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※なお、福岡国際マラソンは録画を忘れて見られず。
マラソン (2024.8/12)
女子マラソン (2024.8/11) パリ五輪
なんと鈴木優花が、終盤までアフリカ勢に食らいつき、6位入賞を果たした。前田の右大腿骨疲労骨折が判明して8/9に棄権。残念。補欠の選手登録は8/2に解除していたので、MGC優勝の鈴木優花と2位の一山の二人で臨む。朝8時にスタート、気温19度、湿度66%。NHK解説は増田、実況は塚本アナ。
有力選手は、2時間11分5秒の世界記録保持者アセファ(エチオピア)、シャンクレ(エチオピア)、アレム(エチオピア)、2023年シカゴマラソン優勝で今回5000mと1万mで銅メダルのハッサン(蘭)、前回東京五輪金メダルのジェプチルチル(ケニア)、ロケディ(ケニア)、オビリ(ケニア)、サルピーター(イスラエル)、チュンバ(バーレーン)など。全91人。
始めの1kmは3分35秒。5kmは17分24秒。鈴木は3秒差の28位、一山は4秒差の38位。二人とも帽子とサングラスをつけている。
7km手前でガルバドラフ(モンゴル)が飛び出す。8km付近で後ろの大集団からアフリカの選手らが追いつく。10km手前で再び大集団に。
10kmではアセファが34分32秒。鈴木は5秒差の29位、一山は7秒差の40位。
10km過ぎ、今度は地元フランスのジュリエンが飛び出す。解説の増田が「この選手は過去に世界選手権や五輪など大きな世界大会の経験がありません」と言う。キルギスのトロフィモワが追う。
12km過ぎ、優勝候補の一画、ジェプチルチルも前を追う。すると一斉にケニア、エチオピア勢がついていく。13km付近でジュリエンとトロフィモワにアフリカ勢が追いつき、10人くらいの先頭集団に。鈴木とハッサンも遅れて追う。14km過ぎ、ハッサンが先頭に追い付く。増田が「ハッサン選手はいつも集団から離れたり後ろについたりしているが、トラックのスピードがあるので最後のスパートに自信がある」。
15kmでは先頭はオビリ。51分12秒。鈴木は14秒差の15位。一山は46秒差の45位。長い上り坂が始まっている。
16km手前で鈴木が先頭集団に追いつく。増田が「鈴木さんは上りが得意なので、逆に苦手な下りの練習をたくさんしてきた」と言う。
16km付近で再びジュリエンが集団から飛び出す。2位集団は鈴木をいれて16人。ステンソン(豪)がジュリエンを追って飛び出すが、19km付近で再び集団に。
20kmはサルピーターの1時間9分31秒。鈴木は1秒差の10位。一山は1分52秒差の56位。
中間点で先頭集団は鈴木をいれて20人。鈴木は1時間13分25秒で18位。一山は1時間15分26秒で56位。下りに入っている。23km付近で今度はリンドゥーム(米)が飛び出す。24km付近でサルピーターとトロフィモワがリンドゥームに追いつく。
25kmで先頭は1時間26分34秒。鈴木は6秒差で13位。一山は3分7秒差の61位。25km過ぎ、4位集団が先頭の3人に追いつく。集団は18人。フランスのジュリエンが遅れ始める。
27km過ぎ、アセファが前に出て少しペースが上がる。集団は12人になるが、鈴木も含まれている。28km付近では先頭はシャンクレ。エチオピアの二人は話し合って先頭を交互に引っ張っているのか。増田は「エチオピアは今回5000mや10000mでケニアに負けているので、マラソンは譲れないと思っていると思う」。先頭は9人に。ハッサンが遅れる。
ここから急激な上り坂。先頭は一気に5人になるが、鈴木は残っている。29km過ぎ、鈴木が遅れて6位に。
30kmで先頭はロケディ。1時間43分59秒。鈴木は4秒差の8位。一山は5分20秒差の59位。しかし、30km過ぎで鈴木は先頭に追い付き、集団は8人に。
