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2015フィギュアスケート・バックナンバー


12/24〜27 全日本選手権 (真駒内・札幌)
12/24〜26 ロシア選手権 (エカテリンブルク)
12/10〜13 グランプリ・ファイナル (バルセロナ・スペイン)
12/10〜13 ジュニア・グランプリ・ファイナル ペア・アイスダンス (バルセロナ・スペイン)
12/10〜13 ジュニア・グランプリ・ファイナル (バルセロナ・スペイン)
11/27〜29 NHK杯 (GPシリーズ第6戦・長野)
11/21〜23 全日本ジュニア (ひたちなか・茨城)
11/20〜22 ロステレコム杯 ペア・アイスダンス (GPシリーズ第5戦・モスクワ)
11/20〜22 ロステレコム杯 (GPシリーズ第5戦・モスクワ)
11/13〜15 フランス杯 ペア・アイスダンス (GPシリーズ第4戦・ボルドー)
11/13〜15 ボンパール杯 (GPシリーズ第4戦・ボルドー)
11/6〜8 中国杯 ペア・アイスダンス (GPシリーズ第3戦・北京)
11/6〜8 中国杯 (GPシリーズ第3戦・北京)
10/29〜11/1 スケート・カナダ ペア・アイスダンス (GPシリーズ第2戦・レスブリッジ)
10/29〜11/1 スケート・カナダ (GPシリーズ第2戦・レスブリッジ)
10/22〜25 スケート・アメリカ ペア・アイスダンス (GPシリーズ第1戦・ミルウォーキー)
10/22〜25 スケート・アメリカ (GPシリーズ第1戦・ミルウォーキー)
4/16〜19 国別対抗選手権 (代々木・日本)
3/23〜29 世界フィギュアスケート選手権 ペア・アイスダンス (上海・中国)
3/23〜29 世界フィギュアスケート選手権 (上海・中国)
3/2〜8 世界ジュニア・フィギュアスケート選手権 (タリン・エストニア)
2/10〜15 四大陸選手権 (ソウル・韓国)
1/26〜2/1 ヨーロッパ選手権 (ストックホルム・スウェーデン)
1/19〜25 カナダ選手権 (キングストン・オンタリオ州)
1/17〜25 全米選手権 (グリーンズボロ・ノースカロライナ州)
2014.12/24〜28 ロシア選手権 (ソチ)

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フィギュアスケート (2015.12/25,26,27,28,29,)

全日本選手権 (2015.12/24〜27 真駒内・札幌) 第84回

 <男子シングル>30人出場。世界選手権2枠も争う。第3グループ18番滑走でジュニアの島田高志郎(14)。今季から参戦のジュニアGPシリーズで7位と5位。全日本ジュニア4位。曲は「トスカ」。振付:宮本賢二。構成予定は3Lz+3T/3S/CCSp/FSSp/2A/StSq/CCoSp。冒頭の連続3回転の予定が3Lzをステップアウト。しかしステップからの3Sに2Tを付けた。2Aはきれいに成功。得意のStSqは精一杯やれた。技術点29.48、演技構成点28.93、合計58.41でSP17位。
 第4グループ19番滑走で日野(20)。今季ユニバーシアード8位、フィランディア杯6位、西日本選手権2位。曲は「アルメニアンラプソディー」。構成予定は3S+3T/3A/FCSp/CSSp/3Lz/CCoSp/StSq。冒頭の連続3回転成功。滑りのスピードも速くなった。3Aもなんとか成功。後半、ステップからの3Lzを決めるとガッツポーズ。StSqも力強く滑り、技術点5番目の38.95、演技構成点7番目の35.08、合計74.03はこの時点での1位でSP7位。
 22番滑走で羽生(21)。今季GPシリーズスケートカナダ2位、NHK杯で優勝、ファイナル優勝。曲はショパン「バラード第1番ト短調」。振付:ジェフリー・バトル。構成予定は4S/4T+3T/FCSp/3A/CSSp/StSq/CCoSp。冒頭のイーグルからの4Sは転倒。いつものスピードと高さが足りなかったと思う。次の4T+3Tは美しく成功。後半、3Aもきれいに決めた。技術点最高の55.86、演技構成点も最高の47.77、転倒の減点1、合計102.63でSP1位。4Sで転倒し悔しそうだった。キスアンドクライではオーサーコーチと英語で話し合っていた。

 24番滑走で宇野(18)。今季GPシリーズスケートアメリカ2位、ボンパール杯優勝、ファイナル3位。曲は「Legends」。振付:樋口美穂子。構成予定は3A/FCSp/CSSp/4T/3F+3T/StSq/CCosp。6分練習からすごく気合いが入っていた。冒頭のイーグルからの3Aは流れがあり加点の出来。後半、ステップからの4Tはこらえた。3F+3Tはしっかり決めた。StSqはスピードもあり、GPファイナルよりいいかもしれない。技術点2番目の53.54、演技構成点も2番目の44.4、合計97.94の高得点を出し、SP2位。本人は実感より得点が出たと驚いていた。インタビューでも「やりきったという気持ちはない。」と言っていた。
 最終グループ25番滑走で田中刑事(21)。今季GPシリーズNHK杯で5位、西日本選手権優勝。曲は「ブエノスアイレスの春」。振付:マッシモ・スカリ。構成予定は4S/3A/CSSp/FCSp/3F+3T/StSq/CCoSp。いきなり冒頭の4Sがパンク、2回転になり無得点。続く3Aはしっかり決める。二つのスピンもしっかり回り、後半の3F+3Tもきれいに成功。StSqもしっかり滑り、パンクさえなければ、という出来。技術点8番目の37.02、演技構成点6番目の37.17、合計74.19でSP6位。
 27番滑走で小塚(26)。今季GPシリーズ中国杯を足の腱鞘炎で欠場、ロステレコム杯は9位。曲は「レスペート・イ・オルグージョ」。振付:宮本賢二。構成予定は4T/3A/CSSp/3Lz+3T/FSSp/StSq/CCoSp。冒頭の4Tはわずかに両足。3Aは成功。後半3Lz+3Tの予定が第1ジャンプがつまって第2は2Tになり片手も付いた。StSqでは小塚らしさを見せた。絶好調には遠いが、ロステレコム杯のときよりはずっとキレのある滑り。技術点7番目の37.08、演技構成点4番目タイの41.11、合計78.19でSP5位。

 28番滑走で村上大介(24)。今季GPシリーズスケートカナダとボンパール杯で3位、ファイナル6位。曲はミュージカル『レ・ミゼラブル』より 「彼を帰して」。振付:ローリー・ニコル。構成予定は4S/3A/FCSp/3Lz+3Lo/CSSp/StSq/CCoSp。ファイナルで転倒した冒頭の4Sはきちんと成功。続く3Aもうまく決める。後半、3Lz+3Loの予定だったが、第1ジャンプの着氷が傾き、第2は2Tを両手上げで付けた。StSqも深く大きく滑り、全体によい出来。技術点4番目の42.38、演技構成点4番目タイの41.11、合計83.49でSP4位。
 29番滑走で無良(24)。今季GPシリーズスケートアメリカは怪我明けで10位、NHK杯は3位。曲は「黒い瞳」。振付:チャーリー・ホワイト。構成予定は4T+3T/3A/CCoSp/CCSp/3Lz/StSq/FSSp。冒頭の4T+3Tがきれいに決まる。3Aも成功。後半ステップからの3Lzは高くて余裕があった。StSqはあまりロシア民謡らしくはなかったが、しっかり踏んだ。ノーミスの演技で技術点3番目の50.16、演技構成点も3番目の43.1、合計93.26でSP3位。
 最終滑走でジュニアの山本草太(15)。曲は「ポエタ」。振付:宮本賢二。構成予定は3A/CCSp/FSSp/4T/3Lz+3T/StSq/CCoSp。冒頭の3Aは斜めになり転倒。後半のステップからの4Tの予定がパンクして2回転になり無得点。続く3Lz+3Tはしっかり成功。技術点29.56、演技構成点34.36、転倒の減点1、合計62.92でSP11位。

 フリー。24人が出場。
 16番滑走で日野。曲は昨季と同じ「アーサー王」。構成予定は4T/3A+3T/3Lz+2T/3Lo/StSq/CCoSp/3A/3F/3Lz+2T+2Lo/3S/CSSp/ChSq/FCCoSp。振付は宮本賢二。冒頭の4T転倒。3A+3Tはしっかり決める。3Lz+2Tは少し軸が曲がりかけたが立て直す。。StSqはもう少しメリハリがほしいが、なかなか動けていてレベル3。後半二つめの3Aで転倒。3Fは!マーク。3Lzはソロにして3Sに2T+2Loを付けた。CSSpはレベル4で全ジャッジが加点。技術点72.36、演技構成点68.78、転倒の減点2、合計139.14でフリー7位、総合213.17はこの時点で1位で総合8位。
 17番滑走で山本草太。曲は自ら選んだチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」。振付は宮本賢二。構成予定は3A+3T/4T+2T/FSSp/4T/FCCoSp/ChSq/3A/3Lo/3Lz/3F+1Lo+3S/3T/StSq/CCoSp。冒頭の3Aと4T続けて転倒。二つの連続ジャンプをミス。二つめの4Tは3Lzに変更。後半の3Aに2Tを付けた。3Lz+3Tもここに持ってきた。3F+1Lo+3Sも成功。2Aは全ジャッジが加点。StSqもレベル2だが全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点、うちFSSpと最後のCCoSpは加点2〜3。技術点81.57、演技構成点72.66、転倒の減点2、合計152.23でフリー5位、総合215.15はこの時点で1位で総合6位。世界ジュニアに派遣。

 最終グループ19番滑走で無良。曲はシルクドソレイユの「オー」。振付はバトル。構成予定は4T+3T/4T/3A/3S/CCoSp/StSq/3A+2T/3Lo/FSSp/3F+1Lo+2S/3Lz/ChSq/FCCoSp。水、砂漠、空の三つのテーマを表現しているらしい。冒頭の4Tは片手つきでソロに。二つめの4Tに2Tを付けた。続く3Aが1Aになる珍しいミス。次の3Sを3Aに変更、全ジャッジが加点。CCoSpはレベル4。StSqはレベル3で全ジャッジが加点。後半の3A+2Tは、2Tを4Tに付けたため3A+3Tに変更。3連続は3F+1Lo+3Sと変更。フジ解説の本田が「第3ジャンプに前半入れなかった3Sを持ってきた。」と言う。3LzとChSqは全ジャッジが加点。最後のFCCoSpはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。技術点87.0、演技構成点83.2、合計170.2でフリー2位、総合263.46はこの時点で1位で総合3位。四大陸代表。
 20番滑走で宇野。曲は「トゥーランドット」。構成予定は4T/3A/3A+3T/CSSp/StSq/FCSp/3Lo/3S/4T+2T/3Lz/2A+1Lo+3F/ChSq/CCoSp。振付:樋口美穂子。冒頭の4Tはパンクして2Tに。3Aはきれいで全ジャッジが加点2〜3。続く3A+3Tも全ジャッジが加点ほぼ2〜3。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点、うちCSSpは加点1〜3、最後のCCoSpは加点2〜3。StSqはレベル3だが、音楽をよく表して全ジャッジが加点。後半、4Tは決めたが第2ジャンプ付けず。3Lzは!マークでなんとか決める。3連続のところで二つめの4Tに挑戦したが、これも2Tにパンク。連続ジャンプが一つしか入らず「約9点くらい失った。」と解説の本田。技術点80.79、演技構成点88.42、合計169.21と思ったより高得点が出て、キスアンドクライの宇野と樋口コーチはホッとした顔。フリー3位、総合267.15はこの時点で1位で総合2位。インタビューでは「最後まで攻めることができた。」と言っていた。世界選手権と四大陸代表。
 21番滑走で田中刑事。曲は「椿姫」。振付はスカリ。構成予定は4S/3A/3F+3T/CSSp/StSq/3A+2T/3Lz/3S+2T+2Lo/CCoSp/3Lo/3F/ChSq/FCSp。冒頭の4Sはステップアウト。3F+3Tは成功。CSSpはレベル4。StSqはずいぶんメリハリが効いていてレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。後半、3A+2Tは全ジャッジが加点。3S+2T+2Loも成功。ChSqも曲想表現ができていて全ジャッジが加点1〜3。FCSpはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点88.72、演技構成点79.14、合計167.86 でフリー4位と躍進、総合242.05で4位。四大陸代表。

 22番滑走で小塚。曲は昨季と同じ「Io Ci Saro」。構成予定は4T/4T+2T/3A/FSSp/StSq/3A+2T+2Lo/3Lz+3T/3F/3Lo/3S/FCCoSp/ChSq/CCoSp。始める前に靴紐を結び直し、佐藤コーチとのルーティンが足りずに、コールからギリギリ30秒でスタート位置についたので観客からどよめき。最初は集中できていない感じ。冒頭の4Tはアンダーローテーションで転倒、二つめは2Tにパンク。なんと3Aも転倒。スピン二つとStSqはレベル3だが全ジャッジが加点。特にStSqは加点2〜3。後半、3A+2T+2Loなんとか成功。3Lz+3Tは第2がアンダーローテーションだがぎりぎり下りる。3Fは全ジャッジが加点。終盤のChSqは全ジャッジが加点2〜3。最後のCCoSpはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。後半は立て直したので、前半のミスがもったいない。技術点69.35、演技構成点83.28、転倒の減点2、合計150.63でフリー6位、総合228.82で5位。世界選手権も四大陸も無理か。これからのことは佐藤コーチと相談して決めるらしい。
 23番滑走で村上大介。曲は「Anniversary」。構成予定は4S/4S+2T/CSSp/3A+3T/FCSp/3A/3F/3Lz+2T+2Lo/3Lo/3S/StSq/ChSq/CCoSp。冒頭の4Sがパンクして2Sに。次の4S+2Tは第1ジャンプがアンダーローテーションだが決める。3Aはアンダーローテーションで転倒。後半、二つめの3Aはステップアウトで第2付かず。3Fもアンダーローテーション。ここでどこか傷めたらしく、苦しい顔で残りを滑った。3連続は3Lz+1Lo+2Sに変更。3Loもアンダーローテーション。StSqはレベル2。フジのアナウンサーも「後半途中から明らかにスピードが落ちました。」と言う。最後のCCoSpはレベル4。技術点54.45、演技構成点77.62、転倒の減点1、合計でフリー8位、総合214.56で7位。四大陸代表が目標だったが、どうやらだめか。
 最終滑走で羽生。曲は「SEIMEI」。構成予定は4S/4T/3F/FCCoSp/StSq/4T+2T/3A+3T/3A+1Lo+3S/3Lo/3Lz/FCSSp/ChSq/CCoSp。冒頭の4Sと4T、次の3Fも美しく、全ジャッジが加点3。スピン三つともレベル4で全ジャッジが加点。特にFCCoSpは加点2〜3、CCoSpは1〜3。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。しかし後半、二つめの4Tで転倒、第2付かず。しかも次の3Aもアンダーローテーションで転倒。やはり疲れている。3A+1Lo+3Sは第2がアンダーローテーションながら成功。課題だった3Lzは全ジャッジが加点1〜3の出来。ChSqも全ジャッジが加点2〜3。技術点90.15、演技構成点95.58、転倒の減点2、合計131.07でフリーも1位、総合286.36で4連覇。世界選手権代表。

 <女子シングル>29人出場。世界選手権3枠も争う。1番滑走でジュニアの白岩優奈(14)。今季ジュニアGPシリーズで優勝2回、ファイナル5位、全日本ジュニア2位。曲は「虹の彼方に」。キャシー・リードが初めて振付けたプログラムとのこと。構成予定は3F/3Lz+3T/LSp/StSq/2A/CCoSp/FSSp。衣装は濃い水色。ステップからの3F、3Lz+3Tの連続3回転、後半の2Aと、エッジエラーも回転不足もなくジャンプを全てクリーンに決めたのが高得点につながった。StSqもフジ解説の荒川が「正確なターンで踏めている。」と言っていた。1番滑走なのに全く緊張せず楽しそうに伸び伸び滑っていた。技術点4番目の35.49、演技構成点10番目の26.43、合計61.92でSP6位。初出場でフリー最終グループはすごい。
 9番滑走でジュニアの新田谷(18)。今季ジュニアGPシリーズで4位と3位、全日本ジュニア4位。曲は「恋のアランフェス」「レッド・バイオリン」。振付は鈴木明子。構成予定は3F/CCoSp/FSSp/3Lz+3T/StSq/2A/LSp。衣装は黒を基調に赤のアクセント。冒頭のステップからの3Fはジュニアの今季の課題。後半3Lz+3T、2Aをしっかり決める。最近のジュニア選手は軽々とフリップとルッツを跳び分け、連続3回転も決めてくるからすごい。その上、つなぎやステップの表現力も付けてきている。技術点6番目の34.35、演技構成点25.75、合計60.1でSP8位。来季からシニアに上がる。
 15番滑走でジュニアの横井ゆは菜(15)。今季全日本ジュニア3位。曲は「サウンド・オブ・ミュージック」より。鈴木明子のような選手になるのが目標らしい。構成予定は3T+3T/CCoSp/StSq/2A/3F/FSSp/LSp。ジュニアGPシリーズに出ているジュニア選手たちより構成は易しめだが、冒頭の3T+3Tをきれいに成功。本人は、表現力に自信があるとのことで、つなぎの部分の顔の表情やStSqはずいぶんよくできていた。後半、2Aは決めたが、3Fは回ったが転倒。そこまでいい流れだったので惜しかった。技術点13番目の31.53、演技構成点25.77、転倒の減点1、合計56.3でSP13位。

 17番滑走でジュニアの本田真凜(14)。今季ジュニアGPシリーズで2位と優勝、ファイナル3位、全日本ジュニア6位。曲はベートーベン「スプリングソナタ」。振付:マリーナ・ズエワ。構成予定は3Lo+3T/FSSp/2A/LSp/StSq/3F/CCoSp。衣装は淡いピンク。初めから滑りに勢いがあり、3Lo+3Tを成功。2Aも決めて、StSqは軽快に踏んだ。ステップからの3Fは少し高さが足りずに転倒。大勢の観客の前で滑るのがいかにも楽しいという余裕が感じられた。技術点12番目の31.7、演技構成点7番目の27.53、転倒の減点1、合計58.23でSP11位。
 第4グループ19番滑走で松田悠良(17)。今季ジュニアGPシリーズで3位1回。西日本選手権優勝。曲は映画『ピアノレッスン』より「The Piano」。振付は樋口美穂子。構成予定は3F+3T/FSSp/LSp/3Lo/2A/StSq/CCoSp。衣装は黒が基調。冒頭は3F+3Tを決める。ジュニアのプログラムとは替えてきた。後半、ステップからのジャンプは3Loにして成功、続く2Aも成功。StSqは音楽をよく表現した滑り。技術点10番目の32.24、演技構成点26.52、合計58.76でSP10位。
 20番滑走で本郷(19)。今季GPシリーズ中国杯2位、ロシア杯5位。曲はシルクドソレイユの「キダム」より「INCANTATION」。振付:鈴木明子。構成予定は3F/FCSp/LSp/3T+3T/2A/StSq/CCoSp。冒頭のルッツをフリップに、連続3回転を3F+3Tから変更。GPシリーズでeマークが付いたことで変えたらしい。ジャンプはすべて成功。スピードもあり、つなぎやStSq、ポーズや表情なども決まり、技術点3番目の37.14、演技構成点4番目の31.25、合計68.39はこの時点で1位。ここまで1番滑走でジュニアの白岩が1位だった。SP2位。

 22番滑走で永井(17)。今季GPシリーズスケートカナダ3位。曲は「蝶々夫人」。振付:宮本賢二。構成予定は3Lz+3T/LSp/FCSp/3Lo/2A/StSq/CCoSp。冒頭の3Lz+3Tはきれいに成功。しかし後半、3Loで転倒。続く2Aは決める。日々成長して体が重くなっているのではないか。スピンは柔らかさを生かした。技術点34.48、演技構成点26.94、転倒の減点1、合計60.42でSP7位。
 23番滑走で村上佳菜子(21)。曲は映画『ムーラン・ルージュ』より「ロクサーヌのタンゴ」。振付:樋口美穂子。構成予定は3F/FCSp/CCoSp/3T+3T/2A/LSp/StSq。衣装は黒。冒頭のステップからの3F成功。後半、3T+3Tを決めると、続けて今までミスしていた2Aも決める。その後のStSqは気迫がこもっていて圧巻。今季初めて2Aをきちんと決めた。ジャンプがそろったら山田先生に呼びかけるという約束をやっと果たせたと言っていた。技術点7番目の34.33、演技構成点3番目の31.69、合計66.02でSP4位。

 24番滑走で中塩(19)だったが怪我で欠場。

 最終グループ25番滑走で浅田真央(25)。今季GPシリーズ中国杯優勝、NHK杯3位、ファイナル6位。曲は「素敵なあなた」。振付:ローリー・ニコル。構成予定は3A/3F+2Lo/FCSp/3Lo/LSp/StSq/CCoSp。3F+3Tだった連続3回転を3F+2Lo、ステップからのジャンプを3Lzから得意な3Loに変更。しかし冒頭の3Aはスピード、高さが足りずステップアウト。3F+2Loも第1ジャンプでオーバーターンで片手も付いたが、何とか第2を付けた。スピンやStSqは素晴らしく、後半のステップからの3Loはきれいに成功。技術点18番目の28.68、演技構成点2番目の33.35、合計62.03でSP5位。
 29番滑走でジュニアの樋口新葉(14)。今季ジュニアGPシリーズ5位と2位、全日本ジュニアは2連覇。曲は「マンボファンタジー」。振付:阿部奈々美。構成予定はStSq/FSSp/3Lz+3T/CCoSp/3F/2A/LSp。衣装はオレンジが基調。StSqから入る珍しい構成だが、これで大きく体を動かし、ジャンプを全て後半に跳ぶ。3Lz+3Tは成功。3Fはオーバーターン。2Aはきっちり決める。ジュニアGPシリーズで見たときより、曲想表現がよくなっていると思う。本人はジャンプがノーミスでなかったのが悔しそうだった。技術点2番目の37.54、演技構成点5番目の29.94、合計67.48でSP3位。
 最終滑走で宮原(17)。今季GPシリーズスケートアメリカ3位、NHK杯優勝、ファイナル2位。曲は「ファイヤーダンス」。振付:トム・ディクソン。構成予定は3Lz+3T/LSp/FCSp/StSq/3F/2A/CCoSp。ジャンプを全て決めただけでなく、初めの表情や決めのポーズ、スピンやStSqも完璧に決まり、終わると観客がスタンディグオベーション。技術点最高の39.36、演技構成点も最高の33.88、合計73.24でSP1位。

 フリー。24人が出場。第3グループ15番滑走で永井。曲は映画『奇跡のシンフォニー』より「オーガスト・ラプソディー」。振付:シェイ=リーン・ボーン。構成予定は3Lz+3T/3F/3Lo/StSq/CCoSp/2A+3T/3Lz/3S/2A+2T+2Lo/ChSq/LSp/FCSp。衣装は青のグラデーション。冒頭の3Lzはステップアウトで第2ジャンプ付かず。3Fはeマーク。StSqは深いエッジで伸び伸びと滑りレベル3に全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、2A+3T、3連続は3Lz+2T+2Loとやや構成を変え、前半の欠けた連続ジャンプを補った。2A+2Tも成功。技術点62.51、演技構成点55.93、合計118.44でフリー6位、総合178.86で7位。
 16番滑走で新田谷。曲は「ロミオとジュリエット」。振付は川梅コーチ。構成予定は3Lz+2T+2Lo/3F/3S/CCoSp/StSq/3Lo/3Lz/2A+3T/ChSq/2A+3T/FCCoSp/LSp。衣装は濃い黄緑。冒頭の3Lz+2T+2Loは全ジャッジが加点。しかし3Fで転倒。スピン三つはレベル4。StSqはレベル3で全ジャッジが加点1。後半、二つめの3Lzは!マーク。二つ跳んだ2A+3Tのうち二つめがやや乱れた。ChSqと最後のLSpは全ジャッジが加点。技術点4番目の64.93、演技構成点54.45、転倒の減点1、合計118.38でフリー7位、総合178.48で8位。
 17番滑走で本田真凜。曲は映画『ビートルジュース』より。振付:トム・ディクソン。構成予定は3Lz/3S+3T/FSSp/StSq/2A/LSp/3F+2T+2Lo/3Lo/2A/3F/ChSq/CCpSp。冒頭の3Lzと最後のジャンプ3Fで転倒。3S+3T、2A 、3F+2T+2Lo、3Loなど跳べたジャンプは全ジャッジが加点。スピンも二つがレベル4。しかしStSqがレベル1、最後のCCoSpがレベル2など取りこぼしも。ChSqは音楽の音をよくとらえて全ジャッジが加点。技術点59.74、演技構成点55.65、転倒の減点2、合計113.39でフリー9位、総合171.62で9位。いつもは緊張しないのに、珍しく固くなっていた。

 最終グループ19番滑走で宮原。曲はリスト「ため息」。振付:ローリー・ニコル。構成予定は3Lz+2T+2Lo/3Lo/StSq/3F/CCoSp/3Lz/2A+3T/FCSp/3S/2A+3T/ChSq/LSp。冒頭の3Lz+2T+2Loで第3ジャンプが壁に近づきすぎてダウングレード。しかしあとはほぼノーミス。3Loは全ジャッジが加点。StSqとスピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のLSpは速く、加点3。3Fは全ジャッジが加点、後半の3Lz、一つめの2A+3T、3Sもほぼ全ジャッジが加点。二つめの2A+3Tは全ジャッジが加点。CCoSpはすばらしく、全ジャッジが加点ほぼ2〜3。基礎点61.66に全体で10点近い加点。終わったとき観客がスタンディング・オベーション。技術点最高の71.41、演技構成点2番目の68.18、合計139.59でフリーも1位、総合212.83で堂々の2連覇。世界選手権と四大陸代表。
 20番滑走で樋口。曲は「マスク・オブ・ゾロ」。振付:佐藤紀子。構成予定は3Lz+3T/3S/FCSp/StSq/3Lz+3Lo/2A/3Lo/LSp/ChSq/3F+2T+2Lo/2A/CCoSp。衣装は濃い赤に黒い手袋。ジャンプは全て跳びきり、堂々と演技。冒頭の3Lz+3Tは高く豪快で全ジャッジが加点。スピン三つはレベル4、うちLSpは全ジャッジが加点1〜3、最後のCCoSpは全ジャッジが加点。StSqはレベル3で全ジャッジが加点。後半、二つめの3Lz+3Tは、第1ジャンプをややこらえたので、第2の3Loを変更したらしい。2Aと3Loは全ジャッジが加点。3F+2T+2Loはeマーク。終わったとき力強く両手でガッツポーズ。最後までスピードにのり、緊張もせずに強気で滑りきったメンタルも新人離れしている。技術点3番目の68.02、演技構成点5番目の59.85、合計127.87でフリー3位、総合195.35で2位。世界ジュニアに派遣。
 21番滑走で白岩。曲は「夜のワルツ」他。振付はトム・ディクソン。構成予定は3Lz+3T/3S+3Lo/3F/2A/LSp/StSq/3Lo/CCoSp/ChSq/3Lz+2T+2Lo/2A/FSSp。衣装は道化師を表わす菱形の模様。冒頭の3Lz+3Tは全ジャッジが加点。次は種類の違う連続3回転の予定だったが3Sのソロに。3Fは!マーク。スピン三つはレベル4。StSqはレベル3。後半、3Loはほぼ全ジャッジが加点0〜3。3連続はなんと3Lz+3T+2Loに変更した上、全ジャッジが加点1〜3。フジ解説の荒川が「難度の高いジャンプをあっさり跳んだのでびっくりした。」と言っていた。最後のジャンプに2Aにも2Tを付け、前半の欠けた連続ジャンプをリカバー。技術点2番目の69.2、演技構成点55.21、合計124.41でフリー5位、総合186.33で5位。こちらも新人離れしている。

 22番滑走で本郷。曲は「リバーダンス」。振付:宮本賢二。構成予定は3F+3T/3S/3Lz/FCSp/StSq/2A+3T+2T/3Lo/CCoSp/3F/ChSq/2A/FCCoSp。緊張したのか全体にキレが少なかった。冒頭の3F+3Tはほぼ全ジャッジが加点。3Sは全ジャッジが加点。このところエッジエラーをとられる3Lzは!マークで転倒。スピン二つはレベル4。StSqと最後のFCCoSpはレベル3。後半、2A+3T+2Tも成功。3Fはアンダーローテーション。ChSqではリバーダンスっぽいステップで全ジャッジが加点1〜3。技術点5番目の63.49、演技構成点62.4、転倒の減点1、合計124.89でフリー4位、総合193.28で4位。世界選手権と四大陸代表。
 23番滑走で浅田真央。曲は「蝶々夫人」。振付:ローリー・ニコル。構成予定は3A/3F+3Lo/3Lz/FCSp/ChSq/2A+3T/3S/3F+2Lo+2Lo/3Lo/LSp/StSq/CCoSp。衣装は着物のデザインを取り入れた薄紫。冒頭の3Aはアンダーローテーションで転倒。直前の6分間練習では、すごく引き締めて成功していたのだが。連続3回転は3Fがオーバーターンになり第2ジャンプ付かず。課題の3Lzはきちんと成功。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のCCoSpは加点2〜3。ChSqは全ジャッジが加点2〜3。「ジャンプに悩む心情が曲の表現と重なっている。」と鈴木アナ。後半、2A+3Tは第2ジャンプがアンダーローテーション。3F+2Lo+2Loはほぼ全ジャッジが加点。得意の3Loは全ジャッジが加点。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点ほぼ3。欠けた連続ジャンプのリカバーはできず。技術点6番目の63.24、演技構成点最高の69.48、転倒の減点1、合計131.72でフリー2位、総合193.75で3位。世界選手権と四大陸代表。
 最終滑走で村上佳菜子。曲は映画『SAYURI』より。振付:樋口美穂子。構成予定は3Lo/2A+3T/3F+2T/FCSp/StSq/CCoSp/3S+2Lo+2Lo/3F/3S/ChSq/2A/LSp。衣装は青。冒頭の3Loは全ジャッジが加点。2A+3Tは第2がアンダーローテーション。次の3Fで転倒、第2が付かず。ここで動揺したらしい。スピン三つはレベル4。うち最後のLSpは全ジャッジが加点。StSqも全ジャッジが加点1〜3。後半、一つめの3Sが3連続の予定だったがソロになり、次を3S+2T+2Loに変更したのはよかったが、間に二つめの3Fを跳ぶ予定で、ここを連続ジャンプにしないといけなかったが、混乱したらしく跳ばないままChSqに。しかも課題の2Aが1Aに抜けた。終わったとき、盛大にしかめ面。キスアンドクライでは樋口コーチに頭をたたかれ、苦笑い。織田信成ばりのミスで大量に得点取りこぼし。技術点53.08、演技構成点3番目の63.48、転倒の減点1、合計115.56でフリー8位、総合181.58で6位。

 ※世界選手権(アメリカ・ボストン、2016.3/28-4/3)には、ペアに須藤・ブードロオデ組、男子シングルに羽生、宇野、女子シングルに宮原、浅田、本郷。アイスダンスはミニマムポイントを取れたカップルがいないため、未定。
 四大陸(台湾・台北、2016.2/16-2.21)には、男子シングルに宇野、無良、田中刑事。ペアと女子シングルは世界選手権と同じ。アイスダンスに村元・リード組、平井・デラアソンション組。
 世界ジュニア(ハンガリー・デブレツェン、2016.3/14-20)には、男子シングルに山本、中村、宮田。女子シングルに樋口、白岩、本田。アイスダンスに深瀬・立野組。

 <ペア>3組出場。今季組替えの高橋・ザボエフ組は、東日本選手権で優勝したが解散とのこと(12/22のフジテレビ「フィギュアスケートTV!」より)。残念(その後、木下グループの支援中止による資金難のためと判明)。めずらしく、フリーだけだが3組とも放送。
 1番滑走でSP3位(43.64=23.18+20.46)の須崎・木原組(16,23)。女性は昨年までシングルと掛け持ちだったが今季からペア転向。曲は映画「スターウォーズ」より。振付は佐藤有香。冒頭の3T+2Tは成功。2Twはまだ2回転なのはともかく、女性の手が男性に触れたためレベルB。2SThは決めた。リフト二つはレベル1、うち3Liはほぼ全ジャッジが加点1。三つめのグループ2のリフトというのは初めて見たが、残念ながらこれもレベルB。3Sは成功。FCCoSpはレベル4。2LoThは両足。FiDsとPCoSpはレベル2。技術点39.86、演技構成点42.62、合計82.48でフリーも3位、総合で3位。まだまだこれから。
 2番滑走でSP1位(53.31=30.92+22.39)の須藤・ブードロオデ組(18,22)。今季組み替え。女性は一昨季ロシア出身のチジコフと組んで全日本ジュニアで優勝、世界ジュニア12位。男性はカナダ出身。昨季古賀とのペアで全日本ジュニア優勝、世界ジュニア6位。国別対抗(2015.4)に日本チームのペアとして出場し6位。冒頭の2Twはレベル2だが、高くて加点評価。3Sも成功。続けて3SThも決める。5TLiはレベル2だが、あと二つのリフトはレベル4。FCCoSpとFiDsもレベル4。特にFiDsは、男性の腰がよく下りていて、ほぼ全ジャッジが加点。連続ジャンプは、男性の第1ジャンプの3Tがダウングレードで第2が付かず。女性は2Tを付けていた。二つめの3LoThも成功、ほぼ全ジャッジが加点。最後のはレベル3。技術点49.64、演技構成点47.6、合計96.24でフリーも1位、総合149.55で初優勝。世界選手権と四大陸代表。

 <アイスダンス>4組出場。めずらしく、フリーだけだが3組放送。解説は宮本賢二。3番滑走でSD2位(54.24=29.82+25.42)の平井・デラアソンション組(29,26)。昨季全日本2位、四大陸8位。今季GPシリーズNHK杯8位。曲は「トゥーランドット」。コーチはザズーイ、有川ほか。冒頭のSTwはレベル4で全ジャッジが加点。CiStとDiStはレベル3でほぼ全ジャッジが加点1。リフト三つとCoSpはレベル4、うちCoSpとSlLi、最後のRoLiは全ジャッジが加点。リフトで、女性がサポートなしで姿勢変化する難しい形をやっていた。技術点47.32、演技構成点40.07、合計87.39でフリーも2位、総合141.63で2位。四大陸代表。
 最終滑走でSD1位(58.36=31.4+26.96)の村元・リード組(22,26)。今季から組み替え。今季GPシリーズNHK杯7位。曲は「Silent Film Medley」。振付:マッシモ・スカリ。女性の衣装と男性のネクタイがピンク色。チャップリン風に肩をすくめて見つめ合う出だしから芝居っけたっぷり。CiStとDiStはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。リフト三つとCoSpはレベル4に全ジャッジが加点。特にSlLiは加点1〜3。STwはレベル2と取りこぼし。最後のChLiもほぼ全ジャッジが加点。技術点46.45、演技構成点42.27、合計88.72でフリーも1位、総合147.08で初優勝。四大陸代表。

 参考・ミニマムスコア(SP/FS)
 <世界選手権>
 男子「34/64」、女子「27/47」、ペア「25/43」、アイスダンス「29/39」。
 ジュニア男子「20/42」、女子「20/35」、ペア「20/30」、アイスダンス「18/28」。
 <四大陸選手権>
 男子「25/45」、女子「20/36」、ペア「20/36」、アイスダンス「19/29」。

フィギュアスケート (2016.2/10,11,12,13)

ロシア選手権 (2015.12/24〜26 エカテリンブルク)

 <ペア>12組出場。エカテリンブルクでの開催は、ソ連時代を含めても初めてという。昨年優勝のストルボア・クリモフ組欠場。世界選手権枠は3つ。
 1番滑走でバザロワ・デビュタト組(22,23)。バザロワは地元エカテリンブルクの出身。組み替えて2年目。今季GPシリーズスケートカナダ5位、NHK杯4位。曲はショパン「夜想曲第2番」。冒頭の3Tは成功。3Twはレベル2。4Liは、Jスポーツ解説の岡部さんによれば今季のペアSPの指定でプレスタイプとのこと。レベル4で全ジャッジが加点。3LoThは見事で全ジャッジが加点ほぼ2。今季指定のBoDsはレベル3で全ジャッジが加点。StSqとPCoSpもレベル4に全ジャッジが加点。技術点6番目の36.41、演技構成点も6番目の30.89、合計67.3でSP6位。今季から演技構成点の5要素が色別に画面に表示されるようになった。
 10番滑走で戻ってきた五輪金メダリストヴォロソジャー・トランコフ組(29,32)。2015年8月に結婚。今季GPシリーズボンパール杯優勝。曲は「Nagada Sang Dhol」。全要素に全ジャッジが加点。レベルも全て4。冒頭の3Twは高く、文句なく加点3。3Sも合っていて加点2〜3。3FThは少し短かったが加点1〜3。StSqもボンパール杯よりよくなり、BoDsはたいそう低く、ともに加点2〜3。基礎点33.9に全体で10.8の加点。技術点最高の44.7、演技構成点は全て9点台後半で最高の38.95、合計83.65でSP1位。全体に高めの点数が出ているが、それにしても高得点。

 11番滑走で昨年2位のタラソワ・モロゾフ組(21,23)。今季GPシリーズスケートカナダ2位、ボンパール杯7位。曲は「ロード・オブ・ザ・ダンス」より「Warriors」。冒頭の3Twは高く余裕があり、レベル4に全ジャッジが加点3。3Tもしっかり合っていて全ジャッジが加点。3LoThも成功。BoDsはレベル3だが全ジャッジが加点。PCoSp、4Li、StSqとレベル4でそろえ、全ジャッジが加点。特に4Liは加点2〜3。まだ若いせいかいつも技術点は高いが、つなぎがもの足りなく見える。技術点2番目の41.23、演技構成点3番目の35.98、合計77.21でSP3位。
 最終滑走で昨年3位の川口・スミルノフ組(33,30)。今季GPシリーズ中国杯優勝、ロステレコム杯2位、ファイナル3位。曲は「I Finally Found Someone」。珍しくポピュラーな感じの明るいメロディー。女性の衣装と男性の蝶ネクタイが赤。ツイスト以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のBoDsはレベル3。3Tも成功。3Twはレベル3。3LoThもしっかり決めた。4Li、StSq、PCoSpはレベル4で、うち4LiとStSqは加点2〜3、PCoSpはも加点1〜3。珍しく川口がにこにこしていた。技術点3番目の40.0、演技構成点は全て9点台前半で2番目の37.26、合計77.26でSP2位。

 フリー。5番滑走でバザロワ・デビュタト組。曲は「Come Together」などビートルズ・メドレー。女性の衣装はジーンズの短パンに見える。冒頭の3Tは二人のタイミングが全くずれていたが決める。3Twはレベル2。前は上手だったのに。2A+2Aは女性の第2がアンダーローテーション。後の要素は全てレベル4。5ALiとFiDs、ChSq、3LoTh、5RLiは全ジャッジが加点。曲がただつないであるだけで、演技もブツブツ切れて見える。技術点 63.27、演技構成点 63.27、合計126.54でフリーも6位、総合193.84で6位。
 9番滑走でヴォロソジャー・トランコフ組。曲は「Bram Stoker's Dracula」。今季初披露。冒頭の3Twはすばらしく、レベル4に全ジャッジが加点3。3連続は、男性と女性の回転数が異なり、3S+1T+1T。3FThは転倒。解説の岡部さんは「転んだのは初めて見た。」と言う。3Tは成功し、全ジャッジが加点2〜3。あとの要素は全てレベル4で全ジャッジが加点。特にFCCoSpと5RLiは加点2〜3。FiDsと3LoTh、ChSq、5BLiと3Liは加点1〜3。技術点最高の69.17、演技構成点も最高の77.14、転倒の減点1、合計145.31でフリーも1位、総合228.96で優勝。

 10番滑走で川口・スミルノフ組。曲は「Manfred Symphony」。冒頭の3Tは成功、全ジャッジが加点2。2A+2A+SEQは川口がステップアウト。4SThは回ったが両足。続く3LoThは3回転でほどいて余裕の全ジャッジが加点ほぼ2。スピン二つとリフト三つはレベル4で全ジャッジが加点。うち5ALiと3Liは加点2〜3。ChSqも全ジャッジが加点2〜3。3Twは下りた後よろけた。BiDsはレベル3で全ジャッジが加点1。川口はまたこわい顔で反省モード。技術点2番目の67.27、演技構成点も2番目の74.11、転倒の減点1、合計140.38でフリーも2位、総合217.64で2位。
 11番滑走でタラソワ・モロゾフ組。曲はショパン「夜想曲」他。冒頭、目玉の4Twはなんとか成功、-1〜3と評価は分かれた。2Sは回転数が違ったか。3T+2Tは決めて、全ジャッジが加点2〜3。リフト二つとBiDs、スピン二つはレベル4。うちFCCoSpを除く4つの要素は加点1〜3。二つのスロージャンプは全ジャッジが加点2〜3。ChSqも加点2〜3。ところが5ALiがレベル1と取りこぼし。技術点4番目の66.71、演技構成点3番目の73.6、合計140.31でフリーも3位、総合217.52、0.12の僅差で3位。
 なお、4位にはアスタホワ・ロゴノフ組(206.39)、5位にはザビヤコ・モズコフ組(205.03)が入り、いずれの組もフリーでは3連続ジャンプを成功させた。

 <アイスダンス>10組出場。モンコ・ハリアビン組欠場。世界選手権枠は昨年減らして2つ。
 2番滑走でボブロワ・ソロビエフ組(25,26)。今季GPシリーズスケートカナダ3位、NHK杯2位、ファイナル5位。曲はハチャトリアン「仮面舞踏会」他。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のSTw、RWの両セクション、RoLiはレベル4。特にRoLiは加点2〜3。最後のPStだけレベル3。Jスポーツ解説の東野さんが「PStは、10秒以内のストップの後行う。ワルツ以外のリズムを使う。ツイズルなどの間も必ず相手の体に接触している必要がある」ことを教えてくれる。技術点33.97、演技構成点36.24、合計70.21でSD2位。
 3番滑走でシニツィナ・カツァラポフ組(20,24)。今季GPシリーズスケートアメリカ2位、ロステレコム杯3位。曲はチャイコフスキー「は口調の湖」。STwを除く全要素に全ジャッジが加点。全ての要素でレベル4。うちRWの両セクションとも加点2。最後のRoLiは加点2〜3。GPシリーズのときより全体によくなった感じ。技術点36.7、演技構成点37.26、合計73.96でSD1位。

 5番滑走でイリニフ・ジガンシン組(21,23)。今季GPシリーズ中国杯3位、ロステレコム杯6位。曲はクイーン「Somebody to Love」他。今度は女性が痛恨の転倒。RoLi以外の全要素に全ジャッジが加点。STwと1RW4、RoLiはレベル4。2RWと最後のPStはレベル3。冒頭のところで転んだので、要素を失うことにはならず不幸中の幸いだったが、そのせいか全体に余裕がなく、加点もあまり付かなかった感じ。技術点32.67、演技構成点35.08、転倒の減点1、合計66.75でSD4位。
 8番滑走でステファノワ・ブキン組(20,22)。今季GPシリーズボンパール杯3位、NHK杯4位。曲は映画「The Stunt Man」より。STw以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭の1RWと最後のPStはレベル3。2RWとSTw、SlLiはレベル4。特にSlLiは加点2〜3。得意のシッティングツイズルは、珍しく男性が少しよろけて0〜3と評価がばらけた。技術点33.45、演技構成点35.11、合計68.56でSD3位。

 フリー。6番滑走でボブロワ・ソロビエフ組。曲は映画「アンナ・カレーニナ」より。全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3で後の要素はレベル4。特にSlLiは加点2〜3。CuLi+RoLiは加点1〜3。解説の東野さんは「NHK杯のときよりずっといい。伝統的なロシアのカップルという感じ」と言っていた。基礎点41.4に10.36の加点。技術点51.76、演技構成点はつなぎ以外9点台前半で55.01、合計106.77でフリー1位、総合176.98で優勝。
 8番滑走でイリニフ・ジガンシン組。曲は映画「フリーダ」より。男性の衣装の背中の絵は、実際にフリーダ・カーロが描いた絵を転写したらしい。ここも全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3で後の要素はレベル4。SlLiは加点1〜3。少し慎重に滑っていたか。加点3が少なかった。基礎点41.4に全体で加点9.15。技術点50.55、演技構成点52.42、合計102.97でフリー2位と追い上げたが及ばず、総合169.72で4位。

 9番滑走でシニツィナ・カツァラポフ組。曲は「イオチサロ」。冒頭のSTwは、男性が第1セットの2回転目でよろけて足を付いたのでレベル1。後の要素は全ジャッジが加点。ステップ二つとRoLiはレベル3、他の要素はレベル4。うちCuLiとSlLiは加点1〜3。RoLiはすごく速く、最後のChLiとともに加点2〜3。基礎点36.5に全体で加点9.93。技術点46.43、演技構成点最高の55.44、合計101.87でフリー3位、総合175.83で2位。
 最終滑走でステファノワ・ブキン組。曲は「Rachmaninov's Revenge」。ここも全要素に全ジャッジが加点。第1セットでしゃがんだまま回る冒頭のSTwは、SDより良かったが、レベル3、加点は1〜3。CiStもレベル3。リフト三つとCoSpはレベル4、うちSlLiとCoSpは加点2〜3。RoLiと続いて最後のChSpは加点1〜3。DiStだけレベル2。基礎点は38.0だが全体で加点11.3。技術点49.3、演技構成点53.4、合計101.7でフリー4位、0.54の僅差で総合170.26で3位。

 <男子シングル>18人出場。欧州選手権は3枠。ガチンスキーは手首の怪我で欠場予定だったが、直前に引退が発表されたとのこと。まだ22歳なのに。2番滑走でコリヤダ(20)。GPシリーズ二つ出場予定だったが一つは怪我で辞退、ロステレコム杯5位。。曲は「Nightingale Tango」。衣装は上衣が明るい緑色。冒頭で片手を付きそうになりながらこらえ4T+3Tを決める。3Aも成功、全ジャッジが加点。FSSpと最後のCCoSpはレベル4で、CCoSpは全ジャッジが加点ほぼ2。ステップからの3Lzも成功。StSqとCCSpはレベル3、うちCCSpは全ジャッジが加点。StSqでは、つなぎにも見られたがコミカルな仕草と顔で表現。技術点2番目の48.69、演技構成点41.86、合計90.55でSP2位。
 4番滑走でピトキエフ(17)。今季GPシリーズスケートアメリカ6位、ロステレコム杯2位。曲は「Pain」他。冒頭できれいな4T+3Tを決める。スピンは三つともレベル4に全ジャッジが加点。しかし後半、3Aで転倒。ステップからの3Lzは成功。最後のStSqはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点3番目の46.09、演技構成点4番目の41.54、転倒の減点1、合計86.63でSP3位。
 6番滑走でヴォロノフ(28)。曲は「Butterflies and Hurricanes」。振付はバトル。冒頭の4T+2Tは、第1が少し乱れて第2が2回転に。スピンは三つともレベル4。痛恨のトリプルアクセルのパンクで無得点。ステップからの3Loは無難に決めた。技術点12番目の34.65、演技構成点3番目の41.64、合計76.29でSP9位と大きく出遅れ。

 14番滑走でコフトゥン(20)。曲は「I Can't Dance」。冒頭で4S+3Tまあ成功、全ジャッジが加点。続く4Tはきれいでほぼ全ジャッジが加点。しかし3Aで転倒。スピン二つはレベル4。StSqとCSSpはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点最高の49.4、演技構成点も最高の44.65、転倒の減点1、合計93.05でSP1位。
 15番滑走でペトロフ(16)。曲は「La Leyenda del Beso」。4回転はないが、滑りが美しい。コフトゥンの後だと特にわかる。冒頭で一番の大技3Aをきれいに決めて全ジャッジが加点。続けて3Lz+3Tも成功、全ジャッジが加点。StSqとスピン二つはレベル3、うちStSqと最後のCCoSpは全ジャッジが加点。後半、ステップからの3Fはなんとか決める。CSSpはレベル4。技術点6番目の41.57、演技構成点も6番目の40.04、合計でSP5位。
 16番滑走でメンショフ(32)。17回目の出場。もうこれだけですごい。曲は昨季と同じ「Rotting Romance」。冒頭で4T+3Tを堅実に決め、全ジャッジが加点。ステップからの3Sもまあ成功。スピン二つとStSqはレベル3。いつもこのへんは確実にレベル4をとってくるのに。それでもStSqは全ジャッジが加点。後半、3Aで全く立てずに転倒。技術点8番目の40.85、演技構成点5番目の41.36、合計でSP6位。この他、4位にゴルシコフ(。82.26)、7位にアリエフ(16。81.03)が入った。

 フリー。8番滑走でヴォロノフ。曲は昨年のものに戻して「Mans mans mans world」。二つ4回転を予定していたが、冒頭は3Tに。3A+2Tは連続3回転の予定だったかもしれないが全ジャッジが加点。二つめの4Tは回ったが両足。3Lzも全ジャッジが加点。スピン三つは慎重に回りレベル4に全ジャッジが加点。StSqは音楽をよく表現して全ジャッジが加点2〜3。後半、二つめの3Aをなんとか決め、3Lo+2T+2Loも成功。ChSqも全ジャッジが加点。しかし無難にまとめた印象で、解説の杉田さんも「4T+3Tも跳べる選手なのに、ヴォロノフらしさがステップにしか出ていない。」と残念がった。技術点5番目の77.31、演技構成点も5番目の84.08、合計161.39でフリー5位、総合237.68で5位と挽回。
 10番滑走でSP7位のアリエフ(16)。身長174cmとの登録だがもっと高く見える。今季ジュニアGPファイナル2位。曲は「ノートルダム・ド・パリ」より。衣装は濃い灰色に黒の十字。やはり二つ4回転を申告して、冒頭の4Tは成功し、全ジャッジの加点を得たが、二つめはきれいな3T+2Tに。3A+1Lo+3Sは成功、全ジャッジが加点。CCoSpとStSqはレベル3。後半、二つめの3Aで転倒。3Lz+2Tは決める。FCCoSpはレベル4、最後のCSSpはレベル2。技術点6番目の76.24、演技構成点7番目の81.2、転倒の減点1、合計156.44でフリー6位、総合237.47で6位。
 15番滑走でコリヤダ。曲は「The Nightmare Before Christmas」。冒頭で4Tをきれいに決め、全ジャッジが加点ほぼ2。続けてソロの3A、3A+2T、3Lzと跳び、全ジャッジが加点。スピン二つでレベル4、全ジャッジが加点。後半、3Lz+2Tは決めたが、2Aは疲れたのか両足気味。FSSpとStSqはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のChSqも曲想を出しており全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の81.54、演技構成点も2番目の88.64、合計170.18でフリーも2位、総合260.73で2位。

 16番滑走でピトキエフ。曲は「The Mission」。冒頭の4Tは回ったが派手に転倒。二つめは回れず2Tで両足気味。3Aの予定が2Aに。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。スピン三つはレベル4、うちCSSpは全ジャッジが加点。後半、3Lz+3Tはきちんと成功、ほぼ全ジャッジが加点。しかし2Sとまた2回転に。それでも二つめの3Lz、2A+2T+2Loなどなんとか決める。終わったとき腰が痛そうで、顔もすごく沈んでいた。キスアンドクライでもずっと下を向いていた。技術点12番目の63.72、演技構成点8番目の81.14、転倒の減点1、合計143.86でフリー11位、総合230.49で9位。杉田さんは「SP3位で上もねらえる位置にいたが、まだまだこれから期待の選手。」
 17番滑走でペトロフ。曲はピアソラの「Oblivion」。冒頭は4回転の申告だったらしいが3A+2Tに変更。続けてソロの3A、3Lz+2Tと決め、いずれも全ジャッジが加点。FCSpとStSqはレベル3だが全ジャッジが加点。特にStSqは深いエッジで滑らかに踏み、加点1〜3。後半3F+1Lo+3Sは!マークが付いたが成功。二つめの3Lzも全ジャッジが加点。CSSpはレベル4。最後のCCoSpはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。技術点最高の81.83、演技構成点88.64、演技時間超過の減点1、合計167.03でフリー3位、総合248.64で逆転3位。
 最終滑走でコフトゥン。曲はベートーベン・セレクション。冒頭の4Sはアンダーローテーション。4Tはきちんと下り全ジャッジが加点。さらに4S+2Tも決める。ここまでで30点以上の荒稼ぎ。CSSpはレベル3。CCoSpと最後のFUSpはレベル4で全ジャッジが加点。後半、3A、3Lzと決める。3Lo+A+SEQは、第2ジャンプに3Aだったのか。StSqはコミカルな振付で全ジャッジが加点1〜3。最後のFUSpもレベル4で全ジャッジが加点。ほぼノーミスで終わったとき、ガッツポーズしてから顔をおおった。技術点4番目の79.86、演技構成点最高の93.28、合計173.14でフリーも1位、総合266.19で3連覇。SP6位のメンショフはフリーの放送がなく、フリー7位、総合7位。
 欧州選手権には、コフトゥン、コリヤダ、ペトロフを派遣。

 <女子シングル>18人出場。欧州選手権は3枠。3番滑走でポゴリラヤ(17)。今季GPシリーズ中国杯4位、NHK杯9位。曲は「Bolero for Violin and Orchestra」。冒頭の3Lz+3T成功、全ジャッジが加点。ステップからの3Loも決める。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。今季初めてくらいのノーミスの演技。技術点5番目の37.27、演技構成点7番目の33.95、合計71.22でSP4位。
 5番滑走でトゥクタミシェワ(19)。現在の世界女王。今季GPシリーズスケートカナダ2位、ボンパール杯5位。曲は昨季に使った「ボレロ」に戻した。解説の岡部さんは「世界選手権で優勝したプログラムの方がやりやすいと思ったのでしょう。」と言う。冒頭で3Aに挑戦、転倒。ステップからの3Lzは全ジャッジが加点2〜3。スピン二つがレベル4に全ジャッジが加点。LSpとStSqはレベル3、うちStSqは全ジャッジが加点。しかし後半、連続3回転の予定だったところで2T+3Tになってしまい、しかも第2ジャンプはダウングレード。キスアンドクライでは、がっくりしていた。技術点30.43、演技構成点6番目の34.25、転倒の減点1、合計63.68でSP9位と大きく出遅れ。
 8番滑走でリプニツカヤ(17)。今季GPシリーズスケートアメリカ6位、ボンパール杯2位。GPシリーズの後、コーチをウルマノフに変更。ついに復活か。曲はプレスリーだったが替えたようだ。冒頭でステップからの3Lzを決めてのった。続く2Aはほぼ全ジャッジが加点。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のキャンドルになるCCoSpは加点3。後半、3T+3Tをきれいに決めて全ジャッジが加点。StSqも楽しそうに踏み、レベル3だが全ジャッジが加点2〜3。技術点3番目の38.37、演技構成点4番目の35.4、合計73.77でSP3位。

 14番滑走でソトニコワ(19)。今季GPシリーズロステレコム杯3位。相変わらずジャンプが戻らない。曲は「Historia de un amor」他ラテン・セレクション。スカートが腰蓑みたい。冒頭で3T+3Tをなんとか決める。ステップからの3Fは低くて転倒。CCoSpはレベル3だが全ジャッジが加点ほぼ2。後半の2Aは全ジャッジが加点1〜3。LSpはレベル3で全ジャッジが加点。終盤のStSqとFCSpは速くて力強さもあり、やっと本領発揮の感じ。レベル4に全ジャッジが加点2〜3。技術点7番目の33.93、演技構成点2番目の36.54、転倒の減点1、合計69.47でSP6位。
 15番滑走でラジオノワ(16)。今季GPシリーズ中国杯3位、ロステレコム杯優勝、ファイナル3位。曲は「Je t'aime」。冒頭で3Lz+3Tを決め、全ジャッジが加点。スピン三つとStSqはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。うちCCoSpとStSqは加点1〜3。特に最後のLSpは全ジャッジが加点2〜3。後半、ステップからの3Loと2Aもあっさり決め、ほぼ全ジャッジが加点。技術点2番目の40.58、演技構成点3番目の36.11、合計76.69でSP2位。
 17番滑走でメドベージェワ(16)。今季GPシリーズスケートアメリカ優勝、ロステレコム杯2位、ファイナル優勝。曲は「Melodies of the White Nights」。全要素に全ジャッジが加点。スピン三つとStSqはレベル4。うちStSqと最後のLSpは加点2〜3。ジャンプは全て後半で、3F+3Tは軽々と決め、加点2〜3。2Aとステップからの3Loも加点1〜3。「見ていて失敗する感じがしない。」と解説の岡部さん。技術点最高の42.14、演技構成点も最高の37.3、合計79.44でSP1位。この他、ツルスカヤ(14)がSP5位、レオノワ(25)がSP7位。

 フリー。8番滑走でトゥクタミシェワ。曲は「Peer Gynt」。冒頭の3Aはオーバーターンながら片足で立った。3Lz+2T+2Loは成功、ほぼ全ジャッジが加点。ところが1Fになる。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、3T+3Tを跳んだが第2がアンダーローテーション。二つめの3Lzは全ジャッジが加点。StSqはレベル2だが全ジャッジが加点。3S+SEQは、第1ジャンプをステップアウトして「完全に重心が移動したので、第2の2Aとのシークエンスとは認められず、その得点は入らない。」と解説の岡部さん。二つめの2Aはほぼ全ジャッジが加点。ChSqは全ジャッジが加点2〜3。CCoSpもレベル3だが全ジャッジが加点。岡部さんは「ジャンプを跳ぶためにつなぎをいくつか抜かしているのではないか。」と言っていた。技術点59.08、演技構成点5番目の71.98、合計131.06でフリー6位、総合194.74で8位とひとつ順位を上げた。
 13番滑走でソトニコワ。曲は「Je Suis Malade」。冒頭の3Lz+3Tは第1が!マーク。SPで転倒した3Fは成功、全ジャッジが加点。しかし3Loがアンダーローテーションで転倒。CCoSpとStSqはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、2A+3Tを決めて全ジャッジが加点。しかし二つめの3Fでまた転倒。LSpと最後のFCSpはレベル4で全ジャッジが加点。特にFCSpは、ChSqとともに加点2〜3。2Aはほぼ全ジャッジが加点。技術点57.14、演技構成点3番目の73.37、転倒の減点2、合計128.51でフリー7位、総合197.98で6位。
 14番滑走でラジオノワ。曲は映画「タイタニック」より。冒頭で3Lzを慎重に決める。3Fは全ジャッジが加点。3Lz+3Tは全ジャッジが加点。スピン三つはレベル4に全ジャッジが加点。特に最後のLSpは加点2〜3。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。後半、3Lo+1Lo+3S成功、全ジャッジが加点。3Lo+2Tも決める。ChSqも全ジャッジが加点。「全体に動きが固い。どの曲でも同じに見えてしまう。」と岡部さん。技術点2番目の72.34、演技構成点も2番目の73.54、合計145.88でフリーも2位、総合222.57で2位。

 16番滑走でポゴリラヤ。曲は「シヘラザード」。衣装は水色。冒頭で3Lz+3Tと3Lo+1Lo+3S、二つめの3Lzを成功、ほぼ全ジャッジが加点。StSqとスピン三つはレベル4に全ジャッジが加点。うちStSqと最後のLSpは加点2〜3。後半、2A、3Lo+2T、ChSq、二つめの2Aと全ジャッジが加点。3Fはeマーク。しかし全体にほぼノーミスでSP、フリーともそろえたのは初めてではないか。本人も終わったとき顔をおおっていた。技術点3番目の70.83、演技構成点4番目の72.25、合計143.08でフリー3位、総合214.3で逆転3位。
 17番滑走でリプニツカヤ。曲は「Leningrad」。冒頭の3Loは全ジャッジが加点。3Lzは!マーク。3Sはほぼ全ジャッジが加点。3Fはなんとか決めたが、本来連続ジャンプではなかったか。スピン三つはレベル4。特に最後のCCoSpは全ジャッジが加点2〜3。後半、2Aが両足になると、集中がきれたのか、1Lzに。しかも!マーク。たぶんここが連続ジャンプだったはず。その後2A+2Tを跳ぶが、第2は3回転だったのでは。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。ChSqも全ジャッジが加点2〜3。「連続ジャンプがひとつしかなかった。」と岡部さん。「ひとつのミスも許されない状況で、気持ちが切れたようだ。」とも。技術点50.68、演技構成点6番目の70.79、合計でフリー10位、総合195.24で7位。
 最終滑走でメドベージェワ。曲は「Dance For Me Wallis」他。2A以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭、3F+3Tと片手あげ3Lzを難なく決めて加点2〜3。スピン三つとStSqはレベル4。うちCCoSp以外は加点2〜3。後半、3Fは加点3。2A+2T+2Tと3S+3Tも片手上げで加点1〜3。ChSqも加点2〜3。岡部さんは「音のひとつひとつを表現している。」いやー完璧です。「できれば手を上げるならもっと美しく上げてほしい。」とも。技術点最高の78.41、演技構成点も最高の77.03、合計155.44でフリーも1位、総合234.88で初優勝。この他、ソツコワ(15)がフリー4位、総合5位、ツルスカヤがフリーも5位、総合4位。
 欧州選手権には、メドベージェワ、ラジオノワ、ポゴリラヤを派遣。


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フィギュアスケート (2015.12/12,13,14,16,19,20,)

GPファイナル (2015.12/11〜13 バルセロナ・スペイン) GPシリーズ

 <ペア>7組出場。セガン・ビロドー組は、SPのみだったボンパール杯に出てポイント7位のため、今年の特別措置で出場。スイ・ハン組が怪我で欠場、ペン・ジャン組が繰り上げ。
 1番滑走でペン・ジャン組(中。18、31)。女性の背が伸びてふっくらした。今季ボンパール杯で4位、ロステレコム杯で5位(両方見ていない)。曲は「Come Together」他。振付はローリ・ニコル。冒頭からBoDsの珍しい構成、全ジャッジが加点2〜3。3LoThも軽く全ジャッジが加点1〜3。3Tで女性が転倒扱い。4Liと最後のPCoSpはレベル4に全ジャッジが加点。StSqと3Twはレベル3だが全ジャッジが加点。特に3Twは余裕があり、加点1〜3。技術点最低の35.24、演技構成点6番目の31.36、転倒の減点1、合計65.6でSP7位。急な出場で体調が万全でないのかも。
 2番滑走でセガン・ビロドー組(加。19,22)。今季スケートアメリカ3位、ボンパール杯(見ていない)も3位。曲はシルクドソレイユの「Monde Invers」。冒頭の3Twは高く、レベル4に全ジャッジが加点ほぼ2。3Sはほぼ全ジャッジが加点。3LzThを決め、全ジャッジが加点。PCoSp、4Li、StSqはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のStSqは加点1〜3。BoDsだけレベル2だが全ジャッジが加点。技術点最高の39.25、演技構成点4番目の31.91、合計71.16でSP4位。

 3番滑走で于・金(ユウ・ジン)組(中。19,21)。今季中国杯で3位(見ていない)、NHK杯2位。曲は「Yulunga」。振付はD. ウィルソン。冒頭の3Tで女性がかろうじてヒザでこらえた。3Twはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。3LoThは美しく全ジャッジが加点ほぼ2〜3。PCoSp、4Li、BoDs、StSqははレベル4。うち4LiとStSqは全ジャッジが加点。技術点4番目の38.4、演技構成点最低の30.23、合計68.63でSP5位。NHK杯のときほど滑りが速くない感じ。
 4番滑走でシメカ・クニエリム組(米。24,28)。今季スケートアメリカ2位(見ていない)、NHK杯3位。曲は「Nothing Else Matters」。冒頭のBoDsはレベル4で全ジャッジが加点。3Twもレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。ところがソロジャンプで女性が2Sに。4Li、StSq、PCoSpはレベル4に全ジャッジが加点。特に最後のPCoSpは加点1〜3。3FThも決め、全ジャッジが加点。しかし、技術点6番目の36.35、演技構成点5番目の31.79、合計68.14でSP6位。
 5番滑走でストルボワ・クリモフ組(露。22,24)。今季スケートアメリカで4位、ロステレコム杯で優勝(見ていない)。曲は「I Put a Spell On You」。振付はニコライ・モロゾフ他。冒頭の3Twはレベル2。3FThは無造作に見えたが鮮やかで全ジャッジが加点2〜3。3Tも成功。BoDsはレベル3だが全ジャッジが加点。StSqと4Liはレベル4でほぼ全ジャッジが加点2〜3。PCoSpはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。今季初めよりだいぶ演技がこなれてきた。技術点2番目の38.95、演技構成点最高の35.89、合計74.84でSP1位。

 6番滑走で川口・スミルノフ組(露。34,31)。今季中国杯で優勝、ロステレコム杯で2位(両方見ていない)。曲は「I've Finally Found Someone」。振付はピーター・チェルニシェフ。今季のテーマは「楽しむこと」とか。冒頭のBoDsはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。3Tも決める。やや不得意な3Twはレベル2だが、よくできた。3LoThはすばらしく、全ジャッジが加点ほぼ2〜3。4LiとStSqはレベル4に全ジャッジが加点。特に4Liは加点2〜3。StSqも加点1〜3。最後のPCoSpはレベル2とやや取りこぼし。演技中はにこにこしていた川口が得点を見ると無表情に。技術点5番目の38.25、演技構成点2番目の35.39、合計73.64でSP2位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。29,30)。今季スケートカナダ(見ていない)とNHK杯で優勝。曲は映画『ムーラン・ルージュ』より「Your Song」。冒頭の3Twはレベル3で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。3Lzは女性がやや乱れた。BoDs、PCoSp、StSq、4Liは全てレベル4で全ジャッジが加点。うちPCoSpとStSqは加点1〜3。しかし3LzThで転倒。珍しく軸が曲がっていた。テレ朝解説の小山さん(アルベールビル五輪代表)は「女性の調子が悪いようだ。」と言う。技術点3番目の38.76、演技構成点3番目の34.98、転倒の減点1、合計72.74でSP3位。

