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サッカー短評 (2012.12/17)
川崎フロンターレvs.大宮アルディージャ 3対4 (2012.12/15 NACK5) 天皇杯4回戦
ありえないような負け方。前半は尻上がりに良くなって、面白いようにパスがつなげて、3点も取れた。ところが後半に入り、大宮アルディージャが球離れを早くするようになると、相手のリズムのまま押されてしまった。同点で踏ん張れないところも情けない。
先発は、GK西部、DF登里、井川、実藤、田中裕介の4バック。ジェシはまた治療中らしい。大島と稲本のダブルボランチ、憲剛のトップ下。小林のワントップに、左レナト、右楠神。
前半6分、登里のパスがレナトに渡り、レナトが深い位置までドリブルして、折り返し、そこに小林がつめて先制。しかし大宮アルディージャはホームの利もあり、一進一退。左サイドのチョ・ヨンチョルの突破に手こずる。しかし、27分に追加点。楠神から憲剛、憲剛から小林へと渡り、小林が相手DFをふりきって流し込んだ。この後、稲本の縦パスを受けた楠神のいいシュートもあったが、決まらず。38分には、稲本、楠神、レナトとつなぎ、最後はレナトが個人技でゴールを決めた。さすがに大宮の選手たちも呆然とした。前半、フロンターレはシュート6本で3点、大宮はシュート2本。
ところが、ハーフタイムにベルデニック監督に「このまま終わっていいのか」とハッパをかけられた大宮は、後半、タッチ数を減らして積極的にシュートをうってきた。当然それは予想されることだったが、相手のリズムを切ろうという意思一致が見られなかった。自分たちのリズムにできなければ、せめて相手のリズムを分断するとか、攻め急がずに確実につなぐとか、ボールを持つ時間を長引かせなければならなかった。押され続けて、ついに後半18分、東のシュートをGK西部がいったんは防いだが、こぼれたところをノヴァコビッチに押し込まれた。しかも4分後の22分、東に見事なミドルシュートを決められ、あっという間に1点差。こうなると追う方が元気になる。25分に、稲本の足がつり、宏希が入る。
稲本の守備力、展開力を失ったのも痛かったが、27分のレナトのシュートが防がれたのも痛かった。29分、ノヴァコビッチのシュートはバーに助けられる。31分、楠神に替えて矢島が入り、小林が楠神の位置へ。しかし、流れは変えられず。途中でレナトが傷んで、交替するかと思ったが、替えなかった。しかし、憲剛などレナトにはパスを出さないで10人でやっているようだった。他に替えられる選手がいなかったのかもしれないが…。
40分にとうとう追いつかれる。また東のシュート。前半は、小林のハットトリックなるか、などとアナウンサーも言っていたが、とんでもない。ロスタイム4分も押されまくり、ノヴァコビッチに逆転弾を決められる。フロンターレは49分に憲剛のFK、壁に当たってCKまでやったが、守られて敗退。あまりにも試合運びがつたなくて、腹が立つ。
ガンバは今季、勝つには「3点取らないと勝てなかった」そうだが、一応3点とって5回戦に進出したらしい。フロンターレは3点とっても勝てない。これで今季は終戦。去年も天皇杯は変な負け方で終わった。来季、ジェシとレナトは契約更新したらしい。契約満了は、レネサントス、黒津。GK安藤はベルマーレにレンタルされるらしい。
翌日の産経新聞に、「稲本結婚」と出ていて驚いた。相手はモデルさんで田中美保さん。ホームページには、「今後もよろしくお願いします。」とあったので、来季も契約するらしい。
サッカー短評 (2012.12/1,3)
セレッソ大阪vs.川崎フロンターレ 2対2 (2012.12/1 長居) 第34節
