HOME MG Book Soccer Propile


2021マラソン・バックナンバー


12/6 福岡国際マラソン
8/8 東京五輪男子マラソン
8/7 東京五輪女子マラソン
3/14 名古屋ウィメンズマラソン
2/28 びわ湖毎日マラソン
1/31 大阪国際女子マラソン

ページトップへ

マラソン (2021.12/6)

福岡国際マラソン (2021.12/5) MGCシリーズ

 最後の開催。第75回でエリートマラソンの幕を閉じる。主因はTV視聴率が落ち、スポンサー離れによる財政難らしい。招待選手は昨年に続き国内だけで、設楽悠太(Honda)、高久(ヤクルト)、細谷(黒崎播磨)、大塚(九電工)、大六野(旭化成)、川内(あいおいニッセイ同和損保)など。ペースメーカーは6人。4人は1km2分58秒ペース(このままゴールすれば2時間5分11秒)、2人は1km3分ペース。早い方のペースメーカーに佐藤悠基がいて、安定したペースを保つのに貢献。2分56秒くらいで設定よりやや速かったが、すごくリラックスして走っている感じ。テレ朝放送センター解説の大迫傑が「たいへんすばらしいペースメーク」と称賛。スタート時の気温13.9度、湿度44%、南西の風0.9m。解説の瀬古さんは「たいへんいい条件」と言っていたが、日差しが強く、ゴール後に倒れる選手が続出した。
 5kmは14分47秒、10km29分39秒、15km44分30秒、20km59分24秒。ラップは、5〜10km14分52秒、10〜15km14分51秒、15〜20km14分54秒。しかし、15km過ぎの給水ポイントあたりで設楽が先頭集団の最後方に下がり、次第に遅れ、19kmあたりでいったん先頭集団に復帰したものの、20kmでレースをやめた。足を傷めたのかもしれない(左ふくらはぎ痛とのこと)。
 先頭集団は20kmまでは17人いたが、その後縦長になり、25kmでは11人に。招待選手では、高久、細谷、大塚、定方(三菱重工)、上門(大塚製薬)、一般参加では、ルンガル(中央発條)、ギザエ(スズキ)、クイラ(JR東日本)など。ペースメーカーの佐藤悠基も、コマーシャルが終わったら、22km付近で後方に下がっていた。
 30kmまでのペースメーカー、カリウキとワンジクが離れると、先頭は既に3人。高久を先頭に、ルンガル、ギザエ。5秒遅れて細谷と定方。さらに2秒遅れで大塚。高久が何度も何度も振り返るので、1号車解説の藤田淳史は「あまり振り返らない方がいい。追っている細谷を元気づけるだけだから」と言う。先頭の3人のペースが落ち、31.6kmの折り返し地点で細谷が追いつく。
 しかし、35km手前でギザエがスパート、あとの3人は誰も追えず。1号車解説の藤田は「細谷はきつくても追ってほしい。ギザエも疲れている」。
 次第にギザエが離していき、2時間7分51秒で優勝。2位の細谷は2時間8分16秒で、MGC獲得。3位はルンガル、4位はゴール手前で高久をぬいた大塚。高久は、ゴール目前で転倒し、なんとかゴールインして5位。2時間8分56秒で6位の上門までがMGC獲得。優勝したギザエ、日本人1位の細谷など脱水症状でインタビューできず。川内は、12位で2時間11分33秒だった。

マラソン (2021.8/8)

