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2023マラソン・バックナンバー


2/25 大阪(旧・びわ湖毎日)マラソン
1/28 大阪国際女子マラソン

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マラソン (2024.2/25)

大阪マラソン (2024.2/25 大阪府庁前―大阪城公園前) MGCファイナルチャレンジ

 なんと初マラソンの國學院大学3年生、平林の優勝。パリ五輪代表の3枠目を争う選考レースだが、資格は、MGC対象レースを完走した選手なので、たとえ設定タイム2時間5分50秒を切っても、初マラソンの選手は該当しない。しかも、日本人2位はMGC1位で既に権利のある小山だった。確かに冷たい雨と風の中のレースで、せっかく今回からコースの折り返しを5回から3回に減らしたり、大きなアップダウンも終盤のひとつにしたりして記録が出やすいように変更されたが、その効果は出なかった。海外招待の実力者たちも平林をしのげなかった。気温6.3度、湿度83%、北北東の風0.5m。NHK放送センター解説は、尾形さんと花田早大駅伝監督。第1移動車の解説は中本健太郎さん。
 国内招待選手は、土方(旭化成)、高久(ヤクルト)、大塚(九電工)、吉田(GMO)、聞谷(トヨタ紡織)、吉岡(中央発条)、小山(Honda)。海外招待選手は、2時間4分48秒の記録を持つキッサ(ウガンダ)、エチオピアのマモ、フセン、ケニアのキプルノ、イタリアのアオアニ、中国の豊配友、レソトのラマコンゴアニなど。その他、村山謙太、東京五輪代表の中村匠吾、38歳のバトオチル(モンゴル)なども出場。ペースメーカーの設定は、第1グループ3人で1km2分58秒。このペースで最後まで走れば、設定タイム2時間5分50秒はクリアできる。第2グループのペースメーカーは2人で1km3分。
 しかし、天候のせいか、最初の1kmは3分2秒、次の1kmも3分以上かかった。その後は2分58秒、2分57秒と持ち直すが、5kmで14分53秒は設定より3秒遅れ。そのため、第2グループと混ざったまま。解説の尾形さんは「初めは安定しないこともある。5km単位で調整すれば。10kmくらいで第二集団と分かれると思う」と言う。
 5km過ぎの給水では中村が取れなかった。まだ50人くらいの大集団。
 7kmでは第一集団40人。ここでペースメーカーが1km2分53秒に上げ、集団が縦長に。9kmで35人に。
 10kmからは1km2分56秒。13kmで34人。第一折り返し地点でアオアニが白線で滑って転倒。
 20kmで59分25秒。設定より5秒遅いか。このままだとゴール予想は2時間5分37秒。先頭集団は26人。土方、大塚、小山の他、大学生の平林もいて体重44kgの細身。中村は第二集団にいる。
 中間点では1時間2分46秒。先頭集団は26人のまま。中村は第二集団からも遅れる。
 22kmで村山が何か落として拾いに戻る。まもなく先頭集団に追いつく。
 25kmでペースメーカー3人のうち日本人2人がはずれる。30kmまでサイモンが引っ張る予定だったが、北風が強くなったこともあり、ここからペースが1km3分以上に落ちる。27kmからの1kmは3分5秒。
 28kmでパリ内定の小山がペースメーカーを追い越してペースを引っ張り始める。ついていったのはキッサ、マモ、吉田、土方、平林など6人。それでも1km3分6秒。
 30kmでは1時間29分51秒。ゴール予想は2時間7分24秒に。解説の尾形さんらは「小山は余裕がある。吉田たちはしかけないと」と言うが。
 32km過ぎでなんと学生の平林が小山の前に出る。この1km2分56秒。次の1kmは2分51秒とペースアップ。なんと笑顔で走るだけでなく、沿道の声援に手をふっている。このへんで急激な上りがあった。キッサだけがついていく。小山や吉田らは3位集団を形成。土方は遅れる。
 40kmで平林は1時間59分40秒。さすがに時々下を向いたり少し苦しそうな顔をする。まだすぐ後ろにキッサがついている。尾形さんは「いつスパートしてもおかしくない」と言う。
 しかし残り600mで平林がスパートするとキッサはついてこられない。とうとう2時間6分18秒で優勝し、ガッツポーズ。初マラソン日本最高記録や学生記録を塗り替えた。
 2位キッサは2時間6分22秒。3位は2時間6分33秒の小山。4位は2時間6分37秒の吉田、5位は2時間6分54秒の土井。

マラソン (2024.1/28)