 フリー。1番滑走でペン・ジャン組。曲は「Les Pecheurs de Perles」。冒頭の4Twはレベル2、回ったが少しもたれた。3T+2Tは全ジャッジが加点。4SThも回ったが転倒。ソロジャンプは女性が2Sになり両足。スピン2つとリフト3つはレベル4。リフトは3つともほぼ全ジャッジが加点。3LoThも転倒。FiDsは全ジャッジが加点。今季他の試合をまだ見ていないが、女性が体重増加してジャンプが決まらなくなったのか。技術点6番目の59.23、演技構成点4番目の60.21、転倒の減点2、合計117.44でフリー6位、総合183.04で6位に浮上。
 3番滑走で于・金(ユウ・ジン)組。曲は「Humility and Love」。冒頭の3Tはよく合っていた。しかし2Aのシークエンスでは女性の第2が1Aになる。4SThは回ったが転倒。3Twは美しく、レベル4に全ジャッジが加点。リフト3つはレベル4。FiDsはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。FCCoSpはレベル4。3LoThは回ったが、フリーレッグがタッチした。最後のPCoSpは女性が不安定でレベル2。技術点5番目の60.59、演技構成点最低の59.65、転倒の減点2、合計118.24でフリー5位、総合186.87で5位。
 4番滑走でセガン・ビロドー組。曲は「A Whither Shade of Pale」。はつらつと滑りきった。冒頭の3Twは完全に空中でキャッチ、レベル4にほぼ全ジャッジが加点。3T+2Tも全ジャッジが加点。リフトは三つとも全ジャッジが加点。うち4Liと終盤の5ALiはレベル4で加点も1〜3。FCCoSpはレベル4。3LzThは転倒。ChSqは全ジャッジが加点。FiDsはレベル3。3LoThはきれいに成功、全ジャッジが加点1〜3。最後のPCoSpはレベル3で全ジャッジが加点。技術点3番目の64.45、演技構成点4番目の66.37、転倒の減点1、合計129.82は自己ベスト更新でフリーも4位、総合200.98も自己ベスト更新で4位は立派。

 5番滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「Hometown Glory」。冒頭の3Twはレベル3だが美しく全ジャッジが加点1〜3。3Lzは無難に決める。4SThはこらえて成功。3T+2T+2Tもなんとか決める。スピン二つととリフト三つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。うちFCCoSpとリフト二つは加点1〜3。3LzThは両足になったが転倒せず。ChSqは全ジャッジが加点2〜3。最後のFiDsも全ジャッジが加点とまとめた。解説の小山さんが「世界王者らしく技術を見せた。」と言う。好調でなくてもまとめる力はさすが。技術点2番目の72.78、演技構成点3番目の71.15、合計143.93でフリー2位、総合216.67で2位に浮上。
 6番滑走で川口・スミルノフ組。曲は昨季と同じチャイコフスキー「Manfred Symphony」。いきなり冒頭の3Tと、2Aのシークエンスで川口が転倒。しかし4SThは気迫で成功。続く3LoThは、3回転にして全ジャッジが加点。スピン二つとリフト二つはレベル4、うちリフト二つと最後のPCoSpは全ジャッジが加点。特に3Liは、女性が姿勢変化で片足を上に伸ばすと同時に、男性も片足になる高難度の技で加点2〜3。昨季からやっているが他の組では見たことがない。ChSqも全ジャッジが加点1〜3。苦手な3Twはレベル3。BiDsと5BLiはレベル3。終わったとき川口はこわい顔。順位を見てやっと表情がほぐれた。技術点4番目の62.55、演技構成点2番目の72.4、転倒の減点2、合計132.95でフリー3位、総合206.59で3位。表彰台を確保。
 最終滑走でストルボワ・クリモフ組。曲は「Man and Shadow」。男性は濃いグレーの衣装、女性は「影」なのか黒の衣装。冒頭の3Twは少しもたれレベル2。ChSqは全ジャッジが加点2。画期的な3T+3T+2Tを決め、2人を除いたジャッジが加点。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点1〜3。リフト三つとスピン二つもレベル4で全ジャッジが加点2〜3。FiDsもレベル4に全ジャッジが加点。基礎点 62.6に全体で12点以上の加点。技術点最高の79.12、演技構成点も最高の75.48、合計154.6は自己ベスト更新でフリーも1位、総合229.44も自己ベスト更新で初優勝。

 <男子シングル>6人出場。日本からは羽生、宇野、村上大介。1番滑走で村上大介(24)。今季スケートカナダとボンパール杯で3位。曲はミュージカル『レ・ミゼラブル』より「彼を帰して」。振付はローリー・ニコル。冒頭の4Sは片手つき。3Aはすばらしい流れの中で成功、ほぼ全ジャッジが加点。FCSpはレベル3。後半、3Lz+2Tはルッツでつまったが、なんとか第2ジャンプを付ける。予定では3Loだったが、要素は満たした。CSSpはレベル3。StSqはレベル3だが大きく体を使い、全ジャッジが加点1〜3。最後のCCoSpはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点5番目の42.39、演技構成点も5番目の41.08、合計83.47は自己ベスト更新でSP5位。インタビューでは「少し押さえて滑った。」とのこと。
 2番滑走でチャン(加。24)。今季スケートカナダで優勝、ボンパール杯で5位。曲は「マック・ザ・ナイフ」。振付はデイヴィッド・ウィルソン。冒頭4Tの予定が3T。第2ジャンプは付けず。3Aは無難に決める。FSSpはレベル4で全ジャッジが加点。後半、3Lzに第2ジャンプを付けたのはいいが、3Tだったので、同じジャンプの重複で全体が無得点に。しかも次のCCSpも無得点。StSqはレベル4に全ジャッジが加点2〜3。最後のCCoSpもレベル3だが全ジャッジが加点ほぼ2〜3。技術点最低の25.72、演技構成点3番目の44.89、合計70.61でSP6位と大きく出遅れ。
 3番滑走でジン(中。18)。今季中国杯とNHK杯で2位。曲は「Tango Amore」。冒頭で4Lz+3Tなんとか決める。いつもはクリーンな4Lzが少し傾いたのに3Tを付けられるところがすごい。3A成功。スピンは三つともレベル4。うちFCSpは全ジャッジが加点。StSqは相変わらずタンゴには見えないが、レベル3に全ジャッジが加点。後半、ステップからの4Tはステップアウト。技術点2番目の47.99、演技構成点最低の38.96、合計89.95でSP3位。

 4番滑走で宇野(17)。今季スケートアメリカ2位、ボンパール杯で優勝。曲は「Legends」。振付は樋口美穂子。冒頭の3Aはすばらしい流れで跳び、全ジャッジが加点2〜3。スピン三つとStSqはレベル4で全ジャッジが加点。特に終盤のStSqは、オフバランスの動きも多く加点2〜3。後半、ステップからの4Tはアンダーローテーションで転倒。惜しかった。技術点3番目の44.95、演技構成点4番目の42.52、転倒の減点1、合計86.47でSP4位。
 5番滑走で羽生(21)。今季スケートカナダで2位、NHK杯で優勝。曲はショパンの「バラード第1番ト短調」。振付はジェフリー・バトル。全要素に全ジャッジが加点。冒頭の4Sは滑らかで美しく加点ほぼ3。続けて4T+3Tもきれいに決めて加点ほぼ3。スピンは三つともレベル4で加点2〜3。後半の3Aも難しい入りから決めて加点2〜3。StSqだけレベル3だが加点3。技術点最高の61.81、演技構成点も最高の49.14、合計110.95はまたも世界最高更新でSP1位。
 最終滑走でフェルナンデス(西。24)。今季中国杯とロステレコム杯で優勝。曲は「マラゲーニャ」。振付はアントニオ・ナハーロ。冒頭の4Sでめずらしくステップアウト。3Lz+2Tは連続3回転の予定だが第2が2回転に。第1ジャンプは!マーク。どうしたのか。後半の3Aは全ジャッジが加点2〜3。スピン三つとStSqはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のStSqは、見事なフラメンコで全ジャッジが加点3。しかし本人は終わって浮かない顔。技術点4番目の44.56、演技構成点2番目の46.96、合計91.52でSP2位。

 フリー。1番滑走でチャン。曲はショパン・メドレー。振付はデイヴィッド・ウィルソン。衣装は普段着のような濃いグレー。冒頭の4T+3Tを見事に決める。全ジャッジが加点2〜3。続いて3Aも成功。二つめの4Tの予定はきれいな3Tに。StSqとスピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。うちStSqは加点3。CCSpと最後のCCoSpも加点2〜3。後半、3Lz+2T、3Lz+2T+2Loと決め、進藤アナが「予定通り」と言う。ChSqも全ジャッジが加点2〜3。基礎点77.32に全体で19.44もの加点は付けすぎでは。そこまで復活したようには見えない。技術点5番目の96.76、演技構成点3番目の96.08、合計192.84でフリー3位、総合263.45で4位。
 2番滑走で村上大介。曲はX-JapanのYoshiki作「Anniversary」。振付はローリー・ニコル。冒頭の4Sはステップアウト。二つめの4Sはダウングレードで転倒、第2ジャンプ付かず。スピン三つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。3Aは両足気味。解説の織田が「回りすぎ」と言う。後半、3A+2Tをきちんと成功、全ジャッジが加点。3Lz+1Lo+2Sも!マークだが予定通り決める。3S+2Tも成功。StSqはレベル3、ChSqとともに全ジャッジが加点。技術点最低の73.26、演技構成点5番目の79.76、転倒の減点1、合計152.02でフリー6位、総合235.49で6位。
 3番滑走で宇野。曲は「トゥーランドット」。振付は樋口美穂子。ほぼノーミスの会心の演技。冒頭の4T+2Tは全ジャッジが加点2。3A+3Tはキレがあり、これも全ジャッジが加点2〜3。二つめの3Aも全ジャッジが加点ほぼ2〜3。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のCCoSpは加点2〜3。StSqはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点0〜3。後半、4Tをきれいに成功。3Lzはeマーク。その後の2A+1Lo+3Fはすごい。全ジャッジが加点ほぼ2〜3。ChSqも深いエッジとスピード、得意のクリムキン・イーグルや大きな動きで全ジャッジが加点2〜3。終わったとき小さくガッツポーズ。基礎点84.31に全体で16.43もの加点。技術点4番目のなんと100.74、演技構成点も4番目の89.58、合計190.32は自己ベスト更新でフリー4位、総合276.79も自己ベスト更新で3位。キスアンドクライで樋口コーチもニコニコ。シニア1年目でファイナル表彰台は初の快挙。羽生のものすごい得点でかすんでいるが本当はすごいことだ。

 4番滑走でジン。曲は「Dragon Racing」。冒頭で4Lz成功。4Sはステップアウトしたが回っていた。3Aは転倒。StSqはレベル2だが全ジャッジが加点。後半、4T+2Tを軽々と跳ぶ。二つめの4Tは高く、全ジャッジが加点。スピン2つはレベル4。3Lz+3Tと3A+1Lo+3Sもなんとか決める。3連続ジャンプは、第1ジャンプが傾いたのに、立て直して第2、第3を付けた。ChSqはほぼ全ジャッジが加点。FCSpはレベル3でほぼ全ジャッジが加点1。技術点101.86、演技構成点75.64、転倒の減点1、合計176.5は自己ベスト更新でフリー5位、総合263.45で5位。
 5番滑走でフェルナンデス。曲は映画『野郎どもと女たち』より。振付はデイヴィッド・ウィルソン。SPよりずっとよい内容だった。冒頭の4Tはこらえる。4S+3Tはすばらしく、全ジャッジが加点2〜3。3Aも全ジャッジが加点2〜3。StSqと最後のFCCoSpはレベル4に全ジャッジが加点。特にStSqは芝居っけたっぷりで加点2〜3。あと2つのスピンはレベル3。後半、4Sを鮮やかに決め、ほぼ全ジャッジが加点。3F+1Lo+3S も成功。3Tと3Lz+2Tはほぼ全ジャッジが加点。ChSq1は全ジャッジが加点2〜3。3Loも全ジャッジが加点ほぼ2〜3。CCoSpはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。基礎点89.24に全体で加点15.4。技術点2番目の104.65、演技構成点も2番目の96.78、合計201.43は自己ベスト更新でフリーも2位、総合292.95も自己ベスト更新で2位。
 最終滑走で羽生。曲は映画『陰陽師』より「SEIMEI」。振付はシェイ=リーン・ボーン。NHK杯よりすごい出来。全要素に全ジャッジが加点。冒頭で4Sと4Tをあざやかに決め、加点ほぼ3。そこまでシーンと見守っていた観客が拍手。スピン三つはレベル4で、加点ほぼ2〜3。StSqはレベル3だが加点2〜3。観客はずっと手拍子で応援。StSqが終わるとピタリとやんだ。後半、4T+3T、3A+2T、3A+1Lo+3Sを決める。特に3A+2Tの第2は両手上げで加点2〜3。3連続も加点2〜3。今までミスしていた最後のジャンプ、3Lzも加点2〜3の出来。ChSqはなんと加点3。基礎点95.19に全体で加点15.73。技術点驚異的な120.92、演技構成点最高の98.56、合計219.48はまたも世界最高更新でフリーも1位、総合330.43も世界最高更新で3連覇。本人は直後のインタビューでは「ステップで取りこぼしがある。」と言っていた。全日本ではどうなるのか。

 <女子シングル>6人出場。日本からは浅田、宮原。1番滑走でワグナー(米。24)。今季スケートカナダで優勝、NHK杯で4位。曲は「Hip Hip Chin Chin」。振付はシェイ=リーン・ボーン。衣装は黒。冒頭の連続3回転の予定が3Fでステップアウトし単発に。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。うちFSSpと最後のは加点1〜3。後半、2Aはきれいに決め、ほぼ全ジャッジが加点。3Loに3Tを付けたがダウングレードで転倒。解説の織田は「果敢に挑戦した」と言う。StSqはレベル2だが、よく曲と合っていて、全ジャッジが加点2。技術点最低の28.0、演技構成点も最低の33.04、転倒の減点1、合計60.04でSP6位。
 2番滑走でラジオノワ(露。16)。今季中国杯で3位、ロステレコム杯で優勝。曲は「ジュテーム」。振付はニコライ・モロゾフ。衣装はピンクっぽい淡いオレンジ。冒頭の連続3回転の予定を3Lzの着氷でバランスをくずしかけて単発に。FCSpはレベル4。CCoSpはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、なんとか3Loに3Tを付ける。2Aは無難に成功。StSqと最後のLSpはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の36.1、演技構成点4番目の33.33、合計69.43でSP2位。
 3番滑走で浅田(25)。今季中国杯で優勝、NHK杯で3位。曲は「Bei mir bist du schoen」。振付はローリ・ニコル。衣装は赤紫。朝の公式練習で一度も3Aがクリーンに決まらなかったらしい。不安な顔。ところが冒頭の3Aはきれいで、全ジャッジが加点。しかし3F+3Loは二つともアンダーローテーション。後半、苦手のLzが1回転になり、無得点。要素を失う。スピン三つとStSqは全てレベル4で全ジャッジが加点。うちLSpは加点1〜3、StSqと最後のCCoSpは加点2〜3。技術点4番目の34.01、演技構成点最高の35.12、合計69.13でSP3位。決して演技の難易度を落とさずに、「やればできる」ことをやり遂げるまでやり続ける、ということが伝わってきた。

 4番滑走で宮原(17)。ファイナル初出場。今季スケートアメリカで3位、NHK杯で優勝。曲は「ファイアダンス」。振付はトム・ディクソン。衣装はまっ赤。冒頭の3Lz+3Tはきちんと決める。スピン三つとStSqは全てレベル4で全ジャッジが加点。うちLSpは加点2〜3、最後のCCoSpは加点1〜3。StSqは宝塚の人に表情など指導を受けただけあり、見事に見得も決まっていた。後半、ステップからの3Fがeマーク。2Aは成功。ほぼノーミスのいい演技。技術点3番目の35.51、演技構成点5番目の33.25、合計68.76でSP4位。得点と順位が出ると、観客がブーイング。スペインの観客も宮原のフラメンコを認めたということらしい。
 5番滑走でメドベデワ(露。16)。ファイナル初出場。今季スケートアメリカで優勝、ロステレコム杯で2位。曲は「白夜の調べ」。振付はアレクサンドル・ズーリン。衣装は紫。ほぼ完璧。後半の3Lo以外の全要素に全ジャッジが加点。スピン三つとStSqは全てレベル4。うち冒頭のCCoSpと最後のLSpは加点2〜3。StSqとFCSpは加点1〜3。ジャンプは全て後半で、3F+3Tを軽々と決め、加点1〜3。2Aも成功。ステップからの3Loはややこらえた。技術点最高の40.2、演技構成点2番目タイの34.38、合計74.58は自己ベスト更新でSP1位。
 最終滑走でゴールド(米。20)。昨季はファイナル直前に疲労骨折で回避。初出場。今季スケートアメリカで2位、ボンパール杯で優勝。曲は「エル・チョクロ」。振付はローリ・ニコル。衣装は表が黒、裏が赤。いつもはきれいに決めている冒頭の3Lz+3Tは第2がやや乱れた。スピン2つとStSqはレベル4に全ジャッジが加点。うちLSpとStSqは加点2〜3。後半、ステップからの2Fが2回転になり無得点。しかも!マーク。2Aは成功。技術点5番目の32.14、演技構成点2番目タイの34.38、合計66.52でSP5位。

 フリー。1番滑走でワグナー。曲は「ムーラン・ルージュ」。振付はシェイ=リーン・ボーン。ほぼノーミスで挽回。冒頭の2Aは全ジャッジが加点ほぼ2。続けて3F+3Tと2A+2Tもきちんと決め、全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。後半、3Lo+1Lo+3Sの第3ジャンプがアンダーローテーションになったが、ミスはそれだけ。3Lzは!マーク。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点ほぼ2。ChSqは全ジャッジが加点2〜3。本当にメンタルが強い。技術点3番目の68.22、演技構成点2番目の71.55、合計139.77は自己ベスト更新でフリー3位、総合199.81で4位まで追い上げた。
 2番滑走でゴールド。曲は「火の鳥」。振付はローリ・ニコル。滑りにいつものキレがない。冒頭の3Lz+3Tは片手つき。3Loは全ジャッジが加点。StSqとFCSpはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。後半、2A+3Tは第2ジャンプが両足。次の1Fはパンク。3Lzも両足。ChSqは全ジャッジが加点。3S+2T+2Tは成功。LSpはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。最後のCCoSpもレベル4に全ジャッジが加点2〜3。技術点5番目の60.91、演技構成点も5番目の67.36、合計128.27でフリー5位、総合194.79で5位。
 3番滑走で宮原。曲は「ため息」。振付はローリ・ニコル。少しスピードは抑えめだが会心の演技。冒頭で3Lz+2T+2Lo成功。続けて3Loも決める。StSqは勢いもありレベル4に全ジャッジが加点2。3Fもほぼ全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のLSpは加点ほぼ3。後半、3Lzと二つの2A+3Tがきれいに成功。2A+3Tは二つともほぼ全ジャッジが加点。ChSqも情感たっぷりで全ジャッジが加点1〜3。基礎点62.96に7全体で9.95もの加点。技術点2番目の72.89、演技構成点最低の67.2、合計140.09は自己ベスト更新でフリー2位、総合208.85も自己ベスト更新で2位。

 4番滑走で浅田。曲は「蝶々夫人」。振付はローリ・ニコル。どうしたのかと思うほどの内容。冒頭の3Aはアンダーローテーションでステップアウト。これが決まらないと全体が乗らない。続く2Fは2回転に。本来ここは連続3回転の予定。課題の3Lzは、エッジと回転は良かったが、タッチあり。ChSqは全ジャッジが加点1〜3。スピン三つとStSqはレベル4で全ジャッジが加点。特に終盤のStSqと最後のCCoSpは加点2〜3。2A+2Tは全ジャッジが加点1〜3を出したが、たぶん第2ジャンプは本来3回転だったのではないか。後半に入り、3Sは決めたが、3F+2Lo+2Loの第3がアンダーローテーション。3Loは成功。技術点最低の56.75、演技構成点4番目の、合計125.19でフリー6位、総合194.32で6位。
 5番滑走でラジオノワ。曲は映画『タイタニック』より「My Heart Will Go On」。振付はニコライ・モロゾフ。かなりできたように見えたが得点出ず。冒頭の3Lzは連続3回転のはずだが単発に。3Fは!マーク。二つめの3Lz+3Tとして挽回、全ジャッジが加点。解説の織田が「初めからここに入れる予定だったようだ。」と言う。スピン三つはレベル4で、CCoSpと最後のLSp(パールスピン)は、全ジャッジが加点1〜3。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点ほぽ2〜3。後半、3Lo+1Lo+3S、2Aと決めたが、3Loがアンダーローテーションで転倒。痛かった。ChSqはほぼ全ジャッジが加点。2A+2Tも成功したが、本来第2は3回転では。技術点4番目の64.14、演技構成点3番目の68.56、転倒の減点1、合計131.7でフリー4位、総合201.13で3位。
 最終滑走でメドベデワ。曲は映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』より「Dance for me wallis」他。振付はイリヤ・アベルブフ。完璧に近い。またできるかどうか。冒頭の3F+3Tは第1ジャンプ片手上げで全ジャッジが加点2〜3。3Lzは!マーク。ミスはこれだけ。スピン三つとStSqはレベル4。CCoSp以外の3つの要素は全ジャッジが加点2〜3。後半、3Fはまた片手上げで全ジャッジが加点2〜3。3Lo、2A+2T+2T、3S+3T、2Aと全てクリーンに成功。2Aも二つとも片手上げ。連続ジャンプは二つとも全ジャッジが加点。ChSqも速くてしかも深いエッジで、全ジャッジが加点1〜3。基礎点62.33に全体13.26もの驚異的な加点。この年齢で音楽表現が9.11の高得点。技術点最高の75.59、演技構成点も最高の72.37、合計147.96は自己ベスト更新でフリーも1位、総合222.54も自己ベスト更新で初優勝。

 <アイスダンス>6組出場。1番滑走でボブロワ・ソロビエフ組(露。25,26)。今季スケートカナダ3位、NHK杯2位。曲はハチャトゥリアンの「マスカレード」とプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」。冒頭のSTwはレベル4で全ジャッジが加点。でも第2ツイズルが微妙にずれているように見えた。1RWと2RWはともにレベル4。これはすごい。RoLiはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。PStはレベル3。この要素は「必ずホールドしたまま一周しなくてはならない。」とテレ朝解説の河合綾さんが言う。技術点32.52、演技構成点32.91、合計65.43でSD6位。
 2番滑走でハベル・ドナヒュー組(米。24,24)。今季ボンパール杯優勝、NHK杯3位。曲は「ハレルヤ」。冒頭で1RWと2RWはともにレベル4。STwはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。PStはレベル3。CuLiはドラマチックでレベル4に全ジャッジが加点2CuLi。技術点33.33、演技構成点32.88、合計66.21でSD5位。
 3番滑走でシブタニ兄妹(米。21,24)。今季スケートカナダ2位、NHK杯優勝。曲は「コッペリア」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭で1RWと2RWはともにレベル3。STwはレベル4で全ジャッジが加点。PStはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。RoLiはレベル4で全ジャッジが加点。技術点33.92、演技構成点35.19、合計でSD4位。

 4番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組(伊。28,30)。今季初めて見る。今季中国杯優勝、ロステレコム杯2位。曲は「メリー・ウィドウ」。冒頭のSTwはレベル4で全ジャッジが加点。1RWと2RWはともにレベル4でほぼ全ジャッジが加点。PStはレベル3だが全ジャッジが加点。RoLiはレベル4で加点2。技術点34.39、演技構成点35.75、合計70.14でSD3位。
 5番滑走でチョック・ベイツ組(米。23,26)。今季スケートアメリカ優勝、中国杯2位。曲は「More」他。冒頭PStはレベル3で全ジャッジが加点2。STwもレベル4で全ジャッジが加点。1RWはレベル4。2RWはレベル3。CuLiはレベル4に全ジャッジが加点。技術点35.19、演技構成点36.45、合計71.64でSD2位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組(加。26,29)。今季初めて見る。今季スケートカナダとロステレコム杯優勝。曲はエルビス・プレスリーメドレー。振付はシェイ=リーン・ボーン。ツイズル以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のCuLiはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。1RWと2RWはともにレベル4で全ジャッジが加点1〜3。STwもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。PStはレベル3で全ジャッジが加点1〜3。技術点35.44、演技構成点37.31、合計72.75でSD1位。

 フリー。1番滑走でボブロワ・ソロビエフ組。曲は映画『アンナ・カレーニナ』より。冒頭のSTwはレベル4で全ジャッジが加点。リフトは三つともレベル4。特にSlLiは全ジャッジが加点2〜3。ステップ二つはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。解説の河合さんが「ステップはほぼ100%できないとレベル4は取れない。」と言う。CoSpはレベル4に全ジャッジが加点ほぼ2。最後のChLiはほぼ全ジャッジが加点0〜3。技術点5番目の50.03、演技構成点も5番目の51.27、合計101.3でフリー5位、総合166.73で5位とひとつ浮上。なかなか良かったように見えたが得点は伸びなかった。
 2番滑走でハベル・ドナヒュー組。曲は「Adagio for Strings」。振付はデュブレイユ。冒頭のSTwは速くてピッタリ合っており、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。CuLiはレベル4でほぼ全ジャッジが加点1〜3。終わって女性を下ろした途端、男性がイーグルから転倒。直後のCiStはレベル2。しかしあと二つのリフトとCoSpはレベル4、DiStもレベル3とほとんど影響は感じさせず。特にRoLiは全ジャッジが加点1〜3。最後のChLiも全ジャッジが加点1〜3。技術点最低の49.34、演技構成点も最低の48.65、転倒の減点1、合計96.99でフリー6位、総合163.2で6位。
 3番滑走でシブタニ兄妹。曲は「フィックス・ユー」。振付はピーター・チェルニシェフ。最後のChLi以外の全要素に全ジャッジが加点。リフト三つとSTwはレベル4。特に冒頭のCuLi加点ほぼ3。SlLiとSTwも加点2〜3。第4まであるSTwは、観客から惜しみない拍手。CoSpはレベル3だが加点2〜3。ステップ二つはレベル3。最後のChLiもほぼ全ジャッジが加点1〜3。技術点3番目の51.77、演技構成点4番目の54.04、合計105.81でフリー4位、総合174.92は自己ベスト更新で4位。NHK杯の方が得点は出たが、素晴らしい出来だった。

 4番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組。曲はフェリーニメドレー「カビリアの夜」他。冒頭のSTwはレベル4に全ジャッジが加点2〜3。リフト三つとCoSpはレベル4。特にSlLiは、女性の靴底を男性が支え、女性は男性の肩に手を付き、高くポーズをとる斬新な手法で、全ジャッジが加点2〜3。CuLiとCoSpも全ジャッジが加点1〜3。ステップ二つはレベル3だが、CiStは全ジャッジが加点1〜3。最後は今季から認められたChTwでまとめ、全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の52.28、演技構成点も2番目の54.95、リフトの時間超過の減点1、合計106.23でフリー2位、総合176.37で3位。昨季の不振から完全に復調した。
 5番滑走でチョック・ベイツ組。曲はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。リフト三つとCoSpはレベル4で全ジャッジが加点。うち冒頭のCuLiとCoSp、RoLi4は加点2〜3。SlLiも加点1〜3。ステップ二つとSTwはレベル3。うちSeStは全ジャッジが加点1〜3。STwでは女性がよろけたが、もちこたえた。最後のChLiはほぼ全ジャッジが加点0〜3。技術点4番目の51.04、演技構成点3番目の54.87、合計105.91でフリー3位だが、総合177.55で2位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組。曲は「On the Nature of Daylight」他。振付はパスカーレ・カメレンゴ他。SlLi以外の全要素に全ジャッジが加点。STwとリフト二つ、CoSpはレベル4。特にRoLiは加点ほぼ3。CoSpも加点1〜3。ステップ二つとCuLiはレベル3だがCiStとCuLiは加点2〜3。DiStも加点1〜3。最後のChLiは加点ほぼ3。技術点最高の53.63、演技構成点も最高の56.28、合計109.91は自己ベスト更新でフリーも1位、総合182.66で優勝。

フィギュアスケート (2016.1/16,24,30)

ジュニアGPファイナル ペア・アイスダンス (2015.12/10〜13 バルセロナ) GPシリーズ

 <ペア>6組出場。うち4組がロシア。あとはウクライナとチェコ。カナダも中国もいない。2番滑走でダスコワ・ビダル組(チェコ。15,16)。昨季世界ジュニア8位。曲はシルクドソレイユ・セレクション。ソロジャンプの2A成功、全ジャッジが加点。3Twはレベル2。3SThもなんとか成功。4Liはレベル4。PCoSpとStSqはレベル3。BoDsはレベル2。技術点30.6、演技構成点25.18、合計55.78は自己ベスト更新でSP3位。
 4番滑走でボリソワ・ソポト組(露。16,17)。男性は188pの大男。曲は「Ninija」。男性の衣装の前面に「忍耐勝」と読める刺繍が。冒頭の3Twは高くレベル2だが全ジャッジが加点。ソロジャンプは2A成功。4LiとPCoSpはレベル4、うちリフトは全ジャッジが加点。3SThも決まり、全ジャッジが加点。StSqとBoDsはレベル3。技術点34.24、演技構成点26.05、合計60.29は自己ベスト更新でSP1位。
 最終滑走でアタハノワ・スピリドノフ組(露。13,17)。曲はモダンアレンジの「くるみ割り人形」。冒頭の3Twはレベル1。3SThはほぼ全ジャッジが加点1。4Liと最後のPCoSpはレベル3。ソロジャンプの2Aは女性が両足。BoDsはレベル2。StSqはよく合っていてレベル4で全ジャッジが加点。技術点31.1、演技構成点27.48、合計58.58でSP2位。キスアンドクライでは、コーチたちともども嬉しそうではなかった。

 フリー。4番滑走でダスコワ・ビダル組。曲は「La leyenda del beso」他。冒頭の3Tは男性が片手つき。3Twはレベル2。5RLiはレベル3。3STh、2A+2T+2T、3LzThと成功。4Liはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。FCCoSpはレベル4。ChSqは全ジャッジが加点。BoDsはレベル1。PCoSpはレベル3。技術点2番目の53.41、演技構成点3番目の53.14、合計106.55はSPに引き続き自己ベスト更新でフリー2位、総合162.33、逆転で2位。
 5番滑走でアタハノワ・スピリドノフ組。曲は「Funny Girl」他。冒頭の3T+2T+2Loは女性の第1ジャンプがアンダーローテーション。3Twはレベル1。3LoThはきれいで全ジャッジが加点。しかし、3Sは女性がダウングレードで転倒。FCCoSpはレベル3で全ジャッジが加点1〜3。3Liはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。3SThもきちんと決め全ジャッジが加点。しかし5SLiは上がったものの回転しないで下りてきてしまった。レベルB。これは痛かった。BoDsはレベル2。PCoSpはレベル3。キスアンドクライでは無理して笑顔を作っていたが、得点を見るとがっかりしていた。技術点最低の47.71、演技構成点2番目の55.71、合計103.42でフリー3位、総合162.0で3位。
 最終滑走でボリソワ・ソポト組。曲は「アラビアのロレンス」から序曲。冒頭の3Twはしっかり空中でキャッチし、レベル3に全ジャッジが加点1〜3。2Aは男性が片手つき。3LoThは飛距離があり、全ジャッジが加点2〜3。BoDsはレベル2だが全ジャッジが加点1。2T+2Tはタイミングがずれたが、なんとか決める。リフト二つとスピン二つはレベル4。うちリフト二つは全ジャッジが加点。技術点最高の55.33、演技構成点も最高の56.24、合計111.57はSPに引き続き自己ベスト更新でフリーも1位、総合171.86で優勝。

 <アイスダンス>6組出場。ロシア3組、アメリカ2組、フランス1組。今季のジュニアのパターンダンスは、スターライトワルツ(SW)。指定されたリズムはワルツと、フォックストロット、マーチ、ポルカの中から選ぶ。
 4番滑走でロボダ・ドロズ組(露。17、19)。昨季ジュニアGPファイナル2位、国内ジュニア4位。今季ジュニアGPシリーズ2位と優勝。曲はショパンの「ワルツ第10番」他。たしか男性の衣装は士官服のようだった。STwはレベル4で全ジャッジが加点。SWは両セクションともレベル4、1SWは全ジャッジが加点、2SWもほぼ全ジャッジが加点。しかしテレ朝は解説がないので、キーポイントがわからない。SlLiもレベル4で全ジャッジが加点。NtMiStだけレベル3だが全ジャッジが加点。技術点3番目の33.76、演技構成点も3番目の30.25、合計64.01は自己ベスト更新でSD3位。

 5番滑走でパーソンズ兄妹(米。18,20)。身長がほぼ同じに見える(登録上は妹160、兄172)。昨季全米ジュニア2位、世界ジュニア4位。今季ジュニアGPシリーズ優勝2回。曲はプロコフィエフの「Cinderella's Departure for the Ball」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のSlLiはレベル3だが、加点は2〜3。SWはレベル4とレベル3。NtMiStとSTwはレベル4。技術点2番目の34.46、演技構成点も2番目の30.45、合計64.91でSD2位。
 最終滑走でマクナマラ・カーペンター組(米。16、19)。昨季全米ジュニア優勝、世界ジュニア銀メダル。今季ジュニアGPシリーズ優勝2回。曲はグリーグの「ペール・ギュント」より「アニトラの踊り」と「山の王の洞窟で」。女性の衣装はネイティブ・アメリカンのように見えた。ここも全要素に全ジャッジが加点。SWはレベル3とレベル4。2SWの方は加点1〜3。STwと最後のRoLiは速くてレベル4に加点2〜3。NtMiStはレベル3だが加点1〜3。技術点最高の34.55、演技構成点も最高の31.35、合計65.9でSD1位。他の組よりずっと上手に見えたが点差はつかず。

 フリー。4番滑走でロボダ・ドロズ組。曲は「Lo ti penso amore」他。冒頭のSTw、CoSpとリフト二つはレベル4。うちSTwとCoSpは全ジャッジが加点1〜3。最後のRoLiも全ジャッジが加点。SeStはレベル3、MiStはレベル2。技術点3番目の41.35、演技構成点2番目の45.5、合計86.85でフリー2位、総合150.86で2位。
 5番滑走でパーソンズ兄妹。曲は「La Malamada」他。冒頭のSTwで男性が足を付いてしまい、レベル2。リフト二つとSpはレベル4で全ジャッジが加点。うちRoLiは加点1〜3。ステップは二つともレベル2。男性はキスアンドクライで青ざめていた。技術点最低の35.02、演技構成点3番目の44.48、合計79.5でフリー5位、それでも総合144.41で3位。
 最終滑走でマクナマラ・カーペンター組。曲はビゼーの「カルメン」より。女性の衣装は赤、男性の上衣は黒っぽい赤。他の組より滑るスピードがずっと速く安定して見える。最後のRoLiとChLi以外の全要素に全ジャッジが加点。ステップ二つはレベル3、他の要素は全てレベル4。うちSWは加点1〜3。最後のChLiもほぼ全ジャッジが加点2〜3。技術点最高の44.7、演技構成点も最高の47.66、合計92.36でフリーも1位、総合158.26で優勝。それほど大喜びもしていなかった。

フィギュアスケート (2015.12/13,)

ジュニアGPファイナル (2015.12/10〜13 バルセロナ) GPシリーズ

 <男子シングル>6人出場。日本からは山本草太。アメリカ2人、ロシア、カナダ、イスラエルから1人ずつ。4番滑走で山本(15)。今季ジュニアGPシリーズ3位と優勝。全日本ジュニアも優勝。曲は「ポエタ」。振付は宮本賢二。冒頭の3Aは乱れた。CCSpはちゃんと回っているように見えたが、回転数が足りず無得点。FSSpと最後のCCoSpはレベル4で全ジャッジが加点。後半、3Lz+3Tをリンクの端で決め、全ジャッジが加点。今季ジュニアの課題のステップからの3Fも成功、ほぼ全ジャッジが加点。StSqはフラメンコらしさは足りなかったが、レベル3で全ジャッジが加点。技術点38.17、演技構成点34.68、合計72.85でSP3位。
 5番滑走でアリエフ(露。16)。昨季国内ジュニア3位。今季ジュニアGPシリーズ優勝と2位。曲は「Nothing the Same」。冒頭の3A成功、全ジャッジが加点。CCSpはレベル3。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ステップからの3Fはほぼ全ジャッジが加点。3Lz+3Tも決めてほぼ全ジャッジが加点。FSSpはレベル2だったが、最後のCCoSpはレベル4。技術点40.73、演技構成点36.05、合計76.78は自己ベスト更新でSP2位。
 最終滑走でチェン(米。16)。今季ジュニアGPシリーズ優勝二回。曲は「Michael Jackson compilation」。振付はニコライ・モロゾフ他。冒頭で3A成功。スピンは三つともレベル3。StSqはマイケル・ジャクソン風の振付でレベル4、ほぼ全ジャッジが加点0〜3。後半、3Lz+3Tも成功。3Fは全ジャッジが加点。技術点41.48、演技構成点37.11、合計78.59は自己ベスト更新でSP1位。

 フリー。4番滑走で山本。曲はチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」。振付は宮本賢二。冒頭の3Aで転倒。次の4回転の予定が2Tに。スピン三つはレベル4。うちFSSpは全ジャッジが加点、最後のCCoSpはさらに全ジャッジが加点1〜3。前半のうちに4T<+2Tをなんとか決める。しかし後半、またもアクセルが1回転に。3Loはほぼ全ジャッジが加点。3Lz+3Tと3F+1Lo+3Sはきちんと決め、全ジャッジが加点。最後のジャンプは2Aの予定だったが、ジャンプ三つでミスした得点を少しでも回復するため、3Fに変更して成功。技術点66.3、演技構成点67.16、転倒の減点1、合計132.46でフリー4位、総合205.31は4位と0.75の僅差で3位に滑り込んだ。
 5番滑走でアリエフ。曲は「ノートルダム・ド・パリ」。冒頭の4Tはステップアウト。次の4T+2Tは成功、全ジャッジが加点。続けて3A+1Lo+2Sをなんとか決める。3Fは全ジャッジが加点1〜3。スピン三つとStSqはレベル3。後半、二つめの3Aの予定が1A。3Lz+3Tは決めたが、1Lo、1Aとジャンプのミスが続く。技術点64.92、演技構成点69.52、合計134.44でフリーも2位、総合211.22で2位。
 最終滑走でチェン。曲はサンサーンスの「Symphony No.3」。冒頭の4Sは回ったが、すぐ足を付いた。4Tは転倒。しかし続く4T+2Tは決め、ほぼ全ジャッジが加点。CCoSpはレベル2だが全ジャッジが加点。3Lz+2T+2Loも成功。しかし後半、3Aがアンダーローテーションで転倒。3F+3Tは!マーク。3Lzはほぼ全ジャッジが加点。StSqはレベル3で全ジャッジが加点。最後のFCCoSpはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。技術点76.97、演技構成点71.48、転倒の減点2、合計146.45でフリーも1位、総合225.04で優勝。

 <女子シングル>6人出場。ロシアから3人、日本からは本田、三原、白岩。  3番滑走で本田(14)。今季ジュニアGPシリーズ2位と優勝。全日本ジュニア6位。曲はベートーベン「スプリングソナタ」。振付はマリーナ・ズエワ。冒頭で3Lo+3Tを決めて全ジャッジが加点1〜3。スピンは三つともレベル4。うちLSpは全ジャッジが加点。2Aも成功。StSqはレベル3だが体を大きく使い、全ジャッジが加点。ステップからの3Fも決める。技術点3番目の36.26、演技構成点2番目の27.43、合計63.69は自己ベスト更新でSP3位。
 4番滑走で白岩(14)。今季ジュニアGPシリーズ優勝二回。全日本ジュニア2位。曲は「虹の彼方に」。振付はキャシー・リード。冒頭のステップからの3Fは!マーク。3Lz+3Tは成功。LSpとStSqはレベル3。うちLSpは全ジャッジが加点1〜3。2Aもきちんと決める。CCoSpとFSSpはレベル4。技術点34.48、演技構成点26.2、合計60.68でSP5位。
 最終滑走でツルスカヤ(露。14)。今季ジュニアGPシリーズ優勝二回。曲は「Adagio」。冒頭で3Lz+3Tを軽く決め、全ジャッジが加点2〜3。CCoSpとStSqはレベル4に全ジャッジが加点。後半、ステップからの3Fも成功。2Aは全ジャッジが加点。FSSpはレベル3。最後のLSpはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。 技術点38.4、演技構成点28.29、合計66.69は自己ベスト更新でSP1位。

 フリー。2番滑走で白岩。曲は「Send In the Clowns」。衣装は赤系統のクラウン菱形模様。冒頭で3Lz+3T成功、全ジャッジが加点。2種類目の連続3回転、3S+3Loは第2ジャンプがダウングレードで転倒。3Fは全ジャッジが加点。LSpとStSqはレベル3。後半、3Lo成功、全ジャッジが加点ほぼ2。CCoSpもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。3Lz+2T+2Loもがんばって決めた。FSSpもレベル4。技術点60.76、演技構成点53.38、転倒の減点1、合計113.14でフリーも5位、総合で5位。
 4番滑走で本田。曲は「ビートルジュース」。振付はマリーナ・ズエワ、トム・ディクソン。冒頭の3Lz は成功、ほぼ全ジャッジが加点。次の連続3回転の予定が2S+3Tとなる。スピン三つとStSqはレベル4。うちStSqと最後のCCoSpは全ジャッジが加点、中盤のLSpは全ジャッジが加点1〜3。後半、3F+2T+2Loはほぼ全ジャッジが加点。2A+3Tも全ジャッジが加点。最後のジャンプ3Fで転倒。ちょっと残念。技術点60.28、演技構成点55.67、転倒の減点1、合計114.95でフリーも3位、総合で3位。
 最終滑走でツルスカヤ。曲は「チェス」。なぜか手袋の片手にハートマーク。冒頭で3Lz+3T+2Tを決め、全ジャッジが加点1〜3。CCoSpも全ジャッジが加点1〜3。オフパランスの動きがとても警戒でStSqはレベル4に全ジャッジが加点。後半、3Lz+3Tを成功、ほぼ全ジャッジが加点。3F+2Tは!マーク。二つの2Aと3Loは全ジャッジが加点。FSSpはレベル3、LSpはレベル4。技術点69.21、演技構成点59.38、合計128.59はジュニア女子世界最高更新でフリーも1位、総合195.28で優勝。


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フィギュアスケート (2015.11/27,28,29,30,12/4,5)

NHK杯 (2015.11/27〜29 ビッグハット・長野市) GPシリーズ第6戦

 <ペア>8組出場。ソチ五輪金メダルのボロソジャー・トランコフ組(露)の欠場でファンシー・ボヤジ組(英)が出場。
 1番滑走でイリシェチキナ・モスコビッチ組(加。24,31)。昨年に組換え。曲は「Since I've Been Loving You」。振付はD. ウィルソン。冒頭の3Twはレベル1。ソロジャンプの3Tでは男性がステップアウト。しかし3LzThを決め、ほぼ全ジャッジが加点。StSq、4Li、ペアスピンはレベル4、うちStSqはほぼ全ジャッジが加点。BoDsはレベル3だが0〜3の評価。技術点5番目の34.8、演技構成点も5番目の29.0、合計63.8でSP5位。
 3番滑走でバザロワ・デプタット組(露。22,22)。男性はウクライナ出身。昨年春に組換え。今季スケートカナダで。曲はショパンの「ノクターン第2番」。冒頭のソロジャンプ3Tは、2人の跳んだ方向がずれていた。3Twはすばらしかったが、レベル3。4Liはレベル4にほぼ全ジャッジが加点。3LoThは幅があり、きかれいに流れる着氷で全ジャッジが加点。BoDsと最後のペアスピンはレベル3だが、ほぼ全ジャッジが加点。StSqはレベル4。技術点4番目の35.47、演技構成点6番目の28.59、合計64.06は自己ベスト更新でSP4位。

 5番滑走でユウ・ジン組(中。19,21)。今季中国杯で3位。曲は「Yulunga」。振付はD. ウィルソン。冒頭のソロジャンプ3Tはぴったり合っていて、ほぼ全ジャッジが加点。3Twもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。3LoThは余裕があり、全ジャッジが加点2〜3。ペアスピン、4Liはレベル4で、うち4Liはほぼ全ジャッジが加点。BoDsはレベル3。最後のStSqはレベル4。技術点2番目の37.66、演技構成点4番目の29.34、合計67.0でSP3位。
 7番滑走でシメカ・クニエリム組(米。24,28)。昨季全米優勝。今季スケートアメリカ2位。曲は「Nothing Else Matters」。女性の目の化粧が独特。BoDsから入る珍しい構成。レベル3で全ジャッジが加点。3Twもレベル3だが、女性の体がほぼ水平になり、全ジャッジが加点1〜3。ソロジャンプの3Sで男性が片手つき。4Liはレベル4で全ジャッジが加点。3FThも全ジャッジが加点1〜3。StSqはレベル3。最後のペアスピンはレベル4に全ジャッジが加点。技術点3番目の37.28、演技構成点2番目の31.15、合計68.43でSP2位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。29,30)。昨季世界選手権優勝。今季スケートカナダで優勝(見ていない)。曲は映画『ムーラン・ルージュ』より「Your Song」。衣装は赤。3Twはレベル4。ソロジャンプは3Lzで、男性が片手つき。BoDsはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。ペアスピン、StSqはレベル4でスピンは全ジャッジが加点。3LzThは成功。4Liはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点最高の38.0、演技構成点も最高の33.04、合計71.04でSP1位。

 フリー。3番滑走でSP6位のジェイムズ・シプレ組(仏。28,24)。昨季欧州選手権5位、世界選手権9位。今季ボンパール杯2位。曲は「ロミオとジュリエット」。冒頭の3Twはレベル2だが全ジャッジが加点。3T+3Tは男性の第2ジャンプがダウングレードでステップアウト。3SThはオーバーターン。スピン二つとリフト二つ、FiDsはレベル4。3Sも片手つき。3FThは全ジャッジが加点。最後の3Liは全ジャッジが加点1〜3。SPより全体にスピードがあってよかった。技術点3番目の59.9、演技構成点5番目の58.39、合計118.29でフリー4位、総合180.2で追い上げたが6位。
 4番滑走でイリシェチキナ・モスコビッチ組。曲はラフマニノフの交響曲第2番より「アダージオ」。冒頭の3Twは高かったが、レベル1。連続ジャンプは2T+2Tだが、2人とも軽くミスあり。3LzThはSPに続いて挑戦、片手つき。リフト三つとPCoSp、FiDsはレベル4。うちリフト二つで全ジャッジが加点1〜3。技術点6番目の57.96、演技構成点4番目の58.87、合計116.83でフリー6位、総合180.63、6位と0.43の僅差で5位。
 5番滑走でバザロワ・デプタット組。曲はビートルズ・メドレー。衣装は2人ともジーンズ風。冒頭の3Tは2人の方向が違うが成功。3Twはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。2A+2Aは女性の第1がアンダーローテーション。リフト二つとFiDs、PCoSpはレベル4。うち終盤の5RLiは全ジャッジが加点1〜3。FiDsも低くて3周し、全ジャッジが加点。技術点4番目の59.49、演技構成点6番目の58.15、合計117.64でフリー5位、総合181.7で4位。

 6番滑走で于・金(ユウ・ジン)組。曲は映画『クリエイション』より「Humility and Love」。振付はD. ウィルソン。冒頭の3Tはいつもながら、ぴったりで全ジャッジが加点。しかし1A+2Aは女性の第1ジャンプが1回転になり、回転不一致。4SThに挑んだが転倒。基礎点は8.2。3Twはレベル4でほぼ全ジャッジが加点0〜3。リフト三つとスピン2つはレベル4。うちFCCoSpと5RLiは全ジャッジが加点。二つめの3LoThは少し神経を使ったようだが、成功。終わったとき、男性はガッツポーズしたが、女性はすごくほっとした顔だった。技術点2番目の63.83、演技構成点も2番目の61.19、合計でフリー2位、総合191.02、逆転で2位。GPファイナル進出。エキシビ前の「明子の部屋」で女性の日本語がすごく上手だった。日本のアニメで覚えたらしい。
 7番滑走でシメカ・クニエリム組。曲は「Elizabeth The Golden Age」。女子シングルのヒックスも使った曲。冒頭の4Twは回ったが、着氷後に止まれず、ステップアウト。3SThは全ジャッジが加点1〜3。FiDsとリフト3つはレベル4。うちFiDsとリフト2つは全ジャッジが加点。ChSqはほぼ全ジャッジが加点。スピンが2つともレベル2と取りこぼし。技術点5番目の59.43、演技構成点2番目の62.8、合計122.23でフリー3位、総合190.66で3位。GPファイナル進出。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「Hometown Glory」。冒頭の3Twはレベル3で全ジャッジが加点。ソロジャンプは3Lzで男性がこらえる。一つ目の4SThは回ったが転倒。続く3LzThは片手を付きそうになりながら決める。スピン二つとリフト三つと最後のFiDsはレベル4。うちFCCoSp、5ALiと5ALiは全ジャッジが加点1〜3。後半の3連続ジャンプでは、女性が第1ジャンプでステップアウトし、第2、第3付かず。ChSqは全ジャッジが加点。技術点最高の65.65、演技構成点も最高の67.03、合計131.68でフリーも1位、総合202.72、2位と10点以上の差をつけて優勝。GPファイナル進出。

 <男子シングル>12人出場。日本からは羽生、無良、田中刑事。ジェイソン・ブラウン(米)の欠場でケリー(豪)が出場。
 4番滑走で田中刑事(21)。今季GPシリーズはこれのみ。曲はタンゴ「ブエノスアイレスの春」。振付はマッシモ・スカリ。冒頭の4S は傾いたが、下りる。3Aはきちんと決め、全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4。後半、連3の予定が2F+3Tとなり、第2ジャンプはアンダーローテーション。StSqはレベル3。技術点10番目の38.06、演技構成点7番目の35.68、合計73.74はわずかに自己ベスト更新でSP9位。
 6番滑走でボーヤン・ジン(中。18)。今季中国杯2位。曲は「Tango Amore」。冒頭で鮮やかに4Lz+3Tを決め、全ジャッジが加点。3Aも成功、全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4、うち終盤のFCSpは全ジャッジが加点。StSqは、あまりタンゴには見えないが体を大きく使い、レベル3だが全ジャッジが加点。そして後半、ステップからの4Tも成功。技術点2番目の56.5、演技構成点39.14、合計95.64は自己ベスト更新でSP2位。得点を見て、すごく喜んでいた。

 8番滑走でメンショフ(32)。今季スケートアメリカ5位。曲は「Rotting Romance」。冒頭4回転からの連続ジャンプの予定が3T+3Tとなる。ステップからの4Sは成功。スピン三つはレベル3。後半、3Aも決め、ほぼ全ジャッジが加点。StSqはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。いつも思うが、よくこれだけのレベルを常に安定して出せるのはすごい。技術点4番目の43.04、演技構成点7番目の36.75、合計79.79でSP6位。
 9番滑走で無良(24)。今季スケートアメリカ10位。曲は「黒い瞳」。振付はチャーリー・ホワイト。冒頭で連続ジャンプの予定の4Tをソロに変更。続く3Aは余裕があり、全ジャッジが加点ほぼ2。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半の3Lz+3Tを連続ジャンプにした。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点ほぼ2〜3。技術点3番目の47.33、演技構成点4番目の40.96、合計88.29は自己ベスト更新でSP3位。
 10番滑走でブレジナ(チェコ。24)。今季スケートカナダ8位。曲は「The Way You Look Tonight」。冒頭で3Aきれいに成功、全ジャッジが加点。続けてこのところミスしている4Sを乱れながらも何とか下りる。CCSpはレベル2。後半、3F+2Tは連続3回転にしたかった。StSqはエッジも深くレベル4に全ジャッジが加点1〜3。終盤二つのスピンはレベル3。前回に比べると4回転以外ほぼノーミスで、技術点6番目の40.6、演技構成点2番目の41.04、合計81.64でSP5位。

 11番滑走でコフトゥン(露。20)。今季ボンパール杯2位(SP)。曲は「」。冒頭の4S+3Tは成功。しかし続く4Tは片手ずつ両手つき。3Aでは転倒。スピン二つはレベル3。うち最後のFUSpは全ジャッジが加点。StSqはレベル4で全ジャッジが加点。CSSpはレベル2だが全ジャッジが加点。技術点5番目の42.81、演技構成点も5番目の40.46、転倒の減点1、合計82.27でSP4位。
 最終滑走で羽生(20)。今季スケートカナダ2位。曲はショパン「バラード第1番ト短調」。振付はジェフリー・バトル。4回転を二つ入れる構成に変更。すばらしかった。冒頭で4Sをこらえて下りる。解説の織田が「軸が傾き普通の選手なら転倒しているが、これが羽生選手の実力」と言う。続けて4T+3Tもきれいに決め、全ジャッジが加点2〜3。FCSpもレベル4に全ジャッジが加点2〜3。後半の3Aも全ジャッジが加点2〜3。CSSp、StSq、CCoSpも全てレベル4で全ジャッジが加点2〜3。技術点最高の59.44、演技構成点も最高の46.89、合計106.33は自己ベスト及び世界最高点更新でSP1位。本人は、世界最高点よりもこの昨季からのプログラムをようやく完璧に滑れたことの方が嬉しいらしい。ジンの得点を見て「絶対ぬいてやる」と思ったという。

 フリー。4番滑走で田中刑事。曲はオペラ『椿姫』より。冒頭の4Sと3Aをきれいに決め、全ジャッジが加点。SPで入らなかった連続3回転3F+3Tも成功。スコービン三つとStSqはレベル4で、うちStSqは全ジャッジが加点。後半、2A、3Lz、3S+2T+2Loと成功、ほぼ全ジャッジが加点。3Lo+2Tと3Fも決める。ChSqでは、音楽の変化に合わせて、表情も付け、全ジャッジが加点1〜3。やればできることを証明した。技術点4番目の85.36、演技構成点5番目の75.8、合計161.16は自己ベスト更新でフリー4位、総合234.9も自己ベスト更新で5位。
 5番滑走でSP8位のホクスタイン(米。25)。今季中国杯4位。曲は「レミゼラブル」。冒頭で4T成功、ほぼ全ジャッジが加点。3A+2T、3Lzと決める。StSqはレベル4で全ジャッジが加点。CCSpはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、二つめの3A成功。FSSpはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。3Lz+1Lo+3Sも成功。終盤、3F が!マーク、3T+1Tの第2ジャンプが1回転になるなどしたが、ChSqはほぼ全ジャッジが加点2〜3、最後のCCoSpもレベル4にほぼ全ジャッジが加点とほぼノーミスで滑りきった。スランプなどで5年ぶりのGPシリーズ復帰らしいが、よかったと思う。技術点3番目の85.81、演技構成点6番目の75.52、合計161.33でフリー3位、総合235.63で4位。
 9番滑走でコフトゥン。曲はベートーベンセレクション。冒頭の4Sはきれいで全ジャッジが加点。3Aも成功。ところが二つめの4Sが1回転に。二つの足替えスピンはレベル4とレベル3で全ジャッジが加点。後半、二つめの予定の3Aが2Aに。1Lzで転倒。3Lo+2Aは成功。StSqはレベル3、最後のFUSpはレベル4。初めはよかったのに、二つめの4回転ミスからすっかり変になってしまった。技術点最低の53.78、演技構成点3番目の76.58、合計130.36でフリー11位、総合で8位。

 10番滑走で無良。曲はシルク・ド・ソレイユの「オー」。振付はジェフリー・バトル。冒頭の4Tは余裕があり、全ジャッジが加点。4T+2Tも成功。3Aも全ジャッジが加点。ところが二つめの4Sが2Sに。CCoSpと最後のFCCoSpはレベル2。StSqはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半、3A+2Tは成功。3Loは片手つき。3Fはダウングレードで両足おり。3Lzは決める。3Lzは成功。「SPが良かった後のフリーはいつもよくない。」と言っていた通りに。技術点、演技構成点、合計でフリー5位、総合で3位。
 11番滑走でボーヤン・ジン。曲は「Dragon Racing」。冒頭の4Lzはきれいで全ジャッジが加点2〜3。次の4Sはステップアウト。3A+1Lo+3Sも一応決める。StSqはレベル3。後半、4T+2Tも成功。しかし四つめの4Tは2Tにパンク。スピン二つはレベル4。それでも3Lz+3T、3Aと決め、ChSqは全ジャッジが加点1〜3の出来。3Fは両足になったが、FCSpはほぼ全ジャッジが加点。技術点、演技構成点、合計でフリーも2位、総合で2位。シニア2戦目で速くも表彰台。GPファイナル進出。
 最終滑走で羽生。曲は映画『陰陽師』より「セイメイ」。振付はシェイ=リーン・ボーン。とんでもないプログラム。全要素に全ジャッジが加点。冒頭で4Sと4Tをきれいに成功。加点2〜3。スピン三つとStSqはレベル4で、StSqは加点2〜3。終盤のスピン二つは加点1〜3。後半に、4T+3T、3A+2T、3A+1Lo+3Sを入れて全て成功。特に3A+2Tは、第1ジャンプの直後に両手上げで2T。2Loかと思った。加点ほぼ3。3Aからの3連続も、直前に難しいダブルスリーターンから入り、加点2〜3。最後のジャンプ3Lzも加点2〜3。技術点驚異的な118.87、演技構成点ダントツの97.2、合計216.07は世界最高更新でフリーも1位、総合322.4で優勝。GPファイナル進出。

 <女子シングル>11人出場。日本からは宮原、浅田、木原。1番滑走でオズモンド(加。19)。今季ネーベルホルン杯優勝、スケートカナダ11位。曲は「バラ色の人生」。冒頭の3F+2Tは間にオーバーターン。ステップからの3Lzは転倒。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。今までミスの多かった2Aはきれいに決め、全ジャッジが加点。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点28.71、演技構成点6番目の29.36、転倒の減点1、合計57.07でSP8位。
 2番滑走で木原(18)。シニアGPシリーズデビュー。今季ネーベルホルン杯6位。曲は「さくらさくら」。振付はトム・ディクソン。冒頭の3T+3Tは、第2ジャンプがアンダーローテーションで転倒。ステップからの3Loは成功。スピンは上手で三つともレベル4。特に最後のLSpはほぼ全ジャッジが加点。StSqはレベル3だが、FSSpから直ちに入り、解説の荒川は「よく音をひろっている」。後半2Aも決め、ほぼ全ジャッジが加点。技術点8番目の28.88、演技構成点最低の27.08、転倒の減点1、合計54.96は自己ベストわずかに更新でSP10位。
 4番滑走で李子君(中。18)。今季中国杯8位。曲は「月の光」他。振付はローリ・ニコル。冒頭の3F+3Tは第2ジャンプがアンダーローテーション。ステップからの3Loはきれいに決める。LSpは上手で全ジャッジが加点。後半、2Aはそるイナバウアーから直ちに跳び、きれいに成功、ほぼ全ジャッジが加点。FCSpとStSqはレベル3。最後のCCoSpはレベル4で全ジャッジが加点。久しぶりに笑顔で終わる。技術点3番目の32.21、演技構成点8番目の28.57、合計60.78でSP6位。

 5番滑走で長洲(米。22)。今季ネーベルホルン杯5位。GPシリーズはこれのみ。曲は「Demons」。振付はA.リッポン他。コーチはザクライセク。ほぼノーミス。冒頭の3F+3Tは回ったように見えたが第2がアンダーローテーション。FCSpはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。ステップからの3Loは成功。CCoSpは、荒川が「ひとつひとつのポジションが明確」と言う。レベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半の2Aは全ジャッジが加点。StSqは少し遅い感じでレベル3。最後のLSpはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の32.2、演技構成点7番目の28.9、合計61.1でSP5位。
 6番滑走で浅田真央(25)。今季中国杯優勝。曲は「Bei mir bist du schoen」。振付はローリ・ニコル。冒頭の3Aは少し低くアンダーローテーションで転倒。しかし続く3F+3Loは速く回りきり、全ジャッジが加点。スピン三つとStSqはレベル4で全ジャッジが加点。特にStSqは、リズムや転調もよく表現されていて加点2〜3。しかし後半、ステップからのLzがパンクし1回転になり無得点。これは痛い。技術点5番目の30.8、演技構成点2番目の32.7、転倒の減点1、合計62.5でSP4位。
 7番滑走でヒックス(米。19)。今季中国杯6位。曲は「奇跡の始まり」。冒頭の3F+3Tは間にオーバーターン。その他はノーミス。スピン三つとStSqはレベル4。うち最後のCCoSpは、ブレードを持ったまましゃがんでいく独特なもので全ジャッジが加点。後半、力強い3Lzを決め、全ジャッジが加点。2Aも成功。技術点2番目の36.09、演技構成点29.51、合計65.6は自己ベスト更新でSP2位。

 8番滑走でレオノワ(露。25)。曲はチャップリン・メドレー。冒頭の3T+3Tは威勢よく決め、全ジャッジが加点。スピン二つとStSqはレベル3だが、StSqはチャップリンらしい仕草が全開で、解説の荒川も「非常に難しい」とほめた。全ジャッジが加点1〜3。後半、ステップからの3Fで転倒。イーグルからの2Aは成功、ほぼ全ジャッジが加点。LSpはレベル4。技術点29.8、演技構成点4番目の30.83、転倒の減点1、合計59.63でSP7位。
 9番滑走でワグナー(米。24)。今季スケートカナダ優勝。曲は「Hip Hip Chin Chin」。冒頭は連続3回転の予定が3Fオーバーターンでソロに。スピン二つとStSqはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、2A成功、ほぼ全ジャッジが加点。3Lo+2Tは、第1ジャンプがややつまったので、連続3回転にならず。最後のLSpはレベル4で全ジャッジが加点。技術点6番目の30.25 、演技構成点最高の33.46、合計63.71でSP3位。
 最終滑走で宮原(17)。今季スケートアメリカ3位。曲は「ファイアダンス」。振付はトム・ディクソン。会心のでき。冒頭の3Lz+3Tをすぱっと決める。LSpはほぼ直角にそり、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。FCSpもレベル4で全ジャッジが加点。フラメンコの見得や動作を入れたStSqはすばらしく、レベル4に全ジャッジが加点1〜3。後半、3Fは!マーク。2Aはほぼ全ジャッジが加点。CCoSpは反対回りから入る難しいもので、レベル4に全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の37.5、演技構成点3番目の32.03、合計69.53は自己ベスト更新でSP1位。

 フリー。1番滑走でSP11位と出遅れたポゴリラヤ(露。17)。曲は「シェヘラザード」。衣装は水色。冒頭の3Lzは乱れたが、全体に立て直してきた。3Lo+1Lo+3S成功。SPで転んだ3Lz+3Tも、第2がアンダーローテーションながら下りた。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。スピン二つがレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のLSpは、加点ほぼ2。後半、二つの2Aと3Lo+2Tを決め、3Fがeマーク。CCoSpはレベル3。技術点3番目の58.3、演技構成点6番目の58.98、合計117.28でフリー4位、総合164.63で9位。
 2番滑走で木原。曲は「ブラックスワン」。振付はトム・ディクソン。冒頭で3Lo+2T+2Loを決め、ほぼ全ジャッジが加点。次の3Lzの予定が2Lzに。スピン二つはレベル3。3Fはアンダーローテーションで転倒。LSpはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。2A+3Tもなんとか成功。後半、二つめの3Loで全ジャッジが加点。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。二つめの2A+3Tも決め、技術点5番目の54.82、演技構成点最低の54.41、合計108.23は自己ベスト更新でフリー8位、総合163.19も自己ベスト更新で10位。
 4番滑走でオズモンド。曲は「Danzarin」他。冒頭の3F+2Tは全ジャッジが加点。続く2A+3Tも全ジャッジが加点2〜3。SPで転んだ2Lzは、2回転の上!マーク。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。3Loと後半の3Sで転倒。しかし2A+2Tも決め、全ジャッジが加点。LSpはレベル3、StSqはレベル2ながら全ジャッジが加点。技術点7番目の53.12、演技構成点4番目の60.29、合計111.41でフリー7位、総合168.48で6位。