32km過ぎ、シャンクレがスパートし、鈴木が集団から遅れる。先頭は5人。鈴木ともにジェプチルチルも遅れて3人で6位集団。33km過ぎ、ジェプチルチルはここからも遅れる。逆に鈴木は34km過ぎで前と差をつめている。
35km手前で鈴木はまた先頭に追い付く。ハッサンも静かに追い上げてくる。
35キロで先頭はロケディ。1時間59分43秒。鈴木は少し遅れる。1時間59分43秒だが5位。一山は7分41秒差の57位。
37kmでは、先頭はアセファ、シャンクレ、オビリ、ロケディ、そして戻ってきたハッサンの5人。鈴木はハッサンに抜かれる。39kmでは先頭とは20秒差。
40kmで先頭は2時間16分9秒。鈴木は27秒差の6位。後ろとは37秒差。一山は2時間26分2秒で51位。
先頭からシャンクレが遅れる。増田が「鈴木さんはシャンクレを目標にできる」と言う。
残り1kmをきってから、ハッサンがスパート。アセファもスパートするが、ハッサン(蘭)がトラックのような破格の走りを見せて金メダル。2時間22分55秒。アセファ(エチオピア)は2時間22分58秒で銀メダル。オビリ(ケニア)が2時間23分10秒で銅メダル。4位はロケディ(ケニア)で2時間23分14秒。5位シャンクレ(エチオピア)は2時間23分57秒。ハッサンはエチオピアから転籍した選手だが、エチオピアの選手たちとは健闘を称えあわなかった。それにしても二日前に10000m決勝で銅メダルのレースをした選手とは思えない走りだった。
鈴木は2時間24分2秒の自己新記録で6位。一山は2時間34分13秒の51位。鈴木もインタビューで「楽しかった」と言っていた。
有力選手などの順位は、ジェプチルチル(ケニア)が15位、サルピーター(イスラエル)9位、チュンバ(バーレーン)10位、リンドゥーム(米)12位、トロフィモワ(キルギス)14位。地元フランスはウォルデュの20位が最高。始め飛び出したガルバドラム(モンゴル)は47位、途中先頭に立っていたジュリエンは74位。アレム(エチオピア)など計11人が途中棄権。
マラソン (2024.8/11)
男子マラソン (2024.8/10)パリ五輪
日本の赤崎が先頭集団についていって6位入賞。
アフリカ勢に大迫(ナイキ)、赤崎(九電工)、小山(ホンダ)の3人がどこまでくいついて行けるか。有力選手は、五輪3連覇をねらうキプチョゲ(ケニア)、今年の東京マラソン優勝のキプルト(ケニア)、2022年世界選手権金メダルのトラ(エチオピア)、2時間3分台のゲレタ(エチオピア)、2時間1分台のベケレ(エチオピア)、2023年世界選手権金メダルのキプランガト(ウガンダ)、東京五輪銀メダルのナゲーエ(蘭)、東京五輪銅メダルのアブディ(ベルギー)など。
パリのコースは、ロンドンと同じく市内は石畳もあり、中盤から後半に強烈な坂道がある。14km〜20kmで150m以上上り、27.5kmまでゆるやかに下り、28km付近から急こう配が900m続き、これをまた3kmで下る。平らになってからゴールまで5km以上あるので下りで足を使い過ぎではいけないらしい。朝8時のスタートで19度、湿度66%。NHK解説は金哲彦さん。木陰もあるが日向もあり、ペースメーカーもいないので、1km3分5秒のペースで進む。
5kmではキプランガトで15分40秒。2位は同タイムで中国の楊。大集団の中で、小山が15分42秒で18位、赤崎が5分48秒で64位、大迫も同タイムで67位。
10kmは中国の楊で30分59秒。小山が31分ちょうどで13位、赤崎が31分3秒で52位、大迫が31分5秒で60位。日本のユニフォームはシャツがオレンジ、パンツが黒。帽子は白。
5kmごとのスペシャルドリンクの給水ポイントには、陸上チームのスタッフや選手がいて手渡しするほか、声掛けしたり、帽子の交換もできるらしい。帽子には袋詰めの氷をセットすることもできる。外国の選手には、ヘアバンドに水を入れ気化熱で頭を冷やすものを巻いている人も。15km過ぎのポイントには、800m障害で8位入賞した三浦龍二選手がいるという。