男子マラソン (2021.8/8 札幌) 東京五輪

 大迫傑が粘って8位から6位に追い上げたが、これが限界だった。40q手前で15秒前に2位集団4人が見えていたが、メダル争いで牽制しあって遅くなるのではなく競り合いになり、まずスペインの選手が遅れ、次に4人を引っ張ってきたケニアのチェロノが遅れたが、追いつけなかった。大迫も一杯で、16秒、18秒と差が広がり、2時間10分41秒でゴールしたときは5位のラッセンダム(西)と25秒差だった。それでも「現役ラストレース」と公言していた大迫のレース後のインタビューでは「100点満点の頑張りができた。次の世代の人たちが頑張ればメダルに届くと思う」という言葉が涙とともに出てきた。
 優勝は、初めから先頭集団の前方(しかし先頭ではない)にいた、世界記録保持者のキプチョゲ(ケニア)が、2時間8分38秒で金メダル。リオ五輪に続き、2連覇。30qの給水後にロングスパートをかけると、誰もついていけなかった。35qで2位集団と30秒差だったが、40qまでの5qを14分28秒で走り、1分17秒差に広げ、最後は2位のナゲーエ(蘭)と2分20秒差をつけた。3位は2時間10分ちょうどのアブディ(ベルギー)。ゴール後、キプチョゲと3人でハグしあっていたが兄弟のようだった。
 MGC1位だった中村は、初めから第二集団で走り、最後は62位だった。暑いレースも得意だったはずが、「春先にケガしたのが響いたのでは」とNHK解説の高岡さんが言っていた。MGC2位の服部勇馬も途中までは先頭集団にいたが、そこで体力を使いすぎたのか、ゴールするときは左もも裏が痛いようでジョギングより小さい歩幅で73位。ゴール後は車いすで移動していた。重度の熱中症だったと、ネットのニュースに出ていた。106人スタートしたが、完走は76人。
 前日の女子マラソンは暑さを考慮して1時間前倒しで開催されたが、この日は「暑さの心配はない」と組織委員会と世界陸連とが協議して変更なしの午前7時スタートになったとのこと。しかし、レース中の選手たちがゼネラルの水を飲むより頭にかけていたこと、氷を両手に持ったり頭に乗せたりしていたこと、棄権が30人も出たこと、服部選手が重度の熱中症になったことなど考えると、午前6時スタートにしなかったのは、判断ミスではないか。
 録画がなぜかレース初めの6−7分が入っていない。スタート直後の部分は、スポーツナビの五輪テキスト速報より。しかしスローペースで先頭は大集団。ここに帽子とサングラスの服部、帽子だけの大迫はいるが、3q付近では、中村はもう第二集団の方にいた。5qは先頭が15分17秒。中村は15分34秒。一番前はコロンビアのスアレス。ケニアの3人は二列目にいて、コロンビアやベルギーやモロッコなど他の選手たちをペースメーカーにして楽そうに走っている。
 9q手前で優勝候補の一人、キタタ(エチオピア)が止まる。アナウンサーが「代表経験が少ない選手なので国際レースの経験値が足りなかったのかもしれない」と言う。10qでは先頭は30分53秒。大迫と服部は1秒差、第二集団後方の中村は41秒差。
 12q過ぎでメダル有力候補のホーキンス(英)が先頭集団から遅れる。この後も少しずつ先頭集団は減り続け、棄権も増えていく。10q過ぎてからの棄権はウガンダのキプロティクや韓国のオ・ソウハンなど6人。15qでは先頭が46分3秒。大迫と服部は2秒差。服部は次第に先頭集団の最後方へ。
 20qでは、先頭が1時間1分47秒。大迫は1秒、服部は2秒遅れ。この後、服部が先頭集団から遅れていく。中村は既に第二集団(分裂したのかも)からも遅れ、先頭とは2分13秒差(74位)。大迫は、給水のとき、帽子も取り替えていた。真ん中に黒い部分があり、頭が冷やせるのかもしれない。
 22q付近で先頭集団は約30人。20q過ぎてからメダル候補のレマ(エチオピア)、バーレーンのデチャサが棄権。これでエチオピアは1人だけに。中間点では先頭が1時間5分15秒。大迫は2秒差。この後、いよいよ先頭にケニアのキプチョゲが出てきて、おそらく少しペースを上げたらしい。集団が縦長に。25qでは先頭は1時間17分24秒。大迫は1秒差。服部は1分18秒差。
 25q過ぎてから棄権したのは7人。実力者ドナシメント(ブラジル)がフラフラと道路の端へ寄り、休んだ後再び走り出したが、少し後で今度は端に横たわってしまった。ホーキンス(英)もここで棄権。
 27q付近で先頭集団は13人。ケニア3人、アメリカのラップ、モロッコのゴムリ、南アのモコカ、タンザニアのシンブ、フランスのアンドゥニ、スペインのランダッセム、ベルギーのアブディ、オランダのナゲーエ、日本の大迫。28q過ぎで、ケニア勢がペースアップ、ますます縦長に。またメダル候補のモコカ(南アフリカ)が遅れる。
 30qではキプチョゲが1時間32分31秒。大迫は2秒差。この後の給水を終えると、キプチョゲがスパート。じりじりと開いていくが、誰も追いつけない。2位集団から大迫が遅れ、9位を走る。
 30q過ぎてから棄権したのは8人。モコカ(南アフリカ)他、エチオピアのデシサ、モンゴルのバトオチルなど。エチオピアは3人とも棄権に。大迫より前を走っていた選手がひとり棄権したので、大迫は9位から8位に。
 35qではキプチョゲが1時間46分59秒。この5qは14分28秒で、楽そうに一人旅。解説の高岡さんが「14分28に上げてきましたか!」と驚く。アナウンサーが「その前の5qが15分8秒というのは様子見だったのかもしれません」と言う。大迫は51秒差。6位と7位の選手がだんだん大きくなってくる。とうとう、36q手前で二人をぬき、6位に浮上。高岡さんは「何とか2位集団に追いついてほしい」。
 40qはキプチョゲが2時間1分55秒。2位集団の4人は、2時間3分12秒。大迫は18秒差の2時間3分30秒。キプチョゲは、そのまま余裕で沿道の左右に手をふり、2時間8分38秒で優勝。
 2位集団はケニアのチェロノがずっと引っ張っていたが、40q過ぎてからスペインのランダッセムが遅れた。ゴールが見える直線に入ったところで、ナゲーエがスパートしつつ、右手でアブディに「上げろ、上げろ」というように手をふる。二人でチェロノを抜いてメダルを確保。ゴールで待っていたキプチョゲと三人で抱き合う。ナゲーエもアブディも元ケニア人なのだろうか(8/9の朝日新聞によると、二人ともソマリア難民で、母国では家族ぐるみの付き合いだったとか)。それとも単に「この酷暑のマラソンを走りきってメダルをつかんだ同志」としての祝福なのか。
 5位になるラッセンダムがゴールする前に、大迫がゴール前の直線に入ってきたが、もう追い上げる力は明らかに残っていなかった。それでも沿道の左右に手を上げながらゴールイン。日本人の入賞は、ロンドン五輪の中本の6位以来とのこと。
 インタビューを聞くと、これで引退したら、すぐに育成の仕事を始めるようだった。

