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サッカー短評 (2011.12/18)
サントスvs.バルセロナ 0対4 (2011.12/18 横国) クラブワールドカップ決勝
驚くほど差がついた。ペレの再来と言われる19歳のブラジル代表、ネイマールを擁するサントスと、マラドーナ二世と言われるメッシ(24)擁するバルサの対決。と言われていたが、バルサはネイマール封じをほぼ完璧に成功。トップ下の配球役、ガンソもしっかりマークされていた。ネイマールもマークについているプジョルをはずしたりせず、愚直にドリブルで抜こうとしていた。しかし、バルサはパスをつないでつないで相手にボールを渡さない。選手間の距離が近く、パスが正確で見事。
ネイマールは、前半8分、カウンターからもらったボールをドリブルで正面突破しようとしたが、もう一瞬早くシュートすれば面白かった。13分のメッシのドリブルも面白かった。シュートまでいったが、サントスGKが防ぐ。15分のサントスのFKは、ネイマールが蹴ると見せて横に出し、ガンソが蹴ったが、右に外れる。17分に、メッシが右から持ち込み、セスク、シャビとつなぎ、シャビが絶妙なトラップから再びメッシへ。メッシはループで相手GKの頭上を越すシュート。サントスCBがゴール内のライン上で蹴り出そうと触ったもののゴールイン。あっさり先制点が入った。24分にも追加点。今度はバルサ右SBアウベスからのクロスを走り込んだシャビが鋭いミドルを決めた。27分にガンソのスルーパスに昔仙台にいたFWボルジェスがシュートするも、バルサGKが正面でキャッチ。サントスの監督はたまらず、31分、DFダニーロに替えてプレースキッカーのエラーノを入れる。すると、時にはロングサイドチェンジでネイマールにボールが届くようになる。しかし、前半終了間際、またもバルサ右サイドのアウベスからクロスが入り、メッシ、再びアウベスがラインぎりぎりで折り返し、これをサントスGKがはじいたところへチアゴがヘディング、再度GKがセーブしたが、左から入ってきたセスクがフリーで拾い、ゴールに流し込む。
後半はどうなるかと思ったが、バルセロナはまだ点をとるつもり。サントスは、無理にボールを奪いにいくと体力を消耗する一方なので、前線から激しく追い回すことはしない。バルサも獲られそうになるとサイドチェンジなど織り交ぜ、なかなかスピードアップもせず、つないでいく。途中でバルサのキープ率が75%と言っていた。サントスはたまに奪ったボールをガンソに預け、ガンソはネイマールにスルーパスを通そうとするが、そこは狙われていて、ネイマールには、二人、三人とDFが寄せてくる。とにかく、バルサは、ボールを奪われたときのディフェンスが早い。攻め上がっていたDFやMFの帰陣が速いのはもちろん、近くにいる選手が誰でもすぐ二人、三人とボールに寄せていく。後半12分、サントスは、ネイマールが相手GKと一対一になったときが一番得点チャンスだった。ネイマールもすばやく、GKの足の間にシュートしたが、防がれた。サントスは、エラーノのロングシュートから得たCKのこぼれ球にネイマールがつめるが、肩にあたって枠に跳ばず。他にも、バルサのGKがボールをクリアしようと跳びだしたとき、サントスの選手がボールを奪ったものの、味方の選手たちはラインを割ったとでも思ったのか、うまくボールをつなげず、結局、GKがゴール前をあけているチャンスを生かせず、バルサがクリアしてしまった、という場面も。34分、両チームとも交替。サントスは、FWボルジェスに替えて長身のカルデク。バルサは3トップの左チアゴに替えてペドロ。37分に、またメッシが追加点。アウベスからのボールをフリーで受け、サントスGKを絶妙にかわし、流し込んだ。
サントスはシーズン終了後に来日したが、バルサは、まだリーグ戦もCLも真っ最中で、来日もサントスより三日後。準決勝のアルサド(アジア代表)戦でFWビジャが骨折して離脱。疲れているはずだが、たいしたもの。バルサは、二年前のカタールでのクラブワールドカップでの初優勝に続いて二度目の優勝。2006年に横浜で決勝を戦ったときは南米代表インテルナシオナル(ブラジル)に敗れたとのこと。また、3位決定戦に回った開催地代表の柏レイソルは、カタールのアルサドに0−0、PK戦で敗れ、4位。クラブワールドカップは、来年も日本で開催、その後の二年はモロッコで開催予定。
サッカー短評 (2011.12/17)
川崎フロンターレvs.湘南ベルマーレ 0対1 (2011.12/17 等々力) 天皇杯四回戦
いったい何をやっているのか。ホームで1点もとれないとは。ジュニーニョがいないとそんなにタメができないのか。試合が二週間空いて、勘が鈍ったのか。何もかも悪循環していて、誰も流れを変えられない。先発は、GK杉山、DF小宮山、伊藤宏樹、菊地、田中裕介。憲剛と柴崎のダブルボランチに山瀬と田坂のアウトサイド。ツートップは小林と矢島。
「ゲームの入り方が大事」と監督は言ったようだが、湘南の守ってカウンターをまともに受けている。攻めては、相変わらずパスミスが多い。優勝したレイソルのネルシーニョ監督は「正確にパスをつなぐ」ことを徹底したというが、本当に相手にボールを出してどうする。しかも、人が多いところでつないでボールを獲られたりもしている。21分に、田中からのクロスを山瀬が振り向きざまにうったシュートがゴール左上隅にとんでいき、入ったかと思われたが、相手GK野沢がファインセーブでキャッチ。これで流れをもっていかれた。41分、長身の相手FW田原に入ったロングボールを菊地が競るが、田原と逆向きに回転して、田原がGKと一対一に。しかしシュートは杉山がストップ。その直後の攻撃はめずらしくたたみかけ、小林、山瀬のシュートのこぼれをフリーで田坂がつめたが、右のサイドネット。ここで得点できなかったのが痛かった。
後半も、山瀬の左からのクロスに矢島が飛び込むなどいい形も作ったが、得点まで至らず。16分に山瀬に替えて横山を入れる。横山が憲剛の所に入り、憲剛が山瀬のいた所に一列上がる。横山のほとんど最初のプレーでクリアしたボールがCKに。そのCKからのこぼれ球をもう一度キッカーの坂本に拾われ、ゴールライン際で小宮山がかわされてクロスを入れられ、中で二人がヘディングに跳び、ファーの高山に決められた。高山は、フロンターレジュニアユース、ユースの出身。トップチームに上がれず、今日の等々力の対戦を楽しみにしていたとか。25分、矢島に替えて楠神が入る。この交替が先に必要だったのではないか。もっとも前線に高さがなくなるが。31分、38分と楠神がシュートするが、枠の外と相手GK。42分には小宮山に替えて黒津が入るが、黒津の右からのクロスは大きすぎて前線の誰にもあわずに直接ゴールラインの外に。最後は、菊地がゴール前でターゲットになったが、実らず。
せっかくここで勝てば、次の試合も等々力だったのに。試合後の相馬監督のコメントで「あってはならない結果」「今年を象徴したような試合」「打てる時に打っていない」とは正にそのとおり。田坂のコメントでも「きれいに崩そうとというのがありすぎて打てばいいのにパスを選択することが多かった」と言う。来年は、GK相澤、DF吉田勇、FW久木野とは契約を更新しないそうだ。代わりに養父が復帰。ブラジルからレナト(23)をレンタル契約。
サッカー短評 (2011.12/3)
ジュビロ磐田vs.川崎フロンターレ 2対1 (2011.12/3ヤマハス) 第34節
最終節なので、全試合が同日同時刻開催。1位柏レイソル、2位名古屋グランパス、3位ガンバ大阪が勝ち点1ずつの差で迎え、世間の注目はそちらに。この試合は、優勝争いにも降格争いにも関わらない、いわば消化試合。しかしジュビロは、今季限りのジウシーニョと柳下監督のラストゲーム。フロンターレののサポーターにとってもジュニーニョのラストゲーム。どちらも勝てば、今の順位(ジュビロ磐田7位、川崎フロンターレ11位。勝ち点は同じ。得失点差が7と0)から上がって終わる可能性が高い。先発は、GK杉山、DF実藤、伊藤、菊地、田中裕介。憲剛と柴崎のダブルボランチに、山瀬と田坂のアウトサイド。ツートップはジュニと小林。小宮山が怪我でいないので、怪我の癒えた実藤が先発。ジュビロは前田が出場停止。CBの加賀が怪我。
前半は、押されっぱなしだった。ジュビロの早い寄せにパスをつなげないだけでなく、シュートもうてない。おまけにジウシーニョに2点も取られてしまった。とにかく実藤が駒野の突破を止められない。17分の1点目は駒野のクロスに飛び込んだジウシーニョのシュートを1回は杉山がはじき、こぼれをうたれたのも防いだが、そのボールがジウシーニョの近くに落ち、決められてしまった。2点目は43分に相手CKから。跳び上がった小林の頭をかすめたボールがジウシーニョの足下に落ちる、という不運からまたも決められてしまった。実藤は、30分にとうとうイエローももらってしまった。
後半は立て直し、フロンターレらしい攻撃もできるようになってきた。実藤に替えて井川を入れ、宏樹が左サイドバックに。宏樹はうまく駒野に対応していた。7分にジュニーニョが1点返した。田坂の左CKを、相手GK川口がファンブルしたボールにすかさずつめより押し込んだ。雨が降ってきたのも影響したかもしれない。ジュニーニョは、ボールを拾いに行った後、ゴール裏のアウェイにもかかわらず来てくれたサポーターのところへかけていって、ユニフォームを脱いで投げ入れた。もちろんイエローカードだが、ジュニは主審に謝っていた。最後まで得点にこだわり、J1通算110得点はすごい。スカパー!の解説者、元ジュビロ監督の桑原さんも、「フロンターレは前半と後半でまるで違うチーム」と言うほど流れが変わった。10分にも、ジュニのミドルが右ポスト直撃という、あわや同点弾もあった。押さえの効いたいいシュートだったので、入ってほしかった。スカパー!のアナウンサーは、明らかにジュビロ寄りだったが、ジュニーニョのことは「ワールドクラスの選手」と言っていた。あのオシム監督もかつて、今日本にいる外国人選手でヨーロッパで通用する一流は、ジュニーニョしかいない、と言っていた。11分に、山瀬に替えて楠神が入る。最後は35分に、駒野の歯止めの宏樹まで替えて矢島を入れたが、追加点が取れず、タイムアップ。
リーグタイトルは、結局柏レイソルが初優勝。3チームともアウェイで勝利した。レイソルは再昇格したその年に優勝。フロンターレは11位で終わった。
サッカー短評 (2011.11/27)
U22日本vs.Uシリア日本 2対1 (2011.11/27 国立) ロンドン五輪アジア最終予選
ホームなんだから、自分たちのペースで試合に入りたいと言っていたのに、1分に大迫がシュートした後は、アウェイのシリアがけっこうハイプレッシャーで果敢に攻めてきたので、受けて耐える時間が続いた。前半最後に得点できて、いい感じで後半に入ったのに、NHK解説の長谷川さんが「オープンな展開にしない方がいい」と言っていたが、オープンな攻め合いになってしまい、同点にされた。しかし、ここで粘り強く攻め続け、残り5分を切ってから、またも大津の得点で逃げ切り、グループ1位に浮上できた。大津は、この最終予選から出始めたと思うが、なかなかラッキーボーイ的な存在になってきた。
先発は、GK権田、DF比嘉、浜田、鈴木、酒井宏樹。山口と扇原のダブルボランチ、山田のトップ下に、左アウトサイドが大津、右が東。ワントップに大迫。シリアはセンターFWに長身の10番がいて、そこに放り込んでくるのかと思ったが、結構パスもつないできた。左右のアウトサイドMF(7番と8番)がどんどんクロスを入れてくる。20分、25分とシュートを打たれるが、GK権田がセーブしたり、枠を外れたり。解説の長谷川さんは、シリアはCKのとき守備が甘い、ファーはマークが外れる、と言っていた。日本も30分過ぎから、パスが回るようになり、左右のサイドバック、酒井と比嘉が攻撃参加。45分、扇原の右ショートCKから、東、扇原とつなぐと、シリアのDFはボールウォッチャーに。扇原からクロスが入ると、上がっていたDF浜田がヘディングで先制点。いい時間に得点が決まり、関塚監督も嬉しそうだった。
後半は、シリアが追いつこうと、勢いよく攻め込んでくる。危ない場面も何度かあった。5分に山田の惜しいシュートがあり、わずかにボスト右。シリアのプレースキッカー7番はなかなかいいボールを入れてくる。21分のシリアのCKも長身の10番に愛想だった。24分には、相手8番にフリーでミドルシュートをうたれ、これが右へそれてくれて助かった。しかし、30分、長身の10番にクリアボールを拾われ、酒井と鈴木が一瞬お見合いした間を強引にわって、GK権田と1対1となり、シュートを決められて同点に追いつかれる。日本は失点の前に交替の準備をしていたが、入るタイミングがなかった。30分、大迫に替えて永井が入る。シリアは、追いついたことで、元気がよみがえった。33分にも10番にシュートを打たれる。36分、山田に替えて山崎が入る。このまま引き分けかという雰囲気も出てきた41分、左サイドを上がってきた比嘉が中にクロス。最初永井が手をあげていたが、ゴール前中央に飛び込んだのは東。しかし、東に合わないと見るや、ファーにヘッドで飛び込んだのは大津。しっかり正面にボールを見据えて右ポスト際にたたき込んだ。ロスタイム3分に入ってから、相手にFKを与えたが、壁がブロック。その後永井がドリブル突破し、CKをとるが、相手DFにクリアされ得点に結びつかず。最後に、大津に替えて山本を入れると、その直後にタイムアップ。
サッカー短評 (2011.11/26)
川崎フロンターレvs.横浜F.マリノス 3対0 (2011.11/26 等々力) 第33節
ホーム最終戦なので、観戦した。いい天気だがちょっと風が冷たい。前日にジュニーニョの今季限りで退団との報道で、応援席には「川崎の太陽に最高の雰囲気を」の貼り紙。2003年のJ2の時から9年間。本当によく活躍してくれた。たぶん、足はずっとどこかが痛いのだろう。先発は、GK杉山、DF小宮山、伊藤、菊地、田中裕介。柴崎と憲剛のダブルボランチ、山瀬と田坂のアウトサイド。ツートップはジュニーニョと小林。マリノスは、ツートップが大黒となぜか谷口。ベンチには渡辺も小野もいるのに。ただ、栗原や狩野がベンチにも入っていないので、怪我かカード累積なのだろう。左SBの金井とボランチの森谷というのは初めて見た。選手紹介の時、フロンターレのサポーターは、谷口のとき拍手し、マリノスのサボーターは、田中裕介と小宮山でブーイング。なぜか山瀬のときにはブーイングがなかった。
前半は一進一退。こちらの攻めもちぐはぐだが、マリノスも大黒のシュートが枠の外にいったり、俊輔のFKを生かせなかったり。23分の谷口のシュートはわずかに枠の外。俊輔はCKを直接ねらったようだったが入らず。こちらも18分のジュニのシュートは相手GK、30分の小林のシュートは、バー直撃。右から田坂や田中が入れるクロスは、相手GK飯倉にとられたり、相手DFに跳ね返されたり。なかなか形が作れない。
後半4分、山瀬からのボールを田坂がうったシュートは弱かったが、相手DFにあたってゴールへ。幸運なオウンゴールで先制。8分、山瀬が左サイドからファーをねらったシュートはほんのわずかポストの右。ここで追加点が入れば楽なのに。今年はこういうシュートが多い。18分、GK杉山のキックを小林がポストブレー、受けたジュニーニョのシュートは枠の上。なかなか小林にボールがうまく収まらないが、これはねらっている形だろう。21分、マリノスは森谷に替えてFW小野を入れる。26分、山瀬に替えて横山が入り、憲剛が一列前に。31分、憲剛がゴール前にスルーパス、受けた小林が左から中央に横パス、そこへジュニーニョが走り込み、落ち着いてゴールに流し込んだ。理想的な形で追加点。34分、マリノスは小林祐三に替えてFW渡辺を入れてくる。マリノスに何度もチャンスを与えてしまうがしのぐ。39分、田坂が混戦からボールをからめとり、ジュニーニョにパス。ジュニーニョがまたきれいにシュートを決めて今日2点目(ホームページの談話によれば、二人の息子のために1点ずつとったらしい)。本当に大事な試合では決めてくれる。こうなったら、ジュニの等々力最終戦を無失点で終えてほしい。42分、小林に替えて矢島が入る。矢島は前から精力的にボールを追う。ロスタイムが表示されない。主審から第4審に伝達されていないのか。途中でマリノスの小林祐三が足を傷めたとき、メディカルスタッフが入ったりしたから、最低でも3分くらいあるはず。91分に田坂に替えて黒津が入る。今季リーグ戦初出場ではないか。こんなに怪我が長引いたのは初めてだろう。そうこうするうち、応援団が「アヴァンテ」を歌い出すが、まだ早いのではないかと心配になる。しかしなんとか無失点のままタイムアップ。やれやれ。(あとでホームページを見たら、ロスタイム4分だったらしい。)暫定11位。
試合後のヒーローインタビューで、ジュニーニョがフロンターレのチームへの思いを語った。タイトルは取れなかったが、いいチームメイトがいて楽しくサッカーができた、一生忘れない、と。オーロラビジョンに映ったジュニの目には涙があったが、中山通訳が訳し出す前に間があって、通訳も感極まったのだと思われた。ホーム最終戦セレモニーでは、阿部市長・後援会名誉会長が挨拶した後、武田社長が挨拶。今年の成績を反省し、なぜこのような結果になったかよく分析し、来季は決してこうならないように約束します、と断言したので、サポーターから笑いが起きた。その後、ジュニーニョの9年間の働きについて感謝し、12/6の火曜日に等々力でジュニーニョのお別れ会があることも告知。等々力競技場のさ来年の改修工事についても触れた。相馬監督も、今季の成績について謝罪。プロチームとしてサポーターに元気を与えなければならない立場なのに、逆に与えられっぱなしだったと。こういうときにフロンターレのサポーターのブーイングしない姿勢は、本当によかったと思う。最後にチームキャプテンの井川が挨拶した。最後の方は試合に出ていなくて、個人的にいろいろ思うところがあったと思うが、今ここにいない元選手OBも含めて感謝していた。
ジュニーニョは、天皇杯には出場しないで帰国するそうなので、最終節のジュビロ戦が見納め。ちょっと信じられない。ジュニーニョのいないフロンターレなんて今は考えられない。来年以降はどうなるんだろう。
翌日の『神奈川新聞』を見たら、試合前に箕輪が引退の挨拶に来て、高校の教師として等々力で活躍する選手を今度は育てたいと言ったそうだ。今季は所属チームがなかったとも書いてあった。また、ホームページのジュニのコメントを読んだら、二人の息子に1点ずつ取った。ダンスしてほしいと言われていたのでちょっと踊ったと書いてあった。(後日記)
サッカー短評 (2011.11/22,23)
U22バーレーンvs.U22日本 0対2 (2011.11/22 バーレーン) ロンドン五輪アジア最終予選
日本は立ち上がり、受け身にならないようにしたいと言っていたが、やっぱり押し込まれた。初戦でシリアに負けているバーレーンは、二連敗するとかなり苦しくなるので、複数で当たりに来て、ボールをとると即、カウンター。ピッチは一見芝が生えそろっているが、踏ん張りがきかないようで、滑っている日本選手もいた。それに風がすごく吹いていた。バーレーンは、風上から前線へ大胆にキック。大きすぎるときもあったが、とにかく速い。ボールがきれいにころがらないので、日本のパスは弱くなり、踏ん張れないので、止めるのに時間がかかる。そのときにはもう詰め寄られているので、また取り返されるという場面が続く。
先発は、GK権田、DF比嘉、浜田、鈴木、酒井宏樹。扇原と山本康裕のダブルボランチ、山田直輝をトップ下、左に唯一の海外組の大津(ボルシアMG)、右に東、ワントップが大迫。清武と原口をフル代表に譲り、キャプテンの山村は骨折治療中。代わりの主将は永井と報道されていたが、ベンチスタートなので、キャプテンマークは権田がまいていた。扇原と大津は初先発。
前半19分に大迫がシュートしたのが初シュート。CKはあったがシュートまでいっていなかった。バーレーンは中盤でボールキープしようとする日本のボランチ扇原と山本のところに圧力をかけにきていた。日本のサイド攻撃は、右の酒井が高めに位置取りして時々攻め上がった。大津は、ドイツで鍛えたせいか、ボール奪取もうまい。イランの主審も手を使わなければ、かなり激しいブレーも流していた。
相手GKは、わりとキャッチがうまくない。しかし、1回落としたところにつめよる日本選手もいない。39分、バーレーンのロングシュートが風でのびて左ポストを直撃。入っていたら、試合の流れも完全に相手に傾いていた。NHKの現地解説、小島さんは「風でシュートレンジが伸びるので、日本も後半、風上からねらうといい。」と言っていた。44分、扇原の右CKからのこぼれ球がファーに落ち、そこに回り込んでいた大津が、倒れ込みながら右足のアウトでゴール右隅に流し込んだ。なんとか先制。
後半、バーレーンは、ワントップの9番に替えて10番を入れる。後半たちあがりもバーレーンが勢いを握る。7分、ボランチの山本に替えて同じボランチの山口を入れる。 小島さんは交替のねらいを「山口の方が守備的なので、中盤を安定させる」と言う。しかし、バーレーンの連続攻撃を凌ぐのにせいいっぱい。風上なんだから、ミドルシュートでもうてばチャンスになるのに、と思うが、選手たちはもうひとつ崩してからと思うのか、うたない。しかし22分、扇原のクロスをゴール前で東がポストプレー、落としたボールを山田がシュート、相手GKがはじいたボールをすかさず東がもう一度ゴールにたたき込む。バーレーンの応援団の詠唱がやむ。
26分、大津に替えて永井を入れる。しかし、永井のスピードを生かすようなボールが入らない。30分過ぎ、バーレーンに立て続けにFKを与えてしまうが、ボールが合わず。34分、バーレーンは三人目の交替。プレースキッカーの7番に替えて16番が入る。35分、接触プレーで山田が顔を踏まれ、相手の4番が一発退場。山田の治療の間、日本はしばらく10人で戦う。その間、控えの酒井高徳が準備するが、なぜか主審は、山田が1回ピッチに戻ってから、交替を認める。酒井高徳が右アウトサイドに入り、大迫と永井のツートップの4−4−2に。ロスタイム3分。日本のゴール前で相手FK。GK権田は無理に取りに行かず、パンチング。拾われて相手CKになるがしのぐ。最後の日本の攻撃で、大迫が相手GKをかわしてシュートし、3点目か、と思ったがバー直撃。
力強く勝ったとは言えないが、貴重なアウェイの勝ち点3。11/27ホームのシリア戦に向けてはずみがついた。
サッカー短評 (2011.11/19)
サンフレッチェ広島vs.川崎フロンターレ 2対3 (2011.11/19 広島) 第32節
広島のペトロヴィッチ監督が今季限りと発表され、広島の選手たちは「監督に勝利を」と一丸で向かってきた。広島のサッカーは好きだが、他の日にしてほしい。押され気味の展開から、パスを前線の三人でワンタッチで回され、崩されて高萩をフリーにしてしまい、前半10分に失点。アウェイで嫌な立ち上がり。しかし、今季広島とはナビスコを含めて2勝1分けと相性がいい。リーグ戦では、2005年の4月以降広島はフロンターレに勝っていないとか。先発は、GK杉山、DF小宮山、伊藤、菊地、田中裕介。憲剛と柴崎のダブルボランチに、山瀬と田坂のアウトサイド。ジュニと小林のツートップ。憲剛と、広島のGK西川、FW李は北朝鮮からの遠征帰り。黒津が今季初めてベンチ入り。
それにしても今季は攻撃がなかなかかみ合わない。いつまでもいなくなった選手のことを言いたくないが、右サイドを突破してくる森の攻撃参加がなくなって、それに代わる「定番の形」がない。ジュニーニョにボールをあずけると、パスした選手は走らないで見守っているので、ジュニが孤立し、ボールの預けどころがないため、単独突破を試み、失敗するか、よくてもCKとなるだけ。その上せっかくのCKもほとんど得点につながった試しがない。憲剛も田坂もいいキッカーなのだが…。中で待っている選手のマークの外し方が下手なのか? 先制されるまでは五分五分だったが、その後は一方的な展開に。相手CKでまたもマークがはずれ中島にフリーでヘディングされるが枠の外。32分の小林、41分のジュニーニョのシュートは同点か、と思ったが、小林のは枠のわずか左にはずれ、ジュニのはコースで流し込もうとしたのを相手GK西川が止めた。33分の相手FK、35分の相手CK、いずれもきわどく守りきる。ロスタイム2分、ジュニーニョから山瀬、山瀬のシュートのこぼれ球に小林がつめて左足で押し込み、ぎりぎりで同点としハーフタイム。
後半3分、ジュニーニョから山瀬にいいクロスが通るが、山瀬のシュートはバーの上。12分のジュニのシュートは、鋭かったが、わずかにバーの上。スカパー!がフロンターレの総得点45に対してシュート数452本とかいう数字を示す。後半立ち上がりは互角だったが、21分、相手FKを、故障上がりの森脇に押し込まれる。一回はバーに当たってはねかえったが、すばやくまた森脇がつめてきたのに反応できず。25分、山瀬に替えて楠神が入る。33分、代表帰りの憲剛に替えて横山が入る。憲剛は下がるとき、珍しく、ボールをピッチにたたきつけた。37分には、小林に替えて矢島が入る。38分、田坂の右CKをファーで横山がフリーでヘディング、右ポストに当たってゴールライン上に落ち、伊藤宏樹が蹴り込んだ。記録では横山の得点。これで再び同点に。広島は残り7分でホームでの勝利をめざし攻め込んでくる。42分にまた田坂の右CKをまた同じようなファーで宏樹がヘディングしたが枠の外へ。ロスタイムは4分。矢島がゴール前でクロスを胸でトラップ、倒れ込みながらうったシュートが菊地をかすめて、ゴールの右隅に。ジュニーニョがものすごく嬉しそうに駆け寄ってきた。最後の最後で広島との相性のよさが生きた。
これで残留が決まったというが、そのことにそれほどプレッシャーがかかっていたのかどうか。久々に10位に浮上。
サッカー短評 (2011.11/18)
川崎フロンターレvs.大分トリニータ 4対0 (2011.11/16 等々力) 天皇杯三回戦
