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マラソン (2012.12/2,3)
福岡国際マラソン (2012.12/2) 世界選手権選考レース
優勝候補が顔をそろえた。国内招待は、川内(埼玉県庁)、堀端(旭化成)、織田(トヨタ自動車)、藤原新(ミキハウス)、マサシ(スズキ浜松アスリートクラブ)など。藤原新は、出る予定ではなかったが、ロンドン惨敗後、少し燃え尽きていたところに、川内の挑戦で刺激を受け、急遽参戦。海外招待は、エチオピアのゲブレシラシエ、ケニアのマチャリア、寒いほど強い2005年優勝のバラノフスキー(ウクライナ)、ポーランドのゾストなど。気温も8度、風もなく、いい記録が期待できるコンディション。テレ朝解説、瀬古さんは、「すごい記録が出そう。マサシが初マラソンだが優勝候補。」と期待していた。世界選手権派遣設定は、日本人トップで、タイム2時間7分59秒以内。自己ベストでこれを上回る記録を持つのは、藤原新のみ。ペースメーカーは日本人一人にケニア人三人。日本人は、箱根で活躍してエスビーに入った上野裕一郎。20キロまで着実にペースを作った。25キロでもう一人ペースメーカーが離れ、30キロまでに4人とも離脱。
なぜか競技場内ではペースメーカーと選手の間が空いていたが、次第に招待選手を中心に先頭集団ができる。設定タイムは1キロ3分だが、少し落として5キロ15分8秒。10キロくらいでまだ先頭に29人。川内は、ペースメーカーのすぐ後ろで、ゲブレシラシエと並んで調子よさそう。堀端は集団の右端にいるが、給水のときは確実にとり、前回の失敗を繰り返さない練習成果が出た。藤原は集団後方。少しずつ人数が減っていくが、招待選手はみんな残っている。中間点では、1時間3分47秒。近年は、マラソン後半の方がタイムが速い傾向なので、このまま行ければ、設定タイムはクリアできる。22キロ過ぎでケニアのマチャリアが遅れる。24キロ過ぎで尾田が遅れる。先頭は18人に。
25キロ過ぎの給水を過ぎたあたりから、川内が顔をしかめ始める。ペースメーカーがキルイ一人になったところで少しペースアップして設定タイムに戻そうとしたらしく、バラノフスキー、川内が遅れる。9人になった先頭には、堀端、藤原、一般参加の黒木(安川電機)、マサシ、ギタウ(JFEスチール)、ゲブレシラシエ、ゾストなど。川内は、ヒザから下が開き、走りに力がなくなり、ずるずる後退。30キロでペースメーカーが全員いなくなると、堀端が少し前へ。そのすぐ後ろをギタウが楽そうに付いていく。31.6キロの折り返しまでは、先頭集団だったが、32キロ過ぎでいつのまにかゲブレシラシエが止まり、道ばたでアキレスを伸ばすような仕草。黒木が遅れる。続いて藤原とマサシも遅れ始めるが、いったんは先頭集団に戻り、5人。
33キロ過ぎでゾストがスパート。ギタウだけが付いていく。34キロ過ぎでギタウが楽々とゾストをかわして単独トップ。堀端、藤原、マサシの3位集団から、堀端が抜け出し、ゾストに追いつく。189センチの堀端と180センチ台のゾスト、小柄な藤原とマサシ、と二人ずつに。35キロ過ぎで藤原の両足がけいれんして、よろめく。やはり予定を早めて練習不足のツケが出たらしい。川内がいったんは抜かれた中尾を抜き返して8位に浮上。38キロ過ぎ、それまでそんなに苦しそうでなかったマサシが道ばたにすわりこみ、止まる。堀端はゾストを振り切るが、余力はあまりなさそう。40キロで先頭ギタウと堀端の差は1分8秒開き、堀端のゴール予想タイムは2時間8分ジャスト。一発内定は苦しいか。そのままギタウが楽そうに2時間6分54秒で優勝。堀端は今回腕時計を付けずに走っており、競技場に入って初めてタイムを自覚したが、2時間8分24秒でゴール。