来。ルッツでeマーク、3連続ジャンプの最後が回転不十分、フリップは2回転に。ダブルアクセルで転倒。しかし、スピン三つはレベル4、コリオスパイラルや直線のステップは全ジャッジが加点。演技構成点は全ての要素が7点台。技術点最高の57.53、演技構成点二番目の60.01、合計116.54でフリー2位、総合2位でファイナル初進出。
 真央は、冒頭のダブルアクセルはとてもきれいに決めた。しかし、二つ目はステップアウト。ルッツは回転不十分で減点評価。苦手のサルコウは2回転になり、連続ジャンプも決まらず、転倒こそしなかったが、ミスが目立った。しかし、スピン三つとステップはレベル4、全体で基礎点49.96に6点近い加点。演技構成点も滑走技術とパフォーマンスで8点台、技術点三番目の55.76、演技構成点最高の63.2、合計118.96で逃げ切り、フリー1位、総合優勝。



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フィギュアスケート (2011.12/10,11,)

GPファイナル (2011.12/8〜11 ケベック・カナダ) GPシリーズ

 <男子シングル>高橋と羽生が出場。
 SPは羽生(17)から。冒頭の4回転は連続ジャンプの予定だったが、片手を付いた。トリプルアクセルとルッツからの連続3回転はきれいに決め、スピンも三つともレベル4をとった。演技構成点はつなぎ以外の要素で7点台前半。技術点二番目の43.26、演技構成点六番目の36.07、合計79.33でSP4位。
 フェルナンデス(西、20)は冒頭の4回転をきちんと決めた。ルッツからの連続ジャンプはルッツがよろめいて-2。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。演技構成点は全ての要素で7点台後半。技術点三番目の42.19、演技構成点四番目の39.07、合計81.26でSP3位。
 ブレジナ(チェコ、21)は、フリップからの連続3回転の間にターンが入ってしまい-1.2。次の4回転サルコウで転倒。技術点五番目の38.8、演技構成点五番目の37.46、合計75.26でSP最下位から。

 アボット(米、26)は、冒頭のフリップでステップアウト。トリプルアクセルとルッツからの連続3回転と決め、スピンも二つレベル4。相変わらず加点が多く、トリプルアクセルと足替えスピンは全ジャッジが加点。演技構成点は全て8点台。技術点四番目の40.33、演技構成点二番目の42.33、合計82.66でSP2位。
 高橋(25)は冒頭の4回転が回転不十分で両足着氷。トリプルアクセルはよかったが、ルッツからの連続ジャンプが第2ジャンプを付けられず、要素を失う。最後の直線のステップと足替えスピンは全ジャッジから加点をもらったが、技術点最低の35.1、演技構成点三番目の41.39、合計76.49でSP5位。
 SP1位は、現世界王者のチャン(加、20)。冒頭に美しい4回転3回転を跳び、壁に近すぎて転倒。次のトリプルアクセルも少し乱れ。その後は立ち直り、スピン、ステップからのルッツ、直線ステップなど全ての要素で全ジャッジから加点をもらう。演技構成点も全要素が8点台後半で、技術点最高の44.19、演技構成点最高の43.44、合計86.63。

 フリーは、ブレジナから。4回転サルコウを跳んできたが、手を付いた。後半、二つ目のトリプルアクセルで転倒。アクセルからの3連続ジャンプも1回転に。挽回できず、合計143.72で最下位のまま。
 高橋は、冒頭の4回転で両手つき。しかし、その後のトリプルアクセルは加点1.86。後半に連続ジャンプ三つとも入れ、トリプルアクセルには3回転を付けた。スピン二つとサーキュラーステップはレベル4。直線のコリオステップは、全ジャッジが加点1〜3。全体で基礎点78.79に加点8点以上。演技構成点も全要素が8点台。技術点三番目の87.05、演技構成点二番目の85.58、合計172.63は今季最高で、フリー2位、総合2位。
 続く羽生も会心の出来。冒頭の4回転はきれいに決め、トリプルアクセルは加点2.14。スピン二つとサーキュラーステップはレベル4。後半にはルッツからの3連続も決め、コリオステップを渾身の力で滑ると、最後のサルコウで両手つき。演技構成点も滑走技術点とパフォーマンスで8点台に。他の要素も7点台後半。技術点二番目の87.21、演技構成点五番目の79.28、合計166.49は今季最高を更新、フリー3位、総合4位。立派な成績だと思うが、羽生は、最後の挨拶のとき、四方に謝っていた。

 フェルナンデスは、冒頭に二種類の4回転を加点の出来で決めた。トリプルアクセルは減点評価、フリップからの連続ジャンプは第2ジャンプが回転不足でオーバーターン。スピン二つはレベル4で、演技構成点もつなぎ以外の要素は8点台。技術点四番目の84.89、演技構成点も四番目の81.4、合計166.29、フリー4位だが、総合3位。
 アボットは、冒頭の4回転、トリプルアクセルからの連続ジャンプは決めた。スピン、ステップと加点の出来だったが後半最初のトリプルアクセルで転倒。3連続ジャンプの後、二つ目のルッツでも転倒。技術点74.8、演技構成点三番目の83.36、合計156.16でフリー5位。
 チャンは、冒頭の4回転で着氷にミス、続く4回転からの連続ジャンプでも両手をついた。しかも後半ルッツでも転倒。それでもスピン二つとサーキュラーステップはレベル4、後半に3連続と連続3回転も決め、演技構成点も全要素が8点台後半。技術点最高の87.59、演技構成点も最高の87.08、合計173.67でフリーも1位、総合優勝。

 <女子シングル>浅田真央と鈴木明子が出場予定だったが、現地入りしてから真央の母親の病状が急変し、急遽帰国。
 SPはレオノワ(露、21)から。冒頭で連続3回転を決めると、波に乗って「パイレーツオブカリビアン」の曲を軽快に滑りきった。技術点三番目の30.75、演技構成点四番目の29.71、合計60.46でSP3位。
 シズニー(米、24)は、冒頭のルッツからの連続ジャンプはよかったが、ステップからのループで転倒。スピンは二つがレベル4で、ステップとスピン三つは全ジャッジから加点。技術点四番目の30.72、演技構成点二番目の30.58、合計60.3でSP4位。
 鈴木(26)は、冒頭に跳べるようになったばかりのフリップからの連続3回転を予定。しかし、フリップが傾き、間にターンが入って第2ジャンプは2回転に。ステップからのルッツとダブルアクセルはきっちり決め、スピンは三つともレベル4。直線のステップはレベル3だが、全ジャッジから加点1〜2。演技構成点もつなぎ以外の要素は7点台後半。技術点二番目の31.08、演技構成点三番目の30.22、合計61.3でSP2位。

 SP1位はコストナー(伊、24)。冒頭の連続3回転は全ジャッジが加点2。スピン二つがレベル4、全体で基礎点29.0に5点以上の加点。演技構成点もつなぎ以外の要素は8点台前半。技術点最高の34.26、演技構成点も最高の32.17、合計66.43。
 最終滑走はGP二大会連覇のトゥクタミシェワ(露、14)。冒頭のルッツからの連続3回転はよかったが、次のステップからのループが2回転になり要素を失う。動揺したのか、片手をあげるダブルアクセルもステップアウト。スピンは一つだけレベル4。技術点最低の27.36、演技構成点も最低の27.63、合計54.99でSP5位から。テレ朝解説の荒川は、「シニアのSPで最終滑走は初めてではないか」と言っていた。

 フリーは、トゥクタミシェワから。冒頭でルッツからの連続3回転を決めるが、次のルッツは両手つき。アクセルからの連続ジャンプもオーバーターン。後半最初のループは加点の出来。スピン二つもレベル4をとり、技術点最高の63.86、演技構成点最低の55.66、合計119.52でフリー2位、総合4位と挽回。
 シズニーは、解説の荒川が事前にコーチに聞いた話として、ファイナル前に足をねんざしたとのこと。冒頭のルッツは回転不十分で片手つき、トウループは転倒。アクセルも回転不十分で二つ目のアクセルは転倒。スピンだけは三つともレベル4をとったが、技術点最低の40.22、演技構成点四番目の58.45、合計96.67でフリー5位、総合5位。
 レオノワは、冒頭の連続3回転はきれいに決めた。しかし、次のルーブが2回転になると、ルッツでは転倒。後半にフリップからの連続ジャンプ、サルコウからの3連続を決め、スピン二つもレベル4をとったが、技術点二番目の57.95、演技構成点三番目の59.01、合計115.96でフリー4位、総合3位。

 鈴木は、少し緊張したか。冒頭のルッツはなんとか決めた。次のダブルアクセル・3回転トウループは加点の出来。レベル4のスピンを二つとコリオスパイラルまではよかったが、後半、連続ジャンプにしなければならない二つ目のループとルッツが着氷が悪く第2ジャンプつかず。しかし、直線のステップでは、ほぼ全ジャッジから加点2〜3。演技構成点でも滑走技術が8点。技術点三番目の56.53、演技構成点二番目の61.93、合計118.46で、レオノワを上回り、フリー3位、総合2位。
 コストナーは、ミスなく滑れば、ファイナル初優勝。冒頭のループはよかったが、次のフリップで片手つき。アクセルは1回転に。しかし、後半最初のダブルアクセル・3回転トウループは、ほぼ全ジャッジが加点2。スピン二つもレベル4をとり、演技構成点もつなぎ以外の要素は8点台。技術点四番目の55.83、演技構成点最高の65.22、合計121.05でフリーも1位、総合優勝。



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フィギュアスケート (2011.11/27,28,12/6,7,)

ボンパール杯 (2011.11/18〜20 パリ) GPシリーズ第5戦

 <男子シングル>織田が出場。10人参加。当初出場予定だったジュベールは欠場。フランスの選手は二人ともジャンプが決まらず、SP9位と10位。
 三番滑走のソン(中)は、冒頭で4回転3回転の連続ジャンプを決める。続けてトリプルアクセル、ステップからのルッツも決めて、技術点最高の44.92、演技構成点七番目の31.61、合計76.53でSP2位。
 レイノルズ(加)も冒頭に4回転サルコウと3回転の連続ジャンプを決めたが、4回転が回転不十分。トリプルアクセルも回転不十分で片手つき。スピンが一つレベル1、ルッツはeマークと得点が伸びず、合計65.56でSP6位。フリーは棄権。
 第2グループ最初のアマディオ(仏)は、きれいなトリプルアクセル、ルッツからの連続3回転と決めたが、最後のスピンがほどけて無得点。技術点五番目の36.11、演技構成点も五番目の35.31、合計71.42のSP5位。

 リッポン(米)は冒頭に得意の両手あげルッツで大きく加点。しかし連続3回転は二つとも回転不十分。スピンは三つともレベル4、技術点四番目の36.42、演技構成点三番目の36.54、合計72.96でSP4位。織田は、公式練習では、4回転3回転も決めたのに、よかったのは冒頭のトリプルアクセルだけ。全ジャッジから加点2〜3。連続ジャンプが入らず、ルッツはeマーク。フライングスピンはレベル1。演技構成点は7点台をそろえて四番目の36.43だが、技術点八番目の27.52、合計62.95でSP7位と出遅れ。
 ブレジナ(チェコ)もきれいなトリプルアクセルから入り、ジャンプはそつなく跳んだ。ステップはレベル3だが、全ジャッジから加点。技術点三番目の36.51、演技構成点二番目の37.81、合計74.32でSP2位。
 SP1位はチャン(加)。冒頭の4回転で転倒したものの、トリプルアクセル、スピン三つ、ステップで全ジャッジから加点。演技構成点は全ての要素が8点台で、技術点二番目の41.2、演技構成点ダントツの43.96、合計84.16。

 フリーでは、四番滑走で織田。冒頭にトリプルアクセルからの3連続を跳び、第3ジャンプが1回転になったものの1.14の加点。フリップからの連続3回転もほぼ全ジャッジから2〜3。しかし次のフリップが2回転の上、ステップアウト、ループは1回転と明らかに足が痛そう。ステップは冒頭で転倒、無得点。しばらく演技が無く、止まりそうだったが会場から励ましの拍手。ダブルアクセルも跳べず、回転不足で転倒、ルッツも転倒、ハーフアクセル。スピン二つは根性でレベル3と4をとり、技術点八番目の54.94、演技構成点も八番目の56.48、合計104.25でフリー最下位、総合7位。帰国後、病院で検査するとのこと。
 第2グループはアマディオから。いつもの勢いがなく、4回転サルコウで転倒。アクセルが1回転になり、3連続も第2ジャンプが1回転。技術点六番目の60.48、演技構成点四番目の70.44、合計129.92でフリー5位、総合5位。
 リッポンは、冒頭の4回転ルッツが回転不足で転倒。3連続も真ん中が1回転、第3ジャンプも回転不十分。それでも技術点三番目の70.05、演技構成点三番目の74.88で合計144.93、フリー3位、総合4位。

 ブレジナは、少し調子が悪いようで、連続3回転の着氷に乱れ、サルコウも2回転、いずれも減点評価。冒頭のトリプルアクセルと後半最初のトリプルアクセルからの連続ジャンプは加点がついたが、最後のスピンは無得点。技術点四番目の67.72、演技構成点二番目の76.56、合計144.28でフリー4位、総合3位。
 SP2位のソンは、冒頭に4回転単独と4回転3回転を跳んだ。次のトリプルアクセルもすごい着氷音がして、足を傷めないかと思うくらいだったが、加点。後半、ルッツが2回転になり、最後のスピンはレベル1だったが、技術点最高の79.93、演技構成点五番目の67.64、合計147.57でフリー2位、総合2位。
 チャンも冒頭4回転単独と4回転3回転を跳んだ。アクセルは二つとも2回転。ルッツで転倒し、後半のルッツも2回転でステップアウトと絶好調ではないが、スピンとコリオステップでは、ほぼ全ジャッジから加点。演技構成点は全ての要素が8点台で、技術点二番目の72.3、演技構成点最高の85.14、合計156.44でフリーも1位、総合優勝。

 <女子シングル>村上が出場。9人参加。SPの一番滑走はラフエンテ(西、19)。ジャンプは無難に跳び、最後のスピンでレベル4をとり、技術点27.43、演技構成点22.08、合計49.51でSP7位。
 四番目にトゥクタミシェワ(露、14)。それまでの三人とは滑りの安定感、速さが桁違い。いきなりルッツからの連続3回転を決め、続けて流れの中からスムーズなループ。スピンも二つレベル4で、技術点ダントツの34.99、演技構成点三番目の27.05、合計62.04でSP首位。
 第2グループ最初はマイテ(仏、17)。地元の声援を受けて、冒頭の連続3回転を決める。ステップからのルッツとアクセルは減点評価。スピンは二つレベル4をとったが、技術点四番目の28.71、演技構成点21.78、合計50.49でSP6位。
 ヘルゲソン(スウェ、23)は、ステップからのループがオーバーターンだったが、後はいい出来で、ステップは全ジャッジから加点。技術点五番目の28.13、演技構成点五番目の26.03、合計54.16でSP5位。

 村上は、冒頭の連続3回転は、第2ジャンプが回転不足で減点評価。しかし、ステップから苦手のループを決め、減点評価だったが、レイバックスピン、ダブルアクセル、ステップ、足替えコンビスピンは、全ジャッジから加点。演技構成点も全ての要素で6点台を出し、技術点三番目の28.88、演技構成点四番目の26.89、合計55.77でSP4位。
 シズニー(米、24)は、ジャンプが不安定。冒頭のルッツが回転不足、次の連続ジャンプも第1ジャンプがオーバーターン気味で、減点評価。スピン三つはレベル4で、演技構成点もつなぎの要素以外7点台を出したが、技術点六番目の27.49、演技構成点29.76、合計57.25でSP3位。
 最後のコストナー(伊、24)は、冒頭の連続3回転をきれいに決めて全ジャッジから加点1〜2。ステップからのループは怪しかったが、フライングスピン、ダブルアクセル、レイバックスピンと加点の出来。ところがステップが終わったあたりでパッタリ転倒。最後のスピンはレベル4で全ジャッジから加点1〜2。演技構成点は全ての要素で7点台を並べ、技術点二番目の29.88、演技構成点最高の30.82、合計59.7でSP2位。

 フリーの二番目にラフエンテ。冒頭のフリップで片手つき。2回転になったジャンプが二つもあり、技術点最低の42.99、合計86.81でフリー8位、総合7位。
 マイテは、ループで転倒し、フリップでeマークだが、後半にはダブルアクセルからの3連続も入り、全体としてはSPよりよい出来で、技術点四番目の51.87、演技構成点六番目の44.08、合計94.95でフリー6位、総合6位。
 第2グループはヘルゲソンから。ルッツが2回転になった上、eマーク、フリップが回転不十分、ステップとスピン二つがレベル4、技術点六番目の48.59、演技構成点五番目の52.15、合計100.74でフリーも5位、総合5位。

 村上は、冒頭のルッツが回転不十分の上、eマーク、次の苦手のループは決めた。フリップは1回転に。後半のループ・アクセルのシークエンスもループが1回転になったが、フリップ・アクセルのシークエンスは3回転になった。3連続ジャンプも決まり、技術点五番目の51.66、演技構成点四番目の53.88、合計105.54でフリーも4位、総合4位。
 シズニーは、冒頭に、ルッツ、フリップと単独で決め、アクセルからの連続ジャンプはアクセルが1回転になったもののスピンをはさんでルッツからの連続ジャンプを後半にもループからの連続ジャンプを危なかったが、決めた。あとは加点のつくレベル4のスピンが三つ。足替えスピンと最後のレイバックスピンは、何と全ジャッジが加点3を付けた。全体で基礎点より8点以上の加点。演技構成点もパフォーマンスと音楽表現の要素で8点台をもらい、技術点二番目の60.06、演技構成点二番目の61.84、合計121.9でフリー1位と巻き返し、総合3位。
 コストナーは、冒頭のループはきれいに決めたが、次のフリップが2回転になり、減点-1〜-2。しかし後半に3連続も決め、ステップとスピン二つがレベル4で加点。特にステップはほぼ全ジャッジが加点2。演技構成点も滑走技術と振り付け、音楽表現の要素が8点台。技術点三番目の55.97、演技構成点最高の63.65、合計119.62でフリー3位、総合2位。
 最後のトゥクタミシェワは、冒頭にルッツからの連続3回転を決め、これだけで基礎点10.1に加点1.4。フリップは2回転になったが、ルッツ、アクセルからの3回転トウループ、ダブルアクセルには全ジャッジから加点。スピン二つもレベルは3と2だが、全ジャッジから加点。全体で基礎点55.67に加点7.99。演技構成点もつなぎ以外の要素は7点台。技術点最高の63.66、演技構成点三番目の57.19、合計120.85でフリー2位、総合優勝。


フィギュアスケート (2011.11/20,23,25)

中国杯 (2011.11/4〜6 上海) GPシリーズ第3戦

 <男子シングル>織田と羽生が出場。8人参加。もしかしたらジュベールが参加取り消しかもしれない。テレビ朝日は会場音声のみ。SPでは、第1グループ二番目に地元ソン(21)が登場。冒頭で4回転2回転を決め、スピン三つもレベル4、技術点三番目の41.38、演技構成点五番目の31.34、合計72.72でSP5位。レイノルズ(加、21)は、冒頭の4回転サルコウが回転不十分だが、第2ジャンプに3回転をつけた。トリプルアクセルで両足、片手つき、-2〜-3。合計64.31でSP7位から。
 第2グループ最初に羽生(16)。冒頭に4回転をあっさり決めると、続いてトリプルアクセルもきれいに決める。連続ジャンプもルッツからの連続3回転をちょっと曲がりながらも着氷。スピン二つがレベル4、技術点最高の44.93、演技構成点四番目の36.44、合計81.37で自己ベスト更新、SP2位。アボット(米、26)は冒頭フリップからの連続3回転を決め、トリプルアクセルステップからのルッツと決める。スピンは二つがレベル4、全ジャッジから加点も。演技構成点のうち音楽表現が8点台とダントツ。技術点四番目の40.39、演技構成点最高の38.93、合計79.32でSP3位。ガチンスキー(露、17)は、冒頭で4回転3回転を決めた。素人目には連続3回転に見えた。トリプルアクセルも全ジャッジから加点の出来で、技術点二番目の44.63、演技構成点三番目の37.01、合計81.64でSP1位。最後の織田は、オフにリハピリを続けていた左ヒザを気遣ってか、滑りに勢いがない。冒頭のトリプルアクセルは全ジャッジから2〜3の加点の出来、フリップからの連続3回転もよかったが、ルッツでeマーク、最後のスピンはレベル1で、技術点五番目の39.68、演技構成点二番目の37.97、合計77.65でSP4位。

