HOME MG Book Soccer Propile


2014フィギュアスケート・バックナンバー


12/25〜28 全日本選手権 (長野)
12/11〜14 ジュニア・グランプリ・ファイナル (バルセロナ)
12/11〜14 グランプリ・ファイナル ペア・アイスダンス (バルセロナ)
12/11〜14 グランプリ・ファイナル (バルセロナ)
11/22〜24 全日本ジュニア (新潟市)
11/28〜11/30 NHK杯 (GPシリーズ第6戦・大阪)
11/21〜23 ボンパール杯 ペア・アイスダンス (GPシリーズ第5戦・ボルドー)
11/21〜23 ボンパール杯 (GPシリーズ第5戦・ボルドー)
11/14〜16 ロシア杯 ペア・アイスダンス (GPシリーズ第4戦・モスクワ)
11/14〜16 ロシア杯 (GPシリーズ第4戦・モスクワ)
11/7〜9 中国杯 ペア・アイスダンス (GPシリーズ第3戦・上海)
11/7〜9 中国杯 (GPシリーズ第3戦・上海)
10/31〜11/2 スケート・カナダ ペア・アイスダンス (GPシリーズ第2戦・ケロウナ)
10/31〜11/2 スケート・カナダ (GPシリーズ第2戦・ケロウナ)
10/24〜26 スケート・アメリカ ペア・アイスダンス (GPシリーズ第1戦・シカゴ)
10/24〜26 スケート・アメリカ (GPシリーズ第1戦・シカゴ)
3/26〜29 世界フィギュアスケート選手権 ペア・アイスダンス (埼玉)
3/26〜29 世界フィギュアスケート選手権 (埼玉)
3/10〜16 世界ジュニア・フィギュアスケート選手権 (ソフィア・ブルガリア)
2/19,20 ソチ・オリンピック 女子 (ソチ・ロシア)
2/16,17 ソチ・オリンピック アイスダンス (ソチ・ロシア)
2/13,14 ソチ・オリンピック 男子 (ソチ・ロシア)
2/12,13 ソチ・オリンピック ペア (ソチ・ロシア)
2/6,8,9 ソチ・オリンピック 団体 (ソチ・ロシア)
1/22〜25 四大陸選手権 (台北)
1/10〜12 カナダ選手権 (オタワ)
1/5〜12 全米選手権 (ボストン)
1/15〜19 ヨーロッパ選手権 (ブタペスト・ハンガリー)

ページトップへ

フィギュアスケート (2014.12/26,28,29,30)

全日本フィギュアスケート選手権 (2014.12/25〜28 ビッグハット・長野)

 <男子シングル>30人出場。第3グループ18番滑走で宇野(17)。今季全日本ジュニア優勝、ジュニアGPファイナル優勝。曲はベートーベン「バイオリンソナタ第9番」。構成予定は3A/4T/CSSp/3F+3T/FCSp/StSq/CCoSp。ジュニアのSPには4回転は入れられないが、ここで変更してきた。ほぼノーミスのすばらしい出来。冒頭のトリプルアクセルは、ほんの少しフリーレッグがタッチした。しかし4回転は見事に着氷。後半のフリップからの連続3回転もきれいに決めた。スピンも速いし、ステップでは腕一本で音楽を表現。最後のスピンはトラベリングし、少しバラけたが、終わったとき観客が次々と立ち上がって拍手。宇野も驚きながら嬉しそうだった。技術点2番目の48.68、演技構成点6番目の36.85、合計85.53でSP3位。得点が出ると、どよめき。それまで1位の、ジュニアGPファイナル2位の山本(14)の67.19との差が大きかった。
 第4グループ20番滑走で村上大介(23)。今季GPシリーズNHK杯優勝。曲は「ロクサーヌのタンゴ」。構成予定は4S+2T/3A/CSSp/3F/FCSp/StSq/CCoSp。初優勝したNHK杯では、ノーマーク、ノープレッシャーだったが、一躍注目の一人になり、少し固かった。笑顔で入り、4回転サルコウ2回転成功。トリプルアクセルもきめる。ステップからのフリップも成功。途中少し無表情になりながら、ステップでは笑顔になり、ほぐれてきた。技術点4番目の43.53、演技構成点5番目の37.75、合計81.28でSP4位。宇野に届かず。
 21番滑走で坪井(岡山大。22)。昨季ユニバーシアード出場。今季西日本選手権3位。曲はショパン「ノクターン」。構成予定は3T+3T/3A/CSSp/FUSp/3Lz/CCoSp/StSq。大学4年間の集大成とか。しかし冒頭の連続3回転はなんとかオーバーターンでこらえるが、トリプルアクセルはばらけ、2回転で転倒。フジ解説の本田が「パンクで1回転だと無得点になるので、回転不足でも2回転にしてきた。」と言う。ステップからのルッツは成功。スピンとステップはかなりいいので、ジャンプさえ決めれば国際レベルでやれると思う。技術点27.96、演技構成点28.3、合計55.26でSP15位。

 22番滑走で無良(23)。今季GPシリーズスケートカナダ優勝、ボンパール杯2位、GPファイナル5位。曲は「カルメン」。構成予定は4T+3T/3A/CCoSp/CCSp/3Lz/StSq/FSSp。冒頭スピードがなく、4回転転倒。第2ジャンプ付かず。得意のトリプルアクセルは高く、成功。後半、ルッツからの連続3回転も決める。技術点5番目の41.19、演技構成点4番目の38.35、転倒の減点1、合計78.54でSP5位。宇野に届かず。
 23番滑走で羽生(20)。今季GPシリーズ中国杯2位、NHK杯4位、GPファイナル優勝。曲はショパン「バラード第1番ト短調」。構成予定は4T/CSSp/FCSp/3A/3Lz+3T/StSq/CCoSp。冒頭の4回転を落ち着いて鮮やかに成功。後半、トリプルも決める。しかしルッツからの連続3回転の予定が、ルッツの軸が傾き、かろうじて立つと、なんとか2回転を付けた。終わったとき苦笑い。それでも技術点最高の48.76、演技構成点も最高の45.6、合計94.36でSP1位。
 最終グループ26番滑走で日野(19)。今季西日本選手権優勝。曲は「Lunatico」。振付は宮本賢二。構成予定は4T/3A/FCSp/3Lz+3T/CSSp/StSq/CCoSp。冒頭の4回転で両手つきの転倒扱い。トリプルアクセルも転倒。後半、ルッツからの連続3回転は決める。しかし、基本の滑りが良くなったようで、ジャンプも安定してきた。 技術点33.53、演技構成点29.7、転倒の減点2、合計61.23でSP10位。

 27番滑走で田中刑事(20)。今季GPシリーズ中国杯8位。曲は昨季と同じ「インスティンクト・ラプソディ」。構成予定は4S/3A/FCSp/3F+3T/CSSp/StSq/CCoSp。4回転が不調で、冒頭はトリプルアクセルに替えたがステップアウト。フリップからの連続3回転は成功。しかし、ステップからのルッツが2回転になり、要素を失う。技術点29.28、演技構成点7番目の33.55、転倒の減点1、合計62.83でSP9位。
 29番滑走で小塚(25)。今季GPシリーズスケートカナダ8位、ロシア杯6位。曲はタンゴの「Evaristo Cariego」。構成予定は4T/3A/CCSp/FSSp/3Lz+3T/StSq/CCoSp。冒頭の4回転は転倒。トリプルアクセルはなんとかこらえる。ルッツからの連続3回転の予定が、ルッツでステップアウトしてから2回転を付けた。スピンとステップはすばらしいのにもったいない。どうして最近ジャンプが決まらないのだろう。技術点9番目の32.54、演技構成点3番目の40.85、転倒の減点1、合計72.39でSP6位。
 最終滑走で町田(24)。今季GPシリーズスケートアメリカ優勝、ボンパール杯2位、GPファイナル6位。曲は「バイオリンと管弦楽のための幻想曲」。構成予定は4T+3T/3A/CCSp/FSSp/StSq/3Lz/CCoSp。復調したところを見せた。冒頭で4回転3回転を決める。トリプルアクセルも成功。終盤、ステップからのルッツも決め、終わると、場内は観客が総立ち。技術点3番目の48.16、演技構成点2番目の42.0、合計90.16でSP2位。

 フリーは24人。第3グループ14番滑走で田中刑事。曲はオペラ「椿姫」より。振付はスカリ。構成予定は4S/3A/3F+3T/CSSp/StSq/3A+2T/3Lz/3S+2T+2Lo/CCoSp/3Lo/3F/ChSq/FCSp。冒頭の4回転サルコウ転倒。トリプルアクセルは決め、全ジャッジが加点。しかし次のフリップからの連続3回転の予定が二つとも2回転に。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。後半のルッツ、ループも2回転に。サルコウからの3連続とフリップは決めた。スピン二つはレベル3、最後のスピンはレベル1。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。一ヵ月前に腰を傷めて体調が万全でなかったらしい。技術点57.2、演技構成点7番目の68.4、転倒の減点1、合計124.6でフリー7位、総合8位。
 17番滑走で日野。曲は映画「キング・アーサー」より。構成予定は4T/3A+3T/3Lz+2T/3Lo/StSq/CCoSp/3A/3S/3Lz/3F/CSSp/ChSq/FCCoSp。冒頭の4回転と続くトリプルアクセルも転倒。ルッツからの連続3回転の予定がルッツが2回転に。ステップはフラット気味でレベル2。後半、二つめのトリプルアクセルはステップアウトで第2付かず。サルコウ、ルッツからの連続ジャンプ、ソロのルッツは決める。スピンは二つがレベル3、一つレベル2。技術点60.6、演技構成点61.5、転倒の減点2、合計120.1でフリー9位、総合9位。
 18番滑走でSP7位の山本(14)。今季全日本ジュニア2位、ジュニアGPファイナル2位。曲は「ローレライ」。構成予定は3A/3Lz+3T/FSSp/3F+2T/FCCoSp/2A+1Lo+3S/3Lo/3Lz/3F/StSq/2A/ChSq/CCoSp。冒頭のトリプルアクセル転倒。ここがネック。ルッツからの連続3回転は軽く決め、全ジャッジが加点2。スピンは三つともレベル3で全ジャッジが加点。最後のスピンは加点1〜3。ダブルアクセルから1回転をはさむ3連続も成功、全ジャッジが加点2〜3。後半、ループ、ルッツ、フリップと全ジャッジが加点の出来だったが最後のダブルアクセルが乱れた。ステップはレベル3。技術点5番目の74.81、演技構成点8番目の65.8、転倒の減点1、合計139.61でフリー6位、総合6位。世界ジュニア代表に選出。

 最終グループ19番滑走で宇野。曲は「ドンファン」。構成予定は4T/3A/3A+2T/CSSp/StSq/2A+1Lo+3F/3S/3Lo/3Lz/FCSp/3F+3T/ChSq/CCoSp。冒頭の4回転きれいに成功、ほぼ全ジャッジが加点。次のトリプルアクセルはこらえた。二つめのトリプルアクセルからの連続ジャンプは高く跳び、全ジャッジが加点1〜3。スピンは三つともレベル3。ステップはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。後半、ダブルアクセルからの3連続も決め、ほぼ全ジャッジが加点。サルコウ、ループ、ルッツと決めたが疲れてきて、フリップからの連続3回転では第2がアンダーローテーションで乱れた。コリオシークエンスもほぼ全ジャッジが加点。最後のジャンプ以外は、渾身の演技でほぼノーミス。ものすごく汗だくだったが、高得点には嬉しそうだった。樋口コーチは信じられない様子。技術点2番目の87.55、演技構成点も2番目の89.0、合計165.75でフリー3位、総合2位。最終グループの他の選手たちに圧力をかける。世界ジュニア代表と四大陸選手権代表に選出。
 20番滑走で無良。曲は「オペラ座の怪人」。構成予定は4T+3T/4T/3A/FSSp/StSq/3Lo/3A+2T/3F/CCSp/3S+1Lo+2S/ChSq/3Lz/CCoSp。冒頭の4回転は片手つき。しかし二つめの4回転に3回転を付け、全ジャッジが加点。トリプルアクセルも全ジャッジが加点2。フライングスピンはレベル3、ステップはレベル2だがいずれも全ジャッジが加点。後半、なぜかループでステップアウト。トリプルアクセルからの連続ジャンプは成功、全ジャッジが加点。次のフリップはeマークの上、途中で開き、ダウングレード。サルコウからの3連続は第2がアンダーローテーション。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。二つの足替えスピンはレベル2と3。技術点4番目の81.06、演技構成点5番目の76.8、合計157.86でフリー4位、総合5位。四大陸選手権代表に選出。町田の引退で繰り上げの世界選手権代表にも選出。
 21番滑走で羽生。曲は「オペラ座の怪人」。疲れが見えたがよくまとめた。構成予定は4S/4T/3F/StSq/CCoSp/3Lz+2T/3A+3T/3A+1Lo+3S/3Lo/3Lz/ChSq/FCSSp/CCoSp。冒頭の4回転サルコウ転倒。4回転トウループは決め、全ジャッジが加点2〜3。フリップは!マーク。スピン二つはレベル3。ステップはレベル4、ルッツからの連続ジャンプとも全ジャッジが加点2〜3。後半、トリプルアクセルからの連続3回転、二つめのトリプルアクセルからの3連続とも成功、全ジャッジが加点。いかにも疲れていたが、ループ、ルッツとなんとか決める。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。フライングシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。技術点最高の101.9、演技構成点も最高の91.6、転倒の減点1、合計192.5でフリーも1位、総合優勝で3連覇。世界選手権代表に選出。

 22番滑走で小塚。曲は「Lo Ci Saro」。構成予定は4T/3Lz+2T/3A/FSSp/StSq/3A+2T+2Lo/3Lz+3T/3F/3S/2A/FCCoSp/ChSq/CCoSp。冒頭の4回転はアンダーローテーションで両足気味。二つめの4回転も同じだが2回転を付けた。トリプルアクセルとレベル3のフライングスピンは全ジャッジが加点1〜3。レベル4のステップは全ジャッジが加点2〜3。後半、二つめのトリプルアクセルからの3連続成功、全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転はなんとか決める。フリップは!マーク。ループ、サルコウは着氷でこらえる。スピンは三つともレベル3だが全ジャッジが加点。特に最後の足替えスピンは加点1〜3。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。終わったとき珍しく何度も拳を突き上げた。技術点3番目の84.29、演技構成点2番目の89.0、合計173.29でフリー2位、総合3位。もう少しジャンプが安定するといいのだが。SP6位から表彰台はすごいこと。世界選手権代表に選出。ユニバーシアード代表にも決まっている。
 23番滑走で町田。曲はベートーベン「第九」。構成予定は4T+2T/4T/3A+3T/CCSp/3S/StSq/3Lo/3A/3F+2T+2Lo/FSSp/ChSq/3Lz/CCoSp。冒頭の4回転はソロになったが全ジャッジが加点。二つめの4回転転倒。トリプルアクセルはこらえる。スピンは二つがレベル2、一つはレベル1と不調だが全ジャッジが加点。ステップはレベル3で全ジャッジが加点。後半、ループは全ジャッジが加点したが、二つめのトリプルアクセルの予定はまたダブルアクセルになり、2回転を付ける。フリップから3連続の予定も、eマークでソロに。ジャンプが不調で得点積み重ならず。コリオシークエンスは情感がこもっており、全ジャッジが加点1〜3。ルッツは決めて全ジャッジが加点。最後のスピンも全ジャッジが加点。技術点66.55、演技構成点3番目の86.9、転倒の減点1、合計152.45でまさかのフリー5位、総合4位。この詰め込んだプログラムを「やりきった」ようには見えないが、「完成度は低かったが全てを詰め込んだ」ということらしい。世界選手権代表に選出されたが、突然に引退を表明して辞退。
 最終滑走で村上大介。曲はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。構成予定は4S/4S+2T/3A+2T/CCoSp/StSq/3A/3Lz/3Lo/CSSp/3F/3S/ChSq/FCSp。冒頭の二つの4回転サルコウで転倒。一つめのスピンはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。ところがトリプルアクセルがパンクして1回転に。あと二つのスピンはレベル3。二つめのトリプルアクセルはアンダーローテーションで両足。ルッツ、ループ、フリップ、サルコウと成功。ステップはレベル2でほぼ全ジャッジが加点。大技で失敗して得点伸びず。フジ解説の本田によれば、練習では4回転はほぼ成功していたらしいが。問題はメンタルか。技術点51.0、演技構成点71.8、転倒の減点2、合計120.8でフリー8位、総合7位。四大陸選手権代表に選出。

 <女子シングル>30人出場。第3グループ18番滑走で樋口新葉(わかば)(13)。今季全日本ジュニア優勝、ジュニアGPファイナル3位。曲は真央も滑った「愛しみのチャルダッシュ」。構成予定は2A/3F+3T/FCSp/CCoSp/3Lz/LSp/StSq。冒頭のダブルアクセルは全ジャッジが加点2〜3。ルッツからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。スピン二つがレベル4、一つがレベル3。後半のステップからのフリップは!マーク。最後のステップはレベル3。とにかく最後まで勢いがあった。終わったときのガッツポーズで強気な一面を見せた。技術点2番目の36.07、演技構成点4番目の28.28、合計64.35でSP3位。
 第4グループ19番滑走で今井(21)。今季GPシリーズのスケートアメリカ、ボンパール杯とも8位。曲は「マラゲーニャ」。構成予定は2A/3S+3T/LSp/3Lo/FCSp/CCoSp/StSq。冒頭のダブルアクセルは成功。サルコウからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。レイバックスピンはレベル2だが全ジャッジが加点1。後半ステップからのループはなんとかこらえる。スピン二つはレベル3で全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。ほぼノーミスだが、スピンとステップのレベルの取りこぼしが痛いか。技術点11番目の29.07、演技構成点5番目の27.88、合計56.95はそれでも今季最高でSP10位。
 21番滑走で加藤(16)。今季GPシリーズNHK杯5位。曲は「フラワー・デュエット」。構成予定は3F+3T/CCoSp/StSq/3Lz/FCSp/2A/LSp。冒頭のトウループの連続3回転は成功。足替えスピンはレベル3で全ジャッジが加点。ステップもレベル3。後半ステップからのループも決め全ジャッジが加点1。フライングスピンレベル2、ダブルアクセル成功、レイバックスピンはレベル4。ジャンプのアンダーローテーションがないのがいい。技術点6番目の33.14、演技構成点13番目の24.96、合計58.1でSP5位。

 23番滑走で村上佳菜子(20)。今季GPシリーズ中国杯3位、NHK杯4位。曲は「オペラ座の怪人」。衣装は青紫に変えたか。構成予定は3T+3T/3F/FSSp/CCoSp/2A/StSq/LSp。冒頭のトウループの連続3回転は、二つともアンダーローテーション。ステップからのフリップもアンダーローテーションで全ジャッジが減点。フライングスピンは着氷で乱れ、レベル1。足替えスピンと最後のレイバックスピンはレベル3で全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルは全ジャッジが加点。ステップだけレベル4で全ジャッジが加点2〜3。全体としては会心の出来に見えたが、技術点16番目の26.95、演技構成点最高の30.6、合計57.55でなんとSP9位と大幅出遅れ。本人も試合後のインタビューで驚いていて、「言葉が出ない。」フジ解説の荒川も「ジャンプの回転は1/4回転までは不足とされないはずだが、厳しく採られている。」と言う。
 最終グループ25番滑走で宮原(16)。今季GPシリーズのスケートのカナダ3位、NHK杯3位。曲はモーツァルト「魔笛」。構成予定は3Lz+3T/CCoSp/FCSp/3F/2A/StSq/LSp。冒頭のルッツからの連続3回転は二つともアンダーローテーション。足替えスピンはレベル3で全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル4でこれも全ジャッジが加点。後半、ステップからのフリップは!マーク。ダブルアクセルは成功。ステップとレイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点。特にレイバックスピン加点2〜3。技術点4番目の34.48、演技構成点2番目の30.0、合計64.48でSP2位。
 最終滑走で本郷(18)。今季GPシリーズのスケートのカナダ5位、ロシア杯優勝、GPファイナル6位。曲は「海賊」。構成予定は3T+3T/LSp/FCSp/3F/2A/StSq/CCoSp。冒頭のトウループの連続3回転は全ジャッジが加点2。スピン二つはレベル4。後半、ステップからのフリップとダブルアクセルも全ジャッジが加点。ステップと最後の足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。ノーミスで終え、ガッツポーズ。技術点最高の36.82、演技構成点3番目の29.88、合計66.7でSP1位。

 フリーは24人。第3グループ16番滑走でSP9位の村上佳菜子。曲は「オペラ座の怪人」。構成予定は3T+3T/2A/LSp/CCoSp/StSq/3Lo/3F+2T/3F/3S+2Lo+2Lo/ChSq/2A/FCSp。ジャンプの回転不足をとられまいと緊張。冒頭のトウループの連続3回転は、第2がアンダーローテーション。ダブルアクセルは成功、全ジャッジが加点1。スピン二つとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。特にステップは加点1〜3。後半、苦手なループはアンダーローテーションで片手つき。フリップからの連続ジャンプは第1がアンダーローテーション。ソロのフリップは1回転にパンク。これで逆転は厳しくなった。サルコウからの3連続は第3がアンダーローテーション。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。二つめのダブルアクセルはアンダーローテーション。最後のフライングスピンはレベル4で全ジャッジが加点。技術点12番目の48.18、演技構成点2番目の62.56、合計110.74、この時点で1位になったが、すぐ下の坂本との差は1点ない。総合6位までに入れば世界選手権代表の可能性は高い。フリー4位、総合5位。世界選手権代表に選出。
 最終グループ19番滑走でSP1位の本郷。曲は「カルメン」。構成予定は3F+3T/3Lz/3Lo/CCoSp/StSq/FCSp/3S/2A+1Lo+3S/3F/2A+2T/ChSq/FCCoSp。やはり緊張している感じ。ただしジャンプの回転よりSP1位のためかも。冒頭のフリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーションだが、うまくリズムに乗れた。ソロのルッツはeマーク。ループはアンダーローテーション。スピン二つとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。フライングスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、サルコウがアンダーローテーション。解説の荒川が「ジャンプを慎重になり、跳ぶタイミングが少し遅れている。」と言う。ソロのフリップとダブルアクセルからの連続ジャンプは全ジャッジが加点。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。最後のフライングスピンはレベル3で全ジャッジが加点。終わったときガッツポーズ。技術点59.69、演技構成点62.24、合計121.93は今季最高だったがフリー2位、総合2位。世界選手権代表と四大陸選手権代表に選出。
 20番滑走でSP堂々3位の樋口。曲はガーシュイン「ピアノ協奏曲へ調」。構成予定は3Lz+3T/3Lo/3S/FCSp/StSq/2A+3T/LSp/3Lz/3F/2A+2T+2Lo/ChSq/CCoSp。いきなり冒頭のルッツがパンクし1回転で腰砕け。気持ちは強そうだったが緊張が最後までぬけなかったらしい。ソロのループ、サルコウは決め、全ジャッジが加点。スピンは二つがレベル3。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから3回転トウは高く、全ジャッジが加点1〜3。レイバックスピンはレベル2だが全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転に果敢に挑むが、ルッツの後オーバーターンとなり第2がアンダーローテーション。フリップは!マーク。ダブルアクセルからの3連続も決める。コリオシークエンスと最後のスピンは全ジャッジが加点。技術点61.79、演技構成点55.68、合計117.47でフリー3位、総合3位。シニア初挑戦で表彰台は立派。世界ジュニア代表に選出。

 21番滑走でSP6位の永井(16)。今季全日本ジュニア3位、ジュニアGPファイナル5位。曲は「ロンド・カプリチオーソ」。構成予定は3Lz+3T/3Lz+2T/3F/LSp/StSq/ChSq/2A+3T+2T/3Lo/3S/CCoSp/2A/FCCoSp。冒頭のルッツからの連続3回転成功、全ジャッジが加点2。もうひとつルッツからの連続ジャンプも決め、全ジャッジが加点。ソロのフリップは1回転で!マーク。レイバックスピン、ステップはレベル3で全ジャッジが加点。コリオシークエンスも美しく、全ジャッジが加点1。解説の鈴木明子も「伸びのある滑りがいい。」と言う。後半、ダブルアクセルから3回転トウは第2がダウングレードで両足。ループもアンダーローテーション。しかしレベル3のスピン二つとダブルアクセルはほぼ全ジャッジが加点。技術点56.23、演技構成点54.32、合計110.55でフリー5位、総合4位。世界ジュニア代表と四大陸選手権代表に選出。
 23番滑走でSP5位の加藤。曲はプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」。構成予定は3S/3Lo/FCSp/2A/StSq/3F+2T/2A/CCoSp/3Lz/ChSq/3Lo+1Lo+3S/FCCoSp。冒頭から構成を変え、フリップからの連続3回転にしたが、第2がダウングレード。ソロのサルコウとレベル3のスピンは全ジャッジが加点。ダブルアクセルはアンダーローテーション。ステップはレベル2。フリップもアンダーローテーション。ダブルアクセル3回転トウは全ジャッジが加点。ルッツはeマークでアンダーローテーション。ループからの3連続は全ジャッジが加点。最後のスピンもレベル3で全ジャッジが加点。技術点55.43、演技構成点52.0、合計107.43でフリー7位、総合7位。
 最終滑走でSP2位の宮原。曲は「ミス・サイゴン」。構成予定は3Lz+3T/3F/3Lo/StSq/FSSp/3Lx+2T+2Lo/2A+3T/LSp/3S/ChSq/2A/CCoSp。冒頭の構成を変え、ルッツからの3連続にして成功、全ジャッジが加点1。フリップは!マークでアンダーローテーション。ステップはレベル4で2〜3。フライングシットスピンも速くレベル4で全ジャッジが加点。後半二つめのルッツはアンダーローテーション。ダブルアクセル3回転トウは全ジャッジが加点。レイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点2〜3。二つめのダブルアクセル3回転トウは第1がアンダーローテーション。最後の足替えスピンは、逆回転も入る高難度だがレベル3で全ジャッジが加点1〜3。やりきった表情。技術点66.88、演技構成点64.24、合計131.12は今季最高でフリー1位、逆転で初の総合優勝。ジャンプ構成の変更を助言した浜田コーチの作戦勝ち。それにしても最終滑走での逆転はすごい。世界選手権代表と四大陸選手権代表に選出。

 <ペア>ジュニアひと組と高橋・木原組。フリーの曲は「愛は永遠に続く」他。冒頭の連続ジャンプはサルコウで、高橋がステップアウトし第2が付かず。ツイストは2回転で慎重に跳んだ。一つめのリフトはグループ5でレベル1。スローループはなんとか成功。フライングスピンはレベル3で全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1。ソロジャンプはダブルアクセルで高橋が両足。二つめのリフトはグループ4でレベル4、全ジャッジが加点。スローサルコウも全ジャッジが加点。三つめのリフトはグループ5でレベル3。デススパイラルはレベル3で全ジャッジが加点。ペアスピンもレベル3。リフトでレベル4が取れたり、デススパイラルでレベル3がとれたりしたのは進歩。技術点50.52、演技構成点50.24、合計100.76で優勝。世界選手権代表に選出。

 <アイスダンス>なんと7組もエントリー。女子シングルだった村元哉中(かな)が転向していた。4番滑走でSD1位のリード姉弟。今季GPシリーズでは、スケートアメリカ欠場、NHK杯6位。曲は映画『ティファニーで朝食を』より「ムーンリバー」他。冒頭のカーブのリフトはレベル4で全ジャッジが加点。サーキュラーステップはレベル3で全ジャッジが加点。スピンはレベル4。ツイズルは第2で少しずれ、レベル3。対角線のステップもレベル3。終盤、回転リフトと直線のリフトはともにレベル4で全ジャッジが加点。最後のコリオスピンも全ジャッジが加点。全体にゆっくりした振付なのは、クリスの手術あけのヒザの状態を考慮してあるのか。スピードは抑えめだが、エッジは深い。技術点47.42、演技構成点43.2、リフトの時間超過の減点1、合計89.62でフリーも1位、総合優勝。四大陸選手権代表に選出。

 5番滑走でSD2位の平井・デラアソンション組。今季GPシリーズNHK杯8位。曲は「The Blues Brothers」。ツイズルはレベル4で全ジャッジが加点。サーキュラーステップは女性がやや遅れ、レベル2。女性が男性の靴の上で倒立するカーブのリフトは、レベル4で全ジャッジが加点。ロングリフトは二つともレベル4で全ジャッジが加点。対角線のステップはレベル3。スピンはレベル4。技術点46.02、演技構成点39.24、合計85.26でフリーも2位、総合2位。四大陸選手権代表に選出。
 6番滑走でSD3位の村元・野口組。組んで4試合目とか。曲は映画『バーレスク』より。全体に滑りが速い。今季組んだにしてはたいしたもの。冒頭のツイズルは伸縮するスタイルでレベル3、ほぼ全ジャッジが加点0〜3。対角線のステップはレベル1だが全ジャッジが加点。回転リフトはレベル3で全ジャッジが加点。スピンとサーキュラーステップはレベル2。ロングリフトは一つめはやや姿勢の確定に時間がかかりレベル2、二つめがレベル4で全ジャッジが加点1〜3。コリオスピンも全ジャッジが加点。基礎点は31.0だが全体で8.48の加点。なかなか今後に期待が持てる。技術点38.48、演技構成点39.9、合計77.38でフリーも3位、総合3位。ユニバーシアード代表。

 ※エキシビションを腹痛の精密検査で欠場した羽生は、尿膜管遺残症で緊急手術。入院2週間、安静1ヵ月とのこと。びっくり。世界選手権に間に合わせようと無理しなければいいが。羽生が欠場だと、繰り上げは宇野か。
 なお、エキシビションには、ゲストとして先日引退したばかりの村主と、ランビエールが招かれていたが、放映はなかった。

ページトップへ

フィギュアスケート (2015.4/26,28,5/3,4)

ジュニアGPファイナル (2014.12/11〜14 バルセロナ・スペイン)

 <女子シングル>日本からは樋口、永井、中塩の3人が出場。あとの3人はロシア。1番滑走で中塩(18)。ジュニアGPシリーズ4位と優勝。曲はミュージカル「Fosse」。振付は阿部奈々美。衣装は黒いレザー調に濃いピンクのアクセント。冒頭のトウループの連続3回転の間でオーバーターン。ステップからの指定されたルッツはeマーク。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル3。最後の足替えスピンはレベル4。技術点27.14、演技構成点24.6、合計51.74でSP6位。
 2番滑走で永井(16)。ジュニアGPシリーズ2位二回。曲は「エデンの東」。冒頭のトウループの連続3回転は全ジャッジが加点2。ステップからのルッツも全ジャッジが加点。スピン二つがレベル3で全ジャッジが加点。ダブルアクセルも全ジャッジが加点1。ステップと足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点。特にステップは加点1〜3。技術点36.34、演技構成点26.65、合計62.99は自己ベスト更新でSP3位。
 3番滑走でソツコワ(露。14)。ジュニアGPシリーズ2位と優勝。154pとなっているがもっと高そう。曲は「四季」より「冬」。冒頭でフリップからの連続3回転成功。スピン二つはレベル4。特に最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点1〜3。フライングスピンとステップはレベル3。後半、ダブルアクセルとステップからのルッツを決める。技術点35.97、演技構成点26.31、合計62.28は自己ベスト更新でSP4位。

 4番滑走で樋口(13)。ジュニアGPシリーズ2位と優勝。曲は「Beloved Czardas」。衣装は赤。滑りのスピードが速い。冒頭のダブルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。フリップからの連続3回転はeマーク。スピンは速く、安定していて、三つともレベル4。レイバックスピンはほぼ全ジャッジが加点。後半、ステップからのルッツも成功。最後のステップはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。技術点33.72、演技構成点26.65、合計60.37でSP5位。
 5番滑走でメドベデワ(露。15)。ジュニアGPシリーズ優勝二回。曲は「シェルブールの雨傘」。冒頭の足替えスピンはレベル4に全ジャッジが加点2〜3。ステップもレベル4で全ジャッジが加点。後半にジャンプを固め、ダブルアクセルはほぼ全ジャッジが加点。フリップからの連続3回転、ステップからのルッツとも成功。あと二つのスピンもレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のレイバックスピンは加点2〜3。技術点最高の39.29、演技構成点2番目の27.8、合計67.09でSP1位。
 最終滑走でサハノビッチ(露。14)。ジュニアGPシリーズ優勝二回。曲は「My Sweet and Tender Beast」。滑りは速いが少し雑に見える。冒頭の足替えスピンはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。ステップとフライングスピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続3回転、ステップからのルッツ、ダブルアクセルと決める。レイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の37.91、演技構成点最高の28.14、合計66.05でSP2位。

 フリー。1番滑走で中塩。曲は「Tango de los Exilado」。振付は有川梨絵。衣装は黒を基調に赤い花。冒頭のルッツはeマークの上、ダウングレード。ダブルアクセルから3回転2回転の3連続は成功。スピン三つはレベル4。サルコウからダブルアクセルのシークエンスも決めるが第1はアンダーローテーション。ステップはレベル3。後半、二つめのフリップがダウングレードでステップアウトし第2が入らず。トウループからの連続ジャンプは決める。技術点47.05、演技構成点45.65、合計92.7でフリーも6位、総合144.44で6位。
 2番滑走で樋口。曲はガーシュウィンの「ピアノ協奏曲」。冒頭でルッツからの連続3回転をすぱっと決める。全ジャッジが加点1〜3。ソロのループ、サルコウと次々成功。サルコウは全ジャッジが加点1〜3。フライングスピンとステップはレベル3だがステップは全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから3回転トウ成功。レイバックスピンと最期の足替えスピンはレ4で全ジャッジが加点。二つめのソロのルッツはよかったが、フリップからの連続ジャンプは壁に近かったのか第2が1回転に。ダブルアクセルも決める。技術点2番目の64.41、演技構成点3番目の53.31、合計117.72は今季最高でフリー3位、総合178.09で逆転3位。しかしその割にはキスアンドクライでにこりともせず。
 3番滑走でソツコワ。曲は「ティファニーで朝食を」より。冒頭フリップからの連続3回転成功。ルッツも決める。ステップはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。後半、二つめのルッツから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続成功。ループはアンダーローテーションでステップアウト。スピン三つはレベル4。特に最後のレイバックスピンは加点ほぼ2〜3。技術点60.43、演技構成点53.28、合計113.71でフリーも4位、総合175.99で4位。

 4番滑走で永井。曲はサンサーンスの「ロンド・カプリチオーソ序曲」。衣装はふんわりした水色。冒頭でルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点1〜3。もう一つルッツからの連続ジャンプは第1が1回転に。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3。後半、ダブルアクセルから3回転2回転の3連続を決め、ほぼ全ジャッジが加点。ループはアンダーローテーション。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。技術点56.32、演技構成点53.03、合計109.35も自己ベスト更新でフリー5位、総合172.34で5位。
 5番滑走でサハノビッチ。曲は「Oblivion」他。冒頭、ソロのフリップとフリップからの連続3回転を決める。連続ジャンプと、レベル4の足替えスピンは全ジャッジが加点。ステップと最後のフライングスピンはレベル3。後半、ダブルアクセルから2回転2回転のの3連続と、ルッツからの連続3回転をもう一つ成功。技術点3番目の64.15、演技構成点2番目の55.81、合計119.96でフリーも2位、総合186.01で2位。
 最終滑走でメドベデワ。曲は「Tango Tschak」他。冒頭、フリップからの連続3回転は全ジャッジが加点1〜3。ルッツの踏切がフラットで!マーク。スピン三つとステップは速くて正確でレベル4にほぼ全ジャッジが加点。後半、ソロのフリップとダブルアクセルは全ジャッジが加点。ループからの3連続、ダブルアクセルから3回転トウも決める。技術点最高の67.28、演技構成点最高の56.52、合計123.8でフリーも1位、総合190.89で優勝。

 <男子シングル>日本からは宇野、山本が出場。 1番滑走でサドフスキー(加。15)。ジュニアGPシリーズ優勝と4位。曲は「The Prophet」。冒頭のトリプルアクセルはアンダーローテーションで転倒。スピン三つとステップはレベル4。特にフライングスピンは全ジャッジが加点。後半、サルコウからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ステップからのルッツも転倒。技術点5番目の29.03、演技構成点最低の29.95、転倒の減点2、合計56.98でSP6位。
 2番滑走で山本草太(14)。ひょろっとした165p。ジュニアGPシリーズ2位二回。曲はラフマニノフの「ピアノ協奏曲」。コーチは長久保さん。冒頭でトリプルアクセルを軽く跳び、全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル3だが、あと二つのスピンは速くてレベル4。特に最期の足替えスピンは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。後半、フリップからの連続3回転も成功。ステップはレベル3。決められたステップからのルッツはほぼ全ジャッジが加点。ノーミスの演技。キスアンドクライでコーチともども笑顔。技術点最高の43.46、演技構成点4番目の32.68、合計76.14は自己ベスト更新でSP1位。
 3番滑走で(韓国)。ジュニアGPシリーズ優勝と3位。曲は「The Wild Party」。冒頭のトリプルアクセル転倒。フリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ステップからのルッツはeマーク。フライングスピンのみレベル4。あと二つのスピンはレベル3、ステップはレベル2。技術点28.14、演技構成点30.28、転倒の減点1、合計57.42でSP5位。

 4番滑走でペトロフ(露。15)。ジュニアGPシリーズ2位と優勝。曲は「El Conquistador」。冒頭のトリプルアクセルはすばらしく、全ジャッジが加点1〜3。フリップからの連続3回転も成功、全ジャッジが加点1。足替えスピンもレベル4で全ジャッジが加点。ところがステップからのルッツで転倒。あと二つのスピンとステップはレベル3。技術点4番目の38.06、演技構成点3番目の33.01、転倒の減点1、合計70.07でSP4位。
 5番滑走で宇野(16)。ジュニアGPシリーズ2位と優勝。曲はベートーベンの「バイオリン・ソナタ第9番」。調子が今ひとつの感じ。冒頭のトリプルアクセルはオーバーターン。スピン三つとステップはレベル4。前半のスピン二つはほぼ全ジャッジが加点。終盤のステップと足替えスピンは全ジャッジが加点。ステップからのルッツは!マーク。後半、フリップからの連続3回転は決める。技術点3番目の41.07、演技構成点最高の34.14 、合計75.21でSP3位。
 最終滑走でジン(中。17)。ジュニアGPシリーズ優勝二回。曲は「Tango Amore」。冒頭のトリプルアクセル、フリップからの連続3回転は全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4。ステップとフライングスピンはレベル3。後半、ステップからのルッツも成功。無表情だがほぼノーミスの演技。技術点2番目の41.84、演技構成点も2番目の33.46、合計75.3は自己ベスト更新でSP2位。

 フリー。1番滑走でサドフスキー。曲は「レ・ミゼラブル」。フリーではトリプルアクセルを回避。ルッツからの連続ジャンプ、後半にダブルアクセルから3回転トウ、サルコウからの3連続など予定したジャンプを跳びきった。フリップはeマーク。スピン三つとステップはレベル4。特に二つの足替えスピンは全ジャッジが加点1〜3。今度はノーミスの演技。しかしガッツポーズはなし。技術点5番目の65.49、演技構成点4番目の63.0、合計128.49でフリー4位、総合185.47で5位。
 2番滑走で。曲は「オペラ座の怪人」。ジャンプが不安定。冒頭のトリプルアクセルはステップアウト。二つめのトリプルアクセルも両足だが2回転を付けた。フリップからの連続3回転は成功。ステップとスピン二つはレベル3。後半、ソロのフリップは全ジャッジが加点。ルッツからの3連続はeマーク。最後のスピンはレベル2。技術点62.99、演技構成点59.98、合計122.97でフリー6位、総合180.39で6位。
 3番滑走でペトロフ。曲は現代風ビバルディの「四季」。冒頭でトリプルアクセル。続けてフリップから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続。二つめのトリプルアクセルからの連続ジャンプと決める。フライングスピンとステップはレベル4。ソロのルッツは片手つき。後半、ルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。あと二つのスピンはレベル3。技術点2番目の73.99、演技構成点3番目の63.08、合計137.07でフリー2位、総合207.14で逆転3位。

 4番滑走で宇野。曲は「ドン・ファン」。滑り出しから気迫のこもったスピード感あふれる演技。冒頭で4回転成功。続くトリプルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。二つめのトリプルアクセルからの連続ジャンプも壁際で成功。ここまでの基礎点28.6、これに加点が付いて32点以上。スピン三つとステップはレベル4。特にステップと最後の足替えスピンは全ジャッジが加点1〜3。後半、ダブルアクセルから1回転をはさむ3回転フリップを決め、全ジャッジが加点。ルッツも成功。終盤、フリップからの連続3回転も全ジャッジが加点。スペインの観客からも惜しみない拍手をもらった。技術点最高の89.92、演技構成点も最高の73.14、合計163.06でフリー1位、総合238.27で逆転優勝。
 5番滑走でジン。曲は「Dragon Racing」。冒頭の4回転サルコウ転倒。4回転トウループから3回転も第2がダウングレードで転倒。トリプルアクセルは成功。後半、二つめの4回転トウループも転倒。ルッツからの連続3回転と、フリップから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続も決める。しかし二つめのルッツが余分な要素で無得点。ステップはレベル2だがスピン三つはレベル3。技術点4番目の68.48、演技構成点5番目の60.24、転倒の減点3、合計125.72でフリー5位、総合201.02で4位。
 最終滑走で山本草太。曲は「ローレライ」。冒頭でいきなりトリプルアクセルがパンク、1回転に。しかしルッツからの連続3回転、フリップからの連続ジャンプと成功、ほぼ全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4。最後の足替えスピンは全ジャッジが加点ほぼ2。後半、ダブルアクセルから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続で全ジャッジが加点1〜3。ソロのループ、ルッツ、フリップ、レベル3のステップとほぼ全ジャッジが加点。ルッツ、フリップともエッジ違反がないのがいい。技術点3番目の70.48、演技構成点2番目の66.5、合計136.98はこれも自己ベスト更新でフリー3位、総合213.2で2位。

 <アイスダンス>6組中4組がロシア。あと2組はカナダ。今季のジュニアのパターンダンスはシルバーサンバというものらしい。全体のリズムもサンバとルンバなどラテンダンス。
 3番滑走でロボダ・ドロヅ組(露。16,18)。ジュニアGPシリーズ優勝と2位。曲は「サラバンド」。ツイズルはミラーでレベル3、全ジャッジが加点。シルバーサンバは、第2セクションはレベル2だが全ジャッジが加点。直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点1。ステップはレベル2。最後にシルバーサンバの第1セクションでレベル3。技術点2番目の25.83、演技構成点4番目の27.89、合計53.72は今季最高でSD2位。
 4番滑走でポポワ・ヴラセンコ組(露。18,20)。ジュニアGPシリーズ2位と優勝。曲は「Cha Cha Danzon」他。ツイズルはレベル2。シルバーサンバ第1セクションはレベル1だがほぼ全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点2。シルバーサンバ第2セクションはレベル2でほぼ全ジャッジが加点。最後のステップはレベル1だが全ジャッジが加点。技術点3番目の21.66、演技構成点2番目の28.86、合計50.52でSD3位。

 5番滑走でベント・マッキーン組(加。17,20)。ジュニアGPシリーズ優勝と2位。曲は「Vida Loca」他。ステップで始めレベル2だが全ジャッジが加点。直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。シルバーサンバ第2セクションはレベル1だが全ジャッジが加点。ツイズルは第2で男性がよろけてレベル1。シルバーサンバ第1セクションはレベル2。技術点5番目の21.03、演技構成点4番目の28.25、合計49.28でSD4位。
 最終滑走でヤノフスカヤ・モズコフ組(露。18,19)。男性は188pとあるがもっと高そう。昨年のジュニアGPも優勝。今季ジュニアGPシリーズ優勝2回。ツイズルは少し慎重にレベル3。シルバーサンバ第2セクションはレベル2だが全ジャッジが加点。ステップもレベル2で全ジャッジが加点。直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。シルバーサンバ第1セクションはレベル3で全ジャッジが加点。技術点最高の28.41、演技構成点も最高の30.71、合計59.12でSD1位。

 フリー。3番滑走でベント・マッキーン組。曲は「Once Upon a Time」他。フリーの方がのびのびできた。女性の頭に冠風のかざりがあり、ファンタジーものの曲らしい。ツイズル、リフト二つ、スピンとレベル4。うち直線のリフトは全ジャッジが加点。ステップ二つはレベル2。技術点3番目の37.37、演技構成点4番目の41.96、合計79.33でフリーも4位、総合128.61で4位。
 4番滑走でポポワ・ヴラセンコ組。曲は「千一夜物語」。女性の柔軟さがよく見えた。冒頭のツイズルはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。サーペンタインステップはレベル1。スピンとリフト二つはレベル4で全ジャッジが加点。うちスピンは加点1〜3。対角線のステップはレベル2でほぼ全ジャッジが加点。コリオスピンも全ジャッジが加点。技術点4番目の36.91、演技構成点2番目の44.45、合計81.36でフリーも3位、総合131.88で3位。

 5番滑走でロボダ・ドロヅ組。曲は「ジゼル」。衣装もバレエっぽく正統的な振付。ツイズルはレベル2だが全ジャッジが加点。サーキュラーステップはレベル3。リフト二つとスピンはレベル4で全ジャッジが加点。対角線のステップはレベル2。技術点2番目の38.7、演技構成点3番目の43.89、合計82.59は自己ベスト更新でフリーも2位、総合136.31で2位。
 最終滑走でヤノフスカヤ・モズコフ組。曲は「アルゼンチンタンゴ」。全要素に全ジャッジが加点。ステップ二つはレベル2、他の要素はレベル4。特に直線のリフトと回転リフトは加点2〜3。大人っぽいタンゴだった。基礎点32.7に全体で加点9.1。技術点最高の41.8、演技構成点はパフォーマンスと振付で8点台前半で最高の47.66、合計89.46でフリーも1位、総合148.58で連覇。

 <ペア>6組中4組がロシア、アメリカとカナダが1組ずつ。4番滑走でフェドロワ・ミロシュキン組(露。16,20)。昨年ファイナル3位。今季ジュニアGPシリーズ2位2回。曲は「Feeling Good」。冒頭のツイストは高く、3回転でレベル4、全ジャッジが加点2〜3。スローループも成功。ソロジャンプはeマークで女性が2回転。スピン、ステップ、デススパイラル、リフトはレベル4。うちリフトは全ジャッジが加点1〜3。男性もビールマンスピンするのがこの組。技術点最高の32.16、演技構成点2番目の26.88、合計59.04は自己ベスト更新でSP2位。
 5番滑走でヴィガロワ・ザクロエフ組(露。15、20)。昨年ファイナル2位。今季ジュニアGPシリーズ優勝2回。曲は「The Messiah Will Come Again」。ツイストは3回転でレベル3、全ジャッジが加点。ソロジャンプは2回転ルッツで!マーク。スローループは成功。デススパイラル、ステップ、リフト、スピンはレベル4。うちデススパイラルとリフトは全ジャッジが加点。技術点3番目の31.5、演技構成点も3番目の25.91、合計57.41でSP3位。
 最終滑走でセガン・ビロドー組(加。18,21)。今季ジュニアGPシリーズ優勝2回。女性が少し太めだが、2014スケートカナダにシングルとしても出場。曲は映画「The Grand Budapest Hotel」より3曲。ツイズルは3回転でレベル4。ソロジャンプは2回転ルッツだが全ジャッジが加点1〜3。スローループは成功。ジャンプは他の組と比べると断然余裕がある。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルはレベル4。うち最後のデススパイラルは全ジャッジが加点。技術点2番目の31.91、演技構成点最高の27.31、合計59.22でSP1位。

 フリー。4番滑走でヴィガロワ・ザクロエフ組。曲は「オペラ座の怪人」。ツイズルはレベル3で全ジャッジが加点1〜3。ダブルアクセルからの連続ジャンプはステップアウト。スローループは片手つき。デススパイラルはレベル2。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。ソロジャンプは2回転フリップ。二つめのスローもフリップで全ジャッジが加点。ソロスピン、リフト二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。最後のペアスピンはレベル3。技術点2番目の51.84、演技構成点3番目の52.5、合計104.34でフリーも3位、総合161.75で3位。
 5番滑走でフェドロワ・ミロシュキン組。曲は「コロブチカ」。冒頭のツイストは高く、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプはダブルアクセル。連続ジャンプは女性の第2が1回転のダウングレード。スローループは全ジャッジが加点1〜3。デススパイラルはレベル3、スヒン二つとリフト二つはレベル4。二つめのリフトは全ジャッジが加点。二つめのスローサルコウは両足。しかし男女ともにビールマンスピンで8回転したのはすごい。技術点3番目の51.6、演技構成点2番目の55.14、合計106.74は自己ベスト更新でフリーも2位、総合165.78で2位。
 最終滑走でセガン・ビロドー組。曲は「In Your Eyes」他。ツイスト以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のソロジャンプは3回転サルコウを余裕で決める。ツイストはレベル3。リフト二つ、デススパイラル、スピン二つはレベル4。特に一つめのリフトとデススパイラル、ソロスピンは加点1〜3。ダブルアクセルからの連続ジャンプと二つめのスローサルコウはさらっと決める。スローサルコウも加点1〜3。全体に滑りが安定して速く、ジャンプも軽い。技術点最高の57.1、演技構成点も最高の59.25、合計116.35でフリーも1位、総合175.57で初優勝。

フィギュアスケート (2015.1/24,28,30)

グランプリ・ファイナル ペア・アイスダンス (2014.12/11〜12/14 バルセロナ) GPシリーズ

 <アイスダンス>1番滑走でイリニク・ジガンシン組(露。20,22)。今季中国杯4位、ロシア杯2位。曲は「カルメン組曲」より。冒頭のステップは今季組み替えたとは思えないほどよく合っていて、レベル2だが全ジャッジが加点1〜3。ツイズルもあっており、レベル4でほぼ全ジャッジが加点。パソドブレとPStは、いずれもレベル2。直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。氷に溝があるのか、何度か男性がつまづきかけた。技術点最低の28.47、演技構成点4番目の32.78、合計60.25でSD6位。
 2番滑走でギレス・ポワリエ組(加。22,23)。今季スケートカナダとボンパール杯で2位。曲は「El Gato Montes」他。男性は完全に闘牛士の衣装、女性はマント。パソドブレとPStは、いずれもレベル3だがパソドブレの方はほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。ツイズルと回転リフトはレベル4。リフトは全ジャッジが加点1〜3。技術点3番目の31.51、演技構成点最低の30.98、合計62.49は自己ベスト更新でSD4位。
 3番滑走でシブタニ兄妹(米。20,23)。今季スケートアメリカと中国杯で2位。曲は「Asturias Variations」他。冒頭のツイズルはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点1〜3。フラメンコの動き、サパテアードや拍手などが様になってきた。パソドブレとPStはいずれもレベル2だが、ほぼ全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の30.56、演技構成点3番目の33.34、合計63.9でSD3位。

 4番滑走でパパダキス・シゼロン組(仏。19,20)。今季は中国杯とボンパール杯で優勝。曲は「Escobilla」他。フランスと近いせいか声援は大きかった。パソドブレはレベル3、PStはレベル2だがいずれも全ジャッジが加点。直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。ツイズルはレベル3。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。全体にスピードがある。技術点5番目の29.05、演技構成点も5番目の32.43、合計61.48でSD5位。
 5番滑走でウィーバー・ポジェ組(加。25,27)。今季スケートカナダとNHK杯で優勝。曲は「La Virgen de la Macarena」。全要素に全ジャッジが加点。ツイズルはレベル4で加点1〜3。ステップはレベル3だが加点2〜3。パソドブレとPStは、いずれもレベル3。最後の回転リフトはレベル4で加点1〜3。技術点最高の35.11、演技構成点も最高の36.23、合計71.34は自己ベスト更新でSD1位。
 最終滑走でチョック・ベイツ組(米。22,25)。今季スケートアメリカとロシア杯で優勝。曲は「ドン・キホーテ」。ここも全要素に全ジャッジが加点。ゆるやかな曲調で始まり、カメルンやフラメンコが多かった他と違う印象で際だった。直線のリフトはレベル4で加点1〜3。ツイズルはレベル3。パソドブレとPStはいずれもレベル2だが加点1〜3。最後のステップもレベル3だが加点1〜3。しかし、最後の最後で男性が転倒。技術点2番目の32.03、演技構成点も2番目の34.03、合計65.06でSD2位。

 フリー。1番滑走でイリニク・ジガンシン組。曲は「Anthony and Cleopatra」他。二つのステップ以外の要素はレベル4。冒頭の回転リフトは全ジャッジが加点2。サーキュラーステップはレベル2だが全ジャッジが加点。対角線のステップはレベル3で全ジャッジが加点。最後のコリオリフトも全ジャッジが加点。技術点5番目の46.81、演技構成点4番目の50.4、リフトの時間超過による減点1、合計96.21でフリー4位、総合6位。
 2番滑走でパパダキス・シゼロン組。曲はモーツァルト協奏曲23番から「Adagio」。ツイズル以外の全要素に全ジャッジが加点。直線のリフトはレベル4で加点1〜3。ツイズルレベル3。サーキュラーステップレベル2。スピンレベル4に加点1〜3。対角線のステップレベル3。カーブのリフトはシンプルで美しい。レベル2だが加点2〜3。回転リフトはレベル4で加点2〜3。基礎点36.5に全体で11点以上の加点。前半は固かったが、後半はよかった。今季急に得点が伸びるようになった。全体のスピードが速いのにエッジが深い。技術点3番目の48.26、演技構成点2番目の52.65、合計100.91でフリー3位、総合3位。
 3番滑走でギレス・ポワリエ組。曲は「欲望という名の列車」他。二つのステップ以外の全要素がレベル4。直線のリフトは全ジャッジが加点1〜3。サーペンタインステップはレベル2だが全ジャッジが加点。直線のステップもレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。最後のコリオスピンは全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の47.14、演技構成点最低の48.53、合計95.67でフリー5位、総合5位。

 4番滑走でシブタニ兄妹。曲はヨハン・シュトラウスの「Roses from the South」と「青木美しきドナウ」。冒頭の直線のリフトはほぼ全ジャッジが加点2〜3。回転リフトはレベル2だが全ジャッジが加点1〜3。サーキュラーステップレベル2。スピンはレベル3で全ジャッジが加点。カーブのリフトとツイズルはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。対角線のステップレベル3。コリオスピンは全ジャッジが加点。全体に滑り込みが足りないのか。技術点最低の45.16、演技構成点5番目の49.88、合計95.04でフリー6位、総合4位。
 5番滑走でチョック・ベイツ組。曲は「パリのアメリカ人」。対角線のステップ以外の全要素に全ジャッジが加点。レベルも二つのステップ以外の要素はレベル4。冒頭の直線のリフトは加点2〜3。ツイズルは加点2。サーキュラーステップはレベル2だが全ジャッジが加点。カーブのリフトは加点1〜3。対角線のステップはほぼ加点1〜3。最後のコリオスピンは加点1〜3。技術点2番目の50.41、演技構成点3番目の52.62、リフトの時間超過による減点1、合計102.03でフリーも2位、総合2位。SDの転倒が痛かった。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組。曲は「四季」より「春」「夏」「冬」。全要素に全ジャッジが加点。二つのステップはレベル3、他の要素は全てレベル4。冒頭のサーキュラーステップ、直線のリフトとカーブのリフト、回転リフトと対角線のステップ、最後のコリオリフトは加点2〜3。ツイズルは加点1〜3。基礎点40.2に全体で13.26もの加点。技術点最高の53.46、演技構成点も最高の56.34、合計109.8は自己ベスト更新でフリーも1位、総合優勝。今季は全ての大会で優勝。この時期でこの完成度はすごい。今季に向けた気迫が感じられる。

 <ペア>第1グループは全て中国。1番滑走でユウ・ジン組(中。18,20)。今季中国杯2位、NHK杯3位。曲は「Yulunga」。冒頭のソロジャンプ成功。ツイストはレベル3で全ジャッジが加点。スローループもほぼ全ジャッジが加点。スピンとリフトはレベル4。デススパイラルとステップはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。技術点33.89、演技構成点最低の28.82、合計62.71は自己ベスト更新でSP4位。
 2番滑走でスイ・ハン組(中。19,22)。今季はスケートカナダとボンパール杯で2位。曲は「Stray Cat Strut」。冒頭のソロジャンプは女性が手を付いた。スローフリップはほぼ全ジャッジが加点2〜3。ツイストはレベル4でほぼ全ジャッジが加点1〜3。ステップ、リフト、フライングスピン、デススパイラルと全てレベル4でスピンとデススパイラルは全ジャッジが加点。プログラム全体としては少しこなれていない感じ。技術点三番目の36.26、演技構成点四番目の30.40、合計66.66でSP3位。
 3番滑走でペン・ジャン組(中。17,30)。今季スケートアメリカ3位、中国杯優勝。曲はチャイコフスキー「くるみわり人形」の「アラビアの踊り」。冒頭のソロジャンプは女性が転倒。デススパイラルはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。ツイストは軽々と高くレベル3で全ジャッジが加点1〜3。スローループも素晴らしく全ジャッジが加点2〜3。リフトとスピンはレベル4で、スピンは全ジャッジが加点。技術点32.97、演技構成点30.49、転倒の減点1、合計62.46でSP5位。

 4番滑走で川口・スミルノフ組(露。33,30)。今季スケートアメリカ優勝、NHK杯2位。曲はタイスの交響曲から「Meditation」。川口のジャンプが不調。冒頭のソロジャンプだけでなく、スローループも転倒。得意でないツイストはレベル3。リフトとステップはレベル4で全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3。フライングスピンはレベル4。技術点最低の27.86、演技構成点5番目の30.11、転倒の減点2、合計55.97でSP6位。
 5番滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。29,29)。今季はスケートカナダとNHK杯で優勝。曲は「Un peu plus haut」。全要素に全ジャッジが加点。ツイストはレベル3。ソロジャンプはルッツ成功。スローフリップも決める。スピン、リフト、ステップ、デススパイラル全てレベル4。うちスピンは加点1〜3、リフトは加点2〜3。技術点最高の40.01、演技構成点も最高の34.49、合計74.5でSP1位。
 最終滑走でストルボア・クリモフ組(露。22,24)。今季ロシア杯とボンパール杯で優勝。曲は「Crouching Tiger, Hidden Dragon」。冒頭のツイストレベル3。ソロジャンプは全ジャッジが加点。スロールッツは全ジャッジが加点1〜3。リフトはレベル3でほぼ全ジャッジが加点1〜3。デススパイラル、スピン、ステップはレベル4。デススパイラルとスピンは全ジャッジが加点。ステップほぼ全ジャッジが加点。技術点2番目の37.93、演技構成点も2番目の34.4、合計72.33でSP2位。

 フリー。1番滑走で川口・スミルノフ組。曲はチャイコフスキー「Manfred Symphony」。川口の体調が悪そうだが、フリーは巻き返した。冒頭の3回転トウループのシークエンスは第1で川口が片手をついたが跳びきった。ダブルアクセルのソロジャンプもなんとか成功。スローサルコウは4回転で、惜しくも両足きみ。スピン二つはレベル4。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。ツイストはレベル3で着氷時に少し重心が後ろになった。リフト三つとデススパイラルはレベル4で、リフトは全て全ジャッジが加点。川口が倒立し、スミルノフが片足のキャリーリフトはすごい。スローループも全ジャッジが加点。技術点4番目の63.88、演技構成点3番目の64.69、合計128.57でフリー4位、総合6位。
 2番滑走でペン・ジャン組。曲はストラビンスキーの「Allegretto」。ほとんど旋律のない曲。音符ひとつひとつに振り付けてある感じ。冒頭のツイストは4回転で余裕があった。全ジャッジが加点1〜3。ソロジャンプはダブルアクセルで女性が1回転。連続ジャンプは成功。スピン二つとリフト三つ、デススパイラルはレベル4。リフトとデススパイラルはほぼ全ジャッジが加点。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点1〜3。基礎点55.1に全体で10点以上の加点。ほぼノーミスで終わったとき女性は泣いていた。技術点3番目の65.62、演技構成点5番目の63.71、合計129.33は自己ベスト更新でフリー3位、総合4位。
 3番滑走でユウ・ジン組。曲は「Humility and Love」。冒頭のソロジャンプ、ダブルアクセルともぴったりで全ジャッジが加点。ツイストはレベル4で全ジャッジが加点。スローループは少し高すぎたのかこらえたがほぼ全ジャッジが加点。リフト三つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルレベル3。ソロスピンは少しずれ、レベル3。二つめのスローフリップは投げ方がヘンで全ジャッジが減点。最後のペアスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点5番目の63.58、演技構成点最低の61.5、合計125.08は自己ベスト更新でフリー6位、総合5位。