マラソン (2021.8/7)

女子マラソン (2021.8/7 札幌) 東京五輪

 開始を1時間繰り上げて6時スタート。録画が時間設定のため全部カバーできなかった。16qまでは、夜のダイジェスト放送でとびとびに見た。スタート直後の部分の記録はスポーツナビの五輪テキスト速報より。スタート時の気温26度、湿度80%。
 日本勢は、MGCファイナルで滑り込んだ一山麻緒(ワコール)が8位入賞。ダイジェスト放送でもスタートからは入っておらず、既に先頭集団には、一山しかいなかった。どこで前田穂南(天満屋)や鈴木亜由子(日本郵政グループ)がいなくなったのかわからず。先頭集団にケニアの選手が3人いて、水や氷など回したりして集団走のようだった。30qくらいまで協力しあっていて、解説の増田さんも驚いていた。結局、金メダルと銀メダルはケニア。銅メダルにアメリカ人が食い込んだのが驚きだった。
 有力選手は、ケニアの世界記録保持者コスゲイ、2019年世界選手権金メダルのチェプンゲティッチ(ケニア)。ケニアのもう一人はジェプチルチル。エチオビアのビルハネ・ディババとデレジェとイマー、イスラエルのサルピーターなども実力者らしい。スタートの瞬間は、さすがにダイジェスト放送でもあり、日本記録保持者としての前田、世界記録保持者コスゲイ、あともう一人を個人的に紹介してからいっせいスタートラインに並んでいた。
 初めの1qは3分39秒のスローペース。前田も鈴木も前の方にいる。2qで前田が飛び出すが、4q過ぎに先頭集団に吸収されたらしい。5qでは先頭集団は18分2秒。集団の前方に前田と鈴木、後方に一山がいるらしい。集団の一番前はイスラエルのサルピーターでケニアの3人はそのすぐ後ろにいるようだ。
 10qでは36分16秒。既にここで鈴木が遅れ始めたらしい。13q過ぎの給水後に先頭集団がばらけ始めたらしい。
 15qでは53分47秒。18q付近で先頭は約20人。前田が先頭に出たらしい。鈴木も先頭に追いつきつつあるとのこと。17q付近で、優勝候補のイマー(エチオピア)が歩き始めたらしい。
 20qで1時間11分27秒。前田が遅れ、鈴木も再び遅れたようだ。これで集団には一山のみ。このへんからは録画に入っている。少しずつ遅れていき、先頭は11人。ケニア3人、アメリカ2人、エチオピアのデレジェ、イスラエルのサルピーター、一山など。
 中間点で1時間15分14秒。鈴木が21秒差、前田は24秒差。気温は28度、湿度は71%。
 25qで1時間28分51秒。鈴木は45秒差で25位、前田は1分差で28位。
 先頭が10人に。ケニアのコスゲイ、チェプンゲティッチ、ジェプチルチル、エチオピアのデレジェ、ナミビアのジョハネス、ドイツのケイタ、バーレーンのチュンバ、イスラエルのサルピーター、アメリカのセイデル、一山。29q過ぎでケニアのチェプンゲティッチが遅れる。
 30qで1時間46分4秒。鈴木は2分11秒差で26位、前田は2分25秒差で28位。先頭集団からナミビアのジョハネスが遅れ、8人に。解説の増田が「このまま頑張れば入賞できる」。
 33q手前で一山が先頭集団から遅れる。先頭は、ケニアのコスゲイとジェプチルチル、バーレーンのチュンバ、イスラエルのサルピーター、アメリカのセイデルの5人。
 35qで2時間2分58秒。一山は27秒遅れで8位。鈴木は3分26秒差で22位、前田は4分35秒差で40位。鈴木の順位が3つ上がっている。
 36q手前で先頭からチュンバが遅れ、4人に。しかし、一山もひとり抜かれて9位に下がる。
 38q手前でセイデルとサルピーターが遅れ、先頭はケニアの二人に。サルピーターが歩き始め、一山が再び8位に。
 40qで先頭の二人は2時間19分59秒。給水後、ジェプチルチルがスパート、そのまま優勝。2時間27分20秒。
 2位は2時間27分36秒でコスゲイ。3位に2時間27分46秒でアメリカのセイデル。4位エチオピアのデレジェ、5位ベラルーシのマズナロク、6位ドイツのケイタ、7位バーレーンのチュンバ。途中まで先頭を引っ張ったサルピーターは棄権せず、2時間48分31秒で66位だった。女子は15人棄権、完走73人。
 一山は2時間30分13秒で8位、鈴木は最後の直線でひとり抜き、2時間33分14秒で19位、前田は2時間35分28秒で33位。日本人の入賞は17年ぶりらしい。