 フリーでは、レイノルズが3種類の4回転に挑戦。冒頭の4回転サルコウは決めたが、次の4回転トウループはステップアウト、トリプルアクセルを転倒した後に跳んだ4回転ループも転倒。後半にフリップからの3連続3回転なども決め、技術点二番目の79.3、演技構成点七番目の62.8、合計140.1でフリー7位、総合も7位。ソンは、冒頭で4回転3回転の連続ジャンプを決め、全ジャッジから加点2をもらって波に乗った。もうひとつ4回転、トリプルアクセルとも全ジャッジから加点。スピンも三つともレベル4。後半トリプルアクセルからの第2ジャンプが1回転になり、フリップがeマークだったが、技術点最高の86.45、演技構成点五番目の67.58、合計154.03でフリー1位、総合で3位に躍進。
   第2グループ最初に織田。硬い顔で出て来て、最後まで無表情だった。冒頭のトリプルアクセルからの3連続ジャンプはよかった。ルッツからの連続3回転は、eマークで減点評価。フリップは回転不十分で転倒。後半のルッツからの連続ジャンプもeマークで減点評価。スビンはレベル2と3のとりこぼしもあり、得点が思ったより伸びず、技術点四番目の74.3、演技構成点二番目の76.16、合計149.46でフリー2位、総合2位。「シェルブールの雨傘」の曲だが、終わりかたが唐突。アボットは、冒頭の4回転で転倒したが、あとは加点の出来。後半のアクセルが1回転になっただけで、ルッツからの3連続ジャンプやサルコウからの連続ジャンプも決め、スピンも二つがレベル4。演技構成点は8点台が並び、技術点六番目の69.67ながら、演技構成点最高の80.5、合計149.17でフリー3位、総合で逆転優勝。羽生は「ロミオとジュリエット」の曲。冒頭の4回転、トリプルアクセル、フリップと決めたが、後半最初のトリプルアクセルからの連続3回転で、第2ジャンプを無理したため転倒。次のルッツからの連続ジャンプも転倒。しかしスピンは三つともレベル4、ステップ二つも全ジャッジから加点1〜2の出来。技術点五番目の72.8、演技構成点三番目の74.36、合計145.16でフリー4位、総合4位。最後のガチンスキーは、SP1位の重圧か、緊張した顔で滑りも慎重。冒頭の4回転は転倒。次のトリプルアクセルもミスして減点評価。後半最初のサルコウが2回転になり、ループ、ダブルアクセルなども質が悪く0〜-1。全体で基礎点より2点近くの減点。技術点七番目の69.04、演技構成点四番目の72.86、合計140.9でフリー6位、総合5位。

 <女子シングル>村上が出場。10人参加。第1滑走の地元の若手ジャン(16)が、冒頭の連続3回転を加点の出来で決め、スピンも二つレベル4をとり、技術点二番目の31.47、合計52.85でSP5位。ソトニコワ(露、15)は、冒頭のルッツで転倒。スピンは三つともレベル4、加点もついた。技術点四番目タイの29.66、演技構成点四番目の25.08、合計53.78でSP3位。第2グループ二番目にマカロワ(露、17)。冒頭の連続ジャンプのはずが第2ジャンプを跳べず、次のループは回転不足で転倒。スピンは二つがレベル4で加点もついたが、要素を失ったので、技術点九番目の20.44、演技構成点四番目の26.46、合計45.9でSP9位と大きく出遅れ。
 村上(16)は、冒頭の連続3回転の第2ジャンプが回転不十分。次の苦手のループが両足で回転不足。スピンはレベル4二つとレベル3だがあまり加点つかず。ステップはレベル2だが、全ジャッジから加点1〜2。演技構成点のうち滑走技術は7点台。技術点八番目の25.8、演技構成点三番目の27.29、合計53.09でSP4位。だいぶ悔しかったらしく、キスアンドクライでは涙がにじんでいた。長洲(米、17)は、冒頭のループはきれいに決め、全ジャッジから加点。ルッツからの連続ジャンプは、eマーク。スピンは三つともレベル4で、全ジャッジから加点1〜3。演技構成点の全ての要素でも7点台。技術点最高の31.75、演技構成点二番目の29.21、合計60.96でSP2位。最後のコストナー(伊、24)は、冒頭の連続3回転を決め、全ジャッジが加点1〜2。次のループで両手をついたが、スピン二つをレベル4、演技構成点は、つなぎ以外の要素で7点台後半をそろえ、技術点三番目の31.44、演技構成点最高の30.44、合計61.88でSP1位。

 フリーでは、二番滑走のマカロワが、冒頭のフリップの回転不足で転倒した以外はなんとかまとめ、演技構成点五番目の52.56、合計97.57でフリー6位、総合7位に浮上。SP8位のガオ(米)は、冒頭の連続3回転を決め、ルッツで転倒したが、技術点四番目の53.89、七番目の47.6、合計100.49でフリー4位、総合5位。第2グループ最初のジャンも、冒頭の連続3回転をきれいに跳び、ルッツも回転不十分だが、二つ入れた。スピンも二つレベル4をとり、技術点三番目の54.14、演技構成点46.33、合計100.47でフリーも5位、総合4位と健闘。
 村上は、冒頭のルッツがeマーク、ループは回転不十分、フリップが回転不十分で転倒。ループからの連続ジャンプのアクセルは1回転に。3連続ジャンプのサルコウも回転不十分。スピン一つとステップがレベル2。技術点八番目の44.1、演技構成点四番目の54.01、合計97.11でフリー7位、総合6位と後退。SP3位のソトニコワ(露)は緊張していたが、冒頭のルッツからの連続3回転はeマークながら跳んだ。二つ目のルッツは1回転になったが、スピンは三つともレベル4。一つ目のダブルアクセルは両足になったが二つ目は決め、技術点五番目の51.69、演技構成点三番目の54.52、合計106.21でフリー3位。長洲はルッツが二つともeマークで回転不十分だったが、スパイラルや最後のスピンでは全ジャッジから加点1〜2。演技構成点は、つなぎ以外の要素で7点台をそろえ、技術点二番目の55.64、演技構成点も二番目の56.62、合計112.26でフリーも2位、総合2位。コストナーは、冒頭あのループをきれいに決めた。3連続の第3ジャンプが1回転になったが、ひとつもeマークや回転不十分がなく、スパイラルとステップはほぼ全ジャッジから加点2。演技構成点も滑走技術と振り付けで8点台にのせ、技術点最高の56.95、演技構成点ダントツの63.31、合計120.26でフリーも1位、そのまま優勝。



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フィギュアスケート (2011.11/12,13,14,16,18)

NHK杯 (2011.11/11〜13 札幌) GPシリーズ第4戦

 <男子シングル>小塚、町田、高橋が出場。シュルタイス(スウェ)が欠場で9人参加。初出場の28歳、メンショフ(露)は、昨年初めて国内王者になったという。加点のつくトリプルアクセルの後、4回転2回転を決めた。技術点二番目の42.24、合計74.67でSP4位。やはり初出場の町田は、とても美しいトリプルアクセル、フリップからの連続3回転、ステップからのルッツと決めた。トリプルアクセルへの加点は2.14。しかし、フライングスピンの空中姿勢が傾き、スピンに入る前にパンク、無得点。技術点六番目の38.73、五番目の34.54、合計72.26でSP5位。
 第2グループ最初のムロズ(米、20歳)は、冒頭で4回転ルッツに挑戦してきた。質は悪いが、なんとか立ち、基礎点13.0(減点-1)を稼ぐ。技術点四番目の40.76、演技構成点六番目の34.07、合計74.83SP3位。ヴェルネル(チェコ)は、冒頭で4回転を下りたが、両足で片手つき、フライングスピンでは軸がゆらいでレベル1、フリップからの連続ジャンプはeマーク、ステップの途中でなんと転倒と絶不調。技術点最低の29.1、演技構成点三番目の34.86、合計62.96で最下位から。コンテスティ(伊)もジャンプがみんな減点評価。ステップからのフリップは回転不足。スピンとステップはレベル3〜4にまとめ、演技構成点四番目の34.61、合計63.83でSP7位。小塚は固い表情。冒頭の4回転は回避。代わりに跳んだ3回転フリップは少し傾き、加点なし。レベル4のスピン二つは加点1〜3。技術点三番目の40.88、演技構成点二番目の38.89、合計79.77の今季最高でSP2位。高橋も4回転回避。フリップからの連続3回転とトリプルアクセルは全ジャッジから加点2〜3。ステップからのルッツも加点1〜3。二つのスピンでレベル4、ほぼ全ジャッジから加点1〜3。ステップは、磨きがかかり、深いエッジで音楽にのり、レベル4で加点も1.9。加点だけで10点近く稼いだ。技術点最高の46.14、演技構成点も最高の44.29、合計90.43の自己ベスト更新と一人だけ別世界の得点でSP1位。

 フリーは、ヴェルネルから。冒頭の4回転は決めたが、トリプルアクセルで転倒。3連続ジャンプも三つ目が1回転に。またしてもステップの始めで転倒。どこか痛いか、怪我で練習不足なのか。それでも技術点63.89、演技構成点三番目の71.78、合計133.67でフリー5位、総合5位。コンテスティは、冒頭のトリプルアクセルを美しく決めると、フリップ、ルッツと決め、スピンも速さはないが、三つともレベル4、後半にはトリプルアクセルからの3連続ジャンプも決めた。技術点三番目の74.52、演技構成点四番目の71.34、合計145.86でフリー3位、総合4位と挽回。
 第2グループ最初は町田。冒頭の4回転で転倒。トリプルアクセルからの連続3回転はよかったが、ループが2回転、後半のアクセルは1回転に。スピンも二つがレベル1で、技術点54.57、演技構成点68.62、合計123.19でフリー6位。ムロズは「カルメン」の曲。なんかスペインぽくない。冒頭で4回転ルッツは回転不十分で転倒。二つ目のトリプルアクセルが2回転に。後半にも二度アクセル挑戦したが1回転に。ルッツまで1回転になってしまい、さんざんの出来。技術点最低の45.44、演技構成点七番目の65.56、合計110.0でフリー最下位、総合9位。小塚は映画「風の谷のナウシカ」の曲。冒頭の4回転は、回転不十分で両足。しかしその他はまとめて、後半トリプルアクセルからの3連続も入り、スピンは三つともレベル4。演技構成点のうち音楽表現が最高の7.96、滑走技術と振り付けが同じ7.93。課題の表現力が評価されてきた。技術点76.67、演技構成点78.58とも二番目で合計155.257のフリー2位、総合2位。高橋は、直前の6分間練習で初めて4回転フリップの着氷に成功したので、冒頭で挑戦したが、回転不十分で転倒。しかしトリプルアクセルは美しく決め、後半のトリプルアクセルからの連続ジャンプでも加点。二つのステップは、全ジャッジが加点2〜3。演技構成点のうち音楽表現は9.75。振り付けは9.14。技術点80.04、演技構成点90.28とも最高の合計169.32で、フリーも1位、さらに得点差を広げて総合優勝。総合3位には、SP6位でフリー4位のマイナー(米)。これで高橋はファイナル確定。小塚は他の選手の成績次第。

 <女子シングル>浅田真央、石川、鈴木明子が出場。SP一番滑走は、2年ぶりのNHK杯という石川。冒頭の連続3回転は第2ジャンプが回転不十分。アクセルも1回転に。技術点23.64、演技構成点21.43、合計45.07でSP10位。ワグナー(米)は、冒頭のフリップからの連続ジャンプにミスがあり減点評価、合計55.88でSP5位。ゲデバニシビリ(グル)は、ずいぶん体を絞ってきた。ルッツからの連続ジャンプはよかった。レイバックスピンは全ジャッジが加点1〜2。技術点四番目の29.8、合計57.37でSP4位。第2グループ最初のファヌフ(加)は放送なし。全てのジャンプでミスがあり、SP9位と出遅れ。真央は、冒頭のトリプルアクセルがパンク、1回転に。ステップからのループも減点評価。スピンは三つともレベル4、レベル3のステップとともに、全ジャッジが加点1〜2。技術点七番目の28.33、演技構成点二番目の30.09、合計58.42でSP3位。コルピもアクセルが1回転、連続ジャンプも第2ジャンプが回転不十分。合計53.7でSP7位。レオノワ(露)は冒頭に連続3回転が決まり、ステップはほぼ全ジャッジから加点2〜3。技術点二番目の31.79、演技構成点三番目の29.97、合計61.76でSP2位。最後の鈴木明子は、初めて本番で連続3回転をきれいに決め、全ジャッジから加点1〜3。ダブルアクセル、足変えスピン、ステップも全ジャッジから加点1〜3。全体で5点近く加点を稼ぎ、技術点35.09、演技構成点31.46とも最高の、合計66.55でSP1位。

 フリーでは、石川は、回転不十分が二つ、回転不足が二つ、ルッツとループが2回転になり、合計77.07で10位のまま。ファヌフもジャンプのが不調のまま。ルッツとループが1回転、サルコウも2回転、ダブルアクセルは回転不十分となり、合計86.4でフリー8位、総合9位。コルピもジャンプがやや不調。3連続ジャンプの最初も2回転、サルコウと単独のループも2回転。ただ、全体のスピードはあり、スピンは三つともレベル4で、演技構成点四番目の58.42、合計103.83でフリー5位、総合6位。ワグナー(全米)は冒頭のフリップからの3連続ジャンプを成功。後半ループとフリップで回転不十分になり、減点評価。技術点三番目の54.45、演技構成点六番目の55.3、合計109.77でフリー3位、総合4位。ゲデバニシビリは去年と同じ「オペラ座の怪人」の曲。冒頭ルッツからの連続ジャンプは決めたが、全体にジャンプが雑。それでも勢いのある滑りできたが、終盤のステップで転倒。演技構成点五番目の56.33、合計103.07でフリー6位、総合5位。真央は、トリプルアクセルを回避、ダブルアクセルで加点1〜2。ルッツがeマーク、3連続ジャンプのうち二つが回転不十分になったが、全体に速い滑り、三つのスピンがレベル4、技術点最高の61.2演技構成点も最高の64.57、合計15.77でフリー1位、1.09及ばず総合2位。レオノワは、冒頭の連続3回転は加点の出来だったが、ループで両手つき、後半のフリップからの連続ジャンプで2回転、アクセルは1回転とジャンプで稼げず。技術点四番目の50.5、演技構成点三番目の58.42、合計108.92でフリー4位、総合3位。鈴木は、冒頭のルッツやダブルアクセルからの3回転はよかったが、後半の3連続ジャンプの最初が1回転、次のルッツも1回転となる。しかし、レベル4のスピン三つとレベル3のステップは、全ジャッジから加点1〜3。全体で7点以上の加点。技術点二番目の57.04、演技構成点も二番目の62.39、合計119.43でフリー2位、逃げ切って総合優勝。

 <ペア>高橋・トラン組が出場。8組参加。SP一番滑走は、組みかえたデニー・コーフリン組(米、18,25)。女性のソロジャンプが2回転になり、減点が付いたが、技術点二番目の30.42、合計55.48でSP4位。イリシェチキナ・マイスラーゼ組(露、20,23)は、ソロジャンプが回転不十分で減点評価。ツイスト、ステップ、リフトがレベル2で、合計53.12のSP6位。第2グループ二番目の高橋・トラン組(19,21)は、ビートルズの「イマジン」の曲。冒頭のソロジャンプで高橋が転倒。ツイストは今季から3回転。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルはレベル4で加点。リフトとデススパイラルは全ジャッジから加点1〜2。技術点最高の31.18、演技構成点三番目の27.71、合計57.89でSP2位。解説の若松さんが「一歩がすごく伸びるようになった。」と言う。川口・スミルノフ組(露、29,26)は、「シェヘラザード」の曲。冒頭のソロジャンプで川口が転倒。スロージャンプも両足気味で減点評価。最後のスピンがレベル1しかとれず、技術点六番目の26.86、演技構成点二番目の29.16、合計55.02でSP5位と出遅れ。世界王者のサブチェンコ・ゾルコビー組(独、27,32)は、「天使と悪魔」の曲。冒頭でスロートリプルアクセルに挑戦したが転倒。ソロジャンプは2回転に。デススパイラルがレベル2、スピンとツイストがレベル1になったもの、演技構成点最高の31.23、技術点四番目の29.0、合計59.23で貫禄のSP1位。

 フリーは、四番滑走の川口・スミルノフ組が「月光」の曲で、冒頭の3回転トウループを決めると、ツイスト、スロージャンプ、デススパイラル、スピン、コリオスパイラルと加点の出来。連続ダブルアクセルの第2ジャンプが入らなかったが、二つ目のスロージャンプも決まり、リフトは三つとも全ジャッジから加点1〜2。技術点最高の61.13、演技構成点二番目の61.36、合計122.49でフリー1位、総合で逆転優勝。万全でない中でベストをつくした結果、中国杯に続く優勝でファイナルも決定。ただロシア杯にもエントリーしているらしいので、川口の体調が心配だ。デニー・コーフリン組は、スロージャンプでミス。デススパイラルは持ち手や足も変えたのにレベル1。技術点三番目の55.61、演技構成点五番目の53.66、合計108.27でフリー4位。高橋・トラン組は、冒頭の3回転ツイストを無事に決めると、ソロジャンプも回転不十分ながら決める。次の連続ジャンプは高橋が回転不十分で第2ジャンプをつけられなかったが、後半の二つのスロージャンプも転倒せず。二つ目は両足着氷だったが、デススパイラルと二つのスピンと三つのリフトはレベル4、ほぼ全ジャッジから加点。技術点二番目の55.92、演技構成点三番目の58.28、合計114.2でフリー2位、総合2位。決まったときの高橋のびっくりした顔がおかしかった。サブチェンコ・ゾルコビー組は、冒頭のスロージャンプはよかったが、次の連続ジャンプで男性が二つとも2回転で減点評価。後半のアクセルも1回転で減点評価。二つのリフトとスピンはよかったが、三つ目のリフトがあがらず無得点。最後のスロージャンプも両足で減点評価。技術点まさかの七番目の48.58、演技構成点最高の63.87、合計112.45でフリー3位、総合も3位。

 <アイスダンス>リード姉弟が出場。8組参加。SDの今年のパターンダンスはルンバ。NHKの解説は、現役のときは宮本さんと組んでいた有川さんが初登場。リード姉弟(24,22)は、第1グループの最後。ツイズルから入り、逆回りのときキャシーが少し乱れ、レベル4だが減点評価。パターンダンスの二つのセクションは分けてよくなったらしく、間にサーキュラーステップを入れたが、途中でクリスがよろめいてレベルも2、ほぼ全ジャッジから-1評価。ルンバの最初の部分はレベル3、二つ目の部分はレベル2、よかったのはレベル4で加点がついたリフトくらいで、技術点24.63、演技構成点24.73、合計49.36の最下位発進。7位のポール・イスラム組(加)とは合計で同点だが技術点の差。有川さんは「去年より上手になっている」とのこと。
 第2グループ二番目にイリニク・カツァラポフ組(露、17,20)。スピードのある滑りで、冒頭のサーキュラーステップはレベルは3だが、ほぼ全ジャッジから加点2。ルンバは両セクションともレベル2だが、ツイズルとリフトはレベル4、いずれも加点が付き、技術点最高の29.86、演技構成点も最高の31.97、合計61.83で、SD1位。若くして世界選手権3位のシブタニ兄妹(米、17,20)はパターンダンスから入り、レベル3で加点0〜2。得意のツイズルと最後の回転リフトはレベル4、特にリフトの加点は全ジャッジが2〜3とすごい。技術点二番目の29.5、演技構成点三番目の30.52、合計59.02でSD3位。ウィーバー・ポジェ組(加)も最初はパターンダンス。両セクションとも加点の出来。後半部分はレベル4。ツイズルで減点評価。ステップは加点されたが、レベルは2。技術点五番目の28.51、演技構成点二番目の31.56、合計60.07でSD2位。