最終節。この試合に引き分け以上で残留が決まるセレッソとアウェイで対戦。ロスタイムまでリードしていたのに、勝ちきれなかった。まだまだ甘い。先発は、GK西部、DFは登里、井川、ジェシ、実藤の4バック。田中裕介と宏希のダブルボランチ、憲剛のトップ下。小林のワントップに左レナト、右に山瀬。伊藤宏樹が体調不良で欠場。ジェシは怪我が治りきっていないらしい(11/15受傷、全治3週間)が強行出場。今年はDFに怪我が相次いだ。結局、森下と小宮山は戻れなかった。
最初は押し込まれた。しかし、先制したのはフロンターレ。前半17分、憲剛から宏希、宏希が前線の小林にロングパスを通し、小林が落としたボールに再び憲剛がつめ、左足でニアサイドの右下隅に決めた。これでボールがよく回るようになった。
21分、相手MF枝村、22分、相手FW杉本にシュートされるが、GK西部とポストが防ぐ。33分、少し前に接触で腰に相手のヒザが入ったレナトがついに交替。楠神が入る。34分、憲剛のFKは、直接相手GK。セレッソはなんとか同点にしようと、積極的にシュートしてくるが枠に来ない。一方、フロンターレはボールを回してはいるが、シュートまでいけていない。前半のシュートはたったの3本。ロスタイム2分だが、このままハーフタイム。
後半は、交替なしで開始。後半11分、レナト対策で右サイドバックに入っていた相手キャプテン藤本が、ノボリとの接触で傷んで交替。本職のサイドバック酒本が入る。18分、今日初先発のセレッソ新人、南野から入ったクロスに相手MF横山が飛び込み、ヘディングで同点。これがプロ2点目だとか。フロンターレ時代は1点だったらしい。
セレッソは追いついたので、FW柿谷を入れる予定を変え、ヘベルチに替えてボランチ扇原を入れ、引き分け狙いに。フロンターレは勝ち越すため、33分、宏希に替えて矢島を入れる。ここで3バックになり、中盤はダイヤモンドになったらしい。
すると、6分後の39分、憲剛のCKをニアで矢島が流し、相手GKのはじいたボールが相手DFの背中にあたり、こぼれたところに小林がつめ、押し込んだ。このまま逃げきれるかと思ったが…。
43分、山瀬に替えて大島が入る。セレッソも三枚目の交替で、スーパーサブ、FW播戸が入る。ロスタイム4分。46分に、憲剛のパスから小林がシュート、相手GKがはじいたところに矢島がつめたが、ゴールポスト。50分、ラストプレーのフロンターレゴール前の攻防で、クリアがサイドを切れずに拾われ、南野から酒本に渡り、酒本からロングクロス。GK西部がパンチングするが小さく、フリーの横山の前にこぼれ、またも押し込まれる。ロスタイムの時間の使い方、ボールの動かし方がナイーブすぎる。そんなにつながなくていいのに。
ヒーローインタビューはもちろん横山で、まるで勝ったかのようだった。風間監督は、「ものすごくいいところとものすごく残念なところと両方出た。」順位は8位のまま。プラジル人も残って、天皇杯を戦うらしい。
<後日記>2012年のJリーグアウォーズで、川崎フロンターレはフェアプレー賞を受賞。イエローカードが最も少なかったチームに与えられるフェアプレー賞高円宮杯はサンフレッチェ広島が受賞。憲剛は、優秀選手賞32人には入ったが、2006〜2010年以来のベストイレブンは逃した。(2012.12/5記)
サッカー短評 (2012.11/25)
川崎フロンターレvs.清水エスパルス 2対1 (2012.11/24 等々力) 第33節
ホーム最終戦。久々に観戦。なんとか勝ててよかった。先発は、GK西部、DF伊藤宏樹、井川、実藤。アウトサイド左に登里、右に田中裕介。憲剛と宏希のダブルボランチ。小林のワントップ、左にレナト、右に楠神。
エスパルスは、勝てばACL圏内の3位も臨める。序盤からマークとプレスが厳しい。立ち上がりこそ、レナトのシュート、宏希や小林のシュートがあったが、次第にパスを回すところをカットされ、カウンターを受けるようになる。小林大悟はパスカットがうまい。何度も宏希はとられていた。大前、高木のシュートははずれたが、17分、エスパルスの右CKのこぼれ球を小林大悟にシュートされ、これが右ポスト直撃。24分にも大前のCKからのボールを小林大悟にシュートされるが、今度は左ポストが防いでくれる。