放送なし。横山が四ヵ月半ぶりに復帰して、3点目をアシストしたらしい。先発は、GK杉山、DF小宮山、伊藤、菊地、田中裕介。ボランチが横山と柴崎、左アウトサイドに山瀬、右に田坂。ジュニと小林のツートップ。前半25分、小林が先制点をあげる。起点は横山のインターセプトから。後半10分に田坂がヘディングで追加点。これは柴崎のインターセプトからジュニーニョがあげたクロスに合わせたらしい。18分、山瀬に替えて楠神が入る。29分、ジュニーニョに替えて矢島が入る。すると、30分、田坂の左CKからのこぼれ球を柴崎、横山とつないで最後に楠神が決めて3点目。34分には横山に替えて登里が入る。39分、楠神が倒されて得たPKを矢島が決めて4点目。久々にホームで勝利した。
サッカー短評 (2011.11/15)
北朝鮮vs.日本 1対0 (2011.11/15 金日成ス) ワールドカップアジア三次予選
22年ぶりのピョンヤン、人工芝のピッチ、5万人の観衆、全てが完全なアウェイ。北朝鮮も大声援を受けてはじめからハイプレッシャーをかけてきて、日本は受け身に回る。ロングボールを前線にどんどん入れてきて、6分にはテセが振り向きざまシュート。GK西川がはじき、続くCKはキャッチしてセーブ。先発は、六人入れ替え、GK西川、DF栗原、伊野波、ボランチ細貝、右ウイングに清武、ワントップに前田。その他の先発は、DF駒野、今野、ボランチに長谷部、トップ下に憲剛、左ウイングに岡崎。北朝鮮は、アン・ヨンハが出場停止。リャン・ヨンギはベンチスタート。チョン・テセは先発したが、前半35分で交替。日本はほとんどボールをつなげず、17分に憲剛がうったミドルシュートが初シュートという有様。26分の相手FKは、壁の中の相手選手が立っていた所をぬけて枠に来たが、GK西川がキャッチ。27分に細貝がテセと競ったとき足が腹部に入って担架で運ばれ、中断。29分にはまたテセに打たれるが、枠の右。35分にテセに替えて若手FWパク(7番)が入る。テセは監督の今後の構想に入っていないのか。ユン・ジョンス監督は、ユース代表監督だったらしく、交替で入る若手はU22代表から引き上げた選手らしい。40分、44分と日本のゴール前でシュートされるが、枠の外。ロスタイムに長谷部がミドルシュートをうったのが、ようやく二本目ではないか。
後半2分、清武のドリブルから得た憲剛のFKに前田がヘディングするが、枠の右。5分の相手FKから、日本のゴール前にロングボールが入り、長身の相手FWパク(10番)が栗原に競り勝ちヘッドでボールをつなぎ、そこへ走り込んだパク(4番)が駒野に競り勝ってヘディング、ボールは西川の指先をかすめ、ゴール右隅に。日本は何度かFKやCKから攻撃の形を作るが、クリアされる。内田が準備しているので、駒野との交替かと思えば、憲剛との交替。3バックにシステムを変更し、駒野が左アウトサイドMF、内田が右アウトサイドMFの3−4−3に。セットプレーは清武が蹴る。後半、さすがに北朝鮮も少し疲れてきてファールが多くなり、日本も攻撃機会が増えるが、なかなかシュートまでいけないか、枠に行かない。31分に前田に替えてハーフナーが入る。32分、相手DFが二枚目のイエローカードで退場。40分には清武に替えて李が入る。このへんで、大観衆が歌を歌い出す。42分、北朝鮮は交替で入れたFWパク(7番)に替えて守備的MFリ(8番)を入れ、守備固め。43分、長谷部のスルーパスにハーフナーが反応し、ヘッドで戻したボールを李が押し込んだかに見えたが、ハーフナーがオフサイドの判定。ロスタイム4分。北朝鮮はGKが負傷したり、三人目の交替をして時間稼ぎ。日本は最後に攻撃のチャンスがあったが、シュートまで持ち込めず。結局、最終予選に進めなかった北朝鮮がホームで一矢を報いた形。
翌日の『朝日新聞』には、控え組とレギュラーの力の差が出た、と報道された。
サッカー短評 (2011.11/11)
タジキスタンvs.日本 0対4 (2011.11/11 ドゥシャンベ) ワールドカップアジア三次予選
日本での試合とは別人だった。ボールへの寄りは早いし、ロングボールをあっさり放り込んでくるし、23000人のトポーターは、日本のエンドに入っただけでワー、シュートなどうとうものならワーワー!! 芝のはげたピッチにも苦しみ、前半は0点か、とおもったとき、憲剛のシュートのこぼれ球を今野が振り抜き、先制。代表初ゴール。
後半、香川からのクロスに岡崎がヘディングで2点目。前田の切り返しからの強いシュート、ロスタイムの岡崎のシュートは、相手の気持ちをがっくりさせた。
ウズベキスタンが北朝鮮に1対0で勝ったので、日本とウズベクが来年の最終予選に進出。
サッカー短評 (2011.11/4)
川崎フロンターレvs.大宮アルディージャ 0対1 (2011.11/3 等々力) 第31節
開始2分で失点し、そのまま負けるなんてありえない。ホームなのに。
サッカー短評 (2011.10/30)
鹿島アントラーズvs.浦和レッズ 1対0 (2011.10/29 国立) ナビスコカップ決勝
前半は0対0。リーグ戦不振の浦和レッズがついに前節ペトロビッチ監督を解任してユースの堀監督を昇格させ、マリノスに勝利。その勢いで国立に乗り込んできたが、互角だったのは前半始めだけ。後半5分、レッズの山田直樹が二枚目のイエローで退場。しかし後半35分、アントラーズの青木も二枚目で退場。レッズも90分は耐えた。延長前半も14分はしのいだが、15分、交替で入った田代が興梠につなぎ、大迫が興梠の横パスを流し込んだ。これが決勝点。延長後半は、鹿島が試合をコントロールした。アントラーズは9年ぶりの優勝。
サッカー短評 (2011.10/22)
ベガルタ仙台vs.川崎フロンターレ 0対0 (2011.10/22 ユアスタ) 第30節
なんとか引き分けた。先発は、GK杉山、DF小宮山、伊藤宏樹、菊地、田中裕介。憲剛と柴崎のダブルボランチに、楠神と田坂のサイドハーフ。ジュニと矢島のツートップ。小林、山瀬、稲本らはベンチから。井川が出場停止。シュートは前半5本で、ベガルタ仙台の攻撃を後手に回ってしのいだ。惜しい場面もあった。14分、ジュニーニョがゴール前で出したパスに憲剛が走り込んで左足で合わせたもの。スカパー!の解説者が「もう決められたと思った」と振り返った。飛び出した相手GKの後ろに滑り込んだ相手DFがクリア。34分の田坂のCKからのクロスに宏樹がヘディングしたが枠の上にいってしまったもの。前節もそうだったが、クロスやパスが合っていない。ジュニと矢島が重なったり、孤立したり、柴崎のュートがジュニに当たったり、楠神がどこにいたらいいのかわからなかったり。これではリーグ最小失点のベガルタ仙台の守備は崩せない。仙台も攻撃はカウンターが得意であまり前からはブレスしてこない。雨が断続的に降っていて、結構滑っていた。
後半13分、ジュニーニョがペナルティーエリアのすぐ外で倒されて得たFK。田坂のFKは枠の角を直撃。解説者に「もう少し力が抜けていれば入った」と言われた。仙台は、9分に柳沢に替えて太田を入れる。フロンターレも20分に矢島に替えて小林を入れる。さらに仙台は松下に替えてリャンを入れ、勝負に出て来た。27分には楠神に替えて山瀬が入る。フロンターレも勝ち点3がほしい。直後のCKでまた田坂の入れたボールを宏樹がヘディングするがまたうちあげてしまう。ジュニのシュートも小宮山のミドルも相手GKに止められる。仙台も足がつった選手も出て来て、攻撃も迫力がない。ロスタイムのCKから、憲剛がクリアのこぼれをシュートするが、バーの上。最後の仙台のCKを相手の長身FW中原にヘディングされるが枠の外。アウェイで5位の仙台相手に無失点はまあまあか。まだまだチームは復活していない。10位のまま。
試合後の監督インタビューで、仙台の手倉森監督は、「川崎フロンターレは点が取れないと焦れて守備に穴が空くことがあるので、そこをつきたかったが、今日はあまり隙がなかった。」と言われたが、本当に前節は守備に穴が空いていた。
試合後、フロンターレのサボーターはベガルタ仙台のチャントを歌って、仙台の選手たちもフロンターレサポーターの前まで来て挨拶した。仙台サポーターもフロンターレのタオルマフラーを掲げていた。震災で中断した後の再開初戦で対戦したとき、フロンターレサポが寄せ書きしたビッグフラッグを贈り、それを仙台サポーターが試合前に掲げたらしい。
サッカー短評 (2011.10/16,22)
川崎フロンターレvs.アルビレックス新潟 1対2 (2011.10/16 等々力) 第29節
久々に観戦。残暑のような暑さの中、寒い試合内容。前半は、ずいぶんシュートをうったが、みんな枠の外。コイントスでいつもと違うエンドで始まったのがいけなかったのか。ちょっと風が吹いていたのが悪かったのか。実藤の怪我で、予定外の交替がまずかったのか。先発は、GK杉山、DF小宮山、宏樹、井川、実藤。稲本と柴崎のダブルボランチに、憲剛と山瀬のサイドハーフ。ジュニと矢島のツートップ。田中裕介と田坂が出場停止。アルビレックス新潟に押し込まれる展開の中、13分、相手と競り合って倒れた実藤が、担架で運ばれ、菊地と交替。一番惜しかったのは、39分、憲剛、ジュニ、山瀬とつないで矢島と稲本が押しこもうとしたが、枠の上にはずれた場面。危なかったのは、44分、ペナルティーエリアで柴崎がミシェウを倒してPK判定。しかし、これは杉山がセーブ、さらに宏樹がクリアして、無失点で前半終了。
とにかく後半14分、カウンターをまともにくらって、最も警戒するはずの相手FWブルーノ・ロペスに豪快にうちこまれた。しかも、追いつけないうちに、25分、同じようにカウンターで、菊地があっさりかわされ、またもロペスに決められ、0対2。連敗のときの悪循環にはまっている。前がかりになって守備に穴が空く。復帰二戦目の稲本を引っ張りすぎた気もする。21分に楠神と交替したが、後半の稲本はボールロストが多かった。柴崎も気の利いた攻撃のパスが出せない。まるで田坂のように判断が遅い。稲本に替えて楠神を入れたが、大島を入れた方がよかったのではないか。31分には、山瀬に替えて小林を入れる。34分、相手ボランチの菊地が二枚目のイエローで退場。
後半43分に、ジュニーニョがやっと1点返してくれたが、遅すぎた。ロスタイム4分の最後まで攻めたが、シュートが枠にいかない。内容が悪くてがっかりした。連敗は止めたが、ホームでまだ勝っていない。しかも、陸前高田市の小学生を招待していたのに。10位のまま。
実藤の怪我は、思ったより重傷で右手の月状骨周囲脱臼とかで全治2ヵ月だった。せっかく、またU22に選ばれた、と試合前に発表されたばかりだったのに。(後日記)
サッカー短評 (2011.10/11)
日本vs.タジキスタン 8対0 (2011.10/11 長居) ワールドカップアジア三次予選
憲剛がトップ下で先発! ベトナム戦とは打って変わって大量得点。日曜日の「やべっちFC」で、タジキスタンは35歳のGKが要注意、と言っていたが、確かにずいぶん止められた。日本の布陣は、4−2−1−3。先発は、GK川島、DF長友、今野、吉田、駒野。遠藤と長谷部のダブルボランチ、憲剛のトップ下。そしてなんとFW中央にハーフナーを起用、これが当たった。左に香川、右に岡崎の3トップ。
憲剛が入ると、香川と長友がうまくつながるようだ。6分と7分のCKは憲剛が蹴るが、吉田のシュートはGKと枠の外。11分、憲剛が右サイドでクロスではなく、駒野に出して、駒野が入れたクロスにハーフナー。高さを生かしたヘディングであっさり先制。代表初ゴールのハーフナーはすごく嬉しそうだった。15分、17分、18分と憲剛が立て続けにシュートするが決められず。二本目は、左サイドの長友からのパスを振り向きざま鋭くうったが、相手GK正面。19分、駒野、憲剛、岡崎とつながり、岡崎は相手DFが後ろから突っ込んでくるにもかまわず振り抜いて、ファーのサイドネットにまっすぐ打ち込んだ。NHK解説の福西が「追加点が大事」と言っていたが、いい形でとれた。駒野がたびたび右サイドからクロスを入れるが、だんだん相手DFにクリアされることが多くなる。ゲスト解説の岡田前代表監督は、「ダイレクトで入れるだけだとリズムが同じになるので、もっとゴールライン際までいくなど変化をつけた方がいい」と言っていた。35分、駒野のクロスをハーフナーがポストプレー、落としたボールを憲剛が今度こそ! とシュートするがまたもや相手GKがふせぎ、さらにDFがクリアしたが小さく、それをひろった駒野がミドルシュート! これが相手DFの足の内側に当たり、ゴールイン。なんと駒野は代表キャップ65試合目で初得点。あとは、地元セレッソ出身の香川に取らせたいとサポーターの声援。すると41分、今度は左サイドから憲剛が香川へスルーパス。香川は相手DFの前に入り込み、つま先のアウトサイドで流し込み、前半だけで4点目。ロスタイムは1分だったが、オーストラリアのウィリアムス主審は2分近くとり、最後は遠藤のミドルシュートでタイムアップ。タジキスタンは前半シュートゼロ。
後半は、いきなりまたハーフナーがゴール。これも駒野のクロスをヘディングで決めた。あっという間に代表2点目。ここでハーフナーに替えて李が入る。4分、憲剛の右CKに李がヘディングするが、相手GK。6分にはまたも憲剛の右CKに、今度は吉田がシュート、相手GKのひじをかすめ、クロスバー直撃。7分にも長友のシュートがバー直撃。8分には岡崎のシュートが左ボストにはばまれる。11分、左サイドの長友から憲剛にパス。憲剛は落ち着いてファーの右ポストぎりぎりに打ち込み、6点目。アシストしたときは素直に喜んでいたが、自分で得点したらまじめな顔でサボーターの声援にこたえていた。17分、長谷部に替えて細貝が入る。23分、憲剛のシュートを相手DFがふせいで得たCKのクリアボールを遠藤がひろって香川へ。香川は右サイドからクロスのようなループシュート。相手GKの上を通り越してファーサイドにきれいに入る。7点目。少し集中がゆるんだのか、簡単にボールを失い、ファールで止めて日本のゴール近くで相手FK。しかし、李が気迫のこもったヘッドでクリア。29分、駒野の右からのクロスに、李が相手DFと競り合ってこぼれたボールを憲剛が左からもう一度クロス。これに岡崎が落ち着いてヘディングで会わせ、今日2点目。31分にも岡崎はヘディングシュートするがハットトリックはならず。32分には岡崎に替えて藤本が入る。藤本は、ベトナム戦では試合を作れなかったが、使われる方がいいかも。憲剛は藤本にCKをゆずっていた。駒野、遠藤、憲剛、長友らが李に得点させようとクロスやパスを送るがなかなか難しい。吉田も攻めあがってもいいが李と重なってはいけない。タジキスタンは、後半もシュートゼロ。かと思ったら、最後に1本うったらしい。それにしてもタジキスタンは、なんでプレスに来ないのだろう。中国みたいに削らないのはいいが、引いているだけじゃボールは取れない。
ウズベキスタンが北朝鮮に勝って、勝ち点で7と並んだが、得失点差9と稼いだ日本がグループ首位に。それにしても、ザッケローニ監督は、内転筋を傷めていた遠藤を90分使った。三人目の交替は遠藤を休ませるのかと思ったが。憲剛も90分出た。ハーフタイムに、得点を決めるよう言われたらしい。本人もアシストだけでなく点もとりたかったようなので、よかった。ベトナム戦でうまくいかなかった細貝と藤本は、前よりよかったが、それほど結果を残せたとは思えない。
翌日の『日刊スポーツ』の採点は、得点したハーフナー、岡崎、香川、憲剛が8点でつけすぎの感じ。駒野は7。『エルゴラッソ』の採点は抑えめで、ハーフナー、岡崎、憲剛、駒野が7で、香川は6.5。でも川島の「評価なし」はひどいのでは。ボールが来なくてもGKの仕事はあるはず。「スボーツナビ」に宇都宮さんが、「中村憲剛というラストピース」というコラムを書いてくれて嬉しかった。
サッカー短評 (2011.10/10)
川崎フロンターレvs.アルテ高崎 2対1 (2011.10/8 等々力) 天皇杯二回戦
放送なし。新聞には、「薄氷の勝利」と書かれてしまった。先発に稲本が帰ってきた。GK杉山、DF小宮山、伊藤、井川、田中裕介。柴崎と稲本のダブルボランチに田坂と山瀬のサイドハーフ、矢島と小林のツートップ。
後半13分に、山瀬に替えて楠神が入り、16分にその楠神のFKから田坂、田坂のワンタッチループパスを小林が押し込んで先制したらしい。しかし、24分に同点にされてしまい、31分には稲本に替えて大島を入れたが、延長へ。後半は14本もシュートしながら無得点、一方、高崎は3本で1点。
格下相手に手こずり、延長前半最後に、井川のインターセプトから、楠神、田坂とわたり、田坂がドリブルからのシュートを決めて、逃げ切った。
サッカー短評 (2011.10/8)
日本vs.ベトナム 1対0 (2011.10/7 神戸ホムスタ) 国際親善
勝つには勝ったが、課題山積。前半24分の李の得点シーンは美しく崩せた。しかし、パスを出すときに考え過ぎか、相手を探している。前半は3−4−3、後半は4−5−1のシステムで、本田圭佑がいない布陣を試した。先発は、GK西川、DF槙野、今野、伊野波。細貝と長谷部のダブルボランチに長友と駒野のサイドハーフ。李を真ん中に香川と藤本が二列目のスリートップ。試合を牛耳る選手がいない。このメンバーなら、藤本がもっと作ってもいい。香川はトップ下じゃないし、自分でドリブルするか、使われる方。どうも長友と同サイドで息が合わない。得点シーンは、藤本がドリブルでペナルティーエリアに切り込み、クロス。香川と李が飛び込み、李がフリーで決めた。しかし、これ以外は、ボールは持てるもののシュートまでいけない場面ばかり。
後半は、頭から四人交替。長友に替えて栗原、伊野波に替えて阿部、長谷部に替えて憲剛、香川に替えて原口。原口は、入ってすぐ、ドリブルからシュートまでいったが、ネットの外。憲剛はワンタッチでスルーパスを前線に送ったが、得点にならず。もうひとつの期待されている要素のミドルシュートは打てずじまい。ベトナムは、アジア二次予選でカタール相手に善戦し、そのスタミナとスピードをザッケローニ監督に買われて対戦希望したらしい。守備のときの帰陣が速い。後半は開始早々チャンスを作り、GK西川のファインセーブで2点くらい防いだ。
サッカー短評 (2011.10/1)
ヴァンフォーレ甲府vs.川崎フロンターレ 0対1 (2011.10/1 山梨中銀ス) 第28節
前半にあげた1点を守りきってリーグ戦勝利。相手は前節ガンバ大阪をアウェイで破ったチーム。こちらはナビスコで中二日。前々節の山形戦と同じく、前半は無失点でという戦い方。先発は、GK杉山、DF田中雄大、伊藤宏樹、井川、実藤。柴崎と憲剛のダブルボランチに山瀬と田坂のサイドハーフ。ジュニと小林のツートップ。田中裕介と菊地が出場停止。
7分、いきなりパウリーニョにミドルシュートをうたれたが、ゴール右へ。もし入っていたら、流れが変わっていたかもしれない。甲府には、日本代表に呼ばれた194pのハーフナーが真ん中にいるので、高いクロスに競り勝てる。16分、そのハーフナーにシュートをうたれるが、右にはずしてくれた。25分、柴崎のパスカットから、山瀬、田坂とパスがつながり、田坂がGKとDFの間を、逆サイドにフリーでいた小林に通す。小林がきれいに流し込んで、先制。全体に押されている場面が多い中、先に点をとれたのは大きい。36分、相手FKからシュートをうたれるが、GK杉山がふせぐ。41分には、またハーフナーにうたれるが、これも枠に来ない。しかし、タイミング的には危なかった。
後半頭から、田中雄大に替わって小宮山が入る。甲府は、残留争いから一歩抜け出るために勝ち点3がほしいため、後半はこぼれ球に早い寄り。しかし、フロンターレは相手の攻撃を遅らせたり、すばやく守備のブロックを作ったりしてしのぐ。久々の小宮山も守備で活躍。12分には、田坂が右サイドから入れたクロスに小林が突っ込むが、決めきれず。ここで追加点が取れると楽だったのだが。13分、田坂がイエローを受け、次節出場停止に。パウリーニョとハーフナーが二人でくずしてシュートされるが、またはずしてくれる。15分、山瀬に替えて楠神が入る。17分、甲府は清水から来た市川と前に名古屋にいたダヴィを続けて投入。市川の正確なクロスがハーフナーに入ると危険だ。ジュニーニョ、楠神のシュートも枠にとばず。スカパー解説の羽中田さんは「オープンな展開で面白い」と言うが、両チームとも中盤がルーズになってきて、コンパクトな陣形が保てていない。31分、小林に替えて矢島が入る。34分、甲府はフロンターレからレンタル中の養父を入れる。せっかく入ったダヴィら前線に正確なパスを通す狙いか。すると意表をついて養父がロングシュート。これはGK杉山がおさえる。42分、パウリーニョに入り込まれてシュートされるが、杉山が上にはじいてスーパーセーブ。ロスタイム3分は、コーナーでボールをふんだり、セーフティーにつないだり、徹底してタイムアップ。
これで勝ち点37となり、暫定だが、9位に浮上。
サッカー短評 (2011.9/28)
川崎フロンターレvs.横浜F.マリノス 3対2 (2011.9/28 等々力) ナビスコカップ二回戦第二試合
先制されては追いつき、最後は山瀬のひとふりで劇的な逆転勝利。約二ヵ月ぶりの等々力での勝ち。先発は、控え組中心。GK杉山、DF田中雄大、伊藤宏樹、実藤、田中裕介。柴崎と大島のダブルボランチ、田坂と楠神のサイドハーフ。矢島と小林のツートップ。ベンチに小宮山が戻ってきた。
前半0対0の内は、よくボールを動かし、4強の一角、マリノスと互角に渡り合っていた。しかし、宏樹と実藤のCBコンビが不安定。柴崎と大島のダブルボランチも中途半端。スカパーの解説、清水さんは「若い選手が多いので、もっとはつらつとした試合になるかと思っていたが、遠慮しているのか。柴崎と大島は役割分担をはっきりした方がいい。」と言っていた。15分過ぎから立て続けに攻め込まれ、25分に失点。右サイド天野の折り返しに谷口がシュート。田中雄大は、寄せが甘い。フロンターレは、CKを何回か得るが、マリノスの中澤、栗原、谷口らの壁が高い。ニアに蹴ったり、ショートコーナーにしたり工夫はあったが、得点に結びつかず。40分、大島がドリブルから右の田中裕介へ。田中の低めのクロスに田坂がお手本のようなヘディングで同点。44分、田中裕介のロングスローから、小林のヘディングはバー直撃。悪くない流れでハーフタイム。
後半頭から矢島に替えてジュニーニョが入る。8分に大黒にバー直撃のシュートをダイレクトでうたれ、ヒヤッとするが、おおむねフロンターレが攻撃の主導権を握って試合が進む。10分には大島に替えて憲剛も入る。マリノスも12分にFW小野に替えて渡辺を入れる。しかし、前がかりになっているところを、19分、サイドチェンジで右サイドの天野がフリーでボールを受け、入れたクロスに大黒が合わせ、あっさり失点。解説の清水さんに「前半と同じ形で失点している。もう少し体を寄せないと」と言われる。マリノスは21分に中澤を下げ、青山を入れる。柴崎や憲剛がミドルシュートをうつが、枠の外。32分、田坂に替えて山瀬が入る。これでCB以外は普段のレギュラーメンバーに。「せっかく攻め込んでも前の中央に人がいない」と清水さんが指摘する。「ジュニーニョも動いてしまうので小林くらい真ん中にいないと」とのこと。しかし、40分、憲剛のパスを山瀬が絶妙に落とし、鋭く反応したジュニーニョがまっすぐシュートをうちこんで、再び同点に。
第一試合で4失点した時点でナビスコカップの勝ち抜けはほぼむずかしかったが、この第二試合でも2失点。得失点の問題ではなく、等々力のサポーターに勝利を届けるという意味で、この試合に勝つことに意味がある。失点すると、選手同士の連携がぎこちなくなり、チームの状態はまだまだ不安定。ただ、得点すると、急に運動量もよみがえるのが不思議。残り5分とロスタイム4分、フロンターレらしい攻撃ができるようになった。ロスタイム3分、足がつっていた楠神がドリブル、マリノスの狩野がファールで止めて、ペナルティーエリアのすぐ外でFKのチャンス。これを憲剛がねらうが壁にあたる。しかしクリアが小さかったので、すぐまたフロンターレの攻撃が続き、山瀬、実藤、憲剛とパスがつながり、最後は山瀬が思い切りよくミドルシュート。これが見事に右下隅に決まり、劇的な逆転。意地を見せてリーグ選につながるゲームができた。
この試合には勝ったのに、ヒーローインタビューが谷口と大黒なのは納得できない。翌日の『神奈川新聞』もマリノスよりのまとめ。実は『横浜新聞』なのか。翌々日『エルゴラッソ』を買うと、「“等々力劇場”待望の復活」の見出し。そうそう、このくらい書いてもらわないと。田中雄大が初めて等々力で勝利し、「あれがフロンターレの一体感。鳥肌がたった」という談話も紹介。
サッカー短評 (2011.9/24)
川崎フロンターレvs.清水エスパルス 1対1 (2011.9/24 等々力) 第27節
戦い方を元に戻し、積極的に試合を動かしに行った。清水も前節、一ヵ月ぶりに勝ったとか。どちらも連勝をかけた試合だったが、痛み分け。先発は、GK杉山、DF田中雄大、菊地、井川、田中裕介。憲剛と大島のダブルボランチに、山瀬と田坂のサイドハーフ。ジュニと小林のツートップ。
前半、エスパルスの攻撃に迫力が無く、シュート1本。フロンターレは、山瀬の折り返しに小林が飛び込むが押し込めず。小林のポストから田坂が放ったのは枠の上。FK、CKは、エスパルスの方にボスナー、アレックスなど身長が高い選手が多く、決まらず。40分過ぎからエスパルスにシュートをうたれたり、右から鋭いクロスを入れられたりしたが、しのいで後半へ。
後半立ち上がりから、エスパルスが攻勢を強める。9分、菊地の横パスが大前に渡り、大前が高木にはたき、高木が左からドリブルで切り込み、シュート、GK杉山がキャッチしてからボールがこぼれ、つめていたアレックスに押し込まれ、失点。18分、山瀬に替えて楠神を入れる。その楠神が入ってすぐミドルシュート。いいシュートだったが、惜しくも相手GK山本に止められる。20分、田坂の右CKから、こぼれたボールをつないでつないで最後は相手GKがはじいたところにジュニーニョがつめ、すかさず押し込み、同点。ジュニは、26分にも惜しいシュートがバーの上。31分には、オフサイドをかいくぐって抜けだし、相手GKと1対1。シュートはわずかにゴール左へ。