 フリーには7組。朝の公式練習でイタリアの組と若いカナダの組がぶつかって、ポール・イスラム組が棄権。直前の6分間練習でもリード姉弟とアメリカの組がぶつかって、クリスが左足を傷めた。しかも一番滑走で最初は固かった。冒頭のツイズルは今度は加点もついた。ステップは二つともレベル2だが、加点がついた。リフトは四つともレベル4、一つ目のカーブのリフトはキャシーの姿勢変化がスムーズでなく、減点もついた。インドの曲を使ったのは、二年前(?)のデイヴィス・ホワイト組を思い出させるので不利ではなかったか。技術点38.36、演技構成点六番目の36.5、合計73.86でフリー7位、総合7位。有川さんは「今持っているものは出し切れた」と言う。アレッサンドリーニ・ヴァトゥーリ組(伊、21,23)は「トスカ」の曲で、ステップ以外の要素は全てレベル4でまとめ、合計78.92でフリー5位、総合5位。
 ジガンシナ・ガッシー組(独、24,27)は、「ロミオとジュリエット」の映画曲で情感たっぷりに滑り、合計80.43でフリー4位、総合4位。シブタニ兄妹は「イン・ザ・ムード」などの得意な曲で、まず高速ツイズルから入り、全ジャッジから加点1〜3。ステップ二つはレベル3と2だったが、他の要素は全てレベル4、ほぼ全ジャッジから加点。技術点最高の45.84、演技構成点三番目の46.99、合計92.83でフリー1位、逆転で総合優勝。これがGPシリーズ初優勝で、中国杯の2位と合わせてファイナルも確実。ウィーバー・ポジェ組も素晴らしい演技。スピンとステップが一つレベル2になったが、ツイズル、四つのリフトはレベル4、全ての要素が音楽表現の中に滑らかに含まれていて完成度は高い。ただ、リフト一つで時間オーバーがあり、減点1が響き、技術点二番目の44.3、演技構成点最高の48.39、合計91.69でフリー2位、総合2位。1位とは0.09差。最後のイリニク・カツァラポフ組はSD1位の重圧か、固かった。スピンとステップ一つがレベル2、スピードも公式練習のときほど無いと有川さんも言う。技術点三番目の40.35、演技構成点二番目の47.3、合計87.65でフリー3位、総合3位に後退。


フィギュアスケート (2011.11/5,6,7)

スケートカナダ (2011.10/28〜30 ミシサガ) GPシリーズ第2戦

 <男子シングル>高橋が出場。テレ朝チャンネルは、実況なし。SP第1グループ三番目にデニス・テン(カザフ、18歳)。トリプルアクセルで手を付いたが、連続3回転、スピンは三つともレベル4で、技術点四番目の38.94、演技構成点五番目の36.28、合計72.89でSP5位。五番滑走でフェルナンデス(西、20歳)。冒頭で4回転を決め、ルッツからの連続3回転、トリプルアクセルと成功。カナダのオーサーコーチの所で滑りも磨きがかかった。技術点最高の45.6、演技構成点三番目の39.11、合計84.71SP1位。
 リッポン(米、21歳)は、ロシア民謡の曲。連続3回転で回転不十分になり、技術点五番目の36.61、演技構成点四番目の36.28、合計72.89でSP4位。ヴァンデルペレン(ベルギー、29歳)は、アクセルが2回転になり、ステップからのジャンプはルッツにしたもののスピン二つがレベル3になり、ステップもレベル2の評価。技術点八番目の31.86、演技構成点六番目の32.15、合計64.01でSP8位。世界王者で地元のチャンは、冒頭の4回転が乱れ、アクセルも2回転になり、演技構成点は最高の42.9をとったが、技術点は三番目の40.38、合計83.28でSP3位。最終滑走の高橋は、フリップからの連続3回転から入り、トリプルアクセル、ルッツとジャンプはよかったが、スピンがひとつレベル1になり、技術点二番目の42.41、演技構成点も二番目の42.25、合計84.66でSP2位。

 フリー第1グループ三番目にヴァンデルペレン。冒頭の4回転は決めたが、アクセルは1回転。連続ジャンプもサルコウとフリップが2回転、後半のループも2回転。スピンも二つレベル2で、合計115.2、フリー8位、総合8位。第2グループ最初はデニス・テン。冒頭の4回転はなんとか着氷。トリプルアクセル、ルッツからの連続3回転と決めたが、3連続ジャンプの最初がダブルアクセルに。ルッツも2回転になり、技術点五番目の72.13、演技構成点も五番目の69.86、合計140.99でフリー6位、総合5位。リッポンは、冒頭に4回転ルッツを試みたが、回転不足で両足着氷。後半のトリプルアクセルで転倒、技術点四番目の74.96、演技構成点も四番目の71.12、合計145.08でフリー4位、総合4位。チャンは、冒頭の4回転で転倒したが、すぐ4回転3回転の連続ジャンプを決めた。後半にルッツからの連続ジャンプも決め、要素でないところで二回目の転倒もしたが、技術点二番目の84.82、演技構成点最高の87.64、合計170.46で、フリー1位、逆転優勝。高橋は、冒頭の4回転フリップが回転不足で両足着氷。後半のトリプルアクセルからの連続ジャンプは回転不十分で第2ジャンプが入らず。スピンは三つともレベル4、音をひとつひとつ表現するステップは素晴らしく、全ジャッジから加点2〜3。技術点は六番目の69.37だが、演技構成点二番目の83.84、合計153.21でフリー3位。最後のフェルナンデスは冒頭に4回転を二種類跳んだ。トリプルアクセルは転倒したが、後半でトリプルアクセルからの連続3回転も決め、技術点最高の85.48、演技構成点三番目の81.14、合計165.62でフリー2位、総合2位。

 <女子シングル>鈴木明子が出場。テレ朝チャンネルは、実況なし。SP第1グループ二番目のトゥクタミシェワ(露、14歳)が、連続3回転などノーミスの滑りで、技術点最高の33.95、演技構成点四番目の25.62、合計59.57でSP1位。久しぶりのワグナー(米、20歳)は、ルッツでeマークをもらったが、技術点二番目の30.02、演技構成点七番目の24.48、合計54.5でSP2位。地元カナダのラコストは、ルッツが回転不足で転倒、技術点五番目の26.71、合計50.6でSP6位。
 第2グループ最初は地元カナダのファヌフ。ルッツが1回転になり、要素点を失う。演技構成点五番目の23.34を出すも合計48.7でSP8位。フラット(米、19歳)は、昨年初めほどは太っていず、体調がいいようだ。全ての要素をそつなく滑り、技術点三番目の29.14、演技構成点六番目の25.09、合計54.23でSP3位。長洲(米、18歳)は、ルッツからの連続ジャンプがeマークの上、回転不足で転倒、要素をひとつ失う。技術点四番目の27.61、演技構成点二番目の26.12、合計52.73でSP5位。レオノワ(露)は「パイレーツ・オブ・カリビアン」の曲で、冒頭に連続3回転。着氷が乱れ減点評価。アクセルが1回転になり、要素を失う。昨年より体を絞って滑りも滑らかになった。演技構成点三番目の25.89を出したが、合計49.75でSP7位。最後に鈴木明子。冒頭の連続ジャンプで第2ジャンプが1回転になり、要素を失う。ルッツもeマーク。演技構成点は最高の26.68、技術点四番目の26.14、合計52.82でSP4位。

 フリーの第1グループでは、ファヌフがループとサルコウが2回転、スピンもひとつレベル1、合計92.0でフリー7位、総合7位。レオノワは、冒頭の連続3回転はよかったが、ループやフリップは回転不十分、アクセルは1回転とジャンプが不調。それでも技術点四番目の50.35、演技構成点五番目の52.12、合計102.47で、フリー4位、総合4位。ラコストは、地元で緊張したのかジャンプが決まらない。ルッツと後半のサルコウは2回転、フリップは1回転に。スピンは二つレベル4で、技術点七番目の
43.22、演技構成点四番目の52.58、合計95.8でフリーも6位、総合6位。  第2グループは長洲から。体重が増えたせいかジャンプがきれいに決まらない。ルッツがまたeマークで減点-2〜-3。最後のスピンもレベル2。技術点は五番目の50.07だが、演技構成点七番目の48.92、合計98.99でフリー5位、総合5位。鈴木明子は、アクセルからの連続ジャンプで1回転アクセルになったり、ルッツからの連続ジャンプも第2ジャンプが1回転になったりしたが、スピン三つとステップはレベル4、3連続ジャンプも決めて技術点二番目の63.84、演技構成点最高の55.6、合計119.44でフリー1位、総合2位。振り付けは、高橋と同じカメレンゴ氏。フラットはジャンプが絶不調。ループ、ルッツ、サルコウ、アクセルが回転不十分、フリップは2回転。スピンやステップもレベル1や2。転倒も二回。技術点最低の29.33、合計73.99でフリー最下位、総合10位。やはりもっと絞らないと「火の鳥」も飛べない。逆にワグナーは、昨年より体を絞って「黒鳥」の曲を優雅に滑りきった。ルッツはeマークで、二つ目で転倒もしたが、後はミスなく、スピンは三つともレベル4。技術点三番目の56.5、演技構成点二番目の55.48、合計110.98でフリー3位。最後のトゥクタミシェワは、いきなりルッツからの連続3回転。次のルッツも決め、加点が全ジャッジから2〜3。後半に3連続ジャンプも決め、最後のスピンだけレベル1だったが、技術点最高の64.21、演技構成点二番目の53.6、合計117.81でフリー2位、総合優勝。


フィギュアスケート (2011.10/22,23,24,25)

スケートアメリカ (2011.10/21〜23 オンタリオ・カリフォルニア州) GPシリーズ第1戦

 <男子シングル>小塚と村上大介が出場。今年から、GPシリーズ出場枠は10人になったらしい。第1グループの二番目に村上が登場。冒頭で4回転2回転の連続ジャンプを決め、70.67(技術点39.91)を出し、SP3位。デニス・テン(カザフスタン、18)は、昨年苦しんだトリプルアクセルを冒頭で決めたが、連続3回転でeマーク、ステップからのルッツで転倒、6位から。マーバヌーザデー(米、20)は、連続3回転とステップからのルッツはよかったが、トリプルアクセルで失敗、SP7位。ドーンブッシュ(米、20)もトリプルアクセルで片手をつき、SP5位。なお、ライサチェク(米)が出る予定だったが、昨年全米10位のラザノが代替出場、SP9位。欠場の理由は、体調ではなく、アメリカスケート連盟との金銭的な契約の不調らしい(Web Numberより)。
 第2グループ最初の欧州王者、アマディオ(仏)は、最初のフリップがeマーク、トリプルアクセルはよかったが、連続ジャンプの第1ジャンプがほどけて2回転になった上、第2ジャンプが入らず、eマーク、なんとSP8位。29歳になったヴァンデルペレン(ベルギー)は、トリプルアクセル、連続3回転、ステップからのループと無難に決め、スピンとステップもレベル3〜4にまとめ、SP4位。コンテスティ(伊)は昨年と同じプログラムだが、ジャンプを全て失敗し、最下位。なんとここまで村上が1位だった。ブレジナ(チェコ)も去年と同じ「鼓童」の曲。美しいトリプルアクセル、連続3回転、ステップからのルッツと決め、スピンもレベル3〜4に加点1〜2。技術点最高の42.05、演技構成点二番目の37.03、合計79.08でSP1位。最後の小塚は、緊張した顔で登場。冒頭の4回転が回転不十分の上、転倒。トリプルアクセルも片手をつき、連続3回転も第2ジャンプが回転不十分。スピンとステップはレベル3〜4に加点1〜2。演技構成点は最高の37.36を出したが、技術点は六番目の34.33、合計70.69でかろうじてSP2位。

 フリーは、コンテスティから。4回転はなしでルッツ以外のジャンプはきちんと跳び、技術点四番目の68.32、合計134.68でフリー4位、総合8位。やはり4回転を跳ばないラザノも今できることを確実にやり、技術点二番目の69.84でフリー5位、総合7位。アマディオは、最初が4回転サルコウの予定が3回転。前半はよかったが、3連続ジャンプの第2ジャンプが1回転、二つ目のトリプルアクセルには第2ジャンプ入れられず、フリップは2回転でeマーク、スピンとステップもレベル1と散々。それでも演技構成点は三番目の68.28、合計125.14でフリー8位、総合9位。マーバヌーザデーは、冒頭の4回転で転倒、残り全てのジャンプも減点評価。フリー最下位、総合10位。テンも冒頭の4回転が回転不十分だが、トリプルアクセル、連続3回転はは決めた。しかし後半崩れて、フリップで両手付き、ルッツは2回転など、合計130.6でフリー7位、総合5位。

 後半グループのドーンブッシュは、冒頭の4回転の着氷をヒザと足首でしゃがんでこらえた。二つ目のアクセルが1回転になったが、演技構成点三番目の68.28でフリー6位、総合4位。ヴァンデルペレンは冒頭の4回転をあっさり決め、トリプルアクセルはあやしかったが、後半最初でろ3連続3回転も決め、なんと技術点最高の74.61を出し、演技構成点五番目の67.78、合計142.39でフリー1位、総合2位。村上は、冒頭の連続3回転のはずが第2ジャンプが2回転。4回転は回転不十分で転倒、二つ目のトリプルアクセルも両手付き、二つ目のフリップも第2ジャンプがつかず、合計122.65(技術点八番目の57.35)のフリー9位、総合6位。小塚も、冒頭の4回転が回転不十分で転倒、その上ルッツも転倒。ステップとスピンは全てレベル4で加点もついたが、ジャンプはほとんど減点評価。演技構成点最高の74.86、技術点三番目の68.54、合計141.4でフリー2位、総合3位。最後のブレジナは、事前には4回転を二種類入れるプログラムだったが、回避。二つのトリプルアクセル、連続3回転など、前半はよかったが、ループが1回転、ルッツが回転不十分、ダブルアクセルが1回転、など後半崩れたが、なんとかフリー3位、総合1位とふみとどまった。

 <女子シングル>今年から、GPシリーズ10人までになった代わり、世界選手権6位までの選手には、2大会ではなく、3大会にエントリーできるらしい。コストナー(世界選手権3位)は、3つエントリーしているとのこと。第1グループ4番目に今井(18)が登場。今井は7月末から、佐藤有香夫妻にコーチを受けている。一方、疲労骨折で夏に十分な練習がつめなかったらしい。冒頭ルッツからの連続ジャンプはeマークで減点評価。ダブルアクセルは回転不十分でこれも減点評価。しかしスピンは三つともレベル4で加点、技術点四番目の28.75、演技構成点も四番目の25.92、合計54.67でSP4位。ジャン(米、18)がダブルアクセルでステップアウト、合計55.05(技術点三番目の29.36)でSP3位。ヨシ・ヘルゲソン(スウェ、18)とマルケイ(伊、25)は、連続ジャンプが入らず、SP8位と9位。

 第2グループはヴィクトリア・ヘルゲソン(スウェ、23)から。終盤のフライングスピンでシット姿勢になるときフリーレッグが氷に触れてしまい、無得点。合計51.13でSP5位。ゲデバニシビリ(グル)は、冒頭の連続ジャンプが2回転2回転、次のステップからのジャンプも2回転。要素がふたつも抜けてしまい、合計42.51(技術点17.78)でSP最下位。マカロワ(露)は、冒頭連続3回転の予定が3回転トウループのみ。次のループにかろうじて1回転の第2ジャンプをつけたが、要素にならず。ダブルアクセルも減点評価。スピンは三つともレベル4で加点もついたが、合計45.95(演技構成点三番目の26.11)でSP7位と出遅れた。シズニー(米)は、冒頭にルッツからの連続3回転を成功。次のフリップがeマークだったが、ダブルアクセルは無難に跳び、スピンは三つともレベル4で、加点も2〜3。技術点33.03、演技構成点31.17とも最高の合計64.2でSP1位。コストナー(伊)は、冒頭で久々に連続3回転を決めた。まだプログラムを滑り込めていないようで、ほとんど加点がつかず。技術点30.66、演技構成点29.57とも二番目の合計60.23でSP2位。

 フリーは、ゲデバニシビリから。冒頭でルッツからの連続ジャンプを決めたが、次のフリップは1回転でeマーク。ダブルアクセルからの連続3回転は決めたが、次のトウループが2回転とジャンプの不調は続いていたが、転倒せずに終え、技術点三番目の48.15、合計97.61でなんとフリー3位、総合7位。マカロワは、冒頭のフリップでいきなり転倒。ループやサルコウは回転不十分、ダブルアクセルも減点評価。スピンはレベル3〜4で加点され、演技構成点三番目の52.52、合計96.72でフリー4位、総合5位。

   第2グループはヴィクトリア・ヘルゲソンから。冒頭に3連続ジャンプを決めた。ルッツが回転不十分、後半最初のフリップが1回転となったが、合計94.62でフリー5位、総合3位。今井は、3回転トウループで転倒。3連続になるはずだった。サルコウも回転不十分、合計88.27(演技構成点五番目の50.19)でフリー9位、総合4位。。ジャンは、三回転倒。最後にパールスピンを見せたが、合計85.65でフリー最下位、総合6位。まだ成長期で昨年より身長が7cmも伸びたらしい。コストナーは、後半の3連続ジャンプが乱れた以外は、ジャンプも安定、加点もついた。技術点最高の55.45、演技構成点二番目の61.67、合計117.12でフリー1位、総合2位。シズニーは、冒頭にルッツからの連続3回転を敢行。第2ジャンプが回転不足。次のフリップも回転不足で転倒。SPでeマークがついたのを気にしすぎたらしい。しかし、コリオスパイラル、レベル4の三つのスピンで加点が2〜3を稼ぎ、技術点二番目の51.37、演技構成点最高の62.92、合計113.28でフリー2位、総合優勝。コストナーとの差は、0.13の僅差。



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フィギュアスケート (2011.4/27,28,29,30,9/23,10/4,7,13,14,15,11/1)

世界選手権 ペア、アイスダンス (2011.4/24〜5/1 モスクワ)

 一ヵ月遅れで、ロシア・モスクワでの代替開催。
 <ペア>SPは22組参加。ペアだけは予選がない。初出場の高橋・トラン組は、最終組で滑り、ちょっと固かったが、ソロジャンプのタイミングがずれたくらいで、ほぼノーミスの会心の滑り。技術点六番目の33.57、演技構成点七番目の25.59、合計59.16の今季最高で6位につけた。
 二番滑走にカナダ国内2位のデュハメル・ラドフォード組。最初の要素ツイストで、女性のヒジが男性の鼻にあたり、男性は出血したまま演技。それでもリフト、ステップ、スピンとレベル4をそろえ、合計58.83でSP7位。第3グループに今季組みかえたボロソジャル・トランコフ組(露)。女性はウクライナ人で、以前「怪力」モロゾフと組んでいた。国籍変更のため一年間国際大会に出られなかった。とてもそうは見えない息の合い方で、Jスポーツ解説の岡部さんも「ライバルだったのに、相性というのがあるんですね」と言っていた。ツイストは加点2〜3でほぼ全ての要素に加点2以上。技術点37.43、演技構成点32.92、合計70.35でSP3位。
 第5グループの若いバザロワ・ラリョーノフ組(露)は、冒頭のソロジャンプで着氷が少し乱れたが、あとはロシアらしいユニゾンで、ノーミスの演技。技術点四番目の36.1、演技構成点五番目の28.54、合計64.64でSP4位。ここまでがフリーの最終組。ベルトン・ホタレク組(伊)とハウシュ・ウエンデ組(独)は、どちらもタンゴの曲。しかし「続けて見ると優劣がはっきりする」という岡部さんのセリフを聞かずとも、やはりラテンの国の方が上手い。イタリアの男性はチェコ人だが。イタリアSP9位、ドイツSP12位。SP1位は、優勝候補筆頭のパン・トン組(中)。ソロジャンプもソロスピンもぴったりで、ツイストは高いし、スロージャンプも見事。全体にスピードもあり、開催が一ヵ月遅れて調整に苦しんだ選手も多い中、好調さは明らか。全体の加点は基礎点に8.79。演技構成点全ての要素が8点台、技術点ただひと組40点台で最高の40.09、演技構成点も最高の33.91、合計74.0。
 最終グループはサブチェンコ・ソルコビー組(独)から。ツイストで少しもたれたが、あとは加点の出来。全体の加点は基礎点に7.32。演技構成点全ての要素が8点台、技術点、演技構成点とも二番目の39.12、33.86、合計72.98でSP2位。全米王者のヤンカウスカス・コフリン組は、なんでもないところで男性が転倒、合計58.76でSP8位。最終滑走は川口・スミルノフ組(露)。「ツァラトゥストラ」の派手な音楽に合わせ、ソロジャンプ、スロージャンプと無難にこなし、ツイストは今一ながら素晴らしいユニゾンのスピンの後、なんと最後のステップに入るあたりでスミルノフが転倒。技術点九番目の31.83、演技構成点四番目の31.71、合計62.54のSP5位。フリーの最終組に入れず、川口は憮然とした表情。