これでも自己記録は更新した。3位ゾスト、4位藤原(2時間9分31秒)、5位、黒木、6位川内(2時間10分29秒)。藤原は、東京マラソンで巻き返しを図るらしい。川内は「毎日の練習でストイックさが不足していた」というコメント。ゴール後、担架にも乗らず、完全燃焼できなかったということか。マサシは「もうマラソンはこりごり。ハーフに専念する。」とのこと。瀬古さんの期待や「ワンジルの再来」という将来性もあったのだが。ゲブレシラシエは、「これからも走る。」とコメント。堀端は設定タイムこそクリアできなかったが、今回設定タイムが国際陸連のA標準よりも高く、世界選手権派遣濃厚とか。
マラソン (2012.8/12)
男子マラソン (2012.8/12 ロンドン) ロンドンオリンピック
日本は、中本が6位入賞、早く遅れた山本が40位、3週目まで集団につけていた藤原が45位。優勝は、ウガンダのS.キプロティチ。2位はケニアのキルイ、3位は、途中まで独走したW.キプサング・キプロティチ。ウガンダは、初の金メダル。
105人参加。女子と違って晴天のため、先週よりは暑かったらしい。それでも、いつもの真夏のオリンピックより走りやすいらしく、序盤からケニア・エチオピア勢が前方で集団をひっぱる。ケニアは、経験豊富な実力者を三人選び、エチオピアは最近のレースで成績上位の若手三人を送り込んできた。5qの給水で既に縦長になり始め、6q過ぎ、9q過ぎとアテネ五輪銀メダルのアルメイダ(ブラジル)が飛び出しては吸収される。山本は先頭集団から遅れる。13q付近でキプサング・キプロティチが飛び出す。2位集団にケニア二人(キルイ、ムタイ)、エチオピア二人(アブシェロ、フェケレ)、エリトリアのアスメロン、南アフリカのモコカ、ブラジルのドスサントス、ウガンダのS.キプロティチ。15キロで藤原18位、中本25位、山本28位。
ケニアのキプロティチは後続との差を広げ、あまりにも楽そうにこのままゴールしそうに見える。19qでケニアのムタイが2位集団から遅れる。20qで藤原16位、中本20位、山本32位。22q付近の給水で、先頭のケニアのキプロティチが取り損なって、少し戻ってボトルをもらう。これで後続と差が少しつまる。2位集団から南アフリカのモコカ、ブラジルのドスサントスが遅れる。トップを追うのは、ケニアのキルイ、エチオピアのアブシェロ、ウガンダのS.キプロティチの三人。中本が藤原のいる10位集団に追いつく。5位ドスサントス、6位モコカ、7位アスメロン、8位ムタイ。25qで中本が9位集団の先頭に。トップと追いかける三人の差が7秒に縮まる。2位集団からアブシェロが遅れる。26q過ぎでとうとう先頭にキルイとウガンダのS.キプロティチが追いつく。
30qで集団にムタイとアスメロンが吸収され、7位集団に。中本と藤原はまだ含まれている。先頭の三人のうち、ケニア人二人が前を行き、ウガンダのS.キプロティチがついていく形。33キロで藤原が集団から遅れる。前からアブシェロが落ちてきて、6位集団に。35qで中本5位、藤原16位、山本47位。集団もばらけ始める。先頭ではケニアのキプロティチが少しスパート。キルイが追う。5位の中本は、あがってきたアメリカのケフレズィキと前を追う。二号車から一号車の映像に戻ると、3位だったウガンダのS.キプロティチが上り坂を利用して猛スパート。ケニアの二人はついて行けない。キルイが右に傾きながら懸命に追う。