 6番滑走で李子君。曲は「アーティスト」。振付はローリ・ニコル。冒頭の3F+3Tは第2がアンダーローテーション。2A+3Tは成功。スピン二つとStSqはレベル3。うち最後のLSpは全ジャッジが加点。後半、3Lzはeマーク、3Fも3Sもアンダーローテーション。CCoSpはレベル4。大きなミスはないが、あちこち少しずつとりこぼし。滑りも力強さや滑らかさがなかった。技術点9番目の49.26、演技構成点10番目の56.36、合計105.62でフリー10位、総合166.4で7位。
 7番滑走で長洲。曲は「偉大なるギャツビー」。冒頭の3F+3Tは第2がアンダーローテーション。続く2A+3Tは第2がダウングレードで両足。3Loは全ジャッジが加点。レベル4のFCSpとChSqも全ジャッジが加点。後半、3Sと3Lo+2T+2Tの第3ジャンプもアンダーローテーション。終盤の二つのスピンはレベル4で全ジャッジが加点。特にLSpは加点2〜3。StSqはレベル2。回転不足が多くてもったいない。本人は終わったときすごく嬉しそうに笑顔だった。キスアンドクライでもニコニコしていた。技術点55.57、演技構成点7番目の58.97、合計114.54でフリー6位、総合175.64で5位。
 8番滑走で浅田真央。曲は「蝶々夫人」。衣装は薄紫にチョウチョの刺繍。冒頭の3Aの予定が2Aとなり両足。立て直せないまま跳んだ3F+2Loも第1がアンダーローテーション。SPでパンクした3Lzは!マーク。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。ChSqとレベル3のStSqは全ジャッジが加点2〜3。後半、2A+3T成功。二つめの3Fは、NHK解説の荒川によれば、「連続3回転をねらった」らしいが、アンダーローテーションで第2ジャンプ付かず。3Loは全ジャッジが加点。ずっと浮かない顔だった。技術点6番目の54.43、演技構成点最高の66.06、合計120.49でフリー2位、総合182.99で3位。GPファイナル進出。

 9番滑走でワグナー。曲は「ムーラン・ルージュ」。冒頭の2Aは美しく全ジャッジが加点。しかし続く3Fは着氷で少し乱れた。スピン2つはレベル3。CCoSpはレベル4で全ジャッジが加点。後半、成功したように見えた3Lo+1Lo+3Sは、第1がアンダーローテーション、第3がダウングレード。次の3F+3Tも第2がダウングレード。StSqはレベル2だがほぼ無全ジャッジが加点。ChSqは全ジャッジが加点。連続ジャンプが2つしか入らなかった。あとダウングレード二つが痛かったか。技術点8番目の50.2、演技構成点3番目の65.42、合計115.62でフリー5位、総合179.33で4位。GPファイナル進出。
 10番滑走でヒックス。曲は「Elizabeth The Golden Age」。衣装は鮮やかな黄色。冒頭の3F+3Tはよろけたが下りた。次の3Lzはかかと下りで転倒。スピン2つはレベル4で全ジャッジが加点。StSqと最後のはレベル3。後半、3Lz+2Tはほぼ全ジャッジが加点。3Loも乱れたが下りた。3Fは全ジャッジが加点。ChSqは全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の59.29、演技構成点5番目の60.23、合計117.52でフリー3位、総合183.12で2位。
 最終滑走で宮原。曲はリストの「ため息」。テーマは初恋。振付はローリ・ニコル。衣装は赤。冒頭の3Lz+2T+2Loは第1ジャンプが少しつまったが成功。StSqとスピン2つがレベル4でほぼ全ジャッジが加点。特に最後のLSpは加点ほぼ3。後半、3Lzを決めると、FCSpと3Sをはさんで2つの2A+3Tも成功。ChSqも全ジャッジが加点。終わらないうちに観客がスタンディングオベーション。技術点最高の67.7、演技構成点2番目の65.88、合計133.58は自己ベスト更新でフリーも1位、総合203.11も自己ベスト更新で優勝。GPファイナル進出。

 <アイスダンス>8組出場。日本からは村元・リード組、平井・デラアスンシオン組。世界選手権優勝のパパダキス・シゼロン組(仏)が欠場。今季のパターンダンスは、ラベンスバーガーワルツ(RW)。1番滑走で村元・リード組(22,26)。今年6月に結成。曲は「ウインナ・カフェ」他。振付はマッシモ・スカリ。コーチはズエワ。1RW、2RWともレベル3。STwはレベル3。少しクリスがよろけかけた。組んだままステップで一周するパーシャルステップ(PSt)もレベル3。RoLiはレベル4で全ジャッジが加点1。とても組んで半年とは思えない。NHK解説の宮本が「女性はシングル出身だが、前からアイスダンスをやっていたようだ。」と言う。技術点7番目の26.9、演技構成点も7番目の26.54、合計53.44でSD7位。
 2番滑走で平井・デラアスンシオン組(29,26)。昨季NHK杯8位、全日本2位、四大陸8位。今季国際試合はこれが最初らしい。曲は「Il Terzo Fuochist」他。コーチはショーンフェルダー、有川。冒頭のSTwはレベル2。1RWはレベル3、2RWはレベル2。PStもレベル2。RoLiもレベル2。2人のタイミングが合わないところがあった。組んで5年目だが、試合後のインタビューでは前日に何かトラブルがあったとのこと。技術点最低の20.33、演技構成点も最低23.28、合計43.61でSD8位。
 4番滑走でボブロワ・ソロビエフ組(露。25,26)。昨季は男性の怪我で全休。今季スケートカナダで3位(見ていない)。曲は「マスカレード」他。振付・コーチはズーリン。冒頭のSTwはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2。1RWはレベル4、2RWはレベル3。RoLiはレベル4で全ジャッジが加点。PStはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点3番目の33.0、演技構成点2番目の33.19、合計66.19でSD3位。

 5番滑走でステファノワ・ブキン組(露。20,22)。昨季GPシリーズ3位と5位、国内3位、欧州選手権3位、世界選手権9位。今季ボンパール杯3位(見ていない)。曲は「ザ・スタントマン」。1RWはレベル4で全ジャッジが加点。2RWはレベル2。STwは第1がシットポジションで、レベル4に全ジャッジが加点1〜3。SlLiもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。PStはレベル3。全体に素早くて滑らかだった。技術点4番目の31.37、演技構成点も4番目の30.59、合計61.96でSD4位。
 7番滑走でハベル・ドナヒュー組(米。24,24)。昨季GPシリーズ3位が2回、全米3位、世界選手権10位。今季ボンパール杯優勝(見ていない)。曲は「ハレルヤ」。振付はデュブレイユ。コーチもデュブレイユとローゾン。1RW、2RWともレベル4で全ジャッジが加点。STwもレベル4で全ジャッジが加点。解説の宮本さんが「第1で少しずれたが男性が合わせた。」と言う。PStはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。CuLiもレベル4で全ジャッジが加点。全体が流れるようにひとつながりだった。技術点2番目の33.62、演技構成点3番目の32.95、合計66.57は自己ベスト更新でSD2位。
 最終滑走でシブタニ兄妹(米。21,24)。昨季GPファイナル4位、全米2位、四大陸3位、世界選手権5位。今季スケートカナダで2位(見ていない)。曲は「コッペリア」。女性が人形にような動きから始まる。全要素に全ジャッジが加点。1RWはレベル4、2RWはレベル3。STwは速くてレベル4、加点2〜3。PStはレベル3。最後のRoLiは加点2〜3。技術点最高の33.94、演技構成点も最高の34.14、合計68.08でSD1位。

 フリー。1番滑走で平井・デラアスンシオン組。男性が大会前に腰を強打して今も痛み止めしながらの演技だという。曲はプッチーニの「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」他。冒頭のSTwはレベル4。ステップ二つはレベル2。リフト三つとCoSpはレベル4。うちCuLiは男性がイーグルで女性の姿勢変化のとき支えなしで背後に倒れる動きがあり、ほぼ全ジャッジが加点1。男性は、感情表現を豊かに出したいと試合前に話していた。SDよりずっと充実した顔だった。技術点最低の37.75、演技構成点最低の34.23、合計71.96でフリーも8位、総合115.59で8位。
 2番滑走で村元・リード組。曲は「Silent Film Medley」。振付はマッシモ・スカリ。始まる前から演技していて、チャップリンを真似した動き。女性のスカートと男性のネクタイは鮮やかなピンク。ステップ二つとCoSpはレベル3。うち冒頭のCiStはほぼ全ジャッジが加点1。CoSpは速くて全ジャッジが加点。リフト三つはレベル4で一つめのCuLiは全ジャッジが加点。NHK解説の宮本「むさんが「組んで半年未満で高度なリフトをするのは本当にすごいこと。」STwは、第2ツイズルで男性がつまづいてレベル2。最後のChLiは雰囲気があってよかった。技術点6番目の41.74、演技構成点7番目の40.79、合計81.53でフリーも7位、総合134.97で7位。
 5番滑走でステファノワ・ブキン組。曲は「Rachmaninov's Revenge」。最後のChLi以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のしゃがんだSTwはレベル4に加点2〜3。ステップ二つはレベル3だが、リフト三つとCoSpはレベル4。CuLiは女性の姿勢が美しく、加点2。CoSpは加点1〜3。最後のChLiもほぼ全ジャッジが加点0〜3。全体がひとつの流れになっていた。技術点4番目の50.33、演技構成点も4番目の48.35、合計98.68は自己ベスト更新でフリー4位、総合160.64で4位に浮上。

 6番滑走でボブロワ・ソロビエフ組。曲は映画『アンナ・カレーニナ』より。女性の衣装は赤。男性のは士官服のよう。全要素に全ジャッジが加点。初めから顔の表情が豊か。二つのステップだけレベル3であとの要素はレベル4。冒頭のSTwは加点2。SlLiは加点2〜3。CuLi+RoLiは迫力があり加点1〜3。最後のChLiも加点1〜3。終わりに、うなだれる男性の背後から女性が両手で目かくしする振付に、解説の宮本さんは「面白いですね。」物語の世界をうまく作り出していた。技術点2番目の51.62、演技構成点も2番目の51.52、合計103.14は自己ベスト更新でフリー2位、総合169.33、逆転で2位。
 7番滑走でハベル・ドナヒュー組。曲は「弦楽器のためのアダージオ」。振付はデュブレイユ。アナウンサーが「SDでは技術点が最高だった。」と紹介。ここも全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3であとの要素はレベル4。冒頭のSTwとCuLiは加点2〜3。特にSTwは昔のシブタニ兄妹の高速ツイズルと同じくらい速く見えた。SlLiは加点1〜3。SDよりさらに滑り込んでいる感じで、観客も引き込まれているようだった。技術点3番目の50.83、演技構成点も3番目の51.09、合計100.92は自己ベスト更新でフリー3位、総合167.49で3位。
 最終滑走でシブタニ兄妹。曲は「フィックス・ユー」。振付はピーター・チェルニシェフ。衣装は2人とも黒。全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3であとの要素はレベル4。冒頭のCuLiとCoSp、SlLiは加点2〜3。解説の宮本さんが「リフトは簡単そうに見えるが難しい。」と言う。STwは以前ほど高速ではないが、第3、第4まである感じで、加点2〜3。RoLiも大胆で加点2〜3。技術点最高の53.34、演技構成点も最高の54.01、合計106.35でフリーも1位、総合174.43でNHK杯二度目の優勝。

フィギュアスケート (2015.11/26)

全日本ジュニア選手権 (2015.11/21〜23 ひたちなか・茨城)

 <男子シングル>29人が出場。28番滑走の山本草太(15)が70.42(技術点37.47、演技構成点33.95)でSP1位。SPのテレビ放映はなかったが、連続ジャンプで転倒したにもかかわらず、2位の中村と6点以上の差。昨季全日本ジュニア2位、世界ジュニア銅メダル。今季ジュニアGPシリーズ3位と優勝。
 フリーでは、最終滑走。曲はチャイコフスキー「ピアノ協奏曲1番」。冒頭の3Aはオーバーターン。続く4T+3Tはきれいで、ほぼ全ジャッジが加点。FSSpはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。二つめの4Tは、回ったものの転倒。FCCoSpはレベル4。後半、二つめの3Aはアンダーローテーションでまた転倒。しかし残りのジャンプは3F+1Lo+3Sを含めて全て成功。StSqはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。最後のCCoSpは全ジャッジが加点2。技術点ダントツの75.98、演技構成点も最高の69.0、転倒の減点2、合計142.98でフリーも1位、総合213.4で初優勝。
 フリー2位の島田(14)は、山本とは20点以上差があるが、122.39はたいしたもの。SP8位から巻き返して総合177.43で4位に食い込んだ。総合2位の友野(17)は総合183.19で、山本とは30点以上の差。

 <女子シングル>30人が出場。SP1位は66.83(技術点39.27、演技構成点27.56)の樋口新葉(14)。フリーには24人が進む。20番滑走で樋口新葉(14)。昨季全日本ジュニア優勝、世界ジュニア銅メダル。今季ジュニアGPシリーズ5位と2位。曲は「マスク・オブ・ゾロ」。振付は佐藤紀子、阿倍奈々実。後半の3F以外はノーミスの演技。冒頭で3Lz+3Tをびしっと決め、全ジャッジが加点。3Sも成功、全ジャッジが加点。FCSpはレベル4で全ジャッジが加点。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、再び3Lz+3Tを行い、全ジャッジが加点。2A 、3Lo と決めた後、LSpはレベル3、いずれも全ジャッジが加点。少し疲れた感じになり、3Fは!マークで片手つき。2A+2T+2Loも成功。CCoSpは軽そうに跳び、レベル3だが全ジャッジが加点ほぼ2。技術点最高の66.48、演技構成点も最高の66.48、合計122.4でフリー1位、総合189.23で連覇。ジュニアGPファイナルを逃し、かなり気合いが入っていた。シーズン初めよりだいぶ体も絞れてきた。
 17番滑走でSP7位本田真凜(15)。昨季全日本ジュニア4位。今季ジュニアGPシリーズ2位と優勝。曲は「ビートルジュース」。振付はマリナ・ズエワ、トム・ディクソン。コーチは浜田美枝、田村岳斗。冒頭ソロの3Lzと、3S+3Tの連続3回転はいずれも全ジャッジが加点。滑りもスピードずあり、いい入り。FSSpレベル3。StSqはなぜかレベル1だが、全ジャッジが加点。後半、2A、レベル4のLSpは全ジャッジが加点。3F+2T+2Loも成功、ほぼ全ジャッジが加点。3Lo、きれいな2A+3Tと決めて、最後のジャンプ3Fがアンダーローテーションで転倒。最後のCCoSpはレベル2。背が伸びて(154cm)、長い手足をうまく使った表現力が印象的。演技構成点でも音楽表現6.95は、2位の白岩、3位の横井の7点台に次いで高い3番目。技術点5番目の61.39、演技構成点4番目の53.84、転倒の減点1、合計114.23でフリー5位、総合168.88で6位。
 最終滑走でSP2位の白岩優奈(14)。今季ジュニアGPシリーズ優勝二回。曲は「Night Waltz」他。振付はトム・ディクソン、キャシー・リード。コーチは浜田美枝、田村岳斗。冒頭で3Lz+3T成功、全ジャッジが加点。もうひとつの連続3回転、3S+3Loは第2がアンダーローテーション。3Fは!マーク。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。後半、3Lz+2T+2Loを決め、全ジャッジが加点。ほぼノーミスで技術点2番目の65.95、演技構成点も2番目の55.44、合計121.39でフリー2位、総合184.16で2位。

 男女とも上位5人は、年末の全日本シニアに出場。


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フィギュアスケート (2016.2/6、7,8,)

ロステレコム杯 ペア・アイスダンス (2015.11/20〜22 モスクワ・ロシア) GPシリーズ第5戦

 <ペア>8組出場。地元ロシアから3組、カナダから2組。1番滑走でベル・スウィガーズ組(加。19,28)。2015年に組換え。男性は以前ローレンスと組んでカナダ国内で2年連続3位、昨年は全休。曲は「November Rain」。2Twと最後のStSqはレベル2。2Twはあまり低くて短いスロージャンプみたい。3LzThは成功。BoDsはレベル1、PCoSpと4Liはレベル4。ソロジャンプは2Tなのに、ベテランの男性が転倒。まだよく合っていない。技術点最低の24.38、演技構成点も最低の24.15、転倒と善意の時間超過の減点2、合計46.53でSP8位。
 3番滑走でマルケイ・ホタレック組(伊。28,30)。昨季国内優勝、欧州選手権5位、世界選手権11位。今季ロンバルディア杯優勝、GPシリーズはこれのみ。曲は「Morir d'amor」。振付はスカリ他。3Sはなんとか決める。3Twはもたれ気味でレベル1。4LiとStSqはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。3LzThは成功、ほぼ全ジャッジが加点。BoDsはなぜかレベルB。PCoSpはレベル4でこれもほぼ全ジャッジが加点。全体として慎重に演技していた。技術点5番目の32.54、演技構成点4番目の29.89、合計62.43は自己ベスト更新でSP4位。
 4番滑走でムアタワーズ・マリナロ組(加。23,23)。今季スケートカナダで3位。曲は「If I Can't Have You」。冒頭の3Tw、終盤のStSqとBoDsはレベル2だが、最後のBoDsは全ジャッジが加点。3Tは成功。4Liはなぜか無得点。これは痛かった。3LoThでは女性が跳ぶタイミングと男性が投げるタイミングが合わず、二人とも転倒。PCoSpはレベル3。技術点7番目の25.74、演技構成点6番目の28.23、転倒の減点2、合計51.97でまさかのSP7位。

 6番滑走で川口・スミルノフ組(露。34,31)。今季GPシリーズ中国杯優勝。曲は「I Finally Found Someone」。冒頭のBoDsはなぜかレベル1だが全ジャッジが加点。3Tはきれいに成功、全ジャッジが加点。3Twはめずらしくかなりうまくいき、レベル3に全ジャッジが加点1〜3。3LoThも決め、ほぼ全ジャッジが加点。4Liと最後のPCoSpはレベル4で全ジャッジが加点。StSqはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。どこといって悪くなかったのに、戻ってくるまでも川口は不満顔。キスアンドクライでは順位が出るまであまり笑顔でなかった。技術点2番目の37.62、演技構成点も2番目の34.08、合計71.7でSP2位。
 7番滑走でペン・ジャン組(中。18,31)。今季GPシリーズはボンパール杯4位。曲は「Come Together」。冒頭のBoDsはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。3LoThはきれいに決まり全ジャッジが加点2〜3。前回ミスした3Tはよく合っていて全ジャッジが加点。4Liと最後のPCoSpはレベル4、うち4Liはほぼ全ジャッジが加点。StSqはレベル2。この後、つなぎで女性が転倒。直後の3Twはレベル1。技術点3番目の36.7、演技構成点3番目の32.4、転倒の減点1、合計36.7でSP3位。
 最終滑走でストルボワ・クリモフ組(露。23,25)。今季スケートアメリカ4位。曲は「I Put a Spell on You」。3Twは回りきらず抱え気味でレベル2。3FThはしっかり決め、全ジャッジが加点1〜3。3Tも成功、全ジャッジが加点。BoDs、StSq、4Li、PCoSpは全てレベル4で、StSq、4Li、PCoSpは全ジャッジが加点。うちStSqとPCoSpは加点1〜3。技術点最高の40.05、演技構成点も最高の35.4、合計75.45でSP1位。

 フリー。1番滑走でベル・スウィガーズ組。曲は「ハウルの動く城」。衣装は二人とも茶色のグラデーション。冒頭の2Twはレベル1。やはり低くて、到底ツイスト「リフト」には見えない。連続ジャンプは男性がもろもろになりコンボ扱い。5RLiとFCCoSpはレベル3、PCoSpと最後のFiDsはレベル2。2Sと二つのスロージャンプはなんとか成功。しかし5ALiはレベルB、3Liはレベル1、ChSqは無得点とまだまだ。技術点最低の38.73、演技構成点も最低の45.2、合計83.93でフリーも8位、総合130.46で8位。
 2番滑走でムアタワーズ・マリナロ組。曲は映画のセリフ付「ロミオとジュリエット」。衣装は二人とも薄紫のグラデーション。冒頭の3Twはもたれ気味でレベル1。連続ジャンプもコンボ扱い。SPでミスした3LoThはなんとか決める。5ALiはレベル3だが全ジャッジが加点。FCCoSpとリフト二つ、FiDsはレベル4。ソロジャンプは男性が2Sに。3SThは無難に成功。技術点7番目の52.79、演技構成点も7番目の53.99、合計106.78でフリーも7位、総合158.75で7位。フリーはやや持ち直したが、順位は上がらず。
   5番滑走でマルケイ・ホタレック組。曲はB.ストライサンド歌の「The Way We Were」他。冒頭のソロジャンプは男性が2Lzに。3Twはもたれ気味。リフト二つはレベル4。3LoThは全ジャッジが加点。連続ジャンプは男性が第1ジャンプでよろめき、かろうじて3S+1T<<で成立。スピン二つはレベル4、うち最後のPCoSpはほぼ全ジャッジが加点。FiDsはレベル3。3FThもこらえて立つ。ChSqは加点評価。技術点6番目の55.14、演技構成点4番目の60.62、合計115.76でフリー6位、総合178.19で6位。

 6番滑走でペン・ジャン組。曲は「Les Pecheurs de Perles」。4回転ツイストとスロー4回転ジャンプに挑戦。冒頭で4Tw成功、レベル2。3T+2Tもきちんと決める。4SThは回ったが、全く立てずに転倒。痛そうだった。直後のChSqはなぜか男性が動揺してマイナス評価。2Sは成功。スピン二つ、リフト三つ、FiDsはレベル4。うちFCCoSpを除く5つの要素で全ジャッジが加点。3LoThは、下りた直後に足をついたのでステップアウト気味。技術点4番目の62.69、演技構成点3番目の63.25、転倒の減点1、合計124.94でフリーも3位、総合193.04で3位。
 7番滑走で川口・スミルノフ組。曲は「マンフレッド交響曲」。スロー4回転ジャンプ二つに挑戦。冒頭の3Tはきれいに決まり全ジャッジが加点。2A+2Aもなんとか成功。4SThは両手つき、4LoThは転倒扱い。スピン二つとリフト三つはレベル4。うち5ALiは全ジャッジが加点2、5BLiはほぼ全ジャッジが加点1〜3。ChSqは全ジャッジが加点1〜3。3Twはレベル2。BiDsはレベル3。川口はSPよりは笑顔で戻ってきた。技術点2番目の67.5、演技構成点も2番目の69.82、転倒の減点1、合計136.32でフリーも2位、総合208.02で2位。
 最終滑走でストルボワ・クリモフ組。曲は「Man and Shadow」。冒頭の3Twはレベル3で全ジャッジが加点。ChSqも全ジャッジが加点1〜3。3連続の3T+3T<+1Tは、女性の第2ジャンプがアンダーローテーションで第3が1回転に。3SThはすばらしく全ジャッジがほぼ加点3。リフト二つとFiDs、スピン二つはレベル4。うち5RLiは全ジャッジが加点、FCCoSpは全ジャッジが加点2〜3。3Liはレベル3だが、全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の68.35、演技構成点も最高の70.9、合計139.25でフリーも1位、総合214.7で優勝。しかし誰も笑顔なし。

 <アイスダンス>8組出場。地元ロシアから3組、イタリアから2組。1番滑走でシニツィナ・カツァラポフ組(露。20,24)。今季スケートアメリカで2位。曲はチャイコフスキーの「白鳥の湖」。振付はズエワ。いかにもバレエという衣装。冒頭はパターンダンスでRW両セクションともレベル3。うち1RWは全ジャッジが加点。STwと最後のRoLiはレベル4。うちRoLiは全ジャッジが加点。PStはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の29.75、演技構成点も3番目の33.88、合計63.63でSD3位。
 4番滑走でイリニフ・ジガンシン組(露。21、23)。今季中国杯3位。曲はクイーンの「Somebody to Love」他。衣装は二人とも黒。冒頭のSTwで男性が第1セットの最後で転倒、無得点。これは痛い。1RWはレベル3、2RWはレベル4。RoLiはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。PStはレベル3。技術点7番目の23.57、演技構成点4番目の31.89、転倒の減点1、合計54.46でSD6位。まさかの転倒で出遅れ。

 7番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組(伊。28,30)。今季中国杯優勝。曲は「The Merry Widow」。女性の衣装は濃い紅。冒頭のSTwと最後のRoLiはレベル4で全ジャッジが加点。1RWはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。2RWはレベル4で全ジャッジが加点。滑らかにパターンダンスに入り、深いエッジでさりげなく滑っていた。PStはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。技術点2番目の32.68、演技構成点も2番目の35.14、合計67.82でSD2位。
 最終滑走でウィーヴァー・ポジェ組(加。26,28)。今季スケートカナダ優勝。曲は「青き美しきドナウ」他。女性の衣装は薄クリーム色でふわっとした素材。冒頭のCuLiはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。1RWはレベル3でほぼ全ジャッジが加点1〜3。2RWはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。いつのまにかパターンダンスになり、うっとりと見ているうちに過ぎてしまった。STwはレベル4に全ジャッジが加点ほぼ2〜3。最後のPStはレベル3だが全ジャッジが加点2。技術点最高の33.58、演技構成点も最高の35.91、合計69.49でSD1位。

 フリー。SD5位のモンコ・ハリアビン組が棄権。テレ朝は解説がないのでどうしたのか不明(男性の怪我らしい。ISUのロステレコム杯記事より)。3番滑走でイリニフ・ジガンシン組。曲は「Frida」。振付はA.ナハーロ。女性の衣装は黒、裾にカラフルな花模様、髪に赤い花。男性の衣装も黒で背中に太陽らしき顔の絵。冒頭のCuLi+RoLは二つともレベル4で全ジャッジが加点。ステップ二つはレベル3だが全ジャッジが加点。STwとSp、SlLiはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。基礎点40.5に全体で9.07の加点。終わったとき女性は感極まった顔。技術点4番目の49.57、演技構成点も4番目の49.98、リフトの時間超過の減点1、合計98.55でフリー4位、追い上げたが総合153.01で0.53差の5位。
 6番滑走でシニツィナ・カツァラポフ組。曲は「イオ・チ・サロ」。振付はズエワ。全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3、他は全てレベル4。特にリフト三つは加点2〜3。冒頭のSTwとCoSpは加点1〜3。しかしツイズルは明らかに女性のスピードが遅かったが。男性のツイズルはうまくて速い。最後のChLiは加点ほぼ2。基礎点40.5に全体で11.4もの加点。見ていてそこまですごい感じはしなかった。技術点最高の51.9、演技構成点3番目の52.87、リフトの時間超過の減点1、合計103.77でフリーも3位、総合167.4で3位。

 7番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組。曲はニーノ・ロータの「La Dolce Vita」。すばらしい出来。ここも全要素に全ジャッジが加点。二つのステップとCoSpはレベル3、他は全てレベル4。特に冒頭のSTwと、女性の靴底を男性が支え、片足倒立するSlLiは加点2〜3。CuLiとCoSp、DiSt、最後のChTwは加点1〜3。二人とも顔の演技もたっぷりの楽しいプログラム。基礎点39.5に全体で11.12の加点。技術点3番目の50.62、演技構成点2番目の54.17、リフトの時間超過の減点1、合計103.79でフリーも2位、総合171.61で2位。
 最終滑走でウィーヴァー・ポジェ組。曲は「On the Nature of Daylight」。振付はS.ボーン、P.チェルニシェフ他。衣装は二人とも黒。CoSp以外の要素に全ジャッジが加点。ステップ二つとSlLiはレベル3、他の要素はレベル4。特に冒頭のSTwとRoLi、DiStは加点ほぼ2〜3。SlLiとCuLi、最後のChLiは加点1〜3。基礎点40.0に全体で10.87の加点。技術点2番目の50.87、演技構成点最高の54.22、リフトの時間超過の減点1、合計104.09でフリーも1位、総合173.58で優勝。

フィギュアスケート (2015.11/23,24,)

ロステレコム杯 (2015.11/20〜22 モスクワ・ロシア) GPシリーズ第5戦

 <男子シングル>10人出場。日本からは小塚。地元ロシアからはGPシリーズ初出場のコロヤダ(20)、ピトキエフ(17)、ヴォロノフ(28)。4番滑走で小塚(26)。今季中国杯怪我で欠場。曲は昨季のエキシビションを改造した「レスペート・イ・オルグージョ〜誇りと敬意〜」。振付は宮本賢二。衣装は黒を基調に赤のアクセント。冒頭の4Tはダウングレードで両足の上ステップアウト。BS朝日解説の織田は「練習ではきれいに下りていた。」と言う。3Aも着氷が乱れた。足替えスピン二つはレベル4。後半、3Lz+3Tはなんとかこらえて第2ジャンプを3回転した。FSSpとStSqはレベル4、このうちStSqは小塚らしい深くて巧みなエッジワークで、最後のCCoSpとともに全ジャッジが加点。練習は一週間くらいしかできていないらしい。インタビューでは「ジャンプはどれも不完全で、思い切りが足りなかった。通しで何回も滑っていないのでフリーが心配。」と言っていた。技術点32.61、演技構成点6番目の37.0、合計69.61でSP8位。
 7番滑走でピトキエフ(露)。今季スケートアメリカ6位。曲は日本人作曲家のはまたけし「Pain」他。振付はマリナ・ズエワ他。冒頭でソロの予定のところ4T+3Tの連続ジャンプに変更。スピン三つはレベル4。後半の3Aは全ジャッジが加点。ステップからの3Lzも成功。最後のStSqも音楽表現は少しつたないが、レベル4に全ジャッジが加点。技術点最高の49.4、演技構成点5番目の38.14、合計は自己ベスト大幅更新でSP1位。
 8番滑走でリッポン(米。26)。今季スケートカナダ4位。曲はクイーンの「Who Wants to Live Forever」。髪を銀色に染め、衣装も黒と銀。冒頭の4Lzは高さが足りず、ダウングレードで転倒。3Aは堅実に決め、ほぼ全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4、終盤二つの足替えスピンは全ジャッジが加点1〜3。後半の3Lz+2Tは、第2ジャンプが3回転の予定だったが、ほぼ全ジャッジが加点1。解説の織田は「ルッツはこれくらいエッジをしっかり倒してほしい。」と言う。技術点39.56、演技構成点2番目の40.21、転倒の減点1、合計78.77でSP6位。

 9番滑走でニューエン(加。17)。今季スケートカナダ5位。曲は映画『キリング・フィールド』より「Pran's Theme」他。振付はデヴィッド・ウィルソン。冒頭の4Tは回ったが乱れた。3Aは成功。足替えスピン二つはレベル4。FCSpはレベル2。後半の3Lz+2Tは、第2ジャンプがダウングレードで転倒。解説の織田が「ルッツを下りた後止まってしまい、3回転を跳べなかった。」と言う。StSqはレベル3。技術点35.83、演技構成点35.95、転倒の減点1、合計70.78でSP7位と出遅れ。
 10番滑走でヴォロノフ(露)。今季中国杯5位。曲は「Butterflies and Hurricanes」。冒頭の4T+3Tは、第1ジャンプがわずかにタッチあり。スピン三つはレベル4。うちCSSpは全ジャッジが加点1。後半、3Aとステップからの3Loは決める。最後のStSqは表現力を発揮し、レベル4に全ジャッジが加点。技術点3番目の44.63、演技構成点4番目の39.54、合計84.17でSP4位。
 最終滑走でフェルナンデス(西。24)。今季中国杯優勝。曲は「マラゲーニャ」。冒頭まさかの4回転失敗。3Sは-3〜1の評価。続く3Lz+3Tも第1ジャンプの軸が傾き、なんとか第2を付けた。FUSpはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。後半、3Aは難しい動きから跳び、全ジャッジが加点2〜3。二つの足替えスピンはレベル4とレベル3でほぼ全ジャッジが加点。最後のStSqは圧巻でレベル4に全ジャッジが加点2〜3。技術点5番目の42.21、演技構成点最高の44.78、合計86.99でSP2位。

 フリー。3番滑走で小塚。曲は昨季と同じ「イオ・チ・サロ」。振付はローリー・ニコル。冒頭の4Tはアンダーローテーションで両足だったが、もう少しでちゃんと下りられた。3Lz+3Tも成功。3Aは片手つき。FSSpとStSqはレベル4で全ジャッジが加点。ところが後半、二つめの3Aの予定がばらけて1Aで転倒。次も1Lz+1Tに。3Fはきれいに跳び、拍手と全ジャッジが加点1。しかし2Loは2回転になり、3Sはオーバーターン。CSpは無得点。ChSqは美しいイーグルなど本領を生かし、全ジャッジが加点。最後のCCoSpは渾身の力でレ4に全ジャッジが加点。技術点最低の52.31、演技構成点7番目の74.56、転倒の減点1、合計125.87でフリー9位、総合195.48で9位。インタビューでは「SPより戦う気持ちが戻ってきた。」と言っていた。
 4番滑走でニューエン。曲はバッハの「パッサカリアとフーガ」。振付はジェフリー・バトル。冒頭で4Sなんとか下りる。続けて4Tと3Aも成功。スピンは三つともレベル4。StSqはレベル3。後半、3A+3Tを決める。3Lzは!マーク。3F+2T+2Loも成功。ChSqは全ジャッジが加点。3F+2Tも決めて、技術点2番目の88.95、演技構成点8番目の71.94、合計160.89でフリー6位、総合231.67で7位。
 7番滑走でリッポン。曲は「ビートルズ・メドレー」。振付はジェフリー・バトル。冒頭で予定していた4Sを2Aに変更、全ジャッジが加点。3A+2Tも全ジャッジが加点。スピン三つとStSqは全てレベル4で全ジャッジが加点。特に後半のCCoSpと最後のFCCoSpは加点2〜3。珍しく得意な3Lzでオーバーターン。しかし後半、二つめの3A、3Lz+3T、3Lo、3F+2T+2Loほぼ全ジャッジが加点。ChSqも美しく、全ジャッジが加点2〜3。加点で稼ぐ方針にして成功。技術点4番目の86.58、演技構成点2番目の83.28、合計169.86でフリー2位、総合248.63、0.29差で惜しくも4位。

 8番滑走でSP自己ベスト更新で3位のロス・マイナー(米。24)。今季スケートアメリカ7位。曲は「Who Wants to Live Forever」他。振付はローリー・ニコル。冒頭の4Sは転倒。続く3A+2Tと3Lz+3Tは成功、全ジャッジが加点。後者は加点2〜3。ChSqも全ジャッジが加点。スピン三つとStSqは全てレベル4で全ジャッジが加点。後半、二つめの3Aは片手つき。3Lz+1Lo+3Sは成功。3Fはeマーク。技術点6番目の83.26、演技構成点3番目の、転倒の減点1、合計163.56も自己ベスト更新でフリー4位、総合248.92も自己ベスト更新で3位。
 9番滑走でフェルナンデス。曲は映画『野郎どもと女たち』より。振付はデヴィッド・ウィルソン。4回転を3つ入れる構成。前半は完璧。冒頭の4T、4S+3T、3Aと美しく滑らかに成功し、全ジャッジが加点。特に4S+3Tは加点2〜3。SPのミスは何だったんだという感じ。StSqもレベル4で全ジャッジが加点2〜3。CSSpもレベル4に全ジャッジが加点。ところが後半、二つめの4Sがパンクして転倒。しかし3F+1Lo+3Sや3Lz+2Tはしっかり決める。ChSqも全ジャッジが加点1〜3。3Loは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。CCoSpはレベル3だが、最後のFCCoSpはレベル4。技術点最高の92.7、演技構成点も最高の92.74、転倒の減点1、合計184.44でフリー1位、総合271.43で優勝。
 最終滑走でピトキエフ。かなり緊張していた。曲は途中で尺八の音色も入る「The Mission」。4回転は一つのみ。冒頭で4T成功。続けて3A+2Tも決めるが、二つめの3Aは転倒。StSqはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。CSSpはレベル4で全ジャッジが加点。後半、3Lz+3Tを決め、全ジャッジが加点。二つめの3Lzは全ジャッジが加点1〜3。2A+2T+2Loも成功、ほぼ全ジャッジが加点。あと二つのスピンもレベル4。今できることはほぼやりきった。終わったとき、泣きそうだった。技術点5番目の84.07、演技構成点も5番目の79.86、転倒の減点1、合計162.93でフリー5位、総合250.47で2位は立派。

 <女子シングル>12人出場。日本からは本郷、永井、加藤。地元ロシアからはこの大会のみの五輪金メダルのソトニコワ、今季シニアデビューのメドベデワ、ラジオノワ。
 3番滑走で加藤(17)。この大会のみ参加。曲は「さくらさくら」をアレンジした「Cherry on the Ice Wall」。振付はフィリップ・ミルズ他。冒頭の3T+3Tはアンダーローテーションとダウングレード。スピンは三つともレベル4。特に最後のLSpは全ジャッジが加点1〜3。後半のステップからの3Loはきちんと決め、2Aはものすごく幅があり、全ジャッジが加点1。技術点25.72、演技構成点24.54、合計50.26でSP10位。
 4番滑走で永井(16)。今季スケートカナダ3位。曲は「蝶々夫人」。振付は宮本賢二。冒頭で大きなミス。連続3回転の予定が1Lz+3Tになり、要素を失う。スピンは三つともレベル4。特にLSpは全ジャッジが加点。後半、ステップからの3Loはアンダーローテーション。2Aは難しいターンから跳び、全ジャッジが加点。StSqは正確なエッジワークでレベル4、ほぼ全ジャッジが加点。連続ジャンプ以外はまずまずだったので、もったいなかった。技術点25.36、演技構成点27.83、合計53.19でSP9位と大きく出遅れ。

 5番滑走でソトニコワ(19)。曲は「ある恋の物語」。振付はピーター・チェルニシェフ。衣装は濃いピンク。スカートは細かいスリットが入り、イメチェンか。冒頭は連続3回転の予定だったが、3T+2Tにして全ジャッジが加点。ステップからの3Fも成功。CCoSpと最後のFCSpはレベル4で全ジャッジが加点。後半の2Aも無難に決めた。LSpとStSqはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。金メダリストの貫禄は少しあるが、全体に切れ味は鈍い感じ。技術点32.31、演技構成点2番目の33.17、合計65.48でSP4位。
 7番滑走でチャートランド(加。19)。今季スケートアメリカ12位。曲はアボットも使った「Pina」。振付はD.ウィルソン、S.ボーン。冒頭3Lz+3Tを決め、リズムに乗る。スピンは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ステップからの3Lo、2Aも成功。StSqはよく動いて曲想を表現し、レベル4に全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の37.3、演技構成点5番目の30.08、合計67.38は自己ベスト更新でSP2位。

 9番滑走でメドベデワ(16)。曲は「白夜の調べ」。振付はアレクサンドル・ズーリン。冒頭のCCoSpはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2。続くStSqもレベル4で全ジャッジが加点。ところが、後半ステップからの3Fで転倒。2Aと3Lo+3Tは全ジャッジが加点のできだったので惜しかった。最後二つのスピンもレベル4で、特にLSpは全ジャッジが加点1〜3。技術点3番目の36.5、演技構成点も3番目の31.53、転倒の減点1、合計67.03でSP3位。
 11番滑走で本郷(19)。今季中国杯2位。曲は「キダム」。振付は鈴木明子。冒頭の3F+3Tはちゃんと下りたように見えたが第2ジャンプがアンダーローテーション。スピン三つとStSqは全てレベル4。特にStSqは全ジャッジが加点。後半、ステップからの3Lzはエッジ違反なく成功、2Aも流れの中でスムーズに決めた。勢いをもって滑り終えたが、細かい取りこぼしがあり、インタビューでは「今できることを出し切れなかった。」と反省。技術点5番目の33.36、演技構成点4番目の30.09、合計63.45でSP6位。
 最終滑走でラジオノワ(16)。今季中国杯3位。曲は「ジュテーム」。振付はニコライ・モロゾフ。冒頭の3Lz+3Tをしっかり決める。第1ジャンプが高かった。スピン三つとStSqは全てレベル4で全ジャッジが加点。特に終盤のStSqとLSpは加点ほぼ2〜3。後半、ステップからの3Loはほぼ全ジャッジが加点。しかし2Aはややこらえた。ノーミスで終えたとき、泣いていた。技術点最高の38.44、演技構成点も最高の33.35、合計71.79は自己ベスト更新でSP1位。

 フリー。3番滑走で加藤。曲はミュージカル『マイ・フェア・レディ』より「序曲」。冒頭の3F+3Tは成功。スピン三つはレベル4。StSqはレベル3。後半、2Aはほぼ全ジャッジが加点のでき。しかし3Lzはeマークの上、ダウングレードでステップアウト、第2ジャンプ入らず。それでも3Lo+2T+2Loを決め(第1ジャンプがアンダーローテーション)、最後のジャンプ3Tに2Tを付けた。技術点5番目の54.27、演技構成点51.03、合計105.3でフリー9位、総合155.56で10位。
 4番滑走で永井。曲は映画『奇跡のシンフォニー』より「オーガスト・ラプソディー」。振付はシェイ=リーン・ボーン。SPでミスした冒頭のLzはやはり1回転に。3Fはeマーク。3Loは全ジャッジが加点。StSqとスピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。特にStSqはエッジも深く、加点1〜3。後半、再度3Lzに挑み、アンダーローテーションで転倒。しかし2A+3T、3S+2T、2A+2Tと決める。LSpはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。技術点6番目の50.6、演技構成点56.83、転倒の減点1、合計106.43でフリー6位、総合159.62で8位。
 7番滑走で本郷。曲は「リバーダンス」。冒頭の3F+3Tはよかったが、次の3Sの予定が2回転に。3Lzはeマークの上、アンダーローテーションで転倒。スピン三つはレベル4。リバーダンスのステップを取り入れたStSqはレベル3。後半、2A+3T+2Tは成功。3Lze<+2Tは、またもLzがeマークの上、アンダーローテーション。最後のジャンプは2Aの予定らしかったが、序盤で2回転になった3Sに変えたらしい。技術点4番目の56.47、演技構成点5番目の60.2、転倒の減点1、合計115.67でフリー5位、総合179.12で5位。

 8番滑走でSPは自己ベスト更新で5位のエドマンズ(米。17)。曲は映画「風と共に去りぬ」より。冒頭で3Lz+3Tを決める。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。本郷よりエッジが深くスピードも速い。3F+1Lo+3Sは、第1と第3ジャンプがアンダーローテーション。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。後半、ソロの3Fと3Lo+2TのLoがアンダーローテーション。技術点3番目の57.18、演技構成点4番目の60.73、合計117.91でフリー4位、総合183.2で4位。
 9番滑走でソトニコワ。曲は「Je Suis Malade」。振付はタチアナ・タラソワ他。冒頭で3Lz+3Tに挑戦。壁際になったせいもあるのか、Lzはeマーク、3Tはダウングレードで両足。続く3Fと3Loは全ジャッジが加点。CCoSpとStSqはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。後半、2A+3Tは第2がダウングレード、次は2F+1Tになってしまう。最後の2Aで転倒。LSpとFCSpはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。ChSqは感情表現が豊かで全ジャッジが加点2〜3。終わったとき、顔をおおって泣いているようだった。ジャンプがかなり不調だが、フリーは練習不足だったのに滑りきれたことを喜んでいるのか。技術点6番目の51.25、演技構成点最高の69.38、転倒の減点1、合計119.63でフリー3位、総合185.11で3位。

 10番滑走でメドベデワ。曲は映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』より「Dance for me wallis」他。振付はイリヤ・アベルブフ。終盤の2Aがステップアウトした以外はノーミスの演技。冒頭の3F+3T、3Lzは切れ味よく、全ジャッジが加点1〜3。スピン三つとStSqはレベル4に全ジャッジが加点。特にStSqと最後のLSpは加点1〜3。後半、2A+2T+2Tと3S+3Tを決める。ジャンプだけでなく、表現力もすばらしい。基礎点62.33に9点以上の加点。技術点最高の72.12、演技構成点3番目の67.61、合計139.73でフリー1位、総合206.76で逆転2位。
 11番滑走でチャートランド。曲は「風と共に去りぬ」。振付はシェイ=リーン・ボーン。冒頭で3Aに挑んだが、ダウングレードで転倒。次の2Lzも転倒。3Fはeマークでアンダーローテーション。スピン三つとStSqはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、3Loも転倒。跳ぶより先に回ろうとしているようだ。2A+1Lo+3Sは成功したが、3Lz+3Tは第2がダウングレード。3S+2Aは成功。技術点50.4、演技構成点6番目の58.64、転倒の減点3、合計106.04でフリー7位、総合173.42で6位。
 最終滑走でラジオノワ。曲は映画『タイタニック』より「My Heart Will Go On」。振付はニコライ・モロゾフ。冒頭で落ち着いて3Lz+3Tを決める。3Fは!マーク。3Lzは成功。スピン三つとStSqはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。特にStSqは加点1〜3、最後のLSpは加点2〜3。後半、3Lo+1Lo+3Sや3Lo+2Tも決める。ChSqは全ジャッジが加点ほぼ2。終わったとき両手を突き上げた。技術点2番目の70.75、演技構成点も2番目の68.78、合計139.53は自己ベスト更新でフリー2位、総合211.32で優勝。


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フィギュアスケート (2016.2/2,)

ボンパール杯 ペア・アイスダンス (2015.11/13〜15 ボルドー・フランス) GPシリーズ第4戦

 11/14国際スケート連盟は、11/13夜パリで起きた同時テロのため、2日目以降のフリー中止を発表。11/23、成績の扱いは、SP、SDの成績を最終順位とすると発表された。

 <アイスダンス>7組出場。ロシアから2組、地元フランスからは出場なし。ただ、イギリスのクームズ・バックランド組のコーチと一緒にブルザがいた。
 2番滑走でステファノワ・ブキン組(露。20,23)。昨季国内3位、欧州選手権3位、世界選手権9位。曲は「The Stunt Man」。パターンダンスは滑らかで速く、1RWはレベル3だが全ジャッジが加点、2RWはレベル2。STwとSlLiはレベル4で全ジャッジが加点、特にしゃがんだ姿勢で第1セットを滑るSTwは、加点2〜3。最後のPStはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の35.5、演技構成点4番目の30.14、合計64.64でSD3位。

 6番滑走でハベル・ドナヒュー組(米。24,24)。昨季全米3位、世界選手権10位。曲は「Hallelujah」他。1RWはレベル4、2RWはレベル3でいずれもほぼ全ジャッジが加点。STwと最後のCuLiはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。PStはレベル3で全ジャッジが加点。技術点最高の32.62、演技構成点2番目の31.83、合計64.45でSD1位。キスアンドクライではコーチともども笑顔だった。
 最終滑走でギレス・ポワリエ組(加。22,23)。昨季国内2位、四大陸4位、世界選手権6位。今季スケートアメリカ3位。曲はビートルズ「Lucky in the Sky with Diamonds」、モーツァルトの「German Dance No. 6」他。衣装はピンクと水色の軍服のよう。冒頭のSTwとRoLiはレベル4で全ジャッジが加点。特にSTwは加点1〜3。RWは両セクションともレベル3だが、1RWはほぼ全ジャッジが加点。最後のPStはレベル3。ストップモーションのような人形のような面白い動きが振り付けられていた。技術点2番目の31.91、演技構成点最高の32.03、合計63.94でSD2位。キスアンドクライでコーチと男性がどこが悪かったのか話し合っていた。

 <ペア>8組出場。ロシア2組、地元フランスからはジェイムズ・シプレ組。2番滑走でセガン・ビロドー組(加。19,22)。昨季国内シニアで3位、世界ジュニア銀メダル、世界選手権8位。今季スケートアメリカ3位。曲はシルクドソレイユの「Monde Inverse」。振付はシェイリーン・ボーン。はつらつとした滑りが好感。冒頭の3Twは高く、レベル3。3Sと3FThもしっかり成功。PCoSpと4Li、最後のStSqはレベル4、うちStSqは全ジャッジが加点。BoDsはレベル3。技術点3番目の36.0、演技構成点5番目の28.95、合計64.95でSP3位。
 4番滑走でヴォロソジャー・トランコフ組(露。29,32)。ソチ五輪斤メダル。昨季は男性の肩の怪我で全休。今季ネーベルホルン杯優勝、GPシリーズはこれのみ(NHK杯欠場)。曲は「Nagada Sang Dhol」。インドかアラビアの感じ。冒頭の3Twは見事でレベル4に全ジャッジが加点2〜3。3Sもなんとか決める。男性の足下がややフラット。3FThは、ずいぶん距離が短く、タッチもあったのかマイナス気味の評価。4LiとStSq、最後のPCoSpはレベル4、うちPCoSpは全ジャッジが加点、StSqは全ジャッジがほぼ加点2〜3。BoDsはレベル3だが、全ジャッジがほぼ加点2〜3。技術点最高の39.38、演技構成点は全て8点台後半で最高の35.12、合計74.5でSP1位。

 5番滑走でジェイムズ・シプレ組(仏。28,24)。昨季国内優勝、欧州選手権5位、世界選手権9位。今季ネーベルホルン杯3位。曲は「I Put A Spell On You」。二人とも黒い衣装で女性はパンツというかタイツスタイル。冒頭の3Twはレベル2。3Tはタイミングがずれたが成功。4LiとStSq、最後のPCoSpはレベル4、うち4LiとStSqはほぼ全ジャッジが加点。BoDsレベル3だが、ほぼ全ジャッジが加点。技術点2番目の36.4、演技構成点4番目の29.35、合計65.75は自己ベスト更新でSP2位。
 最終滑走でペン・ジャン組(中。18,31)。昨季GPファイナル4位、四大陸2位、世界選手権4位。曲はビートルズ「Come Together」アレンジ版。振付はローリ・ニコル。冒頭のBoDsはレベル3でほぼ全ジャッジが加点1〜3。3LoThは見事で、全ジャッジが加点ほぼ2〜3。しかし3Tで女性が転倒。4LiとStSq、最後のPCoSpはレベル4で、うち4Liは全ジャッジが加点。3Twはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。技術点6番目の34.07、演技構成点2番目の31.03、転倒の減点1、合計64.1でSP4位。女性の背が伸びてジャンプで苦戦。ツイストも以前のように高くない。ツァオコーチは苦い顔だった。

フィギュアスケート (2015.11/16,)

ボンパール杯 (2015.11/13〜15 ボルドー・フランス) GPシリーズ第4戦

 11/14国際スケート連盟は、11/13夜パリで起きた同時多発テロのため、第2日のフリー中止を発表。成績の扱いは協議中とのこと。

 <男子シングル>11人出場。日本からは宇野、村上大介。地元フランスからは、ベゼギエ、ポンサール。ロシアからコフトゥンとペトロフ。カナダからチャン、カザフスタンからデニス・テン。なんとSPで宇野が1位。
 5番滑走でチャン(加。24)。今季スケートカナダで優勝。曲は「マック・ザ・ナイフ」。冒頭の4Tの予定が2回転に。さらに第2ジャンプも2Tになり、要素を失う。続く3Aも片手つき。FSSpと最後のCCoSpはレベル4で全ジャッジが加点。後半のステップからの3Lzはきれいで、全ジャッジが加点1〜3。CCSpとStSqはレベル3。特にStSqは全ジャッジが加点2〜3。全体に速く、エッジも深いのだが、ジャンプのミスが痛かった。技術点31.7、演技構成点最高の44.4、合計76.1でSP5位。
 6番滑走で村上大介(24)。今季スケートカナダで3位。曲はミュージカル『レ・ミゼラブル』より「彼を帰して」。冒頭の4Sはすばらしく滑らかで、続く3Aも幅のあるジャンプ。ところが、後半の連続3回転でまさかのミス。第1ジャンプのLzが少し曲がったため、第2ジャンプの高さが出ず1回転になり、要素を失う。FCSpはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点、あと二つのスピンとStSqはレベル4。特にStSqは上下左右に大きく滑らかに動き、全ジャッジが加点。技術点40.39、演技構成点39.85、合計80.24でSP3位。
 7番滑走でペトロフ(露。16)。今季スケートカナダで6位。曲は「La Leyenda del Beso」。冒頭の3Aは成功。3Lz+3Tも無難に決める。StSqはレベル3。一生懸命滑っているが、振付を懸命にこなしているように見える。ただし基本はしっかりしている。スピン二つはレベル3、一つがレベル4。後半、ステップからの3Fも成功。すべての要素は決めたが、可もなく不可もなく、という感じ。技術点39.28、演技構成点35.36、合計74.64でSP6位。

 9番滑走で宇野(17)。今季スケートアメリカで2位。曲は「Legends」。冒頭の3Aはうまく下りた。加点0〜3。スピンは三つともレベル4。うちFCSpは全ジャッジが加点。後半にステップからの4Tと3F+3Tを決める。StSqはレベル3だが、大きく動き、曲想をよく表現して全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の48.71、演技構成点4番目の40.85、合計89.56でSP1位。インタビューでは「ようやく予定したジャンプをすべて跳んでSPをまとめられた。」と言っていた。
 10番滑走でデニス・テン(カザフ。22)。今季スケートアメリカで9位。曲は「Misa Tango」。冒頭の4Tで転倒。始める前からあまり集中できていない感じだった。3Aはきちんと飛び、全ジャッジが加点。スピン二つとStSqははレベル4。特にStSqは全ジャッジが加点1〜3。後半、3Lz+2Tを跳ぶが、ステップアウト。本来連続3回転だったのではないか。技術点39.24、演技構成点2番目の41.86、転倒の減点1、合計80.1でSP4位。なんだか全く調子が出ていない。
 最終滑走でコフトゥン(露。20)。曲は「I Can't Dance」。冒頭の4S+3Tは、第1ジャンプをこらえて第2を付けた。ステップからの4Tは片手つき。3Aは普通に決めてほぼ全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。最後のFUSpはレベル2。せっかく4回転を二つ跳んだのにクリーンでなかったので、思ったほど得点が伸びず。技術点2番目の45.64、演技構成点3番目の41.18、合計86.82でSP2位。

 <女子シングル>12人出場。日本からは村上佳菜子、今井。地元フランスからメイテとレカヴリエ、ロシアからリプニツカヤとトゥクタミシェワ、アメリカからゴールドとワン。SPで村上は4位。
 5番滑走でロデギエロ(伊。25)。今季GPシリーズ初参加。曲は「He Sleeps」他。冒頭で3T+3Tを決め、全ジャッジが加点。ステップからの3Fも成功、ほぼ全ジャッジが加点。LSpとStSqはレベル3。後半、2Aも成功。終盤のスピン二つはレベル4。全ての要素をまとめた。技術点3番目の32.77、演技構成点26.04、合計でSP3位。
 8番滑走でデイルマン(加。17)。今季スケートカナダで5位。曲は「You'll Have to Swing It」。冒頭の3Lz+3Tは、第1ジャンプはよかったが、第2がダウングレードで両足に。LSpはレベル3。FCSpはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ステップからの3Fは!マーク。2Aも両足。ジャンプが得意なはずなのに。StSqはレベル3だが、よく動けていて全ジャッジが加点。最後のCCoSpはレベル3。技術点7番目の27.54、演技構成点5番目の27.81、合計55.35でSP6位。
 9番滑走で村上佳菜子(21)。今季スケートカナダで4位。曲は映画『ムーラン・ルージュ』より「ロクサーヌのタンゴ」。冒頭の3Fは大きく、ほぼ全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4にほぼ全ジャッジが加点。後半、勢いよく3T+3Tを跳んだが、第2がアンダーローテーション。痛恨は、アクセルが1回転になり無得点に。最後のStSqは、よくく動いて全ジャッジが加点2〜3。ジャンプ以外は全てレベル4を取れただけに悔やまれるミス。技術点4番目の29.53、演技構成点も4番目の28.77、合計58.3でSP4位。

 10番滑走でリプニツカヤ(露。17)。今季スケートアメリカで6位。曲はエルビス・プレスリーメドレー。冒頭で3T+3Tをきちんと決め、ほぼ全ジャッジが加点。3Fは少しよろける。2Aは成功。スピンは三つともレベル4。特に終盤二つのスピンはほぼ全ジャッジが加点2〜3。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点2番目の35.06、演技構成点3番目の30.57、合計65.63でSP2位。やっとキスアンドクライで笑顔。
 11番滑走でゴールド(米。20)。今季スケートアメリカで2位。曲はタンゴの「エル・チョクロ」。衣装は黒。眉と髪にも黒を入れていると思う。冒頭の3Lz+3Tは、完璧で、全ジャッジが加点2〜3。続くスピン二つもレベル4で全ジャッジが加点。特にLSpは姿勢変化も美しく、加点2〜3。後半、ステップからの3F、2Aもきっちり成功。2Aは全ジャッジが加点。StSqはレベル3だが、全ジャッジが加点2〜3。最後のCCoSpレベル4で全ジャッジが加点2。技術点最高の39.3、演技構成点も最高の34.02、合計73.32でSP1位。
 最終滑走でトゥクタミシェワ(露。18)。今季スケートカナダで2位。曲は「カルミナ・ブラーナ」。冒頭の3Aはアンダーローテーションで転倒。これはスピードがなかったので、織り込み済みだろうが、次のステップからの3Lzはダウングレードで、前向きに両足で下りたのは痛いミス。FSSpはレベル4、LSpはレベル3。後半、3T+3Tは間にオーバーターン。ジャンプ全てにミス。StSqと最後のCCoSpはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点26.55、演技構成点2番目の30.66、転倒の減点1、合計56.21でSP5位。

 ※11/23、国際スケート連盟は、SPまたはSDの成績を最終成績とすることを発表。これで宇野のGPファイナル初出場が決定。また、GPポイント7番目の選手がフランス杯出場者の場合、特別措置でGPファイナルに出場できる。

フィギュアスケート (2016.1/12,17,25)

中国杯 ペア・アイスダンス (2015.11/6〜8 北京) GPシリーズ第3戦

 <ペア>8組出場。2番滑走でイリシェチキナ・モスコビッチ組(加。24,31)。昨季組換え。国内2位、四大陸6位、世界選手権13位。曲は「Since I've Been Loving You」。振付はD.ウィルソン。3Twはレベル1だが全ジャッジが加点。3Sは女性が転倒。3LzThは全ジャッジが加点1〜3。StSqもレベル3で全ジャッジが加点1〜3。BoDsもレベル3。しかし< しゃがんだ姿勢からの得意の4Liがなぜか無得点。最後のPCoSpはレベル4と他はよかったので残念。技術点7番目の27.2、演技構成点4番目の29.22、転倒の減点1、合計55.42でSP7位と出遅れ。
 6番滑走で地元于・金(ユウ・ジン)組(中。19,21)。昨季国内優勝したが世界ジュニアに出て優勝。今季はシニアに専念。先にNHK杯とGPファイナルを見た。曲は「Yulunga」。振付はD.ウィルソン。冒頭の3Tは、タイミングも回転速度もピッタリ合っていて全ジャッジが加点。3Twはレベル4、全ジャッジが加点1〜3。3LoThも美しく決まり、全ジャッジが加点2〜3。PCoSp、4Li、StSqもレベル4。うちリフトは全ジャッジが加点。BoDsはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。女性はリンクから上がるとき何かミスしたという感じだったが、技術点2番目の40.14、演技構成点3番目の29.92、合計70.06は自己ベスト更新でSP3位。

 7番滑走で川口・スミルノフ組(露。33,31)。昨季国内3位、欧州選手権優勝、世界選手権5位。先にNHK杯とGPファイナルを見た。曲は「I Finally Found Someone」。振付はP.チェルニシェフ他。川口の衣装は赤、スミルノフの衣装は蝶ネクタイが赤。冒頭はBoDsから入り、レベル4に全ジャッジが加点1〜3。3Tはきれいに成功、全ジャッジが加点1〜3。3Twはレベル3だが少しもたれた。3LoThは余裕があり、全ジャッジが加点1〜3。4Li、StSq、PCoSpはレベル4。うちStSqは全ジャッジが加点、PCoSpはほぼ全ジャッジが加点0〜3。技術点4番目の39.35、演技構成2番目の33.1、合計72.45でSP2位。
 最終滑走で地元スイ・ハン組(中。20,23)。昨季GPファイナル3位、国内欠場、四大陸4位、世界選手権銀メダル。曲は「Spanish Romance」。振付はローリ・ニコル。冒頭の3Tで女性が片手つき。3FThは見事で全ジャッジが加点2〜3。PCoSpと3Tw、BoDsはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。4LiとStSqはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。技術点3番目の40.0、演技構成点最高の34.4、合計74.4でSP1位。順位を見て、女性はホッとした顔。

 フリー。2番滑走でイリシェチキナ・モスコビッチ組。曲はラフマニノフ「交響曲第2番」。振付はD.ウィルソン。冒頭の3Twはレベル1だがほぼ全ジャッジが加点1。3T+2Tは、男性が間でオーバーターン、女性がステップアウト。3LzThは決めて全ジャッジが加点。しかし5RLiが上がらず無得点。これは痛かった。ソロジャンプは女性が2Sに。5ALiはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。3LoThも成功、全ジャッジが加点1〜3。スピン二つはレベル3、うちPCoSpは全ジャッジが加点。ChSqも全ジャッジが加点。3LiとFiDsもレベル3だが全ジャッジが加点。技術点7番目の52.51、演技構成点6番目の58.87、合計111.38でフリー6位、総合166.8で7位。
 6番滑走で于・金(ユウ・ジン)組。曲は映画『クリエイション』より「Humility and Love」。振付はD.ウィルソン。滑り出しからスピードがある。冒頭の3Tはピッタリ合っていて全ジャッジが加点。2A+2A+SEQも成功。4SThはアンダーローテーションで転倒。3Twはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。リフト三つとスピン二つはレベル4、スピンは二つとも全ジャッジが加点。FiDsはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。3LoThは成功、ほぼ全ジャッジが加点。引き上げてくるとき女性が腰を痛そうにしているようなのが気にかかる。キスアンドクライでは、得点を待っている間コーチも笑顔だった。技術点3番目の66.02、演技構成点も3番目の62.67、合計127.69はこれも自己ベスト更新でフリーも3位、総合197.75も自己ベスト更新で3位。

 7番滑走で川口・スミルノフ組。曲は昨季と同じ「マンフレッド交響曲」。振付はチェルニシェフ他。二つの4回転スロージャンプに挑戦。冒頭の3Tはきれいに成功。ほぼ全ジャッジが加点0〜3。2A+2A+SEQもなんとか決める。一つ目の4SThは低かったが成功。中国の観客も拍手。二つ目の4LoThは回ったが両足。スピン二つ、リフト三つはレベル4。うち5ALiと3Liは全ジャッジが加点1〜3。最後のPCoSpも全ジャッジが加点。ChSqは芝居の場面のようで、全ジャッジが加点2〜3。3Twはレベル2だが、うまくいったうち。BiDsはレベル3でほぼ全ジャッジが加点-1〜3。技術点最高の72.17、演技構成点も最高の71.38、合計143.55は自己ベスト更新でフリー1位、総合216.0も自己ベスト更新で逆転優勝。キスアンドクライではみんな笑顔。
 最終滑走でスイ・ハン組。曲は「サムソンとデリラ」より「Mon coeur s'ouvre a ta voix」。振付はローリ・ニコル。冒頭の4Twはレベル3でほぼ全ジャッジが加点-1〜3。3T+2T+2Tは、女性が第2ジャンプでよろけ、第3ジャンプを下りた直後に両ひざをついた。3SThは成功、全ジャッジが加点。3Liはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。ChSqも全ジャッジが加点2〜3。3Sは女性がアンダーローテーション。3FThはきれいに決まり、全ジャッジが加点3。FiDs、スピン二つ、リフト二つはレベル4。FCCoSp以外は全て全ジャッジが加点2〜3。基礎点 59.7に全体で11点以上の加点。しかし、技術点2番目の71.19、演技構成点も2番目の71.03、時間超過(何のか不明)の減点1、合計141.22でフリー2位、総合215.62は自己ベスト更新だったが0.38の僅差で2位。キスアンドクライでは、コーチたちともども悔しそうだった。

 <アイスダンス>7組出場。地元中国から3組エントリーしていたが、1番滑走の組が棄権。5番滑走でイリニフ・ジガンシン組(露。21,23)。曲はクイーンの「Somebody to Love」「We Will Rock You」。冒頭のSTwは第3まであり、よく合っていた。レベル4で全ジャッジが加点。1RWと2RWはレベル3。RoLiは少し男性がよろけかけたように見えたがレベル4。PStはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。技術点2番目の31.06、演技構成点3番目の32.48、合計63.54でSD3位。
 6番滑走でハワイエク・ベイカー組(米。19,22)。曲は「くるみ割人形」より「花のワルツ」他。振付、コーチともカメレンゴ、クリロワ。女性の衣装は鮮やかなピンクで、スカートはふんわりとパレエの衣装のよう。冒頭のSTwと最後のRoLiはレベル4で全ジャッジが加点。1RWと2RW、PStはレベル2。終わった後、キスアンドクライでもコーチや男性が女性をしきりに慰めているようなのが気になった。大失敗したようでもなかったが。技術点4番目の27.83、演技構成点も4番目の30.52、合計58.35でSD4位。

 7番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組(伊。28,30)。曲は「The Merry Widow」。振付はウラソワ、スカリ。冒頭のSTwと最後のRoLiはレベル4で、STwは全ジャッジが加点2〜3。1RWと2RW、PStはレベル3。パターンダンスは、いつから入ったのかわからないほど滑らかに滑り、ほぼ全ジャッジが加点。技術点最高の32.6、演技構成点2番目の34.79、合計66.39でSD1位。
 最終滑走でチョック・ベイツ組(米。23,26)。曲は「More」他。振付、コーチともシュピルバンド。冒頭はPStから入り、レベル3だが全ジャッジが加点1〜3。しかし次のSTwがレベル1ととりこぼし。1RWはレベル3で全ジャッジが加点1〜3、2RWはレベル2だが全ジャッジが加点。最後のCuLiはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。技術点3番目の29.05、演技構成点36.31、合計65.36でSD2位。