 4番滑走でスイ・ハン組。曲は「Francesca da Rimini」。冒頭のツイストは4回転でレベル2、キャッチがぎりぎりだったが、ほぼ全ジャッジが加点。連続ジャンプはたぶんトウループからの3連続の予定が、女性の第1と第2が1回転、男性もミスして全ジャッジが減点。リフト二つとペアスピンはレベル4で全ジャッジが加点。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点、特に二つめのスローサルコウは加点2〜3。ソロジャンプのサルコウはよく合っていて全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。デススパイラルと二つめのリフトがレベル3。全体にまだ滑り込みが足らない感じ。技術点最低の63.52、演技構成点4番目の64.13、合計127.65でフリー5位、総合3位。
 5番滑走でストルボア・クリモフ組。曲は「ノートルダム・ド・パリ」より。冒頭のツイストはレベル3だがいつもより変な感じ。ほぼ全ジャッジが加点。スローフリップは全ジャッジが加点1〜3。3連続ジャンプは3回転1回転3回転の予定が、女性の第2がずれ、第3が2回転に。リフト三つとデススパイラル、スピン二つはレベル4。デススパイラル以外の要素は全ジャッジが加点。ソロジャンプのダブルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。最後のスローサルコウは全ジャッジが加点2〜3。終わったとき、女性は自分の額をたたいていた。技術点2番目の69.29、演技構成点最高の72.1、合計141.39でフリーも2位、総合2位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「Neutron Star Collision」他。冒頭のツイストは高くレベル3で全ジャッジが加点2。ソロジャンプはルッツで女性が片手つき。一つめのスローサルコウは4回転。スピン二つとデススパイラル、リフト三つは全てレベル4で全ジャッジが加点。3連続ジャンプも成功、ほぼ全ジャッジが加点。二つめのスロールッツは全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。終わったとき、二人ともガッツポーズ。技術点最高の74.34、演技構成点2番目の71.88、合計146.22でフリー1位、総合で初優勝。

フィギュアスケート (2014.12/13,16,17,)

グランプリ・ファイナル (2014.12/11〜12/14 バルセロナ) GPシリーズ

 <女子シングル>日本からは本郷が繰り上げ出場。1番滑走で本郷(18)。曲は「海賊」。急に出ることになったにしては、よく動いて、ほぼノーミスで出来たのはよかった。冒頭のトウループの連続3回転はほぼ全ジャッジが加点。これが決まって波に乗れた。スピンは二つがレベル4。後半、二つのジャンプも成功。ステップと最後のスピンはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の33.96、演技構成点最低の27.14、合計61.1は自己ベスト更新でSP5位。
 2番滑走でワグナー(米。23)。ただひとり20代。曲は「スパルタクス」。冒頭のフリップからの連続3回転の予定が、フリップでよろけてソロに。後半ステップからのループに2回転を付けたが、あまり質がよくない。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。スピンは二つがレベル4、一つがレベル3でほぼ全ジャッジが加点。ステップもレベル3だが全ジャッジが加点。ジャンプのミスが響き、技術点最低の29.84、演技構成点4番目の30.4、合計60.24でSP6位。
 3番滑走でポゴリラヤ(露。16)。曲は「アダージオ」。冒頭、ルッツからの連続3回転の予定が、ルッツの着氷が少し乱れたので、ソロに。後半、ステップからのジャンプに3回転を付けたが、転倒。スピン二つとステップはレベル4。前半の二つのスピンとステップは全ジャッジが加点。技術点5番目の32.34、演技構成点も5番目の30.0、転倒の減点1、合計61.34でSP4位。得点には不満そうだった。

 4番滑走でリプニツカヤ(露。16)。曲は「メガポリス」。後半のフリップ以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭の連続ジャンプの難易度をGPシリーズのトウループの連続3回転から上げ、ルッツからの連続3回転に変更、見事に決めた。フライングスピンは加点1〜3。フリップはeマーク。レイバックスピンは、加点3。最後の足替えスピンはレベル2だが加点2〜3。気迫のこもった演技をノーミスで終える。昨季のいいときのミスしない感じ。技術点2番目の34.58、演技構成点最高の31.66、合計66.24でSP2位。得点に少し不満そうだった。
 5番滑走でトゥクタミシェワ(露。17)。曲は「ボレロ」。冒頭トウループの連続3回転がきれいに決まり、全ジャッジが加点2〜3。ステップからのルッツはオーバーターンでこらえた。フライングスピンとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特にステップは音楽をよくとらえ、加点2〜3。後半のダブルアクセルも全ジャッジが加点。最後の足替えスビンはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点最高の35.89、演技構成点2番目の31.63、合計67.52でSP1位。ルッツのミスがあったが、かなりいい得点が出て笑顔。
 最終滑走でラジオノワ(露。15)。曲は「Ain't It Funny」他。冒頭のルッツからの連続3回転は成功、全ジャッジが加点。しかし後半、ステップからのループでまさかの転倒。内側に傾き過ぎか。ダブルアクセルはなんとか決める。スピン二つとステップはレベル3。ステップと、最後のレベル4のレイバックスピンはほぼ全ジャッジが加点2〜3。技術点4番目の33.63、演技構成点3番目の31.26、転倒の減点1、合計63.89でSP3位。苦笑い。

 フリー。1番滑走でワグナー。曲は「ムーランルージュ」。冒頭のダブルアクセルはきれいで全ジャッジが加点1〜3。フリップからの連続3回転、ダブルアクセルから2回転と、回転不足なく決め、ほぼ全ジャッジが加点。後半にもループから1回転をはさむ3回転サルコウは第3だけアンダーローテーション。フライングスピン、レベル3のステップ、コリオシークエンスは全ジャッジが加点。ほぼミスなく滑りきって技術点3番目の65.18点、演技構成点2番目の64.08、合計129.26でフリー3位と大幅に挽回、総合3位。
 2番滑走で本郷。曲は「カルメン」。冒頭のふりっぷからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ルッツはeマーク。スピン二つとステップはレベル3。後半、ダブルアクセルから1回転をはさみ3回転サルコウは成功。フリップはほぼ全ジャッジが加点。ダブルアクセルのシークエンスの予定が第1は1回転に。SPと違って慎重に滑っている感じが抜けなかった。技術点5番目の60.14、演技構成点最低の54.89、合計115.03でフリー6位、総合6位。
 3番滑走でポゴリラヤ。曲は「火の鳥」。冒頭のルッツからの連続3回転は見事で、全ジャッジが加点1〜3。ループから1回転をはさむ3回転サルコウは回ったが転倒。足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続ジャンプも成功、ほぼ全ジャッジが加点。しかし終盤、フライングスピンで軸がはずれてレベル2、最後のレイバックスピンもレベル3でほぼ全ジャッジが減点。攻めたが裏目に出た。技術点4番目の62.34、演技構成点5番目の57.61、転倒の減点1、合計でフリー4位、総合4位。

 4番滑走でラジオノワ。曲はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」他。冒頭のルッツからの連続3回転はほぼ全ジャッジが加点0〜3。続くフリップも全ジャッジが加点。ルッツも成功。ルッツとフリップのエッジが正確なのは強み。ステップはレベル3だがこれも全ジャッジが加点1〜3。一つめの足替えスピンはレベル3で全ジャッジが加点。後半、ループから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続も決める。もう一つループからの連続ジャンプ、フライングスピン、コリオシークエンス、レイバックスピンと全ジャッジが加点。特に最後のレイバックスピンはレベル4で加点2〜3。ノーミスで高得点。技術点最高タイの70.9、演技構成点2番目の63.95、合計134.85でフリー2位、総合2位。
 5番滑走でリプニツカヤ。曲はニーノ・ロータ「ロミオとジュリエット」他。冒頭のルッツからの連続3回転はきれいで全ジャッジが加点1〜3。しかし次のダブルアクセルで跳び急いで転倒。フライングスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ステップもレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。後半、ダブルアクセルから3回転2回転の3連続も決めるが、フリップがeマークの上、1回転に。二つめのフリップも!マーク、2回転で転倒。サルコウまで2回転に。終盤、コリオシークエンスで全ジャッジが加点2〜3。スピン二つはレベル3と4で、全ジャッジが加点2〜3。技術点最低の53.36、演技構成点4番目の60.19、転倒の減点2、合計111.55でフリー6位、総合5位。せっかくSPがよかったのに、がっかり。
 最終滑走でトゥクタミシェワ。曲は「バトワニス・ビーク」他。ほぼノーミス。冒頭にルッツからの3連続、続けてソロのルッツとフリップ。エッジも正しく、全ジャッジが加点。後半に、トウループの連続3回転も成功、全ジャッジが加点。サルコウからダブルアクセルのシークエンスも全ジャッジが加点。レベル4のステップ、最後のレベル3のスピンは全ジャッジが加点1〜3。技術点最高タイの70.9、演技構成点最高の65.16、合計136.06でフリーも1位、総合優勝。17歳でこんなに貫禄があっていいのか。ロシアはたいへんだ。

 ※同時開催のジュニアグランプリ・ファイナルでは、女子シングルで樋口(13)が3位、永井(16)は5位、中塩(18)は6位。優勝はロシアのメデベデワ。2位と4位もロシア。

 <男子シングル>日本からは町田、無良、羽生出場。1番滑走で羽生(20)。曲はショパン「バラード第1番」。冒頭の4回転をきれいに決め、全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルは素晴らしく、全ジャッジが加点2〜3。次の3回転ルッツからの連続3回転は、第2は回ったが転倒。ステップはレベル4、最後のスピンはレベル3で、いずれも全ジャッジが加点ほぼ2〜3。技術点最高の51.11、演技構成点も最高の43.97、転倒の減点1、合計94.08でSP1位。
 2番滑走でボロノフ(露。27)。曲は「Danse Macabre」。冒頭の4回転が少し曲がるが3回転を付ける。フライングスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル2。後半、トリプルアクセル、ステップからのループと決め、スピン二つはレベル3と4に全ジャッジが加点。ファイナル初出場だが、大きなミスなし。技術点3番目の45.9、演技構成点5番目の38.58、合計84.48でSP4位。
 3番滑走で無良(23)。曲は「カルメン」。今季ずっと成功してきた冒頭の4回転で転倒。トリプルアクセルはきれいに成功、全ジャッジが加点。スピン二つはレベル3と1。後半、ルッツからの連続3回転はオーバーターン。ステップはキレが悪く、レベル2。ファイナル初出場なんだからもっと思い切って行けばいいのに。技術点5番目の40.98、演技構成点最低の38.37、転倒の減点1、合計78.35でSP6位。

 4番滑走で町田(24)。曲は「バイオリンのための幻想曲」。冒頭で4回転に3回転を付けるが転倒。トリプルアクセルふんわり着氷、全ジャッジが加点。スピン二つはレベル3とレベル4で、一つめのスピンは全ジャッジが加点1〜3。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。ステップからのルッツも見事に決め、全ジャッジが加点。技術点4番目の45.32、演技構成点2番目の42.5、合計87.82でSP2位。
 5番滑走でフェルナンデス(西。23)。曲は「ブラック・ベティ」。なんと得意の4回転サルコウで転倒。ルッツからの連続ジャンプもルッツが2回転に。スピン二つとステップはレベル4。スピンに入る前の要素でないところで、つまづいて両手つき。転倒扱い。レベル4のステップとレベル3のスピンは全ジャッジが加点1〜3。はじめにころんだせいか、全体に覇気がなかった。技術点最低の40.22、演技構成点3番目の40.96、転倒の減点2、合計79.18でSP5位。
 最終滑走でコフトゥン(露。18)。曲は「ボレロ」。冒頭の4回転サルコウ3回転に続き、ステップからの4回転トウループも決める。いずれも着氷が不安定。一つめのスピンとステップはレベル4。ステップは全ジャッジが加点。最後のスピン二つはレベル3と4。大きなミスなく滑りきった。技術点2番目の46.94、演技構成点4番目の40.08、合計87.02でSP3位。

 フリー。1番滑走で無良。曲は「オペラ座の怪人」。慎重に入ったが、冒頭の4回転3回転は高さが出て、成功、ほぼ全ジャッジが加点。続くソロの4回転、トリプルアクセルも決める。トリプルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。後半、まだ堅さがあり、ループが1回転に。直後のトリプルアクセルからの連続ジャンプは成功、全ジャッジが加点。ただ、サルコウから1回転をはさむ3回転サルコウは、第2がダウングレードというか跳べず、シークエンス扱い。コリオシークエンスの後、ルッツも決めて、技術点4番目の80.76、演技構成点5番目の76.26、合計157.02でフリー4位、総合5位。やっぱり初めてで緊張をコントロールできなかったか。
 2番滑走でフェルナンデス。曲は「セビリアの理髪師」。冒頭の4回転トウループは、SPで転んだとは信じられないほどの軽やかさで全ジャッジが加点1〜3。続く4回転サルコウからの連続ジャンプの予定が3回転サルコウに。しかしトリプルアクセルはすばらしく、全ジャッジが加点2〜3。足替えシットスピンとステップはともにレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ステップはもっとよくなりそう。後半、ソロの4回転サルコウをなんとか下りる。直後のルッツからの連続ジャンプはルッツが1回転に。しかしミスはこれくらい。レベル3の足替えスピンとコリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。ほぼノーミスでSP5位から表彰台へ。技術点2番目の87.5、演技構成点も2番目の87.22、合計174.72でフリー2位、総合2位。
 3番滑走でボロノフ。曲は「Come Together」他。冒頭の4回転なんとか成功。トリプルアクセルからの連続ジャンプ、トウループの連続3回転、ソロのルッツと決める。スピン二つでレベル4、ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセル、ループからの3連続も決める。足替えシットスピンとコリオシークエンスは全ジャッジが加点。そつなくノーミスでベテランの味で初出場ながら表彰台へ。技術点3番目の83.05、演技構成点4番目の77.0、合計160.05でフリー3位、総合3位。

 4番滑走でコフトゥン。曲は「エクソジェネシス」。冒頭、4回転サルコウの予定が2回転に。ソロの4回転トウループは全ジャッジが加点。トリプルアクセルからの連続3回転も成功。足替えシットスピンだけレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセル、ルッツからの連続ジャンプ、ソロのルッツと決めるが、4回転サルコウからの連続ジャンプの予定が3回転サルコウに。最後のスピンはレベル2。三つ入れる予定の4回転が一つしか決まらず、技術点5番目の76.35、演技構成点3番目の78.9、合計155.25でフリー5位、総合4位。
 5番滑走で町田。曲はベートーベン「第九」。冒頭の4回転で転倒。二つめの4回転は下りるが、第2ジャンプ入らず。トリプルアクセルの予定が1回転に。これは痛かった。足替えスピンとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。サルコウは成功。しかし、後半、ループがアンダーローテーションで転倒、トリプルアクセルでも転倒。フリップからの連続ジャンプは!マークだがなんとか決める。全ジャッジが加点したコリオシークエンスの後、ふらふらなはずだが渾身のルッツを決める。最後の足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点最低の56.23、演技構成点75.08、転倒の減点3、合計128.31でフリー6位、総合6位。ジャンプの不調が全体に厳しいプログラムをますます消化不良に。フランス杯から2週間でのヨーロッパとの往復が堪えたらしい。全日本が心配。
 最終滑走で羽生。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭で4回転サルコウをきれいに成功、全ジャッジが加点2〜3。続けて4回転トウループも軽々と決め全ジャッジが加点2〜3。フライングスピンとステップはレベル3だがステップは全ジャッジが加点1〜3。連続ジャンプは三つとも後半。ルッツからの連続ジャンプ、トリプルアクセルからの連続3回転、トリプルアクセルから1回転をはさんで3回転サルコウの3連続と、いずれも全ジャッジが加点。転倒後のコリオシークエンス、二つのスピン(レベル4と3)も全ジャッジが加点。最後のルッツで転倒した以外ほぼノーミスで驚異的な得点。基礎点88.04もすごいが、全体で15点以上の加点。技術点103.3、演技構成点91.78、転倒の減点1、合計194.08でフリーも1位、総合優勝。めずらしく跳びはねて喜んでいた。インタビューでは「連覇とか全く意識していなかった。久しぶりに思い切り楽しく滑れた。」と言っていた。

 ※同時開催のジュニアグランプリ・ファイナルでは、男子シングルで宇野(16)がSP3位から大逆転優勝。「ドン・ファン」の曲に乗って、速くなめらかな滑りで、4回転、トリプルアクセル、トリプルアクセルからの連続ジャンプ、ダブルアクセルから1回転を挟む3回転フリップルッツ、フリップからの連続ジャンプなど全て成功。またジュニアでは卓越した表現力でスピン二つとステップでレベル4、基礎点79.38に全体で10点以上の加点で、技術点驚異的な89.92、演技構成点最高の73.14、合計163.06でフリー1位となり優勝。SP1位の山本(14)も、技術点2番目の73.99、演技構成点3番目の63.08、合計137.07でフリー2位、総合2位。二人とも大躍進。

ページトップへ

フィギュアスケート (2014.12/12)

全日本ジュニアフィキュアスケート選手権 (2014.11/22〜24 新潟市)

 <男子シングル>30人出場。フリーに24人が進む。フジテレビでは、男子は女子のおまけのようで、殆ど時間を割いてもらえず。19番滑走でSPダントツ1位(82.72)の宇野(16)。昨季、一昨季とも全日本ジュニア2位。もう高校2年。身長は156p。曲は「ドン・ファン」。冒頭の4回転で転倒。続くトリプルアクセルはなんとか下りる。二つめの4回転も転倒。第2付かず。足替えスピンはレベル3だが速く、全ジャッジが加点。ステップもすばらしい表現力でレベル3だが全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセルで転倒。直後のループは全ジャッジが加点1〜3。フライングスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。しかしルッツでまた転倒。それでもサルコウ、ダブルアクセルから1回転をはさんで3回転フリップの3連続と決めて、全ジャッジが加点。最後の足替えスピンもレベル3に全ジャッジが加点1〜3。技術点60.8、演技構成点71.2、転倒の減点4、合計128.0でフリー2位、総合で初優勝。
 20番滑走でSP2位(67.81)の山本(14)。昨季全日本ジュニア5位、一昨季4位。冒頭でトリプルアクセル転倒。しかし後のジャンプは全て下りた。ルッツには二つとも!マーク。後半には、ダブルアクセルから1回転をはさんで3回転サルコウの3連続も成功。スピンは一つがレベル4、二つがレベル3。ステップはレベル2。技術点69.19、演技構成点66.5、合計134.69でフリー1位、総合2位。

 <女子シングル>32人出場。フリーに24人が進む。女子もSPは放送なし。21番滑走でSP4位の坂本(14)。昨季全日本ジュニア6位。曲は「ロミオとジュリエット」。振付には太田ゆきなの名前も。冒頭のフリップからの連続3回転を軽やかに成功、全ジャッジが加点1〜3。続けてダブルアクセルから3回転2回転の3連続も決める。スピンは三つともレベル3。後半、ルッツがeマークになった以外は全てのジャンプでほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。まだ情緒的な表現は出来ていない。技術点3番目の61.79、演技構成点4番目の49.68、合計111.47でフリー3位、総合2位。
 22番滑走でSP2位の永井(15)。昨季全日本ジュニア19位。中学生の活躍が目立つ中、一人高校1年が奮闘。曲はサンサーンスの「ロンド・カプリチオーソ」。小塚も使った曲。振付はシェイリン・ボーン。冒頭、ソロのルッツ成功、ほぼ全ジャッジが加点。続けてルッツからの連続3回転はかろうじて下りたが、第2がアンダーローテーション。フリップはeマーク。レイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。力強さはないが、優雅な雰囲気や手先の使い方など、シニアに通用しそう。後半、ダブルアクセルから3回転2回転の3連続成功。ループは全ジャッジが加点。しかしサルコウがパンクして1回転。終盤、スピン二つがレベル3で全ジャッジが加点。技術点8番目の53.65、演技構成点2番目の53.6、合計107.25でフリー4位、総合3位。
 23番滑走でSP1位の樋口(13)。昨季全日本ジュニア8位。曲はガーシュウィンの「ピアノ協奏曲」。振付は佐藤のりこと阿部ななみ。冒頭ルッツからの連続3回転を決め、全ジャッジが加点。ループ、サルコウも全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル3。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから3回転トウ。レイバックスピンはレベル2。ソロのルッツは全ジャッジが加点1〜3。逆にフリップは!マーク。ダブルアクセルからの3連続も成功、全ジャッジが加点。最後のスピンもレベル3で全ジャッジが加点。技術点最高の65.81、演技構成点も最高の58.16、合計123.97でフリー1位、総合優勝。全日本でどこまで通用するか楽しみ。

フィギュアスケート (2014.11/28,29,30,12/1,5,7,11)

NHK杯 (2014.11/28〜11/30 大阪) GPシリーズ第6戦

 <ペア>7組出場。ロシアの若い組が欠如。日本からは高橋・木原組。2番滑走で高橋・木原組(22,22)。今季ロシア杯7位(見ていない)。曲は「ボサノバ・ベイビー」。冒頭のソロジャンプのサルコウで高橋転倒。ツイストは2回転でレベル1。リフトはレベル3。昨季より難しいランディングをマスター。スローサルコウは、両足気味でこらえた。スピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。ステップもレベル3で、スピードがなかった。デススパイラルは初めてレベル3をとったのではないか。技術点23.32、演技構成点23.03、合計45.35でSP最下位。
 3番滑走でバザロワ・デプタト組(露。21,21)。今季から組み替え。今季中国杯4位(見ていない)。曲は「マイ・ウェイ」。冒頭のソロジャンプはタイミングがずれたものの、二人とも成功。ツイストは3回転でレベル3。スロージャンプも決まり、デススパイラル、と最後のリフトはレベル4。スピンとステップはレベル3。技術点3番目の31.99、演技構成点4番目の27.63、合計59.62でSP4位。
 第2グループ4番滑走で川口・スミルノフ組(露。33,30)。今季スケートアメリカ優勝。曲は「タイスの交響曲」。冒頭のソロジャンプは川口が少しぐらついた。ツイストはレベル3。スローループは全ジャッジが加点1〜3。リフトもレベル4で加点評価。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。デススパイラルはレベル4、スピンはレベル3。終わったとき、スケートアメリカのときより手応えがあったのか笑顔だったが、得点は伸びず。笑顔が消える。技術点4番目の30.61、演技構成点3番目の29.54、合計60.15でSP3位。

 5番滑走でユウ・ジン組(中。18,20)。昨季世界ジュニア優勝。今季中国杯2位(見ていない)。曲は「Yulunga」。冒頭のソロジャンプのトウループは、全ジャッジが加点。ツイストもレベル3だが全ジャッジが加点。スローループは両足、スピンとデススパイラルはレベル3。リフトはレベル4。ステップはレベル2。技術点2番目の32.88、演技構成点も2番目の31.72、合計64.6でSP2位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。28,29)。今季スケートカナダ優勝(見ていない)。曲は「Un peu plus haut」。冒頭のツイストは高かったがレベル2。ソロジャンプのルッツ成功、全ジャッジが加点1〜3、全ジャッジが加点。続けてスロールッツも決める。スピンはレベル3だが、リフト、ステップ、デススパイラルとレベル4に全ジャッジが加点、全体にスピードがあった。技術点最高の39.02、演技構成点も最高の33.68、合計72.7でSP1位。

 フリー。1番滑走で高橋・木原組。曲はミュージカル「That's Entertainment」より。振付はSPと同じくズエワ。冒頭の連続ジャンプは、高橋が3回転サルコウで転倒し、2回転が付かず。ツイストは2回転でレベル2。一つめのリフトは、安定するのに余分にかかり、単純に下りてしまった。一つめのスローサルコウは両足でオーバーターン。フライングソロスピンはレベル3。ダブルアクセルでまた高橋が両手つき。二つめのリフトは難しい入り方、姿勢の変化、難しい下り方ができ、レベル4。二つめのスローループは両足。三つめのリフトはレベル2。デススパイラルはレベル3。これは良くなった。ペアスピンもレベル3。技術点42.23、演技構成点44.68、転倒の減点1、合計85.91でフリーも最下位、総合7位。試合後のインタビューでは、高橋は「最後までスピードを保てた。」、木原は「一つめのリフトはヒヤヒヤしたが、立て直せた。」と言っていた。
 第2グループ4番滑走でバザロワ・デプタト組。曲は「アディオス・ノニーノ」。冒頭のソロジャンプで女性が2回転の上、転倒。ツイストはレベル3で全ジャッジが加点。ダブルアクセルから1回転を挟んで2回転サルコウは、第1がアンダーローテーション。デススパイラルとフライングソロスピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。一つめのスローフリップで転倒。続けてスローループでは片手つき。コリオシークエンスと、レベル3の一つめのリフトはほぼ全ジャッジが加点。あと二つのリフトはレベル4、ペアスピンはレベル3。キスアンドクライで初めは笑顔だったが、得点を見ると、無表情に。技術点52.49、演技構成点55.59、転倒の減点2、合計106.08でフリー4位、総合4位。

 5番滑走でユウ・ジン組。曲は映画「クリエイション」より「Humility and Love」。振付はD.ウィルソン。冒頭は、ミラーの動きから3回転トウループはピッタリで、全ジャッジが加点。続くダブルアクセルのシークエンスもほぼ全ジャッジが加点。ツイストはレベル3で全ジャッジが加点。スローループはきれいに下りて全ジャッジが加点2〜3。リフトは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルとフライングソロスピンはレベル3。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。最後のペアスピンは後半バランスをくずし、レベル2。技術点最高の62.36、演技構成点3番目の59.49、合計121.85は自己ベスト更新でフリー2位、総合3位。ファイナル決定。
 6番滑走で川口・スミルノフ組。曲はチャイコフスキーの「マンフィールド交響曲」。冒頭の3回転トウループのシークエンスは、間のターンが多すぎて第2ジャンプの得点付かず、川口が転倒。ダブルアクセルはなんとか決める。一つめのスローサルコウは4回転に挑戦、回ったが転倒。フライングソロスピンは珍しく足替えで少しずれてレベル3。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。ツイストはレベル2。リフトは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。二つめのスローループと、レベル3のペアスピンは全ジャッジが加点。曲にストーリーがあるようで、スミルノフがすごく感情豊かに表現していた。技術点3番目の55.89、演技構成点2番目の65.11、転倒の減点2、合計119.0でフリー3位、総合2位。ファイナル決定。技術点が低かったせいか、川口は固い顔だった。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「Neutron Star Collision」他。冒頭のツイストはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。ソロジャンプのルッツはほぼ全ジャッジが加点。スロー4回転サルコウ転倒。フライングソロスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。トウループからの3連続は、女性の第1ジャンプが2回転に。NHK解説の小山さん(アルベール五輪14位)は、「今季からのルール改正で同じ2回転ジャンプ二つまで」にひっかかるのでは、と言っていたが、なぜか無得点にならず。デススパイラルとリフト二つはレベル4。リフトは全ジャッジが加点。ペアスピンレベル3。スロールッツは得意なはずだが、片手つき。最後のリフトはなぜかレベル2。技術点2番目の61.86、演技構成点最高の66.22、転倒の減点1、合計127.86でフリーも1位、総合優勝。ファイナル決定。

 <男子シングル>11人出場。日本からは3人、羽生、無良、村上大介。2番滑走で村上大介(23)。昨季全日本10位。今季GPシリーズはこれのみ。曲は「ロクサーヌのタンゴ」。冒頭の4回転サルコウから2回転成功、全ジャッジが加点。トリプルアクセルも決め、ほぼ全ジャッジが加点。スピンは一つレベル4。後半、ステップからのフリップ成功。あと二つのスピンとステップはレベル3だが、ステップは上半身もよく使い、全ジャッジが加点。終わったとき、ガッツポーズ。技術点2番目の42.86、演技構成点36.82、合計79.68は自己ベスト更新でSP3位。
 4番滑走でバルデ(加。23)。今季GPシリーズはこれのみ。曲は「I Got You」他。冒頭の4回転は、下りたがアンダーローテーションで片手つき。トリプルアクセルはきちんと成功。フライングスピンはレベル4。後半、ルッツからの連続ジャンプは第2が2回転に。あと二つのスピンとステップはレベル3。技術点34.53、演技構成点32.97、合計67.5でSP7位。
 8番滑走でアボット(米。29)。今季スケートアメリカ5位。ただSPは2位だった。曲は「Lay Me Down」。冒頭のフリップからの連続3回転成功、ほぼ全ジャッジが加点。ステップからのルッツも決める。スピン三つとステップはレベル3。後半、トリプルアクセルも決め、ほぼ全ジャッジが加点。二つめのスピンとステップは、全ジャッジが加点。全体に、スケートアメリカの方が滑らかに滑っていた。今回は少しラフに感じる。技術点3番目の41.62、演技構成点2番目の40.89、合計81.51でSP2位。

 9番滑走でボロノフ(露。27)。今季ロシア杯2位。曲は「Danse Macabre」。冒頭で4回転2回転をなんとか決める。フライングスピンはレベル4、ステップはレベル3。後半、トリプルアクセルは両手つき。ステップからのループは成功。最後のスピン二つはレベル3と4で全ジャッジが加点。技術点4番目の40.58、演技構成点も4番目の38.35、合計でSP4位。
 10番滑走で無良(23)。今季スケートカナダ優勝。曲はビゼーの「カルメン」。ただひとり4回転3回転を決める。トリプルアクセルは大きく、全ジャッジが加点2。スピン二つとステップはレベル3。ステップはほぼ全ジャッジが加点。二つめのスピンはレベル2。後半、ステップからのルッツも決めてほぼ全ジャッジが加点。最初は緊張していたが、なんとかうまくまとめた。靴も取り替えたらしい。技術点最高の46.35、演技構成点3番目の39.93、合計86.28でSP1位。
 最終滑走で羽生(19)。曲はショパンの「バラード第1番」。冒頭に変更した4回転はアンダーローテーションで転倒。二つのスピンはレベル4。後半、トリプルアクセルはきれいに成功、ほぼ全ジャッジが加点0〜3。しかし、連続ジャンプはルッツでよろけて第2に1回転を付けるのがやっと。今季から要素に満たない1回転は無得点。ステップはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。最後のスピンはレベル3で全ジャッジが加点。終わったとき苦笑いして悔しそうだった。技術点5番目の36.9、演技構成点最高の42.11、合計78.01でSP5位。

 フリー。番狂わせの村上大介優勝。5番滑走でバルデ。曲はフラメンコ。冒頭で4回転成功。ルッツからの連続3回転も決める。トリプルアクセル何とか下りる。ステップはレベル3だがていねいに踏み、ほぼ全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプ成功。フリップはeマークで2回転になったが、他のジャンプは全て決める。スピン二つはレベル3。コリオシークエンスと最後のレベル4の足替えスピンはほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の74.72、演技構成点6番目の70.28、合計145.0は自己ベスト更新でフリー6位、総合6位。
 7番滑走で羽生。曲は「オペラ座の怪人」。衣装は銀色が基調。冒頭の4回転サルコウは2回転に。続く4回転トウループは3回転で転倒。フリップは成功、全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル3だが、ステップは全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続ジャンプ、トリプルアクセルからの連続3回転は全ジャッジが加点。しかしここでスタミナがつきたか、二つめのトリプルアクセルからの3連続の予定が、アクセルが1回転。第3ジャンプには3回転サルコウを付けた。コリオシークエンスと最後のスピン二つにはほぼ全ジャッジが加点。技術点6番目の70.31、演技構成点2番目の82.48、合計151.79でフリー3位、総合4位。なんとかファイナル決定。
 8番滑走でボロノフ。曲は「Come Together」他。黒を基調とした衣装。冒頭で4回転3回転は少し軸が傾きかけたのに成功、ほぼ全ジャッジが加点。トリプルアクセルからの連続ジャンプも決めほぼ全ジャッジが加点。途中、ルッツが2回転になったが、後半、ループからの3連続も成功。スピン二つがレベル4、ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。足替えシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。優雅さには欠けるが、技術点2番目の80.34、演技構成点77.38、合計157.72でフリー2位、総合2位。ファイナル決定。

 9番滑走で村上大介。曲はラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」。水色と青の衣装。冒頭で4回転サルコウをきれいに決め、全ジャッジが加点。続けて4回転2回転も成功、これもほぼ全ジャッジが加点。足替えシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。トリプルアクセルからの連続ジャンプ、ソロのトリプルアクセルも成功、ほぼ全ジャッジが加点。後半のジャンプは全てソロにして、三つめの連続ジャンプは入れず。解説の本田が「冒頭の4回転の第2が2回転になったので、三つめの連続ジャンプに2回転が使えないため、ソロの方が得点になる。」と評価。技術点最高の86.53、演技構成点4番目の79.86、合計166.39はもちろん自己ベスト大幅更新でフリー1位、総合優勝。
 10番滑走でアボット。曲は「弦楽器のためのアダージオ」。ゆったりとした曲調。解説の本田が「アボットでなければ表現できない曲」と言う。しかし冒頭の4回転が3回転に。フリップからの連続ジャンプは第2ジャンプが2回転。一つめのトリプルアクセルとループは全ジャッジが加点。足替えシットスピン二つはレベル2とやや取りこぼし。後半、フリップから1回転をはさむ3回転サルコウも成功。だが、二つめのトリプルアクセルでステップアウトし、第2が入らず。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。ルッツは2回転になった。全体としては音楽をよく表現していたが、レベルの取りこぼしが多く、技術点9番目の64.28、演技構成点最高の83.86、合計148.14でフリー5位、総合5位。
 最終滑走で無良。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭の4回転はアンダーローテーションでステップアウト。次の4回転に2回転を付けた。しかしトリプルアクセルがパンクし1回転に。フライングスピンとステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプは成功、全ジャッジが加点。ところがフリップを途中でほどいてしまいダウングレードで!マークも。二つの足替えスピンはレベル3.サルコウから1回転をはさむ3連続は第3が2回転に。最後のルッツは決めた。技術点7番目の67.88、演技構成点3番目の80.28、合計148.16でフリー4位、総合3位。ファイナル決定。

 <女子シングル>12人出場。日本からは3人、加藤利緒菜、村上、宮原。3番滑走で加藤(16)。地元大阪出身。これがシニアデビュー戦。昨季全日本ジュニア7位、一昨季全日本ジュニア2位。ジャンプが得意らしい。曲は「フラワー・デュエット」。衣装は白地に花のイラスト。冒頭、連続ジャンプの予定がフリップで転倒。スピン二つはレベル3。ステップはレベル2。後半、ループに2回転を付けた。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。最後のレイバックスピンはレベル4で、ほぼ全ジャッジが加点。技術点8番目の28.07、演技構成点10番目の23.8、合計50.87でSP8位。
 8番滑走で李子君(中。17)。今季中国杯6位。曲は「花のワルツ」。濃いピンクの衣装。冒頭フリップからの連続3回転を跳んだが、第2がアンダーローテーションで転倒。一つめのスピンはレベル2だが、あと二つはレベル4。後半、ステップからのループとダブルアクセルは成功。ダブルアクセルとレベル3のステップ、最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。特にレイバックスピンは加点1〜3。技術点5番目の29.43、演技構成点も5番目の28.01、転倒の減点1、合計56.44でSP5位。
 9番滑走でレオノワ(露。24)。今季スケートカナダ6位。曲はチャップリン・メドレー。衣装はグレー背広のような男装。冒頭、高いトウループの連続3回転を決め、全ジャッジが加点2〜3。一つめのフライングスピンとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点1〜3。後半、ステップからのフリップとダブルアクセルも成功。最後のスピン二つはレベル3。ノーミスですごく嬉しそうだった。技術点最高の36.61、演技構成点2番目の31.5、合計68.11は自己ベスト更新でSP2位。

 10番滑走で村上(20)。今季中国杯3位。曲は「オペラ座の怪人」。金色っぽい衣装。初めて人前で歌を歌うヒロイン・クリスティーナを演じる。冒頭のトウループの連続3回転は下りたが、第2がアンダーローテーション。ステップからのフリップは成功。スピン二つはレベル4と3。後半、ダブルアクセルは全ジャッジが加点。ステップと最後のレイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ノーミスで終わったとき、両手を握りしめた。技術点3番目の33.38、演技構成点も3番目の31.0、合計64.38でSP3位。リンクサイドスタジオの織田が涙ぐんでテレビに大写し。隣で鈴木明子が笑っていた。
 11番滑走で宮原。今季スケートカナダ3位。曲は「魔笛」。青に黄色い縁取りの衣装。冒頭、ルッツからの連続3回転は決めたが、ルッツがアンダーローテーション。一つめの足替えスピンはレベル3。フライングスピンはレベル4。後半、ステップからのフリップは!マーク。ダブルアクセル成功。ステップはレベル3だが、全ジャッジが加点。最後のレイバックスピンは速くてレ4に全ジャッジが加点2〜3。技術点31.27、演技構成点、合計60.69でSP4位。
 最終滑走でゴールド(米。19)。今季スケートアメリカ3位。曲はグリーグの「アダージオ」。冒頭、ルッツからの連続3回転成功。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。特にレイバックスピンは加点1〜3。後半、ステップからのループ、ダブルアクセルと成功。最後ステップと足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。昨季より少しふくよかになり、ステップの軽やかさが減った感じ。技術点2番目の36.53、演技構成点最高の31.63、合計68.16、2位と0.05の僅差でSP1位。

 フリー。5番滑走で加藤。曲はラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」。青を基調に金色の模様の衣装。冒頭のフリップからの連続3回転成功。ほぼ全ジャッジが加点。次のサルコウもほぼ全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル4。軸がしっかりしている。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。ステップは一生懸命踏んでレベル2。後半、フリップ、ダブルアクセルから3回転トウと成功。ルッツはeマークだが、ループからの3連続も決めた。あと二つのスピンはレベル3だが、最後のフライング足替えスピンは全ジャッジが加点。今できることは全部出せた。技術点最高の63.75、演技構成点7番目の53.76、合計117.51は自己ベスト大幅更新でフリー4位、総合5位は立派。
 8番滑走で李子君。曲は「ムーン・リバー」。淡いピンクに黒い縁取りの衣装。冒頭のフリップからの連続3回転は第2ジャンプでステップアウト。ダブルアクセルから3回転トウはほぼ全ジャッジが加点。ルッツはeマーク。ステップはレベル3だが、全ジャッジが加点。後半、フリップで着氷をこらえる。フライングスピンでレベルBのとりこぼし。足替えスピンもレベル2。ダブルアクセルはアンダーローテーション。最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。ジャンプがやや不調。技術点7番目の50.29、演技構成点5番目の56.17、合計106.46と伸びず、フリー8位、総合7位。
 9番滑走で宮原。曲は「ミス・サイゴン」。赤い衣装。課題はスピードらしい。冒頭のルッツからの連続3回転の予定が、力んだのか、ルッツが低く、アンダーローテーションで両手つき、第2も2回転に。フリップは成功、ほぼ全ジャッジが加点。ループは両足。ステップはレベル3、フライングスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ルッツからの3連続はきっちり決める。続けてダブルアクセルからの3回転トウも成功、立て直す。スピードは全体に速い。レイバックスピンはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。最後のジャンプはダブルアクセルの予定だったが、3回転トウループに変更、ほぼ全ジャッジが加点。最後の足替えスピンもレベル3とまとめた。技術点2番目の60.34、演技構成点4番目の57.99、合計でフリー2位、総合3位。ファイナルはならず。

 10番滑走で村上。曲は「オペラ座の怪人」。ファントムを演じる。白と黒の衣装で白い部分に金で仮面の縫い取り。。力強い滑りは表現できていた。冒頭のトウループの連続3回転は、ほぼ全ジャッジが加点2〜3。ダブルアクセル、レベル4のレイバックスピン、レベル3の足替えスピンとステップも全ジャッジが加点と、滑り出しは好調。しかし、後半最初に苦手なループが2回転になったのが運の尽き。ソロのフリップは転倒。フリップからの連続ジャンプは決めたが、サルコウからの3連続の第2と第3がともにループのため、2回転ループが三つとなり、3連続全体が無得点。もったいなかった。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点、最後のフライングスピンもレベル4に全ジャッジが加点とまとめただけに、悔やまれる結果。技術点8番目の48.51、演技構成点3番目の61.2、転倒の減点1、合計でフリー7位、総合4位。ファイナルならず。
 11番滑走でレオノワ。曲はタンゴ2曲。赤一色に腰のところに銀の飾りが付いた大人っぽい衣装。冒頭のトウループの連続3回転は高く、全ジャッジが加点1〜3。ルッツは!マークでよろめく。ループは2回転に。スピン二つはレベル4と3。後半、ソロのフリップがステップアウト。フリップからの連続ジャンプは決めたが、サルコウからの3連続でもアンダーローテーション。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。最後のスピンもほぼ全ジャッジが加点。音楽表現はさすがだが、ジャンプに安定感がなく、技術点6番目の56.23、演技構成点2番目の62.06、合計118.29でフリー3位、総合2位。ファイナルならず。
 最終滑走でゴールド。曲は「オペラ座の怪人」。青紫の衣装。冒頭のルッツからの連続3回転の予定は、第2を2回転にして全ジャッジが加点。ダブルアクセルから3回転トウも全ジャッジが加点。スピン二つはレベル3と4。後半、フリップが!マークで2回転に。しかしルッツは決めて、ほぼ全ジャッジが加点。着氷が安定している。と思ったらサルコウで転倒。ステップはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ダブルアクセルからの連続ジャンプも成功。レベル4のレイバックスピン、コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3とまとめた。技術点3番目の59.67、演技構成点最高の64.33、合計123.0でフリーも1位、総合優勝。ファイナル決定。

 12/5、ファイナル出場予定だったゴールド(米)が、足の疲労骨折で辞退、なんと本郷が繰り上げ出場となった。

 <アイスダンス>8組出場。日本からは2組、リード姉弟、平井・デラアスンション組出場。1番滑走でシニシナ・カツァラポフ組(露。19,23)。4月に組み替えたばかり。コーチ、振付ともマリナ・ズエワ。今季ロシア杯4位(見ていない)。女性が第2ツイズルの途中でよろけ、レベル2。ステップもレベル2。パターンダンスのパソドブレはレベル3、パーシャルステップ(PSt)はレベル2。最後の回転リフトはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点5番目の25.5、演技構成点4番目の29.44、合計54.94でSD5位。
 2番滑走で平井・デラアスンシオン組(28,25)。2012から組んだ。男性はフランス出身。コーチをしながら競技を続けている。コーチに元世界王者のショーンフェルダー。昨季全日本2位、四大陸11位。GPシリーズデビュー戦。曲は「Garcia Lorca」他。前の組と比べるとスピードはないが、彼らなりの速さは保っていた。パソドブレはレベル2、PStはレベル3。ステップで、途中で女性がよろけ、レベル2。ツイズルはていねいに回ったが、レベル3。回転リフトはレベル4。技術点最低の22.79、演技構成点も最低の22.59、合計44.39は自己ベスト更新でSD8位。
 3番滑走でリード姉弟(27,25)。コーチは、チャイトからズエワに変更。昨季全日本優勝、ソチ五輪21位、世界選手権18位。今季初戦。曲は「エル・シド・ファルーカ」他。衣装は白黒のすっきりしたもので、お母さんのデザイン。キャシーが第2ツイズルの途中でよろけたがレベル3。ステップはレベル2。パソドブレはレベル3、PStレベル2。最後の回転リフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点6番目の25.31、演技構成点7番目の25.24、合計50.55でSD7位。

 4番滑走でモンコ・ハリアビン組(露。22,20)。2011年世界ジュニア優勝、昨季国内5位。今季スケートカナダ4位(見ていない)。ツイズルはレベル4。パソドブレはレベル3、PStもレベル3。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4で、これもほぼ全ジャッジが加点。ノーミスで終え、技術点2番目の30.75、演技構成点5番目の28.95、合計59.7でSD3位。
 7番滑走でクームズ・バックランド組(英。25,25)。今季ロシア杯3位(見ていない)。曲は「マラゲーニャ」他。冒頭のステップは、レベル2だが、全ジャッジが加点。パソドブレは速くてレベル4、PStはレベル2。ツイズルはレベル4で全ジャッジが加点。カーブのリフトはレベル2だが全ジャッジが加点。技術点4番目の29.72、演技構成点2番目の31.77、合計60.49でSD2位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組(加。25,27)。今季スケートカナダ優勝(見ていない)。曲は「La Virgen de la Macarena」。男性は闘牛士の衣装、女性は真っ赤なマントのイメージ。全ての要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイズルはレベル4。ステップはレベル2。パソドブレとPStはレベル3。回転リフトはレベル4。技術点最高の33.19、演技構成点も最高の34.32、合計67.51でSD1位。

 フリー。1番滑走で平井・デラアスンシオン組。曲はブルース・ブラザーズの「Peter Gunn theme」他。ツイズルはレベル4。サーキュラーステップはレベル2。カーブのリフトとロングリフトはレベル4。対角線のステップはレベル1。女性が少し疲れてエッジがフラットになっているか。スピンはレベル4。最後はコリオスピン。彼らなりのスピードを保って滑りきった。SDは緊張したが、フリーは楽しく滑れたとのこと。技術点6番目の36.23、演技構成点最低の32.43、リフトの時間超過で減点1、合計67.66は自己ベスト大幅更新でフリー7位、総合8位。
 2番滑走でリード姉弟。曲はヘプバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」より。キャシーの衣装は、黒を基調に淡い黄色の襟飾り。冒頭のカーブのリフトはレベル4で全ジャッジが加点1。サーキュラーステップとスピン、ツイズル、対角線のステップはレベル3。回転リフトと直線のリフトはレベル4。最後のコリオスピンはしゃれた動作で、全ジャッジが加点。技術点4番目の42.45、演技構成点7番目の38.88、リフトの時間超過で減点1、合計80.33でフリー5位、総合6位。
 4番滑走でシニシナ・カツァラポフ組。曲は「Did You Ever Feel Lonely」他。冒頭のツイズルは速くレベル4。サーキュラーステップはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。ところが直線のリフトの姿勢変化で女性が落下、二人とも転倒。NHK解説の宮本さんは「女性がリフトの前のステップで少し遅れていて焦っていたようだ。」と言っていた。直後のスピンはレベル1。対角線のステップはレベル2。二つめの直線のリフトは女性が上がれず、無得点。回転リフトもレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。技術点最低の29.54、演技構成点6番目の40.83、転倒とリフトの時間超過で減点3、合計67.37でフリー最下位、総合7位。

 5番滑走でSP4位のハワイエク・ベイカー組(米。18,21)。男性はイギリス出身。曲は「ロミオとジュリエット」。最後までスピードがあり、緩急のメリハリがあった。冒頭のカーブのリフトは、男性がヒザを曲げたイーグルのまま反った姿勢で女性を支える難しいもので、レベル4に全ジャッジが加点。ツイズルもレベル4。サーキュラーステップとスピンはレベル2だが全ジャッジが加点。直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。回転リフトはレベル3だが全ジャッジが加点。対角線のステップはレベル3。コリオリフトも全ジャッジが加点。技術点3番目の43.55、演技構成点4番目の44.36、合計87.91でフリー3位、総合3位。今季シニアデビューで大躍進の表彰台。
 6番滑走でモンコ・ハリアビン組。曲は「サラバンド」。冒頭のサーキュラーステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。ツイズルはレベル4。ロングリフトは二つともレベル4で全ジャッジが加点。スピンと直線のリフトもレベル4。コリオスピンの後に対角線のステップでレベル3。技術点2番目の47.24、演技構成点3番目の45.6、合計92.84でフリー2位、総合2位。ファイナル決定。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組。曲は「四季」。女性の衣装が山吹色に紅葉があしらってあるのかと思ったら、春を表わしているそうだ。男性の衣装は黒が基調で、冬を表現。ツイズルとスピン以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のサーキュラーステップはレベル3。ツイズルでは男性が少しよろけてレベル3。リフト三つとスピンはレベル4。対角線のステップはレベル3。コリオリフトは加点2〜3。基礎点39.2に全体で10展以上の加点。技術点最高の49.41、演技構成点も最高の52.5、合計101.91でフリー1位、総合優勝。ファイナル決定。

ページトップへ

フィギュアスケート (2015.1/17,19,22,23)

ボンパール杯 ペア・アイスダンス (2014.11/21〜11/23 ボルドー) GPシリーズ第5戦

 <アイスダンス>7組出場。2番滑走でウルタード・ディアス組(西。21,24)。曲は「Almoraina」他。コーチはカナダのデュブレイユとローゾン。振付はD. ウィルソン。今季スケートカナダ8位。パターンダンスがスパニッシュのパソドブレなのに、ここまで成績がふるわず。冒頭の直線のリフトは、女性が指で牛の角ような仕草の姿勢変化なしだが、レベル4で全ジャッジが加点。パソドブレはレベル2、PDStはレベル3。ステップはレベル3、ツイズルはレベル4。技術点4番目の30.11、演技構成点6番目の27.53、合計57.64でSD4位。
 3番滑走でポール・イスラム組(加。23,24)。曲は「Nocturno」他。今季中国杯5位。冒頭のツイズルはレベル3。パソドブレはレベル2だが、PDStはレベル4。ステップは、ミラーの交差がごく近かったがレベル2。最後の回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。全体にスピードがなかった。技術点6番目の27.57、演技構成点5番目の27.6、合計55.17でSD6位。顔色がさえず、どこか具合が悪いか、怪我でもしているのか。

 5番滑走でハベル・ドナヒュー組(米。23,23)。曲は「Fiesta Flamenca」他。振付はカメレンゴ。今季スケートカナダ3位。冒頭のステップはレベル2だが、全ジャッジが加点。ツイズルはレベル4。パソドブレとPDStはともにレベル3。最後の回転リフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。全体によくまとまっていた。技術点3番目の30.33、演技構成点も3番目の29.86、合計60.19でSD3位。
 6番滑走で地元パパダキス・シゼロン組(仏。19,20)。曲は「Escobilla」他。コーチはカナダのデュブレイユとローゾン。今季中国杯優勝。冒頭のパソドブレとPDStはともにレベル3で全ジャッジが加点。直線のリフトは、レベル4で全ジャッジが加点。ツイズルはレベル3。ステップもレベル3だが全ジャッジが加点。技術点最高の31.92、演技構成点最高の32.14、合計60.19は自己ベスト更新でSD1位。
 最終滑走でギレス・ポワリエ組(加。22,23)。曲は「El Gato Montes」他。女性のマント状のスカートと目の化粧が独特。今季スケートカナダ2位。冒頭のパソドブレはレベル4、PDStはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル2。ツイズルはレベル4にほぼ全ジャッジが加点1〜3。回転リフトは、立った姿勢の女性をそのまま持ち上げて回転し、レベル4で全ジャッジが加点。技術点2番目の31.13、演技構成点も2番目の30.77、合計61.9でSD2位。

 フリー。2番滑走でポール・イスラム組。曲はシナトラの「Come Rain or Come Shine」他。冒頭はなんだか固かった。リフト三つとツイズルはレベル4。うち直線のリフトと回転リフトは全ジャッジが加点。ステップ二つとスピンはレベル2。それでもスピンと対角線のステップはほぼ全ジャッジが加点。最後のコリオスピンも全ジャッジが加点。全体にスピードがないのはSPと同じ。技術点42.88、演技構成点42.94、合計83.82でフリー6位、総合6位。得点を見ても、不満そうだったり驚いたりしていなかったが、沈んだ顔だった。
 4番滑走でウルタード・ディアス組。曲はシルクドソレイユの「Meditation」他。二つのステップ以外はレベル4。特に直線のリフトは加点1〜3。カーブのリフトと最後のコリオリフトは全ジャッジが加点。技術点4番目の45.39、演技構成点5番目の43.07、合計88.46でフリー4位、総合4位。

 5番滑走でハベル・ドナヒュー組。曲は「グレイト・ギャツビー」より。冒頭のスピンはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。ステップ二つはレベル2とレベル3。中盤のツイズルは、加点ほぼ2〜3。技術点3番目の46.0、演技構成点も3番目の46.92、合計91.92でフリー3位、総合3位。
 6番滑走でギレス・ポワリエ組。曲は「欲望という名の電車」他。冒頭のツイズルはレベル3で減点評価。リフト二つとスピンはレベル4。うち回転リフトは全ジャッジが加点1〜3。サーペンタインステップとカーブのリフト、直線のステップはレベル3。うち直線のステップは全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の47.76、演技構成点も2番目の47.92、合計95.68でフリー2位、総合2位。
 最終滑走でパパダキス・シゼロン組。曲はモーツァルト「Adagio」。サーキュラーステップ以外の全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3、他の要素はレベル4。冒頭の直線のリフトとツイズルはほぼ加点2〜3。スピンと回転リフトは加点2〜3。最後のコリオスピンも加点1〜3。基礎点40.5に全体で12.11もの加点。ノーミスで終え、技術点最高の52.61、演技構成点も最高の51.99、合計102.6でフリーも1位、総合優勝。ファイナル決定。

 <ペア>8組出場。1番滑走で今季から組み替えのムアタワーズ・マリナロ組(加。22,22)。今季スケートカナダ6位。曲は「Cell Block Tango」。ツイストはレベル2。ソロジャンプはなんとか跳んだ。スローループで転倒。デススパイラルとリフトはレベル3。しかしリフトは下ろすとき崩れかけ、-1〜-3。スピンとステップはレベル4。終わったとき、女性は転倒のせいか、笑顔なし。自信のあるところで失敗したのだろう。技術点最低の25.65、演技構成点6番目の26.42、転倒の減点1、合計51.07でSP7位。
 2番滑走でワン・ワン組(中。16,26)。今季中国杯3位。曲は「ロマンス」。振付はD. ウィルソン。ツイストはレベル3で全ジャッジが加点。ソロジャンプもタイミングは合っていた。リフト、デススパイラル、ステップはレベル4。スローループとデススパイラルは全ジャッジが加点。最後のスピンはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点1〜3。ジャンプ計が安定しているのが強い。技術点3番目の35.11、演技構成点4番目の28.14、合計63.25は自己ベスト更新でSP3位。
 5番滑走でスイ・ハン組(中。19,22)。今季スケートカナダ2位。曲は「Stray Cat Strut」。最近ミスの多い冒頭のソロジャンプは、二人のタイミングはずれたが成功。スローフリップは全ジャッジが加点2〜3。ツイスト、ステップ、リフトはレベル4で全ジャッジが加点。特にツイストは加点1〜3。スピンはレベル3。デススパイラルはレベル4。何となく音楽がこの二人になじんでいない感じ。技術点2番目の36.68、演技構成点も2番目の30.59、合計67.27でSP2位。

 6番滑走で地元ジェイムズ・シプレ組(仏。27,23)。今季スケートカナダ5位。曲は「ラ・クンパルシータ」。冒頭のツイストはレベル1。キャッチが落とし気味。ソロジャンプは女性が転倒。スローフリップは成功。リフトはレベル4。デススパイラルはレベル3、ステップはレベル2。まだプログラムができあがっていない感じ。終わったとき女性が見るからにがっかりしていた。ペアスピンはレベル3。技術点5番目の27.32、演技構成点も5番目の27.88、転倒の減点1、合計54.2でSP5位。
 7番滑走でシメカ・クニエリム組(米。23,27)。今季スケートアメリカ4位。曲は「ロクサーヌのタンゴ」。冒頭のツイストはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。ソロジャンプはサルコウで女性が転倒。スピン、リフトはレベル4。リフトは全ジャッジが加点1〜3。ステップとデススパイラルはレベル3。スローフリップも成功。タンゴの音楽に合わせた面白い動きもあった。技術点4番目の31.35、演技構成点3番目の28.69、転倒の減点1、合計59.04でSP4位。
 最終滑走でストルボワ・クリモフ組(露。22,24)。今季ロシア杯優勝。曲は「Crouching Tiger, Hidden Dragon」他。全要素に全ジャッジが加点。ツイストはレベル2だが、加点1〜3。スローフリップ成功。ソロジャンプは加点2〜3。リフトだけレベル3、デススパイラルとスピン、ステップはレベル4。プログラム後半はより滑らかになった。技術点最高の37.19、演技構成点も最高の34.01、合計71.2でSP1位。

 フリー。2番滑走でムアタワーズ・マリナロ組。曲はミュージカル「チェス」。ツイストはレベル2。連続ジャンプは3回転トウループのシークエンス成功。ソロジャンプは何とかサルコウで決める。リフトは二つがレベル3、一つがレベル4。ペアスピンはレベル3。続けたスロージャンプは二つとも成功。最後のソロスピンはレベル4。あまり加点は付かない出来だが、フリーは「まあまあ」という顔だった。技術点54.86、演技構成点53.2、合計108.06でフリー6位と少し挽回したが、総合7位。
 4番滑走でジェイムズ・シプレ組。曲は「天使と悪魔」他。ツイストはレベル1。連続ジャンプはトウループからの3連続成功。ソロジャンプのサルコウは全ジャッジが加点。デススパイラルレベル2。スピン二つはレベル3。リフト二つはレベル4、一つがレベル3。スロージャンプは二つとも何とか決めた。技術点57.59、演技構成点56.09、合計113.68でフリーも5位、総合5位。
 5番滑走でシメカ・クニエリム組。曲は「パリのアメリカ人」。冒頭のツイストは高くキャッチにも余裕があり、レベル4で全ジャッジが加点1〜3。ソロジャンプのサルコウは決めたが、ダブルアクセルからの連続ジャンプは女性の第2ジャンプがアンダーローテーションで両足。リフト三つとスピン二つはレベル4。一つ目と三つ目のリフトは全ジャッジが加点。スロージャンプは一つ目のループ、二つ目のフリップとも成功。最後のデススパイラルはレベル3。技術点3番目の61.7、演技構成点4番目の58.58、合計120.28は自己ベスト更新でフリー3位、総合4位。

 6番滑走でワン・ワン組。曲は「マイ・フェア・レディ」。女性はずっと笑顔でよかった。ツイストはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。連続ジャンプは女性の第2が1回転。ソロジャンプは二人とも2回転サルコウ。リフト三つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3だが全ジャッジが加点。スロージャンプは二つ続け、ほぼ全ジャッジが加点。スピンは二つともレベル2。全体としてよくできた。技術点4番目の59.41、演技構成点3番目の59.31、合計118.72は自己ベスト更新でフリー4位、総合3位にとどまった。
 7番滑走でスイ・ハン組。曲はチャイコフスキーの「Fantasy for Orchestra」。振付はD. ウィルソン。冒頭のツイストは4回転。レベル2だが加点0〜3。連続ジャンプはタイミングはずれたがトウループからの3連続を決める。リフト二つとスピン二つはレベル4。スローフリップ、スローサルコウとも全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。デススパイラルとリフト一つがレベル3。まだできていない部分がある感じ。技術点最高の69.42、演技構成点2番目の63.99、合計133.41でフリーも2位、総合2位。ファイナル決定。
 最終滑走でストルボワ・クリモフ組。曲は「ノートルダム・ド・パリ」。冒頭のレベル2のツイスト以外の全要素に全ジャッジが加点。特に中盤のソロスピンと最後のスローサルコウはほぼ全ジャッジが加点2〜3。連続ジャンプはトウループからの3連続。ソロジャンプはダブルアクセル。デススパイラルとペアスピンはレベル3。リフトは三つともレベル4。技術点2番目の69.07、演技構成点最高の69.54、合計138.61でフリーも1位、総合優勝。ファイナル決定。

フィギュアスケート (2014.11/24,25,)

ボンパール杯 (2014.11/21〜11/23 ボルドー) GPシリーズ第5戦

 <女子シングル>12人出場。日本からは今井。8番滑走で今井(21)。曲は「マラゲーニャ」。振付はカメレンゴ。スケートアメリカは「滑りが小さかった」という反省を生かして、大きく表現して滑りきったかと見えたが、ステップで痛恨の転倒。冒頭のダブルアクセルはほぼ全ジャッジが加点。サルコウからの連続3回転も決める。スピン二つはレベル3、足替えスピンがレベル2。ステップはいい感じだったが、1/3あたりで転倒、レベル2。技術点8番目の28.32、演技構成点4番目の27.4、合計54.72でSP8位。
 10番滑走でラジオノワ(露)。曲は「De mi vera te fuistes」他。氷の状態がよくないらしいが、かなりのスピード。冒頭、ルッツからの連続3回転を決め、ほぼ全ジャッジが加点。フライングスピンレベル4.前半にステップを入れ、レベル2に全ジャッジが加点。後半、ステップからのループ、ダブルアクセルと続けて成功、ほぼ全ジャッジが加点。最後のスピン二つはレベル3と4で、全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の37.14、演技構成点3番目の30.14、合計67.28でSP1位。

   11番滑走でワグナー(米。23)。曲は「スパルタカス」。冒頭でフリップからの連続3回転成功、第2がアンダーローテーション。スピン二つがレベル3,最後のレイバックスピンはレベル2だが全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセル、ステップからのループと決めるが、ループもアンダーローテーション。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2。技術点6番目の29.24、演技構成点最高の32.11、合計61.35でSP3位。
 最終滑走でリプニツカヤ(露)。曲は「メガポリス」。少し慎重に滑っているよう。冒頭の連続3回転はトウループの連続。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。特に最後の二つは加点2〜3。後半、ダブルアクセル成功。ステップからのフリップはこらえた。技術点2番目の35.64、演技構成点2番目の31.15、合計66.79でSP2位。

 フリー。5番滑走で今井。曲は「ジゼル」。振付は、町田と同じフィリップ・ミルズ。冒頭のダブルアクセルから3回転トウは全ジャッジが加点。フリップ、サルコウからの連続ジャンプも成功。レイバックスピンはレベル3、フライングスピンはレベル4。後半、ループからの連続ジャンプを決めたところまでは良かったが、ソロのループが1回転に。サルコウからの3連続も、第1ジャンプのアンダーローテーションでよろめいて手を付き、第2、第3入らず。ルッツもないのでこれは痛かった。最後のジャンプ、ダブルアクセルは決めたが、なぜかステップが無得点。SPで転倒したため、慎重になりすぎたのが裏目に出たか。最後の足替えスピンはほぼ全ジャッジが加点。技術点11番目の45.76、演技構成点6番目の54.22、合計99.98でフリーも8位、総合8位。緊張して、早く体力が切れたという。もっとスピンの加点がほしい。
 第2グループ7番滑走でSP6位のヒックス(米。18)。曲は「アンナ・カレーニナ」。冒頭のフリップからの連続ジャンプは第2が2回転になったが全ジャッジが加点。高くて3回転できそうだった。フライングスピンはレベル4。あと二つはレベル3。後半、ルッツからの3連続成功。ソロのルッツも決める。ステップはレベル2。ダブルアクセルのシークエンスは、第2が崩れた。フリップとルッツをきちんと跳び分けられている。技術点2番目の60.82、演技構成点5番目の56.06、合計116.88でフリー3位、総合4位。