 フリーには16組が進んだ。第3グループで滑った高橋・トラン組は、ソロジャンプと一つ目のスロージャンプで高橋が回転不足で転倒。連続ジャンプでも高橋がステップアウトしたので第2ジャンプは無得点。しかしスピン二つ、デススパイラル、リフト三つでレベル4をとり、演技構成点も全ての要素で6点台にまとめ、技術点50.09、演技構成点七番目の52.85、合計100.94のフリー10位で総合9位。第2グループのベルトン・ホタレク組(伊)は、「ロミオとジュリエット」の曲。冒頭の連続ジャンプで3連続を見せた。フリー11位。SP10位でカナダ王者のムアタワーズ・モスコヴィッチ組は「レ・ミゼラブル」の曲。連続ジャンプでミスしたが、リフトとスピンは全てレベル4で、フリー8位。
 第3グループのデュハメル・ラドフォード組は、冒頭のツイストを無事にこなすと笑顔。連続ジャンプはルッツからの3連続。フリーも7位。川口・スミルノフ組は「月光」の曲。ダブルアクセルの連続ジャンプまでは美しく滑っていたが、二つ目のスロージャンプで転倒。その後のリフト三つはレベル4でフリー4位、総合4位。解説の岡部さんは「作品になっている」。SP8位のヤンカウスカス・コフリン組は「アヴェ・マリア」の曲。3連続ジャンプ、レベル4のスピン、リフトなどほぼノーミスで挽回し、フリー6位。

 最終グループはサブチェンコ・ソルコビー組から。高いスロージャンプ、連続3回転、スピンと全て後半のリフトはレベル4、ノーミスの演技の全ての要素に加点が付き、基礎点に13点以上上乗せ。技術点72.94、演技構成点71.93という高得点、合計144.87でフリー1位、逆転で三回目の優勝。これに対し、パン・トン組は男性が冒頭の連続ジャンプでステップアウト。ソロジャンプも2回転になり、得点を伸ばせず。岡部さんは「美しい作品」と評価したが、技術点61.71、演技構成点68.41、合計130.12でフリー3位、総合3位。若いバザロワ・ラリョーノフ組は、「仮面の男」の曲。冒頭のソロジャンプで男性が転倒し、連続ダブルアクセルでも着氷に乱れがあり、フリー5位。最終滑走はボロソジャル・トランコフ組。プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」の曲。ツイストやスロージャンプは加点2〜3。リフトも全ジャッジから加点をもらい、全体の加点は14点近い。組んで一年たっていないとは本当に信じられない。振り付けはニコライ・モロゾフ、コーチは女性の以前のパートナー、「怪力」モロゾフだった。技術点70.14、演技構成点70.24、合計40.38でフリー2位、初出場で銀メダル。

 <アイスダンス>17ヵ国から25組出場。ダイレクトエントリーは15組で、日本のリード姉弟は昨年15位で予選なし。また、大会前の3/15にイタリアのファイエラ・スカリ組の引退が発表されたとのこと。
 SDのパターンダンスはゴールデンワルツ。リード姉弟は第2グループで登場。「アダムズ・ファミリー」の曲で大きなミスなくすべりきった。パターンダンスは第1セクション、第2セクションともレベル3。技師点30.0、演技構成点24.86、合計54.86で今季最高を更新、13位。シーズン途中でコーチをモロゾフから、チャイトに変更。Jスポーツ解説の藤森さんは「モロゾフは忙しくてあまり時間を割けない」らしいと言う。「基礎を伸ばすときに向いていない」とも。第3グループに二年前の世界ジュニア王者、チョーク・ズーライン組(米)。ピアフの歌で上手にまとめ、合計61.47の9位。

 第4グループにカナダが三組。最初はウィーバー・ポジェ組。第2セクションはレベル3だったが、後の要素は全てレベル4で加点も1〜2。合計65.07(技術点五番目の35.43)で7位。次が五輪金メダリストのヴァーチュー・モイア組。雑音の入ったSPレコードのようなタンゴとワルツで流れるような滑り。パターンダンスの第2セクションがレベル3だったが、後はレベル4で加点は殆ど2〜3。技術点一番の37.94、演技構成点二番目の36.35、合計74.29でSD1位。演技構成点で10点を出したジャッジもいて、振り付けの要素には10点が二人もいた。カナダ三番手はクローン・ポーリエ組。逆さづりのリフトから入り、最後のツイズルで女性がよろめいてレベル2。合計61.01で10位から。次のシブタニ兄妹(米)は初出場だが正統派の滑りでのびのびと演技し、技術点四番目の36.14、演技構成点六番目の30.74、合計66.88で堂々の4位。

 最終組は、地元期待のボブロワ・ソロビエフ組から。アイスダンスは長らくロシアが強かったが、ドンニナ・シャバリン組が引退し、国内王者として出場しているが二人とも21歳。重圧もあったと思うが、ミュージカル「チェス」からのワルツで滑りきり、最後の豪快なリフトがなぜかレベル2だったが、技術点34.51、演技構成点四番目の31.37、合計65.88で5位。デイヴィス・ホワイト組(米)は、最初の要素のツイズルではっきりずれてしまいレベル3。後はレベル4でまとめ、加点もほぼ2〜3。技術点二番目の37.36、演技構成点一番の36.4、合計73.76でSD2位。カッペリーニ・ラノッテ組(伊)は、男性がNHK杯の後怪我して、これが復帰戦。「ケセラセラ」の曲をよく表現して8位。ストレートステップだけレベル3で後はレベル4。加点もほぼ1〜2。滑れなかった2ヵ月間、他の組を見るばかりだったとのことだが、藤森さんは「それがよかったのではないか」と言う。地元のイリニク・カツァラポフ組は、女性がカザフスタン出身。ワルツとタンゴのリズムで、キレのあるスピードにのった滑りで6位。技術点六番目の34.58、演技構成点五番目の30.93、合計65.51。最後は、欧州王者のペシャラ・ブルザ組(仏)。上位グループにこれくらいの大人のカップルが減ってしまった。しかし、パターンダンスのゴールデンワルツは、さすがの貫禄で、滑らかで見事。第1セクションがレベル3だったが、他はレベル4、加点も全ジャッジがほぼ2を付けた。「ドクトル・ジバゴ」の映画はソ連批判らしいが、それをロシアで滑れるという時代。技術点三番目の36.93、演技構成点も三番目の34.04、合計70.97で3位。

 フリーダンスには、20組が進む。第1グループ二番目に中国のファン・ゼン組。「雨に歌えば」の曲だが、単調でスピード感もない。リフトはいいがステップ、スピンのレベルが2。フリー17位。クームズ・バックランド組(英)は、「ライオンキング」の曲でスピーディーに滑った。フリー16位。第2グループのウクライナとリトアニアの女性はアメリカ出身。ウクライナの男性シャカロフは、ウスベキスタンから出場していたことも。リトアニアの女性トビアスは、2008年までグルジアのジャパリゼ選手と組んでいた。ウクライナはフリー15位、リトアニアはフリー14位。日本のリード姉弟は、ジャズの曲で、なかなかスピード感も出てきて、リフトも、解説の藤森さんが「軽く入れました」とほめる出来。最後のポーズでクリスが転倒して減点1。技術点41.64、演技構成点37.83、合計78.47でその時点で1位。フリー13位で総合も13位。これで来季もダイレクトエントリーを確保。ジガンシナ・ガジ組(独)は、ゼンマイ人形の振り付けが面白かった。最後、男性のスタミナが切れて軽いスタンブルもあったが、合計85.42でフリー11位。キャロン・ロイド組(仏)は、欧州選手権の後で、プログラムをガーシュインメドレーに変更。とてもそうは見えないダンスを披露して合計83.18でフリー12位。

 第3グループのカッペリーニ・ラノッテ組は、ツイズルから入り、以前より滑りがよくなった感じ。合計89.65でフリー9位、総合8位。チョーク・ズーライン組は、「キャバレー」の曲。速いがなぜか長く感じる。合計90.39でフリー7位、総合9位。クローン・ポーリエ組は赤と青の衣装、ビートルズの曲。少し緊張しているのかなんとなくぎこちない。合計90.12でフリー8位、総合10位。地元期待の若手イリニク・カツァラポフ組は、「リアルバレエ・ドンキホーテ」。ツイズルの逆回転のとき男性が少しバランスをくずし、リフトのとき女性が姿勢を決めるときうまく男性の首に足がかからずほんの少し時間がかかり、-1のジャッジが二人ずつ。演技構成点七番目の46.52を出したが合計88.99でフリー10位、総合7位。結果に不満そうだった。ウィーバー・ポジェ組は、曲か衣装を変えたような気がする。とてもよい出来で技術点三番目の48.14、演技構成点四番目の46.74、合計95.25でフリー4位、総合5位。

 最終組は、ペシャラ・ブルザ組から。チャップリンの映画曲ですばらしい滑りを披露していたが、なんとサーキュラーステップの最初で男性が転倒したため、女性も転倒、要素も無得点。その他の要素はほぼレベル4に加点2〜3が付いたが、技術点九番目の43.0、演技構成点三番目の51.57、合計92.57でフリーまさかの6位、総合4位。ボブロワ・ソロビエフ組は、サーキュラーステップで男性が軽いよろめきがあったが、ほぼノーミスで滑りきり、演技構成点五番目の48.56、合計94.35でフリー5位、総合6位。シブタニ兄妹は、ステップはレベル3だが、スピンとリフト、ツイズルはレベル4、全ての要素で全ジャッジからほぼ加点2をもらい、加点だけで8点以上。技術点四番目の48.14、演技構成点四番目の48.77、合計96.91で今季最高を更新し、フリー3位、総合も3位で初メダル。藤森さんが「昔は初出場でメダルなんて考えられなかった。」と言う。ヴァーチュー・モイア組は、ラテンの力強いステップを表現し、ステップ二つはレベル3だが、あとは全てレベル4。加点も全ジャッジからほぼ2から3。全く隙間のない構成で、加点だけで11点以上、演技構成点の振り付けと音楽表現で10点のジャッジが三人ずつ。技術点二番目の51.21、演技構成点も二番目の56.29、合計107.5でフリー2位、総合2位。デイヴィス・ホワイト組は、会心の出来ではないか。対角線のステップを除く全ての要素がレベル4、全ジャッジから加点2〜3をもらい、加点だけで12点以上。特にツイズルは全ジャッジから加点3。技術点最高の53.78、演技構成点も最高の57.73、合計111.51でフリー1位、SP2位から逆転優勝。藤森さんは「スポーツとしてのアイスダンス」がきわまってきたという。


フィギュアスケート (2011.4/27,28,29,30,9/23,10/4,7,)

世界選手権 シングル (2011.4/24〜5/1 モスクワ)

 一ヵ月遅れで、ロシア・モスクワでの代替開催。客席にはプルシェンコの姿も。小塚は、24人参加した予選を、2位のマヨロフに18点以上差をつけてダントツの1位で通過。

 <男子シングル>SPは30人参加。放送開始時点では、5番滑走のテン(カザフ)が合計71.0(技術点39.23)で1位(SP10位)。同じ第1グループのドーンブッシュ(米)が2位(SP11位)、マイナー(米)が3位(SP13位)。テンは今季苦しんでいたトリプルアクセルを成功したらしい。第3グルーブでは、全米王者のブラッドリー(米)が4回転に2回転をつけて合計70.45(技術点38.84)でSP12位。16番滑走のレイノルズ(加)は、ソーヤーがプロになるため代わって出場。冒頭の4回転は回転不十分で転倒。二つ目はやらずに連続3回転に変え、合計64.36でSP19位。次のフェルナンデス(西)はフジテレビでは放送せず。Jスポーツで見たが、可もなく不可もなし。合計69.16でSP14位。
 第4グループは豪華。欧州新王者アマディオ(仏)から。滑らかなトリプルアクセルから入る。フリップがeマーク。スピンは速くて加点。技術点五番目の40.45、演技構成点六番目の37.18、合計40.46でSP5位。続けてジュベール。前のアマディオと同じ曲なのでスピードがないのが目立ってしまうと、フジ解説の本田。冒頭の4回転でステップアウト、第2ジャンプつけられず。ステップからのフリップはeマーク。ここに第2ジャンプをつけなかったので、連続ジャンプの要素を落として減点3。合計71.29(技術点34.37)でSP9位。シュルタイス(スウェ)は、ルッツとステップの途中で転倒してSP25位、フリーに進めず。優勝候補のチャン(加)は、冒頭であっさり4回転3回転を決め、加点も1〜3。スピンもレベル3と4で全ジャッジが加点。基礎点41.4も高いが技術点51.48は驚異的な新記録。演技構成点も滑走技術で10点満点を出したジャッジもいて最高の41.54でダントツのSP1位。Jスポーツの解説、田村は「見とれて解説を忘れた」とのこと。直後の小塚は、冒頭のルッツ・トウループの連続3回転は加点1〜3の出来だったが、トリプルアクセルで両手つき。本田によれば「いつもより高くあがり、回りすぎ」。スピン三つともレベル4、技術点六番目の39.83、演技構成点伸びず37.79、合計77.62でSP6位。ヴァンデルペレン(ベル)は、冒頭の4回転で転倒。合計68.34でSP15位。
 最終グループはチェコのブレジナから。和太鼓の曲で滑り、合計77.5(技術点41.1)のSP7位。高橋は、フリップ・トウループの連続3回転から。フリップがeマーク。スピンは三つともレベル3がとれたが、得意のステップの途中で軽くつまづいた。全体にキレがなく、まとめた印象。技術点八番目の39.33、演技構成点二番目の40.92、合計80.25でSP3位。ヴェルネル(チェコ)は、冒頭の4回転で転倒、連続ジャンプにもミスがあり、合計75.94(技術点39.62)でSP8位。1枠しかない地元ロシア期待の17歳、ガチンスキーは、冒頭で軽々と4回転3回転。しかしステップからのループで着氷の時フリーレッグがひっかかり減点-1〜-2。技術点三番目の42.45、演技構成点35.89、合計78.34でSP4位。コンテスティ(伊)は、トリプルアクセルが1回転になり、SP18位に沈む。またも苦手の最終滑走の織田は、冒頭の4回転でステップアウト、第2ジャンプつけられず。しかし、ソロの予定のルッツに3回転トウループをつけて加点1〜2。スピンは速くて二つがレベル4。ステップの途中でよろけたが、技術点二番目の43.37、演技構成点三番目の38.44、合計81.81で堂々のSP2位。

 フリーは、24人が進出。第1グループでは、ベルギーの新星ヘンドリクス(18)がトリプルアクセルなしでのびのびとできることを発揮してグループ1位。フリー19位。しかし、第2グループで世界選手権五回目のフェルナンデス(西)がいきなり4回転をトウループとサルコウの二種類決め、149.1(技術点四番目の84.32)でフリー10位、総合10位。ヴァンデルペレン(ベル)は、冒頭の4回転は素晴らしかったが、2回転になったジャンプが三つもあり、3連続3回転も第1ジャンプが2回転でフリー18位、総合17位。ステップから入るマイナー(米)は、持ち味を発揮してフリー11位、総合11位。ベテラン、コンテスティ(伊)は、連続ジャンプを全て後半にしたら、跳び過ぎでフリー17位、総合18位。
 第3グループは、ジュベール(仏)から。冒頭にすばらしい4回転を跳んだが、第2ジャンプつかず。予定していた二つ目は跳ばず。後半にループからの連続3回転を跳んだがステップアウト気味で減点評価。フリップはeマーク。全体に勢いがなくまとめた感じで156.38(それでも技術点六番目の80.8)のフリー4位、総合8位。これで10年連続表彰台は途絶えた。「変えている最中」とのことだが復活なるか。ヴェルネル(チェコ)は冒頭の4回転転倒、フリー13位、総合12位。ドーンブッシュ(米)は、シニアデビューがこの大会。4回転なしでホームズをそつなく滑り、フリー8位、総合9位。ブレジナ(チェコ)は、冒頭のトリプルアクセル、4回転トウループ、4回転サルコウときれいに決め、後半ルッツとフリップで二回転倒したが、156.11(技術点五番目の83.19、演技構成点74.92)でフリー5位、総合4位。ブラッドリー(米)はぎりぎりながら4回転を二回決めたが、二回目は回転不十分の上、第2ジャンプが1回転で不十分。フリー12位、総合13位。SPが素晴らしかったというテンは、冒頭と後半のトリプルアクセルを両方転倒。ルッツ・トウループの連続3回転やステップなどよかったのに残念。フリー14位、総合14位。

 最終グループは、大波乱。チャン(加)から。冒頭の4回転はこらえ、次の4回転に3回転をつけ、トリプルアクセルでステップアウトしたが、基礎点14.4に加点2.43を加える。技術点驚異的な96.44(しかし二番目)、演技構成点最高の91.52、合計187.96。総合計280.98となった瞬間、実質的な争いは、銀メダルと銅メダルとなった。2位が二回のチャンは嬉しい初優勝。次が、去年はフリーに進めなかった織田で、またまたジャンプの跳びすぎ。冒頭で4回転を跳ばずに3回転にしたとき不安がよぎった。連続3回転トウループなので、もう限度の二つ。ところが予定ではソロのはずのトリプルアクセルに三つ目の3回転トウループをつけてこの要素が無得点。2回転トウループにしておけば、9.9もの高得点が稼げたのに(単純に9.9足してみるとフリー4位にあたる)。後半にルッツからの3連続も入り、スピンもレベル4で全体としてはよかったのに。技術点72.25、演技構成点78.44、合計150.69でフリー9位、総合6位。ガチンスキー(露)は、冒頭の4回転を軽々と跳び、トリプルアクセルからの3連続は最後少し詰まったが、単独のトリプルアクセル、ルッツからの連続3回転などを決め、技術点三番目の85.66、合計163.52で初出場でフリー3位、総合3位。高橋は、冒頭の4回転のためトウを付いたところで靴に異常。左かかとのビスがぬけた。時間内に再開できたが、4回転がぬけ、一つ目のトリプルアクセルでステップアウト、後半のサルコウで転倒。連覇どころではない。再開直後の連続3回転と3連続を決め、二つのステップでは加点2〜3。しかし、技術点71.64、演技構成点三番目の82.08、合計152.72でフリー6位、総合5位。Jスポーツ解説の杉田さんが「左足踏切のアクセルとサルコウに影響が出た。残念」。次の小塚はちゃんと滑った。冒頭の4回転、トリプルアクセルと決め、スピンは三つともレベル4、後半にトリプルアクセルからの3連続も入った。杉田さんが「チャンと並ぶスケーティング技術点がある」という柔らかい滑り。全ての要素で全ジャッジから加点。全体で基礎点81.54に17点近い加点は驚異的。滑り終わったとき、珍しく力強くガッツポーズ。リンクサイドでも佐藤コーチ夫妻もガッツポーズ。杉田さんも「佐藤コーチがあんなふうにするのは見たことない」。技術点最高の98.53をたたきだし、演技構成点二番目の82.26、合計180.79は今季最高更新。フリー2位、総合2位。初出場で表彰台。来季の日本3枠も確保。最終滑走のアマディオは、4回転がない。冒頭にトリプルアクセルの単独と連続ジャンプを決めたが、欧州を制したときの迫力には及ばない。後半の3連続ジャンプは2−1−3回転になり、フリップはeマーク。技術点74.98、演技構成点77.06、合計152.04はフリー7位、総合7位。ガチンスキーがメダルをとり、杉田さんは「ロシアは代替開催したかいがあった」。

 <女子シングル>SPは30人参加。日本勢三人は皆ダイレクトエントリー。第4グループ最初の19番滑走の村上は最後まで固かった。連続3回転も第二ジャンプが回転不十分(70%)とされ、ダブルアクセルは両手つき。スピンは三つともレベル4で、技術点28.51、演技構成点26.35、合計54.86でSP10位。ファヌフ(加)は、連続ジャンプが両方2回転になり、要素を落としてSP13位。レオノワ(露)は、冒頭の連続3回転を決めると波に乗り、地元の歓声を力にして、技術点四番目の31.55、演技構成点28.2、合計59.75でSP5位。次のコストナー(伊)も冒頭の連続3回転を決め、ステップからのフリップを転倒したものの、技術点七番目の30.52、演技構成点五番目の30.23、合計59.75でレオノワと同点。SPでは技術点優先なので、コストナーは6位。マカロワ(露)も冒頭に連続3回転を決め、スピン二つがレベル4。技術点三番目の32.53、演技構成点七番目の29.09、合計61.62でSP3位。地元ロシアにメダルの期待。ゲデバニシビリ(グル)は、ソロジャンプが回転不十分。全体に荒っぽく、合計51.61でSP15位。
 最終グループ最初の安藤は、「不調」だったらしいが、冒頭の連続3回転を3回転2回転にしたのを含めて、全要素加点1〜2の出来。スピンは三つともレベル4で、技術点最高の34.2、演技構成点二番目の31.38、合計65.58でSP2位。全米女王シズニーは、フリップでミスが出たが、スピンは三つともレベル4、加点が1〜3。技術点五番目の31.33、演技構成点30.14、合計61.47のSP4位。コルピ(スウェ)は、冒頭のジャンプで転倒。連続ジャンプが入らず。合計55.09でSP9位。足を痛めたというフラット(米)は、ステップからのルッツが2回転になり、要素を落とした。合計57.22でSP8位。29番目の真央は、ジャンプが不調だったが、トリプルアクセルに挑戦。しかし両足着氷の上、回転もダウングレード、GOEも-2〜-3で2.09。連続ジャンプも3回転フリップが回転不十分の70%評価。技術点27.92、演技構成点三番目の30.74、合計58.66のSP7位。最終滑走は、13ヵ月ぶりの試合復帰となるキム(韓)。冒頭のルッツからの連続3回転で大きくバランスを崩し、第2ジャンプ入らず。次のソロジャンプに2回転をつけた。スピンは三つともレベル4で、加点1〜3。それでも技術点二番目の32.97、演技構成点最高の32.94、合計65.91でSP1位。