40qで先頭はウガンダのS.キプロティチ、2位キルイ、3位ケニアのキプロティチ。それぞれだんだん差が開いていく。中本の前方に4位のドスサントスが小さく見える。41qあたりで、中本についてきていたケフレズィキが前に出て、中本は6位。ケフレズィキはそのままドスサントスも抜いて4位。中本はドスサントスに届かず、6位。2時間11分16秒。アテネ以来の入賞らしい。金メダルのS.キプロティチは2時間8分1秒。山本は2時間18分34秒。藤原は足が痛くなったらしく、最後には山本にも抜かれて、2時間19分11秒。中本は5月下旬にコースを下見して、練習にクロスカントリーを取り入れ、アップダウンに対応したらしい。暑さにも強い、というのも有利に働いた。藤原は、女子の選手と同じくカーブの多いコースのペースの上げ下げが足に来てリズムが取れなかったらしい。ケニア勢は、女子はエチオピアが優勝、男子はウガンダが金メダルで、銀と銅。団体戦なら1位だが。
マラソン (2012.8/5)
女子マラソン (2012.8/5 ロンドン) ロンドンオリンピック
木崎16位、尾崎19位、重友79位。優勝はエチオピアのゲラナ。2位はケニアのジェプトゥー、3位はロシアのペトロワ。今回のコースは、バッキンガム宮殿の前からスタートし、市内を周回するコース。だいたい三回回る。競技場をまったく使わないのはめずらしい。途中、石畳みの道もあり、カーブが多い難コース。
雨の降る中、スタート。重友はなぜかスタートのとき一番前の列にいて、そのまま先頭グループでしばらく走っていた。尾崎は三列目くらい、木崎は真ん中やや後方。イタリアのストラーネオが先頭でひっぱる。すごく早い段階で係員に運ばれる選手がいる。先頭の方には、中国の朱、世界歴代5位のロシアのショブホワ、アメリカのフラナガン、ガウチャー。エチオピア勢、ケニア勢はだんだん前方に出てくる。5qでは木崎19位、重友21位、尾崎22位。5q過ぎ、北京金メダリストのディタ(ルーマニア)が遅れる。先頭集団の最後方に同じルーマニアのリディア・シモンもいる。9q付近で、地元イギリスのヤマウチが止まる。かかとを痛めたらしい。
10qで先頭集団は36人、日本人は重友が遅れ53位、木崎が32位、尾崎が36位。ケニアの三人は近くを走り、給水も取れなかった選手に回したり、二人分取って渡したりしている。今回、日本はチームとして、ペースが遅かったら、先頭に出る、という取り決めをしていたらしい。15q手前で尾崎が先頭へ。遅れていた重友もいつのまにか先頭へ。木崎は26位で15q通過。今回のマラソンは民放が担当しているので、コマーシャルが終わると状況が変わっているし、実況までぶつ切れで見にくいことこの上ない。次に写ると、尾崎は集団の中程に、重友は再び後方に。結局、20qでは、木崎23位、尾崎25位、重友38位。先頭はストラーネオ。解説の有森さんが、「木崎選手がずっと同じ位置を保っているのはいい」と言う。
中間点過ぎで、尾崎が遅れ始める。集団のスピードが少しずつ上がり、選手が次々脱落していく。ショブホワが右太ももの裏を押さえて歩き出す。有森さんが、「最初雨で、気温が上がらず、体調不良になる選手もいるようだ」と言う。一時はあられも降っていたが、途中から日が差してくる。次第にエチオピア勢、ケニア勢が集団をひっぱる。24q過ぎでケニアのキプラガトがスパート。ついていったのは、エチオピアの三人とケニアの二人だけ。ヨーロッパ勢、アジア勢はついていけない。25qでは、木崎21位、尾崎22位、重友39位。
27q付近で中国の朱、アメリカのフラナガンがアフリカ勢に追いすがる。エチオピアのメルギアが遅れ始める。追いついた二人も離れていく。30qでは、先頭はケニアのケイタニー。日本人は、尾崎が先頭から1分以上遅れ21位あたり、木崎、重友の順。31q付近でエチオピアのディババも遅れ始める。32qでロシアのペトロワがアフリカ勢に追いつく。びっくりした。33q過ぎ、ケニアのキプラガトが遅れ始める。35qでは、なんとペトロワが先頭。尾崎は21位、木崎は22位、重友は62位。