 10番滑走でワグナー。曲は「ムーランルージュ」。ジャンプが不調な中、まとめた感じ。冒頭のダブルアクセルは全ジャッジが加点。しかし次のフリップで転倒。サルコウ成功。二つのフライングスピンはレベル4とレベル3。後半、ループからの連続ジャンプは決めたが、フリップからの連続ジャンプは第1ジャンプでよろめき第2が1回転に。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。最後にルッツからの連続3回転に挑戦したが、第1ジャンプは!マーク、第2はダウングレード。技術点5番目の54.12、演技構成点2番目の63.27、転倒の減点1、合計116.39でフリー4位、総合3位。
 11番滑走でリプニツカヤ。曲はニーノ・ロータの「ロミオとジュリエット」。冒頭のダブルアクセルから3回転2回転は全ジャッジが加点。もう一つダブルアクセルから3回転トウ、レベル4のフライングスピン、レベル3のステップと全ジャッジが加点。しかし後半、ループが2回転、フリップで片手つき、二つめのフリップは転倒したので第2が付かず。ルッツからの連続ジャンプも第1ジャンプが!マークでアンダーローテーション。終盤コリオシークエンスと二つのスピンで全ジャッジが加点したが、1位に届かず。技術点3番目の57.21、演技構成点も3番目の62.18、転倒の減点1、合計118.39でフリーも2位、総合2位。
 最終滑走でラジオノワ。曲はラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」他。練習でミスもあったというルッツからの連続3回転はきれいに成功、全ジャッジが加点。フリップ、ルッツと跳び分け、レベル3のステップと足替えスピンもほぼ全ジャッジが加点。後半、ループからの3連続も決め、全ジャッジが加点。ソロのダブルアクセル二つ、ループからの連続ジャンプとジャンプは全て成功。フライングスピンはレベル3、コリオシークエンスと最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。特にレイバックスピンは、昔ジャン(米)が得意にしていたパールスピンで、ほぼ加点3。技術点最高の71.43、演技構成点は全て8点台で最高の65.21、合計136.64でフリー1位、総合優勝。

 <男子シングル>11人出場。日本からは町田。3番滑走でリッポン(米。24)。曲は「タキシード・ジャンクション」。スケートアメリカから、ジャンプの種類や入れる順番を見直したとのこと。4回転はフリーとも入れない。冒頭でトリプルアクセル成功。得意な両手上げのルッツからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。スピンは一つがレベル4、あと二つはレベル3。うち二つのスピンに全ジャッジが加点。後半、フリップも片手上げでほぼ全ジャッジが加点。最後のステップは雰囲気たっぷりでレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点8番目の39.94、演技構成点7番目の37.04、合計76.98でSP7位。
 4番滑走で地元のベセリエ(仏。25)。曲は「ヒート」他。冒頭の4回転3回転を決める。ほぼ全ジャッジが加点。トリプルアクセルも成功。スピン三つとステップはレベル3。少し荒っぽい。後半のステップからのルッツもこらえる。技術点4番目の44.44、演技構成点9番目の33.78、合計78.22でSP5位。
 7番滑走でメンショフ(露。31)。曲は「Rotting Romance」。冒頭の4回転3回転成功。続けてステップからの4回転サルコウも決める。スピン三つはレベル3。後半、トリプルアクセルも成功。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。技術点最高の49.97、演技構成点6番目の37.5、合計87.47でSP3位。

 9番滑走でコフトゥン(露。19)。曲は「ボレロ」。どうしたのか、二回転倒。冒頭の4回転サルコウには何とか2回転を付ける。しかしステップからの4回転トウループは転倒。トリプルアクセルでも転倒。スピン一つとステップはレベル4。ステップは全ジャッジが加点2〜3。あと二つのスピンはレベル3。技術点39.96、演技構成点3番目の39.15、転倒の減点2、合計でSP6位。
 10番滑走でデニス・テン(カザフスタン。21)。曲はスパニッシュのボーカル曲「カルーソ」。冒頭の4回転なんとかこらえる。トリプルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。スピン二つとステップはレベル4。後半、ルッツからの連続3回転はほぼ全ジャッジが加点0〜3。最後のステップは全ジャッジが加点2〜3。充実した顔で演技終了。技術点2番目の48.92、演技構成点最高の42.86、合計77.11は自己ベスト更新でSP1位。
 最終滑走で町田(23)。曲は「ラベンダーの乙女」より。冒頭の4回転3回転はきれいに成功。続くトリプルアクセルは見事で、全ジャッジが加点1〜3。スピンは一つめがレベル2と取りこぼし。フライングスピンはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。ステップからのルッツが痛恨の両足で片手つき。最後の足替えスピンは全ジャッジが加点。技術点3番目の45.84、演技構成点最高タイの42.86、合計88.7でSP2位。

 フリー。2番滑走でSP10位のハン・イェン(中。18)。曲は「Fly Me to the Moon」。冒頭で大きく美しいトリプルアクセルからの連続3回転成功、全ジャッジが加点1〜3。次の4回転は回ったが転倒。二つめのトリプルアクセルもステップアウト。スピンは二つがレベル3。ステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、二つめのルッツで転倒し、第2が付かず。しかしフリップからの連続ジャンプは何とか決める。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の71.97、演技構成点8番目の73.7、転倒の減点2、合計143.67でフリー6位、総合8位。
 5番滑走でリッポン。曲はリストの「ピアノ協奏曲第1版」。冒頭トリプルアクセルからの3連続成功、ほぼ全ジャッジが加点。ソロのトリプルアクセルはステップアウトに両手つきで転倒扱い。続けてダブルアクセル。ステップとスピン三つはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ルッツからの連続ジャンプは成功。コリオシークエンスもほぼ全ジャッジが加点。技術点2番目の74.42、演技構成点5番目の75.02、転倒の減点1、合計148.44でフリー3位、総合5位と挽回。
 6番滑走でコフトゥン。曲は「エクソジェネシス交響曲」。まず4回転サルコウ成功、続けて4回転トウループを決め、いずれも全ジャッジが加点。トリプルアクセルからの連続3回転は片手つき。スピンは三つともレベル3。ステップはレベル4に全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセル、ルッツからの連続ジャンプ、ソロのルッツ、サルコウからの連続ジャンプと決めて笑顔。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。最後のジャンプ、ダブルアクセルも成功。すごく精神的に強くなった。技術点ダントツの85.96、演技構成点3番目の80.28、合計166.24でフリー1位、大逆転で総合優勝。GPファイナル決定。

 9番滑走でメンショフ。曲は「Tango en Silencio」。連続ジャンプを四つ跳んでしまい、もったいない。冒頭で4回転3回転成功。次のソロの4回転も決める。トリプルアクセルの予定がバラけてダブルアクセル。スピンは三つともレベル3。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプはまたアクセルが変で-1〜-2。ループからの連続ジャンプが三つめの連続ジャンプだったのに、レベル3のステップの後、ダブルアクセルからの3連続を跳んでしまい、無得点。しかもまたも変なアクセルで、1回転ループと1回転サルコウを無理矢理付けたもの。ダブルアクセル単発にしておけば3位だったかも。技術点5番目の71.25、演技構成点6番目の74.5、合計145.75でフリー4位、総合4位。
 10番滑走で町田。曲は「第9合唱付き」。冒頭の4回転転倒。少しスピードが足りなかったか。続く4回転の連続ジャンプの予定が3回転トウループに。トリプルアクセルからの連続ジャンプは第2が2回転に。スピンは二つがレベル3、フライングスピンはレベル4に全ジャッジが加点。ステップもレベル3だが全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセルの予定がダブルアクセル。フリップからの連続ジャンプは、フリップがeマークの上、アンダーローテーション、第2も1回転に。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。最後のルッツと足替えスピンは全ジャッジが加点。技術点6番目の66.04、演技構成点最高の84.0、転倒の減点1、合計149.04でフリーも2位、総合2位。GPファイナル決定。
 最終滑走でデニス・テン。曲は「Ambush」他。衣装は変更したのかも。冒頭の4回転3回転はきれいに成功、全ジャッジが加点1〜3。続くソロの4回転は転倒。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。前半のコリオシークエンスと終盤のステップで中央アジアっぽい音楽をよく表現していた。しかし、トリプルアクセルの予定が二つとも1回転に。後半、フリップからの連続ジャンプの予定がフリップが2回転になり、eマークの上、第2ジャンプ付かず。技術点8番目の64.22、演技構成点2番目の81.28、転倒の減点1、合計144.5でフリー5位ながら、総合3位、何と初の表彰台。

フィギュアスケート (2015.1/10,12,14,15,)

ロシア杯 ペア・アイスダンス (2014.11/14〜11/16 モスクワ) GPシリーズ第4戦

  <アイスダンス>8組出場。ロシアとアメリカから3組ずつ、イギリスと韓国から1組ずつ。1番滑走でシニツィナ・カツァラポフ組(露。19,23)。今季組み替え。先に第2戦のNHK杯(7位)を見た。曲は「Toitas las Mares」他。ツイズルはレベル4だが男性が少しよろけそうな場面も。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。パソドブレはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。PStはレベル1。回転リフトレベル2。まだいろいろ合っていない感じ。技術点6番目の26.85、演技構成点4番目の31.11、合計57.96でSD4位。
 2番滑走でイリニク・ジガンシン組(露。20,22)。今季組み替え。中国杯4位。パートナーを入れ替えた2組が続けて出場したが、会場の拍手・声援はこちらの方が大きかった。曲は「カルメン組曲」より。冒頭のステップは速くてよく合っていた。レベル3で全ジャッジが加点。ツイズルはレベル4で全ジャッジが加点。パソドブレはレベル2、PStはレベル3。直線のリフトはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。女性がスカートをフラメンコらしく表現。技術点2番目の31.03、演技構成点も2番目の33.09、合計64.13でSD2位。
 4番滑走でステファノワ・ブキン組(露。19,21)。昨季国内ジュニア優勝、一昨季世界ジュニア優勝。今季スケートアメリカ3位。曲は「Espana Cani」。冒頭の直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ツイズルはレベル3だが全ジャッジが加点。パソドブレとPStはレベル2。後半スピードが落ちてきて、最後のステップはレベル2。技術点3番目の27.64、演技構成点5番目の29.26、合計56.9でSD5位。

 6番滑走でオルドリッジ・イートン組(米。20,22)。一昨季世界ジュニア3位。今季スケートカナダ6位。曲は「カルメン」他。ツイズルと直線のリフトはレベル4。リフトは二人を除くジャッジが加点1〜3。ステップはレベル2。パソドブレとPStもレベル2。技術点4番目の27.05、演技構成点7番目の27.34、合計54.39でSD6位。
 7番滑走でクームズ・バックランド組(英。25,25)。先に第2戦のNHK杯(5位)を見た。曲は「マラゲーニャ」他。冒頭のステップはレベル3で全ジャッジが加点。パソドブレはレベル2、PStはレベル3。ツイズルはミスがありレベル1。カーブのリフトはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点1〜3。技術点5番目の26.89、演技構成点3番目の32.66、合計59.55でSD3位。
 最終滑走でチョック・ベイツ組(米。22,25)。今季スケートアメリカ優勝。曲は「ドンキホーテ」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭の直線のリフトとツイズルはレベル4。特にリフトは加点ほぼ2〜3。パソドブレはレベル3、PStはレベル2。最後のステップはレベル3。女性の衣装は上スカートが黒、下スカートが赤で左側にスリットが入っていて、大きく動くと自然とひるがえって見える赤が効果的。技術点最高の33.64、演技構成点も最高の35.22、合計68.86でSD1位。

 フリー。2番滑走でハワイェク・ベイカー組(米。18,21)。昨季世界ジュニア優勝。今季第2戦のNHK杯で3位(先に見た)。曲は「ロミオとジュリエット」。冒頭のカーブのリフトは男性がヒザを曲げてのけぞったイーグルの姿勢に女性が跳び乗る難しいもので、レベル4に全ジャッジが加点1〜3。ツイズルも速いまま合っていてレベル4。サーキュラーステップとスピンはレベル3。直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。回転リフトはレベル3。対角線のステップはレベル1ととりこぼし。最後のコリオリフトも全ジャッジが加点。全体にSDよりスピードと滑らかさがあった。技術点5番目の41.68、演技構成点6番目の41.79、合計83.47でフリー6位、逆転で総合6位。コーチも選手たちも笑顔だった。
 4番滑走でステファノワ・ブキン組。曲は「エリナー・リグビー」。冒頭のスピンと回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ツイズルはなぜかレベル1。対角線のステップはレベル2。ロングリフトは二つともレベル4だが、たぶんここで時間超過。サーキュラーステップレベル3。コリオリフトはほぼ全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の42.49、演技構成点5番目の45.12、合計86.61でフリーも5位、総合5位。女性は、得点に不満そうだった。
 5番滑走でシニツィナ・カツァラポフ組。曲は「Did You Ever Feel Lonely」他。冒頭のツイズルはなぜかレベル1だがほぼ全ジャッジが加点1〜3。サーキュラーステップはレベル3で全ジャッジが加点。カーブのリフトとスピンはレベル4で全ジャッジが加点。対角線のステップと回転リフトはレベル2。直線のリフトはレベル3で全ジャッジが加点。NHK杯で落下したリフトは前半の直線のリフトだったが、今回前半のカーブのリフトはうまくやっていた。技術点6番目の41.45、演技構成点4番目の48.14、合計89.59でフリーも4位、総合4位。

 6番滑走でクームズ・バックランド組。曲は「ハリケーンと蝶」他。女性の衣装がアオスジアゲハのよう。二つのステップ以外の全要素がレベル4で全ジャッジが加点。特に冒頭のカーブのリフト、回転リフトは加点2〜3。女性は回転がうまい。ミッドラインステップはレベル2だがほぼ加点1〜3。技術点2番目の48.69、演技構成点3番目の50.78、合計98.47でフリー2位、総合3位。
 7番滑走でイリニク・ジガンシン組。曲は「アントニーとクレオパトラ」他。スピンとカーブのリフト以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭の回転リフトとサーキュラーステップはレベル3だが加点2〜3。ツイズルと直線のリフトはレベル4。対角線のステップはレベル3。スピンとカーブのリフトはなぜかレベル1だが、カーブのリフトはほぼ加点1〜3。技術点3番目の44.25、演技構成点2番目の52.06、合計96.31でフリー3位、総合2位。やっぱり観客の歓声はこちらが一番大きい。
 最終滑走でチョック・ベイツ組。曲は「パリのアメリカ人」。全要素に全ジャッジが加点。レベルも二つのステップだけレベル3であとはレベル4。冒頭の直線のリフト、終盤の対角線のステップと回転リフトは加点2〜3。中盤のスピンとカーブのリフト、最後のコリオスピンは加点1〜3。基礎点40.5に全体で11点以上の加点。技術点最高の52.45、演技構成点も最高の53.97、合計105.42でフリーも1位、総合優勝。ファイナル決定。

 <ペア>8組出場。ロシアとアメリカから3組ずつ、日本からは高橋・木原組が出場。3番滑走で高橋・木原組(22,22)。昨季ソチ五輪18位、世界選手権17位。いずれもフリーに進めず。先に第2戦のNHK杯(7位)を見た。曲は「ボサノバ・ベイビー」。高橋はピンクの衣装。冒頭のソロジャンプはサルコウで、高橋がアンダーローテーション気味でタイミングもずれたが、転ばずに立てた。ツイストは2回転でレベル2。グループ3のリフトはレベル3。スローサルコウ成功。フライングスピンはレベル4。ステップは、まだ練習が足りない感じでレベル2。デススパイラルはレベル3でなんと9人のジャッジのうち5人から加点。技術点7番目の24.57、演技構成点最低の23.11、合計47.68でSP7位。
 6番滑走でタラソワ・モロゾフ組(露。19,22)。昨季国内ジュニア優勝、世界ジュニア銀メダル。今季スケートカナダ3位。曲は「サラバンド組曲」。冒頭のツイストは、完全に空中でキャッチして余裕で下ろした。レベル4に全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプ、スローループとも成功、全ジャッジが加点。デススパイラルもレベル3で全ジャッジが加点。リフトとフライングスピンはレベル4。最後のステップはレベル4に全ジャッジが加点。ノーミスでコーチたちも笑顔。技術点最高の36.62、演技構成点2番目の30.66、合計67.28は自己ベスト更新でSP2位。

 7番滑走でデニー・フレイジャー組(米。19,22)。昨季全米シニア5位、四大陸4位。今季スケートアメリカ2位。曲は「Speak Softly My Love」。冒頭のツイストはレベル2だが全ジャッジが加点。スローループも全ジャッジが加点。ソロジャンプはサルコウだが女性が2回転。グループ3のリフトはレベル3で全ジャッジが加点1〜3。しかしデススパイラルでレベル1ととりこぼし。足替えスピンとステップはレベル3。技術点4番目の26.55、演技構成点3番目の27.51、合計54.06でSP4位。
 最終滑走で昨季国内優勝、欧州選手権2位、ソチ五輪銀メダル、世界選手権2位の地元ストルボワ・クリモフ組(露。22,24)。曲は何やら中国風「Crouching Tiger, Hidden Dragon」他。女性の白い衣装は肩の所が水平にとがっている。リフト以外の全要素に全ジャッジが加点。ツイストはレベル2。ソロジャンプはトウループだが加点ほぼ2〜3。スロージャンプはルッツ。リフトはなぜかレベル1ととりこぼし。デススパイラルはレベル3。フライングスピンとステップはレベル4、スピンは加点1〜3。技術点2番目の35.5、演技構成点33.59、合計69.09でSP1位。

 フリー。2番滑走で高橋・木原組。曲は「Love is Here 」。冒頭の連続ジャンプサルコウからの連続ジャンプ。木原は難なく跳んでいたが、高橋はダウングレードでステップアウト、第2付かず。ツイストは2回転でレベル2。グループ5のリフトはレベル1。スローループは転倒。フライングスピンはレベル4。ソロジャンプはダブルアクセルで、高橋がこれもダウングレードで転倒。グループ4のリフトはレベル4。二つめのスローサルコウはこらえた。グループ5のリフトとデススパイラル、最後のペアスピンはレベル3。技術点7番目の40.98、演技構成点最低の45.94、転倒の減点2、合計84.92でフリーも7位、総合7位。全体にまだスピードもないし、滑り込み不足な感じ。
 5番滑走でデニー・フレイジャー組。曲は「ライオン・キング」。冒頭のツイストはレベル3で全ジャッジが加点。スローループ成功。ソロジャンプはサルコウで男性が2回転。ペアスピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。足替えスピンはなぜかレベル1。連続ジャンプはアクセルのシークエンスだが女性の第1が1回転に。リフトは三つともレベル4、うち二つに全ジャッジが加点。スローサルコウとコリオシークエンスもほぼ全ジャッジが加点。しかしデススパイラルがSPと同じくレベル1と取りこぼし。男性の腰が高いせいか。技術点3番目の53.37、演技構成点4番目の57.42、合計110.79でフリー2位、0.01差で惜しくも逆転ならず。総合4位。

 6番滑走でSP3位のアスタコワ・ロゴノフ組(露。17,26)。今季組み替え。曲は「The Master and Margarita」。男性の衣装は朱色が基調で、なんだか悪魔らしい。冒頭の連続ジャンプは男性の第1ジャンプが2回転に。ツイストはレベル2。ソロジャンプはサルコウ成功。デススパイラルはレベル3で全ジャッジが加点。スローフリップも決める。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。男性演ずる悪魔が少女を追いかけているようだった。フライングスピンはレベル4。二つめのスローループは全ジャッジが加点。一つめのリフトはレベル4だったが、二つめのリフトが上がらず、三回目のトライで何とか形に。無得点。三つめのリフトはレベル3。技術点5番目の49.12、演技構成点2番目の58.4、合計106.52でフリー4位、0.01差でかろうじて総合3位。男性はキスアンドクライにすわる前、頭に赤い角を付けていた。
 7番滑走でタラソワ・モロゾフ組。曲は「Hello」。冒頭のツイストはすばらしく、レベル4で全ジャッジが加点2〜3。しかしソロジャンプで男性がダウングレードで転倒。続けて連続ジャンプでも男性が転倒。一つめのリフトはレベル4で全ジャッジが加点。スローループでは投げ方が篇だったのか、転倒。デススパイラルはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル4.二つめのスローサルコウも成功。あと二つのリフトもレベル4。最後のペアスピンはレベル3。技術点4番目の51.94、演技構成点3番目の57.56、転倒の減点3、合計106.5でフリー5位、それでも総合2位。SPに比べ完成度が低い。
 最終滑走でストルボワ・クリモフ組。曲は「ノートルダム・ド・パリ」より。冒頭のツイストと3連続ジャンプ以外の全要素に全ジャッジが加点。スロールッツは加点2〜3。リフトは三つともレベル4。特に三つめのリフトは加点2〜3。デススパイラルだけレベル3。フライングスピンはレベル4で加点2〜3。コリオシークエンスとダブルアクセルのソロジャンプ、二つめのリフトは加点1〜3。最後に二つめのスローサルコウを決め、これも加点2〜3。格の違いを見せた。技術点ダントツの71.0、演技構成点最高の71.88、合計142.88でフリーも1位、総合優勝。

フィギュアスケート (2014.11/16,12/1,2,3)

ロシア杯 (2014.11/14〜11/16 モスクワ) GPシリーズ第4戦

 <女子シングル>12人出場。ソトニコワは右足首怪我で欠場。日本からは本郷、大庭。3番滑走でケイン(米。19)。昨季全米12位。今季中国杯10位。168pの長身。曲は「ミッション・インポッシブル」。冒頭のルッツからの連続ジャンプ成功。ステップからのループも決める。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ステップし最後のスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。後半ダブルアクセルも成功。終わったとき小さくガッツポーズ。技術点3番目の30.86、演技構成点5番目の26.32、合計57.18でSP5位。
 6番滑走で大庭(19)。 昨季全日本6位。GPシリーズ初出場。曲は「レスフィーナ」。振付は宮本賢二。冒頭でサルコウからの連続3回転の予定が転倒してソロに。次のループに2回転を付ける。後半、ダブルアクセルはほぼ全ジャッジが加点。足替えスピンはレベル3。他二つのスピンはレベル4。ステップはレベル3だが最後で転倒。技術点11番目の23.98、演技構成点9番目の24.78、転倒の減点2、合計46.76でSP10位。
 第2グループ8番滑走でチャートランド(加。17)。ほぼノーミスの演技。振付はD. ウィルソン。冒頭はダブルアクセル成功。ルッツからの連続3回転も決める。スピン二つはレベル3。後半ステップからのループも成功。レベル4のレイバックスピンと、レベル3のステップと最後のスピンは全ジャッジが加点。技術点最高の33.5、演技構成点3番目の27.68、合計61.18は大幅な自己ベスト更新でSP1位。

 9番滑走で本郷(18)。曲は「海賊」。振付は宮本賢二。スケートカナダ(5位)のときより伸び伸びと滑っている感じ。冒頭トウループの連続3回転成功。レイバックスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ステップからのフリップはなんとか決める。ダブルアクセルも成功。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点2番目の32.48、演技構成点4番目の27.37、合計59.85は自己ベスト更新でSP2位。インタビューでは、SPの得点は60点越えが目標だったが、前回より上がったのでよかったと言っていた。
 11番滑走で長洲(米。21)。今季スケートアメリカ8位。今季からザクライセクコーチ。曲は「パガニーニの主題によるラプソディー」。冒頭のフリップからの連続3回転はいずれもアンダーローテーションでフリップは!マーク。スピン二つはレベル3。後半、ステップからのループは決める。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。終盤のステップとレイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点。特にレイバックスピンは加点1〜3。技術点4番目の30.64、演技構成点2番目の28.26、合計58.9でSP4位。
 最終滑走でポゴリラヤ(露。17)。今季スケートカナダ優勝。曲は「アダージオ」。冒頭のルッツからの連続3回転の予定がステップアウト。スピン二つはレベル4と3。後半、ループに2回転を付けるが両手つき。ダブルアクセルは成功。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。レイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。思いがけずミスの連続。技術点6番目の30.12、演技構成点最高の29.2、合計59.32でSP3位。

 フリー。なんと本郷が初優勝。SP最下位のヨシ・ヘルゲソンがフリー棄権。3番滑走で大庭。曲は「レ・ミゼラブル」。冒頭ダブルアクセルから3回転トウ成功、ほぼ全ジャッジが加点。ジャンプはルッツない中、フリップを決め、後半、ループ(アンダーローテーション)からの連続ジャンプ、サルコウからの3連続と成功。得意のスピンは二つのフライングスピンでレベル4。あと一つの足替えスピンもレベル3。ステップはレベル3、コリオシークエンスも約半数が加点。技術点2番目の57.23、演技構成点9番目の50.58、合計107.81は自己ベスト更新でフリー5位、総合6位と挽回。
 9番滑走で長洲。曲は「蝶々夫人」。冒頭のフリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ダブルアクセルから3回転トウも第2がアンダーローテーション。ソロのルッツもアンダーローテーション。ステップはレベル3、フライングスピンはレベル4。後半、サルコウからの3連続はちゃんと成功したが、フリップはダウングレードでステップアウト。ソロのループ、コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。しかしダブルアクセルが両足。最後のレイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点。回転不足で得点が伸びず。技術点6番目の52.6、演技構成点4番目の54.38、合計106.98でフリー6位だが、総合4位に踏みとどまった。

 10番滑走でポゴリラヤ。曲は「火の鳥」。冒頭のルッツは両足。ループから1回転をはさむ3回転サルコウはかなりのジャッジが加点。足替えスピンはレベル3。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、フリップはなんとか決めたが、タッチがあった。二つめのルッツに第2付かず。一つめのダブルアクセルはアンダーローテーション。二つめのループからの連続ジャンプは成功。終盤のスピン二つはレベル4。コリオシークエンスと最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。ジャンプにやや安定を欠いた。技術点4番目の55.55、演技構成点2番目の58.56、合計114.11でフリー2位、総合2位。最終順位をみたとき、悔しそうだった。
 11番滑走で本郷。曲は「カルメン」。振付は宮本賢二。冒頭、フリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ソロのルッツはeマーク。ループは成功。レベル3の足替えスピンとレベル4のステップは全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル4。後半、最初のサルコウは全ジャッジが加点。ダブルアクセルから1回転をはさむ3回転サルコウは、第3がアンダーローテーションだがスピードにのって跳びきった。ソロのフリップはほぼ全ジャッジが加点。ダブルアクセルからの連続ジャンプも決め、コリオシークエンスも大胆に演技し、全ジャッジが加点。目線の送り方など、鈴木明子の助言も受けたそうだ。最後のスピンはレベル3。ほぼノーミスで滑りきった。終わったとき、両手を握りしめて、笑顔。技術点最高の59.19、演技構成点も最高の58.56、合計118.15は自己ベスト大幅更新でフリー1位、逆転で総合優勝。大本命が欠場の中、無欲が勝ち抜いた。
 最終滑走でチャートランド(場内放送ではシャルトランと言っていた。)。曲は「ドクトル・ジバゴ」。冒頭はルッツから1回転をはさむ3回転サルコウだが、第2と第3がアンダーローテーション。フリップはeマーク。フライングシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。次のフライング足替えスピンとステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから3回転トウを跳ぶが、第2がアンダーローテーション。ソロのルッツ、ループからの連続ジャンプも減点評価。コリオシークエンスと最後の足替えスピンはほぼ全ジャッジが加点。ジャンプがやや不安定。技術点5番目の53.1、演技構成点3番目の57.72、合計110.82でフリー3位、総合3位。表彰台に残ったのがわかったとき、すごく嬉しそうだった。

 <男子シングル>12人出場。日本からは小塚。2番滑走でジェレミー・テン(加。25)。昨季国内6位、四大陸9位。4年ぶりのGPシリーズ(2010スケートカナダ8位)。曲は「Dance For Me Wallis」。冒頭で苦手のトリプルアクセル成功。ルッツからの連続3回転も決める。スピンは足替えシットスピンだけレベル4。後半ステップからのフリップも成功。終盤、レベル3のステップは「よく曲を表現している。」とテレ朝解説の織田が言う通りで、全ジャッジが加点。技術点40.27、演技構成点33.64、合計73.91でSP9位。
 7番滑走で小塚(25)。曲はタンゴ「A Evaristo Carriego」。振付は宮本賢二。冒頭の4回転は両足。トリプルアクセルは美しく全ジャッジが加点1〜3。スピン二つがレベル3、フライングスピンだけレベル4、いずれも全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続3回転は、間にオーバーターンが入り、第2がアンダーローテーション。ステップと最後のスピンはレベル3だが、全ジャッジが加点。スケートカナダよりずっといい感じだったが、まだまだ。技術点5番目の42.41、演技構成点4番目の38.97、合計81.38でSP3位。
 8番滑走でボロノフ(露。27)。曲は「Danse Macabre」。冒頭で高々と4回転3回転成功、全ジャッジが加点1〜3。スピン二つがレベル4。フライングスピンは全ジャッジが加点。ステップはレベル3。後半、トリプルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。ステップからのループも成功。二つめのスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点最高の50.08、演技構成点2番目の40.25、合計90.33でSP2位。

 9番滑走でジェイソン・ブラウン(米。19)。今季スケートアメリカ2位。曲は「ジューク」。冒頭で苦手のトリプルアクセルなんとか成功。フリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーションで両足。スピンは二つがレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが、よくリズムをひろい、全ジャッジが加点。ステップからのルッツも成功。技術点37.26、演技構成点3番目の39.06、合計76.32でSP7位。ずっと楽しそうに滑っていた。ロシア人にもファンがいるみたい。
 10番滑走でブレジナ(チェコ。24)。今季スケートカナダ7位。曲は「Game of Thrones」。冒頭のトリプルアクセル成功、全ジャッジが加点。4回転サルコウは転倒。スピン二つとステップはレベル4。後半、フリップからの連続3回転は全ジャッジが加点。技術点3番目の43.95、演技構成点5番目の38.97、合計80.89でSP4位。
 最終滑走でフェルナンデス(西。23)。今季スケートカナダ2位。曲は「Black Betty」。冒頭で4回転サルコウ軽々と成功。トリプルアクセルもきめ、いずれも全ジャッジが加点スピン二つでレベル4。後半トリプルアクセルも成功。レベル4のスピンとステップ、最後の足替えスピンは全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。ほぼノーミスで技術点2番目の49.77、演技構成点最高の44.15、合計93.92は自己ベスト更新でSP1位。

 フリー。6番滑走でジェイソン・ブラウン。曲は「トリスタンとイゾルデ」。まず滑り出しでこれまでの選手たちと一線を画す滑らかさとスピード。冒頭できれいなトリプルアクセルからの連続ジャンプで、ほぼ全ジャッジが加点。続けてダブルアクセル。レベル4の足替えスピンは速くて全ジャッジが加点2〜3。ルッツは両手つき。フライング足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、得意のステップはレベル3で全ジャッジが加点。二つめのトリプルアクセルはステップアウト。しかしフリップからの連続3回転、ルッツから1回転をはさむ3回転サルコウはなんとか成功、ほぼ全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。最後の足替えスピンも全ジャッジが加点1〜3。ミスもあったがかなりできた。技術点5番目の80.26、演技構成点4番目の78.98、合計159.24でフリー4位、総合5位。
 第2グループ8番滑走でSP5位のミーシャ・ジー(ウズベキスタン。23)。曲は「シェルブールの雨傘」。振付は本人。青を基調とした衣装。今季は本当にジャンプがうまくなった。冒頭でソロのトリプルアクセルとトリプルアクセルからの連続ジャンプ、ルッツからの連続3回転と決める。レベル4のステップは全ジャッジが加点。後半、二つめのルッツ、フリップから1回転をはさむ3回転サルコウ、ダブルアクセル二つと固め跳び。フライングシットスピンはレベル3。情熱的なコリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。最後の足替えスピンはレベル3で全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の80.58、演技構成点5番目の78.78、合計158.36でフリー5位、総合4位。
 9番滑走でブレジナ。曲は「フィガロの結婚」。振付はランビエール他。冒頭のトリプルアクセルは成功、全ジャッジが加点。次は4回転トウループの予定だったと思うが3回転。4回転サルコウには2回転を付けた。フライングシットスピンはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。後半、二つめの4回転サルコウはアンダーローテーションでステップアウト。トリプルアクセルからの連続ジャンプ、ソロのルッツ、フリップから1回転をはさむ2回転サルコウは決めた。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。全体的にはだいぶ立ち直ってきた。技術点3番目の80.92、演技構成点も3番目の80.42、転倒の減点1、合計160.34でフリー3位、総合3位。2012年ロシア杯以来の表彰台。

 10番滑走で小塚。曲は「Io Ci Saro」。振付はローリ・ニコル。冒頭で4回転二つとも転倒。トリプルアクセルはきめ、全ジャッジが加点。フライングシットスピンはレベル3。ステップはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。だいぶスピーディーで滑らかな滑りが戻ってきた。後半、二つめのトリプルアクセルの予定が2回転で前向きに両足。ルッツからの連続ジャンプは決める。フリップは2回転に。フライング足替えスピンはレベル3。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。最後の足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。技術点10番目の58.98、演技構成点6番目の78.44、合計135.42でフリー7位、総合6位。佐藤コーチともども無表情だった。
 11番滑走でボロノフ。曲は「Come Together」他。振付はズーリン。冒頭で4回転3回転成功、全ジャッジが加点1〜3。トリプルアクセルの後、二つめの4回転の予定だったらしいがきれいな3回転になり全ジャッジが加点。ソロのルッツは2回転に。フライング足替えスピンはレベル4。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセルからの連続ジャンプ、ループからの3連続など決める。二つの足替えスピンはレベル3、コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3とまとめる。すばらしく美しいわけではないが、ジャンプをまとめる力がすごい。技術点2番目の81.23、演技構成点も2番目の80.44、合計161.67でフリーも2位、総合2位。
 最終滑走でフェルナンデス。曲は「セビリアの理髪師」。冒頭で美しい4回転トウループ。4回転サルコウは両足。トリプルアクセルはうまくこらえる。足替えシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。後半、二つめの4回転サルコウに2回転、フリップから1回転をはさむ2回転サルコウの3連続と、両方とも傾いたりして質は悪いがなんとか敢行。ソロのループは2回転に。ルッツからの連続ジャンプは成功。終盤二つの足替えスピンはレベル3。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。スケートカナダのときより、ずいぶんプログラムが滑らかに進行している印象。技術点最高の83.37、演技構成点も最高の87.72、合計171.09でフリーも1位、総合優勝。

 エキシビションで本郷は、昨季のSP「ドンキホーテ」を、赤い扇を持って踊った。アンコールでは、フリーの「カルメン」のステップを踏んだが、客席から手拍子が起こった。堂々と決まっていた。

フィギュアスケート (2014.11/21,22)

スケートアメリカ ペア・アイスダンス (2014.10/24〜10/26 シカゴ) GPシリーズ第1戦

 <ペア>8組出場。川口・スミルノフ組が優勝。昨季はスミルノフのヒザの手術で全休。「華麗に復活」したらしい(朝日新聞2014.10/27夕刊)。5番滑走で川口・スミルノフ組(露。32,30)。曲はタイスの交響曲から「Meditation」。冒頭のソロジャンプは全ジャッジが加点。やや苦手なツイストもレベル4。スローループはほぼ全ジャッジが加点1〜3。リフトもレベル4でほぼ全ジャッジが加点1〜3。ステップとデススパイラルもレベル4に全ジャッジが加点。最後のスピンはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の36.87、演技構成点は三つの要素で8点台前半で最高の32.29、合計69.16でSP1位。川口は、演技が終わったときは笑顔だったが、得点を見ると満足していない顔に。
 6番滑走でデニー・フレイザー組(米。18,21)。昨季全米5位、四大陸4位。曲は「Speak Softly My Love」。冒頭のツイストは速く、ほぼ全ジャッジが加点。スローループもきれいに決まり、全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプはなんとか成功。リフトは力強くほぼ全ジャッジが加点1〜3。デススパイラルはレベル4,スピンとステップはレベル3とノーミスでできた。技術点2番目の34.08、演技構成点4番目の27.0、合計61.08で2位と1.3差のSP3位。

 7番滑走でペン・ジャン組(中。17,30)。昨季国内優勝、ソチ五輪8位、世界選手権5位。曲は『くるみ割り人形』から「アラビアの踊り」。冒頭のソロジャンプで女性がアンダーローテーションで転倒。デススパイラルとステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。得意のツイストは高く、レベル4で全ジャッジが加点2〜3。スローループも全ジャッジが加点2〜3。リフトはレベル4,スピンはレベル3、いずれも全ジャッジが加点。技術点4番目の32.35、演技構成点2番目の31.03、転倒の減点1、合計62.38でSP2位。
 最終滑走でシメカ・クニエリム組(米。23,26)。昨季全米4位、四大陸銅メダル。曲は「ロクサーヌのタンゴ」。冒頭のツイストは高く全ジャッジが加点2〜3。しかし、ソロジャンプで男性が転倒。スピンはレベル3だが、回転がずれ、減点気味。リフトとデススパイラルはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3、スローフリップは全ジャッジが加点1〜3。技術点3番目の32.63、演技構成点3番目の28.98、転倒の減点1、合計60.61でSP4位。

 フリー。今季から、後半のリフトの得点が1.1倍になるのはなくなった。5番滑走でシメカ・クニエリム組。曲は「パリのアメリカ人」。冒頭のツイストはレベル4で全ジャッジが加点。しかしソロジャンプで男性が転倒。連続ジャンプもミス。一つめのスローループで女性が転倒。一つめと三つめのリフトはレベル4で全ジャッジが加点したが、二つめのリフトはレベルB。スピン二つとデススパイラルはレベル3。ミスが多く、キスアンドクライでは、コーチ陣ともども笑顔がなかった。技術点4番目の54.8、演技構成点も4番目の55.21、転倒の減点2、合計でフリーも4位、総合4位。
 6番滑走でデニー・フレイザー組。曲は「ライオン・キング」。二人とも黄色っぽい衣装。冒頭のツイストはレベル4で全ジャッジが加点。一つめのスローループも全ジャッジが加点1〜3。ソロジャンプ、レベル3のスピン二つ、ダブルアクセルのシークエンスと何とか決める。リフトは三つともレベル4、ほぼ全ジャッジが加点。二つめのスローサルコウは全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル2。終わったとき、ガッツポーズ。技術点2番目の64.18、演技構成点3番目の58.58、合計122.76でフリー2位、逆転で総合2位。

 7番滑走でペン・ジャン組。曲はショスタコビッチの「ピアノ・トリノ」。冒頭のツイストは4回転でレベル2だが全ジャッジが加点1〜3。連続ジャンプは女性が転倒して第2が付かず。続くダブルアクセルのソロジャンプも女性が転倒。立てそうだったが。スピンは二つともレベル3。スロージャンプも二つともきれいで全ジャッジが加点1〜3。リフトは二つがレベル4、全ジャッジが加点2。デススパイラルはレベル1だが全ジャッジが加点1〜3。技術点3番目の59.65、演技構成点2番目の62.4、転倒の減点2、合計120.05でフリー3位、総合3位。
 最終滑走で川口・スミルノフ組。曲はチャイコフスキーの「Manfred Symphony」。冒頭の3回転トウループのシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。続けてダブルアクセルも決め、全ジャッジが加点。スロージャンプは二つとも成功、後半のスローループは全ジャッジが加点。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。スピン二つとツイスト、デススパイラルはレベル3。デススパイラルと最後のペアスピンは全ジャッジが加点。リフトは三つともレベル4で全ジャッジが加点。技術点最高の69.9、演技構成点は音楽表現が9点台、他は8点台後半でダントツの70.1、合計140.0でフリーも1位、総合優勝。

 <アイスダンス>8組出場。リード姉弟は、クリスの手術した半月板の痛みがあり、欠場。今季のパターンダンスは、パソドブレ。これにパーシャルシーケンスステップ(PSt)とかいうものを続けて滑るらしい。4番滑走でステファノワ・ブキン組(露。19,21)。曲は「Espana Cani」。男性が白を基調にした衣装なのは珍しい。冒頭の直線のリフトはレベル3で全ジャッジが加点。ツイズルはなぜかレベル1で全ジャッジが加点。パソドブレ、PStともレベル3。ステップはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。あまりスパニッシュに見えない。技術点7番目の26.88、演技構成点3番目の29.49、合計56.37でSD3位。
 7番滑走でシブタニ兄妹(米。20,23)。曲は「The Last Corrida」他。冒頭のツイズルでは、女性が第1ツイズルの最後でタイミングがずれ、レベル4だが減点評価も。ステップはレベル3で全ジャッジが加点。パソドブレとPStはともにレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点2。ここもあまりスパニッシュに見えない。技術点2番目の31.59、演技構成点も2番目の32.55、合計64.14でSD2位。
 最終滑走でチョック・ベイツ組(米。22,25)。曲は「ドン・キホーテ」。全要素に全ジャッジが加点。直線のリフト、ツイズルともレベル4。加点はそれぞれ2〜3、1〜2。パソドブレとPStは、レベル4と3。パソドブレに一人のジャッジは加点3を付けていた。ステップはレベル3。技術点最高の35.39、演技構成点最高の33.57、合計68.96は自己ベスト更新でSD1位。

 フリー。6番滑走でステファノワ・ブキン組。曲は「エリナー・リグビー」。冒頭のスピン、回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ツイズルはまたもレベル1だが全ジャッジが加点1〜3。対角線のステップはレベル2。ロングリフトは両方レベル4でほぼ全ジャッジが加点1〜3。サーキュラーステップレベル2。コリオリフトはほぼ全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の42.14、演技構成点3番目の46.36、合計87.5でフリーも3位、総合3位。
 7番滑走でシブタニ兄妹。曲は「青き美しきドナウ」他。全要素に全ジャッジが加点。冒頭の二つのリフトはレベル4。直線のリフトの方は加点2〜3。サーキュラーステップとスピンはレベル2。カーブのリフトはレベル4に加点2〜3。ツイズルと対角線のステップはレベル3だがツイズルは加点2〜3。最後は今季から新設のコリオスピン。技術点2番目の46.24、演技構成点2番目の49.95、合計96.19でフリーも2位、総合2位。
 最終滑走でチョック・ベイツ組。曲は「パリのアメリカ人」。カーブのリフト以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭の直線のリフトはレベル4で加点2〜3。ツイズルもレベル4で加点1〜3。サーキュラーステップだけレベル2だが加点2〜3。対角線のステップと回転リフトはレベル3。回転リフトは加点1〜3。最後のコリオスピンも加点1〜3。技術点最高の50.21、演技構成点最高の51.86、合計102.07でフリー1位、総合優勝。

ページトップへ

フィギュアスケート (2014.12/23,27,2015.1/4)

中国杯 ペア・アイスダンス (2014.11/7〜11/9 上海) GPシリーズ第3戦

 <アイスダンス>8組出場。うち中国が3組。1番滑走で今季組み替えたツァオ・ジェン組(中。19,27)。男性は前のパートナーと昨季国内1位、ソチ五輪23位。女性は前のパートナーと昨季国内シニア6位、世界ジュニア19位。曲は「カルメン」他。ツイズルはよく合っていてレベル4。パソドブレはレベル2、PStはレベル1。カーブのリフトはレベル4。ステップはレベル1。技術点最低の20.84、演技構成点も最低の21.04、合計でSD最下位。
 2番滑走でここも今季組み替えのイリニク・ジガンシン組(露。20,22)。曲は「カルメン組曲」より。女性はカツァラポフと昨季国内2位、ソチ五輪銅メダル、世界選手権4位。男性はシニツィナと昨季国内3位、ソチ五輪16位、世界選手権7位。冒頭はステップから。レベル3だがほぼ全ジャッジが加点。パソドブレはレベル2、PStはレベル3。直線のリフトはレベル4。技術点3番目の30.2、演技構成点4番目の30.28、合計60.48でSD4位。
 5番滑走でポール・イスラム組(加。23,24)。昨季国内3位、ソチ五輪18位、世界選手権10位。曲は「ノクターン」他。男性は髪を昔のペーゼラのようにオールバック。ツイズルはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。パソドブレとPStはレベル2。ステップはレベル2。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。技術点5番目の28.22、演技構成点も5番目の28.24、合計56.46でSD5位。得点に少し意外そうな顔。

 6番滑走でパパダキス・シゼロン組(仏。19,19)。昨季国内2位、ソチ出られず、世界選手権15位。(今季国内優勝。)曲は「Escobilla」他。パソドブレはレベル4、PStはレベル3。直線のリフトとツイズルはレベル4。リフトは全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。 技術点2番目の31.76、演技構成点3番目の 30.36、合計62.12でSD3位。
 7番滑走でシブタニ兄妹(米。20,23)。昨季国内3位、ソチ五輪9位、世界選手権6位、曲は「The Last Corrida」他。冒頭のツイズルはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。パソドブレとPStはいずれもレベル3。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。技術点最高の32.88、演技構成点2番目の32.32、合計65.2でSD1位。
 最終滑走でカッペリーニ・ラノッテ組(伊。27,29)。昨季国内3連覇、ソチ五輪6位、世界選手権初優勝。曲は「Capriccio Espagnol」。ツイズルはレベル3。パソドブレはレベル3、PStはレベル2。ステップがレベル2で-1〜2。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の29.14、演技構成点最高の33.56、合計62.7でSD2位。

 フリー。1番滑走でツァオ・ジェン組。曲はピアソラ「Oblivion」他。まだ何もかも途上、という感じ。ツイズルはレベル2。サーキュラーステップはレベル1。スピンレベル2。直線のリフトはレベル4。回転リフトとカーブのリフトはレベル3。技術点最低の29.88、演技構成点最低の31.68、合計61.56でフリーも最下位、総合8位。中国のあとふた組は、いずれもカメレンゴが振付。ワン・リュウ組(20,20)は、男性が細身の189pで、女性は小柄に見えたが160p。スピードに乗ってはつらつと滑り、好感。
 4番滑走でポール・イスラム組。フランク・シナトラの2曲。カーブのリフトはレベル4で全ジャッジが加点したが、ステップ二つとスピンがレベル2。うちスピンは全ジャッジが加点1。ツイズルはレベル3。直線のリフトと回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。コリオスピンも全ジャッジが加点。全体に加点がない。技術点4番目の40.68、演技構成点5番目の43.32、合計84.0でフリーも5位、総合5位。
 5番滑走でイリニク・ジガンシン組。曲は「アンソニーとクレオパトラ他」。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。ステップ二つはレベル3、直線のリフトはレベル4。スピンはレベル1、カーブのリフトはレベル2とまだまだ。コリオリフトは全ジャッジが加点。技術点5番目の40.56、演技構成点4番目の45.66、リフトの時間超過で減点2、合計84.22でフリーも4位、総合4位。

 6番滑走でパパダキス・シゼロン組。曲はモーツァルト「アダージオ」。なんだか急にうまくなった。スピードに乗っていてエッジも深い。対角線のステップと回転リフト以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭の直線のリフトはレベル4で加点も2〜3。ツイズルもレベル4で加点1〜3。サーキュラーステップとスピンはレベル2。スピンと回転リフトはレベル4。対角線のステップはレベル3。コリオスピンは加点2〜3。技術点最高の48.14、演技構成点も最高の49.86、合計98.0でフリー1位、なんと総合で初優勝。
 7番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組。今季GPシリーズはこれのみ。曲は「Danse Macabre」。冒頭のツイズルはレベル4で全ジャッジが加点。ところがつなぎで男性が転倒。びっくりしたが、直線のリフトもレベル4。サーキュラーステップレベル2、スピンがレベル1と取りこぼしたのは転倒のせいもあるか。カーブのリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。対角線のステップはレベル3だが全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。コリオスピンは全ジャッジが加点1〜3。全体にスピードがない。技術点3番目の42.32、演技構成点3番目の46.56、転倒とリフトの時間超過で減点2、合計86.88でフリー3位、総合3位。
 最終滑走でシブタニ兄妹。曲はJ. シュトラウス「青き美しきドナウ」。冒頭の直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。しかし回転リフト、サーキュラーステップ、スピンといずれもレベル2だが全ジャッジが加点。カーブのリフトとツイズルはレベル4。対角線のステップはレベル3だが全ジャッジが加点。コリオスピンはほぼ全ジャッジが加点。ていねいに滑っているが、プログラム全体としてこなれていない感じ。技術点2番目の43.02、演技構成点も2番目の49.14、合計92.16でフリー2位、総合2位。

 <ペア>8組出場。1番滑走で今年5月に組んだピューリッチ・ウォルフェ組(加。19,19)。女性は昨季トランと組んで国内4位、四大陸5位。曲は「Three Hours Past Midnight」。ツイストは3回転だがレベル1。ソロジャンプはトウループで見事に成功。スロールッツも決めた。スピンとステップはレベル3、リフトとデススパイラルはレベル4。組んで半年にしてはいいのでは。技術点3番目の31.45、演技構成点24.69、合計56.14でSP5位。
 2番滑走で今季組み替えたらしいワン・ワン組(中。16,26)。曲は「ロマンス」。ツイストはレベル3で全ジャッジが加点。ソロジャンプはトウループで女性が両足気味。リフトはレベル4。スローループも成功。デススパイラルはレベル4で全ジャッジが加点。ステップとスピンはレベル3だが、なんとスピンの足替えで男性が転倒。それでも技術点2番目の31.7、演技構成点26.57、転倒の減点1、合計57.27でSP2位。
 4番滑走で今季組み替えたバザロワ・デュプタット組(露。21,21)。女性は昨季ラリオノフと組んで欧州選手権3位、ソチ五輪6位、世界選手権7位。曲は「マイウェイ」。冒頭のソロジャンプは、お約束のように女性が転倒。立てると思っていないよう。ツイストレベル3。スローループはほぼ全ジャッジが加点1〜3。スピンはレベル3、ステップとデススパイラルはレベル4。技術点4番目の30.36、演技構成点3番目の27.49、転倒の減点1、合計56.85でSP4位。

 6番滑走でユウ・ジン組(中。18,20)。昨季国内シニア3位、世界ジュニア優勝。曲は「Yulunga (精霊の踊り)」。アフリカの儀式の詠唱みたい。振付はD. ウィルソン。冒頭のソロジャンプはきれいに成功、タイミングもぴったりで全ジャッジが加点。ツイストはレベル4。スローループは立てそうだったが転倒。リフトはレベル4で全ジャッジが加点。デススパイラルとステップはレベル3。技術点5番目の29.81、演技構成点2番目の28.22、転倒の減点1、合計57.03でSP3位。
 7番滑走でデラモニカ・グアリーゼ組(伊。25,26)。昨季欧州選手権8位、ソチ五輪16位、世界選手権も16位。曲は「シンデレラ」。ツイストは3回転だがレベル1。ソロジャンプはサルコウで女性が転倒。スローループも両手つき。リフトとステップ、デススパイラルはレベル4。スピンはレベル3。ジャンプのミスが続き、技術点7番目の27.4、演技構成点4番目の27.08、転倒の減点1、合計53.48でSP7位。
 最終滑走でペン・ジャン組(中。17,30)。昨季国内優勝、ソチ五輪8位、世界選手権5位。今季スケートアメリカ3位。曲は「くるみ割り人形」の「アラビアの踊り」。振付はローリ・ニコル。最後のスピン以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のソロジャンプは加点1〜3。デススパイラル、ステップ、ツイストはかなり横倒しで速くレベル3。特にツイストは加点2〜3。スローループも幅があり、加点2〜3。リフトはレベル4で加点1〜3。技術点最高の36.48、演技構成点32.63、合計69.11でダントツのSP1位だが、嬉しそうでもたいして喜んでいない。

 フリー。5番滑走でバザロワ・デュプタット組。曲はピアソラ「アディオス・ノニーノ」。冒頭のソロジャンプはバラバラだがなんとか下りた。ツイストはレベル2。ダブルアクセルからの連続ジャンプは女性が前向きに下りて第2第3不完全。デススパイラルレベル1。フライングスピンはレベル4。一つめのスローループは立ったが、二つめのスローサルコウは転倒。後半に三つ固めたリフトは、全てレベル4。最後のペアスピンはレベル3。まだ、全体にぎこちなさが目立つ。技術点4番目の54.01、演技構成点も4番目の56.58、転倒の減点1、合計109.59でフリー4位、総合4位。
 6番滑走でユウ・ジン組。曲は「Humility and Love」。振付はD. ウィルソン。冒頭のソロジャンプは全ジャッジが加点。ダブルアクセルのシークエンスも全ジャッジが加点。ツイストはレベル4。一つめのスローループはほぼ全ジャッジが加点0〜3。一つめのリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルレベル2、フライングスピンはレベル3。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。ここまではよかったが、二つめのリフトで姿勢変化に入ったところで落下。怪我はなかったがレベルBで全ジャッジが-3。二つめのスローフリップは、女性がすごく頑張って足首でこらえて立った。三つめのリフトはレベル3、ペアスピンはレベル4。技術点2番目の59.19、演技構成点3番目の58.11、リフトの落下の減点1、合計116.3でフリー2位、総合2位。キスアンドクライで男性は反省していたが、女性は少し離れてすわっていた。

 7番滑走でワン・ワン組。曲は「マイ・フェア・レディ」。女性はピンクの衣装。振付はD. ウィルソン。冒頭のツイストはレベル3で全ジャッジが加点1〜3。連続ジャンプは女性が2回転1回転。ソロジャンプでは2回転サルコウで女性が転倒。リフトは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3で全ジャッジが加点。一つめのスロージャンプは難しいルッツ。二つめのスローループはほぼ全ジャッジが加点。足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。最後のペアスピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。最後まで笑顔で滑っていた。技術点3番目の57.58、演技構成点2番目の58.3、転倒の減点1、合計114.88でフリー3位、総合3位。
 最終滑走でペン・ジャン組。曲はショスタコビッチのピアノ・トリオより「アレグレット」。振付はローリ・ニコル。冒頭は4回転ツイストでレベル2だが、ほぼ全ジャッジが加点2〜3。連続ジャンプは女性が転倒して第2付かず。ダブルアクセルは女性がアンダーローテーションでステップアウト。フライングスピンはレベル3。スローループはほぼ全ジャッジが加点。リフトは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。一つめは加点1〜3。二つめのスローサルコウは余裕があり、全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル2だが、ほぼ全ジャッジが加点。最後のペアスピンはレベル4。技術点最高の60.4、演技構成点も最高の65.54、転倒の減点1、合計124.94でフリーも1位、総合優勝。

フィギュアスケート (2014.11/9,)

中国杯 (2014.11/7〜11/9 上海) GPシリーズ第3戦

 <女子シングル>11人出場。日本から村上。4番滑走でエドマンズ(米。16)。昨季全米2位、ソチ五輪9位。身長が167pに伸びた。 GPシリーズデビュー。冒頭でルッツからの連続ジャンプの予定がルッツのアンダーローテーションで転倒。要素を失う。レイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点。あと二つのスピンもレベル4と3でほぼ全ジャッジが加点。ただ最後のステップはレベル1。技術点7番目の24.87、演技構成点も7番目の26.45、転倒の減点1、合計50.32でSP7位。背が伸びてジャンプが狂ったか。
 第2グループ6番滑走で地元李子君(中。17)。昨季四大陸3位、ソチ五輪14位。身長165p。曲は「くるみ割り人形」から「花のワルツ」。冒頭のフリップからの連続3回転はきれいに成功。後半、ステップからのループがアンダーローテーションで転倒。スピンは二つがレベル3、最後のレイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル2。技術点5番目の28.4、演技構成点8番目の26.26、転倒の減点1、合計53.66でSP5位。
 7番滑走でガオ(米。20)。昨季全米8位、四大陸4位。身長167p。ハーバード大学学生。曲は「リバー」。冒頭のトウループの連続3回転は第2ジャンプがダウングレード。ダブルアクセルは決めたが、後半、ステップからのループもダウングレード。スピンは三つともレベル3。ステップはレベル2。技術点20.63、演技構成点5番目の26.52、合計47.15でSP8位。学業が忙しくて練習不足か。

 9番滑走で村上(20)。曲は「オペラ座の怪人」。当日が誕生日。冒頭のトウループの連続3回は高く美しく、全ジャッジが加点。続くステツプはレベル2だが全ジャッジが加点。スピン二つはレベル3だが、二つめの足替えスピンは加点1〜3。後半、ステツプからのフリップがアンダーローテーションで片手つき。最後のレイバックスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点2。技術点4番目の30.38、演技構成点3番目の30.06、合計60.44でSP3位。バースデーケーキ型のぬいぐるみも投げ込まれていた。
 10番滑走でトゥクタミシェワ(露。17)。曲は「ボレロ」。冒頭のトウループの連続3回はたいへん美しく全ジャッジが加点2〜3。ステップからのルッツ、レベル4のフライングスピンも全ジャッジが加点。ステップとあと二つのスピンはレベル3だが、ステップは全ジャッジが加点2、最後の足替えスピンは加点1〜3。ダブルアクセルも全ジャッジが加点。技術点2番目の36.45、演技構成点も2番目の31.54、合計67.99は自己ベスト更新でSP2位。久しぶりにキスアンドクライですごく嬉しそうだった。ミーシンコーチも満足そうにしていたが。
 最終滑走でリプニツカヤ(露。16)。昨季国内2位、欧州選手権優勝、ソチ五輪5位。身長は160pに。曲は「メガポリス」。衣装は赤い横縞の上位に赤のミニスカート。冒頭のトウループの連続3回は軽々と跳び全ジャッジが加点1〜3。後半、ダブルアクセルは無難に、ステップからのフリップは全ジャッジが加点。スピン二つがレベル4、ステップと最後の足替えスピンがレベル3だが、いずれも全ジャッジが加点。特に終盤二つ続くスピンは加点2〜3。技術点最高の37.41、演技構成点も最高の32.15、合計69.56でSP1位。

 フリー。5番滑走でエドマンズ。曲は「ティンカーベル」他。ピンクの衣装。冒頭のルッツからの連続3回転成功、全ジャッジが加点。フリップから1回転をはさむ3連続はフリップeマーク。ステップはレベル1だが全ジャッジが加点。スピンは一つがレベル3、二つがレベル4みで全ジャッジが加点。後半、ルッツがアンダーローテーション、二つめのフリップがeマークだが、全体にいい出来で、最後のレイバックスピンは加点1〜3。技術点2番目の57.05、演技構成点4番目の54.9、減点1、合計110.95でフリー2位、総合4位。ソチ五輪出場の才能を見せた。
 第2グループ7番滑走で李子君。曲は「ムーンリバー」。冒頭フリップからの連続3回転は成功、全ジャッジが加点。ダブルアクセルから3回転トウも決め、全ジャッジが加点。ルッツはeマーク。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。後半、フリップがダウングレード、サルコウがアンダーローテーションで第2が1回転とジャンプでミス。得意のスピンでも、足替えスピンがレベル2、フライングスピンはよろけて無得点。最後のレイバックスピンは立て直してレベル4に全ジャッジが加点。技術点5番目の45.7、演技構成点6番目の53.26、合計98.96でフリー6位、総合6位。唯一の地元選手なのに不本意な内容。
 8番滑走でSP4位のデイルマン(加。16)。昨季国内2年連続2位、ソチ五輪17位。かなり太めだが、ジャンプはうまい。曲は「アランフェス」。冒頭のルッツは連続ジャンプにならず。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。ダブルアクセルから3回転トウも全ジャッジが加点。後半、フリップが2回転になった上、eマーク。しかしソロのルッツ、ダブルアクセルからの連続ジャンプなど成功。スピンは二つがレベル3で全ジャッジが加点。技術点4番目の47.91、演技構成点5番目の54.86、合計102.77でフリー5位、総合5位。健闘した。
 9番滑走で村上。曲はSPと同じ「オペラ座の怪人」。フリーでは会心ファントムを演じる。冒頭、不得意なループがアンダーローテーション。続くアクセルからの連続ジャンプはどちらも何と1回転に。レベル3の足替えスピンとレベル4のレイバックスピンはほぼ全ジャッジが加点で少し立て直し、レベル2のステップも全ジャッジが加点。後半、ループからの3連続成功、第3ジャンプがアンダーローテーションだが、一安心。続けてフリップからの連続ジャンプも成功。後はソロのフリップ、サルコウ、ダブルアクセルと決た。フライングスピンはレベル4、コリオシークエンスとともにほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の49.35、演技構成点も3番目の59.60、合計108.9でフリーも3位、総合3位。試合後、「ミスがあったので、次のNHK杯までに修正したい。」と言っていた。2年ぶりのGPシリーズ表彰台。
 10番滑走でトゥクタミシェワ。曲は「バトワニスビーク」他。だいぶ気迫のある滑りが戻ってきた。冒頭でルッツからの3連続成功、全ジャッジが加点。続くルッツは2回転になったが、ソロのフリップ、二つのスピンで全ジャッジが加点。スピンはなぜか三つともレベル3。少しスピードが遅いところがあるためか。中盤、トウループの連続3回転、後半、サルコウからダブルアクセルのシークエンスも成功。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3の完成度。最後の足替えスピンも全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の63.65、演技構成点も最高の64.96、合計128.61でフリー1位、総合優勝。これでファイナル一番乗り。
 最終滑走でリプニツカヤ。曲は「ロミオとジュリエット」。冒頭、ダブルアクセルから3回転2回転の3連続は成功、全ジャッジが加点。ところがサルコウで転倒。フライングスピンはレベル4、ステップはレベル2。後半、ソロのループダブルアクセルからの連続ジャンプと決めたが、フリップが1回転に。しかも次のフリップはダウングレードでまた転倒に近い崩れ方。ルッツも1回転に。コリオシークエンスと最後の二つのスピンはレベル4で全ジャッジが加点となんとか面目を保ったが、技術点7番目の44.3、演技構成点2番目の61.71、転倒と時間超過の減点2、合計104.01でフリー4位、総合2位。

