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2022マラソン・バックナンバー


3/13 名古屋ウィメンズマラソン
3/6 東京マラソン
2/27 大阪マラソン
1/30 大阪国際女子マラソン

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マラソン (2022.3/13)

名古屋ウィメンズマラソン (2022.3/13) MGCシリーズ

 世界歴代4位と8位の記録を持つチェプンゲティッチ(ケニア)とサルピーター(イスラエル)がペースメーカーをおいていく走りで、日本人トップの安藤(ワコール)は途中までくらいつき、自己ベストは出せなかったが、3位でMGCをつかんだ。気温13.7度、湿度38%。フジテレビ放送センターには、解説・有森、ゲストに引退したばかりの福士佳代子。第1移動車には高橋尚子、第2移動車には野口みずき。バイクリポートは金哲彦さん。高橋が「現役の時は14度が一番好きだった」と言う。珍しく無風で、金さんまで「走りたくなった」。
 海外招待は3人。チェプンゲティッチとサルピーターのほか、2019年ロンドンマラソン2時間24分11秒のダイバー(豪)。国内招待5人。5年前の名古屋で初マラソン最高記録2時間21分36秒を持つ安藤のほか、2時間26分台の細田(エディオン)、田中華絵(第一生命)、和久(ユニバーサルエンターテイメント)、25分台の川内(大塚製薬)。ペースメーカーは2人ずつ3セット。先頭グループは、2時間20分切りをめざす1km3分20秒、次のグループはMGC獲得をめざす3分24秒(?)。
 スタートから設定より速いペースで入り、3km時点で1km3分16、3分24、3分18などで、ペースメーカーは既に1人、選手はチェプンゲティッチとサルピーター、安藤と細田の4人のグループに。安藤は両手をダラッと下ろした忍者走りのようなスタイル。他の招待選手は第2集団を作る。
 5kmでチェプンゲティッチがペースメーカーを抜いて16分34で通過。安藤は初めチェプンゲティッチについていき、16分35で通過。細田も16分36。しかし6kmまでに、チェプンゲティッチはぐんぐん差を開いていき、安藤はペースメーカーの後ろに位置していた。細田はさらにその後ろ。放送センターの有森が「チェプンゲティッチ選手はおそらくペースが遅いと感じ、今は自分のペースで楽そうに走っている」という。第2集団とは既に12秒差。
 9キロ過ぎの最初の折り返し地点でチェプンゲティッチと後方は22秒差。それでも第2集団のタイムは設定より速い。おそらく本来の設定タイムで走っていると思われる、もう一人のペースメーカーとダイバーが第2集団の後方100mくらいの所を走っている。
 10kmでチェプンゲティッチは32分43秒。「驚異的なペース」と実況アナが叫ぶが、本人は楽そうに走っている。サルピーター、安藤と細田が33分8秒。6位集団の日本人選手の中に、招待でない岩出(千葉陸協)や鈴木優花(大東文化大)がいる。鈴木は大学4年をかけて筋肉を鍛えてきたとのこと。