38q付近でアフリカ勢がペースアップして、ペトロワが遅れるが、40qでまた追いつく。しかし、41qでエチオピアのゲラナがスパートすると、誰もついていけない。ジェプトゥーが追うが追いつかない。結局、エチオピア勢でただひとり残ったゲラナが2時間23分7秒で優勝、最後まで先頭を争ったケニア勢は金メダルを逃す。ゲラナの記録は、それまで五輪記録だったシドニーの高橋の記録を18秒更新。日本人では、最初に尾崎ではなく、木崎がゴール。木崎は2時間27分16秒、尾崎は2時間27分43秒、重友は2時間40分6秒。8位入賞が目標だったが、北京に続き入賞なし。前半レースをひっぱった、イタリアのストラーネオがやっと8位。カーブが多くてリズムがとれなかったこと、石畳のある路面が想像以上に足に負荷をかけたことが敗因として考えられる。
マラソン (2012.3/11)
名古屋ウィメンズマラソン (2012.3/11) ロンドン五輪代表選考レース
名古屋国際女子マラソンと市民マラソンを統合、発着も瑞穂陸上競技場から名古屋ドームに変更。ペースメーカー4人でスタート。日本人2人は15キロまで、外国人2人は25キロまでの予定。主な国内招待選手は、選考レース3回目の尾崎(第一生命)、中里(ダイハツ)、渋井(三井住友海上)、4年4ヵ月ぶりのマラソンを走る野口(シスメックス)、世界選手権5位の赤羽(ホクレン)など。海外招待には、ヌデレバ(ケニア)、リディア・シモン(ルーマニア)、ロシアの3枠目をねらうマヨロワなど。
すぐにペースメーカーと日本人招待選手だけの10人ほどの集団になった。野口がペースメーカーのすぐ真横を走っていて、走るのが嬉しそうだった。第一放送車の解説、瀬古さんは「肩に力が入っている。ペースメーカーの前に出る必要はない。」と言っていたが、他の人と違うバネを使うストライド走法なので、誰かの後ろを走るのは合わせにくいらしい。また、給水の時、随分前に出て取るので、コース取りに無駄がある。10キロの給水で赤羽がボトルを落として遅れるが、少しずつ追いつく。ペースメーカーの日本人の1人と外国人1人は13キロくらいで離脱。15キロでもう1人の日本人ペースメーカーも離れる。ところが、なんとCMが終わった17キロ過ぎ、野口が第一集団から離れ始めている。民放はこれだから嫌だ。肝心のとき映していない。先頭集団は9人。招待選手は 尾崎、中里、渋井、野口、赤羽、伊藤(大塚製薬)、勝又(第一生命)、宮内(京セラ)。
20キロ過ぎの給水のあたりで永尾(ユニバーサルエンターテインメント)が転倒。遅れていた野口に抜かれる。23キロで最後のペースメーカーが離れる。すぐ後ろを走っていた中里と尾崎が引っ張る形に。渋井は、最初ずいぶん肩が左右に揺れていて、すぐに脱落するかと思ったが、だんだん安定した走り方になり、7人の後方だが粘っている。野口は集団が見えるところであまり離れずに走っている。上り坂もあり、先頭集団は全体にペースが落ちてきて、一方、野口は同じペースで走っていて、なんと29キロあたりで再び集団に追いつき、全体のペースを上げる。瀬古さんが「驚いた。」と言う。30キロ過ぎで宮内が遅れる。尾崎がペースを上げる。赤羽、渋井がやや遅れる。上り坂で赤羽が先頭に。渋井と野口がやや遅れる。赤羽が遅れ、尾崎、中里、伊藤が先頭集団を形成 。後方からマヨロワが追い上げてきて、野口、赤羽、渋井を抜く。35キロ過ぎで、とうとうマヨロワが先頭の三人に追いつく。第一放送車の解説、有森さんは「マヨロワをペースメーカーと思って付いていってほしい」と言う。マヨロワの最初のペースアップには、尾崎と中里が付いたが、伊藤は遅れる。