 <男子シングル>11人出場。日本から2人、羽生、田中刑事。4番滑走で田中刑事(19)。昨季全日本ジュニア優勝、世界ジュニア7位。曲は「インスティンクト・ラプソディ」。振付は宮本賢二。冒頭のステップからの4回転サルコウは3回転に。トリプルアクセルが1回転になり、要素を失い、無得点。フリップからの連続3回転はステップアウト。スピンは二つとステップがレベル3、足替えシットスピンはレベル4。最後の足替えスピンはほぼ全ジャッジが加点0〜3。技術点最低の25.54、演技構成点9番目の31.28、合計56.82でSP最下位。
 第2グループ6番滑走でミーシャ・ジー(ウズベキスタン。23)。昨季四大陸13位、ソチ五輪17位。曲は「アベ・マリア」。冒頭のトリプルアクセルを決める。ルッツからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。スピン二つはレベル2と3。後半、ステップからのフリップ成功。得意のステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。しかし最後の足替えスピンは無得点。これが痛かった。技術点の33.28、演技構成点番目の36.18、合計69.46でSP7位。
 7番滑走でニューエン(加。16)。今季スケートアメリカ3位。曲は「シナーマン」。振付はバトル。冒頭にトリプルアクセル成功。スピンは二つがレベル3。ステップはレベル2。ルッツからの連続3回転、ステップからのフリップも決まる。最後のフライングスピンはレベル4。技術点38.39、演技構成点34.46、合計72.85でSP6位。

 8番滑走でハン・イェン(中。18)。昨季国内4位、ソチ五輪7位、世界選手権も7位。曲は「屋根の上のバイオリン弾き」から「もし金持ちになれたら」。振付はローリ・ニコル。冒頭の得意のトリプルアクセルでステップアウト。続く4回転も片手つき。後半、ルッツからの連続3回転もステップアウト。足替えシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ほかの二つのスピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。最後のステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。技術点3番目の39.43、演技構成点も3番目の39.78、合計79.21でSP3位。表情がつくようになってきた。
 10番滑走でコフトゥン(露。19)。昨季国内優勝、欧州選手権5位、世界選手権4位。曲は「ボレロ」。SPから二つの4回転を予定。冒頭の4回転サルコウ3回転はなんとか決める。第2ジャンプでわずかにタッチあり。続くステップからの4回転トウループも成功。後半、どうしたのかアクセルが2回転に。スピン一つとステップがレベル4で全ジャッジが加点。特にステップは加点1〜3。最後の二つのスピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。技術点最高の44.4、演技構成点2番目の41.56、合計85.96でSP1位。
 最終滑走で羽生(19)。昨季全日本連覇、ソチ五輪金メダル、世界選手権優勝。今季初戦に予定していたフィランディア杯を腰痛で欠場。曲はショパンの「バラード第1番」。冒頭のトリプルアクセルはほぼ全ジャッジが加点3。足替えシットスピン、フライングスピンも全ジャッジが加点。後半に入れた、4回転トウループが3回転になり、ルッツからの連続3回転の予定が、ルッツでステップアウトして要素を失う。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。最後の足替えスピンも全ジャッジが加点1〜3。技術点5番目の38.53、演技構成点最高の44.42、合計82.95でSP2位。思わぬ出遅れ。言わないが、腰痛の影響が残っているか。

 フリー。1番滑走で田中刑事。曲は「椿姫」。冒頭の4回転サルコウは回ったが転倒。トリプルアクセルはきれいに成功、続くフリップからの連続3回転も決め、いずれも全ジャッジが加点。足替えシットスピンレベル4、ステツプレベル3。後半、アクセルが1回転に。ルッツはeマークで手つき。しかしサルコウからの3連続はなんとか決める。残りのスピン二つはレベル3。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。全体によく立て直した。技術点68.08、演技構成点65.36、転倒の減点1、合計でフリー6位、総合8位。
 5番滑走でミーシャ・ジー。曲は「シェルブールの雨傘」。冒頭のトリプルアクセル成功。続けてトリプルアクセルからの連続ジャンプも決める。ルッツからの連続3回転は!マーク。ステップは全ジャッジが加点2。後半もやはり!マークながらフリップからの3連続も決める。二つめのフリップは跳びすぎで無得点。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。最後の足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点3番目の75.42、演技構成点5番目の74.4、合計149.82は自己ベスト更新でフリー3位、総合5位。
 第2グループの6分間練習で羽生とハン・イェンが激突。二人ともしばらく倒れていたが、イェンは一人で起き上がり、他の選手4人も練習を中断。羽生は救護員に支えられてリンクを上がり、頭に包帯姿で再び練習に。6番滑走でニューエン。曲は「道」。振付はD. ウィルソン。冒頭で4回転サルコウ成功。軽い。トリプルアクセルも決める。続けて二つめを跳ぶ予定が1回転に。フライングスピンはレベル2、ステップはレベル3。後半、ルッツからの連続3回転をトリプルアクセルからの連続3回転に変更。フリップからの3連続、フリップからの連続ジャンプと成功。あと二つのスピンはレベル3。直前の衝突を見て少し動揺したかもしれない。前半固かったが尻上がりに動きや表情がよくなった。技術点最高の80.34、演技構成点68.66、合計149.0でフリー5位、総合4位。

 9番滑走でハン・イェン。曲は「私を月まで連れてって」。転倒の影響かやはり動きにきれがない。冒頭のトリプルアクセルはステップアウトで両手つき。4回転転倒。足替えシットスピンレベル1。ステップはレベル3で全ジャッジが加点。ルッツ、ループと決めて立ち直ったかに見えたが、二つめのルッツがステップアウトで第2付かず。フリップはタイミングを失して跳べず。サルコウもステップアウト。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。技術点10番目の49.0、演技構成点3番目の79.44、転倒の減点1、合計127.44でフリー7位、総合6位。
 10番滑走で羽生。まだフラフラしているが、オーサーコーチは目を見て脳しんとうの症状はないと送り出した。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭で4回転サルコウ、4回転トウループと続けて転倒したが回っていた。フリップは決め、全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル2。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続ジャンプも全ジャッジが加点。トリプルアクセルは転倒。しかし次のトリプルアクセルからの3連続は決め、全ジャッジが加点。ループ、ルッツは転倒。最後のスピン二つはレベル4と3でほぼ全ジャッジが加点。終わった後、体がグラグラしていた。精神力が並ではない。技術点2番目の75.58、演技構成点は全て8点台で最高の84.02、転倒の減点5、合計154.6でフリーも2位、総合2位。得点が出た後、泣いていた。表彰式は欠場。
 最終滑走でコフトゥン。曲は「エクソジェネシス」。優勝のチャンスなのにミスを連発。冒頭の4回転サルコウ転倒。4回転トウループは成功、全ジャッジが加点。しかし二つめの4回転トウループからの連続ジャンプの予定が3回転2回転に。足替えシットスピンとレベル4のステップは全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプは第2が1回転に。二つめのトリプルアクセルは片手つき。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。終盤のスピンはレベル4と2。技術点4番目の75.02、演技構成点2番目の83.36、転倒の減点1、合計157.38でフリー1位、総合優勝。キスアンドクライではさえない表情だった。総合3位は、SP、フリーとも4位のドーンブッシュ(米。23)。
 後日記・羽生は、日本チームに医師がいなかったので、アメリカチームの医師に手当てを受け、脳しんとうの有無も診てもらい、出場にいたったらしい。WEBナンバーの記事によれば、昔からペアやアイスダンスで衝突はあったが、「男子のシングルではない。みな反射神経がいいから。」という本田武史の言葉が引用されていた。しかし、近年、高橋大輔と小塚も衝突。これには、ルールの改正でスピードを出して4回転を跳ばなくてはならなくなり、さすがの男子シングルも余裕がなくなったのだろうと報じていた。

フィギュアスケート (2014.12/14,20,21)

スケートカナダ ペア・アイスダンス (2014.10/31〜11/2 ケロウナ) GPシリーズ第2戦

 <ペア>8組出場。1番滑走で今季組み替えたムアタワーズ・マリナロ組(加。22,22)。曲は映画「シカゴ」より。ツイストは2回転に見えたが3回転。ソロジャンプはトウループ。スローループは成功。しかしデススパイラルはなぜか無得点。リフトはレベル4。スピンはレベル3だが全ジャッジが加点。ステップもレベル4。技術点6番目の27.61、演技構成点も6番目の、合計53.79でSP6位。
 5番滑走でタラソワ・モロゾフ組(露。19,21)。今季シニアデビュー。男性はドイツ・ポツダム出身。コーチにゾルコビー、振付にトランコフの名前も。曲は「サラバンド」。冒頭のツイストはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプはトウループで全ジャッジが加点。スローループも決め、デススパイラルとリフト、スピンはレベル3だが、リフトは全ジャッジが加点。最後のステップはレベル4。技術点2番目の34.68、演技構成点3番目の29.46、合計でSP3位。

 6番滑走でスイ・ハン組(中。19,22)。昨季国内シニア2位、四大陸優勝。ソチ五輪出場せず。世界選手権6位。曲は「Stray Cat Strut」。ボーカル入り。コーチ席には申雪も。振付はD. ウィルソン。女性はなんだか真央に似てきた。スピン以外の全要素に全ジャッジが加点。ソロジャンプはトウループ。スローフリップは加点2〜3。ツイストとリフトはレベル4。ステップはレベル2。スピンはレベル3。最後のデススパイラルは何だかずれた。プログラム全体としてまだまとまっていない感じ。技術点3番目の34.33、演技構成点2番目の30.89、合計65.22でSP2位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。28,29)。昨季国内3連覇、ソチ五輪7位、世界選手権銅メダル。曲は「Un peu plus haut」。ボーカル入り。ツイストはレベル2だが全ジャッジが加点。ソロジャンプはルッツ。女性は本当に壁の間際だった。スロールッツも決め、全ジャッジが加点。スピンはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。リフト、ステップ、デススパイラルとレベル4でそろえ、全て全ジャッジが加点。かなり完成していた。終わったとき、女性がガッツポーズ。技術点最高の39.1、演技構成点も最高の33.6、合計72.7でSP1位。

 フリー。3番滑走でムアタワーズ・マリナロ組。曲はミュージカル「チェス」。衣装もチェス盤のように市松模様が左肩あたりに。SPより練習不足か。ツイストはレベル1。ソロジャンプはサルコウだが、女性がばらけてダウングレード。リフトは二つがレベル3、一つがレベル4。SP無得点だったデススパイラルはレベル3。スピン二つもレベル3。スロージャンプは、一つめのループはよかったが、二つめのサルコウは両足。技術点6番目の50.45、演技構成点5番目の54.58、合計105..03でフリー6位、総合6位。
 5番滑走でSP4位のアーロン・セトレッジ組(米。20,22)。昨季全米ジュニア優勝、世界ジュニア5位。曲は「王様と私」。ツイストはレベル2。スローループは全ジャッジが加点。ソロジャンプで男性が転倒。スビン二つはレベル3。リフトは二つがレベル4、一つがレベル3。後半の二つめのスローサルコウと三つめのリフトも全ジャッジが加点。コリオシークエンスでは、「Shall we dance?」の曲に合わせワルツを踏み、観客にも好評。デススパイラルはレベル1。技術点4番目の52.9、演技構成点も4番目の56.81、合計108.71は自己ベスト更新でフリーも4位、総合4位。コーチともどもみんな笑顔。
 6番滑走でタラソワ・モロゾフ組。曲は「Hello」。冒頭のツイストは高くまっすぐに上がり、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。連続ジャンプでは女性が第1が2回転になり、第2もダウングレード。リフトは三つともレベル4。一つめのスローループはステップアウト。デススパイラルとスピン二つはレベル3。二つめのスローサルコウは、立ったが、すぐ両足をついた。技術点3番目の54.18、演技構成点も3番目の57.13、合計111.31でフリーも3位、総合3位。

 7番滑走でスイ・ハン組。曲はチャイコフスキー「Francesca da Rimini」。冒頭のツイストは4回転でレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。連続ジャンプは、トウループからの3連続の予定が、女性が第1ジャンプでパンクして1回転になり、第2、第3付かず。リフトは二つがレベル4、一つがレベル3。スローフリップはほぼ全ジャッジが加点。スピン二つとデススパイラルはレベル3。ソロジャンプはサルコウで、女性が2回転に。二つめのスローサルコウはすばらしく、全ジャッジが加点2〜3。コリオシークエンスと最後のリフトも全ジャッジが加点。技術点2番目の58.0、演技構成点も2番目の61.42、合計でフリーも2位、総合2位。目指していた内容とは遠いようで、選手たちは固い顔。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「Neutron Star Collision」他。冒頭のツイストはレベル2だが全ジャッジが加点。ソロジャンプはルッツをこらえて決める。スローサルコウは4回転で両足。スピン二つはレベル3で全ジャッジが加点。連続ジャンプは3回転トウループからの3連続成功。デススパイラルはレベル4。リフトは三つともレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のリフトは加点2〜3。二つめのスロールッツは片手つき。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。技術点最高の69.93、演技構成点も最高の68.11、合計138.04でフリーも1位、総合優勝。

 <アイスダンス>8組出場。2番滑走でウルタード・ディアス組(西。21,24)。コーチは地元カナダのデュブレイユとローゾン。曲は「Tercio de Quite」他。女性の衣装は赤いスカートだが、牛も表しているよう。振付はD. ウィルソン他。直線のリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。パソドブレとPStはいずれもレベル3。ステップはレベル2。ツイズルはレベル3。ちょっと息が合わないところも。技術点6番目の26.52、演技構成点7番目の25.91、合計でSD7位。自分たちの国のダンスなので、たいへん気迫のこもった滑りだったが得点は伸びず。少し不満そうだった。
 3番滑走でモンコ・ハリアビン組(露。22,20)。曲は「Suite Festiva de Exitos」他。ツイズルはレベル3。パソドブレとPStはいずれもレベル3。ステップもレベル3だが全ジャッジが加点。ミラーの動き。回転リフトはレベル4。あまりスパニッシュに見えないが、レベルは確実にとっている。技術点2番目の30.4、演技構成点5番目の29.22、合計59.62でSD2位。

 5番滑走でハベル・ドナヒュー組(米。23,23)。昨季全米4位、四大陸優勝。曲は「Fiesta Flamenca」他。女性が少し太めか。冒頭のステップはレベル3だが全ジャッジが加点。ツイズルはレベル4。パソドブレとPStはいずれもレベル2。回転リフトはレベル3で全ジャッジが加点。技術点3番目の29.07、演技構成点4番目の30.22、合計でSD3位。
 6番滑走でギレス・ポワリエ組(加。22,22)。曲は「El Gato Montes」他。女性のスカートは完全に闘牛士のマントで、表は黒、裏は紫、両端は輪っかで手首にかかっている。目の化粧も独特。パソドブレとPStは、レベル4と3でほぼ全ジャッジが加点といい滑り出し。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。ところがツイズルで男性の足が壁にぶつかる大失敗。レベル1でほぼ全ジャッジが-3。それでも回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。技術点5番目の26.62、演技構成点2番目の30.73、合計でSD4位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組(加。25,27)。曲は「La Virgen de la Macarena」。冒頭のツイズルはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。ステップはレベル3だがこれも全ジャッジが加点2〜3。パソドブレとPStは、レベル3と4でほぼ全ジャッジが加点。回転リフトはレベル3。この時期にしては完成度の高い内容。なんとしても優勝する意気込みが見えた。技術点最高の34.93、演技構成点も最高の34.68、合計68.61でSD1位。

 フリー。2番滑走でウルタード・ディアス組。曲は「Atonement」他。回転リフトはレベル3。サーキュラーステップはレベル2。直線のリフトとツイズルはレベル4。ミッドラインステップとスピンがレベル2と取りこぼしが多い。カーブのリフトはレベル4。全体に加点が少ない。キスアンドクライでは、まあできたという顔だったが、得点を見るとがっかり。技術点最低の37.55、演技構成点も最低の39.01、リフトの時間超過による減点1、合計でフリー8位、総合8位。
 5番滑走でギレス・ポワリエ組。曲は「欲望という名の市電」他。直線のリフと以外の全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3であとの要素はレベル4。特に中盤の回転リフトは加点2〜3。終盤のミッドラインステップとコリオスピンは加点1〜3。技術点2番目の48.2、演技構成点も2番目の47.05、合計95.25でフリー2位、総合2位。逆転で表彰台へ。

 6番滑走でハベル・ドナヒュー組。曲は「The Great Gatsby」より。冒頭のスピンはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。サーキュラーステップはレベル3だが全ジャッジが加点。リフト三つとツイズルはレベル4。うちリフト二つは全ジャッジが加点。対角線のステップはレベル2。なんと最後のコリオスピンで男性がしりもち。技術点3番目の45.13、演技構成点も3番目の45.81、リフトの時間超過と転倒の減点2、合計88.94でフリー3位、総合3位。
 7番滑走でモンコ・ハリアビン組。曲は「サラバンド」。冒頭のサーキュラーステップはレベル2。ミラーのツイズルは女性が少しふらついたりしてレベル3。ロングリフトは二つともレベル4。スピンはレベル2。直線のリフトはレベル4。コリオスピンの後に対角線のステップでレベル1。レベルのとりこぼしが多過ぎ。技術点7番目の38.46、演技構成点4番目の45.4、合計83.86でフリー6位と大幅に失速、総合4位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組。曲は「四季」。ひと組だけ別世界。直線のリフトと対角線のステップ以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のサーキュラーステップとツイズル、対角線のステップはレベル3。うちサーキュラーステップは加点2。カーブのリフトは加点2〜3。回転リフトもレベル2だが加点2〜3。技術点最高の49.31、演技構成点も最高の53.18、合計102.49でフリーも1位、総合優勝。

フィギュアスケート (2014.11/3,7,)

スケートカナダ (2014.10/31〜11/2 ケロウナ) GPシリーズ第2戦

 <男子シングル>11人参加。日本から小塚、無良が出場。なんと無良がSP2位から逆転優勝。5番滑走でリッポン(米。24)。今季フィンランディア杯2位。曲は「タキシード・ジャンクション」。冒頭のステップからのフリップは成功、ほぼ全ジャッジが加点。トリプルアクセルは傾いて転倒。痛かったのは、後半、得意のルッツからの連続3回転のミス。ルッツが1回転になり、第2入らず。要素を失う。キスアンドクライでは終始呆然としていた。技術点最低の27.73、演技構成点7番目の36.1、転倒の減点1、合計62.83でSP最下位。フリーではトリプルアクセルが二つとも1回転になり、後半跳んだが転倒、フリー7位、総合10位。アメリカ勢はキャリエール(25)が4年ぶりに出て、4回転も両足ながら決め80.33の自己ベスト更新でSP4位。アーロン(22)も4回転サルコウ2回転を決め76.5で5位。
 6番滑走で小塚(25)。昨季四大陸銀メダル。曲は初めてのタンゴ。振付は宮本賢二。冒頭の4回転は両足。トリプルアクセルは成功。スピン二つはレベル3、フライングスピンはレベル4。後半、ルッツからの連続3回転の第2ジャンプがダウングレード。ステップはレベル3だが、たんごらしさを表現、全ジャッジが加点。技術点7番目の38.24、演技構成点5番目の37.61、合計75.85でSP6位。本来の切れ味やスピンの速さに欠けた。少し足を傷めているらしい。
 7番滑走でメンショフ(露。31)。昨季欧州選手権銅メダル。曲は「Rotting Romance」。冒頭で高さのある4回転3回転成功、全ジャッジが加点。続けて4回転サルコウも決める。安心したのか、後半のアクセルがダブルアクセルになり、ステップアウト。しかし、ステップと最後のスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点最高の44.64、演技構成点6番目の37.06、合計81.7は自己ベスト更新でSP3位。ロシア男子はプルシェンコが現役続行を表明したし、ついに30代の時代到来か?

 9番滑走でブレジナ(チェコ。24)。ソチ五輪10位。曲は「Game of Thrones」。冒頭のトリプルアクセルはこにえて全ジャッジが加点。4回転サルコウは転倒。スピン三つとステップはレベル3だが、ステップはほぼ全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続3回転の予定が、フリップが2回転に。技術点8番目の36.51、演技構成点4番目の37.78、転倒の減点1、合計73.29でSP7位。フリーでは4回転が決まらず、転倒。3連続が2回転トウループの回数超過で無得点が痛かった。フリー8位、総合7位。
 10番滑走で無良(23)。昨季四大陸優勝。曲は8月に変更した「カルメン」。振付はトム・ディクソン。冒頭の4回転は、ぐらついたのでソロに。直前にステップがなかったので、減点評価。一つめの足替えスピンはレベル1。フライングスピンとステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。得意のトリプルアクセルは着氷も美しく、全ジャッジが加点。後半のルッツからの連続3回転も無難に決めた。技術点3番目の44.58、演技構成点2番目の38.36、合計82.57でSP2位。
 最終滑走でフェルナンデス(西。23)。ソチ五輪4位。曲は「ブラック・ベティ」。冒頭ですばらしい4回転サルコウを軽々と決め、全ジャッジが加点2〜3。続くルッツからの連続3回転も決め、全ジャッジが加点1〜3。ところが後半、アクセルがなぜか2回転に。スピン三つとステップはレベル3だが、ステップと最後のスピンは全ジャッジが加点。技術点4番目の43.18、演技構成点最高の43.18、合計86.36で余裕のSP1位。

 フリー。4番滑走でSP8位のアマディオ(仏。24)。ソチ五輪18位。曲は「血のダイヤ」「ライオンキング」。冒頭で4回転サルコウが両足。トリプルアクセルもなんとか決める。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセルになんとか1回転をつける。3連続なども成功したが、スピンはレベル3とレベル4、最後のスピンを回りかけたところで転倒、無得点。これが痛かった。技術点5番目の70.93、演技構成点7番目の73.64、合計143.57でフリー5位、総合6位。
 6番滑走で小塚。曲は「Io Ci Saro」。振付はローリー・ニコル。冒頭で4回転転倒。続くルッツは全ジャッジが加点。トリプルアクセルの予定が1回転に。なんとか2回転を付ける。スピンは三つともレベル3。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。しかし、後半、二つめのトリプルアクセルも1回転に。ルッツからの連続ジャンプはステップアウトに両手つき。フリップはアンダーローテーションに!マーク。終盤コリオシークエンスと足替えスピンは全ジャッジが加点。特にスピンは加点1〜3。技術点最低の51.62、演技構成点3番目の75.7、合計127.32でフリー最下位、総合8位。これで調子は上向いている、と言うのは信じがたい。次のロシア杯までに足が直るといいのだが。
 8番滑走でSP4位のキャリエール。今季ネペラ杯優勝。冒頭で4回転なんとか成功。トリプルアクセルからの連続3回転はきれいに決める。ルッツは全ジャッジが加点。一つめのスピンは姿勢がグラグラしてレベル2だが、あと二つのフライングスピンはレベル3。後半、二つめのトリプルアクセル転倒。しかし、ルッツからの連続ジャンプ、サルコウからの連続ジャンプは成功。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。フリップは!マーク。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の77.48、演技構成点4番目の74.86、転倒の減点1、合計151.34はSPに続き自己ベスト更新でフリー4位、総合4位。復活したと言えるのでは。

 9番滑走でメンショフ。曲は「Tango en Silencio」。冒頭で4回転成功。しかし二つめは3回転に。続くトリプルアクセル、ルッツは成功。スピン一つはレベル4、あと二つとステップはレベル3。後半、二つめのトリプルアクセルからの連続ジャンプも決める。ループからの連続ジャンプは第1ジャンプも2回転に。最後トウループに第2ジャンプが付かなかったので、「+REP(リピート)」記号が付き、70%評価の1.1倍となる。4回転がトウループしかない人は、ソロのトウループは初めから入れない方が無難。得点が伸びず、技術点6番目の69.67、演技構成点も6番目の73.66、合計143.33でフリー6位、総合5位。GPシリーズ初の表彰台は逃す。
 10番滑走で無良。曲は「オペラ座の怪人」。なんとほぼ完璧な出来。冒頭で4回転のソロと、4回転3回転をきれいに決める。トリプルアクセルも含めてほぼ全ジャッジが加点。レベル3のフライングスピンとステップも全ジャッジが加点。後半、ループ、トリプルアクセルからの連続ジャンプ、フリップ(!マーク)、サルコウからの3連続、ルッツと全てきれいに成功。二つめのトリプルアクセルとルッツ、それにコリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。技術点驚異的な91.74、演技構成点つなぎ以外8点台前半で2番目の81.5、合計173.24でフリー1位、逆転で総合優勝。得点を見た無良は、キスアンドクライで泣いていたようだ。
 最終滑走でフェルナンデス。曲は「セビリアの理髪師」。冒頭で4回転トウループを決めたが、不安定。SPで軽々と跳んだ4回転サルコウもステップアウト気味。トリプルアクセル成功。レベル4のシットスピンとステップをはさみ、後半、二つめの4回転サルコウは転倒扱いの上、第2が付かなかったので「+REP(リピート)」で70%。フリップから1回転をはさむ3連続はフリップが!マーク、1回転がアンダーローテーション。ループは2回転に。ルッツからの連続ジャンプは決める。ステップとレベル3の足替えスピン、コリオシークエンスは全ジャッジが加点。技術点4番目の75.73、演技構成点最高の83.78、合計158.51でフリー2位、総合2位。

 <女子シングル>12人参加。日本から本郷、宮原が出場。6番滑走で本郷(18)。昨季全日本ジュニア優勝。曲はバレエ「海賊」より。振付は宮本賢二。冒頭のトウループの連続3回転成功、全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4。後半、ステップからのフリップはなんとか決め、ダブルアクセルはきちんと決めた。ステップと最後の足替えスピンはレベル3。今できることは全て出せた感じで伸び伸びやっていた。技術点2番目の33.22、演技構成点9番目の25.88、合計59.1でSP5位。
 7番滑走でレオノワ(露。23)。昨季国内5位、欧州選手権4位。曲は「スマイル」、チャップリンの「ライムライト」からの曲ほか。昨年より体も絞れている。衣装は珍しいパンツスタイル。冒頭トウループの連続3回転を鮮やかに決め、全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル4。表情たっぷりのステップは、レベル3だが全ジャッジが加点。後半、ステップからのフリップ、ダブルアクセルと成功。最後のレイバックスピンはブレードをつかめずレベルB。それでも技術点3番目の32.06、演技構成点2番目の30.48、合計62.54でSP3位。
 9番滑走でビクトリア・ヘルゲソン(スウェ。26)。昨季国内優勝、欧州選手権14位、ソチ五輪27位。曲は「This Woman's Work」。冒頭の連続ジャンプが2回転ループだけとなり要素を失う。ステップからのトウループも両手つき。スピン二つはレベル4、スピン一つとステップがレベル3。後半のダブルアクセルは成功。技術点最低の18.43、演技構成点7番目の26.23、合計44.66でSP最下位。

 10番滑走でポゴリラヤ(露。16)。昨季国内では8位ながら、世界選手権で4位。曲は「アダージオ」。冒頭でルッツからの連続3回転を成功。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ステップからのループ、ダブルアクセルと跳ぶが、ダブルアクセルはステップアウト。技術点最高の35.54、演技構成点3番目の29.74、合計65.28でSP1位。
 11番滑走で宮原(16)。昨季は全日本シニア4位、四大陸2位。曲は「魔笛」。振付はローリ・ニコル。衣装は鮮やかな青に黄色の縁取り。冒頭のルッツからの連続3回転は回ったように見えたが、両ジャンプともアンダーローテーションの判定。後半、ステップからのフリップは不明確なエッジ!マーク。ダブルアクセルはきちんと成功。足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。フライングスピン、ステップ、レイバックスピンはレベル4。特に最後のレイバックスピン全ジャッジが加点2〜3。技術点4番目の31.87、演技構成点も4番目の28.35、合計60.22でSP4位。
 最終滑走でワグナー(米。23)。曲は「スパルタカス」。昨季全米4位ながらソチ五輪7位。冒頭のフリップからの連続3回転は、フリップが!マーク、第2がアンダーローテーション。足替えスピンはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルは全ジャッジが加点。ステップからのループはアンダーローテーション。スピン二つとステップはレベル47で全ジャッジが加点。技術点5番目の31.56、演技構成点最高の32.3、合計63.86でSP2位。

 フリー。5番滑走でSP8位のヒックス(米)。昨季全米6位、四大陸5位。曲は「アンナ・カレーニナ」。冒頭フリップからの連続ジャンプとサルコウを決め、全ジャッジが加点。レベル4のフライング足替えスピンも全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続ジャンプは何とか決めたが、ソロのルッツはミス。ダブルアクセルのシークエンスき成功。スピン二つとステップはレベル3。最後の足替えスピンは全ジャッジが加点。技術点3番目の61.81、演技構成点5番目の56.34、合計118.15は自己ベスト更新でフリー4位、総合4位。
 8番滑走で本郷。曲は「カルメン」。衣装は黒と赤。冒頭のフリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ルッツはeマーク。スピン二つとステップはレベル3。ステップは長い手足を存分に使って、ジャッジ9人中7人から加点。後半最初のサルコウで片手つき。ダブルアクセルから1回転をはさんで3回転サルコウの3連続は成功。フリップとコリオシークエンスは全ジャッジが加点。終盤に、ダブルアクセルからの連続ジャンプも決めて、技術点4番目の58.36、演技構成点6番目の54.01、合計112.37は自己ベスト更新でフリー5位、総合5位。今できることはほぼ出せた。
 9番滑走で宮原。曲は「ミス・サイゴン」。振付はトム・ディクソン。衣装は赤。ほぼ完璧にできた。冒頭のルッツからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。フリップは不明確なエッジ!マーク。ステップとレイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点。特にレイバックスピンは加点1〜3。後半、ルッツからの3連続はルッツがアンダーローテーション。ダブルアクセルから3回転トウループは成功。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。最後のダブルアクセルと足替えスビンはほぼ全ジャッジが加点。テレ朝解説の織田は、「すばらしい。」ばかりで説明がなかった。カナダの観客も立って拍手。技術点2番目の63.19、演技構成点3番目の58.34、合計121.53でフリー3位、総合3位。GPシリーズ初の表彰台。

 10番滑走でレオノワ。曲はタンゴ2つ。衣装は大人っぽい赤紫のワンピース型。ジャンプがどれも不完全。冒頭のフリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ルッツはeマークの上アンダーローテーション。フライングスピンはレベル1。足替えスピンとステップはレベル3。ダブルアクセルから1回転をはさんで3回転サルコウの3連続は、第2がアンダーローテーション、第3がダウングレード。フリップもオーバーターン、サルコウは両足で両手つき。ダブルアクセルからの連続ジャンプはちゃんと決めた。技術点8番目の44.64、演技構成点4番目の56.97、合計101.61でフリー6位、総合6位。
 11番滑走でワグナー。曲は「ムーラン・ルージュ」。衣装は赤。冒頭のダブルアクセルは全ジャッジが加点。続くダブルアクセルから3回転トウループは第2がアンダーローテーションでステップアウト。フライングスピンだけレベル4で全ジャッジが加点。あと二つのスピンとステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半、ループからの連続ジャンプ、フリップからの連続ジャンプを成功。ソロのループはアンダーローテーション、ソロのフリップは!マーク。こうして見ると、高得点の取れるルッツがない。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。最後の足替えスピンもほぼ全ジャッジが加点。技術点5番目の57.22、演技構成点最高の64.92、合計122.14でフリーも2位、総合2位。
 最終滑走でポゴリラヤ。曲は「火の鳥」。衣装はオレンジと赤と黄色。冒頭のルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。続けてループから1回転をはさんでサルコウの3連続。スピン二つはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。ステップと最後のレイバックスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、フリップがeマークだったが、ルッツからの連続ジャンプ、二つのダブルアクセル、などジャンプ全て成功。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。技術点最高の64.2、演技構成点2番目の62.33、合計126.53でフリーも1位、昨季の中国杯に続き、総合優勝。

フィギュアスケート (2014.10/25,26,28)

スケートアメリカ (2014.10/24〜26 シカゴ) GPシリーズ第1戦

 <男子シングル>10/14、休養宣言していた高橋大輔が引退表明。
 12人出場。日本からは町田。なんとSPでひとり飛び抜けた圧倒的な得点で首位。2番滑走でガチンスキー(露。21)。ここ2年伸び悩み、ついにミーシンコーチからタラソワコーチに変更。曲は「Cry Me a River」。冒頭で手ひどく4回転転倒。ルッツからの連続3回転は成功。スピン二つはレベル4。後半トリプルアクセルも決め、レベル3のステップは今までにない感じの柔らかさを出して、ほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の41.73、演技構成点5番目の35.98、転倒と、今季から新設の「スタートの遅れ(コールから30秒以内にスタート地点につく)」の減点2、合計75.71でSP6位。
 6番滑走でシニアデビューのピトキエフ(露。16)。昨季世界ジュニア金メダル。コーチはリプニツカヤと同じらしい。曲はラフマニノフのラプソディー。冒頭で4回転に挑戦したが転倒。スピン二つはレベル4。ステップはレベル2。後半トリプルアクセルとルッツからの連続3回転を軽そうに成功。後者はほぼ全ジャッジが加点。技術点2番目の43.38、演技構成点9番目の32.75、合計76.13でSP5位。第1グループでは、フィリピンから初出場のマルティネス(17)が見事なビールマンスピンを見せたのが印象的。
 第2グループ9番滑走でアボット(米。29)。ソチ五輪12位。引退はやめたらしい。曲は「Lay Me Down」。4回転はないプログラム。冒頭でフリップからの連続3回転成功、全ジャッジが加点。ステップからのルッツも決めた。スピン一つでレベル4。後半、トリプルアクセルはよろけたが、回転は足りていた。足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。ステップは本領発揮で深いエッジを披露、テレ朝解説の織田は「言葉にできません」。地元でのスケート・アメリカでは結果を出せないでいたが、実にリラックスして楽しそうに滑っていた。技術点4番目の40.3、演技構成点2番目の41.52、合計81.82でSP2位。

 10番滑走でジェイソン・ブラウン(米。19)。ソチ五輪9位。練習の時から黄色い応援の声。曲は「Juke」。冒頭のトリプルアクセルで転倒。フリップからの連続3回転は決め、ほぼ全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。とにかく速い。得意のステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。後半、ステップからのルッツも成功、全ジャッジが加点。最初から最後まで実に楽しそうに滑っていた。技術点5番目の39.94、演技構成点3番目の40.81、転倒の減点1、合計79.75でSP3位。
 11番滑走でデニス・テン(カザフ。21)。ソチ五輪銅メダル。曲は「Caruso」。冒頭で4回転を転倒。トリプルアクセルも両手つき。直後のスピンはレベル2。後半、ルッツからの連続3回転は成功。しかしあと二つのスピンも遅く、レベル2。最後のステップはレベル3だが、よく体が動いており、全ジャッジが加点。技術点9番目の37.9、演技構成点4番目の40.28、転倒の減点1、合計77.18でSP4位。
 最終滑走で町田(24)。ソチ五輪5位。曲は「バイオリンと管弦楽のための幻想曲」。冒頭でなんとか、少しつまり気味ながら4回転3回転決め、ほぼ全ジャッジが加点。続くトリプルアクセルは美しく、全ジャッジが加点1〜3。スピン二つとステップはレベル3だが、ステップは全ジャッジが加点2〜3。後半、ステップからのルッツも成功、全ジャッジが加点。技術点ダントツの49.65、演技構成点最高の43.74、合計93.39でSP1位。

 フリー。6番滑走でSP自己ベスト更新して6位のエングウェン(加。16)。曲は「道」。羽生と同じオーサーコーチ。冒頭で4回転サルコウを軽々と成功。続けてトリプルアクセルからの連続3回転、ソロのトリプルアクセルも決める。加点も付き、ここまでで33点以上ある。スピン三つとステップもレベル4。後半、フリップからの3連続、ルッツなども成功、GPシリーズデビュー戦で堂々の演技。技術点2番目の86.89、演技構成点6番目の71.64、合計158.53でフリー2位、総合3位は立派。
 第2グループ7番滑走でガチンスキー。曲はラフマニノフのラプソディー。冒頭で4回転が2回転に。次の4回転2回転はなんとか決める。しかし、トリプルアクセルの予定が二つとも2回転、1回転になり失敗。フリップも2回転の上、eマーク。スピンも二つはレベル4だが一つレベル2。全体にジャンプが不調で立て直せず。技術点最低の51.86、演技構成点5番目の72.56、合計124.42でフリー10位、総合9位。
 9番滑走でデニス・テン。ヨーヨーマの東洋的な曲。衣装は儀式的な装飾付き。冒頭で4回転転倒。二つめもねらったが、2回転に。トリプルアクセルからの連続3回転、後半にソロのトリプルアクセル、フリップからの3連続も成功。コリオシークエンスとレベル3のステップはエッジも深く見応えがあり、全ジャッジが加点。最後二つのスピンはレベル2。まだまだの出来。技術点68.72、演技構成点3番目の79.84、転倒の減点1、合計224.74でフリー4位、総合4位。

 10番滑走でジェイソン・ブラウン。曲は「トリスタンとイゾルデ」。冒頭で、SP失敗したトリプルアクセルを鮮やかに決める。続くダブルアクセルもともに全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4だが、、一つめの足替えスピンは高速で全ジャッジが加点2〜3。後半、二つめののトリプルアクセル転倒、第2ジャンプ付かず。フリップからの連続3回転は片手つき。得意のステップはレベル4、コリオシークエンスとともに全ジャッジが加点。技術点3番目の74.06、演技構成点2番目の81.36、転倒の減点1、合計154.42でフリー3位、総合2位。
 11番滑走でアボット。曲は「弦楽器のためのアダージオ」。冒頭の4回転が2回転に。次の連続ジャンプはフリップが2回転になり第2を3回転に。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。トリプルアクセルも成功。しかし、後半、3連続が1回転1回転3回転に。二つめのアクセルも1回転。レベル4のステップとコリオシークエンスはさすがに全ジャッジが加点。フリーは悪いときのアボットだった。技術点58.29、演技構成点4番目の79.22、合計137.51でフリー6位、総合5位。
 最終滑走で町田。曲はベートーベンの「第九」合唱付き。今季からシングルでもボーカル入り曲が許可されたのを生かす。前日、不安を口にするほどつめこんだ内容。冒頭4回転を少しこらえて成功。次の4回転2回転はふらついたが決める。次のトリプルアクセルからの連続3回転は余裕があり、全ジャッジが加点。スピンが二つレベル3だが、後半、片手を付いたフリップ以外の全ての要素に全ジャッジが加点。特にレベル4のステップは加点2〜3。最後のジャンプに難しいルッツ。へとへとの状態で、まだ伸び代がある構成。「現時点での120%は出せた。」と言っていた。技術点最高の87.28、演技構成点も最高の88.42、合計175.7でフリーも1位、総合優勝。

 <女子シングル>11人出場。日本からは今井。1番滑走でゲデバニシビリ(グルジア。24)。最年長。ソチ五輪19位。今年は体が絞れている。曲は「Meditation」。冒頭でルッツからの連続ジャンプ成功。ステップからのトウループは少しこらえた。ダブルアクセルも決める。足替えスピんはレベル3で全ジャッジが加点。ステップもレベル2だが全ジャッジが加点。しかしレイバックスピンがほどけてしまい、レベル1。フライングスピンはレベル4。技術点27.67、演技構成点4番目の27.72、合計55.39でSP6位。
 5番滑走で長洲(米。21)。ソチ五輪出られず。曲はラフマニノフのラプソディー。コーチはザクライセクに変更。振り付けにリッポンも加わっている。冒頭のフリップがアンダーローテーションで両ひざ付きの転倒。立て直しに少しかかる。今季からアンダーローテーションは基礎点が下がる。スピンは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、連続ジャンプが3回転1回転で要素を失う。ダブルアクセルは成功。ステップはレベル3。技術点最低の23.95、演技構成点7番目の26.34、合計49.29でSP10位。
 8番滑走で今井(21)。曲は「マラゲーニャ」。衣装は黒を基調に袖口や下スカートに赤。髪に紅バラ。冒頭のダブルアクセルはきれいに成功。不安があったサルコウからの連続3回転も決め、全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4。ところが、得意なはずのステップからのループがダウングレードで転倒。足替えスピンはレベル2。最後のステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。技術点5番目の27.14、演技構成点27.65、合計53.79でSP8位。

 9番滑走でラジオノワ(露。15)。ソチ五輪は年齢制限で出られず。冒頭のルッツからの連続3回転なんとか成功。スピンは二つがレベル4。特に最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点2〜3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点2番目の35.74、演技構成点3番目の29.83、合計65.57は自己ベスト更新でSP2位。
 10番滑走でトゥクタミシェワ(露。17)。ソチ五輪出られず。曲は「ボレロ」。今季は既に小さい大会を3連覇して来ている。冒頭でトウループの連続3回転成功、全ジャッジが加点。ステップからのルッツも決める。スピン二つがレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ステップと最後の足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。後半のダブルアクセルも美しく、全ジャッジが加点。つなぎも含めて高速で滑り、完成度は高い。技術点最高の36.55、演技構成点も最高の30.86、合計67.41は自己ベスト更新でSP1位。出来映えに比して演技構成点が低い感じ。
 最終滑走でゴールド(米。19)。ソチ五輪4位。ちょっと太ったか。曲はグリーグの「アダージオ」。冒頭でルッツからの連続3回転を跳んだが両手つき。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点、特にレイバックスピンはほぼ加点2〜3。後半、ステップからのループとダブルアクセルも決める。ステップはレベル3だが、ほぼ全ジャッジが加点2。しかし、最後のスピンはノーカウント。技術点5番目の30.52、演技構成点2番目の30.29、合計60.81でSP3位。得点の高さはホームアドバンテージなのか。

 フリー。2番滑走で長洲。曲は「マダム・バタフライ」。冒頭のフリップからの連続3回転、ダブルアクセルから3回転トウ、いずれも第2ジャンプがアンダーローテーション。ルッツはアンダーローテーションの上、「やや不明なエッジ」という今季から新設の「!」マーク。今季からeマークは基礎点が下がるが、!マークは下がらない。スピンは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、サルコウからの3連続の第3ジャンプとソロのフリップもアンダーローテーション。予定のジャンプは全て跳んだもののやや慎重な感じで、技術点6番目の56.19、演技構成点52.73、合計108.92でフリー6位、総合6位。少しは挽回した。
 4番滑走で今井。曲は「ジゼル」。冒頭のダブルアクセルから3回転トウは第2がアンダーローテーション。サルコウからの連続ジャンプは全ジャッジが加点。後半、ループからの連続3回転の予定は、第1ジャンプがアンダーローテーション、第2が2回転に。レイバックスピンとステップがレベル2。最後の足替えスピンだけがレベル4。技術点51.53、演技構成点8番目の52.65、合計104.18でフリー7位、総合8位。どこか故障していたらしく、試合後のインタビューで「三週間しか練習できなかった。今の状態ではよくできた。」と言っていた。
 6番滑走でゲデバニシビリ。曲は映画「バーレスク」より。冒頭のルッツからの連続ジャンプは成功したが、サルコウはダウングレードで両足。フライングスピンだけレベル4で全ジャッジが加点。ステップと最後の足替えスピンはレベル2。後半、ダブルアクセルからの3連続は第2と第3が1回転に。レイバックスピンはなんとレベル1。全体にバタバタした感じ。技術点最低の48.42、演技構成点6番目の54.29、合計102.71でフリー9位、総合7位。

 9番滑走でゴールド。曲は「ファンタジア」ほか。冒頭でルッツからの連続3回転をきれいに決め、全ジャッジが加点。しかしダブルアクセルから3回転トウの予定が2回転に。ループと二つのスピンは全ジャッジが加点。後半、フリップがeマーク。その上、サルコウからの3連続が、第1ジャンプが2回転になった上、第2、第3で2回転トウループを跳んだため、2回転トウの跳びすぎ違反(今季から全ての2回転ジャンプも二つまで)となり、3連続全体が無得点に。スピン二つとステップはレベル4で、コリオシークエンスとも全ジャッジが加点。技術点7番目の55.13、演技構成点最高の63.44、合計118.57でフリー3位、総合3位。
 10番滑走でラジオノワ。曲はラフマニノフの「ピアノ協奏曲」ほか。冒頭でルッツからの連続3回転をつまりながらも決める。フリップは !マーク。ステップとスピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のレイバックスピンは加点1〜3。後半最初に3回転ループから1回転をはさむ3連続成功。テレ朝解説の荒川が「ここでこの3連続が決まったのは大きい。」と言う。ダブルアクセル二つとループからの連続ジャンプも決める。コリオシークエンスもほぼ全ジャッジが加点。技術点最高の67.57、演技構成点2番目の62.33、合計129.9は自己ベスト更新でフリー1位、逆転で総合優勝。ジャンプの回転不足や踏切違反がほぼないのが強み。
 最終滑走でトゥクタミシェワ。曲はアラビア音楽「バトワニス・ビーク」ほか。冒頭のルッツからの3連続は、第3ジャンプが1回転に。ルッツ、フリップはエッジも回転もクリーンに成功。スピン二つはレベル4。トウループの連続3回転の予定が第2が2回転に。サルコウからダブルアクセルのシークエンスは第1ジャンプが2回転に。ステップと最後のスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。解説の荒川が「いつもの元気がない。」と言う。前日SPの後の会見も体調不良で早めに引き上げたらしい。技術点3番目の60.2、演技構成点も3番目の62.01、合計122.21でフリー2位、総合2位。

ページトップへ

フィギュアスケート (2014.3/26,27,29,30,8/29,9/6,8,20,21,29,10/4,5,12,13)

世界選手権 ペア、アイスダンス (2014.3/26〜29 埼玉)

 <ペア>23組出場。サブチェンコ・ゾルコビー組が優勝。高橋・木原組は、自己ベストとタイ記録を出したが17位で、上位16位が進むフリーに進めなかった。
   第3グループ最初の8番滑走で高橋・木原組(22,21)。曲は「サムソンとデリラ」。冒頭のソロジャンプのサルコウで高橋がステップアウト。回転は足りていて、立てそうだったが。ツイストは2回転でレベル2。リフトはレベル3。スローサルコウは成功。デススパイラルは、大会直前に不調だったらしいが、レベル1が取れた。ステップはレベル4。ペアスピンはレベル3。技術点28.51、演技構成点21.03、合計49.54は、NHK杯での今季ベストとタイでSP17位。
 13番滑走でペン・ジャン組(中。16,29)。ソチ五輪8位。女性が急速に自信をつけている。曲は中国風の「Crouching Tiger, Hidden Dragon」。ソロジャンプ以外の全要素に全ジャッジが加点。デススパイラルは4周も回り、レベル4。ペアスピンとリフトもレベル4。ツイストとステップはレベル3。ツイストとスローループは加点1〜3。基礎点32.7に全体で8.18の加点。技術点5番目の40.88、演技構成点6番目の30.8、合計でSP5位。
 15番滑走でスイ・ハン組(中。18,20)。国内選手権2位でソチ五輪は出られず。曲は「道」。振り付けはズエワ。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のスローフリップはきれいに成功、ほぼ加点2〜3。ソロジャンプもぴったり。ツイストとリフト、ペアスピンはレベル4。デススパイラルとステップはレベル3だが、ステップは加点1〜3。基礎点33.8に全体で7.46の加点。技術点4番目の41.26、演技構成点も4番目の30.98、合計でSP4位。解説の岡部さんによれば、コーチがビン・ヤオとツァオのコンビに変わってから、細かいところまで洗練されてきた、とのこと。

 17番滑走でムアタワーズ・モスコビッチ組(加)。ソチ五輪5位。曲は「Motley Crew 」。冒頭のツイストはレベル2。デススパイラルはレベル3。スローループは全ジャッジが加点。リフト、ステップ、ペアスピンはレベル4に全ジャッジが加点。五輪の時よりシャープさがない。技術点38.44、演技構成点5番目30.87、合計でSP6位。予想外の得点の低さに笑顔ナシ。
 18番滑走でバザロワ・ラリオノフ組(露。21,27)。ソチ五輪6位。曲は映画「モダンタイムス」より。冒頭のソロジャンプは相変わらずタイミングがバラバラで、女性はアンダーローテーション。しかしツイストはレベル3で全ジャッジが加点。スローフリップも成功。リフトは全ジャッジが加点2〜3。ステップとペアスビンはレベル4で全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル2だが全ジャッジが加点1〜3。技術点37.89、演技構成点7番目の30.52、時間超過の減点1、合計67.41でSP7位。そんな時間超過に見えず、キスアンドクライでも減点が何なのか不思議がっていた。
 19番滑走でソチ銀メダルのストルボワ・クリモフ組(露)。世界王者トランコフに助言されてコーチを変えてから、表現が洗練された、らしい。曲は「Surrender」。冒頭のツイスト以外の全要素に全ジャッジが加点。スローフリップは加点2〜3。リフト、ペアスピン、ステップとレベル4.デススパイラルはレベル3。リフトとステップも加点2〜3。全体に五輪の時ほど動きがよくない。基礎点33.1に全体で8.6の加点。売りの、要素の正確さはできている。技術点3番目の41.7、演技構成点2番目の34.45、合計76.15は自己ベスト更新でSP3位だが、不満そうだった。

 最終グループ21番滑走でサブチェンコ・ゾルコビー組(独。30,34)。ソチ五輪銅メダル。曲は「ピンク・パンサー」。ツイスト以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のスローフリップは加点1〜3。ツイストはレベル3。ソロジャンプは加点2。デススパイラル、ペアスピン、リフト、ステップとレベル4。デススパイラルは加点1〜3、ステップは加点2〜3。基礎点34.3に全体で8.6の加点。完璧ではない。ベテランで、五輪の後、ここまでレベルの高い演技ができるのはすごい。全体がひとつの作品になっている。基礎点34.3に全体で8.6の加点。技術点2番目の42.9、演技構成点最高の36.12、合計79.02でSP1位。
 22番滑走でカステリ・シュネイピア組(米。23,26)。ソチ五輪9位。曲はサンタナ「ブラック・マジック」他。二人とも黒い衣装。ツイストはレベル3。ソロジャンプは男性が2回転に。デススパイラルはなぜかノーカウント(一周する前に男性の腰がヒザより高くなってしまったらしい。)。ペアスピン、ステップ、リフトはレベル4。スローサルコウと最後のリフトは全ジャッジが加点。やっぱり団体戦と個人戦に出たソチ五輪の疲れか。技術点31.17、演技構成点29.43、合計60.6でまさかのSP11位。来季の出場枠2獲得をモチベーションとする。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。28,29)。ソチ五輪7位。曲はラドフォードが亡きコーチに捧げて作った「トリビュート」。ソロジャンプ以外の全要素に全ジャッジが加点。ツイストはレベル3。ソロジャンプはルッツを決める。リフト、ペアスピン、ステップ、デススパイラルはレベル4。リフトは加点1〜3。スロールッツもさちんと成功。終わったとき、女性はこぶしで手のひらをたたいた。他の組に五輪の疲れが見える中、高いレベルで演技した。技術点最高の43.66、演技構成点3番目の33.35、合計77.01は自己ベスト更新でSP2位。試合後の公式会見で「ソチ五輪の後、練習に戻るのは、たいへんだった。」と語った。

 フリーには16組が進む。7番滑走でSP10位のベルトン・ホタレック組(伊)。曲は「ドラキュラ」。冒頭で3回転トウループからの3連続成功。ツイストはレベル2、フライングスピンは二人がずれてレベル1。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点。リフト二つと最後のペアスピンはレベル4。今季初めてノーミスの演技だっらしい。技術点62.57、演技構成点58.98、合計121.55でフリー7位、総合9位。世界選手権5回目で最高順位。
 8番滑走でカステリ・シュネイピア組。曲はジェームズ・ボンドの「スカイフォール」。ツイストは空中でキャッチできずレベル1。ソロジャンプは男性が2回転。スロー4回転サルコウは回っていたが、あと少しで立てなかった。フライングスピン、リフト一つ、デススパイラルはレベル3。二つめのスロージャンプ、ペアスピン、最後のリフト二つはレベル4で全ジャッジが加点。技術点53.53、演技構成点57.77、転倒の減点1、合計110.3でフリー11位、総合11位。残念ながら目標の10位以内ならず。
 10番滑走でバザロワ・ラリオノフ組。曲はボロディンの「イゴール公」より。冒頭のソロジャンプで女性が転倒したがまるで織り込み済みのよう。ダブルアクセルのシークエンスはなんとか立った。二つのスロージャンプは成功。スピンは二つともレベル4。ところが得意なリフトで下ろすとき男性がよろめき、女性の頭が氷面スレスレに。コリオシークエンス、二つめのリフト、最後のペアスピンは全ジャッジが加点。終わった後、二人ともニコリともしなかった。技術点8番目の61.16、演技構成点6番目の61.87、転倒の減点1、合計122.03でフリー6位、総合7位。シーズン後にカップル解消のニュース。2014-2015シーズンは、バザロワ・デプタト組として組み替え。

 11番滑走でムアタワーズ・モスコビッチ組。曲はフェリーニ・メドレー。トウループの連続3回転はぴったりで全ジャッジが加点。続くサルコウも成功。デススパイラルはレベル3だが、二つのスピン、三つのリフトはレベル4。リフトは全て全ジャッジが加点。一つめのスローループも全ジャッジ加点2〜3。終わったとき、笑顔でガッツポーズ。ほぼノーミスで技術点2番目の69.43、演技構成点4番目の66.78、合計136.21でフリー3位、総合4位。シーズン後にカップル解消のニュース。2014-2015シーズンは、ムアタワーズ・マリナロ組として組み替え。
 12番滑走でペン・ジャン組。曲は「黄河」。冒頭で4回転ツイスト成功。ほぼ全ジャッジが加点。3連続ジャンプは女性が第1ジャンプで転倒。スピンはレベル3と4。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点。後半に固めたリフト三つとデススパイラルはレベル4で全ジャッジが加点。解説の岡部さんが「女性の表現が格段によくなった。」と言う。技術点5番目の62.62、演技構成点7番目の61.53、転倒の減点1、合計123.15でフリー5位、総合4位。
 最終グループ13番滑走でサブチェンコ・ゾルコビー組。これが最後の演技。曲は「くるみわり人形」。冒頭のスローフリップは高く全ジャッジが加点2〜3。トウループの連続3回転も全ジャッジが加点。デススパイラル、スピン二つ、リフト三つはレベル4。ツイストだけレベル1。ソロジャンプはシングルアクセル。きっとどちらかのアクセルが不調だったのだろう。最後に全ジャッジが加点2〜3のスローサルコウジャンプでしめくくった。技術点最高の71.79、演技構成点も最高の74.07、合計145.86でフリーも1位、総合優勝。解説の岡部さんは途中から涙ぐんで声がなくなった。今季でペア解消。ゾルコビーは引退、サブチェンコは組み替え予定。

 14番滑走でストルボワ・クリモフ組。曲は「アダムス・ファミリー」。スローフリップは、フリーレッグがタッチ。3連続ジャンプは成功、全ジャッジが加点1〜3。リフト三つ、スピン二つはレベル4。リフトは全て全ジャッジが加点。デススパイラルはなぜかレベル2。最後のスローサルコウは全ジャッジが加点2〜3。技術点3番目の69.13、演技構成点2番目の70.64、合計139.77でフリー2位、逆転で総合2位。
 15番滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「アリス・イン・ザ・ワンダーランド」。ソロジャンプのルッツは成功したがサルコウからの連続ジャンプで女性が転倒。リフト、デススパイラル、スピンは全てレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点4番目の67.17、演技構成点3番目の67.66、転倒の減点1、合計133.83は自己ベスト更新でフリー4位、総合3位。ソチでメダルを取れなかったので、嬉しそうだった。
 最終滑走でスイ・ハン組。曲はロシア民謡「カリンカ」。冒頭で4回転ツイスト成功。3連続ジャンプは女性が第1ジャンプでステップアウト。続くソロジャンプのサルコウでも2回転で転倒。さらにスローフリップも両足気味。デススパイラルはレベル1。後半はやや立ち直り、スピンはレベル3と4。リフトは三つともレベル4で全ジャッジが加点。二つめのスローサルコウはすばらしく、全ジャッジが加点2〜3。技術点10番目の58.84、演技構成点5番目の62.02、転倒の減点1、合計119.86でフリー9位、総合6位。

 <アイスダンス>33組出場予定だったが、直前に昨年銅メダルのボブロワ・ソロビエフ組(露)が怪我で欠場。優勝はカッペリーニ・ラノッテ組(伊)。リード姉弟は18位。
 4番滑走でアリソン・リード・ロゴフ組(イスラエル。19,22)。女性はリード姉弟の末の妹。組み替えて2季目。まだ二人のタイミングが微妙にずれている感じ。ステップはレベル2。ツイズルはレベル3。フィンステップは両セクションともレベル2。回転リフトはレベル4。技術点、演技構成点、合計でSD30位。フリーに進めず。
 8番滑走でウルタド・ディアス組(西。21,23)。ソチ五輪13位。女性は2-3年前よりスリムになり上手くなった。フィンステップはレベル2と3。ツイズルは速くレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが、直線のリフトもレベル4で全ジャッジが加点。技術点28.42、演技構成点26.64、合計でSD16位。第4グループ15番滑走終了時点まで1位だった。

 16番滑走でポール・イスラム組(加。22,24)。曲は「アイ・ガット・リズム」。最後まで速いままで滑りきった。ツイズルは速くてピッタリ合っており、レベル4にほぼ全ジャッジが加点2。しかし、ステップとフィンステップのセクション2でレベル2。Jスポーツ解説の東野さんによれば「男性のフィンステップでのタイミングがずれた。」とのこと。こちらは見ていてもさっぱりわからない。フィンステップのセクション1はレベル3、回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。終わったときは笑顔だったが、得点が伸びず。技術点29.57、演技構成点28.11、合計57.68で、この時点で1位、SD11位。
 第5グループ19番滑走でシニツィナ・ジガンシン組(露。18,21)。曲は「Let the Good Time Roll」「Swing Baby」。ツイズルと回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。最後にフィンステップをもってくる珍しい構成。レベル4と3。技術点番目の32.93、演技構成点も番目の29.18、合計62.11で、この時点で1位、SD8位。
 21番滑走でリード姉弟。世界選手権は7回目。曲は「踊るリッツの夜」「ハーレム・ノクターン」。リンクに立っただけで満場の拍手。衣装は、ネーベルホルン杯で着て五輪出場権を獲ったときのもの。ツイズルはレベル4で全ジャッジが加点。東野さんは「ほっとした」と言う。フィンステップは、両セクションともレベル2。ステップはレベル3。回転リフトはレベル4にほぼ全ジャッジが加点。会心の出来。終わったとき、クリスがガッツポーズ。技術点28.5、演技構成点26.68、合計55.18は今季最高でSD14位。
 第6グループ26番滑走でシプタニ兄妹(米。19,22)。ソチ五輪9位。冒頭のツイズルは速く、レベル4で全ジャッジが加点2〜3。フィンステップはレベル2と3。解説の東野さんは「スピードがあるので却って難しい。」と言う。ステップはレベル3だがぴったり合っていて全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。技術点6番目の32.0、演技構成点も6番目の31.55、合計63.55でこの時点では1位、SD6位。

 27番滑走でイリニク・カツァラポフ組(露。19,22)。ソチ五輪銅メダル。五輪金銀が欠場なので優勝候補。曲は「Bei Mir Bist Du Schoen」ほか。冒頭のフィンステップは両セクションともレベル4に全ジャッジが加点と滑り出しはよかったが、後半疲れたのか、ツイズルで男性が女性の方に寄りすぎてしまい、第2ツイズルに入れず、無得点。これは痛かった。ステップはレベル3、回転リフトはレベル4でいずれも全ジャッジが加点1〜3。終わったとき男性が謝るでもなく、女性も慰めるでもなく。技術点12番目の29.22、演技構成点最高の36.45、合計65.67でこの時点では1位、SD5位。試合後のインタビューでは女性だけが話し、「ミスはつきもの」と言った。
 28番滑走でペシャラ・ブルザ組(仏。30,33)。ソチ五輪4位。世界選手権は11年連続。女性は真っ赤な衣装。曲はミュージカル『シカゴ』より。ツイズルとステップはレベル3。フィンステップはレベル4と2。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。技術点7番目の31.85、演技構成点2番目の36.35、合計68.2でこの時点では1位、SD3位。公式記者会見で「細かいミスが二つあったが、最後にメダルをとりたい」と言っていた。ミスは男性らしく、女性だけが話した。
 最終グループ29番滑走でチョック・ベイツ組(米。21,25)。ソチ五輪8位だが、デイヴィス・ホワイト組が欠場のためアメリカ一番手として出場。女性の金色のスカートは少し腰蓑みたい。曲は「ハリウッド」「ショウほど素敵な商売はない」。フィンステップは両セクションともレベル4。ツイズルと最後の回転リフトもレベル4で全ジャッジが加点。ステップだけレベル3だが、音楽によく合っていてほぼ全ジャッジが加点。技術点最高の34.79、演技構成点5番目の32.92、合計67.71は自己ベスト更新でSD4位。