10km過ぎでイタリアのファニエルが大集団から飛び出したが、後続は14km過ぎからの坂を考えると、そこで追いつくと考えてか、あまり追わない。ファニエルは東京五輪で20位だったらしい。
15kmはファニエルで45分38秒。2位はまだ23秒差で楊。赤崎は46分3秒で9位。小山は46分4秒で24位、大迫も46分4秒で26位。
長い坂が始まっている。少し集団が縦長になり、ファニエルを追っているようだ。18km付近では、2位集団は18人。日本人3人も含まれている。
19km付近で、五輪3連覇をねらっていたキプチョゲが遅れる。時々左わき腹を押さえている。集団が縦長になり、2位集団9人に赤崎と大迫はいるが、小山はいなくなる。赤崎は、「この3ヵ月は坂の練習ばかりしてきた」らしい。
20kmはファニエルで1時間1分32秒。だいぶ後ろと差がなくなり、11秒差でトラ。赤崎1時間1分44秒で6位、大迫1時間1分45秒で8位、小山27位。
20km過ぎでトラがファニエルに追いつく。後ろの3位集団は7人。2時間1分台のベケレも遅れる。
かなりの坂が長く続き、今度は下る。22km過ぎで3位集団がファニエルとトラに追いつく。先頭集団は8人。大迫が少し遅れて9位集団にいる。24km過ぎ、9位集団が追いつき、先頭は15人に。赤崎が一番前にいる。
ハーフでは、トラが1時間4分51秒で先頭。2番目は1秒差で上がってきたアメリカのマンツ。赤崎は1時間4分58秒で5位。大迫は1時間5分で10位。小山は1時間5分27秒で32位。
25kmでは赤崎が先頭。1時間16分8秒。2番目はゲレタで同じく1時間16分8秒。3番目は南アフリカのジェラントで1時間16分9秒。トラは同じく1時間16分9秒で4位。
28kmから一番の急こう配が始まる。ここでトラが抜け出す。赤崎が2番、大迫は集団から遅れる。坂の頂点付近でトラが後続と差を広げる。赤崎は4位。シンブ(タンザニア)とゲレタが前に出てきた。
30kmでは先頭トラは1時間31分12秒。2番目にはイギリスのケーレスが1時間31分23秒で上がってきた。ゲレタが1時間31分27秒で3番目。4位はアブディで1時間31分29秒。赤崎は19秒差の5位で1時間31分31秒。大迫は15秒差の15位。小山は2分7秒差の30位。
2位集団は3人、赤崎は6位。赤崎が追いつき、先頭は5人に。
35kmはトラで1時間45分14秒。ゲレタは18秒差の1時間45分32秒で2位、アブディも同タイムで3位。4位にキプルトも同タイムで上がってきた。赤崎は19秒差の1時間45分33秒で5位。大迫は1分31秒差の15位。小山は28位。
36km手前で赤崎が2位集団から遅れる。2位集団はゲレタ、アブディ、キプルト。シンブは遅れる。赤崎は10秒差で単独走。
40キロはトラが2時間0分2秒。2位はアブディで22秒差。3位キプルト2時間0分26秒、4位ゲレタ2時間0分33秒。赤崎はさらに11秒差の2時間0分44秒で5位。大迫は13位。小山26位。
トラ(エチオピア)が2時間6分26秒で金メダル。アブディ(ベルギー)が2時間6分47秒で銀メダル。キプルト(ケニア)が2時間7分ちょうどで銅メダル。4位は最後に押し上げてきたイギリスのケーレス、5位はゲレタ(エチオピア)。2時間7分31秒。
赤崎は2時間7分32秒の自己新記録で6位。レース後のインタビューで赤崎は「楽しかった」と言っていた。大迫は2時間9分25秒で13位。小山は2時間10分33秒で23位。
なんとモンゴルのバトオチル(42)が71位で最下位。途中上がってきたマンツ(米)は8位、シンブ(タンザニア)は17位、2023年世界選手権金メダルのキプランガト(ウガンダ)は37位、2時間1分台のベケレ(エチオピア)は39位、初めに飛び出したファニエル(伊)は43位、楊(中)は55位。五輪3連覇をめざしたキプチョゲ(ケニア)は31km付近で棄権したらしい。他にも有力選手のナゲーエ(蘭)、ゲエイ(タンザニア)、キッサ(ウガンダ)など計10人が棄権。