エスパルスは、20分に枝村に替えてDF村松を入れたが、追いつかれたので、29分、痛み止めを打っている大物ユングベリも投入。34分、フロンターレは矢島を準備し、小林と交替かと思ったら、ジュニーニョを下げた。珍しくジュニは不服そうだった。42分、トップ下のユングベリからクロスが入るが、わずかにゴール前のアレックスに合わず、助かった。楠神の足がつったようだったが、交替の登里は、田坂と替わる。憲剛のシュート、小林から楠神のシュートは、相手DF、GKに阻まれる。CKから小林のヘディングはうちあげる。ロスタイム3分の憲剛のFKが枠の上で時間切れ。
順位は12位のまま。立ち直りの方向は見せた。雄大のサイドチェンジは今までにない武器になる。大島もよく走って守備もしていた。なんと、首位のガンバがホームで甲府に0対2で負けた。
サッカー短評 (2011.9/22)
U22日本vs.U22マレーシア 2対0 (2011.9/21 鳥栖ス) ロンドン五輪アジア最終予選
開始10分で先制、楽に追加点をとれそうな余裕のあるボール回し、それなのに相手にパスしたりしてカウンターを受け、追加点がとれないまま後半へ。
先発は、GK権田、DFは酒井高徳が初先発、浜田、鈴木、酒井宏樹。ボランチは、キャプテン山村と初先発の扇原。原口と清武のサイドハーフ、大迫のワントップに東のトップ下。永井はベンチスタート。ひいて守ると予想される相手に、前半は、ポスト役でボールキープできる大迫、相手が疲れてスペースができる後半に永井という作戦。
先制点は、見事だった。清武とのパス交換で東が相手DFを切り裂き、フリーでシュート。左下隅に決める。つづけて得点チャンスが来るが、枠にいかず。その後も大迫、清武らがシュートするが、相手DFやGKに防がれ、ハーフタイム。
後半8分、マレーシアにボールをつながれ、初シュートをうたれる。右サイドバックの酒井高徳は、攻撃参加の姿勢はいいが、パスミスが多く、1対1で負けている。右サイドバックの酒井宏樹は、チームで見せているような攻撃参加がなかなかできず。原口も、得点をねらうシュートより、味方のチャンスメークをしようとしている。14分、大迫に替えて永井が入る。すると、永井のスペースめがけてロングパスも入るようになり、少し活性化。23分、東に替えて山崎が入る。山崎が左サイドハーフに廻り、原口がトップ下に。31分、山崎→清武→永井とつながり、永井の折り返しに山崎が合わせ、やっと追加点。交替して入った二人が得点にからんだ。
マレーシアは、このオリンピック代表チームが、クラブチームのように国内のリーグ戦に参加しているらしい。ボールをもつと、それなりに形のある攻撃をしてくる。ただ、パスの精度や個人技がない。日本は、さらに、清武、山崎、原口、永井らがシュートするが、ゴールならず。プレスが弱い相手に、積極的にシュートしたのはいいが、もう少しパスミスを減らさないと、もっと強い相手には痛い目にあいそう。何も全部ワンタッチでパスしなくてもいいし、少し攻め急ぎがあったように思う。
サッカー短評 (2011.9/17)
モンテディオ山形vs.川崎フロンターレ 0対1 (2011.9/17 NDス) 第26節
やっと、勝った…。長い二ヵ月だった。立ち上がりは不安定だった。それでも、前半は、守りを堅実にやっていく、という姿勢がはっきり見えた。こちらは、大敗したナビスコから中二日、17位の山形は中五日と、コンディションに明らかな差がある。
先発は、GK杉山、DF田中雄大、菊地、井川、田中裕介。柴崎と久々先発の大島のダブルボランチ、楠神と田坂のサイドハーフ。ジュニと小林のツートップ。代表で骨折が判明した憲剛もベンチに帰ってきた。
田坂は、ボランチより、本来のポジションで攻撃参加した方がよほどいい。相変わらず、流れの中のパスは、判断が遅い場合もあったが…後半、小林へのループパスはよかった。大島がボランチの位置から気の利いたボールを散らす。もっと早くこの布陣にしていたらよかったのでは…という気がしないでもないが、山形の戦い方が前線からのハイプレスではなく、引いて守るところから始まるのがよかったのかも。
山形は、前線に190pの大久保、七月末に広島から移籍してきた、山崎を配置。ただ、石川のクロスがツートップに合わず、助かった。相手CKも前半だけで5つも与えたが、耐えた。
34分、悪くない動きをしていた楠神に替えて山瀬を入れる。すると前線でタメができるようになる。シュートもうち、攻撃全体が活性化。ただ、ジュニがシュートを空振りするなど、あちこちに狂いが出ている。楠神は、後で見たら右太もも裏をアイシングしていた。
前半を無失点でしのいでいい感じで終え、迎えた後半8分、田坂からのパスを受けた山瀬が右サイドを駆け上がって中央へクロス、ファーで小林がダイレクトで合わせて、ゴールネット天井を揺らす。ここ2試合無得点だったが、幸先よく先制。実は、山形は先制した試合は負けなしだとか。知らなかったが、こちらが先制してよかった。小林はこれで10点目。このすぐ後にも、田坂からのループパスをうまくトラップし、GKと一対一になったが、最後のタッチが大きくなり、先に相手GKがボールをキャッチ。ここで2点目を決めていれば、楽だったのだが。ただ逆に集中が切れなくてよかったのか。
山形は後半6分に長身FWの大久保に替えて古橋を入れたが、そこにボールが入らず。21分に左サイドからフリーでクロスを入れられ、ヘディングシュートを浴びるが、幸い、GK杉山の正面。山形は、シュートまでいく形が少なく、助かっている。相馬監督は、このあたりで、二人目の交替として、伊藤宏樹を用意したが、セットプレーをしのいでから見ると、とりやめたらしく、立っていない。14分にイエロー(7枚目)をもらった田中裕介と替えるのかと思ったら、交替予定は菊地だった。
23分、柴崎がとられたボールを取り返しに行ってイエロー4枚目をもらう。これで次節清水戦は出られない。30分過ぎからは追加点がとれそうなところもあったが、34分に大島に替えて憲剛を入れてからは、完全にボールキープに。確実につないで時間を使う。憲剛もスルーパスを入れたりしない。ただ、一度だけ憲剛がボールを取られてピンチになりかけた。ロスタイム3分。ロスタイムに入ってから、山形がカウンターを仕掛けてきたが、シュートが枠に来なくて助かった。最後の最後でジュニーニョに替えて登里を入れる。結局、菊地は90分出場。あの宏樹の準備はなんだったのか。
とにもかくにも、3位で始まった新潟戦からの連敗を8で止め、12位から11位に。小林は、ヒーローインタビューの後、アウェイまで800人も来たサポーターに挨拶に行ったとき、泣いていた。明日は、陸前高田市でサッカー教室のため、ベンチ外の選手もスタンドに帯同していた。
サッカー短評 (2011.9/14)
横浜F.マリノスvs.川崎フロンターレ 4対0 (2011.9/14 ニッパツス) ナビスコカップ2回戦
だんだん悪くなる。今回は、センターバックの井川に替えて薗田を先発させたがイエロー一枚。先発は、GK杉山、DF田中雄大、菊地、薗田、田中裕介。柴崎と田坂のダブルボランチに山瀬と楠神のサイドハーフ。ジュニと小林のツートップ。しかし、前半6分に兵藤、分に渡辺と失点し、スカパー解説の福田正浩さんに「何もできなかった」と言われる出来。
後半、マリノスのプレスが落ちてきて、攻撃の形も何回か作れたが、きわどいシュートは打てたが、中澤のスーパーセーブもあり、得点できず。20分過ぎに、マリノスは、渡辺に替えて大黒を入れ、フロンターレが攻め上がった裏をカウンターで、3点目、4点目をもぎとった。スカパーの倉敷アナウンサーは、マリノスは本当に気持ちよく勝ったとほめ、フロンターレは1点でもとればアウェイゴールが第二試合につながると言っていたが…。
あの「最悪」のはずの神戸戦から中二日。難しい試合になると思っていたが、完敗。監督も選手も開き直れるか、心配だ。
サッカー短評 (2011.9/12)
川崎フロンターレvs.ヴィッセル神戸 0対3 (2011.9/11 等々力) 第25節
8連敗。相馬監督が「今季一番悪いであろう試合」という内容。今までは、得点していたし、不運もあった。とうとうすっかり歯車が狂って自滅。憲剛までが怪我で離脱。前半はそれでも矢島の惜しいシュート、山瀬のシュートなどもあった。ジュニが作ってクロスを入れたり、田中雄大がクロスを入れたり。しかし、次第にヴィッセル神戸のハイプレッシャーに押され始め、38分、相手ボールのスローインを受けた相手FW吉田が反転してフロンターレのマークをはずすと、どフリーでゴール前へ。飛び出したGK杉山の脇を抜くシュートを決められ、失点。フロンターレは選手同士の距離が遠く、パスがうまくつながらないし、プレスもかからない。
先発は、GKを替えて杉山、DFは田中雄大、菊地、井川、田中裕介。柴崎と田坂のダブルボランチに、楠神と山瀬サイドハーフ。ジュニと矢島のツートップ。別に相澤が悪かったわけではないが、補強もしない中で、何か変えたかったのだと思う。9/4には、ファン感謝デーがあって「サポーターから力をもらった」という言葉に嘘はないと思うのだが。
後半は、たちあがり4分、田中雄大のFK。TBSチャンネルのアナウンサーが「キャノン砲」と表現した強烈なミドルシュート、相手GKがはじいたところに楠神がつめたが、防がれる。7分、菊地の不用意なバックパスが杉山に届かず、パクカンジョにカットされ、あっけなく2点目をとられる。24分、山瀬に替えて小林を入れる。小林は、クロスを入れたり、強引にシュートまでもっていったりした。36分、矢島に替えて登里、41分、田中雄大に替えて棗が入る。雄大の抜けた左サイドバックにノボリが回るが、そのサイドを突かれ、カウンターを受ける。ボッティからポポ、大久保とパスが通り、最後はヘディング。
とうとう12位。
サッカー短評 (2011.9/11)
日本女子vs.中国 1対0 (2011.9/11 済南・中国) ロンドン五輪アジア予選
ついに無敗で五輪予選を終えた。本当にお疲れ様と言いたい。最終戦は、再び若手にチャンスを与えた。先発は、GK福元、DF鮫島、宇津木、岩清水、矢野。田中と上尾野辺のダブルボランチに宮間と川澄のサイドハーフ。高瀬と永里亜紗乃のツートップ。鮫島と川澄は五試合連続の先発。
3分高瀬、4分上尾野辺、とシュート。出足はいい。雨は降っているが、気温は20度くらい。中国は既に勝っても負けても4位確定らしいが、開催国のプライドもあって攻めてくる。MF8番のミドルシュート、今大会1得点あげているFW9番のシュートは、はずしてくれただけだった。日本も高瀬が鋭いシュートを放つがゴールのサイドネット。高瀬はやはり本職のトップにいた方がいい。初出場の永里亜は、なかなかうまく受けられない。宮間が35分に後ろからスライディングいってイエローカード。
後半頭から宮間に替えて安藤を入れる。安藤はトップに入り、永里亜が右サイドハーフに、川澄が左に回る。中国は、前半同様立ち上がり鋭く攻めてくるが、5分ほどすると落ち着く。12分、川澄の左CKに岩清水がヘディング、これがクロスバーにあたるが、はねかえりを田中がつめて先制点。17分、川澄に替えて永里優季がツートップの一角に入る。高瀬が川澄のいた左サイドハーフに。31分、安藤のクロスを永里がシュートするも、またもクロスバー直撃。この大会は、永里のシュートは入らない運命なのか。32分、高瀬に替えて丸山が入る。丸山は、前日までなかったというがヒザにテーピングしている。高瀬は、MFになるとやはり動きに精彩がない。34分の左CKは、上尾野辺が蹴る。上尾野辺は田中と二人で、沢と阪口の仕事をしているはずだが、ほとんど攻撃に顔を出さない。37分、ゴール前の混戦で永里亜が初めてシュートするが、枠の左。残り5分になってから、スタンドの応援がまた一段とヒートアップし、中国の選手たちも次々シュートしてくる。しかし、何とかしのぐ。ロスタイム3分。途中で入った丸山は足がとても痛そうで、走れなくなる。どうしたのか。うずくまってしまったところでタイムアップ。
日本が勝ち点13で1位で終わる。
サッカー短評 (2011.9/9)
日本女子vs.北朝鮮 1対1 (2011.9/8 済南・中国) ロンドン五輪アジア予選
中二日あいたが、やはり体が重いのか、平均年齢20歳代の北朝鮮に押し込まれた。北朝鮮は、大会前にドーピングでレギュラーのGKとDF五人が失格、監督は交代、次回ワールドカップの出場権も失った。しかし、大会初戦のオーストラリアに勝つと、中国と引き分け、韓国にも勝って勝ち点7。日本の先発は、GK海堀、DF鮫島、熊谷、岩清水、近賀。沢と阪口のダブルボランチに、宮間と大野のサイドハーフ、永里と川澄のツートップ。立ち上がりの5分くらいは、日本が攻撃の形を作り、シュートまでいったが、枠に行かず。北朝鮮は、ボールへの寄りが速く、日本がキープしているとすぐ三人くらいに囲む。また、ロングボールを多く使ってくると見られていたが、パスをつないできたのも想定外か。サイドでつまるとすぐ大きくサイドチェンジするし、ラとチェのツートップも前からよくプレスするし、チームとしてよく連動している。
NHKの野地アナウンサーが「韓国戦のようになってきた」と言えば、ピッチ解説の川上さんは「MFの所が間延びしてプレスがかからない」と言う。リズムが悪いせいか攻め急いでボールが合わず、相手にこぼれる。永里と川澄のツートップは相性が悪いのか、お互いのパスが通らない。なんとかしのいでハーフタイム。
後半8分、安藤を入れる。安藤と永里の方が息が合う感じ。川澄が大野のポジションへ。すると17分、安藤がボールを奪い、チャンスが生まれる。久々にパスがつながり、宮間の左からのクロスに永里がヘディング。しかしゴールわずか上。北朝鮮は、前線から鋭いプレスをかけ続けていた運動量豊富なチェを交替。後半20分過ぎから北朝鮮も少し間延びしてくる。しかし、日本も疲労からかパスミスが多く、チャンスを作れない。パスのスピードもないが、それ以上に判断力のスピードが落ちている感じ。ところが、DFの岩清水が入れたロングクロスが永里にフリーで通り、ダイレクトでシュート! 攻め急いだか、と思ったボールは相手GKがはじき、あわてて永里のマークに戻ってきた相手DFに当たってオウンゴール。押していた北朝鮮にすれば、ウソのような失点だろう。日本はこのまま逃げ切れば、五輪切符獲得だったが、後半40分からコーナー付近でボールキープしたにもかかわらず、ロスタイム3分のうち2分たった47分、右サイドからのクロスをクリアしそこね、相手選手が拾い、フリーの選手へ。後ろから上がってきた4番の選手にたたき込まれた。最後の最後で失点して同点にされたが、もう1点取りに来た相手をなんとか押さえて引き分け。佐々木監督は、結局、交替を一人しか使わなかった。丸山も準備していて今にも入りそうだったのだが。
この後の試合で、オーストラリア(勝ち点6)が中国(勝ち点5)に勝ったので、日本(勝ち点10)と北朝鮮(勝ち点8)が五輪切符を獲得。最終戦で日本が中国に勝てば、1位。
サッカー短評 (2011.9/7)
ウズベキスタンvs.日本 1対1 (2011.9/7 タシケント) W杯アジア三次予選
前半8分に失点。相手キャプテン、ジェパロフにたたきこまれた。日本は、布陣とメンバーを替えて臨んだ。GK川島、DF駒野、今野、吉田、内田。阿部のワンボランチに、遠藤と長谷部の二列目。李を中心に左に香川、右に岡崎の3トップ。アウェイなので、阿部を入れて守備的に入ったのだと思うが、選手の距離が間延びして、相手にすばやくパスをつながれる展開に。相手FWのゲインリッヒが怖い。ドリブルも速いが、パスも出せ、得点も決める。ロスタイムに長谷部から李へループパスが通り、李のシュートで同点か、と思われたが、右ポスト直撃。リードされたままハーフタイム。 後半は、阿部にかえて清武を入れ、遠藤と長谷部のダブルボランチに戻す。少しパス回しが活性化する。香川が攻撃に絡み出す。しかし、後半17分、あわや追加点を与えてしまうところだった。今野がかわされ、切り込まれ、シュートされたがGK川島が止める。グラウンドがでこぼこらしく、時々ボールがイレギュラーバウンドする。20分、長谷部から右サイドの内田へ、内田のクロスにセンターで李が、ファーで岡崎が反応し、岡崎のダイビングヘッドで同点! ここで得点の前から準備していたハーフナーが、李と交替で入る。23分、またもジェパロフがゴール前に迫り、GK川島と1対1になるが、川島がシュートを止める。28分、遠藤の右CKから香川が、クロスをシュートに切り替えて直接ねらうが、わずかにバーの上。30分、清武からのクロスがハーフナーに入り、やっとハーフナーの高さを生かしたヘディングが出たが、素直に相手GK正面だった。33分、ウズベキスタンは、こわかったゲインリッヒに替えてFWシャツキフを入れる。日本も37分、駒野に替えて槙野を入れる。牧野は相手右サイドからの攻撃をよく止める。途中足が止まっていたウズベキスタンだが、最後にまた盛り返してきて押され気味に。日本はボールを失わないように時間を使うが、清武の攻撃のパスを取られ、ジェパロフにシュートまで行かれる。枠に飛ばなかったが、時間を考えたプレーをしてほしい。なんとかしのいで引き分けにする。
サッカー短評 (2011.9/5)
日本女子vs.オーストラリア 1対0 (2011.9/5 山東・中国) ロンドン五輪アジア予選
予想したよりオーストラリアの足が早く止まった。先発は、GK海堀、DFは鮫島、熊谷、岩清水、近賀。沢と阪口のダブルボランチに、<、宮間と大野のサイドハーフ。永里と川澄のツートップ。川澄は連続の3戦目。
立ち上がりは、悪くなかった。オーストラリアは、前線に足が速いデヴァナとウォルシュ。二人とも背が高くないので、アメリカのワンバックのような怖さはない。ただ一緒に走ったら、デヴァナには馬力があるので危ない。また、二列目から16歳のフォードが鋭いドリブルを見せたが、シュートは枠に来ず。オーストラリアは、沢と阪口を徹底マーク。ただ、日本も韓国戦よりもパスを回せる。二日前とは会場が違い、ピッチの芝が少し短いようだ。しかし、ちょっとスライディングするとズルリと芝がむけるので、足下は柔らかいようだ。日本は、永里のシュートが相手GKに当たって左ポスト直撃、近賀のミドルシュートがバーのほんの少し上、など何度か得点の臭いがしたが、決めきれずにハーフタイム。オーストラリアは、デヴァナがヒザを傷めていることもあるのか、前線からの厳しいブレスはないし、全体に、30分過ぎから足が止まってきた。
後半は、交替なしで始まる。17分、永里が相手DFを背負って、川澄に絶妙なパス、川澄が流し込んで、待望の先制。オーストラリアは、既に北朝鮮に負けているので、攻撃に出て来る。二人交替し、3トップになる。しかし、それほどの迫力はない。日本は、川澄に替えて安藤を入れる。DF陣は、近賀も鮫島も三戦目で、きついはずだが、交替させない。佐々木監督が、ピッチサイドから「プレス!」と叫んでいる。みんな疲れているはずだが、韓国戦ほど、後半ガクッと落ちない。不思議だったが、試合後、沢がインタビューに、「韓国戦は、私にとって初戦だったので、90分きつかった。」と言っていた。そんなものか。終盤、大野に替えて初出場の丸山を入れる。安藤と丸山でチャンスも作るが追加点はならず。オーストラリアは、すきあらば前線に放り込むが、なんとか防ぐ。一度だけ、シュートが枠をはずれただけ、という場面もあった。40分過ぎからは、時間稼ぎ。丸山と宮間でライン際でパス交換、コーナーでボールをキープなど、ロスタイム3分をしのいで、三連勝。
もうひとつの会場では、北朝鮮対韓国。前半2対1で北朝鮮がリードの途中経過。最後は北朝鮮が3対2で勝利とのこと。これで日本が勝ち点9、北朝鮮が勝ち点7、オーストラリアが勝ち点4。
サッカー短評 (2011.9/3)
日本女子vs.韓国 2対1 (2011.9/3 山東省済南・中国) ロンドン五輪アジア予選
前半10分、宮間の右CKから、阪口がヘディングで幸先よく先制したのはよかったが、30分に、熊谷が足を滑らせ、横パスをとられて、一番要注意のチ・ソヨン(INAC神戸)に鋭いミドルシュートを決められ、同点。その後は流れがすっかり韓国に傾き、38分の宮間のシュートもクロスバーをたたき、押されたままハーフタイムか、というロスタイム、ゴール前に沢が攻め上がり、川澄につなぎ、川澄がうつとみせかけてDFとGKを引きつけてから落とし、フリーの大野が決め、1点リードして後半へ。
先発は、ワールドカップのレギュラー組で、GK海堀、DF鮫島、熊谷、出場停止明けの岩清水、近賀。沢と阪口のダブルボランチに左に宮間、右に大野のサイドハーフ。ツートップは川澄と安藤。
前半始めは、日本が鋭い出足で、自信を持ってパスを回し、攻撃の組み立てをしていて見てても安心できた。しかし、韓国に追いつかれてから、守備が後手に回り、苦しい展開。芝が柔らかく長く、地面は固いので、パスのスピードが上がらず、弾ませると高く弾んだり不規則にバウンドしたりする。熊谷は二度も跳ね返りが腕に当たり、ハンドを取られた。
後半は、その悪い流れを断ち切りたかったが、韓国の方が勢いよく入り、流れを引き戻せず、一度も日本のリズムに持ち込めない苦しい展開。8分、ドリブルで切り込まれ、シュートを外してくれただけの危うい場面も。不用意なパスをカットされたり、クリアボールがまっすぐフリーの相手に渡ったり、自分たちで苦しくしている面もあった。韓国は、第一戦の中国戦は1対1で引き分け、勝ち点3がほしい。NHK解説の早野さんが「中国戦で韓国は、後半最後、ガクッと運動量が落ちた。」と言ったが、いっこうにその気配はない。日本の選手も前の試合90分出た近賀や川澄はきつそうだ。25分、安藤に替えて永里が入る。永里はもっと前線からプレスしてほしかったが、あまり下がるなと言われているのかもしれない。どちらかというと、ツートップがプレスしてるときに、二列目以降が押し上げてこないので、ボールが取れないと早野さんが言っていた。33分に川澄からのパスがフリーの永里に通るがトラップが大きくなり、相手DFにクリアされる。日本も韓国も足が止まってくる。40分過ぎから、日本は前線で無理に攻めず、CKをとって時間を使う。ロスタイム3分に入ってから、やっと二人目の交替。大野に替えて上尾野辺が入る。永里をワントップにして川澄が右サイドハーフ、上尾野辺は左サイドハーフに入ったようだ。
この消耗戦の後、中一日でオーストラリアはきつい。そのオーストラリアは、初戦は北朝鮮に0対1で負けたが、第二戦はタイ相手にターンオーバーで5対1で勝利。中国と北朝鮮は0対0で引き分けたらしい。中国は韓国戦に続いて2引き分け。
サッカー短評 (2011.9/2,3)
日本vs.北朝鮮 1対0 (2011.9/2 埼玉ス) W杯アジア三次予選
後半ロスタイム4分に吉田のヘディングで辛勝した。前半からボールをよく回せて、時折チャンスも作れ、相手の攻撃にこわいものは感じないという状況にしては、得点できず、苦戦した。先発は、GK川島、DFは駒野、今野、吉田、内田。長谷部と遠藤のダブルボランチに、トップ下には本田圭佑の代わりに柏木、右の岡崎と左の香川のサイドハーフ、李のワントップ。当初のメンバーから、森本、本田圭佑、中村憲剛が怪我で離脱。憲剛は右足親指付け根の骨折とか。
北朝鮮は、ボーフムのテセとパクの、少し前後のツートップで布陣は4−4−2。大宮の安はボランチ、仙台の梁は左サイドハーフで先発。相手GKは、ワールドカップドイツ大会にも出たベテラン、リ・ミョングクだが、テセの右にいるサイドハーフには、18歳のFWチョン・イルグァン。
前半開始早々3分に、その18歳のFWチョン・イルグァンにシュートまでいかれた。雨で、駒野がすべってボールを失ったこともあるが、少しガンバのイ・グノに似ていて、動きも速い。途中、台風12号のせいですごい吹き降りになったが、10分も続かず助かった。24分に柏木が日本の初めてのシュートをうつが宇宙開発。なんだか、力んでいる。もっとも、北朝鮮も効果的な攻撃ができない。テセにいいボールが入らないよう、その前に防いでいる。結局、北朝鮮は前半シュートゼロ。日本は32分、33分と李のヘディングと香川のシュートのチャンスがあったが、相手GKの正面と枠の外。36分の日本の連続CKのボールを捕った相手GKが着地で右足首を痛めるが、交替しない。相当痛そうで、キックも左足で蹴ったり、サイドバックに出したりしている。瞬発力が持ち味らしいが、NHK解説の山本さんは「ゴール前で左右にゆさぶられたら、つらいだろう。」と言うが、日本はそこをつけず。0対0のままハーフタイム。
後半、両チームとも交替なし。北朝鮮のGKもそのまま出場。3分、テセにシュートされるが、DF吉田が防ぐ。直後に駒野から香川、香川のクロスに岡崎が得意のダイビングでとびこむが、届かず。11分、北朝鮮は、テセの合方のFWパク・ナムチョルに替えてパク・クァンリョンを入れる。あいかわらず膠着しているので、とうとう15分、柏木に替えて清武が入る。やっぱり予選初体験組は、そうとう緊張していたようだ。直後に、北朝鮮の梁にミドルシュートをうたれるが、ブロック。FKの名手、梁をフリーにうたせてはいけない。25分、李に替えて、初招集のハーフナーが入る。26分、遠藤のFKは、右上隅をねらうと見せかけて、左上隅をねらったが、わずかに外。遠藤は絶対決めるつもりだったらしく、珍しくすごく悔しそうだった。29分、長谷部がドリブルでペナルティーエリア深くまで切り込み、折り返し。ハーフナーのシュートはクロスバー。35分、右ショートコーナーから香川がクロス、岡崎が飛び込み、今度こそ決まったかに見えたが、相手GKがファインセーブ。交替しないわけがよくわかった。38分、交替で入った、相手FWパクが吉田と競り合い一発レッドで退場。43分、テセが少し遠いFKを直接ねらうがGK川島の正面。45分にテセに替えてFWアンが入る。ロスタイム5分。48分、香川のシュートはCKに。遠藤のCKから今野のシュートはまたバー直撃。49分、また左CKを香川がバックヘッド、相手GKがはじき出す。どうしても入らない。右CKは清武がショートコーナーで長谷部へ。長谷部が清武に戻し、入れたクロスに吉田がヘディング、やっと決まる。
試合後のインタビューで、遠藤が「この試合で出た課題は?」という質問に「終わったばかりなのでビデオを見直して」と言った後、放送席からゲストの岡田前監督が「課題なんかないと思っているだろう。ビデオ見直すことないぞ。」と激励すると「はい、ビデオ見ません。」と答えたのがおかしかった。