 30番滑走でギレス・ポワリエ組(加。22,22)。四大陸銀メダル。ソチは出られず。曲は「Just One Dance」「You Don't Leave Me」。ステップは細かく踏み、レベル3だがほぼ全ジャッジが加点。直線のリフトは、男性がイーグルで女性の靴底を支える独創的なもので、レベル4で全ジャッジが加点1〜3。ツイズルはレベル3。フィンステップは両セクションともレベル3。技術点9番目の29.71、演技構成点も9番目の29.71、合計でSD10位。大きなミスはないが、出来映えの割にレベルがとれず得点が伸びなかった。
 31番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組(伊。27,28)。ソチ五輪6位。欧州選手権を初制覇。世界選手権は8年連続出場。二人とも白と紺の衣装。曲は「42番街」。冒頭のツイズルはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。東野さんは、「この二人がツイズルでミスするのを見たことがない。」と言う。フィンステップはレベル4とレベル2。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。終わったとき男性はガッツポーズ。技術点2番目の33.77、演技構成点3番目の35.93、合計69.7は自己ベストに0.18及ばないがSD1位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組(加。24,27)。ソチ五輪7位。ヴァーチュー・モイヤー組が欠場のため、カナダ一番手として出場。女性はマリンブルーの衣装。曲は映画「42番街」より。全要素に全ジャッジが加点。ツイズルはレベル4で加点1〜3。フィンステップは両セクションともレベル3。ステップもレベル3。カーブのリフトは男性が中腰でイーグルしながら女性が大胆に姿勢変化。レベル4で加点1〜3。技術点3番目の33.5、演技構成点4番目の35.7、合計69.2でSD2位。

 フリーには20組が進む。1番滑走でウルタド・ディアス組。曲はピカソの伝記映画「サバイビング・ピカソ」より。女性の衣装の背中には、ピカソの絵の女性の顔がプリント。直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。サーキュラーステップとツイズルはレベル3。連続リフトは二つともレベル4にほぼ全ジャッジが加点。スピンとカーブのレフトもレベル4。コリオリフトも全ジャッジが加点。技術点43.22、演技構成点39.19、合計82.41は、ソチ五輪の自己ベスト88.39に及ばないが、フリー17位、総合16位。東野さんは、「年々上手になっている。」と言う。
 2番滑走でSD18位のオルドリッジ・イートン組(米)。デイヴィス・ホワイト組の欠場で出るはずだったハベル・ドナヒュー組が怪我で辞退したため、第2補欠で繰り上げ初出場。女性のお化粧、衣装ともインド風でよく似合う。男性も昔、ホワイト選手がODが民族音楽のとき着たのと似た長い上着だが、あごひげもあり、ホワイト選手より似合う。曲はインドの音楽。直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。ツイズルは第3までぴったり合っていて、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。ステップ二つはレ3だが、リフト四つとスピンはレベル4。技術点45.26、演技構成点38.77、合計84.03でフリー16位、総合17位。
 第2グループ8番滑走でズロビナ・シトニコフ組(アゼルバイジャン。24,27)。SDは「ピンクパンサー」で12位。フリーの曲は映画『ピナ』より。リフト四つとツイズル、スピンはレベル4。二つのステップはレベル3だが、一滑りが長い。最初の直線のリフト、スピン、中盤のカーブのリフトで全ジャッジが加点。最後のコリオリフトで女性が風車のように二回転するのが印象的。これも全ジャッジが加点。技術点46.0、演技構成点42.23、合計88.23でこの時点で1位、フリー11位、総合12位。

 9番滑走でリード姉弟。曲は映画「ショーグン2」より。衣装はネーベルホルン杯のときのもの。キャシーのは濃いめのピンクが基調、クリスは黒っぽい。ツイズル以外はほぼノーミスだった。SDではうまくいったが、キャシーが第2ツイズル3回転半でバランスを少し崩し、第3ツイズルで「チェックスリー」にかかったとのこと。ステップ二つはレベル2だが、リフト四つとスピンはレベル4。うちカーブのリフト(キャシーが片足でぶら下がる姿勢あり)と続く回転リフトは全ジャッジが加点。技術点39.86、演技構成点41.09、合計80.95で、この時点で7位、フリー18位、総合18位。
 10番滑走でポール・イスラム組。曲は二つの映画より。ほぼノーミスで滑りきった。解説の東野さんが「女性が妖精のように軽い」と言う。冒頭の対角線のステップはレベル3だがエッジが深い。ツイズル、リフト四つ、スピンはレベル4で、スピン以外は全ジャッジが加点。特にカーブのリフトは加点1〜3。サーキュラーステップはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のコリオリフトも全ジャッジが加点1〜3。基礎点140.2に全体で7.23の加点。技術点47.43、演技構成点43.65、合計91.08は自己ベスト更新、この時点で1位、フリー10位、総合10位。
 第3グループ11番滑走でシプタニ兄妹。曲はマイケル・ジャクソン・メドレー。衣装は二人とも黒。「今までにない選曲で、新しい一面が見られた。」と東野さん。二つのステップだけレベル3でリフト四つ、ツイズル、スピンはレベル4。リフトは全て全ジャッジが加点。特にツイズルは全ジャッジが加点1〜3。東野さんは「彼らのツイズルはトリプルアクセルとも言われる。」と言う。しかし、ステップやリフトで微妙にずれているところがあるような感じ。もっとスピード感がある中でピッタリの演技も見たように思う。技術点6番目の48.08、演技構成点も6番目の46.94、合計95.02でフリー6位、総合6位。

 14番滑走でギレス・ポワリエ組。曲はヒッチコック・メドレー。すごく独特な選曲に振付。滑り出すとすぐスピードに乗り、ドイツやイギリスの組とは速さが違った。冒頭のステーショナル・リフトはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。直線のリフトは男性の片足の時間が長かった。二つのステップだけレベル3だが、ぴったり合っていて、全ジャッジが加点。リフト全てとスピン、ツイズルはレベル4。スピンは全ジャッジが加点1〜3。ツイズルは珍しく男性が第2ツイズルで少しよろめき立て直した。コリオリフトはジャッジの方へ滑り寄ってしめくくり。技術点7番目の48.0、演技構成点9番目の46.44、合計94.44でフリー7位、総合8位。
 15番滑走でシニツィナ・ジガンシン組。曲はオペラ『ノルマ』より。紀元前50年頃が舞台の作品らしい。衣装は、男性は古代ギリシャ兵士風? 冒頭のツイズルは安定して合っており、レベル4に全ジャッジが加点2。ステップ二つはレベル3と2。リフトは四つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点9番目の46.5、演技構成点7番目の46.74、合計93.24は自己ベスト更新でフリー8位、総合7位。東野さんは「これからの成長が楽しみ」と言っていたが、2014/15シーズンはイリニク・カツァラポフ組とパートナー交換でどうなるか。
 最終グループ16番滑走でペシャラ・ブルザ組。曲は「星の王子さまと彼のバラ」「禁じられた遊び」。これが現役最後の演技。ノーミスで滑りきった。全要素に全ジャッジが加点。サーキュラーステップだけがレベル3で他は全てレベル4。全ての二人の動きがぴったり合っていた。男性の肩の上で女性が倒立する直線のリフトは、「最初ルール違反ではないかと検討された」と東野さん。このリフトは加点2〜3。ステップ二つは加点1〜3。やはりベテランはステップで差を付ける。終わったとき、二人とも「やりきった」という顔だった。技術点最高の52.06、演技構成点4番目の55.11、合計107.17は自己ベスト更新、この時点で総合1位。しかしそれでも、フリー2位、総合得点175.37、1位と0.06差で二度目の総合3位。表彰台、公式会見では、女性がずっと無念そうな顔でコメントもしなかった。

 17番滑走でチョック・ベイツ組。曲はミュージカル「レ・ミゼラブル」より。冒頭の連続リフトは二つともレベル4で全ジャッジが加点2〜3。ツイズル、カーブのリフトと回転リフトはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。スピンと二つのステップはレベル3。最後のコリオリフトは、加点1〜3。技術点5番目の48.94、演技構成点も5番目の50.94、合計99.88でフリー5位、総合7位。
 18番滑走でイリニク・カツァラポフ組。曲は「白鳥の湖」だが衣装は黒鳥。ここも全要素に全ジャッジが加点。冒頭の連続リフト、男性がクラウチの姿勢の上でで女性が片足でのけぞる直線のリフト、サーキュラーステップ、回転リフト、スピンとコリオリフトは加点2〜3。ステップ二つと二つめの回転リフトがレベル3。SDで無得点のツイズルも高スピードでやりきって拍手。基礎点39.7に全体で12.21もの加点。終わった直後はモロゾフコーチもガッツポーズだったが、技術点2番目の51.91、演技構成点最高の56.80、合計108.71でフリー1位になったものの、総合得点174.38で総合4位。追い上げたがメダルに届かず。やはりSDのツイズルのミスが大きかった。ここも2014/15シーズンはパートナー交換でどうなるか。
 19番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組。曲は「セビリアの理髪師」。冒頭のツイズルはよく合っていてレベル4で全ジャッジが加点2〜3。ステップ二つはレベル3だが全ジャッジが加点。リフトは全てレベル4に全ジャッジが加点2〜3だが、特に二つめの回転リフトはほぼ加点3。最後のコリオリフトも全ジャッジが加点。基礎点40.2に全体で10.37の加点。技術点4番目の50.57、演技構成点2番目の55.16、合計105.73は自己ベスト更新でフリー4位、総合得点175.43で初優勝。イタリアとしては、2001年のフーザルポリ・マルガリオ組以来の金メダルとか。優勝インタビュー、公式会見とも「喜びより驚きが大きい。」と言っていた。

 最終滑走でウィーバー・ポジェ組。曲はピアソラのタンゴ。ここも全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3で他はレベル4。冒頭のサーキュラーステップはタンゴっぽい足の動きで加点1〜3。スピンと直線のリフトも加点1〜3。回転リフト二つとカーブのリフトは加点2〜3。最後のコリオリフトも加点1〜3。ここもノーミスで滑りきった。技術点3番目の51.06、演技構成点も3番目の55.15、合計106.21は自己ベスト更新でフリー3位、1位と0.02差の総合得点175.41で総合2位。
 五輪出場組はみんな、ほんの少し疲れている感じだったが、表彰台の3組は、かなり集中して完成度の高い演技だった。演技直後の個別インタビューでは、みんな「日本の観客」の温かい応援に感謝していた。どの国の国旗も振ってくれるのは珍しいのだろう。解説の東野さんは、「3組のメダリストがこんなに近い点差なのは初めて見た。」と言っていた。表彰式では、チンクアンタ会長が、銀メダルではなく銅メダルをカナダのウィーバーにかけ、銀メダルをかけ直す場面があった。日本でのセレモニーでこんなミスは珍しい。

ページトップへ

フィギュアスケート (2014.6/8,9,10,11,7/21,26,8/1)

世界ジュニア (2014.3/10〜16 ソフィア・ブルガリア)

  <ペア>15組参加。アメリカとロシアから3組ずつ、カナダは3枠あるのに2組、日本からは須藤・チジコフ組が参加。今季組んだばかりで男性はロシア出身。コーチは佐藤有香ほか。今季全日本ジュニア優勝。ジュニアのSPのツイストとソロジャンプは2回転。2番滑走で須藤・チジコフ組(16,20)。曲は映画「サユリ」より。ツイストはレベルB。ダブルアクセルは成功。ステップ、リフト、デススパイラルはレベル2。スロージャンプはまだ2回転。ペアスピンはレベル4だが減点気味。技術点23.1、演技構成点16.6、合計39.7はそれでも自己ベスト更新でSP13位。いかにもまだつたないが、Jスポーツ解説の岡部さんは、「滑るたびに上手になっている。今できることは出せた。」と言う。
 9番滑走でチェルヌスキ・アンプロジーニ組(伊。16,20)。組んで4年目。今季ジュニアGPシリーズ3位と5位。国内ジュニア2位。曲は「ロミオとジュリエット」。衣装は二人ともグレーが基調。ツイストとステップはレベル2。ペアスピンとリフトはレベル4。スロージャンプは3回転。デススパイラルはレベル1。技術点7番目の25.65、演技構成点も7番目の19.25、合計44.9でSP7位。
 10番滑走でタラソワ・モロゾフ組(露。19,21)。組みかえて2年目。男性はドイツ・ポツダム生まれ。187pとひょろ長い。今季国内ジュニア優勝、ジュニアGPファイナル4位。曲は「ロクサーヌのタンゴ」。ソロジャンプとステップ以外は全ジャッジが加点。特に、冒頭のツイストは高く、レベル4に加点2〜3。スロージャンプも加点2〜3。リフトとペアスピンがレベル4,デススパイラルとステップはレベル3。技術点3番目の33.1、演技構成点2番目の26.36、合計59.46は自己ベスト更新でSP2位。

 11番滑走でユウ・ジン組(中。18,19)。今季ジュニアGPファイナル優勝、国内シニア3位。世界ジュニア昨季4位、一昨季2位。曲は「タイスの交響曲」。デススパイラル以外の全ての要素に全ジャッジが加点。冒頭のダブルアクセルはぴったり合っている。ツイスト、リフト、ステップ、ペアスピンとレベル4。スロージャンプは加点2〜3の完成度。つなぎの滑りもが美しい。技術点最高の35.51、演技構成点は全ての要素で6点台後半で最高の29.07、合計62.58は自己ベスト更新でSP1位。もう十分シニアでもやれると思う。
 13番滑走でダワンコワ・デュピタット組(露。15,21)。組んで4年目。女性はとても15歳とは思えないほど大人びて見える。男性はウクライナ出身。曲は映画「ゴッドファーザー」より「愛のテーマ」ほか。冒頭はダブルアクセル。スロージャンプは全ジャッジが加点。ツイストはレベル3。リフト、ペアスピン、ステップはレベル4。デススパイラルだけレベル2。技術点2番目の33.18、演技構成点3番目の25.17、合計58.35でSP3位。
 14番滑走でアーロン・セトレイジ組(米。19,21)。組み替えて3年目。男性はベトナム出身。女性の兄は昨季全米優勝のマックス。今季ジュニアGPシリーズで2位と4位。国内ジュニア優勝。曲は映画「サユリ」より。衣装は二人とも薄紫。男性の衣装は着物らしいが左前。ツイストとリフトはレベル3。スロージャンプが2回転でなんとかこらえ、得点が伸びず。ステップとペアスピンはレベル4。技術点5番目の28.12、演技構成点も5番目の、合計51.95は自己ベスト更新でSP5位。

 フリーには15組全員が進んだ。1番滑走で須藤・チジコフ組。曲はベートーベンの「ピアノ協奏曲」。冒頭のツイストは少し落下気味。連続ジャンプは第1ジャンプで女性だけ2回転。スローサルコウは3回転成功。フライングスピンはレベル4。リフト二つはレベル2とレベル1。二つめのスローループは2回転で、片手がちょっと付いた。デススパイラルはレベル3、最後のペアスピンはレベル4。技術点35.42、演技構成点32.29、合計67.71は自己ベスト更新でフリーも13位、総合12位。
 10番滑走でチェルヌスキ・アンプロジーニ組。曲は映画「パール・ハーバー」より。衣装は軍服らしい。冒頭の3回転トウループで男性が転倒。リフトとスピンは二つともレベル4。スロージャンプは二つとも3回転だが、二つめのサルコウでは両足着氷。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。連続ジャンプは2回転フリップからの3連続だったが、第2と第3ジャンプで女性が1回転。その上どちらかがフリップでeマーク。技術点39.98、演技構成点40.07、合計79.05でフリー8位、総合8位。
 11番滑走でアーロン・セトレイジ組。曲は映画「スパルタカス」より。ツイストはもたれ気味でレベルB。ソロジャンプは女性がアンダーローテーションで両足の上オーバーターン。ダブルアクセルからのシークエンスは成功。スピン二つとリフト二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。二つめのスロージャンプで転倒。デススパイラルはレベル3。技術点5番目の46.0、演技構成点4番目の47.96、合計92.96は自己ベスト更新でフリー4位、総合5位。

 12番滑走でSP4位のヴィガロワ・ザクエロフ(露。14,20)。女性は148pと小柄。男性はひょろっとした赤毛。曲は「ジゼル」。ツイストはほぼ全ジャッジが加点。ダブルアクセルからの連続ジャンプ、ソロのフリップ成功。男性がなんでもないところで転倒。スピン二つとリフト二つはレベル4。デススパイラルはレベル2。一つめのスローループはほぼ全ジャッジが加点。二つめのスローフリップで転倒。技術点3番目の51.55、演技構成点5番目の47.61、転倒の減点2、合計97.16でフリー3位、逆転で総合3位。
 14番滑走でユウ・ジン組。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭の3回転トウループとダブルアクセルのシークエンスはぴったりのタイミング。デススパイラルとペアスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル4。コリオシークエンスは女性のスパイラルが美しく、全ジャッジが加点。後半にツイストを持ってきて、レベル3にほぼ全ジャッジが加点。一つめのスローループで転倒したが、二つめのスローサルコウでは全ジャッジが加点。技術点最高の57.1、演技構成点も最高の55.09、転倒の減点1、合計111.19でフリーも1位、総合優勝。
 最終滑走でタラソワ・モロゾフ組。曲はバッハのアリアとビバルディの「四季」。冒頭のツイストはレベル4でほぼ全ジャッジが加点3。ソロのサルコウは男性がステップアウト、トウループからの連続ジャンプでは男性が第2ジャンプの前に余分なステップが入り、第2ジャンプが無効に。デススパイラルは動揺からかレベル2。スピン二つとリフト二つはレベル4。一つめのスローループとコリオシークエンス、一つめのリフト、ペアスピンはほぼ全ジャッジが加点。二つめのスローサルコウと二つめのリフトは全ジャッジが加点。技術点2番目の54.62、演技構成点も2番目の54.12、合計108.74でフリーも2位、総合2位。

 <アイスダンス>28組参加。アメリカとロシアが3組ずつ。直前で、昨年優勝のステファノワ・ブキン組(露)が怪我で欠場となり、昨年のメダリストがひと組もいない大会に。今季のパターンダンスはクイックステップ。シニアと異なり、セクション1と2を分けて滑ってもよい。15番滑走でキム・ミノフ組(韓国。16,21)。女性の生まれはソウルだが育ったのはリトアニアとか。男性はロシア出身。曲は「バーレスク」より。クイックステップはレベル4と3。ツイズルと直線のリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル3。Jスポーツ解説の東野さんは、「去年と比べると格段の進歩」と言う。技術点6番目の32.07、演技構成点23.26、合計55.33は自己ベスト更新でSP6位。
 21番滑走でヤノフスカヤ・モズコフ組(露。17,19)。二人とも長身(163cmと188p)。今季ジュニアGPファイナル優勝。今回も優勝候補。クイックステップは両セクションともレベル3。ツイズルと回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点2番目の32.93、演技構成点最高の30.87、合計58.65は自己ベスト更新でSP2位。
 22番滑走でエドワーズ・パン組(加)。今季GPシリーズ2位と3位。男性は中国系か。小柄(172cm)だがスケートはよく滑る。曲は「エニシングゴーズ」ほか。冒頭のステップはレベル2だが全ジャッジが加点。ツイズルと直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。クイックステップは両セクションともレベル3。技術点30.36、演技構成点27.56、合計57.92は自己ベスト更新でSP5位。

 23番滑走でマクナマラ・カーペンター組(米。15,19)。女性はちょっと五輪王者のデイヴィスに似ている。曲は「チリビン・チリボン」ほか。今季ジュニアGPファイナル3位。冒頭のステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。直線のリフトとリフトはレベル47に全ジャッジが加点。クイックステップはレベル2と4。技術点32.0、演技構成点27.5、合計58.65でSP3位。
 25番滑走でハウェイエク・ベイカー組(米。17,19)。男性はイギリス生まれ。170pと小柄。曲は「シングシングシング」ほか。振り付けはカメレンゴ。全ての要素がレベル4で全ジャッジが加点。全体が速くて最後までメリハリのある動き。解説の東野さんは、「ステップのエッジがとてもクリア。全体にGPファイナルよりずっとよくなっている。」と言う。技術点最高の36.86、演技構成点2番目の29.87、合計66.73は自己ベスト更新でSP1位。
 27番滑走でパーソンズ兄妹(米。16,18)。二人とも以前は違うパートナーと組んでいて2010年から組んだ。ここも男性は170pと小柄なので、妹がもう少し育ったら、組み替えかも。曲は「ファニー・ガール」より。クイックステップはレベル4ト3。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3。技術点31.65、演技構成点26.43、合計58.08でSP4位。

 フリーには20組が進む。13番滑走でSP10位のコシジナ・モロシュキン組(露。18,20)。組んで4年目。女性は金髪だが少しヤナ・ホフロワと似ている。ステファノワ・ブキン組の突然の欠場で、大会三日前に代理出場が決まったとか。今季ジュニアGPシリーズ4位一回。国内ジュニアも4位。曲はフラメンコ・メドレー。衣装は二人とも黒。ツイズルと対角線のステップがレベル3。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。直線のリフトとスピン、サーキュラーステップはレベル2。カーブのリフトはレベル4。ステップではフラメンコらしい動きも見えたが、もっとスピードがあった方がフラメンコらしい。やはり三日では練習不足だろう。少し気の毒。技術点34.26、演技構成点39.37、合計でフリー9位、総合9位。
 15番滑走でキム・ミノフ組。曲は「シヘラザード」現代版。衣装は黒が基調。冒頭の回転リフトとツイズル、カーブのリフトはレベル4で全ジャッジが加点。ステップ二つはレベル3で少し雑に見えるが、直線のリフトとスピンもレベル4。技術点3番目の40.56、演技構成点9番目の37.46、合計78.02は自己ベスト更新でフリー7位、総合6位。「大躍進」らしい。
 17番滑走でマクナマラ・カーペンター組。曲は映画「シャーロック・ホームズ」ほか。二つのステップ以外の要素はレベル4。特に回転リフトは全ジャッジが加点1〜3。最後のコリオリフトも全ジャッジが加点。リフトの形に独創性があった。技術点6番目の39.85、演技構成点4番目の41.03、合計79.88でフリー5位、総合4位。

 18番滑走でエドワーズ・パン組。曲は「レ・ミゼラブル」より。男性のスケートが安定していて、リフトの姿勢変化でもしっかりしている。ツイズルとスピン以外の全ての要素で全ジャッジが加点。特に冒頭の直線のリフトは加点1〜3。ステップ二つとカーブのリフトはレベル2だが、しっかり加点を得た。技術点7番目の38.37、演技構成点3番目の43.36、合計81.73は自己ベスト更新でフリー3位、SP5位からの大逆転で総合3位。将来が楽しみ。
 19番滑走でヤノフスカヤ・モズコフ組。最後のコリオリフト以外の全要素で全ジャッジが加点。また二つのステップだけレベル3であとの要素はレベル4。冒頭のツイズルとカーブのリフト、サーキュラーステップは加点1〜3。終盤の回転リフトは加点2〜3。女性の長い足を一直線に伸ばしたリフトはきれいだった。プログラム全体がひとつにまとまっていた。終わったとき、二人とも「やった」という充実の笑顔。基礎点36.2に全体で8.37の加点。技術点最高の44.57、演技構成点は全て7点台後半で最高の46.79、合計91.36は自己ベスト更新でフリー1位になるも、猛追及ばず、総合2位。表彰台では、2位の台に乗っているのに頭の位置は一番高かった。
 最終滑走でハウェイエク・ベイカー組。曲は「アメリ」。全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3であとは全てレベル4。冒頭のカーブのリフト、ツイズル、スピン、対角線のステップは加点1〜3。プログラムがあっという間に終わった感じ。終わったとき、ガッツポーズが出ていた。基礎点36.2に全体で8.03の7加点。技術点2番目の44.23、演技構成点も2番目の46.16、合計90.39は自己ベスト更新でフリー2位、総合優勝。来季からシニアへ上がる。

 <男子シングル>31ヵ国38人参加。日本からは田中刑事と宇野が参加。Jスポーツ解説は杉田さん、ゲスト解説に織田。織田は2005年に世界ジュニア優勝。14番滑走でラトビアのワシリエフ(14)。153pで細身。最年少、フランスで練習。曲は「ジャズマシン」。トリプルアクセルはなく、まずダブルアクセル、全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転はステップアウト。ステップからのジャンプはループと決められているが、全ジャッジが加点。フライングスピンもシットと決められている。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。スピードよくリズムにのっていた。技術点33.6、演技構成点28.9、合計62.5でSP11位。
 24番滑走でチェン(米。14)。144p。全米ジュニア王者、ジュニアGPファイナル3位。コーチはアルトゥニアン。曲は「四季」より「夏」と「冬」。まだ144pで少年ぽい。冒頭のトリプルアクセルで転倒。スピンは三つともレベル4。最後の足替えスピンは全ジャッジが加点2。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半にルッツからの連続3回転、ステップからのループを入れ、1.1倍の点をねらう。技術点3番目の39.2、演技構成点31.45、転倒の減点1、合計69.65でSP6位。全然嬉しそうでない顔。
 31番滑走でピトキエフ(露。14)。ロシアジュニア王者。ジュニアGPファイナル2位。織田も期待の選手。曲はワルツ。美しい高いトリプルアクセルから。全ジャッジが加点2〜3。続けてルッツからの連続3回転も高く、余裕があり、全ジャッジが加点1〜3。スピンは三つともレベル4。ところがなんと、ステップからのループが1回転で要素を失う。もったいない。技術点37.04、演技構成点31.72、合計68.76でSP7位。

 34番滑走でエングウェン(加。16)。コーチはオーサー。曲は「アンスクエアダンス」。冒頭でトリプルアクセル成功。続けてステップからのループ。後半にルッツからの連続3回転。いずれも質のよい滑りでつながっている。スピン二つがレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点最高の40.66、演技構成点3番目の32.21、合計72.87でSP1位。
 36番滑走で田中刑事(19)。曲は「インスティント・ラプソディ」。ダイナミックな動きを取り入れているが、もうひとつキレがない。トリプルアクセルは片手がタッチ。連続ジャンプはフリップからの連続3回転。後半にステップからのループを決めたが、フライングスピンが何とレベル1。最後の足替えスピンはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点37.96、演技構成点2番目の32.61、合計70.57でSP4位。

 37番滑走でジン(中。16)。ジュニアGPファイナルは4回転を三つ跳んで優勝。曲は「ラ・バヤデール」。冒頭のトリプルアクセルはなんとか成功。ルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。スピン二つがレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点2番目の39.64、演技構成点31.87、合計71.51は自己ベスト更新でSP2位。
 最終滑走で宇野(16)。曲は「ブレスト・スピリッツ」。冒頭はフリップからの連続3回転。幅があった。ダブルアクセルもきれいに成功。スピン三つとステップもレベル4。ステップからのループも決める。フライングスピン以外の全ての要素で全ジャッジが加点。特にステップは加点1〜3。全体を通してスピードがあった。技術点37.02、演技構成点最高の33.65、合計70.67は自己ベスト更新でSP3位。

 フリーには24人が進む。14番滑走でピトキエフ。曲は「アート・オン・アイス」。冒頭でトリプルアクセルからの連続3回転を軽々と成功。全ジャッジが加点1〜3。続けてルッツからの連続ジャンプ、二つめのトリプルアクセルも決める。ほぼ全ジャッジが加点。これで33点を荒稼ぎ。スピンは三つともレベル4。後半、二つめのルッツ、サルコウからの3連続も成功。フリップはeマークだが、SPで失敗したループを決めるとガッツポーズ。最後のダブルアクセルと足替えスピンも全ジャッジが加点。最後までスピードも落ちず、ほぼノーミスで技術点最高の79.21、演技構成点64.54、合計143.75でフリー2位、SP7位から総合2位。
 16番滑走でワシリエフ。曲は「くるみ割り人形」。冒頭のルッツで転倒。しかし次のルッツからの連続3回転は決める。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ループからの連続ジャンプとサルコウから1回転を挟む3連続も成功。技術点63.91、演技構成点63.92、転倒の減点1、合計126.83は自己ベスト更新でフリー7位、総合8位。
 19番滑走で田中刑事。曲は「アンタッチャブル」。冒頭で4回転転倒。トリプルアクセルの予定がダブルアクセル。これですっかり調子が狂ったらしく、フリップからの連続ジャンプも第2が2回転、後半3連続のところで2回転サルコウに1回転を付けただけ。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。中盤、トリプルアクセルからの連続ジャンプを決めたが、ルッツはeマーク。スピン二つはレベル4。杉田さんが「怪我をしてから、勢いが戻っていない。」と言う。織田も「いいときの滑りが出せていない。」と言う。技術点60.47、演技構成点62.72、合計122.19でフリー8位、総合7位。

 20番滑走でチェン。曲は「チャタヌガチューチュー」と「サマータイム」。ズボンつりを使った演技力もたいしたもの。冒頭のトリプルアクセルでステップアウト。シットスピンはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。ステップとフライングスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ルッツからの3連続、フリップからの連続3回転を成功。最後の足替えスピンもレベル4に全ジャッジが加点。技術点73.88、演技構成点最高の68.5、合計142.38でフリー3位、総合3位。
 21番滑走でジン。曲は「チャップリン・メドレー」。冒頭の4回転サルコウがパンクして2回転に。続く4回転トウループは転倒扱い。ルッツもステップアウト。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4。後半、二つめの4回転トウループを跳んだが、第2ジャンプがうまく入らず、向きを変えただけ。しかし、トリプルアクセル、フリップから1回転2回転の3連続、ルッツからの連続ジャンプもなんとか決める。技術点68.63、演技構成点64.5、転倒の減点1、合計132.13でフリー6位、総合6位。やはり、ジュニアには4回転の負担は大きいのか。
 22番滑走で宇野。曲は「ステップス」。いやあ、つなぎの要素が半端ないプログラム。冒頭のトリプルアクセルの転倒が惜しかった。慣れているらしくすぐ立ち上がる。杉田さんは「気持ちです。」と言う。織田は、浅田真央にコツを聞いたら「シュッて跳ぶ」と言われたとか。ルッツはeマーク。ループは全ジャッジが加点。スピン三つとステップが全部レベル4なのはすごいこと。ステップは全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから1回転をはさむ3連続、ループからの連続ジャンプと決める。ダブルアクセルからの3回転と、ソロのサルコウ、最後の足替えスピンも全ジャッジが加点。技術点68.89、演技構成点2番目の67.94、転倒の減点1、合計135.83は自己ベスト更新でフリー5位、総合5位。

 23番滑走でエングウェン。バッハの2曲。無難にやった感じ。冒頭トリプルアクセルからの連続ジャンプとソロのトリプルアクセルを成功。試合で二つトリプルアクセルを決めたのは初めてらしい。ステップとスピン三つがレベル4。後半にルッツからの連続3回転、フリップからの3連続も成功。技術点2番目の76.63、演技構成点3番目の67.56、合計144.19でフリーも1位、総合優勝。
 最終滑走でSP5位のペトロフ(露)。曲は「ワンスアポンナタイム」。冒頭でトリプルアクセル成功。続くトリプルアクセルからの連続ジャンプはステッブアウト。ルッツからの連続3回転は決める。スピン三つはレベル4。後半、フリップから1回転をはさむ3連続も決める。最後のステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点73.17、演技構成点67.14、合計140.31は自己ベスト更新でフリー4位、総合4位。

 <女子シングル>41人出場。日本からは宮原と本郷が参加。Jスポーツ解説は杉田さん、ゲスト解説に安藤。安藤は2004年に優勝。最後の6点採点時代。男子と同じくジュニアでは今年のステップからのジャンプはループ、フライングスピンはシットと決められている。
 23番滑走でチェ(韓。14)。ジュニアGP4位と5位。145pと小柄。曲は「カリンカ」。冒頭でルッツからの連続3回転成功。ステップはつたない。ロシア民謡の雰囲気が出ていない。スピン二つはレベル4。ステップからのループは両足。レイバックスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点32.8、演技構成点20.89、合計53.69は自己ベスト更新でSP9位。
 24番滑走でグレン(米。14)。ジュニアGP3位1回。全米ジュニア女王。165pと大柄。曲は「サマータイム」。年齢のわりに大人っぽい振り付けをこなしている。冒頭でフリップからの連続3回転成功。レイバックスピンは全ジャッジが加点2〜3。ステップもレベル3だが曲想に合っていて全ジャッジが加点。技術点32.9、演技構成点23.68、合計56.58でSP5位。
 31番滑走で宮原(15)。146pと小柄。ジュニアGPファイナル5位、シニアGPシリーズも掛け持ちでNHK杯、ロシア杯とも5位。全日本シニア4位、四大陸2位。曲は「戦場のメリークリスマス」。ステップから入る珍しい構成で、全ジャッジが加点。続けてルッツからの連続3回転もきれいに成功、全ジャッジが加点。レイバックスピンも全ジャッジが加点1〜3。あと二つのスピンも全ジャッジが加点。ダブルアクセルも着氷に余裕があり全ジャッジが加点。最後のポーズも音楽とピッタリに決まった。レベルの付く全要素でレベル4。ここまでに滑った選手と格が違う。技術点3番目の37.84、演技構成点4番目の25.73、合計63.57は自己ベスト更新でSP4位。

 32番滑走でジュニアGPファイナル3位のメドヴェデワ(露。14)。曲は「バレエ・リュス」。赤い衣装。冒頭のダブルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。スピンは三つともレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。後半に、フリップからの連続3回転とステップからのループを鮮やかに決める。最後のレイバックスピンもほぼ全ジャッジが加点2〜3。技術点4番目の37.12、演技構成点2番目の26.6、合計63.72でSP3位。4位の宮原と0.15差。これで、ジュニアGPファイナル優勝したソツコワ選手の代替出場なのだから、ロシアの層の厚さおそるべし。
 35番滑走で昨年優勝のラジオノワ(露)。今季シニアGPシリーズ3位と2位、ファイナル4位、国内シニア3位。曲は「アンナ・カレーニナ」他。冒頭、ルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。ラジオノワもレベルの付く全要素でレベル4。ステップ、後半の二つのジャンプ、レイバックスピンは全ジャッジが加点。特にレイバックスピンは加点2〜3。ゲスト解説の安藤は、ネーベルホルン杯で一緒に出場。「小柄だがリンクに乗ると堂々と演技している。スピードが速い。」と言う。技術点最高の39.04、演技構成点最高の27.86、合計66.9でSP1位。
 36番滑走で全日本ジュニア女王の本郷(17)。165pと大柄。ジュニアGP4位と3位。滑走順がラジオノワの次で気の毒。曲は「ドンキホーテ」。冒頭、トウループの連続3回転で転倒。これで少し勢いが落ちた。スピンは三つともレベル4。フライングスピンは全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルはほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3と立ち直りをみせた。技術点29.68、演技構成点22.79、転倒の減点1、合計51.47でSP11位。キスアンドクライでは涙が浮かんでいた。

 37番滑走でチェン(米。14)。144pと小柄。ジュニアGP3位と優勝。ジュニアGPファイナルは欠場。全米ジュニアもSPだけで棄権。曲は「エスペランザ」。冒頭、ルッツからの連続ジャンプは第2を2回転に。ルッツが大きくなりすぎたらしい。レイバックスピンは素晴らしく、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。後半、ダブルアクセルは全ジャッジが加点の出来だったが、ステップからのループでステップアウト。足替えスピンもレベル4で全ジャッジが加点、最後のステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点31.58、演技構成点5番目の24.51、合計56.09でSP6位。
 38番滑走でチャートランド(加。17)。ジュニアGP4位と7位。国内シニア5位、四大陸7位。冒頭、ルッツからの連続3回転で転倒。しかしレベルの付く全要素でレベル4。特にステップは全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルが両足。技術点7番目の31.43、演技構成点24.25、転倒の減点1、合計54.68は自己ベスト更新でSP7位。
 39番滑走でジュニアGPファイナル2位のサハノビッチ(露。14)。2000年2月生まれ。今季国内ジュニア女王。曲はリプニツカヤと同じ「愛はまごころ」。この人もレベルの付く全要素でレベル4。冒頭のレイバックスピンとステップは全ジャッジが加点1〜3。ジャンプ要素は全て後半。フリップからの連続3回転、ステップからのループは全ジャッジが加点。フライングスピンも全ジャッジが加点。技術点2番目の38.32、演技構成点3番目の26.43、合計64.75は自己ベスト更新でSP2位。

 フリーには24人が進む。第3グループ13番滑走でチャートランド。曲は「ドクトル・ジバゴ」。冒頭でルッツから1回転をはさむ3連続。スピン二つでレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから3回転トウループはステップアウト。最後のスピンは全ジャッジが加点。技術点60.37、演技構成点49.3、合計109.67でフリー5位、総合5位。
 17番滑走で本郷。曲は「ミス・サイゴン」。冒頭のルッツはeマーク。スピン三つとステップはレベル4。ループからの連続ジャンプ、後半のダブルアクセルから3回転トウループ、フリップからの3連続などジャンプは全て成功。演技構成点で加点がまだもらえない内容なので、ジャンプがきちんと跳べたのはよかった。技術点59.34、演技構成点47.07、合計106.41は自己ベスト更新でフリー7位、総合8位。
 18番滑走でチェ。曲は「コッペリア」。冒頭で、ルッツからの連続3回転、フリップからの連続ジャンプと決める。スピン二つでレベル4。後半、二つめのルッツと、フリップからの3連続も成功。大きなミスはないが、ジャンプ着氷後に止まった感じになるので、加点なし。技術点3番目の62.14、演技構成点46.52、合計108.66でフリー6位、総合6位。

 最終グループ19番滑走でサハノビッチ。冒頭でフリップからの連続3回転成功。全ジャッジが加点。ルッツはeマーク。スピン三つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点。後半、フリップから1回転をはさむ3連続。レイバックスピンも全ジャッジが加点。終始速く滑り、ミスなく終えた。技術点2番目の62.98、演技構成点4番目の54.4、合計117.38でフリーも2位、総合2位。
 20番滑走でラジオノワ。曲は「フリーダ」。冒頭でルッツからの連続3回転は少し踏ん張ったが決める。フリップは全ジャッジが加点。ループから1回転をはさむ3連続も成功。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のレイバックスピンは加点2〜3。ステップもレベル3だが全ジャッジが加点2。ちょっと慎重に滑ったが、ノーミスにまとめたのはさすが。技術点最高の67.69、演技構成点も最高の59.7、合計127.39でフリーも1位、総合優勝。ジュニア女子の連覇は初。
 21番滑走でメドヴェデワ。冒頭でフリップからの連続3回転成功、全ジャッジが加点。ルッツはeマーク。ダブルアクセルも全ジャッジが加点。足替えスピンがなぜかレベル1、全ジャッジが加点だが。ステップとあと二つのスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。特に最後のレイバックスピンは加点1〜3。後半最初のフリップで転倒。しかしループからの3連続、サルコウからの連続ジャンプと決める。転んだが、加点の多さで宮原を振り切った。技術点5番目の59.73、演技構成点2番目の55.98、転倒の減点1、合計114.71でフリーも3位、総合3位。今年もロシアが表彰台独占。

 22番滑走でチェン。曲は本郷と同じ「ミス・サイゴン」。冒頭のルッツからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。続くフリップはeマークの上、アンダーローテーション。ステップと足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。後半、ダブルアクセルからの連続ジャンプは第2がパンクし、1回転。フライングスピンはなぜかレベル1。二つめのルッツもアンダーローテーション。最後のレイバックスピンはレベル2だが全ジャッジが加点2〜3。技術点47.58、演技構成点52.16、合計99.74でフリー9位、総合9位。
 23番滑走でグレン。冒頭でフリップからの連続3回転を決めるがeマーク。ルッツからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。フライングスピンはなぜかレベル1。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。後半、サルコウがダウングレード。しかしダブルアクセルからの3連続は決める。レイバックスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点51.16、演技構成点51.14、合計102.3でフリー8位、総合7位。
 最終滑走で宮原。曲は「ポエタ」。冒頭のルッツからの連続3回転は第2がつまりアンダーローテーション。スピン二つとステップでレベル4。後半、ダブルアクセルから3回転トウループは大胆に決め、全ジャッジが加点。続くステップも全ジャッジが加点。ルッツからの3連続はルッツがアンダーローテーション。レイバックスピンは全ジャッジが加点。少し固くなって、ちょっと攻めきれなかった。技術点゚59.27、演技構成点54.85、合計126.26でフリーも4位、総合4位。本郷の8位と合わせ、12ポイントで来季の3枠を勝ち取った。

ページトップへ

フィギュアスケート (2014.5/5,6,11,16,31,6/1)

四大陸選手権 (2014.1/22〜25 台北)

 <男子シングル>29人参加。15番と26番の二人棄権。日本からは小塚、無良(織田の引退で繰り上げ)、田中刑事が参加。10番滑走でジェレミー・テン(加。24)。2年ぶり4回目。冒頭でトリプルアクセルなんとか成功。ルッツからの連続3回転も決めた。スピン二つはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点40.57、演技構成点34.64、合計75.21でSP6位。
 18番滑走でソン(中。23)。四大陸は5回目。4回転3回転を成功。全ジャッジが加点1。しかし得意のトリプルアクセルでステップアウト。スピン三つともレベル4。ステップからのルッツも決める。技術点2番目の44.35、演技構成点34.36、合計78.71でSP3位。
 19番滑走でファリス(米。19)。曲は「リベルタンゴ」。冒頭でトリプルアクセルを跳び、ほぼ全ジャッジが加点1〜3。フリップからの連続ジャンプはeマーク。スピン三つはレベル4。ステップがレベル2だがほぼ全ジャッジが加点1〜3。わりとタンゴらしかった。初出場なのに堂々と滑った。技術点37.64、演技構成点37.21、合計74.85でSP7位。

 20番滑走でデニス・テン(カザフ。20)。昨年世界選手権銀メダル。今季は両足首と背中のけがと感染症などで不調。曲はサン=サーンス「死の舞踏」。冒頭4回転転倒。ダウングレード。トリプルアクセルは成功。スピン三つとステップはレベル4。フリップからの連続3回転も決めたがeマーク。技術点39.13、演技構成点3番目の38.21、合計76.34でSP5位。
 22番滑走でドーンブッシュ(米。22)。冒頭の4回転サルコウは転倒。アンダーローテーション。全米では成功したが。トリプルアクセルと後半のルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点43.56、演技構成点2番目の38.57、合計82.13でSP2位。
 23番滑走でリッポン(米。24)。2010年大会で優勝。2年ぶり4回目。ソチ代表を逃し失意の出場。曲は「カルメン組曲」より。今季最初のバイオリンの曲から昨季のものへ戻した。冒頭のトリプルアクセルでいきなり乱れた。しかし次のフライングスピンはレベル4。続く足替えスピンはレベル2ととりこぼし。後半、ステップからのルッツは両手上げ。フリップからの連続ジャンプも決める。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のスピンもレベル4。技術点35.94、演技構成点36.96、合計72.9でSP8位。

 24番滑走で小塚(24)。2009年大会で銅メダル。ソチ代表を逃し失意の出場。「何のために滑っているかわからない。」と言ったらしい。曲は7拍子の「アンスクエアダンス」。冒頭4回転転倒。ダウングレード。トリプルアクセルはかろうじて決めた。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転も成功。最後のステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点1〜3。技術点37.86、演技構成点最高の38.99、合計76.85でSP4位。
 25番滑走で田中刑事(19)。これがシニアデビュー。曲は「インスティンクト・ラプソディー」。冒頭のトリプルアクセル成功。全ジャッジが加点。しかしフリップからの連続ジャンプで二つとも2回転に。要素を失う。動揺したのか続くスピンもレベル2。後半、ステップからのループは決める。スピン二つはレベル4。ステップは少しつまづくところがあり、レベル3。技術点30.32、演技構成点32.29、合計62.61でSP14位。
 27番滑走で無良(22)。繰り上げ出場だが目標は高い。曲は「ジャンピン・ジャック」他。冒頭の4回転は決めたが、GOEは-2〜2。トリプルアクセルは文句なく、全ジャッジが加点1〜3。スピン二つでレベル4。ルッツからの連続3回転も成功、全ジャッジが加点。スピン一つとステップはレベル3。技術点最高の46.5、演技構成点4番目の37.71、合計84.21は自己ベスト更新でSP1位。Jスポーツ解説の田村岳斗は、「代理で出てくる選手がこのレベルなのはすごい。」と言う。

 フリー。第2グループ12番滑走で田中刑事。曲は「アンタッチャブル」。冒頭の4回転はダウングレードでステップアウト。トリプルアクセルは決めた。ほぼ全ジャッジが加点。フリップからの連続ジャンプはまたフリップが2回転、しかし第2に3回転を付ける。解説の田村が「SPでこれができるとよかった。」と言う。後半、二つ目のトリプルアクセルで乱れ第2ジャンプ付かず。3連続も初めから少し曲がっていて、第3ジャンプはダウングレードでステップアウト。ルッツはeマーク。ループで転倒。ステップと一つ目のスピンはレベル3、後半のスピン二つはレベル4。技術点57.52、演技構成点59.78、転倒の外典1、合計116.3でフリー17位、総合17位。
 第3グループ13番滑走でファリス。曲は「シンドラーのリスト」。冒頭のフリップを決めた後、4回転で転倒。壁にぶつかる。続く3連続は第1ジャンプが1回転に。この後立ち直り、スピン二つがレベル4、ステップとスピン一つがレベル3。ステップは全ジャッジが加点1〜3。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプとソロのトリプルアクセルを成功。ルッツからの連続ジャンプも決めた。二つ目のルッツは1回転。技術点71.71、演技構成点75.44、合計146.15でフリー5位、総合6位。
 17番滑走でリッポン。曲は「牧神の午後」。冒頭でトリプルアクセルからの連続ジャンプを成功。本当はここが4回転だったらしい。続く二つ目のトリプルアクセルはステップアウト。ループは決める。スピン二つはレベル4。最後のスピンは全ジャッジが加点1〜3。二つ目のスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、フリップが1回転に。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。両手上げルッツは少し乱れた。二つ目のルッツの方が良かったが、第2ジャンプ付かず。解説の田村が「いいところと悪いところが混ざっていた。」。技術点64.68、演技構成点75.62、合計140.3でフリー8位、総合8位。

 最終グループ19番滑走でデニス・テン。曲は「お嬢さんとならずもの」。最初、曲が正しく鳴らなかった。しかし冒頭の4回転成功。トリプルアクセルからの連続ジャンプは第2ジャンプが1回転に。二つ目のトリプルアクセルは転倒。ステップは素晴らしく全ジャッジが加点2〜3。スピン二つでレベル4。フリップからの3連続はeマーク。ルッツからの連続ジャンプはルッツが2回転に。フリップでは転倒。SPよりキレのある動きだったが、体力が戻っていないようだ。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。技術点73.95、演技構成点78.08、合計150.03でフリー4位、総合4位。
 20番滑走でドーンブッシュ。曲は「ビートルズメドレー」。冒頭のルッツを決めた後、4回転サルコウはダウングレードで転倒。トリプルアクセルは強引に立つ。スピン二つはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点67.83、演技構成点75.48、合計142.31でフリー7位、総合5位。メダルを逃す。
 21番滑走で無良。曲は「将軍」。冒頭の4回転はきれいに決まる。全ジャッジが加点。続くルッツからの連続3回転も決め、全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル3。後半、ソロのトリプルアクセル成功、全ジャッジが加点1〜3。フリップはeマーク。二つ目のルッツからの連続ジャンプは第2が1回転。最後のサルコウもなんとか跳び、技術点最高の82.41、演技構成点75.94、合計158.35でフリー2位、総合で初優勝。

 22番滑走でジェレミー・テン。4回転はない。しかしトリプルアクセルを二つとも失敗。一つ目は転倒、二つ目はステップアウトで第2付かず。ルッツからの連続3回転やフリップ、ループは決めた。ステップはレベル2。二つ目のルッツはアンダーローテーションでeマーク。。サルコウからの3連続は成功。スピン二つでレベル4。特に最後のスピンとコリオシークエンスは全ジャッジが加点。技術62.44点、演技構成点71.86、合計133.3でフリー11位、総合9位。
 23番滑走で小塚。「試合が始まって気持ちが高まってきた。」とのこと。曲は「ロンド・カプリチオーソ」。冒頭の4回転は下りたがダウングレード。トリプルアクセルはきれいでほぼ全ジャッジが加点。ルッツからの3連続もなんとか成功。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプも決めた。スピンは三つともレベル4。フライングスピンは二つとも全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。ルッツからの連続ジャンプも成功。技術点77.17、演技構成点最高の82.36、合計159.53でフリー1位、総合2位。
 最終滑走でソン。曲は「ミッション」。冒頭の4回転余裕で成功。ほぼ全ジャッジが加点2。続く二つ目の4回転からの連続ジャンプの予定が3回転2回転に。トリプルアクセルからの連続3回転も全ジャッジが加点1〜3。ステップとスピン二つはレベル4。後半、ソロのトリプルアクセルも決め。ルッツからの3連続も成功したが、ループが1回転に。しかしダブルアクセル、コリオシークエンスと全ジャッジが加点。技術点ニ番目の81.60、演技構成点75.78、合計157.38は自己ベスト更新でフリー3位、総合3位。

 <女子シングル>21人参加。日本からは村上、宮原、今井が参加。村上が優勝。第3グループ12番滑走で宮原(15)。初出場。曲は「戦場のメリークリスマス」。ステップから始まる珍しい構成。レベル4にほぼ全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転はまた第2ジャンプがアンダーローテーション。レイバックスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。、あと二つのスピンはレベル4でフライングスピンの方は全ジャッジが加点。技術点4番目の34.07、演技構成点8番目の26.2、合計60.27は自己ベスト更新でここまでの1位、SP4位。
 14番滑走でラコステ(加。25)。カナダ選手権3位でソチ代表からはもれた。曲は「奇跡の始まり」。冒頭のループからの連続ジャンプは成功。しかしステップからのフリップでステップアウトし、片手も付いた。スピン二つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点。技術点28.96、演技構成点7番目の26.23、合計55.19でSP10位。
 15番滑走で村上(19)。曲は「バイオリン・ミューズ」。冒頭のトウループの連続3回転は全ジャッジが加点2〜3。スピン三つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の35.64、演技構成点はつなぎ以外7点台で最高の29.09、合計64.73でSP1位。

 最終グループ16番滑走で長洲(米。20)。臨時で無良コーチが付いていた。冒頭のトウループの連続3回転は、両方ともアンダーローテーション。結果的にこれが殆ど転倒と同じくらい響いた。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点2〜3。フライングスピンとステップはレベル3。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。技術点13番目の28.44、演技構成点3番目の27.95、時間超過の減点1、合計55.39でSP9位。全米でも時間超過だった。
 20番滑走で李子君(中。17)。曲は「タンゴ」。今季はGP中国杯で10位と不調。国内選手権も欠場したがソチ五輪代表には選ばれた。冒頭のフリップからの連続3回転成功、全ジャッジが加点。ステップからのルッツはeマーク。スピン二つとステップはレベル4。ダブルアクセルとレベル3のレイバックスピンは全ジャッジが加点。技術点最高の35.81、演技構成点3番目の27.03、合計62.84は自己ベスト更新でSP2位。ソチに向けて復調。
 最終滑走で今井(20)。曲は「無言歌」。冒頭はダブルアクセルから。全ジャッジが加点1〜3。続くサルコウからの連続3回転も全ジャッジが加点。フライングスピンとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。Jスポーツ解説の前田さんが「音をひとつひとつよくとらえて表現している。」と言う。終盤のスピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。緊張した顔で出て行ったが、一貫して速い滑りでほぼノーミスの演技。技術点3番目の34.69、演技構成点2番目の28.03、合計62.72は自己ベスト更新でSP3位。

 フリー。6番滑走でSP15位のチャートランド(加。17)。初出場。曲は「ドクトル・ジバゴ」。冒頭でルッツから1回転をはさむ3連続成功。フリップはeマーク。フライングシットスピンとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから3回転は第2ジャンプがアンダーローテーションで両足。コリオシークエンスと最後のレベル4スピンは全ジャッジが加点。技術点3番目の62.56、演技構成点50.49、合計113.05は自己ベスト更新でフリー5位、総合7位。
 11番滑走でラコステ。曲は「アメリ」。音楽の初めが変で、3回目にやっと滑り出せた。冒頭のループは全ジャッジが加点。ルッツは2回転。スピン二つとステップはレベル4。ステップは全ジャッジが加点。後半、フリップがダウングレード。技術点49.08、演技構成点9番目の51.9、合計100.98でフリー12位、総合12位。
 13番滑走でSP9位の長洲。曲は「ジェームズ・ボンドメドレー」。冒頭のフリップからの連続ジャンプ、ダブルアクセルからの連続ジャンプは決めた。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。しかし後半のジャンプはほとんどアンダーローテーション。フリップはダウングレード。スピン二つはレベル4。終盤のダブルアクセルとコリオシークエンスは全ジャッジが加点。技術点48.67、演技構成点6番目の55.72、合計104.39でフリー10位、総合10位。全米の後、何日か体調不良で練習できず、体のキレが戻らなかったそうだ。

 14番滑走でSP7位のヒックス(米。18)。曲は「エビータ」。冒頭のフリップからの連続3回転は第2ジャンプがダウングレードで転倒扱い。サルコウは全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4。フライングシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。ループからダブルアクセルのシークエンスはダブルアクセルが1回転になったが全ジャッジが加点。後半、ソロのルッツとフリップ、コリオシークエンスも全ジャッジが加点。最後に余分な1回転フリップが入り、無得点。技術点5番目の58.28、演技構成点4番目の56.35、転倒の減点1、合計113.63は自己ベスト更新でフリー4位、総合5位。
 最終グループ16番滑走でSP5位のキム・ヘジン(韓。16)。シニアデビュー戦で初出場。曲は「ブラックスワン」。冒頭でルッツからの連続ジャンプ、フリップからの連続ジャンプと成功。どちらも正しいエッジ。スピンは三つともレベル4。後半、ルッツがアンダーローテーション。ダブルアクセルからの3連続は決めた。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。なかなか表情もついている。技術点7番目の57.98、演技構成点51.38、合計109.36は自己ベスト更新でフリー7位、総合6位。
 17番滑走で李子君。曲は「コッペリア」。ピンクの衣装。冒頭のフリップからの連続ジャンプとダブルアクセルからの連続ジャンプは全ジャッジが加点。ルッツはeマーク。スピンは三つともレベル3。サルコウからの3連続成功。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のレイバックスピンは素晴らしく、全ジャッジが加点1〜3。終わったとき小さくガッツポーズ。技術点4番目の61.46、演技構成点3番目の57.26、合計118.72でフリー3位、総合3位。四大陸選手権で中国初のメダル。

 19番滑走で今井。曲は「恋人たちの夢」。冒頭のフリップはほぼ全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。一つ目のダブルアクセルがばらけてダウングレード。本当は連続ジャンプの予定だった。ループからの3連続は成功。二つ目のダブルアクセルはきれいに決める。あとの連続ジャンプが二つともサルコウからの連続ジャンプ。ルッツはない。コリオシークエンスと最後のレベル3のレイバックスピンはほぼ全ジャッジが加点。最後までスピードがあったが、ちょっと一本調子に急いでいるような感じも受けた。技術点9番目の56.68、演技構成点56.0、合計112.68は自己ベスト更新だったが、フリー6位、総合4位。
 20番滑走で村上。曲は映画「愛のイェントル」より。冒頭のトウループの連続3回転は全ジャッジが加点2〜3。ルッツはeマーク。ループは構えがながかったが全ジャッジが加点。ステップはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続ジャンプとサルコウからの3連続成功。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3と高い評価。終わったとき、自分でも手ごたえがあったらしく、にっこりと笑顔。技術点最高の69.25、演技構成点も最高の62.93、合計132.18は自己ベスト更新でフリーも1位、総合優勝。
 最終滑走でSP4位の宮原。曲は「ポエタ」。SPはスピード不足だったのでフリーは速く滑ろうと心がけたとのこと。冒頭のルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。スピン二つでレベル4。ループも難しい入りからきれいに決めて全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルからの3回転は全ジャッジが加点1〜3。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。ルッツからの3連続も成功。レイバックスピンはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。曲想をよく表現したコリオシークエンスでは、ジャッジ席に向けて見得の表情もきめてみせ、全ジャッジから加点1〜3。今回ジャンプのアンダーローテーションはなし。技術点2番目の68.76、演技構成点も2番目の57.5、合計126.26は自己ベスト更新でフリー2位、逆転で総合2位。

 <ペア>アメリカ、カナダ、中国から7組参加。ソチ五輪代表は出られないので寂しい参加数。1番滑走でプリッチ・トラン組(加。18,23)。今季ネーベルホルン杯6位、GPシリーズボンパール杯6位、国内シニア4位。曲は「タイニィ・ダンサー」。冒頭のツイストはなんとか成功。しかしソロジャンプで男性が転倒。スピン、リフト、デススパイラルはレベル4。しかしスロージャンプがアンダーローテーションで女性が転倒。ステップはレベル2。解説の杉田さんは「ペア競技に特有の力強さがもっとほしい。スピードもない。」と言う。技術点最低の27.91、演技構成点6番目の23.66、転倒の減点2、合計49.57でSP7位。シーズン最初のネーベルホルン杯のときの方がもっとよかった。
 2番滑走でケイン・オシェア組(米。20,22)。昨季全米7位、今季は6位。GPシリーズの出場はなく、下部大会三つで2位、3位、3位。曲はジェームズ・ボンドメドレー。冒頭のツイストは抱え気味。ソロジャンプは成功。スローループは全ジャッジが加点。デススパイラル、スピン、ステップ、リフトと後半は全てレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の35.8、演技構成点も3番目の26.25、合計62.05は自己ベスト更新でSP3位。

 5番滑走でシメカ・クニエリム組(米。22,26)。昨年は男性が足を骨折して不出場。今季GPシリーズ中国杯5位、ロシア杯6位。全米シニア4位。曲は映画「愛のイェントル」より。冒頭のツイストはレベル1だが全ジャッジが加点1〜3。スロージャンプ、ソロジャンプ成功。スピン、リフト、ステップはレベル4。デススパイラルはレベル3。技術点2番目の38.1、演技構成点も2番目の27.94、合計66.04でSP2位。
 6番滑走でスイ・ハン組(中。18,21)。一昨季国内シニア2位、四大陸王者、世界ジュニア王者。昨季は女性の怪我のため、世界選手権のみ出場、12位。今季GPシリーズでカナダ2位、NHK杯3位。曲は「道」。全ての要素に全ジャッジが加点。冒頭でスロージャンプから入る珍しい構成、加点1〜3。続けてソロジャンプもピタリと合って成功。最近はここでミスが多かった。得意のツイストはレベル4で加点1〜3。リフト、デススパイラル、ステップ、スピンと全てレベル4。ステップも加点1〜3。解説の杉田さんも、他の組には辛口の評価だったが、「レベルが別次元。」と言う。技術点最高の43.43、演技構成点も最高の31.83、合計75.26は自己ベスト更新でSP1位。

 フリー。1番滑走でプリッチ・トラン組。曲は「ライフ・イズ・ビューティフル」。冒頭のツイストはレベル2。続く連続ジャンプも無難に決める。しかし一つめのスロージャンプで転倒。デススパイラルはレベル4だったが、ソロジャンプは女性がダウングレードで両ひざ付き。二つめのスロージャンプも両足。後半、リフト三つとスピンはレベル4。技術点4番目の52.26、演技構成点も5番目の、合計98.23でフリー5位、総合5位。
 4番滑走でスイ・ハン組。曲はロシア民謡「カリンカ」。冒頭で離れ業の4回転ツイスト成功。余裕があり、ほぼ全ジャッジが加点。3回転トウループから2回転2回転の3連続、ソロジャンプのサルコウも成功。一つめのスローフリップは全ジャッジが加点。デススパイラル、スピン二つ、リフト二つでレベル4。リフトはレベル3のも含めて全ジャッジが加点。二つめのスローサルコウは飛距離もすごく、全ジャッジが加点2〜3。技術点ダントツの72.9、演技構成点最高の64.24、合計137.14は自己ベスト更新でフリーも1位、総合優勝。この内容でソチ五輪でできたら面白かったのに。