しかし37キロでのスパートには、尾崎も付いていけない。スタジオの高橋尚子さんは、「ここで付いていってほしい。」と言ったが、無理なようだ。尾崎と中里はずっと並んで走っていく。二人とも好調に見えるが、有森さんは「中里は左肩が少し下がっていて、尾崎の方が全体にバランスがいいのでスパートできそうだ。」と言う。残り1キロを切ってから、尾崎がスパート。一気に中里を引き離す。優勝は2時間23分53秒でマヨロワ。2位の尾崎は、2時間24分14秒。中里はドームに入る直前に転倒したらしく、2時間24分28秒の3位。4位にはなんと渋井が両手でVサインしながら2時間25分02秒で入った。5位は伊藤、野口は2時間25分33秒で6位。赤羽は2時間26分8秒の8位。
尾崎は、インタビューに「今までの選考レースの中で一番リラックスして走れた。最後は自信があった。」と答えていた。この結果で、尾崎が最有力に。野口は、「東日本大震災の被災者の人たちにあきらめない姿を見てもらいたいと思って走った。まだ引退しない。」と語ったらしい。これで男女の五輪代表選考レースは全て終わり、明日3月12日(月)に選考結果が発表される。
マラソン (2012.3/4)
びわ湖毎日マラソン ロンドン五輪代表選考レース (2012.3/4)
小雨の中、ペースメーカー四人でスタート。主な国内招待選手は、夏の世界選手権で7位に入賞してめきめき伸びてきた「未完の大器」堀端(旭化成)、その世界選手権で10位(日本人2位)だった中本(安川電機)、林(ヤクルト)、福岡からのリベンジを誓う今井(トヨタ自動車九州)など。一般参加で松宮祐行(コニカミノルタ)、大学生の出岐(青山学院大三年)、平賀(早大)なども先頭集団に。ペースメーカーの設定は1q3分とのことだったが、雨のせいか、最初の2qは4-5秒オーバー。5q、10qではまだ50人以上の大集団。期待の堀端は初めの二回の給水はゼネラルドリンク。15qでペースメーカーの日本人が一人離れる。ペースは全体に少し設定より遅れ気味。189pの堀端は集団の前の方、中本、今井は真ん中あたり、出岐も前寄りにいる。NHK総合解説の金さんが「堀端は他の日本人とストライドが違うから、リズムを保つには外国人の後ろについている。」と言うとおり、外国招待のマンザ(ケニア)の後ろを走っている。20qまでに少しずつ人数が減り、40人くらいに。中間点でもう一人の日本人ペースメーカーが離れる。このへんから、海外招待のケニアやエチオピア、モロッコのアフリカ勢が集団の前方に出てくる。
25qでペースメーカーがはずれたとたん、マンザとダバ(エチオピア)がペースアップし、あっという間に縦長に。堀端は日本人トップで追いかける。ダバがスパートし、今井が遅れる。2位集団にはマンザ、ケベネイ(ケニア)、ゾスト(ポーランド)、タグラフェ(モロッコ)、一般参加のドゥング(愛知製鋼、ケニア)、堀端、林、出岐など。28q過ぎにダバが集団に追いつかれる。堀端と出岐が日本人で残っているが集団後方。解説の金さんは「大学生が五輪代表になっても不思議ではない」と言う。30q過ぎの給水の後、ドゥングがスパート。堀端は25qも30qも給水していないようだ。2位集団から出岐が遅れる。マラソン練習は30qまでしかやっていないというからよく走っている。堀端は5位争い。35qではドゥングが後続をさらに引き離す。第三集団から中本と一般参加の堀口(Honda)が快調にとばしてきて、二人で日本人2位の出岐を抜く。堀端もペースが1q3分10秒くらいに落ちてくる。38キロで中本が堀端を抜き、日本人トップに。さらに中本はケベネイも抜き、全体の4位にあがる。堀端は堀口にも抜かれる。金さんは「代表争いはまったくわからなくなってきた。」と言う。