翌日には、もうタシケントに向けて出発。6日深夜にウズベキスタン戦。
憲剛の代わりに、鹿島の増田誓志が急遽招集された。(9/3『読売新聞』夕刊より)
サッカー短評 (2011.9/2)
日本女子vs.タイ 3対0 (2011.9/1 中国) ロンドン五輪アジア予選
前半は、女子ワールドカップの控え組を7人先発。レギュラー組は、FW永里、川澄、DF近賀と熊谷のみ。GK福元、DF鮫島、矢野、熊谷、近賀。中盤の要、ダブルボランチには、沢と阪口の代わりに宇津木と田中明日菜。ここがボールを手早くさばけず、永里や川澄にいいボールが出ない。サイドハーフには、左に上尾野辺、右に高瀬。選手同士の距離が遠く、パスやクロスも不正確。日本のシュートは苦しまぎれが多く、枠に行かない。8分の永里のシュートは相手GK正面。18分の高瀬のは宇宙開発。29分の上尾野辺のはゴール右。タイのプレスもゆるいが、日本もそれ以上にミスが多い。特に高瀬は、自分の役割がよく把握できていない感じで、回りも見えていないように感じた。パスコースを探している時にボールを奪われたり、ドリブルもカットされる。最初は圧倒的に ボールを支配していたが、次第にタイがパスをつなぐ時間も。タイはワントップの背の高いFWに確実にあててくる作戦。日本は、上尾野辺と鮫島が前後を入れ替わったり、佐々木監督がFWに「裏をねらえ」と指示したりしたが、なかなかうまくいかないままハーフタイム。
とうとう、後半頭から宇津木に替えて宮間を入れる。するとパス回しにキレがよみがえり、16分に待望の先制点。永里のポストプレーから左サイドハーフの上尾野辺がループでゴール前にパス。川澄が倒れ込みながらDFとGKの脇をぬいて右隅ぎりぎりに流し込む。20分には右サイドハーフで起用された高瀬に替えて大野を入れる。直後のFKからのCKでは、マイナスのクロスを川澄がシュートするが相手GK。このGKはなかなかいい選手だった。永里のシュートもはじき出した。タイはワントップの選手を、一次予選二次予選で5得点したFWに替えてくる。30分に永里に替えて安藤が入る。直後の右CKをファーで田中がシュートして追加点。41分、近賀の右からのパスを受けた大野がマイナスのクロス、上尾野辺のシュートを至近距離相手GKがセーブ、はねかえりをもう一度ループでねらうが、ゴールの大きく上へ。45分、田中から大野へパスが通り、大野が中央にクロスを入れると、川澄の前でブロックした相手DFにあたってオウンゴール。目標の3点をとる。ロスタイムは5分あり、NHK解説の早野さんは「もう1点」と言ったが決められずタイムアップ。最後はなでしこらしかった。
サッカー短評 (2011.8/28)
柏レイソルvs.川崎フロンターレ 3対2 (2011.8/28 柏) 第24節
前半たちあがり、アウェイにもかかわらず、「今日こそは勝つんだ」という強い意志が感じられた。先発は、GK相澤、DFは田中雄大、菊地、井川、実藤。憲剛と柴崎のダブルボランチに、山瀬と田坂のサイドハーフ、ジュニと矢島のツートップ。田中裕介が出場停止。ジュニーニョのクロスに矢島が飛び込む。憲剛のCKに菊地がヘッド。柴崎のミドルは相手GK正面へ。20分過ぎから、レイソルも持ち直して、何度か攻撃の形を作られる。どうもジュニーニョがクロスを入れるのではもったいない。やっぱり小宮山が足りないのは痛い。前半終わり頃、ゴール前の攻防で菊地が右足首を傷める。
後半5分、田中雄大のロングフィードを矢島がポストで落とし、田坂がボレーで左隅にうちこむ。7分、菊地に替えて久々の宏樹が入る。スカパー解説の水沼さんは「薗田という選択肢もあったが経験をとりましたね。」と言う。9分、ジュニーニョが、ドリブルから、攻め上がり、相手DF近藤をひきつれたままシュート、またも左隅に決める。この後、追加点が取れそうで取れなかったのが敗因か。13分、レイソルは、一気に二人交替。ボランチの栗沢に替えて大谷。ワグネルに替えて沢。この沢の動きでマークがずれスペースがあいたと水沼さん。16分に、レアンドロから左サイドの橋本、クロスにとびこんだ相手FW工藤にヘッドで決められた。この失点の前に「フロンターレは六連敗しているので、失点すると、今日も負けるかもしれないという焦りが出る。」と水沼さんが言っていたが、その通りの悪い展開に。28分、33分と、続けて相手FW田中順也に左足、右足と決められ、逆転。20分に山瀬に替えて大島、38分に田坂に替えて小林と入れたが、やはり選手が小粒か。ロスタイム4分もチャンスはあったが、守りきられた。
とうとう7連敗。やっているサッカーは悪くない。後半、押され始めたときのあと一歩や、攻撃の時の少しのパスの精度、判断の速さのような気がするが…。順位は11位のまま。
フロントは、補強は考えていないのだろうか。ジュビロやエスパルスは外国人を獲ってきたが。ガンバなど草津からラフィーニャ、ブラジルから19歳のアフォンソなどいいFWを補強したスカウトの手腕はすごい。
サッカー短評 (2011.8/25)
川崎フロンターレvs.名古屋グランパス 1対2 (2011.8/24 等々力) 第23節
ホームで連敗を止めるべく、よく戦ったが、終わってみれば、前節仙台に敗れて首位陥落した名古屋相手に善戦したにとどまり、チームワーストの6連敗の記録更新。
先発は、GK相澤、DFは、前節退場の実藤のところに初スタメンの田中雄大、菊地、井川、田中裕介。憲剛と柴崎のダブルボランチに、楠神と山瀬のサイドハーフ。ツートップはジュニーニョと矢島。
前半はたちあがりは押されていたが、そこを耐え、徐々に自分たちの攻撃の形も出始め、田中雄大の惜しいシュートもあった。しかし、全体としては、0対0でハーフタイムは、悪くない結果だった。
後半21分、楠神が得点。憲剛のパスを受けてドリブルし、思いきりよくシュート。ただ、この直後、左ヒザを傷めて田坂と交替。名古屋は26分、玉田に替えて永井、中村直志に替えて藤本を入れる。すると、30分、永井に右サイドを突破され、ゴールラインギリギリながらグラウンダーの速いクロスが入る。これを田中裕介が体をはって止めたのだが、扇谷主審は一発レッドの判定。スカパー解説の加藤さんも最初は「あっ!」と言ってハンドだと思ったようだったが、リプレー画面を見ると、ボールはスライディングした田中裕介の腰に当たって止まり、伸ばした手は、ボールに触れまいとして後ろへひいている。ハンドに見えたかもしれないが、また誤審も含めてサッカーなのかもしれないが、もっと近くで判定してほしい。画面の外からレッドカードを持って走り込んできたが、レッドを出すならちゃんと近くで見てほしい。結局このPKをケネディに決められ、もやもやしているうちに3分後、ブルザノビッチ、藤本とつながれ、今度はヘディングでケネディにたたき込まれて逆転。
PKの直後に矢島に替えて小林、41分には山瀬に替えて登里を入れて、ロスタイム5分を含めて1点をとりにいったがタイムアップ。名古屋に5年ぶりの等々力での勝利をプレゼントし、ストイコビッチ監督に日本語で「初めて等々力で勝ちました。ありがとう」と言われてしまった。
相馬監督は、試合後のインタビューで「選手たちは一生懸命やっているのに可哀想だ。」と言っていた。扇谷主審は、この他にも、一度ゴールキックと判定したのを、名古屋の選手の抗議で副審に確認、CKと判定をくつがえしたり、フロンターレがゴール前で攻撃を続けているのに、相手GKが倒れただけでレフェリーストップの笛を吹いたりした。このときは、スタンドから猛抗議の声があがった。とにかくもっと近くで見ていれば、文句のつけようがないが、いつも画面の外にいる。国際主審の西村さんは、こういうことはない。審判委員会でよく再検討してもらいたい。田中裕介のレッドは取り消してほしい。
サッカー短評 (2011.8/20)
ガンバ大阪vs.川崎フロンターレ 3対6 (2011.8/20 万博) 第22節
せっかく前半のうちに逆転したのに、最後は自滅した感じ。ガンバは水曜に首位の名古屋グランパスと激闘し、中二日。こちらはアウェイだが中五日。四連敗だが、やっているサッカーは間違っていないと、相馬監督は「メンタルを中心に立て直してきた」。先発は、GK相澤、DF左から実藤、菊地、井川、田中。憲剛と柴崎のダブルボランチに、山瀬と楠神のサイドハーフ。ツートップは、ジュニと矢島。
雨の中の試合。何度かチャンスも作っていたが、前半17分、実藤が左サイドで加地との攻防に負けて、いいクロスを入れられ、ガンバの平井に先制される。しかも、28分には、イ・グノに同じ所を破られ、キムに追加点までくらう。負け癖はサポーターにこそついていて、「まただめか」と思ったが、2分後に憲剛から左に開いたジュニにパスが通り、ジュニがニアに送り込んだボールに矢島が飛び込み、相手GKの鼻先をぬいて1点返す。これで元気が出てきて、40分に、憲剛が出したスルーパスをジュニがゴールライン際でキープして絶妙なタイミングで折り返し、憲剛が左サイドネットにたたき込み、前半でおいつく。さらに、ロスタイム3分に、山瀬が豪快なミドルを決め、言うことなしで折り返す。
しかし、後半開始3分で暗転。実藤がペナルティーエリアで相手FW平井を倒したとして、家元主審は二枚目のイエローを出し、10人に。とりあえず柴崎が一列下がる。PKは、アドリアーノの代わりにJ2の草津から獲ったラフィーニャが決め、ガンバ同点。フロンターレは楠神を下げ、薗田を左サイドに入れ、柴崎をボランチに戻す。その後、30分以上、耐えていたが、ガンバも17分に平井に替えて二川、キムに替えて明神を投入、その明神に33分、ミドルシュートをうたれ、これが薗田にあたってゴールイン。逆転される。この後は、悪循環。カウンターをねらって攻め上がったところでボールを失い、武井のシュートは一度相澤が防いだが、はじいたところをラフィーニャがつめて5点目。ロスタイムには、CKからこぼれ玉をまたもラフィーニャに決められ、ハットトリック献上。
五連敗で11位に沈む。ガンバは首位に。次はホームだが、首位陥落の名古屋グランパスと水曜にあたる。
サッカー短評 (2011.8/14)
アビスパ福岡vs.川崎フロンターレ 2対1 (2011.8/14 レベスタ) 第21節
「泥沼の四連敗」とスカパーのアナウンサーに言われてしまった。前半25分、憲剛のFKから、小林がどうやったのか何度見てもよくわからない早撃ちで先制したのはよかった。それ以外の流れの中からの攻撃は、ほとんど攻め急ぎで息が合わなかった。
先発は、GK相澤、DF実藤、菊地、井川、田中。憲剛と柴崎のダブルボランチに、登里と山瀬のサイドハーフ。ジュニと小林のツートップ。
後半になって、相手FW城後に2点決められて逆転負け。後半24分に追いつかれてから、27分に、足を傷めた実藤に替わって田坂が左サイドバックに。33分には、小林に替わって怪我上がりの矢島、続いて山瀬に替えて大島を投入。攻めの手数は増えたが、決めきれない。そうこうするうち、勝ち越し弾を決められた。浅野新監督二試合目で初勝利。フロンターレは、これでほぼ優勝争いからは脱落。
サッカー短評 (2011.8/10)
日本vs.韓国 3対0 (2011.8/10 札幌ド) 国際親善
終わってみれば思わぬ快勝。前半は、韓国が鋭いプレス。しかし日本も積極的にいき、2分には岡崎、4分には本田のシュートからCK。なかなかいい入り方。
先発は。GK川島、DFに駒野、今野、吉田、内田。遠藤と長谷部のダブルボランチ。李忠成のワントップに香川、本田、岡崎の3シャドー。試合前には、元日本代表松田直樹のための黙祷があった。
韓国は、チャ・ドゥリやイ・グノなど何本もシュートをうってきたが、ほとんど枠に来ない。日本は15分過ぎあたりからボールが持てるようになり、何度かゴール前まで迫るチャンスを作った。35分に待望の先制点。遠藤から李、李がヒールで香川、香川はDFの間で受け、巧みにボールをキープし、鋭くシュート、GKの指先をかすめてゴールネットをゆらす。36分、早い時間に足を痛めていた岡崎に替えて清武が入る。37分、韓国は、25分に負傷交替したDFが、遠藤のシュートを至近距離で顔面に受けた影響で再び交替。イ・グノは前線からの守備などガンバでやるときより数段激しいようだ。
後半3分、スローインから清武、清武から李にパスが出たと思いきや李が一回転してスルー、香川がシュート。韓国は、7分に二人一気に交替。豊富な運動量で前線からプレスをかけていたイ・グノが下がり、身長190cm超のFWが入る。8分、日本が追加点。駒野がペナルティーエリアに切り込み、DFをかわしてシュート、相手GKがはじいたボールを清武が本田へ。本田がダイレクトでシュートするとGKも触れず。10分にも、本田→香川→清武とボールが渡り、清武が右サイドからゴール前に低いクロス、香川がニアで受けてシュートを決める。本田もいたが、清武はかつて同僚だった香川にぴったり合わせていた。11分、駒野に替えて槙野が入る。13分には、内田の右からのクロスを李がドンぴしゃのヘッドでゴールかと思ったが、相手GKがファインセーブ。
韓国は、交替したメンバーでの連携が悪いのか、連動した攻撃にならない。17分、長谷部に替えて阿部が入る。日本がボールキープして回す時間が長くなる。韓国は、無得点では帰国できないと猛攻してくるかと思ったが、その割に足が止まってきた。28分には遠藤に替えて家長が入る。31分、35分と韓国にフリーでシュートを打たれるが、最初のは枠をはずれ、後のはGK川島がなんとかクリア。40分に香川に替えて細貝が入り、家長が一列前へ。44分のFKは、本田がペナルティーエリア右角外からファーサイドの上に向かって無回転のシュートを蹴ったが、相手GKがかろうじてはじく。日本は無失点のままタイムアップ。
ホームで韓国に勝ったのは、中山らが出ていたダイナスティカップ以来、韓国から3点とったのは、1974年以来とのこと。
サッカー短評 (2011.8/7)
川崎フロンターレvs.セレッソ大阪 1対2 (2011.8/6 等々力) 第20節
試合前の練習中に、昨年一回も怪我しなかった小宮山が負傷してベンチ外に。急遽、田中裕介が左サイドバックに回り、ボランチの予定の田坂が右サイドに。そこへ途中から使う予定だった怪我上がりの柴崎を先発で入れる。
しかし、立ち上がりから全体に動きが悪く、セレッソの運動量に後手後手に。当然ながら、田坂のサイドをねらわれ、前半11分、あっという間に先制点をとられる。中後の左CKを二列目から走り込んだ清武がヘディング。どうしてこうもCKの守備が下手なのだろう。得点した清武に「ドイツ・ボーフムに移籍した乾を安心させられる」と言われてしまう。ここでホームの意地を見せてほしかったが、前半終了前の36分にさらにもう1失点。さんざんな内容で後半へ。
後半は少し立ち直りを見せたが、うまくボールが回り出したのは、後半17分山瀬に替えて大島をボランチに入れ、憲剛を一列あげてから。それでも後半19分に、登里が田坂のシュートのこぼれ球を押し込んで1点返すにとどまった。32分に登里に替えて楠神。43分に柴崎に替えて棗を入れたが、効果なし。楠神はもうちょっと活躍してほしい。
これでリーグ戦は3連敗。アウェイの新潟はともかく、ホームで連敗は情けない。順位も6位に後退。
サッカー短評 (2011.7/31)
川崎フロンターレvs.浦和レッズ 0対1 (2011.7/30 等々力) 第19節
前半10分、柏木からロングパスをマルシオ・リシャルデスに通され、菊地と小宮山ではさんだが、一瞬の動きで前を向かれ、ボールが小宮山の足にあたって失点。まだ早い時間帯だったが、全体にレッズペース。フロンターレは攻め急ぎが多く、シュートも枠にいかない。クロスが入ったとき、ゴール前の人数やタイミングが合わない。レッズのプレスがよく効いて、山瀬やノボリのドリプルのスペースがない。こぼれ球も拾えない。
先発は、GK相澤、DF小宮山、菊地、井川、田中。田坂と大島のダブルボランチに登里と山瀬のサイドハーフ、ジュニーニョと小林のツートップ。レッズは、エジミウソンの代わりにスペインから来たデスポトビッチが、ポストブレーもするし守備もする。水曜日のナビスコでは得点もし、早くもチームになじみつつあるらしい。
フロンターレは、後半頭から、流れを変えるべく、憲剛を大島に替えて入れたが、あまり変わらず。13分、田坂のFKがバーに当たったのが一番惜しかった。23分には、山瀬に替えて楠神を入れ、楠神はドリブルでリズムを引き戻そうとしているのはわかったが、得点には結びつかず。42分には、足がつりかけたノボリに替えて福森を入れたが、なんといってもベンチの層の違いが出た。スカパー解説の水沼さんは、「福森は素晴らしい左足のキックを持っている」と言っていたが、最後のCKを蹴ったくらいで見せ場はなし。
これで5位に後退。
サッカー短評 (2011.7/29)
川崎フロンターレvs.サンフレッチェ広島 3対1 (2011.7/27 等々力) ナビスコカップ
前回、アウェイで2対2で引き分けているので、ただ勝つか、1対1までの引き分けで勝ち抜け。いきなり10分に先制。サンフレッチェ広島のCKをしのいだ後、田中がシュート、相手GK西川がはじいたところに小林がつめて冷静に押し込んだ。
先発は、GK相澤、DF小宮山、菊地、井川、田中。田坂と大島のダブルボランチに、ノボリと山瀬のサイドハーフ。ジュニと小林のツートップ。大島は2試合連続スタメン。ベンチにGK杉山が戻ってきたし、スタンドには、憲剛と黒津もいた。
得点すると運動量があがり、プレスがかかりはじめるのが現金でおかしい。大島は線は細いが、パスセンスがあるし、当たられる前にかわす視野も持っている。しかし、3点以上とらないと可能性がない広島は、攻撃をゆるめず、39分、とうとう追いつく。高萩にヒールで落とした佐藤寿人がワンツーを受けて反転して菊地をふりきり、振り返りざまのシュートをたたきこんだ。さすがエースというしかない。ロスタイムには、田中の右からのクロスに登里がとびこんだが、ぎりぎりで枠に届かず。
登里は調子がいいようで、後半5分にもシュート。しかし、後半7分から、広島の佐藤寿人に3本連続してシュートをうたれる。最初のは枠をはずれたが、あとの2本はGK相澤がきわどくセーブ。直後9分のカウンターで、登里が長い距離をドリブルして攻め上がり、そのままシュートまで持ち込む。いったんは、相手DFにふせがれたが、こぼれ球につめて、再度シュートし、相手GK西川の指先をはじいて追加点。これで勝利濃厚に。13分に広島は青山に替えて森崎浩司、15分には服部に替えて山岸を投入。しかし、17分、大島から登里、ノボリから小林とパスが通り、小林が今日2点目をたたき込み、広島の反撃の勢いをつぶす。広島はさらに19分にDF横竹に替えてミキッチを入れるが、交替が遅かったのではないか。真夏のミッドウイークの試合で、選手の疲労もあったと思うが、11年も勝っていない等々力で久々の勝利を目指すには、いろいろ足りなかった。
フロンターレも25分にノボリに替えて久木野、右かかと痛を訴えたジュニに替えて楠神投入。楠神には、もう少し活躍してほしい。山瀬のシュートは、今日は入らない運命にあるようだ。広島はそれでも攻撃を続け、またしてもGK相澤のセーブに救われる。フロンターレは、福岡戦でもそうだったように、1失点するとズルズル失点するときもあるので、後半無失点に抑えることが大事。35分頃、小宮山のサイドの攻防で、倒れた姿勢でボールをキープしていた小宮山が、ボールを手で扱ったと広島の選手たちが抗議、最後にペットボトルを投げ捨てたキャプテン佐藤にイエローカード。ペトロビッチ監督まで退席処分。主審はこれに限らず、ちょっと試合のコントロールが若いと思った。44分、大島に替えてDF福森を投入。ロスタイムが前代未聞の7分もあり、最後まで攻め込まれたが、2点のリードを保ったままタイムアップ。平日なのに、1万1千人以上のサポーターが入った。
サッカー短評 (2011.7/23)
アルビレックス新潟vs.川崎フロンターレ 1対0 (2011.7/23 東北電力ス) 第6節
鬼門のアウェイ新潟。しかし、今年は苦手の日本平でも勝った。が…今年もビッグスワンの壁は高かった。新潟も決して絶好調ではない。しかし、前節、柴崎と矢島を怪我で失い、先発はベストメンバーと5人入れ替え。特に、田坂と初先発の高卒新人、大島のダブルボランチは心許ない。GK相澤、DF小宮山、菊地、実藤、田中。田坂と大島のダブルボランチ、ノボリと山瀬のサイドハーフ。ツートップはジュニーニョと小林。ベンチには、出れば初出場のDF吉田と福森も。
前半は、どちらも主導権を握れず、0対0。相手FWブルーノロペスのシュートを相澤がかろうじてはじき出した場面もあった。ジュニーニョに、相手DF菊地直哉がついていて、ボールをカットする。初先発の大島は、いかにも線が細い。田坂はボールを持ちすぎて、囲まれて捕られてしまう。登里は対面のU22代表で一緒の酒井高徳と勝負していたが、勝ったとは言えない。30分過ぎに連続して登里、山瀬とシュートまでいった場面があったが、決めきれず。
後半8分、ミシェウのダイレクトパスが前線のブルーノロペスに通り、裏をとられてきれいにシュートを決められて失点。20分、山瀬に替えて楠神投入。33分、ノボリに替えて久木野が入る。一番惜しかったのは、37分、小宮山が左から入れたボールにファーで小林がループ気味のシュート、再びニアに飛び込んだ楠神が押し込もうとしたが、わずかに枠の外。ここで大島に替えて、なんとまた高卒新人のDF福森が入る。田坂のCKは、前半は味方になんとか合っていたが、後半は殆ど相手GKにキャッチされている。44分のCKを防がれた後は、ロスタイムの4分は新潟に時間を使われてタイムアップ。リズムに乗れないまま終わってしまった。
すぐ下の5位にいたガンバが引き分けて得失点差でかろうじて4位キープ。
サッカー短評 (2011.7/18)
日本女子vs.アメリカ 1対1延長1対1PK4-1 (2011.7/17 フランクフルト) 女子ワールドカップ決勝
なんと、なでしこジャパンが金メダル!! PK戦までいったが、二度先攻されては追いつく展開から、PK戦にまで持ち込んだ、というべきか。
先発は、スウェーデン戦と同じ。開始40秒で右ウイングのチェイニーにシュートされるが、ポストの外側に当たる。ここから約20分間、アメリカの猛攻に耐え続ける。8分、11分、12分、17分、18分とシュートをうたれるが、右サイドから完全にくずされた形もあったものの、全て枠に来ず。日本は22分、ようやく2本目のシュートを大野がうつが、枠に行かず。27分にはCKも得るが競り勝てず。29分には、長身のCFワンバックに鋭いシュートを打たれるが、クロスバー直撃で命拾い。38分の日本の右CKでは、宮間がショートコーナーのふりをして、エリアの外でひっそりと待つ川澄にマイナスのパス。いわゆるスリーパーだったが、川澄のシュートは宇宙開発。フリーだったので、前半一番のチャンスだったが、力んだか。日本は最初の時間帯のアメリカの猛プレスをよくしのいで、無失点に抑えた。あっという間に前半が終わり、ロスタイムなしでハーフタイム。
後半始めも、アメリカの猛攻。ここで決めてしまおうというのか、選手も一人交替。4分、7分、8分と立て続けにシュートされるが、枠に来ないかポスト直撃。しかし、日本のCB熊谷と岩清水は、長身のワンバックょよく押さえている。16分、沢のループパスが右サイドをあがった近賀に通り、ループシュートをねらうが、枠の上。これもフリーだったので、もう少し狙ってほしい。21分、一気に二人交替。大野に替えて丸山、安藤に替えて永里。丸山が前線に回り、川澄が大野のいた位置に入る。しかし、24分、後半から入ったモーガンにロングパスが通り、日本DFと1対1になってシュートを決められる。
永里は、ポストプレーはできるし、アメリカ人と競り合っても倒れないが、人数に囲まれてボールキープできず。ダイレクトでシュートしてほしいが無理なのか。しかし、日本も35分、同点ゴールをあげる。右サイドから永里が前線へクロス。ニアで受けようとした丸山がつぶれ、相手DFがクリアしかけたボールがゴール前にスルスルと上がってきた宮間のところに。宮間は左足アウトサイドで押し込んだ。この直後、二度ほど日本が追加点をとれそうな場面があったが、シュートを打つ前に防がれたり、枠に跳ばなかったり。アメリカも90分で試合を終わらせようと、立て続けにクロスを入れてくるが、あわや、というこぼれ球を沢が蹴り出してクリア。1対1のまま延長へ。
またもアメリカが先手を打とうとシュートしてくるが、ワンバックは難しい体勢からでGK海堀がキャッチ。後半に入ったモーガンもだいぶ疲れたのか、シュートが枠に来ない。日本も近賀が右サイドからシュートするが、やはり枠に跳ばず。延長前半14分、左サイドから入ったクロスにワンバックが少し後退してヘディングで合わせ、ふたたび勝ち越される。熊谷は途中までワンバックの位置を手で確認していたが、クロスボールが入ってくるときだけ、ボールに行ってしまった。
延長後半、日本が攻撃。阪口、丸山がシュートするが、防がれる。近賀のクロスに合わせた永里のヘディングは枠の外。しかし、延長後半12分、アメリカのGKソロが怪我の治療をしている間に宮間が沢とCKの打ち合わせ。左CKに沢がニアに猛然と走り込み、斜め後ろにシュートし、ゴール中央のバックネットを揺らす。びっくりするような得点で、スローリプレーを見てもどう打ったのかよく見えない。これで沢は大会5得点で、単独得点王に。14分、丸山に替えて岩淵が入る。ロスタイム2分。岩清水のエリアすぐ外でのスライディングタックルがレッドカードとなり、退場。主審はドイツの人でおおむね公平だったが、これはイエローでよかったのではないか。至近距離のFKは壁が防ぐ。10人の時間は1分もなかったが。
PK戦は、アメリカの先攻。ところが、一人目のボックスのキックを海堀が左に跳んで残した足ではじく。日本の一人目は宮間が落ち着いて、GKの左脇中央にゆっくりところがしこむ。アメリカ二人目のロイドは、大きく上にはずす。日本の二人目永里は、読まれて止められる。アメリカの三人目ヒースは、海堀が右に跳んで止める。これで勝利が濃厚に。日本の三人目の阪口のキックは、相手GKに読まれたが、右脇の下を通ってゴールイン。アメリカの四人目ワンバックは貫禄で決める。日本の四人目はDF熊谷。しっかり左上に蹴り込み、日本が初優勝!