 6番滑走でシメカ・クニエリム組。曲は現代版シンデレラ映画「エヴァーアフター」。冒頭のツイストは高く余裕があり、全ジャッジが加点1〜3。一つめのスローフリップでわずかにタッチあり。ソロジャンプは男性が2回転。連続ジャンプは男性が1回転の上、転倒。デススパイラルはレベル1。二つめのスローループは両足。ペアスピンとリフト二つはレベル4。最後のリフト二つは全ジャッジが加点。技術点5番目の50.76、演技構成点4番目の54.55、合計104.31でフリー4位ながら、総合3位。
 最終滑走でケイン・オシェア組。曲は「ドンキホーテ」。冒頭の入り方は、元になったバレエの動きがよく表現されていた。ところが最初の要素ツイストで、女性を下ろした後の男性が転倒。こういうのは初めて見た。しかし、ソロのサルコウを決めると、スローループは全ジャッジが加点の出来。デススパイラル、リフト三つ、スピン一つでレベル4。中盤のコリオシークエンスは素晴らしく、全ジャッジが加点2〜3。ダブルアクセルのシークエンスも成功。終盤のリフト二つも全ジャッジが加点。技術点2番目の62.23、演技構成点も2番目の58.17、合計119.4はこれも自己ベスト更新でフリー2位、逆転で総合2位。

 <アイスダンス>ソチ五輪に参加しない組を中心に15組参加。日本からは平井・マリオン組が昨年に続き参加。2番滑走で平井・マリオン・デラアスンシオン組(27,24)。男性はフランス出身。組んで3年目。昨季四大陸11位。今季全日本2位。ゴールデンスピン3位。フィンステップは両セクションともレベル2。ステップはレベル1。ツイズルと回転リフトはレベル4。解説の滝野薫さんによれば、昨年よりずっと上手になったという。技術点24.07、演技構成点20.04、合計44.11でSD11位。
 11番滑走で優勝候補のハベル・ドナヒュー組(米。22,22)。今季全米4位。GPシリーズスケートアメリカ4位、カナダで3位。フィンステップは両セクションともレベル4。さすが最終グループは違う。ツイズルは第2ツイズルで男性に珍しくスタンブルがあり、レベル2。カーブのリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが、全ジャッジが加点。技術点2番目の31.57、演技構成点最高の29.48、合計61.05は自己ベスト更新でSD2位。
 12番滑走でギルス・ポワリエ組(加。22,22)。ここも優勝候補。昨季四大陸5位。今季国内シニア4位。GPシリーズNHK杯5位、ロシア杯6位。冒頭のステップはレベル3だが全ジャッジが加点。直線のリフトとツイズルはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。最後にフィンステップで、レベル4とレベル2。技術点最高の32.92、演技構成点2番目の29.46、合計62.38でSD1位。

 13番滑走でオブライエン・メリマン組(豪。24,26)。唯一のソチ五輪代表。昨年コーチをカメレンゴに変えてから、ぐっと上達したとのこと。曲は「コットンクラブ」。フィンステップはレベル2と3。ツイズルはなんと第1ツイズルの後、男性が転倒したため無得点。ステップはレベル2。回転リフトはレベル4。技術点21.71、演技構成点7番目の23.45、合計でSD10位。
 14番滑走でオルドリッジ・イートン組(米。20,22)。今季シニアデビュー。昨季全米ジュニア優勝。今季全米シニア5位。GPシリーズ中国杯5位。曲は「ザ・マスク」より。フィンステップはレベル2と4。ツイズルはレベル4。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の31.36、演技構成点5番目の26.29、合計57.65でSD3位。
 最終滑走でラルフ・ヒル組(加。21,22)。四大陸は4大会ぶり。前回は6位。今季GPシリーズ出場なし。国内シニア6位。男性がすごく大人っぽくなった。以前だいぶ太かった女性は引き続きやせている。冒頭はツイズルでレベル4にほぼ全ジャッジが加点。フィンステップはレベル2と1。ダンスの雰囲気はよくつかんでいたが。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。技術点7番目の26.21、演技構成点3番目の27.76、合計53.97は自己ベスト更新でSD4位。

 フリーはどの組もSDよりよかった。1番滑走で平井・マリオン・デラアスンシオン組。曲はボンドの「スカイフォール」より。ツイズルはレベル3。次のロングリフトでジャンプエントリーの際、男性が1回転半回ってしまい、これが規則違反で減点2の上、違反リフトの減点1、リフトが二つともレベル1判定に。解説の滝野さんによれば「ここで7点ほど失った」。ステップは二つともレベル2。カーブのリフトと直線のリフト、スピンはレベル4。滝野さんは「男性の姿勢と滑りがすごく良いので、女性がもっとついていければ、まだまだ伸びる。」と言う。技術点31.25、演技構成点27.46、合計55.71でフリー14位、総合12位。
 10番滑走でオブライエン・メリマン組。曲はサーカス・メドレー。衣装も明るい色合いで楽しい感じ。ツイズルはレベル3。リフト三つとスピンはレベル4。このうち直線のリフトと二つめの回転リフトは全ジャッジが加点。一つめの回転リフトもレベル3だが全ジャッジが加点。最後のコリオリフトもほぼ全ジャッジが加点。すごく楽しいプログラムに仕上がっていた。技術点7番目の41.79、演技構成点35.49、合計77.28は自己ベスト更新でフリー7位、総合7位と挽回。
 11番滑走でラルフ・ヒル組。曲はラテン・メドレー。衣装は女性がヒョウ柄、男性がウロコ柄?。冒頭のツイズルはレベル3だが速くて全ジャッジが加点。リフト四つとスピンはレベル4。カーブのリフトとスピン、一つめの回転リフトは全ジャッジが加点。奇抜な衣装だがしゃれたデザインで、ダンスともども曲想をよく表わしていた。技術点5番目の42.18、演技構成点も5番目の40.88、合計83.06は自己ベスト更新でフリーも4位、総合4位。シニアに上がってから伸び悩んだ感じだったが、いいプログラムなら個性が生きる。もっと出てきてほしい。

 13番滑走でギルス・ポワリエ組。曲はヒッチコック・メドレー。衣装は女性が黒地に銀のラメ、男性は真っ黒。二つのステップとコリオリフト以外の全てに全ジャッジが加点。冒頭の要素ステーショナル・リフトは、いつの間にかリフトに入っていて、斜めの姿勢も面白い。レベル4で加点2〜3。サーキュラーステップとスピンはレベル3。しかしステップは曲の音にぴったり合っている。ツイズルは速くてレベル4に加点1〜3。二つの回転リフトもレベル4。最初から最後まで男性の表情と視線が意味深で面白い。GPシリーズのときはここまでできていなかったと思う。技術点2番目の45.79、演技構成点はつなぎ以外7点台後半で2番目の45.54、合計91.33でフリー2位、総合2位。この内容でソチ五輪でやれたら面白かったのに。
 14番滑走でオルドリッジ・イートン組。曲は「シークレット・ラブ」ほかインドの曲。冒頭の直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。ツイズルはレベル3だが全ジャッジが加点。ステップ二つはレベル3。スピンとリフト二つはレベル4。うち、直線のリフトは全ジャッジが加点。全米のときの方がよかったような気がする。技術点3番目の45.53、演技構成点も3番目の41.77、合計87.3は自己ベスト更新でフリーも3位、総合3位。
 最終滑走でハベル・ドナヒュー組。曲は「ボヘミアン・ラプソディー」。全ての要素に全ジャッジが加点。リフト四つとサーキュラーステップ、ツイズルでレベル4。スピンと対角線のステップがレベル3。滝野さんは「女性が170pと大柄なので、リフトが決まるとたいへん見栄えがする。」と言う。技術点最高の50.44、演技構成点全て7点台後半で最高の46.76、合計97.2は自己ベスト更新でフリー1位、逆転で総合優勝。滝野さんは「男性がまだ女性の引き立て役にしか過ぎないので、もっと個性が出せればもうワンランク上がるのでは。」と言う。

ページトップへ

フィギュアスケート (2014.8/3,10,19,23)

カナダ選手権 (2014.1/10〜12 オタワ)

 <女子シングル>18人参加。ソチ五輪2枠を争う。15番滑走でラコステ(25)。会心の出来。曲は「The Feeling Begins」。中東風のエキゾチックな衣装。冒頭、得意のループからの連続ジャンプ成功。後半、ダブルアクセルは全ジャッジが加点。スピン二つとステップでレベル4。特にステップは全ジャッジが加点2〜3。技術点32.83、演技構成点28.44、合計61.27でSP2位。
 16番滑走でチャートランド(17)。曲は「トーン」。ルッツが不調。冒頭のルッツからの連続3回転は第2ジャンプがアンダーローテーションで転倒。スピン二つはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルはほぼ全ジャッジが加点。技術点29.84、演技構成点25.05、転倒の減点1、合計57.0でSP5位。

 17番滑走でデイルマン(15)。大胆に演技。冒頭、ルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。しかしステップからのフリップがeマークの上、2回転で要素を失う。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。ダブルアクセルと最後のスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点31.18、演技構成点27.2、合計58.38でSP3位。
 最終滑走でオズモンド(18)。曲はミュージカル「Sweet Charity」より。一人だけ別世界。全要素に全ジャッジが加点。冒頭、トウループの連続3回転成功。ステップからのフリップは加点2〜3。スピン三つとステップはレベル4。後半、苦手のダブルアクセルもきれいに決めた。技術点37.18、演技構成点33.12、合計70.3でSP1位。

 フリー。14番滑走でチャートランド。曲は「ドクトル・ジバゴ」。やっぱりルッツが不調。世界ジュニアでは、もっとちゃんとできていた。冒頭、ルッツから1回転をはさむ3連続なんとか決める。フリップはeマーク。ループで転倒。スピン二つとステップはレベル4。特にフライングスピンとステップは全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルからの3回転をなんとか成功したものの、二つめのルッツでまた転倒。技術点58.7、演技構成点50.87、転倒の減点2、合計107.57でフリー4位、総合5位と少し挽回したが、オリンピックは逃す。
 16番滑走でデイルマン。曲は「イゴール公」より。フリーも大胆に滑り、ソチ出場をつかむ。冒頭でルッツからの連続3回転成功、全ジャッジが加点2〜3。続けてダブルアクセルから3回転も全ジャッジが加点。フリップはほぼ転倒。スピン二つはレベル4。後半、二つめのルッツも全ジャッジが加点。サルコウからの3連続も決める。終盤、レベル3のステップ、コリオシークエンス、レベル3の足替えスピンと全ジャッジが加点。特にスピンは加点1〜3。技術点66.26、演技構成点57.83、合計124.09でフリー2位、総合2位。

 17番滑走でラコステ。曲は「アメリ」。ソチを意識して自滅。冒頭のループは全ジャッジが加点2。しかしルッツは2回転でeマーク。スピン二つとステップはレベル4。しかし後半、フリップが1回転に。ダブルアクセルも両足。ループの3連続は決めたが、サルコウはアンダーローテーション。技術点48.3、演技構成点57.12、合計105.42でフリー5位、総合3位。
 最終滑走でオズモンド。曲は「クレオパトラ」より。冒頭でフリップからの連続ジャンプ成功、全ジャッジが加点。続けてダブルアクセルから3回転、ルッツと続けて決める。ルッツは全ジャッジが加点2〜3。スピン三つとステップはレベル4。後半の要素は全て全ジャッジが加点。特にステップとコリオシークエンスは加点2〜3。転倒しなければ国内では敵なし。技術点68.54、演技構成点68.4、合計136.94でフリーも1位、総合優勝で2連覇。

 <男子シングル>18人参加。ソチ五輪3枠を争う。13番滑走でエングウェン(15)。昨年からシニアに参加。曲は「アンスクエアダンス」。冒頭でトリプルアクセル。なんとか決めたが、全体にスピードがない。連続ジャンプはルッツからの連続3回転。スピン二つでレベル4。技術点37.84、演技構成点33.13、合計70.97でSP7位。
 14番滑走でフィルス(21)。曲は「ファシネイション」。「体の動きがチャンに似ている」とJスポーツ解説の杉田さんが言う。冒頭のトリプルアクセルで転倒。ルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。ステップからのフリップはeマーク。スピン二つとステップでレベル4。特に、ステップは全ジャッジが加点2〜3。技術点40.6、演技構成点39.33、合計78.93でSP2位。
 15番滑走でバルデ(23)。曲は「ボムボム」。冒頭の4回転は片手つき。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転はなんとか成功。フライングスピンは軸がぶれてレベル1。あと二つのスピンとステップはレベル3。技術点41.33、演技構成点34.47、合計75.8でSP4位。

 16番滑走でロゴジン()。曲は「四季」。冒頭で4回転を跳んだが大きく崩れ。トリプルアクセルはよかった。フリップからの連続3回転は、流れがない。スピン二つでレベル4。だいぶよくなったが、滑りに伸びがなく、ジャンプもつまって見える。技術点41.21、演技構成点33.39、合計74.6でSP5位。
 17番滑走でレイノルズ(23)。今季は靴のトラブルで、GPシリーズ欠場。4年前のバンクーバー五輪は出身地だったが、五輪2枠のところ3位だった。曲は「バックインブラック」。冒頭の4回転サルコウ転倒。4回転トウループから2回転はかろうじて付けた。トリプルアクセルは片手つき。それでも滑りにスピードがあり、スピン二つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点2〜3。技術点39.07、演技構成点40.22、合計78.29でSP3位。
 最終滑走でチャン(23)。世界選手権連覇。カナダ選手権は6連覇中。曲は「エレジー」。冒頭の4回転3回転はやや重そうながら、全ジャッジが加点3。なんとトリプルアクセルが2回転に。ダブルアクセルとしては全ジャッジが加点。ステップからの3回転ルッツも2回転になり、要素を失う。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。それでも技術点41.08、演技構成点48.04、合計89.12でSP1位。

 フリー。13番滑走でSP7位のジェレミー・テン(24)。曲は「ヴァリエイション」。冒頭のトリプルアクセルで片手つき。続くルッツは転倒。フリップからの連続3回転は成功。後半、二つめのトリプルアクセルも転倒、第2付かず。続くダブルアクセルもよろける。ステップはすばらしくレベル4に全ジャッジが加点。ルッツからの3連続は決める。足替えシットスピンだけレベル4で全ジャッジが加点。エッジワークはいいが、ジャンプのミスが目立ち、技術点68.92、演技構成点74.32、転倒の減点2、合計141.24でフリー7位、総合6位。
 14番滑走でロゴジン。曲は「ミッションインポッシブル2」より。冒頭の4回転ほぼ転倒。トリプルアクセルからの3回転2回転は強引に決めた。続くルッツはパンクして1回転。後半、ループからの連続ジャンプ、ダブルアクセルのシークエンスも成功。やっぱりジャンプの後伸びがないのが目立つので、加点がない。技術点70.25、演技構成点68.26、合計138.51でフリー8位、総合7位。
 15番滑走でバルデ。曲はピンク・フロイド。冒頭の4回転転倒。トリプルアクセルからの連続ジャンプは成功。フリップはステップアウト。後半、二つめのトリプルアクセルは全ジャッジが加点。ループから1回転をはさんで2回転の3連もなんとか決めるが減点評価。ステップとスピン一つがレベル3、あと二つのスピンはレベル2。SPも含め、スピンでフィルスに負けたか。技術点74.11、演技構成点70.98、合計144.09でフリー5位、総合4位。オリンピック出場は逃す。

 16番滑走でレイノルズ。曲は「エクセルシウス」。衣装はローマ風。音楽が正しく始まらなかった。4回転三つとも両足ながら入った。冒頭の4回転サルコウは両足。続く4回転トウループも両足できれいではないが3回転と2回転を付けた。トリプルアクセルは転倒。直後の足替えスピンはレベルB。しかしステップはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。後半最初の二つめの4回転トウループはフリーレッグがタッチ。二つめのアクセルはダブルアクセル。フリップからの連続3回転、サルコウからの連続ジャンプは成功。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。最後のスピンはレベル4で全ジャッジが加点。得点が出るまでずいぶん時間がかかったが、技術点2番目の82.38、演技構成点3番目の82.78、転倒の減点1、合計164.16でフリー2位、総合2位。初めてのオリンピック出場を決めた。
 17番滑走でフィルス。曲はショスタコヴィチの「ザ・ボルト」。フリーでも冒頭のトリプルアクセル転倒。フリップはeマーク。二つめのアクセルはダブルアクセル。ステップとスピン一つがレベル3だが、全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。あと二つのスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続3回転、ダブルアクセルから1回転をはさんで3回転の3連続も成功。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点3。技術点75.28、演技構成点2番目の84.52、転倒の減点1、合計159.2でフリー3位、総合3位。オリンピック3枠に滑り込んだ。
 最終滑走でチャン。曲は「四季」。冒頭で4回転3回転をSPより滑らかに決める。全ジャッジが加点1〜3。二つめの4回転はパンクして2回転に。トリプルアクセルは渾身の力で決め、全ジャッジが加点2〜3。ステップはレベル4で全ジャッジが加点3だが、前はもっと軽快だった。スピン二つがレベル4で全ジャッジが加点。後半、ルッツから1回転をはさむ3連続も成功、全ジャッジが加点。終盤、ダブルアクセル、コリオシークエンス、足替えスピンと全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の90.28、演技構成点も最高の98.02、合計188.3でフリーも1位、総合優勝、7連覇。これでストイコに並んだ。8連覇にオーサー、9連覇に戦前のモンゴメリがいる。

 <ペア>7組のみの参加。しかしオリンピック枠は3枠ある。3番滑走でプリッチ・トラン組(18,23)。曲はエルトン・ジョンの「タイニー・ダンサー」。冒頭のツイストは少し落下気味。ソロジャンプは男性が片手つき。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルはレベル4。スロージャンプはなんとか立った。ステップ、デススパイラルは全ジャッジが加点。第1グループ3組は、全て今年から組みかえたペアだが、他の組とは経験値が違うため、全体のスピードも速く、プログラムが一つの流れになっていた。技術点34.48、演技構成点25.56、合計60.04でSP4位。
 5番滑走でローレンス・スウィガース組(23,26)。曲は「オリバー」ほか。ソロジャンプが二人とも2回転。スピンとリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のスロールッツも全ジャッジが加点。技術点33.27、演技構成点28.4、合計61.67でSP3位。

 6番滑走でムアタワーズ・モスコビッチ組(21,29)。ツイスト以外の全要素に全ジャッジが加点。ツイストは斜めに投げるようなスタイルでレベル2。ほぼ全ジャッジが加点0〜3。ソロジャンプはぴったり合っていて加点2〜3。デススパイラルはレベル1だが、リフト、ステップ、スピンはレベル4。技術点41.12、演技構成点33.84、合計74.96でSP2位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(28,28)。曲はラドフォードが自ら作った「トリビュート」。ツイストはレベル3。ソロジャンプのルッツも成功。リフトとスピンはレベル4で全ジャッジが加点。スロールッツもこらえて決める。ステップとデススパイラルもレベル4。特にステップは全ジャッジが加点1〜3。技術点41.73、演技構成点34.07、合計75.8でSP1位。

 フリー。4番滑走でプリッチ・トラン組。曲は映画「ライフ・イズ・ビューティフル」より。ツイストはレベル2。連続ジャンプは3回転2回転のトウループ。一つめのスローサルコウは何とか下りたが、二つめのルースロートウループで転倒。フライングスピンはレベル3。デススパイラルとリフト三つはレベル4。後半、ソロジャンプで女性がステップアウトは両足。ペアスピンはレベル2。技術点57.22、演技構成点54.14、転倒の減点1、合計110.36でフリーも4位、総合4位。オリンピックには届かず。
 5番滑走でローレンス・スウィガース組。曲は「オズ」。冒頭のソロジャンプで女性が転倒。ツイストはレベル1。ダブルアクセルからの連続ジャンプは第2ジャンプで女性が両足気味。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。後半、一つめのリフトで、上がったもののすぐに下りてしまう失敗。しかし直後のスローループは成功し、全ジャッジが加点。二つめのスロールッツも成功。二つめのリフトと最後のペアスピンはレベル4で全ジャッジが加点。技術点3番目の58.02、演技構成点も3番目の57.62、転倒の減点1、合計114.64でフリーも3位、総合3位。ソチ五輪へ。

 6番滑走でムアタワーズ・モスコビッチ組。曲はフェリーニ・メドレー。冒頭のツイストはレベル2だが全ジャッジが加点。連続ジャンプは第1ジャンプで男性が転倒。ソロのサルコウはチャント跳び、全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル2。一つめのリフトはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。スピン二つとリフト二つはレベル4で全ジャッジが加点。スロージャンプは二つとも決め、全ジャッジが加点。技術点2番目の65.62、演技構成点最高の69.86、転倒の減点1、合計134.48でフリーも2位、3年連続総合2位。ソチ五輪へ。
 最終番滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「アリス・イン・ワンダーランド」ほか。ツイストはレベル3で全ジャッジが加点。ソロジャンプはルッツがピタリと決まり、全ジャッジが加点1〜3。リフト三つ、デススパイラル、スピン二つともレベル4。最後のスピン以外は全ジャッジが加点。ただ、連続ジャンプでは、女性が第1ジャンプで転倒。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の69.02、演技構成点2番目の69.8、転倒の減点1、合計137.82でフリーも1位、総合優勝。3連覇でソチ五輪へ。

 <アイスダンス>13組参加、1組棄権。オリンピック枠3枠の争い。9番滑走でウィーバー・ポジェ組(24,26)。曲はタップダンスの「42nd Street」。ツイズルはレベル4。フィンステップはレベル3と4。ステップはレベル3。カーブのリフトはレベル4。全ての要素に全ジャッジが加点。特に、ステップとリフトは加点2〜3。技術点36.09、演技構成点36.59、合計72.68でSD2位。
 10番滑走でポール・イスラム組(22,23)。女性はピンクの愛らしい衣装。曲はガーシュウィンの「Crazy For You」。ここも全ての要素に全ジャッジが加点。ただ、全体のスピードは前の組より遅い。ツイズルの最後で女性がほんの少しよろめく。フィンステップは両セクションともレベル4。最後の回転リフトは加点1〜3。技術点35.34、演技構成点32.34、合計67.67でSD3位。

 12番滑走でギレス・ポワリエ組(21,22)。対角線のステップから始め、レベル3だが全ジャッジが加点。直線のリフトはレベル4に全ジャッジが加点。ツイズルは第3までピッタリでレベル4に全ジャッジが加点2〜3。フィンステップがレベル2と4なのが痛かった。技術点33.34、演技構成点31.77、合計65.11でSD4位。
 最終滑走でヴァーチュー・モイア組(24,26)。これが最後のカナダ選手権とのこと。衣装を変更。男性の衣装が黒に衿と前中心に白い縁取り。曲はルイ・アームストロングのジャズ。ステップとツイズルはレベル4。フィンステップは両セクションともレベル3。回転リフトはレベル4だが時間超過。全ての要素に全ジャッジが加点2〜3。技術点37.66、演技構成点39.5、リフトの時間超過の減点1、合計76.16でSD1位。減点に厳しい表情だった。

   フリー。10番滑走でギレス・ポワリエ組。曲は「サイコ」などヒッチコック・メドレー。全要素に全ジャッジが加点。要素はステーショナル・リフトで始まり、レベル4に加点2〜3。直線のリフトも男性の片足で立つ靴の上で女性がビールマンの難しい姿勢で、レベル4に加点2〜3。二つのステップだけレベル3。ツイズルはまたもレベル4に加点2〜3。二つの回転リフトもレベル4。最後のコリオリフトでジャッジ席の方へ滑ってきてポーズ。これも加点2〜3。技術点50.0、演技構成点49.41、合計99.41でフリーも4位、総合4位。斬新な振り付けでほぼ完璧な出来だったが、惜しくも五輪を逃す。
 11番滑走でポール・イスラム組。女性の衣装を変更したらしい。真っ赤なツタの葉のような模様。曲は映画「W.E.」より。ここも全要素に全ジャッジが加点。冒頭の対角線のステップだけレベル3。Jスポーツ解説の東野さんが「このカップルはジュニアの頃からエッジが明確」と言う。ツイズル、直線のリフト、回転リフトは加点2〜3。技術点52.41、演技構成点50.56、合計102.97でフリーも3位、総合3位。二度目の銅メダル、ソチ五輪へ。

 12番滑走でウィーバー・ポジェ組。曲はピアソラの「わたしはマリア」ほか。ここも全要素に全ジャッジが加点。しかも、ほぼ加点2〜3。一つめの回転リフトと対角線のステップだけレベル3。技術点54.43、演技構成点56.43、合計110.86でフリーも2位、総合2位。ソチ五輪へ。
 最終滑走でヴァーチュー・モイア組。衣装を変更。女性は白に銀の衿飾り。リンクに映える衣装にしているらしい。曲はグラズノフのバレエ『四季』より。第3ツイズルで女性が珍しく1回転半で足をついたので、第2ツイズルまでの評価でレベル3。他の要素は全てレベル4で全ジャッジが加点。直線のリフト、サーキュラーステップ、カーブのリフト、二つめの回転リフト、最後のコリオリフトは加点3。全体がひとつながりのプログラムになっている。演技構成点もつなぎ、振り付け、音楽表現で10点満点。技術点57.92、演技構成点59.95、合計117.87でフリーも1位、総合優勝。6連覇でソチ五輪へ。

フィギュアスケート (2014.4/3,5,6,10,12,13,14,19,26,28,5/3)

全米選手権 (2014.1/5〜12 ボストン)

 <男子シングル>19人参加。アボットが完璧な演技で優勝したらしい。2位がジェイソン・ブラウン、3位がアーロン。4位はファリス。アメリカの男子シングルのソチ五輪枠は2枠。
 2番滑走でドーンブッシュ(22)。昨年6位。今季中国杯5位、ロシア杯5位。Jスポーツ解説の杉田さんは「力はあるが波が大きい」。いきなり4回転成功。トリプルアクセルも決めた。スピン二つとステップでレベル4。連続ジャンプはルッツからの連続3回転を跳んだ。技術点2番目の52.11、演技構成点3番目の39.93、合計92.04は全米最高得点、もちろん自己ベスト更新でSP2位。
 4番滑走でメッシング(22)。昨年16位。冒頭でトリプルアクセルを4回転に変更したが両ひざをついた。続くトリプルアクセルの予定が空中分解し2回転でかろうじて着氷。スピン一つがレベル4。後半、ルッツからの連続3回転の予定がルッツが1回転で要素を失う。技術点29.08、演技構成点33.07、合計61.15でSP14位。

 第2グループ7番滑走でムロズ(23)。昨年9位。8年連続出場。今季ロシア杯9位。冒頭で見事な4回転3回転成功。ところが次のトリプルアクセルが1回転に。要素を失う。スピン一つがレベル4。ステップからのルッツはこらえた。技術点35.96、演技構成点34.61、合計70.57でSP9位。
 8番滑走でキャリエール(24)。昨年10位。2007年世界ジュニア王者。冒頭で4回転に挑戦、ほぼ成功したのに転倒。レベル3のスピンをはさんでトリプルアクセルの予定が1回転。要素を失う。ルッツからの連続3回転は第2が2回転に。技術点31.67、演技構成点33.75、合計64.42でSP12位。
 9番滑走でジェイソン・ブラウン(19)。昨年8位。曲はプリンスの「ザ・クエスチョン・オブ・ユー」。今季スケートアメリカ5位、ボンパール杯3位。冒頭の要素はトリプルアクセル。無事着氷。フリップからの連続3回転は準備動作なしでスムーズに成功。GOE1.7。スピン二つとステップはレベル4。特にステップはGOE2.1。ステップからのルッツは片手上げでGOE1.6。トリプルアクセル以外は流れるような動きの連続で、今季最高の出来ではないか。技術点45.79、演技構成点2番目の41.68、合計87.47でSP3位。

 第3グループ12番滑走でマイナー(22)。昨年2位。曲は「追憶」。今季スケートカナダ9位。冒頭にステップを持ってくる変わった構成。レベル3。ステップからのフリップは手を付いた。トリプルアクセルの予定が1回転に。要素を失う。直後のスピンはレベル2。後半、ルッツからの連続3回転は成功。スピン二つでレベル4。技術点33.01、演技構成点38.93、合計71.94でSP8位。がっかりした表情。
 14番滑走でリッポン(24)。昨年5位。曲は「カルメン組曲」。今季スケートアメリカ2位、NHK杯4位。GP初戦はSP冒頭の4回転ルッツを成功、NHK杯ではミス。全米では安全策で3回転ルッツに変更したが、トリプルアクセルで転倒。フリップからの連続3回転でもオーバーターンがあり、裏目に出た。スピン二つとステップはレベル4。技術点39.33、演技構成点5番目の39.25、合計でSP6位。コーチともども暗い顔。
 最終グループ15番滑走でアボット(28)。昨年3位。ほぼ完璧。曲はピナ・バウシュの映画より「谷間の百合」。今季スケートカナダ6位、NHK杯3位。「滑り出しからスムーズに体が動いている」と解説の杉田さん。冒頭の4回転3回転はあっさりと成功。GOE2.14。ステップからのルッツも決める。スピン三つとステップはレベル4に加点。トリプルアクセルもきちんと下りてGOE2.29。最後のステップはGOE2.1。基礎点42.2に全体でなんと加点11.7。終わったとき珍しく何度もガッツポーズ。技術点最高の53.9、演技構成点も最高の45.96、合計99.86は全米史上最高得点でSP1位。

 16番滑走でファリス(19)。昨年4位。曲は「リベルタンゴ」。今季スケートカナダ5位。冒頭のトリプルアクセルはきれいに成功。フリップからの連続3回転も決める。レベル3のスピンをはさんでステップからのルッツも成功。ところがステップで二度つまづく。最後のスピンは疲れたのかレベル2。技術点40.41、演技構成点37.96、合計78.37でSP5位。
 17番滑走でアーロン(21)。昨年優勝。曲は「ある恋の物語」。今季スケートアメリカ3位、NHK杯7位。冒頭で4回転サルコウに3回転の予定だったが、4回転が少し傾いたので2回転を付ける。ステップからのルッツは決める。スピン三つはレベル4。トリプルアクセルは豪快に成功。GOE2.0。技術点3番目の47.17、演技構成点4番目の39.78、合計86.95でSP4位。

 フリー。第2グループ6番滑走でメッシング。曲は「マスク・オブ・ゾロ」。冒頭で4回転3回転豪快に成功。GOE2.0。解説の杉田さんが「パワーで滑る選手」と言う。一歩の滑りに伸びがない。二つ目の4回転は転倒。後半、トリプルアクセルを途中でほどいて2回転。ソロのループも2回転に。続くルッツは3連続の予定が第2第3ジャンプ付かず。技術点71.02、演技構成点66.28、合計136.3でフリー11位、総合12位。
 8番滑走でキャリエール。冒頭の4回転はアンダーローテーションで両手つき。第2ジャンプ付かず。次は二つ目の4回転の予定を変えてトリプルアクセルからの連続3回転にしようとしたがアクセルが1回転。しかしソロのトリプルアクセルをなんとか跳んだ。ステップと最後のスピンはレベル4。後半、ルッツから1回転をはさむ3連続のところでルッツがオーバーターン、なんとか3回転を付ける。終盤のソロのルッツとコリオシークエンスはよかった。技術点68.27、演技構成点70.56、合計138.83でフリー9位、総合10位。
 第3グループ13番滑走でマイナー。冒頭のトリプルアクセルからの連続ジャンプで乱れ。ルッツからの連続3回転は成功。スピン三つとステップはレベル4。しかし、二つ目のトリプルアクセルが1回転に。それでもルッツから1回転をはさむ3連続も決め、技術点72.53、演技構成点80.34、合計152.87でフリー6位、総合7位。スケーティングはいいのにジャンプが不調。

 最終グループ14番滑走でファリス。曲は「シンドラーのリスト」。フリップを決めた後の4回転は転倒。ループからの3連続は成功。スピン二つとステップはレベル4。後半、トリプルアクセルからの連続3回転の予定が第2ジャンプが2回転。しかし他のジャンプは予定通り。滑りもよく、技術点87.17、演技構成点83.52、転倒の減点1、合計169.69は本人の全米自己ベスト大幅更新でフリー4位、総合4位。
 15番滑走でアーロン。曲は「カルメン」。冒頭の4回転サルコウ3回転の予定が、4回転が少しゆがみ、第2が2回転に。二つ目の4回転サルコウも手をついたがなんとか下りる。ステップはレベル3、スピンは三つともレベル4。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプ、ソロのトリプルアクセルも成功。ルッツから1回転を挟む3連続は第3ジャンプが2回転に。それでも技術点最高の93.51、演技構成点79.98、合計173.49でフリー3位、総合3位。ソチ五輪に一歩届かず。
 16番滑走でリッポン。曲は「牧神の午後」。冒頭の4回転ルッツがいきなり1回転に。続くトリプルアクセルまで1回転。これで大逆転は不可能に。それでもループを決めるとレベル4のフライングスピンとレベル3の足替えスピン。しかし二つ目のトリプルアクセルも1回転。フリップからの連続3回転も第2が2回転。それでもルッツからの3連続とソロのルッツは、得意の両手上げで決めた。ステップと最後のスピンもレベル4。滑りは素晴らしいのだが、ジャンプがこれでは。技術点63.67、演技構成点80.94、合計144.61でフリー7位、総合6位。

 17番滑走でジェイソン・ブラウン。曲は「リバーダンス」。すばらしかった。二つ目のトリプルアクセルがアンダーローテーションになったが、あとは予定通り。スピン三つとステップはレベル4。特にリバーダンスの動きが入ったステップとコリオシークエンスはGOE2.1。技術点89.27、演技構成点2番目の93.34、合計182.61は全米自己ベスト更新でフリー1位、総合2位。信じられない、という感じで喜んでいた。ソチ五輪当確。
 18番滑走でSP2位のドーンブッシュ。曲はビートルズ・メドレー。冒頭のルッツは決めたが、次の4回転のはずが2回転サルコウ。トリプルアクセルも1回転に。スピン三つとステップはレベル4。ルッツから1回転を挟む3連続も決める。最後に余分な1回転のフリップを跳んでしまい、無得点。技術点65.82、演技構成点78.52、合計144.34でフリー8位、総合5位。
 最終滑走でアボット。曲は「」。冒頭の4回転成功。次のトリプルアクセルからの連続3回転は第2が2回転。あとのジャンプは予定通り。二つ目のトリプルアクセルがアンダーローテーションになったくらい。スピン三つとステップはレベル4。技術点80.99、演技構成点最高の93.42、合計99.86でフリー2位、総合優勝。

 <女子シングル>31人参加。ゴールドが初優勝。2位にジュニアGPファイナル4位のエドモンズ、3位に長洲。ワグナーは4位らしいが、ソチ代表に。今回は全米だけでなく他の競技会の成績も考慮して五輪代表を決める。アメリカの女子シングルのソチ五輪枠は3。
 6番滑走でC. ジャン、8番滑走でシラージ、10番滑走で2010年全米女王のフラットが出場。ジャンは連続ジャンプの第2ジャンプがダウングレード。合計47.87でSP19位。シラージは冒頭の連続3回転で転倒。ステップからのループが1回転で要素を失う。合計44.67でSP21位。フラットは冒頭の連続ジャンプの予定が1回転のルッツになり要素を失う。フリップに2回転を付ける。レイバックスピンもレベル1と取りこぼし。合計46.57でまさかのSP20位から。
 1番滑走でケイン(18)。昨年12位。今季ネーベルホルン杯3位。冒頭でフリップからの連続3回転成功。ステップからのループ、後半にダブルアクセルと決め、スピン三つとステップはレベル4。技術点34.89、演技構成点26.56、合計61.45でSP5位。
 第3グループ13番滑走で長洲(20)。昨年全米7位。バンクーバー五輪4位、今季はNHK杯8位、ロシア杯3位。冒頭トウループの連続3回転なんとか成功。スピン三つとステップはレベル4。特に最後のレイバックスピンはGOE1.36。後半、ステップからのループ、ダブルアクセルも決めた。ほぼノーミスで技術点3番目の36.97、演技構成点28.47、合計65.44でSP3位。

 14番滑走でガオ(19)。昨年全米8位。今季スケートカナダ4位、ボンパール杯8位。冒頭トウループの連続3回転成功。ダブルアクセル、ステップからのループも決める。スピン三つはレベル4。ステップでは途中二回も滑りすぎて止まりかけた。レベル3。技術点32.68、演技構成点28.23、合計60.91でSP6位。
 15番滑走でゴールド(18)。昨年全米2位。今季スケートカナダ3位、NHK杯4位。SPの曲をグリーグのピアノ協奏曲に変更。振り付けはローリ・ニコル。真っ赤な衣装。冒頭ルッツからの連続3回転成功。スピン三つとステップはレベル4。特にステップはGOE1.6。ステップからのループ、ダブルアクセルも決めた。技術点ダントツの40.34、演技構成点2番目の31.78、合計72.12でSP1位。
 最終グループ18番滑走でワグナー(22)。全米2連覇中。今季スケートアメリカ2位、ボンパール杯優勝、GPファイナル3位。冒頭フリップからの連続3回転の予定が第2ジャンプ2回転に。スピン三つはレベル4。ステップはレベル3。ステップからのループ、ダブルアクセルは決めた。技術点32.51、演技構成点最高の32.2、合計64.71でSP4位。

 19番滑走でザワツキー(19)。一昨年、昨年全米3位。今季は中国杯7位、ロシア杯6位と伸び悩み。身長が170pに。冒頭トウループの連続3回転は成功。しかしステップからのルッツが2回転に。要素を失う。スピン三つはレベル4。ステップはレベル3。技術点28.32、演技構成点25.86、合計54.18でSP13位と大きく出遅れ。
 20番滑走でシザーリオ(20)。昨年全米8位。今季はスケートアメリカ5位、ボンパール杯4位。曲は「火の鳥」。オレンジと黄色の衣装。冒頭の連続ジャンプは珍しいループの連続3回転の予定だったが3回転2回転に。第2ジャンプは回転不足かも。ステップからのフリップは決める。レイバックスピンはレベル1。ダブルアクセルの後のフライングスピンとステップはレベル3。最後のスピンはレベル4。技術点28.65、演技構成点26.23、合計54.88でSP11位。
 最終滑走でエドマンズ(15)。ロシア系らしい。身長は164pだがもっと伸びているようだ。昨年は全米ジュニア優勝。今季ジュニアGPシリーズで2連勝。レモンイエローの衣装。冒頭でルッツからの連続3回転を軽々と決める。ステップからのフリップも成功。スピン三つはレベル4。ステップはレベル3。技術点2番目の37.14、演技構成点3番目の29.61、合計66.75でSP2位。

 フリーでは、2番滑走のジャンは、冒頭のフリップからの連続ジャンプは決めたがルッツで転倒。ジャンプか不調で後半には、3連も決めたが1回転も。得意だったスピンもレベル2と3。合計85.19でフリー18位、総合19位。フラットは、これが最後の全米らしい。しかしスピンは遅く、レベル2が二つ。後半、二つ目のフリップで転倒。これは連続ジャンプ扱いで、最後のダブルアクセルからの連続ジャンプが無得点に。合計88.57でフリー17位、総合18位。
 第2グループ5番滑走でザワツキー。冒頭連続3回転は決めたが、2回転ジャンプを連発。ルッツは手を付いた。技術点48.93、演技構成点50.05、合計98.98でフリー11位、総合11位。キスアンドクライで泣いていた。
 第3グループ10番滑走でシザーリオ。曲は「カルメン」。ほぼノーミス。中盤、レイバックスピンがレベル2、ループからダブルアクセルのシークエンスでダブルアクセルがアンダーローテーションになったくらい。技術点61.45、演技構成点57.64、合計119.09でフリー4位、総合5位。

 最終グループ16番滑走でガオ。冒頭のフリップからの連続3回転はきれいに決めた。ダブルアクセルと、ルッツからの連続ジャンプも成功。しかし後半、フリップとループで転倒。直後のスピンはレベル2。サルコウは1回転で両足。トウループはなんとか決めると、コリオシークエンスと最後のスピンは少し立ち直りを見せた。技術点49.23、演技構成点54.89、転倒の減点2、合計102.12でフリー10位、総合8位。
 17番滑走でワグナー。曲はラフマニノフ「ロミオとジュリエット」。冒頭のフリップからの連続3回転で転倒。ダブルアクセル、サルコウは成功。ステップとスピン一つがレベル3。後半、ループでまた転倒。フリップからの3連続の予定も2連続に。技術点58.48、演技構成点3番目の61.55、転倒の減点2、合計でフリー5位、総合4位。全米では4位まで表彰されるが、キスアンドクライでソチは無理と涙。今季は靴のトラブルがあったらしい。道理で昨年の勢いがないと思った。しかし他の競技会の成績も考慮され、ソチ五輪代表に選出された。
 18番滑走でケイン。SP6位で五輪出場の重圧から無縁と思われたが、ジャンプが不調に。冒頭のルッツからの3連続の予定はルッツが1回転で単発に。フリップはダウングレード。ループも1回転。レイバックスピンはレベル3。フリップもダウングレード。ループからの3連続は成功。スピン二つはレベル4。サルコウ、ダブルアクセルはほぐれてきて、きれいに決めた。技術点37.96、演技構成点52.23、合計90.19でフリー16位、総合12位。

 19番滑走でエドマンズ。曲はグリーグの「ペール・ギュント」より。冒頭は3連続3回転の予定だったが、ルッツからの2連続3回転に。次のフリップから1回転をはさむ3連続成功。スピン三つはレベル4。後半、フリップで転倒、しかし素早く立ち上がる。ループからの連続ジャンプも3連続の予定だったが2連続に。全米では、3連続を三つ入れてもいいらしい。技術点2番目の66.21、演技構成点2番目の61.67、合計でフリーも2位、総合2位。ソチ五輪代表に。
 20番滑走で長洲。GPシリーズの後、コーチがいない状態で参加しているとか。曲はジェームズ・ボンドメドレー。冒頭のフリップからの連続ジャンプはフリップがアンダーローテーション。ダブルアクセルからの3回転、ソロのルッツも成功。ステップとスピン三つはレベル4。ループからの3連続も決める。ジャンプの着氷が全体的に不安定だが、今季の演技では一番。技術点3番目の65.62、演技構成点4番目の60.68、時間超過の減点1、合計125.3でフリー3位、総合3位。昨年、一昨年と7位だった。復活の表彰台では嬉し涙。しかしソチ五輪代表からはもれた。NHK杯8位が響いたか。エキシビションでは涙を流しながら登場。長洲の落選を知った観客からは温かい拍手。
 最終滑走でゴールド。曲はチャイコフスキー「眠れる森の美女」。 冒頭でルッツからの連続3回転はルッツの軸が少し曲がったが、立て直して成功。続けてダブルアクセルからの3回転ジャンプも決める。レベル3のステップの後、フリップで両手を交互についたが、他のジャンプは全て成功。スピン三つはレベル4。技術点最高の71.27、演技構成点も最高の68.3、合計139.57でフリーも1位、総合優勝。総合得点211.69は歴代最高点。200点越えたのは、フラットの優勝以来とか。

 <ペア>12組参加。これでも昨年より2組多いとか。カステリ・シュナピア組が連覇。ジャン・バーソロメイ組が2位。デニー・コーフリン組は僅差の3位。シメカ・クニエリム組が4位。アメリカのペアのソチ五輪枠は2。代表は全米の結果だけでなく今季の国際実績も加味するとのこと。
 第2グループ5番滑走でシメカ・クニエリム組(22,26)。2012年から組んだ。昨年2位。冒頭のツイストはレベル2だがGOE2.1。ソロジャンプは二人とも転倒。ペアスピン、リフト、ステップはレベル4。曲より少し遅れて終了。技術点3番目の38.71、演技構成点2番目の29.97、転倒の減点2、合計64.68でSP5位。
 6番滑走でジャン・バーソロメイ組(20,24)。昨年僅差の3位。曲は「カルーセル・ワルツ」。ツイストは低いがレベル3。ソロジャンプもギリギリだが成功。スロージャンプも低くて近いが決まる。ステップ、リフト、ペアスピンはレベル4。解説の杉田さんは「ペアらしいスピードに少し欠ける。」と言う。しかし要素的にはノーミスで技術点2番目の39.69、演技構成点26.81、合計66.56でSP2位。

 7番滑走でK. デニー・コーフリン組(20,28)。昨年は男性が臀部の手術後のリハビリ中で欠場。おととし初めて組んだ年に優勝。曲は「トスカ」。ツイストはレベル3にGOE2.0。ソロジャンプは女性が2回転。デススパイラルはレベル3。スロージャンプは片手つき。リフト、ステップ、ペアスピンはレベル4。杉田さんは「ペアらしい迫力のある演技」と言う。技術点35.89、演技構成点3番目の29.51、合計65.4でSP4位と少し出遅れ。
 最終グループ10番滑走でH. デニー・フレイジャー組(18,21)。昨年5位。曲は昨年と同じ「マラゲーニャ」。ツイストはレベル2。ソロジャンプは女性が転倒。杉田さんは「女性が去年より太ったのではないか。」と言う。リフト、ペアスピン、ステップはレベル4だが、なんとデススパイラルがレベルB。技術点34.37、演技構成点26.15、転倒の減点1、合計59.52でSP8位と完全に出遅れ。
 最終滑走でカステリ・シュナピア組(23,26)。曲はサンタナの「ブラック・マジック・ウーマン」他。他の組とスピードが違う。ツイストは高く、レベル4でGOE1.4。ソロジャンプはサルコウで成功。デススパイラルレベル3。ペアスピンで途中、女性を持ち上げてしまい、レベル2と取りこぼし。スローサルコウはGOE2.0。ステップとリフトはレベル4。技術点最高の41.64、演技構成点も最高の31.49、合計73.13でSP1位。

 フリー。5番滑走でシメカ・クニエリム組。ツイストはレベル2。スロージャンプはオーバーターンと両足。ソロジャンプはなんとか決める。デススパイラル、スピン二つ、リフト三つはレベル4。技術点64.57、演技構成点60.42、合計124.99でフリー4位、総合4位。
 6番滑走でH. デニー・フレイジャー組。曲は「パリのノートルダム」。ツイストはレベル2。スローループはスピードにのって決め、GOE1.3。スピン二つ、デススパイラル、リフト三つはレベル4。フリーは目指す演技ができたらしく、二人ともニコニコ。技術点65.21、演技構成点56.86、合計122.07でフリー5位、総合5位に浮上。
 最終グループ9番滑走でK. デニー・コーフリン組。曲は「オペラ座の怪人」。ツイストはレベル3だがGOE1.9。スローループもGOE1.8。ところが連続ジャンプで男性が第1ジャンプで1回転アクセル。スピン二つとリフト三つはレベル4。デススパイラルは少し高くてレベル3。後半少しスピードが落ちた。それでも技術点2番目の69.07、演技構成点最高の66.96、合計136.03でフリー1位、総合3位。

 11番滑走でカステリ・シュナピア組。曲は007より「スカイフォール」。ツイストはすごく高くレベル4にGOE1.8。しかしソロジャンプで女性が2回転。スロー4回転サルコウは回ったが転倒。スピン二つとリフト三つはレベル4。デススパイラルはレベル3。技術点2番目の66.06、演技構成点67.52、合計132.58でフリー3位、総合優勝。
 最終滑走でジャン・バーソロメイ組。曲は「レ・ミゼラブル」。ツイストはやっぱり低いがレベル3。ソロジャンプはよく合っていてGOE1.3。スローフリップも低いがGOE1.3。二つ目のスローサルコウはGOE1.7。デススパイラルレベル3。スピン二つとリフト三つはレベル4。杉田さんは「どこか一つこれという強みはない。」と言う。技術点最高の71.4、演技構成点3番目の63.82、合計135.22でフリーも2位、総合2位。
 1位と2位がソチ五輪、1位と3位が世界選手権、4〜6位が四大陸代表に決定。

 <アイスダンス>18組参加。半分以上が予選免除の組とか。デイヴィス・ホワイト組が6連覇。チョック・ベイツ組が2位、シブタニ兄妹が3位。ハベル・ドナヒュー組が4位。Jスポーツの解説は、テクニカル・スペシャリストの東野さん。
 4番滑走でオルドリッチ・イートン組(19,21)。昨年全米ジュニア優勝、世界ジュニア3位。今回はシニアの地区予選を勝ち上がってきた。曲は「ザ・マスク」より。フィンステップは両セクションともレベル3。ツイズルと回転リフトはレベル4。ステップもレベル3。技術点33.79、演技構成点29.92、合計63.71でSD5位。
 9番滑走でハベル・ドナヒュー組(22,22)。昨年4位。一昨年3位。フィンステップは両セクションともレベル3。ツイズルとカーブのリフトはレベル4。サーキュラーステップはレベル3。技術点33.93、演技構成点32.76、合計66.69でSD4位。かなりいい点だったらしく、喜んでいた。

 11番滑走でシブタニ兄妹(19,22)。ツイズルでは第1は高速、第2は出がそろわず、第3で男性がよろめいたので第2までが採点対象とのこと。フィンステップはレベル3と4。ステップはレベル3だがGOE2.29。東野さんが「めずらしくスタンブルがあった。」と言う。「力強くないがエッジがきれいだ」とも言う。回転リフトはレベル4。技術点34.3、演技構成点33.7、合計68.0でSD3位。
 12番滑走でチョック・ベイツ組(21,24)。女性のスカートが金の腰蓑みたいなのはいかがなものか。フィンステップは両セクションともレベル4。ツイズルもレベル4。ステップはレベル4でGOE2.14。回転リフトもレベル4。 技術点38.64、演技構成点34.77、合計73.41でSD2位。
 14番滑走でデイヴィス・ホワイト組(27,26)。曲は「マイフェアレディ」。全ての要素がレベル4。ステップはなんとGOE3.0。フィンステップも両セクションともGOE1.5と1.43。回転リフトはGOE1.5。この組だけずば抜けていて、別次元の滑り。技術点40.93、演技構成点39.76、合計80.69でSD1位。

 フリー。14番滑走でハベル・ドナヒュー組。曲は「ボヘミアン・ラプソディー」。振り付けはカメレンゴ。二人とも黒っぽい衣装でしっとりと滑った。リフト四つとツイズルとスピンはレベル4。サーキュラーステップはレベル3だがGOE2.0。ほぼノーミスで、終わったとき、すごく喜んでいた。技術点50.79、演技構成点も50.79、合計101.58でフリー4位、総合4位。
 最終グループ15番滑走でオルドリッチ・イートン組。曲はインドの音楽より。振り付けはここもカメレンゴ。女性の風貌に衣装も似合っているが、男性のガウン風のは今ひとつ。リフト四つとツイズルとスピンはレベル4。ステップ二つは両方ともレベル3で、GOEは1.71と1.86。微妙に足をあげるタイミングなどが前の組よりずれている。技術点49.78、演技構成点46.77、合計96.55でフリー5位、総合5位。
 16番滑走でシブタニ兄妹。曲はマイケル・ジャクソン・メドレー。リフトはロングリフトも含めて全てレベル4。ロングリフトはGOE2.57。ステップ二つはレベル3だが両方ともGOE2.0。スピンもレベル4。いつもと違うタイプ曲で、五輪の年にチャレンジしてきたが、演技が少し長く感じる。技術点50.35、演技構成点52.09、合計102.44でフリー3位、総合3位。

 17番滑走でデイヴィス・ホワイト組。曲は「シエラザード」。女性の衣装の色がみどり色に。前はたぶん水色だった。全ての要素がレベル4。しかも二つのステップとロングリフトでGOE3.0。解説の東野さんは、「GPファイナルなどではていねいに演技していたが、ここでは力を出し切っている。」という。技術点59.5、演技構成点60.0、合計119.5でフリーも1位、総合優勝。
 最終滑走でチョック・ベイツ組。曲は「レ・ミゼラブル」。組みかえて3年目、東野さんは「カップルとして個性が出て来た。」と言う。対角線のステップだけレベル3、あとは全てレベル4。冒頭のロングリフトでGOE2.86。サーキュラーステップではGOE2.14、対角線のステップはGOE2.0。強いところはステップで加点が取れる。技術点54.28、演技構成点53.75、合計108.03でフリー2位、総合2位。
 ソチ五輪代表として1位、2位、3位が出場。世界選手権も同じ。四大陸に4〜6位が出場。

ページトップへ

フィギュアスケート (2014.3/26,27,29,30,)

世界選手権 (2014.3/26〜29 埼玉)

 <男子シングル>32人参加。主な欠場者は、チャン、デニス・テン、高橋大輔、ジュベール。日本からは羽生、町田、小塚。カナダはレイノルズ、バルデ、ニューエン。チェコはブレジナとヴェルネル。アメリカはアボットとアーロン。中国はハン・ヤン。カザフスタンはラキムガリエフ。フランスはベゼギエ。スペインはフェルナンデス。フジテレビでは、第5と第6グループのみ放送。
 21番滑走でアボット(米。28)。この大会で引退。曲は映画「ピナ」より「谷間の百合」。振り付けはアボットがフィギュアスケートを始めるきっかけになったロビン・カズンズ。冒頭の4回転は回ったがアンダーローテーションで転倒。ルッツからの連続3回転は成功。トリプルアクセルも美しく下りた。スピン三つとステップはレベル4。滑りはソチ五輪の方が滑らかだったが、大きなミスなく終えて笑顔。技術点40.85、演技構成点39.82、転倒の減点1、合計でSP8位。
 22番滑走でコフトゥン(露。18)。曲は「ファルーカ」。4回転を二つ入れる。冒頭の4回転サルコウはアンダーローテーションでこらえる。続く4回転トウループはきれいで2回転を付ける。トリプルアクセルは美しく、全ジャッジが加点。スピン三つはレベル4、ステップはレベル3。技術点44.19点、演技構成点40.47、合計84.66でSP7位。

 23番滑走でアーロン(米)。冒頭で4回転サルコウが傾いたが3回転を付ける。強引だが強い。ステップからのルッツは全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルはステップアウト。スピン三つとステップはレベル4。技術点40.53、演技構成点37.79、合計78.32でSP9位。
 24番滑走でブレジナ(チェコ)。曲は「山の王の洞窟で」。冒頭の4回転サルコウは片手をついたが、2回転を付ける。しかし、ステップからのフリップは2回転で要素を失う。しかもアクセルが1回転でこれも要素を失う。技術点26.43、演技構成点36.82、減点1、合計62.25でSP23位。かろうじてフリーへ。
 25番滑走で小塚。高橋の欠場で急きょ出場。3週間しか練習できず、全体に固い感じ。曲は7拍子の「アンスクエアダンス」。冒頭の4回転は両足。トリプルアクセルはなんとか決める。ルッツからの連続3回転も成功、全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル4。なんとか大きなミスなしで笑顔。技術点44.89、演技構成点40.65、合計85.54は今季最高でSP6位。

 26番滑走で町田。ソチ五輪5位。曲は「エデンの東」。完璧な出来。全要素に全ジャッジが加点。冒頭の4回転3回転は滑らかで加点2〜3。トリプルアクセルも加点2〜3。後半、ステップからのルッツは加点1〜3。フライングスピンとステップでレベル4。技術点52.82、演技構成点は三つの要素で9点台の45.39、合計98.21は自己ベスト更新でSP1位。キスアンドクライでは、大西コーチの他、振り付けのミルズとも抱き合った。インタビューで「得点よりも、このプログラムの今季最高の出来だったことが嬉しい。」と言っていた。
 最終グループ27番滑走でマヨロフ(スウェ)。冒頭の4回転が2回転になり、要素を失う。連続ジャンプはルッツからの連続ジャンプだが第2ジャンプが2回転トウループで、冒頭のジャンプと同じになり、これも要素として認められず。しかもトリプルアクセルで転倒。技術点21.54、演技構成点35.07、転倒の減点1、合計55.61でSP最下位。フリーに進めず。
 28番滑走でヴェルネル(チェコ。27)。この大会で引退。ピアソラの曲。冒頭の4回転なんとか成功。予定の連続ジャンプにはならず。トリプルアクセルもきちんと決めた。後半、ルッツに3回転を付ける。スピン二つとステップでレベル4。ノーミスで終え、氷の上にひっくり返って喜ぶ。技術点47.83、演技構成点41.25、合計89.08は自己ベスト更新でSP4位。

 29番滑走で羽生。曲は「パリの散歩道」。固い顔で緊張気味。冒頭の4回転で転倒。軸が傾き、アンダーローテーションに。他の要素は全ジャッジが加点。後半のトリプルアクセルは加点1〜3で、このへんから少しほぐれる。ルッツからの連続3回転はきれいに成功。スピン三つとステップはレベル4。技術点46.74、演技構成点はパフォーマンス以外9点台で45.5、転倒の減点1、合計91.24でSP3位。インタビューでは、いつもと同じ気持ちで滑ったと言っていたが、解説の本田は、「4回転に入る前、いつもよりリンクを小さく回ってしまい、いつもより角度がついて跳んでいる。」と言っていた。
 31番滑走でフェルナンデス(西)。曲は「サタンの休日」。すごくリラックスして滑っていた。足替えシットスピン以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭の4回転サルコウはきれいに決め、加点2〜3。トリプルアクセルも加点1〜3。後半、ルッツからの連続3回転も決める。スピン三つとステップはレベル4。技術点51.43、演技構成点44.99、合計96.42は自己ベスト更新でSP2位。
 最終滑走でハン・ヤン(中)。冒頭の幅のあるトリプルアクセルは全ジャッジが加点2〜3。続けて4回転をなんとか決める。スピン三つとステップはレベル4。しかし後半、ルッツからの連続3回転の予定が第2ジャンプ2回転に。口笛を吹く仕草や何かを招いたり手を振って拒んだりする振り付けは、ローリ・ニコル。技術点46.16、演技構成点40.54、合計86.7でSP5位。

 フリーには24人が進む。しかしブレジナが棄権したようだ。フジテレビでは第3と最終グループを放送。12番滑走でアーロン。曲は「カルメン」モダンアレンジ。冒頭の4回転サルコウは両手をついたが2回転を付けた。続くソロの4回転サルコウはなんとか立った。二つのフライングスピンはレベル4に全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルでオーバーターン。二つ目も乱れて第2ジャンプ付かず。フリップから1回転をはさむ3連続はバランスがくずれかけた上eマーク。得意のジャンプが不調で、技術点9番目の75.04、演技構成点72.3、合計147.34でフリー8位、総合8位。
 14番滑走でアボット。ついにSPとフリーをまずまずでそろえて、有終の美。曲は「エクソジェネシス:交響曲第3部」。冒頭の4回転は下りた。続くトリプルアクセルからの連続ジャンプもなんとか決めた。スピン三つとステップはレベル4。ステップは全ジャッジが加点。後半、二つ目のトリプルアクセルも成功。ルッツからの3連続も、第2第3ジャンプがアンダーローテーションながら決めた。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点2〜3。全体的にややスピードに欠けたが大きなミスなく終えた。技術点4番目の80.52、演技構成点は全て8点台で4番目の86.16、合計166.68は自己ベスト更新でフリー4位、総合5位。
 17番滑走でコフトゥン。曲は「ピアノ協奏曲第1番」。三つ入れる予定の4回転。冒頭の4回転サルコウがいきなりパンクして1回転。続く4回転トウループはきれいに成功。三つ目の4回転は入れずにルッツからの連続3回転に変更。スピン三つとステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ソロのトリプルアクセルとトリプルアクセルからの連続ジャンプも決める。技術点5番目の80.49、演技構成点6番目の82.22、合計でフリー5位、総合4位。

 最終グループ18番滑走でヴェルネル。曲は「リベルタンゴ」他。冒頭の4回転はなんとか決めたが、二つ目の4回転は2回転に。トリプルアクセルの予定が1回転。フリップは決める。ステップとスピン二つはレベル4。立ち直ったかと思ったが、後半、トリプルアクセルの着氷が不安定でソロに。ループが1回転、ルッツも2回転に。次の3連続のところはソロのトリプルアクセルに変更。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。技術点53.20、演技構成点7番目の80.86、合計134.06でフリー15位、総合10位。せっかく引退を延長して来日したが、集中が足りなかったのか、有終の美は飾れず。
 19番滑走でSP1位の町田。曲は「火の鳥」。冒頭でソロの4回転と、4回転2回転の連続ジャンプ成功。続けてトリプルアクセルからの連続3回転も決める。ソチのときより動きが滑らか。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ソロのトリプルアクセルはこらえた。ループもなんとか立った。ルッツはきちんと決め、フリップからの3連続も成功。技術点2番目の93.85、演技構成点はつなぎ以外9点台で3番目の90.20、合計184.05は自己ベスト更新でフリー2位、総合2位。初出場で優勝だと50年ぶりだったが、2位でも立派。
 20番滑走でハン・ヤン。曲は「美しき青きドナウ」他。一つ目のトリプルアクセルからの連続3回転は成功。4回転はパンク。二つ目のトリプルアクセルはダウングレードで転倒。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半、ソロのループ、ルッツからの3連続は第3ジャンプが1回転だが決める。フリップからの連続ジャンプも第2ジャンプが1回転でeマーク。スピン三つはレベル4。技術点66.49点、演技構成点8番目の79.72、合計145.21でフリー11位、総合7位。