 フリー。4番滑走でハワイエク・ベイカー組の予定だったが、出てきてから棄権。女性の方が怪我でもしたのだろうか。
 5番滑走でイリニフ・ジガンシン組。突然滑走開始時刻が繰り上がった。曲は「フリーダ」。男性の衣装の背中に太陽のような絵、女性の衣装は黒でスカートの裾に花、髪にも赤い花飾り。冒頭で連続リフト。CuLi+RoLi。第1リフトからの姿勢変化に少し時間がかかったように思ったが気のせいか。CiStはレベル3。STwとSpはレベル4。特にSTwは全ジャッジが加点1〜3。MiStはレベル2だが全ジャッジが加点。このへんで髪飾りから赤い花がひとつ落ちた。SlLiはレベル4で全ジャッジが加点。技術点3番目の46.12、演技構成点も3番目の51.34、リフトの時間超過と衣装の一部が落ちたことの減点2、合計95.46でフリーも3位、総合で3位。

 6番滑走でチョック・ベイツ組。曲はラフマニノフ「協奏曲第2番」。振付はシュピルバンド。全要素に全ジャッジが加点。リフト三つとSTw、CoSpはレベル4。うちリフト三つとCoSpは加点2〜3。STwも速くて加点1〜3。ステップ二つはレベル2だが、DiStは加点2〜3。最後のChLiも加点2〜3。技術点2番目の49.15、演技構成点は全て9点台で2番目の54.65、合計103.8でフリーも2位、総合で2位。
 最終滑走でカッペリーニ・ラノッテ組。曲は「La Dolce Vita」。振付はスカリ他。DiSt以外の全要素に全ジャッジが加点。STwとリフト三つ、CoSpはレベル4。うちSTwとSlLiは加点2〜3。CuLiとRoLiも加点1〜3。ステップ二つはレベル3。うちCiSt加点1〜3。最後のChLiはお話が見えてきそうで加点1〜3。技術点最高の52.72、演技構成点も最高の55.19、リフトの時間超過の減点1、合計106.91でフリーも1位、総合で優勝。

フィギュアスケート (2015.11/8,9,10,11)

中国杯 (2015.11/6〜8 北京) GPシリーズ第3戦

 <女子シングル>12人出場。日本からは浅田、本郷。地元中国からは李子君、趙、テイの3人。4番滑走でカレン・チェン(米。16)。中国系か。B. リャンに少し似ている。昨季全米シニア3位、世界ジュニア8位。今季GPシリーズスケートアメリカ5位。曲はプッチーニ「誰も寝てはならぬ」。冒頭の3Lz+3Tで第2ジャンプがダウングレードで転倒。しかしスピン二つとStSqはレベル4で、スピンは、最後のレベル3のLSpも含めて全ジャッジが加点1〜3。後半のステップからの3Loはほぼ全ジャッジが加点。技術点31.85、演技構成点27.45、転倒の減点1、合計58.3でSP7位。
 5番滑走で李子君(中。18)。いつのまにか166cmに伸びている。昨季GPシリーズ中国杯6位、NHK杯7位、四大陸5位、世界選手権9位。曲はドイルの「月の光」。振付はローリ・ニコル。冒頭は連続3回転の予定だったが、第1ジャンプが少しつまり、3F+2Tに。ステップからの3Loは決める。LSpはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、2A成功。スピン二つとStSqはレベル4で、最後のCCoSpはほぼ全ジャッジが加点。技術点31.05、演技構成点27.57、合計58.62でSP5位。
 第2グループ7番滑走で昨年は休養の浅田(25)。GPシリーズ復帰初戦。曲は「素敵なあなた」。振付はローリ・ニコル。衣装は濃いピンク。まず冒頭で3A。回転不足はなく、成功。続けて3F+3Loの連続3回転。当初は、3F+3Tの予定だったらしい。惜しくも第2ジャンプがアンダーローテーション。テレ朝解説の荒川は「第2ジャンプが少し不足かも。」と言っていた。FCSpはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ステップからの3Lzはやっぱりeマーク。森下アナは「久しぶりに決めました。」と叫んでいたが。素人目にはちゃんと跳んだように見えた。ここも当初は3Loだったらしい。LSpもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。StSqはさすがで、深いエッジで難しいターンを楽々とこなし、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。最後のCCoSpだけレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の37.08、演技構成点も最高の34.65、合計71.73でSP1位。

 10番滑走で本郷(19)。昨季GPシリーズスケートカナダ5位、ロシア杯優勝、GPファイナル6位。全日本2位、四大陸3位、世界選手権6位。身長は大きく見えるが166cm。曲はシルクドソレイユの「キダム」。振付は鈴木明子。衣装は青緑。顔は緊張していたが、冒頭で3F+3Tを成功。何だか跳び蹴りのような動作が入る。FCSpとLSpはレベル4。後半、ステップからの3Lzは!マーク。続く2Aはきちんと成功。StSqは大きく体を使って動き(少し勢い余った所もあった?)、レベル4で全ジャッジが加点。最後のCCoSpもレベル4で全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の35.69、演技構成点4番目の30.1、合計65.79は自己ベストわずかに更新でSP2位。「今できることはできた。」とインタビューで言っていた。
 11番滑走でラジオノワ(露。16)。昨季GPシリーズスケートアメリカとボンパール杯で優勝。国内シニアでも優勝、欧州選手権2位、世界選手権3位。背が伸びた。昨季より8cm伸びて163cm。真央と同じ。曲は「ジュテーム」。振付はニコライ・モロゾフ。衣装は明るいオレンジ系ピンク。冒頭の連続3回転の予定が、ソロの3Lzに。軸が傾き着氷で乱れた。FCSpはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。CCoSpはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。しかし後半、3Loに3Tを付けてリカバリーしたのは良かったが、第2ジャンプはアンダーローテーション。その上、アクセルが1回転になり、要素を失う。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のLSpはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。やはり背が伸びてジャンプに乱れが出ているようだ。技術点10番目の27.06、演技構成点2番目の31.45、合計58.51でSP6位。得点を見て、コーチともども固まっていた。
 最終滑走でポゴリラヤ(露。18)。昨季GPシリーズスケートカナダ優勝、ロシア杯2位、GPファイナル4位。国内シニア4位、欧州選手権3位、世界選手権13位。この人も昨季より7cm背が伸びて167cmに。曲は「弦と管弦楽のためのボレロ」。振付はニコライ・モロゾフ。冒頭の3Lz+3Tは第2ジャンプがアンダーローテーションで転倒。ステップからの3Loは決める。FCSpはレベル4に全ジャッジが加点。2Aも成功。CCoSpはレベル2ととりこぼし。StSqと最後のLSpはレベル4で全ジャッジが加点。技術点5番目の31.37、演技構成点3番目の31.1、転倒の減点1、合計61.47でSP4位。

 フリー。6番滑走でカレン・チェン。曲は「レミゼラブル」。冒頭の3Lz+2Tはほぼ全ジャッジが加点。続く3Fは片手つき。スピン三つとStSqはレベル4。特に最後のLSpは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。後半、2A+1Lo+3Sを決める。ChSqは全ジャッジが加点1〜3。ジャンプ要素が続くところは、3Lzは乱れ、次のジャンプは1Loになったが、2Aと3S+2Tは成功。技術点4番目の60.03、演技構成点6番目の57.6、合計117.63は自己ベスト更新でフリー5位、総合179.08で5位。
 7番滑走でラジオノワ。曲は映画『タイタニック』より「My Heart Will Go On」。振付はニコライ・モロゾフ。SPで入らなかった冒頭の3Lz+3Tはきれいに成功、全ジャッジが加点。3Fは!マーク。しかし次のソロの3Lzは軸が傾き転倒。CCoSpはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。StSqはレベル3で全ジャッジが加点。後半、3Lo+1Lo+3Sをがんばって決める。2A成功。ところが3Loでステップアウト。ChSqは全ジャッジが加点。FCCoSpはレベル3で全ジャッジが加点1、最後のLSpはレベル4に全ジャッジが加点2。技術点2番目の61.28、演技構成点も2番目の65.49、転倒の減点1、合計125.77でフリー2位、総合で3位。
 8番滑走で李子君。リンクに出てくると最大の拍手。曲は映画『アーティスト』より。冒頭で3F+2Tと2A+2Tの二つの連続ジャンプを跳ぶ。ところが本来2Aの第2ジャンプは3Tの予定だったので、後半、三つめの連続ジャンプとして3S+2Tを跳んだため、2Tが三つめとなり、3S+2T全体が無得点に。Loも3回転の予定が2回転に。後半の3Sもオーバーターン。スピン三つとStSqはレベル3。うちCCoSpはほぼ全ジャッジが加点。後半は全体のスピードが明らかに落ちていた。ジャンプ以外でもう少し得点を採れるはずではないか。技術点10番目の43.55、演技構成点7番目の56.96、合計100.51でフリー9位、総合159.13で9位。

 9番滑走でポゴリラヤ。曲は「シェヘラザード」。振付はニコライ・モロゾフ。衣装は水色。冒頭で3Lz+3Tをしっかり決め、全ジャッジが加点。3Lo+1Lo+3Sもなんとか成功。しかし3Lzで転倒。StSqはレベル3、FCCoSpはレベル4でいずれも全ジャッジが加点。後半、2Aを決めた後、痛恨の3Loで転倒。ChSqは全ジャッジが加点。3Fはeマーク。最後二つのスピンはレベル4に全ジャッジが加点。技術点5番目の59.66、演技構成点4番目の65.03、転倒の減点2、合計122.69でフリーも4位、総合で4位。
 11番滑走で本郷。曲は「リバーダンス」。振付は宮本賢二。衣装は黒に青緑の裏地。冒頭の3F+3Tは、SPに引き続きしっかり決めて全ジャッジが加点。次の3Sは両手上げで全ジャッジが加点1〜3。3Lz+2Tは第2ジャンプ片手上げだが!マーク。スピンは三つともレベル4。StSqはレベル3で全ジャッジが加点。客席からも手拍子。後半、ダイナミックに2A+3T+2Tを決め、ほぼ全ジャッジが加点、第3ジャンプは片手あげ。3Loはステップアウト、3Lzはeマーク。リバーダンスらしい動きをふんだんに取り入れたChSqは、スピードも落ちずに滑りきり、全ジャッジが加点1〜3。2Aもほぼ全ジャッジが加点。最後のFCCoSpはレベル4に全ジャッジが加点。加速すると客席から盛大な拍手。全体に勢いのあるままフィニッシュし、ポーズの後、両手を突き上げて喜んだ。技術点最高の64.71、演技構成点3番目の65.26、合計129.97も自己ベスト更新でフリー1位、総合195.76で2位。
 最終滑走で浅田。曲は「蝶々夫人」。振付はローリ・ニコル。衣装は和風の袖の薄紫。冒頭の3Aは大きくきれいで、全ジャッジが加点1〜3。BS朝日解説の荒川も「最近見た中で男子も含めて一番すばらしいトリプルアクセル」と言う。しかし次の3F+3Loは第2がアンダーローテーション、Lzは!マークの上2回転で両足に。FCSpはレベル4で全ジャッジが加点。情感がたっぷりのChSqも全ジャッジが加点1〜3。後半、2A+3Tはまた第2がアンダーローテーション。苦手だった3Sは決めたものの、なんとフリップがパンクして1回転に。ここは3連続の予定だったので、痛い。得意の3Loは全ジャッジが加点。LSpとStSqはレベル4に全ジャッジが加点。特にStSqは加点ほぼ2〜3。最後のCCoSpはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点6番目の58.15、演技構成点最高の69.6、転倒と開始遅延の減点2、合計125.75でフリー3位、総合197.48、1.72差の僅差で優勝。

 <男子シングル>12人出場。日本からは小塚が出場予定だったが、靴からくる足の怪我で辞退。地元中国からは、怪我から復帰のソン・ナン、シニアデビューのボーヤン・ジン、一年前の大会で羽生と激突したハン・イェン。2番滑走でソン・ナン(中。25)。昨季は怪我でGPシリーズは出ていない。曲は「When Michael Met Mozart」。振付はデイビッド・ウィルソン。登場するとすごい拍手。冒頭の4Tなんとか成功。得意の3Aはいいジャンプで全ジャッジが加点1〜3。FCSpはレベル4。後半、連続3回転の予定がルッツが傾き、3Lz+2T。あと二つのスピンはレベル4。StSqはレベル3だが加点0〜3。技術点3番目の42.0、演技構成点34.46、合計76.46でSP4位。
 7番滑走でボーヤン・ジン(中。17)。168cm。ずいぶん背が伸びた。曲は「Tango Amore」。冒頭でなんと軽々と4Lz+3Tを成功。全ジャッジが加点。3Aはなんとか下りた。スピン三つはレベル4。StSqもレベル4で、最後のCSSpとともに全ジャッジが加点。FCSpでは得意のビールマンスピンで8回回った。後半、ステップからのジャンプも4回転。4Tを決め、全ジャッジが加点。技術点最高の53.76、演技構成点6番目の36.29、合計でSP2位。いや〜リッポンに先駆けてクリーンな4Lzを決めた。簡単そうに跳んでいた。
 9番滑走でハン・イェン(中。19)。昨季GPシリーズ中国杯6位、ボンパール杯8位。四大陸3位、世界選手権10位。曲は「Sing Sing Sing」。振付はローリー・ニコル。冒頭4Tで転倒。後半、得意の3Aが何とステップアウトし両手も付いた。3Lz+3Tは決める。CSSpはレベル4、最後のStSqはレベル3だが、全ジャッジが加点ほぼ2〜3。技術点36.44、演技構成点3番目の38.53、合計73.97でSP6位。

 10番滑走でミーシャ・ジー(ウズベキスタン。24)。昨季GPシリーズ中国杯5位、ロシア杯4位。四大陸8位、世界選手権6位。曲は「Pagliacci」。振付は自分。冒頭3Aで転倒。3Lz+3Tは第2がダウングレードで両足。CCSpはれ3みで全ジャッジが加点1。後半、ステップからの3F成功。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。特に最後のCCoSpは加点ほぼ2〜3。StSqもレベル3だが全ジャッジが加点。まだ全体に仕上がっていない感じ。技術点11番目の33.01、演技構成点5番目の37.12、合計69.13でSP9位。
 11番滑走でボロノフ(露。28)。昨季GPシリーズロシア杯2位、NHK杯2位、GPファイナル3位。国内2位、欧州選手権3位、世界選手権13位。曲は「Butterflies and Hurricanes」。振付はジェフリー・バトル。冒頭で4T<+3Tをかなり強引に跳ぶ。第1ジャンプは両足。CCoSpはレベル4で全ジャッジが加点1。FCSpはレベル3。後半、3Aは全ジャッジが加点。ステップからの3Loもなんなく決め、ほぼ全ジャッジが加点。CSSpはレベル4、StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点4番目の41.88、演技構成点2番目の39.11、合計80.99でSP3位。
 最終滑走でフェルナンデス(西。24)。昨季GPシリーズスケートカナダ2位、ロシア杯優勝、GPファイナル2位。欧州選手権と世界選手権で優勝。曲は「Malaguena」。振付はアントニオ・ナハーロ。この段階で既にしっかりパソドブレのダンスの動きができている。冒頭で4Sをなんとか立つ。3Lz+3Tは全ジャッジが加点。FUSpもレベル4で全ジャッジが加点。後半、3Aを美しく決め、全ジャッジが加点ほぼ2〜3。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。技術点2番目の48.23、演技構成点最高の44.96、合計93.19でSP1位。

 フリー。4番滑走でミーシャ・ジー。今季GPシリーズはこれのみ。曲はショパンの「Nocturne No. 19」。振付は本人。解説の織田は、「どんな曲でも滑れるのが強み。」と言う。冒頭で、昨季は跳ばなかった4回転に挑戦したが、アンダーローテーションで転倒。3Aはステップアウト。続く2A+1Lo+3Sは成功。CCSpとStSqはレベル3だが、あと二つのスピンはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のCCoSp加点2〜3。後半、3Lo、3Lz+3T、3Lz、3Fと成功。うち3Loは全ジャッジが加点。ChSqは、らしい滑りが少し戻って、全ジャッジが加点1〜3。しりあがりによくなったが、全体にスピードがなく、本来の実力が出ていない感じ。技術点72.82、演技構成点75.22、合計148.04でフリー6位、総合217.17で8位。
 7番滑走でハン・イェン。曲は映画『ロミオ+ジュリエット』より。振付はローリー・ニコル。冒頭でSPでミスした3Aを決め3Tを付ける。全ジャッジが加点1〜3。4Tは両手つき、3Lzも乱れた。スビン三つはレベル4。後半、二つめの3Aの予定がパンクして1回転に。直後の3Loはほぼ全ジャッジが加点。3Lz+2T+2Loも成功。残りのジャンプも決め、最後のStSqはレベル4に全ジャッジが加点。技術点77.8、演技構成点78.56 、合計156.36でフリー3位、総合230.33で逆転3位。表彰台にジンと二人で乗り、嬉しそうだった。
 9番滑走でソン・ナン。曲は「Seven Swords」。振付はデイビッド・ウィルソン。冒頭の4Tは両足。3Aは転倒。得意なはずだが。3A+2Tは決める。StSqはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4。後半、3Lz、2A+1Lo+2S、3Loと決めるが何と3Tでステップアウト。ChSqはほぼ全ジャッジが加点。後半は、要素と要素の間がスカスカだった。技術点65.86、演技構成点70.78、転倒の減点1、合計135.64でフリー9位、総合212.1で9位。

 10番滑走でボロノフ。曲は映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』より。振付はジェフリー・バトル。冒頭の4Tはダウングレードで転倒。珍しい。3A+2Tは成功。二つめの4Tは、ほぼ両足だったが、第2ジャンプ付けられそうで入れず。しかも次のLzは2回転に。StSqはレベル3、スピン三つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点、後半二つめの3Aは全ジャッジが加点と少し持ち直す。3Lo+2T+2Loは乱れる。技術点63.46、演技構成点77.72、合計141.18でフリー8位、総合222.17で5位。
 11番滑走でボーヤン・ジン。曲は「Dragon Racing」。世界で初めて4回転が四つ認定される。まず冒頭でSPでも決めた4Lzをきれいに成功、全ジャッジが加点1〜3。4Sは転倒。しかし3A+1Lo+3Sは成功。身が軽い。StSq3はレベル3。後半、4T+2Tはオーバーターン、ソロの4Tはほぼ転倒。スピン二つはレベル4。さらに3Lz+3Tと二つめの3Aも決める。ソロの3Aは全ジャッジが加点。滑りもなかなかよく、ChSqはほぼ全ジャッジが加点。技術点は驚異的な99.6、演技構成点72.58、転倒の減点1、合計171.18でフリーも2位、総合261.23で2位。得点が出ると、観客からどよめきも。
 最終滑走でフェルナンデス。曲は映画『野郎どもと女たち』より。振付はデヴィッド・ウィルソン。冒頭の4Tは華麗に下り、全ジャッジが加点2〜3。4S+2Tはオーバーターン。3Aは成功。StSqはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。CSSpもレベル4で全ジャッジが加点。後半、二つめの4Sで転倒。3F+1Lo+3Sは決める。2Lzも壁に近づきたが、ChSqは全ジャッジが加点。全体としてはたいした出来。ChSqは情感たっぷりで全ジャッジが加点1〜3。技術点86.84、演技構成点91.52、転倒の減点1、合計でフリーも1位、総合270.55で優勝。今年はなんだかGPシリーズ初戦から、並々ならぬ決意が感じられる。


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フィギュアスケート (2015.12/21,23,24,2016.1/10)

スケートカナダ ペア・アイスダンス (2015.10/29〜11/1 レスブリッジ・アルバータ州) GPシリーズ第2戦

 <ペア>8組出場。1番滑走でカステッリ・トラン組(米。25,25)。昨季組み替えて国内6位。曲は「サマータイム」。冒頭の3Twはレベル2。3Sは男性が乱れた。3SThはきちんと決めてほぼ全ジャッジが加点。4Li、PCoSp、BoDsはレベル4。うちリフトは全ジャッジが加点。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。キスアンドクライでは2人とも笑顔。技術点4番目の33.82、演技構成点も4番目の28.03、合計61.85は今季最高点でSP4位。
 3番滑走でバザロワ・デプタット組(露。22,22)。昨季組み替えてGPシリーズ4位2回、国内5位。曲はショパン「ノクターン第2番」。冒頭の苦手なソロジャンプでは、2人の跳ぶタイミングが全くずれ、たぶん男性の3Tがダウングレード。3Twはレベル2。4Liと最後のPCoSpはレベル4。3LoThはびしっと決めた。BoDsとStSqはレベル3。まだプログラムがこなれていない感じ。技術点5番目の29.86、演技構成点も5番目の27.16、合計57.02でSP5位。
 4番滑走でムアタワーズ・マリナロ組(加。23,23)。昨季組み替えてGPシリーズ6位と7位。国内4位、四大陸9位。曲は「If I Can't Have You」。冒頭の3Twはレベル2。3Tはスカッと決まり、全ジャッジが加点。4Liと最後のBoDsはレベル4。うちBoDsはは全ジャッジが加点1〜3。3LoThも成功、全ジャッジが加点。PCoSpはレベル3。StSqはレベル2だが全ジャッジが加点。昨季よりずっとペアらしくなった。技術点2番目の33.89、演技構成点3番目の29.28、合計63.17でSP3位。

 5番滑走でマルケイ・ホタレック組(伊。29,30)。女性はペア転向2年目。昨季国内優勝、欧州選手権4位、世界選手権11位。曲は「Mourir d'amou」。振付はM.スカリ他。冒頭のソロジャンプは3Lzに挑戦したが、ステップアウトなど乱れた。3Twはもたれてしまい、レベル1。4LiとStSqはレベル4。3LzThにもトライしたが、下りたもののステップアウトに両手つきで転倒扱い。BoDsはレベル1、PCoSpはレベル2と取りこぼし。技術点6番目の27.89、演技構成点も6番目の27.11、転倒の減点1、合計54.0でSP6位。
 7番滑走でタラソワ・モロゾフ組(露。20,22)。一昨季世界ジュニア優勝。昨季GPシリーズ3位と2位。国内シニア2位、欧州選手権銅メダル、世界選手権6位。曲は「Lord of the Dance」より「Warriors」。冒頭の3Twはすばらしく高く、全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプは女性が2Tに。3LoThは決めた。BoDsはレベル3で、ほぼ全ジャッジが加点0〜3。PCoSpと4Liはレベル4。うち4Liは全ジャッジが加点。最後のStSqはレベル2だが全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の32.32、演技構成点2番目の31.68、合計64.0でSP2位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。29,30)。昨季は全ての試合で優勝。GPファイナル、国内は4連覇、四大陸、世界選手権優勝。曲は「Your Song」。冒頭の3Twはレベル4にほぼ全ジャッジが加点。3Lzは男性が片手つき。BoDsと最後の4Liはレベル4。うち4Liは全ジャッジが加点。PCoSpはレベル3で全ジャッジが加点。StSqはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。3LzThは軸が少し曲がったが立て直して決めた。すごい。技術点最高の38.27、演技構成点も最高の34.19、合計72.46でSP1位。

 フリー。3番滑走のマルケイ・ホタレック組が棄権。テレ朝は音声がないので、理由は不明。ネットの記事によると男性がSP前日練習で脳しんとうになったらしい。
 4番滑走でバザロワ・デプタット組。曲はビートルズ・メドレー。冒頭のソロジャンプは男性が2Tに。3Twも持たれ気味。2Aのシークエンスの予定だった連続ジャンプは、女性が1Aで第2が付かず。リフト三つとFiDs、スピン二つはレベル4。うち5ALiとFiDsは全ジャッジが加点。3FThは転倒。3LoThはなんとか立った。技術点最低の48.93、演技構成点5番目の51.2、転倒の減点1、合計99.13でフリー6位、総合156.15で5位。内容は良くないが、キスアンドクライで男性が陽気に振る舞っていた。
 5番滑走でカステッリ・トラン組。曲は「Journey Medley」。冒頭の3Twはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点0〜3。リフト三つとPCoSp、BiDsはレベル4。ソロジャンプは女性が2Sに。3SThは全ジャッジが加点1〜3。連続ジャンプは、女性の第1ジャンプが3T<で、むりやり第2、第3も跳んでいたが、第1でステップアウトし、要素としては不成立。二つめの2AThは両足だったが、誰もやっていないのではないか(昔、井上・ボールドウィン組が3AThをやったと思うが)。FCCoSpはレベル3。ChSqは7人が加点1〜3。まだタイミングが合わない部分も多いが、今季後半どこまで熟成するか。技術点4番目の53.96、演技構成点も4番目の57.59、合計111.55は自己ベスト更新でフリー4位、総合173.4も自己ベスト更新で4位。

 6番滑走でムアタワーズ・マリナロ組。曲は「ロミオとジュリエット」。3Twはレベル1。3T+2T+2Tは女性がよろけたがこらえた。3LoThは成功。ところが5ALiが上がらず。FCCoSpと3Li4はレベル4。PCoSpと5RLiはレベル3。スロージャンプ二つも成功。3S成功。最後のFiDsはほぼ全ジャッジが加点1〜3。技術点5番目の53.17、演技構成点3番目の58.51、合計111.68でフリー3位、総合174.85で3位。男性はキスアンドクライで暗い顔をしていたが、順位を見ると、やっと笑顔に。
 7番滑走でタラソワ・モロゾフ組。曲はショパンの「ノクターン」他。冒頭の3Twは高くて素晴らしく全ジャッジが加点2〜3。3Sは男性がよろけた。3T+2T+2Tはなんとか決める。リフト二つとFCCoSpはレベル4。3LoThは成功。BiDsと5ALiはレベル3。3SThは成功。最後のPCoSpはレベル2。それでも技術点2番目の63.85、演技構成点も2番目の63.34、合計127.19でフリーも2位、総合191.19で2位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「Hometown Glor」。余裕で優勝。冒頭の3Twは全ジャッジが加点2〜3。3Lzも切れ味鋭くタイミングも合っていて全ジャッジが加点。4SThも成功。3回転に見えた。続けて3LzThも決める。ファイナルのときよりいい。スピン二つとリフト二つ、FiDsはレベル4。うちFCCoSpと5RLiは全ジャッジが加点2〜3。3連続ジャンプは女性が第1でよろめいたが持ちこたえる。3T+1T+1Tに。ChSqは全ジャッジが加点1〜3。技術点最高の72.91、演技構成点も最高の70.79、合計143.7でフリーも1位、総合216.16で優勝。

 <アイスダンス>8組出場。2番滑走でボブロワ・ソロビエフ組(露。25,26)。昨季は男性の足の手術で全休。曲はハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」。STwはレベル4で全ジャッジが加点。パターンダンスの今季の課題はラベンスバーガー・ワルツ。1RWはレベル4、2RWはレベル3。RoLiはレベル3だが全ジャッジが加点ほぼ2〜3。組んだまま滑るPStもほぼ全ジャッジが加点。技術点31.58、演技構成点32.8、合計64.38でSD3位。復活初戦としてはいい得点だったのか、ズーリンコーチともども笑顔。
 5番滑走でポール・イスラム組(加。24、25)。昨季中国杯5位、ボンパール杯6位。国内3位、四大陸6位、世界選手権13位。今季GPシリーズはこれのみ。曲は「ねずみのワルツ」「リスのナトキンのおはなし」。女性のスカートは薄いピンクのチュチュのよう。冒頭のSTwはレベル3。1RWはレベル3、2RWはレベル4。PStとRoLiはレベル3。地元だし、もっと仕上げてくるかと思ったが、全体に加点が少ない。ここ2、3年伸び悩んでいる感じ。技術点5番目の28.03、演技構成点6番目の29.52、合計57.55でSD5位。

 7番滑走でシブタニ兄妹(米。21,24)。昨季スケートアメリカと中国杯で2位、ファイナルは4位。全米2位、四大陸3位、世界選手権5位。曲は「コッペリア」。女性が人形のように固まった動きから入るコミカルな振付。1RWはレベル4で全ジャッジが加点、2RWはレベル2。STwはレベル4に全ジャッジが加点2〜3。PStはレベル3だが全ジャッジが加点。RoLiはレベル4に全ジャッジが加点1〜3。全体にキレがあって、NHK杯やファイナルより良く見えた。技術点最高の32.57、演技構成点2番目の33.43、合計66.0でSD2位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組(加。26,28)。昨季スケートカナダとNHK杯、ファイナルで優勝。国内と四大陸も優勝、世界選手権3位。曲は「青木美しきドナウ」他。冒頭のCuLiは女性が男性の腿の上に乗り、帆のように斜めに張り出し、男性は片足になるもので、レベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。1RWはレベル3でTYYだったが全ジャッジが加点1〜3。2RWもレベル3。STwとPStはレベル3だが全ジャッジが加点。全体に昨季のような早い仕上がりではない。技術点2番目の32.15、演技構成点最高の35.85、合計68.0でSD1位。

 フリー。4番滑走でポール・イスラム組。曲は「Where Is It Written」。リフト三つとSTwはレベル4。うちSTwとCuLiは全ジャッジが加点。ステップは二つとCoSpがレベル2。どうしてもステップで得点が伸びない。女性が何年か前、日本のクリス・リードと6分間練習でぶつかって怪我して以来、伸び悩んでいるような気がする。優雅な雰囲気があるカップルで好きなのだが。技術点41.66、演技構成点44.71、合計86.37でフリー6位、総合143.92で6位。
 6番滑走でボブロワ・ソロビエフ組。曲は「アンナ・カレーニナ」。女性の衣装は赤、男性は士官服。悲しい知らせを聞いた女性を男性が慰めるような場面から。STwとリフト三つ、CoSpはレベル4。うちSTwとSlLiは全ジャッジが加点。CiStはレベル3、DiStはレベル2だが全ジャッジが加点。最後のChLiも全ジャッジが加点1〜3。最後は男性の方が悲しい知らせを受けたような仕草で終わる。まだ試運転なのか、スピードもつなぎももう少しできるはずという感じ。技術点47.28、演技構成点50.45、合計96.73でフリーも3位、総合161.11で3位。

 7番滑走でシブタニ兄妹。曲は「Fix You」。リフト三つとCoSp、STwはレベル4。うちCuLiとCoSp、STw、RoLiは全ジャッジが加点2〜3。特にSTwは、第4まであり、素晴らしい回転がリプレイでもピッタリ二人の動きが重なっており、観客も拍手。ステップ二つはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のChLiも全ジャッジが加点。NHK杯より勢いがある感じ。技術点51.48、演技構成点50.88、合計102.36でフリーも2位、総合168.36で2位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組。曲は「On the Nature of Daylight」他。衣装は二人とも黒。STwとリフト二つ、CoSpはレベル4。うちSTwとCoSp、CuLiは全ジャッジが加点。特にCuLiは加点2〜3。ステップ二つとRoLiはレベル3だが、全ジャッジが加点。特にDiStはシーズン初めなのに滑らかな美しい動き。最後のChLiも全ジャッジが加点2〜3。技術点51.28、演技構成点54.51、合計105.79でフリーも1位、総合173.79で優勝。

フィギュアスケート (2015.11/2,3,)

スケートカナダ (2015.10/29〜11/1 レスブリッジ・アルバータ州) GPシリーズ第2戦

 <女子シングル>12人が出場。日本からは村上佳菜子、永井。地元カナダからはオズモンド、デイルマン、マレー。1番滑走でオズモンド(加。19)。昨季は右足骨折で完全欠場。曲は「ラ・ヴィ・アン・ローズ」。冒頭の3F+3Tはすばらしく、全ジャッジが加点2。続くステップからの3Lzは!マークだが成功。ところがFCSpに入った途端に転倒、要素を失う。一瞬呆然としていた。次の2Aも転倒。しかしこの後は立て直し、LSp、StSq、CCoSpとレベル4で全ジャッジが加点。元国内女王の貫禄を見せる。技術点32.07、演技構成点29.14、転倒の減点2、合計59.21でSP4位。
 4番滑走で永井(16)。161p。GPシリーズ初参戦。昨季全日本ジュニア3位、全日本4位、四大陸6位、世界ジュニア7位。曲は「蝶々夫人」。振付は宮本賢二。ほぼクリーンプログラム。冒頭の3Lz+3Tはしっかり決める。LSpはレベル4で全ジャッジが加点。FCSpはレベル3。後半、ステップからの3Loはなんとか決める。2Aは成功。StSqとCCoSpはレベル4で全ジャッジが加点。技術点2番目の35.8、演技構成点7番目の27.55、合計63.35は自己ベスト更新でSP2位。
 9番滑走でエドマンズ(米。17)。169p。昨季全米4位、四大陸優勝、世界選手権8位。曲は「月光」。冒頭の3Lz+3Tは成功したように見えたが、第2がアンダーローテーション。ステップからの3Fは成功。しかし、FSSpはばらけて無得点。StSqはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。CCoSpはなぜかレベル1だが全ジャッジが加点。2Aもアンダーローテーション。LSpはレベル4に全ジャッジが加点。技術点26.92、演技構成点29.93、合計56.85でSP5位。

 10番滑走で村上(20)。162cm。昨季全日本5位、世界選手権7位。曲は映画『ムーラン・ルージュ』より「ロクサーヌのタンゴ」。振付は樋口美穂子。冒頭のステップからの3Fは成功。続くスピン二つはレベル4。後半、3T+3Tの第2がアンダーローテーション。次のアクセルは何と1回転になり両足、要素を失う。LSpとStSqはレベル4で全ジャッジが加点。特に本人が「一番の見せ場」と言うステップは加点1〜3。技術点4番目の29.56、演技構成点3番目の30.23、合計59.79でSP3位。試合後のインタビューでは「楽しく滑れた。」と言っていた。
 11番滑走でワグナー(米。24)。昨季全米優勝、世界選手権5位。曲は「Hip Hip Chin Chin」。振付はシェイ=リーン・ボーン。クリーンプログラム。冒頭の3F+3Tは全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4に全ジャッジが加点。後半、2A成功。ステップからの3Loも全ジャッジが加点1〜3。StSqだけレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。LSpもレベル4に全ジャッジが加点。技術点最高の37.07、演技構成点も最高の33.66、合計70.73は自己ベスト更新でSP1位。
 最終滑走でトゥクタミシェワ(露。18)。昨季国内2位、欧州選手権優勝、世界選手権優勝。曲は「カルミナ・ブラーナ」。冒頭の2Aは片手もあげて美しく、全ジャッジが加点1〜3。しかし、続くステップからのルッツが2回転になり、要素を失う。FSSpとLSpはレベル3。後半、3T+3Tはどちらもオーバーターンで-1〜-3。StSqはなぜかレベル2で全ジャッジが加点。最後のCCoSpはレベル4で全ジャッジが加点。ジャンプが不調で、技術点最低の24.31、演技構成点2番目の31.06、合計55.37でSP7位と大きく出遅れ。キスアンドクライで順位を見ると、ショックを受けた顔。

 フリー。6番滑走でトゥクタミシェワ。曲は「ペール・ギュント」。振付はステファン・ランビエール。冒頭で3Aに挑戦、両足だったが立った。続けて3Lz+2T+2Lo成功。SPでレベル3があったスピンは三つともレベル4にそろえ、特にLSpは全ジャッジが加点。後半、やはりSPでミスがあった3T+3Tも今度は全ジャッジが加点の出来。StSqはまだレベル2。しかし3S+2Aとソロの2Aをいずれも片手上げで成功。ChSqはほぼ全ジャッジが加点0〜3。演技を終えてリンクから上がってきたときは、安堵からか涙ぐんでいた。技術点最高の68.83、演技構成点2番目の64.79、合計133.62でフリー1位と追い上げ、総合188.99で2位。
 8番滑走でエドマンズ。曲は映画『風と共に去りぬ』より。冒頭で3Lz+3Tを軽やかに成功。StSqはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。3F+1Lo+3Sは第3ジャンプがアンダーローテーション。CCoSpはレベル2だが全ジャッジが加点。後半、2Aで両手つき、3Fで転倒、3Loもアンダーローテーション。スピン二つはレベル3。なんとか3Lo+2Tは決め、最後のChSqは全ジャッジが加点。技術点5番目の53.7、演技構成点4番目の59.14、転倒の減点1、合計111.84でフリー5位、総合168.69で6位。
 9番滑走でオズモンド。曲はアストラ・ピアソラメドレー。振付はパスカーレ・カメレンゴ。ジャンプが絶不調。すべて同じ転び方。冒頭の3F、2A、3Lzと続けて転倒。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。後半、3Loが両手、両足で転倒扱い、二つめの3Fでステップアウト、第2ジャンプが付かないため基礎点も減点。ChSqは全ジャッジが加点1だったが、3Sまで転倒。とうとう連続ジャンプは1A+2Tだけという状態。終盤StSqがレベル3でほぼ全ジャッジが加点。ジャンプ以外の要素はできるのだから、いいジャンプコーチを探すべきでは。技術点最低の36.18、演技構成点8番目の55.67、転倒の減点5、合計86.85でフリー最下位、総合146.06で11位。

 10番滑走で村上。曲は「サユリ」。冒頭で3F+2Tを決め、ほぼ全ジャッジが加点1。しかし次が1A+3Tとなる。SPからのアクセルの不安定さが出た。3Loがアンダーローテーションでステップアウト。FCSpと最後のLSpはレベル4。StSqはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。CCoSpはレベル2ととりこぼし。後半、3Lo+2T+2Loはきっちり成功。3Fもアンダーローテーションでステップアウト。 技術点7番目の52.09、演技構成点3番目の59.71、合計111.8でフリー6位、総合171.59で4位。
 11番滑走で永井。曲は映画『奇跡のシンフォニー』より「オーガスト・ラプソディー」。振付はシェイ=リーン・ボーン。まだ少しジュニアのプログラムの感じ。冒頭の3Lz+3Tは、ダイナミックに決め、全ジャッジが加点。しかし続く3Fは!マークの上ステップアウト。しかも次も1Loとなった。StSqはレベル3、CCoSpはレベル4と持ち直し、後半、3Lz<+2T+2Lo成功。ただしルッツがアンダーローテーション。続けて2A+3Tも跳んだが、第2ジャンプの足が早く落ちて減点気味。3Sもアンダーローテーションとやや疲れ。終盤スピン二つはレベル3とレベル4。大きなミスはなく滑り終え、技術点6番目の59.87、演技構成点も6番目の56.33、合計116.2でフリー7位、総合172.92は自己ベスト更新で3位は立派。
 最終滑走でワグナー。曲は「ムーラン・ルージュ」。振付はシェイ=リーン・ボーン。冒頭の2Aはほぼ全ジャッジが加点。続く3F+3Tは第2ジャンプがアンダーローテーションだが決めた。さらに2A+2T成功。スピンは三つともレベル3だが全ジャッジが加点。後半、3Lo+1Lo<+3Sは第2と第3ジャンプがアンダーローテーションだが、跳びきった。StSqもレベル3だが全ジャッジが加点。ChSqは見得もたっぷり入れて全ジャッジが加点2〜3。技術点3番目の62.93、演技構成点最高の68.86、合計131.79でフリー2位、総合202.52で優勝。
 なお、SP最下位だったカザフスタンのトゥルシンバエワは、フリー4位と盛り返して総合165.16で7位、SP8位だったカナダ女王デイルマンもフリー3位と健闘、総合170.33で5位に挽回。二人ともコーチはオーサー。

 <男子シングル>12人が出場。日本からは羽生、村上大介、追加で川原星。地元カナダからはチャン、ニューエン、メッシング。レイノルズは引退したのだろうか。なんとSP1位は、羽生でもチャンでもなく、村上大介。
 2番滑走で川原(19)。昨季全日本ジュニア11位。GPシリーズ初参戦。曲は「Tango de los exilados」。振付は宮本賢二、あべななみ。冒頭の3Aは両足、両手つき。3Lo+3Tは成功。FCSpはレベル3。後半、ステップからの3Lzも決める。CCoSpはレベル4。StSqとCSSpはレベル3。技術点8番目の35.42、演技構成点11番目の31.94、合計67.36は自己ベスト更新でSP9位。
 5番滑走でチャン(加。24)。171p。昨季は休養。曲は「マック・ザ・ナイフ」。振付はデヴィッド・ウィルソン。冒頭でなんとか4T+3Tをまとめる。続く3Aは転倒扱い。FSSpはレベル4で全ジャッジが加点。しかし後半、ステップからのルッツが2回転になり、要素を失う。CCSpはレベル3。StSqとCCoSpはレベル4に全ジャッジが加点。技術点5番目の37.43、演技構成点2番目の44.38、転倒の減点1、合計80.81でSP2位。
 7番滑走で村上大介(24)。165p。昨季全日本7位、四大陸4位。曲はミュージカル『レ・ミゼラブル』より「彼を帰して」。振付はローリー・ニコル。冒頭の4Sは回ったが転倒。3Aはきちんと決める。ほぼ全ジャッジが加点。FCSpはレベル3。後半、3Lz+3Loが見事に成功。ルッツに!マーク。CSSpはレベル4。StSqはレベル2だが全ジャッジが加点。CCoSpはレベル3で全ジャッジが加点。技術点最高の42.17、演技構成点38.71、合計80.88でSP1位。

 8番滑走でリッポン(米。25)。172p。昨季全米2位、四大陸10位、世界選手権8位。曲は「Who Wants to Live Forever」。冒頭の4Lzはダウングレードで転倒。3Aは成功。FCSpはレベル3。StSqはレベル3だが、モダンバレエのような動きでほぼ全ジャッジが加点。後半、得意の3Lz+3Tもほぼ全ジャッジが加点。めずらしくルッツで手をあげず。最後二つのスピンはともにレベル4で全ジャッジが加点。特にCCoSpの方は加点ほぼ2〜3。技術点2番目の41.56、演技構成点3番目の39.8、転倒の減点1、合計80.36でSP3位。
 10番滑走でニューエン(加。17)。176p。急激に背が伸びた。昨季国内優勝、四大陸11位、世界選手権5位。曲は映画『キリング・フィールド』より。振付はデヴィッド・ウィルソン。冒頭で4T+3Tを軽く決める。しかし3Aで転倒。スピン二つはレベル3とレベル4。後半、ステップからの3Lzは!マークだが成功。StSqはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。CCoSpはレベル3。技術点3番目の40.27、演技構成点36.83、転倒の減点1、合計76.1でSP4位。
 最終滑走で羽生(18)。171p。昨季全日本3連覇、世界選手権2位。曲はショパン「バラード第1番ト短調」。振付はジェフリー・バトル。冒頭の3Aはすばらしく、全ジャッジが加点ほぼ3。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、4Tのはずが2回転になり、要素を失う。しかも、連続3回転の予定がルッツがつまって3Lz+2Tになったため、2Tが重なって無得点。これが痛かった。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。CCoSpはレベル4に全ジャッジが加点2〜3。技術点11番目の28.43、演技構成点最高の44.82、合計73.25でまさかのSP6位と出遅れ。

 フリー。4番滑走で川原。曲はピアノ協奏曲「宿命」。振付は宮本賢二、あべななみ。冒頭の3Aは片手つき。二つめの3Aを2Aに変更。3Lz+2Tは成功。スピン三つとStSqはレベル3。後半、3Lz+3Tと3Fを決める。フリップは!マーク。さらに3Lo+1Lo+1Sを跳ぶが、第2ジャンプがアンダーローテーション、第3も2回転のはずだが1回転に。技術点65.43、演技構成点62.42、合計127.85は自己ベスト更新でフリー9位、総合195.21も自己ベスト更新で10位。
 7番滑走で羽生。第2グループ1番滑走。曲は「陰陽師」。振付はシェイ=リーン・ボーン。心配されていた冒頭の4Sは成功、ほぼ全ジャッジが加点0〜3。続く4T、3Fも決めて全ジャッジが加点。FCCoSpはレベル4、StSqはレベル3だが全ジャッジが加点2。後半、昨年来の課題だった「後半の4回転」として4T+2Tを跳んだが片手をつき、0〜-1。続く3A+1Tは第2ジャンプが1回転に。しかしすぐ3A+1Lo+3Sを成功、全ジャッジが加点。最後のジャンプ3Lzで惜しくも転倒したが、すべてできたらすごい得点が出そう。終盤のChSqは全ジャッジが加点1〜3、CCoSpもレベル4に全ジャッジが加点。渾身の力で滑りきった。技術点98.35、演技構成点88.94、転倒の減点1、合計186.29でフリー2位、総合259.54で2位。
 9番滑走でニューエン。曲はバッハの「パッサカリアとフーガ ハ短調」。振付はジェフリー・バトル。冒頭の4T+3Tは少しスピードが足りないかと思ったが、なんなく着氷。続けてもうひとつ4T、3Aと決める。FCSSpはレベル4。StSqと最後のFCCoSpはレベル2。後半、3A+2Tを飛ぶがステップアウト。3Lzは!マーク。3F+2T+2Loも決め、最後のジャンプ3Sは全ジャッジが加点。いまできることはほとんどやれたのではないか。技術点86.86、演技構成点75.86、合計162.72でフリー4位、総合238.82で5位。

 10番滑走でリッポン。曲は「ビートルズメドレー」。振付はジェフリー・バトル。冒頭でまたも4Lzに挑戦するがダウングレードで転倒。次の3A+2Tは成功。ミスをひきずらないところがベテラン。FCSpとStSqはレベル3だが全ジャッジが加点。特にステップは加点ほぼ2〜3。ソロの3Lzは両手上げの「リッポンルッツ」でややこらえたが全ジャッジが加点2〜3。しかし後半、二つめの3Aで転倒。3Lz+3Tはつまったが何とか決める。3F+2T+2Loも成功し、スピン二つはレベル4に全ジャッジが加点。技術点80.47、演技構成点80.86、転倒の減点2、合計159.33でフリー5位、総合239.69で4位。
 11番滑走でチャン。曲は「ショパンメドレー」。振付はデヴィッド・ウィルソン。冒頭で4T+3Tを決め、全ジャッジが加点2〜3。SPでミスした3Aも成功、全ジャッジが加点2〜3。しかし二つめの4Tの予定は3Tにしたが、全ジャッジが加点。StSqはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ3。CCSpはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、3Lz+2T、3Lz+2T+2Loと成功。3Lz+2Tは本来なら連続3回転のはずだが、二つめの4Tが3Tになり、二つ跳べる3回転ジャンプは2種類までという制約をルッツとトウループで既に満たしてしまったためだろう。終盤のスピン二つもレベル4に全ジャッジが加点、ChSqも全ジャッジが加点ほぼ3。ジャパンオープンでは本当に競技会復帰ができるのかという出来だったが、「完全復活」を印象づけた。終わる前から観客が立ち始めた。技術点95.17、演技構成点95.16、合計190.33でフリー1位、総合271.14で優勝。
 最終滑走で村上大介。曲はX-JapanのYoshiki「Anniversary」。振付はローリー・ニコル。地元の大歓声がなかなかやまないチャンの後で、たいへんだったと思う。SPでミスした冒頭の4Sはきれいに成功、全ジャッジが加点1〜3。次の4S+2Tもしっかり決めて全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。3A+2Tも本来は連続3回転の予定だったらしいが、成功。後半、二つめの3A、3Lz+1Lo+2Sと決め、3Loは全ジャッジが加点。StSqと最後のCCoSpがレベル2なのが今後の課題か。しかし、今、自分にできることはほぼ出せたのではないか。本人は悔し涙を浮かべていたが、見ていて感動的だった。テレ朝解説の織田が涙ぐんだほど。技術点89.37、演技構成点82.0、合計171.37でフリー3位、総合252.25で3位。

フィギュアスケート (2015.11/20,21,12/9)

スケートアメリカ ペア・アイスダンス GPシリーズ第1戦 (2015.10/22〜25 ミルウォーキー・ウィスコンシン州)

 <ペア>8組出場。アメリカから3組、ロシアと中国から2組ずつ。
 2番滑走でワン・ワン組(中。17,27)。昨季GPシリーズ中国杯とボンパール杯で3位。国内シニア2位。曲は「Romance」。冒頭の3Twは全ジャッジが加点。3Tのタイミングはぴったり。4LiとBoDsはレベル4に全ジャッジが加点。3LoThは全ジャッジが加点1〜3。StSqとPCoSpはレベル3だが、うちStSqは全ジャッジが加点。技術点2番目の37.62、演技構成点6番目の27.33、合計64.95でSP3位。
 4番滑走でセガン・ビロドー組(加。18,22)。シニアGPシリーズ初参戦。昨季ジュニアGPファイナル優勝、国内シニア3位、世界ジュニア2位。曲は「Monde Inverse」。冒頭の3Twは高く全ジャッジが加点。3Sは成功。3FThも決める。PCoSpはレベル4。4LiとStSqはレベル3で全ジャッジが加点。BoDsはレベル2。女性が太めだが、ツイストやスピンの回転も速く、生きのいい演技。技術点3番目の36.16、演技構成点4番目の28.69、合計64.85は自己ベスト更新でSP4位。

 6番滑走でシメカ・クニエリム組(米。24,27)。昨季スケートアメリカとボンパール杯で4位、全米優勝、四大陸5位、世界選手権7位。曲は「Nothing Else Matters」。冒頭BoDsから始まる珍しい構成。レベル4に全ジャッジが加点。3Twはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプの3Sでは男性が片手つき。しかし、それ以外は、4Liはレベル4で全ジャッジが加点1〜3、3FThも全ジャッジが加点1〜3、StSqとPCoSpもレベル4で全ジャッジが加点。技術点最高の39.0、演技構成点3番目の30.69、合計69.69は自己ベスト更新でSP1位。
 7番滑走でスイ・ハン組(中。20、23)。昨季GPファイナル3位、四大陸4位、世界選手権銀メダル。曲は前半に「禁じられた遊び」を含む「Spanish Romance」。振付はローリ・ニコル。冒頭の3Tは成功。3FThはすばらしく、全ジャッジが加点ほぼ3。PSpは、入る前に男性がスタンブル、レベルBで無効要素となり無得点。珍しいミス。3Twはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。4Liもレベル4で全ジャッジが加点。BoDsはレベル3。最後のStSqはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2。技術点4番目の35.76、演技構成点2番目の32.52、合計68.28でSP2位。
 最終滑走でストルボワ・クリモフ組(露。23,25)。昨季GPファイナル2位、国内2連覇、欧州選手権2位。曲は「I Put a Spell on You」。冒頭の3Twは低く落下気味。3Tは少し離れていたが、タイミングは合っていて全ジャッジが加点1〜3。しかし、3LzThで転倒。BoDsとStSqはレベル3。StSqでは最後で女性がスタンブル。4Liはレベル4。最後のPCoSpはレベル2と取りこぼしだが全ジャッジが加点。技術点6番目の31.29、演技構成点最高の33.12、転倒の減点1、合計63.41でまさかのSP5位。

 フリー。4番滑走でSP5位と出遅れたストルボワ・クリモフ組。曲は「Man and Shadow」。衣装は濃いグレー。冒頭の3TwはSPよりよかったが、レベル2。3T+3T+2Tの3連続は成功。3SThは両足。5RLiなどリフト三つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ソロジャンプの3Sで女性がダウングレードで転倒。3LzThはなんとか決めた。FiDsは低く、レベル3だが全ジャッジが加点。スピン二つもレベル4。全体に少し慎重な感じで、勢いがなかった。女性が怪我でもしているのかもしれない。技術点3番目の62.36、演技構成点2番目の64.29、転倒の減点1、合計125.65でフリー2位、総合で4位。
 5番滑走でセガン・ビロドー組。曲は「A Whither Shade of Pale」。冒頭の3Twはレベル3に全ジャッジが加点。3T+2Tは、女性が第1ジャンプでこらえ、第2のタイミングがずれた。リフトは二つがレベル4、5SLiがレベル3で、三つとも全ジャッジが加点。3Sはぴったり合った。スピン二つはレベル4、最後のPCoSpは全ジャッジが加点。3FThは軸が傾き、手を付きそうになったもののこらえた。FiDsはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。3LoThはピタリと決まり、ほぼ全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の63.8、演技構成点4番目の60.84、合計124.64も自己ベスト更新でフリー3位、総合189.49で3位。初戦から表彰台はすごい。

   7番滑走でスイ・ハン組。曲は「サムソンとデリラ」より「Mon coeur s'ouvre a ta voix」。冒頭で4Twを決め、レベル2だが加点3も3人。3T+2T+2Tも成功。3SThは全ジャッジが加点2〜3。3回転に見えないくらい余裕があった。リフトは三つともレベル4で全ジャッジが加点2〜3。ChSqも全ジャッジが加点。ところが、めずらしく男性が3Sのダウングレードで転倒。3FThも完璧で全ジャッジが加点3。一方でFiDsはレベル3、スピン二つはレベル2。技術点最高の67.12、演技構成点も最高の67.6、転倒の減点1、合計133.72でフリー1位、総合で優勝。
 最終滑走でシメカ・クニエリム組。曲は「Elizabeth The Golden Age」。冒頭で4Tw成功、レベル2だが加点3も5人。4回転とはわからなかった。しかし、3Sで2人とも転倒。3SThは手を付いた。FiDsはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点2〜3。3Tからの3連続ジャンプでは、男性が第1ジャンプで転倒。リフトは三つともレベル4、うち二つは全ジャッジが加点。ChSqと3FThは全ジャッジが加点。 FCCoSpはレベル4、 PCoSpはレベル3。PCoSpの方は全ジャッジが加点。技術点4番目の61.14、演技構成点3番目の63.14、転倒の減点2、合計122.28でフリー4位、総合で2位。なんとか2位をキープし、男性はものすごくほっとした表情だった。

 <アイスダンス>8組出場。今季のパターンダンスはラベンスバーガーワルツ。1番滑走でシニシナ・カツァラポフ組(露。20,24)。昨季組み替えてGPシリーズは4位と7位。国内も4位。曲は「白鳥の湖」。振付はズエワ。パターンダンスから入り、1RWはレベル2、2RWはレベル3だが、ほぼ全ジャッジが加点。STwと最後のRoLiはレベル4で全ジャッジが加点。特にRoLiは加点2〜3。今季から独立したパーシャル・シーケンシャルステップ(PSt)は、レベル3で全ジャッジが加点。技術点2番目の31.65、演技構成点も2番目の32.11、リフトの時間超過で減点1、合計でSD2位。
 7番滑走でギレス・ポワリエ組(加。23,23)。昨季GPシリーズは2位が2回でGPファイナル5位。国内2位で四大陸4位、世界選手権6位。曲は「Lucky in the Sky with Diamonds」他。男性は水色、女性はピンクの軍服風。滑り出しからコミカルな振付。ジャンプして入るSTwはレベル4に全ジャッジが加点。1RWも2RWもレベル2だが全ジャッジが加点。RoLiはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。PStはレベル3。技術点3番目の29.92、演技構成点も3番目の31.41、合計61.33でSD3位。
 最終滑走で全米王者のチョック・ベイツ組(米。23,26)。昨季GPシリーズは優勝2回でGPファイナル2位。四大陸2位、世界選手権も2位。曲は「Unchained Melody」他。振付はシュピルバンド。衣装は2人とも黒。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のPStはレベル3だが加点ほぼ2〜3。STwもよく合っていてレベル4に加点2。1RWはレベル2、2RWはレベル3。CuLiはレベル4で加点2〜3。技術点最高の33.98、演技構成点も最高の36.58、合計70.56でSD1位。

 フリー。6番滑走でギレス・ポワリエ組。曲は「Neverland」他。女性のスカートは、グレーのトレーナーを巻き付けた風。冒頭のSTwはSDと同じくジャンプで入りレベル4に全ジャッジが加点。すぐに女性が水平の開脚姿勢でのStaLiもレベル4で全ジャッジが加点2〜3。SeStはレベル2だが全ジャッジが加点。CoSpとSlLi+RoLiはともにレベル4で全ジャッジが加点。DiStはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。最後のChLiは独創的でほぼ全ジャッジが加点0〜3。技術点3番目の47.73、演技構成点4番目の48.52、合計96.25でフリーも3位、総合で3位。
 7番滑走でシニシナ・カツァラポフ組。曲は「Io Ci Sar」。女性の衣装は青、男性は黒。CiSt以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のSTwからCuLi、CoSpはレベル4。CiStはレベル3でほぼ加点2。RoLiはレベル4に加点2〜3、SlLi4はレベル4で加点1〜3。DiStはレベル3。かなり完成している感じ。技術点最高の50.28、演技構成点2番目の51.17、リフトの時間超過で減点2、合計99.45は自己ベスト更新でフリーも2位、総合で2位。
 最終滑走でチョック・ベイツ組。曲はラフマニノフの「協奏曲2番」。女性の衣装は赤のグラデーション。STw以外の全要素に全ジャッジが加点。リフトは三つともレベル4。うちCuLiは加点1〜3、終盤のSlLiは加点2〜3。SeStはレベル3だが加点1〜3。STwはレベル4だが第2でわずかにずれた。CoSpはレベル4に加点1〜3。DiStはレベル2。最後のChLiも加点1〜3。SDの方が完成度が高かった。技術点2番目の48.8、演技構成点最高の53.86、合計102.66は今季最高でフリーも1位、総合で優勝。

フィギュアスケート (2015.10/25,26,27)

スケートアメリカ GPシリーズ第1戦 (2015.10/22〜25 ミルウォーキー・ウィスコンシン州)

 <女子シングル>12人出場。日本からは宮原、今井、中塩。地元アメリカはゴールド、カレン・チェン、マライア・ベルが出場。1番滑走で中塩(19)。曲は「Gopher Mambo」。振付は宮本。冒頭の3T+3Tは全ジャッジが加点。ステップからの3Fはなんとか決めた。CCoSpと最後のLSpはレベル4。後半に2A成功。FCSpとStSqはレベル3。派手な衣装に負けず、マンボらしい大きな動作も決まっていてよかった。技術点6番目の31.99、演技構成点25.02、合計57.01は自己ベスト更新でSP8位。
 3番滑走でカレン・チェン(米。16)。昨季全米3位、世界選手権8位。GPシリーズ初参戦。曲はプッチーニの「誰も寝てはならぬ」。3Lz+3Tは第2がアンダーローテーション。スピンは三つともレベル4で、最後のCCoSpとLSpは全ジャッジがほぼ加点2〜3。後半にステップからの3Loと2A成功。技術点2番目の34.65、演技構成点27.63、合計62.28でSP4位。
 9番滑走でメドベデワ(露。15)。身長149p。昨季世界ジュニア優勝。GPシリーズ初参戦。曲は「白夜の調べ」。振付はズーリン。ほぼ完璧な演技。スピンなどかつてのリプニツカヤのよう。冒頭にCCoSpを持ってくる変わった構成。レベル4に全ジャッジが加点1〜3。続くStSqもレベル4に全ジャッジが加点。ジャンプはすべて後半で、3F+3T、2A、3Loを危なげなく跳んだだけでなくほぼ全ジャッジが加点。最後は柔軟さを生かした、レベル4のスピン二つでしめくくり。二つとも全ジャッジが加点、特にLSpは加点2〜3。まだ身が軽く、スピードを制御しきれない感はあるが、表現力もたいしたもの。技術点最高の39.66、演技構成点4番目の31.26、合計70.92は自己ベスト更新でSP1位。

 10番滑走でリプニツカヤ(露。17)。一昨季欧州選手権優勝、ソチ五輪5位、世界選手権2位。身長は160pに伸び、体つきも全体にふっくらした。曲は「プレスリーメドレー」。振付はズエワ。衣装は明るいまだら模様。イメージチェンジを図る。冒頭の3T+3Tはなんとか決める。3Fはアンダーローテーション。2Aは成功。ジャンプを前半に固め跳び。FCSpとLSpはレベル4。StSqと最後のCCoSpはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のスピンはいわゆるキャンドルスピンだが、足は上がるがもうロウソクには見えない。全体にキレがなく、技術点30.84、演技構成点31.4、合計62.24でSP5位。キスアンドクライではコーチともども無表情。
 11番滑走でゴールド(米。20)。昨季全米2位、四大陸と世界選手権4位。曲は「エル・チョクロ」。振付はローリー・ニコル。冒頭の3Lz+3Tはしっかり決め、全ジャッジが加点。スピン二つもレベル4で全ジャッジが加点。ところが後半、ステップからの3Fが2回転になってしまい、要素を失う。直後の2Aは成功。StSqはレベル4に全ジャッジが加点1〜3、最後のCCoSpはレベル3だが全ジャッジが加点とまとめた。技術点5番目の32.14、演技構成点最高の33.25、合計65.39でSP2位。
 最終滑走で宮原(17)。昨季全日本優勝、世界選手権銀メダル。曲は「ファイヤーダンス」。振付はトム・ディクソン。衣装は真っ赤。GPシリーズでは初めての最終滑走で緊張したらしい。でも鈴木明子ばりの目力のある表現は、表情も豊かでよかった。冒頭の3Lz+3Tは成功。スピンは三つともレベル4で加点。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。惜しかったのは、後半の「慎重になった」というステップからの3Fが!マークでアンダーローテーション。2Aはきれいに成功。技術点3番目の33.14、演技構成点2番目の31.98、合計65.12でSP3位。

 フリー。6番滑走でSP7位のトゥルシンバエワ(カザフ。15)。昨季四大陸4位。GPシリーズ初参戦。コーチはオーサー。曲は「Papa Can You Hear Me?」。振付はD.ウィルソン他。いきなり冒頭で3Lz+2T+2Loの3連続ジャンプ成功。もうひとつソロの3Lzの後、3Fで転倒。スピンは三つともレベル4に加点。後半に3S+3Tと2A+3Tの連続ジャンプも成功。滑りにスピードがある。転倒はしたが、コーチともども笑顔。技術点3番目の65.32、演技構成点6番目の54.98、合計119.3は自己ベスト更新でフリー4位、総合178.56で4位。
 8番滑走でリプニツカヤ。曲は映画音楽「レニングラード」。振付はSPと同じくズエワ。衣装は青を基調。ジャンプが不調。冒頭の3Fはアンダーローテーション。続くLzは1回転に。本来は連続3回転だったらしい。3Sの後、再度3Fを試みるが、よろけて第2ジャンプ付かず。後半、2A+3Tを決めた後、もうひとつ2A<+2Tを跳ぶが、アクセルがアンダーローテーション。レベル3のStSqと続くChSqは全ジャッジが加点。スピンは二つがレベル4で全ジャッジが加点。最後のキャンドルスピンはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。スピンだけ面影があるが、体型変化の過程で苦しんでいる。技術点10番目の47.48、演技構成点4番目の60.91、合計108.39でフリー7位、総合170.63で6位。コーチともども憮然。
 9番滑走でカレン・チェン。曲は「レミゼラブル」。冒頭の3Lzでステップアウト。次の3Fは成功。スピン二つはレベル4に加点。レベル3のStSqの後、2A+1Lo+3Sの3連続を決め、全ジャッジが加点。ChSqも全ジャッジが加点。しかし、後半3Loと二つめの3Lzで転倒。滑りのスピードを制御しきれていない。最後のLSpはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点53.74、演技構成点58.52、転倒の減点2、合計110.26でフリー6位、総合172.54で5位。

 10番滑走で宮原。曲はリストの「ため息」。振付はローリー・ニコル。冒頭の3Lz+2T+2Loの3連続を決める。3Loも決めた後のStSqはレベル2だが全ジャッジが加点。3Fはアンダーローテーション。後半の3Lzで転倒。少し傾きすぎたか。しかし二つの2A+3Tを成功。二つめは少し低くてヒヤヒヤ。スピン二つはレベル4、特に最後のLSpは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。SPほど顔は付いていなかったが、ため息の雰囲気はかなり出せていた。技術点5番目の60.05、演技構成点3番目の63.9、転倒の減点1、合計122.95でフリーも3位、総合188.07で3位。
 11番滑走でゴールド。曲は「火の鳥」。振付はローリー・ニコル。衣装は赤。あまり鳥らしい装飾はない。冒頭の3Lz+3Tを余裕で成功、全ジャッジが加点1〜3。後半、2A+3T+2Tと3F+2Tの二つの連続ジャンプを決め、二つめの3Lzも全ジャッジが加点。ChSqも全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。最後のジャンプの3Sの予定が2回転に。ミスはこれだけにとどめ、地元のエースの貫禄を見せた。技術点2番目の68.48、演技構成点最高の68.93、合計137.41でフリー1位だが、総合202.8で2位。
 最終滑走でメドベデワ。曲は映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』より「Dance for me wallis」。振付はアベルブフ。冒頭の3F+3Tは高く、全ジャッジが加点ほぼ2〜3。スピンは二つがレベル4、一つがレベル3だが全ジャッジが加点。後半にジャンプ要素を五つ連続でつめこむが、三つめの2Aで転倒。しかし直後の3S+3T+2Tは成功。続けて2A+2Tも決める。メンタルも強い。スケーティングもきれいなので滑りに無駄な力がない。技術点最高の68.93、演技構成点2番目の67.16、転倒の減点1、合計135.09でフリー2位だが逃げきって、総合206.01で優勝。
 なお、SP9位の今井は転倒の減点1もあり、フリー102.13で10位、総合10位。中塩も転倒の減点1がありフリー96.28で11位、総合11位。

 <男子シングル>12人出場。日本からは無良、宇野。地元アメリカからはジェイソン・ブラウン、アーロン、マイナーが出場。
 5番滑走でアーロン(米。23)。昨季GPシリーズスケートカナダ3位、ロシア杯7位、全米4位。曲はオペラ『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」。振付はフィリップ・ミルズ。冒頭で4S+3T成功。続けて3Aも決める。スピン二つとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ステップからの3Lzは全ジャッジが加点。FSSpはレベル4。ほぼノーミスで終え、技術点2番目の47.96、演技構成点5番目の38.71、合計86.67は自己ベスト更新でSP1位。
 6番滑走でピトキエフ(露。17)。GPシリーズ初参戦。昨季国内シニア3位、欧州選手権7位、世界ジュニア5位。曲はハマタケシの「Pain」他。冒頭の4回転で転倒。しかし続くスピン二つはレベル4。まだ体が柔らかい。CCoSpはレベル2。後半、3Aと3Lz+3Tを決め、最後はレベル3のStSq。まだいろいろと荒削りだが、まだまだ伸びる余地があるということ。技術点4番目の44.36、演技構成点35.54、合計79.9は自己ベスト更新ででSP5位。