マラソン (2024.3/10)
名古屋ウィメンズマラソン (2024.3/10 バンテリンドームナゴヤ発着) MGCファイナルチャレンジ
安藤友香(ワコール)が7年前の初マラソンで出した自己ベストを更新して初優勝したが、大阪国際で前田が出した日本記録2時間18分59秒を上回れず、パリ五輪代表は逃した。その他MGC3位以下で今回3枠目をめざしたのは、鈴木亜由子(JP日本郵政)、加世田(ダイハツ)。3人とも自己ベストは2時間21分台後半。MGC3位だった細田はケガで棄権。主な海外招待選手は、2022年オレゴン国際を2時間18分11秒で優勝のゲブレシラシエ(エチオピア)、チュンバ(バーレーン)、メリンガー(ルーマニア)、チェプトゥー(ケニア)など。ペースメーカーは7人。先頭の4人は1km3分18秒、5km16分30秒、フィニッシュ2時間19分15秒の設定。これだと前田の記録は上回れないので、ペースメーカーが離れる30km以降にペースアップの必要がある。気温5.2度、湿度53%、北西の風1m。放送センター解説は有森。有森は「気温は10度前後がいい」。
最初の1kmは3分19秒。設定よりやや遅いが、初めの10何キロか下っているのでもう少し出てもいいらしいが、気温が少し低いので、温まればペースアップするか。1-2kmは3分16秒。先頭集団は早くもしぼられてきており、忍者走りの安藤、ピッチ走法の加世田、鈴木の3人と、海外招待勢4人、ペースメーカー4人に。
5kmでは16分28秒。ほぼ設定どおり。最初の給水ポイント。第一移動車には高橋尚子と野口の二人。「今回、ペ−スメーカーはここでは給水しないことになっている」と高橋。
10kmは33分5秒。設定より8秒遅い。この5km16分36秒。ここで鈴木が給水に失敗。ゼネラルも取れず。するとそれを見ていた加世田が自分のボトルの残りを鈴木に渡す。解説の高橋は「加世田選手は、鈴木選手が給水できなかったことを気が付く余裕がある」と言う。給水ポイントで隊列がばらけ、ペース1のパデューが後方から先頭へ戻る。パデューは大阪でも安定してレースを引っ張ったらしいが、フォームが左右に大きくぶれている。
12kmで先頭4人のペースメーカーのうち、パデューがやめる。13km過ぎでチェプトゥー(ケニア)とペース3のドルフィンニャボケが遅れる。先頭集団はペースメーカー2人と選手6人に。
15kmでは49分44秒。「設定より14秒遅い」と実況アナ。この5km16分39秒。鈴木が集団の最後方、安藤はペースメーカーの近く、加世田は安藤の斜め後ろあたりを走る。高橋が「3人ともマイペースで走れる位置で走っている」。
16-17kmは3分20秒、17-18kmは3分23秒。向かい風もあり、だいぶペースダウンしてきたためか、鈴木がペースメーカーのすぐ横まで上がって来て走る。第一移動車解説の高橋が「ペースメーカーにペースを上げるように圧力をかけている」。野口も「私もああやって走ったことがありました」。一方、センター解説の有森は「鈴木選手のあの動きが後に影響しないといいが」と心配。
20kmでは1時間6分22秒。設定より20秒遅い。この5km16分37秒。
中間点では1時間9分56秒。設定より26秒遅い。センター解説の有森は「まだ30km以降にペースアップすれば記録は出せる」と言う。実況アナも「女子マラソンで優勝した上位12人のうち8人が後半の方が速いネガティブ・スプリットで走っている」。
25kmでは1時間22分40秒。設定より20秒遅いが、少しペースが上がった。この5km16分18秒。ペース6のコリルが離れる。チュンバ(バーレーン)と鈴木が少し遅れる。
26kmで給水後の集団ばらけが戻らず、安藤、加世田も遅れ始める。チュンバは戻ってくるが、メリンガー(ルーマニア)が遅れる。
30kmでは先頭はゲブレシラシエとチュンバで、1時間39分2秒。この5km16分22秒。30秒遅れで安藤と加世田、さらに10秒遅れで鈴木。安藤のフィニッシュ予想は2時間20分02秒。最後のペース7のチェプキルイが離脱。激励なのか手を振っていた。