 21番滑走でSP3位の羽生。曲は「ロミオとジュリエット」。冒頭の4回転サルコウはこらえて久々に決める。次の4回転トウループはきれいに下り、ほぼ全ジャッジが加点2〜3。ソチで崩れたフリップも決める。ステップとスピン二つはレベル4。特にフライングスピンは全ジャッジが加点1〜3。後半、二つのトリプルアクセルからの連続ジャンプも成功。ルッツから1回転をはさむ3連続も決める。基礎点90.12に全体でなんと加点9.81。最後のポーズの後、しばらく氷に突っ伏していた。立ち上がるとき腰を押さえ、腰痛らしい。技術点99.93、演技構成点91.42点、合計191.35でフリー1位、2位と0.33差という僅差の逆転で総合優勝。SP3位からの逆転は久しぶりらしい。優勝インタビューで「とにかく意地で滑った。」GPファイナル、オリンピック、世界選手権の3連覇はヤグディン以来とか。
 22番滑走でSP2位のフェルナンデス。曲は「ハーレム・ノクターン」。冒頭の4回転トウループ成功。続く4回転サルコウはオーバーターンしたが2回転を付ける。とトリプルアクセルはきれいに決めた。スピン三つはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、二つ目の4回転サルコウは全ジャッジが加点2〜3の出来。しかし次のルッツからの連続ジャンプでルッツが1回転に。フリップから1回転をはさむ3連続は決める。技術点3番目の88.33、演技構成点は滑走技術以外9点台で2番目の91.18、合計179.51でフリー3位、総合3位。
 最終滑走で小塚。曲は「ロンド・カプリチオーソ」。冒頭の4回転は両足。トリプルアクセルは両手付き。ルッツからの連続ジャンプは第2ジャンプが1回転。スピン三つとステップはレベル4。特に最後のフライング足替えスピンは加点1〜3。後半、二つ目のトリプルアクセルがアンダーローテーションで第2ジャンプ付かず。ルッツからの3連続の予定も2回転のみ。スピードにのった滑らかな滑りが見られず、スタミナ不足らしい。技術点68.42、演技構成点は全て8点台で84.06、合計152.48でフリー位、総合6位。インタビューでは「これでは終われないという理由になった。」と言っていた。

 <女子シングル>33人参加。主な欠場選手は、ソトニコワ、キム・ヨナ(引退)。日本からはソチと同じ浅田真央、鈴木明子、村上。フジテレビでは、第5と第6グループのみ放送。
 第5グループ最初の22番滑走で浅田真央(23)。ソチ五輪6位。曲は「ノクターン」。とうとうSPも完璧にできた。直前の6分間練習でも完璧に跳べていた、冒頭のトリプルアクセルをきれいに成功。ほぼ全ジャッジが加点2。助走のスピードがないように見えたが、力まずに跳べた。ステップからのフリップもきちんと決めた。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特に足替えスピンとステップは加点2〜3。後半、ループの連続ジャンプも全ジャッジが加点。最後のレイバックスピンのビールマンの時、にこにこしていた。技術点最高の42.81、演技構成点は二つの要素で9点台で2番目の35.85、合計78.66は世界歴代1位で自己ベスト更新、SP1位。滑り終わったとき、晴れ晴れとした顔をしていた。ものすごい数の花束が降ってきて、本人も二つほど拾っていた。
 23番滑走で村上(19)。ソチ五輪12位。曲は「バイオリン・ミューズ」。やっぱり少し固かった。冒頭のトウループの連続3回転は第2ジャンプが壁際でアンダーローテーション。フライングスピンはレベル3。足替えスピンはレベル4に全ジャッジが加点。このへんから少しほぐれたか。後半、ステップからのフリップもアンダーローテーション。ダブルアクセルとレベル4のステップと最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。技術点29.77、演技構成点31.09、合計60.86でSP10位。大きなミスはなかったが、フリー最終グループには入れず。

 24番滑走で鈴木明子(28)。この大会で引退。ソチ五輪8位。曲は「愛の賛歌」。まだ足が痛いはずの鈴木明子も完璧に近い。冒頭のトウループの連続3回転を成功、ほぼ全ジャッジが加点。ステップからのルッツも決める。スピン三つとステップはレベル4で、ダブルアクセルも含めて全ジャッジが加点。特にステップと最後の足替えスピンは加点2〜3。滑り終わったとき、涙が浮かんでいた。技術点5番目の37.34、演技構成点4番目の33.68、合計71.02は自己ベスト更新でSP4位。
 25番滑走でコストナー(伊。27)。この大会で引退。曲は「アヴェ・マリア」。冒頭のフリップからの連続3回転は全ジャッジが加点2〜3。ステップからのループも全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特にステップはほぼ加点3。レイバックスピンだけレベル3。技術点3番目の39.78、演技構成点はつなぎ以外9点台で最高の37.46、合計でSP2位。滑り終わった後、実に嬉しそうにリンクから上がり、コーチと抱き合っていた。
 26番滑走で李子君(中。17)。ソチ五輪14位。曲は「タンゴ」。冒頭の連続ジャンプがフリップの単独でステップアウト。要素を失う。続くルッツにも第2ジャンプ付けず。スピン二つとステップはレベル3。ただダブルアクセルとステップは全ジャッジが加点。最後のレイバックスピンだけレベル4で全ジャッジが加点2〜3。フジテレビ解説の八木沼が「滑りの一歩が小さい」と言う。技術点26.67、演技構成点27.7、合計でSP16位。

 27番滑走でゴールド(米。18)。ソチ五輪4位。曲はグリーグの「ピアノ協奏曲」。冒頭のルッツからの連続3回転成功。レイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。フライングスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。ステップからのループ、ダブルアクセルと決める。ステップと最後の足替えスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点2〜3。最後までスピードが落ちなかった。技術点4番目の37.57、演技構成点6番目の32.74、合計70.31は自己ベスト更新でSP5位。
 最終グループ28番滑走でワグナー(米。22)。ソチ五輪7位。曲はピンク・フロイド。冒頭の連続3回転は第2ジャンプがダウングレード。素人目には回ったように見えた。スピン三つとステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。メリハリの効いた演技だった。技術点30.84、演技構成点5番目の32.8、合計63.64と得点が伸びずSP7位。
 30番滑走でリプニツカヤ(露。15)。ソチ五輪5位。曲は「愛はまごころ」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のルッツからの連続3回転を軽々と決める。ほぼ全ジャッジが加点2。スピン三つとステップはレベル4。フライングスピンは加点2〜3、特に最後の二つのキャンドルスピンは全ジャッジが加点3。それでも技術点2番目の40.83、演技構成点3番目の33.71、合計74.54は自己ベスト更新でSP3位。もっと高得点かと思ったが、まだ演技構成点でジャッジの点が出ない。

 31番滑走でメイテ(仏。19)。ソチ五輪10位。曲は「The Question of U」。J. ブラウン(米)と同じ曲。頭の連続ジャンプはトウループの連続3回転に変更。全ジャッジが加点。ステップからのループ、ダブルアクセルも成功。フライングスピンとステップはレベル3。あと二つのスピンはレベル4で全ジャッジが加点。技術点33.1、演技構成点28.52、合計61.62は自己ベスト更新でSP9位。
 32番滑走でマルケイ(伊。27)。ソチ五輪11位。曲は「帰れソレントへ」。冒頭の連続ジャンプはサルコウがアンダーローテーションで第2ジャンプは2回転。ステップからのルッツは回ったが転倒。フライングスピンはレベル4だが、あと二つのスピンとステップはレベル3。しかも時間オーバーでも減点。技術点23.95、演技構成点28.32点、減点2、合計でSP22位。かろうじてフリーへ。
 放送されなかった上位選手。17番滑走でポゴリラヤ(露)。技術点36.41、演技構成点29.85、合計66.26でSP6位。19番滑走でオズモンド(加)。技術点33.07、演技構成点29.85、合計62.92でSP8位。

 フリーには24人が進む。フジテレビでは第3と最終グループを放送。13番滑走でSP8位のオズモンド。曲は「クレオパトラ」。冒頭は連続3回転のはずだがフリップから2回転の連続ジャンプ。技術点50.51、演技構成点58.21、転倒の減点1、合計107.72でフリー13位、総合11位。
 14番滑走で村上。曲は「愛のイェントル」より。冒頭のトウループの連続3回転は第2がアンダーローテーション。続くルッツはeマークでアンダーローテーション。慎重に跳んだループもアンダーローテーション。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続ジャンプはフリップがアンダーローテーション、ダブルアクセルもアンダーローテーション。サルコウからの3連続は第2がアンダーローテーション。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。アンダーローテーションが多く、得点は伸びず。技術点51.69、演技構成点59.89、合計111.58でフリー10位、総合10位。
 18番滑走でワグナー。曲は「サムソンとデリラ」に戻した。冒頭のフリップは全ジャッジが加点。ダブルアクセルから3回転トウは第2ジャンプがアンダーローテーション。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ループからダブルアクセルのシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。プログラムを変えたがよくできたと思う。本人も満足そうに終えた。技術点63.64、演技構成点65.88、合計129.52は自己ベスト更新でフリー4位、総合7位。

 最終グループ19番滑走でコストナー。曲は「ボレロ」。冒頭のルッツは全ジャッジが加点1〜3。ダブルアクセルからの連続ジャンプも成功。しかしフリップからの連続3回転で転倒。後半、ループが1回転に。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。サルコウからの3連続は第3ジャンプが1回転。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特にステップは全ジャッジが加点3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。ジャンプのミスでメダルに残れるか厳しくなった。技術点53.81、演技構成点はパフォーマンス以外9点台で最高の73.78、転倒の減点1、合計126.59でフリー6位、総合3位で銅メダル。
 20番滑走で鈴木明子。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭の3連続の第1ジャンプが2回転に。次のダブルアクセルから3回転トウループは第2ジャンプがダウングレード。続くルッツは成功。後半、フリップがアンダーローテーション。ループ、サルコウからの連続ジャンプは決めた。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。技術点55.57、演技構成点4番目の67.13、合計122.7でフリー8位、総合6位。それなりにやりきったように見えたが、インタビューでは「思い描いていたスケートはできなかった。悔しい思いもある。」と言ったらしい(3/30朝日新聞)。SPの翌日3/28に29歳の誕生日。ここまでよく第一線でやってきたと思う。
 21番滑走で浅田真央。曲はラフマニノフ「ピアノ協奏曲2番」。冒頭のトリプルアクセルは高く、完璧に見えたがアンダーローテーション。次のフリップからループの連続3回転もフリップがアンダーローテーション。ルッツはeマーク。後半、ダブルアクセルからの連続ジャンプの予定がステップアウトで第2ジャンプ付かず。サルコウとループは全ジャッジが加点。フリップからの3連続は第2、第3ジャンプのループがアンダーローテーション。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特に、ステップと最後のコリオシークエンスは加点2〜3。ミスはあったが晴れ晴れとした笑顔。技術点3番目の65.27、演技構成点はつなぎ以外9点台で2番目のの72.76、合計138.03でフリーも1位、総合優勝。金メダルをもらった後、佐藤コーチにかけてあげていた。インタビューでそれについて聞かれると「本当はオリンピックでかけてあげたかった。」と言っていた。

 22番滑走でリプニツカヤ。曲は「シンドラーのリスト」。冒頭のルッツからの連続3回転は軽く決めたが、ルッツがeマーク。ダブルアクセルからの3連続は第2ジャンプが3回転の予定だったが2回転に。後半、フリップは全ジャッジが加点。二つ目のダブルアクセルに3回転を付ける。しかし次のサルコウがダウングレードで転倒。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特に終盤のレイバックスピンは加点1〜3、足替えスピンは加点2〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点2〜3。技術点2番目の65.57、演技構成点3番目の68.39、転倒の減点1、合計132.96でフリー2位、逆転で総合2位に浮上。
 23番滑走でSP6位のポゴリラヤ(露。15)。曲は「パイレーツ・オブ・カリビアン」より「マーメイド」。冒頭でルッツからの連続3回転成功。ループから1回転をはさむ3連続も決める。スピン二つとステップはレベル4。特にステップと終盤のレイバックスピンはほぼ全ジャッジが加点1〜3。ノーミスで追え、技術点最高の67.19、演技構成点はつなぎ以外8点台で7番目の64.05、合計131.24は自己ベスト更新でフリー3位、総合4位と初出場で躍進。
 最終滑走でゴールド。曲は「眠れる森の美女」。冒頭でルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。しかしダブルアクセルの予定が1回転に。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ソロのルッツ、サルコウからの3連続と成功。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。二つ目のダブルアクセルがダウングレードで転倒。これで逆転メダルはなくなった。技術点58.58、演技構成点5番目の66.69、転倒の減点1、合計124.27でフリー7位、総合5位。

ページトップへ

フィギュアスケート (2014.2/20,21)

ソチ・オリンピック <女子シングル>(2014.2/19,20 ソチ・ロシア)

 <SP>30人参加。2/19SP、2/20フリー。ロシアは、ソトニコワ、リプニツカヤ。アメリカはワグナー、ゴールド、エドマンズ。イタリアはコトスナーとマルケイ。カナダは、オズモンドとデイルマン(16)。日本は、浅田真央、鈴木明子、村上。
 第1グループ1番滑走でグレボワ(エストニア。24)。曲は「Love in Three Acts」。アクセルが1回転になり要素を失う。合計46.19でSP29位。5番滑走でマッコーケル(英。27)。ほぼノーミスだったが合計48.34でSP25位。二人ともフリーに進めず。
 第2グループ7番滑走でクーシン・ジャン(中。18)。トウループの連続3回転、ステップからのルッツと今できることはやれた。合計55.8でSP14位。

 8番滑走でオズモンド(加。18)。曲はミュージカル『Sweet Charity』より。冒頭でトウループの連続3回転の予定が第2ジャンプが傾き2回転。ダブルアクセルでバランスを乱し両手を付いた。技術点27.51、演技構成点28.67、合計56.18でSP13位。
 12番滑走で全米2位のエドマンズ(米。15)。母がロシア出身。165pとかなり長身。曲は「ピンクチェリーズ」。衣装は蛍光色の黄色。冒頭で軽々と連続3回転成功。ステップと最後の足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。レイバックスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点2。技術点32.98、演技構成点28.06、合計61.04でSP7位。アメリカからは、シニアの国際試合これが初めてという選手がいきなり出てきて、これだけの力がある。末恐ろしいのか頼もしいのか。
 第3グループ16番滑走でゲデバニシビリ(グル。24)。曲はタンゴ・セレクション。冒頭ルッツからの連続ジャンプ成功。ステップからのサルコウ、ダブルアクセルとジャンプは全て成功。しかしステップがレベル2、レイバックスピンがレベル1と取りこぼし。技術点27.51、演技構成点27.19、合計54.7でSP17位。

 17番滑走でキム・ヨナ(韓。23)。曲は「Send in the Clowns」。冒頭のルッツからの連続3回転はそつなく決めた。ステップからのフリップ、ダブルアクセルも成功。スピン二つがレベル4、レイバックスピンとステップはレベル3。技術点39.03、演技構成点は三つの要素で9点台の35.89、合計74.92でSP1位。かなり緊張した顔で滑っていて、得点が出たわりに迫ってくる内容はなかった。
 第4グループ20番滑走で村上(19)。曲は「バイオリン・ミューズ」。冒頭の連続3回転はきれいに成功、全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル4だが、足替えスピンはレベル1と取りこぼし。後半のステップからのフリップが1回転に。要素を失う。ダブルアクセルは決めた。終盤のステップとレイバックスピンはレベル3でまとめ、技術点26.72、演技構成点28.88、合計55.6でSP15位。「五輪という大きな試合に圧倒された」らしい。
 21番滑走でマルケイ(伊。27)。曲は「帰れソレントへ」。冒頭のサルコウからの連続3回転の予定は、第2ジャンプがダウングレードで両足になったが、ステップからのルッツは決めた。フライングスピンはレベル1。ダブルアクセルは落ち着いて決め、レイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが、これも全ジャッジが加点。足替えスピンはレベル4。しりあがりによくなった。技術点27.52、演技構成点29.5、合計57.02でSP12位。

 22番滑走で全米女王のゴールド(米。18)。曲は「3つの前奏曲」。衣装は深紅、髪はお団子にまとめてきた。冒頭のルッツからの連続3回転は成功。レイバックスピンは美しく、全ジャッジが加点2〜3。フライングスピンも全ジャッジが加点。後半にステップからのループ、ダブルアクセルと決めて、ステップはレベル3、最後の足替えスピンはレベル4、いずれも全ジャッジが加点。技術点36.55、演技構成点32.08、合計68.63でSP4位。
 23番滑走で李子君(中。17)。曲は「タンゴ」。冒頭のフリップからの連続3回転は第2ジャンプがアンダーローテーション。ステップからのルッツはeマーク。フライングスピンはレベル3だが足替えスピンはレベルB。ステップはレベル3、最後のレイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。技術点、演技構成点27.54、合計57.02でSP11位。
 24番滑走で鈴木明子(28)。曲は「愛の賛歌」。振り付けはスカリ。冒頭はトウループの連続3回転の予定だったが第1ジャンプがダウングレード。要素を失う。次のルッツに2回転を付ける。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。技術点30.01、演技構成点32.26、合計60.97でSP8位。両足の小指が痛いらしいが、少し動きが固かった。

 最終グループ25番滑走で、欧州女王のリプニツカヤ(露。15)。曲は「愛をあきらめないで」。氷にハートマークを書く仕草から、銃撃のような音で立ち上がり演技が始まる。冒頭のルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。団体戦より少し固い。ダブルアクセルも成功し、フライングスピンも全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。しかし、ステップからのフリップでまさかの転倒。ダウングレードで要素を失う。終盤の二つのキャンドルスピンは、さすがのレベル4に全ジャッジが加点1〜3。最後も氷にハートを書き、すくって投げ上げる仕草でしめくくり。技術点33.15、演技構成点33.08、転倒の減点1、合計65.23でSP5位。らしくないミスで得点が出ず、やや呆然とした感じ。
 26番滑走でコトスナー(伊。27)。曲は「アヴェ・マリア」。衣装は水色。冒頭のトウループの連続3回転の予定はフリップからの連続3回転に変更してきれいに決めた。全ジャッジが加点1〜3。ステップからのループは高く、これも全ジャッジが加点1〜3。レベル4のフライングスピン、レベル3のレイバックスピンをはさみ、ダブルアクセルも成功。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点3。足替えスピンはレベル4。ほとんど完璧で、終わってコーチと抱き合ったとき、泣いていたかもしれない。技術点37.49、演技構成点36.63、合計74.12でSP3位。
 27番滑走でワグナー(米。22)。今季は全米4位だが実績で五輪代表に。曲は「クレイジー・ダイアモンド」。冒頭のフリップからの連続3回転は第2ジャンプがダウングレード。スピンは三つともレベル4。後半に、ステップからのループとダブルアクセルを決める。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点31.43、演技構成点33.78、合計65.21でSP6位。

 28番滑走でメイテ(仏。19)。曲は「The Question of U」。冒頭のトウルーブの連続3回転は全ジャッジが加点。ステップからのループは手を付いた。スピンは三つともレベル4。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。技術点30.83、演技構成点27.80、合計58.63でSP9位。
 29番滑走でロシア女王のソトニコワ(露。17)。リプニツカヤの転倒で期待がさらにかかる。曲は「カルメン」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のトウループの連続3回転は確実に決め、加点2〜3。スピン三つとステップはレベル4でほぼ加点2〜3。技術点39.09、演技構成点はパフォーマンスと音楽表現で9点台の35.55、合計74.64でSP2位。
 最終滑走で浅田真央(23)。曲はショパン「ノクターン」。衣装は淡い青紫。冒頭のトリプルアクセルは転倒。ステップからのフリップはアンダーローテーション。何より痛かったのは、後半の連続ジャンプの失敗。3回転ループがなく2回転ループのみ。何が起こったのかわからない。要素を失う。 技術点22.63、演技構成点33.88、転倒の減点1、合計55.51でSP16位。信じられない順位で、どうしていいかわからない。

 <フリー>フリーは24人。第2グループ7番滑走でオズモンド。曲は「クレオパトラ」。冒頭でルッツからの連続ジャンプ、ダブルアクセルからの3回転を決め、全ジャッジが加点。しかし後半、3連続の最初で転倒したものの、ダブルアクセルに二つ2回転を付けてリカバー。レイバックスピンとステップはレベル4、コリオシークエンスも含めてほぼ全ジャッジが加点。技術点55.97、演技構成点57.83、転倒の減点1、合計112.8でフリー13位、総合13位。
 8番滑走でゲデバニシビリ。曲は「ジゼル」。冒頭のルッツからの連続ジャンプは成功、全ジャッジが加点。しかし二つ目のルッツは転倒。サルコウはアンダーローテーション。ステップとスピン二つがレベル2。気落ちしたか。後半、サルコウからの連続ジャンプでサルコウが2回転に。技術点39.85、演技構成点53.60、転倒の減点1、合計92.45でフリー20位、総合19位。
 10番滑走で村上。曲は「愛のイェントル」より。冒頭のトウループの連続3回転はきれいに決まる。ほぼ全ジャッジが加点。ルッツはeマークでバランスを崩すが転ばず。ループは2回転。ステップはレベル2。足替えスピンはレベル4。このへんでやっとほぐれてきた。後半、フリップからの連続ジャンプ、ソロのフリップ、ダブルアクセル、サルコウからの連続ジャンプと立て続けに成功。最後の連続ジャンプは3連続の予定で跳べそうだったが回避。フライングスピンはレベル4。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。最後のフライング足替えスピンはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。技術点56.96点、演技構成点58.42、合計でフリー12位、総合12位。SPで要素を失わなければ、入賞できたかもしれない。

 12番滑走で浅田真央。曲はラフマニノフ「ピアノ協奏曲」。衣装は濃い鮮やかな青。とうとうできた! 冒頭のトリプルアクセルついに成功。続くフリップからの連続3回転も入った。ただし第2ジャンプのループはアンダーローテーション。ソロのルッツはeマーク。スピン三つとステップは全てレベル4。後半、ダブルアクセルからの3回転、苦手のサルコウも決める。このへんから堅さがほぐれてスピードアップする。フリップからの3連続、ソロのループも成功。6種類の3回転ジャンプ八つを全て決めるという、バンクーバーからの目標をクリアした。終盤のフライングスピンと最後のコリオシークエンスは加点1〜3、ステップは誠に力強く、全ジャッジが加点2〜3。終わったとき、感無量という顔で必死にこみあげるものをこらえていた。NHKの鳥海アナは「これが浅田真央です!」と叫んだ。技術点73.03、演技構成点はつなぎ以外8点台後半の69.68、合計142.71は自己ベスト更新でフリー3位と大きく挽回、総合6位。インタビューでは「メダルは取れなかったけれど、これが今シーズン目指していた構成なので、支えてくださった方々に私なりの恩返しができたと思う。」と答えていた。
 第3グループ13番滑走で李子君。曲は「コッペリア」。人形のような仕草から始まる。冒頭のフリップからの連続3回転は成功。続けてダブルアクセルからの3回転、eマークだがルッツを下りる。フライングスピンはレベル4だが、あと二つのスピンとステップは疲れたのかレベル3。それでも最後のレイバックスピンは柔らかく、全ジャッジが加点。技術点55.79、演技構成点54.96、合計110.75でフリー14位、総合14位。
 15番滑走で鈴木明子。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭の連続3回転は成功。ダブルアクセルからの連続ジャンプも決める。ルッツは少し曲がったがこらえた。スピンは三つともレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。しかし後半、フリップで転倒。次のループは壁際で跳び、下りたあと手がぶつかったか。サルコウからの連続ジャンプは成功。コリオシークエンスはスピードにのり、ほぼ全ジャッジが加点1〜3。最後のスピン二つは全ジャッジが加点1〜3。技術点60.57、演技構成点はつなぎ以外8点台前半の65.78、転倒の減点1、合計125.35でフリー8位、総合8位。

 16番滑走でマルケイ。曲は「ミッション・インポッシブル」より。冒頭ダブルアクセルからの3回転成功。ルッツ、フリップときれいではないが決める。フライングスピンと最後の足替えスピンはレベル4。レイバックスピンとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。特にステップは情感たっぷりで加点も1〜3。3連続は第1ジャンプが2回転サルコウになり、1回転2回転と強引に付けた。技術点55.56、演技構成点60.75、合計116.31は自己ベスト更新でフリー10位、総合11位。
 17番滑走で新鋭のエドマンズ。曲はグリーグ「朝」ほか。冒頭のルッツからの連続3回転は軽く決め、全ジャッジが加点。続けてフリップから1回転をはさんで3回転サルコウも成功。足替えスピンはレベル1だったが他の二つのスピンはレベル4。特に最後のレイバックスピンは加点2〜3。レベル3のステップの後、後半最初のフリップで転倒。しかしルッツ、コリオシークエンスと全ジャッジが加点の出来で、ループからの連続ジャンプも決めて、技術点63.02、演技構成点60.19、転倒の減点1、合計122.21は自己ベスト更新でフリー9位、総合9位は立派。初出場でのびのび滑るメンタルも強い。
 最終グループ19番滑走でリプニツカヤ。優勝候補最右翼だったが、SP5位。曲は映画「シンドラーのリスト」。冒頭ルッツからの連続3回転を決めると、ダブルアクセルから3回転2回転の3連続は全ジャッジが加点1〜3。レベル4のフライングスピン、レベル3のステップも素晴らしく全ジャッジが加点。後半、フリップ、ダブルアクセルとよかったが、ループが乱れ、サルコウがアンダーローテーションでまたひとつ転倒。しかしeマークながらルッツからの連続ジャンプを決めると、レベル4のレイバックスピン、コリオシークエンス、最後の足替えスピンは全ジャッジ加点2〜3でしめくくった。技術点66.28、演技構成点は振り付けで9.0、他の要素は8点台の70.06、転倒の減点1、合計135.34でフリー6位、総合5位。やっぱり団体戦でSP、フリーとも出たせいか。

 20番滑走でコトスナー。曲は「ボレロ」。三回目の五輪で初めてメダルをねらえる位置に付けた。冒頭のルッツを美しく跳び、全ジャッジが加点1〜3。ダブルアクセルから3回転、ソロのフリップ、一つ目のフライングスピンはレベル4で、いずれも全ジャッジが加点1〜3。後半、ループ、トウループからの連続ジャンプ、サルコウの後にサルコウからの3連続とジャンプ全て成功。特にソロのサルコウは全ジャッジが加点1〜3。レベル4のステップがボレロのリズムにぴったりで全ジャッジが加点2〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。最後の足替えスピンもレベル4。取りこぼしや手つきもなく、ほぼ完璧にできた。優勝してもおかしくない、感動的な出来だった。技術点68.84、演技構成点はつなぎ以外9点台の73.77、合計142.61は自己ベスト大幅更新でフリー4位、総合3位。イタリア女子シングル初のメダル。
 21番滑走でソトニコワ。曲はサンサーンス「ロンド・カプリチオーソ」ほか。冒頭ルッツからの連続3回転成功。続くフリップ、ループ、レベル4のフライングスピン、ダブルアクセルから3回転トウループは全ジャッジが加点の出来。フリップ以外は加点2〜3。後半、フリップからの3連続の第3ジャンプの最後が乱れた以外はノーミス。サルコウ、ダブルアクセルと全ジャッジが加点1〜3。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点2〜3。技術点75.54、演技構成点はつなぎ以外9点台の74.41、合計149.95は自己ベスト大幅更新でフリー1位、総合優勝。少し演技構成点が高めだと思うが、ホームアドバンテージか。演技全体に勢いがあった。ロシア女子シングル初の金メダル。
 22番滑走でゴールド。曲はチャイコフスキー「眠れる森の美女」。冒頭のルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点1〜3。ダブルアクセルから3回転トウループ、ソロのループ、レベル4のフライングスピン、レベル3のステップと全ジャッジが加点。逆転でメダルをねらったと思うが、後半最初のフリップで転倒。しかしルッツ、サルコウからの3連続と決め、メンタルも強いことを示す。終盤、足替えスピン、コリオシークエンス、ダブルアクセル、レイバックスピンと全ジャッジが加点。特にレイバックスピンは加点2〜3。技術点69.57、演技構成点68.33、転倒の減点1、合計136.9は自己ベスト更新でフリー5位、総合5位。

 23番滑走でワグナー。曲はサンサーンス「サムソンとデリラ」。冒頭のフリップからの連続3回転は第2ジャンプがアンダーローテーション。フライングシットスピンがレベル2と取りこぼし。レベル4のレイバックスピン、ループからダブルアクセルのシークエンスは全ジャッジが加点。eマークだがルッツ、ループと決め、ステップもレベル3だが全ジャッジが加点。フリップからの3連続もなんとか成功。コリオシークエンスと最後の足替えスピンは全ジャッジが加点。かなりよかった印象だが得点が出ない。技術点61.07、演技構成点66.92、合計127.99でフリー7位、総合7位。
 最終滑走でキム・ヨナ。曲はピアソラ「アディオス・ノニーノ」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のルッツからの連続3回転は加点2〜3。フライング足替えスピンはレベル4に加点2〜3。後半最初のルッツはほんの少し傾いたが、加点1〜3。ダブルアクセルからの3連続も加点1〜3。レイバックスピンはレベル3。最後の足替えスピンはレベル4。全てそつなく演技し、五輪連覇かと思ったが、技術点69.69、演技構成点はつなぎ以外9点台の74.5、合計144.19でフリー2位、総合2位。後半、スピードが落ちたが、ろくに競技会にも出ないでトップレベルを保っているのはすごい。
 金メダルは地元ロシア、銀は韓国、銅はイタリア。ちなみに、エキシビションには、各種目5位までの選手と連盟推薦選手が出るが、高橋大輔と浅田真央も推薦で出るらしい。

フィギュアスケート (2014.2/17,18)

ソチ・オリンピック <アイスダンス> (2014.2/16,17 ソチ・ロシア)

 <ショートダンス>24組出場。2/16SP、2/17フリー。アメリカは、デイヴィス・ホワイト組(#24)、シブタニ兄妹(#14)、チョック・ベイツ組(#15)。カナダは、ヴァーチュー・モイヤー組(#18)、ウィーバー・ポジェ組(#23)、ポール・イスラム組(#12)。ロシアは、ボブロワ・ソロビエフ組(#19)、イリニク・カツァラポフ組(#20)、シニシナ・ジガンシン組(#3)。日本のリード姉弟(26,24)は1番滑走。ツイズルはレベル4。フィンステップがレベル2と3。対角線のステップがレベル2。これが惜しかったか。得意の回転リフトはレベル4。技術点26.87、演技構成点25.42、合計52.29でSD21位。団体戦より得点は伸びたが、1番滑走f得点が出にくいので少し不利だった。上位20組が進むフリーに出られず。残念!
 第3グループ12番滑走でポール・イスラム組(加。22,24)。女性の淡いピンクの衣装が似合っている。ツイズルで少しミスがあったらしくレベル2で減点評価。ステップもレベル2だが加点評価。フィンステップはレベル4と3。回転リフトはレベル4。技術点27.5、演技構成点28.41、合計55.91でSD18位。
 14番滑走でシブタニ兄妹(米。19,22)。得意のツイズルは速くレベル4に加点。フィンステップはレベル3と4。ステップはレベル3。回転リフトはレベル4。技術点33.36、演技構成点31.11、合計64.47は今季最高更新でSD9位。

 第4グループ15番滑走でチョック・ベイツ組(米。21,24)。最近力を付けてきた。パターンダンスから入る。フィンステップはレベル4と3。ツイズルはレベル3だが速い。対角線のステップはレベル3。回転リフトはレベル4。技術点32.78、演技構成点32.68、合計65.46は今季最高更新でSD8位。
 16番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組(伊。26,28)。冒頭のツイズルはレベル4。フィンステップはレベル4と3。対角線のステップがレベル2と取りこぼし。回転リフトはレベル4。技術点32.85、演技構成点34.73、合計67.58でSD6位。
 17番滑走でジガンシナ・ガシー組(独。26,29)。女性の衣装は欧州選手権と同じ。冒頭のツイズルで男性がバランスを乱し、片手が泳ぐもレベル3。対角線のステップもレベル3。フィンステップはレベル3と4。回転リフトはレベル4。技術点30.64、演技構成点30.27、合計60.91でSD10位。

 18番滑走でバンクーバー五輪の金メダルのヴァーチュー・モイヤー組(加。24,26)。なにもかもぴったり合っていた。冒頭のステップは見事。レベル4にGOE2.43の加点。ツイズルはスローでも合っており、レベル4。フィンステップはレベル3と4。回転リフトはレベル4でGOE1.21。基礎点31.0に全体で6.64の加点。終わったとき、男性が「やった!」というポーズ。技術点37.64、演技構成点38.69、合計76.33でSD2位。思ったより技術点が出なかったか。
 19番滑走でボブロワ・ソロビエフ組(露)。パターンダンスから入る。フィンステップはレベル4と3。ツイズルはレベル3。ステップはレベル3だがGOE1.86の加点。直線のリフトはレベル4。技術点37.64、演技構成点38.69、合計69.97でSD5位。
 最終グループ20番滑走でイリニク・カツァラポフ組(露。19,22)。勢いがあり、素晴らしかった。ここもパターンダンスから入る。フィンステップは両セクションともレベル4。ステップはレベル3だがGOE1.71の加点。ツイズルと回転リフトはともにレベル4。基礎点30.5に全体で5点以上の加点。技術点36.36、演技構成点36.68、合計73.04は自己ベスト更新で大躍進のSD3位。

 22番滑走でペシャラ・ブルザ組(仏。30,33)。完璧に仕上げてきた。曲は映画「シカゴ」から。ツイズルはレベル4。ステップはレベル3だがGOE2.14の加点。フィンステップは貫禄の両セクションともレベル4。回転リフトもレベル4。基礎点30.5に全体で5.97の加点。技術点36.43、演技構成点36.35、合計72.78でSD僅差の4位。
 23番滑走でウィーバー・ポジェ組(加。24,26)。少し固かったか。冒頭のツイズルはレベル3。フィンステップはレベル2と4。ステップはレベル3だがGOE1.86の加点。カーブのリフトがレベル4。技術点31.93と伸びず、演技構成点35.0、リフトの時間超過による減点1、合計65.93でSD7位。
 最終滑走でデイヴィス・ホワイト組(米)。曲は「マイフェアレディ」。全ての要素がレベル4。冒頭のステップは全ジャッジが加点3。ツイズルもGOE1.36の加点。最後の回転リフトはGOE1.5の加点。基礎点32.0に全体で7.72もの加点。技術点39.72、演技構成点39.17、合計78.89は自分たちの世界最高更新でSD1位。

 <フリーダンス>フリーは20組。第1グループ2番滑走でポール・イスラム組。曲は映画「W.E.」より。対角線のステップと直線のリフトがレベル2。ツイズル、リフト三つ、スピンはレベル4。ツイズルとリフト二つは全ジャッジが加点。技術点41.98、演技構成点40.81、合計82.79でフリー16位、総合18位。
 前半で、勢いを感じたのは、8番滑走でSP14位のアゼルバイジャン、ズロビナ・シトニコフ組(24,27)と、9番滑走でSP12位のウルタード・ディアス組(西。21,23)。前者は、SPの「ピンクパンサー」もなかなかよかった。フリーは、アボットも使ったピナ・バウシュ。冒頭のツイズルと直線のリフト、中盤のカーブのリフトはレベル4に全ジャッジが加点、最後のコリオリフトは全ジャッジが加点1〜3。二人ともロシア・キーロフ出身で、演技が充実していたのは家族も見に来ていたのかも。技術点45.23、演技構成点45.25、合計90.48は自己ベスト更新でフリー11位、総合12位。後者の曲は「サバイビング・ピカソ」。女性の背中にピカソっぽい女の顔。男性の衣装は横縞のTシャツみたい。二つのステップ以外はレベル4。冒頭の直線のリフトと中盤の回転リフト、カーブのリフトは全ジャッジが加点。最後のコリオリフトは全ジャッジが加点1〜3。技術点46.13、演技構成点42.26、合計88.39は自己ベスト更新でフリー13位、総合13位。女性がやせてから、成績が上がっている。
 第3グループ11番滑走でジガンシナ・ガシー組。曲は「アイム・ハッピー」他。衣装はSPと同じ。欧州選手権の方がよかったように思う。冒頭のツイズルで男性が少しバランスを乱すがレベルは4。ステップ二つはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。中盤のカーブのリフトはレベル4で全ジャッジが加点。終盤の直線のリフトもレベル4に全ジャッジが加点。終わったときのポーズは、いつも通り男性が女性にフラれた演技。技術点45.41、演技構成点45.45、リフトの時間超過で減点1、合計89.86でフリー12位、総合11位。

 12番滑走でシブタニ兄妹。伸び悩んでいる。曲はマイケル・ジャクソンメドレー。冒頭の直線のリフトとツイズルはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。しかし二つのステップはレベル3、ロングリフトは両方レベル2。前のグループでクームズ・バックランド組(英)(フリー9位)が、同じ曲でもっと切れ味鋭い演技をしたので、不利だった。技術点43.42、演技構成点はつなぎ以外8点台前半の48.28、リフトの時間超過で減点1、合計90.7は今季最高でこの時点の1位。フリー10位、総合9位。
 13番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組。曲は「セビリアの理髪師」。全要素にほぼ全ジャッジが加点。二つのステップ以外はレベル4。特にロングリフトはGOE2.0の加点。サーキュラーステップもレベル3だが、GOE1.57の加点。最後、後ろ向きの男性の背中にひじうちして前を向かせる演技は持ち味が出ている。ほぼノーミスで滑りきったが技術点が伸びず。技術点49.5、演技構成点は全て8点台後半の52.42、合計101.92はさすが。ここまでの1位と10点以上の差。フリー7位、総合6位。
 14番滑走でチョック・ベイツ組。曲はミュージカル『レ・ミゼラブル』より。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のロングリフトはレベル4に全ジャッジが加点2〜3。ツイズルとスピンもレベル4に全ジャッジが加点1〜3。最後のコリオリフトもほぼ全ジャッジが加点2〜3。技術点49.01、演技構成点は全て8点台の50.17、合計99.18でフリーも8位、総合8位。

 15番滑走でウィーバー・ポジェ組。曲は「わたしはマリア」ほか。アルゼンチン・タンゴの世界を滑りきった。全要素に全ジャッジが加点。二つのステップ以外はレベル4。特に冒頭のサーキュラーステップはレベル3だが、GOE1.86の加点、対角線のステップもレベル3だが、GOE1.43の加点。基礎点40.2に全体で10.23の加点。技術点50.43、演技構成点はパフォーマンスと音楽表現で9点台の52.75、合計52.75 でフリー5位、総合7位。
 最終グループ16番滑走でペシャラ・ブルザ組。曲はシルクドソレイユの「カルーセル」の他「禁じられた遊び」「星の王子さま」等。今できる最高の滑りを滑りきったと思う。全要素に全ジャッジが加点。サーキュラーステップ以外はレベル4。直線のリフトは男性の肩の上に女性も肩で倒立するもの。対角線のステップはGOE1.86の加点、サーキュラーステップはレベル3だがGOE1.43の加点。いずれもエッジが深くて味わい深かった。基礎点41.7に全体で9.46の加点。技術点51.56、演技構成点は三つの要素で9点台の54.28、リフトの時間超過で減点1、合計104.44でフリー4位、総合4位。
 17番滑走でヴァーチュー・モイヤー組。曲はスクリャービン「ピアノ協奏曲」ほか。プログラムは、二人のスケート人生を表わす内容だとか。全要素に全ジャッジが加点。レベルも全て4。サーキュラーステップはGOE2.29の加点、対角線のステップはGOE2.0の加点。リフトは全て今までのようなアクロバティックな感じではなく、美しさを追求した感じ。ステップもツイズルも見事に息が合っていた。基礎点43.2に全体で13.02の加点。技術点56.22、演技構成点は全て9点台後半の58.44、合計114.66は世界最高更新するもフリー2位、総合2位。

 18番滑走でイリニク・カツァラポフ組。曲は「白鳥の湖」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のロングリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点3。サーキュラーステップだけレベル3だが、GOE2.0の加点。すごい歓声の中、緊張していたが、ほぼノーミスで滑りきった。終わったとき、女性は泣いていた。基礎点41.7に全体で12点以上の加点。技術点54.14、演技構成点は全て9点台の56.3、合計110.44は自己ベスト更新でフリーも3位、総合3位。地元の重圧、正統派のバレエ曲、モロゾフコーチの正攻法が実を結んだ。
 19番滑走でボブロワ・ソロビエフ組。フリーの曲は昨季の「ハーモニカをふく男」に戻した。ツイズルと二つのステップはレベル3、他はレベル4。冒頭の回転リフトは全ジャッジが加点2〜3。中盤の直線のリフトとカーブのリフトは全ジャッジが加点1〜3。終盤の回転リフトも全ジャッジが加点2〜3。技術点48.5、演技構成点はつなぎ以外9点台の54.45、合計102.95でフリー6位、総合5位。今季のフリーの得点が伸びずに、欧州選手権を休んでプログラム変更してきたが、追い上げきれず。
 最終滑走でデイヴィス・ホワイト組。曲は「シエラザード」。デイヴィスはこういう東洋的なものも合っている。全要素に全ジャッジが加点2〜3。レベルも全て4。特に、サーキュラーステップはGOE2.29の加点、ロングリフトはGOE2.71もの加点、対角線のステップもGOE2.43の加点。基礎点43.2に全体で14.3もの驚異的な加点。技術点57.5、演技構成点はとうとう振り付けと音楽表現で10点満点の59.13、合計116.63は世界最高更新でフリーも1位、総合優勝。念願の五輪金メダル。

 金メダルはアメリカ、銀メダルはカナダ。上ふた組は想定内だが、銅メダルの地元ロシアは、ここへ向けて急成長の若手がとった。

フィギュアスケート (2014.2/13,14,15)

ソチ・オリンピック <男子シングル> (2014.2/13,14 ソチ・ロシア)

 <SP>30人参加。2/13SP、2/14フリー。主な選手の滑走順。ロシアはプルシェンコ(#7)。アメリカはアボット(#11)とジェイソン・ブラウン(#16)。カナダはフィルス(#1)、レイノルズ(#17)、チャン(#21)。スペインはラヤ(#14)とフェルナンデス(#20)。チェコはヴェルネル(#18)とブレジナ(#25)。フランスはアマディオ(#23)とジュベール(#24)。カザフスタンはラキムガリエフ(#6)とデニス・テン(#26)。日本は、羽生(#19)、高橋(#29)、町田(#30)。
 3番滑走でウズベキスタンのジー(22)。冒頭のトリプルアクセルはオーバーターンしながらこらえた。フリップからの連続3回転は第2ジャンプがアンダーローテーション。スピンはレベル2とレベル3が二つ。ステップからのルッツはほぼ全ジャッジが加点。得意のステップはレベル4で全ジャッジが加点2。技術点35.64点、演技構成点32.43、合計68.07でSP18位。
 第2グループ最初のプルシェンコ棄権。6分間練習でトリプルアクセルを下りた後、膝に手を付いて動きがなくなった。その後もう一度アクセルを跳ぼうとしたがばらけて、腰に手を当ててコーチたちのところへ。顔色が悪い。他の選手たちが引き上げた後、レフェリーのところへ。無念そうな顔だった。解説の本田さんによると、団体戦の後、二日間完全休養し、前日練習ではジャンプ一回。今朝もスピンのみ、10分で切り上げたらしい。が、腰の状態は相当悪いようだ。
 この前の時点で1位はベルギーのへンドリクス、2位がウズベキスタンのジー。プルシェンコの棄権と次のエストニアの選手が6位になったので、この二人はフリー進出決定。

 アボット(28)は、冒頭の4回転で大転倒。脇腹を強打し、フェンスにぶつかり、しばらく起き上がれなかった。しかし立ち上がり演技再開。会場は大拍手。次のルッツに3回転を付けた。ものすごくフェンス際。トリプルアクセルも片足でこらえた。スピン二つとステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点37.21、演技構成点37.37、転倒と転倒による演技中断で減点2。合それでもここまでの1位に。計72.58でSP15位。
 16番滑走でジェイソン・ブラウン(19)。今の時点で完璧ではないか。4回転はまだない。冒頭できれいなトリプルアクセル。続けてフリップからの連続3回転。全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル3だがあとの二つはレベル4。ルッツも決めて全ジャッジが加点1〜3。音楽をたくみに表わしたステップはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。技術点45.39、演技構成点40.61、合計86.0は自己ベスト更新でこの時点で1位、SP6位。
 レイノルズ。冒頭の4回転サルコウで転倒。続けて4回転トウループに3回転を付けた。しかしトリプルアクセルも転倒し、得点が伸びず。スピン二つはレベル3、最後のフライングスピンはレベル4。技術点33.98、演技構成点36.78、合計68.76でSP17位。

 18番滑走でヴェルネル。冒頭の4回転は回ったが転倒。トリプルアクセルはなんとか、後半にルッツからの連続3回転は成功。流れるような滑りが戻ってきて、ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点42.11、演技構成点39.98、合計81.09でSP13位。
 第4グループ19番滑走で羽生(19)。曲は「パリの散歩道」。団体戦より少し固いか。しかし殆どノーミス。全要素に全ジャッジが加点。冒頭の4回転は加点2〜3(GOE2.86)。後半のトリプルアクセル(GOE2.14)とレベル4のステップも加点2〜3。スピン二つがレベル4。レベル3の足替えシットスピンとルッツからの連続3回転は加点1〜3。技術点54.84の高得点、演技構成点全て9点台前半の46.61、合計101.45は世界最高更新でSP1位。
 フェルナンデス(22)。冒頭の4回転サルコウはオーバーターン。トリプルアクセルはこらえた。後半、ルッツからの連続3回転はステップアウト気味。スピン三つはレベル4、うち二つは全ジャッジが加点。ステップレベル3だが全ジャッジが加点。羽生の100点越えで沸いた観客を引き込めなかった感じ。技術点43.87、演技構成点43.11、合計86.98でSP3位。

 チャン(23)。曲は「エレジー」。さすがにまとめてきた。冒頭できれいな4回転3回転成功。ほぼ全ジャッジが加点(GOE2.0)。トリプルアクセルはかろうじてこらえた。足替えキャメルスピンはレベル3。後半ステップからのルッツは全ジャッジが加点2〜3。スピン二つとステップはレベル4に全ジャッジが加点。ステップのGOE1.9。技術点50.34、演技構成点全て9点台半ばの47.18、合計97.52でSP2位。
 アマディオ。冒頭の4回転サルコウの予定は3回転に。欧州選手権と同じ。しかしトリプルアクセルの予定までもダブルアクセルに。ルッツからの連続3回転は成功。ステップと最後の足替えスピンはレベル4。技術点35.79、演技構成点39.79、合計75.58でSP14位。
 ジュベール(29)。冒頭の4回転3回転は決めた。トリプルアクセルもなんとか成功。スピン二つでレベル4。後半、ステップからのルッツは全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。技術点45.11、演技構成点40.73、合計85.84でSP7位。

 最終グループ25番滑走でブレジナ。曲は「山の魔王の洞窟で」。冒頭の4回転サルコウは片手つき。フリップからの連続ジャンプは第2ジャンプに3回転入らず。トリプルアクセル全ジャッジが加点1〜3。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。技術点42.20、演技構成点39.75、合計81.95でSP12位。
 デニス・テン(20)。冒頭の4回転は両手つき。転倒扱い。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。スピン三つとステップは全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。技術点43.49、演技構成点41.57、減点1、合計84.06でSP9位。
 ハン・ヤン(中。17)。冒頭のトリプルアクセルはものすごく大きく全ジャッジが加点(GOE2.86)。スピン二つはレベル4。ルッツからの連続3回転はつまり気味。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点44.94、演技構成点40.72、合計85.66でSP8位。

 高橋(27)。冒頭の4回転がダウングレードで両足。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。スピン三つとステップは全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。後半、ルッツからの連続3回転も成功。最後の足替えスピンは加点2〜3。けがはの影響は殆ど感じられない。技術点41.75、演技構成点44.65、合計86.4でSP4位。
 最終滑走で町田(23)。冒頭の4回転は少しつまり、第2が2回転に。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル4。しかし、ステップからのルッツがまさかの二回転に。技術点40.98、演技構成点42.5、合計83.48でSP11位。

   <フリー>上位24人が進出。第2グループ7番滑走でウズベキスタンのジー。曲は「World Dance Collection」。「マンボNo.5」やプレスリーの曲などのメドレー。冒頭のトリプルアクセルはなんとかこらえる。足替えスピンはレベル3。ルッツからの3連続、フリップからの連続ジャンプはなんとか決める。サルコウからの連続3回転もまあ決める。フライングスピンはレベル2。つなぎの部分でも踊っていたが、終盤ステップで本領発揮。レベル3だが全ジャッジが加点。レベル4の足替えスピンの後のコリオシークエンスは、観客も大いに沸いて、全ジャッジが加点2〜3。四大陸選手権(未見)では、最後の音楽にボーカルが入ったのが違反となったが、五輪では違反にならず。まあ言葉ではないかも。技術点69.63、演技構成点65.56、合計135.19でフリー17位、総合17位。
 9番滑走でアボット。冒頭の4回転はやめて3回転で全ジャッジから加点。トリプルアクセルからの連続3回転は成功。足替えシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。フリップからの連続ジャンプも決める。ステップはすばらしくレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。後半、二つ目のトリプルアクセル、ルッツからの3連続も成功。終盤のコリオシークエンスは素晴らしく、全ジャッジが加点2〜3。最後の足替えスピンも全ジャッジが加点1〜3。技術点78.1、演技構成点はつなぎ以外8点台で82.02、合計160.12は自己ベスト更新でフリー8位、総合12位。一応、盛り返して有終の美か。
 10番滑走でアマディオ。冒頭の4回転サルコウの予定はまたしてもほどけて3回転。二つ目はパンクして2回転。トリプルアクセルは片手つき。フライングスピンはレベル2。ステップはレベル3で全ジャッジが加点。しかし後半、二つ目のトリプルアクセルに第2ジャンプ付けられず。ルッツも乱れ、フリップは3連続のはずがソロに。サルコウは2回転に。気持ちが切れたのか、足替えスピンはレベル1。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。最後のフライングスピンシットスピンはレベル3。技術点49.0、演技構成点74.06、合計123.06でフリー18位、総合18位。得点を見ると泣いているようだった。

 11番滑走でヴェルネル。冒頭の4回転は転倒。続く二つ目の4回転は両足で第2ジャンプ付かず。トリプルアクセル、フリップはほぼ全ジャッジが加点。ステップとスピン二つはレベル3。後半、トリプルアクセルからの連続3回転は決めたが、ルッツが2回転でステップアウト。ダブルアクセルから1回転をはさむ3連続は第3ジャンプ2回転。1回転もダブルアクセルのステップアウト気味。コリオシークエンスは貫禄の全ジャッジが加点。最後の足替えスピンはレベル2。技術点81.09、演技構成点78.92、減点1、合計151.9でフリー12位、総合11位。
 12番滑走でレイノルズ。冒頭の4回転サルコウはアンダーローテーションで両足。次の4回転トウループ3回転2回転も4回転がアンダーローテーション。トリプルアクセルからの連続ジャンプはなんとか決める。スピン二つとステップはレベル3。後半、二つ目の4回転トウループはきれいだった。しかし二つ目のトリプルアクセルのはずがダブルアクセル。終盤、サルコウからの連続3回転、レベル4のフライングスピンとがんばったが、技術点79.83、演技構成点73.64、合計153.47でフリー10位、総合15位。
 第3グループ13番滑走でデニス・テン。冒頭の4回転成功。続けてトリプルアクセルからの連続3回転とソロのトリプルアクセルを決め、全ジャッジが加点。ステップと足替えキャメルスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、フリップから1回転をはさむ連続3回転、ルッツからの連続ジャンプ、ソロのループと全ジャッジが加点。フリップは片手つき、ダブルアクセルはステップアウト。フライングスピンはレベル4、コリオシークエンスは全ジャッジが加点。技術点88.90、演技構成点はつなぎ以外8点台の82.14、合計171.04でフリー3位、総合3位。21番目で羽生が滑るまで暫定1位だった。昨年の世界選手権2位に続くメダル獲得。

 14番滑走でジュベール。冒頭で4回転2回転を成功。続く4回転は全ジャッジが加点。トリプルアクセルもなんとかこらえる。スビン二つとステップはレベル3。後半最初のルッツは2回転。二つ目のトリプルアクセルの予定がダブルアクセル。第2ジャンプも付かず。ここでだいぶ得点をロス。しかしサルコウからの3連続成功。最後のスピンはなぜかレベル1。全体としては今できることをやりきって有終の美を飾った感じ。技術点69.51、演技構成点76.42、合計145.93でフリー14位、総合13位。
 16番滑走でブレジナ。冒頭で4回転サルコウに2回転を付ける。しかし次のアクセルが1回転に。二つ目の4回転サルコウ成功。スピン二つはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルからの3連続も決めるが、フリップからの連続3回転で転倒して万事休す。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点1。サルコウは2回転、最後の足替えスピンはレベル1と取りこぼし。技術点75.31、演技構成点77.36、減点1、合計151.67でフリー13位、総合10位。
 17番滑走でハン・ヤン。冒頭で高く大きいトリプルアクセル。全ジャッジが加点2〜3(GOE2.57)。4回転3回転も全ジャッジが加点。フリップからの連続ジャンプ、レベル3のステップ、レベル4のフライングスピンと順調に決める。後半、ループが1回転に。しかしルッツからの3連続は成功。二つ目のルッツは片手つき。技術点80.60、演技構成点79.94、合計160.54は自己ベスト更新でフリー7位、総合7位。このまま成長すると強敵に。

 18番滑走で町田。曲は「火の鳥」。冒頭の4回転はほとんど下りていたのに転倒。本人もビックリしたらしいが、二つ目の4回転に2回転を付ける。次のトリプルアクセルからの連続3回転も成功。スピン二つでレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、フリップからの3連続も決め、最後のサルコウも成功。団体戦の方が全体としてはよかったか。技術点88.22、演技構成点82.72、減点1、合計169.94でフリー4位、総合5位と盛り返した。
 最終グループ19番滑走でフェルナンデス。冒頭の4回転トウループ(GOE2.14)をきれいに決め、次の4回転サルコウ2回転(GOE2.29)も成功、いずれも全ジャッジが加点2〜3。トリプルアクセルはこらえたが、レベル4の足替えスピンとレベル3のステップは全ジャッジが加点。しかし、後半最初の二つ目の4回転サルコウの予定が3回転に。そのため最後のジャンプでもサルコウを跳んだのが余分な連続ジャンプ(3回転以上のジャンプを複数回入れるときはどちらかを連続ジャンプにする。及び連続ジャンプは3つまで)となり無得点。ルッツからの連続ジャンプはルッツが2回転に。フリップからの3連続も第3が2回転。スピンは三つともレベル4。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。技術点77.80点、演技構成点89.14、合計166.94でフリー5位、総合4位。
 20番滑走で高橋。冒頭の4回転はSPと同じくダウングレードで両足。ルッツは全ジャッジが加点。トリプルアクセル(GOE2.14)とレベル4のステップ(GOE2.0)は全ジャッジが加点2〜3。スピン二つはレベル3。二つ目のトリプルアクセルは第2ジャンプ付かず。ルッツからの連続3回転は成功。レベル4の足替えスピンとコリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。ステップとコリオシークエンスはただ上手い! というだけでなく本当に引きつけられる。技術点73.27、演技構成点91.0、合計164.27でフリー6位、総合6位。右足の骨挫傷が完治した状態でできるとよかったのだが。

 21番滑走で羽生。曲は「ロミオとジュリエット」。冒頭の4回転サルコウ転倒。まだ今季一度も成功していない。続く4回転トウループは完璧。全ジャッジが加点2〜3(GOE2.14)。ところがフリップで大きくバランスを崩し両手つき、転倒扱い。これがどう響くか。レベル3のステップ、レベル4のフライングスピン、トリプルアクセルからの連続3回転(GOE2.43)は全ジャッジが加点2〜3。後半のルッツから1回転をはさむ3連続は、第3ジャンプを跳ぶ前にひと足あったので、第2ジャンプまでの評価。ソロのルッツ、コリオシークエンス、レベル4のフライングシットスピン、レベル3の足替えスビンは全ジャッジが加点。技術点89.66、演技構成点は三つの要素で9点台の90.98、減点2、合計178.64、僅差でフリー1位、総合優勝。すごい。
 22番滑走でチャン。冒頭ですばらしい4回転3回転成功。全ジャッジが加点3! しかし二つ目の4回転は両手つき、トリプルアクセルは片手ずつ両手つき。これでわからなくなった。レベル4のステップ(GOE2.0)とフライングスピン(GOE1.0)は全ジャッジが加点2〜3。ただ後半最初の3連続の第3ジャンプが2回転になり、フリップからの連続ジャンプも第2が2回転。ダブルアクセルは転倒こそしなかったが大きくオーバーターン。二つの足替えスピンもレベル3と少しずつ取りこぼし。最後のスピンでは途中で手も付いた。技術点85.4、演技構成点はパフォーマンス以外9点台前半で最高の92.7、合計178.1でフリー2位、総合2位。カナダは男子シングルは5つ目の銀メダル(ストイコ2つ、オーサー2つ)で、「カナダの十字架」とか言うらしい。セレモニーでは、何度も羽生の方を凝視していた。
 最終滑走でジェイソン・ブラウン。冒頭のダブルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。トリプルアクセルからの連続3回転はアンダーローテーションで手を付いた。二つの足替えスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。二つ目のトリプルアクセルもステップアウト。リバーダンスっぽいすてきなステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。ルッツから1回転をはさむ連続3回転、フリップからの連続ジャンプは成功。続くアクセルが構えだけでジャンプにカウントされ、最後のループが余分なジャンプで無得点になったのはもったいなかった。ルッツ、ほれぼれするコリオシークエンス、最後のフライングスピンは全ジャッジが加点。技術点68.09、演技構成点全て8点台の84.28、合計152.37でフリー11位、総合9位。これで4回転をマスターすると強敵になる。

 金メダルは日本、銀はカナダ、銅はカザフスタン。全員東アジアの顔が表彰台に並んだ。会場ではメダル授与はなく、フラワーセレモニーのみ。国歌も流れず、ちょっとつまらない。

フィギュアスケート (2014.2/12,16)

ソチ・オリンピック <ペア> (2014.2/12,13 ソチ・ロシア)

 全20組出場。4組ずつ5グループで滑る。2/11SP、2/12フリー。ロシアはヴォロソジャル・トランコフ組、バザロワ・ラリオノフ組(21,27)、ストルボア・クリモフ組。カナダは、デュハメル・ラドフォード組、ムアタワーズ・モスコビッチ組(21,29)、ローレンス・スウィガース組(23,26)。中国は、パン・トン組(34,34)とペン・ジャン組。アメリカは、カステッリ・シュナピア組とジャン・バルトロメイ組(20,24)。
 日本は高橋・木原組(22,21)がエストニアの辞退で繰り上げ出場。さっそく1番滑走で登場。ソロジャンプのサルコウは、タイミングはずれたが、とにかくちゃんと回って立った。ツイズルは2回転でレベル2。リフトはレベル3。スローサルコウは両足らしいが、とにかく回って立った。デススパイラルはレベルB。ステップとペアスピンはレベル4。今できることはかなり出せた。終わったとき、高橋がこぶしを握りしめた。技術点27.48、演技構成点20.97、合計48.45でSP18位。団体戦より得点は伸びた。上位16組が進むフリーには出られず。
 4番滑走でペン・ジャン組(中。16,29)。冒頭のソロジャンプはぴったりで全ジャッジが加点。デススパイラル、ペアスピン、ステップ、リフトもレベル4で全ジャッジが加点。特にスピンは加点1〜3。ツイストはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。スローループも全ジャッジが加点2〜3。全体にぐんぐん上手くなっているが、他の要素に比べてステップはいかにもつたない。技術点40.89、演技構成点29.7、合計70.59でSP7位。

 第2グループ6番滑走で全米王者カステッリ・シュナピア組(米。23,26)。ソロジャンプのサルコウは成功。デススパイラルはレベル3。ペアスピン、ステップ、リフトはレベル4で全ジャッジが加点。スローサルコウは、前動作で空中で一回転してから跳び、着氷後直ちにフリーレッグを真上に上げる派手なもの。全ジャッジが加点2〜3。技術点37.87、演技構成点29.57、合計67.44は自己ベスト更新でSP9位。
 第4グループ13番滑走でストルボア・クリモフ組(露。22,23)。ロシアの三番手が大躍進。全要素に全ジャッジが加点。ツイズルはレベル2。ぴったりのソロジャンプとスローフリップは加点1〜3。リフト、ペアスピン、ステップはレベル4。最後のステップも加点1〜3。デススパイラルはレベル3。最後まで攻めのスケートで滑りきった。基礎点33.1に全体で8点以上の加点。技術点41.46、演技構成点、合計75.21は自己ベスト更新でSP3位。
 14番滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。28,29)。冒頭のツイストはレベル2。ソロジャンプのルッツは男性が「よくこらえましたね。」と解説の若松さん。リフト、ペアスピン、ステップはレベル4。リフト、スピン、スロールッツは全ジャッジが加点。最後のデススパイラルもレベル2ながら全ジャッジが加点。技術点39.7、演技構成点は全て8点台の32.51、合計72.21でSP5位。