 7番滑走でハン・イェン(中。19)。昨季GPシリーズは羽生とぶつかった中国杯6位、ボンパール杯8位。四大陸銅メダル、世界選手権10位。曲は「Sing Sing Sing」。振付はローリー・ニコル。冒頭の4回転はあっさり決める。スピン二つはレベル4。後半、得意の3Aはやや流れなかったがほぼ全ジャッジが加点。しかし、3Lz+3Tでわずかに両足となる。CSSpはレベル3。最後のStSqはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点3番目の46.25、演技構成点3番目の40.28、合計86.53でSP2位。
 8番滑走で宇野(17)。GPシリーズ初参戦。昨季全日本ジュニア優勝、全日本シニア2位、四大陸5位、世界ジュニア優勝。身長は159pになった。曲は「Legends」。振付は樋口先生。冒頭の3Aはきれいに成功。スピン二つは速く、レベル4。後半、4回転で転倒。3F+3Tはしっかり決める。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点。最後のCCoSpはレベル4で全ジャッジが加点。技術点5番目の43.28、演技構成点6番目の38.5、合計80.78でSP4位。
 9番滑走でメンショフ(露。32)。昨季スケートカナダ5位、ボンパール杯4位、国内4位。曲は「Rotting Romance」。4回転を二つ成功。冒頭、4T+3T、4Sを続けて成功。FCSpはレベル3。3Aはやや乱れたが、片手つきでこらえる。StSqとCCoSpはレベル4。最後のCSSpはレベル3。確実に決めて小さくガッツポーズ。技術点最高の48.61、演技構成点7番目の37.54、合計86.15でSP3位。

 10番滑走で無良(24)。昨季スケートカナダ優勝、GPファイナル5位、全日本5位。曲は「黒い瞳」。振付はチャーリー・ホワイト。冒頭の4回転はスピードが足りず、ダウングレード。得意なはずの3Aはどすんと着氷。CCoSpはレベル4だが、CCSpは回転も遅く、レベル2。後半、3Lz+3Tは第2がアンダーローテーション。StSqはレベル2だが全ジャッジが加点。最後のFSSpはレベル4。技術点32.8、演技構成点4番目の38.86、合計71.66でSP10位。これでは、フリーがどんなによくてもメダルは無理だし、とうていファイナルも無理だろう。直前に足を捻挫したとアナウンサーが言っていたので、練習不足なのだろう。
 11番滑走でジェイソン・ブラウン(米。20)。昨季全米優勝。世界選手権4位。曲は映画『グレート・ギャッツビー』より「Love Is Blindness」。冒頭の3Aは無難に成功、ほぼ全ジャッジが加点。FSSpは速くてレベル4にほぼ全ジャッジが加点。ところが、3F+3Tの予定が、第2がなんと1回転になり、要素を失う。しかし、後半、CCSpは滑らかな姿勢変化で、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。得意のStSqもレベル4に全ジャッジが加点。ステップからの3Lzは!マーク。最後のCCoSpもレベル4で全ジャッジが加点。技術点36.57、演技構成点最高の42.07、合計78.64でSP8位。
 最終滑走でデニス・テン(カザフ。22)。昨季四大陸優勝、世界選手権銅メダル。曲は「ミサタンゴ」。振付はローリ・ニコル。賛美歌のような曲。冒頭の4回転で転倒。続く3Aは成功。CCSpはレベル4で全ジャッジが加点。後半、3Lz+3Tは第2がアンダーローテーション。FSSpはレベル3。StSqはやはり上手で全ジャッジが加点1〜3。ところが、最後のCCoSpが乱れ、入りで両手付き、レベル2ととりこぼし。技術点38.24、演技構成点2番目の41.78、合計79.02でSP6位。

 フリー。3番滑走で無良。曲はシルク・ド・ソレイユの「オー」。振付はジェフリー・バトル。衣装はグレーでヒラヒラがたくさん付いている。冒頭の4Tは片手をほぼ付きながらもこらえる。続く4T+2Tも足を早く付いたがなんとか下りる。3Aはほぼ全ジャッジが加点。しかしサルコウが2回転になり-2〜-3。ここは4回転の予定だったか。CCoSpも回転が遅くレベル2。StSqはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半、二つめの3Aのはずが1回転に。続くループも1回転。FSSpはレベル3。3Fe+1Lo+2Sの3連続は決めたが、eマーク。最後のジャンプ3Lzはなんとか成功。FCCoSpは足替えの後遅くなり、レベル2。技術点56.61、演技構成点72.56、合計129.17でフリー9位、総合200.83で10位。
 4番滑走でSP9位のアモディオ(仏。25)。曲は「Winston Churchill's Boy」他。ジャンプが不調。冒頭の4Sで転倒。3Aはきれいに決め、全ジャッジが加点。しかし二つめの4回転の予定が3S+3Tになる。しっとりとした曲に合わせたStSqはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。しかし後半、二つめの3Aでまた転倒、第2ジャンプ付かず。しかもフリップは2回転でeマーク。3Lz+1Lo+2Sの3連続は危なかったが、成功。FCSSpはレベル4だが、最後のスピンは無得点。技術点53.79、演技構成点73.7、転倒の減点2、合計125.49でフリー10位、総合197.45で11位。
 5番滑走でジェイソン・ブラウン。曲は映画『ピアノ・レッスン』より「The Scent of Love」。振付はSPと同じくロヒーン・ワード。冒頭の4Tは転倒。3A+2Tはなんとか決める。CCSpは速くて姿勢変化も独特でレベル4に全ジャッジが加点ほぼ2〜3。StSqもレベル4で全ジャッジが加点2〜3。後半、二つめの3Aはダウングレード。しかし、FCCoSpはすばらしく、レベル4で全ジャッジが加点2〜3。3F+3Tは第2がアンダーローテーション。最後のジャンプで3Lz+1Lo+3Sをなんとか成功。最後のCCoSpはレベル3だが、全ジャッジが加点1〜3。静かだが少し難しい曲を見事に滑りこなした。SPのミスを挽回し、技術点3番目の75.47、演技構成点最高の85.36、転倒の減点1、合計159.83でフリー3位、総合238.47で3位。

 7番滑走でデニス・テン。曲はSPと同じ「ミサタンゴ」。しかしジャンプが絶不調。見ていて悲しくなった。冒頭の4Tは二つとも転倒。3Aの予定が1回転。CCSpはレベル4で、ChSqはなかなかいい感じで、ほぼ全ジャッジが加点。しかし後半、3Aで三回目の転倒。3Fは決めたが、ルッツは2回転に。CCoSpはレベル4だが、FSSpはレベル2。最後のStSqはレベル3だが全ジャッジが加点、彼らしさが出ていてほっとした。技術点最低の47.78、演技構成点5番目の77.72、転倒の減点3、合計122.5でフリー11位、総合201.52で9位。
 8番滑走でピトキエフ。曲は「The Mission」。冒頭で4T+3T成功。軽い。続く二つめの4Tはステップアウト。3Aの予定が1回転に。StSqはレベル3だが全ジャッジが加点1。スピンは三つともレベル4。後半、3Lz+2T+2Loを成功。最後のジャンプは2A+2Tにして決める。ChSqは全ジャッジが加点。ジャンプが予定通り全部入ればかなり得点できそう。技術点4番目の74.85、演技構成点6番目の76.0、合計150.85は自己ベスト更新でフリー4位、総合230.73で6位。
 9番滑走で宇野。いやー、メンタルが強い。曲は「トゥーランドット」。振付はSPと同じく樋口美穂子先生。冒頭の4Tはこらえて下りた。続く3Aは全ジャッジが加点。二つめの3A+3Tはこれまたこらえて決めた。スピンは三つともレベル4で加点。StSqはレベル2だが全ジャッジが加点。後半、二つめの4T+2Tを決め、全ジャッジが加点、会場からも拍手。3Lzの後、2A+1Lo+3Fの3連続もこらえて決める。ChSqは力強く表現し、全ジャッジが加点1〜3。最後は終わらないうちから立つ人もいたスタンディングオベーション。ジャパンオープンのときはもっとこらえずに跳べていたが、GPシリーズでこれだけできれば上出来。技術点最高の92.35、演技構成点2番目の84.3、合計176.65は自己ベスト更新でフリー1位、総合257.43も自己ベスト更新で2位はすごいこと。

 10番滑走でメンショフ。曲は「Mad World」他。冒頭の4T+2Tはあっさり決める。しかし次の4Sで転倒。3Aは全ジャッジが加点。3Lzは片手つき。スピン二つはレベル4。StSqはレベル3。後半、3Tでステップアウトするも3A+2Tは成功。最後のスピンはレベル2。技術点5番目の72.14、演技構成点9番目の73.5、転倒の減点1、合計144.64でフリー6位、総合230.79で5位。GPシリーズ初表彰台はお預け。
 11番滑走でハン・イェン。曲は映画『ロミオ+ジュリエット』より。振付はSPと同じくローリー・ニコル。冒頭の3Aはきちんと決め、全ジャッジが加点。続く4Tも成功。しかし二つめの4Tで転倒、第2ジャンプ付かず。後半、得意なはずの二つめの3Aが1回転に。3Lz+2T+2Loの3連続、3S+1T、3F+2Tとややリカバリー。サルコウの第2ジャンプに1回転を付けたのは、ミスかと思ったが、2Tの三つめを避けるためだったらしい。感心。スピンは三つともレベル3。最後のStSqはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点7番目の68.72、演技構成点4番目の80.78、合計149.5でフリー5位、総合236.06で4位。
 最終滑走でアーロン。曲は「ブラックスワン」。振付はSPと同じくフィリップ・ミルズ。冒頭で4S+2T成功。次の3A+2Tはほぼ全ジャッジが加点。スピン三つとStSqはレベル3で加点。後半、二つめの4Sと3Aを余裕で決める。ジャンプが好調。3Lz+1Lo+3Sの3連続もきれいに成功、ほぼ全ジャッジが加点。惜しかったのは、最後のジャンプ2Aがばらけて両足になったこと。技術点2番目の90.98、演技構成点3番目の81.3、合計172.28は自己ベスト更新でフリー2位、総合258.95で初優勝。


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フィギュアスケート (2015.4/18,19,20,)

国別対抗 (2015.4/16〜19 代々木)

 6ヵ国対抗。カナダ、中国、フランス、日本、ロシア、アメリカ。今回はどこも国内ランク1−3位クラスを派遣。世界選手権に出られなかった悔しさをぶつけたい、心残りを晴らしたいということか。

 <アイスダンスSD>日本からはリード姉弟が出場。1番滑走でイリニフ・ジガンシン組(露)。女性が太めに見える。ステップはレベル2、ツイズルはレベル3だが全ジャッジが加点。リフトはレベル4で全ジャッジが加点。技術点29.69、演技構成点33.4、合計63.09でSD4位。ポイント9。
 2番滑走でワン・リュウ組(中)。キレのある滑り。ツイズルとリフトがレベル4。技術点28.89、演技構成点26.43、合計55.32でSD5位。ポイント8。
 3番滑走でリード姉弟。世界選手権でもミスが出た(見ていない)ステップでスタンブル。パソドブレと回転リフトはレベル4。技術点24.16、演技構成点25.83、合計49.99でSD6位。ポイント7。

 4番滑走でなんと世界選手権優勝(見ていない)のパパダキス・シゼロン組(仏)。すごいスピードなのにエッジが深い。テレ朝の解説、河合さんは「パターンダンスは割と簡単なステップなのでスピードを出すと男性のエッジが不正確になりやすい。」と言う。PStとリフトがレベル4、他の要素もレベル3。ツイズル以外の要素は全ジャッジが加点。特にリフトは加点2〜3。技術点34.69、演技構成点34.17、合計70.86でSD3位。ポイント10。
 5番滑走で世界選手権銀(見ていない)のチョック・ベイツ組(米)。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のリフトとツイズルはレベル4に加点2〜3。他の要素もレベル3。技術点35.54、演技構成点36.63、合計72.17でSD2位。ポイント11。
 最終滑走で世界ランク1位なのに世界選手権銅(見ていない)のウィーバー・ポジェ組(加)。ものすごい気迫。冒頭のツイズル、PStとリフトがレベル4、他の要素もレベル3。特にリフトは加点2〜3。技術点36.2、演技構成点36.94、合計73.14でSD1位。ポイント12。

 <女子シングルSP>日本からは村上と宮原が出場。7番滑走で村上。ほぼノーミス。不調と言うが、かなりよかった。冒頭のトウループの連続3回転は回転不足もなく、全ジャッジが加点。ステップからのフリップはアンダーローテーション。スピン三つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点1〜3。技術点32.05、演技構成点30.34、合計62.39でSP5位。ポイント8、日本合計15。
 8番滑走でワグナー(米)。冒頭のルッツからの連続3回転と後半のダブルアクセルはほぼ全ジャッジが加点。ステップからのフリップでステップアウト。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点32.6、演技構成点31.95、合計64.55でSP4位。ポイント9、アメリカ合計20。
 9番滑走でゴールド(米)。のびのび滑りほぼノーミスの演技。冒頭のルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点1〜3。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。軸がまっすぐで美しく速い。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の38.45、演技構成点も2番目の32.81、合計71.26でSP1位。ポイント12、アメリカ合計32。

 10番滑走でラジオノワ(露)。万全ではない感じ。スピンは三つともレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点技術点36.63、演技構成点32.14、合計68.77でSP3位。ポイント10、ロシア合計19。
 11番滑走で宮原。冒頭のルッツからの連続3回転の予定がルッツのアンダーローテーションで第2付かず。後半、フリップに2回転を付けた。スピン三つとステップはレベル4。特に最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点2〜3。技術点30.27、演技構成点30.25、合計60.52でSP6位。ポイント7、日本合計22。
 最終滑走でトゥクタミシェワ(露)。冒頭、トリプルアクセルで転倒。他の要素はほぼ全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル4。特にステップは加点2〜3。技術点最高の38.96、演技構成点も最高の32.97、転倒の減点1、合計70.93でSP2位。ポイント11、ロシア合計30。

 <男子シングルSP>日本からは無良と羽生が出場。6番滑走でハン・イェン(中)。冒頭で素晴らしく大きいトリプルアクセル、全ジャッジが加点2〜3。4回転は両手つき。後半、ルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。スピン二つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点1〜3。技術点46.17、演技構成点40.96、合計87.13でSP2位。ポイント11。
 7番滑走でニューエン(加)。少し慎重に見える。冒頭のトリプルアクセルを始め、ジャンプは成功。連続3回転のルッツが!マーク。ステップははレベル3だが全ジャッジが加点。技術点40.23、演技構成点37.19、合計77.42でSP6位。ポイント8。もう一人はジェレミー・テンで、SPは67.45、10位でポイント3。
 8番滑走でジェイソン・ブラウン(米)。冒頭でトリプルアクセル、フリップからの連続3回転成功。後半のステップからのルッツは!マーク。得意のステップとスピン三つはレベル4全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。技術点43.87、演技構成点42.61、合計86.48でSP3位。ポイント10。もう一人はアーロンで、新プログラムお披露目。SPは76.08で7位、ポイント6、アメリカ合計48。
 9番滑走で無良。冒頭の4回転はこらえたが3回転を付ける。パンクしていたトリプルアクセルもステップアウトながら入った。技術点42.01、演技構成点40.03、合計82.04でSP4位。ポイント9、日本合計31。

 10番滑走でコフトゥン(露)。冒頭の4回転サルコウはきれいに決まったが、連続ジャンプで2回転1回転の大失敗で要素を失う。技術点36.58、演技構成点39.25、合計74.83でSP8位。ポイント5、ロシア合計35。
 11番滑走でボロノフ(露)。今季初めて冒頭の4回転入らず。しかしスピン三つはレベル4、うち二つは全ジャッジが加点。ステップもレベル3。後半のトリプルアクセルとステップからのループも決め、手堅くまとめた。技術点39.74、演技構成点39.35、合計でSP5位。ポイント8、ロシア合計43。
 最終滑走で羽生。連続ジャンプ以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭の4回転トウループは加点2〜3。スピン三つとステップはレベル4。うち二つの足替えスピンは加点2〜3。後半、トリプルアクセルは加点2〜3だったが、ルッツからの連続3回転で転倒。技術点50.98、演技構成点46.29、転倒の減点1、合計96.27でSP1位。ポイント12、日本合計43。キスアンドクライでは納得いかない顔だった。

 <ペアSP>高橋・木原組が解散したので、日本からはジュニアの古賀・ブドロー=オデ組が出場。男性はカナダ出身。1番滑走で古賀・ブドロー=オデ組(16,23)。二年前から組んだとのこと。初めて見た。曲は「蝶々夫人」。ツイストは2回転。スローループは軽く成功。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルともレベル4。ソロジャンプはダウングレード。技術点25.06、演技構成点21.81、合計46.87でSP6位。ポイント7、日本合計50。これがシニアデビューだが立派。
 3番滑走で川口・スミルノフ組(露)。冒頭のソロジャンプで川口がステップアウト。ツイストはレベル2だが全ジャッジが加点。スローループは成功。リフト、ステップ、デススパイラル、スピンともレベル4。リフトとデススパイラルは全ジャッジが加点1〜3。技術点33.53、演技構成点33.44、合計66.97でSP3位。ポイント10、ロシア合計53。

 5番滑走でスイ・ハン組(中)。スピン以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のソロジャンプ成功。スローフリップは加点2〜3。ツイストは4回転で加点ほぼ2〜3。ステップ、リフト、スピンはレベル3。デススパイラルはレベル4。技術点最高の37.14、演技構成点2番目の34.06、合計71.2でSP1位。ポイント12。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(加)。ツイストはレベル3でほぼ全ジャッジが加点0〜3。得意のソロジャンプのルッツで女性が2回転に。スローフリップは成功。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルはレベル4。リフトは全ジャッジが加点2〜3、デススパイラルは全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の33.91、演技構成点最高の34.77、合計68.68でSP2位。ポイント11。

 <アイスダンスフリー>1番滑走でリード姉弟。キャシーはどこか痛いのか。対角線のステップの真ん中当たりで転倒。リフト三つとスピンはレベル4。ツイズルは第2で少し乱れたがレベル3。最後のコリオスピンは全ジャッジが加点。技術点37.57、演技構成点37.67、転倒とリフトの時間超過の減点2、合計73.24でフリーも6位。ポイント7、日本合計57。来年は続けるかどうか未確定の感じ。
 4番滑走でパパダキス・シゼロン組。SDと違ってゆったりした曲調だが滑りはシャープ。二つのステップ以外の要素はレベル4。全要素に全ジャッジが加点。特に冒頭の直線のリフトと最後の回転リフトは加点ほぼ3。ツイストと対角線のステップ、コリオスピンは加点2〜3。技術点54.32、演技構成点56.74、合計111.06でフリーも1位。ポイント12。コーチともども拠点をカナダに移したのがよかったのか、今季一気に頂点に駆け上った。

 5番滑走でチョック・ベイツ組。二つのステップ以外の要素はレベル4。対角線のステップ以外の全要素に全ジャッジが加点。中盤のスピンとカーブのリフト、終盤の回転リフトとコリオスピンは加点2〜3。しかし対角線のステップの最後で男性が痛恨の転倒。技術点49.23、演技構成点54.01、転倒の減点1、合計102.24でフリー3位。ポイント10。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組。全要素に全ジャッジが加点。しかしGPのときの方がスピードとキレがあったように思う。ツイズル、直線のリフトとカーブのリフト、スピン、対角線のステップと加点2〜3。技術点53.35、演技構成点56.44、合計109.79でフリー2位。ポイント11。

 ※キャシー・リード(27)が今季で引退を表明。クリス(25)は現役続行、日本人のパートナーを探すとのこと(4/20朝日新聞より)。

 <男子シングルフリー>5番滑走でコフトゥン。冒頭で4回転サルコウ成功、全ジャッジが加点。4回転トウループの予定が2回転に。しかし二つめの4回転サルコウに3回転を付け全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4。後半トリプルアクセルからの3連続は第2がダウングレードとなるが全般にいい出来。技術点79.69、演技構成点79.22、合計158.91でフリー6位。ポイント7。
 7番滑走でニューエン。冒頭の4回転サルコウは軽く決めたが、アンダーローテーション。トリプルアクセルからの連続3回転も成功。後半、二つめのトリプルアクセル、フリップからの3連続など全てのジャンプを予定通り跳ぶ。フライングスピンだけレベル4、あと二つのスピンとステップはレベル3。技術点79.61、演技構成点79.02、合計158.63でフリー7位。ポイント6。ほぼノーミスで嬉しそうだった。
 9番滑走で無良。ようやくできた。冒頭の4回転はアンダーローテーションで両手つき。続く4回転からの連続ジャンプはほぼ全ジャッジが加点。トリプルアクセルは大きく全ジャッジが加点ほぼ2。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセルからの連続3回転は全ジャッジが加点2〜3。フリップはeマーク。サルコウからの3連続は第1が2回転に。スピンは最後の足替えスピンのみレベル4。技術点82.12、演技構成点83.28、合計165.4でフリー3位。ポイント10、日本合計67。

 10番滑走でジェイソン・ブラウン。全ての動きが滑らかで美しい。これで4回転を跳べたら世界の頂点になるのでは。冒頭でトリプルアクセルからの連続ジャンプはほぼ全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。後半、フリップからの連続3回転やルッツからの3連続も成功。コリオシークエンスも全ジャッジが加点ほぼ2〜3。技術点87.55、演技構成点89.14、合計176.69でフリー2位。ポイント11。終わったとき、客席は総立ち。
 11番滑走でハン・イェン。冒頭のトリプルアクセルからの連続ジャンプは全ジャッジが加点。4回転3回転の連続ジャンプは転倒。続く二つめの4回転もステップアウト。スピン二つとステップはレベル3だが、ステップは全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセルで片手つき。ルッツからの3連続は決めるが第3か1回転に。コリオシークエンスと最後のスピンは全ジャッジが加点。技術点80.22、演技構成点83.92、転倒の減点1合計163.14でフリー4位。ポイント9。
 最終滑走で羽生。冒頭で4回転サルコウをあっさり成功、全ジャッジが加点2〜3。しかし4回転トウループの予定が3回転に。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のスピンは加点2〜3。後半、ルッツからの連続ジャンプ、トリプルアクセルからの連続ジャンプ、トリプルアクセルからの3連続と成功、全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。技術点98.95、演技構成点93.36、合計192.31でフリーも1位。ポイント12、日本合計79。

 <ペアフリー>1番滑走で古賀・ブドロー=オデ組。ツイストは2回転でレベル2。ソロジャンプは女性が1回転。スローサルコウは片手つき。連続ジャンプは2回転ループ2回転トウループ。リフト一つとスピン二つ、デススパイラルはレベル4。二つめのスローループは成功。終盤のリフト二つはレベル3。ジュニアより30秒長いプログラムをなんとかこなした。技術点45.43、演技構成点42.99、合計88.42でフリーも6位。ポイント7、日本合計86。
 4番滑走で川口・スミルノフ組。冒頭のソロジャンプで川口が転倒。ダブルアクセルのシークエンスは成功。4回転スローサルコウも決める。スピン二つとリフト三つはレベル4。特に最後の倒立の形になるリフトは全ジャッジが加点1〜3。物語が見えるコリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。ツイストはレベル2。なぜかデススパイラルはレベル1。術点3番目の60.25、演技構成点3番目の67.82、転倒の減点1、合計127.07でフリー4位。ポイント9。川口は転倒が悔しそうだった。

 5番滑走でデュハメル・ラドフォード組。冒頭のツイストはレベル3で全ジャッジが加点1〜3。ソロジャンプのルッツはなんとか成功。4回転スローサルコウは転倒。しかしスピン二つ、リフト三つはレベル4、デススパイラルもレベル3、いずれも全ジャッジが加点とまとめた。連続ジャンプはトウループからの3連続成功。二つめのスロールッツは全ジャッジが加点。技術点最高の71.49、演技構成点2番目の70.21、転倒の減点1、合計140.7でフリー1位。ポイント12。世界ランク1位の貫禄を見せた。
 最終滑走でスイ・ハン組。冒頭で4回転ツイスト成功、ほぼ全ジャッジが加点0〜3。トウループからの3連続も決める。リフト二つとスピン一つがレベル4、デススパイラルとリフト一つがレベル3。リフトは三つとも全ジャッジが加点2〜3。ペアスピンはレベル2だが全ジャッジが加点1〜3。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点2〜3。技術点2番目の69.27、演技構成点最高の70.46、合計139.73でフリー2位。ポイント11。

 <女子シングルフリー>7番滑走で宮原。すばらしかった。冒頭でルッツからの3連続成功。低かったが回転は足りていた。フリップはアンダーローテーション。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。スピン三つはレベル4で、うちレイバックスピンは全ジャッジが加点2〜3。後半、二つのダブルアクセルから3回転トウも成功、ほぼ全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。終わったとき、めずらしくチームの方に向いて両手を突き上げるガッツポーズ。技術点最高の66.93、演技構成点6番目の62.19、合計129.12は自己ベスト更新でフリー3位。ポイント10、日本合計96。
 8番滑走で村上。冒頭のループはよさそうに見えたがアンダーローテーション。ダブルアクセルから3回転トウは全ジャッジが加点1〜3。フリップからの連続ジャンプも決める。足替えスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。しかし後半、ループが2回転、フリップが1回転に。レイバックスピンもレベル2と取りこぼし。サルコウからの3連続は成功。ステップもレベル3だが全ジャッジが加点ほぼ2〜3。技術点7番目の50.73、演技構成点5番目の62.59、合計113.32でフリー6位。ポイント7、日本合計103。
 9番滑走でワグナー。冒頭のダブルアクセルは全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転は第1が!マーク、第2がアンダーローテーション。スピン二つとステップはレベル4。スピン一つはレベル3だが、ステップとも全ジャッジが加点。後半ループからの3連続も決める。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。技術点4番目の60.5、演技構成点3番目の66.46、合計126.96でフリー4位。ポイント9。まとめる力はさすが。

 10番滑走でラジオノワ。冒頭のルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。少しキレがない。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ループからの3連続は決めたが、二つめのダブルアクセルでよろけた。フライングスピンもレベル2ととりこぼし。技術点3番目の65.2、演技構成点4番目の64.53、合計129.73でフリー2位。ポイント11。少し調子が悪そうだったが、得点を見ると元気になった。
 11番滑走でトゥクタミシェワ。またしてもトリプルアクセルをきれいに成功、全ジャッジが加点1〜3。ルッツからの3連続は第3が1回転に。スピン二つはレベル4。ステップとスピン一つがレベル3だが全ジャッジが加点。後半、トウループの連続3回転を決め、全ジャッジが加点1〜3。たいしたもの。ループが1回転になったがサルコウからダブルアクセルののシークエンスは成功。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の65.74、演技構成点最高の68.47、合計134.21でフリーも1位。ポイント12。
 最終滑走でゴールド。ジャンプが不調。冒頭のルッツで転倒。ダブルアクセルから3回転トウは成功、全ジャッジが加点。しかし後半、フリップが!マークでステップアウト、二つめのルッツもステップアウト。得意のスピンは二つがレベル4で全ジャッジが加点2〜3。しかしフライングスピンは珍しく途中でふらついた。レベル4のステップとコリオシークエンスは全ジャッジが加点。技術点5番目の58.67、演技構成点2番目の66.62、転倒の減点1、合計124.29でフリー5位。ポイント8。

 国別ポイント合計。アメリカ110(アイスダンス23+ペア4位19+男子34+女子38)で優勝。ロシア109(アイスダンス18+ペア3位19+男子28+女子44)で2位、初のメダル。日本が103(アイスダンス14+ペア14+男子43+女子32)で昨年に引き続き3位。カナダが82(アイスダンス23+ペア2位23+男子20+女子16)。中国が77(アイスダンス16+ペア1位23+男子24+女子14)。フランスが59(アイスダンス22+ペア16+男子9+女子12)。

 エキシビションのゲストスケーターに、全日本ジュニアの男女優勝者の樋口と宇野、フェルナンデスとデニス・テンという豪華メンバー。また、羽生が昨季のSP「パリの散歩道」を滑り、解説の荒川が「今季1番のSPじゃないでしょうか。」と言ったほどのでき。得点を付けたいエキシビションというのは、初めて見た。


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フィギュアスケート (2015.5/9,10,14,17,22,23,26)

世界ジュニア選手権 (2015.3/2〜3/8 タリン・エストニア)

 <ペア>13組出場。日本からは古賀・オデ組が出場。カナダとロシアから3組ずつ、アメリカが2組。昨年優勝の中国の組がこの大会だけジュニアに復帰。ソロジャンプは2回転ルッツ、スローはループ、リフトはグループ3のハンド・トゥ・ヒップといろいろ指定されている。
 2番滑走でリュウ・ジョンソン組(米。15,19)。初出場。2014年春に組換え。今季ジュニアGPファイナル6位、全米ジュニア2位。曲は「メアリー・ポピンズ」。デススパイラルはレベル4で全ジャッジが加点。ツイストもレベル3だが全ジャッジが加点。ソロジャンプ、スロージャンプとも何とか成功。スピンとステップはレベル3、リフトは力強くレベル4。技術点27.91、演技構成点22.05、合計49.96は自己ベスト更新でSP5位。

 3番滑走でグバノワ・シンツォフ組(露。14,19)。初出場。今季ジュニアGPシリーズ4位と3位。国内ジュニア3位。女性は145pと小柄。曲は「コットンクラブ」。冒頭のツイストはレベル4。ルッツはたぶん女性がeマーク。スローループは成功。デススパイラル、スピン、リフトはレベル4。ステップはレベル3。技術点28.43、演技構成点21.93、合計50.36は自己ベスト更新でSP4位。
 6番滑走で古賀・ブードロオデ組(16,21)。初出場。今季ジュニアGPシリーズ4位と6位。国内ジュニア初優勝。曲は「蝶々夫人」より「Un bel dia」。冒頭のツイストは3回転に挑戦したが落とし気味でレベル1。スローループは成功。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルと全てレベル4。特にリフトは、男性がかがんだ姿勢から立ち上がりながら持ち上げる難しい上げ方で全ジャッジが加点。ソロジャンプはeマーク。技術点26.42、演技構成点22.03、合計48.45は自己ベスト更新でSP6位は立派。

 10番滑走でフェドロワ・ミロシュキン組(露。17,20)。今季ジュニアGPファイナル2位、国内ジュニア2位。曲は「Feeling Good」。ツイストはすばらしく高くレベル4で全ジャッジが加点2〜3。スローループも全ジャッジが加点。ルッツはeマーク。スピンは得意のビールマンも入れたが、ずれたままでレベル3に減点評価。ステップ、デススパイラル、リフトはレベル4で全ジャッジが加点。技術点31.59、演技構成点26.68、合計58.27でSP3位。4位との差は8点近く離れている。
 11番滑走で連覇をねらうユウ・ジン組(中。19,20)。今季シニアGPファイナル5位、ユニバ優勝。ソロジャンプをジュニア指定の2回転ルッツに戻すのがたいへんだったらしい。曲は神秘的な「Yulunga」。冒頭のソロジャンプは女性が少しこらえたが成功。得意のツイストはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。スローループも全ジャッジが加点。スピン、リフト、デススパイラル、ステップと全てレベル4でほぼ全ジャッジが加点。特にスピンはずっとぴったり合っていて加点1〜3。Jスポーツ解説の岡部さんは、「ここだけシニアの雰囲気でしたね。」技術点33.64、演技構成点28.92、合計62.56でSP1位。女性は脇腹が痛いらしく、順位を見てホッとしていた。
 12番滑走でセガン・ビロドー組(加。18,21)。今季ジュニアGPファイナル優勝、国内シニア3位。曲は映画「The Grand Budapest Hotel」より3曲。男性は口ヒゲを生やしてレトロな感じを出している。ツイストはレベル4。ルッツも軽々跳び全ジャッジが加点。これは有利。スローループも成功。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルと全てレベル4で全ジャッジが加点。特にスピン、リフト、ステップは加点1〜3。中国の組と互角のレベル。技術点33.6、演技構成点27.72、合計61.32は自己ベスト更新でSP2位。

 フリーは12組。ウクライナが棄権。5番滑走でSP7位の全米ジュニア王者フィールズ・スティーヴンス組(米。19,21)。曲は「ドンキホーテ」。SPで要素を失い、早い滑走順となったが、フリーではそこそこ実力を見せた。冒頭のツイストは落とし気味で-2〜-3。スローループはなんとか成功。連続ジャンプは2回転ルッツから女性が1回転に。リフトはレベル3とレベル4。ソロスピンはレベル4。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3。ソロジャンプは2回転サルコウ。二つめのスローサルコウは全ジャッジが加点。最後のペアスピンもほぼ全ジャッジが加点。技術点5番目の44.47、演技構成点4番目の47.31、合計91.78は自己ベスト更新でフリー4位、総合138.62で5位。
 7番滑走で古賀・ブードロオデ組。曲は「Spellbound Concerto」。冒頭の3回転ツイストはもたれてしまい-1〜-3。ソロジャンプは女性がアンダーローテーション。スローサルコウは成功。リフト二つとペアスピン、デススパイラルはレベル4。うち一つめのリフトは全ジャッジが加点。連続ジャンプは2回転ループから女性が1回転に。二つめのスローループは決める。ソロスピンはレベル3でちょっとずれた。コリオシークエンスと最後のデススパイラルはほぼ全ジャッジが加点。技術点8番目の42.41、演技構成点5番目の44.11、合計86.52でフリーも6位、総合134.97で6位。
 10番滑走でセガン・ビロドー組。曲は「Wallflower」他。ジャンプが本当に安定している。ソロジャンプのサルコウはピタリと決まり、全ジャッジが加点。ツイスト、リフト、デススパイラル、ソロスピンとレベル4。リフト、デススパイラルは全ジャッジが加点。コリオシークエンス、ダブルアクセルからの連続ジャンプ、スロージャンプ二つ、二つめのリフトと後半の要素は全て全ジャッジが加点。特にスローサルコウは加点2〜3。ほぼノーミスの演技。キスアンドクライでニコニコしていた。技術点2番目の57.84、演技構成点も2番目の57.16、合計115.0でフリーも2位、総合176.32で2位。

 11番滑走でフェドロワ・ミロシュキン組。曲は「コロブチカ」。ツイストが羽のように軽い。将来、4回転ツイストもやりたいらしい。レベル4で全ジャッジが加点1〜3。ソロジャンプは女性が転倒。ダブルアクセルからの連続ジャンプでも女性が転倒。スロージャンプは成功。デススパイラルはレベル2。ソロスピンはレベル3。二つめのスローサルコウは全ジャッジが加点。リフト二つとペアスピンはレベル4で全ジャッジが加点。技術点4番目の46.74、演技構成点3番目の51.32、合計96.06でフリーも3位、総合154.33で3位。
 最終滑走でユウ・ジン組。曲は「Humility and Love」。ソロジャンプ、ダブルアクセルのシークエンス、ツイスト、スローループ、リフト、デススパイラルとほぼ全ジャッジが加点。特にスローループは加点ほぼ2〜3。ソロスピンはすこーしずれた。コリオシークエンス、二つめのリフト、ペアスピンは全ジャッジが加点。二つめのスローフリップは少し乱れた。得点、順位を見て女性は明らかにホッとしていた。どこか怪我しているらしい。技術点最高の57.99、演技構成点も最高の58.24、合計116.23でフリーも1位、総合178.79で連覇。

 <女子シングル>43人出場。日本からは樋口、永井、坂本の3人が出場。23番滑走で樋口(14)。初出場。今季ジュニアGPファイナル3位、全日本ジュニア優勝。曲は「Beloved Czardas」。冒頭のダブルアクセルは全ジャッジが加点。フリップからの連続3回転は!マーク。スピン三つとステップはレベル4で、フライングスピン以外は全ジャッジが加点。後半、ステップからのルッツも全ジャッジが加点。勢いがあって気持ちがいいジャンプ。少し太ってきたか。149pとあるが背も伸びたようだ。技術点2番目の35.86、演技構成点7番目の25.41、合計61.27は自己ベスト更新で、この時点で1位、SP3位。
 30番滑走で坂本(14)。初出場。今季全日本ジュニア2位。曲は「黒い瞳」。冒頭フリップからの連続3回転は全ジャッジが加点。ステップからのルッツはeマーク。レイバックスピンとステップはレベル3だがステップは全ジャッジが加点。解説の岡部さんは「もう少し指先まで使い表現できるとよい。」後半、ダブルアクセルは全ジャッジが加点。あと二つのスビンはレベル4。技術点4番目の33.12、演技構成点6番目の25.6、合計58.72は自己ベスト更新でSP4位。
 33番滑走でトゥルシンバエワ(カザフスタン)。モスクワ生まれ。昨年11位。小柄で141p。2013年からカナダで練習。コーチはオーサー。曲は映画「サユリ」より。振付はD. ウィルソン。冒頭はサルコウからの連続3回転。ステップからのルッツはアンダーローテーション。スピン三つはレベル4。特に最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。後半のダブルアクセルは全ジャッジが加点。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。技術点7番目の30.7、演技構成点25.25、合計55.95でSP7位。

 35番滑走で全米シニア3位のチェン(米。15)。昨年9位。慎重147p。曲は「Requiem for a Tower」他。冒頭ループからの連続ジャンプの予定がステップアウトしたので第2が付かず要素を失う。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ステップからのルッツはアンダーローテーション。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。ステップはレベル3。レイバックスピンはレベル2だが全ジャッジが加点ほぼ2〜3。技術点25.95、演技構成点5番目の25.69、合計51.64でSP12位と出遅れ。
 36番滑走でソツコワ(露。14)。昨年怪我で辞退。初出場。154センチとあるがもっと背が伸びたようだ。今季ジュニアGPファイナル4位、国内ジュニア2位。曲は「四季」より「冬」。冒頭フリップからの連続3回転で転倒。足替えスピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。あと二つのスピンとステップはレベル4。うち最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。後半にダブルアクセルとステップからのルッツを跳んだが、ルッツはアンダーローテーション。技術点29.08、演技構成点4番目の25.87、転倒の減点1、合計53.95でSP10位と出遅れ。キスアンドクライでは泣きそうだった。
 37番滑走で永井(18)。初出場。今季ジュニアGPファイナル6位、全日本ジュニア3位、四大陸7位。曲は「エデンの東」。冒頭、トウループの連続3回転の予定が間にターンが二つ入り、第2が2回転に。ステップからのルッツは全ジャッジが加点。スピン二つはレベル3だが全ジャッジが加点。後半のダブルアクセルも全ジャッジが加点。ステップと最後の足替えスピンはレベル4、ステップは全ジャッジが加点。技術点30.68、演技構成点3番目の26.25、合計56.93でSP6位。

 39番滑走でラジコワ(スロバキア。19)。最高齢。生まれも育ちもアメリカ。一昨季30位。昨季ソチ五輪24位。今季国内シニア優勝、欧州選手権11位。曲は「ロミオとジュリエット」。冒頭でステップからのルッツ。連続ジャンプはループの3回転2回転。スピン三つとステップはレベル4。うちフライングスピンはほぼ全ジャッジが加点、ステップは全ジャッジが加点。後半でダブルアクセル成功。技術点5番目の32.89、演技構成点24.26、合計57.15は自己ベスト更新でSP5位。
 42番滑走で昨年2位のサハノビッチ(露。15)。今季ジュニアGPファイナル2位、国内ジュニア3位。曲は「My Sweet and Tender Beast」。冒頭フリップからの連続3回転は少し乱れた。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセル成功。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のレイバックスピンとフライングスピンはほぼ加点2〜3。ステップからのルッツは!マーク。技術点3番目の35.44、演技構成点2番目の27.65、合計63.09でSP2位。ここまで樋口が1位だった。
 最終滑走で、昨年ソツコワの代わりで3位のメドベデワ(露。15)。今季ジュニアGPファイナル優勝、国内ジュニアも優勝。曲は「シェルブールの雨傘」。ステップからのルッツ以外の要素に全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4。ジャンプは三つとも後半に入れた。ステップからのルッツは!マーク。とにかく一目で格が違う感じ。曲を理解して自ら観客に気持ちを届けたいという演技。技術点最高の39.5、演技構成点も最高の28.98、合計68.48は自己ベスト更新でSP1位。

 フリーには24人。ジュニアはシニアより30秒短く、コリオシークエンスがない。14番滑走でソツコワ。曲は映画「テイファニーで朝食を」より。冒頭で、SPでは転倒したフリップからの連続3回転成功。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、二つめのルッツから1回転をはさんだ3回転サルコウも成功。ダブルアクセルはほぼ全ジャッジが加点したがループは片手つき。終盤ダブルアクセルからの連続ジャンプも決める。フライングスピンはレベル3だがあと二つのスピンはレベル4。うち最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。ほぼノーミスで終わったとき感極まったのか両手に顔を埋めた。技術点5番目の63.49、演技構成点7番目の51.6、合計115.09でフリー5位、総合で5位。
 15番滑走でチェン。曲は「ゴッドファーザー」。冒頭はルッツからの連続3回転を決め、全ジャッジが加点。ソロのフリップも跳び分け、全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4。うち足替えスピンは全ジャッジが加点1〜3。後半、ダブルアクセル、ループとも全ジャッジが加点のできだったが、サルコウがダウングレードで転倒。ここまで良かったので残念。二つめのルッツからの連続ジャンプは成功、ほぼ全ジャッジが加点。しかし二つめのダブルアクセルでまた転倒。三つめの連続ジャンプも入らず。最後のレイバックスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点7番目の56.02、演技構成点6番目の51.64、転倒の減点2、合計105.66でフリー8位、総合で8位。
 17番滑走でトゥルシンバエワ。曲は「Papa Can You Hear Me?」。スピードとキレのあるステップがいい。冒頭のフリップは全ジャッジが加点。しかしルッツは!マーク。サルコウからの連続3回転は全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4。特に最期のフライングスピンは全ジャッジが加点。後半、二つめのサルコウからの3連続成功。ダブルアクセルから3回転トウは全ジャッジが加点。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。小柄だが体全体を使った切れ味がいい。技術点4番目の64.28、演技構成点も4番目の53.21、合計117.49は自己ベスト更新でフリー4位、総合173.44で4位。もっとうまくなりそう。

 最終グループ19番滑走で坂本。曲はチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」。振付には太田由希奈の名前も。冒頭、フリップからの連続3回転は全ジャッジが加点。続けてダブルアクセルから3回転2回転の3連続も全ジャッジが加点1。しかしループで転倒。二つのフライングスピンはレベル3。後半、サルコウは全ジャッジが加点。ルッツはeマーク。二つめのフリップからの連続ジャンプは成功。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半は動きが滑らかになり曲想表現もまあできていた。最後の足替えスピンはレベル4。技術点57.41、演技構成点51.12、転倒の減点1、合計107.53も自己ベスト更新でフリー6位、総合166.25で6位。初出場でこの成績は立派。
 20番滑走でサハノビッチ。曲はピアソラの「Oblivion」他。ほぼノーミス。冒頭のフリップからの連続3回転は全ジャッジが加点2〜3。ソロのフリップ、レベル4のスピン三つ、後半のサルコウから3回転2回転の3連続、ソロのループと全ジャッジが加点。特に終盤のレイバックスピンは加点1〜3。ダブルアクセルからの連続ジャンプも決めた。ルッツはeマーク。ほぽ全てのジャンプを片手上げで跳ぶ。技術点2番目タイの65.28、演技構成点2番目の57.78、合計123.06でフリー3位、総合で2位。ほっとした感じ。
 21番滑走で樋口。曲はガーシュウィンの「ピアノ協奏曲」。スピードにのった滑りでほぼノーミス。冒頭でルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点1〜3のでき。これでリズムに乗るとループ、サルコウと全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4。うちレイバックスピンと最後の足替えスピンはほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから3回転トウは高く、全ジャッジが加点。ルッツからの3連続も全ジャッジが加点。ソロのフリップもエッジ違反なく全ジャッジが加点。基礎点59.71に全体で9点以上の加点。技術点最高の69.5、演技構成点3番目の54.8、合計124.3も自己ベスト更新でフリー2位、総合185.57で3位。2位とはわずか0.6差。得点を見たときは笑顔だったが、順位を見ると不満顔に。

 22番滑走でメドベデワ。曲は「Tango Tschak」他。ほぼノーミス。初めに何もしないで滑っているだけで格が違う。冒頭のフリップからの連続3回転は全ジャッジが加点。ルッツはeマーク。スピンは三つともレベル4で終盤の二つは全ジャッジが加点。特に最期のレイバックスピンは加点1〜3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。後半、二つめのフリップは全ジャッジが加点。ループからの3連続成功。サルコウからの連続3回転 と二つのダブルアクセルも全ジャッジが加点。基礎点57.29に全体で約8点の加点。技術点2番目タイの65.28、演技構成点最高の59.21、合計124.49は自己ベスト更新でフリーも1位、総合で初優勝。
 23番滑走で永井。曲は「序曲とロンド・カプリチオーソ」。冒頭で連続3回転を予定したがルッツがパンク。1回転2回転に。しかし次をルッツからの連続3回転にして成功、全ジャッジが加点。これは四大陸の時と同じ失敗とリカバリー。小林アナが指摘すると、解説の岡部さんが「シニアでは、失敗は次に修正しないと。」と言う。フリップはeマーク。スピン二つはレベル4、うちレイバックスピンは全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。。後半、ダブルアクセルから3回転2回転の3連続成功、全ジャッジが加点。ソロのループはほぼ全ジャッジが加点。サルコウはアンダーローテーション。最後のフライングスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点54.15、演技構成点52.85、合計107.0でフリー7位、総合で7位。
 最終滑走でラジコワ。曲は「アンナ・カレーニナ」。前半はよかった。ルッツからの連続ジャンプ、ソロのトウループ、ループからの連続ジャンプと成功。フライングスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ステップもレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半、二つめのルッツがダウングレードで両足。ループはアンダーローテーションで転倒。ダブルアクセルからの連続ジャンプはアクセルが1回転に。次のアクセルも1回転。終盤のスピン二つはレベル3。転倒と1回転アクセル二つが痛い。技術点38.86、演技構成点48.76、転倒の減点1、合計86.62でフリー13位、総合で11位。

 <男子シングル>40人出場。日本からは宇野、山本、佐藤の3人が出場。19番滑走でトルガシェフ(米。13)。最年少。全米ジュニア優勝。曲は「パリの散歩道」。コーチはお父さんで、1987年世界ジュニアペアの銀メダリスト(ソ連)。冒頭のフリップからの連続3回転は!マーク。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル3だが終盤の二つのスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ステップからのルッツにも!マーク。ステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。くせのないシャープな滑りでこれから楽しみ。技術点35.81、演技構成点31.97、合計67.76は自己ベスト更新でSP10位。
 20番滑走で佐藤洸彬(ひろあき)(19)。盛岡出身、岩手大学。今季全日本10位。曲は「Ghali Alay」。アラビア風の衣装。冒頭のトリプルアクセルは変だったが下りた。フリップからの連続ジャンプは!マーク。足替えスピン二つはレベル4。ステップはレベル3。後半、ステップからのルッツにも!マーク。バランスも崩した。最後のフライングスピンはレベル2でスピードが遅かった。技術点31.22、演技構成点28.72 、合計59.94は自己ベスト更新でSP17位。
 26番滑走で山本(15)。今季ジュニアGPファイナル2位、全日本ジュニア2位。曲はラフマニノフの「ピアノ協奏曲」。初め少し硬かった。冒頭のトリプルアクセルはアンダーローテーション。よく下りた。スピン三つとステップはレベル4。うち二つの足替えスピンとステップは全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続3回転とステップからのルッツは成功。フリップからの連続3回転は壁際になり急ブレーキをかけたため加点とれず。解説の杉田さんは「シーズンが進むにつれ1歩の伸びが長くなったためだが、もったいない。」と言っていた。ルッツはほぼ全ジャッジが加点。技術点37.67、演技構成点32.32 、合計69.99はこの時点の1位でSP7位。

 35番滑走でピトキエフ(露。16)。今季はシニアのGPシリーズで6位2回。国内シニア3位。曲は「パガニーニの主題による狂詩曲」。冒頭のステップからのルッツは全ジャッジが加点1〜3。足替えスピンとステップはレベル4。うち一つめのスピンとステップは全ジャッジが加点。後半、きれいなトリプルアクセルを決め、全ジャッジが加点。ループからの連続3回転も成功。技術点42.91、演技構成点34.03、合計76.94は自己ベスト更新でSP2位。ミスはしなかったが、キレが少しなかった。キスアンドクライではあまり喜んでいなかった。
 36番滑走でサモヒン(イスラエル。16)。170pとあるがもっと高そう。今季欧州選手権10位。曲は「Still Loving You」。冒頭のトウループの連続3回転成功、全ジャッジが加点。トリプルアクセルもきめ、全ジャッジが加点。しかしステップからのルッツが1回転になり要素を失う。スピン二つはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点33.79、演技構成点33.21、合計72.65はそれでも自己ベスト更新でSP12位。
 37番滑走で宇野(17)。今季ジュニアGPファイナル優勝、全日本ジュニア優勝、全日本3位、四大陸5位。曲はベートーベンの「バイオリンソナタ第9番」。素晴らしかった。滑り出しただけでうっとりするような雰囲気がある。ルッツ以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のトリプルアクセルはイーグルから直ちに跳び、着氷も滑らか。加点ほぼ2〜3。スピン三つとステップはレベル4。特に終盤のステップと最後の足替えスピンは加点ほぼ2〜3。後半、ステップからのルッツが少し変だったが、フリップからの連続3回転はきれいに決めた。基礎点39.04に全体で7.77の加点。技術点最高の46.81、演技構成点も最高の38.06、合計84.87でSP1位。キスアンドクライで樋口コーチと得点を見て意外そうに喜んでいた。

 38番滑走でペトロフ(露。15)。曲は「El Conquistador」。今季ジュニアGPファイナル3位、国内ジュニア優勝。冒頭のトリプルアクセルはほぼ全ジャッジが加点。フリップからの連続3回転は!マーク。二つの足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ステップからのルッツも成功。フライングスピンとステップはレベル3で、ステップは全ジャッジが加点。技術点40.42、演技構成点34.86、合計75.28でSP3位。キスアンドクライではコーチからさかんに慰められていた。
 39番滑走でジン(中)。今季ジュニアGPファイナル4位。曲は「Tango Amore」。4回転を跳べるが、ジュニアのSPでは禁止。冒頭のトリプルアクセルはほぼ全ジャッジが加点。足替えスピン二つとステップはレベル4。うちステップと最後のスピンは全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続ジャンプ成功。ただ本来は連続3回転だったのではないか。ステップからのルッツも決める。技術点39.31、演技構成点33.54、合計72.85でSP5位。
 最終滑走でキム・ジンソ(韓国。18)。今季ジュニアGPシリーズ9位2回。四大陸15位。曲は「Beat For Beatniks」。冒頭のトリプルアクセルは全ジャッジが加点。ステップからのルッツも成功。後半、トウループの連続3回転成功、全ジャッジが加点。ステップとあと一つのスピンはレベル3。技術点41.28 、演技構成点33.15、合計74.43は自己ベスト更新でSP4位。

 フリーには24人。10番滑走で佐藤洸彬。曲は「Mibugishiden」。SPよりよかった。冒頭でトリプルアクセルなんとか成功。フリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。ルッツは!マーク。スピン二つとステップはレベル4。あまり加点されなかったがスピンはよかった。ただレベル3の足替えシットスピンは足替えの時ジャンプしたらトラベリングしてしまった。ステップは全ジャッジが加点。後半ソロのフリップはほぼ全ジャッジが加点。しかしループがダウングレードで両足。解説の杉田さんが「今は厳しくなり両足はマイナス3」と言う。ルッツからの連続ジャンプは決めたが、サルコウからの連続ジャンプは第2が1回転。剣を抜くような仕草から始まり、剣を収めて終わった。技術点59.44、演技構成点57.28 、合計116.72は自己ベスト更新でフリー14位、総合176.66で15位。
 15番滑走で昨年の3位、今季全米シニア8位、SP9位のチェン(米)。曲はショパンの「ピアノ協奏曲第1番」。冒頭で4回転両手付き。次のトリプルアクセルの予定を変えて再度4回転を跳び、なんとか2回転を付けた。シットスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ステップもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ルッツから2回転ループを二つの3連続も成功。フリップからの連続3回転は!マーク。技術点74.76、演技構成点69.22、合計でフリー4位、総合213.85で4位。
 16番滑走でトルガシェフ。曲は「アランフエス」。基礎の滑りがすばらしい。冒頭でルッツからの連続ジャンプ成功。ダブルアクセルから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続は全ジャッジが加点。しかしループがアンダーローテーションで転倒。足替えシットスピンはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。ステップは深いエッジでレベル4に全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続ジャンプも決める。スピン二つはレベル4、最後の足替えスピンは全ジャッジが加点。技術点64.96、演技構成点70.0、転倒の減点1、合計133.96は自己ベスト更新でフリー6位、総合201.74で10位。トリプルアクセルと4回転を覚えたら、ビョンチャン五輪でメダルかも。

 17番滑走で山本。曲は「ローレライ」。ほぼノーミスの演技。冒頭できれいなトリプルアクセルからの連続ジャンプ成功、ほぼ全ジャッジが加点。二つめのトリプルアクセルもきめる。フライングシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。ルッツからの連続3回転は!マーク。二つめのフライングスピンもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続は全ジャッジが加点。終盤のステップはレベル4で全ジャッジが加点。最後の足替えスピンもレベル4でほぼ全ジャッジが加点2。技術点79.44、演技構成点66.02、合計145.46は自己ベスト更新でフリー3位、総合215.45で3位。
 18番滑走でサモヒン。曲は「Once Upon a Time in Mexico」。4回転は跳んだがSPよりだいぶ悪かった。冒頭で4回転3回転なんとか決める。二つめの4回転は転倒。トリプルアクセルも雑で、後半のループで転倒。ルッツからの連続ジャンプ、サルコウからの3連続も跳んだがあらっぽかった。最後はステップで終わる珍しい構成で、レベル3だがほぼ全ジャッジが加点1〜3。技術点70.17、演技構成点67.22、転倒の減点2、合計135.39でフリー5位、総合202.39で8位。
 最終グループ19番滑走でジン。曲は「Dragon Racing」。4回転三回入れた。まず冒頭で4回転サルコウ成功、全ジャッジが加点。次の4回転トウループは片手つき。トリプルアクセルも決める。ステップはレベル3。後半、二つめの4回転トウループに2回転を付ける。ルッツからの連続3回転、フリップから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続も決める。二つの足替えスピンはレベル4。フライングスピンはレベル3。最後まで無表情。技術点は驚きの90.81、演技構成点66.04、合計156.85は自己ベスト更新でフリー1位、総合229.7で2位。

 22番滑走でピトキエフ。曲は「サラバンド」。冒頭の4回転で転倒。トリプルアクセルからの連続3回転は全ジャッジが加点。しかし二つめのトリプルアクセルの予定が1回転に。フライングスピンはレベル4。足替えスピン二つとステップはレベル3。後半、ルッツからの連続3回転成功。しかしサルコウからの3連続で第1が2回転に。技術点66.91、演技構成点67.86、転倒の減点1、合計133.77でフリー7位、総合210.71で5位。キスアンドクライでは泣きそうだった。
 23番滑走で宇野。曲は「ドンファン」。あまりよくなかった。杉田さんは「シニアとの掛け持ちで疲れている。四大陸から間がなかった。」と言う。冒頭の4回転のはずが3回転のダウングレード。次のトリプルアクセルは低かったが決めた。二つめのトリプルアクセルからの連続ジャンプは第1がアンダーローテーション。スピン二つとステップはさすがでレベル4。特にステップは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。最後のスピンも全ジャッジが加点2〜3。後半、ダブルアクセルから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続は低かったが成功。フライングスピンはレベル3。サルコウは全ジャッジが加点。フリップからの連続ジャンプも決める。技術点4番目の71.33、演技構成点最高の76.34、合計147.67でフリー2位、総合232.54で初優勝。
 最終滑走でペトロフ。曲はビバルディの「四季」ほか。冒頭でトリプルアクセルからの連続3回転成功。しかし二つめののトリプルアクセルで転倒。フリップから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続は決める。スピン二つとステップはレベル3、うちステップは全ジャッジが加点。後半、ルッツで二回目の転倒。ルッツからの連続ジャンプも第2が1回転に。足替えシットスピンはレベル2。技術点65.15、演技構成点67.8、転倒の減点2、合計130.95でフリー10位、総合206.23で6位。二回目の転倒が痛かった。ミーシンコーチは怒っていなかった。

 <アイスダンス>27組出場。ロシアとアメリカが3組ずつ、カナダ、フランス、イギリス、ウクライナから2組ずつ。スカパーの解説東野さんの説明でようやくパターンダンスのキーポイントがわかった。18番滑走でパーソンズ兄妹(米。17,19)。出場3回目、昨年8位。今季ジュニアGPシリーズ2位と3位。全米ジュニア2位。冒頭のステップはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。直線のリフト、ツイズルはレベル4で全ジャッジが加点。シルバーサンバのセクション1はレベル4で全ジャッジが加点、セクション2はレベル3。技術点31.13、演技構成点27.26、合計58.39でSD4位。パターンダンスは良かったが、演技構成点が伸びず。
 22番滑走でベント・マッケーン組(加。17,20)。出場3回目、昨年12位。今季ジュニアGPファイナル4位、国内シニア6位。曲は「Vida Loca」他。振付の一人にアッシャー・ヒル。引退したのか。冒頭のステップはサーキュラーステップ。ほぼ全ジャッジが加点。直線のリフト、シルバーサンバ、ツイズルと全てレベル4。リフトとシルバーサンバのセクション2は全ジャッジが加点。技術点32.42、演技構成点28.66、合計61.09は自己ベスト更新でSD2位。
 23番滑走でエドワーズ・パン組(加。18,20)。男性は中国系か。出場3回目、昨年銅メダル。今季ジュニアGPファイナル5位、国内シニア7位。コーチ、振付ともウイングとロウ。冒頭のシルバーサンバセクション1はレベル2だが全ジャッジが加点。ツイズルと直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。しかしステップとシルバーサンバセクション2がレベル1と取りこぼし。スピードが速い分見ていて楽しいがエッジは浅かったらしい。技術点23.97、演技構成点28.37、合計52.34でSD6位。

 25番滑走でナザロワ・ニキーチン組(ウクライナ。18,20)。出場3回目、昨年5位。シニアとかけもちのシーズン。今季ジュニアGPシリーズ4位と3位、国内シニア優勝、欧州選手権11位。コーチはズーリン。シルバーサンバは両セクションともレベル2だが冒頭のセクション2は全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。直線のリフトとツイズルはレベル4でリフトは全ジャッジが加点。東野さんは「かけもちは疲れるのだろうなと思う。」と言っていた。シニアと課題が違うパターンダンスの滑り込みが明らかに足りていないらしい。技術点26.95、演技構成点28.82、合計55.77でSD5位。
 26番滑走でマクナマラ・カーペンター組(米。16,19)。出場3回目、昨年4位。今季ジュニアGPシリーズ3位と2位、全米ジュニア優勝。曲は「アフリカン・サンバ」他。冒頭と最後にライオンの咆哮のような効果音、女性の衣装は豹柄。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイズルと直線のリフトはレベル4。リフトは加点1〜3。シルバーサンバは両セクションともレベル3。ステップはレベル2。技術点29.7、演技構成点29.4、合計59.1は自己ベスト更新でSD3位。
 最終滑走でジュニアGPファイナル優勝のヤノフスカヤ・モズコフ組(露。18,19)。女性はドバイ生まれ。出場3回目、昨年銀メダル。今季国内ジュニア優勝。ここも全要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイズルと直線のリフトはレベル4。リフトは加点1〜3。シルバーサンバは両セクションともレベル3。サーキュラーステップもレベル3。技術点31.79、演技構成点30.43、合計62.22でSD1位。余裕と貫禄があった。

 フリーには20組。12番滑走でエドワーズ・パン組。曲は「Beautiful that Way」他。ツイズルはよく合っていてレベル4に全ジャッジが加点ほぼ2。直線のリフトとスピンもレベル4で全ジャッジが加点。カーブのリフトもレベル4で全ジャッジが加点2。ステップ二つはレベル2。コリオスピンは全ジャッジが加点。技術点6番目の40.18、演技構成点5番目タイの42.6、合計82.78は自己ベスト更新でフリー4位、総合135.12で6位。
 16番滑走でパーソンズ兄妹。曲は「ノートルダム・ド・パリ」。SPよりよかった。スピン、直線のリフト、カーブのリフトはレ4で全ジャッジが加点。サーキュラーステップはレベル2だが全ジャッジが加点。ツイズルと対角線のステップはレベル3。対角線のステップと最後のコリオスピンは全ジャッジが加点。解説の東野さんは「女性が急に背が伸びて心配したがリフトもうまくできていた。」と言う。技術点7番目の39.95、演技構成点5番目タイの42.6、合計82.55でフリー5位、総合140.94は自己ベスト更新で4位。
 17番滑走でベント・マッケーン組。曲は「Once Upon a Time」。テレビのファンタジー番組の曲。スピードがあってよかった。冒頭のツイズルから直線のリフト、回転リフト、スピンとレベル4で全ジャッジが加点。サーキュラーステップはレベル3だが全ジャッジが加点。ところが最後の対角線のステップ冒頭での男性の転倒が痛かった。必死に起き上がり何とか50%以上滑りレベル1を確保。技術点37.54、演技構成点4番目の42.67、転倒の減点1、合計79.21でフリー8位、総合で5位。女性の顔は強ばっていたが、男性を慰めていた。
 18番滑走でヤノフスカヤ・モズコフ組。曲は「アルゼンチンタンゴ」。別格で大人っぽい。ツイズル以外の要素に全ジャッジが加点ステップ二つとツイズルはレベル3。ツイズルは女性が第2の4回転目で早く足が落ちた。リフト二つとスピンはレベル4。特に直線のリフトは女性の倒立のポーズでタンゴ風に片足を曲げていて、加点2〜3。最後は珍しくコリオリフトで加点1〜3。技術点最高の45.02、演技構成点はつなぎ以外8点台で最高の48.68、合計93.7は自己ベスト更新でフリーも1位、総合で初優勝。
 19番滑走でナザロワ・ニキーチン組。曲は「Tango Tchack」他。3曲目は「ツチャック」と繰り返す変な歌詞。振付はペチュコフ。男性は衣装を変えたのではないか。緑色のポケットがある。女性の衣装は手足には編み目模様、ボディには黒い薄物。ツイズルとスピン以外は全ジャッジが加点。特にカーブのリフトは男性が片足で女性が倒立、一瞬だがノーハンドになる難しいものでレベル4に加点2〜3。スピンは加点2。コリオスピンは加点ほぼ2〜3。直線のリフトは向かい合ってしゃがみ、女性が仰向けに水平になるこれまた難しいものでレベル4に加点1〜3。対角線のステップはレベル3。技術点2番目の43.98、演技構成点も2番目の46.33、合計90.31は自己ベスト更新でフリー2位、総合で3位。来季はシニアに上がるらしい。
 最終滑走でマクナマラ・カーペンター組。曲は「オペラ座の怪人」。登場場面から芝居している。全要素に全ジャッジが加点。サーキュラーステップとツイズルはレベル3。スピンと二つのリフトはレベル4。特にスピンと回転リフトは加点1〜3。対角線のステップはレベル2。全ての要素が流れるような一続きの演技の中に滑らかに組み込まれている感じ。技術点3番目の42.3、演技構成点も3番目の45.5、合計87.8は自己ベスト更新でフリー3位、総合146.9も自己ベスト更新で2位。

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フィギュアスケート (2015.3/20,21,22,28,4/4,5,26,27,29,)

ヨーロッパ選手権 (2015.1/26〜2/1 ストックホルム・スウェーデン)

 <男子シングル>30人出場。ロシアが3人、フランス、ドイツ、スペイン、イスラエルから2人ずつ。世界選手権のミニマムスコアはSP34。17番滑走の若いイスラエルのサモヒン(16)が、鮮やかに4回転3回転を決めて技術点2番目の42.08、合計72.65で8位に入る健闘。19番滑走でピトキエフ(露。16)。今季GPシリーズスケートアメリカとボンパール杯6位。国内は3位。曲はラフマニノフ「パガニーニの主題の狂詩曲」。冒頭の4回転で転倒。後半、トリプルアクセルとルッツからの連続3回転を決めた。一つめのスピンとステップはレベル3、あと二つのスピンはレベル4。技術点39.28、演技構成点、転倒の減点1、合計69.78でSP9位と出遅れ。
 24番滑走でアマディオ(仏。24)。2011年欧州王者。2012年銅、2013年銀とメダルは3色持っているが昨季は13位と苦しんだ。今季GPシリーズスケートカナダ6位、ボンパール杯11位。国内は3連覇。今季はコーチ、振付に元アイスダンスのブルザが付いた。曲は「Le Concert」。穏やかな曲調でよく踊れた。冒頭の4回転サルコウは片手つき。トリプルアクセルもなんとか決める。フライングスピンはレベル2。ステップはレベル3だがよく曲想と合っていて全ジャッジが加点。後半ルッツからの連続3回転も成功、ほぼ全ジャッジが加点。あと二つのスピンはレベル3と4。技術点38.09、演技構成点6番目の35.97、合計74.06でSP6位。
 25番滑走でヴォロノフ(露。27)。昨季欧州2位。今季GPシリーズロシア杯とNHK杯で2位、ファイナル3位。国内は2位。曲はサンサーンスの「Danse Macabre (死の舞踏)」。今季ここまで好調だったが、大きな要素で思わぬミス。冒頭の4回転3回転は、少し軸がぶれたのに第2ジャンプに3回転を付けられるのはすごい。全ジャッジが加点。レベル4のフライングスピン、レベル3のステップとも全ジャッジが加点。解説の岡部さんはステップについて「ボディムーブメントがないからレベル4にならない。」と言う。後半、トリプルアクセルのはずが何かが狂ってダブルアクセルに。ステップからのループは成功。最後二つのスピンもレベル4にほぼ全ジャッジが加点とまとめたが苦笑い。技術点4番目の41.53、演技構成点3番目の39.53、合計81.06でSP2位。