 フリーは、ビックリの安藤の逆転。第3グループは豪華な顔ぶれ。14番滑走のコルピ(フィン)は、欧州3位。冒頭の連続3回転は決めたが、フリップが回転不足で転倒。合計109.71でフリー8位。村上は、SPよりいい顔で登場。スピードにのった滑りで、冒頭の連続3回転、単独のルッツと決めた。第2ジャンプ回転不十分とルッツはeマーク。後半フリップが1回転になったりループが不十分になったりしたが、持ち味は発揮し、技術点55.62、演技構成点56.62、合計112.24のフリー7位、総合8位は立派。真央は、またしても冒頭のトリプルアクセルが回転不足。SPよりうまく下りたのだが。ルッツもeマーク、ダブルアクセルにつけたトウループも回転不足。フリップからの3連続は決めたが、サルコウがが1回転。またジャンプの不調が他にも及び、スピンも一つレベル1。技術点八番目の54.19、演技構成点七番目の59.94、合計114.13でフリー6位、総合6位。フラットは、冒頭の連続ジャンプでステップアウト。足が痛いらしく、フリップが二つとも1回転。ループからの3連続は決めたが、合計97.39でフリー14位、総合12位。

 最終グループまたも最初の安藤は、丁寧にコントロールされた演技。後半最初のアクセルからの連続ジャンプだけ第2ジャンプが乱れて2回転になったが、他は加点1〜2の出来。スピンは三つともレベル4、最後のジャンプがアクセルからの3連続など、不調の中でも安定した滑り。技術点最高の65.75、演技構成点三番目の64.46、合計130.21でフリー1位、総合優勝。2007年に続き2回目の金メダル。レオノワも、フリップが2回転になったが、SPに続いて勢いのある滑りで、技術点二番目の62.35、演技構成点四番目の61.82、合計124.17でフリー4位、総合も4位。次のキムは、冒頭の連続3回転を鮮やかに決め、完全復活か、と思いきやサルコウからの連続ジャンプで第2ジャンプが1回転、単独のフリップも1回転。その後は立ち直り、スピン三つともレベル4、アクセルからの3連続なども決め、加点だけで10点以上稼いだが、技術点三番目の61.72、演技構成点最高の66.87、合計128.59でフリー2位、去年に続き総合2位。シズニーは冒頭のルッツで転倒。しかし後半にルッツからの連続ジャンプを決め、スピンは三つともレベル4で加点1〜3と巻き返したが、及ばず技術点四番目の60.65、演技構成点五番目の61.13、合計120.78でフリー5位、総合5位。コストナーは、後半ループが1回転になったが、全体としてはよく滑り、技術点五番目の60.3、演技構成点二番目の64.63、合計124.93でフリー3位、総合3位。最終滑走のマカロワ(18)にロシアのメダルの期待がかかったが、滑り出しはよかったものの、後半最初の、二つ目のループジャンプが回転不足で転倒。アクセルからの3連続の後、もうひとつ連続ジャンプを跳んだが四つ目のカウントで無得点。技術点46.52、演技構成点60.08、合計105.6でフリー9位、総合7位。それでもロシアは来季の3枠を確保した。安藤は、優勝インタビューにロシア語と英語で答えていた。表彰式では、メダルをかけるチンクアンタ会長に何か言葉をかけられたキムの涙が止まらなくなった。相当な重圧があったのだろう。


フィギュアスケート (2011.4/7,16,17,22,5/1,4)

世界ジュニア選手権 (2011.2/28〜3/6 ・韓国)

 <ペア>19組参加。予選はなし。昨年度のメダリストが三組とも出場。昨年銀メダルの高橋・トラン組(19,20)は、13番目に登場。四大陸選手権のときよりずっとよかった。冒頭のダブルアクセルはぴたっと決まり、ツイスト、スピン、リフト、デススパイラルはレベル4で加点も1〜2。終わったとき高橋は、氷の上ではねた。技術点32.76、演技構成点25.09、合計57.85で今季最高を更新、SP2位。全米ジュニア王者のケイン・リーガン組(15,21)は、女性が168cm、男性も187cmの長身。ソロジャンプで男性の靴紐が切れて転倒。合計43.74でSP8位から。昨季優勝のスイ・ハン組(中。15,17)は、シニアの大会の時と違って、にこにこしながらウエスタンの曲で速くノーミスで滑りきった。ツイストは相変わらず高く、3回転スロージャンプは余裕で着氷、全ジャッジから加点1〜3。技術点最高の33.05、演技構成点も最高の26.11、合計59.16でSP1位。ただ今季最高より2点ほど低く、高橋・トラン組との差も1.31しかなく、コーチとも笑顔はなかった。ジョーンズ・ギャスケル組(加。15,20)は、国内シニア6位。ソロジャンプ、スロージャンプ、デススパイラルで減点評価。合計44.64でSP7位。昨年銅メダルのストルボワ・クリモフ組(露。19,20)は、スロージャンプで痛恨の両手つき。他の要素はみな加点をもらい、リフト、スピン、デススパイラルはレベル4。技術点29.78、演技構成点24.43、合計54.21のSP3位。最終滑走のプリーチ・シュルツ組(加。15,20)は、国内ジュニア王者。「その男ゾルバ」の曲で滑り、スロージャンプは片手つき、スピンとステップで減点評価となったが、今季最高の合計47.33でSP4位。

 フリーは16組。ロシアの若手ふた組は沈んだ。SP6位だったワシリエワ・シェヴチュク組(15,20)は、リフトがひとつ上がらずに無得点。ジャンプの転倒、時間オーバーもあり、合計69.15でフリー12位、総合11位。SP5位だったアスタコワ・ボチコフ組(14,20)は、コリオスパイラルの秒数が足りずに無得点。冒頭の3連続も女性が回転不足にステップアウトして減点評価。合計72.08でフリー11位、総合7位。SP8位のケイン・リーガン組は、なかなかよいリフトから入り、大きなミスなく終え、技術点三番目の47.66、演技構成点四番目の44.0、合計91.66でフリー4位、総合も4位。最終組、SP3位のストルボワ・クリモフ組は、女性が最後のダブルアクセルでステップアウトした以外はミスなく、3連続ジャンプも入り、技術点二番目の53.48、演技構成点三番目の51.91、合計105.39でフリー2位、総合逆転で2位。高橋・トラン組は、高橋のジャンプが不調。ソロジャンプ、一つ目のスロージャンプで減点評価。連続ダブルアクセルで転倒。しかし痛恨のミスは、コリオスパイラルで男性の秒数が足りずに無得点だったこと。Jスポーツ解説の岡部さんによれば、公式練習のときからずっと男性は秒数が不足だったとテクニカルパネルから言われた、とのこと。技術点四番目の45.11、演技構成点二番目の52.56、合計96.67でフリー3位、総合も3位。SP4位のプリーチ・シュルツ組はジャンプで減点評価。合計82.64でフリー6位、総合5位。最終滑走のスイ・ハン組は、スロージャンプで4回転に挑戦。両足着氷だったが、見えなかったジャッジもいたらしく加点2〜減点-2の評価。冒頭のダブルアクセルで女性が転倒したが、あとはミスなく、スピンとリフトは全てレベル4、スピードもあり、技術点、演技構成点とも最高の56.13、52.72、合計107.85でフリー1位で連覇。

 <アイスダンス>25組参加。チェコのカップルの荷物が届かず棄権、24組出場。日本から久々に小松崎・水谷組(18,21)が予選に出たが、ツイズルで転倒するなど11位までに入れず、14位に終わった。Jスポーツ解説は、そのコーチで元日本代表の渡辺心さん。今季のジュニアのパターンダンスは、ヴィーランド・ワルツ。7番滑走は予選1位のパパダキス・シゼロン組(仏。15,16)。年齢よりずっと大人に見える。ツイズルで女性が転倒、無得点、SD15位と出遅れ。13番滑走のエストニアのシュトーク・ランド組(17,18)は予選4位。国内ではシニアで連覇。バンクーバー五輪23位、今季のヨーロッパ選手権21位。世界ジュニアは四回目。技術点四番目の28.42、演技構成点21.67、合計50.09のSD7位。しかし、なんと言っても昨年3位のモンコ・ハリアビン組(露。18,20)が圧倒的にうまい。ピアフの「パダムパダム」の曲で、ステップ以外の4つの要素でレベル4。表現力はシニア並み。演技構成点は3つの要素で7点台。技術点32.57、演技構成点28.05、合計60.62はベストから5点ほど低いが、2位とは5点近いリード。でも、コーチ、選手とも不満そうだった。SD2位もロシア。プスカシュ・ゲレーロ組(18,19)は組みかえて2年目。男性はオーストラリア生まれで、お父さんはポルトガル人。二年前の世界ジュニアではリアザノワと組んで3位になった。技術点三番目の28.7、演技構成点二番目の27.06、合計55.76。予選2位のスロバキアのヴィスノワ・ショリー組(18,20)は、世界ジュニア五回目。女性はチェコ出身。練習はイタリアでしているらしい。合計52.0でSD4位。22番滑走にアメリカのリチマン・コプリー組(17,21)。男性は背が低いのが悩みで、経歴に身長を載せていない。でも足下は安定していて、技術点五番目の28.34、演技構成点23.66、合計55.28でSD3位。24番目にスペインのアイスダンス選手として初めてISU大会に出たフルタド・ディアス組(18,20)。予選3位。男性はジャンプが嫌でアイスダンスに転向。国内にコーチがいなくて、イギリスから来ているとのこと。SD10位。最終滑走のカヌシオ・マクマナス組(米。18,20)は、ミラーでツイズル。合計50.94でSD5位。

 フリーは20組。今季のフリーは、ISUから「踊りたくなるような楽しい曲で」という通達が出ているそうだ。オーフォード・ウィリアムズ組(加)はステップ以外の要素はレベル4を並べ、合計72.41でフリー7位。ザホルスキ・ミアール組(仏。16,18)は、女性がロンドン生まれで真っ赤な髪。ここもステップ以外の要素はレベル4でほぼミスなく、技術点最高の40.78、演技構成点五番目の38.42、合計79.2でフリー2位、SD9位から総合4位に浮上。コシギナ・モロシュキン組(露。15,17)。ショパンのワルツの曲で、ステップ以外はレベル4。技術点36.04、演技構成点四番目の38.51、合計74.55でフリー5位、総合6位。フルタド・ディアス組は、村上佳奈子がエキシビで使った「ビー・イタリアン」の曲。冒頭の直線リフトが独創的。デロベル・ショーフェルダー組のと少し似ているが、男性が完全に足をあげてレベル4。技術点六番目の36.87、演技構成点34.7、合計71.57でフリー10位、総合9位。最終組は、いきなり優勝候補筆頭のモンコ・ハリアビン組。ツイズルはレベル2になったが、リフトとスピンはレベル4、演技構成点もほぼ7点台後半。技術点二番目の38.43、演技構成点最高の45.11、合計83.54でフリーも1位、優勝。昨年のフリーでチャップリンをやったリチマン・コプリー組は、「ビートルジュース」の曲をコミカルな動きと表情で音楽を表現。リフトとスピンはレベル4、技術点三番目の38.37、演技構成点三番目の39.71、合計78.08は自己ベスト更新でフリー4位、総合3位で表彰台。ヴィスノワ・ショリー組は「ノートルダム・ド・パリ」の曲。技術点四番目の37.57、演技構成点36.5、合計74.07で自己ベスト更新。フリー6位、総合5位。カヌシオ・マクマナス組は、「カルメン」の曲。フリーでもミラーのツイズル。SDよりうまく合っていた。合計71.96でフリー8位、総合7位。最終滑走は、プスカシュ・ゲレーロ組。技術点五番目の36.92、演技構成点二番目の41.96、合計78.88でフリー3位、総合2位。

 <男子シングル>去年、羽生が優勝したので日本から三人参加。田中刑事と木原は予選1位と2位。中村健人はダイレクトエントリー。SPには30人参加(うち18人ダイレクトエントリー)。3番滑走のブラウン(米。16)は、全米シニアで9位。きれいなダブルアクセル、ルッツからの連続3回転、レベル4のスピンなどシニアで通用するスタミナと表現力で、技術点34.07、演技構成点28.57、合計62.64でSP7位。8番滑走の田中(16)は、トリプルアクセルから入り、フリップからの連続3回転、ステップからの3回転ループとジャンプはよかったが、スピン一つはレベル1、最後のステップはレベル2。振り付けは宮本賢二。曲想表現も努力はしていたが、技術点35.81、演技構成点28.25、合計35.81でSP6位と好発進。第3グループの木原(18)は、全日本ジュニア2位。ルッツからの連続3回転はeマーク。スピンは二つがレベル4。アクセルが2回転なので、技術点30.96、演技構成点27.79、合計58.75のSP12位。アーロン(米。19)は、全米ジュニア優勝。「ロクサーヌのタンゴ」の曲でトリプルアクセル、ルッツからの連続3回転。技術点三番目の38.07、演技構成点28.89、合計66.96でSP5位。第4グループのマヨロフ(スウェ。18)はロシア生まれ。「ピンクパンサー」の曲でトリプルアクセル、ルッツからの連続3回転は決めたが、単独のループでステップアウト。スピン二つがレベル4、曲想を表現したステップは、全ジャッジから加点1〜2。技術点四番目の37.83、演技構成点四番目の29.68、合計67.12でSP4位。中国のハンは最年少の14歳。ダブルアクセル、フリップからの連続3回転はほぼ全ジャッジから加点。合計60.89でSP8位。ゴルシコフ(露。17)は、冒頭のトリプルアクセルで転倒。ルッツからの連続3回転も減点評価。ビバルディの「四季」から「冬」の曲で、技術点27.65、演技構成点三番目の29.72、合計56.37で14位から。中村(19)は、全日本ジュニア王者。冒頭のトリプルアクセルで立てたようだったのにステップアウト。連続ジャンプは3回転2回転。ステップからのジャンプは2回転になり、最後のスピンの後、終わりのポーズに入れず転倒。ジャンプに入るまでの動きやステップは、実に表情豊かで日本人離れしている。振り付けは宮本賢二。Jスポーツ解説の杉田さんは、「気負いすぎかもしれない」と言う。技術点27.12、演技構成点29.21、合計55.33で15位と出遅れ。最終グループのメッシング(米。19)は「ロビン・フッド」の曲で、高いトリプルアクセルから入り、全ジャッジから加点1〜3。スピンやステップも全ジャッジから加点1〜2の出来で、演技構成点も全ての要素が6点台。技術点最高の41.07、演技構成点最高のの31.51、合計72.58でSP1位。ドミトリエフ(露。18)は、荒削りな感じ。ステップは全ジャッジから加点1〜2の評価だが、レベル4はスピン一つ。技術点二番目の38.9、演技構成点二番目の30.01、合計68.91でSP2位。最終滑走のロゴジン(加。18)もモスクワ生まれ。トリプルアクセルから入り、フリップからの連続3回転、スピン三つとステップは全てレベル3でまとめ、技術点四番目の37.59、演技構成点四番目の29.68、合計37.59でSP3位。

 フリーには24人進む。第2グループ10番目にSP15位の中村。「マラゲーニャ」の曲。冒頭のトリプルアクセルは決まったが、後半最初のアクセルが跳べず無得点。ルッツからの連続ジャンプは第2ジャンプが1回転で減点評価-2〜-3。ダブルアクセルからの連続ジャンプとサルコウでも転倒し、不完全燃焼。技術点48.86、演技構成点55.94、合計102.8、フリー14位、総合14位。第3グループ最初にSP12位の木原。冒頭のルッツからの連続ジャンプ、ダブルアクセルと決め、後半もeマークながらフリップからの3連続も決めて技術点60.73、演技構成点56.24、合計108.34、フリー9位、総合10位。SP7位でポニーテールのブラウンは、「トゥーランドット」の曲。技術点61.72、演技構成点61.08、合計122.8、フリー6位。最終グループの最初はSP4位のマヨロフ。いきなりトリプルアクセルからの連続3回転、ルッツからの連続3回転、フリップからの3連続と決める。技術点68.51、演技構成点60.08、合計128.59でフリー3位、総合3位。SP2位のドミトリエフは、冒頭のトリプルアクセルからの連続ジャンプ、ルッツからの連続3回転は決めたが、フリップで失敗、後半サルコウで転倒などミスが多く、技術点55.36、演技構成点57.92、合計112.28でフリー11位と後退。SP6位の田中は、冒頭のトリプルアクセルからの連続ジャンプ、単独のトリプルアクセルと大技を決め、レベル4のスピンを二つ、後半にはフリップからの連続3回転、サルコウからの3連続も入り、技術点最高の72.50、演技構成点五番目の60.42、合計132.92で自己ベスト更新。フリー1位、総合2位で表彰台へ。SP1位のメッシングは、冒頭のトリプルアクセルのはずが1回転。後半にトリプルアクセルからの連続ジャンプは決めたが、ループが跳べずに無得点。要素でないところで転倒もして、技術点60.91、演技構成点は最高の62.58、合計122.49はフリー7位、総合4位。SP5位のアーロンは、単独のルッツで転倒したが、トリプルアクセルからの連続ジャンプ、ルッツからの連続ジャンプ、サルコウからの3連続など決めて、技術点67.70、演技構成点60.26、合計126.96でフリー4位、総合5位。またも最終滑走でSP3位のロゴジンは、冒頭のトリプルアクセルからの連続3回転、単独のトリプルアクセル、サルコウ、ルッツとジャンプを続けて決める。後半にはフリップからの3連続も入り、技術点二番目の70.52、演技構成点二番目の62.34、合計132.86のフリー2位、総合優勝。

 <女子シングル>予選に36人参加。日本の大庭と庄司は1位と2位通過。西野はダイレクトエントリー。SPには30人参加。一番滑走のヒックス(米。15)は、国際大会初出場とは思えないレベルの高さ。連続3回転は回転不足になったが、スピンは三つともレベル4、加点もつき、SP10位。五番目に大庭(15。全日本ジュニア3位、全日本8位)。ステップからの単独ジャンプはループ、フライングスピンはキャメルと今年は決められている。冒頭でサルコウ・トウループの連続3回転を決め、技術点五番目の30.47、演技構成点21.35、合計37.04、この時点で1位、SP6位。第2グループ、11番目に庄司(14。全日本ジュニア優勝、全日本5位)。タンゴの曲。振り付けは宮本賢二。冒頭のサルコウ・トウループの連続3回転はよかったが、単独ループが回転不十分(70%)。技術点28.89、演技構成点22.60、合計51.49、この時点で2位、SP7位。第3グループ、16番目に、ジュニアGPファイナル2位のトゥクタミシェワ(露。14)。赤っぽいピンクの衣装で「オリエンタルな」曲を雰囲気たっぷりに滑り、冒頭の連続3回転はルッツから。アクセルも全ジャッジから加点1〜2。技術点最高の34.12、演技構成点二番目の24.48、合計58.6、この時点でダントツの1位、SP2位。第4グループ、22番目に、昨年ジュニアGPファイナル2位のシェルペン(露。15)。去年より体が重そうで、トゥクタミシェワと比べるとスピードがない。ジュニアの女子はたいへんだ。ルッツから連続3回転、レベル4のスピンを決めたが、技術点二番目の33.86、演技構成点22.72、合計56.58、この時点で2位、SP4位。次に三年前世界ジュニア5位の西野(17。全日本ジュニア5位、全日本6位)。身長158pと随分成長した。ルッツからの連続ジャンプは、ルッツが回転不十分。次のループも回転不十分。フライングスピンはレベル1となり、技術点23.92、演技構成点22.17、合計46.09のSP11位と出遅れた。最終グループは昨年世界ジュニア2位のザワツキー(米。16)から。冒頭連続3回転を跳べそうだったのに3回転2回転に。スピン三つともレベル4、技術点六番目の29.95、演技構成点四番目の23.22、合計53.17のSP5位。27番目に、ロシア国内シニア優勝、ジュニアGPファイナル優勝のソトニコワ(露。14)。ワルツの曲を力強く滑り、冒頭のルッツからの連続3回転はルッツが回転不十分。しかしアクセルやレベル4のスピンの加点で技術点二番目の33.97、演技構成点最高の25.54、合計59.51でSP1位。29番目は昨年世界ジュニア8位、今年の全米シニア5位のガオ(米。16)。165pでスリムな体型。フリップからの連続3回転などそつなくこなし、アクセルのみ着氷が乱れたが、技術点四番目の32.86、演技構成点三番目の23.94、合計56.8でSP3位。