ところがさらに後方から快足をとばしてきた一般参加の山本(佐川急便)が追いあげてきて堀端を抜く。40qで山本は日本人2位の堀口も抜く。日本人トップの中本は追い上げに気づいていない。競技場手前でやっと気づいて少しペースアップするが、競技場内で山本が抜く。先頭は、ドゥングが2時間7分4秒で逃げ切り、初優勝。2位はゾスト、3位はタグラフェ。4位に2時間8分44秒で山本、5位に2時間8分53秒で中本。堀口7位、林8位(ここまで2時間9分台)、出岐9位、堀端11位。優勝も日本人トップも一般参加で、招待選手はどうしたんだろう。日本陸連も悩ましいに違いない。代表発表は3/12。
インタビューで「何がよかったのか」という質問に、山本は「体だけは丈夫で、練習で距離をつめたこと。最後はオリンピック、オリンピックと思って粘った。」と答えていた。旭化成の宗監督は「堀端は力みすぎ。給水の失敗が響いた。」とのコメント。
マラソン (2012.2/26)
東京マラソン (2012.2/26) ロンドン五輪男子代表選考レース
市民ランナーの星、川内(埼玉県庁、24歳)を倒して五輪代表に! という実業団の選手が参加したはずだが、知っている名前が少ない。藤原正和(Honda、30歳)が2010年東京マラソン優勝、藤原新(東京陸協、30歳)が2010年東京マラソン2位、松宮隆行(コニカミノルタ、32歳)が2010年福岡国際3位くらいか。ペースメーカーは五人。先頭の二人は1km2分58秒ペースで20qまでと25qまで、あとの三人は1q3分ペースで15qまでと25qまで。気温は5度ちょっとで曇り、無風と条件はいいので記録が期待できる。
あっという間に先頭集団が6人に。中に海外招待のゲブレシラシエ(エチオピア、38歳。前世界記録保持者)、メコネン(エチオピア、31歳)、キプロティチ (ウガンダ)、キプチュンバ(ケニア)、キピエゴ(ケニア)に、日本人でただ一人藤原正和がついていく。そのほかの国内招待選手は第二集団に。
普通はペースメーカーが離れた後で本当の勝負が始まるものだが、 15q過ぎで藤原正和が遅れ始める。その前にキプチュンバも先頭から遅れ、第二集団にも抜かれていった。中間点で藤原正和が第二集団に吸収される。その上、なんと23q過ぎで川内が第二集団から遅れる。5qと10qの給水がとれなかったせいか。「調子はとてもいい」ということだったのだが。
先頭では、ペースメーカーが一人になり、その前にエチオピアの二人が走っている。25qでペースメーカーが離れると、エチオピアの二人がペースを少しあげ、まずキプロティチ、続いてキピエゴが遅れる。第二集団もペースメーカーが離れ、松宮、藤原新、ロスリン(スイス、2008年東京マラソン優勝)など数人に。藤原正和はここからも遅れていく。
26q過ぎで藤原新が誰かもっと前に出てこい、という感じのしぐさをするが誰も先頭に立たない。そこで一人でペースをあげ、じょじょに差を広げていく。32q過ぎで藤原新がキプロティチに追いつく。キプロティチをペースメーカーにしつつ二人で前を追い上げる。先頭は、二人ともペースが落ちて1q3分10秒以上かかっている。追い上げている、藤原新とキプロティチの方がペースが速い。36q過ぎでメコネンが遅れ始める。35キロの給水でボトルを落としたのは、ゲブレシラシエの方だったのだが。
3位だったキピエゴが37q付近でメコネンを抜き、さらにゲブレシラシエも抜いてトップに。ゲブレシラシエはついていけない。藤原新と併走していたキプロティチが藤原新を離しにかかる。40q付近でキプロティチがゲブレシラシエを抜く。41q過ぎで藤原新もゲブレシラシエを抜く。藤原新は35qも40qも給水しなかったようだが、快調にとばしている。再びキプロティチに追いつき、抜き去る。優勝は、2時間7分37秒でキピエゴ。それでもケニアの五輪候補にもならないらしい。藤原新は2時間7分48秒で2位。ゲブレシラシエは4位、川内は14位。これで藤原新が五輪選考のトップになった。