 26番滑走でコフトゥン(露。19)。今季GPシリーズ中国杯とボンパール杯で優勝、ファイナル4位。国内は連覇。曲は「ボレロ」。冒頭の4回転サルコウは回ったがステップアウトで両手つき。第2ジャンプが入らず要素を失う。続く4回転トウループもステップアウトで片手つき。トリプルアクセルはきれいにきめ、全ジャッジが加点。足替えシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ステップも曲想に合っていてレベル4。あと二つのスピンはレベル4と3。技術点6番目の40.27、演技構成点4番目の37.94、合計でSP4位。
 27番滑走でフェルナンデス(西。23)。今季GPシリーズスケートカナダ2位、ロシア杯優勝、ファイナル3位。国内は4連覇。曲は「ブラック・ベティ」。冒頭の4回転サルコウはかろうじて下りる。ルッツからの連続3回転もステップアウト。しかしスピードはものすごくある。フライングスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルをきれいに成功、全ジャッジが加点1〜3。あと二つのスピンとステップはレベル4で全ジャッジが加点。技術点最高の46.09、演技構成点も最高の43.15、合計89.24でSP1位。
 最終滑走でブレジナ(チェコ。24)。今季GPシリーズスケートカナダ7位、ロシア杯3位。国内は5年ぶりに優勝。曲は「Game of Thrones」。冒頭のトリプルアクセルはきれいで全ジャッジが加点1〜3。続く4回転サルコウも成功。足替えスピンとステップはレベル3だが、ステップはとてもよく動けていて全ジャッジが加点1〜3。しかし、連続ジャンプのフリップで転倒、第2が付かずに要素を失う。それでもあと二つのスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点3番目の41.64、演技構成点2番目の40.24、転倒の減点1、合計80.86でSP3位。

 フリーには24人。しかし前日の練習でSP24位のベゼギエ(仏)が怪我して棄権。13番滑走でピトキエフ。曲は「サラバンド」。冒頭の4回転はパンク。2回転でステップアウト。トリプルアクセルからの連続3回転とソロのトリプルアクセルは全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。もう一つのスピンとステップはレベル3。後半ルッツからの連続ジャンプで二つめの2回転トウループを跳ぶと、サルコウからの3連続では、トウループは1回転に変更。岡部さんは「4回転が失敗した場合のシュミレーションができている。」と言う。ループと二つめのルッツは全ジャッジが加点。ダブルアクセルはステップアウト。技術点5番目の74.23、演技構成点66.86、合計141.09でフリー6位、総合210.87で7位と盛り返したが悔しそう。この後は世界ジュニアへ。
 15番滑走でSP11位のリギーニ(伊)。曲はシナトラの「マイウェイ」他ボーカル入り3曲。冒頭のトリプルアクセルは全ジャッジが加点。4回転は転倒。フリップからの連続ジャンプは成功。フライングスピンだけレベル4。あと二つのスピンとステップはレベル3だが、ステップは全ジャッジがほぼ加点2。後半、ソロのルッツは全ジャッジが加点したが、ルッツからの3連続は第2がダウングレード、第3はアンダーローテーション。コリオシークエンスは芝居っけたっぷりに滑り、全ジャッジが加点1〜3。岡部さんは「ボーカルを表現するのはスケートの技術でやってほしい。」と言う。技術点6番目の72.08、演技構成点72.22、転倒の減点1、合計143.3でフリー5位、総合210.75で8位と挽回。
 19番滑走でフェルナンデス。曲は「セビリアの理髪師」。冒頭の4回転トウループは余裕たっぷりで全ジャッジが加点2〜3。続く4回転サルコウからの連続ジャンプの予定が3回転3回転に。トリプルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。スピンは三つともレベル4で内二つは全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。後半、もう一度4回転サルコウに挑戦したが転倒。フリップから1回転をはさみ2回転サルコウは第2がアンダーローテーション。ルッツからの連続ジャンプもルッツが2回転に。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。終わったときエネルギー切れのようで、挨拶がすむと無表情でキスアンドクライにすわっていた。技術点最高の85.11、演技構成点も最高の89.14、転倒の減点1、合計173.25でフリーも1位、総合262.49で3連覇。

 22番滑走でヴォロノフ。曲は「Come Together」他。まとめるのがうまい。さすがベテラン。冒頭の4回転3回転は、第1が両足。トリプルアクセルからの連続ジャンプは成功。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。このへんをとりこぼさない。後半、トリプルアクセルでステップアウト。サルコウはパンクして1回転に。しかしループからの3連続は決める。コリオシークエンスも音楽をよく表現していて全ジャッジが加点1〜3。岡部さんは「ボーカルはこういうふうに表現してほしい。」と言う。技術点4番目の75.13、演技構成点4番目の76.86、合計151.99でフリー3位、総合233.05で3位。
 23番滑走でコフトゥン。曲は「Exogenesis」。冒頭の4回転サルコウはアンダーローテーションで両手つき。4回転トウループは回ったが片手つき。トリプルアクセルはステップアウト。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセルからの連続ジャンプ、ルッツからの連続3回転成功。ここで得点を稼ぐ。ソロのルッツ、サルコウからの連続ジャンプ、ダブルアクセルと決め、技術点3番目の78.75、演技構成点3番目の78.72、合計157.47でフリー2位、総合235.68で2位。少し背が伸びたようだ。176pより高いのでは。
 最終滑走はまたブレジナ。曲は「フィガロの結婚」。4回転を三つ入れる構成。冒頭のトリプルアクセルは全ジャッジが加点2〜3。次は4回転トウループの予定が3回転で全ジャッジが加点。続けて4回転サルコウを跳んだが転倒。スピン三つとステップはレベル3だが、最後のスピン以外は全ジャッジが加点。後半二つめの4回転サルコウに挑戦、アンダーローテーションでまた転倒。基礎点10.5の1.1倍なのに、REP扱いと回転不足と転倒で2.7点しか入らない。さらに二つめのトリプルアクセルの予定が1回転からの連続ジャンプに。ルッツはステップアウト。ソロのループとフリップからの3連続は決める。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。SPで復活したかと思ったが、岡部さんも「クリーンなプログラムを見たい。」と言う。技術点62.25、演技構成点2番目の79.0、転倒の減点2、合計139.25でフリー7位、総合220.11で5位。

 <女子シングル>38人出場。ロシアとイタリアから3人ずつ。ただソトニコワ、コストナーはお休み。マルケイはペアに転向。スウェーデン、フランス、エストニアから2人ずつ。世界選手権のミニマムスコアはSP27以上。
 21番滑走でゲデバニシビリ(グルジア。25)。今季GPシリーズスケートアメリカ7位、NHK杯10位。曲は「Papa Can You Hear Me」。ルッツからの連続ジャンプは片手つき。ステップからのサルコウは転倒。ダブルアクセルは成功。スピン二つはレベル4で、うち足替えスピンは全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。レイバックスピンはレベル2。 技術点25.62、演技構成点24.58、転倒の減点1、合計49.2でSP19位と出遅れ。
 31番滑走で3年ぶりのコルピ(フィン。26)。右アキレス腱の手術で2年休み。今季はゴールデンスピン優勝。曲は「A Day In the Life」。冒頭のフリップからの連続ジャンプは成功。フライングシットスピンは全ジャッジが加点。レイバックスピンはレベル2。後半、ステップからのループはきれいに決めた。ステップは曲想に合っていて全ジャッジが加点1〜3。ダブルアクセルだけ片手つき。最後の足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。Jスポーツ解説の岡部さんは「出てきただけで空気が違う。」技術点6番目の31.17、演技構成点4番目の29.43、合計60.6でSP4位。

 最終グループ33番滑走でポゴリラヤ(露。16)。今季GPシリーズスケートカナダ優勝、ロシア杯2位、ファイナル4位。国内4位だが3位のメドベデワの年齢がシニアに達していないため出場。曲はイル・ディーボの「Adagio」。冒頭のルッツからの連続3回転成功、ほぼ全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル3。足替えスピンはレベル2だが全ジャッジが加点。ステップからのループ、ダブルアクセルも成功。ステップはレベル3で全ジャッジが加点2。レイバックスピンはレベル4に全ジャッジが加点2〜3。技術点3番目の35.54、演技構成点も3番目の30.56、合計66.1でSP3位。
 34番滑走でトゥクタミシェワ(露。18)。今季GPシリーズスケートアメリカ2位、中国杯優勝、ファイナルも優勝。国内は2位。これが8試合目で好調を維持。曲は「ボレロ」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭は完璧なトウループの連続3回転で加点2〜3。ステップからのルッツもきれいに成功。スピン二つがレベル4。ダブルアクセルは流れるように跳び、下りてからも直ちに次の動作に入り加点2〜3。ステップはメリハリがありレベル4に加点2〜3。最後の足替えスピンはレベル3。終わったときも余裕の笑顔。技術点2番目の36.68、演技構成点最高の32.34、合計69.02でSP2位。
 35番滑走で地元のヨシ・ヘルゲソン(21)。今季GPシリーズには出ていない。国内2位。曲はP.マッカートニーの「Black Bird」。冒頭のステップからのルッツはこらえた。トウループからの連続ジャンプは第2を2回転にしてきれいにまとめた。スピンは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルも全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点4番目31.35、演技構成点6番目の28.2、合計59.55は自己ベスト更新でSP6位。

 36番滑走でメイテ(仏。20)。曲はゴスペルの「Hosanna」。冒頭のトウループの連続3回転成功。ステップからのルッツは腰砕け気味。スピン二つはレベル4で、うちレイバックスピンは全ジャッジが加点1。ダブルアクセル成功。フライングスピンはレベル3。最後のステップはレベル2だが、ボーカル入りの曲調によく合っていた。技術点10番目の29.44、演技構成点7番目の26.4、合計55.84でSP7位。
 37番滑走でラジオノワ(露。16)。今季GPシリーズスケートアメリカとボンパール杯で優勝、ファイナル2位。国内優勝。なんだかだいぶ背が伸びたようだ。曲は「De mi vera te fuiste」他。冒頭でルッツからの連続3回転を決める。スピンは三つともレベル4。特に最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。後半、ステップからのループとダブルアクセルもなんなく成功、ほぼ全ジャッジが加点。技術点最高の38.44、演技構成点2番目の32.02、合計70.46は自己ベスト更新でSP1位。
 最終滑走でビクトリア・ヘルゲソン(スウェ。26)。今季GPシリーズスケートカナダ11位、中国杯7位。国内は8回目の優勝。曲は「This Woman's Work」。冒頭のトウループからの連続ジャンプはきれいに成功。カーステップからのループも決める。スピン三つとステップはていねいに滑り、レベル4。うち足替えスピンとステップは全ジャッジが加点。技術点5番目の31.34、演技構成点5番目の29.03、合計60.37は自己ベスト更新でSP5位。

 フリーには24人。SP4位のコルピが病気で棄権。12番滑走でクフヴァルスカ(ラトビア。15)。初出場。ほぼノーミスの出来。曲は「ロクサーヌのタンゴ」他。冒頭でフリップからの連続ジャンプ成功。ソロのルッツは片手つき。ダブルアクセルから3回転トウも成功、全ジャッジが加点。スピン三つはレベル4。後半、サルコウからの3連続も決める。コリオシークエンスは単純だったが、ステップはレベル3でずいぶん頑張っていた。なかなか今後が楽しみだ。技術点58.74、演技構成点56.67、合計107.09は自己ベスト大幅更新でフリー5位、総合156.37で7位。
 最終グループは5人。19番滑走でポゴリラヤ。曲は「火の鳥」。冒頭でルッツからの連続3回転成功、全ジャッジが加点。ループから1回転をはさむ3回転サルコウも決める。足替えスピンとステップはレベル3だが全ジャッジが加点。後半、フリップが!マークで片手つき。次のルッツも片手つき。フライングスピンは全ジャッジが加点。不本意な出岐だろう。技術点65.14、演技構成点60.57、合計125.71でフリー3位、総合191.81で3位。
 21番滑走でラジオノワ。ノーミスの出来。曲はラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」。冒頭でルッツからの連続3回転をすぱっと決める。ソロのフリップは全ジャッジが加点したが、ソロのルッツはほとんど加点なし。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のパールスピンは加点3。後半、ループから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続も決め、もう一つループからの連続ジャンプも成功。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。解説の岡部さんが「16歳でこんなに感情表現ができるのはすばらしい。」と言う。技術点2番目の71.86、演技構成点も2番目の67.22、合計139.08は自己ベスト更新でフリー2位、総合209.54で2位。

 22番滑走で地元のビクトリア・ヘルゲソン。曲は「サンセット・ブールヴァード」。この欧州選手権の成績で世界選手権の派遣選手が決まる。冒頭のループからダブルアクセルのシークエンスはよかった。しかしソロのサルコウはステップアウト、後半のトウループは転倒。たぶん、ここが二つめの連続ジャンプだった。ステップとスピン三つはレベル4で、ステップは全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。三つめの連続ジャンプは2回転サルコウから2回転トウループに。技術点48.93、演技構成点58.09、転倒の減点1、合計106.02は自己ベスト更新でフリー6位、総合166.39で5位。
 23番滑走でトゥクタミシェワ。会心の出来。曲は「Batwannis Beek」他。冒頭少し硬かったが、ルッツからの3連続、ソロのルッツ、ソロのフリップと立て続けに決める。三つとも全ジャッジが加点、特にソロのルッツは加点2〜3。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。後半、トウループの連続3回転成功、全ジャッジが加点1〜3。サルコウからダブルアクセルのシークエンスも決める。サルコウを少しこらえたがさすが。ステップとコリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。最後のスピンも全ジャッジが加点2。技術点最高の73.15、演技構成点も最高の68.23、合計141.38は自己ベスト更新でフリー1位、総合210.4で逆転優勝。
 最終滑走でヨシ・ヘルゲソン。曲は「スノウ・ホワイト」。冒頭、ルッツからの連続ジャンプ成功。足替えスピンは単純だがレベル4で全ジャッジが加点。ルッツで両手つき。後半、トウループからの連続ジャンプは決めたが、サルコウからダブルアクセルのシークエンスではサルコウが1回転に。あと二つのスピンはレベル4、ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。技術点52.85、演技構成点56.67、合計109.52は自己ベスト更新でフリー4位、総合169.07で4位。

 <ペア>14組出場(Jスポーツの放送は10組)。ソチ五輪金メダルのボロソジャー・トランコフ組は男性の怪我で欠場。治れば世界選手権には出るらしい。アメリカでコーフリンと組んでいたヤンコウスカスがイギリスから出場。5番滑走でマルケイ・ホタレック組(伊。28,31)。今季5月に組換え。もうびっくり。小さい大会に二つ出て3位と2位。国内は優勝。曲は「マラゲーニャ」。冒頭のソロジャンプはサルコウでタイミングも合い、ほぼ全ジャッジが加点。スローも3回転フリップで成功。ツイストは2回転。スピン、リフト、ステップはレベル4で、リフトとステップは全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3だが全ジャッジが加点。マルケイがペア初めてとは思えない。技術点4番目の30.72、演技構成点5番目の27.23、合計57.95でSP4位。
 8番滑走でタラソワ・モロゾフ組(露。20,22)。男性はドイツ出身。今季シニアデビュー。コーチの一人に引退したばかりのゾルコビー。GPシリーズスケートカナダ3位、ロシア杯2位。国内は2位。曲は「サラバンド組曲」。冒頭のツイストは高く、完全に空中でキャッチし、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプで女性が2回転に。スローループでも両足。デススパイラル、リフト、スピンはレベル4で、デススパイラルとリフトは全ジャッジが加点。ステップはレベル2。技術点6番目の28.93、演技構成点4番目の28.2、合計57.13でSP5位。女性は浮かない顔。
 最終グループ10番滑走でファルトマン・ヴァンクリーブ組(独。26,27)。女性の母が日本人。今季はコーチを変更。引退したばかりのウエンデ夫妻。GPシリーズスケートカナダ8位、NHK杯5位。国内で初優勝。曲は「ペテルブルクの秘密」よりワルツ。冒頭のツイストは落とし気味でレベルB。ソロジャンプはトウループで男性がステップアウト。スローサルコウはほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3。スピン、ステップ、リフトはレベル4で、リフトは全ジャッジが加点。解説の岡部さんは「コーチを変えたせいか、優勝したのが自信になったのか上手になった。」と言う。技術点29.3、演技構成点25.06、合計54.36でSP6位。
 11番滑走でジェイムズ・シプレ組(仏。27,23)。今季は夏に拠点をモスクワに移したがうまくいかず、秋に元のコーチに戻ってプログラムも作り直したらしい。GPシリーズスケートカナダとボンパール杯で5位。国内は3連覇。曲は「ロクサーヌのタンゴ」に変更。ツイストはレベル2。ソロジャンプはよく合っていて全ジャッジが加点。スローフリップも成功。リフトはレベル4で全ジャッジが加点。スピンとデススパイラルはレベル3。ステップはレベル2。技術点3番目の31.39、演技構成点も3番目の28.74、合計60.13でSP3位。
 13番滑走で川口・スミルノフ組(露。33,30)。今季GPシリーズスケートアメリカ優勝、NHK杯2位、ファイナル6位。曲は「タイスの交響曲」。冒頭のソロジャンプはトウループでよく合っており全ジャッジが加点。不得意なツイストもかなりよくてレベル3に全ジャッジが加点。スローループはすばらしく全ジャッジが加点2〜3。リフトとステップはレベル4で全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3だが、全ジャッジが加点。最後のスピンは珍しく少しずれ、レベル3。技術点2番目の36.42、演技構成点も2番目の33.44、合計69.86でSP2位。久々にキスアンドクライで川口の笑顔。
 最終滑走でストルボワ・クリモフ組(露。22,24)。今季GPシリーズロシア杯とボンパール杯で優勝、ファイナル2位。国内2連覇。曲は中国映画より「House of Flying Daggers」他。ツイストとステップ以外の要素は全ジャッジが加点。冒頭のツイストはレベル2。ソロジャンプは加点1〜3。スローはルッツ。リフト、デススパイラル、スピン、ステップ全てレベル4。技術点最高の36.76、演技構成点も最高の34.62、合計71.38でSP1位。

 フリー。7番滑走でファルトマン・ヴァンクリーブ組。曲は「アランフエス協奏曲」。冒頭のツイストはレベル1。連続ジャンプは男性が第1で転倒、女性も第2で転倒。その上、スローフリップでも転倒。デススパイラルはレベル3。ソロジャンプは男性は3回転サルコウを跳んだが女性が1回転に。スピン二つとリフト三つはレベル4。二つめのスローサルコウは成功、全ジャッジが加点。ジャンプの失敗が大きく響いた。技術点53.32、演技構成点50.59、転倒の減点3、合計100.91はそれでも今季最高でフリー7位、総合で7位。
 9番滑走でタラソワ・モロゾフ組。曲は「Hello」。ほぼノーミスの演技。冒頭のツイストは高く、レベル4で全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプも全ジャッジが加点。続けてトウループからの連続ジャンプも成功。リフト二つ、デススパイラル、フライングスピンはレベル4、スピン以外は全ジャッジが加点。一つめのスローループはこらえたが、二つめのスローサルコウは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。最後のリフトは上での回転が少なくて下りてしまいレベル1で0〜-3。それでも大きなミスはなく、笑顔で終える。技術点2番目の64.08、演技構成点3番目の61.81、合計125.89でフリー3位、総合で3位。
 最終グループ11番滑走でジェイムズ・シプレ組。曲は「天使と悪魔」他。冒頭のツイストはレベル2で少し落とし気味。トウループからの3連続は成功。ソロジャンプは女性が2回転に。デススパイラルとスピン二つはレベル3。最初のリフトのタイミングが合わずに上がらず、無得点。これが痛かった。スローフリップは全ジャッジが加点。スローサルコウも成功。最後の二つのリフトはレベル4。技術点50.2、演技構成点56.96、合計107.16でフリー6位、総合で5位。SP3位でメダルも見えただけに、キスアンドクライでは、男性がずっと下を向いていた。

 12番滑走でストルボワ・クリモフ組。曲は「ノートルダム・ド・パリ」より。冒頭のツイストは全ジャッジが加点。スロールッツはステップアウトで片手つき。トウループからの3連続は全ジャッジが加点2〜3。リフト三つとデススパイラル、フライングスピンはレベル4。特にフライングスピンは全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。ソロジャンプのダブルアクセルは全ジャッジが加点2。ペアスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。しかし最後の何もないところで男性が転倒、最後の要素のスロージャンプが入らず。信じられないような失敗。女性は終わった後、怒った顔で、ずっと男性と離れていた。技術点3番目の61.38、演技構成点2番目の69.35、転倒の減点1、合計129.73でフリー2位、総合で2位。表彰台でも険しい顔だった。
 13番滑走でマルケイ・ホタレック組。曲は「道」。女性は縞模様の上半身。冒頭のソロジャンプはルッツ成功。ほぼ全ジャッジが加点。続けてスローフリップも決める。ツイストはレベル2だが全ジャッジが加点。リフト二つ、スピン二つがレベル4。一つめのリフトは全ジャッジが加点。連続ジャンプは、第1で女性が2回転、第2で男性が1回転。二つめのスローサルコウは素晴らしく、全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル2。終わったとき、満面の笑み。技術点58.13、演技構成点59.31、合計117.44は自己ベスト更新でフリー4位、総合175.39で4位。組み替えたばかりでこの成績は立派。
 最終滑走で川口・スミルノフ組。曲は「マンフィールド交響曲」。冒頭のトウループのシークエンスは成功。ほぼ全ジャッジが加点。ソロジャンプのダブルアクセルも決め、全ジャッジが加点1〜3。スロー4回転サルコウはさらっと決める。フライングスピン、リフト二つはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスは男性の上げた片足の上に女性がよこたわって片足を上げる独特の姿勢で全ジャッジが加点2〜3。ツイスト、デススパイラル、最後のペアスピンはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点0〜3。二つめのスローループも成功。三つめのリフトで珍しいミス。姿勢を変えるとき、手を肩に付けず、男性の肩で支える形になってしまい、レベル2。終わったとき、川口は固い顔。しかし順位を見ると、片手でガッツポーズし、笑顔に。技術点最高の67.69、演技構成点も最高の70.12、合計137.81でフリー1位、総合で逆転優勝。優勝は2010年に続き二回目。

 <アイスダンス>30組エントリー、1組欠場で29組出場。11番滑走で小松原・ファブリ組(伊。22,22)。今季組替え。国内3位で出場権。男性は兄もアイスダンサー。コーチは2001年世界王者のフーザルポリ。曲は「Dancers of the Night」他。冒頭のツイズルはレベル4。ステップはレベル2。Jスポーツ解説の滝野さんは「難しいステップを踏むことに集中している。」と言う。無表情になっている。パソドブレはレベル1、PStはレベル2。最後の回転リフトに入る所で男性がバランスをくずし、女性もまきこんで転倒。何とか無理矢理リフトしてレベル1は確保。しかし、技術点22.63、演技構成点22.2、転倒の減点2、合計42.83でSD23位。フリーに進めず。キスアンドクライで男性は頭を抱えていた。
 15番滑走でイリニフ・ジガンシン組(露。20,22)。今季GPシリーズ中国杯4位、ロシア杯2位、ファイナル6位。国内優勝。曲は「カルメン組曲」より。リフト以外の要素に全ジャッジが加点。ステップはレベル3。ツイズルとパターンダンス、リフトはレベル4。特にツイズルは加点ほぼ2〜3。技術点最高の36.08、演技構成点2番目の33.86、合計69.94でSD2位。
 21番滑走でウルタド・ディアス組(西。22,24)。今季GPシリーズスケートカナダ8位、ボンパール杯4位。曲は「Tercio de Quites」他。振付はD. ウィルソン、A. ナハーロ他。個性的な振付。女性が人さし指で牛の角のような形を作る。冒頭の直線のリフトは全ジャッジが加点1〜3。女性の片足を男性が引っ張る印象的な形。パソドブレはレベル4で全ジャッジが加点、PStはレベル3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。ツイズルもレベル4。今季初めよりずいぶんレベルがとれるようになった。技術点33.04、演技構成点29.55、合計62.59は自己ベスト更新でSD5位。

 22番滑走でモンコ・ハリャービン組(露。22,24)。今季GPシリーズスケートカナダ4位、NHK杯2位。国内2位。曲は「Festiva de Exitos」他。冒頭のツイズルはレベル3で減点気味。パソドブレはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点、PStはレベル3。ステップはレベル3、回転リフトはレベル4だが姿勢が安定するのに時間がかかった。技術点28.14、演技構成点5番目の30.93、リフトの時間超過の減点1、合計58.34でSD11位。
 25番滑走でステファノワ・ブキン組(露。19,21)。今季GPシリーズスケートアメリカ3位、ロシア杯5位。国内3位。曲は「Espana Cani」。ツイズル以外の要素に全ジャッジが加点。特に冒頭の直線のリフトはレベル4加点2〜3。ツイズルもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。第1ツイズルはすわった難しい姿勢。パターンダンスは両セクションともレベル3。ステップもレベル3。技術点6番目の33.29、演技構成点4番目の31.66、合計64.95は自己ベスト更新でSD4位。
 26番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組(伊。27,29)。昨年優勝。今季GPシリーズ中国杯3位。国内4連覇。曲は「Capriccio Espagnol」。解説の滝野さんは「男性の衣装がシンプルなのがいい。」と言う。確かに他の組は派手な闘牛士風が多い。女性のスカートも段重ねが素敵。全要素に全ジャッジが加点。ステップだけレベル3で他の要素はレベル4。冒頭のツイズルはぴったりで、加点1〜3。最後の回転リフトも加点1〜3。技術点3番目の35.87、演技構成点も3番目の33.76、合計69.63でSD3位。

 27番滑走でギナール・ファブリ組(伊。25,26)。今季GPシリーズスケートアメリカ6位、ボンパール杯5位。国内5年連続2位。コーチはフーザルポリとシュピルバンド。曲は「Farrucas」他。回転リフト以外の要素は全ジャッジが加点。ツイズルはレベル4。ステップはレベル2。パソドブレはレベル4だが、PStはレベル1。確かPStの始まりの位置かキーポイントの位置が違っていたような。回転リフトはレベル4で、ほぼ全ジャッジが加点0〜3。技術点8番目の31.24、演技構成点6番目の30.86、合計62.1でSD7位。
 28番滑走でパパダキス・シゼロン組(仏。19,20)。昨年15位。今季GPシリーズ中国杯とボンパール杯で優勝、ファイナル3位。国内初優勝。曲は「Escobilla」。とにかく速い。それでいてエッジは深い。解説の滝野さんも「別次元」。全要素に全ジャッジが加点。パソドブレはレベル4、PStはレベル3。直線のリフトとツイズルはレベル4で加点2〜3。ステップはレベル3だが加点1〜3。技術点2番目の35.95、演技構成点最高の35.11、合計71.06でSD1位。「あまりにも急に上手くなった。」と滝野さん驚愕。
 最終滑走でジガンシナ・ガージ組(独。27,30)。今季GPシリーズスケートカナダ5位、NHK杯4位。国内5連覇。今季の世界選手権で引退かも、とのこと。曲は「La Maza」他。振付はランビエール。振付もだが衣装も個性的。女性はシンプルなピンクのTシャツ風、男性はただのランニングシャツのよう。ツイズルとパソドブレ、最後の回転レフトはレベル4。回転リフトは全ジャッジが加点。PStはレベル2、ステップはレベル3。技術点9番目の31.13、演技構成点7番目の30.85、合計61.98でSD8位。

 フリーには上位20組が進むが、クームズ・バックランド組(英)が男性の病気で棄権。6番滑走でモンコ・ハリャービン組。曲は「サラバンド」。サーキュラーステップはレベル2だが全ジャッジが加点。ツイズル、コンビリフト、スピン、直線のリフトはレベル4。リフトはいずれも全ジャッジが加点。技術点44.48、演技構成点46.47、合計90.95でフリー6位、総合149.29で10位。
 12番滑走でウルタド・ディアス組。曲はシルクドソレイユの「Meditation」他。冒頭の回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。ステップ二つはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。直線のリフト、ツイズル、スピン、カーブのリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。特にスピンは加点ほぼ2〜3。コリオスピンも全ジャッジが加点。GOEにマイナスなし。技術点48.95、演技構成点45.27、リフトの時間超過の減点1、合計93.22は自己ベスト更新でフリー4位、総合155.81で5位。解説の滝野さんは「着実に上手くなっている。」
 13番滑走でギナール・ファブリ組。曲はアイリッシュの「ロード・オブ・ザ・ダンス」他。とにかく速い。二つのステップ以外はレベル4。冒頭のカーブのリフト、ツイズル、直線のリフト、最後の回転リフトは全ジャッジが加点1〜3。直線のステップはレベル2だが全ジャッジが加点。ノーミスで終え、リンクサイドのコーチがガッツポーズ。滝野さんは「スローパートがもうひとつ。」と言う。技術点46.47、演技構成点46.04、合計92.51でフリー5位、総合154.61で6位。
 15番滑走でジガンシナ・ガージ組。曲は現代風「ブラックスワン」。振付はこれもランビエール。解説の滝野さんは「男性の衣装に襟がついてよくなった。」と言う。二つのステップ以外はレベル4。ツイズルはレベル4だが相変わらず男性が変。直線のリフトは全ジャッジが加点。個性を生かしたプログラムだが好き嫌いが出る。全体にスピード不足。特にスピンが遅い。技術点45.72、演技構成点44.87、合計90.59でフリー7位、総合152.57で7位。
 最終グループ16番滑走でイリニフ・ジガンシン組。曲は「アントニーとクレオパトラ」他。二つのステップとミスしたリフト以外はレベル4。特に冒頭の回転リフトは全ジャッジが加点2〜3。サーキュラーステップもレベル3で全ジャッジが加点。ツイズルは少しずれた。二つめのリフトで、男性の左脚に乗ろうとした女性の靴が滑って上がれず無得点。この後勢いが落ち、要素でないところで男性がスタンブル。終盤カーブのリフトは全ジャッジが加点。リフトの失敗とスタンブルが響いた。技術点41.9、演技構成点47.99、合計89.89でフリー8位、総合159.83で4位。まさかの表彰台落ち。
 17番滑走でパパダキス・シゼロン組。曲はモーツァルトの「協奏曲23番」。振付はデュブレイユコーチ。全要素に全ジャッジが加点。二つのステップ以外はレベル4。直線のリフト、ツイズル、スピン、回転リフト、最後のコリオスピンは加点2〜3。対角線のステップとカーブのリフトは加点2。「全ての動きが1本の戦でつながっているよう。」と滝野さん。しかも音楽にぴったり合っている。技術点最高の53.81、演技構成点も三つの要素で9点台で最高の55.1、合計108.91でフリー1位、総合179.97で逆転優勝。

 18番滑走でステファノワ・ブキン組。曲は「エリナー・リグビー」。二つのステップ以外はレベル4。すわった姿勢のツイズルがすごい。サーキュラーステップ以外の要素で全ジャッジが加点。特に冒頭のスピンと回転リフトは加点2〜3。女性の長い足がピンと伸びているのが美しい。ツイズルも加点1〜3。全体に速くて音楽によく合っている。技術点47.3、演技構成点は全ての要素が8点台前半で49.7、合計96.0も自己ベスト更新でフリー3位、総合160.95で逆転3位。
 19番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組。曲はサンサーンスの「死の舞踏」。二つのステップ以外はレベル4。対角線のステップ以外の要素で全ジャッジが加点。特に冒頭のツイズルはよく合っていて加点2〜3。最後の回転リフトとコリオスピンはつながっていて、いずれも加点1〜3。しかし、現世界王者にして欧州連覇をねらうにはスピードや何かが物足りない。技術点2番目の50.5、演技構成点も2番目の51.39、合計101.89でフリー2位、総合171.52で2位。
 最終滑走でSD5位のテスタ・ソリー(スロバキア)。スロバキアの組が最終グループで滑るのは初めてらしい。女性はイタリア出身。曲は「Enter the Circus」他。男性の衣装は市松模様で道化師風。女性の衣装の早変わりもあり、印象的。ステップ二つはレベル3。カーブのリフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ツイズルもレベル4で全ジャッジが加点。スピンもレベル4。コリオスピンはほぼ全ジャッジが加点。最後の回転リフトも全ジャッジが加点。技術点45.13、演技構成点43.53、合計87.66は自己ベスト更新でフリー10位、総合150.57で8位。
 エキシビションで、ウルタド・ディアス組が本番のSDさながらの演技だが、女性の衣装がパンツからスカートへの早変わりあり。ヘルゲソン姉妹の決闘形式の技の比べ合いはおかしかった。


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フィギュアスケート (2015.5/30,6/1,6,7,8,13,20,26,27,7/12)

世界選手権 ペア、アイスダンス (2015.3/23〜3/29 上海・中国)

 <ペア>19組出場。日本からは高橋・木原組出場。ソチ五輪の金銀ペアは欠場。1番滑走でイリシェチキナ・モスコビッチ組(加。23,30)。曲は「Feeling Good」。冒頭のソロジャンプのサルコウで男性が両手つき。ツイストは3回転でレベル1にほぼ全ジャッジが加点。スローはルッツ。デススパイラルはレベル3で全ジャッジが加点。しゃがんだ姿勢からのリフトはレベル4で全ジャッジが加点。スピンとステップもレベル4。スピンは少しずれたが、ステップはほぼ全ジャッジが加点。技術点31.38、演技構成点28.94、合計60.32は自己ベスト更新でSP11位。
 6番滑走でマルケイ・ホタレック組(伊。28,31)。曲は「マラゲーニャ」。冒頭のサルコウのソロジャンプはなんとか成功。スローはフリップ。ツイストは2回転でレベル1。スピン、リフト、デススパイラル、ステップはレベル4。うちスピンとリフトはほぼ全ジャッジが加点。最後のステップは全ジャッジが加点1〜3で、盛り上げて終わった。技術点31.78、演技構成点28.78、合計60.56は自己ベスト更新でSP9位。
 7番滑走で高橋・木原組(23,22)。曲は「ボサノバ・ベイビー」。冒頭のサルコウのソロジャンプで高橋が転倒。今季はとうとう一度も立てなかったのではないか。ツイストは3回転に挑戦したが、抱えぎみで-1〜-3。リフトはレベル3。スローサルコウはわずかに傾いたためフリーレッグがタッチ。スピンとステップはレベル4。デススパイラルはレベル2。技術点最低の23.68、演技構成点も最低の21.86、転倒の減点1、合計44.54でSP19位。最下位でフリーに進めず。これが見納めとなるとは。

 12番滑走でタラソワ・モロゾフ組(露。20,22)。曲は「サラバンド組曲」。スピン以外の要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイストはすばらしく高くレベル4に加点ほぼ2〜3。ソロジャンプのタイミングもピッタリ。スローループは加点1〜3。デススパイラルとスピンはレベル4。リフトとステップはレベル3。どんどんうまくなっている。技術点5番目の36.49、演技構成点6番目の31.22、合計67.71は自己ベスト更新でSP6位。
 13番滑走で川口・スミルノフ組(露。33,30)。一昨季6位。今季GPファイナル6位、国内3位、欧州選手権優勝。曲は「タイスの交響曲」より。冒頭のトウループは心配だったが、よく合っていて全ジャッジが加点。ツイストは珍しくレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。スローループも全ジャッジが加点2〜3。リフト、ステップ、デススパイラルはレベル4で、リフトとステップは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。最後のスピンは足替えで少しずれレベル3。技術点3番目の36.9、演技構成点3番目の34.69、合計71.59でSP4位。解説の岡部さんは「この年齢でトップのレベルを保っているのはすごいこと。」と言う。
 15番滑走でスイ・ハン組(中。19,21)。昨季6位。今季GPファイナル3位、四大陸4位。曲は「Stray Cat Strut」。初めてロカビリー調の曲に挑戦。スピン以外の要素に全ジャッジが加点。初めからスピードがあり、冒頭のソロジャンプはトウループで加点1〜3。スローフリップは加点1〜3。ツイストとステップはレベル4で、ツイストは加点ほぼ2〜3。リフトだけレベル3で加点ほぼ2。スピンとデススパイラルはレベル4。技術点2番目の38.89、演技構成点5番目の32.74、合計71.63でSP3位。

 16番滑走でペン・ジャン組(中。17、30)。昨季5位。今季GPファイナル4位、四大陸2位。曲は「くるみ割り人形」よりアラビアの踊り。冒頭のソロジャンプはトウループでほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル4で全ジャッジが加点2。ステップとツイストはレベル3。ステップはほぼ全ジャッジが加点1〜3。男性がすごく音楽表現できるようになった。ツイストは高く全ジャッジが加点2〜3。リフトとスピンはレベル4で、リフトは全ジャッジが加点。スピンは少しずれた。技術点6番目の36.41、演技構成点4番目の33.26 、合計69.67でSP5位。
 18番滑走でパン・トン組(中。35,35)。この大会で本当に引退。曲は四大陸の時から変えて「Moonflower」。変更の理由は、夏からタンゴを習ったが十分に上達しなかったので、得意な分野に戻したとのこと。冒頭のソロジャンプはトウループでほぼ全ジャッジが加点。ツイストはレベル3で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。スローループは全ジャッジが加点2〜3。デススパイラルとステップはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。リフトとスピンはレベル3で、リフトは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。とてもひと月で仕上げたとは思えない出来映え。声援もすごかった。技術点4番目の36.68、演技構成点最高の35.91、合計72.59でSP2位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。29,30)。昨季3位。今季GPファイナル優勝、国内4連覇、四大陸優勝。今季は負けなし。曲は「Un peu plus haut」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイストはレベル3で加点2〜3。ソロジャンプのルッツも決まる。スローもルッツで成功。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルと全てレベル4で、スピンは加点2〜3、リフトとデススパイラルは加点ほぼ2〜3。技術点最高の41.27、演技構成点2番目の35.71、合計76.98でSP1位。このままフリーもノーミスならゆうゆうと優勝か。

 フリーには16組。5番滑走でセガン・ビロドー組(加。18,20)。世界ジュニア銀メダル。曲は「Wallflower」他。冒頭のソロジャンプはサルコウで全ジャッジが加点。ツイストは少しもたれてレベル2。リフト三つとソロスピンはレベル4。うちリフト二つとスピンは全ジャッジが加点。デススパイラルと最後のペアスピンはレベル3。後半に連続ジャンプとスロージャンプ二つを入れて全て成功。二つめのスロートウループは全ジャッジが加点。ほぼノーミスで嬉しそう。技術点60.01、演技構成点57.49、合計117.5は自己ベスト更新でフリー10位、総合178.03で8位。初出場で入賞は立派。すくすくいってほしい。
 7番滑走でマルケイ・ホタレック組。曲は「道」。痛恨のリフト失敗。冒頭のソロジャンプはルッツで、男性が少しこらえたが成功。男性はルッツを跳んだのは「13年ぶり」らしい。スローフリップも少しこらえたがほぼ全ジャッジが加点。ツイストは2回転でレベル1。リフト二つとソロスピンはレベル4。うちリフト二つは全ジャッジが加点。サルコウからの3連続も決めた。二つめのスローサルコウは全ジャッジが加点。しかし三つめのリフトが上がらず、無得点。デススパイラルはレベル2。最後のペアスピンはレベル3で全ジャッジが加点。技術点54.46、演技構成点57.53、合計111.99でフリー11位、総合で11位。男性は終わった直後とキスアンドクライでもうつむいていた。
 10番滑走でシメカ・クニエリム組(米。23,27)。一昨季9位。今季全米初優勝。曲は「パリのアメリカ人」。冒頭の4回転ツイストは見事。ほぼ全ジャッジが加点。少しキャッチがギリギリ。ソロジャンプで女性が片手つき。連続ジャンプでは男性が第1ジャンプが1回転に。リフト三つとスピン二つはレベル4。リフト三つとペアスピンは全ジャッジが加点。スローループは片手つき。スローフリップの方はこらえた。コリオシークエンスでは男性のスパイラルで伸ばした足の上に女性が横たわる姿勢も見せ、全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル2。技術点7番目の61.62、演技構成点も7番目の58.63、合計120.25でフリー7位、総合で7位。

 11番滑走でタラソワ・モロゾフ組。曲は「ハロー」。振付の一人がトランコフ。冒頭のツイストは高く、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプ、連続ジャンプもぴったりで全ジャッジが加点。リフト二つとスピン二つはレベル4。うち一つめのリフトとペアスピンは全ジャッジが加点。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点、うち二つめのスローサルコウは加点ほぼ3。デススパイラルとリフト一つがレベル3。解説の岡部さんは「技術的にはすばらしい。一つだけ注文すれば、単調で盛り上がりに欠ける。」技術点4番目の67.73、演技構成点6番目の63.02、合計130.75は自己ベスト更新でこの時点で1位、フリー5位、総合198.46で6位は立派。
 12番滑走でペン・ジャン組。曲は「Allegretto from Piano Trio」。不協和音の多い現代音楽で、振付はローリ・ニコル。冒頭で4回転ツイスト成功、全ジャッジが加点ほぼ2〜3。余裕があり、もう半回転くらいいけそう。ソロジャンプのダブルアクセルで女性がステップアウト。しかし次の連続ジャンプはよく合っていて全ジャッジが加点。スピン二つとリフト三つ、デススパイラルと全てレベル4。うちソロスピン以外は全ジャッジが加点。スロージャンプは二つともすばらしく全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。変な曲だがシーズン最後には見事に表現した。女性が自信をつけ、一年で格段にうまくなった。技術点3番目の70.67、演技構成点5番目の66.29、合計136.96は自己ベスト更新でフリー4位、総合206.63で4位。
 最終グループ13番滑走で川口・スミルノフ組。曲はチャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」。冒頭の連続ジャンプで川口が片手つき。ダブルアクセルのソロジャンプはなんだか変だったが成功。4回転スローサルコウは両足。スピン二つとリフト三つはレベル4で全て全ジャッジが加点。。特に二つめのバックラッソーリフトは難しいらしく加点1〜3。男性のスパイラルで伸ばした足の上に女性が横たわって片足は垂直に上げるコリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。苦手のツイストはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルは終わりで乱れてレベル1。二つめのスローループも転倒。これで完全にメダルは無理に。欧州選手権の時の方がキレがあった。技術点10番目の59.0、演技構成点3番目の69.32、転倒の減点1、合計127.32でフリー6位、総合で5位。

 14番滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「サムソンとデリラ」からの「I Belong to You」他ミューズ・メドレー。冒頭のツイストは中国ばりに横倒しでレベル3だが全ジャッジが加点2。ソロジャンプのルッツ成功、全ジャッジが加点。4回転スローサルコウは片手ずつ両手をついたか。ソロスピンはレベル3。トウループからの3連続は成功、ほぼ全ジャッジが加点。デススパイラル、リフト二つ、ペアスピンはレベル4で全ジャッジが加点。特に一つめのリフトは加点2〜3。ペアスピンは加点2。スロールッツは全ジャッジが加点2〜3。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。最後のリフトはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。四大陸の時の方が勢いはあった。技術点2番目の73.45、演技構成点はパフォーマンスと音楽表現が9点で2番目の71.1、合計144.55でフリーも1位、総合221.53は自己ベスト更新で初優勝。女性は出場7回目で頂点に。
 15番滑走でパン・トン組。会場はすごい喝采。曲は「Io Ci Saro」。冒頭の滑り出しだけで雰囲気がある。ダブルアクセルのシークエンスは、女性の第2ジャンプが1回転に。ソロジャンプはぴたりと合い全ジャッジが加点1〜3。ツイストはレベル3で全ジャッジが加点。全盛期より低いがこれが本当に現役最後の演技なので少し甘いか。スローサルコウはきれいで全ジャッジが加点3。リフト三つとソロスピンはレベル4で、全ジャッジが加点ほぼ1〜3。スローループも全ジャッジが加点2〜3。ペアスビンはレベル1だが全ジャッジが加点。コリオシークエンスは美しく全ジャッジが加点2〜3。 技術点5番目の66.57、演技構成点はつなぎ以外9点台前半で最高の73.61、合計140.18でフリー3位、総合で3位。
 最終滑走でスイ・ハン組。かなり緊張した顔。曲はチャイコフスキーの「Francesca da Rimini」。冒頭の4回転ツイストは速くて、レベル3に全ジャッジが加点1〜3。トウループからの3連続も成功。一つめのリフトとスピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。とくにリフトは加点1〜3。スロージャンプはフリップとサルコウで、二つとも全ジャッジが加点ほぼ2〜3。ソロジャンプのサルコウ成功。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。デススパイラルと終盤のリフト二つはレベル3。リフト二つは全ジャッジが加点、特に三つめのリフトは加点2〜3。ノーミスで終えたとき、女性は泣いていた。技術点最高の73.92、演技構成点4番目の68.57、合計142.49は自己ベスト更新でフリー2位、総合214.12も自己ベスト更新で逆転の2位。

 ※なんと3/31、高橋・木原組が解散。4/1の新聞に出ていてびっくり。2年やってもフリーに進めなかったためか。

 <アイスダンス>31ヵ国組出場。日本からはリード姉弟出場予定。今季で引退予定のジガンシナ・ガージ組(独)が5分間練習には出て来たが、男性の食あたりで棄権。4番滑走でイリニフ・ジガンシン組(露。20,22)。今季組換え。GPファイナル6位、国内優勝、欧州選手権4位。曲は「カルメン」。女性が明らかに少し太った。冒頭のステップとPStがレベル3。ステップは全ジャッジが加点。ツイズル、パターンダンスのパソドブレ、直線のリフトはレベル4で、全ジャッジが加点。特にツイズルは加点2、リフトは女性が男性のももの上で弓なりにポーズ、男性は片足になる難しいもので加点1〜3。技術点34.95、演技構成点34.51、合計69.46でSD5位。
 6番滑走でテスタ・シェイレイ組(スロバキア。21、24)。女性はイタリア出身。2013年に国籍変更したが、五輪枠を取れず。昨季23位。今季GPシリーズスケートアメリカ7位、国内連覇、欧州選手権8位。「今季すごく伸びている。」とJスポーツ解説、東野さんが言う。曲は「Nerva」他。男性は髪をポニーテールに結んでいる。女性の衣装は、イタリアのカッペリーニから借りたとのこと。ツイズルとカーブのリフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。パソドブレとPStはレベル3で、パソの方は全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。キレのある動きで好感。技術点31.13、演技構成点28.94、合計60.07でSD13位。
 16番滑走でウルタド・ディアス組(西。22、24)。昨季ソチ五輪13位、世界選手権16位。今季国内4連覇、欧州選手権5位。曲は「Tercio de Quites」他。冒頭の直線のリフトは女性が牛の角のように両手の指で演技、レベル4で全ジャッジが加点1〜3。パソドブレはレベル3、PStはレベル4。たいへん気合いが伝わってきたが、欧州選手権のときの方がもう少し滑らかだったような感じ。ステップはレベル3。最後のツイズルで女性がよろめき、レベル2。技術点29.0、演技構成点29.26、合計59.16でSD15位。

 18番滑走でステファノワ・ブキン組(露。19,21)。初出場。今季国内3位、欧州選手権銅メダル。曲は「Espana Cani」。冒頭の直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。第1ツイズルがシットポジションのツイズルもレベル4で全ジャッジが加点2〜3。パソドブレはレベル3、PStはレベル4で、ほぼ全ジャッジが加点。ここまでたいへん順調だったが、最後のステップで女性が転倒。途中で右ヒザの下から出血したせいか。技術点29.22、演技構成点7番目の31.4、転倒の減点1、合計59.62でSD14位。
 19番滑走でリード姉弟(27,25)。昨季ソチ五輪21位、世界選手権18位。今季国内3連覇したが、怪我で四大陸は欠場。曲は「El Cid - Farruca」他。冒頭のツイズルは第3ツイズルまでよく合っていてレベル4。ところがステップの後半、片足セクションでクリスが二つめのターンで足を付いてしまい、キャシーは最後で転倒、レベル1。パソドブレはレベル2、PStはレベル3。回転リフトはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点24.02、演技構成点25.3、転倒の減点1、合計48.32でSD22位。フリーに進めず。
 22番滑走でギレス・ポワリエ組(加。23,23)。昨季世界選手権8位。今季国内2位、四大陸4位。曲は「El Gato Montes」とスパニッシュ・ワルツ。女性の目元の化粧がエジプトばりに独特。冒頭のパソドブレとPStは両方ともレベル4。特にパソはほぼ全ジャッジが加点。ステップだけレベル3。ツイズルと回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。技術点7番目の34.64、演技構成点8番目の31.26、合計65.9は自己ベスト更新でSD7位。試合後のインタビューで「こういう激しいダンスは今までやらなかったけれど、うまくできた。」とのこと。

 ※この後、キャシーは国別対抗を最後に引退表明。クリスは誰か日本人と組んで現役続行希望。

 24番滑走でポール・イスラム組(加。23,25)。昨季ソチ五輪18位、世界選手権10位。今季国内3位、四大陸6位。曲は「Farruca y Rumba」他。冒頭のツイズルはすばらしくレベル4に全ジャッジが加点。パソはレベル3だが全ジャッジが加点。PStはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。技術点9番目の33.47、演技構成点11番目の30.91、合計64.38は自己ベスト更新でSD8位。それでも同じカナダの組の下位になり、悔しそう。
 26番滑走でチョック・ベイツ組(米。22、26)。昨季ソチ五輪8位、世界選手権5位。今季GPファイナル2位、全米優勝、四大陸2位。曲は「ドンキホーテ」。全要素がレベル4で、全ジャッジが加点。特に冒頭の直線のリフトは加点2〜3。ツイズルは加点1〜3。Jスポーツ解説の東野さんは、「ステップでレベル4をとるのは難しい。この組は片足セクションにたくさんステップを入れ何としてもレベル4をとるという気迫。」と言う。技術点最高の38.52、演技構成点3番目の35.95、合計74.47は自己ベスト更新でSD1位。試合後のインタビューで「フリーも自信はある。」と言っていた。
 27番滑走でカッペリーニ・ラノッテ組(伊。28,29)。昨季ソチ五輪6位、世界選手権優勝。今季国内4連覇、欧州選手権2位。曲は「Capriccio Espagnol」。女性の赤いスカートが重々しくひるがえるのがいい。ここも全要素に全ジャッジが加点。ステップだけレベル3で他はレベル4。特に冒頭のツイズルはよく合っていて、加点2〜3。ステップと回転リフトは加点1〜3。技術点2番目の37.03、演技構成点4番目の35.36、合計72.39は自己ベスト更新でSD3位。公式会見で「世界選手権優勝した後で今季は難しかった。」と言っていた。

 28番滑走でシブタニ兄妹(米。20,23)。昨季ソチ五輪9位、世界選手権6位。今季GPファイナル4位、国内2位、四大陸3位。曲は「The Last Corrida」他。衣装は2人とも黒。冒頭のツイズルはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2。パソドブレはレベル4で全ジャッジが加点。PStはYYYなのにレベル3。解説の東野さんは、「キーポイント3の直前に男性の両手が離れたのかもしれない。」と言う。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。技術点5番目の35.26、演技構成点6番目の34.06、合計69.32でSD6位。
 29番滑走でウィーバー・ポジェ組(加。25,27)。昨季ソチ五輪7位、世界選手権僅差の2位。今季はGPファイナル、国内、四大陸全て優勝。曲は「マカレナの聖母」。ここも全要素に全ジャッジが加点。ツイズルは加点1〜3、ステップは加点2。なぜかパソドプレはレベル2。他の要素はレベル4。最後の回転リフトは加点ほぼ2〜3。技術点3番目の36.7、演技構成点2番目の35.98、合計72.68でSD2位。
 最終滑走でパパダキス・シゼロン組(仏。19,20)。昨季欧州選手権15位、世界選手権13位。今季GPファイナル3位、国内初優勝、欧州選手権初優勝。今季大躍進のカップル。速い滑りと深いエッジワークの両立が驚異的。ローマンコーチは17年間いたフランスからモントリオールに移籍。曲は「Escobilla」他。振付はローマンコーチ。衣装は女性は黒、男性は上半身白。ツイズル以外の要素は全ジャッジが加点。しかしパソドブレとPStはレベル3。加点は1〜3。直線のリフトはレベル4に加点2〜3。ツイズルはすごく2人の距離が近く、レベル4で加点ほぼ1〜3。最後にもってきた高速のステップはレベル3で加点ほぼ2〜3。技術点4番目の35.28、演技構成点最高の36.66 、合計71.84は自己ベスト更新でSD4位。東野さんは「音楽の選択、解釈に独自の新しいダンスを作ろうという意思が見える。」と言う。

 フリーには20組。6番滑走でウルタド・ディアス組。曲はシルク・ド・ソレイユの「Meditation」他。女性は赤、男性は濃いグレーのシンプルな衣装。全体が一続きの流れのうちにあった。リフト三つとスピンはレベル4。内二つのリフトとスピンは全ジャッジが加点。ステップ二つとツイズルはレベル3。内ツイズルは全ジャッジが加点。SDでミスがあったので、少し慎重だった。全体に欧州選手権の時の方がキレがあったが、やりきった感じはある。技術点45.68、演技構成点43.83、合計89.51でフリー13位、総合148.67で14位。
 7番滑走でSD11位のハベル・ドナヒュー(米。24,24)。昨季四大陸優勝、世界選手権は女性の手術で欠場。今季国内3位、四大陸は回避。SDではツイズルで男性にミスが出た。曲は「華麗なるギャツビー」より4曲。禁酒法時代のパーティーの華やかな明るさを表現したとのこと。コーチ、振付はカメレンゴ。スピンとリフト三つ、ツイズルはレベル4で全ジャッジが加点。サーキュラーステップはレベル3、対角線のステップはレベル2。しかし、かなりのスピードで滑りきった。技術点48.49、演技構成点47.64、リフトの時間超過で減点1、合計95.13でフリー10位、総合156.56で10位。
 9番滑走でSD12位のギナール・ファブリ組(伊。25,27)。女性はフランス出身。昨季ソチ五輪14位、世界選手権も14位。今季国内2位、欧州選手権6位。曲は「Lord of the Dance」他。コーチはフーザルポリとシュピルバンド。アイリッシュの曲に合わせて、白地に緑の衣装。初めから終わりまですごいスピードだった。直線のリフト以外の要素に全ジャッジが加点。リフト三つとツイズル、スピンはレベル4。特に最後の回転リフトは加点2〜3。男女ともノーハンドのリフトをしたのはここだったか。直線のステップはレベル3、サーキュラーステップはレベル1。解説の東野さんは「曲想によく合っているが、トウステップが多く、レベルに関わる要素が足りない。」と残念がった。しかしやりきったので、コーチたちも大喜び。技術点45.44、演技構成点47.38、合計92.82でフリー12位、総合153.84で12位。

 10番滑走でステファノワ・ブキン組。曲は「エリナー・リグビー」。二つのステップはレベル3、他の要素はレベル4。特にスピン、回転リフトは加点ほぼ2〜3。シット姿勢のツイズルは加点2〜3。サーキュラーステップとカーブのリフトも全ジャッジが加点。ここもSDのミスを上回るよい出来で、技術点49.38、演技構成点47.95、合計97.33は自己ベスト更新、この時点で1位と出ると、ものすごく喜んでいた。フリー7位、総合で9位。
 13番滑走でギレス・ポワリエ組。曲は「紳士は金髪がお好き」他。冒頭のツイズルはよく合っていて速くレベル4で全ジャッジが加点。リフト三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。特に回転リフトは加点1〜3。他の組があまりやらないサーペンタインステップはレベル3。スピンもレベル3。ミッドラインステップはレベル3。コリオスピンはほぼ全ジャッジが加点2。技術点50.62、演技構成点48.7、合計99.32はこの時点で1位、SDに続き自己ベスト更新でフリー6位、総合165.22で6位。キスアンドクライでは大喜び。試合後のインタビューでも「いいシーズンだった。」
 14番滑走でポール・イスラム組。曲はカナダ選手権の時に変更した「In Your Eyes」。冒頭のサーキュラーステップはレベル2、ほぼ全ジャッジが加点。カーブのリフトとスピンはレベル4で全ジャッジが加点。直線のステップはレベル2。ツイズルは第2で女性の手からブレードが離れ痛恨のレベル2。回転リフトと直線のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。コリオスピンもほぼ全ジャッジが加点。技術点42.56、演技構成点45.65、合計88.21でフリー14位、総合152.59で13位。試合後のインタビューでも男性は呆然としたようす。女性は気丈に「大きな大会ではミスなしが必要なので小さなミスが大きく響いた。」というようなコメントをした。

 15番滑走でシブタニ兄妹。曲はヨハン・シュトラウスの「南国の薔薇」と「青き美しきドナウ」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭の直線のリフトは、女性が男性のももの上に乗ってからノーハンドになる改良を加えたが、レベル2。解説の東野さんは「これを難しい姿勢として3秒保持するか、オリジナルな技として認定するか」判断が難しい、とのこと。回転リフト、スピン、カーブのリフトとツイズルはレベル4。回転リフトとツイズルは加点2〜3。特にツイズルは第4まである独自な振付。対角線のステップはレベル3。コリオリフトは加点ほぼ2〜3。技術点50.16、演技構成点52.55、合計102.71はこの時点で1位、自己ベスト更新でフリー5位、総合172.03で5位。試合後のインタビューでも「試合ごとに成長できた。」
 最終グループ16番滑走でウィーバー・ポジェ組。曲は「四季」アレンジ版。ほぼノーミスの演技だったが、痛恨のリフト時間超過。最後のコリオスピン以外の全ての要素に全ジャッジが加点。冒頭のサーキュラーステップと終盤の対角線のステップはレベル3、他は全てレベル4。サーキュラーステップ、直線のリフト、しゃがんだ男性の片足の上で女性が水平に弓なりになるカーブのリフト、回転リフトは加点2〜3。基礎点40.5に全体で加点12.37。技術点2番目の52.87、演技構成点はつなぎ以外は全て9点台で3番目の54.87、リフトの時間超過で減点1、合計106.74はこの時点で1位、フリー3位、総合179.42で3位。キスアンドクライ、その後のグリーンルームでも悔しそうだった。インタビューでは、「この競技は4年間のマラソンのようなもの」と言っていた。
 17番滑走でチョック・ベイツ組。曲は「パリのアメリカ人」。ここもほぼノーミスの演技。ツイズルで女性がぐらついたが、立て直した。そのツイズル以外の全要素に全ジャッジが加点。ツイズルと二つのステップはレベル3、他はレベル4。冒頭の直線のリフトは、男性がイーグルで女性の片足の靴底を支えて持ち上げるもので加点2〜3。スピンは加点2。回転リフトは加点3。基礎点39.5に全体で12.38の加点。技術点3番目の51.88、演技構成点は全て9点台で2番目の54.99、合計106.87は自己ベスト更新でこの時点の1位、フリー2位、総合181.34で2位。初の表彰台。

 18番滑走でイリニフ・ジガンシン組。曲は「アントニーとクレオパトラ」他。ツイズルで女性が大きく傾いたが、足はつかずに乗り切った。二つのステップはレベル3、ツイズルはレベル2。他の要素はレベル4、うち冒頭の回転リフトは全ジャッジが加点1〜3。終盤のカーブのリフトも全ジャッジが加点。技術点45.06、演技構成点5番目の51.32、リフトの時間超過で減点1、合計95.38でフリー9位、総合164.84で7位。最終グループではミスをしたら、順位に大きく響く。インタビューでは「1年目なのによい結果だった。」と言っていた。
 19番滑走でパパダキス・シゼロン組。曲はモーツァルトの交響曲23番から「アダージオ」。振付はデュブレイユコーチ。ここもノーミスの演技。全要素に全ジャッジが加点。対角線のステップだけレベル3、他はレベル4。冒頭の直線のリフト、中盤のスピン、対角線のステップ、カーブのリフト、回転リフト、最後のコリオスピンと加点2〜3。とにかく速くてエッジが深く、二人の距離も近い。基礎点42.0に全体で加点13.63。演技構成点の振付の要素には、10点満点を付けたジャッジが二人もいた。技術点最高の55.63、演技構成点はつなぎ以外9点台後半で最高の56.71、合計112.34は自己ベスト更新でフリー1位、総合184.28で初優勝。優勝インタビューでは、「自分たちも驚いている。今季の目標は10位以内に入ることだった。」と言っていた。10代の世界王者は、70年ぶりとか。
 最終滑走でカッペリーニ・ラノッテ組。曲はサンサーンスの「死の舞踏」。ノーミスの演技。全要素に全ジャッジが加点。二つのステップはレベル3、他はレベル4。冒頭のツイズル、中盤の連続リフト、終盤の回転リフトは加点2〜3。技術点51.67、演技構成点53.44、合計105.11でフリー4位、総合177.5は自己ベスト更新で4位。これで引退かと思ったが、来季もまだ続けるらしい。
 来季は、フランス、アメリカ、カナダが3枠、ロシアとイタリアが2枠。最後になんと、ヴァーチュー・モイヤー組、デイビス・ホワイト組が戻ってくる、という話があった。

フィギュアスケート (2015.4/6,7,10,11,15,16,19,)

世界選手権 (2015.3/23〜3/29 上海・中国)

 <男子シングル>21ヵ国30人出場。日本からは羽生、小塚、無良の3人が出場。 7番滑走でアマディオ(仏。24)。5回目(15→7→5→12)。今季は秋にコーチ変更。国内3連覇、欧州9位。曲は「Le Concert」。久々によかった。冒頭で4回転サルコウをなんとか立つ。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル2だが全ジャッジが加点。ステップはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。後半ルッツからの連続3回転も成功。足替えシットスピンはレベル4、最後のスピンはレベル1。技術点7番目の43.74、演技構成点10番目の37.1、合計80.84でSP7位。
 第3グループ13番滑走でジェレミー・テン(加。26)。2回目、2009年17位。国内2位、四大陸12位。今季で引退予定。曲は「Dance For Me Wallis」。よく動けていた。冒頭のトリプルアクセル成功。ルッツからの連続3回転も決める。スピン二つとステップはレベル2。後半、ステップからのフリップも成功。最後の足替えスピンはほぼ全ジャッジが加点。技術点37.47、演技構成点34.81、合計72.28でSP15位。フリー22位で、引退は考え直し中。
 16番滑走でファリス(米。20)。初出場。全米3位、四大陸2位。曲は「Give Me Love」。冒頭のトリプルアクセルで転倒。本人も驚いたと言っていた。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続3回転は成功。最後のステップからのルッツが両足。技術点38.12、演技構成点36.4、転倒の減点1、合計73.52でSP13位。

 17番滑走でニューエン(加。16)。2回目、昨年12位。国内初優勝。四大陸11位。曲は「Sinnerman」。4回転は入れない。冒頭でトリプルアクセルを決める。足替えキャメルスピンはレベル3。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続3回転を決めたが!マーク。ステップからのフリップ成功。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点8番目の42.05、演技構成点35.68、合計77.73は自己ベスト更新でSP9位。四大陸の失敗を考えて、力をぬいてリラックスできたと言っていた。
 18番滑走で小塚(26)。昨年6位。全日本3位。曲は「A Evaristo Carriego」。振付は宮本。ジャンプが不調。冒頭の4回転は両足。トリプルアクセルも両足でステップアウト。後半の連続ジャンプはルッツで転倒。足替えキャメルスピンはレベル3、フライングシットスピンはレベル4。ステップはスピードにのった深いエッジで滑り、レベル3だがほぼ全ジャッジが加点。最後の足替えスピンもレベル3だが全ジャッジが加点。技術点33.75、演技構成点37.4、転倒の減点1、合計70.15でSP19位。う〜ん。このまま終わってほしくない。
 第3グループ19番滑走で地元のハン・イェン(中。19)。2回目(7位)。四大陸3位。曲は「屋根の上のバイオリン弾き」。冒頭のトリプルアクセルはすばらしく全ジャッジが加点ほぼ2〜3。しかしステップからの4回転で大きくステップアウト。スピン二つがレベル4。後半、ルッツからの連続3回転はほぼ全ジャッジが加点。三つめのスピンとステップはレベル3だが、ステップは全ジャッジが加点。技術点3番目の44.96、演技構成点7番目の39.49、合計84.45でSP5位。