結局、アメリカはキックの精度が低くて自滅した面も。日本のように細かいパスを何本もつなぐこともできないようだった。これでスペインが優勝したのと同じようなパスサッカーの流れを女子にも作ることができるといいのだが。
サッカー短評 (2011.7/16)
川崎フロンターレvs.柏レイソル 3対2 (2011.7/16 等々力) 第5節
またしても後半に2失点。でも、今日は、そこから1点もぎとって、なんとか逃げ切った。先発から、憲剛とイナの名前がない。ベンチにもいない。連戦の疲労を考慮した采配だといいのだが。なにしろ、前半29分で矢島が立ち上がれず、小林と交替、後半頭には、柴崎に替えて実藤が入る緊急事態。戦術的な交替は、ノボリに替えて久木野を入れた最後のだけ。三人替えた後で、山瀬が担架で運び出されたり、井川がゴール前でうずくまったりしていて、満身創痍。
先発は、GK相澤、DF小宮山、菊地、井川、田中。柴崎と田坂のダブルボランチに、山瀬とノボリのサイドハーフ、矢島とジュニーニョのツートップ。久々に球場で観戦した。お弁当は、日本女子代表の快進撃にあやかり、和幸のとんカツ弁当「なでしこ」にした。日が沈むと気温も下がり、風が少し吹いていて、この季節としては観戦日和か。
対戦相手は、首位の柏レイソル。7/13(水)、広島を3対1で破っている。先発は、その広島戦と同じようだ。フロンターレは、前半開始から積極的に攻撃し、5分に矢島の先制点。右サイドを上がってきた柴崎から小宮山にパス、シュートしてこぼれたところを矢島が押し込んだ。ところが矢島は開始直後にも左足(?)を気にしていたが、29分にはすわりこんだまま立ち上がれず担架で下がり、予定より早く小林投入。その小林がすぐに追加点。またも柴崎から山瀬にパスが通り、山瀬がゴール前に送ったボールを小林がダイレクトで押し込んだ。これで2対0だが、ここでとても安心はできないのが困ったところ。前のホームゲーム福岡戦でも、3対0から2失点し、危ういところだった。
後半始まってみると柴崎がいない。実藤が右サイドバックに入って、なんと田中裕介がボランチに入っている。田中はボランチをやったことがあるのか? 柏レイソルも後半頭から、FW田中順也に替えてジョルジ・ワグネル、ボランチ栗沢に替えて茨田が入った。二人替えたレイソルは攻撃のスイッチが入ったように、どんどん攻めてくる。フロンターレは、こぼれ球を拾えず後手後手の対応に。修正できないうちに、9分、相手右サイドバックの酒井のクロスが菊地に当たって失点。26分にも同じ所を破られて、酒井のクロスからレアンドロ・ドミンゲスに痛烈なシュートを決められ、同点。前半は、ほとんどレアンドロには仕事をさせてなかったが、後半、ジョルジ・ワグネルからレアンドロにパスが通るようになり、決定的な仕事をさせてしまった。
後半になると、めっきり運動量が落ちるのは、前からだが、悪い循環に入ったとき、リズムを変えたり、ゲームを落ち着かせたりできる選手がいない。憲剛もイナもいないし、柴崎も交替。田坂はできないし、守備に回った山瀬はあまり役に立たないし、ボランチに入った田中はどこにいるのか。前半、小宮山が体を張ったボールカットから何度もチャンスを作ったが、後半は、GK相澤が、シュートやFKやCKをセーブ。こんなことでは、到底、得点などできないと思ったが、後半3本のCKをとった。しかし、田坂のキックは、いずれも大きすぎた。34分、登里に替えて久木野を投入。前線からボールを追い回してもらうしかない。
39分、その久木野がエリア内で相手DF近藤に倒され、PK獲得。これをジュニが確実に決めて再び勝ち越し。さすがエースの仕事だと感じた。あと5分、と思ったが、ロスタイムが4分もあり、その中で井川がゴール前の競り合いで倒れたり、山瀬が担架で運ばれたりして、冷や冷やだった。応援団の席の方から「アヴァンテ」の歌が聞こえてきたが、ちょっと早いのではないかと思った。たぶん3分30秒は過ぎていたのだろうが、主審は、山瀬の担架の時間をさらに足したのではないか。随分長いこと「アヴァンテ」を歌ったように思う。
いやもう、いつものことだが、とにもかくにも逃げ切った。他会場の結果を見ると、驚いたことに4位ガンバが甲府に負けて、フロンターレは3位に浮上。今節がちょうど17試合目で折り返し。次は「鬼門」のアウェイ新潟戦。井川が累積警告で出場停止。踏ん張りどころ。
サッカー短評 (2011.7/15)
日本女子vs.スウェーデン 3対1 (2011.7/14 フランクフルト) 女子ワールドカップ準決勝
なんと、先制すると負けないスウェーデンに逆転勝ちして、決勝進出を決めた。
先発は、初めて変更があり、永里の代わりに川澄。これが結局、あたった。前半10分、いきなりスウェーデンが先制。沢のバックパスをねらっていたようで、これを奪うと、GK海堀の届かないところへウクビストが豪快なシュート。スウェーデンは日本より間が一日少ない中2日。早めに点を取って逃げ切ろうという作戦か。日本は慌てずにパスをつないでいるうちにだんだんと自分たちのリズムに。こわい選手としてあげられていた8番のシェリーンは、前日の練習中に怪我して出ないのではないかと言われていたが、ワントップで先発してきた。しかしやはり怪我のせいかほとんど追ってこないので、それほど苦労せずに押さえていた。18分、宮間の左からのクロスに、ファーで川澄が相手DFともつれながら触り、ボールはてんてんとゴール内へ。拍子抜けするような同点弾。これで日本は、いっそうテンポよくボールが回るように。34分の宮間のFKは、得点したときと同じような位置。残念ながら枠に行かず。
後半は、スウェーデンの運動量が明らかに落ちており、早めに選手交替してくるかと思ったが、そうでもなかった。この大会、右MFとして起用されている大野は、本来FW。後半頭に惜しいシュートをうったが、クロスバー直撃。後半15分、左サイドバック鮫島が攻撃参加からシュート、相手GKがはじいたところに沢が落ち着いてヘディングで流し込んだ。NHKの解説、川上さんは「前半の自分のミスを帳消しにしましたね」と言った。これで逆転。この後スウェーデンが怒濤のように逆襲してくるかと思えば、相変わらず日本のペース。19分には、川澄がこの日2点目のミドルシュートをたたきこんで、勝利を濃厚に。スウェーデンはこの直後に選手交替したが、後手に回った。29分、その川澄に替えて永里が入る。日本は、2点リードしていても守りに入るようなことはなく、41分には、大野に替えて、初出場のFW高瀬、44分には、宮間に替えて、やはり初出場のDF上尾野辺を入れる余裕の采配。ロスタイム3分もセーフティーに逃げ切った。
これで銀メダル以上が確定。日本女子として最高の成績なだけでなく、男子も含めて初のファイナリストに。
サッカー短評 (2011.7/13)
浦和レッズvs.川崎フロンターレ 0対2 (2011.7/13 埼玉ス) 第4節
前半は、何度もチャンスがあった。ジュニーニョがほとんどフリーでうったのもあったが、決めきれなかった。ここで決めきれなかったのが、敗因。前半はシュート9本で、内枠内は2本。レッズはここ何試合かだんだんよくなってきたが、まだ連携が悪い。FWのエジミウソンが移籍し、高崎という選手が3トップの真ん中にいる。右に田中達也、左に原口と、はまればこわそうな前線。一番惜しかったのは、35分、ジュニーニョがDFからボールを絡め取って、ほぼフリーでうったループシュート。枠に行かず。
先発は、GK相澤、DF小宮山、菊地、井川、実藤。イナと柴崎のダブルボランチに、山瀬と憲剛のサイドハーフ、ジュニと矢島のツートップ。右サイドバックの田中裕介がイエロー累積で出場停止のところに実藤が初先発。
久しぶりの無得点。今まで30試合15得点は、J1トップタイ。取れそうなときにきちんと決めていないと流れがあちらにいってしまう。後半3分、山瀬のプレゼントパスを受けたジュニーニョがほぼフリーでうったシュートも枠の上。埼玉テレビの解説者に「ジュニーニョの決定力はどこへいったのでしょう」と言われてしまう。後半12分、原口の個人技でうたれたミドルシュートがゴールイン。17分に稲本に替えて登里を入れる。19分には菊地に替えて久々の宏樹が入る。しかし、流れは変わらず、だんだん足が止まってくる。34分、最後の切り札、小林を山瀬に替えて投入。しかし直後の相手CKから、いったん相澤がはじいたボールをDF永田に押し込まれてまたも失点。これで5試合連続2失点となってしまった。この暑い中、こちらは中3日、あちらは一週間空いていたのは、後半に体力の差が出ると思う。ちょっと後半、憲剛が消えている時間が多かった。
サッカー短評 (2011.7/11)
日本女子vs.ドイツ 0対0延長1対0 (2011.7/10 ヴォルフスブルク) 女子ワールドカップ準々決勝
今まで8回対戦して1分け7敗の相手。日本は初めから攻勢に出た。イングランド戦では選手の体が重かったので、沢が佐々木監督に進言して練習時間を減らしたという効果が出たようだ。先発は、グルーブリーグ3試合と同じ。GK海堀、DF鮫島、熊谷、岩清水、近賀。沢と阪口のダブルボランチに、宮間と大野サイドハーフ、永里と安藤のツートップ。ドイツのキャプテン、ガルフレーケスは身長179センチの長身。しかしFWではなく右サイドハーフ。平均身長でも8センチ以上ドイツの方が高いが、ドイツは放り込みではなく、パスをつないでくるサッカー。日本のDF陣は体を寄せて集中を切らさず守備をした。0対0で前半をしのぐ。ドイツにすれば計算外だろう。前半8分に右サイドハーフのクーリッヒが怪我で下がったのも不運だった。
驚いたのは、佐々木監督がハーフタイムで永里を下げたことだ。ドイツのポツダムでプレーし、「ドイツは第二の故郷」というほど、ドイツのサッカーになじんでいるはずなのに、かえってよく知られているせいで持ち味が発揮できないのかもしれない。相手のサイドバックは同僚らしい。替わって入ったのは丸山。ドイツは少し足が止まってきて丸山のスピードが生きる。21分には、大野をに替えて岩淵を投入。岩淵は、ドリブルをさせてもらえない。下がってボールをもらうと、止めてパスする先を探しているし、前でボールが入ると、さっとドイツのDFが二人寄ってきてボールをあっさりとられてしまう。軽く押されただけでパタッと倒れるし、それではファールはとってもらえない。自分の持ち味を出してドリブルでペナルティーエリアに切り込めばいいのにと思うが、自分に自信が持てないのか。
主審はメキシコの人で、後半、岩清水、阪口、沢と日本にだけ3枚イエローカードを出した。NHKの野地アナも阪口のは「これはボールにいっています」とリプレーの映像で言っていた。また、ゴール前の守備で、ドイツの選手の頭に当たっているのにCKにしたり、だいぶホームアドバンテージがあった。観衆も完全にアウェイの中、日本は守り抜き、とうとう延長戦へ。
延長前半1分、沢が相手選手に蹴られて担架で外へ。いつも痛みを我慢する方なのに、ものすごく痛そうだったが、ドクターから○が出てひと安心。前線の安藤も、プレースキッカーの宮間も相当きつそうな顔をしていたが、佐々木監督は、3人目の交替カードは切らない。ドイツは、延長前半終わりに近い13分、足の速いFWポップを入れてきた。
延長後半3分、日本が待望の先制点。後半、丸山が入ってから、時々チャンスを作れていたが、岩淵からのパスを受けた沢が、前線へショートループパス。そこへ走り込んだ丸山が角度のないところから足を振り抜いた。相手GKの逆をついた形になり、左隅にきれいに収まった。NHK解説の川上さんが、リプレーがひとしきり終わった後、「まだ10分ありますね。長いなあ。このまま10分耐えるだけというのは続かないので、何とか前の方でボールを納めてほしい。」と言った。当然、ドイツは猛攻をしかけてきて、放り込みもどんどんしてきたが、肝心のシュートが枠に跳ばず、何回もあったCKでは、GK海堀が思い切りよく、ほとんどキャッチした。延長後半11分、監督はついに3人目の交替で、岩淵を下げてMF宇津木を投入。いよいよ逃げ切る体勢に。ロスタイムは2分。思ったよりロスタイムは少なかったが、それでもたっぷり2分以上とってから笛。
地元でワールドカップ3連覇をねらったドイツの選手たちは倒れたり泣いたりしていた。日本の選手たちも、ドイツからの初勝利に呆然としているところもあった。でも試合後のインタビューで、「北京で負けた借りは返せたが、ここで終わったら、ベスト4だった北京と同じなので、次が大事。」と沢が語ったのはさすが。翌日の『日刊スポーツ』によれば、ドイツのナイト監督は「ゴールを決めないと負けるのがサッカー。今日はあと何時間やっても決まらなかった。」と語ったらしい。
次はオーストラリアを3対1で破った、世界ランク5位のスウェーデン。反対の山では、0対0からPK戦でイングランドを破ったフランスと、2対2からやはりPK戦でブラジルを破ったアメリカが対戦。
サッカー短評 (2011.7/9)
川崎フロンターレvs.アビスパ福岡 3対2 (2011.7/9 等々力) 第3節
立ち上がり福岡のペースになり、いきなり相手FW城後にシュートされ、相澤がはじいてピンチを逃れる。試合開始の午後7時でも気温30度をこえる梅雨明けの試合。4試合ぶりのホームゲームだが、マイペースに試合をコントロールできない。相手の福岡は最下位だが、前節初めて勝利し、勢いにのっている。やっと前半38分、稲本のミドルシュートがゴールを切り裂き、劇的な先制点。「移籍してきて1年半、ホーム等々力でやっと得点できて嬉しい。」と試合後に稲本は語った。
先発は、GK相澤、DF小宮山、菊地、井川、田中。稲本と柴崎のダブルボランチに山瀬と憲剛のサイドハーフ、ジュニと矢島のツートップ。
先制されても福岡の勢いは止まらない。しかし、前半のロスタイムに、小宮山からのパスを受けた山瀬が左からライン際までもちこんでゴール前に折り返すと、ニアに矢島、ファーにジュニーニョがつめ、相手DF五人をひきつれていき、その後ろのポッカリ空いたスペースに出たボールは、少しずれたかと思う間もなく走り込んだ憲剛が打ち抜いてネットをゆらした。これで一息ついてハーフタイム。
福岡は、怪我から復帰のボランチ中町が、前半はいいパスを出していたが、2点ビハインドのため後半9分、清水に交替。元ジュビロ→マリノスにいた清水だが、ボランチができるとは初耳。14分にはFW城後に替えてFW岡本を投入。フロンターレも13分、矢島に替えて小林を入れる。でも矢島よりジュニーニョの方が疲れているように見えたのだが、そのジュニが、21分、憲剛のパスに反応した小林のクロスをDFの後ろから出てきて楽々とゴールに流し込んだ。
スカパーの解説、秋田さんに、「フロンターレは、運動量の多い戦い方をしているので、特にこの夏場は勝っているときの戦い方を考えた方がいい」と言われてしまったが、全くその通り。稲本と柴崎の運動量が落ちてくると、その横のスペースを使われる。でも、下がって守りきれるチームじゃないし、柄でもない。たぶん、相手をいなすようなガンバのような試合運びを目指すべきなのだろう。
どんどん足が止まってきて、26分、後から入った岡本に1点返される。フロンターレも中盤の運動量を回復するため、稲本に替えて田坂を入れる。しかし、32分にも、速攻から崩されて岡本に決められる。これで俄然福岡がいいムードになり、あと15分近く残っている中で、追いつければ、アウェイで勝ち点1が現実的に。解説の秋田さんに、「田坂がリスタートのボールをすぐ蹴ったが、ここはそうじゃない」と言われる通り、味方の足が止まり、攻守の切り替えが遅くなっているのだから、時間を使わなければならないところ。ジュニーニョはよくわかっている。今日は、ボールを置いていったりシュートミスしたりして、どこか痛いのかと思ったが、この時間帯ではボールを持つと相手にとられない所にキープし、確実に味方につなぐ。42分には、山瀬に替えて実藤を投入。右サイドバックに入り、田中が一列前に上がる。ロスタイムは4分もあったが、なんとかしのぎ、サポーターは、残り30秒を切ってから、「アヴァンテ」を歌い始めた。
これで勝ち点27、順位も3位に返り咲き。フロンターレの方が相手チームよりシュート数が少なく、ヒトケタというのは、らしくない。翌日の新聞には「中村200試合記念弾」と出ていた。
サッカー短評 (2011.7/6)
日本女子vs.イングランド 0対2 (2011.7/5 アウグスブルク) 女子ワールドカップ2011ドイツ大会グループリーグB組
開始15分に、長身の相手FWに、警戒していたヘッドではなく、ループをうたれて先に失点。GK海堀も中途半端に前に出ていたというか、あの距離からのループシュートに心構えが足りなかった。イングランドはこの試合に勝たないと、決勝トーナメント進出が危ない。一方、日本は引き分けでも1位通過できるという差がこの気迫の違いになったと思う。前半は日本のリズムに持ち込めなかった。全体に体が重そうというかキレがないように見えた。毎試合得点すると言っていた永里がほとんどシュートしないのが気になった。
先発は、前2試合と同じ。GK海堀、DF鮫島、熊谷、岩清水、近賀。沢と阪口のダブルボランチ、宮間と大野のサイドハーフ、永里と安藤のツートップ。後半11分、安藤に替えて、独特のリズムのドリブルの丸山を入れる。
後半21分にも失点。後半から入ったFWヤンキーに決められた。30分にはボランチ阪口に替えて岩淵を投入。しかし相変わらず岩淵は、ボールを持つとドリブルで切り裂こうとせず、キープしてパス先を探しているように見える。37分に大野に替えてFW川澄を入れるが状況を打開できず。
今までのチームよりプレスが速い。正攻法のサッカーで、体も強い。これがヨーロッパ標準の戦いだというのが体験できたと考えていくべきだろう。
1位通過をねらったグループリーグを2位で通過。1位通過をねらったのは、準決勝でアメリカとあたらないようにするためもあったというが、準々決勝は、グループAを3連勝で突破したドイツ。ここも世界ランク3位の強豪で、日本は勝ったことがない。
サッカー短評 (2011.7/7)
U17日本vs.U17ブラジル 2対3 (2011.7/3 メキシコ) U17ワールドカップ準々決勝
前半16分にCKから、初先発の長身FWレオにヘディングで押し込まれ1失点したが、徐々にパスがつながるようになり、1対0で折り返した。ピッチのあちこちに、パスが止まるようなぬかるみがあり、日本のパスが少し不正確だったり、短かったりするとすぐ獲られてしまう。それでも、先制したブラジルの勢いが落ち着いた後は、少しパスを回せるようになり、30分過ぎにはやっとシュートまでいった。吉武監督は、ずっとピッチサイドで「落ち着いて」「前に送れ」などと叫んでいた。
先発は、GK中村航輔(1)、DFは4バックで俊足の左サイドバック室屋成(6)、植田直通(4)、身長185pの長身CBのキャプテン岩波拓也(3)、人に強い右サイドバック川口尚紀(2)、MFはボランチ深井一希(5)、喜田拓也(13)、ニュージーランド戦2得点の右サイドハーフ石毛秀樹(8)、FWは3トップで、左に早川史哉(12)、中央に南野拓実(9)、右に秋野央樹(17)。吉武監督は、前半終了直前に、FW秋野に替えて初戦ジャマイカ戦で得点した松本を投入。
後半は開始直後から日本が攻め上がり、いきなりシュートまでいったが、惜しくも枠の左。しかし、3分に、この大会既に4得点のFWアデミウソンに中央を破られ、角度のない技ありのシュートを決められ2失点目。15分にもこぼれ球につめたアドリアンに決められ、3点のビハインド。日本は20分に、喜田に替えて中島を投入。30分には、エース南野を下げて、最年少の15歳、高木が入る。すると32分、その高木が縦パスを受けて右サイドを深くえぐり、折り返すと、入ったばかりの中島が流し込んで1点返す。
主審は、メキシコの人で、おおむね教育的だったが、ブラジルの10番アドリアンに出たイエローは日本のDFとおあいこのようで少し厳しかった。でも、日本のCKと思って石毛が見送ったボールをゴールキックとしたり、明らかに相手DFのクリアもゴールキックとした判定もあった。前者はBSフジの解説、山口素弘も「副審はどういう判定だったのか」と言ったし、後者はスロー再生を見たアナウンサーが「明らかにCKです。」と断言した。山口も「試合展開が変わってしまう」と言った。
それでも、日本の攻撃意欲は衰えず、ブラジルは少し疲れてきたようで、足がつる選手も。日本は、高地対策をしっかりやったからか、体格は貧弱だが、足がつる選手はいなかった。38分にもうまくつないでシュートまでいったが相手GKが左手の先で押し出した。日本のGK中村もファインセーブを連発。もし勝ったらMVPかという働きだった。43分、石毛の右CKから、ファーサイドのDF岩波のヘディングがバーにあたった跳ね返りを早川が押し込んで2点目。最後も石毛の右サイドからの鋭いクロスに高木がとびこんだが間に合わず。ロスタイムも3分あったが、マイボールで攻めきれず、タイムアップ。
試合終了後、日本はピッチに倒れたり、泣いたりしている選手が多かった。室屋を慰めていたのが、ブラジルの監督だったのは驚いた。GK中村が涙をこぼしているところに相手のGKが来て抱きかかえた。メキシコの観衆もとても好意的だった。初のベスト4をねらったが、ベスト8で終わった。でも、特別にずばぬけた選手もいなくて、最後まで明らかなパスミスも目立ちながら正攻法のパスサッカーを表現し、ブラジルやアルゼンチンにも名前負けしなかったのは、よくやったと思う。
サッカー短評 (2011.7/3)
U17日本vs.ニュージーランド 6対0 (2011.6/29 メキシコ) U17ワールドカップ決勝トーナメント
なんだか最後はワンサイドゲームになってビックリ。これが17歳以下ということなのだろう。中田や宮本が出た自国開催以来の18年ぶりの決勝トーナメントとのこと。
日本が先制するまでは、ニュージーランドもボールを回したり、前線にロングフィードしたりしていたが、シュートはうてなかった。ところが、前半20分に右サイドハーフの石毛がかけあがり、相手サイドバックのコルヴェイをかわして入れたクロスが逆サイドのポストにあたってゴールへ。これだけならともかく、直後の22分、ボランチの望月からFWの早川へパス、早川が左から右へグラウンダーのクロス、右から石毛が押し込んで追加点。これでニュージーランドは後手後手に。ほとんどボールキープできなくなり、日本はいいリズムで回せるように。32分にまた石毛がシュート、こぼれたところを早川がつめて3点目。42分に望月と早川がパス交換、望月のクロスを相手GKがはじいたところにいたDFコルヴェイにあたってオウンゴール。コルヴェイは泣いたようだった。44分に、望月に替えてエース南野を投入。前半最後は、ニュージーランドは全くプレスをかけてこなくなった。シュートは結局前半はゼロ。
後半初めは、ニュージーランドも日系のFWヤマモトともう一人MFを入れて少し生き返り、プレスしてボールを奪い、シュートまで持ち込む場面も出てきた。しかし、後半11分、FW松本が少し下がって受けたボールを前方にスルーパス、左サイドをかけあがった室屋が中央にクロス、そこへつめた南野が落ち着いてポンとボールをゴールの中へ。この少し前に、同じように室屋から南野にクロスが入ったが、厳しいボールだったので、南野は届かなかった場面があった。南野はこの大会初ゴール。12分に、松本に替えてFW鈴木武蔵が入る。鈴木はまだこの大会無得点で、少し力みが見える。ニュージーランドはまたプレスがかからなくなってきた。29分にボランチのエッジを下げてFWのスタンフィールドを入れたが大勢に影響なし。35分には、ボランチ秋野がスルーパス、FW早川が押し込んで今日2点目。40分に、日本はなんとGKを交替。最後にニュージーランドが攻め込んできて、危うく失点しそうだったが、GK阿波加がシュートをキャッチ。これで全員が出場した。ニュージーランドのシュートは後半だけで、全部で4本。
次はいよいよブラジル。今度こそ本当に強い相手と対戦。フジNEXTの解説、風間さんは「相手をリスペクトしすぎないこと」と言っていた。
サッカー短評 (2011.7/3)
横浜F.マリノスvs.川崎フロンターレ 2対1 (2011.7/3 日産ス) 第2節
開始15分ほどマリノスの攻勢に耐え続けた。いきなり大黒のシュートがバー直撃。兵藤がCKやFKを誰もいないところに蹴ってくれて助かったところも。22分、最初のCKのこぼれ球を柴崎がシュート、左ポストを直撃したが、はねかえりが相手GK飯倉にあたってゴールイン。押されていたフロンターレが先制。しかし、その後、追加点のチャンスを何度も作るが決めきれない。矢島のシュートはGK、ジュニーニョ、山瀬のシュートは枠に跳ばず、憲剛のシュートもGK。そうこうするうち、マリノスのCB栗原からのロングフィードが大黒に通り、これをワンタッチでシュートされ、同点に。
先発は、GK相澤、DF小宮山、菊地、井川、田中。稲本と柴崎のダブルボランチに憲剛と山瀬のサイドハーフ。矢島とジュニのツートップ。マリノスサポーターは、小宮山と山瀬と田中がボールキープすると律儀にブーイング。
後半頭から、井川に替えて実藤が入る。マリノスは大黒に替えて渡辺が入る。16分のジュニのシュートはGK、17分のジュニのダイビングヘッドはわずかに外、22分の小宮山のミドルシュートもGK。26分、ジュニーニョが下がってきてボールキープしたところをカットされ、中澤のパスが渡辺に通り、すごいミドルシュートをたたき込まれる。30分、稲本に替えて楠神、35分には山瀬に替えて小林投入。ジュニーニョが小宮山からのクロスをシュート、跳ね返りを再び反転してシュートしたがわずかにポスト左。憲剛のミドルは大きく枠を外れる。小宮山がまたシュートするもGK。45分、あやうく谷口にシュートを決められるところだったがわずかに枠の上。GK相澤が触ったことにされ、CKになったがしのぐ。ロスタイム3分。小宮山のクロスを菊地がヘッド、こぼれを小林がシュートするが右ポスト直撃。小林の途中出場連続得点は途切れた。
これでアウェイ3連戦が終わり、次はやっとホーム。3位マリノスとの対決で敗れ、マリノスは首位柏レイソルと1差の2位、フロンターレは5位に後退。
サッカー短評 (2011.7/3)
日本女子vs.メキシコ 4対0 (2011.7/1 レバークーゼン) 女子ワールドカップ2011ドイツ大会グループリーグB組
なんと沢のハットトリックなどで、グループリーグ勝ち抜けを決めた。メキシコは速いパスを回してくるチームで、1トップ中央にキャプテンのドミンゲス、左にイングランド相手に得点したオカンポ、右にスピードのあるマジョール。トップ下に10番のガルサ。全体としては4−1−4−1システム。GKは16歳のサンティアゴ。日本の先発は、初戦と同じ。永里、安藤のツートップに、大野、宮間のサイドハーフ、沢と阪口のダブルボランチ。DF鮫島、熊谷、岩清水、近賀。GK海堀。熊谷の包帯はとれた。気温は初戦より10度近く低く、動きやすそうだ。
先制点は、前半13分、宮間のFKに沢がヘッドで合わせた。相手DFが永里をケアしてあいたところに沢がスーッと入ってフリーで決めた。この得点で代表通算76点となり、釜本さんの記録を抜いた。NHK-BS解説の早野さんが「2点目がほしいですね」と言った15分、大野が永里の落としたボールをニアに蹴り込んで追加点。39分には、宮間の左CKに「目が合った」沢がまたヘディングで3点目。
メキシコは、後半システムを3−5−2に変えてきた。パスをつないでシュートまでうたれた。日本は永里のシュートがポスト直撃。後半24分、安藤に替えて岩淵、大野に替えて川澄投入。前線からのプレスを強化。システムは4−1−4−1か? 35分、右サイドをオーバーラップしてきた近賀が入れたクロスを沢が今度は右足で押し込んでハットトリック。38分、その沢を下げて宇津木が入る。キャプテンマークは沢から宮間に渡された。みんなで永里に点をとらせようとパスを送るがうまくいかず。
沢は試合後のインタビューで「3点とれてビックリしている。帰ったら釜本さんに怒られると思う。」と言ったらしいが、7/2の『朝日新聞』夕刊に、「本音はあまり気持ちよくないがPKじゃないから許そう。まさか女子に抜かれるとは思っていなかった。」という釜本さんのコメントが載っていた。
女子ワールドカップは、16ヵ国の参加なので、決勝トーナメント進出イコールベスト8。7/5の第三戦のイングランド戦にグループ1位通過を賭ける。
サッカー短評 (2011.7/1)