 フリーは24人。第3グループに庄司と西野。13番目にSP7位の庄司。最初のルッツはeマーク。アクセルからの3回転はきれいに決まり、加点。後半のループは回転不十分。ルッツからの連続ジャンプはまたeマーク、最後の3連続も第三ジャンプが回転不十分。つなぎの要素はこの年齢にしてはできると思うが、技術点五番目の52.54、演技構成点五番目の47.24、合計99.78で、この時点で1位。フリー5位、総合5位。SP11位の西野はSPと同じく回転不足のジャンプが多い。振り付けは宮本賢二。ルッツとループは回転不十分。フリップはeマーク。二つ目のルッツと連続ジャンプのサルコウは回転不足。ダブルアクセルのシークエンスでも回転不十分。全体に焦って滑っているように見える。時間オーバーの減点もあり、技術点31.31、演技構成点44.74、合計75.05でフリー15位、総合12位。最終グループは、SP3位のガオから。ルッツのeマークとダブルアクセルが回転不十分なだけで、技術点八番目の48.89、演技構成点四番目の49.58、合計98.47、フリー6位ながら、この時点で1位、総合4位。大庭は、得意のサルコウからの連続3回転から入り、ダブルアクセルからの連続ジャンプも決めたが、ルッツでeマークの上、回転不足。あとはレベル4のスピンも二つ入り、技術点七番目の49.81、演技構成点七番目の46.99、合計96.80、フリー7位、総合8位。SP1位のソトニコワは、いきなりルッツ・ループの連続3回転。基礎点11.1に加点1〜2。フリップはステップアウトしたが、あとは速いスピードのまま滑りきり、技術点最高の61.04、演技構成点最高の54.41、合計115.45、フリーも1位、初出場で総合優勝。SP2位のトゥクタミシェワは、冒頭ルッツからの連続3回転の予定だったが、第二ジャンプを2回転に。ダブルアクセルからの3回転、サルコウからの3連続は、着氷が不安定、回転不十分などで減点評価。それでも技術点二番目の56.28、演技構成点二番目の54.23、合計110.51でフリー2位、初出場で銀メダル。去年4位、SP4位のシェルペンは、ロシア民謡の曲。ダブルアクセルからの3回転、もう一つダブルアクセルからの3回転2回転と滑り出しはよかったが、ルッツで転倒。フリップはeマーク、後半のサルコウとループは回転不十分で、全体に重い印象。技術点48.23、演技構成点46.12、合計93.35で、フリー8位。昨年2位でSP5位の最終滑走、ザワツキーは、冒頭ダブルアクセルからの3回転から入り、ルッツからの連続ジャンプも決める。フリップはeマーク、後半のサルコウとループは回転不十分だが、スピンは三つともレベル4。3連続ジャンプも決まり、技術点55.37、演技構成点52.53、合計107.9、フリー3位、総合も3位。



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フィギュアスケート (2011.3/23,25,26,27)

全米選手権 ペア・アイスダンス (2011.1/22〜30 グリーンズボロ・ノースカロライナ州)

 <ペア>13組エントリー、1組棄権。一番滑走でエボラ・ラドウィク組。スピードもあり、スロージャンプで片手をついたくらいで、技術点35.33、演技構成点27.54、合計62.87でSP2位。ヴァイス・ボールドウィン組の男性は、井上と組んでいたボールドウィンの弟。女性の回転が逆回りの「ミラー・カップル」。全体に勢いがないのとリフトで少し減点があり、技術点31.12、演技構成点23.17、合計54.29でSP5位。ヤンカウスカス・コフリン組は、ツイストとデススパイラルはレベル1だったが、全ジャッジから加点1〜3をもらった高速のソロスピンを始め、リフト、ステップはレベル4で、快心の出来。技術点35.98、演技構成点28.32、合計64.3でSP1位。10番目に、以前マクラフリンと組んで全米で二度優勝したブルベイカー(24)が15歳のマーリーと昨年8月に組みかえて登場。女性は、シングルでかつて全米ノービスで銀メダル、今回もジュニアで5位になり、シニアのペアにはワイルドカードでの出場という。ツイストは抱えてしまったが、ソロジャンプでは軽々と3回転トーループを決める。スピンは少しずれたが、技術点32.5、演技構成点25.6、合計58.1でいきなりSP3位。昨年優勝したデニー・バレット組(17,26)は、女性がソロジャンプで転倒。技術点32.13、演技構成点26.66、合計57.79でSP4位から。

 フリーでは、ヴァイス・ボールドウィン組は、連続ジャンプで女性が転倒、第二ジャンプがつけられず。スロージャンプも二つとも減点。技術点50.08、演技構成点47.89、合計96.97でフリー7位。SP6位のカステッリ・シュネイパー組は、スロージャンプでトリプルアクセルに挑戦。回転は足りたが転倒。ソロジャンプでも転倒があり、スパイラルは3秒キープする前に女性が足を動かす振り付けで無得点。技術点51.3、演技構成点51.14、合計100.44でフリー5位。最終組は、デニー・バレット組から。ツイストリフト、3回転ソロジャンプ、スロージャンプと成功し、いい滑り出し。連続ジャンプで、男性が第一ジャンプでステップアウトし、第二ジャンプはそろわなかったが、その後は、加点のつくソロスピン、レベル4のリフトなどいい出来で、技術点59.36、演技構成点58.34、合計117.7でフリー3位、総合3位。マーリー・ブルベイカー組は、SPと同じくツイストは抱えてしまい、要素でないところで女性が転倒、ひきずられて男性も転倒。しかし後半立ち直り、レベル4のリフトとスピンを披露。技術点55.16、演技構成点52.29、合計105.45でフリー4位、総合4位。ヤンカウスカス・コフリン組は、男性の亡くなった母親に捧げられた「アベ・マリア」の曲のプログラム。ダブルアクセルのソロジャンプから入り、ツイストもレベル1ながら全ジャッジから加点1〜2。一つ目のスロージャンプで減点評価だったが、連続ジャンプは安定した3連続を披露。基礎点6.9に加点で7.7。リフトは二つがレベル4で、技術点二番目の61.97、演技構成点最高の62.18、合計124.15でフリーも1位、初優勝。昨年はSP2位だったが、五輪出場2位以内の重圧から総合6位に終わっていた。エボラ・ラドウィク組は、全体に勢いがなかった。二つ目のスロージャンプで女性が手をついた。最後のリフトも着氷が両足。スピン二つとリフトは三つともレベル4だが、他にもミスがあり、技術点最高の62.09、演技構成点二番目の60.26、合計122.35でフリー2位、総合も昨年に引き続き2位。

 <アイスダンス>15組参加。ベルビン・アゴスト組は引退とのこと! 少し早いと思うが男性の怪我だろうか。サミュエルソン・ベイツ組は、女性のブレードで男性がアキレス腱を切る怪我で休止。六番目にハベル兄妹(19,22)が登場。ツイズルで減点があり、技術点30.64、演技構成点27.27、合計57.91でSD5位。八番目に二年前世界ジュニアで優勝したチョーク・ズーライン組(18,22)。今季はGPシリーズ2戦出ていずれも3位だった。技術点四番目の32.0、演技構成点29.74、合計61.74でSD3位。十番目にシブタニ兄妹(16,19)。昨年の全米ジュニア王者。全米シニア初出場。全ての要素がレベル4の上、加点が1〜3。特に最初のツイズルは高速で、ジャッジ9人のうち7人が加点3。技術点二番目の38.43、演技構成点二番目の32.04、合計70.47でSD2位。昨年優勝のデイヴィス・ホワイト組(24,23)も、全ての要素がレベル4の上、加点が2〜3。パターンダンスのゴールデンワルツも速いのにワルツらしかった。技術点最高の38.78、演技構成点も最高の37.26、合計76.04でSD1位。最終滑走は全米4回目の(リン・)クラインクレイラット・(ローガン・)ギュレッティシュミット組(22,25)。昨年8位というが覚えていない。パターンダンスはデイヴィス・ホワイト組の後では遅く見えたが、リフトとツイズルでレベル4、技術点三番目の32.08、演技構成点26.51、合計58.59でSD4位に付けた。

 フリーは、チョーク・ズーライン組が「キャバレー」の曲で、GPシリーズよりずっといい滑りを見せた。サーキュラーステップ以外の全要素がレベル4。演技構成の音楽表現は7.79。技術点48.07、演技構成点44.81、合計92.88でフリー3位、総合3位。シブタニ兄妹は、いつものようにクラシックな曲で速い滑り対角線のステップ以外レベル4。特に、高速ツイズルは三つ目までぴったり合っていて、全ジャッジが加点3! ロングリフトも難しい姿勢変化を次々こなして圧巻。技術点最高の52.34、演技構成点二番目の50.37、合計102.71でフリーも2位、シニアデビューを堂々の総合2位。世界選手権の代表もつかんだ。ハベル兄妹は、ツイズルの後半で妹が途中でバランスを崩しレベル2。技術点41.86、演技構成点41.93、合計83.79のフリー4位、総合4位。リン・ローガン組は、ツイズルや工夫されたロングリフトなど非常によい出来だったのに、最後の要素ステップに入ったところで男性から二人とも転倒。技術点40.0、演技構成点41.83、合計79.83でフリー6位、総合5位。デイヴィス・ホワイト組は、クリスマス頃にサーキュラーステップを変更。もうひとつの対角線ステップともレベル3。他は全てレベル4だが、まだ完璧ではない印象。技術点二番目の52.16、演技構成点最高の57.28、合計109.44でフリーも1位、3連覇を達成。表彰式には、ベルビンとアゴストも登場した。
 エキシビションには、今季休養中のライサチェクが出てきたが、出ていれば優勝しそうだった。


フィギュアスケート (2011.3/14,15,16,18,19,20,22)

全米選手権 (2011.1/22〜30 グリーンズボロ・ノースカロライナ州)

 <男子シングル>SPは22人参加。滑走順は抽選で、第一グループに豪華メンバー。リッポン、ムロズ、全米2連覇中のアボット。一番滑走のアラスカ出身のメッシングはのびのびと滑り、技術点37.61、演技構成点32.18、合計69.79でSP4位。二番目のリッポンは、緊張しているようで、トリプルアクセルは着氷でよろけ、得意の両手を上げたルッツで転倒。合計66.26でSP9位と出遅れ。三番目のムロズは、冒頭の4回転を何とか下り、2回転もつけた。後は無難にこなし、技術点37.96、演技構成点33.65、合計71.61でSP3位。四番目のカッサーが、転倒したとき何かを踏んで滑ったと演技後にレフェリーに言ったらしく、得点が出るまで時間がかかった。合計55.98でSP17位。長く待たされたアボットの集中力が心配だったが、冒頭に連続3回転も決まり、技術点38.57、演技構成点最高の39.82、合計78.39で、その時点でダントツの1位、SP2位。第三グループのマイナーも、連続3回転の予定が3回転2回転になったがノーミスで滑り、合計67.99でSP6位。15番目にブラッドリー(27歳)。なんと冒頭に4回転3回転を決めた。トリプルアクセルもこらえ、ノーミスで技術点43.89をたたきだし、演技構成点36.5、合計80.39でSP1位。最終組では12月のジュニアグランプリファイナルで優勝したドーンブッシュが連続3回転を決め、得意のスピンもレベル4で、技術点35.32、演技構成点32.39、合計67.71でSP7位。マーバヌーザデーは、トリプルアクセル、連続3回転とよかったのに、ステップからのルッツが回転不足で転倒。技術点34.42、演技構成点33.35、合計66.77でSP8位。

 フリーでは、第一滑走でSP18位のダイアーがトリプルアクセルはないものの、連続3回転、レベル4のスピン三つなどほぼノーミスで、技術点61.65、演技構成点59.72、合計121.37で、10番目のカッサーが滑るまでトップだった。フリー12位、総合13位。そのカッサーはSP17位、第二グループ最終滑走で自己ベスト。トリプルアクセルはないし、連続3回転も、3連続も入らず。しかし曲想表現などで7点台をとり、技術点63.28、演技構成点68.5、合計131.78でフリー11位、総合11位。第三グループのブラウンはポニーテールの16歳。トリプルアクセルはないが、質のよいダブルアクセル、連続3回転、3連続ジャンプなど全て流れの中で跳び、加点。合計144.44のフリー7位で総合9位。リッポンは、冒頭のトリプルアクセルはよろけたが、あとは連続3回転や両手あげルッツ、片手あげルッツからの連続ジャンプなどほぼノーミスで、技術点76.36、演技構成点77.42、合計153.78のその時点で1位、フリー3位で総合5位まで挽回。しかし、次のドーンブッシュは、「シャーロック・ホームズ」の曲で演技力たっぷりに滑り、冒頭の4回転の代わりに3回転フリップにしたが、全てのジャンプがクリーンで、スピンも二つがレベル4、全体で10点近い加点。技術点最高の83.27、演技構成点74.58、合計157.85でフリー1位、総合2位。初のメダル。マーバヌーザデーもやはり冒頭の4回転はやめ、3回転ルッツにして成功。連続3回転、ダブルアクセルからの3連続などノーミスで、技術点77.4、演技構成点70.88、合計148.28でフリー5位、総合6位。最終組のメッシングは、滑りは滑らかでないが、4回転の片手つきを初め、ジャンプをよくこらえ、最後に3回転ルッツでしめくくるという内容を滑りきった。技術点76.56、演技構成点66.94、合計143.5でフリー8位、総合8位。初出場のマイナー(20)もベストの演技。スピンは三つともレベル4、連続3回転、3連続も入り、全体で加点が8点以上。技術点二番目の81.8、演技74.56、合計156.36でフリー2位、総合3位。初のメダル。アボットは、冒頭の4回転はやめ、3回転ルッツに変更。トリプルアクセルからの連続ジャンプの第二ジャンプが2回転に。二度目のルッツが回転不足で転倒、ステップもレベル2、シットスピンはレベル1。3連続は入ったが、第一ジャンプが70%。技術点66.91、演技構成点は最高の79.86、合計145.77でフリー6位、総合4位で世界選手権を逃した。SP3位のムロズは、冒頭の4回転が70%。トリプルアクセルからの連続ジャンプの第二ジャンプが2回転に。スピン二つがレベル1。技術点73.66、演技構成点68.22、合計141.88で、フリー9位、総合7位。まさかの四大陸代表も逃した。最終滑走のブラッドリーは、出てくる 時に既に観客を笑わせた。冒頭の二つの4回転は、両手と片手をついたが回転は認められた。Jスポーツ解説の杉田さんは「最初のは回転不足だ」と言っていたが。トリプルアクセルもオーバーターン気味ながらこらえ、演技で「うまくスタミナを温存」し、後半に3連続、レベル4のスピンなど決めて、モーツァルトを演じきった。技術点三番目の78.17、演技構成点五番目の73.34、合計151.51でフリー4位ながら総合1位、連続出場11回目にして初優勝。表彰式では、4位のアボットまで出てきて、ピューターメダルをもらっていた。

 <女子シングル>長洲がSP1位。2位はシズニー、3位はフラット。またフリーで長洲はミスしたらしく最後は3位。東京の世界選手権代表を逃した。優勝はシズニー、2位はフラット。
 23人参加。第一グループで早くも優勝候補のシズニー登場。昨年10位だったので地区予選から勝ち上がったとのこと。「コーチをジャンセン・佐藤夫妻に変えてから、滑りとジャンプが安定した」とJスポーツ解説の藤森さんは言う。前半のジャンプ要素三つを無難にこなし、後半のスピンは二つがレベル4。「世界一美しい」という最後のレイバックスピンがレベル3なのは残念。しかしスピンの加点は2〜3。技術点四番目の32.81、演技構成点三番目の29.69、合計62.5でSP2位。若い中国系(?)のガオ(16)は、連続3回転、ステップからのルッツ、レベル4のスピンなどで技術点二番目の33.1、演技構成点25.33、合計58.43で5位。第二グループの16歳のザワツキーが軽々と連続3回転、3回転ルッツを決め、スピンは三つともレベル4。技術点最高の34.12、演技構成点27.42、合計61.54でSP4位は立派。長洲(17)は、冒頭の連続ジャンプを3回転2回転に変え、ステップからのフリップはeマークだったが、スピンは三つともレベル4。技術点三番目の32.94、演技構成点二番目の30.41、合計63.35のSP1位。第三グループでは、東南アジア系(?)のラム(15)は、ノーミスのよい滑りで、技術点31.73、演技構成点25.88、合計57.61でSP6位から。最終組のワグナーは、冒頭のジャンプでステップアウト。次のジャンプを連続にしたが、減点評価。スピンは三つともレベル4だったがダブルアクセルも減点評価で、技術点27.27、演技構成点27.36、合計54.63でSP7位。フラット(18)は、だいぶ調子が戻ってきた。滑りのスピードもあり、連続3回転はまだ入らないが、ステップからのジャンプはルッツに変えて決め、スピンも二つがレベル4。技術点五番目の31.55、演技構成点最高の30.77、合計62.32のSP3位。

 フリーは、一人棄権し22人。第二グループの日系人カワムラ(18)は、「去年フランク・キャロルコーチに変わってから、体全体を使って表現が上手くなった」が、ジャンプがほとんど2回転になり、合計76.75でフリー14位、総合16位。第三グループの3年前全米ジュニア女王だったギレス(19)も、最初のルッツ以外は2回転ばかりになり、合計76.0でフリー16位、総合14位。背が伸びて太り伸び悩んでいる。ジャンは、GPシリーズのときより体も絞れて、トウジャンプの「トンカチ」もだいぶ直ってきたが、ルッツとサルコウで転倒、前者はeマーク、後者は回転不足。後半でもフリップがパンクして1回転。それでもパールスピンなど復活して技術点50.25、演技構成点44.22,合計92.47でフリー12位、総合も12位。14歳のインド系(?)のシレイは、身長148p。冒頭のフリップが1回転、ダブルアクセルからの連続ジャンプで転倒もしたが、滑りが滑らかでスピンも三つともレベル4、3連続も決まり、技術点53.17、演技構成点50.39、合計102.56に乗せ、フリー8位、総合8位。ワグナーは、冒頭の連続ジャンプはよかったが、ダブルアクセルからの連続ジャンプで70%評価、後半のループも70%評価で第二ジャンプはつけられず、フリップが1回転など技術点52.72、演技構成点58.01、合計110.73でフリー5位、総合6位。最終組のラムは、いきなり3連続ジャンプを決め、スピンも二つレベル4をとったが後半疲れてフリップが回転不足で転倒、技術点五番目の54.77、演技構成点51.53、合計105.3でフリー7位、総合7位。ザワツキー(16)は、前半はすばらしい出来。解説の藤森さんも「演技構成点が伸びてきたらこわいライバル」と認める。後半ループで転倒したが、スピン二つでレベル4、技術点三番目の57.36、演技構成点55.94、合計112.3でフリー4位、総合4位。ピューターメダルをもらった。ガオは、いきなり軽々と連続3回転を決めたが、3連続のとき壁に近すぎて減点。後半やはり疲れてフリップで転倒、技術点四番目の55.58、演技構成点54.19、合計108.77でフリー6位、総合5位。シズニーは、ジャンプは、ループが70%評価になった以外はルッツからの連続ジャンプ、3連続など決め、最後の二つのスピンでほぼ全てのジャッジから加点3をもらい、音楽表現では9点台もあって、技術点最高の64.19、演技構成点ももちろん最高の64.55、合計128.74でフリー1位、堂々の二回目の優勝。長洲はかたかった。ジャンプは無難に決めていたが、ルッツは70%、アクセルはステップアウト、最後のフライングスピンで着氷に失敗してうまく回れず無得点。技術点六番目の53.45、演技構成点三番目の60.46、合計113.91でフリー3位、総合も3位、世界選手権を逃した。最終滑走のフラットは、SPのスピードはなかったが、冒頭の連続ジャンプが70%評価になり、最後のサルコウも減点評価だったが、ローリ・ニコルの振り付けをずいぶん表現できるようになり、技術点二番目の59.46、演技構成点も二番目の61.6、合計121.06でフリー2位、総合2位で世界選手権へ。