 15kmでチェプンゲティッチは49分15秒。ここまで5kmのラップタイムは全て16分台。第1移動車の高橋尚子が「チェプンゲティッチ選手はコーチを付けず、自分で練習メニューも作って体調管理しているので、単独走にも慣れている」と言う。安藤が50分ちょうど、細田は50分1秒。
 17km過ぎで、第2集団のサルピーターが前を行くチェプンゲティッチを追い始め、安藤もついていく。細田が安藤から遅れ始める。ペースメーカーはもういない。
 20kmでチェプンゲティッチは1時間5分27秒。サルピーター、安藤は1時間6分16秒。
 中間点でチェプンゲティッチは1時間9分3秒。サルピーターと安藤は1時間9分47秒。細田が1時間9分59秒。このあと23km過ぎでサルピーターがさらにペースアップ、安藤がついていけなくなる。
 25kmでチェプンゲティッチは1時間21分48秒。サルピーターは1時間22分15秒。差は27秒。第1移動車の高橋が「チェプンゲティッチ選手は後ろからサルピーター選手が迫っているのを知らないのではないか」という。安藤は1時間22分30秒。
 25kmで日本人の6位集団についていたペースメーカーが離れる。学生ランナーの鈴木がペースアップし、前方を走るダイバーに迫る。
 30kmでチェプンゲティッチは1時間分秒。ここでサルピーターが追いつく。二人とも給水をとって、並走。センターの有森が「二人でけん制しあうのではなく、競い合ってほしい」。ゲストの福士も「日本でこんなハイレベルの走りが見られるとは」という。安藤は1時間39分22秒。ワコールの監督が沿道から「3分20に戻せ」と声をかける。センターの福士が「そう言われてもここからがつらい」と笑いを誘う。
 34kmの坂道でチェプンゲティッチがスパート。サルピーターは追いつくのにスタミナを使ったためかついていけない。高橋が「チェプンゲティッチ選手は、後半ラップを上げていける。8戦5勝しているが全てその形」という。
 35kmはチェプンゲティッチが1時間54分17秒。サルピーターは9秒差。安藤は1時間57分4秒。後方では、学生の鈴木がダイバーを抜き去り、3位の細田を追う。
 40kmでチェプンゲティッチは2時間10分22秒。時計を見ながら走っている。「自己記録更新をめざしていると思う」とセンターの有森。「16分台は無理でも17分台は確実に出る」。ここまで淡々と走っていたが、最後はもがくようなスタイルでさらにスピードアップ。「ここまでもがく様子は初めて見ました」と高橋。安藤は2時間14分31秒。
 チェプンゲティッチが2時間17分18秒で優勝。大会新記録。そのままひざまづいて感謝の祈りをささげていた。
 2位は2時間18分45秒でサルピーター。安藤は全体の3位、日本人トップで2時間22分22秒。福士が「ゾロ目でそろえましたね」。
 4位は細田で2時間24分26秒、自己記録更新。5位はなんと学生の鈴木で、2時間25分02秒は学生新記録。この他、7位の福良と8位の太田が2時間25分台でMGCの出場権を獲得した。9位の竹本(ダイハツ)も26分台だが日本人6位以内でMGC獲得。岩出が2時間27分3秒で11位、招待選手の和久が12位、川内13位、田中16位。岩出と川内も2レース平均タイムでMGC獲得。ダイバーは20位までに入っていないので、最後棄権したのか。