日本女子vs.ニュージーランド 2対1 (2011.6/27 ボーフム) 女子ワールドカップ2011ドイツ大会グループリーグB組
日本がボールを支配しゲームの主導権を握っていたが、北京五輪の初戦で2点先制され引き分けた相手。監督も相手キャプテンも変わっていない。時折ロングボールを前線の174pあるFWハーンめがけて蹴ってくる。日本の先発は、永里と安藤のツートップ。宮間と大野のサイドハーフ、沢と阪口のダブルボランチ。DFは左から鮫島、熊谷、岩清水、、近賀。GK海堀。熊谷は5針縫ったという韓国戦での頭の怪我の包帯が迫力。沢は5回目のワールドカップ。
前半6分、相手パスミスをとった大野がすばやく前方にパス、これに反応した永里のループシュートが見事にゴールに収まった。しかし、12分、ニュージーランドが名本の左サイドからクロスを入れると、ゴール前は2対2になっており、相手FWハーンのヘディングで同点とされた。
後半、やはり日本が攻める時間帯が多かったが、気温35度と粘るような芝のせいもあり、追加点が入らない。後半10分、大野に替わって入った岩淵が前線からボールをカットし、ドリブルして好機を演出。しかしまだ遠慮があるのか、シュートしたらいいと思う場面で躊躇やパスが多い。NHK-BS解説の元代表・川上直子さんは「誰がこわいの?」と、前日聞いたが、「言えません」と言われたとのこと。 23分、その岩淵の中央ドリブル突破の突撃が、ペナルティーすぐ外でのFKにつながった。それを宮間が右上隅に見事に決めて、再びリード。ニュージーランドはもう一人背の高いFWを入れてきたが、しのいで白星発進。
佐々木監督は、試合後のインタビューで「1試合目の硬さが出た。日本の皆様、ハラハラさせてすみません。」と言っていた。
サッカー短評 (2011.7/2)
U17日本vs.U17アルゼンチン 3対1 (2011.6/24 メキシコ) U17ワールドカップ
なんと強豪と思われたアルゼンチンに「快勝」。やっと攻撃の目が覚めたのかと思ったが、アルゼンチンが下手だった。日本は試合開始から相手の名前に負けずに攻め、なんと4分に先制。味方のシュートのこぼれを初出場の高木が押し込んだ。その後のアルゼンチンのCKから、強いヘディングがとんできたが、わずかに枠の外。これが決まって同点になっていれば、展開が違ってきたかもしれない。しかし、20分に日本のCKから、DF植田がヘディングシュートを決めると、アルゼンチンの選手たちは呆然。日本もパスミスは相変わらず多いが、アルゼンチンもそこをすかさずついてこない。どうも、BSフジのアナウンサーが試合前に言っていたとおり、本当に上手い選手は、17歳になる前に国外移籍してしまうようだ。
後半はじめは、アルゼンチンもネジを巻いて、すばやいパスをつないで攻めてきた。前半最初からこんな感じで10分、15分と攻められていたら、日本も下がり気味になったかもしれないが、10分もすると前半と同じように五分五分の展開に。アルゼンチンは、個人の能力は高いのかもしれないが、それがチームとしてのうまさにつながっていない。日本の方も、解説の風間さんは、「落ち着いてワンツーでパスすればフリーになれるのに、自分で焦って不利にしてしまっている」と盛んに言い続けていた。それでも、後半29分、アルゼンチンがミスから自滅。日本の左サイドでボールを受けた相手選手がトラップミスでボールをラインの外に出してしまい、日本ボールのスローインに。すばやくリスタートした日本は、後半途中から入ったFW鈴木武蔵がスローインのボールを持って左サイドをかけあがり、ゴール前にあがってきた秋野にパス。秋野のシュートは一度は相手GKにあたったが、GKがつかめず、また目の前に戻ってきたボールをすかさず蹴り込んだ。これで勝負あった。最後に、途中で入ってきたアルゼンチンの10番の選手にミドルシュートで1点返されたが、両チームとも足が止まり始めていて追加点はなし。
グループBのもう1試合でフランスがジャマイカと引き分けてしまったので、なんと日本が1位通過。うーん、1位にしては迫力がないが、全試合で得点しているというのは、いいことだ。決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)は、グループDの3位ニュージーランドと対戦。準々決勝に進めば7/4にブラジルと対戦予定。
サッカー短評 (2011.6/27)
U17日本vs.U17フランス 1対1 (2011.6/21 メキシコ) U17ワールドカップ
アルゼンチンに勝ったフランスと引き分けは立派…なのかな? 前半、つたないパスミスをしていると思っていたら、24分、相手FWに思い切りのよいシュートをうたれて先制されてしまう。それでもフランスは、初戦に3対0というアドバンテージがあるせいか、ガツガツ2点目を取りに来ない。先制点の少し後に、同じようなボールを同じFWにうたれるが、これは枠に来なかった。ここで2点目が入らなかったのが、幸いした。平均身長で差があるだけでなく、体つきもとても17歳とは思えないアフリカ系の多いフランスチーム。それにしては、日本はおそれずにチャージし、ボールカットし、ブロックしたとは思う。
BSフジの解説、清水秀彦さんが「横パスばかりでねらわれている。もっと縦にボールを入れないと怖い攻撃にならない。」と言うとおり、フランスは日本にボールを持たせて体力温存。また、「狭い距離でボールを回していると相手のリーチが長いので、足が届いてしまう。3本目には長いパスを入れないと」と盛んに言っていたが、ピッチの監督も似たようなことをずっと叫んでいた。
後半は、ワントップの鈴木武蔵を二列目に下げ、真ん中に南野を入れると、彼にボールが収まるようになり、縦のパスが増えてくる。前半は、シュートは全てペナルティーエリア外からだったが、後半4分、縦のパスをつないで、石毛がペナルティーエリアに侵入。相手DF二人に倒され、なんとPKの判定。これを本人が決め、同点。この後、フランスは、アルゼンチンから2点とったというFWを入れてくるが、全体としては足が止まり、プレスもほとんどかけず、日本のミスを待っているだけになった。もっと積極的に裏をねらうとかサイドを深くえぐるとかすれば、2点目をとれて日本が勝てたかもしれない。フランスも本気でやれば、2点目がとれたのではないかと思うが、途中から「引き分けでもいい」というのが見え見えになって、相手の監督も打つ手なし、という感じだった。ジャマイカ戦より「9度も低い30度」(『エルゴラッソ』6/24・6/25号)だったというが、やはり暑さも一因かもしれない。
サッカー短評 (2011.6/25)
鹿島アントラーズvs.川崎フロンターレ 2対2 (2011.6/25 カシマス) 第18節
2試合連続アウェイで10人でのゲームとなった。先発は、GK相澤、DF小宮山、菊地、横山、田中。イナと柴崎のダブルボランチに山瀬と憲剛のサイドハーフ、ジュニと矢島のツートップ。出場停止の井川のところに横山。憲剛が4試合ぶりに先発。ところが、前半22分、横山が倒れて担架で出る事態になり、急遽、アップもせずに薗田投入。前半31分、FKからのボールを田代に流し込まれた。田代は、トラップした後、薗田と体を入れ替えシュート。寄せる間があったはずだが、厳しくディフェンスできなかった。しかも、前半ロスタイムにまたもFKからの失点。矢島のクリアを中田にたたき込まれ、2点のビハインドでハーフタイム。スカパー!の下田アナに「45分ずっと鹿島ペースだった」と言われてしまう。
後半、11分、14分と薗田がイエローカードをもらい、退場。飯田主審は、それまでも稲本のチャージをファールとしたり(これはスカパー!解説の名波も「今のはきれいにボールをとった」と言っていた。)スローインを逆に指示したり、変なジャッジは全部フロンターレに不利な方にかたよっていた。これで今日は、追いつければ上々だという雰囲気に。しばらく稲本がセンターバックに下がっていたが、18分に柴崎を下げて実藤を投入、稲本をボランチに戻す。25分、その稲本に憲剛からのパスが通り、稲本は二度三度フェイントをかけてから右サイドを上がってきた田中にパス。田中は、ニアにシュートを打ち込み、ようやく1点返す。32分、相馬監督は、何度か交替相手を変えた後、山瀬と替えて小林投入。ロスタイム直前、小林のシュートを相手GK曽ヶ端がはじいたこぼれ 球を稲本がヘッド、ゴール前の混戦の中、矢島がゴールライン上で押し込んだが、いったんゴールを認める笛が鳴り、主審が確認した副審もゴールの判定だったのに、鹿島のGK曽ヶ端たちが猛抗議したせいかオフサイドの判定となり、ノーゴール。下田アナも「いったん認めたゴールの判定がくつがえった珍しい例」と言っていた。しかし、ロスタイム4分の最後でフロンターレがCKを獲得。憲剛の左CKを今度こそ、小林が押し込んだ。最初のヘディングは相手DF西の背中で跳ね返されたが、西の体の後ろから足を出してかろうじてボールに触り、これがゴールイン。もう5分が過ぎていたが、鹿島のキックオフから数回パスを回してからようやくタイムアップの笛。鹿島は負けたよう、フロンターレは勝ったような勝ち点1。なんとこれで暫定2位。
サッカー短評 (2011.6/25)
U22クウェートvs.U22日本 2対1 (2011.6/23 クウェート) ロンドン五輪アジア二次予選
先制したところまではよかった。中東らしい詠唱の応援が絶え間なく流れる中、クウェートが立ち上がりから積極的に攻めてきた。15分くらいたつと落ち着いてきて、21分、右サイドバック酒井がオーバーラップして、相手DFと飛び出したGKの頭上をぬくループシュートを決めた。しかし、30分過ぎから、気温39度が体力を奪い、体が重くなってくる。先発に、FW永井が戻ってきた。山崎と清武のツーシャドーに、東のトップ下。山村と山本のダブルボランチ、DFは左から比嘉、浜田、鈴木、酒井。GKは権田。
日本は後半頭から、前半に怪我した比嘉に替えて吉田を投入。なんと5分、相手FKから鋭いシュートを決められ、あっという間に同点。14分には、センターバックの鈴木が、セーフティーにクリアすべきボールをとられ、エリア内で後追いして手をかけたところでバッタリ倒れられ、PK。少し厳しい笛のように感じたが、この試合の主審は、ワールドカップでも笛を吹いたウズベキスタンのイルマトフさん。前半早い時間のクウェートのシュミレーションなどきちんと見てくれた。PKをスレイマンにきっちり決められ、逆転を許す。17分、ボランチ山本に替えて山口投入。
このままでも日本が最終予選進出だが、ホームで1失点しているので、もう1点とられると適地で延長戦となる。それだけは避けたい事態。ところが、20分過ぎから、クウェートの選手の足も止まり始める。解説の山本さんは、さかんに「水を飲むだけでなく、首筋や足の付け根など太い血管のあるところにかけて体を冷やす」ように言うのだが、選手たちが水を飲んでいるところすら映らない。27分、山崎に替えて大迫投入。永井はまだ走れるようだが、山本さんによれば「いつものキレはない」とのこと。それにしても永井にいいボールが入らない。32分、35分と連続してCKのチャンスを得るが決められず。ロスタイム3分にクウェートにCKを与えてしまうが、GK権田のセーブでなんとか最終予選進出を決める。
こんなていたらくで、最終予選を勝ち抜けるのか。中東対策は、ちゃんと協会の中で引き継がれているのか。
サッカー短評 (2011.6/23)
U17日本vs.U17ジャマイカ 1対0 (2011.6/18 メキシコ) U17ワールドカップ
ボールキープ率は高いのに、シュートまでなかなかいけない。かえって相手にポスト直撃のミドルを打たれたり、ピリッとしない。0対0の後半頭から、ジャマイカ人の血を引く鈴木武蔵が左ウイングに入り、16分、ワンツーからやはり途中出場の松本が流し込んでやっと先制。その後は追加点をねらったがとれないままタイムアップ。
監督は、「誰が出ても同じサッカーができる」と言うが、逆にキーマンがいないということでもある。同じグループのもう一試合は、フランスがアルゼンチン3対0でに勝った。
サッカー短評 (2011.6/22)
清水エスパルスvs.川崎フロンターレ 2対3 (2011.6/22 アウスタ) 第17節
日本平初勝利! 激戦だった。4分にスローインのこぼれからの稲本のミドルがついに決まり、「ほぼ10年ぶりのJリーグのゴール」(スカパー!の下田アナ)を記録したのに続き、13分には、矢島からジュニ、ジュニがドリブルしてから入れたクロスにファーで山瀬がヘディングでたたきこんで2点目。鬼門のアウェイで幸先よくリードを広げる。しかし、フロンターレがとった時間が早かったのでこれでは安心できないと思っていると、好調のエスパルスも徐々にペースをつかみ、20分、左サイドバックの太田が高原から受けたボールを柴崎のマークをかいくぐってクロス、中央二列目からとびこんできたアレックスにヘッドで決められた。DF陣は、みんな棒立ちでボールを見ていた。スカパー!解説の水沼さんに「フロンターレの守備はポールのようだった」と言われてしまう。しかも前半終了間際、相手CKの攻防で井川のハンドをとられ、PKの判定。この判定に、頭に血がのぼった井川が抗議でイエローをもらい、PKは小野に決められ、前半で追いつかれてしまう。日本平には魔物がいるのかもしれないとちょっと思った。
先発は、GKに相澤が復帰、DF小宮山、菊地、井川、田中。イナと柴崎のダブルボランチに山瀬と田坂のサイドハーフ。ツートップはジュニと矢島。前節途中出場した憲剛はまだベンチスタートだったが、ゲームの流れを取り戻そうと、後半開始から稲本に替えて憲剛を投入。さっそくスルーパスを前線に入れる。やはり急にジュニーニョにいいボールが届き始める。ところが流れを取り戻しかけた矢先の9分、井川が高原を手で引き倒して二枚目のイエローをもらい退場。キャプテンなのに自覚が足りない。相馬監督は、大島をさらに投入しようとしていたが、とりやめ。田坂に替えて横山投入。今日は勝てない日かもしれない。しかし、ジュニーニョが流れを相手に渡すまいと、仕掛けてファールをもらい、13分ボスナー、15分辻尾と相手DF陣に次々とイエローが出される。
エスパルスも後半頭から、小野に替えて小林大悟、20分にはワンボランチ平岡に替えて高木を投入、3点目を取りに来る。フロンターレも22分、矢島に替えて小林悠を投入。23分、高木には、鋭いミドルをうたれ、バー直撃して助かったが、後半足が止まってきたところにこの俊足はつらい。昼間は30度を超し、夜七時でも27度以上。そうでなくても10人に減っている。しかし36分、憲剛の右CKからのこぼれを山瀬が左サイドて拾ってドリブル、クロスを入れると、CKで上がっていた菊地がファーで落とし、そこに走り込んだ小林は相手DFボスナーを背に後ろ向きのままヒールキック、これがボスナーのクリアしようとした足に当たってゴールイン。貴重な3点目となる。エスバルスは、小柄なFW大前に替えて、長身の永井を入れる。しかし永井に有効なボールが収まらない。結局、前半始めの高原のシュート、前半終わり頃の枝村の怖いシュート、後半ボスナーのミドルシュートなど何本か外してくれただけの失点機があったがしのぎ、ロスタイム4分もみんなで守り、タイムアップ。フロンターレのサポーターは、最後まで「アヴァンテ」を歌わなかった。
よくない点もあったが、ラッキーボーイ小林のおかげで、日本平の魔物を一掃。順位も3位キープ。
サッカー短評 (2011.6/20)
U22日本vs.U22クウェート 3対1 (2011.6/19 豊田ス) ロンドン五輪アジア二次予選
エースのFW永井(名古屋)が右足首のねんざときいたときは、不安だったが、大迫(鹿島)がワントップで出場。ツーシャドーが山崎(ジュビロ)と清武(セレッソ)、トップ下に東(大宮)。キャプテン山村(流経大)と山本(ジュビロ)のダブルボランチ、DFラインは4バックで、左から比嘉(流経大)、浜田(浦和)、鈴木(新潟)、酒井宏樹(柏)。
ガンバのFW宇佐美を呼ばなかったことから、事前の評では、永井を生かすためのチームということだったので、連携が不安だった。むしろ、大迫をターゲットに、清武や山崎が得点するかと思っていたら、先制点は、その清武。試合開始から日本がボールを支配していたが、前半18分、山村が左サイドを上がってきた比嘉にパス、比嘉がサイドをえぐって入れたクロスに、ニアで大迫がつぶれ、ファーへ走り込んできた清武が決めた。これでひと安心だが、NHK-BSの解説、長谷川さんは「もう1点ほしい」と言う。確かに何かの間違いで失点すれば、同点になるだけでなく、相手にアウェイゴールというプレゼントになってしまう。
前半37分、清武の右CKでDF浜田がヘディングで追加点。ニアで大迫が跳んでいたので、浜田は比較的フリーだった。身長も、クウェートはそんなに低くなかったが、競り負けるということはなかった。守備でも、クウェートチームでただ一人フル代表にも呼ばれているという相手FWスレイマンをうまく押さえていた。
後半開始から、クウェートが攻勢に出てきた。前半とはうって変わって、すばやくパスをつないだり前線に放り込んだりしてきて、別のチームのよう。10分くらい押されていたが、そこをしのいだ16分、DF浜田のクリアを山崎が拾い、ドリブル。山崎のパスを受けた大迫がフリーで相手GKの位置を見極め、シュート。ここまで理想的展開だった。18分、山崎に替えて原口(浦和)が入り、さらなる運動量とできれば追加点を狙いに行くが、逆に23分、DF酒井がクリアかバックパスか迷ったところをとられ、ゴール前にクロスを入れられる。鈴木のクリアが、後半交替して入った相手FWの足下に落ち、決められてしまった。24分、ボランチの山本に替えて山口(セレッソ)が入る。原口が27分、29分とシュートを放つが、いずれも相手GKやポストに防がれる。34分には、いい位置でのFKを東がねらうが、相手GKの読みが当たってはじかれる。40分には、その東に替えて登里(川崎)が入る。前方でドリプルして時間を使い、相手の消耗を誘う役割。ロスタイム3分の間にも、清武がシュートしたが、追加点はならず。
アウェイゴールは与えてしまったが、3点とれたので、最低ラインはクリアした。ベンチには、前日広島戦に出場した安藤(川崎)、大事をとった永井の元気な姿もあり、頼もしい。中二日でアウェイのクウェート戦。相手チームもこれから戻るので、時差はお互い様というところか。どんな形でもいいから、勝って帰ってきてほしい。
サッカー短評 (2011.6/18)
川崎フロンターレvs.サンフレッチェ広島 2対0 (2011.6/18 等々力) 第16節
3位の広島と5位のフロンターレ。中二日、雨上がりの試合。前回ホームで勝ちきれなかった反省から、立ち上がりから攻撃的に出てマイペースに。先発は、GK安藤、DFは小宮山、菊地、井川、田中。イナと柴崎のダブルボランチ、山瀬と田坂のサイドハーフ。ツートップは、矢島と小林。憲剛がベンチに戻ってきていて、ひと安心。このところ、山瀬の調子がよくて、早い時間からシュートをうって流れを引き寄せる。17分、稲本の強いミドルシュートは、相手GK西川に止められる。先制点は、前半35分。稲本から柴崎、小宮山とつながり、小宮山の速いクロスに矢島がニアで、ゴールに背を向けたまま右足アウトでゴール右隅へ。なかなか難しいシュートだと思うが、ちゃんとねらっていた。守備は、広島のツートップ、佐藤寿人と李忠成にいいボールが入らないように、うまく守れていた。右サイドでは、山岸の突破に田中が体を張った。広島は前半シュート0。
広島は、後半頭から石川に替えて右ウイングにミキッチ、8分にはボランチのトミッチに替えてムジリを投入。フロンターレも小林に替えてジュニーニョが入る。すると13分、菊地がパスを出して右前方に上がっていく。パスを受けた矢島は、速いドリブルでDFをかわして左からペナルティーエリアに接近、森崎カズが寄せる前に、鋭いクロスを入れる。ゴール前センターにジュニ、ファーに上がっていた菊地が豪快なヘッドで追加点。菊地の攻撃参加は珍しい。27分には、矢島に替えて憲剛が入り、山瀬が前へ。憲剛は、前線へ鋭いスルーパス、ワンタッチプレーなど、攻撃にさっそく変化をつける。前節ベンチの外で試合を見ていて、みんなにいろいろアドバイスしたらしい。BS-TBSの解説、水沼さんかアナウンサーによれば、若いFW小林には「DFに正面から当たらず半身で受けろ」など言ったらしい。34分、広島は三枚目の交替で、李に替えて高萩投入。広島の前線の運動量が増えるが、決定的な形は作らせない。37分、フロンターレの三枚目の交替は、稲本に替えて横山。5連戦の3戦目、疲労からくる怪我も気をつけなければならない。しかし、その横山のパスの受け損ないから、ピンチになりかける。残り5分とロスタイム4分、確実にパスをつなぐか、セーフティーにボールを切るか、疲れていない選手に判断ミスしてほしくない。なんとか無失点でのりきり、タイムアップ。
これで今季初の連勝。順位は入れ替わって3位に浮上。安藤をやっとU22に送り出せる。明日6/19に名古屋でオリンピック二次予選のニュージーランド戦。フロンターレは、これから清水エスパルス、鹿島アントラーズ、横浜F.マリノスとアウェイ3連戦。勝ち越して戻ってきたいものだ。
サッカー短評 (2011.6/18)
日本女子vs.韓国女子 1対1 (2011.6/18 ニンスタ・愛媛) 国際親善
激しい雨の中、女子ワールドカップに向けての壮行試合。ピッチの向かって右側は、パスが止まるほどの水しぶき。前半最初は攻め込んだが、次第に雨の中の戦い方を韓国の方がうまくのみこんだか、寄せが早くルーズボールをひろわれるように。日本の先発は、GK海堀(INAC神戸)、DF左から鮫島(フランクフルトへ移籍予定)、熊谷(浦和レディース)、岩清水(日テレベレーザ)、近賀(INAC神戸)。沢(INAC神戸)と阪口(アルビレックス新潟)のダブルボランチに宮間(岡山湯郷)と大野(INAC神戸)の二列目。永里(ポツダム)と安藤(デュイスブルク)のツートップ。前半18分、DF熊谷が接触で頭を1cmほど切って田中(INAC神戸)と交替。得点の臭いもしたが、韓国の時間帯も次第に増え、0対0でハーフタイム。
後半は、比較的ピッチのよい方へ攻める。ようやくパスがつながって先制したのは、後半25分。22分に安藤に替えて丸山(ジェフ千葉)、大野に替えて岩淵(日テレベレーザ)を入れた後だった。岩淵が相手にプレッシャーをかけ、沢と阪口も加勢。こぼれたボールを阪口、沢、永里とつなぎ、永里の入れた右からのクロスに宮間が合わせて正確なキックでゴールにシュート。しかし、5分後、GKの判断ミスとDFとの連携ミスが重なり、同点にされた。GK海堀は、前半から相手シュートをキャッチしていたが、雨の日はパンチングが基本。このときもキャッチにいって味方DFと交錯してボールをとれず、それを押し込まれた。そのまま追加点はとれず、タイムアップ。来年のオリンピック予選で対戦する予定の若い韓国に自信を持たせる内容になってしまった。
サッカー短評 (2011.6/15)
大宮アルディージャvs.川崎フロンターレ 0対5 (2011.6/15 NACKS) 第15節
前半たちあがり、何度かラファエルとイ・チョンスに攻め込まれたが、GK安藤のセーブとシュートミスのおかげで失点を免れる。GKと言えば、ベンチに相澤が戻ってきた。やれやれほっとした。先発は、GK安藤、DF小宮山、菊地、井川、田中。稲本と柴崎のダブルボランチ、田坂と山瀬のサイドハーフ。ツートップは、矢島と小林。
10分頃からリズムを取り戻して攻め続けるが得点できず。ようやく先制したのは、前半41分。稲本からのパスを受けた山瀬がv左サイドをドリブル突破。クロスボールにニアで矢島、センターで小林が飛び込み、ファーで田坂がダイビングヘッド。これが左サイドネットに突き刺さった。44分には、田坂の左CKに矢島がシュート、相手DFにあたった跳ね返りを、矢島が倒れたままパスをつなぎ、走り込んだ井川が右隅に蹴り込んだ。前半終了間際の追加点は理想的だった。
大宮は、後半頭から藤本主税に替えてFW石原投入。9分には、渡辺に替えて前フロンターレにいた村上も投入。大宮の左サイドから、村上とイ・チョンスで攻めてくる。しかし、19分にフロンターレに追加点が入り、かなりがっくりきたようだ。山瀬のシュートを相手GKが防いだこぼれ球に、つめていた小林が押し込んだ。いかにもFWらしい得点だった。スカパー!の解説、都並さんが「ヴェルディの武田もああいう得点が多かった」と言う。26分には、矢島が相手DF深谷とボールを競り合って奪い取り、そのままドリブルして、出てきた相手GKをかわすコースのシュートを流し込む。その矢島に替えてジュニーニョが入る。すると、33分、ジュニーニョからのパスを受けた山瀬が、5点目を決める。35分には、その山瀬に替えて、ルーキー大島が入る。アナウンサーが、大島は高校時代、J2水戸の特別強化指定選手として既に試合に出ていると紹介。37分、ジュニーニョの鋭いシュートがクロスバーを直撃。その後の田坂のFK、イ・チョンスのFKとも、枠に飛ばず。大島も惜しいシュートをうった。ロスタイム4分の最後まで大宮に攻められるところもあったが、初のアウェイ勝利、初の無失点試合。順位は、ひとつあがって5位。
試合後、相馬監督が都並さんのインタビューに、「久々に最後安心して見ていられた」と語ったのが、妙に納得できた。
サッカー短評 (2011.6/11)
川崎フロンターレvs.ヴァンフォーレ甲府 2対2 (2011.6/11 等々力) 第14節
雨があがったばかりの午後5時キックオフ。先発は、GK安藤、DF小宮山、菊地、井川、田中。イナと柴崎のダブルボランチに、憲剛と山瀬のサイドハーフ。矢島と小林のツートップ。甲府の選手で顔と名前が一致するのは、今季清水から来た市川と伊東、元FC東京にいたFW阿部と元マリノスのFWハーフナーくらい。
結局、甲府ペースだったということなのだろう。堅く守って、前線のハーフナーに放り込む戦術が徹底されていて、迷いがない。こちらはまたもや、シーズン当初のような連携の悪さ。ボールを持った選手がパスの出しどころを探して、持ったまま止まってしまう。それでも前半34分、攻め上がった右サイド田中のシュートを、小林がちょっと触ってゴールを決め、得意の先制の形にはなった。しかし、6分後、サイドチェンジから、相手サイドバック市川のクロスに阿部が飛び込み、ヘッドで決められた。身長はさほどないのに、マークが甘い。
それでも後半開始早々の4分、山瀬の勝ち越しゴールでいい流れに戻るかと思った。後半頭から、憲剛に替わって出た田坂のFKに、ニアで競った菊地の後ろに抜けたボールにヘッドを合わせた。しかし、またも5分後にハーフナーにしてやられた。しかも阿部からのパスを足で決められた。高さに競り勝てなかったのではなく、マークが甘かった。この後、何度も攻め込むが、甲府は体を張って守る。22分、小林に替わってジュニーニョを投入。しかし、憲剛がいないせいか、まだ試合勘が戻りきらないのか、シュートにいく前に押さえられてしまい、チャンスメークに回っている。43分、山瀬に替えて楠神を入れるが、ちょっと交替が遅いのではないか。確かにその直前に井川の足がつったりしていたが。後半になると、だんだん足が止まってくるのはずっと同じ。
これから水曜土曜水曜土曜と5連戦の初戦を、せっかくホームで始められたのに、はずみのつかない引き分け。5/19には、U22のアジア二次予選本番があり、安藤と登里が招集されている。それまでに相澤は、復帰できるのか、それともシュミット・ダニエルがゴールを守るのか。安藤は、後半途中ですごいロングスローを投げた。キックより正確に前線に届きそうだ。前半で下がった憲剛の怪我は、大丈夫なのか。なんとか6位キープしたが、選手層をこれから問われるところだろう。
サッカー短評 (2011.6/8)
日本vs.チェコ 0対0 (2011.6/7 横浜国際) キリンカップ
三試合とも0対0の引き分けで三ヵ国優勝というわけのわからない結末。日本は、海外組7人先発で3−4−3の布陣。GK川島(リールセ)、DFは伊野波、今野、吉田(VVV)。遠藤と長谷部(ヴォルフスブルク)のダブルボランチに、長友(インテルミラノ)と内田(シャルケ)のサイドハーフ。スリートップは岡崎(シュトゥットガルト)、李、本田(チェスカモスクワ)。