大阪国際女子マラソン (2024.1/28 ヤンマースタジアム発着) MGCファイナルチャレンジ

 なんと日本新記録が出た。野口みずきが19年前(2005)にベルリンで出した2時間19分12秒を、前田穂南(天満屋)が更新して2時間18分59秒で2位(日本人1位)になった。昨年10月のMGC1位の鈴木優花と2位の一山で今夏のパリ五輪代表の2枠は内定。3枠目は、このレースと3月の名古屋ウィメンズで陸連設定タイムの2時間21分41秒を切ったうち最も速い記録を出した選手になる(もしいなければMGC3位の選手)。これで、名古屋を走る予定の選手たちに、かなりのプレッシャーをかけた。気温9.3度、湿度51%。南西の風0.5m。
 ペースメーカーは6人。第1グループを引っ張る4人は1km3分20秒、後ろのグループは1km3分25秒の設定。4人のうち1人は、日本歴代2位の記録を持つ新谷。自身はパリ五輪はめざさないが「日本の長距離界のレベルを引き上げるため尽力したい」という思いで引き受けたという。
 競技場を出る前から、ペースメーカー4人とパリ五輪をねらう日本人3人(前田、松田(ダイハツ)、佐藤早也伽(積水化学))、外国籍招待選手2人(エチオピアのエデサとウガンダのチェサン)ら6人が第1グループを形成。初めの1kmは一般道に出てすぐで、3分23秒と設定よりやや遅い。この後、1km3分18秒とか上下して少しペースが安定しないが、全体としては設定よりやや速い。4kmで招待選手でない竹山が遅れる。
 5kmで16分32秒。この時点で設定より8秒速い。このペースだと2時間20分を切るらしい。給水は全員成功。松田はペースメーカーの新谷の右横で走る。少し日差しがあり、センター解説の高橋尚子らが気温の上昇を心配。解説陣は、他に福士佳代子や渋井、有森も。野口みずきは第一移動車、細川真子はバイクリポート。
 10kmは32分59秒。まだ2時間19分台のフィニッシュペース。ペースも安定し、給水も成功。佐藤は、昨年、レースの序盤で転倒し、途中棄権した。解説陣が「通り過ぎたから大丈夫」と言う。陣形が横長に広がるが、「普通横に広がるのはペースが遅い時だが、このスピードなので、少しアップダウンがあるため先を見渡せる位置を取るためだろう」と高橋が言う。
 15kmは49分33秒。前田が給水を取れず。ここで日本人ペースメーカーが一人離脱。
 20kmは1時間6分8秒。この5kmは16分35秒。ここでは全員給水成功。外国人ペースメーカーが一人離脱。
 中間点で前田がペースメーカー新谷の前に出てスパート。こんなに早い時点でしかけて最後までもつのか。後ろの2位集団は設定タイムを保つのか。
 前田の21-22kmのラップは3分11秒と設定よりだいぶ速い。2位集団も初めは離れる一方だったが、少しずつ詰めてくる。しかし、松田がペースアップできず、じりじりと遅れていく。解説陣は「中間点での前田のスパートで動揺して体が反応できないのだろう」。
 25kmは前田が1時間22分26秒。この1kmは3分23秒と少しペースダウン。2位集団が近づいてくる。解説の高橋らは「ここで追いつかれると、今度はスパートした前田の方が動揺する」。
 前田はなんとふたたびペースアップ。1km3分20秒前後で進む。28kmあたりで2位集団からエデサがスパートして追いかけてくる。逆に佐藤が遅れ始める。
 レース初めは日も差していたが、途中から曇ってちょうどいい感じだったが、今度は少し雨が降ってきた、とバイクリポートが入る。
 30kmでは前田が1時間38分36秒。設定タイムどころか、日本新ペースだという。2位のエデサが5秒差に迫る。見えなくなった後方では、ペースメーカーが離脱したはず。3位チェサン、25秒差で4位に佐藤、1分31秒差で5位に松田。ここの給水を前田がまた取れず。
 31km過ぎ、エデサが前田をとらえ、並走せずにぬいていく。前田も苦しそうだが崩れずに走っていく。「あごを引いて上体がのけぞらないようにしている」と解説の高橋。
 35kmはエデサが1時間54分46秒。前田は11秒差。前田はまだ日本新ペースらしい。解説の高橋が「前を行くエデサと糸でつながっていて、引っ張ってもらうような感覚で走るといい」と言う。佐藤が1位と1分41秒差、松田は2分59秒差。
 37km付近、前田が少し差を詰める。エデサも苦しいらしく、しきりに振り返る。あと5kmの看板が見えると解説の福士らが「カウントダウンしていくのは気持ちがいい」と言う。
 前田は37-38kmは3分26秒、38-39kmは3分22秒と粘りの走りを見せる。
 40kmはエデサが2時間11分34秒。前田は8秒差。最後の給水は成功。
 エデサが大会新記録の2時間18分51秒で優勝。前田は2時間18分59秒。これはアジア女性としても新記録とか。 3位は40km過ぎに佐藤を抜いた松田で2時間23分7秒。設定タイムに届かず。4位はチェサンで2時間23分36秒。佐藤は5位で2時間24分43秒。ゴール後に立ち上がれず、車いすに乗せられた。レース後のインタビューで、前田は「調子が良かったら中間点でいくつもりだった。日本新記録をねらっていた」と言っていた。コロナで1年延期された東京五輪ではコンディション調整に失敗して33位、不完全燃焼で実力を発揮できず。パリ五輪に選ばれたら、実力を出して世界と戦ってほしい。日本人2位の松田は「最後に大阪を大勢の声援の中で走ることができてよかった」と言っていたので、引退なのか。


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