登里とレナトが、エスパルスの右サイドから攻め上がってくる、吉田豊と大前をなんとか押さえようと協力。しかし、こちらの攻撃のときはパス交換で息が合わず。27分、憲剛とパス交換した登里が左サイドを突破し、折り返しのクロス、中央で誰かが飛び込んで押し込んだ。バツクスタンドからはよく見えなかったが、レナトがなんと右足で入れたらしい。押された展開の中、先制してぐっと雰囲気がよくなった。パスも少しつながるようになり、楠神のシュートや憲剛のシュートも。ロスタイムは1分しかなかったが、追加点もとれず、失点もせずにハーフタイム。寒くなってきたので、オフィシャルショップで手袋を買う。ホーム最終戦なので、ものすごい人出。席に戻る前に後半がキックオフ。
後半頭から、宏希に替えて大島が入る。しかしこの布陣が機能する前に、エスパルスの攻撃を受ける。井川がフィードしようと少しもちあがったところを取られ、左ウインマ゛の高きにドリブル突破を許し、シュートをうたれる。これが誰かにあたってゴールイン。たった8分で追いつかれてしまう。10分にも相手FKからピンチになるが、はずしてくれる。ここで逆転されていたら、危なかった。相手FW高木のシュートをGK西部が押さえれば、小林のシュートも相手GK林がストップ。この後、いつの間にかポジション変更。田中裕介がボランチに入り、憲剛が一列前へ。ノボリが一列下がって4バック。18分には、楠神に替えて矢島が入る。矢島がワントップとなり、小林が右へ。
29分、左よりの位置からフロンターレのFK。憲剛のキックにニアの誰か(記録によれば田中裕介らしい)がヘッドで流し、ファーにこぼれたボールに矢島が走り込んで押し込んだ。一瞬オフサイドに見えたが、問題なく認められ、勝ち越しに成功。風間監督の交代が当たった。エスパルスは、26分に長身のキム、34分には、小林大悟に替えて高原を入れてきて、前線に高さを持ってきた。高原はボールさばきもできるし持たせるとやっかい。37分にキムにシュートされるが、GK西部。40分、小林に替えて稲本が入ってくる。小林の位置には大島が上がる。いよいよ逃げ切るため、守備固めか、と思ったら、イナが攻撃参加。憲剛、レナト、憲剛とつないだボールを稲本がシュートするが枠の外。
43分に、高原に鋭いシュートを打たれ、西部がとびだしたが触れず、ゴールライン上で井川がクリア。これで失点のきっかけのボールロストは取り返したか。この後の相手CKもしのいでロスタイム3分に入る。最後まで攻められるが、ハッと気づくと応援席の方から「アヴァンテ」が聞こえてくる。なんとかしのいで、ホーム最終戦を勝利。これで、いつ以来か覚えていないが、3連勝で、8位浮上。
セレモニーでは、武田社長が「優勝をねらうと言いながらこの成績で謝りたい。しかし方向は間違っていないと思うし、来年に向けていろいろ動いている。すごくいいチームになると思っている。」等々力競技場がこれから2年かけてメインスタンド改築工事に入る。仮設スタンド作りが3月までかかるので、来季開幕戦は国立競技場なることも報告された。風間監督は「まだまだ皆さんを満足させる試合ができていないが、等々力のサポーターは日本一だと思っている。選手は本当に毎日一生懸命練習している。来年は皆さんを楽しませて勝つ試合を見せたい。」と挨拶。伊藤宏樹キャプテンは「今年はホームであまり勝てず申し訳ない。来年こそ皆さんと優勝の喜びを分かち合いたい。リーグ戦残り1試合と天皇杯も4試合あるので応援お願いします。」おお元旦まで試合する予定らしい。
33節の結果で、サンフレッチェ広島の優勝が決定。2位仙台がホームでまさかの敗戦のため。
サッカー短評 (2012.11/17)
アルビレックス新潟vs.川崎フロンターレ 0対1 (2012.11/17 東北電力ス) 第32節
ロスタイム5分、ようやくシュートがゴールイン。ビッグスワン初勝利。風間監督が試合後の野々村さんのインタビューに答えて「最悪の内容で最高の結果」と言っていたが、相手のサッカーにはめられて、打開できないまま、終盤まできてしまった。後半20分に相手が一人少なくなって、ようやく相手ゴール前に行けるようになる有様。