33km付近から安藤が少しペースアップ。口は苦しそうにあいている。加世田が離れる。レース初めの下りが今度は上りになる。「ここでペースアップする選手もいます」と高橋。
35kmではチュンバがゲブレシラシエのすぐ前で走り、1時間56分21秒。この5km17分18秒。安藤は21秒差の1時間56分42秒でこの5km17分9秒。加世田は安藤と8秒差、鈴木は加世田と11秒差。
36km過ぎでゲブレシラシエが止まる。いったん戻って安藤の後ろにつけるが、やはりやめてコースアウト。
38km付近で安藤が先頭のチュンバに迫り、4秒差。後ろでは、鈴木が加世田に3秒差に迫る。39km付近で鈴木が加世田を抜く。3人とも、前田の記録は越せそうもない。有森が「それぞれ次の目標に向かって走っていると思う」。安藤は自己記録の更新か。
40kmでチュンバは2時間13分53秒。この5km17分32秒。安藤が追いついて並んで通過。この5km17分11秒。最後の給水で安藤は取れず。鈴木が15秒差まで迫る。
安藤はしばらくチュンバと並走していたが、残り1kmを切ると、スパートしてチュンバを引き離す。
2時間21分18秒で安藤が優勝。2位はチュンバで2時間21分25秒。3位に鈴木が入り、2時間21分33秒。加世田は4位に踏みとどまり、2時間22分11秒。
これでパリ五輪の3人目は前田に内定。
マラソン (2024.3/3)
東京マラソン (2024.3/3 都庁前〜東京駅前) MGCファイナルチャレンジ
東京五輪マラソン金メダルのキプチョゲ(ケニア)などの招待選手に加え、国内招待はパリ五輪の3枠目をねらう鈴木健吾(富士通)、西山(トヨタ自動車)、其田(JR東日本)、山下(三菱重工)、細谷(黒崎播磨)など。他に、浦野(富士通)、服部勇馬(トヨタ自動車)、市田孝、宏(旭化成)など。五輪派遣設定タイムは2時間5分50秒を突破すること。混合レースなので、女子選手もエチオピアのケベデ、ケニアのワンジルなど海外招待選手と日本記録更新をねらう新谷などが出場。このほか、車いすのレース、市民ランナーなど3万人以上が参加。気温6度、湿度38%、風はほとんどなし。日テレ放送センター解説の高橋尚子が「記録を出すのに絶好の条件」と言う。第一移動車の解説は瀬古さん、第二移動車の解説は藤田駒大監督。
海外招待選手の方のペースメーカーは3人で、設定は1km2分52秒。日本人中心の第二集団のペースメーカーは2人で、設定は1km2分57秒。
初めの10kmは下り基調ということだが、なんと先頭は1km2分48秒。既に先頭集団は海外勢7人のみとなっている。第二集団は数十人の大集団。
5kmで先頭は14分16秒。設定より4秒速い。第二集団は先頭と39秒差の14分55秒。こちらは設定より10秒遅い。最初の給水でペースメーカーの一人が、自分のボトルが見つからなかったのか一瞬止まってしまう。
8km過ぎで、日本歴代3位の記録をもつ山下が遅れる。
10kmでは先頭は28分29秒。設定よりまだ11秒速い。世界新記録ペースらしい。ここまでの5kmは14分14秒。既に3人が脱落し、残った4人は全員ケニア勢。キプチョゲ、キプルト、キプラガト、ゲティッチ。
15kmで先頭は42分52秒。世界記録より17秒速いようだ。ここまでの5kmは14分22秒。日本人1位は小椋(ヤクルト)、鈴木、其田、西山、細谷など44分40秒。16km過ぎでなんと先頭のペースメーカー一人が離脱。ゲティッチも少し離れ、先頭は3人に。
19km過ぎ、集団で転倒。西山、木村(Honda)ほか海外選手も含めて5、6人がころぶ。
20kmで先頭は57分14秒。ここまでの5kmは14分22秒。この少し手前から、何とキプチョゲが遅れ始める。一人のペースメーカーが遅れたキプチョゲの近くで走る。20kmで後ろに下がったペースメーカーが離れる。