前半から積極的に攻めるが、パスがずれたりして、なかなか合わない。チェコは、GKのチェフ(チェルシー)が「現在世界最高のGK」と言われるだけあって、素晴らしい。セービング、ゴールキック、ハンドスロー、コーチング。キックとスローは、追い風でもないのに、相手陣内深くまで飛び、長身選手がヘッドで競り勝って落とすと、もうゴールチャンス。しかし、シュートのミスや、つないで崩すのはほとんどない。まさに「堅守速攻」。前半10分のFKは、本田が蹴るが壁に当たる。37分のFKは、遠藤が狙って、素晴らしいキックが枠に飛んだもののチェフにはじかれる。
後半日本は交替なし。12分、遠藤のスルーパスに走り込んだ長友がシュートまでいくが枠に飛ばず。ザック監督は、珍しくライン際でこわい顔をしていた。きっと練習でできていたことができないのだろう。19分、遠藤に替えて家長(マジョルカ)、伊野波に替えて槙野(ケルン)が入る。李がボールをもらう場面が増える。32分、最大の得点機。本田が左から入れたクロスに、岡崎がヘディング、相手GKチェフが両手ではじいた後、直ちに起き上がって、こぼれ球を押し込もうとした李のシュートを倒れながら左手だけではじく。37分のFKは、本田が狙うが、枠の右外へ。44分、岡崎に替えて関口が入る。ロスタイム3分の最後に李がファールされて得たFKは、本田がまた直接ゴールをねらったが、惜しくもバーのわずか上のネットに。これでタイムアップ。日本もチェコもペルー戦よりはよかった。翌日の『朝日新聞』によれば、ザック監督は「短い期間にこれだけできるとは驚きだ」と語ったと言うが、まだまだ。
結局、チェコ戦は3人しか交替しなかったので、GK西川と東口、MF柴崎、FW宇佐美は2試合とも出番がなかった。これでワールドカップ予選までは、あと一試合だけ。8/10の韓国戦を残すのみとなった。
サッカー短評 (2011.6/5)
サンフレッチェ広島vs.川崎フロンターレ 2対2 (2011.6/5 広島ビッグアーチ) ナビスコカップ1回戦
幸先よく先制したが、逆転され、結局は後半最後で追いつき、アウェイで引き分け。アウェイゴール二つが収穫。
先発は、GK安藤、DF小宮山、菊地、井川、田中。稲本と憲剛のダブルボランチに登里と山瀬のサイドハーフ。矢島と小林のツートップ。アウェイのフロンターレが初めから積極的にいき、先制は2分。小宮山からのクロスを矢島が落とし、山瀬が決めた。広島は、代表にGK西川、MF森脇、FW李が呼ばれている上、怪我で山岸とミキッチもいない。こちらは、柴崎が代表に呼ばれただけで、憲剛もいるし稲本も戻ってきた。29分相手のミスでこぼれてきたボールをフリーで山瀬がダイレクトシュートし、枠を外したが、トラップして打てば追加点になったかもしれないチャンスだった。憲剛のミドルも大きく枠の外で、この間のガンバ戦ですばらしいミドルを決めたのに…と思うが、いずれも最後の精度が悪い。フジネクストの解説、風間さんが「フロンターレは中央は固めているが、両サイドの裏、センターバックの両側が空く。広島はそこをねらっている。」と言う。41分、小宮山の裏の山崎にクロスを入れられ、飛び込んだ相手DF服部にヘッドを決 められ、同点に追いつかれる。ロスタイム1分に小林がほぼフリーでシュートしたが枠の上。ガンバ戦の後、シュート練習したんじゃなかったのか。
後半も、フロンターレが攻める時間が多かったが、稲本のミドル、憲剛のミドルとも枠を外れる。広島は、FW山崎に替えてムジリ投入。すると、後半16分、矢島がポストで落としたボールを拾われ、広島のカウンターとなり、前がかりだったフロンターレのDFライン裏にスルーパス。フリーでムジリが受けてゴールを決められる。19分、稲本に替えて田坂、23分、小林に替えて楠神投入。しかし、なかなか流れを引き戻せず。28分、ノボリに替えて大島初出場。FWだと思っていたが、ボランチの位置へ。憲剛が一列あがったらしい。大島は初めてにしては、うまくやれているようだった。攻撃参加したとき、当たられて簡単によろめいていたが。広島もFW佐藤寿人に替えて新人のFW井波を投入。42分、その井波にムジリがやさしいクロスをプレゼントしたが、はずしてくれた。44分、憲剛の左ショートコーナーから、小宮山が鋭いシュート。逆サイドのネットに突き刺さり、同点に追いつく。ロスタイムは3分。最後にムジリの強いミドルシュートが枠 に飛んできたが、安藤が横っ飛びではじき出した。
ホームの第二戦は、7/27。それまでには、ベンチの控えGKがU18の内山だったり、特別指定選手のシュミット・ダニエルだったりしないメンバーでいてほしい。
サッカー短評 (2011.6/5)
日本vs.ペルー 0対0 (2011.6/1 東北電力ス) キリンカップ
ペルーは、最近ワールドカップに出ていないが、南米の国は世界ランクに関係なく、ボール扱いがうまい。日本代表は、ザッケローニ監督が、初招集した西(鹿島アントラーズ)を先発させ、3−4−3のシステムを試した。二日間しか練習していないため、みんな固かった。TBS解説の堀池さんには、「楽しくなさそう」と言われてしまう。先発は、GK川島、DF伊野波、今野、栗原。遠藤と長谷部のダブルボランチ、アウトサイドハーフに安田と西。スリートップは中央に前田、左に岡崎、右に初招集の関口(ベガルタ仙台)。本田圭佑、長友、内田はベンチスタート。安田は時折攻撃参加していたが、西は長所を見せられず。関口もあまり出てこない。23分の遠藤のFKは、トルシエが持ち込んだCKの「スリーパー」のFKバージョン。これはキックのうまい選手が二人必要。長谷部のダイレクトシュートは、残念ながら、枠の外。ペルーはペナルティーの外からでも、強いシュートを枠にうってくる。川島がうたれづよくてよかった。消化不良のもどかしい感じでハーフタイム。
後半は、西に替わって本田圭佑。システムも、アジアカップの時の4−2−3−1にしたようだ。本田のキープ力もあるが、後半は俄然ボールが回り出した。11分の本田のFKは、少し落ちきらずに左上隅の外側へ。ペルーは、シャルケで内田の同僚のファルファンがエース。背が高くて厚みもある。22分、二人交替。前田に替えて李、関口に替えて長友。この二人は、アジアカップ決勝ゴールの組み合わせ。ペルーもファルファンが下がる。26分、安田に替えて興梠。30分には、伊野波を下げて、代表初出場の森脇投入。39分、長友からのパスを受けた本田が相手DFとぶつかって(ぶつかりにいって)、いったんヒザをついたがすぐ立ち上がりダイレクトシュート。最後ペルーの強いシュートが立て続けにくるが、川島がビッグセーブ。ロスタイムの最後で遠藤がFKを蹴るが、ほんの少し枠の外。これが決まると気持ちよかったが、煮えきらないままタイムアップ。親善試合だし、南米選手権辞退で、今しか新布陣を試せないので、しかたないが、つまらなかった。
サッカー短評 (2011.5/30)
川崎フロンターレvs.ガンバ大阪 2対1 (2011.5/29 等々力) 第13節
台風接近の土砂降りの中、劇的勝利。ACL組三連戦の最後は、ACLラウンド16一発勝負をホームでセレッソ大阪に敗れたガンバ大阪。焦点をリーグ戦に絞ったガンバに前半から押し込まれた。宇佐美もイ・グノも速い。そこをなんとか0対0でしのいで後半へ。
先発は、GK安藤、DF小宮山、菊地、井川、田中。憲剛と柴崎のダブルボランチに登里と山瀬のサイドハーフ。矢島と小林のツートップ。なんとジュニーニョとGK相澤がケガで離脱の新布陣。
後半6分、ガンバ右サイドからのクロスに、ゴール前の攻防で田中のハンド(?)をとられ、PKの判定。これをアドリアーノに決められ、「思わぬ形で失点」(テレビ朝日の角沢アナ)。しかし、16分、小宮山からパスを受けた憲剛が、パスを出すと見せかけて相手DF二人の間を抜く鋭いシュートをファーのサイドネットにたたき込む。これで息を吹き返したのか、この試合は、後半になってもフロンターレの運動量がそれほど落ちず、何度も得点のチャンスを作るが、追加点を決めきれない。18分の山瀬のシュートはクロスバー。こぼれを小林が押し込もうとしたが枠を外れる。3試合連続得点中の小林だが、この豪雨でうまく扱えないのか。
ガンバは21分、イ・グノに替えて長身FW平井を投入。しかし、平井に効果的なロングパスは通らず。34分、フロンターレは山瀬に替えて楠神投入。昨年アウェイのガンバ戦で後半だけでハットトリックしたが、この日は目立たず。41分、ノボリに替えて久木野投入。楠神と久木野でシュートまでいくが相手GK。43分、憲剛のCK菊地がヘディング、こぼれを小林がシュートするがポスト直撃。ロスタイム3分。遠藤のシュートをGK安藤が押さえ、ちょっとこぼしたところは小宮山が体でカバー。直後のカウンターで久木野が加地のファールを受け、最後のブレーでFK。これを憲剛が見事に左上隅に決めて、スタンドの前でフロンターレの選手が喜びを爆発させているところでタイムアップ。試合直後のインタビューで、「今の気持ちは?」と聞かれた憲剛は「信じられねー! 超気持ちいい!」と興奮冷めやらぬコメント。しかも「蹴る前から入る予感がしていた」とのこと。
これで8位からひとつ上がって7位。来週はキリンカップ。フロンターレからは、柴崎が初選出。ガンバからは宇佐美が初選出。試合後、サポーターが「テセ・ゴール」を歌っていると思ったら、テセが挨拶して回っていた。試合前には、川島も挨拶したらしい。結局FW陣は得点できず、全得点が憲剛。安藤はリーグ戦初出場だったが、U22でアジア大会に出て、経験を積んでいたのがよかったと思う。
サッカー短評 (2011.5/20)
セレッソ大阪vs.川崎フロンターレ 3対3 (2011.5/20 キンチョウス) 第12節
セレッソのACLの試合(なんと対ガンバ大阪戦)のため、一試合だけ金曜開催。今まで勝っていないアウェイの試合。ところが幸先よく、17分に山瀬のヘディングシュートで先制。おまけに29分、山瀬とのワンツーから矢島の追加点。理想的な形で前半を戦い、Jスポーツの解説者、山野さんに「川崎のワンサイドゲーム」とまで評されたが、後半、ジュニに替えて小林を入れたものの前線からのプレスが減って、全体が間延び。セレッソは前半のように細かいパスをつながずにロングボールを前線のピンポンに出し、川崎のクリアを拾ってカウンター、という戦法に切り替えて、功を奏した。後半7分、9分とあっという間に2点とられて追いつかれた。クルピ監督は、ハーフタイム「後半もメンバーは替えない。このままだと負け犬だぞ」と言ったらしい。山野さんは、「どちらの1点目もGKのミスから生まれた。」と言う。山瀬のヘディングは強くなかったが、相手GKの足下に落ち、手で取ろうとしたが取りきれずに、転がり込んだ。セレッソの1点目は、CKの守備でGKの相澤が飛び出したものの触れず、清武にヘッドでおしこまれたもの。
フロンターレの先発は、GK相澤、DF小宮山、菊地、井川、田中。ダブルボランチに憲剛と柴崎、サイドハーフに山瀬と登里、ツートップに矢島とジュニーニョ。後半頭からジュニに替えて小林を入れ、同点になった後の18分、ノボリに替えて楠神投入。すると、27分、矢島のクロスを受けた楠神が切り込み、なぜかフリーの小林にゴール前を横切る横パス。これにつめた小林は飛び出す相手GKの脇をぬく冷静なシュートを流し込む。これで再び勝ち越し。小林は3試合連続得点。しかし、ここで試合を納められないのが悪い癖。セレッソの猛攻に与えたCKで、マルチネスをマークした田中の頭にボールがあたり、見事なオウンゴール。むざむざ試合を降り出しに。その後、何度か攻め入ったが、得点に至らす。44分に山瀬に替えて久木野を入れたが、ロスタイム5分も同点のまま引き分けた。セレッソの選手が試合後笑顔だったように、フロンターレが勝ち点2を落とした試合だった。セレッソは、開幕戦でカンバに負けて、以来全て引き分けらしい。しかし、キンチョウスタジアム不敗神話は続いているとか。
サッカー短評 (2011.5/15)
川崎フロンターレvs.鹿島アントラーズ 3対2 (2011.5/15 等々力) 第11節
結果的に辛勝した。前半は、ようやくパスがつながるようになって、やりたいサッカーの片鱗が見えた。立ち上がりは少し押し込まれたが、スカパーの解説、秋田が言うように「鹿島の選手はACLの疲れか、体が重い。」先発は、GK相澤、DFは小宮山、菊地、井川、田中。ダブルボランチは憲剛と柴崎。サイドハーフは山瀬とノボリ。ジュニと矢島のツートップ。前半10分、憲剛の左CKから、こぼれたボールに、ジュニがすばやく振り抜き、カバーに入った小笠原の股間を抜けてゴールイン。ジュニーニョは今季初得点。この後、こぼれ球をことごとく拾えるようになり、何度も追加点のチャンスは作った。31分、憲剛が小笠原のところでボールをカットし、矢島へパス、矢島が出したパスに山瀬がダイレクトで合わせて、逆サイドのサイドネットに突き刺さるシュートで2点目。山瀬は移籍後初ゴール。いい流れでハーフタイム。
後半は、一転して、アントラーズがネジをまき直して、5分に得点。アントラーズに2点のリードでは危ないと思ってはいたが、失点が早すぎる。野沢からのパスに遠藤が走り込んでフリーでシュート。その後は、アントラーズペースで、フロンターレはGK相澤のビッグセーブで3点ほど助かった。後半15分にノボリに替えて横山を入れ、憲剛を一列あげる。22分には、疲れた矢島に替えて小林を投入。小林には前線からのブレスを期待。ジュニーニョに位置取りを指導されていた。アントラーズは32分に一度に二人交替。FW大迫に替えてカルロン、小笠原に替えて増田。オガサはキャプテンマークをしたまま下がった。直後にカルロンへのパスが来たが、通らず。逆に33分、柴崎から憲剛へパスが渡り、憲剛から前線へ絶妙なスルーパス。小林が倒れながらもシュートを流し込み、再び2点差。37分、鹿島は、野沢に替えて新人の柴崎岳を投入。すると解説の秋田が「かえってボールがつながらなくなった」と言うように、オガサや野沢の精密なパスと比べると怖さが少ない。それでも次第にアントラーズに押し込まれて、ゴール前での攻防が続く。ロスタイムが5分もあり、カルロンに押し込まれて3対2。ロスタイム4分に、山瀬を宏樹に交替したりして時間を稼ぎ、なんとか逃げ切った。
これで3勝3敗、五分の星になった。
サッカー短評 (2011.5/7)
ヴィッセル神戸vs.川崎フロンターレ 1対0 (2011.5/7 ホームズス) 第10節
攻めの形ができていない。最後のクロスが合わないとか、そういう細かいツメではなく、相馬監督の求めている攻撃の形が見えてこない。選手たちの中でも、同じ絵が描けていない感じがする。
先発は、GK相澤、DF小宮山、菊地、井川、田中。ダブルボランチに憲剛と柴崎。サイドハーフに山瀬と登里。ツートップはジュニーニョと矢島。そういえば、楠神はどうしたのだろう。ベンチにもいないが、故障者として名前があがっているわけでもない。
後半23分に、交替で入ったばかりの朴にシュートを決められてしまい、失点。直前に、ジュニが相手DFに背後から倒されて、少しの間、びくともせずに横たわっていたので、気持ちの集中が切れたところがあったのかもしれない。28分にノボリに替えて新人の大島、33分に菊地に替えて横山、35分には矢島に替えて小林を入れたが、得点できず、タイムアップ。神戸の選手の方がよく走っていた。
サッカー短評 (2011.5/3)
川崎フロンターレvs.ジュビロ磐田 1対0 (2011.5/3 等々力) 第9節
今にも降りそうな天気だったが、試合終了までは持ちこたえた。試合は、途中から10人になったジュビロ磐田を攻めあぐねた。どうにもこうにも連携が悪い。矢島もジュニもパスを受けてからの落としどころを探している。山瀬も田坂も気の利いたところにいないし、憲剛のパスも少し長過ぎる場面があった。
先発は、杉山が前の名古屋戦で右手を骨折して全治8週間で、GK相澤。DF小宮山、菊地、井川、田中。ダブルボランチに柴崎と憲剛。サイドハーフに山瀬と田坂。ジュニと矢島のツートップ。稲本も前の試合で肉離れ全治3週間。
井川と菊地で相手FW前田はよく押さえていたが、CKから、GK相澤の好セーブで失点を免れる場面も。前半30分、ジュビロのDF山本脩斗が二枚目のイエローカードで退場。倒された田坂が怪我でノボリと交替。憲剛のFKに、ニアで矢島が頭に当てるがわずかに枠の外。これが前半一番惜しかった。数的優位になり、何回もチャンスを作るが、クロスが中の選手に合わない。
後半も何度もチャンスを作り、何本もシュートを打つが入らない。ノボリの右からのクロス、小宮山のミドルシュート、山瀬のドリプルからの突破、ジュニが左に開いてのクロス…。ジュビロは後半1本しかシュートしていない。対するフロンターレは最終的に後半だけで14本もシュートしたが、枠内は何本あったのやら。後半22分、ジュビロはFW山崎に替えてジウシーニョを入れてきた。昨年、アウェイを見に行った試合で得点されているが、今日はあまり存在感を示せず。34分、登里に替えて小林を投入。相馬監督は、前節に続いて、怪我人の代わりに出た選手をまた交替した。しかし、これがあたった。小宮山の左からのクロスにジュニーニョがシュート、相手DFがはじいたボールを右からつめていた小林が押し込んだ。こちらがフラッグやタオルマフラーを振っている間にロスタイム3分に突入。主審が時計を見て、もうタイムアップかという時に、スローインの位置が違うと、二度もスローワーが変わったりしたが、ここでやっと笛。連敗を2で止めることができた。小林はプロ初得点。「あんたが大賞」だけでなく、今季から始まったマクドナルド提供の「決勝点」の賞品ももらっていた。本人は「無我夢中でよく覚えていない」そうだ。
サッカー短評 (2011.4/30)
名古屋グランパスvs.川崎フロンターレ 2対0 (2011.4/29 瑞穂) 第8節
まだ今季勝ちがない、昨年優勝したホームチームに完敗した。先発は、GK杉山、DFが小宮山、菊地、井川、田中裕介。ダブルボランチに稲本と柴崎、サイドハーフに憲剛と登里、矢島と山瀬のツートップ。山瀬や矢島がシュートもしたが、枠に飛ばず。名古屋は、玉田が先発にMFで復帰、怪我した金崎の代わりに、ケネディと永井のツートップに変更。怪我の阿部の代わりにアレックスが先発。13分、稲本が右太もも裏を押さえながら、田坂と交替。憲剛がボランチに下がり、田坂が右サイドハーフに。28分、名古屋も闘利王が自分から×サインを送り、千代反田と交替。34分、ケネディがボールをヘディングでキープし、落としたところへフリーの玉田が走り込んでシュート。菊地が止めに行ったが間に合わず、利き足でない右で決められた。ケネディのマークは菊地ではなく、井川だった。先発DFが横山でなく菊地なのは、ケネディ対策かと思っていたのだが。前半45分、山瀬のドリブルで相手DFをかわし、出したボールを矢島が押し込んだがオフサイド。一番惜しいシーンだった。これが決まっていれば後半の展開も違っていたのに。
後半頭から、ノボリに替えてジュニーニョ。ジュニからのパス、クロスにチャンスが生まれるが、得点できず。解説の水沼さんが「ジュニーニョに通るパスはあるが、彼がはたいて再度受けるヴィトールのような相手がいない」と言われる。本当だ。ジュニが怪我で出遅れて周囲との連携が悪いのかと思っていたが、憲剛はジュニにパスを通している。ノボリか山瀬にやってもらうしかないか。後半37分、またもやケネディにボールがわたり、ヒールで出したパスに玉田が合わせ、2点目。43分、田坂に替えて久木野が入ったが、枠外シュート一本。せっかく昨年2勝した相手だったのに。よかったのは、名古屋の俊足新人・永井に決定的な仕事をさせなかったことくらいか。
サッカー短評 (2011.4/23)
川崎フロンターレvs.ベガルタ仙台 1対2 (2011.4/23 等々力) 第7節
情けないの一言。約一ヵ月半ぶりの再開。相手が被災地のチームであるベガルタ仙台だということで、遠慮や配慮は不要とはいえ、やりにくい状況ではあった。おまけに、強い雨と風で、ボールが落ち着かず、どちらの選手もミスパス、ミスキックなど多かった。仙台は、その中でも積極的な姿勢で攻勢に出て、フロンターレは、前半シュート数でも負けていたように、押されている時間帯が長かった。しかし、前半37分、山瀬にボールが出て、粘ってゴール前にクロス、田中裕介が走り込んだシュートが相手DFとGKの間をすり抜けてゴール。いい時間帯で先制し、少し連携もよくなってきたように見えた。
先発は、GK杉山、DFは左から小宮山、横山、井川、田中。稲本と柴崎のダブルボランチに、サイドハーフ左に憲剛、右に登里。ツートップは矢島と山瀬。スカパーの倉敷アナは、「中村憲剛にボールが集まらない。」「柴崎はもう少し早くボールを捌いた方がいい。」と言っていたが、その二人から効果的なゲームメイクのパスが出ることは少なかった。柴崎は、移籍前から評価が高かったと言うが、良さがまだ全然わからない。まだこのメンバーとシステムで戦う公式戦二試合目。何年も手倉森監督の下で育ってきた仙台とは、チームの熟成度は雲泥の差。いくら震災で練習不足、メンタル不安定の面があったとはいえ、試合本番では、無意識に体にたたき込まれている戦術がものを言う。
後半、フロンターレは、2点目をとりにいき、かなりいい形も作ったが、決めきれず。後半17分、仙台は、ボランチを一枚削ってFWの中島を投入。フロンターレも20分、怪我明けの山瀬に替えて田坂を投入。しかし、仙台の右ウイング太田がうったシュートがDF横山の足にあたって、飛び出したGK杉山の手の上を通過して失点。同点になった途端、仙台の動きがよくなった。28分、仙台は足を痛めたCBチョに替えてボランチ斉藤を投入。31分得点した太田の足がつって富田と交替。フロンターレも32分に矢島に替えてジュニーニョ、ノボリに替えて新人FW棗(なつめ)を投入。足が止まってきた仙台を攻めたてたが得点できず。逆に、41分、左サイドライン際で横山が相手を手で押しのけてボールを奪い取ったのがファールとなり、倉敷アナに「しなくてもいいファール」と言われる。このFKをリャンがゴール前に落とし込み、相手CBの鎌田のヘッドにドンピシャリ合い、逆転される。鎌田をマークしていたのも横山。倉敷アナに「つくのが遅れましたね」と言われた。試合後にも「ゲームの終わらせかた」について話があったが、本当に言われるまでもなく、CBなら、時間帯でやるべきプレーについてもっとよく考えてほしいと思う。
手倉森監督は、試合直後のインタビューでは、涙ぐんでいた。相馬監督は、「後半、仙台が攻めてくるのは予想していたが、あそこで中島を入れてきたのは予想外。」「次へ向けて練習に力を入れたいのは、最後のところ」と言っていた。ホームなんだから、仙台に勝って悪役になるくらいでなければならないのに…、最後まで必死だった仙台の気迫にかなわなかった。
サッカー短評 (2011.3/29)
日本代表vs.Jリーグ選抜 2対1 (2011.3/29 長居ス) 慈善試合
なんだか東北太平洋沖地震で、福島原発の事故が起きて、日本中が放射能汚染したと思われているらしく、3/25のモンテネグロ戦も3/29のニュージーランド戦も中止になった。各国大使は家族を帰しているらしいし、外国航空会社は日本への運行を取りやめているし、各国で円が暴落するのを協力して防ぐことになったり。名古屋から西は、たぶん余震もないし、なんともないと思うのだが、関東は3/29現在でも毎日余震があるくらいなので、いろいろな自粛はしかたないと思うが、「日本中汚染」の誤解だけはなんとかならないものか。
試合は、日本代表とJリーグ選抜チーム「Team as one」(ストイコビッチ監督)が同じTシャツを来て入場し、両チームキャプテン(代表・長谷部、選抜・中澤)が選手宣誓し、「君が代」独唱後、黙祷して始まった。先発は、日本代表がGK川島(リールス)、3バックで吉田(VVVフェンロ)、今野、伊野波。遠藤と長谷部(ヴォルフスブルク)のダブルボランチにサイドハーフとして左に長友(インテル)、右に内田(シャルケ)。前田のワントップ、ウイングに岡崎(シュトゥットガルト)と本田(圭)(チェスカモスクワ)。ザック監督は、3-4-3を試してきた。「Team as one」が、GK楢崎、4バックは新井場、闘利王、中澤、駒野。憲剛と小笠原のダブルボランチ、小野のトップ下、ワントップは佐藤寿人、ウイングにリャンヨンギと大久保。どっちが強いか、顔ぶれを見てもわからないほど豪華。ただ、日本代表は練習を三日したが、Jリーグ選抜は一日だけ。それでも最初の惜しいシュートは佐藤寿人がうったもの。川島がジャンプしてかろうじてゴールの上に押し出した。CKは小野が蹴ったが、誰にも合わず。やはり練習不足かも。小野がいいパスを出しても、寿人が走り込んでなかったり、連携不足は明らか。前半15分、日本代表はFKのチャンス。ボールのところに遠藤と本田が立ち、ワールドカップのデンマーク戦のような感じ。あのときは本田が蹴ったが今回は遠藤。壁の上を越えて右端に見事に入った。遠藤は喪章をはずして掲げると、チームのメンバーも集まって同じようにした。得点すると現金なもので、日本代表は連携がよくなり、19分には、オフサイドぎりぎりで飛び出した岡崎に本田(圭)から球が出て、追加点。ザッケローニ監督は、三人のGKを30分ずつ出した。前半31分から西川。37分には、日本代表がまたFKのチャンス。またしてもデンマーク戦と似た位置。今度は本田が蹴り、宇宙開発。
後半は、メンバーが変わり、日本代表は、吉田→栗原、長友→槙野(ケルン)、内田→松井(グルノーブル)、遠藤→柏木、長谷部→阿部(レスター)、岡崎→乾、本田(圭)→藤本、前田→李。「Team as one」は、楢崎→川口、中澤→茂庭、小笠原→中村俊輔、大久保→原口。後半最初のシュートは、俊輔。ただし、だいぶ左にはずれていた。Jリーグ選抜は、なんとか追いつこうと攻勢を強める。原口のシュート、寿人のシュートも防がれる。16分、日本代表はGK西川→東口(アルビレックス新潟)、今野→岩政。17分、ストイコビッチ監督は一気に5人投入。駒野→小宮山(川崎フロンターレ)、リャン→平井、憲剛→三浦知良、小野→関口(ベガルタ仙台)、佐藤→ハーフナー。日本代表も反撃し、阿部、乾がシュートするが決められず。27分、乾が家長(マジョルカ)と交替。乾は怪我でもしているのだろうか。Jリーグ選抜は、初めは俊輔がゲームメークしていたが、そのうちカズが配球しているように見えた。関口、平井のシュートは枠を外れる。37分、最終ラインの闘利王が攻め上がってヘッドで前線に送ったロングフィードにカズが反応し、出てきたGK東口の脇を抜く鋭いシュートがゴール右に突き刺さる。できすぎのような劇的な得点。カズはなんて冷静なんだろう。終了間際、李がシュートするも川口がセーブ。そのままタイムアップ。審判団は、ワールドカップチームで、西村主審に相良副審。オフサイドは甘かったと思うが、闘利王は、後半41分、李へのチャージでイエローカードをもらった。
日本代表のうち、細貝(アウクスブルク)と本田(拓)が出なかった。さすがにボランチが多すぎて使い切れなかったのかと思ったら、二人とも足に痛みがあったそうだ。
試合前の三日間、代表チームの練習を公開し、選手や監督、元代表選手のラモスら、岡田前代表監督も募金活動した。
サッカー短評 (2011.3/14)
川崎フロンターレvs.アビスパ福岡 (2011.3/19 等々力) 第3節
東日本大震災のため、電力の供給も輪番制が計画される事態となり、Jリーグは、ナビスコカップも含め、3月いっぱいの試合中止を決定。
3/23の新聞によると、3/22、Jリーグは、4/23の第7節からの再開を決定。当面ナイターはやめ、5月以降も東北電力、東京電力管内でのナイターは見合わせる方針。中止した2〜6節とナビスコカップは、代表がコパ・アメリカに遠征中の7月に開催予定。代表の遠征はできれば中止してほしい意向らしい。この部分は、代表選手を抱えるチームと、日本サッカー協会とは、まだ調整中のようだ。秋から、ワールドカップのアジア予選が始まるので、代表強化も必要だし悩ましい。(3/25記)
サッカー短評 (2011.3/14)
横浜F.マリノスvs.川崎フロンターレ 対 (2011.3/13 日産ス) 第2節
3/11金曜日に起きた、東北・太平洋大震災のため、J1・J2全試合中止。振替日は未定。
サッカー短評 (2011.3/5)
川崎フロンターレvs.モンテディオ山形 2対0 (2011.3/5 等々力) 第1節