マラソン (2022.3/6)

東京マラソン (2022.3/6 東京都庁〜東京駅前) MGCシリーズ

 男女とも世界記録保持者(キプチョゲ、コスゲイ)が招待選手として来日として快走した、豪華なレース。日本人も日本記録保持者(鈴木健吾、一山麻緒)男女とも出場。それぞれ世界記録・日本記録の更新をねらいながら、わずかに届かなかったが、期待通りに優勝・日本人1位を達成。なお、このレースは延期された2021年のレースという扱いで、2022年は開催しないとのこと。
 主な男子海外招待選手は、東京五輪金メダルのキプチョゲ(ケニア)の他、2021年ベルリンマラソン3位のゲレメウ(エチオピア)、キプルト(ケニア)、トラ(エチオピア)、ジョナサン・コリル(ケニア)、2020年ロンドンマラソン優勝のキタタ(エチオピア)など7人。国内招待選手は、2021年びわ湖で日本記録を出した鈴木(富士通)のほか、その同じびわ湖マラソンで2〜4位の土方(Honda)、細谷(黒崎播磨)、井上(三菱重工)、2020年東京マラソン8位の高久(ヤクルト)、2020年福岡国際優勝の吉田(GMO)など9人。
 主な女子海外招待選手は、2019年シカゴで世界記録を出し、東京五輪銀メダルのコスゲイ(ケニア)、2019年東京マラソン2位のベケレ(エチオピア)、2020年ロンドンマラソ2位のサラ・ホール(米)など7人。国内招待選手は、東京五輪8位入賞の一山(ワコール)と東京五輪1万メートル代表、第1回東京マラソン優勝で13年ぶりのマラソンを走る新谷仁美(積水化学)の2人。
 設定ペースは、男子第1グループ1km2分54秒、第2グループ1km3分4秒。第1グループペースメーカー3人のうち2人は、キプチョゲの練習メンバーらしい。第2グループペースメーカー2人のうち日本人の方は村山康太だった。
 スタートしてすぐ、ペースメーカー3人のすぐ後ろにキプチョゲ、周りに海外招待選手という10人の集団と、日本人の大集団の二つに分かれた。コースの最初が下り坂のせいか、先頭が設定よりも速い1km2分50くらいだったので、先頭集団と後ろの差はどんどん開いた。この後、平たんになっても速いペースで落ち着いてそのまま維持していた。
 5kmは14分17秒で、世界新ペース。この後、キタタが遅れる。
 第2集団は5kmを14分49秒。鈴木、吉田、井上などがいる。第2集団の方も、鈴木がペースメーカーの村山に話しかけて少しペースアップしたようだった。
 先頭集団は10km過ぎ、折り返し地点の近くでコースを間違え、ややタイムロス。放送車がコースを回避した方へついて行ってしまったのか、折り返し後の給水ポイントが目に入ったせいか。
 20kmで先頭は57分53秒。世界記録をまだ4秒上回っているが「貯金」は減ってきた。24km過ぎでゲレメウが棄権。先頭は4人に。解説陣の誰だかが「ゲレメウの棄権はかなり衝撃的」。それほどペースが速いということらしく、ペースメーカーも2人離脱。
 第2集団は20kmを先頭から1分29秒遅れの59分24秒。ここで村山がペースメーカーを終え、残ったのは山梨学院大のOBらしい。25kmになる手前で鈴木がペースメーカーより前に出て走り始める。放送センターゲストの大迫が「まだ25kmなので少し心配もあるが、日本記録更新にチャレンジということではワクワクしている」という。
 27km付近で、キプチョゲがややペースアップして1人残ったペースメーカーの前へ出る。キプルトがついていき、2人に。第1移動車ではアナウンサーが「瀬古さん、30kmまでつくはずのペースメーカーが、その前に全員いなくなりました」と言うと、「キプチョゲ選手は少し遅いと感じていたのか、今は自分のリズムで気持ちよさそうに走っている」。
 30kmでは先頭は世界記録から6秒遅れ。放送センターでは「キプチョゲ選手は世界記録更新より、メジャーマラソン6大会優勝を目標に掲げているので、勝負に転じたかもしれません」という。
 鈴木は30kmでも日本記録を17秒上回っていた。第2移動車の解説、藤田さんが「ぜひこのペースを維持して日本新記録を出してほしい」という。
 35km過ぎの給水後に、キプチョゲがロングスパート。キプルトはついていけず。
 そのまま2時間2分40秒(世界歴代3位)でキプチョゲが優勝。2位は2時間3分13秒キプルト、3位は2時間4分14秒でトラ。
 鈴木は40km以降にラップを上げられず、記録更新はならず。2時間5分28秒(日本歴代2位)で4位。インタビューでは、涙をこらえながら「去年日本最高記録を出してから1年苦しかった。今回少し不調でキプチョゲ選手についていけず日本人トップを目指した」と言っていた。相当な重圧があったのだろう、とこれを聞いた放送センターの解説陣が話していた。
 5位にキタタ、6位にラバン・コリル。日本人2位は、7位に入った其田(JR東日本)。8位の湯沢(SGホールディングス)、9位の聞谷(トヨタ紡織)まで2時間7分台。11位土方、13位佐藤悠基(SGホールディングス)までが「日本人6位以内で2時間9分以内」に該当してMGC出場権利を獲得。ジョナサン・コリルは12位、井上は17位だった。
 女子は、コスゲイが2時間16分2秒で優勝。2位アシェテ・ベケレ、3位ゲブレシラシエ(エチオピア)、4位タヌイ(ケニア)、5位ゲブレキダン(エチオピア)。
 日本人1位は6位の一山で、途中まで(35km過ぎ?)新谷と並走していたが、最後40km手前でスパート、2時間21分2秒でゴール。新谷は2時間21分17秒で7位。8位にサラ・ホール、9位にヘレン・ベケレ(エチオピア)。10位になった森田(パナソニック)までが女子のMGC出場権獲得者。なお、鈴木と一山は昨年結婚しており、二人の合計タイム4時間26分30秒が「同一レースでの夫婦最速のギネス記録(4時間27分5秒)」を更新したとのこと。

マラソン (2022.2/27)