中間点では、キプラガト、キプルトが1時間20秒、ゲティッチが1時間22秒。既に世界記録には遅れている。キプチョゲは1時間34秒。日本人中心の集団は、西山、其田、浦野、山本などが1時間2分55秒。
23km過ぎで服部や細谷が日本人集団から遅れる。
25kmでは先頭の2人は1時間11分39秒。ここまでの5kmは14分25秒。ついに三人目のペースメーカーも離脱。予定より早いがペースメーカーがいなくなってしまった。27km過ぎで集団から鈴木が遅れる。集団の中で西山や浦野が前の方へ。
30kmで先頭は、キプラガトで1時間26分8秒。ここまでの5kmは14分29秒。ゲティッチが追いついて1時間26分13秒、キプルトが1時間26分14秒。後ろの集団から西山が抜け出し、1時間29分15秒。浦野、其田も追う。
32kmでキプルトが初めて先頭に立つ。2位がキプラガト、3位がゲティッチ。日本人の先頭は浦野。33km付近で西山が浦野の前に出て日本人1位に。35km手前で遅れてきたキプチョゲを抜く。解説の高橋が「キプチョゲのこんな姿は初めて見ました」。
35kmではキプルトとキプラガトで1時間41分2秒。ここまでの5kmは14分48秒とだいぶペースが落ちている。世界記録より遅れている。ゲティッチがまた離れて1時間41分15秒。日本人先頭は西山で1時間44分18秒。
36kmで其田が浦野を抜き、日本人2位に。先頭ではキプラガトが1位、キプルトが2位。しかし39kmでキプルトがスパート。ぐんぐんキプラガトを離していく。世界記録は無理だが大会新記録(2時間2分39秒)はねらえる。
40kmではキプルトが1時間55分47秒。西山は1時間59分49秒。第一移動車の瀬古さんが「西山は1km3分を切らないと設定タイムをきれない」。センターでも解説の高橋尚子が「西山選手は何度も時計を見ているからギリギリなのはわかっていると思う」と言う。
キプルトが2時間2分16秒の大会新で優勝。2位はキプラガトで2時間2分55秒。3位はゲティッチで2時間4分18秒。日本人トップは西山だが2時間6分31秒で9位、設定タイムより41秒遅れた。3枠目はつかめず、泣いていた。日本人2位は其田で、2時間6分54秒で全体の11位。キプチョゲは10位で2時間6分50秒。これでパリ五輪の3人目は大迫傑となった。女子の新谷は2時間21分51秒で、日本記録を3分オーバーして6位でゴール。こちらも目標を達成できず、泣いていた。
マラソン (2024.2/25)
大阪マラソン (2024.2/25 大阪府庁前―大阪城公園前) MGCファイナルチャレンジ
なんと初マラソンの國學院大学3年生、平林の優勝。パリ五輪代表の3枠目を争う選考レースだが、資格は、MGC対象レースを完走した選手なので、たとえ設定タイム2時間5分50秒を切っても、初マラソンの選手は該当しない。しかも、日本人2位はMGC1位で既に権利のある小山だった。確かに冷たい雨と風の中のレースで、せっかく今回からコースの折り返しを5回から3回に減らしたり、大きなアップダウンも終盤のひとつにしたりして記録が出やすいように変更されたが、その効果は出なかった。海外招待の実力者たちも平林をしのげなかった。気温6.3度、湿度83%、北北東の風0.5m。NHK放送センター解説は、尾形さんと花田早大駅伝監督。第1移動車の解説は中本健太郎さん。
国内招待選手は、土方(旭化成)、高久(ヤクルト)、大塚(九電工)、吉田(GMO)、聞谷(トヨタ紡織)、吉岡(中央発条)、小山(Honda)。海外招待選手は、2時間4分48秒の記録を持つキッサ(ウガンダ)、エチオピアのマモ、フセン、ケニアのキプルノ、イタリアのアオアニ、中国の豊配友、レソトのラマコンゴアニなど。その他、村山謙太、東京五輪代表の中村匠吾、38歳のバトオチル(モンゴル)なども出場。ペースメーカーの設定は、第1グループ3人で1km2分58秒。このペースで最後まで走れば、設定タイム2時間5分50秒はクリアできる。第2グループのペースメーカーは2人で1km3分。