マラソン (2012.1/29)
大阪国際女子マラソン (2012.1/29 長居) ロンドン五輪選考レース
まだ内定者がいない女子のマラソン。日本人トップで2時間25分を切らなくてはならない。当初、野口みずきが復活をかけて出場予定だったが、直前合宿で足に張りが出たとかで、出場を名古屋国際ウィメンズに変更。注目は、四年前に出て最後は倒れながらゴールした福士加代子(ワコール、29)のリベンジに。その他、招待選手は距離スキーからの転向者、野尻あずさ(第一生命、29)、坂本直子の後継者で現在のエース、マラソン二回目の重友(24)、北京五輪の金メダリスト、ディタ(ルーマニア)など。アテネ五輪代表で8年ぶりの五輪をねらう坂本直子(天満屋、31)は一般参加。ペースメーカー4人で長居陸上競技場をスタート。気温は6度、無風と好条件。
設定ペースが1キロ3分23。これを保っていけば、2時間22分台が出るらしい。女子マラソンも高速化で、今年になって2時間19分台を出した選手が3人もいるらしい。最初から先頭集団が10人程度に。福士は集団の1番後ろだがリラックスして走っている。3キロ過ぎで、横浜国際で敗れて再挑戦の堀江(ユニバーサルエンターテインメント)らが遅れ始める。ディタは10番目でマイペースで走っている。10キロで先頭集団は6人。このうち外国人招待選手はケニアのモガカ一人。そのモガカも11キロ過ぎで遅れる。
25キロまでペースメーカーがつく予定だったが、15キロで日本人一人と外国人一人が離脱。さらに1キロいかないうちにもうひとりの外国人も離脱。あっという間に、日本人のペースメーカー清水一人に。清水は名古屋ウィメンズに選手として出る予定らしい。このへんで坂本が離れ始める。先頭集団はペースメーカー清水の横に重友、後ろに野尻、福士の4人に。19キロ過ぎから野尻が遅れ始める。折り返しを過ぎた22キロで最後のペースメーカーが離れる。予定より早く重友と福士の一騎打ち。福士は重友をペースメーカーにして、スパートするときを伺っているのかと思われた。ところが、25キロ過ぎから福士が遅れ始める。一号車解説の増田さんによれば、「走るリズムは変わっていない」とのこと。福士はどこか痛いようではなく、どんどんペースが落ちていき、30キロ過ぎで追い上げてきた野尻に抜かれる。さらに外国招待のガメラシュミルコ(ウクライナ)にも抜かれる。二号車解説の有森さんによると「歩幅も小さくなり、腕の振りも開いてしまって前に進む推進力になっていない」。35キロでは、先頭の重友も少し苦しそうな顔になり、ペースも1キロ3分30秒台に。福士は35キロ過ぎの給水ポイント付近で、これがマラソン24回目で区切りをつける嶋原(セカンドウィンドAC、35)にも抜かれ、嶋原は福士をポンとひとたたきしていった。結局、重友が最後までマイペースを保って逃げ切って、2時間23分23秒で優勝。内定第一号は当確。野尻は、競技場内で、後ろから猛烈なスパートをかけたガメラシュミルコに抜かれ、2時間24分57秒の自己ベストで3位。これでも、横浜国際で優勝した木崎よりタイムはいい。4位堀江、5位嶋原。福士は9位、坂本が10位。福士の記録は2時間37分35秒。ネットの談話によると、「一週間前から体が重くなり、あまり食べられなかった。」とのこと。重友の天満屋は、山口衛里(シドニー)、坂本直子(アテネ)、中村友梨香(北京)に続いて四大会連続でオリンピックに選手を送り込むことに。重友はまだ24歳でこれからが楽しみ。