監督が替わり、戦術も変わり、新加入選手も9人。どんなサッカーになったのか、そもそも新戦術はフィットしたのか、どれだけこなせるのか心配な開幕戦。よく晴れたが、冬のような冷たい風も吹く観戦となった。先発は、GK杉山、センターバックは左に横山、右に井川。サイドバックは左に小宮山、右にマリノスから新加入の田中裕介。ダブルボランチは稲本とヴェルディから新加入の柴崎。アウトサイド左に憲剛、右に登里。ツートップに矢島と楠神。どうやらジュニーニョと黒津は怪我らしい。ベンチには、相澤、菊地、吉田、田坂、新加入の山瀬、小林、復帰の久木野。
キックオフ後、わりとすぐに山形ペースに。向こうは、去年から小林監督で同じ戦術の積み上げがある。シンプルにつないでワントップの長谷川に放り込む。増島のロングスローは、ゴール前まで飛んできて脅威だ。15分過ぎから少しずつ攻めの形も。憲剛と小宮山が左から攻撃を作る。ノボリと田中裕介の側からは全く攻められない。けっこうCKのチャンスがあったが、井川、横山は合わせられず。やはりヘディングは菊地がうまい。
しかし、34分、矢島がドリブルで左からエリアに切り込み、相手DFをかわした上、相手GK植草(フロンターレから完全移籍)の脇を抜く爽快なシュートを決め、エースの風格を見せる。ほっとしたものの、すぐに1点では心配になり始めたが、38分にも、憲剛のスルーパスを受けたノボリがドリブルで勝負、左足を振り抜くとゴールが決まり、ひと安心。
後半もCKのチャンスはあったが追加点は入らず。柴崎の配球は効いているのかどうかよくわからず。稲本がクリアしたり、杉山がセーブしたりの場面が繰り返される。後半21分、山形がMFを一人交替。22分、フロンターレもノボリに替えて田坂を投入。少し守備堅めか。田坂の怪我の回復具合はどうか。25分、山形がもう一人DFを交替。矢島がシュートでなくパスを選択したり、迷ったりして味方につながらなくなってきた。36分矢島に替えて小林投入。39分、憲剛に替えて山瀬投入。しかし、この後は山形のCK攻勢にさらされ、初戦からいつものハラハラ試合。ロスタイムは3分あったが、大部分は守備に追われた。最後は山瀬がドリブルしてシュートまで持ち込んだが、ゴールならず。勝利を確信した時点で応援団が歌う「アヴァンテ」はとうとう歌う余裕がなかった。何はともあれ、相馬監督の初陣を完封勝利で飾れたのはよかった。
サッカー短評 (2011.2/26)
名古屋グランパスvs.鹿島アントラーズ 1対1PK3-1 (2011.2/26 横国) ゼロックススーパーカップ
名古屋グランパスは昨年、二度のリーグでの対戦、天皇杯の3試合ともアントラーズに負けたという。ストイコビッチ監督は「リベンジの試合」と位置づけていた。前半は0対0。どちらのチームも「先に失点しない試合運び」をしていた。名古屋のシュートがバーに当たったのと、鹿島の興梠のシュートがサイドネットになったのが惜しかったくらい。後半9分、何度目かのCKで増川が高い打点を生かして、名古屋が先制。しかし、21分、これまた何度目かのFKで、鹿島の野沢が見事なフリーキックを決めて同点。このままタイムアップで、延長なしのPK戦へ。
PKは先攻が有利と言われるが、名古屋のケネディが曽ヶ端に止められる。しかし、楢崎も鹿島の一人目を止める。名古屋はその後、三都主、藤本、小川と決めたが、鹿島は二人目が決めた後、楢崎が連続ストップ。特に、アレックスのキックはキャッチしてしまい、本人も「PKをキャッチした記憶はない」とのこと。元代表GKの面目躍如といったところ。昔はPKに弱かったが…。
サッカー短評 (2011.1/29)
日本vs.オーストラリア 0対0延長1対0 (2011.1/29 ドーハ・カタール) アジア杯決勝
耐えきった。
前半は無得点でハーフタイム。オーストラリアは立ち上がりから積極的に攻めてくる。骨折が判明して帰国した香川のところは藤本。GKは川島、バックラインは長友、今野、吉田、内田。遠藤と長谷部のダブルボランチ、二列目は左に岡崎、右に藤本、前田のワントップ。解説の早野さんが「単純にクロスを放り込んでくるのが怖い。」ケーヒルとキューエルのツートップがヘディングすると、日本はなかなか競り勝てない。ちゃんと体をつけて競っているのに、ヘディングされてしまう。前にも思ったが、オーストラリアの選手はみんな、ヨーロッパの選手と比べても胸板が厚い。ケーヒルなんか内田が競っても関係ないみたいだった。キューエルがはずしてくれただけのシュートもあった。19分には、左CKからのキューエルのヘディングを川島がかろうじてはじき出した。日本の攻撃は、遠藤がラインの間に走り込んでパスを受け、藤本?に落としたのと、30分、守備からのカウンターで岡崎が長い距離を走って本田のパスを受けてシュートしたのは相手キーパー。37分、長友があがってきて、岡崎、本田とからんで、前田がシュートしたが枠の上。
日本は後半開始からかなり守らされた。最終ラインからクロスが前線のケーヒルとキューエルに入る。右サイドのウィルクシャーもよく上がってきてクロスを入れる。11分、藤本に替えて岩政を入れ、センターバックを吉田と岩政、内田は右サイドバックのまま、今野が左サイドバックにスライドし、長友が一列上がり、岡崎が右へ回る。これで少し動きがよくなり、日本も攻めの形を作れるように。21分には長友のクロスにとびこむ岡崎のダイビングヘッドもあった。しかし、川島のファインセーブもあった。27分、キューエルのシュートを足で、15?番のシュートを手ではじいて枠にあて難を逃れたのも。日本も疲れているが、オーストラリアも足が止まってきた。後半も0対0でついに延長へ。
延長前半8分、前田に替えて李を投入。11分、日本のゴール前でケーヒルがボールをキャッチした川島の肩に手をかけて倒すがカードはなし。主審はウズベキスタンのイルマトフさん。13分には、キューエルが下がって若いクルーズが。14分には長友のクロスを本田がダイレクトシュート。だんだん長友のサイドは勝てるように。
延長後半4分、長友のオーバーラップから相手サイドバックをふりきってのクロスに、李がなぜかフリーでダイレクトシュート。押さえてうち、相手キーパー左をプチ抜いた。長友が相手DFウィルクシャーをふりきった時点でセンターバックが二人ともつり出されたらしい。5分、なんとケーヒルも交替。7分、遠藤がFKで右上隅をねらうが、相手GKシュウォーツァーが長い手でキャッチ。内田に替えて伊野波投入。ロスタイムは1分。最後でゴール前の岡崎の守備がハンドをとられ、正面ペナルティーアーク内からのフリーキック。これを壁が跳ね返して、タイムアップ。ベンチから控えの選手たちがどっと駆け込む。印象的だったのは、李も、本田(圭)も、ザッケローニ監督のところへまっすぐ駆けてきて抱きついたこと。
今までイラン、サウジと優勝三回で並んでいたが、日本が二大会ぶり四回目の優勝。これでプレワールドカップのコンフェデ杯にも出場できるし、アジア杯の予選をワールドカップ予選の合間に戦わなくてすむ。
表彰式は、長かった。まず次回大会開催国オーストラリアに、大会旗を渡すセレモニー。個人賞の表彰。得点王は、韓国のク・ジャチョル。3位決定戦でもう1点とったらしい。フェアプレー賞はパク・チソン。MVPは、本田(圭)。遠藤が今野にもらいに行ってこいと言ったらしい。それから審判団の表彰と2位チームの表彰があって、やっと優勝国の表彰。オーストラリアも日本も、選手だけでなく、監督、コーチ、スタッフ全員にミニアジアカップが贈られた。最後にキャプテンの長谷部が本物の大きいアジアカッブを受け取り、公式撮影の後は、みんなが取り囲んで代わる代わるカップを受け取る。記念撮影のとき、香川と松井、槙野のユニフォームを持っている選手がいた。どこかの時点で監督と長谷部を胴上げした。長谷部が「若手が経験を積めたのがよかった」と盛んに言っていた。
3位決定戦は、韓国が3対2でウズベキスタンに勝利。前半韓国リードの2対0からウズベクが意地を見せたらしい。この大会でパク・チソンと左サイドバックのイ・ヨンピョが代表引退を表明。
※長友が、なんと名門インテルに移籍! 期限付き移籍だけど、アジアカップ効果だろうか。インテル立て直し中の監督が元鹿島アントラーズのレオナルドで、ザック監督がACミラン監督時代に選手だったらしい。
サッカー短評 (2011.1/25,26)
日本vs.韓国 2対2 PK3-0 (2011.1/25 カタール) アジア杯準決勝
とにかく、びっくりだ。ロスタイムに追いつかれたのに、韓国に勝ったことも、フロンターレ時代、ほとんどPKを止めたのを見たことのない川島が、二つもPKを止めたことも。
前半23分、今野のバク・チソンへのショルダーチャージをサウジのガムディ主審がPKと判定。スローだと手は全然使っていないのだが、うまく倒れられた。キ・ソンヨンが決めて先制された。序盤は日本が何回かチャンスを作っていたが、15分過ぎからだんだん韓国もペースアップ。その矢先のPKだった。しかし、落ち着いてチャンスを狙っていた日本は、36分、本田(圭)がドリブルして一瞬ためてから、あがってきた長友のスペースにスルーパス、長友は相手DFを二人ひきつけてからシュートせずに前田にパス、前田が相手DFをひきつれながらも決めて同点。その後も30分の本田(圭)のシュート、44分の前田のシュートなどのチャンスがあった。
後半も追加点をとるチャンスは少ないけれどあった。香川がもう少し早くシュートの判断をしていたらという場面や、岡崎のシュートか相手GK正面にいった場面。前半はうまく使えていたサイドをケアされ、香川もチャ・ドゥリがマンマーク。韓国が前半からハードに当たってきたりプレスしたりはしてこなかったのは、さすがに二日前に強豪イランと延長戦まで120分戦ったのが堪えたようだ。それでも大会後に代表引退を公言しているパク・チソンがサイドを変えて突破してくるとちょっと怖い。そう言えば、遠藤が入場前並んでいるとき、パクチソンに何か話しかけていた。京都サンガ時代同僚だったらしい。韓国は、疲れのせいか、攻撃が単発。個人技はあるが、組織的な攻撃は少なかった。もっとも後半8分のキ・ソンヨン、16分のク・ジャチョルのシュートは外してくれただけの危ない一撃。韓国は後半21分、37分と次々FWの選手を交替で入れながら攻めてきた。日本は42分に香川に替えて細貝を入れ、中盤の支配を取り戻そうとするが、とうとう延長へ。
延長前半7分、岡崎が攻め込んだのを倒され、日本にPKが与えられる。キッカーはまた本田(圭)。また真ん中に蹴って、相手GKにはじき返されたが、そこへ猛然とつめていた細貝がゴールに押し込み、リード。ザック監督は、延長前半が終わる直前、前田に替えて伊野波を入れて守りに入る。しかし、延長後半、5バック気味になった日本はラインが下がり、ゴール前でサンドバッグのように攻められ続けた。ザック監督には、日本がカテナチオ向きじゃないということを知ってほしい。とうとう12分、長谷部の両足がつり、遠藤にキャプテンマークを渡す。李が交替で入ろうとしていたが、急遽、本田(拓)が入る。NHK-BSの鳥海アナが「本田(拓)にはエネルギーが余っています。」と言った直後の延長後半14分、相手をファールで倒してしまい、FKを与えてしまう。このFKからのゴール前の混戦から押し込まれ、追いつかれた。結局PK戦になるのなら、GKを西川にしておけばよかったのではないか、と半ば本気で思っていた。
PK戦は、日本がコイントスに勝って先攻。まず本田(圭)が右上に決める。本来なら、延長後半、もうフラフラだったので李と交替だったのではないかと思うが、よくしっかり決めた。韓国の一人目は、今大会4得点のク・ジャチョル。なんと川島が止める。日本の二人目は岡崎。左上に決める。韓国二人目はプレスキッカーのイ・ヨンレ。これもまた川島が止める。跳ね返りを押し込まれるが、PK戦なので認められず。日本の三人目、長友は上にはずす。しかし、韓国の三人目も失敗。右ポストのわずかに外側で入らず。韓国はどうしたのか。日本の四人目は今野。冷静に決めて、日本が決勝へ。日本が韓国を下したのは実に五年ぶりらしい。
驚いたのは、試合後のインタビューで、川島には相手のPKの情報は何も入っていなかったと語ったこと。ワールドカップ前のイングランドとの親善試合でランパードのPKを止めたのは、普段からプレミアリーグを見ていたからと言っていたが、今回の殊勲の裏には、フロンターレのGKコーチ、イッカの言葉があるらしい。普段から「お前の瞬発力なら相手が蹴ってからでも止められる。直前まで動くな」と言っており、ワールドカップのパラグアイ戦についても「早く動きすぎた」と声をかけられたと翌日の『日刊スポーツ』に出ていた。
1/29の決勝は、ウズベキスタンを6対0で破ったオーストラリアと決まった。
サッカー短評 (2011.1/22)
日本vs.カタール 3対2 (2011.1/21 カタール) アジア杯準々決勝
薄氷の勝利だった。先発は、GKが川島に戻り、バックラインは内田の代わりに右サイドバック伊野波。前の方は同じで、右の松井の所に岡崎。地元カタールが最初から積極的にくるのは想定内。それなのに一発のカウンターと個人技にやられてしまった。前半12分、警戒していた、ウルグアイからの帰化選手セバスチャンにロングパスが通ると、DF吉田が寄せたにも関わらず、ニアを打ち抜かれた。カタールは世界ランクは105位だが、対戦成績が1勝2敗1分け。今回は監督がメツ監督だし、日本をよく研究している。日本は17分に本田のFK、25分に長友がシュートを狙うが得点できず。しかし28分、香川→本田→岡崎とつなぎ、岡崎がうったGKの頭上を抜くループシュートに香川がつめてダメ押しした。香川がさわらなくても入っていたと思うが、香川が点を取ったことで楽になったことが大きいか。同点で落ち着いてやれるようになった。しかし、前半の内に逆転できなかったのが後々響いた。
カタールは最初とばしすぎたのか、前半の終わり頃にはプレスが弱くなった。しかし後半たちあがりは再び積極的に攻め、1分に吉田がセバスチャンの肩に手をかけて倒しイエローカード。主審はマレーシアのサレーさん。2004年中国でのアジアカップでPK戦のとき、宮本キャプテンの申し入れで、使うゴールを途中から変更した人。吉田はヘディングは強いが競り合いでの手の使い方は改善しないと。12分に長友の左からのクロスに岡崎がダイビングヘッドで飛び込んだのは、惜しかった。16分に吉田がタックルして相手選手と絡んで倒れた後、足払いした格好になり、二枚目のイエロー。吉田が退場している間に、少し前に交替で入ったモンテシンのFKが、日本のゴールのニアサイドをぶちぬき、再びリードされる。これでかなり勝つのは厳しくなった、と思ったが、選手たちはあきらめなかった。ここでみんなが同じ方向を向いていたのがよかった。日本はセンターバックの岩政を入れるため、ワントップの前田を下げる。25分、遠藤→本田→岡崎と渡ったパスは、岡崎と香川が重なったため相手DFにあたって香川の足下にこぼれ、そのまま香川がドリブルして相手GKをかわしゴールに流し込んだ。この後、残り20分、10人でどう試合を戦うか、3点目を取りに行くか、ザック監督は延長を見据えた交替をするか、見物だったが、カタールも攻勢を強め、全員で守る。43分、長谷部のドリブルが倒されてもらったFKは、また本田が蹴ったが落ちきらずに枠の上。44分、長谷部から香川にわたり、香川がドリブル、エリア内で倒されたようにも見えたが、ボールがこぼれたところになぜか伊野波があがっていて、決勝ゴールを決めた。ロスタイムは4分あったが、日本は三人目の交替で香川に替えてDF永田を入れ、放り込みに備えた。カタール最後のセットプレーも永田が跳ね返し、終了の笛。
これでなんとかベスト4。準決勝は、韓国とイラン戦の勝者と対戦。
サッカー短評 (2011.1/17)
日本vs.サウジアラビア 3対0 (2011.1/17 ドーハ) アジア杯グループB
いやあ驚いた。前半始まってほどない8分に先制したかと思えば、すぐ13分に追加点が入るという、今までにない展開。おまけに3試合とも先発ながら得点のなかったFW前田も19分に得点し、前半だけで3得点。これでグループ首位通過が現実的になってきた。グループAは、ウズベキスタンが首位、開催国カタールが2位。
先発は、GK西川、バックラインは変わらず長友、今野、吉田、内田。ダブルボランチに遠藤と長谷部。トップ下には足首ねんざの本田(圭)に替えて柏木、左に香川、右に岡崎。この三人は比較的自由にポジションチェンジ。前田のワントップ。サウジは、ハノイのアジア大会でも対戦し、「主将のヤセル・カフターニをはじめ日本に勝ったときのメンバーも多く残っている」とNHKBS解説の山本さんは言う。そのときはカフターニに先制点を決められたと、野地アナウンサーが嫌なことを思い出させる。
立ち上がりの2分、そのヤセルのボレーシュートがあったが枠に来なかった。それでも日本が先制するまでは、プレスは弱いものの選手の個人的な力はあると感じられた。前半7分には、内田が相手選手の肩に手をかけて倒し、イエローカード。主審はワールドカップ3位決定戦のウズベキスタンのイルマトフさん。内田はこれで次の準々決勝は出場停止となったため、後半からは伊野波を投入。
岡崎の1点目は遠藤のループパスから。DFラインの裏に走り込んだ岡崎が相手GKが出てきたのをかわしてループシュートをうち、一人ワンツーのようにおしこんだもの。2点目は、岡崎の「代名詞」ダイビングヘッド。左の香川からのクロスを走り込んでヘディング。NHKスタジオ解説の早野さんが「岡崎のマークは中学生のような守備」と言っていた。前田の点は、左の長友からのクロスに、斜めに走り込んだ前田が右足アウトサイドで決めたもの。初先発の柏木は、働きどころがよくつかめない感じ。香川は体がきれてないのか冴えない。
後半も6分に前田の得点。今度は交替で入った伊野波の右からのクロスをヘディングで決めた。サウジも後半立ち上がりは動きがよかったが、ここでまた先手をとることができて、サウジの戦闘意欲をそいだ。18分に、イエローを一枚もらっている吉田に替えて岩政を試運転。その後は少し決定機が作れなかったがピンチもない。35分になんと岡崎がハットトリックを達成。前田からのパスをすばやくうちこんだ。一試合で5得点はアジア杯初だそうだ。しかし、38分のサウジのFKは、キッカーが直接シュート。マークがずれたら危なかった。まだ1点返される可能性はある。ザック監督は、クローザーとして本田拓也を37分に投入。遠藤を休ませる。ここから柏木がセットプレーを蹴る。42分の左CK、岩政が競るがクリアされる。43分、44分と柏木がシュート。最後で持ち味の片鱗は見せたか。本田(拓)は見事なボールカットも見せ、役割は果たした。怪我の松井は、試合観戦後、帰国。
サッカー短評 (2011.1/14)
日本vs.シリア 2対1 (2011.1/13 ドーハ) アジア杯グループB
いや、たいへんな試合だった。まさかGK川島が退場とは。前半35分、日本が流れの中から先制したのは、幸先がよかった。日本が立ち上がりからボールをキープし、何度もチャンスを作った。前半6分のFKは本田が蹴るが、壁にあたり、11分には、右サイドの内田からのクロスを前田がフリーでヘディングしたが枠にいかず。23分の遠藤のFKに本田がヘディングにいくが、相手GKのパンチングに出血。シリアもカウンターが速く、サイドからドリブルでかけあがってきたり、長身のワントップ、ジーノにロングボールをあてたり、18分と29分には危ない場面も。34分に遠藤の左CKを今野がヘディングしたが、相手GKの正面。シリアが速攻をしかけかけたが、本田がドリブルで右サイドまで駆け上がり、折り返したボールを香川がシュート。相手GKがはじいたところを松井が拾って冷静に落とし、走り込んだ長谷部のミドルが見事に右下に決まった。
日本の先発は、ヨルダン戦と同じ。布陣は、前の試合の後半の形にするかと思ったが、香川左、松井右、本田トップ下と同じだった。後半もシリアはMFに替えてFWハティーブを入れたが、日本は同じ。シリアは、後半19分FWジーノに替えてFWマルキ投入。日本も岡崎をなんと香川に替えて投入。前回は松井との交替だったが、香川が疲れているようでもなかったので少しびっくり。岡田監督と違って、ザックさんの交替にパターンはないらしい。しかしあまり状況は変わらず。26分、日本のバックパスが弱く、GK川島のクリアも小さく、センターバックの今野がキープできず、こぼれ球に交替で入った相手FWマルキが飛び込み、川島も必死にクリアにいったが、ボールに届かず、相手FWを倒したとして川島のファールの判定。副審はオフサイドの旗をあげたが、主審はそれはとらず。この間、両チームの選手やスタッフが抗議したり、主審と副審が話し合ったり時間がかかったが、川島にレッドカードが示され、PK。日本は代わりのGK西川とFW前田を交替。西川は反応したが、相手FWハティーブが左下に決め、同点。シリアはさらにFWを投入。シリアの監督は、ルーマニア人だそうだ。日本は10人で対応。本田をワントップに、松井と岡崎が二列目、トップ下を削った格好で、ボールキープが難しくなる。34分、遠藤が縦に鋭いスルーパスを通し、本田がシュート、続く右CKからの長谷部と本田のシュートも防がれる。
しかし、35分岡崎がペルティーエリアで二人の相手DF相手にボールキープしているところを倒され、なんとPKに。キッカーは本田。ゴール中央に蹴り込んで再びリード。あとでリプレーを見たら、左に跳んだ相手GKの足の間で、ちょっとギリギリだった。本田も試合後のインタビューで、「次はもっと確実に決めたい。」と言っていた。シリアが猛攻をしかけるが、みんなで体を張って守る。鋭いシュートも二本ほど打たれたが、GK西川がキャッチ。ロスタイムはなんと6分。5分はあるだろうと思っていたが、日本はここで三人目の交替で、細貝を松井に替えて投入。中盤でのボールキープやボール奪取に貢献。最後、日本がペナルティーエリア右外でFKのとき、相手DFがじれて飛び出し、イエローカード。その後ボールをたたきつけて二枚目のイエローで退場、シリアも10人に。なんだかイラン人の主審のカードに振り回されたような試合だったが、とにもかくにも勝ち点3をとり、ヨルダンと並んでBグループ首位。サウジは連敗で、なんともう敗退が決定。次はこのサウジ。サウジ監督は初戦敗戦後にクビ、暫定監督で連敗。かえってこわいかも。
サッカー短評 (2011.1/14)
滝川第二vs.久御山 5対3 (2011.1/10 国立) 高校選手権決勝
どちらも準決勝をPK戦で勝ち上がってきた。どちらが勝っても初優勝。滝川には、「ダブルブルドーザー」のツートップがいて、その内の一人、樋口は、高校のOB岡崎と誕生日が同じで「岡崎二世」とも言われているとか。滝川二校は今までベスト4が最高で、岡崎からはカタールから激励のメールがきたそうだ。久御山(くみやま)は、監督が笑顔のサッカーをモットーにしているだけあり、準決勝のとき初の国立競技場にも、のまれることなく勝ち上がってきた。「理想はバルセロナ」で、チーム全員で毎週バルサの試合を見ている、というわけで、パスをつないでくる。前半24分、滝川のツートップのもう一人、浜口が先制点をとったときは滝川の楽勝かと思った。続けて40分にも樋口のゴールが決まり、前半で3対0にならなくてよかったと思ったが、久御山の選手の笑顔は消えない。
後半9分に滝川に3点目が入ったときは、殆どの人が「試合は決まった」と思ったはず。しかし、12分にほしかった1点目が久御山に入る。これで少し面白くなったと思っていたら、14分に浜口が2点目を決め、滝川が再び3点リード。ここでアナウンサーが、夏のインターハイ(沖縄)で、同じように4対1でリードしていた試合を4対5でおとしたエピソードを披露。久御山に対する励ましだと聞こえたが、夏の対戦相手は強豪の市立船橋。まあ無理だと見ていたら、久御山が39分、FW安川、41分、10番の坂本と立て続けに得点。あっという間に1点差。びっくりした。同点になれば、決勝には延長戦もある。ここで滝川は踏ん張り、5分のロスタイムの最後に、樋口がもう1点決めて、単独得点王も手に入れた。
ワールドカップでスペインが優勝した、直接の影響ではないにしろ、決勝に臨んだ両校とも攻撃が持ち味で、それを発揮した好試合になった。
サッカー短評 (2011.1/9)
日本vs.ヨルダン 1対1 (2011.1/9 ドーハ) アジア杯グループB
日本は前半の45分、相手の速攻をシュートまで持ち込まれ、DF吉田の足に当たったボールがゴールに入り、ビハインドでハーフタイム。後半ロスタイムにようやく吉田のヘディングで同点とし、かろうじて引き分けた。ヨルダンは、世界ランクは100番台かもしれないが、前イランU23代表監督がよく鍛えてある感じ。ゴール前の混戦でも一度跳ね返したらすかさずDFラインをあげるとか、相手のボールホルダーには、勤勉に素早く二人でブレスするとか、ボールをとったら二、三人でも速攻に切り替えるとか、最後まであまり落ちずにやり続けた。
日本の先発は、前田のワントップ、左に香川、右に松井、本田(圭)のトップ下。遠藤と長谷部のダブルボランチ、バックラインは、長友、今野、吉田、内田。センターバックは岩政と槙野が怪我で、永田を追加招集したらしい。ボール支配は圧倒的に日本。しかし、前田のシュートは枠にいかず。25分、遠藤のフリーキックのクリアを長谷部が鋭いボレーで狙うが、今度は相手GKがはじき、それを吉田がヘッドで押し込むが、残念ながらオフサテド。30分過ぎからヨルダンのカウンターも激しくなる。40分の香川のシュートは相手GK。相手GKは、2004年か何かのアジアのベストイレブンに選ばれた(NHKBS解説・山本さん談)だけあって、読みもいいし反射神経も抜群。44分のフリーキックは、本田(圭)がデンマーク戦のような無回転キックを蹴るが枠のはるか左へ。内田と長友の攻撃参加が効果的でない。遠藤のパスミスがあるが、リズムは変えている。
日本は後半頭から、前田に替えて李忠成投入。10分に本田が今度は強いフリーキックを蹴るが、相手GKがパンチング。試合が動かないと見るや、13分に松井に替えて岡崎も投入。これで前線は、李のワントップに、左が本田、右に岡崎、トップ下に香川。山本さんは「香川がもっとエリアに入って仕事しないと」前半から言っていたが、この布陣で一気に香川のトライが増えた。香川のシュート、岡崎のシュート、いずれも防がれたり枠にいかなかったり。35分、ヨルダンのセンターバックでキャプテンが負傷して、相手が10人に。しかしこの時間帯に攻めきれず。残り5分になってから怒濤の連続攻撃。しかしヨルダンも必死。日本の三人目の交替は、45分、本田に替えて藤本。ロスタイム4分。47分、藤本の左CKから、長谷部がファーへクロス。李(182cm)の向こう側の吉田(187cm)がヘッドで合わせて、ニアサイドにまっすぐ吸い込まれる。やっと同点。さらに48分、藤本の右CKから岡崎がヘディングするが相手GKがキャッチ。
試合後のインタビューで、得点した吉田は「ファーサイドDFがウォッチャーになることはわかっていたので、狙っていた」と言ったあたり、分析はしっかりできていると感じた。長谷部は「負け試合を拾ったのだから前向きにとらえて、後は勝たないと」と言っていた。
サッカー短評 (2011.1/3)
鹿島アントラーズvs.清水エスパルス 2対1 (2011.1/1 国立) 天皇杯決勝
アントラーズが初めから試合を支配。前半26分に先制し、流れがすっかり傾いた。小笠原の左CKから、ペドロ・ジュニオールがヘディングで見事に決めた。アントラーズは、退団が決まったマルキーニョスが帰国、岩政と大岩が怪我で、センターバックを伊野波と中田で組んだが、SB岡本、FW大迫など若手もきちんと先発の役を果した。エスパルスは、ヨンセン、岡崎、小野、藤本、本田、市川、太田、岩下、ボスナーとレギュラーがそろっていたが、前半は、小野を初めとしてアントラーズの早いプレスに、ボールをつなげず、1対0でハーフタイム。後半14分、プレスが弱まったのと、選手交替でヨンセンが決めて同点にしたが、長谷川監督の最後の試合を勝利でしめくくれなかった。追いつかれたアントラーズは、本山を入れて流れを引き戻し、再び試合をコントロール。32分、ゴール前で得たFKを、野沢が壁を越えて落ちるキックを直接決めて、再びリード。エスパルスはMF伊東、FW原などを投入したが、流れは取り戻せず、アントラーズに時間を使われ、終了のホイッスル。
アントラーズは三年ぶり4度目の天皇杯制覇。
##エスパルスに、高原がKリーグの水原から加入。伊東と市川は甲府へ。ヨンセンも退団。岡崎までドイツ・シュトゥットガルトへ移籍とはびっくり。兵働は柏に移籍らしい。浦和の噂もあった藤本は、名古屋移籍が決定。来季はイラン代表監督だった人が来るらしい。