しかし、天候のせいか、最初の1kmは3分2秒、次の1kmも3分以上かかった。その後は2分58秒、2分57秒と持ち直すが、5kmで14分53秒は設定より3秒遅れ。そのため、第2グループと混ざったまま。解説の尾形さんは「初めは安定しないこともある。5km単位で調整すれば。10kmくらいで第二集団と分かれると思う」と言う。
5km過ぎの給水では中村が取れなかった。まだ50人くらいの大集団。
7kmでは第一集団40人。ここでペースメーカーが1km2分53秒に上げ、集団が縦長に。9kmで35人に。
10kmからは1km2分56秒。13kmで34人。第一折り返し地点でアオアニが白線で滑って転倒。
20kmで59分25秒。設定より5秒遅いか。このままだとゴール予想は2時間5分37秒。先頭集団は26人。土方、大塚、小山の他、大学生の平林もいて体重44kgの細身。中村は第二集団にいる。
中間点では1時間2分46秒。先頭集団は26人のまま。中村は第二集団からも遅れる。
22kmで村山が何か落として拾いに戻る。まもなく先頭集団に追いつく。
25kmでペースメーカー3人のうち日本人2人がはずれる。30kmまでサイモンが引っ張る予定だったが、北風が強くなったこともあり、ここからペースが1km3分以上に落ちる。27kmからの1kmは3分5秒。
28kmでパリ内定の小山がペースメーカーを追い越してペースを引っ張り始める。ついていったのはキッサ、マモ、吉田、土方、平林など6人。それでも1km3分6秒。
30kmでは1時間29分51秒。ゴール予想は2時間7分24秒に。解説の尾形さんらは「小山は余裕がある。吉田たちはしかけないと」と言うが。
32km過ぎでなんと学生の平林が小山の前に出る。この1km2分56秒。次の1kmは2分51秒とペースアップ。なんと笑顔で走るだけでなく、沿道の声援に手をふっている。このへんで急激な上りがあった。キッサだけがついていく。小山や吉田らは3位集団を形成。土方は遅れる。
40kmで平林は1時間59分40秒。さすがに時々下を向いたり少し苦しそうな顔をする。まだすぐ後ろにキッサがついている。尾形さんは「いつスパートしてもおかしくない」と言う。
しかし残り600mで平林がスパートするとキッサはついてこられない。とうとう2時間6分18秒で優勝し、ガッツポーズ。初マラソン日本最高記録や学生記録を塗り替えた。
2位キッサは2時間6分22秒。3位は2時間6分33秒の小山。4位は2時間6分37秒の吉田、5位は2時間6分54秒の土井。
マラソン (2024.1/28)
大阪国際女子マラソン (2024.1/28 ヤンマースタジアム発着) MGCファイナルチャレンジ
なんと日本新記録が出た。野口みずきが19年前(2005)にベルリンで出した2時間19分12秒を、前田穂南(天満屋)が更新して2時間18分59秒で2位(日本人1位)になった。昨年10月のMGC1位の鈴木優花と2位の一山で今夏のパリ五輪代表の2枠は内定。3枠目は、このレースと3月の名古屋ウィメンズで陸連設定タイムの2時間21分41秒を切ったうち最も速い記録を出した選手になる(もしいなければMGC3位の選手)。これで、名古屋を走る予定の選手たちに、かなりのプレッシャーをかけた。気温9.3度、湿度51%。南西の風0.5m。
ペースメーカーは6人。第1グループを引っ張る4人は1km3分20秒、後ろのグループは1km3分25秒の設定。4人のうち1人は、日本歴代2位の記録を持つ新谷。自身はパリ五輪はめざさないが「日本の長距離界のレベルを引き上げるため尽力したい」という思いで引き受けたという。
競技場を出る前から、ペースメーカー4人とパリ五輪をねらう日本人3人(前田、松田(ダイハツ)、佐藤早也伽(積水化学))、外国籍招待選手2人(エチオピアのエデサとウガンダのチェサン)ら6人が第1グループを形成。初めの1kmは一般道に出てすぐで、3分23秒と設定よりやや遅い。この後、1km3分18秒とか上下して少しペースが安定しないが、全体としては設定よりやや速い。4kmで招待選手でない竹山が遅れる。