大阪マラソン (2022.2/27) MGCシリーズ

 エリートマラソンのびわ湖毎日マラソンと市民マラソンの大阪マラソンが統合した第一回目の大会だが、コロナ流行のため、市民の部は中止になった。コースは、橋が多く、折り返しが5か所もあり、終盤にかなりの上り下りがある。
 主な招待選手は、設楽悠太(Honda)、川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)、一色(GMO)など。他の招待選手も2時間8分台のベストタイムの持ち主。一般参加で、村山謙太(旭化成)、今井なども。ペースメーカーは3人で、1km3分の設定。このペースで最後まで走れば2時間6分台でゴールらしい。堀江美里など女子選手もおり、混合マラソン。
 5kmで15分1秒。先頭集団は縦長で70人くらい。10kmでは29分59秒、60人くらい。15kmで45分7秒。ペースメーカーが優秀で、ペースが安定している。本当はこのペースだとペースオーバーの選手もいるはずだが、予報では吹くはずだった風がほとんど吹いていないのがいいのかも。
 20kmは1時間10秒、集団は40人くらいに。設楽が集団の後ろの方になり、22km過ぎで遅れた4人の小グループで走っている。解説の尾形さんは「レース前の発言がいつもの設楽君とは違っていたので少し心配」。
 23km付近で、ゲスト解説の大迫傑の大学・高校の後輩である、中谷(早大)が棄権。まだ走れそうだったが、「予定の行動だったようですね」。
 25kmは1時間15分14秒。先頭は30人くらいに。この中に川内は入っている。今回が114回目のマラソンらしい。日本人ペースメーカーは既に少し後ろを走っていたがここで離れる。
 27km過ぎの4つ目の折り返し地点で、設楽は先頭から41秒遅れ。大迫は「折り返しはスピードダウンしないように外側から内側へ回るのがいいが、集団が大きいと難しい。内側だといったん止まってまた戻すのにエネルギーを使ってしまう」。
 29km過ぎでコース最大の上り坂。ややペースが落ち、横長に。下りにさしかかると、二人のペースメーカーが突然スパートするようにペースアップ。それに合わせて川内がついていき、もう一人ついていったのは、村山謙太。川内はレース前に「上りと下りで違う筋肉を使う」と話していた。
 30kmでは1時間30分31秒。ペースメーカー離脱後には川内と村山が先頭に立つ。村山は後ろを見て、川内をかわしてスパート。大迫は「村山君はスパートするべきところまで我慢できないことが課題」と厳しいことを言う。
 案の定、31km過ぎで10人ほどの後方集団に二人とも吸収される。アナウンサーが「これはどういうことか」と大迫に聞くと「ペースメーカーはややペースが遅れていたのを挽回するようにペースアップしたのに何となくついていっただけ」。
 33km過ぎで先頭は9人。この中にベテラン37歳の今井(トヨタ自動車九州)と岡本(中国電力)がいる。川内は遅れた4人の第2集団に。最後の折り返し地点。さらに先頭集団がばらけていく。村山はどんどん遅れていく。
 35kmで先頭は山下(三菱重工)の1時間45分38秒。すぐ後ろに初マラソンの浦野(富士通)と星(コニカミノルタ)。他に野中(大阪ガス)、村上、山本(マツダ)。浦野は日本記録保持者の鈴木健吾の同僚で、同じ練習を積んできた、と紹介される。
 36km過ぎでは先頭は山下、浦野、星の3人。山下がしばらく先頭を引っ張っていたが、浦野に先頭を変わってくれと頼んだらしい。「二人とも笑っていますね」。
 38km過ぎで、星が初めて先頭に出て、少しずつ後の二人との距離が開いていく。
 40kmで星は2時間43秒。5秒差で山下、9秒差で浦野。
 星が初マラソン最高記録の2時間7分31秒で優勝。2位は山下、3位は浦野。4位に丸山(旭化成)。ここまで2時間7分台。5位に岡本、6位に今井。ここまでが2時間8分台でかつ6位以内というMGC出場権獲得。川内は9位だが、MGC対象2レースの平均タイムが2時間10分を切っているので、ワイルドカードでMGC出場権獲得。設楽は完走したが31位。4月にボストンマラソンを走る予定。大迫は「次につながった」と言う。村山はさらに遅れてゴール。
 星はマラソン練習を帝京大学卒業後に始めてまだ1年。「いい記録でしかも優勝できるとは思っていなかったので自分でも驚いている」と言っていた。

マラソン (2022.1/30)