ページトップへ

マラソン (2021.3/14)

名古屋ウィメンズマラソン (2021.3/14)

 東京五輪内定の鈴木亜由子が怪我で辞退して、招待選手は4人。うち五輪補欠の松田瑞生(ダイハツ)と同じく補欠でマラソン二度目の佐藤早也伽(積水化学)の対決に。松田は昨年、大阪国際女子マラソン(ファイナルチャレンジ)で優勝し、五輪代表3枠目をつかみかけたが、昨年のこの大会(ファイナルチャレンジ)新記録で優勝した一山にタイムをぬかれて代表を逃した。この他、MGCに出た岩出(千葉陸協)や小原(天満屋)が招待選手。昨年は市民マラソンの部は中止したが、今年は半分の5000人規模で実施。気温14.8度、湿度34.8%、北の風1.1メートル。
 ペースメーカーは6人。先頭に4人、第2集団に2人。先頭の4人のうち3人が日本人。設定は1q3分20〜21秒。第2集団の設定は1q3分25秒だったか。最大30qまで引っ張る。昨年の雨と異なり、いい天気。
 なぜかペースメーカーのタイムが設定より速く、1q3分18秒。3qあたりで、もう先頭は4人に。松田と佐藤の他、上杉(スターツ)とマラソン二度目の福良(大塚製薬)。松田はペースメーカーの後ろではなく横に並んでいる。PACE1のゼッケンを付けたワンジル・モニカ(スターツ)が少し後ろを走っているが、彼女が正しいペースに近いのだろう。岩出や小原は10人以上の第二集団。
 5qで16分34秒、10qでも33分2秒と速いまま。第一移動車解説の高橋尚子は「ペースが速いまま、はまっている」。センター解説の有森さんは「ペースメーカーは松田さんが横にいて、引っ張られているのでは」。なんと早くも10qで、先頭に三人並んでいた日本人ペースメーカーのうち二人が離れる。
 11q付近で福良が遅れ、12qあたりで上杉も遅れる。13qでもう一人の日本人ペースメーカーが離れる。どういう契約になっているのか知らないが、最大30q引っ張るはずが半分の15qもいかないうちに、三人もいなくなるのはおかしいのでは。あっという間に、松田と佐藤の二人を、PACE1のモニカが引っ張る形に。風があるらしく、佐藤はペースメーカーの後ろを走っているが、松田は斜め後ろを走っている。第2集団のペースメーカーも13qあたりで一人になっていた。
 15qは49分52秒。20qは1時間6分46秒。中間点1時間10分23秒。22q過ぎでついに佐藤が遅れ始める。
 25qは1時間23分29秒。30qは1時間40分29秒。ここで最後のペースメーカーが離れ、本当の一人旅に。時々ビル風で突風が吹くという条件の中、松田は1q3分23秒に落ちた後、1q3分17秒に上げるなど、あまりラップを落とさずに走り続けた。昨年の自己ベスト(2時間21分47秒)更新を目標に走っているとのこと。
 しかし、例年なら追い風になる部分で向かい風が吹くなどあったようで、記録更新はならず、2時間21分51秒で初優勝。目標の記録が出なかったことで悔し涙を流し、優勝インタビューなのに「去年の自分を越えられず、申し訳ございません」などと謝ったので、高橋など解説陣は驚いていた。山中監督は「上出来」と笑顔だった。松田は1万メートルで東京五輪を目指すらしい。
 2位はそのまま粘った佐藤が2時間24分32秒、3位は一般参加の松下(天満屋)が2時間26分26秒。上杉は2時間27分3秒で7位、福良は2時間28分31秒で10位。招待選手の岩出は2時間30分35秒で16位、小原は2時間32分3秒で18位だった。