 20番滑走でジェイソン・ブラウン(米。19)。初出場。全米優勝、四大陸6位。曲は「Juke」。相変わらず楽しそうだったが、全米の方が勢いがあったか。冒頭のトリプルアクセルは美しく全ジャッジが加点。フリップからの連続3回転藻決める。スピン二つとステップはレベル4で、ステップは全ジャッジが加点。スピンもほぼ全ジャッジが加点。後半、ステップからのルッツで全ジャッジが加点1〜3。最後のスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点6番目の44.18、演技構成点6番目の40.14、合計84.32でSP6位。
 21番滑走でミシャ・ジー(ウズベキスタン。23)。5回目(30→19→16→27)。四大陸8位。曲は「アベマリア」。冒頭のトリプルアクセルは確実にきめる。ルッツからの連続3回転は、!マーク。スピン二つとステップはレベル4。ここでいつもほど加点もらえず。後半、ステップからのフリップはほぼ全ジャッジが加点。最後のスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。得点がのびず少し不満そう。技術点40.82、演技構成点37.7、合計78.52でSP8位。
 22番滑走でブレジナ(チェコ。24)。5回目(4→4→6→10)。欧州選手権5位。曲は「Game of Thrones」。冒頭のトリプルアクセルは全ジャッジが加点。しかし4回転サルコウで大きくステップアウト。スピン二つとステップはレベル3、あと一つのスピンはレベル2。一つめのスピンはやたらと遅かった。杉田さんが「このレベルの選手ならもう少しスピンに力を入れてほしい。」と注文。後半、フリップからの連続3回転はほぼ全ジャッジが加点。技術点14番目の38.34、演技構成点9番目の38.5、合計でSP10位。フリーは136.99で15位、総合15位。
 なお、23番滑走のリッポン(米。25)(3回目。全米2位、四大陸10位)は、4回転ルッツで立ったが、完全に回転不足で、技術点36.33、演技構成点8番目の38.81、合計75.14でSP11位。

 最終グループ25番滑走で無良(24)。3回目(15,8位)。全日本5位、四大陸7位。その後両足ねんざもしたらしい。曲は「カルメン」。大失敗。冒頭の4回転でほぼ転倒のような大きなステップアウト。次のトリプルアクセルはパンクして1回転になり無得点。スピン一つはレベル4。もう一つのスピンとステップはレベル3。後半、ルッツからの連続3回転は、ステップアウト。最後のフライングスピンはV1が付いたが全ジャッジが加点。技術点27.61、演技構成点37.32、合計64.93でSP23位。ぎりぎりでフリーへ。
 26番滑走でデニス・テン(カザフ。21)。6回目(8→13→14→7→2)。四大陸優勝。曲は「Caruso」。音楽の冒頭が出なくてかけ直し(翌日の新聞には「別の選手の曲」とあり)。そのせいか冒頭の4回転で転倒。トリプルアクセルは美しく全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4で、フライングスピン以外は全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続3回転はわずかにステップアウト。技術点5番目の44.32、演技構成点3番目の42.57、転倒の減点1、合計85.89でSP3位。
 27番滑走でフェルナンデス(西。23)。9回目? 昨年3位。欧州選手権3連覇。曲は「Black Betty」。ノーミスの演技。公式会見で「それなのに得点が低い。」と言っていた。4回転サルコウは軽々と跳び全ジャッジが加点2〜3。ルッツからの連続3回転はほぼ全ジャッジが加点。スピン三つはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点2番目の48.63、演技構成点も2番目の44.11、合計92.74でSP2位。

 28番滑走でヴォロノフ(露。27)。2012年17位、2008年7位。国内2位、欧州選手権3位。曲は「Danse Macabre」。確実に安定した演技をしてきたが、冒頭の4回転のあとオーバーターン、しかし3回転を付ける。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルとステップからのループを成功。技術点4番目の44.46、演技構成点も4番目の40.24、合計84.7でSP4位。フリーはヒザの痛みもあるのか17位、総合13位。
 29番滑走で羽生(20)。4回目(3→4→1)。全日本3連覇。曲はショパンの「バラード第1番」。冒頭の4回転は両手つき。スピン三つとステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半にルッツからの連続3回転とトリプルアクセル成功。トリプルアクセルと最後のスピンはほぼ加点2〜3。技術点最高の49.92、演技構成点も最高の45.28、合計95.2は今季最高でSP1位。
 最終滑走でコフトゥン(露。19)。3回目(17位、4位)。国内連覇、欧州選手権2位。曲は「ボレロ」。冒頭の4回転サルコウからの連続ジャンプは3回転トウループを付け、加点0〜3。次のステップからの4回転トウループの予定が2回転になり無得点。トリプルアクセルはなんと1回転でこれも無得点。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。あと一つのスピンはレベル1だが全ジャッジが加点。キスアンドクライではずっと下を向いていた。技術点30.67、演技構成点5番目の40.15、合計70.82でSP16位。

 フリーは24人。 1番滑走で小塚。曲は「Io Ci Saro」。振付はローリ・ニコル。冒頭の4回転はアンダーローテーションで転倒。二つめの4回転からの連続ジャンプは回ったがステップアウト。トリプルアクセルはきれいでほぼ全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ステップはキレがなくレベル2だが全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプもステップアウト。ルッツからの連続3回転は下りたが第2がアンダーローテーション。あと二つのスピンがレベル2と3。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。杉田さんは「少しスピードがない。」と言う。技術点76.82、演技構成点76.72、転倒の減点1、合計152.54は今季最高でフリー9位、総合222.69で12位。
 2番滑走で無良。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭の4回転と、ルッツからの連続3回転は決めたが、またトリプルアクセルがパンクして1回転に。フライングスピンはレベル4。ステップと最後のスピンがレベル3。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプを成功。フリップはeマーク。足替えスピンはレベル1。サルコウからの3連続は第2がアンダーローテーション、第3が2回転に。終盤のルッツはほぼ全ジャッジが加点。技術点73.03、演技構成点73.78、合計146.81でフリー12位、総合211.74で16位。得意のジャンプが乱れて力を発揮できず。
 第2グループ番滑走でファリス。曲は「シンドラーのリスト」。冒頭のトリプルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。4回転はアンダーローテーションで転倒。フリップからの連続ジャンプは!マーク。本来はここで連続3回転だったらしい。足替えスピンは二つともレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。ステップは情感あふれる動きでレベル4に全ジャッジが加点1〜3。後半、ソロのループは全ジャッジが加点。トリプルアクセルからの3連続も成功。ルッツからの連続ジャンプは第2が1回転だが、2回転トウループの三回目を回避したため。二つめのルッツは2回転。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。フライングスピンはほぼ全ジャッジが加点0〜3。技術点72.6、演技構成点77.92、転倒の減点1、合計149.52でフリー10位、総合223.04で11位。試合後のインタビューで「ミスを引きずりたくない。課題は精神面。」と自己分析。

 10番滑走でコフトゥン。曲は「エクソジェネシス交響曲」。冒頭で4回転サルコウをきれいに成功、ほぼ全ジャッジが加点0〜3。4回転トウループは回ったが転倒。二つめの4回転サルコウには3回転を付ける。スピン二つがレベル4。あと一つのスピンとステップはレベル3。ステップは全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続を決める。ルッツからの連続ジャンプも成功。この後疲れたのかサルコウが2回転に。最後のフライングスピンはレベル4。技術点83.32、演技構成点77.56、転倒の減点1、合計159.88でフリー6位、この時点で1位、総合230.7で7位。
 13番滑走でニューエン。曲は「道」。冒頭で4回転サルコウをあっさり成功、全ジャッジが加点。トリプルアクセルからの連続3回転も決める。フライングスピンとステップはレベル3。後半、二つめのトリプルアクセル、フリップからの3連続などジャンプ全て成功。ただルッツは!マーク。コリオシークエンスと最後のレベル4の足替えスピンは、全ジャッジが加点。技術点3番目の88.28、演技構成点76.58、合計164.86でフリー4位、総合242.59で5位。
 17番滑走でミシャ・ジー。曲は「シェルブールの雨傘」。冒頭でトリプルアクセルから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続成功。二つめのトリプルアクセル、ソロのルッツと決める。ルッツは!マーク。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。スピンは一つがレベル4、あと二つがレベル3。後半、ルッツからの連続3回転、フリップからの連続ジャンプも成功。二つめのルッツも!マーク。コリオシークエンスは情感たっぷりで全ジャッジが加点1〜3。技術点6番目の78.73、演技構成点10番目の77.64、合計156.37でフリー7位、総合234.89で6位。昨年は27位だったのに大躍進。

 18番滑走でリッポン。曲はリストの「ピアノ協奏曲第1番」。冒頭で4回転ルッツの予定がパンクして2回転に。トリプルアクセルからの連続ジャンプは成功。ソロのルッツは両手上げで全ジャッジが加点1〜3。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点0〜3。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。特に最後のスピンは複雑で速く、加点2〜3。後半、二つめのトリプルアクセル、ルッツからの連続ジャンプ、フリップからの3連続などを決めるが、3連続は第1が2回転になり、第2、第3がアンダーローテーション。終盤、二つのスピン、コリオシークエンス、3回転トウループと全ジャッジが加点。4回転は入らなかったが、キレのいい滑りで気持ちよく終えた。技術点74.93、演技構成点79.64、合計154.57でフリー8位、総合229.71で8位。来季アメリカ3枠確保。
 最終グループ20番滑走でデニス・テン。曲はヨーヨーマの「Ambush」他。冒頭の4回転はステップアウト。しかし次の4回転3回転は全ジャッジが加点。トリプルアクセルからの連続ジャンプもほぼ全ジャッジが加点。しかし二つめのトリプルアクセルはステップアウト。後半、フリップから1回転をはさむ3連続成功。ソロのルッツは全ジャッジが加点1〜3。スピン三つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。曲に使われている様々な楽器を表現しているらしい。技術点最高の93.47、演技構成点3番目の88.36、合計181.83でフリー1位、総合267.72で3位。公式会見で「四大陸の後ねんざした。ソチの疲れが残っているのかも。」と言っていた。
 21番滑走で羽生。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭の4回転サルコウはバンクして2回転に。4回転トウループは転倒。続くフリップは!マーク。スピン三つとステップはレベル4でほほぼ全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続ジャンプ、トリプルアクセルからの連続3回転、トリプルアクセルから1回転をはさむ3連続と成功、ほぼ全ジャッジが加点。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の88.24、演技構成点2番目の88.64、転倒の減点1、合計175.88でフリー3位、総合271.08で2位。小塚が12位なので来季は2枠に減った(上位二人の順位合計12以内が3枠)。

 22番滑走でフェルナンデス。曲は「セビリアの理髪師」。冒頭の4回転トウループはきれいに成功、全ジャッジが加点1〜3。しかし4回転サルコウで転倒。トリプルアクセルは決める。後半、二つめの4回転サルコウからの連続ジャンプは決め、全ジャッジが加点。フリップから1回転をはさむ3連続も!マークだが成功。スピン三つはレベル4、うち一つは全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点0〜3。技術点2番目の93.1、演技構成点最高の89.06、転倒の減点1、合計181.16でフリーも2位、総合273.9で初優勝。キスアンドクライで総合順位を見たとき、本当に「信じられない」という顔だった。公式会見で「4回転サルコウで転倒して優勝はないと思った。フリー2位で五輪金のユズルに勝てるとは。」と言っていた。
 23番滑走でハン・イェン。曲は「Fly Me to the Moon」。冒頭のトリプルアクセルからの連続3回転はすばらしく、全ジャッジが加点2〜3。4回転は転倒。二つめのトリプルアクセルはめずらしくアンダーローテーションで転倒。しかも後半、ルッツでも転倒。ループは2回転に。フライングスピンはレベル4。ステップと最後の足替えスピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。ルッツからの3連続は決めたが第3が1回転に。フリップからの連続ジャンプも第2が1回転。足替えシットスピンはレベル2でV1(基本姿勢不足)。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。技術点67.7、演技構成点5番目の80.0、転倒の減点3、合計144.7でフリー13位、総合229.15で10位。
 最終滑走でジェイソン・ブラウン。曲は「トリスタンとイゾルデ」。冒頭でトリプルアクセルからの連続ジャンプ成功。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特に特に二つの足替えスピンは軸も安定して速く、加点ほぼ2〜3。後半、二つめのトリプルアクセルは両足でダウングレード。しかしフリップからの連続3回転やルッツから1回転をはさむ3連続は成功。コリオシークエンスと一つめのダブルアクセルは全ジャッジが加点。技術点5番目の79.37、演技構成点4番目の84.6、合計163.97でフリー5位、総合248.29で4位。

 <女子シングル>27ヵ国36人出場。昨年のメダリストだけでなく過去のメダリストが一人もいない。日本からは宮原、本郷、村上の3人が出場。全体にすばらしい出来。日本人は3人ともノーミスのSP。 第4グループ19番滑走でチャートランド(加。19)。初出場。当日が誕生日。国内2位、四大陸10位。曲は「La Leyenda del Beso」。全体に速くてしかもよくコントロールされていた。冒頭でダブルアクセルをあっさり跳び、全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。ステップは曲想によく合っていてメリハリも十分あった。技術点33.73、演技構成点26.51、合計60.24でSP10位。
 22番滑走でデイルマン(加。17)。国内優勝、四大陸7位。曲は「四季」より「冬」他。冒頭のトウループの連続3回転は第2がダウングレードで両足。レイバックスピンはレベル3。あと二つのスピンとステップはレベル4。ステップからのルッツもアンダーローテーションで両足。ダブルアクセルはなんとか成功。パワフルに滑り豪快に跳ぶのが持ち味だが、ヒザを怪我したらしい。技術点24.91、演技構成点23.22、合計48.13でSP21位と出遅れ。
 第3グループ25番滑走で本郷(18)。初出場。全日本2位、四大陸3位。曲は「海賊」。ノーミスの演技。今やれることを全部出せるのは本番に強い。冒頭のトウループ連続3回転は全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4で、レイバックスピンは全ジャッジが加点。ステップもほぼ全ジャッジが加点。後半のステップからのフリップ、ダブルアクセルも成功。終わったときガッツポーズ。技術点5番目の34.69、演技構成点6番目の27.48、合計62.17は自己ベスト更新でSP5位。

 26番滑走でエドマンズ(米。16)。2回目の出場(8位)。全米4位、四大陸優勝。曲は「Tango Serenat」他。ノーミスに見えたが本郷より得点が出ず。冒頭でルッツからの連続3回転成功。スピン二つはレベル4、うちレイバックスピンは全ジャッジが加点、フライングスピンもほぼ全ジャッジが加点。ステップからのフリップが!マークなのが響いたか。あと一つのスピンとステップがレベル3。技術点7番目の33.94、演技構成点27.77 、合計61.71でSP7位。
 27番滑走で地元の李子君(18)。3回目の出場(7位、17位)。曲は「花のワルツ」。ノーミスの演技。冒頭のフリップからの連続3回転は第2が明らかにアンダーローテーション。スピン三つとステップはレベル4で、終盤のステップと最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。「地元だというプレッシャーはない。」とインタビューで言っていた。技術点8番目の33.6、演技構成点も8番目の28.23、合計61.83でSP6位。
 28番滑走で村上(20)。5回目の出場(8→5→4→10位)。全日本5位。曲は「オペラ座の怪人」。久々のノーミスの演技。冒頭のトウループの連続3回転は全ジャッジが加点。ステップからのフリップは、まあ認定。スピン三つとステップはレベル4で、全ジャッジが加点。足替えスピンとステップは加点1〜3、最後のレイバックスピンは加点2〜3。表情もすごくよく付いていた。技術点4番目の35.31、演技構成点5番目の30.17、合計65.48は今季最高でSP4位。キスアンドクライでは得点が出るまで横を向いていたが、いい点が出ると山田コーチと抱き合った。少し涙ぐんでいた。

 最終グループ31番滑走でトゥクタミシェワ(露。18)。一昨年に続き2回目の出場(10位)。国内2位、欧州優勝。今季11戦目とか。曲は「ボレロ」。なんと冒頭でトリプルアクセル成功! 確率は50%と言っていたがあっさり決めた。回転不足もなく、全ジャッジが加点。ステップからのルッツは-1〜3の評価。フライングスピンだけレベル3だが全ジャッジが加点。あと二つのスピンとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特に終盤のステップと最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点2〜3。トリプルアクセルを最初に入れたため後半に、トウループの連続3回転を跳んだがこれも全ジャッジが加点1〜3。終わったときすごく嬉しそう。技術点最高の44.09、演技構成点も最高の33.53、合計77.62はもちろん自己ベスト更新の上、世界歴代3位でダントツのSP1位。強い。会見では「男子は4回転を三回跳んでいる。女子も進化しなければ」と言ったらしい。
 32番滑走でゴールド(米。19)。3回目の出場(6位、5位)。全米2位、四大陸4位。曲は昨年と同じグリーグのピアノ協奏曲より「Adagio」。四大陸に続きジャンプが不調。冒頭のルッツからの連続3回転の予定がルッツでステップアウト。第2が付かず要素を失う。スピン三つとステップは美しく、レベル4で全ジャッジが加点。うちスピン二つは加点1〜3。後半、ステップからのループは壁に近すぎ両足。ダブルアクセルは成功。技術点29.82、演技構成点30.91、合計60.73でSP8位。
 33番滑走で宮原(17)。初出場。当日が誕生日。全日本優勝、四大陸2位。曲は「魔笛」。こちらもノーミスの演技。冒頭のルッツからの連続3回転、後半のステップからのフリップ、ダブルアクセルとも全て回転不足もエッジ違反もなく成功。連続3回転はほぼ全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4で、ほぼ全ジャッジが加点。特に最後のレイバックスピンは加点2〜3。キスアンドクライで得点が出ると、浜田コーチの方が跳び上がらんばかり。技術点3番目の37.19、演技構成点6番目の29.83、合計67.02は自己ベスト更新でSP3位。スモールメダルセレモニーの後の公式会見では、英語で答えていた。チャートランドと並んでケーキももらっていた。

 34番滑走でポゴリラヤ(露。16)。初出場。国内4位、欧州3位。曲はイル・ディーボの「アダージオ」。冒頭のルッツからの連続3回転はほぼ全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ステップからのループで転倒。腰を痛そうに押さえていた。そのせいかステップの途中でスタンブルも。足の怪我もあったらしいが、1週間前に病気にもなったらしい。技術点32.41、演技構成点7番目の29.09、転倒の減点1、合計60.5でSP9位。
 35番滑走でラジオノワ(露。16)。初出場。国内優勝、欧州2位。曲はフラメンコの「Ain't It Funny」他。冒頭のルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4で、フライングスピン以外は全ジャッジが加点。特に最後のパールスピンは加点2〜3。後半、ステップからのループ、ダブルアクセルも成功。38度の発熱があったとは思えない内容。技術点2番目の38.03、演技構成点も2番目の31.48、合計69.51でSP2位。
 最終滑走でワグナー(米。23)。4回目の出場(4位、5位、7位)。全米優勝、四大陸は回避。曲は「スパルタクス」。ジャンプ全て失敗。冒頭のルッツからの連続3回転はアンダーローテーションで転倒、後半のダブルアクセルはオーバーターン、ステップからのフリップはアンダーローテーション。スピンは三つともレベル4で、足替えスピンは全ジャッジが加点1〜3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点28.09、演技構成点30.72、転倒の減点1、合計57.81でSP11位。

 フリーは24人。 第3グループ13番滑走でゴールド。曲は「オペラ座の怪人」より「Phantasia」他。振付はローリ・ニコル。冒頭でルッツからの連続3回転と、ダブルアクセルから3回転トウを成功、全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4で、全ジャッジが加点。後半、フリップがeマーク、二つめのルッツが両足。しかしサルコウからの3連続は決める。最後のコリオシークエンスも全ジャッジが加点。技術点3番目の65.15、演技構成点も3番目の63.08、合計128.23でフリー2位、総合で4位。よく巻き返したが、メダルに届かず。
 15番滑走でワグナー。曲は「ムーランルージュ」より「The Show Must Go On」他。振付はシェイリン・ボーン、リッポン他。冒頭のダブルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。ルッツからの連続3回転は、第1が!マーク、第2がアンダーローテーションだが美しく流れた。ダブルアクセルからの連続ジャンプは成功。スピン三つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ループから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続は、第3がアンダーローテーション。ステップはレベル3だが曲によくあっていて全ジャッジが加点1〜3。二つめのルッツも!マーク。コリオシークエンスは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。技術点4番目の62.74、演技構成点2番目の64.46、合計127.2でフリー3位、総合で5位。こちらもよく巻き返した。これで来年の3枠確保。
 16番滑走でエドマンズ。曲は「Tinker Bell」他。冒頭のルッツからの連続3回転は、ものすごく慎重に跳んだ。続くフリップから1回転をはさむ3回転サルコウの3連続は、第1が!マーク、第2がアンダーローテーションでステップアウト気味。ステップとフライングスピンはレベル3だが、ステップは全ジャッジが加点。あと二つのスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、二つめのフリップも!マーク、ループとダブルアクセルがアンダーローテーションで基礎点が伸びず。解説の中庭さんが「ジャンプの前に待ちの時間が長い。」と言う。技術点58.45、演技構成点57.67、合計116.12でフリー7位、総合で8位。ISUが今季から始めた上位3人が待機するグリーンルームは、この時点でアメリカ部屋に。

 最終グループ19番滑走で李子君。曲は「ムーンリバー」。振付はローリ・ニコル。冒頭のフリップからの連続3回転はほぼ全ジャッジが加点。ダブルアクセルからの連続ジャンプは両足でステップアウト。サルコウからの連続ジャンプは成功。ステップとスピン二つはレベル4。うちレイバックスピンは全ジャッジが加点。後半、フリップで転倒。ルッツはeマークでアンダーローテーション。最後のフライングスピンは曲に遅れていて、たぶん途中で足を付いてしまいレベル1。技術点50.27、演技構成点54.12、転倒の減点1、合計103.39でフリー11位、総合で9位。残念な出来に。
 20番滑走で宮原。曲は「ミス・サイゴン」。振付はローリ・ニコル。真っ赤な衣装。冒頭のルッツからの3連続成功。ソロのフリップ、ループはほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。スピン三つはレベル4で全ジャッジが加点。後半、二つめのルッツがアンダーローテーションで転びそうになったがこらえた。これ以外の回転不足なし。ダブルアクセルから3回転トウの連続ジャンプを二つ入れ、いずれも全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。技術点2番目の65.31、演技構成点6番目の61.27、合計126.58は自己ベスト更新でフリー4位、総合で2位。キスアンドクライでは順位を見てもはしゃぎもせずペコリとお辞儀。グリーンルームにはアメリカ勢は誰もいず。初出場で2位は浅田真央以来とか。
 21番滑走でラジオノワ。明らかに本調子ではなかった。曲はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」他。冒頭のルッツはかなり頑張って成功。フリップは!マーク。ルッツからの連続3回転は決める。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。後半、ループから1回転をはさむ3回転サルコウは、第3がアンダーローテーション。二つめのダブルアクセルでステップアウト。ループからの連続ジャンプは第1が2回転に。スピンは三つともレベル3で全ジャッジが加点。特に最後のレイバックスピンは加点2〜3。技術点6番目の60.01、演技構成点4番目の61.95、合計121.96でフリー6位、総合で3位。初出場で表彰台。157pのトゥクタミシェワより大きいのだから155pよりだいぶ伸びたはず。

 22番滑走でトゥクタミシェワ。曲は「Batwannis Beek」他。冒頭でルッツからの3連続を跳んだがルッツの後にオーバーターン。ソロのルッツは全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。後半、トウループの連続3回転の間に二つオーバーターン。ソロのループと、サルコウからダブルアクセルのシークエンスは全ジャッジが加点。ステップと最後の足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。二つめのダブルアクセルとコリオシークエンスも全ジャッジが加点。完璧ではないが、今季の好調さを発揮。技術点最高の66.75、演技構成点も最高の65.99、合計132.74でフリーも1位、総合で初優勝。グリーンルームでは、親分のような存在感で、ラジオノワと二人で中央のソファにすわっていた。ロシアの優勝はスルツカヤ以来10年ぶり3人目。
 23番滑走で本郷。曲は「カルメン」。始めは硬かったがフリップからの連続3回転を決める。ほぼ全ジャッジが加点。ルッツからの連続ジャンプは!マーク。スピン三つとステップはレベル4で、フライングスピン以外はほぼ全ジャッジが加点。後半、フリップは全ジャッジが加点。ダブルアクセルから1回転をはさむ3連続は第3がアンダーローテーション。二つめのルッツはeマークでアンダーローテーション。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。大きく動けていて、最後のポーズも決まった。技術点5番目の61.83、演技構成点7番目の60.58、合計122.41は自己ベスト更新でフリー5位、総合184.58で6位。
 最終滑走で村上。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭のループは回ったように見えたがアンダーローテーション。ダブルアクセルは腰砕け気味だが転ばず。フリップからの連続ジャンプは成功。スピン三つとステップはレベル4。コリオシークエンスとステップは、よく曲想を表現していて全ジャッジが加点。後半、ソロのフリップは決めたが、サルコウが1回転に。急きょ最後のジャンプをサルコウにして成功。技術点52.48、演技構成点5番目の61.7、合計114.18でフリー8位、総合で7位。

フィギュアスケート (2015.2/27,28,3/1,6,7,8,9,15,16,)

四大陸選手権 (2015.2/10〜15 ソウル・韓国)

 <男子シングル>26人出場。今回初めてアルゼンチンの選手が出たが、両親はウクライナ人、本人も3歳からカナダ育ち。日本からは無良、村上大介、宇野の3人が出場。世界選手権のミニマムスコアはSPの技術点34以上。2番滑走でフィルス(加。22)。国内選手権3位。曲はカナダ選手権のときに変更した「Adios Nonino」。冒頭のトリプルアクセルでステップアウト。ステップからのフリップ、ルッツからの連続3回転は成功。足替えシットスピンは速くて、レベル4で全ジャッジが加点。あと二つのスピンとステップはレベル3。ステップは全ジャッジが加点。技術点37.25、演技構成点32.96、合計70.21は自己ベスト更新でSP11位。
 第3グループ11番滑走で王一(中。22)。曲はショスタコビッチの「ワルツ第2番」。ほぼ完璧な出来。冒頭のトリプルアクセルは幅もあり、ほぼ全ジャッジが加点。フリップからの連続3回転も成功。スピン二つはレベル4。後半、ステップからのループもきれいに決める。ステップと最後のスピンはレベル3。技術点40.54、演技構成点32.29、合計72.83は自己ベスト更新でSP10位。Jスポーツの解説は中庭で、「中国の選手もジャンプが得意なだけではなくなってきた。」と言う。
 14番滑走で村上大介(24)。全日本7位。シニアの選手権初出場。曲は「ロクサーヌのタンゴ」。冒頭で4回転サルコウから2回転トウループを成功。トリプルアクセルも決め、全ジャッジが加点。足替えシットスピンはレベル4。後半、ステップからのフリップも成功。あと二つのスピンとステップは、キレもよく、レベル4で全ジャッジが加点。特にステップは加点1〜3。技術点5番目の45.43、演技構成点37.43、合計82.86は自己ベスト更新でSP6位。

 15番滑走でジェレミー・テン(加。25)。国内選手権2位。今季で引退を表明。曲は「Dance For Me Wallis」。冒頭のトリプルアクセルは高く、余裕があった。ルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。足替えシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ステップからのフリップも決める。フライングスピンとステップはレベル3だが、ステップはほぼ全ジャッジが加点0〜3。最後の足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点。終わったとき、珍しくガッツポーズ。技術点40.94、演技構成点36.15、合計77.09は自己ベスト更新でSP8位。解説の中庭は「美しい滑りの選手だったが力強さも加わった。」
 17番滑走でリッポン(米。25)。全米2位。曲は「Nyah」。全米では立てた4回転ルッツがダウングレードで両手付き。トリプルアクセルもステップアウト。両手上げルッツからの連続3回転の第2もダウングレード。フライング足替えスピンはレベル3でV1(足替えの前後で基本姿勢不足)。ステップはレベル3だが、速くて複雑な動きがたっぷりで全ジャッジが加点1〜3。あと二つのスピンもレベル4で全ジャッジが加点。技術点31.55、演技構成点36.82、合計68.37でSP12位。
 19番滑走でニューエン(加。16)。新しいカナダ王者。曲は「Sinnerman」。ジャンプが不調なせいか、全体に動きが悪い。冒頭の4回転が2回転にパンクで、要素に満たず無得点。足替えスピンはレベル4、ステップはレベル3。後半、トリプルアクセルは転倒。フリップからの連続3回転は成功。あと二つのスピンはレベル4。全くらしさが出せず、技術点31.77、演技構成点33.01、転倒の減点1、合計63.78でSP14位。キスアンドクライでは暗い顔。
 20番滑走でファリス(米。20)。全米3位。曲は「Give Me Love」。4回転は入れないが、ノーミスで好発進。力強さも出て来た。冒頭で美しいトリプルアクセルで全ジャッジが加点。二つの足替えスピンは安定していてレベル4に全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続3回転は!マーク。フライングスピンもレベル4に全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。最後にステップからのルッツを決めて、技術点6番目の44.53、演技構成点3番目の39.76、合計84.29は自己ベスト更新でSP5位。キスアンドクライではニコニコ顔。

 21番滑走で無良(24)。全日本5位。曲は「カルメン」。冒頭の4回転でしっかり片手を付いたが、後ろに3回転を付けた。トリプルアクセルはしっかり成功、全ジャッジが加点。一つ目の足替えスピンはレベル4、二つ目の足替えキャメルスピンはレベル2だが全ジャッジが加点1。後半、ステップからのルッツはきちんと決める。ステップとフライングシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。技術点4番目の45.77、演技構成点6番目の39.11、合計84.88はこの時点で1位、SP4位。ジャンプが不調で悪いなりにまとめられたとのこと。
 22番滑走で宇野(17)。全日本2位。曲はベートーベン「バイオリンソナタ第9番」。調子は下り気味らしいがノーミス。冒頭の4回転は低いが綺麗に決める。トリプルアクセルも低いが滑らかで全ジャッジが加点1〜3。スピン三つとステップはレベル4に全ジャッジが加点。特に最後のスピンは加点2〜3。後半、フリップからの連続3回転も成功。技術点2番目の49.72、演技構成点5番目の39.18、合計88.9は自己ベスト大幅更新でSP2位。得点に、樋口コーチともども驚いていた。
 23番滑走でジェイソン・ブラウン(米。20)。新しいアメリカ王者。曲は「Juke」。4回転に初挑戦。残念ながらダウングレードで両足。トリプルアクセルもアンダーローテーション。スピン三つとステップは素晴らしく、全てレベル4で全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3、スピンも加点1〜3。後半のフリップからの連続3回転はきちんと決め、技術点49.72、演技構成点4番目の39.18、合計75.86でSP9位。

 24番滑走でハン・イェン(中。18)。GPシリーズ中国杯6位、ボンパール杯8位といまひとつ。曲は「屋根の上のバイオリン弾き」。ほぼノーミスのいい滑りだった。冒頭のトリプルアクセルはたいへん大きく、全ジャッジが加点2〜3。しかし4回転はステップアウト。スピン二つとステップでレベル4。ステップは表情豊かに踏み、全ジャッジが加点1〜3。後半、ルッツからの連続3回転を決め、全ジャッジが加点。三つ目のスピンはレベル3。技術点3番目の47.44、演技構成点2番目の39.9、合計87.34でSP3位。
 25番滑走でミーシャ・ジー(ウズベキスタン。23)。GPシリーズ中国杯5位、ロシア杯4位。あごひげを生やして、おちゃめな童顔のイメージをチェンジ。曲は「アベマリア」。4回転は入れず。今季はジャンプがすごくクリーンになった。冒頭のトリプルアクセルはあっさり成功。ルッツからの連続3回転も無理なく決め、ほぼ全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点2。後半ステップからのフリップも成功、全ジャッジが加点。技術点7番目の43.25、演技構成点も7番目の39.0、合計82.25は自己ベスト更新でSP7位。
 最終滑走でデニス・テン(カザフスタン。21)。GPシリーズスケートアメリカ4位、ボンパール杯3位。ゴールデンスピン優勝。曲は「Caruso」。すばらしい出来。チャンを越えたかも。冒頭の4回転は余裕があった。やや苦手だったトリプルアクセルは流れの中で美しく跳び、全ジャッジが加点2〜3。スピン三つとステップはレベル4。特に最後のステップは全ジャッジが加点3。解説の中庭が「ボーカルを要素と動きでよく表現している。」と賞賛。後半のルッツからの連続3回転もきれいで全ジャッジが加点。非の打ち所がないという感じで、涙を拭いている観客も映った。技術点最高の52.86、演技構成点も最高の44.75、合計97.61は自己ベスト更新でSP1位。試合後のインタビューで「韓国にルーツがあるので、ここでは大きな声援をもらっている。」と言う。

 フリー24人。世界選手権のミニマムスコアは64以上。7番滑走でニューエン。曲は「道」。SPほどではないが、冒頭の失敗もあり、らしくない内容。冒頭の4回転サルコウはダウングレード。トリプルアクセルからの連続3回転は決める。スピン一つとステップがレベル3、あと二つのスピンはレベル4。ひと目のフライングスピンと最後の足替えスピンは全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセル、フリップからの3連続など決めるが、顔は無表情で、要素を振付でつないでいるだけ。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。技術点78.47、演技構成点67.08、合計145.55でフリー8位、総合209.33で11位。試合後のインタビューでは「スピードと積極さが足りなかった。」と言っていた。
 13番滑走でジェイソン・ブラウン。曲は「トリスタンとイゾルデ」。トリプルアクセルの着氷以外はすばらしい出来。難しいことを何気なくやっている、と解説の中庭。4回転は入れない構成。その代わり後半にジャンプを六つ入れる。冒頭でトリプルアクセルからの連続ジャンプ。足替えキャメルスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点3。フライングスピンも軸が実に安定していて速く、全ジャッジが加点。後半、ソロのループ、二つめのトリプルアクセル、フリップからの連続3回転、ルッツからの3連続、二つのダブルアクセル。3連続の第1ジャンプがアンダーローテーションになったが跳びきった。ルッツとフリップのエッジの跳び分けも見事だと解説の中庭。ステップとコリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。最後の足替えスピンはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点2〜3。技術点84.23、演技構成点83.12、合計167.35は自己ベスト更新でフリー6位、総合243.21でこの時点では1位、総合6位。
 14番滑走でリッポン。曲はリストの「ピアノ協奏曲第1番」。冒頭の4回転ルッツはアンダーローテーションで転倒。トリプルアクセルはステップアウト。両手上げルッツはほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル3で全ジャッジが加点。スピンは二つがレベル4で全ジャッジが加点。後半、二つめのトリプルアクセルは下りたが第2が付かず。リッポンルッツも決まったが、第2が付かず。ここで得点を伸ばせず。フリップからの連続3回転は成功。ループからの3連続も決める。足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。コリオシークエンスも「品がある」滑りで、全ジャッジが加点1〜3。技術点70.01、演技構成点75.92、転倒とレイトスタートの減点2、合計143.93でフリー10位、総合212.3で10位。

 15番滑走でミーシャ・ジー。曲は「シェルブールの雨傘」。振付は自分。あごひげはそってきた。ジャンプ要素が一つ少ない構成。冒頭のトリプルアクセルはきちんと下りたが、二つめのトリプルアクセルはアンダーローテーションで第2が付かず。ルッツはあっさり成功。情感あふれるステップは、レベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。スピン二つはレベル3、最後の足替えスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点0〜3。後半、ルッツからの連続3回転、フリップからの3連続、ダブルアクセルのシークエンスと連続ジャンプを三つとも成功。見せ場のコリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。最後の決めのポーズが長くて、このへんをつめれば、もう一つジャンプを入れられるのでは。技術点68.29、演技構成点75.66、合計143.95でフリー9位、総合226.2で8位。
 16番滑走でジェレミー・テン。曲は「ハレルヤ」。冒頭の4回転の予定が3回転になり、ほぼ転倒。続くトリプルアクセルも転倒。ルッツからの連続3回転はなんとか決める。出だしでつまづいたので、なかなか流れるような滑りとはいかず、フライングスピンはレベル2。後半、二つめのルッツは決めたが、フリップがアンダーローテーションで転倒。足替えシットスピンはレベル4。ダブルアクセル、サルコウからの連続ジャンプは成功。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点。最後のスピンはレベル2だが全ジャッジが加点。技術点58.78、演技構成点73.88、転倒の減点2、合計130.66でフリー14位、総合207.75で12位。

 最終グループ19番滑走でハン・イェン。曲は「Fly Me to the Moon」。4回転以外ノーミスの素晴らしい演技だった。冒頭のトリプルアクセルからの連続3回転はすばらしく、全ジャッジが加点2〜3。このところミスが出る4回転はなんとかオーバーターンでこらえる。二つめのトリプルアクセルも全ジャッジが加点2〜3。フライングスピンはレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。すごく一滑りが伸びている。後半、ソロのルッツとループも全ジャッジが加点2〜3。ルッツからの3連続は、壁に近くなってしまい第3が1回転に。なぜかサルコウがステップアウト。少し疲れたか。あと二つのスピンはレベル3。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。技術点88.99、演技構成点83.14、合計172.13は自己ベスト更新でフリー4位、総合259.47で3位。
 20番滑走で無良。曲は「オペラ座の怪人」。冒頭の4回転はなんとか決める。しかし二つめの4回転は両足。かろうじて2回転を付ける。得意のトリプルアクセルは高く、ほぼ全ジャッジが加点。フライングスピンとステップはレベル4で全ジャッジが加点。ところが、後半二つめのトリプルアクセルがパンクして1回転。フリップは!マーク。サルコウからの3連続は第3が2回転に。最後のルッツはステップアウト。あと二つのスピンはレベル3だが全ジャッジが加点、コリオシークエンスも全ジャッジが加点。持ち味のジャンプが不安定で、特にトリプルアクセルの失敗が痛い。技術点72.37、演技構成点78.5、合計150.87でフリー7位、総合235.75で7位。
 21番滑走でファリス。曲は「シンドラーのリスト」。ほぼノーミスのすばらしい出来。彼の代表的なプログラムになるかもしれない。冒頭のトリプルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。4回転はオーバーターンでこらえる。フリップからの連続3回転は余裕があり、ほぼ全ジャッジが加点。ここまで不穏な感じのメロディーの緊迫感をジャンプで表現。メインテーマの穏やかなメロディーになると、足替えシットスピンとステップはレベル4で全ジャッジが加点。スタンドから自然に拍手がわき上がる。後半、トリプルアクセルからの3連続も見事。ルッツからの連続ジャンプも成功。あと二つのスピンもレベル4で全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点2〜3。終わったとき、「できた!」というガッツポーズ。今季、急に表現力が開花した感じ。技術点91.02、演技構成点84.7、合計175.72はこれも自己ベスト更新でフリー2位、総合260.01で2位。

 22番滑走でデニス・テン。曲はヨーヨー・マの「New Impossibilties」より。これまたノーミスのすばらしい演技。冒頭の4回転は全ジャッジが加点1〜3。続く4回転には3回転をつけ、これも全ジャッジが加点ほぼ2〜3。ここまでで28.99もの高得点。スピン三つとステップはレベル4。特にステップは、曲の中国的なメロディーを、難しい動きと深いエッジで表現し、全ジャッジが加点3。二つの足替えスピンも加点1〜3。後半、トリプルアクセルこそ少しミスが出たが、フリップからの3連続、ソロのルッツ、ループは全ジャッジが加点1〜3。終わったとき、氷に跪いた姿勢でいたが、仰向けに横たわり、大の字に。技術点なんと100.45、演技構成点91.4、合計191.85はこれも自己ベスト更新でフリーも1位、総合289.46で優勝。今、羽生が怪我しているし、彼に勝てる選手はいるだろうか。これはたとえチャンが復帰しても厳しいのではないかと思わせた。
 23番滑走で宇野。曲は「ドン・ファン」。冒頭の4回転は両足だがころばずにこらえる。ソロのトリプルアクセルとトリプルアクセルからの連続ジャンプは、全ジャッジが加点。特にソロの方は加点2〜3。足替えシットスピンとステップはレベル4で全ジャッジが加点。ステップは大きく深いエッジで表現し、加点も2〜3。後半、ダブルアクセルからの3連続で転倒。ソロのサルコウとループは全ジャッジが加点。すごく頑張っているが疲れが少し見える。終盤、スピン二つはレベル4、特に最後の足替えスピンは加点2〜3。フリップからの連続3回転も決め、全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。技術点86.11、演技構成点82.44、転倒の減点1、合計167.55はこれも自己ベスト更新でフリー5位、総合256.45で5位。4位の村上大介との差は0.02。初めてのシニアの選手権でりっぱな内容だと思うが、本人は「二つもミスしてしまい、日本で練習してきたことが出せなかった。」と悔し涙。
 最終滑走で村上大介。曲はラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」。今できることは全て出せた。冒頭の4回転サルコウ成功。続けて二つめの4回転サルコウに2回転。二つの足替えスビンはレベル4で全ジャッジが加点。トリプルアクセルからの連続ジャンプはほぼ全ジャッジが加点。二つめのトリプルアクセル、ソロのルッツとループはほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル4でこれもほぼ全ジャッジが加点。楽しそうに踏んでいた。フリップ、サルコウも成功。最後のフライングスピンもレベル4。終わったとき、精魂つきたように氷に横たわった。「前の人の点数は聞かないようにした。自分の滑りを出すことだけに集中した。」技術点91.47、演技構成点82.14、合計173.61はこれも自己ベスト更新でフリー3位、総合256.47で4位。フリーのスモールメダルをもらった。

 <女子シングル>19人出場。去年の21人よりさらに少ない。日本からは宮原、本郷、永井の3人が出場。世界選手権のミニマムスコアはSPの技術点27以上。Jスポーツの解説は、一年ぶりの前田真美さん。全日本選手権のテクニカル・コントローラー。
 第2グループ7番滑走で永井(16)。全日本ジュニア3位、全日本5位。シニアの選手権初出場。曲は「エデンの東」。衣装は水色。冒頭のトウループの連続3回転は回りきったが小さくステップアウト。ステップからのルッツはほぼ全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル3。ダブルアクセルもほぼ全ジャッジが加点。ステップもレベル3でほぼ全ジャッジが加点。しなやかな動きがきれい。技術点7番目の31.59、演技構成点25.35、合計56.94はこの時点で1位でSP7位。
 第3グループ10番滑走でチャートランド(加。18)。カナダ選手権2位。曲は「Leyenda del Bes」。衣装は赤。冒頭のダブルアクセルはあっさり決める。ルッツからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。スピン三つとステップはレベル4。ステップはメリハリがあり、ほぼ全ジャッジが加点0〜3。後半、ステップからのループも成功。技術点5番目の32.23、演技構成点7番目の26.27、合計58.5はこの時点で1位でSP6位。

 11番滑走でデイルマン(加。17)。カナダ選手権優勝。曲は「四季」から「冬」他。衣装は白。冒頭のトウループの連続3回転は、すごいスピードで入り、幅も大きく全ジャッジが加点。レイバックスピンはレベル3、あと二つのスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ところが後半、ステップからのルッツが2回転になり、無得点。ダブルアクセルは決める。ステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。まさかの要素失敗で技術点8番目の29.1、演技構成点も8番目の26.15、合計55.25でSP8位。
 13番滑走でエドマンズ(米。16)。全米4位。曲は「Buleria」他。冒頭のルッツからの連続3回転成功。レイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点。ステップからのフリップは!マーク。フライングスピンはレベル3。後半、ダブルアクセル成功。足替えスピンはレベル4。最後のステップはレベル3。GPシリーズではジャンプにやや苦しんでいたが、たてなおしてきた。技術点3番目の33.26、演技構成点5番目の27.77、合計61.03でSP4位。
 16番滑走でゴールド(米。19)。曲はグリーグのピアノ協奏曲より「アダージオ」。解説の前田さんは「貫禄が出てきた。」冒頭のルッツからの連続3回転は跳びきったが、壁に近すぎて、両手を壁に付いた。スピン三つとステップは全てレベル4で全ジャッジが加点。特にステップは加点ほぼ2〜3。ところが、後半、ダブルアクセルのはずが1回転になり無得点。それでも技術点4番目の32.53、演技構成点最高の30.14、合計62.67でSP2位。試合後のスモールメダル表彰式のプレス対応で、「壁に近づきすぎたら、コーチにベストをつくせといつも言われているのでベストを尽くした。アクセルは1番簡単な要素でミスしたがフリーでは気をつける。」と答えていた。

 17番滑走で宮原(16)。昨季四大陸2位。全日本優勝。曲はモーツァルト「魔笛」。衣装は青紫で肩から前身頃に黄色のアクセント。冒頭のルッツからの連続3回転は、アンダーローテーションもなく認定。スピン三つは速くてレベル4。特に最後のレイバックスピンは加点ほぼ2〜3。後半、ステップからのフリップ、ダブルアクセルと成功。ステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。よく動いて曲を表現していた。技術点最高の35.81、演技構成点2番目の29.03、合計64.84は自己ベスト更新でSP1位。
 18番滑走で本郷(18)。全日本2位。曲は「海賊」。衣装は紫に銀色の縁取り。冒頭のトウループの連続3回転は全ジャッジが加点。レイバックスピンはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル3。後半、ステップからのフリップ、ダブルアクセルと決める。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。ステップはレベル3でほぼ全ジャッジが加点0〜3。最後の足替えスピンはレベル4。少し固かったが、技術点2番目の33.31、演技構成点4番目の27.97、合計61.28でSP3位。
 最終滑走で李子君(中)。GPシリーズ中国杯6位、NHK杯7位とふるわず。曲は「花のワルツ」。衣装は濃いピンクに銀のアクセント。冒頭、フリップからの連続3回転の予定が、フリップが大きすぎたのか、だいぶ着氷後流れて2回転を付けた。ステップからのループ、ダブルアクセルと成功。スピン三つはレベル4。特に最後のレイバックスピンはすばらしく、全ジャッジが加点ほぼ2〜3。技術点6番目の31.8、演技構成点3番目の28.48、合計60.28でSP5位。

 フリー。世界選手権のミニマムスコアは47以上。12番滑走でSP9位のシザーリオ(米)。曲は「カルメン」。冒頭のループから1回転をはさむ3連続は第3がアンダーローテーション。フリップはいいが、後半のルッツはeマークの上アンダーローテーション。スピンはレベル3、レベル4、レベル2。レベル4のフライングスピンはほぼ全ジャッジが加点。後半、フリップからの連続ジャンプ成功。ステップはレベル3。最後にダブルアクセルのシークエンス。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。全体に全米の方がキレがあった。技術点56.28、演技構成点55.53、合計111.81でフリー7位、総合166.76で8位。
 13番滑走で永井。曲はサンサーンスの「ロンド・カプリチオーソ」。冒頭でルッツからの連続3回転の予定が第2ジャンプ1回転に。解説の杉田さんによれば「力を入れすぎた」らしい。しかし二つめのルッツに3回転を付けた。全ジャッジが加点1。スピン二つとステップはレベル4。滑りがよく伸びて美しい。後半、ダブルアクセルから3回転2回転の3連続成功。ジャンプが軽い。しかし続くループがパンクし1回転に。直後のサルコウは決める。最後のフライング足替えスピンはレベル3。二つのパンク以外はやれることを出し切った感じ。技術点59.38、演技構成点51.77、合計111.15は自己ベスト更新でフリー8位、総合168.09で6位は大健闘。
 14番滑走でデイルマン。曲は「En Aranjuez con tu amor」。冒頭のルッツからの3連続は、ルッツを高く跳びすぎて着氷でこらえたのに、第2第3を付けた。ステップはレベル3。ダブルアクセルから3回転トウと、レベル4のフライング足替えスピンはほぼ全ジャッジが加点。後半、ルッツが2回転に。しかしその他のジャンプは成功。フリップは入れていない。レイバックスピンはレベル3。最後の足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点。技術点58.19、演技構成点53.65、合計111.84は自己ベスト更新でフリー6位、総合167.09で7位。

 15番滑走で本郷。曲は「カルメン」。冒頭のフリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。課題が出た。ルッツ、ループは成功。足替えスピンはレベル4。ステップはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。ロシア杯の方が勢いがあった。フライングスピンはレベル3。後半、ソロのサルコウは決めたが、ダブルアクセルから1回転を挟む第3ジャンプのサルコウはアンダーローテーション。フリップは全ジャッジが加点1。ダブルアクセルからの連続ジャンプも決める。最後のフライング足替えスピンはレベル4。ただ滑っているところが少し多いが、解説の杉田さんは「表現はすごくよくなってきた。」と言う。技術点59.89、演技構成点56.27、合計116.16でフリー3位、総合177.44で3位。
 16番滑走でエドマンズ。曲は「ティンカーベル」他。ノーミスの演技。のびのびとできた。冒頭のルッツからの連続3回転は見事。全ジャッジが加点。フリップから1回転をはさむ3回転サルコウは、フリップがeマーク。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。スピン二つがレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、二つめのフリップは!マーク。ループからの連続ジャンプも決める。最後のレイバックスピンはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点63.83、演技構成点59.16、合計122.99は自己ベスト更新でフリー1位、総合184.02で逆転優勝。ジャンプが復調したので、もはや世代交代か。公式会見での「世界選手権ではロシア勢と対戦するが」という質問に「世界にはロシア以外にもいい選手がたくさんいる。早くそれに気づいてほしい。」と堂々とした返答でびっくり。

 17番滑走で宮原。曲は「ミス・サイゴン」。硬かった。エドマンズのいい演技の直後で「大きく滑らないと」と解説の杉田さん。冒頭のルッツからの3連続は決めたがオーバーターン。フリップはステップアウト。得意のステップもスピードが足りずレベル3。フライングシットスピンはレベル4。後半、ルッツがアンダーローテーションで転倒。ダブルアクセルから3回転トウは決め、ほぼ全ジャッジが加点。レイバックスピンはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。コリオシークエンスもほぼ全ジャッジが加点。もうひとつダブルアクセルから3回転トウを決め、全ジャッジが加点。最後の足替えスピンもレベル4でまとめた。技術点61.05、演技構成点56.7、転倒の減点1、合計116.75はそれでも自己ベスト更新でフリー2位、総合181.59で2位。
 18番滑走で李子君。今季はコーチを変更。曲は「ムーン・リバー」。振付はローリ・ニコル。冒頭のフリップからの連続3回転をきれいに決める。ダブルアクセルから3回転トウは全ジャッジが加点。ルッツはeマーク。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。後半のジャンプも全て成功。ただ三つめの連続ジャンプが入らなかった。スピンは三つともレベル4。特に最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点。ほぼノーミスの演技。終わったとき涙ぐんでいた。技術点58.44、演技構成点57.2、合計115.64でフリー4位、総合175.92で5位。地元の世界選手権に向け復調傾向。
 最終滑走でゴールド。曲は「ファンタジア」他。まったくらしくない演技。やはり亀裂骨折の影響があるのではないか。冒頭のルッツからの連続ジャンプは、ルッツがパンクし1回転に。続くダブルアクセルからの連続ジャンプは両足。スピンは三つともレベル4ですばらしかった。足替えスピンとフライングスピンはほぼ全ジャッジが加点、最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点1〜3。後半、フリップ、ルッツときちんと跳び分け、サルコウからの3連続を跳んだが、第2第3とも1回転に。ステップはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。最後のコリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。技術点53.5、演技構成点60.41、転倒の減点1、合計113.91でフリー5位、総合176.58で4位。試合後のインタビューで「この状態では世界選手権に出るかどうか決めていない。」と言っていた。

 <ペア>10組出場。世界選手権のミニマムスコアは25以上。1番滑走でイリシェチキナ・モスコビッチ組(加。23,30)。今季組み替え。カナダ選手権2位。曲は「Feeling Good」。振付はD. ウィルソン。冒頭のソロジャンプはサルコウで、女性のフリーレッグがややタッチぎみ。ツイストは3回転だがキャッチでもたれぎみ。スローはルッツでほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。リフト、フライングスピン、ステップもレベル4。技術点31.76、演技構成点28.37、合計60.13でSP6位。だんだんユニゾンもよくなってきた。
 3番滑走で高橋・木原組(23,22)。曲はプレスリーの「Bossa Nova Baby」。女性の衣装は鮮やかなピンク。冒頭のソロジャンプは、回ったが高橋が転倒。惜しかった。ツイストは2回転。グループ3(ハンド・トウ・ヒップ)のリフトは、入りこそシンプルだが、難しい下り方でレベル4。スローサルコウはきれいに決まり、全ジャッジが加点。フライングスピンはレベル3。ステップはレベル4。デススパイラルはレベル3。技術点23.83、演技構成点 22.8、転倒の減点1、合計45.63でSP10位。めざしていた50点に届かず。試合後のインタビューでは、木原が「今季取り組んできた3回転ツイストが試合で使えなくて残念。」、高橋が「フリーではソロジャンプを決めたい。」
 5番滑走でスイ・ハン組(中。19,22)。今季GPファイナル3位。曲は「Stray Cat Strut」。冒頭のソロジャンプはきちんと決め、全ジャッジが加点。スローフリップはすごく高くて全ジャッジが加点2〜3。ツイストもレベル4で全ジャッジが加点2〜3。ステップもレベル4で全ジャッジが加点。リフトもレベル4で全ジャッジが加点1〜3。スピンだけレベル2。デススパイラルはレベル4。ほぼノーミスで今季見た中で1番いい。技術点2番目の37.33、演技構成点4番目の31.86、合計69.19は自己ベスト更新でSP3位。試合後の公式会見で女性が「フリーでは4回転ツイストを予定。スローは来年やる。」と言っていた。

 7番滑走でパン・トン組(中。35,35)。引退していたが、世界選手権が上海なので出場を決め、夏からトレーニングを再開したとのこと。Jスポーツの赤平アナは「冬季五輪の北京招致も関係あるのでは」と言う。曲はピアソラの「Oblivion」他。振付はモロゾフ。会場に来ていた。冒頭のソロジャンプで男性が両手付き。ツイストはかなり高くレベル3で全ジャッジが加点1〜3。スローループも美しく、ほぼ全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。スピン、リフトもレベル4。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点4番目の33.65、演技構成点2番目の33.22、合計66.87でSP4位。
 8番滑走でデュハメル・ラドフォード組(加。29,30)。今季負けなし。GPファイナル優勝、国内も優勝。曲は「Un peu plus haut」。女性の髪型と衣装を変えたようだ。全要素に全ジャッジが加点。ツイストはレベル3。加点1〜3。ソロジャンプはルッツで決まり、加点1〜3。スロールッツも成功。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルと全てレベル4。うちリフトは加点2〜3、デススパイラルはほぼ加点2〜3。技術点最高の41.07、演技構成点も最高の34.6、合計75.67でSP1位。嬉しそうだが、視線は先を見ている。試合後の公式会見で「フリーで4回転をやるか」という質問に女性が「スロー4回転サルコウを決めます。」と言っていた。
 9番滑走でペン・ジャン組(中。17,30)。曲は「アラビアの踊り」。冒頭のソロジャンプは成功、全ジャッジが加点。デススパイラルもレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。スローループは幅もあり、全ジャッジが加点2〜3。リフトもレベル4でほぼ加点2〜3。スピンは少しずれてレベル3。技術点3番目の36.76、演技構成点3番目の33.05、合計69.81でSP2位。試合後の公式会見で男性が「ツイストで4回転を予定。スローは来年以降。」と言ったところ、SP3位のスイが「そうしてください。」と言ったので会場に笑い。

 アメリカは3組エントリーしたが、4番滑走の全米3位のケイン・オシェイ組は、62.05が自己ベスト更新なので8位は妥当だが、6番滑走の全米2位デニー・フレイジャー組は、男性がソロジャンプで転倒、56.98の9位と出遅れ。かなり呆然としていた。最終滑走の全米王者シメカ・クニエリム組も、男性がソロジャンプで2回転になり、63.54の5位発進と不本意な出来。
 フリーでは、シメカ・クニエリム組フリーも5位、総合5位、デニー・フレイジャー組フリー7位、総合7位、ケイン・オシェイ組フリー8位、総合8位。

 フリー。世界選手権のミニマムスコアは43以上。2番滑走で高橋・木原組。曲は「That's Entertainmen」他。冒頭の連続ジャンプで高橋がアンダーローテーションで転倒。木原も第2を跳ばなかったので、後半のダブルアクセルもソロジャンプ扱いとなりREPマークで70パーセントの基礎点に。解説の岡部さんは「男性がサルコウに1回転だけでもつけていればダブルアクセルの減点を防げた。これも経験を積むことでわかっていく。」と言う。ツイストは2回転ですごく慎重にタイミングを図っていた。一つめのリフトはレベル2。スロージャンプは二つとも成功。フライングスピンはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。グループ4のリフトはレベル4。デススパイラルはレベル3。最後のペアスピンは遅くなってしまいレベル2。技術点44.27、演技構成点43.94、転倒の減点1、合計87.21でフリー10位、総合132.84で10位。
 5番滑走でイリシェチキナ・モスコビッチ組。曲は「ロシアから愛をこめて」。冒頭の3回転と2回転のシークエンス成功。ツイストはもたれてしまいレベルB。ソロジャンプも決める。リフトは三つともレベル4。二つめの男性が片ひざ付きの姿勢から立ち上がるリフトは全ジャッジが加点。一つめのスローはルッツはこらえた。ペアスピンはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。二つめのスローループは両足か。デススパイラルレベル2。ソロスピンはレベル4。技術点55.89、演技構成点57.48、合計113.37でフリーも6位、総合173.5で6位。二人の微妙なズレが合ってくれば、どんどん強くなりそう。試合後のインタビューで女性は「2年くらい大会に出ていなかったので、試合ができて嬉しい。」と言っていた。
 最終グループ7番滑走でスイ・ハン組。曲はチャイコフスキーの「Francesca da Rimini」。クラシックなメロディー。女性の衣装は水色。冒頭の4回転ツイストは全ジャッジが加点。3回転トウループからの3連続も成功、全ジャッジが加点。グループ3のリフトはレベル4で全ジャッジが加点。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点2〜3。しかし次のペアスピンで、足を替えた前後で各姿勢が3回転以上必要なところが足りずに無得点に。ソロジャンプも女性がアンダーローテーションでステップアウト。ここで大きく得点を失いメダルを逃す。ソロのフライング足替えスピンはレベル3。コリオシークエンスは全ジャッジが加点。デススパイラルはなぜかレベル1。最後のリフト二つはレベル3と4で全ジャッジが加点。技術点63.93、演技構成点65.76、合計129.69でフリー4位、総合198.88で3位と1.11差の4位。

 8番滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「Neutron Star」他。冒頭のツイストはレベル3で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。めずらしくソロのルッツで女性がステップアウト。しかしスローサルコウは4回転を決める。ソロのフライング足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。3回転トウループからの3連続も全ジャッジが加点。デススパイラルと最後のリフトはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。中盤のリフト二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ペアスピンもレベル4で全ジャッジが加点。スロールッツも成功、全ジャッジが加点。基礎点63.0に全体で10.73の加点。技術点73.39、演技構成点70.42、合計143.81でフリーも1位、総合219.48で優勝。2年前に続き2回目。
 9番滑走でペン・ジャン組。曲はショスタコビッチの「Allegretto from Piano Trio」。現代的な変わったメロディー。振付はローリ・ニコルで男女の恋愛のストーリーとのこと。冒頭の4回転ツイストは余裕があり、全ジャッジが加点2〜3。ソロのダブルアクセルで女性が転倒。連続ジャンプも女性の第2が1回転に。ソロスピンはレベル3。スロージャンプは二つとも全ジャッジが加点2〜3。リフトも三つともレベル4。うち二つは全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3でほぼ全ジャッジが加点2〜3。最後のペアスピンもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。基礎点55.6に全体で10.17の加点。技術点65.77点、演技構成点66.87、転倒の減点1、合計131.64でフリー3位、総合201.45で2位。
 最終滑走でパン・トン組。曲は「Io Ci Saro」。衣装は濃い水色に濃い青のアクセント。冒頭はダブルアクセルのシークエンスの予定が女性の第1ジャンプが1回転に。次のトウループも女性が2回転に。ツイストは高くレベル3で全ジャッジが加点1〜3。スロージャンプは二つとも見事で全ジャッジが加点2〜3。リフトは二つがレベル4、一つがレベル3で全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3で全ジャッジが加点。ソロスピンもレベル4で全ジャッジが加点。ペアスピンだけスピードが上がらずレベル1。コリオシークエンスはさすがに美しく全ジャッジが加点2〜3。技術点62.32点、演技構成点70.8、合計133.12でフリー2位、総合199.99で3位。試合後のインタビューでは「金を5つ持っているが」と言いながら、銅メダルも嬉しそうだった。やはり、上海の世界選手権にISUの理事が来るので、冬季五輪招致のため限定現役復帰したらしい。

 <アイスダンス>13組出場。日本のリード姉弟は、怪我のため不参加。平井・デラアスンシオン組が出場。カナダ、アメリカ、中国から3組ずつ。中国は、今季シニアデビューのワン・リュウ組(20,20)がSD7位と健闘。コーチはクリロワ、カメレンゴ。他にカザフスタン、韓国、メキシコから1組ずつ。世界選手権のミニマムスコアはSDが27以上。
 4番滑走で平井・デラアスンシオン組(28,26)。曲は「Garcia Lorc」他。衣装は女性が紫、男性が黒。冒頭でパターンダンス。パソドブレはレベル1、PStはレベル2。直線のステップはレベル3。ツイズルはよく合っていてレベル4、回転リフトもレベル4。ずいぶんスパニッシュらしくなった。ショーンフェルダーコーチともども笑顔。技術点26.63、演技構成点22.17、リフトの時間超過の減点1、合計47.8は自己ベスト更新でSD8位。惜しくも世界選手権のミニマムポイントに届かず。
 7番滑走でポール・イスラム組(加。23,25)。曲は「Nocturno」。衣装は女性が赤、男性が黒。冒頭のツイズルは速く、レベル4に全ジャッジが加点。パソドブレはレベル4で全ジャッジが加点、PStはレベル2。直線のステップはなぜかレベル2だが、全ジャッジが加点。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。技術点31.71、演技構成点29.63、合計61.34は自己ベスト更新でSD5位。
 最終グループ10番滑走でウィーバー・ポジェ組(加。25,27)。曲は「La Virgen de la Macarena」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイズルがレベル2で取りこぼし。解説の東野さんによれば、フリーレッグを45度以上に保っていないとレベルが上がらないが、足が上下していたとのこと。ステップはレベル3だが加点2〜3。パソドブレはレベル3、PStはレベル2。回転リフトはレベル4で加点2〜3。技術点4番目の32.12、演技構成点最高の36.19、合計68.31でSD3位。めずらしく男性の動きが少し硬かった。

 11番滑走でシブタニ兄弟(米。20,23)。曲は「Asturias Variations」他。ここも全要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイズルはよく合っていてレベル4、加点も二人以外は3。ステップはレベル3で加点1〜3。パソドブレはレベル4、PStはレベル3。回転リフトはレベル4で、加点1〜3。技術点最高の35.85、演技構成点3番目の33.8、合計69.65は自己ベスト更新でSD2位。全米以降も改善してきたようだ。なお、アメリカからは3組目としてハベル・ドナヒュー組の代わりにハワイエク・ベイカー組が出てSD6位。
 12番滑走でチョック・ベイツ組(米。22、25)。曲は「ドンキホーテ」。ここも全要素に全ジャッジが加点。冒頭は直線のリフトでレベル4に加点2〜3。ツイズルもレベル4で加点2〜3。パソドブレ、PStともレベル3。ステップもレベル3。技術点2番目の34.96、演技構成点も2番目の35.42、合計70.38はここも自己ベスト更新でSD1位。
 最終滑走でギレス・ポワリエ組(加。23,23)。曲は「El Gato Montes」他。まずパターンダンスでパソドブレ、PStともレベル3。パソドブレは全ジャッジが加点。ステップはレベル2。ツイズルと回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点。リフトは加点1〜3。なんだか男性の滑りにキレがない。試合後のインタビューで怪我から回復したと言っていたが、まだ完調ではないらしい。技術点3番目の32.13、演技構成点4番目の31.32、合計63.45は自己ベスト更新でSD4位。

 フリー。中国がひと組棄権。世界選手権のミニマムスコアは37以上。7番滑走で平井・デラアスンシオン組。曲はブルーブラザーズの「Peter Gunn theme」他。ツイズルはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。サーキュラーステップはレベル1。カーブのリフトは、男性の右足の上に女性が両手で倒立する難しい形でレベル4にほぼ全ジャッジが加点。ロングリフトは二つともレベル4。対角線のステップはレベル3。スピンはレベル4。技術点39.98、演技構成点34.89、合計74.87は自己ベスト更新でフリー8位、総合122.67で8位。フリーはミニマムボイントクリア。
 9番滑走でシブタニ兄弟。曲は「南国のバラ」と「青きドナウ」。ツイズル以外の全要素に全ジャッジが加点。リフト三つとスピンはレベル4。冒頭の直線のリフトと続く回転リフトは加点2〜3。ステップ二つはレベル3。ツイズルは、めずらしく男性が第3ツイズルでバランスを崩し、レベル3。最後のコリオリフトは加点1〜3。技術点49.16、演技構成点51.98、合計101.14でフリー位、総合170.79で3位。
 10番滑走でギレス・ポワリエ組。曲は「紳士は金髪がお好き」他。女性は鮮やかな青い衣装。男性は黒い襟の白い上着に蝶ネクタイ。サーペンタインステップ以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイズルはレベル4。リフト三つとスピンもレベル4。特に回転リフトは加点2〜3。スピンは足を替えないで逆回りするのはこの組だけ、と解説の東野さん。ステップ二つはレベル2。コリオスピンは加点1〜3。フリーでは男性はいつも通りの感じ。技術点48.86、演技構成点49.94、合計98.8は自己ベスト更新でフリー4位、総合162.25で4位。