先発は、ジェシが肉離れで全治2〜3週間のため、井川が入った。GK西部、DF伊藤宏樹、井川、実藤の3バック。憲剛と宏希のダブルボランチ、左アウトサイドに登里、右に田中裕介。小林のワントップに左にレナト、右に楠神。稲本も怪我したと言っていた。小宮山は11/15にまた手術して全治3ヵ月。
午後2時のキックオフ。新潟は降格圏の17位。残り3試合勝てば、残留も夢ではないが、次節は2位仙台とアウェイ。最終節はホームで最下位札幌。とはいえ、ホームのここで確実に勝っておきたい。フロンターレは、アウェイの新潟戦は、1999年に勝利したのが最後で、ビッグスワンの会場では引き分けがやっとで勝っていない。もっとも、今いる選手でJ2時代からのジンクスを知っているのは、憲剛と宏樹ぐらいらしい。
前半は、新潟の前線からの素早いブレスに押されっぱなし。左サイドのキム・ジンスに突破されたり、アラン・ミネイロにFKを蹴られたり、田中亜土夢にCKを蹴られたり。ブルーノ・ロペスのミドルシュートや田中亜土夢にこぼれ球を打たれたりもした。43分にミシェウには、あわやのシュートをうたれたが、GK西部がセーブ。前半のフロンターレのシュートは、20分の憲剛の1本だけ。
後半は頭から楠神に替えて大島が入る。初めは楠神と同じ右のウイングに入った。しかし攻撃の起点は作れない。大島は、U19アジア予選のドーハから帰ってきたところ。U19では、U20ワールドカップ出場権をとれず、3大会連続でアジアで敗退。ハーフタイムに風間監督は、「横パスやバックパスは要らない」と話したそうだが、あまり改善していない。
16分、攻め上がった田中裕介がゴール正面で倒され、FK。前節の浦和レッズ戦でレナトが直接FKを決めたところよりは少し後方。今度は壁にはね返された。17分、伊藤宏樹に替えて矢島が入る。これで右ウイングに小林が回り、大島はボランチに、憲剛が二列目にあがる。守備陣は田中裕介が下がって4バックに。
20分、フロンターレの左サイドで、登里とずっとやりあっていた相手DF村上が二枚目のイエローカードをもらい退場。新潟は、アラン・ミネイロを下げて、MF兼DFとして藤田を入れる。この後は、フロンターレペースになる。ノボリはずいぶん守備がうまくなったと思う。井川はボールを持ってあがりかけては取られてしまう場面が二度もあった。
一人多くなったが、なかなか決定機は作れず。せっかく久しぶりに出た矢島のキープ力も、ボールが入らなくては発揮できない。大島も宏希も効果的なボールさばきができているとは到底言えず、ペナルティーエリア内でもボールをつなぐばかりで、「誰でもいいからシュート!」と見ている方も叫ぶしかない。誰かがシュートしたかと見れば、憲剛だったりする。
ロスタイム5分に入ってからも、優勢だったが、途中、キム・ジンスに何度目かのシュートを打たれるが、枠の外。とうとう95分、ノボリからパスを受けたレナトが左からドリブルでエリア内に切り込み、パス、ニアで矢島が相手DFをひきつれてスペースを空け、そこへ小林がほぼフリーで入り込み、流し込んだ。
これでようやく勝ち点46。11位から少しは上がれそう。この後今夜5時からの4試合の結果次第だが。9位に浮上。風間監督は、「今までの中で一、二を争う悪い試合。」
サッカー短評 (2012.11/14)
オマーンvs.日本 1対2 (2012.11/14 マスカット) W杯アジア最終予選グループB
引き分けになりそうな追いつかれた展開から、終了直前に岡崎のゴールで逆転勝ち。気温が35度というアウェイのオマーン戦。通常よりキックオフの時間を30分早めたという日本時間午後8時半(現地時間午後3時半)の試合開始。オマーンは3万人入るというスタジアムに無料券も配って動員。コイントスでオマーンのキャプテン、GKアルハブシ(ウィガン・英)が勝ったので、日本は前半西日を正面に見る側となった。