マラソン (2021.2/28)

びわ湖毎日マラソン (2021.2/28)

 なんと最後の大会で、日本新記録誕生! 富士通の鈴木健吾が大迫傑の記録を更新する2時間4分56秒を出した。雨風や日照もなく、2時間9分台までの記録を出した選手が42人も。自己記録更新する選手が続々。「こんなにいい記録が出るなら来年もびわ湖でやってほしい」と解説の高岡さんが言うほど。今年で最後となるびわ湖毎日マラソン。来年以降は、市民マラソンの大阪マラソンと合併して生まれ変わるらしい。
 招待選手は7人。うち2時間6分台の記録を持つのは井上(三菱重工)と高久(ヤクルト)。しかし3位までに入った選手はいずれも一般参加(2位土方、3位細谷)。他に、川内優輝や神野大地なども一般参加。ペースメーカーは5人。うち3人は1q2分58秒で30qまで走る。このペースだと、2時間5分台をねらえるらしい。この3人のうちの一人は村山謙太。残り2人は1q3分で走る。
 ペースメーカーのうち2人が外れた25q。選手6人(カリウキ、土方、鈴木、井上、大六野、菊地)のうち、井上がスパート。しかし、離しきれない。28q付近で追いつかれる。戻りの平津峠で菊地が遅れる。井上、大六野も遅れる。
 30qで最後のペースメーカーが離れると、選手はカリウキ、土方、鈴木の3人。35qまではカリウキが先頭を走った。35q過ぎの給水で鈴木はスペシャルドリンクのボトルを取れず。ここで逆に切り替えてスパート。給水している二人をぐんぐん引き離した。
 35qからの鈴木の1qのラップは、2分53秒、2分52秒、2分51秒、2分59秒、2分53秒。解説の高岡さんもこれを見て「大会記録の更新どころか大迫傑の日本新を越えられる」と言う。
 最後に競技場に入ってからは伸びなかったが、2時間4分台を記録。インタビューでも、今までマラソンを走り終えたなかで一番体が楽だった、と言っていた。パリ五輪を目指すとも。

マラソン (2021.1/31)

大阪国際女子マラソン (2021.1/31)