フィギュアスケート (2011.3/14)

世界選手権 (2011.3/21〜27 代々木)

 東日本大震災のため、3/21からの開催は中止。福島原発の事故で、放射能もれや電力が計画停電となったため。海外の選手の動揺も大きいらしい。延期開催、代替開催については検討中。
 しかたないけど、残念!
 ISUは、当初10月に延期して、日本での開催を打診していた(日本も10月ならということで検討していた)が、3/22の新聞に、4月下旬から5月上旬に他国で開催予定と出た。候補地は、アメリカ、カナダ、ドイツ、ロシアなど。(3/22記)

 3/25の新聞によると、ISUは、モスクワでの世界選手権代替開催を決定。日程は、4/24〜5/1。他にもオーストリア、クロアチア、フィンランドなどが立候補したとのこと。(3/25記)



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フィギュアスケート (2011.2/4,8,14,17,19,3/1,2,8,10,12)

ヨーロッパ選手権 (2011.1/24〜30 ベルン・スイス)

 <男子シングル>今回から大会方式が変わり、予選から10人(21人エントリー)、直接参加が18人、合計28人でSPを戦い、フリーに進めるのは24人。フリーは昨年より4人増えた。Jスポーツは11番滑走、第3グループから放送。スイスは昨年ランビエールが2位だったので3枠ある。地元スイスの選手、ウォーカーは予選10位で通過。SPは24位でこれまたギリギリでフリーへ。15番滑走のバッキーニ(伊)は、「ピノキオ」の曲。トリプルアクセルは70%で転倒、SP12位。第4グループ最初のジュベール(仏)は、冒頭の4回転はオーバーターンして2回転をつけ、トリプルアクセルはなんとかおりたが3回転ルッツで転倒。演技構成点は三番目の36.54、合計70.44でSP7位から。ベルントソン(スウェ。28)は「アメリ」の曲。ジャンプが不調でSP8位。フェルナンデス(西。19)は、危ない着氷のトリプルアクセルなどジャンプはなんとか決めたが、ステップで二回も転び、SP11位。ヴァンデルペレン(ベルギー。28)は、冒頭で4回転3回転を決め、ジャンプは全て成功。スピンは遅いしステップは上半身を使えず、解説の樋口さんからは「滑りがもっと上手になれば」と言われるが、今更直らないと思う。技術点二番目の39.65、合計73.61でSP4位につける。ヴェルネル(チェコ)は4回転は跳ばず、3回転3回転は決めたがトリプルアクセルで転倒。技術点36.38、演技構成点最高の37.53、合計72.91で5位。ガチンスキー(露)は、軽々と4回転3回転を跳び、SP3位。第5グループは、怪我でGPシリーズ欠場したブレジナ(チェコ)から。トリプルアクセル、連続3回転、3回転ルッツと決め、技術点三番目の39.64、演技構成点四番目の36.49、合計76.13でSP2位。コンテスティ(伊。27)はジャンプの着氷が不安定なものが多かったが、まとめてSP6位。プロベール(仏)は、連続3回転、トリプルアクセルと決めたのに単独ジャンプを転倒して、SP10位。アマディオ(仏)は、キレのあるトリプルアクセル、ルッツからの連続3回転、eマークのフリップ、スピンはレベル3と4で加点が2〜3。全体の加点も4.6以上稼いで、技術点最高の40.75、演技構成点二番目の37.36、合計78.11でSP1位。最後のシュルタイス(スウェ)は、冒頭で4回転からの連続ジャンプを予定したが、70%回転で転倒、トリプルアクセルもオーバーターン、基礎点から全体で3点近く減点されSP15位と出遅れ。
 SP1位、アマディオ(仏)。2位、ブレジナ(チェコ)。3位、ガチンスキー(露)。以 下8位まで、ヴァンデルペレン(ベルギー)、ヴェルネル(チェコ)、コンテスティ(伊) 、ジュベール(仏)、ベルントソン(スウェ)。10位以下では、10位がプロベール(仏)、 11位がフェルナンデス(西)、15位がシュルタイス(スウェ)。

 フリーでは、なんとSP7位からジュベールが総合2位に。1位はアマディオで初優勝。3位はSP5位のヴェルネル。SP2位ブレジナは二回も転倒。SP3位ガチンスキー はトリプルアクセルで一回転倒。地元スイスからフリーに進んだウォーカーとアルヴ ァレスは24位と23位。第1グループの、初出場でスペイン国内2位のラジャ(19)は、予選5位。癖のない滑りで長い手足をうまく使って「トスカ」の曲を表現し、トリプルアクセルも決めたが最後は1回転アクセルになりフリー17位。やはり初出場で予選3位通過のヴィチョレック(独。19)は、188pの長身。後半に3連続ジャンプも決めフリー16位。モナコはISU大会初出場、予選2位でフランス出身のルシンはフリー15位。第2グループのメンショフ(露)は、4回転を二つ成功。トリプルアクセル、3連続ジャンプ、レベル4のスピンなど大きなミスもなく、技術点二番目の78.88、演技構成点64.92、合計143.8でフリー4位。シュルタイスは4回転に挑んだが70%で減点2〜3、バッキーニともどもジャンプが決まらず12位と13位。ベルントソンは二回も転倒、フリー21位。第3グループ三番目のジュベールは、すごい気迫で4回転、トリプルアクセルからの連続3回転、単独トリプルアクセルと決め、レベル4のスピン、ルッツからの3連続も跳んだ。ループとサルコウで片手をついたが、技術点最高の79.03、演技構成点三番目の73.54、合計152.57でフリー1位。初出場から10年連続表彰台へ。フェルナンデスも4回転を跳んだ。酔っ払いの千鳥足を表現したステップなど19歳とは思えない。トリプルアクセルからの連続3回転、ルッツからの連続ジャンプも決めたが回転不足のジャンプやスピン、1回転もあり、フリー7位。最終組は、コンテスティから。きれいなトリプルアクセルから入ったが、だんだんジャンプが悪くなり、転倒こそしなかったが、後半基礎点が1割増しになるところで全て減点。フリー9位。アマディオは、ループでステップアウトしたが、後は速い滑りでマイケル・ジャクソンの曲を滑りきった。技術点三番目の72.89、演技構成点最高の75.86、合計148.75のフリー3位、初出場で初優勝。ブレジナはフリップを二つとも転倒。サルコウとルッツが2回転になるなど自滅してフリー10位。ヴァンデルペレンは、4回転を二つ入れる予定だったが一つだけにしてトリプルアクセルを決めた。連続3回転などジャンプ要素は全て決め、技術点四番目の74.34、演技構成点68.64、合計142.98でフリー5位。ガチンスキーは冒頭の4回転は美しく決めたが次のトリプルアクセルで転倒。トリプルアクセルからの連続も第二ジャンプがつかず失敗。最後の連続ダブルアクセルも最初が1回転に。技術点六番目の71.31、演技構成点四番目の72.0、合計142.31でフリー6位。最後のヴェルネルもマイケル・ジャクソンの曲。冒頭に4回転、トリプルアクセルと決め、後半にルッツからの3連続も入った。トリプルアクセルからの連続ジャンプが1回転になったが、技術点二番目の75.25、演技構成点74.44、合計149.69でフリー2位、総合3位で初の銅メダル。
 表彰式では、アマディオは走り出てきて表彰台の真ん中にぴょんと跳び乗った。2位のジュベールがくると、真ん中から下りて出迎えた。最後にカメラマンが三人に真ん中の台に集まるように言うと、ジュベールとヴェルネルにはさまれ、一番背の低いアマディオは、さらに低くなってみせたりした。

 <女子シングル>予選28人から上位10人が本戦へ。放送は第3クループから。Jスポーツ解説は、太田ゆきなさん。セベスチェンが引退したハンガリーから4年ぶりにパブク(25)が参加。SP19位。予選1位通過のヴァヌ(ベルギー。16)は、ジャンプは全て決め、スピンは三つともレベル4、技術点30.67、合計50.9でSP10位。第4グループはコストナー(伊)から。連覇の期待があったが最初の連続3回転で転倒。ダブルアクセルは跳んだが、単独ループでも転倒。技術点26.02、演技構成点は二番目の29.15、合計53.17でSP6位から。レオノワはアクセルが1回転になり、SP13位。ゲデバニシビリ(グルジア。21)は少し体を絞り、ダブルアクセルは転びそうだったがこらえ、技術点27.03、合計53.68でSP5位。メテ(仏。16)は、ルッツからの連続ジャンプ、レベル4のスピンなど、なかなかの出来で、技術点五番目の29.41、合計51.61でSP7位。マカロワ(露)は、連続3回転を決め、その他の要素も加点1〜2。技術点二番目の32.98、演技構成点三番目の27.37、合計60.35でSP2位。マルシェイ(伊)は、最初の連続ジャンプが壁に近すぎて第二ジャンプが1回転に。モロゾフの振り付けで力強く滑ったが、合計51.24でSP8位。最終組はコルピ(フィン)から。冒頭の連続3回転が決まり、全ての要素に加点。演技構成点も殆ど7点台後半。技術点、演技構成点とも一番の33.18、30.32、合計63.5でSP1位。この大会で引退するマイアー(スイス。25)は、ルッツからの連続ジャンプなどジャンプは全て決め、スピンも二つがレベル4。技術点三番目の31.56、演技構成点四番目の27.0、合計58.56でSP3位。ヘルゲソン(スウェ)は、ほぼノーミスで滑り、合計54.7でSP4位。ヘッケン(独)は、連続3回転などほぼノーミスで滑ったが時間オーバーで減点1。合計51.12でSP9位。

 フリーでは、第二グループ(7-12)のレオノワ(SP13位)が、冒頭の連続3回転を決めてリズムにのり、ルッツがeマークになったくらいで、技術点三番目の55.34、合計105.91を出し、その時点でトップに。第三グループ(13-18)が終わってもまだ1位だった。エストニアの若いトゥキナ(16)は、「ドンキホーテ」でなかなかいい演技構成点。ただずっと目線が下を向いていて、解説の太田さんに「改善する余地がある」と言われる。フリー13位。第三グループのヴァヌ(ベルギー。16)は、ルッツからの連続ジャンプを決め、スピンが上手だった。技術点最高の56.55、演技構成点43.21、合計99.76でフリー6位は上出来か。ベルギーとかルクセンブルクの女子選手は、今回初めて見た。マルシェイ、ヘッケン、メテは二回ずつ転倒。最終組は、SP2位のマカロワから。表彰台を意識したのか、ジャンプが不安定で連続3回転は後半が70%。ループは回転不足で転倒。二つ目のループは1回転。技術点48.51、演技構成点54.18、合計101.69でフリー5位。SP6位のコストナーは、冒頭のフリップでいきなりステップアウトしたが、ダブルアクセルはきれいに決めた。ところが二つ目のループで転倒。ステップはレベル2だが加点1〜3。演技構成点は全ての要素で7点台後半。技術点四番目の54.27、演技構成点最高の62.1、合計115.37でフリー1位、総合2位まで挽回。SP1位のコルピは、最初のトーループでステップアウト、次のルッツで両手つき。スピンはよかったが、ループは転倒。全体にキレのない演技で、技術点45.74、演技構成点四番目の58.16、合計102.9でフリー4位、総合3位に踏みとどまった。SP5位のゲデバニシビリは、ルッツからの連続ジャンプは決めたが、次のルッツは1回転に。サルコウは回転不足で転倒。技術点43.52と伸びず、演技構成点51.76、合計94.28でフリー8位。ヘルゲソンは、3連続の最初が2回転、後半のサルコウが2回転になった以外はほぼノーミス。ところが最後のスピンの前で転倒、時間オーバーもあり、全体からの減点-2。技術点45.63、演技構成点五番目の53.33、合計96.96でフリー7位。SP3位のマイアーは、出てきただけで地元の大歓声。ルッツからの連続ジャンプ、フリップからの連続ジャンプを決めるとダブルアクセル二つ。すごく集中している感じでジャッジ席を見る視線が力強かった。後半には、ルッツも決め、最後のレイバックスピンまでほぼノーミスの演技で、涙ぐんだ。技術点二番目の56.02、演技構成点三番目の56.02、合計112.04でフリー2位、総合優勝。得点を見て驚き、順位を見て「信じられない」というような顔をした。過去2位が二回、昨年は5位だったが、最後に最高の成績でいい終わり方。優勝インタビューのランビエールもすごく嬉しそうだった。翌日のスイスの新聞は、なかなかスポーツでフィギュアスケートを大きく扱わないのに、一面に載ったそうだ。

 <ペア>優勝は、サブチェンコ・ソルコビー組(独)。川口・スミルノフ組(露)は、フリー1位だったのに、総合2位。連覇ならず。16組参加。予選なし。SP15組出場。第二グループのカナク・ボヌール組(仏)は今季組みかえて初出場。SP9位。ゲルボルト・エンベルト組(露。21、21)は、昨年5月に組んだばかり。女性はシングルの選手だった。初出場でSP5位。バザロワ・ラリョノフ組(露。18、24)は、高いツイストリフトが特徴。技術点34.21、演技構成点28.68、合計62.89でSP3位。最終グループは川口・スミルノフ組から。「ツァラトゥストゥラ」の曲で、ソロジャンプ、3回転ループスロージャンプと決め、3回転ツイストリフトも完璧ではないが成功。解説の杉田さんによると「今季のツイストリフトはルッツがフリップ」と決まっているらしい。ロシア大会よりだいぶ調子をあげ、技術点37.57、演技構成点31.92、合計69.49でSP2位。イタリアのベルトン・ホタレック組(20,26)は、2009年から組んだ。ここも女性が以前シングルだった。杉田さんは「イタリアからペアの有望な選手が出るのは珍しい。」いい出来でSP4位。サブチェンコ・ソルコビー組(独)は、貫禄の滑りでSP1位。技術点37.92、演技構成点34.39、合計72.31。杉田さんは絶賛だったが、ソロジャンプは加点2もつくような出来ではなかった。演技構成点の全要素で8点台はすごいが。

 フリーでは、今季不調だったケンプ・キング組(英)が最後のリフトをあげかけたところで転倒、危なかった。怪我はなかったようだが女性はショックが隠しきれず、男性は頭を抱えていた。フリー9位。若いチェコのカドレコワ・ビダール組(15,17)は、二つ目のスロージャンプで転倒した以外は今できることをやり、合計91.49のフリー7位は立派。ゲルボルト・エンベルト組も、ツイストで近すぎて抱えたのと二つ目のスロージャンプで転倒した以外は、3連続ジャンプなども決め、フリー4位。ハウシュ・ウェンデ組(独)は、後半最初のリフトが上がらず無得点。7点ほど失い、合計96.11のフリー6位はショックだろう。最終組のバザロワ・ラリョノフ組は速い滑りでほぼノーミスで演じきり、技術点二番目の64.89、演技構成点60.46、合計125.35でフリー3位。メダルにふさわしかった。サブチェンコ・ソルコビー組は、スピンでサブチェコがまさかの失敗。フライングインで回り始めたが軸足が滑ったようで、あげた足が落ちて止まってしまって無得点。技術点三番目の64.22、演技構成点最高の69.67、合計133.89でフリーは2位だが総合優勝。ベルトン・ホタレック組は、「ロミオとジュリエット」を初々しくノーミスで滑りきった。スロージャンプは転倒したが、冒頭で3連続ジャンプも決め、技術点53.35、演技構成点52.4、合計104.75でフリー5位は、初出場で上々。最後の川口・スミルノフ組は、ソロジャンプで川口が少し着氷をこらえた感じになったのと、ツイストリフトで少し減点されたくらいで、ほぼノーミスに仕上げて、技術点最高の65.62、演技構成点二番目の68.5、合計134.12でフリー1位、総合2位。川口が無表情でどこか具合が悪そうなのが気になった。表彰式では、サブチェンコが寒そうにしていた。よほど会場が寒かったのだろう。

 <アイスダンス>予選15組参加。本番は21組参加。Jスポーツは番組最初に、解説の藤森さんによる今季の大幅改正について説明コーナーを設けてくれたので、ルール変更点がよくわかった。新たに設けられたショートダンスのうち、コンパルソリーだったパターンダンスがセクション1と2に分かれているのはBS朝日の木戸さんの解説でもわかったが、その中で評価するキーポイントが各セクションに4つずつあり、そこを新たにテクニカル・チームが見てレベル判定する。キーポイントは、評価の対象が男性のステップか女性のステップか決まっている。ジャッジは7段階の出来映えを判定する。そこでキーポイントさえ上手く滑ればレベルが取れるという事態もあり、ジャッジがダンス全体としての評価でバランスがとれればいいのだが、レベルに左右されがちになる、ということだった。
 四番滑走で予選から出場のリード・ヤパリゼ組(グルジア)。リフトの時間オーバーもあり、合計46.86でSD16位。キャロン・ジョーンズ組(仏)は、男性の方が上手いと思っていたが今回は女性の方が動きがよかった。合計57.23でSD8位。カー姉弟(英)は、GPシリーズカナダ大会の後、姉のシニードが肩を傷めてロシア大会と国内選手権を欠場、ここが復帰戦。まだエンジン全開とはいかず技術点32.0、演技構成点30.87、合計62.87でSD3位。ホフマン・ザボジン組(ハンガリー)は、パターンダンスを第二セクションから入る難しい形でレベル2しかとれず、合計58.0のSD6位。最終グループは、現在ロシア二番手のリアザノワ・トカチェンコ組から。技術点三番目の32.5、演技構成点28.41、合計60.91のSD5位。現在ロシア王者のボブロワ・ソロビエフ組は、全てのジャッジから全ての要素に加点をもらう出来で、まだ若いが「風格が出てきた」と藤森さんも言う。技術点二番目の34.07、演技構成点二番目の31.39、合計65.46でSD2位。ファイエラ・スカリ組(伊)は、GPシリーズロシア大会のフリーを男性の怪我で欠場した。なんと冒頭のツイズルで女性が2回転目でバランスを崩し、無得点。リフトも「マイフェアレディ」の曲想に合っているがレベル2。技術点26.75、演技構成点四番目の30.43、合計57.18でSD9位と出遅れ。ロシア三番手のイリニク・カツァラポフ組は、まず速いツイズルでレベル4に加点1〜3。リフトも「今風」の速い姿勢変化でレベル4に加点1〜3。他もノーミスで滑りきり、技術点六番目の31.79、演技構成点五番目の29.14、合計60.93でSD4位。最終滑走はペシャラ・ブルザ組(仏)。過去二回4位が最高成績。全ての要素に全ジャッジから加点1〜2をもらい、技術点最高の34.13、演技構成点も最高の32.78、合計66.91でSD1位。初のメダルの可能性。

 フリーダンスでは20組に絞られた。二番目にリード・ヤパリゼ組。最初はスピードがあったが最後は少し疲れた。解説の藤森さんから「こういう曲を滑るなら、もっとスケート技術、ステップなど磨いてほしい」と言われる。コーチがプラトフさんなので期待している、とも。フリー17位。SD7位のジガンシナ・ガッジ組(独)は、四年ぷりの出場。オルゴールのような編曲のリストの曲で、オルゴール人形のような動きで始まった。技術点43.64、演技構成点39.23、合計82.87でフリーも7位、総合7位。ホフマン・ザボジン組は「ジプシーの魔女」の曲。最後のストレートステップで男性が一瞬止まり駆けたように見えたが、スピン、ツイズルなど速く回り、レベルも4。技術点40.21、演技構成点42.09、合計82.3でその時点の1位だったが、二人もコーチも得点に不満そうだった。フリー8位、総合8位。第3グループ最後にファイエラ・スカリ組。鬼門のツイズルも見事にこなし、レベル4。以前女性のスカートの裾を男性が踏んだので、だいぶ短くなっていた。この大会を最後に引退するらしい。フリーはノーミスで全体で6点以上加点がつき、技術点42.15、演技構成点46.59、合計88.74のフリー5位、総合5位と挽回。最終組は、カー姉弟から。女性の体のキレが今ひとつだったが、技術点45.87、演技構成点三番目の48.75、合計94.62でフリー3位、総合も3位。リアザノワ・トカチェンコ組は「メキシコ」という曲。女性は南米風に浅黒い化粧。合計84.14でフリー6位、総合6位。続けて若いロシアのイリニク・カツァラポフ組。若さあふれるスピードある演技で滑りきった。技術点46.13、演技構成点五番目の46.42、合計92.55はもちろん今季最高で、すごく嬉しそうだった。フリー4位。ボブロワ・ソロビエフ組(露)は、うまくなったとは思うが、どこと言えない。技術点二番目の46.92、演技構成点も二番目の49.76、合計95.68でフリー、総合2位。ヨーロピアン参加二年目でメダル。ペシャラ・プルザ組は、全ての要素に全てのジャッジから1〜3の加点をもらい、技術点最高の48.85、演技構成点最高の51.64、合計10.49で初優勝。
 エキシビションには、ゲストスケーターとして、もう50代のビールマンと引退したばかりのランビエールが登場した。ビールマンは、さすがにビールマンスピンはしなかったが、今でも競技会にでられるではないかというくらいの美しい滑り。スピンも速かった。ランビエールジャンプで一回転倒したが、やはり世界一のスピンは健在。