 11番滑走でウィーバー・ポジェ組。曲はリヒター編曲の「四季」。全要素に全ジャッジが加点。今季はスケートカナダから完成度が高かったが、また一段とスピードにも磨きがかかった。今季全試合で優勝している。SD3位で気迫のこもった演技。ステップは二つともレベル3だが冒頭のサーキュラーステップは加点2〜3。ツイズル、リフト三つ、スピンはレベル4。特にスピンと回転リフトは加点2〜3。最後のコリオスピンも加点2〜3。基礎点40.5に全体で12点以上の加点。技術点53.27、演技構成点55.88、合計109.15でフリー1位、総合177.46で逆転優勝。
 12番滑走でチョック・ベイツ組。曲は「パリのアメリカ人」。コーチ、振付ともシュピルバンド。衣装を変えてきた。女性はダークレッドで両脇が透かし編み目模様。男性は色違いのダークブルー。ここも全要素に全ジャッジが加点。二つのステップだけレベル3で他の要素は全てレベル4。冒頭の直線のリフトは加点2〜3。スピンも加点2〜3。終盤の回転リフトとコリオスピンも加点2〜3。基礎点40.5に全体で11.43の加点。技術点51.93、演技構成点53.87、合計105.8でフリー2位、総合176.18で2位。つまりは加点が勝負を分けた。
 最終滑走でポール・イスラム組。曲はGPシリーズ後に変更した「In Your Eyes」。モダンダンスのような振付。コーチはクリロワ、カメレンゴ。振付はクリロワ、デュブレイユ、ローゾン。冒頭のサーキュラーステップはレベル2だが全ジャッジが加点。リフト三つとスピンはレベル4で全ジャッジが加点。直線のステップとツイズルはレベル3。終盤、つなぎのところでなんと男性が転倒。直後に片足になるリフトがあったが耐えた。技術点44.92点、演技構成点44.66、転倒の減点1、合計88.58でフリー6位、総合149.92で6位と後退。


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フィギュアスケート (2015.2/18,19,20,21,)

カナダ選手権 (2015.1/19〜25 キングストン・オンタリオ州)

 <女子シングル>18人出場。オズモンドは骨折で欠場。結局今季全休とか。ラコステも出ていない。四大陸代表3枠、世界選手権代表2枠を争う。16番滑走でチャートランド(18)。昨季国内5位。今季GPシリーズスケートカナダ7位、ロシア杯3位。曲は「La Leyenda del Bes」。衣装は赤。冒頭のダブルアクセルは余裕があり全ジャッジが加点1〜3。続けてルッツからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。スピンは三つともレベル4。後半、ステップからのループで腰砕けになり、転倒扱い。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点32.02、演技構成点29.23、転倒の減点1、合計60.25でSP3位。
 17番滑走でマレー(20)。今季GPシリーズスケートカナダとボンパール杯で10位。曲はショパンの「ワルツ第7番」。冒頭の連続ジャンプはフリップからの連続ジャンプ。ステップからのループも決める。スピンは三つとも レベル4でほぼ全ジャッジが加点。特に最後の足替えスピンは加点2〜3。後半のダブルアクセルは全ジャッジが加点1〜3。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点33.25、演技構成点27.94、合計でSP2位。
 18番滑走でデイルマン(17)。今季GPシリーズ中国杯5位、NHK杯6位。曲はビバルディ「四季」より「Winter 3」。冒頭でトウループの連続3回転を決める。ジャンプは勢いがあって力強い。全ジャッジが加点2〜3。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ステップからのルッツで転倒。ダブルアクセルは成功。技術点34.94、演技構成点28.97、転倒の減点1、合計62.91でSP1位。

 フリー。16番滑走でチャートランド。曲は昨季と同じ「ドクトル・ジバゴ」。衣装は水色で長手袋も同色。冒頭はルッツからの連続3回転、ルッツが曲がったがなんとか成功。フリップは!マークで両足。ループからの連続ジャンプは決める。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル4、一人だけ無得点だが他のジャッジは全員加点2。解説の杉田さんが「SPより力が入っている。」と言う。後半、ダブルアクセルから1回転をはさんだ3回転サルコウもぎりぎり跳びきった。ルッツはオーバーターン。ループはとうとうアンダーローテーションで転倒。しかしコリオは全ジャッジが加点1〜3。ダブルアクセルも全ジャッジが加点。技術点63.5、演技構成点61.49、転倒の減点1、合計123.99でフリー1位、総合2位。四大陸と世界選手権代表に。
 17番滑走でマレー。曲は「ファニー・ガール」。冒頭のフリップからの連続ジャンプ成功。次のルッツはeマーク。ループからの3連続も決める。二つのフライングスピンもレベル4で全ジャッジが加点。「ここまで非常に順調。問題は後半の出来。」と杉田さんが言う。後半最初のトウループは決めたが、フリップはステップアウト。ループは綺麗でほぼ全ジャッジが加点。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。しかし、最後の連続ジャンプのサルコウからダブルアクセルが、サルコウで転倒し第2が付かなかったため、必須のアクセルがなくなってしまい、サルコウも無得点に。基礎点で7.5を失う。最後の足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点。技術点53.76、演技構成点58.48、転倒の減点1、合計111.24でフリー3位、総合3位。四大陸代表に。
 最終滑走でデイルマン。曲は「アランフェス」。冒頭はルッツからの3連続。ルッツが傾いたが強引にトウループ、ループと跳びきる。ステップはレベル4で全ジャッジが加点。ダブルアクセルから3回転トウは、幅があり豪快な感じ。全ジャッジが加点2〜3。フライング足替えスピンもレベル4で全ジャッジが加点。後半、ソロのルッツでステップアウト。サルコウは全ジャッジが加点。しかしフリップはeマークの上、2回転に。ここでダブルアクセル、サルコウからの連続ジャンプと踏ん張る。玲はレベル3。コリオシークエンスはほぼ全ジャッジが加点。最後の足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点。終わったとき、「やりきった」という顔。技術点61.53、演技構成点61.58、合計123.11でフリー2位、総合で初優勝。四大陸と世界選手権代表に。

 <男子シングル>18人出場。チャンは今季お休み。アメリカからメッシングが移籍。お母さんがカナダ人らしい。SP6位。女子と同じく、四大陸代表3枠、世界選手権代表2枠。
 14番滑走でジェレミー・テン(25)。今季で引退を表明。今季GPシリーズロシア杯10位、NHK杯8位。曲は「Dance For Me Wallis」。冒頭のトリプルアクセル成功。ルッツからの連続3回転は、ルッツで大きくバランスを崩したが、なんとか片足で第2につなげた。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。後半ステップからのフリップも決める。フライングスピンはレベル1だが全ジャッジが加点1。技術点39.29、演技構成点2番目のの38.51、合計77.8でSP2位。
 15番滑走でニューエン(16)。急に背が伸びたようだ。昨季国内シニア5位、世界ジュニア1位。今季GPシリーズスケートアメリカ3位、中国杯4位。曲は「Sinnerman」。冒頭のトリプルアクセル成功。スピン三つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点2〜3。後半、ルッツからの連続3回転はほぼ全ジャッジが加点。ステップからのフリップも決め、全ジャッジが加点。ノーミスで終え、技術点最高の43.42、演技構成点38.36、合計81.78でSP1位。

 16番滑走でバルデ(24)。今季GPシリーズスケートカナダ7位、NHK杯6位。曲は「This is a Man's Man's Man's World」他。冒頭の4回転は両手と片ヒザをつき転倒扱い。ルッツからの連続3回転の予定が第1ジャが1回転に。要素を失う。フライングスピンはレベル2。後半、トリプルアクセルは全ジャッジが加点。レベル3のスピン二つのうち一つとレベル4のステップは全ジャッジが加点。全体にスピードとキレがなく、緊張のせいか。技術点29.87、演技構成点35.92、合計64.79でSP7位。
 17番滑走でフィルス(22)。今季ネーベルホルン杯9位、GPシリーズスケートカナダ11位。曲はピアソラの「Adios Nonino」。冒頭のトリプルアクセルステップアウト。ステップからのフリップは全ジャッジが加点2〜3。スピン二つとステップはレベル4に全ジャッジが加点。特に一つ目の足替えシットスピンとステップは加点2〜3。後半ルッツからの連続3回転の予定がルッツが2回転に。最後のスピンはレベル3。技術点34.41、演技構成点最高の39.79、転倒の減点1、合計73.2でSP4位。滑りは美しいが、印象が弱い。解説の岡部さんは「ジュニアの頃から見ているが、クリーンプログラムを見てみたい。」と言う。
 最終滑走でレイノルズ(24)。一昨季四大陸優勝。ここ3年国内2位。今季も靴が合わずに苦労。とうとうイタリアで特注したらしい。捻挫もして、この大会前に2週間しか練習できなかったらしい。曲は「Back in Black」他。冒頭の4回転サルコウはアンダーローテーションで転倒。第2入らず。4回転トウループもアンダーローテーションで転倒。トリプルアクセルもアンダーローテーションで転倒。スピン三つはレベル4。ステップはレベル2。全体にスピードもない。技術点24.3、演技構成点34.07、転倒の減点3、合計55.37でSP12位。

 フリー。レイノルズが怪我で棄権。
 13番滑走でメッシング(23)。2010、2011年世界ジュニア4位。昨季全米12位。冒頭で4回転2回転成功。トリプルアクセルの予定がばらけて2回転に。スピン二つはすごく速く回り、レベル3で全ジャッジが加点。ソロのルッツ、トウループ、レベル3のステップは全ジャッジが加点。特に最後の足替えスピンは加点1〜3。後半、フリップからの連続3回転はフリップがeマーク。フライングシットスピンはレベル2だが全ジャッジが加点2〜3。サルコウとループは2回転に。ルッツからの連続ジャンプは決める。技術点65.83、演技構成点73.34、合計138.17でフリー5位、総合位。
 15番滑走でフィルス。曲は「ムーラン・ルージュ」。冒頭でトリプルアクセルの予定がパンクして1回転に。フリップからの連続ジャンプとソロのループは全ジャッジが加点。ステップはレベル4で全ジャッジがほぼ加点3。足替えシットスピンはレベル4で全ジャッジが加点。後半、ルッツからの連続3回転、ソロのルッツと成功。二つ目のフリップはステップアウト。フライングスピンはレベル3。ダブルアクセルから1回転をはさんだ3回転サルコウの3連続は第3がアンダーローテーション。もう一つダブルアクセル。少し乱れる。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。最後のスピンは軸がぶれてレベル1で全ジャッジが減点。結局4回転もトリプルアクセルもなし。技術点66.68、演技構成点最高の82.52、合計149.2でフリー2位、総合3位。四大陸選手権代表に。

 16番滑走でSP3位のサドフスキー(15)。両親はウクライナの人。昨季国内シニア8位。今季ジュニアGPシリーズ優勝と4位、ジュニアGPファイナル5位。曲は「レ・ミゼラブル」。冒頭のサルコウ、ダブルアクセルは美しく全ジャッジが加点。ルッツからの連続ジャンプはルッツがパンクして1回転に。ソロのループは成功。スピンは三つともレベル4。特に二つ目の足替えスピンは全ジャッジが加点1〜3、最後の足替えスピンは全ジャッジが加点2〜3。フリップはeマーク。ステップはレベル3で全ジャッジが加点。後半、ダブルアクセルから3回転トウを成功、全ジャッジが加点。ソロのルッツも決める。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。サルコウからの3連続も決める。全体に滑りはいいが、まだ体が軽いので、力強さがない。技術点64.74、演技構成点72.56、合計137.3でフリー6位、総合位。
 17番滑走でジェレミー・テン。曲は「ハレルヤ」。冒頭の4回転はアンダーローテーションで転倒。しかし初めてプログラムに入れて挑戦。トリプルアクセルも転倒。しかしその後は何とか滑りきった。ルッツからの連続3回転、ソロのループはほぼ全ジャッジが加点。後半、ソロのルッツの後、フリップからの連続3回転成功。ダブルアクセルに続いて、サルコウからの3連続もなんとか決める。スピンは二つがレベル1とレベル2。ステップはレベル3で全ジャッジが加点。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。最後の足替えスピンはレベル4。最後の選手権で、集中した演技ができて観客も大きな拍手。引き上げるとき、氷に手を触れていた。技術点69.02、演技構成点77.76、転倒の減点2、合計144.78でフリー3位、0.18の僅差で総合2位。四大陸代表と世界選手権代表に。順位を見たとき、テンより先にマクラウドコーチが先に突っ伏して泣き出した。マクラウドコーチは、2年前までニューエンも指導していた。今回は同じ門下のレイノルズも不調だったので感極まったらしい。
 最終滑走でニューエン。曲は「道」。見ていて気持ちがいいプログラム。冒頭の4回転サルコウは軽々と成功、全ジャッジが加点。トリプルアクセルからの連続3回転も全ジャッジが加点。スピン三つとステップはレベル4。特にステップは全ジャッジが加点1〜3。後半、きれいなトリプルアクセル、フリップからの3連続と決めて、ほぼ勝利を確定。ソロのループとルッツも成功。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。技術点最高の93.52、演技構成点2番目の81.58、合計175.1でフリーも1位、総合で初優勝。優勝宣言して臨んだらしいが有言実行。なんとプレノービスのときから毎年国内選手権に出て、各世代で優勝してきた。四大陸代表と世界選手権代表に。

 <ペア>7組出場。四大陸代表3枠、世界選手権代表3枠。今季は組み替えが多い。昨季国内3位のローレンス・スウィガース組は出ていない。1番滑走でイリシェチキナ・モスコビッチ組(23,30)。女性はロシア出身。ジュニア時代はマイスラーゼと組んで2009年世界ジュニア優勝。曲は「Feeling Good」。冒頭のソロジャンプはサルコウで、今季組み替えとは思えないほど合っていて全ジャッジが加点2。ツイストは肩で受け止めたようになりレベルB。スロージャンプはルッツで全ジャッジが加点1〜3。デススパイラルレベル1だが全ジャッジが加点1〜3。リフトは男性がしゃがんだ形から立ち上がる者で全ジャッジが加点2〜3。スピンとステップはレベル3。技術点3番目の33.15、演技構成点2番目の32.0、合計65.15でSP2位。
 2番滑走でセガン・ビロドー組(18,21)。昨季国内ジュニア2位。今季ジュニアGPシリーズ2戦2勝、ファイナルも優勝。女性は156pだが少し太め。曲は「The Grand Budapest Hotel」より。ツイストはレベル2。ソロジャンプはサルコウで、全ジャッジが加点。惜しくもスローループで両手付き。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルはレベル4で全ジャッジが加点。技術点2番目の33.5、演技構成点27.97、合計61.47でSP3位。

 3番滑走でムアタワーズ・マリナロ組(22,23)。曲は「Cell Block Tango」。ツイストはレベル2。ソロジャンプはトウループ。スロージャンプはループ。デススパイラルはレベル1だが全ジャッジが加点1〜3。リフト、スピン、ステップはレベル4で、リフトとステップは全ジャッジが加点。スピンは男性がどんどん女性に近づいて危なかった。技術点4番目の31.73、演技構成点3番目の29.35、合計61.08でSP4位。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組(29,29)。女性はシーズン当初よりスリムになった感じ。曲は「Un peu plus haut」。全要素に全ジャッジが加点2〜3。ツイストはレベル3。ソロジャンプはルッツでタイミングもぴったり。スローもルッツ。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルとレベル4でそろえた。技術点ダントツの42.42、演技構成点37.08、合計79.5でSP1位。

 フリー。4番滑走でムアタワーズ・マリナロ組。曲は「Chess」。ツイストはレベル2。連続ジャンプはトウループのシークエンス。リフトは三つともレベル3。ソロジャンプはサルコウ。解説の杉田さんが「まだお互いの位置を気にしながら演技している。だから流れがない。」と言う。スピン二つはレベル4。スロージャンプはループとサルコウを続けて成功。サルコウの方は全ジャッジが加点。技術点60.21、演技構成点59.19、合計119.4でフリーも4位、総合4位。四大陸代表に。
 5番滑走でセガン・ビロドー組。曲は「Wallflower」他。ソロジャンプはサルコウで全ジャッジが加点。ツイストはレベル2。リフト二つはレベル4。デススパイラルレベル1。スピン二つはレベル4。最後のペアスピンは全ジャッジが加点。ダブルアクセルからの連続ジャンプとスローサルコウは全ジャッジが加点。技術点59.56、演技構成点60.4、合計119.96でフリーも3位、僅差で総合3位。世界選手権代表に。

 6番滑走でイリシェチキナ・モスコビッチ組。曲は「ロシアから愛をこめて」。冒頭の連続ジャンプで男性が片手つき。ツイストはまたもうまく受け止められず。ソロジャンプのサルコウで女性が転倒。リフト二つがレベル4で全ジャッジが加点。スロールッツは何とか決める。スピン二つと最後のリフトはレベル3。コリオシークエンスとスローループも全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル2だが全ジャッジが加点1〜3。技術点57.84、演技構成点64.86、合計122.7でフリーも2位、総合2位。四大陸代表と世界選手権代表に。
 最終滑走でデュハメル・ラドフォード組。曲は「Neutron Star Collision」他。一つ目のスローと連続ジャンプ以外の全要素に全ジャッジが加点。ツイストはレベル3で加点2〜3。ソロジャンプのルッツも加点2〜3。スローの4回転サルコウはきちんと決める。スピン二つはレベル4。トウループからの3連続ジャンプで、女性が第1ジャンプが乱れたため第3が1回転に。デススパイラルレベル3。リフト三つもレベル4。うち二つ目と三つ目のリフトは加点2〜3。二つ目のスロールッツも成功。コリオシークエンスは加点1〜3。技術点75.77、演技構成点74.92、合計150.69でフリー位、総合優勝で4連覇。現在、国内に敵なし。四大陸代表と世界選手権代表に。

 <アイスダンス>15組出場。ヴァーチュー・モイヤー組は引退と思っていたが「お休み」という。常連では、ラルフ・ヒル組が出ていない。13番滑走でギレス・ポワリエ組(23,23)。昨季国内4位で五輪に出られず。四大陸2位、世界選手権8位。今季GPシリーズスケートカナダとボンパール杯で2位、ファイナルは5位。曲は「El Gato Montes」。男性の衣装は完全に闘牛士、女性のスカート(?)は表が黒、裏が紫のマント。全要素に全ジャッジが加点。冒頭からパターンダンス。パソドブレはレベル3で加点2〜3。PStはレベル4。ステップはレベル3。ツイズルと回転リフトはレベル4。技術点36.04、演技構成点33.99、合計70.03でSD2位。
 14番滑走でポール・イスラム組(23,25)。昨季国内3位でソチ五輪18位、世界選手権10位。今季GPシリーズ中国杯5位、ボンパール杯6位。曲は「Nocturno」他。ツイズルはレベル3。パソドブレはレベル2、PStはレベル4、いずれも全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点2。回転リフトはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。技術点32.84、演技構成点32.03、合計64.87でSD3位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組(25,27)。昨季国内2位でソチ五輪7位、世界選手権2位。今季GPシリーズスケートカナダとNHK杯で優勝、ファイナルも優勝。曲は「La Virgen de la Macarena」。全要素に全ジャッジが加点2〜3。ツイズルはレベル4。ステップはレベル3。パソドブレはレベル4でPStはレベル3。最後の回転リフトはレベル4。技術点37.69、演技構成点38.57、合計76.26でSD1位。1位と2位、2位と3位の間が6点ずつくらい空いている。

 フリー。13番滑走でポール・イスラム組。フリーの曲を変更。曲は「In Your Eyes」。女性のスカートがモノトーンの花びら重ねのよう。ツイズル以外の全要素に全ジャッジが加点。サーキュラーステップはレベル3、加点2。カーブのリフトはレベル4で加点2〜3。スピンと直線のステップ、ツイズルはレベル3。ツイズルで女性がかすかにスタンブル。回転リフトはレベル4、直線のリフトはレベル2。GPシリーズの後、変更してよくここまで仕上げてきたと驚く。技術点47.5、演技構成点49.3、リフトの時間超過で減点1、合計95.8でフリー5位、総合3位。
 14番滑走でギレス・ポワリエ組。曲は「欲望という名の列車」「紳士は金髪が好き」他。全要素に全ジャッジが加点。冒頭のツイズルは速く、レベル4二科展2〜3。直線のリフトもレベル4で加点2〜3。サーペンタインステップはレベル3だが加点2〜3。回転リフトとカーブのリフトはレベル4。回転リフトは加点2〜3。スピンもレベル4。直線のステップはレベル2だが加点2〜3。最後のコリオスピンも加点2〜3。技術点51.84、演技構成点52.83、合計104.67でフリーも2位、総合2位。
 最終滑走でウィーバー・ポジェ組。曲はビバルディ「四季」より。SDと同じく全要素に全ジャッジが加点2〜3。冒頭のサーキュラーステップはレベル3。ツイズルはレベル4。男性が片足になりフリーレッグを後ろから前に動かす直線のリフトはレベル2。男性がクラウチの姿勢で女性が真横の姿勢になるカーブのリフトはほぼ加点3。スピン、回転リフトはレベル4で、回転リフトは加点3。対角線のステップはレベル3。完璧に見えたが、これで全部レベル4でないのがこわい。技術点53.17、演技構成点58.45、合計111.62でフリーも1位、総合で初優勝。

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フィギュアスケート (2015.2/7,8,10,11,13,14,15,)

全米選手権 (2015.1/17〜25 グリーンズボロ・ノースカロライナ州)

 <女子シングル>22人出場。既にSPで連続3回転を跳ばない選手の方がずっと少ない時代になった。1番滑走でジャン(21)。冒頭の連続3回転はループ-ループ。第2がアンダーローテーション気味。ステップからのフリップはステップアウト。スピン一つがレベル4、あと二つのスピンとステップはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。技術点31.88、演技構成点23.52、合計55.4でSP13位。今コーチがいないらしくキスアンドクライに一人ですわっていた。
 3番滑走でグレン(15)。昨季全米ジュニア優勝。期待の若手。曲は「サマータイム」。冒頭でフリップからの連続3回転成功。!マーク。スピン二つとステップでレベル4。特に最後のレイバックスピンは全ジャッジが加点2〜3ら。後半ステップからのループも全ジャッジが加点。技術点35.14、演技構成点27.9、合計63.04でSP7位。
 9番滑走でヒックス(19)。2011年全米ジュニア優勝。今季GPシリーズスケートカナダとボンパール杯で4位。曲は「コードネーム・ビバルディ」。少し太めだが力強いジャンプが得意。冒頭でフリップからの連続3回転を成功。スピン二つでレベル4。手で曲げた片足のブレードを持ったままシット姿勢になるスピンが特徴的。最後の足替えスピンは全ジャッジが加点2〜3。ステップからのルッツ、ダブルアクセルと続けて決める。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。全体に迫力のある演技。技術点37.15、演技構成点27.86、合計65.01でSP5位。

 11番滑走でエドマンズ(16)。167pとあるがこれよりまた背が伸びたのではないか。今季GPシリーズ中国杯4位、NHK杯8位。ジャンプに少し苦しむ。曲は「タンゴ・セレナータ」他。冒頭のルッツからの連続3回転は成功。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。特にレイバックスピンは加点2〜3。ステップからのフリップは!マーク。最後のステップはレベル4に全ジャッジが加点。技術点36.41、演技構成点29.63、合計66.04でSP3位。
 13番滑走でワグナー(23)。今季GPシリーズスケートカナダ2位、ボンパール杯3位、ファイナル3位。曲は「スパルタカス」。岡部さんによれば「ずいぶんアンダーローテーションの修正をしてきた」。冒頭のルッツからの連続3回転は、Jスポーツ解説の岡部さんの見立てはeマークだが、!マーク判定。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。後半、ダブルアクセルとステップからのフリップも決めて、技術点38.33、演技構成点33.71、合計71.04でSP1位。
 18番滑走でガオ(20)。167pだが少し大きくなったようにも見える。成長のせいなのか、ハーバード大学との両立がたいへんなのか、ジャンプが不調。今季GPシリーズ中国杯、NHK杯とも9位。曲は「リバー」。冒頭のトウループの連続3回転はなんとか跳んだ。ダブルアクセルはステップアウトし両手つき。スピンは三つともレベル3。ステップからのループはアンダーローテーションで転倒。ステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。技術点25.78、演技構成点26.0、合計50.78でSP18位。

 19番滑走でゴールド(19)。昨季全米優勝。今季GPシリーズスケートアメリカ3位、NHK杯優勝。右足の疲労骨折でファイナル辞退。曲はグリーグの「アダージオ」。冒頭の連続3回転の予定が、壁に近すぎたせいか、怪我していたせいか、第2が2回転に。レイバックスピンと最後の足替えスピンはすばらしく、レベル4で全ジャッジが加点2〜3。ステップからのループ、ダブルアクセルと続けて成功。ステップもレベル4で全ジャッジが加点2〜3と貫禄を見せた。技術点33.97、演技構成点33.05、合計67.02でSP2位。
 21番滑走でカレン・チェン(15)。両親は台湾出身。今季ジュニアGPシリーズ2位と3位だったが怪我でファイナルは行けず。曲は「レクイエム」。冒頭ルッツからの連続3回転は高かったが第2がアンダーローテーション。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。特に、最後のレイバックスピンは全員加点3。ステップからのループとダブルアクセルも全ジャッジが加点。ステップはレベル3だがこれも全ジャッジが加点1〜3。技術点36.46、演技構成点28.2、合計64.66でSP6位。
 最終滑走で長洲未来(21)。今季GPシリーズスケートアメリカ6位、ロシア杯4位。曲はラフマニノフ「パガニーニの主題によるラプソディ」。冒頭フリップからの連続3回転は第2がアンダーローテーション。スピン三つとステップはレベル4。一つ目のフライングスピンは入りが乱れたが、他の二つのスピンとステップは全ジャッジが加点。ステップからのループとダブルアクセルも決める。ダブルアクセルは全ジャッジが加点。技術点35.19、演技構成点30.09、合計65.28でSP4位。

 フリー。4番滑走でガオ。曲は「Once Upon a Dream」。冒頭、フリップからの連続ジャンプ、ループからの連続ジャンプと成功。このグループの他の選手とは明らかに滑りの速さ、深さ、滑らかさが違う。ダブルアクセル、フライングスピンとなんとか成功したが、二つ目のフリップで転倒。ループは決めて全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。トウループから1回転をはさんで2回転サルコウの3連続成功、嬉しそう。最後のレイバックスピンもレベル3だが、きれいに決めて技術点54.98、演技構成点55.84、転倒の減点1、合計109.82でフリー8位、総合11位。終わったとき泣いていたのを見て、解説の岡部さんは「引退するのかもしれない。」と言う。
 8番滑走でジャン。曲は「Butterfly Lovers Concerto」。フリップが二つともパンクして1回転に。ルッツからの連続ジャンプは決めたがeマーク。ループからの3連続は成功。足替えスピンはレベル4で全ジャッジが加点したが、フライングスピンはレベル3。ステップはなんとレベル1。コーチがいないと修正できないか。後半ループからの連続ジャンプも第2が1回転。コリオシークエンスは素晴らしいスパイラルで全ジャッジが加点2〜3。最後のレイバックスピンはレベル2だが全ジャッジが加点1〜3。技術点43.3、演技構成点45.3、合計88.6でフリー19位、総合19位。もう復活できないか。
 13番滑走でSP11位のシザーリオ(21)。曲は「カルメン」。途中で昨年、一昨年にも使った曲に戻したらしい。冒頭で3回転ループ1回転3回転サルコウの3連続成功、ただし第3はアンダーローテーション。後半のルッツがeマーク。しかし予定したジャンプは全て跳んだ。スピンは二つがレベル4でほぼ全ジャッジが加点。レイバックスピンだけレベル3。ステップはレベル4で全ジャッジが加点1〜3。ダブルアクセルのシークエンスの後、コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。やりきった。満面の笑み。技術点62.07、演技構成点61.54、合計123.61でフリー5位、総合5位。

 最終グループ17番滑走で長洲未来。曲は「蝶々夫人」。何としても世界選手権に出たいという意気込みが裏目に出たか。すごいスピードで入り、フリップから3回転2回転の3連続(第2、第3ともアンダーローテーション)、ダブルアクセルから3回転トウと決めた後、滑走中に壁に接触して転倒、左ヒザを傷めた。直後のループからの連続ジャンプはステップアウトし、後半サルコウで転倒したが、後の要素は痛そうな顔ながらやりきった。ただ、ステップはレベル2、ルッツはアンダーローテーション。得意のスピンは一つだけレベル4。あと二つがレベル3で全ジャッジが加点。終わった途端、痛そうに引き上げたが、なんとか挨拶に戻った。技術点50.35、演技構成点53.0、転倒の減点2、合計101.35でフリー12位、総合10位。
 18番滑走でカレン・チェン。新星現わる!! 昨年のエドマンズに続き、15歳の新鋭が初出場で表彰台。曲は「ゴッドファーザー」。冒頭ルッツからの連続3回転を軽々と。第2はアンダーローテーション。スピン三つとステップはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。滑りも回転も速い、回転は十分、エッジは正確、見得も決まって、はつらつと演技。後半、サルコウからの連続ジャンプ、ソロのルッツ、ダブルアクセルからの3連続と次々成功、さらにスピードを上げてコリオシークエンスへと続くところは圧巻。足替えスピンとダブルアクセル、終盤のコリオシークエンスとレイバックスピンは全ジャッジが加点2〜3。解説の岡部さんも絶賛していたが、「あえて言えば、この曲を表現できていない」。技術点70.51、演技構成点64.62、合計135.13でフリー3位、総合3位。世界ジュニアへ。
 19番滑走でヒックス。曲は「アンナ・カレーニナ」。冒頭のフリップからの連続3回転は第2がダウングレードで両足。スピン三つとステップはレベル4。ジャンプが荒っぽい。後半、ルッツからの3連続はクリーンに決めたが、ソロのルッツが2回転に。続くダブルアクセルのシークエンスも第1が1回転。技術点54.3、演技構成点55.02、合計109.32でフリー9位、総合8位。

 20番滑走でワグナー。曲は映画「ムーランルージュ」より。冒頭は全ジャッジが加点1〜3のダブルアクセル。ルッツからの連続3回転、ダブルアクセルからの連続ジャンプと成功。アンダーローテーションもエッジ違反もなし。フライングシットスピンとステップはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはほぼ加点3。後半、ループから1回転をはさんで3回転サルコウを決め、全ジャッジが加点。終盤、ソロのルッツ、コリオシークエンス、フライング足替えスピンは全ジャッジが加点。特にコリオシークエンスは加点2〜3で本領発揮。基礎点60.52に全体で13.44もの加点。ノーミスで滑り終えたとき快哉。技術点73.96、演技構成点75.02、合計148.98でフリー1位、総合で三度目の優勝。四大陸と世界選手権へ。
 21番滑走でゴールド。曲は「ファンタジア」他。冒頭ルッツからの連続3回転をさらっと決めて全ジャッジが加点2〜3。続けてダブルアクセルから3回転トウは何とか決める。ループとレベル4の足替えスピンは全ジャッジが加点。後半、フリップがeマークの上アンダーローテーションで転倒。これで逆転優勝は消えた。しかしその後の要素は全て全ジャッジが加点。ソロのルッツは加点1〜3、サルコウからの3連続も成功。ステップとレイバックスピンはレベル4で加点2〜3。最後のコリオシークエンスも加点2〜3。技術点68.93、演技構成点70.59、転倒の減点1、合計138.52でフリー2位、総合2位。四大陸と世界選手権へ。
 最終滑走でエドマンズ。曲は「ティンカー・ベル」他。冒頭のルッツからの連続3回転は全ジャッジが加点。フリップから1回転をはさんで3回転サルコウはなんとか決める。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点。スピン二つはレベル4でほぼ全ジャッジが加点。後半、ルッツで転倒。フリップはeマーク。ループからの連続ジャンプは成功。最後のレイバックスピンはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。技術点64.63、演技構成点62.75、転倒の減点1、転倒の減点1、合計126.58でフリー4位、総合4位。四大陸と世界選手権へ。

 <男子シングル>20人出場。キャリエールが棄権。2番滑走でマイナー。今季GPシリーズはNHK杯のみで7位。曲は「The Way We Were」。冒頭は大きく体を使ったステップで、レベル4に全ジャッジが加点2〜3。ステップからのフリップは全ジャッジが加点1〜3。トリプルアクセルも全ジャッジが加点。スピンは三つともレベル4で全ジャッジが加点。ルッツからの連続ジャンプは間にターンが入った。技術点42.11、演技構成点40.14、合計82.25と、第1グループと思えないほどの得点が出て、SP6位。
 5番滑走でネイサン・チェン(15)。ソルトレーク生まれで、五輪を見てスケートを始めたらしい。昨季世界ジュニア優勝。今季ジュニアGPシリーズ2位。曲はビバルディ「四季」より。キレのあるジャンプと表現力もある。冒頭フリップからの連続3回転は全ジャッジが加点。ステップからのルッツもほぼ全ジャッジが加点。エッジの跳び分けもいいようだ。スピン三つとステップもレベル4。特にステップは全ジャッジが加点ほぼ2〜3。ダブルアクセルだが全ジャッジが加点。技術点38.7、演技構成点37.5、合計76.2でSP8位は立派。
 6番滑走でリッポン(25)。今季GPシリーズスケートカナダ10位、ボンパール杯5位。なんと4回転ルッツを入れるために曲を変更。振付は本人(女子選手の何人かの振付もしていた)。冒頭で4回転ルッツ。直前のステップがなかったのと、アンダーローテーションで両足だが一応認定。トリプルアクセルは全ジャッジが加点。フライングスピンもレベル4でほぼ全ジャッジが加点。ルッツからの連続3回転は第2ジャンプで両手上げ。これもほぼ全ジャッジが加点。ステップはたいへんすばらしく、ほぼ全ジャッジが加点3。最後の二つの足替えスビンはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点。技術点43.79、演技構成点40.92、合計84.71で、ここまでトップのマイナーを抜いてこの時点での1位、SP5位。

 12番滑走でジェイソン・ブラウン(20)。まだ4回転はない。今季GPシリーズスケートアメリカ2位、ロシア杯5位。曲は「Juke」。ひとしきり滑った後、冒頭の要素はトリプルアクセル、全ジャッジが加点。フリップからの連続3回転は美しく、全ジャッジが加点2〜3。スピン三つとステップはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。ステップからのルッツも正に直ちに行われ、全ジャッジが加点2〜3。基礎点38.1に全体で10.8もの加点。なにしろただすべっているところが全くない。技術点最高の48.9、演技構成点44.46、合計93.36でSP1位。
 13番滑走でドーンブッシュ(23)。今季GPシリーズ中国杯3位、ボンパール杯7位。曲は去年と同じ「The Sons of Italy」。冒頭は4回転の予定が3回転フリップに変更、全ジャッジが加点トリプルアクセルは片手つき。スピン二つとステップはレベル4で全ジャッジが加点。特にステップは加点2〜3。ルッツからの連続3回転の予定が、間にターンが入った。最後の足替えスピンはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。技術点39.85、演技構成点39.39、合計79.24でSP7位。
 16番滑走でモーラー(19)。昨季全米ジュニア2位。曲は「別れの曲」。コーチはジェイソン・ブラウンと同じエイドさん。立ち姿が何となくアボットに似ている。冒頭のトリプルアクセルで片手つき。ルッツからの連続3回転はオーバーターン。スピン二つはレベル3と4。ステップはレベル2だが全ジャッジが加点。ステップからのフリップも成功。しかし最後の足替えスピンで、足を替えた後ばらけてスピンにならず、無得点。もったいない。滑りが素直でもっと伸びそう。技術点33.63、演技構成点34.18、合計67.81でSP14位。

 18番滑走でアーロン(22)。今季GPシリーズスケートカナダ3位、ロシア杯7位。曲は「フットルース」。さすがジャンパーという演技。冒頭で4回転サルコウを下りる。わずかに両足だったらしい。Jスポーツ解説の杉田さんは見抜いていた。スピン二つはスピードはあったが、レベル3と2。後半ルッツからの連続3回転とトリプルアクセルを決める。連続ジャンプは全ジャッジが加点1〜3。トリプルアクセルはこらえた。ステップは体を大きく使い、レベル4に全ジャッジが加点1〜3。最後のスピンもレベル4で全ジャッジが加点。技術点46.21、演技構成点39.57、合計85.78でSP4位。
 19番滑走でファリス(20)。今季GPシリーズスケートカナダ5位、NHK杯11位。曲は「Give Me Love」。会心の演技。冒頭のトリプルアクセルは全ジャッジが加点2〜3。スピン二つとステップはレベル4に全ジャッジが加点。特にフライングスピンは加点2〜3、ステップはほぼ加点3。あと一つのスピンもレベル2だがほぼ全ジャッジが加点3。後半フリップからの連続3回転は片手つき。最後のステップからのルッツは全ジャッジが加点1〜3。終わったときガッツポーズ。技術点46.97、演技構成点43.43、合計90.4でSP2位。
 最終滑走でアボット(29)。一週間くらい前に病気だった父親を亡くした。今季引退しなかったのは、「世界選手権のメダルが欠けている」ためらしい。杉田さんは「十分にその実力はある。あとはメンタルで、その実力を本番で発揮すること。」と言う。曲は「Lay Me Down」。冒頭は4回転の予定をやめフリップからの連続3回転は全ジャッジが加点1〜3。ステップからのルッツもきちんと正しいエッジで全ジャッジが加点ほぼ2〜3。スピン二つはレベル4で全ジャッジが加点。後半、トリプルアクセルで少し着氷をこらえた。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点ほぼ3。最後の足替えシットスピンもレベル3だが全ジャッジが加点。技術点44.53、演技構成点45.4、合計89.93でSP3位。もう少し得点が出ると思った、という仕草。あとは練習不足とスタミナが問題か。

 フリー。13番滑走で15歳のネイサン・チェン。成長痛でかかとに痛みがあり、フリー棄権も考えたらしいが出てきた。曲はショパン「ピアノ協奏曲第1番」。冒頭で4回転に挑戦したが転倒。次はダブルアクセル。シットスピンはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。あと二つのスピンとステップはレベル4。ステップは全ジャッジが加点1〜3。後半、ルッツから2回転ループ二つの3連続成功。さらにフリップからの連続3回転も決める。ソロのフリップは全ジャッジが加点。コリオシークエンスは全ジャッジが加点2〜3。最後の足替えスビンは全ジャッジが加点2。技術点78.15、演技構成点77.64、合計154.79でフリーも8位、総合8位。
 最終グループ15番滑走でアーロン。曲は「グラディエーター」。冒頭で4回転サルコウに3回転を付けて全ジャッジが加点1〜3。さらにソロで4回転サルコウは軽く片手つき。フリップは全ジャッジが加点。ステップとフライングスピンはレベル4。後半、トリプルアクセルからの連続ジャンプは全ジャッジが加点。続けてソロのトリプルアクセルはしっかり片手つき。さらにダブルアクセルからの3連続の予定だったが、回りすぎて両足着氷、第2第3ジャンプ付かず。しかし、レベル3の足替えシットスビンの後、ルッツから1回転をはさんで3回転サルコウの3連続を決める。コリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。最後の足替えスビンはレベル4。全体としてかなりいい出来で、上位三人に圧力をかける。技術点2番目の92.55、演技構成点80.86、合計173.41でフリーも4位、総合4位。
 16番滑走でリッポン。曲はリスト「ピアノ協奏曲第1番」。衣装は真っ白な上着に銀の飾り。すごく充実したプログラムで、これまでで一番良かったのではないか。4回転以外の全要素に全ジャッジが加点。冒頭で4回転ルッツにまた挑戦、下りたが判定は惜しくもダウングレード。次のトリプルアクセルからの連続ジャンプは美しく、続くルッツはほぼ加点2〜3。ステップとスピン三つはレベル4。後半、ソロのトリプルアクセル、リッポンルッツからの連続3回転、それにフリップから1回転をはさんで3回転サルコウの3連続はともに加点2〜3。足替えスピンと続くコリオシークエンスも加点2〜3。最後のフライング足替えスピンは、加点3。基礎点78.6に全体で17.03もの加点。アルトゥニアンコーチともども得点が待ちきれないという感じだったが、点が出ると涙ぐんでいた。技術点最高の95.63、演技構成点3番目の92.14、合計187.77でフリー1位、総合2位。

 18番滑走でジェイソン・ブラウン。曲は「トリスタンとイゾルデ」。二つ目のトリプルアクセル以外の全要素に全ジャッジが加点。ふつうに滑っている部分でも全て音に合わせたステップになっている。冒頭はトリプルアクセルからの連続ジャンプで、ずいぶんうまくなった。足替えキャメルスピンはレベル4に加点3。彼のスピンは軸がものすごくしっかりしている。ソロのルッツも加点2〜3。フライングスピンと後半のステップ、最後の足替えスピンもレベル4。このうちステップと最後のスピンは加点2〜3。後半、ソロのトリプルアクセルで片手つき。しかし、フリップからの連続3回転、ルッツから1回転をはさんだ3回転サルコウ、コリオシークエンスと続けて加点2〜3。基礎点73.48に全体で15点以上の加点。技術点3番目の89.2、演技構成点2番目の92.42、合計181.62でフリー2位、総合で初優勝。
 19番滑走でアボット。曲は「Adagio for Strings」。静かな曲で「アボットでなければ間のびしてしまうだろう」と杉田さんが言う。冒頭の4回転はスピードもなくアンダーローテーションで転倒。フリップからの連続3回転、レベル4のフライングスピン、ソロのトリプルアクセルは全ジャッジがほぼ加点2〜3。足替えシットスピンも全ジャッジが加点。しかし後半、フリップから1回転をはさんだ3回転サルコウでまた転倒。やはり練習不足なのか。それでも二つ目のトリプルアクセルに2回転を着け、全ジャッジが加点。ステップはレベル4で全ジャッジが加点ほぼ2〜3。終盤、ソロのルッツが2回転になったのも痛かった。コリオシークエンスとレ4の足替えスビンは全ジャッジが加点1〜3。技術点82.3、演技構成点88.06、合計168.36でフリー5位、総合5位。順位を確認すると、佐藤コーチの方にがっくりと寄りかかった。残念ながら世界選手権には行けそうもない。
 最終滑走でファリス。曲は「シンドラーのリスト」。SP2位での最終滑走だったが、持てるものをほぼ発揮できたのはたいしたこと。冒頭のトリプルアクセルは全ジャッジが加点3。4回転はオーバーターンでこらえた。フリップからの連続ジャンプは、連続3回転の予定だったが第1が少し乱れて2回転を付けた。足替えシットスピンはレベル4に全ジャッジが加点2。ステップもレベル4にほぼ全ジャッジが加点3。後半、トリプルアクセルからの2回転トウ2回転ループの3連続成功。ここで2回転トウループは二つ跳んでしまったが、次のルッツからの連続ジャンプにも2回転トウを付けたので無得点。足替えスピンはレベル3だが全ジャッジが加点2〜3。ソロのルッツとコリオシークエンスは全ジャッジが加点1〜3。最後のフライングスピンはレベル4で全ジャッジが加点2〜3。基礎点70.09に全体で加点14点以上。技術点84.46、演技構成点最高の93.12、合計177.58でフリー3位、総合3位。2回転トウの跳びすぎで、得点を損したにも関わらず、3位に入れたので、すごく喜んでいた。

 <ペア>12組出場。昨年1位と2位の組は組み替え、3位のK. デニー・コーフリン組は、女性の怪我で欠場。2番滑走でなんとカステッリ・トラン組(24,24)。昨季全米王者の女性がカナダから移籍のトランと組み替え。冒頭のツイストは高く、ほぼ全ジャッジが加点。ソロジャンプのサルコウも合っていて全ジャッジが加点。リフト、スピン、ステップはレベル4。リフトはほぼ全ジャッジが加点、ステップは全ジャッジが加点1〜3。スローサルコウも成功。最後のデススパイラルはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。技術点34.85、演技構成点29.39、合計64.24でSP3位。1年目にしてなかなか息の合ったところを見せた。来季は強くなりそう。
 3番滑走で昨季全米王者男性の方のレン・シュナピア組(21、27)。今季GPシリーズロシア杯8位、NHK杯6位。曲は「Carmina Burana」。ツイストは2回転だがほぼ全ジャッジが加点。ソロジャンプは男性がステップアウト。デススパイラルはレベル1だが全ジャッジが加点。スピンはレベル3、ステップはレベル2。リフトはレベル4で全ジャッジが加点。まだまだ発展途上。技術点27.6、演技構成点27.43、合計55.03でSP8位。
 7番滑走でシメカ・クニエリム組(23,27)。ここが優勝候補。今季GPシリーズスケートアメリカとボンパール杯で4位。曲は映画「ムーランルージュ」から「ロクサーヌのタンゴ」。スピン以外の全要素に全ジャッジが加点。ツイストだけレベル3だが加点3。ソロジャンプのサルコウ成功。スピン、リフト、ステップ、デススパイラルはレベル4。うちリフト、ステップ、デススパイラルは、加点2〜3。スローフリップも加点2〜3。基礎点30.4に全体で10.14の加点。技術点40.54、演技構成点33.47、合計74.01でSP1位。

 9番滑走でH. デニー・フレイジャー組(19,22)。一昨季世界ジュニア優勝。今季GPシリーズスケートアメリカ2位、ロシア杯4位。曲は「Speak Softly My Love」。ここも最後のデススパイラル以外の全要素に全ジャッジが加点。ツイストは高く、レベル4に加点1〜3。スローループも成功、加点2〜3。ソロジャンプのサルコウ加点1〜3。ステップはレベル3だが加点1〜3ろ。スピン、リフト、デススパイラルはレベル4。特にリフトは加点2〜3。技術点37.36、演技構成点31.02、合計68.38でSP2位。
 10番滑走でケイン・オシェイ組(21,23)。コーチの一人はA. エボラ。曲は映画「ムーランルージュ」から「Your Song」。ツイストはレベル1。ソロジャンプのサルコウとスローループは全ジャッジが加点。リフト、スピン、ステップはレベル4。デススパイラルはレベル3だがほぼ全ジャッジが加点。技術点32.97、演技構成点28.59、合計61.56でSP4位。
 最終滑走でアーロン・セトレイジ組(20,22)。女性は男子シングルのM. アーロンの妹。男性はベトナム出身。ノービスの頃から組んでいるらしい。昨季全米ジュニア優勝。今季GPシリーズスケートアメリカ5位、スケートカナダ4位。曲は「コッペリア」。ツイストはレベル3。スロージャンプは少しバランスをくずした。リフトはレベル4。ソロジャンプのサルコウで女性が転倒。スピンとステップはレベル4。特にスピンは全ジャッジが加点。デススパイラルはレベル3でほぼ全ジャッジが加点。技術点29.57、演技構成点27.88、合計56.45でSP7位。

 フリー。世界選手権代表枠は2枠。5番滑走でアーロン・セトレイジ組。曲は「王様と私」。ツイストはレベル3。スローループとソロジャンプ、ダブルアクセルのシークエンスは全ジャッジが加点。スピン二つとリフト二つはレベル4。二つ目のスローサルコウで転倒。投げ方が斜めだった。デススパイラルレベル3。技術点61.43、演技構成点58.86、合計119.29でフリー4位、総合4位。
 6番滑走でレン・シュナピア組。放映なし。技術点49.47、演技構成点56.79、転倒の減点1、合計105.26でフリー7位、総合8位。
 9番滑走でカステッリ・トラン組。SPより完成度が低かった。ツイストはキャッチが横抱きで落とし気味。連続ジャンプは男性が転倒。リフト二つとスピン一つはレベル4。スローフリップは2回転だがほぼ全ジャッジが加点。二つ目のスローサルコウはこらえた。デススパイラルはレベル2。最後のペアスピンで軸がばらけて無得点。これが痛かった。技術点46.3、演技構成点59.6、転倒の減点1、合計104.9でフリー8位、総合6位。

 10番滑走でケイン・オシェイ組。曲は「スパルタカス」。ツイストはレベル2。ソロジャンプのサルコウとダブルアクセルのシークエンスは全ジャッジが加点。デススパイラルと最後のリフトがレベル3。スピン二つとリフト二つはレベル4。一つ目のスローループは転倒したが、二つ目のスローサルコウは全ジャッジが加点2〜3。技術点60.71、演技構成点64.04、転倒の減点1、合計123.75でフリー3位、総合3位。
 11番滑走でシメカ・クニエリム組。曲は「パリのアメリカ人」。ついに冒頭で4回転ツイスト成功。すごく幅があり、全ジャッジが加点2〜3。ソロジャンプのサルコウも全ジャッジが加点。連続ジャンプはダブルアクセルのシークエンスの予定が、第1男女性が1回転、第2で女性が両足。リフト三つとスピンはレベル4。ただ三つ目のリフトの着氷でスタンブル。スロージャンプは二つとも成功。特に一つ目のスローループは全ジャッジが加点2〜3。最後のデススパイラルはレベル2だがほぼ全ジャッジが加点0〜3。基礎点55.82に全体で10点以上の加点。技術点66.65、演技構成点69.83、合計136.46でフリーも1位、総合優勝。得点を見て、女性がものすごく喜んでいた。世界選手権へ。
 最終滑走でH. デニー・フレイジャー組。曲は「ライオン・キング」。冒頭のツイストは高く、全ジャッジが加点2〜3。一つ目のスローループはこらえたが片手がついたか。ペアスピンはレベル3だが全ジャッジが加点。ソロスピンはレベル3。ソロジャンプのサルコウ、ダブルアクセルのシークエンスとも何とか決める。リフトは三つともレベル4で全ジャッジが加点。二つ目のスローサルコウは素晴らしく、全ジャッジが加点1〜3。ここで女性が片手で拳。コリオシークエンスも全ジャッジが加点1〜3。デススパイラルはレベル2だが全ジャッジが加点。技術点63.75、演技構成点67.79、合計131.54でフリー2位、総合2位。男性は疲労困憊の顔だったが、世界選手権へ。

 <アイスダンス>17組出場。8番滑走でハワイエク・ベイカー組(18,21)。昨季全米ジュニア、世界ジュニアとも優勝。今季GPシリーズロシア杯6位、NHK杯3位。全米シニアデビュー。曲は「マラゲーニャ」。冒頭のカーブのリフトは、膝を曲げてイーグルする男性の腰に女性が腕を突っ張ってほぼ水平の姿勢になる難しいものでレベル4に全ジャッジが加点1〜3。パソドブレ、PStともレベル2。ツイズルはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル3だが全ジャッジが加点1〜3。技術点32.61、演技構成点31.34、合計63.95でSD4位。「まあまあ」という感じ。
 9番滑走でチョック・ベイツ組()。昨季、一昨季と全米2位。ソチ五輪8位。今季GPシリーズスケートアメリカとロシア杯で優勝、ファイナル2位。曲は「ドンキホーテ」。全要素に全ジャッジが加点。冒頭の直線のリフトとツイズルはレベル4で加点も2〜3。パソドブレ、PSt、最後のステップともレベル3。PStとステップは加点2〜3。解説の東野さんが毎回キーポイントを指摘してくれるので、やっと少しわかってきた。パソドブレではスリップステップから5ステップがキーポイント1、男性のモホーク(まだ見分けられない)がキーポイント2、PStに移る直前のチョクトーを男女で踏むあたりがキーポイント3らしい。PStではスリップステップのところがキーポイント1と2、最後のチョクトーのへんがキーポイント3のようだ。技術点36.92、演技構成点37.03、合計73.95でSD1位。
 10番滑走でシブタニ兄妹(20,23)。昨季、一昨季と全米3位。ソチ五輪9位。世界選手権6位。今季GPシリーズスケートアメリカと中国杯で2位。ファイナル4位。曲は「The Last Corrida」他。ここも全要素に全ジャッジが加点。ツイズルはすばらしく合っていてレベル4にほぼ加点3。ステップはレベル3だが加点2〜3。パソドブレはレベル4、PStはレベル3。PStは正しいエッジだがタイミングが違った。最後の回転リフトはレベル4で加点2〜3。だいぶスパニッシュらしくなってきた。技術点37.83、演技構成点36.01、合計73.84、1位と0.11の僅差でSD2位。

 11番滑走でカヌーシオ・マクマナス組(22,24)。昨季全米7位。今季GPシリーズスケートアメリカ5位。曲は「Hora Zero」他。パソドブレはレベル2、PStはレベル3で全ジャッジが加点。回転リフトとツイズルはレベル4。回転リフトは全ジャッジが加点1〜3。最後のステップはレベル3だが全ジャッジが加点。技術点32.91、演技構成点29.34、合計61.95でSD5位。
 13番滑走でハベル・ドナヒュー組(23,24)。昨季、一昨季と全米4位。昨季四大陸優勝。この後、女性が手術したとか。今季GPシリーズスケートカナダとボンパール杯で3位。だんだん女性がスリムになってきた。曲は「Fiesta Flamenca」他。ここも全要素に全ジャッジが加点。冒頭のステップはレベル3だが加点2〜3。ツイズルはレベル4で加点2。カーブのリフトはレベル2で加点1〜3。パソドブレ、PStともレベル2。技術点31.57、演技構成点33.86、合計65.43でSD3位。得点に少しがっかりしていた。
 最終滑走でオルドリッジ・イートン組(20,22)。一昨季全米ジュニア優勝昨季全米5位。今季GPシリーズスケートカナダ6位、ロシア杯7位。曲は「カルメン」。ここも女性が少しスリムになった。冒頭のツイズルはレベル4で全ジャッジが加点。ステップはレベル2。直線のリフトはレベル4。パソドブレはレベル3だが全ジャッジが加点、PStはレベル2。技術点29.97、演技構成点27.77、合計57.74でSD6位。

 フリー。10番滑走でオルドリッジ・イートン組。曲は「風と共に去りぬ」。衣装を見ると、アシュレとスカーレットか。二つのステップだけレベル2で、それ以外の要素はレベル4。冒頭のスピンとサーキュラーステップは全ジャッジが加点。対角線のステップとツイズルはほぼ全ジャッジが加点。一方、直線のリフトはほぼ全ジャッジが-1。技術点41.97、演技構成点40.4、合計82.37でフリーも6位、総合6位。
 13番滑走でハワイエク・ベイカー組。曲は「ロミオとジュリエット」。二つのステップだけレベル3、他の要素はレベル4。しかもスピンと対角線のステップ以外は全ジャッジが加点。特に冒頭のカーブのリフトはSDでもやった難しい形で加点2〜3。回転リフトも加点2〜3。最後のコリオリフトはダイナミックなもので加点1〜3。東野さんも「若くて勢いのあるダンスをやりきった」と評価。技術点50.62、演技構成点47.88、合計98.5でフリーも4位、総合4位。四大陸選手権へ。
 14番滑走でカヌーシオ・マクマナス組。曲はサンサーンス「死の舞踏」。二つのステップだけレベル2と3、他の要素はレベル4で、全要素に全ジャッジが加点。特に終盤のツイズルは加点2〜3、最後のコリオスピンはほぼ加点2〜3。技術点48.49、演技構成点46.04、合計94.53でフリーも5位、総合5位。

 15番滑走でハベル・ドナヒュー組。曲は映画「グレート・ギャツビー」より。二人とも黒い衣装。二つのステップだけレベル3、他の要素はレベル4。冒頭のスピンは全ジャッジが加点。中盤のツイズル直線のリフト、回転リフトは全ジャッジが加点。最後のコリオスピンもほぼ全ジャッジが加点1〜3。静かに始まり、次第にエネルギッシュになり、さいごまで滑りきった。技術点49.79、演技構成点49.52、合計99.31でフリーも3位、総合3位。世界選手権へ。
 16番滑走でシブタニ兄妹。曲はヨハン・シュトラウス「南国のバラ」と「青き美しきドナウ」。GPファイナルの後、かなりプログラムに手を入れたとのこと。女性の衣装は川のイメージなのか、淡い水色。二つのステップだけレベル3、他の要素はレベル4で、全要素に全ジャッジが加点。特に冒頭の直線のリフトと回転リフトは流れの中で自然にリフトに入り、加点も2〜3。サーキュラーステップとカーブのリフトは加点2。ツイズルはレベルを越えた第4セットまであり、見事な流れで観客も思わず拍手。加点も2〜3。最後のコリオリフトも加点2〜3。キスアンドクライではコーチともども笑顔。技術点53.0、演技構成点54.47、合計107.47でフリーも2位、総合2位。四大陸と世界選手権へ。
 最終滑走でチョック・ベイツ組。曲は「パリのアメリカ人」。こちらも二つのステップだけレベル3、他の要素はレベル4で、全要素に全ジャッジが加点2〜3。プレッシャーを感じさせない、見事な滑りでやりきった。技術点54.84、演技構成点は全要素で9点台前半の56.27、合計111.11でフリーも1位、総合で初優勝。四大陸と世界選手権へ。

   ※エキシビションで5位のアボットがゲストスケーターとして滑った。しっとりと落ち着いた曲で、「5つの苦しみ」を表現しているとのこと。これを見ると、引退かもしれないと思った。

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フィギュアスケート (2015.2/1,4,6,7)

ロシア選手権 (2014.12/24〜28 ソチ)

 <男子シングル>17人出場。現役続行と言ったプルシェンコは、会場に来ていたが出ていない。SP1位は昨年初優勝のコフトゥン(19)。2位は31歳メンショフ。3位はボロノフ(27)。4位に今季シニア参戦のピトキエフ(16)。5位にガチンスキー。6位の、ジュニアGPファイナル3位のペトロフ(15)もよかった。コフトゥンとメンショフは、連続ジャンプに4回転トウループ、ステップからのジャンプに4回転サルコウと二つの4回転を入れた。
 フリーでは、ガチンスキーが、前半4回転をひとつ決め、二つめがパンク、トリプルアクセルも一つバンクしたもののSPよりいい滑りだったのに、ループで転倒し、フリー7位、総合6位。メンショフも、安定していた一つめの4回転で両手つき、二つめの4回転サルコウは3回転に。三つめの連続ジャンプで2回転トウループが三つめとなり無得点で、フリー5位、総合4位に後退。
 ボロノフは、軸が少しゆがんだジャンプもあったが手堅くまとめ、フリー1位、総合2位。コフトゥンは、余裕の滑りで見せた。ジャンプも失敗しなかったが、ステップがすごくうまくなった。「体全体を大きく使う」点をJスポーツ解説、岡部さんが評価。4回転は二つにとどめ、完成度を高めた。フリー2位で2連覇。最終滑走のピトキエフは、冒頭こそよかったが、緊張からか、のびのび滑れず、フリー3位、それでも総合3位。この結果で欧州選手権代表を選考する。コフトゥン、ボロノフ、ピトキエフを派遣。

 <女子シングル>18人出場。ソトニコワはまだ怪我が治らず出ていないが、会場には来ていた。SP1位はラディオノワ(15)。2位は、僅差でトゥクタミシェワ(18)。3位はジュニアのメドベジェワ(15)。4位にポゴリラヤ(16)。5位にレオノワ(24)。6位にリプニツカヤ(16)。リプニツカヤは、スピンはすごかったが、ジャンプなど少し不調の感じ。
 フリー。レオノワは、トウループの連続3回転で転倒。フリー7位、総合7位。ジュニアのサハノビッチは、ほとんどのジャンプを片手上げで跳んだ。フリー5位、総合5位。リプニツカヤは冒頭でルッツからの3連続を決めたが、ループでパンクした後、転倒もして、フリー11位、総合9位に後退。呆然としていた。身長も体重もそんなに変わったようには見えないが、元々ジャンプが低かったので、やはり成長で苦しんでいる。
 ラディオノワは、始め少しぎこちなさがあったが、冒頭のルッツからの連続3回転を始め、ノーミスで滑りきり、少し涙。フリーも1位で逃げ切って初優勝。背は少し伸びたが、まだ細身でジャンプも安定しているのが強み。トゥクタミシェワも大きなミスはなかったが、後半、トウループの連続3回転の予定が第1ジャンプが2回転に。解説の岡部さんに「つなぎが少しシンプル」とも指摘される。フリー2位で総合2位。
 メドベジェワも安定した演技。体の軸がしっかりしていて、ステップで大きな動きができる。できることは全てやりきって、フリー3位、総合3位。最終滑走のポゴリラヤは、少しジャンプの着氷で乱れもあり、1回転アクセルもあったが、まとめてフリーも4位、総合4位。欧州選手権代表には、メドベジェワの年齢が達していないため、ラディオノワ、トゥクタミシェワ、ポゴリラヤを派遣。

 <アイスダンス>10組出場。今季見ていないボブロワ・ソロビエフ組は、男性の怪我だそうだ。Jスポーツの解説、東野さんからようやく、今季のアイスダンスのルールの解説が聞けた。SDの新しい要素として取り入れられたパーシャル・シーケンス・ステップ(PSt)は、パターンダンスの直後に同じリズム、曲で行い、キーポイントの場所とタイミングは同じ(内容は少し違う?)、それ以外の部分は自由にステップを踏む。パターンダンスのキーポイントもだいぶ明確になった。特徴的なスライドステップは、エッジがフラットでなければいけないらしい。
 1番滑走でシニツィナ・カツァラポフ組。今季組み替え。GPシリーズロシア杯4位、NHK杯はフリーのリフト失敗で7位。大きなミスはなかったが、技術点5番目の29.84、演技構成点4番目の32.95、合計60.79でSP4位。
 4番滑走でステファノワ・ブキン組。2013世界ジュニア優勝。昨季国内ジュニア優勝。今季GPシリーズスケートアメリカ3位、ロシア杯5位。たいそう難しいシットポジションのツイズルがぴったり合っていて、技術点2番目の32.62、演技構成点3番目の33.75、合計66.37でSP2位。

 7番滑走でザゴルツキー・ゲレーロ組。女性はイギリス出身。以前はフランスの選手だった。男性はオーストラリア出身で、母親がポルトガル人、父親がロシア人。今季組み替えたばかり。コーチはズーリン。技術点4番目の30.13、演技構成点5番目の29.49、合計59.62でSP5位。
 9番滑走でモンコ・ハリアビン組。2011年世界ジュニア優勝。昨季国内シニア5位。今季GPシリーズスケートカナダ4位、NHK杯2位。全体によく合っていて速い。技術点3番目の31.3、演技構成点2番目の34.42、合計65.72でSP3位。
 最終滑走でイリニフ・ジガンシン組。今季組み替え。GPシリーズ中国杯4位、ロシア杯2位、ファイナル6位。技術点最高の34.2、演技構成点も最高の36.15、合計70.35でSP1位。2位と約4点差。国内選手権なのに、いやはやレベルが高すぎ。

 フリー。6番滑走でステファノワ・ブキン組。曲はビートルズの「エリナー・リグビー」。シットポジションのツイズルはここでも成功。技術点2番目の48.61、演技構成点4番目の51.21、合計99.82でフリー3位、総合3位。
 8番滑走でイリニフ・ジガンシン組。曲は「アントニーとクレオパトラ」他。技術点3番目の47.2、演技構成点最高の53.86、合計101.06でフリーは2位だったが、逃げ切って初優勝。
 9番滑走のモンコ・ハリアビン組。曲は「サラバンド」。会心の出来で、技術点49.42、演技構成点52.05、合計101.47でフリーは僅差で1位、総合2位。
 最終滑走でシニツィナ・カツァラポフ組。NHK杯で失敗したリフトも成功。しかし技術点が伸びず4番目の45.16、演技構成点2番目の52.62、合計97.78でフリーも4位、総合4位。

 欧州選手権代表は、イリニフ・ジガンシン組、モンコ・ハリアビン組、ステファノワ・ブキン組。

 <ペア>10組出場。ソチ五輪金メダルのボロソジャー・トランコフ組は、男性の怪我で出ていない。2番滑走でストルボワ・クリモフ組。技術点38.28、演技構成点37.44、合計75.72でSP1位。
 3番滑走でザビンコ・ラリオノフ組。今季組み替え。女性はエストニア出身。今までロシアの選手と組んでエストニアから出ていた。あまりジャンプが得意でないようだ。技術点30.08、演技構成点29.88、合計59.96でSP5位。
 6番滑走でタラソワ・モロゾフ組。昨季世界ジュニア銀メダル。今季シニアデビュー。技術点37.25、演技構成点33.04、合計70.29でSP3位は立派。

 7番滑走でバザロワ・デュピタト組。今季組み替え。相変わらず女性のジャンプは不安定だが、転倒しなければよし。技術点31.47、演技構成点29.51、合計60.98でSP4位。
 9番滑走で川口・スミルノフ組。鬼門のソロジャンプはなんとか成功。技術点36.41、演技構成点35.4、合計71.81でSP2位。

 フリー。7番滑走でストルボワ・クリモフ組。女性はどこか痛いのか、スロージャンプ二つともミス。一つ目は手つき、二つ目は転倒。技術点3番目の63.37、演技構成点最高の74.01、転倒の減点1、合計136.38でフリー2位、総合優勝。
 8番滑走でタラソワ・モロゾフ組がノーミスで演技して、技術点68.34、演技構成点69.6、合計137.94でなんとフリー1位、逆転で総合2位。
 9番滑走の川口・スミルノフ組はスロー4回転を成功したが、ソロジャンプで男性が片手つき、連続ジャンプでは川口の第2が1回転にパンク。しかし、チャイコフスキーの物語のある曲想を表現する滑りを見せ、技術点2番目の64.16、演技構成点も2番目の71.71、合計135.87でフリー3位、総合3位。

 欧州選手権代表fは、ストルボワ・クリモフ組、タラソワ・モロゾフ組、川口・スミルノフ組。

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