5kmで16分32秒。この時点で設定より8秒速い。このペースだと2時間20分を切るらしい。給水は全員成功。松田はペースメーカーの新谷の右横で走る。少し日差しがあり、センター解説の高橋尚子らが気温の上昇を心配。解説陣は、他に福士佳代子や渋井、有森も。野口みずきは第一移動車、細川真子はバイクリポート。
10kmは32分59秒。まだ2時間19分台のフィニッシュペース。ペースも安定し、給水も成功。佐藤は、昨年、レースの序盤で転倒し、途中棄権した。解説陣が「通り過ぎたから大丈夫」と言う。陣形が横長に広がるが、「普通横に広がるのはペースが遅い時だが、このスピードなので、少しアップダウンがあるため先を見渡せる位置を取るためだろう」と高橋が言う。
15kmは49分33秒。前田が給水を取れず。ここで日本人ペースメーカーが一人離脱。
20kmは1時間6分8秒。この5kmは16分35秒。ここでは全員給水成功。外国人ペースメーカーが一人離脱。
中間点で前田がペースメーカー新谷の前に出てスパート。こんなに早い時点でしかけて最後までもつのか。後ろの2位集団は設定タイムを保つのか。
前田の21-22kmのラップは3分11秒と設定よりだいぶ速い。2位集団も初めは離れる一方だったが、少しずつ詰めてくる。しかし、松田がペースアップできず、じりじりと遅れていく。解説陣は「中間点での前田のスパートで動揺して体が反応できないのだろう」。
25kmは前田が1時間22分26秒。この1kmは3分23秒と少しペースダウン。2位集団が近づいてくる。解説の高橋らは「ここで追いつかれると、今度はスパートした前田の方が動揺する」。
前田はなんとふたたびペースアップ。1km3分20秒前後で進む。28kmあたりで2位集団からエデサがスパートして追いかけてくる。逆に佐藤が遅れ始める。
レース初めは日も差していたが、途中から曇ってちょうどいい感じだったが、今度は少し雨が降ってきた、とバイクリポートが入る。
30kmでは前田が1時間38分36秒。設定タイムどころか、日本新ペースだという。2位のエデサが5秒差に迫る。見えなくなった後方では、ペースメーカーが離脱したはず。3位チェサン、25秒差で4位に佐藤、1分31秒差で5位に松田。ここの給水を前田がまた取れず。
31km過ぎ、エデサが前田をとらえ、並走せずにぬいていく。前田も苦しそうだが崩れずに走っていく。「あごを引いて上体がのけぞらないようにしている」と解説の高橋。
35kmはエデサが1時間54分46秒。前田は11秒差。前田はまだ日本新ペースらしい。解説の高橋が「前を行くエデサと糸でつながっていて、引っ張ってもらうような感覚で走るといい」と言う。佐藤が1位と1分41秒差、松田は2分59秒差。
37km付近、前田が少し差を詰める。エデサも苦しいらしく、しきりに振り返る。あと5kmの看板が見えると解説の福士らが「カウントダウンしていくのは気持ちがいい」と言う。
前田は37-38kmは3分26秒、38-39kmは3分22秒と粘りの走りを見せる。
40kmはエデサが2時間11分34秒。前田は8秒差。最後の給水は成功。
エデサが大会新記録の2時間18分51秒で優勝。前田は2時間18分59秒。これはアジア女性としても新記録とか。 3位は40km過ぎに佐藤を抜いた松田で2時間23分7秒。設定タイムに届かず。4位はチェサンで2時間23分36秒。佐藤は5位で2時間24分43秒。ゴール後に立ち上がれず、車いすに乗せられた。レース後のインタビューで、前田は「調子が良かったら中間点でいくつもりだった。日本新記録をねらっていた」と言っていた。コロナで1年延期された東京五輪ではコンディション調整に失敗して33位、不完全燃焼で実力を発揮できず。パリ五輪に選ばれたら、実力を出して世界と戦ってほしい。日本人2位の松田は「最後に大阪を大勢の声援の中で走ることができてよかった」と言っていたので、引退なのか。