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フィギュアスケート (2011.3/21,28,30,31,4/1,2)

四大陸選手権 ペア・アイスダンス (2011.2/15〜20 台北)

 <ペア>10組参加。二番滑走のデュハメル・ラドフォード組(加、25、25)は、今季組んだばかりだが国内選手権で2位。ソロジャンプで転倒したが、スピンとステップとリフトはレベル4。技術点二番目の35.38、演技構成点五番目の25.54、合計59.92でSP3位。次のローレンス・スワイガー組(加。21、25)は、国内3位。こちらもスピンとステップはレベル4。技術点三番目の34.21、演技構成点四番目の25.77、合計59.98で僅差のSP2位。カナダ国内王者のムアタワーズ・モスコヴィチ組(18,26)は、なぜか二人の息が合っていず、ソロジャンプ、スロージャンプ、ステップなど減点評価。合計54.41のSP5位から。七番滑走の高橋・トラン組は、最初のソロジャンプで二人とも転倒。スロージャンプも両足着氷で片手をつき、技術点26.77、演技構成点六番目の25.48、合計50.25でSP8位と出遅れた。Jスポーツの解説、杉田さんは「なかなかいいプログラムでどんどん成長している」。エボラ・ラドウィク組(米。26、30)は組んで9年目のベテラン。ツイストはよかったが、次のソロジャンプで男性が転倒、右足の靴が壊れてしまい、履き替えるアクシデント。再開後のスロージャンプはなんとか立ったが、スピンやステップは、ずれて減点評価。合計52.23でSP6位。パン・トン組(中。31、31)は別世界。Jスポーツの藤吉アナが「他の組には失礼ですがひと組だけ別格のような…」と言うと解説の杉田さんが「その通りです」。冒頭の3回転ジャンプは豪快に決め、ツイストはレベル2だが高く真横になり加点2と3。デススパイラルは男女とも低い姿勢でレベル4、ステップの最後で男性が軽くよろけたのが、唯一のミス。と見えたが時間オーバーで減点1。技術点最高の39.29、演技構成点最高の33.12、合計71.41でダントツのSP1位。最終滑走は、全米王者のヤンコウスカス・コーフリン組。スロージャンプがステップアウトし、ソロジャンプは二人とも2回転。滑りにキレがないし、スピンもずれ、全米王者の面影なし。技術点29.02、演技構成点26.23、合計55.25のSP4位。

 フリーは、SP最下位、今年組んだばかりで全米4位のマーリー・ブルベイカー組(米)から。ツイストはやはり抱えてしまったが、連続ジャンプは決まった。合計98.86で、フリー8位。高橋・トラン組は、高橋が冒頭のソロジャンプ、後半最初のアクセルからの連続ジャンプともに転倒。しかしその他のツイスト、デススパイラル、リフト、スピンなど全ての要素がレベル4。杉田さんは「トランの滑りが非常によくなった。」と言う。技術点52.56、演技構成点51.82、合計102.38でフリー7位。 前半グループ最後のSP5位、ムアタワーズ・モスコヴィチ組(加)は、後半のスロージャンプの転倒以外は、よい出来。リフトとスピンはレベル4、技術点三番目の58.93、演技構成点四番目の53.55、合計111.81のフリー3位、逆転で総合3位。後半グループ最初のエボラ・ラドウィク組は、女性がソロジャンプで二回転倒。演技後半は立ち直ったが、合計105.07でフリー6位。パン・トン組も、女性のジャンプが不調。冒頭の連続ダブルアクセルは第二ジャンプが1回転。次も3回転のはずが2回転。しかし後はミスなく、二つ目のスロージャンプは加点2〜3。技術点二番目の61.23、演技構成点最高の66.81、合計128.04でフリーーも1位、3回目の優勝。前日、アメリカ・ペアに男性が靴を貸したローレンス・スワイガー組は、連続ダブルアクセルと一つ目のスロージャンプでミス。最初は勢いのある滑りだったが、どんどん遅くなる。技術点四番目の58.2、演技構成点五番目の53.55、合計111.75で、僅差のフリー4位。3位との差は0.06。SP3位のデュハメル・ラドフォード組は、3回転フリップからの3連続はeマークがついたが、後は全て加点の出来で、スピードも終始落ちず、技術点最高の66.55、演技構成点55.32、合計121.87の今季最高、フリー2位で総合2位。最終のヤンコウスカス・コーフリン組は、ダブルアクセルのソロジャンプから入り、スロージャンプ3連続ジャンプとよかったが、二つ目のスロージャンプが1回転になってしまい、リフトやスピンはレベル4だが、技術点五番目の57.16、演技構成点三番目の54.56、合計111.72で僅差のフリー5位。4位とは0.03差。

 <アイスダンス>5ヵ国12組参加。日本のリード姉弟は不参加。第二グループ最初にヴァーチュー・モイヤー組(加)登場。今季前半は、女性の怪我と手術で休み。これが復帰戦。タンゴとワルツの曲でなかなかステキだったが、ツイズルなど昨季に比べるとキレがないのはやむなしか。ステップ以外はレベル4で、一人の減点もなく、技術点最高の35.64、演技構成点二番目の33.76、合計69.4でSD1位。Jスポーツの解説の藤森さんは、8人のジャッジが7〜8点台を出している演技構成点で「一人だけ全て5点台をつけたジャッジがいて、テクニカルコントローラーが『どうしてそんな点をつけたのか個人的に教えてほしい』と言った」と言う。カナダ二番手で今年は国内王者のクローン・ポワリエ組(20、19)は、逆さづりのリフトから入り、GPシリーズの時よりいい滑りだと思ったが、ボーカルの曲でワルツらしくはなかった。技術点五番目の33.50、演技構成点四番目の28.16、合計61.66のSD5位。6年連続出場のフアン・シェン組(中)は、男性がシブタニ兄の動きに学んだとかで、表現力はずいぶんついてきたと思う。藤森さんは「フリーレッグがきれいになった」と言う。ステップとパターンダンスの第二部分はレベル2だが、ツイズルとリフトはレベル4。技術点28.42、演技構成点24.51、合計52.93でSD7位。昨年優勝でカナダ三番手のウィーバー・ポジェ組は、今季最高点を出した。全ての要素がレベル4、技術点最高の36.5、演技構成点三番目の28.95、合計65.45でSD3位。最終組は、デイヴィス・ホワイト組(米)から。なんと最初のツイズルで女性が二度ほどよろけた。レベルは4だったが、減点したジャッジもいた。その動揺かステップとパターンダンスの第一部分でレベル3。技術点三番目の34.5、演技構成点最高の34.51、合計69.01でSD僅差の2位。シブタニ兄妹は、初出場。高速ツイズルはレベル4、ステップはレベル3だったが、全ジャッジが加点1〜2。パターンダンスもリフトもレベル4で、技術点四番目の34.22、演技構成点五番目の27.82、合計62.04のSD4位。中国王者のユウ・ワン組は、8年連続出場。フアン・シェン組と同じシュトラウスの「青木ドナウ」。ツイズルは第三シリーズまでありレベル4だが、その他の要素はレベル3と2。技術点27.78、演技構成点22.8、合計50.58のSD8位と出遅れた。最終滑走のチョーク・ズーライン組(米)は、ツイズルで男性がミスして全員が減点評価。ステップ、リフトでレベル4もとったが、パターンダンスの第二部分でレベル2。技術点30.94、演技構成点26.2、合計57.14でSD6位。

 フリーでは、チョーク・ズーライン組が今季最高点を出した。SDでミスのあったツイズルも上手に進み、レベル3。ステップ以外は全てレベル4。リフトの入り方にも工夫があり、技術点四番目の44.15、演技構成点五番目の41.15、合計85.3でフリー5位。クローン・ポワリエ組は「エリナー・リグビー」の曲。GPシリーズの時より滑り込んで、独創的なリフトも時間内。二つ目のステップ以外の要素全てレベル4。技術点三番目の47.27、演技構成点四番目の42.9、合計90.17でフリー3位、総合3位。逆転で初の表彰台。フアン・シェン組は「雨に歌えば」の曲。ずいぶん曲想表現ができるようになってきた。藤森さんも「最後まで楽しそうな顔で滑れていた」と評価。ただなぜかプログラムが長く感じる。編曲のせいか。技術点40.01、演技構成点37.35、合計77.36でフリー6位。シブタニ兄妹は、自己ベストを大きく更新した。ポーズが美しく決まるのも、滑りの技術が安定しているからなのがよくわかる。ツイズルなどは全米の方が速かったかもしれないが、技術点二番目の48.76、演技構成点も二番目の44.58、合計93.34でフリー2位、総合2位。初出場でメダル獲得。デイヴィス・ホワイト組は、二つのステップがレベル3だが後は全てレベル4。しかも加点が全体で10点以上。演技構成点全ての要素で8点台後半。技術点最高の50.01、演技構成点最高の53.01、合計103.02でダントツのフリー1位、連覇。ヴァーチュー・モイヤー組は、ラテンのリズム。前半がミラー、後半が普通に並行して進むツイズル、直線のステップ、一つ目のリフトをしたところで女性が演技を中断。今回の手術は、前にしたところと同じだったが、もう痛みはないということだった。ただ、「まだ回復途上で、違和感があるときもあり、最後までもたない」と判断したので、棄権となった。残念だが、世界選手権が4月末になったので、治して出てきてほしい。最終滑走は、急に早めに出ることになった、ウィーバー・ポジェ組。サーキュラーステップ、ツイズルとうまくいっていたが、スピンに入るところで男性の靴紐が女性のスカートにからんで、ふりほどくのにもたつき、スピンは無得点。少し動揺が残ったのか、後の要素は全てレベル4はとったが、直線のリフトで男性がバランスをくずしかけ、GOEは0から-2。技術点五番目の42.29、演技構成点四番目の43.4、合計85.69でフリー4位、総合4位。僅差でメダルを逃した。1位と2位は、16点以上開いた。3位と4位の差は0.69。


フィギュアスケート (2011.2/19,20,23,25,28)

四大陸選手権 (2011.2/15〜20 台北)

 <男子シングル>20人参加。5人ずつ4組。地元台湾から三人出たが、18〜20位。第2グループ最後のマーバヌーザデー(米。19)はほぼノーミスで、合計66.40のSP5位。引退返上したソーヤー(加。26)は、アクセルが2回転に。連続3回転は決めたが単独ルッツが70%で減点。合計65.71でSP7位。アボット(米。25)は全米で4位で四大陸へ。連続3回転、トリプルアクセルはよかったが、フライングスピンがレベル1、ステップもつまずき、それでも技術点37.87、演技構成点38.86、合計76.73でSP2位。髪の毛を切ったリッポン(米。21)は「ロミオとジュリエット」の曲。いきなりトリプルアクセルで転倒。しかし後は連続3回転レベル4のスピンとまとめて技術点38.13、演技構成点35.58、合計72.71でSP4位。4回転を二つ予定していたレイノルズ(加。20)は、冒頭の連続ジャンプの4回転は決めたが、トリプルアクセルと単独4回転で転倒。合計65.47でSP8位から。最終組最初の全日本王者、小塚(21)は、少し滑りが固いと思ったら、冒頭の連続ジャンプのはずのルッツでバランスを崩し、第二ジャンプを跳べず、トリプルアクセルでも同じようによろけて両手つき。技術点30.49、演技構成点35.76、合計66.25でSP6位と出遅れ。世界王者の高橋は最初から速い滑りで、連続3回転、トリプルアクセルと鮮やかに決め、フライングスピンもたぶん初めてレベル4、ステップも素晴らしく、ほぼ全てのシャッジが加点3。技術点42.35、演技構成点41.14、合計83.49は今季最高、一人抜け出た得点でSP1位。昨季ジュニア王者の羽生(16)は、きれいなトリプルアクセルから入り、ルッツからの連続3回転も決めた。単独のフリップがeマークで減点だったが、スピン二つがレベル4、ステップもレベル3で、技術点二番目の40.76にのせ、演技構成点35.67、合計76.43でSP3位は上々。ソン(中。20)は、冒頭のルッツからの連続3回転とトリプルアクセルはよかったが、単独のフリップが1回転になってしまい、続くスピンは入り損ねて無得点、ステップも手をついて、合計60.47でSP12位。

 フリーは、カナダ生まれ、カナダ育ちの台湾のジュウ(15)が一回転倒したがSP18位からフリー17位。SP15位の韓国のキム(18)がきれいなトリプルアクセル、素直な滑りでフリー14位。ソンは、トリプルアクセルからの連続ジャンプ、ルッツからの3連続などジャンプはがんばったが、ループで転倒。フリップはeマークで片手付き、それでも技術点四番目の75.02、合計134.66でその時点で1位、フリー8位と少し挽回。モスクワ生まれのジー(ウズベキスタン。19)は、見た目はロシア人。でもアメリカのキャロルコーチに学んでいるので、見栄の切り方などアメリカ風。フリー12位。第3グループに小塚。冒頭の4回転は回っていたが転倒。トリプルアクセルからの3連続、ルッツからの連続3回転などを決め、2回転サルコウもあったがスピンは三つともレベル4、ステップは加点3をつけた人も。技術点一番の83.19、演技構成点三番目の75.08、合計157.27でフリー2位、総合4位と挽回。グァン(中。21)は、中国3人の中で一番滑りが滑らか。フリー6位、総合6位。レイノルズは4回転を二つ跳んだがどっちも転倒。ループとふたつめのトリプルアクセルは1回転になるなどいつもの勢いがなく、フリー11位。最終組は、全米4位のアボットから。冒頭の4回転は転倒。トリプルアクセルからの連続ジャンプは、アクセルの着氷が減点。ルッツからの3連続も減点など万全ではなかったがなんとかまとめ、技術点71.7、演技構成点二番目の78.28、合計148.98でフリー4位、総合3位で表彰台。マーバヌーザデーは連続3回転やダブルアクセルからの3連続など跳んだが、トリプルアクセルで減点もあり、フリーは10位、総合7位。羽生は、4回転成功! 加点も2ついた。トリプルアクセルからの連続3回転も決めたが、ルッツが1回転に。解説の樋口さんによればストレートステップは「少し簡単すぎたかもしれない」が、加点は0から3。技術点三番目の78.2、演技構成点四番目の73.38、合計151.58でフリー3位、総合2位。高橋は、プログラム後半に手を入れた。冒頭の4回転は回転不足もとられ転倒。トリプルアクセルからの連続ジャンプ、ルッツからの連続3回転を決めたが、後半のスピンは二つともレベル2。ステップは加点が2〜3。技術点二番目の78.65、演技構成点最高の82.86、合計160.51で、フリー1位、総合優勝。最後のリッポンは、冒頭のトリプルアクセルからの連続ジャンプのはずがダブルアクセルに。単独のトリプルアクセルは回転不足。スピンは三つともレベル4だが、ジャンプの精度が悪く、フリー5位、総合5位。表彰式では日の丸二枚と星条旗一枚。

 <女子シングル>29人参加。Jスポーツでは第三グループから放送。第四グループに全日本女王・安藤、全米2位・フラット、カナダ女王・ファヌフ、全米女王のシズニーと豪華メンバー。第五グループに世界女王の浅田真央、鈴木明子、全米3位の長洲未来。地元の台湾からは男子と同じく三人参加。メリンダ・ワンというアメリカNY生まれ、アメリカ育ちが台湾女王で、SP14位。「四大陸」というだけあって、南アフリカやオーストラリア、プエルトリコからの選手も。安藤は素晴らしかった。冒頭の連続ジャンプは3回転ルッツ2回転ループだが、軽くはねるように跳び、「あえて3回転3回転にしないでどのくらい評価されるか知りたかった」と言うが、基礎点7.8に加点が1〜3つき9.1。全体で基礎点28.4に7.29も加点、技術点最高の35.69という驚異的な高得点。レースをあしらったような淡い色の衣装も曲によく合っていた。演技構成点も最高の30.89でSP1位。フラット(18)は真っ黄色の衣装にしてきた。だいぶ体も絞り、ジャンプ、滑りとも復調。冒頭こそ連続3回転の予定を3回転2回転にしたが、ノーミスで技術点二番目の33.43、演技構成点五番目の28.8、合計62.23でSP3位。ファヌフ(23)とシズニー(23)はルッツで転倒。二人とも落ち着いて次のジャンプを連続に切り替えた。シズニーのスピンは三つともレベル4でどれもうっとりするほど美しい。技術点四番目の31.0、演技構成点も四番目の28.94、合計58.94でSP5位。ファヌフは合計55.65でSP7位。最終組の一番滑走に真央(20)。冒頭のトリプルアクセルが両足着氷。回っていたように見えたが70%評価で-2〜-3。3回転フリップからの連続ジャンプも三人から減点評価。基礎点は安藤より2点高い30.4だが加点が少なく技術点三番目の33.2、演技構成点二番目の30.21、合計63.41でSP2位。鈴木(25)は、解説の杉田さんによると「いつもの勢いが少し足りない。」冒頭のフリップはeマークの上70%、スピン、ステップは加点をもらったが、技術点六番目の29.61、演技構成点も六番目の28.03、合計57.64でSP6位。最後の長洲(17)は、連続ジャンプのルッツが70%、フリップはeマーク、スピンは三つともレベル4で加点も付いた。演技構成点は全ての要素で7点台を出し、技術点五番目の30.55、演技構成点三番目の29.23、合計59.78でSP4位。

 フリーは、最終組に日本の三人とアメリカの三人が入り、解説の杉田さんが嬉しそうに「日米対抗みたいになった。世界のトップクラスの充実した顔ぶれ」と言うだけのメンバー。第二グループ最後のキムは在日コリアンの選手。残念ながらジャンプが決まらず、転倒も一回でフリー14位。第三グループには、カナダの選手が三人。サムソン、ラコステ、ファヌフともベストの演技ができず。ファヌフはフリー6位、総合6位。カク(韓)は、冒頭のルッツからの連続ジャンプの第二ジャが1回転に。フリップもeマーク、後半のサルコウも1回転と不調でフリーも8位。最終組のフラットは、アクセルからの連続ジャンプでループが70%、続くフリップからの連続3回転は、フリップの着氷が悪く後ろは2回転に。後半、ルッツからの3連続などがんばり、今季最高点を更新したが、まだいいときのスピード、キレは戻っていない。技術点四番目の60.07、演技構成点五番目の57.14、合計118.08でフリー4位。長洲は、ノーミスの演技。全米SP1位からフリーで取りこぼして3位となり、世界選手権を逃したことをキャロルコーチからだいぶ叱られたという。衣装は着物の袷のようなデザイン、音楽は映画「サユリ」から。フリップはeマークだが、スピンは三つともレベル4で、特にレイバックスピンはほぼ全てのジャッジから加点3。技術点三番目の69.61、演技構成点三番目の60.07、合計129.68でフリー3位、総合3位。初出場で表彰台。安藤は、体調に不安があるとかで冒頭は3回転ルッツ2回転ループに変更したがノーミスの演技。スピンは三つともレベル4、アクセルからの3連続ジャンプで加点0が二人いただけで全ての要素に加点がついた。演技構成点もつなぎの要素以外は7点台後半。技術点最高の73.03、演技構成点二番目の61.73、合計134.76は今季最高、フリーも1位で完全優勝。鈴木は冒頭の連続ジャンプの予定が1回転に。後半のルッツ、フリップ、ループ、サルコウと次々着氷が不安定で減点。ステップとスピンでは加点をもらったが、技術点八番目の49.18、演技構成点六番目の55.77、合計104.95でフリー7位、総合6位。シズニーは、冒頭のルッツからの連続ジャンプは決めたが、フリップが回転不足で転倒。後半のルッツも回転不足。得意のスピンも杉田さんに「SPの方がスピードがあった」と言われてしまい、ひとつはレベル3。技術点五番目の52.82、演技構成点四番目の58.05、合計109.87のフリー5位。真央は、冒頭のトリプルアクセル、フリップからの連続ジャンプも決まり、ルッツもeマークながら決めた。後半、ダブルアクセルからの連続ジャンプと3連続ジャンプで70%になったが、他は加点がつき、技術点二番目の70.18、演技構成点最高の62.71、合計132.89でフリー2位、総合2位。表彰式では男子と同じく日の丸二枚と星条旗一枚。  



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