 15番滑走でサブチェンコ・ゾルコビー組(独。30,34)。欧州選手権ではフリーを棄権したらしい。曲を変更して3季前のフリーを再構成した「ピンク・パンサー」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のスローフリップはたいへん高く、ロシアの観客も喝采。加点2〜3(GOE1.9)。ツイズルはレベル3、デススパイラルはレベル2だがGOE1.3。ソロジャンプはぴったりで加点1〜3(GOE1.5)。ペアスピン、リフト、ステップはレベル4。リフトは加点2(GOE1.4)、ステップは加点2〜3(GOE1.6)。基礎点33.8に全体で9点以上の加点。そつなく滑ったが、上を食う勢いは無い。技術点43.46、演技構成点は三つの要素で9点台の36.18、合計79.64でSP2位。
 16番滑走でベルトン・ホタレック組(伊。23,30)。団体戦で女性が転倒したせいか、滑りに勢いがない。冒頭のソロジャンプで女性が大きくバランスを崩し、両手つき。転倒にはならず。ツイストはレベル1で落とし気味。しかし、リフト、デススパイラル、ペアスピン、ステップはレベル4。スローループは成功。リフト、ペアスピン、ステップは全ジャッジが加点。技術点32.9、演技構成点は全て7点台後半で30.67、合計63.57でSP11位。
 最終グループ最初に現世界王者ヴォロソジャル・トランコフ組(露。27,30)。ほぼ完璧。全要素に全ジャッジが加点。ツイズルはレベル4で全ジャッジが加点3。デススパイラル、ペアスピン、リフト、ステップとレベル4。大喝采にふさわしい内容だった。基礎点34.2に全体で11.26もの加点。技術点45.46、演技構成点はつなぎ以外9点台後半で38.71、合計84.17は自己ベスト更新でSP堂々の1位。

 18番滑走でバザロワ・ラリオノフ組(露。21,27)。課題のソロジャンプは、いつも危ない女性はきれいに3回回ったが、男性が2回転。得意のツイストはレベル2だが全ジャッジが加点2〜3。スローフリップ成功。リフト、ステップ、ペアスピンはレベル4で全ジャッジが加点。特にリフトは加点2〜3。デススパイラルだけレベル2だがほぼ全ジャッジが加点2。技術点37.49、演技構成点32.17、合計69.66と伸びず、SP8位。
 19番滑走でパン・トン組(中。34,34)。冒頭のソロジャンプは2回転に見えたが3回転のアンダーローテーション。ツイストはレベル2だが全ジャッジが加点。スローループはしっかり決める。全ジャッジが加点2〜3。デススパイラル、リフト、ステップ、ペアスピンと着実にレベル4に全ジャッジが加点。美しくまとめたが、全盛期の胸に迫るものがない。基礎点32.2に全体で7.13の加点。技術点39.33、演技構成点は全て8点台の33.97、合計73.3でSP4位。
 最終滑走でムアタワーズ・モスコビッチ組(加。21,29)。ツイスト、ソロジャンプは成功。デススパイラルでレベル1ととりこぼし。スローループは美しく、全ジャッジが加点1〜3。リフト、ステップ、ペアスピンはレベル4。技術点38.69、演技構成点32.23、合計70.92でSP6位。

 フリーには16組が進む。しかし、放送では第1グループ4組と第3グループ3組を放映せず。8位ペン・ジャン組(中)、7位デュハメル・ラドフォード組(加)、6位バザロワ・ラリオノフ組(露)は見たかった。ひどい放送だ。
 第2グループ5番滑走でベルトン・ホタレック組。団体戦SP、フリーとも出場。冒頭の3連続は成功。全ジャッジが加点1。ツイストはレベル1。抱え気味。ソロジャンプで女性が転倒。スピン二つはレベル4。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。スローサルコウは2回転に。リフト三つはレベル4。全体に慎重に演技していて、勢いはない。デススパイラルレベル3,二つ目のスローサルコウは3回転。技術点58.68、演技構成点57.83、減点1、合計115.51でフリー10位、総合10位。団体戦での女性の怪我の影響はあったのではないか。
 6番滑走でカステッリ・ジュナピア組(米)。ここも団体戦SP、フリーとも出場。冒頭のツイストはレベル2。連続ジャンプでは女性がステップアウトで二人とも第2ジャンプ付けず。スローサルコウは4回転で、一瞬片足で下りたが、ステップアウト。惜しかった。スピン二つとリフト三つはレベル4。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。二つ目のスローサルコウは余裕の3回転で全ジャッジが加点1〜3。デススパイラルはレベル2。最後の二つのリフトは全ジャッジが加点。技術点、演技構成点、合計120.38でフリーも9位、総合9位。
 第3グループ10番滑走でムアタワーズ・モスコビッチ組。冒頭のツイストはレベル3、余裕のあるランディングでほぼ全ジャッジが加点。トウループのシークエンスも全ジャッジが加点。しかしソロジャンプのサルコウはステップアウト。しかし後はほぼノーミス。デススパイラルはレベル2。スピン二つとリフト三つともレベル4で全ジャッジが加点。スロージャンプも二つともほぼ全ジャッジが加点。終わったとき、すごく嬉しそうだった。技術点64.91、演技構成点66.27、合計131.18は自己ベスト更新でフリー5位、総合5位。

 最終グループ13番滑走でSP3位のストルボア・クリモフ組。曲は「アダムス・ファミリー」。ノーミスで滑りきっただけでなく、全要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイストはレベル2。スローフリップは加点1〜3。一つ目のリフトとデススパイラルはレベル3。スピン二つとあと二つのリフトはレベル4。中盤のコリオシークエンスは加点1〜3。最後のスローサルコウは加点2〜3。技術点72.27、演技構成点は三つの要素で9点台の71.2、合計143.47は自己ベスト更新でフリー2位、逆転で総合2位。
 14番滑走でSP1位のヴォロソジャル・トランコフ組。曲は「ジーザス・クライスト・スーバースター」。冒頭のツイストはレベル4で全ジャッジが加点3。ソロジャンプも全ジャッジが加点1〜3。デススパイラル、スピン二つ、リフト三つともレベル4で全ジャッジが加点。一つ目のスローループは女性の片手がタッチしたが、マイナス評価はなし。コリオシークエンス、二つ目のスローサルコウ、一つ目のリフトは全ジャッジが加点1〜3。ペアスピンは全ジャッジが加点2。二つ目のリフトは全ジャッジが加点2〜3。基礎点59.0に全体で15.86もの驚異的な加点。技術点74.86、演技構成点77.83、合計でフリーも1位、総合優勝。文句なし。

 15番滑走でパン・トン組。冒頭のダブルアクセルのシークエンスは、第2ジャンプを男性が1回転。ツイストはレベル2だが全ジャッジが加点。デススパイラル、スピン二つ、リフト三つともレベル4。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点2〜3。リフト二つと最後のペアスピンも全ジャッジが加点。有終の美は飾れた内容。技術点67.62、演技構成点68.96、合計136.58でフリー3位と巻き返したが、総合4位。
 最終滑走でSP2位のサブチェンコ・ゾルコビー組。冒頭のスローフリップは全ジャッジが加点1〜3。連続ジャンプは男性が転倒。デススパイラル、スピン二つ、リフト二つはレベル4。ツイストとリフト一つがレベル3。デススパイラルとペアスピン、ツイストは全ジャッジが加点1〜3。リフト二つは全ジャッジが加点2〜3。逆転をねらった最後のスロートリプルアクセルは転倒。技術点66.95、演技構成点71.19、減点2、合計136.14でフリー4位、総合3位。

 金メダルと銀メダルはロシア、ドイツはまたしても銅メダル。

フィギュアスケート (2014.2/6,7,8,9,10)

ソチ・オリンピック <団体>(2014.2/6,8,9 ソチ・ロシア)

 10ヵ国が参加(イギリス、イタリア、ウクライナ、ロシア、アメリカ、ドイツ、中国、フランス、カナダ(国別ポイント2位)、日本)。2/6男子とペアのSP、2/8ダンスと女子のSP、ペアのフリー。2/9男子と女子とダンスのフリー。日本は、男子SPに羽生、フリーに町田。女子SPに村上、フリーに鈴木らしい。まずSPで各種目の順位点(1位が10点、10位が1点)を合計し、上位5ヵ国がフリーに進む。最終順位は、SPのポイントに関係なく、フリーの順位で決まる。

 <男子シングル・SP>SPは、なんと羽生(19)が1位。2位は地元ロシアのプルシェンコ(31)。3位はチャン(加。23)。4位は新鋭のハン・ヤン(中。17)。5位はアマディオ(仏。23)。アボット(米。28)は7位。
 第1グループの4番滑走でプルシェンコ。曲は「ロクサーヌのタンゴ」。四度目の五輪とか…驚くしかない(しかし、モーグルの上村は五度目とか…タマゲタ)。しかも、直前の6分練習で一度も決まらなかった4回転を冒頭で成功。NHKの解説、本田が「精神力が強い。」とほとほと驚いていた。滑るスピードも速いし、ステップも速い。スピンは最後の足替えスピンは遅くなったが、レベル3と4と2。他の国の選手たちも立ち上がって拍手。技術点2番目の48.18、演技構成点はつなぎ以外8点台後半で3番目の43.21、合計91.39でもSP2位。
 アボットの曲はピナ・バウシュ。全米では素晴らしかったらしいが、このSPでは、冒頭の4回転で転倒。第2ジャンプ入らず。次のルッツに2回転を付ける。しかし、トリプルアクセルがパンクして1回転に。スピン一つはレベル4、ステップとスピン二つがレベル3。滑りは素晴らしいのだが、技術点27.22、演技構成点は二つの要素で8点台で4番目の39.43、転倒の減点1、合計65.65でなんとSP7位と出遅れ。頭を抱えていた。
 第2グループ最初にアマディオ。曲は「ラ・クンパルシータ」。冒頭の4回転はサルコウは3回転に途中で変更。トリプルアクセルとルッツからの連続3回転はよかった。スピンは三つともレベル3、個性的なステップはレベル4。技術点40.86、演技構成点5番目の39.07、合計79.93でSP5位。6位ドイツと0.32差。

 7番滑走でハン・ヤン。ほぼノーミス。コミカルな振り付けから、大きなトリプルアクセル。加点2.29。次の4回転も高く、余裕がある。スピンは三つともレベル4。ルッツからの連続3回転は第2ジャンプがつまって早く足をついてしまったが、技術点3番目の46.59、演技構成点6番目の38.93、合計85.52でSP4位。この時点で2位。世界選手権も出ていないのに、五輪の舞台で落ち着いた演技だった。
 現世界王者のチャンの曲は「エレジー」。冒頭の4回転で少し高くなりすぎ、第2ジャンプが2回転。トリプルアクセルは少し軸が傾き着氷でこらえた。スピン二つとステップはレベル4。技術点4番目の44.03、演技構成点は全て9点台で最高の45.88、合計89.71でプルシェンコに及ばず、この時点で2位、SP3位。
 最終滑走で羽生。曲は「パリの散歩道」。すごくリラックスしていた。完璧に近い。水色の衣装も会場の水色の壁と合っている。冒頭の4回転は軽く、2.14の加点。スピン二つがレベル4。後半、トリプルアクセルもきれいに成功、2.57の加点。ルッツからの連続3回転も決まり、基礎点43.36に全体で9点以上の加点。技術点最高の52.55、演技構成点つなぎ以外9点台で2番目の45.43、合計97.98で堂々のSP1位。

 <ペア・SP>SPでは、現世界王者のヴォロソジャル・トランコフ組(露。27,30)が1位。2位はカナダのデュハメル・ラドフォード組。3位は中国のペン・ジャン組(16,29)。4位はベルトン・ホタレック組。5位はカステッリ・シュナピア組。日本は高橋・木原組(22,21)が1番滑走で出場。ちょうど1年前の2/6に練習開始。今、できることはやれた。曲はサンサーンスのオペラ「サムソンとデリラ」。冒頭のソロジャンプはタイミングがずれたが成功。ツイストは2回転。リフトはレベル2。スローサルコウは両足。デススパイラルはレベルB。ステップとペアスピンはレベル4。技術点25.13、演技構成点21.43、合計46.56でSP8位。日本チームのキャプテンは鈴木明子らしい。男子10+ペア3ポイントで4位。
 第2グループ5番滑走でペン・ジャン組。見るたびにうまくなっている。曲は映画「グリーン・デスティニー」。女性の衣装は緑色。冒頭のソロジャンプはタイミングがぴったり。デススパイラル、ペアスピン、ステップ、リフトはレベル4で加点。スピンの女性の姿勢はたぶん前より難しくなっている。ツイストだけレベル3だが、すごく高かった。加点1.5。スローループも加点1.5。技術点40.97、演技構成点30.04、合計71.01でSP3位。男子7+ペア8ポイントで3位。
 6番滑走でカステッリ・シュナピア組(米。23,26)。男性の身長193pは最長身。ツイズルとデススパイラルはレベル2。ソロジャンプは女性が着氷でしゃがんでしまう。技術点34.99、演技構成点29.26、合計64.25は自己ベスト更新でSP5位。男子4+ペア6ポイントで7位。

 最終グループ8番滑走でデュハメル・ラドフォード組(28,29)。曲は、男性が亡くなったコーチをしのんで作曲した「トリリュード」。完璧かも。冒頭のツイストだけレベル3。ソロジャンプのルッツは成功。女性が元シングルという強みを生かした技。リフト、ペアスピン、ステップ、デススパイラルはレベル4。スロールッツも決めた。技術点41.3、演技構成点31.8、合計73.1。こんなにできてしまって、ペア競技のとき大丈夫か。カナダチームは最多の17人とか。男子8+ペア9ポイントで2位。
 ベルトン・ホタレック組(伊。23,30)は欧州選手権銅メダル。曲は映画「マスク」より。女性は金色、男性は黄色いズボン。冒頭のソロジャンプをきれいに成功。ツイストはレベル1。リフト、ペアスピン、ステップはレベル4。スローループは決める。デススパイラルはレベル2。技術点38.42点、演技構成点31.88、合計70.31。イタリアチームのキャプテンはコストナー。男子1+ペア7ポイントで8位。
 最終滑走でヴォロソジャル・トランコフ組。曲は「仮面舞踏会」。こちらもすごい。冒頭のツイストは高く余裕があり、レベル4に加点2.1。ソロジャンプは少し男性がこらえたが、スローループはきれいに成功。デススパイラル、ペアスビン、リフト、ステップ全てレベル4に加点。技術点45.1、演技構成点38.69、合計83.79。終わったとき、満足そうな顔だった。男子9+ペア10ポイントで1位。

 <アイスダンス・SD>1位は、デイヴィス・ホワイト組(米)。2位は、ヴァーチュー・モイヤー組(加)。3位は、ボブロワ・ソロビエフ組(露)。3番滑走で日本のリード姉弟(26,24)。冒頭のツイズルはほんの少し女性が遅れたが、第3ツイズルまできちんとできた。フィンステップはレベル1と3。対角線のステップはレベル2。得意の回転リフトはレベル4。技術点25.86、演技構成点26.14、合計52.0でSD8位。順位点+3の16ポイントで6位に後退。
 第2グループ最初にペシャラ・ブルザ組(30,33)。なんだかGPシリーズのときと衣装が違うような気がする。男性の黒いスーツの上着の裏地は真っ赤。曲は映画「シカゴ」。さすがに仕上げてきた。ツイズルはレベル4。対角線のステップだけレベル3だが加点1.29。フィンステップは両セクションともレベル4、回転リフトも速くてレベル4。技術点34.5、演技構成点34.65、合計69.15でSD4位。順位点+7の17ポイントで4位。
 6番滑走で欧州王者のカッペリーニ・ラノッテ組(伊。26,28)。ツイズルはレベル4。フィンステップはレベル4と2。サーキュラーステップのレベル2がとりこぼしか。回転リフトはレベル4。技術点31.0、演技構成点33.92、合計64.92で、少し不満げなSD5位。順位点+6の14ポイントで7位。

 ボブロワ・ソロビエフ組(23,24)はフィンステップから。レベル4と3。ツイズルはレベル4。ステップはレベル3だが、加点1.57。直線のリフトもレベル4。会場のすごい拍手にも後押しされた感じ。技術点34.22、演技構成点36.05、合計70.27は自己ベスト更新でSD3位。順位点+8の27ポイントで1位。この時点でフリー進出決定。
 ヴァーチュー・モイヤー組。直線のステップから入る。レベル3だが加点2.43。ツイズルもレベル3。第2ツイズルの入りで女性が少し泳いだ。フィンステップはさすがに両セクションともレベル4。回転リフトもレベル4。技術点35.22、演技構成点37.76、合計72.98でSD2位。得点にかなり不満そう。順位点+9の26ポイントで2位。
 最終滑走でデイヴィス・ホワイト組(27,26)。アメリカチームの順位引き上げを請け負う。曲は「マイ・フェア・レディ」。冒頭のステップはレベル3だが加点2.71。ツイズルはレベル4で加点1.36。フィンステップはレベル3と4。回転リフトもレベル4で加点1.5。技術点37.07、演技構成点38.91、合計75.98でSD1位。順位点+10の20ポイントで3位。

 <女子シングル・SP>1位はリプニツカヤ。2位はコトスナー。浅田真央は3位。4位はワグナー。日本は、SP浅田真央、フリー鈴木明子。第1滑走はオズモンド(加。18)。今季は怪我でこれが国際試合2試合目。冒頭の連続3回転成功。ステップからのフリップも決める。スピンは三つともレベル4。失敗したことのあるダブルアクセルも成功。ステップはレベル3。ノーミスで技術点33.86、演技構成点28.68、合計62.54でSP5位。順位点+6の32ポイントで2位。フリー進出。
 第2グループ7番滑走でワグナー(米。22)。全米4位ながら実績で五輪代表に。曲はピンクフロイド「クレイジー・ダイアモンド」。フリーは「サムソンとデリラ」に戻したらしい。冒頭のフリップからの連続3回転は第2ジャンプがアンダーローテーション。ステップからのループ、ダブルアクセルは成功。スピン二つがレベル4、ステップとスピン一つがレベル3。技術点32.16、演技構成点30.94、合計63.1でSP4位、復調を見せた。順位点+7の27ポイントで3位。フリー進出。

 8番滑走でリプニツカヤ(露。15)。冒頭のルッツからの美しい連続3回転で加点1.4。続くダブルアクセルも軽い。得意のスピンは三つともレベル4にそれぞれ加点が1点以上。後半、ステップからのフリップも成功。技術点39.39、演技構成点33.51、合計72.9は自己ベスト更新でSP1位。順位点+10の37ポイントで1位キープ。
 9番滑走で浅田真央(23)。曲は「ノクターン」。冒頭のトリプルアクセルがダウングレードで転倒。助走のスピード不足。-1.5。ステップからのフリップは成功。足替えスピンはレベル3。フライングスピンはレベル4。後半のループの連続ジャンプも成功。得意のステップも勢いが無く、レベル3。最後のレイバックスピンはレベル4。技術点31.25、演技構成点33.82、合計64.07でかろうじてSP3位。「バンクーバーと同じように」緊張してしまい、「最後まで自分の演技ができなかった。」とのこと。順位点+8の24ポイントで4位に再浮上。フリー進出。
 最終滑走でコトスナー。欧州選手権で曲を「アヴェ・マリア」に変更。衣装は薄い水色。美しいトウループの連続3回転は加点1.6。続くステップからのループも加点1.4。スピン二つとステップはレベル3。ダブルアクセルも決め、最後のスピンはレベル4。新しいプログラムとは思えない滑り。ノーミスで技術点35.92、演技構成点34.92、合計70.84でSP2位。順位点+9の23ボイント、5位でフリーに滑り込んだ。

 <ペア・フリー>1番滑走で高橋・木原組。滑走順はそれぞれの種目のSPの順位が低い順。かなり木原が緊張している感じ。曲は「レ・ミゼラブル」。高橋のジャンプはほぼ全て両足だったが、転倒はせず。冒頭のトウループからの連続ジャンプは第2ジャンプがアンダーローテーション。ツイストはレベル2。ソロのサルコウもアンダーローテーション。一つ目のスローループは着氷でタッチした程度だが、二つ目のスローサルコウは前向きで着氷、こらえた。リフトは二つがレベル3。一つはレベル1。スピンは二つともレベル4。デススパイラルはやはりレベルB。技術点43.86、演技構成点42.47、合計86.33、フリー5位。順位点+6の30ポイントで5位に後退。
 2番滑走でカステッリ・シュナピア組。スロー4回転サルコウは両足、手も付いた。女性がソロジャンプのサルコウで転倒。スピン二つとリフト三つはレベル4。二つ目のスローサルコウは成功。デススパイラルはなぜかレベルB。技術点60275、演技構成点58.67、減点1、合計117.94は自己ベスト更新でフリー4位。順位点+7のポイント34で3位。

 第2グループ最初にベルトン・ホタレック組。冒頭のトウループの3連続は見事に成功。ところが女性がソロジャンプのサルコウで転倒、左の腰をかなり痛めたようで心配。スピン二つとリフト三つはレベル4。スロージャンプも二つとも決めた。デススパイラルはなぜかレベルB。技術点60.45、演技構成点61.37、減点1、合計120.82でフリー3位。順位点+8の31ポイントで4位に浮上。
 4番滑走でムアタワーズ・モスコビッチ組(21,29)。カナダは出場ペアを変更。各国2種目までショートとフリーの選手を変更できる。冒頭のツイストはレベル3で加点1。連続ジャンプはトウループのシークエンス。加点1.2。これは賢い手法かも。女性がソロジャンプのサルコウで手を付いた。デススパイラルはここもレベルB。ペアスピンとリフト三つはレベル4。スロージャンプも二つとも成功。技術点64.89、演技構成点64.85、合計129.74でフリー2位。順位点+9の41ポイントで2位。
 最終滑走でストルボア・クリモフ組(22,23)。ロシアも出場ペアを変更。余裕だ。ツイストはレベル2だが加点1.1。スローフリップは見事に決まり、加点1.4。3連続ジャンプは女性が第1ジャンプがステップアウトのようになったが、ダウングレードの1回転トウループ扱い。-1.4。リフト三つとスピン二つはレベル4。コリオシークエンスも加点1.2。ダブルアクセルも決めて、技術点67.03、演技構成点68.06、合計135.09でフリー1位。ロシアの底力を見せた。順位点+10の47ポイントで1位。

 <男子シングル・フリー>1番滑走でパーキンソン(伊。22)。冒頭の4回転サルコウで転倒。トリプルアクセルからの連続ジャンプは決めたがソロのトリプルアクセルで転倒。スピン二つでレベル4。後半ルッツからの連続ジャンプ、ダブルアクセルからの3連続も成功。ステップなどはかなり荒削りだが、レベル3は確保。転倒もしたのに笑顔でキスアンドクライにすわる。技術点66.97、演技構成点56.26、減点2、合計121.23でフリー5位だが自己ベスト更新。順位点+6の37ポイントで5位。
 アメリカは若いジェイソン・ブラウン(19)に変えてきた。アイリッシュの曲に合わせた緑色の衣装。4回転はない。しかし柔軟性を生かしたスピンと独創的なステップが持ち味。冒頭はダブルアクセル。続けてトリプルアクセルからの連続3回転。スピンは三つともレベル4。ほとんどビールマンのようなポジションも入る。二つ目のトリプルアクセルは決めたがアンダーローテーション。ステップとコリオシークエンスは加点1以上。ルッツから1回転ループをはさむ3連続の第3ジャンプで転倒。しかし、フリップからの連続ジャンプ、ダブルアクセル、ルッツ、ループと成功。楽しそうに滑り終えた。技術点75.45、演技構成点79.22、減点1、合計153.67でフリー4位。順位点+7の41ポイントで3位キープ。
 カナダもレイノルズ(23)に選手変更。手首が金色の衣装。今季は怪我で、これが公式戦2試合目とか。3回の4回転を入れる予定。まず冒頭でなんなく4回転サルコウ。加点1.57。続けて予定では3連続の4回転トウループ3回転トウループ。加点1.71。トリプルアクセルは手を付いた。しかし後半、三つ目の4回転トウループをきれいに成功。スピン二つとステップはレベル3。フリップからの連続ジャンプも決めて、最後のフライングスピンはレベル4。技術点89.0、演技構成点78.92、合計167.92の高得点でフリー2位。順位点+9のポイントで2位キープ。

 4番滑走で皇帝プルシェンコ。ものすごい歓声。曲は「ベスト・オブ・プルシェンコ」。過去に金銀メダルをとった曲の継ぎ合わせ。冒頭で高い4回転3回転を決める。加点1.86。続けて二つ目の4回転の予定をルッツに変更。加点1.5。次のトリプルアクセルは加点2.14。スピン二つとステップはレベル3。後半、二つ目のトリプルアクセルからの3連続は軸がゆがんだが強引に回る。ルッツからの連続3回転も成功。しかしこの後は2回転のサルコウ、ループと続く。足替えシットスピンはレベル4。コリオシークエンスは迫力満点で加点1.4。技術点81.48、演技構成点86.72、合計168.2でわずかにレイノルズを上回り、フリー1位。順位点+10の57ポイントで1位キープ。「チャンも羽生もいないので、4回転は一つで十分」と言ったそうだ。
 最終滑走は町田(23)。曲はロシアの作曲家ストラビンスキーの「火の鳥」。冒頭の4回転はきれいに決まり、加点2。第2ジャンプは付けず。続く二つ目の4回転は3回転に。しかし加点1.43。次のトリプルアクセルからの連続3回転の予定が第2ジャンプは2回転に変更。スビン二つはレベル4。ステップとスピン一つがレベル3。後半、二つ目のトリプルアクセルもきれいで加点1.57。フリップからの3連続も第3ジャンプ入らず。技術点83.13、演技構成点82.72、合計165.85でフリー3位にとどまる。順位点+8の38ポイントで4位に再浮上。

 <女子シングル・フリー>カナダはそのままオズモンド。冒頭フリップからの連続ジャンプ、ダブルアクセルから3回転トウループと成功。しかしルッツで転倒。スピンは三つともレベル4。後半、フリップが2回転になったが、トウループの3連続は決めた。技術点54.53、演技構成点57.2、減点1、合計110.73でフリー5位。
 アメリカはゴールド(18)に選手変更。緊張していたが、冒頭、ルッツからの連続3回転、ダブルアクセルから3回転トウループと成功。スピン二つでレベル4、ステップとレイバックスピンがレベル3。後半、サルコウからの3連続も決める。コリオシークエンスは加点1.0。技術点67.49、演技構成点61.89、合計129.38は自己ベスト更新でフリー2位。
 日本も鈴木明子(28)に変更。曲は「オペラ座の怪人」。スピードにのれない中、冒頭、フリップからの3連続は、つまりながらなんとか決める。第3ジャンプはアンダーローテーション。ダブルアクセルから3回転トウループも成功。ルッツもアンダーローテーション。スピンは二つがレベル3、足替えスピンだけレベル4。得意のステップはキレがなくレベル2。後半、ループがダウングレード。サルコウからの連続ジャンプは決める。コリオシークエンスはやっとスピードらのり、加点1.1。技術点49.32、演技構成点63.01、合計112.33でフリー4位。SPなしでフリーを滑る団体戦への入り方が難しかったようだ。順位点+7の45ポイントでまた5位に後退。

 イタリアもマルケイ(27)に選手交替。マルケイも少し動きが固い。冒頭のダブルアクセルから3回転トウループ、ルッツ、フリップダブルアクセルと決める。スピン一つとステップはレベル3。後半、ルッツからの連続ジャンプ、サルコウからの3連続と二つ連続ジャンプを入れ、最後の足替えスピンはレベル4。ジャンプ全てを予定通り跳び、技術点54.0、演技構成点58.51、合計112.51でフリー3位。順位点+8の45ポイントで4位に浮上。
 初優勝をねらうロシアはそのままリプニツカヤ。ここで1位だとロシアの優勝が確定。曲は「シンドラーのリスト」。冒頭のルッツからの連続3回転、ダブルアクセルから3回転2回転の3連続と大技を成功。加点も1.4と1.3。後半、サルコウでも加点1.0。ルッツからの連続ジャンプもなんとか決める。スピンは三つともレベル4。二つ目のレイバックスピンで後ろから真上に足を上げるのと、三つ目の足替えスピンで前から真上に足を上げるキャンドルスピンでは、会場中が大喝采。加点もそれぞれ1.5と1.0。基礎点61.22に全体で10.47もの加点。ものすごい勢いを感じる。技術点71.69、演技構成点69.82、合計141.51は自己ベスト更新でフリーも1位、67ポイントでロシア優勝。

 <アイスダンス・フリー>1番滑走でリード姉弟。曲は「将軍」。衣装は兄弟のお母さんがデザインした着物風。冒頭のツイズルはレベル3。対角線のステップはレベル2。リフト三つとスピンはレベル4、一つ目の回転リフトはレベル3。サーキュラーステップはレベル2。ステップはだいぶ評価されるようになってきたが、あまり得点できず。クリスの傷めているヒザも心配だが、種目別へのいい練習にはなったと思う。技術点38.13、演技構成点39.21、リフトの時間超過で減点1、合計76.34でフリー5位。クリスは団体戦の副キャプテンだったらしいが、「最初は知らなかった。」という。順位点+6の51ポイントでチーム5位。
 イタリアはギニャール・ファブリ組(24,26)に選手交替。女性はフランス出身。曲は「ロミオとジュリエット」。二人とも見かけはその柄じゃないが(失礼!)滑りはいい。冒頭の低いステーショナル・リフトはレベル4で、この組独自。続くロングリフトもレベル4で加点1.14。ステップ二つはレベル2。ツイズル、スピン、直線のリフトもレベル4。技術点41.33、演技構成点39.92、合計81.25でフリー4位。順位点+7の52ポイントでチーム4位。
 ロシアもイリニク・カツァラポフ組に選手変更。曲は「白鳥の湖」。衣装は黒鳥。冒頭の7ロングリフトはレベル4になんと加点2.71。あと二つのリフト、スピンもレベル4。ステップ二つはレベル3だが加点いずれも1.43ずつ。もう少しスピードがほしいが、そうなると二人の連動がもうひとつか。基礎点40.2に全体で10.16もの加点。技術点50.36、演技構成点つなぎ以外9点台前半の54.12、衣装の羽が落ちて減点1、合計103.48は自己ベスト更新でフリー3位。順位点+8でチームポイントを75に伸ばした。

 カナダはそのままヴァーチュー・モイヤー組。冒頭の、男性が片足で支えながらフリーレッグを動かす直線のリフトを始め、リフト四つとツイズル、スピンはレベル4。サーキュラーステップはレベル3だが加点2.0。対角線のステップもレベル2だが加点1.86。基礎点38.7に全体で11点以上の加点だが、基礎点で取りこぼしがあるようだ。技術点50.37、演技構成点つなぎ以外9点台後半の57.19、合計107.56でフリー2位。順位点+9の65ポイントでチーム2位。
 最終滑走でデイヴィス・ホワイト組。曲は「くるみわり人形」。冒頭のカーブのリフトはレベル4で加点1.5。サーキュラーステップはレベル3だが、加点2.29。悪漢はロングリフトでレベル4に加点2.86。スピン、ツイズル、対角線のステップ、回転リフトとレベル4に1点以上の加点。特に対角線のステップは加点2.29。基礎点41.7に全体で14.8もの驚異的な加点。技術点55.8、演技構成点は全て9点台後半の58.54、合計114.34は世界記録更新でフリーも1位。順位点+10でおいあげるも60ポイントでチーム3位。
 初の団体戦のメダルは、金がロシア、銀がカナダ、銅がアメリカ。


ページトップへ

フィギュアスケート (2014.2/2,3,5,8,11,3/2,3,15,17,22,)

欧州選手権 (2014.1/15〜19 ブタペスト・ハンガリー)

 <男子シングル>35人参加。フェルナンデス(西)優勝。4回転の不調は克服か。2位はポロノフ(露)、3位はメンショフ(露)、コフトゥン(露)は5位。4位はブレジナ(チェコ)。
 24番滑走でジュベール(仏。29)。これが最後の欧州選手権。13回目の出場。冒頭の4回転で転倒。珍しい。トリプルアクセルも大きくステップアウト。足替えスピンはレベルB。後半、ルッツからの連続3回転は成功。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。最後の足替えスピンもレベル2だが全ジャッジが加点。SPのプログラムを変更し、3週間しかたっていないとか。技術点35.97、演技構成点38.32、合計73.29でSP9位。
 25番滑走でアマディオ(仏。23)。冒頭の4回転サルコウはなんとか決める。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。フライングスピンとステップはレベル3。ステップは全ジャッジが加点2〜3。足替えスピンはレベル1だが全ジャッジが加点。最後のスピンは無得点。技術点38.1、演技構成点はつなぎ以外8点台前半で40.5、合計78.6でSP7位。

 26番滑走でブレジナ(チェコ。23)。冒頭で4回転サルコウに2回転を付ける。ステップからのフリップも成功。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル4。技術点3番目の43.54、演技構成点39.26、合計82.8でSP5位。
 28番滑走でメンショフ(露。29)。冒頭のサルコウはステップアウト。続く4回転は転倒。いずれも第2ジャンプ付かず、連続ジャンプの要素を失う。フライングスピンとステップはレベル3。足替えスピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点35.92、演技構成点37.2、合計72.12でSP11位。
 30番滑走でボロノフ(露。26)。冒頭で4回転3回転成功。ステップからのループも決める。後半、トリプルアクセル成功、全ジャッジが加点。足替えスピンとステップがレベル3だが全ジャッジが加点。最後の足替えシットスピンはレベル4。技術点2番目の46.47、演技構成点6番目の39.04、合計85.51でSP2位。

 31番滑走でヴェルネル(チェコ。27)。冒頭の4回転はステップアウト。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。最後のスピンはレベル1ととりこぼし。技術点4番目の42.8、演技構成点はつなぎ以外8点台前半で3番目の40.71、合計83.51は自己ベスト更新でSP3位。
 33番滑走でフェルナンデス(西。22)。冒頭の4回転サルコウは全ジャッジが加点1〜3。トリプルアクセルも全ジャッジが加点。フライングスピンとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。二つの足替えスピンも全ジャッジが加点。技術点最高の48.54、演技構成点も最高の43.02、合計91.56は自己ベスト更新でSP1位。
 34番滑走でコフトゥン(露。18)。冒頭の4回転サルコウ3回転トウループは決めたが、二つ目のステップからの4回転トウループの予定は2回転で要素を失う。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。技術点7番目の41.79、演技構成点2番目の41.36、合計83.15でSP4位。

 フリーには24人が進む。第3グループ14番滑走のアマディオは、かつてないほど悪い出来。冒頭の4回転がパンクし、2回転で両足。サルコウからの連続ジャンプは決めたが、アクセルは跳べず。スピンも構えだけで入れず。このため、最後のフライングスピンが余分なスピンとなり、無得点。あとの二つのスピンはレベル2。ステップはレベル3で全ジャッジが加点したが、後半最初のトリプルアクセルで転倒。次はダブルアクセルに。ルッツはステップアウト。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。技術点40.75、演技構成点71.78、合計111.53でフリー20位、総合13位。キスアンドクライで頭を抱えていた。これで五輪は大丈夫か。
 17番滑走でメンショフ。冒頭の4回転3回転は見事。全ジャッジが加点。続けて二つ目の4回転もほぼ全ジャッジが加点。トリプルアクセル、ルッツ、二つ目のトリプルアクセルからの連続ジャンプと固め打ち。スピン二つはレベル4。後半ループからの3連続も成功。フライングスピンはなぜかレベル1、ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のコリオシークエンスも全ジャッジが加点。技術点2番目の87.18、演技構成点7番目の77.94、合計165.12は自己ベスト更新でフリー3位、総合3位。欧州選手権二回目で初のメダル。
 18番滑走でジュベール。冒頭の4回転はアンダーローテーションでステップアウト。ルッツからの連続3回転は成功。トリプルアクセル、ループと決める。スピン三つとステップはレベル2。後半、ルッツからの3連続も決める。フリップはやはりeマークでステップアウト。二つ目のトリプルアクセルのところがダブルアクセルに。ステップと後半のサルコウ、コリオシークエンスと最後の足替えスピンは全ジャッジが加点。技術点68.78、演技構成点4番目の79.94、合計148.66でフリー6位、総合8位。少し寂しい内容と結果。

 最終グループ最初にボロノフ(露。26)。冒頭の4回転をなんとか決める。きれいなトリプルアクセルは全ジャッジが加点。続けて二つ目の4回転は傾いたが2回転を付ける。ルッツ、トリプルアクセルからの連続ジャンプと前半にジャンプかためうち。スピン二つはレベル4にほぼ全ジャッジが加点。後半にループからの3連続も決める。最後の足替えスピンはレベル2だが全ジャッジが加点1〜3。技術点3番目の86.48、演技構成点も3番目の80.56、合計167.04は自己ベスト更新でフリー2位、総合2位。欧州選手権6回目で初メダル。
 20番滑走でSP1位のフェルナンデス。4回転を3回跳ぶ予定。冒頭の4回転トウループはオーバーターン。続く4回転サルコウはこらえて、3回転を付けた。すごい。トリプルアクセルはきれいに成功。スピンは三つともレベル4。後半、三つ目の4回転(サルコウ)は、ステップアウト。ルッツからの連続ジャンプはルッツが2回転。しかしフリップから1回転をはさむ3連続は成功。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。技術点最高の88.19、演技構成点も最高の87.36、合計175.55でフリーも1位、総合優勝。連覇は2006、2007年のプルシェンコ以来とか。

 21番滑走はヴェルネル。これが最後の欧州選手権なのに、このフリーは悪い出来だった。冒頭の4回転は3回転に。次の二つ目は4回転成功。続けてトリプルアクセルも決める。ここまでは全ジャッジが加点。しかしフリップがeマークで1回転に。ステップはレベル3、フライングスピンはレベル4で全ジャッジが加点。しかし後半のアクセルが1回転。ループは決めたが、ルッツが2回転。サルコウからの連続3回転は決めたが、ほぼ-2〜-3。レベル2の足替えスピンとコリオシークエンスは全ジャッジが加点。しかし最後のスピンは途中で止まり、無得点。どうしたのか。技術点59.37、演技構成点2番目の80.78、合計140.15でフリー8位、総合位。
 23番滑走はコフトゥン(露。18)。冒頭の4回転サルコウはオーバーターン。次の二つ目の4回転の予定が2回転1回転に。続くトウループもばらけた2回転で両足に。-1〜-3。スピン二つはレベル4と3で、いずれも全ジャッジが加点。後半、ソロのトリプルアクセルと二つ目のトリプルアクセルから3回転トウループをなんとか決めると済み市元気に。ルッツ、サルコウからの連続ジャンプと成功。レベル4のフライングスピンとコリオシークエンスは全ジャッジが加点。最後の足替えスビンもレベル3だが全ジャッジが加点。技術点6番目の69.58、演技構成点も6番目の79.64、合計149.22でフリー5位、総合5 位。ロシア勢3番手となり、1枠の五輪代表を逃す。
 最終滑走でブレジナ。曲は「シャーロック・ホームズ」。冒頭の4回転サルコウはこらえて2回転を付ける。トリプルアクセルはきれいで全ジャッジが加点。二つ目の4回転はパンクして2回転に。フライングスピンだけレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。後半、トリプルアクセルからの3連続成功。続くループは2回転に。最後二つのスピンはいずれもレベル2。技術点5番目の74.26、演技構成点5番目の79.92、合計154.18は自己ベスト更新だったがフリー4位、また総合4位。

 <女子シングル>37人参加。世界選手権に出場するためのミニマムボイントはSP技術点26点。第2グループ最後の10番滑走でブレジナの妹ブレジノワ(チェコ。17)。合計47.1は自己ベストででSP16位。第4グループ最初の16番滑走でトゥルッキラ(フィン。19)。「火の鳥」の曲で冒頭トウループの連続3回転を成功。ステップからのサルコウは失敗。合計50.42でSP12位。20番滑走のマッコーケル(英。27)は、フリップからの連続ジャンプは決めたが、なんとステップからのトウループで転倒。レイバックスピンはレベル1。ダブルアクセルも転倒。あとのスピンやステップもレベル2で、合計39.59でSP20位。かろうじてフリーへ。
   第6グループ最初の26番滑走でゲデバニシビリ(グル。23)。Jスボーツ解説の樋口さんが「久々によかった。」と言う。冒頭でルッツからの連続ジャンプをなんとか決める。続けてステップからのサルコウも成功。苦手のダブルアクセルも決めると笑顔。スピン二つはレベル3。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。レイバックスピンはレベル1。技術点28.04、演技構成点26.74、合計54.78でSP7位。
 27番滑走でヴィクトリア・ヘルゲソン(スウェ。25)。妹と五輪1枠を争うのかと思ったら既に内定しているとか。冒頭のトウループの連続3回転の予定がステップアウトしてソロに。続くループに2回転を付けた。スピンはレベル2〜4が一つずつ。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。最後のステップはレベル4。技術点26.49、演技構成点26.06、合計52.55でSP11位。ミスが多く妹より二つ下の順位。

 28番滑走でグレボワ(エストニア)。冒頭でトウループの連続3回転を決め、ほぼ全ジャッジが加点。ステップからのサルコウ、ダブルアクセルとジャンプをまとめる。スピン二つとステップがレベル2でとりこぼし。最後の足替えスピンはレベル4。技術点28.6、演技構成点26.08、合計54.68でSP8位。五輪でもこのくらいできればフリーに残れたのに。
 29番滑走でコストナー(伊)。昨年欧州女王。SPを「ユーモレスク」から「アヴェ・マリア」に変更。フリーも「シエラザード」から昨季の「ボレロ」に変更。振り付けはローリ・ニコル。美しいトウループの連続3回転から始まり、ステップから本当に直ちに跳ぶループ。いずれも全ジャッジが加点。スピン二つはレベル3と2。後半のダブルアクセルも全ジャッジが加点。ステップと足替えスピンはレベル4で、ステップはほぼ全ジャッジが加点2〜3。新しく作ったばかりとは思えない。うっとりする出来になっている。基礎点29.03ながら、全体で6点以上の加点。技術点35.29、演技構成点全て8点台の33.68、合計68.97でSP3位。

 30番滑走でメイテ(仏。19)。冒頭の連続3回転は成功し、全ジャッジが加点1〜3を出したが、ステップからのループでステップアウト。フライングスピンとステップはレベル3、あと二つのスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点とまとめ、技術点31.58、演技構成点27.06、合計58.64でSP5位。
 31番滑走でソトニコワ(露。17)。昨年欧州2位。滑り出しから速く力強い。冒頭のルッツからの連続3回転はルッツがeマーク。ダブルアクセル、フライングスピン、ステップはレベル4で全ジャッジが加点。ステップからのフリップも成功。終盤のスピン二つはレベル4で、ほぼ全ジャッジが加点3。技術点37.15、演技構成点は三つの要素で8点台前半の33.58、合計70.73でSP1位。
 最終グループ最初の32番滑走でヨシ・ヘルゲソン(スウェ。20)。ステップからのルッツは何とか決める。トウループからの連続ジャンプは-1〜-2。足替えスピンはレベル4にほぼ全ジャッジが加点。ダブルアクセルとレベル3のフライングスピンは全ジャッジが加点。レイバックスピンは相変わらずうまくなくレベル2。ステップはレベル3。技術点28.02、演技構成点26.23、合計54.25でSP9位。姉を二つ上回る順位だが1.7点差。

 33番滑走でレオノワ(露。23)。今季はNHK杯7位、ロシア国内5位。真央と同い年だが、ロシア最年長で国内からよく欧州選手権代表で出てきた。曲は「カリンカ」などロシア民謡。赤い衣装は変更したか。冒頭でトウループの連続3回転を鮮やかに決め、全ジャッジが加点。ステップからのフリップも成功。ダブルアクセルも全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル3。ステップは全ジャッジが加点2〜3。最後の足替えスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点33.24、演技構成点30.85、合計64.09でSP4位。
 36番滑走でマルケイ(伊。27)。冒頭のサルコウからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ステップからのルッツとダブルアクセルはなんとか決める。スピン二つとステップはレベル3。ステップは全ジャッジが加点。最後の足替えスピンはレベル4。技術点28.93、演技構成点28.45、合計57.38でSP6位。
 最終滑走でリプニツカヤ(露。15)。初出場とは思えない堂々とした滑り。とにかく滑らかで速い。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のトウループの連続3回転は軽々と決め、加点2。ステップからのフリップはうまく体を投げ出して跳ぶ。足替えスピンはレベル3だが加点2〜3。ダブルアクセルも加点2。後ろから真上に足を上げるレイバックスピンはレベル4。ステップはレベル3で加点2。最後の前からのキャンドルスピンもレベル4で加点2〜3。基礎点29.33に全体で7点以上の加点。技術点37.15、演技構成点33.58、合計69.97でSP2位。

 フリーには24人。 最終グループ最初の19番滑走でSP1位のソトニコワ。曲はサンサーンスの「ロンド・カプリチオーソ」。連続3回転の予定の冒頭のルッツで片手をついた。しかもeマーク。しかしその後はいい出来。後半、ダブルアクセルからの3回転、フリップからの3連続、そしてサルコウに2回転を付けて三回連続ジャンプを入れた。スピンは、レベル4のフライングスピンとレベル3のレイバックスピンは全ジャッジが加点したが最後の足替えスピンでレベル1ととりこぼし。技術点2番目の62.03、演技構成点全て8点台後半で2番目の69.6、合計131.63でフリー2位、総合2位。
 20番滑走でSP4位のレオノワ。曲は「カルメン」。冒頭のトウループの連続3回転はきれいで全ジャッジが加点2〜3。。ルッツはeマーク。ループは2回転に。後半、フリップからの連続ジャンプとソロのフリップを跳んだがいずれもアンダーローテーション。サルコウからの連続ジャンプもよく転ばなかった。ステップはエッジが浅めでレベル2だが全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル3で、最後のフライングスピンは全ジャッジが加点。技術点5番目の49.95、演技構成点はつなぎ以外8点台で3番目の64.11、合計114.06でフリー5位、総合4位。そんなに悪くない内容と思うが、キスアンドクライでは泣いていた。これで引退なのだろうか。
 21番滑走でSP3位のコストナー。曲は昨季の「ボレロ」に戻したが、ジャンプで終わる構成は変えたらしい。冒頭のルッツは壁際だがきれいに下りた。二つ続けたフライングスピンは一つ目がレベル3だが全ジャッジが加点。二つ目はレベル4。後半、ループが2回転になり、トウループはアンダーローテーションで転倒。サルコウからの連続ジャンプは成功したが、連続ジャンプが二つしか入らず。ステップはレベル4の上、全ジャッジが加点3。コリオシークエンスもほぼ全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の52.4、演技構成点は二つの要素が9点台で最高の71.02、転倒の減点1、合計122.42でフリー3位、総合3位。12年連続出場で9年連続表彰台。銅メダルは、初めてメダルをとった9年前以来とか。

 22番滑走でSP2位のリプニツカヤ。曲は「シンドラーのリスト」。冒頭のルッツからの連続3回転はルッツがeマーク。レベル4のフライングスピンとレベル3のステップは全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから3回転、ルッツ(またeマーク)からの3連続と成功。最後にレベル4のキャンドルスピン二つとコリオシークエンスは全ジャッジが加点。特に最後の足替えスピンはほぼ加点3。技術点最高の71.75、演技構成点全て8点台で3番目の68.0、合計139.75でフリー1位、総合優勝。ロシアの優勝は2006年のスルツカヤ以来とか。
 23番滑走でメイテ。解説の樋口さんは「滑りがよくなった」。ダブルアクセル、サルコウからの連続3回転、ルッツ、フリップ、ループからの連続ジャンプと成功。後半、ループがアンダーローテーションでステップアウト。スピンは三つともレベル4。技術点3番目の56.53、演技構成点はつなぎ以外7点台で6番目の58.2、合計114.73でフリー4位、総合5位。
 最終滑走でマルケイ。曲は「ミッションインポッシブル」より。黒い衣装。冒頭のダブルアクセルから3回転成功。ルッツも決めたが、フリップはeマークで手も付いた。中盤のスピン二つはレベル2でとりこぼし。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、サルコウがアンダーローテーション、二つ目のルッツで転倒、第2ジャンプ入らず。しかしサルコウからの3連続はなんとか決める。演技からフラメンコの雰囲気が漂ってきた。技術点9番目の47.32、演技構成点4番目の61.55、転倒の減点1、合計でフリー6位、総合6位。

 <ペア>20組参加。14番滑走でサブチェンコ・ゾルコビー組(独。29,34)。冒頭のスローフリップは高かったが手を付いた。ツイストはレベル4で全ジャッジが加点。ソロジャンプはピッタリ合っていて全ジャッジが加点1〜3。デススパイラル、リフト、ステップ、ペアスピン全てレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点2番目の41.03、演技構成点35.73、合計でSP2位。全然喜んでいなかった。
 15番滑走でベルトン・ホタレック組(伊。23,29)。曲は「マスク」より。冒頭のソロジャンプは全ジャッジが加点。ツイストはレベル3。リフト、ペアスピン、ステップはレベル4。デススパイラルだけレベル2。技術点5番目の38.17、演技構成点も5番目の31.05、合計69.22でSP5位。
 最終グループ最初の17番滑走でロシア国内僅差で2位のバザロワ・ラリオノフ組(露。20,27)。曲は「モダンタイムズ」など二つの映画より。今季はコーチを変え、振り付けも少しコミカル。頭を斜めに寄せ合ったポーズから始まり、冒頭のソロジャンプは久々にそろって成功。ツイストはレベル3だが全ジャッジが加点。スローフリップも成功、全ジャッジが加点。リフトとステップと最後のペアスピンはレベル4で全ジャッジが加点。しかしデススパイラルは男性の腰の位置が高いらしく、レベル1で全ジャッジが加点。技術点3番目の40.1、演技構成点4番目の31.6、合計71.7は自己ベスト更新でSP3位。

 18番滑走でジェイムズ・シプレ組(仏。26,22)。曲は「ジャンピンジャック」ほか。冒頭のツイストはキャッチが遅く、レベル1で-1〜-2。しかし続くソロジャンプは全ジャッジが加点。スローフリップも成功。リフトはレベル3、ステップ、デススパイラル、ペアスピンはレベル4。技術点34.43、演技構成点28.8、合計63.23でSP6位。
 19番滑走で世界王者ボロソジャー・トランコフ組(露。27,30)。曲は「仮面舞踏会」。冒頭のツイストはお手本のようでレベル4に全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプとスローループも全ジャッジが加点2〜3。デススパイラル、ペアスピン、リフト、ステップ全てレベル4で、デススパイラル以外全ジャッジが加点。技術点最高の45.66、演技構成点は全て9点台で最高の38.32、合計83.98でSP1位。
 最終滑走でロシア国内王者のストルボワ・クリモフ組(露。21,23)。曲はリズムが中心の現代風。とにかく滑るスピードが速い。冒頭のツイストは少しもたれてレベル1。しかし残りの要素は全て全ジャッジが加点。レベルもデススパイラルはレベル3だがあとはレベル4。技術点4番目の38.99、演技構成点は三つの要素で8点台で3番目の31.91、合計70.9でSP4位。

 フリーには16組が進む。13番滑走の予定だったサブチェンコ・ゾルコビー組はフリー棄権。9番滑走でジェイムズ・シプレ組。曲は「天使と悪魔」「レクイエム・フォー・ドリーム」。連続ジャンプで連続3回転を跳んだが男性が転倒。他はおおむねよくできた。解説の岡部さんは「毎年伸びている。滑りが上手くなった」。ペアスピンのみレベル4。一つ目のリフトと二つのスロージャンプは全ジャッジが加点。技術点5番目の64.38、演技構成点も5番目の58.87、合計122.25でフリー5位、総合5位。
 10番滑走でウェンデ・ウェンデ組。今季(2013.6)結婚した。サブチェンコ・ゾルコビー組がフリー棄権したので、ここがドイツ一番手に。女性が体調不良の上、足首に怪我もしているらしい。連続ジャンプは女性の第2ジャンプが1回転に。二つ目のスロージャンプもステップアウト。リフト三つとスピン二つはレベル4。デススパイラルはレベル1。技術点55.8、演技構成点57.33、合計でフリー6位、総合6位。
 12番滑走で昨年は3位のベルトン・ホタレック組。曲は「ドラキュラ」。冒頭の3連続は成功、全ジャッジが加点1〜3。しかしソロジャンプで女性が転倒。ソロスピンとデススパイラルはレベル3。コリオシークエンスと一つ目のスロージャンプ、一つ目のリフトは全ジャッジが加点。最後のリフトとペアスピンも全ジャッジが加点。技術点4番目の64.69、演技構成点も4番目の62.7、合計126.39でフリー4位、総合4位。

 ロシアばかり3組の最終グループ最初に14番滑走でバザロワ・ラリオノフ組。曲は「イゴール王子」より。鬼門のジャンプは、ソロジャンプで女性が両足、ダブルアクセルのシークエンスではアンダーローテーションの上バラバラ。しかし、スロージャンプは成功、ほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルはなぜかレベル1だが全ジャッジが加点。スピン二つとリフト三つはレベル4だが、得意のツイストがレベル3はとりこぼしか。ジャンプ以外の要素はほぼ全ジャッジが加点。技術点2番目の65.97、演技構成点3番目の63.94、合計129.91でフリー3位、総合3位。
 15番滑走でストルボワ・クリモフ組。曲は「アダムス・ファミリー」。ずっとスピードが速いままで、二つ目のリフト以外、全要素に全ジャッジが加点。ツイストとミスした二つ目のリフトはレベル2、デススパイラルと三つ目のリフトはレベル3。一つ目のスロージャンプはルッツだし、連続ジャンプは3連続だし、要素をきっちり見せるので、得点が出やすいと思う。二つ目のリフトはランディングが変だった。オリンピックではノーミスで2位になったのもわかる。技術点最高の69.21、演技構成点2番目の67.87、合計137.08でフリー1位、総合2位。
 最終滑走でボロソジャー・トランコフ組。曲は「ジーザス・クライスト・スーパースター」。珍しく大きなミスを二つ。冒頭のツイストは相変わらず素晴らしかったが、ソロジャンプで男性がステップアウト。連続ジャンプでは第1ジャンプで男性が転倒して第2ジャンプ入らず。しかも、後半、二つ目のスロージャンプで女性が転倒。他の要素は全て全ジャッジが加点。技術点3番目の65.2、演技構成点最高の73.2、転倒の減点2、合計136.4でフリー2位、総合優勝。

 <アイスダンス>29組参加。昨年の金銀メダリストのペシャラ・ブルザ組(仏)とボブロワ・ソロビエフ組(露)は欠場。ロシアからは国内選手権2〜4位のイリニク・カツァラポフ組、シニツィナ・ジガンシン組、リアザノワ・トカチェンコ組が出場。残りの五輪2枠を争う。また、昨年3位のカッペリーニ・ラノッテ組(伊)も初優勝をねらう。
 15番滑走で若いシニツィナ・ジガンシン組(露。18,21)。Jスポーツ解説の東野さんは、特に男性のエッジが非常に正確だ、とほめる。冒頭のツイズルと回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。フィンステップはレベル2と3。技術点5番目の30.72、演技構成点29.91、合計60.63でSD4位。
 20番滑走でトビアス・スタグニナス組(リトアニア)。女性はアメリカ出身で年末にやっとリトアニア国籍が取れたとのこと。すごくモチベーションがあがり、表情も豊か。冒頭のツイズルと最後の回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。フィンステップはレベル3と2。技術点28.28、演技構成点28.48、合計56.76でSD9位。

 21番滑走でクームズ・バックランド組(英。24,24)。フレッド・アステアの静かな曲。衣装も地味。冒頭のツイズルはレベル3だが全ジャッジが加点。フィンステップはレベル2と4。東野さんの解説でキーポイントの位置がやっとわかりだす。最後の回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。技術点3番目の31.5、演技構成点31.26、リフトの時間調の減点1、合計61.76でSD3位と好発進。
 22番滑走でリアザノワ・トカチェンコ組(露。22,27)。冒頭のツイズルと最後の回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。フィンステップはレベル4と1。キーポイントの「T」はタイミングが合っていないという意味だとやっと判明。技術点6番目の30.15、演技構成点30.2、合計60.35でSD5位。
 24番滑走はイリニク・カツァラポフ組(露。19,22)。曲は「シングシングシング」など。この組は全てが速いと言う。フィンステップから入り、レベル4と3。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。ツイズルと回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。技術点2番目の33.71、演技構成点最高の35.83、合計69.54でSD僅差の2位。

 25番滑走でジガンシナ・ガージ組(独。26,29)。女性は2013年11月にドイツ国籍取得。コーチは2008年フィンランドの選手と共に、このフィンステップを考案した本人。今季スケートカナダ6位、ボンパール杯4位。冒頭のツイズルはレベル4。フィンステップはレベル2と3。最後の回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。ストーリー性のある演技はますますコミカルに。技術点30.44、演技構成点29.35、合計59.79でSD7位。
 25番滑走でキャロン・ジョーンズ組(仏。27,25)。男性は10月にフランス国籍取得。振り付けは自分たちで行っている。ステップとツイズルはレベル3。カーブのリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。フィンステップは両セクションともレベル2。技術点27.93、演技構成点28.42、合計56.35でSD10位。
 27番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組(伊。26,28)。全要素にほぼ全ジャッジが加点。冒頭のツイズルとフィンステッブ第1セクション、最後の回転リフトがレベル4。第2セクションとステップがレベル3。特に回転リフトは加点2〜3。技術点最高の34.28、演技構成点全て8点台後半で2番目の35.3、合計69.58でSD僅差の1位。

 フリーには20組が進む。11番滑走でジガンシナ・ガージ組。やはり同じ衣装。解説の東野さんは「SDの物語の続きでしょうか。こういうのは初めて見ました。」と言う。リフトの入りで女性がジャンプするのはレベルを上げる要件の一つらしい。二つのステップ以外レベル4。終盤のロングリフトと直線のリフトは全ジャッジが加点。ただ、どれかのリフトの時間超過で減点1、技術点11番目の42.27、演技構成点7番目の44.31、合計85.58でフリー8位、総合7位。
 12番滑走にトビアス・スタグニナス組。曲は「007」より。ツイズルはレベル3、二つのステップはレベル2、リフト四つとスピンはレベル4。回転リフトとロングリフト、最後のコリオリフトは全ジャッジが加点。東野さんが「アイスダンスでは足替えスピンはコンビネーションスピン、同じ足で回るときはスピン。」と教えてくれる。技術点42.36、演技構成点43.16、合計85.55でフリー9位、総合9位。
 13番滑走の、SDを「ピンクパンサー」の曲で演じて6位、自己ベストを更新したアゼルバイジャンのズロビナ・シトニコフ組は、今季コーチをズーリンからシュピルバンドに変更。フリーはピナ・バウシュの曲。冒頭の直線のリフトとツイズル、中盤のリバース回転リフトとスピン、カーブのリフトでレベル4。ステップ二つはレベル2。最初のリフトとリバースリフトは全ジャッジが加点。このリバース回転リフトはこの組だけがやるそうだ。技術点、演技構成点44.4、合計87.96でフリー6位、総合6位。今季すごく成長したのではないか。

 15番滑走でキャロン・ジョーンズ組。曲は「白鳥の湖」。冒頭のスピン、直線のリフトはレベル4。第2ツイズルで男性がよろけかけた。ステーショナル・リフトは低い位置で女性が横向きになる難しいものでレベル4に全ジャッジが加点。ところがサーキュラーステップの途中で男性が転倒。びっくりした。フーザルポリコーチの驚愕した顔も写った。技術点19番目の37.31、演技構成点42.63、合計78.94でフリー13位、総合13位。ただし、フランスのもうひと組パパダキス・シゼロン組が総合15位だったので五輪出場決定。
 最終グループ最初にクームズ・バックランド組。曲はシルク・ド・ソレイユの「マイケル・ジャクソン・ショー」より。冒頭のロングリフトはレベル4に全ジャッジが加点2〜3。最後の回転リフトもレベル2だが、全ジャッジが加点。技術点2番目の48.07、演技構成点3番目の48.86、合計96.93は自己ベスト更新でフリーも3位、総合3位。初の表彰台。
 カッペリーニ・ラノッテ組は女性が衣装を変えてきた。赤だったのを白地にところどころ濃いピンクのリボンでアクセント。冒頭のツイズルはレベル4で全ジャッジが加点2。ロングリフトは全ジャッジが加点2〜3。東野さんが「リフトのとき女性のスプリットした足が美しい。」と言う。ステップ二つだけレベル3。基礎点40.2に゛゜んたいで加点。技術点最高の48.49、演技構成点2番目の53.54、合計102.03でフリー1位、総合1位。GPシリーズを含めても初優勝。

 18番滑走でリアザノワ・トカチェンコ組。五輪出場権がかかっているためか少し固い。冒頭のサーキュラーステップはレベル3だが全ジャッジが加点。リフト四つとスピンはレベル4。女性がツイズルでよろけ、減点評価。ツイズルレベル3、対角線のステップはレベル2。技術点44.03、演技構成点46.06、合計90.09でフリーも5位、総合5位。選手たちは暗い顔だった。
 続けて19番滑走でシニツィナ・ジガンシン組。こちらも慎重な滑り。ただノーミスだった。ステップ二つだけレベル3であとはレベル4。前半のツイズル、サーキュラーステップ、一つ目の回転リフト、直線のリフトは全ジャッジが加点。技術点4番目の46.39、演技構成点も4番目の46.71、合計93.1でフリーも4位、総合4位。
 最終滑走でイリニク・カツァラポフ組。初優勝を意識したのか、最初はずいぶんアグレッシブな滑りだったが、女性が第3ツイズルで転倒。曲は「白鳥の湖」。衣装は黒鳥。ツイズル以外の全要素に全ジャッジが加点。特に冒頭のロングリフト、中盤の回転リフトは加点2〜3。技術点3番目の47.28、演技構成点つなぎ以外9点台前半で最高の54.69、転倒の減点1、合計100.97でフリーも2位、総合2位。

 これでロシアもフランスも五輪出場組が決定。


ページトップへ