大阪国際女子マラソン (2022.1/30) オレゴン世界陸上代表選考・MGC対象レース

 ペースメーカーが競技場入口までサポートする珍しい形式だった。設定は、先頭の3人が1km3分20秒、次の2人が1km3分23秒、最後の1人は1km3分26秒。先頭の3人のうちPACE2は神野大地。第1グループのペースでゴールまでいくと、日本記録の2時間19分12秒(2005年9月野口みずき)を上回るらしい。第2グループのPACE4は川内だった。今回も海外招待はなし。国内招待は、松田(ダイハツ)、上杉(スターツ)、松下(天満屋)、谷本(天満屋)、阿部(しまむら)、佐藤(積水化学)など。
 パリ五輪に向けた2023年秋のMGC出場資格は、日本人3位以内で2時間28分以内または日本人4〜6位で2時間27分以内または順位に関わらず2時間24分以内。かつ2022年3月時点(シリーズI終了時点)でJMCランキング8位以内。日本陸連の世界陸上への派遣設定記録は2時間23分18秒(世界陸上参加標準記録は2時間29分30秒)。また今回は、ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズ国内女子最初のレースとかで、各選手にタイムや順位で国際陸連のポイントが付与されるらしい(五輪や世界選手権は出ただけで1200ポイントという例外もある)。
 3kmまでに先頭は、松田と上杉の2人だけになった。初めの1kmが3分25、次の2kmが1km3分17になるなどペースが一定してくるまで6km近くかかった。5kmで16分28秒。
 第2グループは川内が頻繁に時計をチェックしながら安定してひっぱり、こちらには天満屋の二人、阿部、佐藤、岩出(千葉陸協)など6人。
 先頭は、10km33分02秒、15km49分42秒。5キロのラップタイムは16分34、16分40。設定よりやや速めなのか、ずっと大会新ペース。松田はペースメーカー二人と並んで走り、上杉は松田のすぐ後ろを走っている。第一移動車の解説、野口が「松田の後ろを走るのは、男性のペースメーカーより女性の方がリズムが合うと思うので」と言う。センターの解説高橋尚子が「上杉は自分の自己ベストよりずっと速いペースについていっている。これまでもそうやって記録を伸ばしてきた」。
 第2グループは5kmで30秒遅れ、10kmで48秒遅れに。15kmでは、ほぼ1分離れた。
 先頭は20km1時間6分20秒、ハーフで1時間9分57秒。25kmで1時間22分47秒。5キロのラップタイムは16分38、16分27。ここまで松田と上杉が並走。しかし「上杉さんが松田さんではなくペースメーカーの後ろを走るようになった。少し苦しくなってきてペースメーカーの力を借りようとしているように見える」と野口。
 25km過ぎから上杉が遅れ始める。ペースメーカーの一人が少し振り返ったり手招きしたりしていたが、追いつけなくなる。30kmで松田が1時間39分15秒。上杉は1時間39分46秒。5キロのラップタイムは松田が16分28、上杉は16分59。ここでペースメーカーが離れるのかと思っていたら、みんな給水しているので、まだペースメークするのだとわかった。
 第2グループでも岩出が遅れる。35km過ぎから阿部と佐藤が少しずつ遅れ始める。松下はずっと川内のすぐ後ろを走っているが、先頭から遅れた上杉に追いつくほどではない。谷本が少し離れて追っている。
 先頭は35kmで松田が1時間56分4秒。5キロのラップタイムは16分49と落ちる。このへんに上り坂があり、ここを過ぎて「余力があったらペースアップしたい」と松田はレース前に語ったそうだが、かなり厳しそう。16年前の野口の日本記録を破るのは相当難しいようだ。現実的なのは、昨年の大会記録2時間21分11秒(一山)の更新だろう。第一移動車の野口は「ペースメーカーをライバルと思って走ってほしい」。
 センターのゲスト解説の渋井は「2時間19分出すのはそんなに難しくない」と言うが。2時間20分を切ったのは、野口の他、高橋尚子と渋井の3人だけ。上杉は35kmを1時間57分5秒で通過。約1分遅れ。
 40kmでは、松田が2時間13分23秒、上杉が2時間14分50秒。上杉は一人旅になっても崩れずに粘って走っている。5キロのラップタイムは松田が17分19、上杉が17分45。3番目の松下がこの5km17分20、4番目の谷本が5km17分16と追い上げてくる。
 ゴールのあるヤンマースタジアム長居の敷地に入ったところで先頭のペースメーカー3人が離れる。「ゴールが見えてくると力がよみがえる」と野口。松田の走りにも力が戻ったように見える。2時間20分52秒の大会新記録で優勝。しかし、本人は「目標を果たせなかった」と悔し泣き。どうやら目標は一山の国内最高記録2時間20分29秒(2020年3月・名古屋)の更新だったらしい。この記録で東京五輪代表の補欠に回ることになったため、「最低目標」だったという。
 2位は、上杉で2時間22分29秒。自己ベストを2分以上更新。3位は松下で2時間23分5秒。4位は谷本が2時間23分11秒。ここまでが世界陸上への派遣設定記録を突破。5位阿部、6位佐藤は2時間24分台だったが、ここまでがMGC出場権を得た。

※次の選考レースは、3/6の東京マラソンの予定。3/13には名古屋ウイメンズマラソンがある。


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