 コロナのため、無観客で、長居陸上競技場を15周(14+4/5周)してヤンマースタジアムでゴールする周回コースに変更して開催された。選手は全員事前にPCR検査を受け、陰性を確認。招待選手は8人。東京五輪代表の一山(ワコール)と前田(天満屋)の他、岩出(千葉陸協)、初マラソンの谷本(天満屋)など。ペースメーカーも、外国から力のある女子ランナーを呼べないため、川内優輝(AD損保)など国内男子選手5人が担うという初の試み。先頭は、野口みずきの日本記録(2時間19分12秒)更新ペースということで、1q3分18秒の設定で川内など3人。第2集団用に2人の配置。
 気温10.2度、湿度50%。風もほとんど吹いていない。「記録更新には理想的な条件」とセンター解説の有森。センターには高橋尚子もいる。この他、第一移動車には増田明美と野口みずき、いつものようにバイクリポートに千葉真子。
 最初の1qは3分13秒でやや速く入る。既に先頭はペースメーカー3人と一山、前田のみ。3位以下は集団で別のペースメーカーとともに走っている。2qまでと3qまでは初めの1q速かった分を補うように3分21秒。増田が「5qで予定に合うように調整しているのだろう」と言う。センターの高橋も「初めの2〜3qを過ぎると安定してくると思う」。4qまでは1q3分18秒。
 5qでは16分32秒。日本記録は16分24秒だった。3位集団は34秒遅れ。一山は道路の一番内側をペースメーカー岩田勇治(三菱重工)のすぐ後ろで走っている。前田は並んだペースメーカー川内のすぐ後ろで走っている。解説陣の誰かが「自分に合うペースメーカーに付いている」と言う。一山が道路の内側を走っていることについて野口が「傾斜があるので走りにくいのでは」と言うと、増田も「ペースメーカーの人がもう少し道路の中央寄りに走らないと」と言う。そこへ有森が「一山さんは一番内側を走る予定と言っていましたから傾斜も承知の上で走っていると思う」。もう一人のペースメーカー田中飛鳥(ひらまつ病院)は一山、前田とほぼ並んで走っている。
 10qでは33分ちょうど。野口の記録は32分53秒。このところ1q3分17〜18秒でラップを刻んでいる。13qでバイクの千葉から「前田さんが一山さんの後方に位置が変わった」とリポート。「腕に力が入っている」とも。14qでは明らかに遅れ始める。PACE3のゼッケンの田中が前田と一緒に走っている。天満屋の武富監督の顔も切り込みで映る。後で監督談話として「30qまでは日本記録更新ペースについていってほしいと話した。少し苦しくなるのが早い」。
 15qでは一山は49分27秒。野口の記録は49分22秒。2位の前田は6秒差。16qあたりから周回遅れの選手を抜いていく。3位以下はあまりテレビに映らない。たまに第二移動車が岩出などを映す。そのうち、第二集団はペースメーカーの男性と一般参加の阿部(しまむら)と上杉(スターツ)の二人になる。
 20qでは一山は1時間5分58秒。野口の記録は1時間5分43秒。前田は35秒差。中間点では一山は1時間9分35秒。野口の記録は1時間9分19秒。フィニッシュ予想は2時間19分10秒。
 25qでは一山は1時間22分38秒。野口の記録は1時間22分13秒。この1qは3分23秒。前田は57秒差。ペースメーカーの二人が、遅れがちの一山に何か声をしきりにかける。一山の口があいて、だんだん苦しそうに。28qで残り5周。残りは1/3。この3qは1q3分22〜27秒。
 30qでは一山は1時間39分40秒。野口の記録は1時間38分49秒。この5qは17分2秒。いつもならここでペースメーカーが離れるが、その気配がない。日本記録更新は難しくなってきたが、自己ベストの更新となる2時間19分台は出せそう。
 35qでは一山は1時間56分48秒。野口の記録は1時間55分26秒。この1qは3分21秒とやや持ち直す。5qは17分8秒。一山の談話で「30q過ぎたらペースを上げていきたい」と言っていたらしいが、なかなか厳しい。39qで残り1周。トラックレースのように鐘が鳴る。
 40qでは一山は2時間13分47秒。野口の記録は2時間11分53秒。この1qはまた3分21秒、この5qは16分59秒とややペースが上がっている。それにしても野口はなんて速かったのだろう。
 ヤンマースタジアムに入ったところで、ペースメーカーの二人が離れる。一山が2時間21分11秒で優勝。野口の大会記録は更新。優勝インタビューでは「日本記録を出したいと思っていたのでくやしい」「日本記録ペースを実感できた。自分の力はこんなものとわかった」など反省の弁。放送には出ていなかったが、年末に体調を崩し、流動食で5日間走れなかったらしい。
 2位は前田で2時間23分30秒。解説の増田が「あのままずるずる落ちていく可能性もあったが、よく2位をキープした」。自己ベストは更新。前田も年末に怪我をして万全の体調ではなかった。しかし五輪前に記録にチャレンジするという貴重な体験は積めた。
 3位は阿部で2時間24分40秒。自己記録を4分縮める大幅更新。2時間25分を切れなければ第一線を引くつもりだったという。4位は上杉。上杉も2時間24分52秒で自己ベストを4分更新。谷本は9位。川内の妻、川内侑子は16位。岩出は15q過ぎで棄権。

 ※なお、このレースは男女混合レース扱いになり、一山の記録と野口の記録も併記されるとネットのニュースに出ていた。また、ペースメーカーは本来40qまでだったらしいが、川内は一山の45秒後にひっそりゴールしたとのこと。


ページトップへ

「サッカーの部屋」へ