先発は、GK川島(スタンダール・ベルギー)、DF長友(インテル・伊)、今野、吉田(サウサンプトン・英)、酒井宏樹(ハノーファー・独)。遠藤と長谷部(ヴォルフスブルク・独)のダブルボランチに本田(チェスカ・露)のトップ下、左ワイドに清武(ニュルンベルク・独)、右に岡崎(シュトゥットガルト・独)。ワントップに前田。
立ち上がりは、やはり相手の攻勢をしのぐ形。9分に岡崎が初シュートをうつが大きく枠の外。11分には、オマーンの素早いスローインからピンチ。受けた相手選手がペナルティーエリアの中で裏に抜け、ファーへクロス、走り込んだ相手10番がシュートを外しただけ、という展開。少ない手数で簡単に裏をとられ、形を作られた。NHK-BSの解説、長谷川健太さんは、「スローインはセットプレーなんだから、一休みできると気をぬいては駄目。」と言う。19分には、今野が相手FWへのファールをとられ、正面右よりのFKを与える。これは直接ねらい、枠をはずれる。
しかし直後の20分、今野が少し高い位置から左サイドの長友にパス、長友は肩だかあごだかでトラップして、深い位置から折り返しの低いクロスをゴール前に入れると、ニアに前田が走りこんでつぶれ、中央へ走り込んだ清武が右下隅に蹴り込んだ。押された展開の中で、貴重な先制点。清武はフル代表初ゴール。続けて清武が右サイドをえぐって本田に折り返しのパスを落とすが、本田はびっくりしたらしくシュートは右に大きくそれた。
27分には、またスローインからオマーンのチャンス。日本と違って、オマーンの選手は、スローインのボールをすぐ、長めにスペースへ入れる。日本の選手は誰に出そうかウロウロしていてみんなマークが付き、あげく相手ボールになることも多いが、早くスペースにスローインし、そこに走り込むという形ができていた。
36分にはあわや同点ゴールかというシュートを打たれる。日本のFKで攻め上がっていた選手たちがまだ戻りきる前に、左からのクロスに走り込んだオマーン選手がヘディング、これが川島の横っ飛びのセーブかと思ったが左ポスト直撃でゴール前を戻るようにはねかえり、そこを戻ってきた長友がクリア。この暑い中、長友のスピードはすごい。
39分には、またもオマーンが左から入れたクロスに中央で相手FWアルホスニが、ヘディングでクリアしようとした今野と競りあい、オーバーヘッドした足が今野の顔を直撃。しかし、カタール人の主審はイエローカードは出さず(笛も鳴らなかったと思ったが、ハイキックのファールはとったらしい)。オマーンは40分にFWアルアジミをFWアルマクバリと交替。一回担架が入ったが、ロスタイムは2分。1対0でハーフタイム。
後半も立ち上がりはオマーンが攻勢に出る。後半頭からFWアルホスニに替えてFWアブダラーが入る。2分に日本のゴール前で相手FK。これのクリアで右CK。いずれもヘディングで防ぐ。後半も前半同様10分くらいすぎるとオマーンの出足は止まってきたが、日本はだんだん暑さがこたえてきたらしく、中盤にスペースが空きだす。前半、怪我の内田の代わりに最終予選初出場の酒井宏樹は中東のアウェイの雰囲気にのまれたか、動きが固くてトラップミスしたりしていたが、後半は少し慣れてきたらしく、他の選手の足が止まり始める中、まだ右サイドを走り上がる余力があった。本田のロシアは既に氷点下で、オマーンの暑さは人一倍こたえたと思うが、それでもボールキープして相手を3人ひきつけてファールをもらったりしていた。
19分、前田に替えて酒井高徳を入れる。NHKの杉沢アナと解説の長谷川さんは、「前田はどこか傷めましたかね。」「長友を一列あげて清武がトップ下、本田のワントップのようですね。」とザッケローニ監督の意図を推測していた。ピッチレポートの内山アナからも情報は入らず。日本は右の酒井からクロスを入れたり清武がシュートしたりするが、合わなかったり、相手GKにセーブされたり。
28分、オマーンは早くも3人目の交替。初出場だった右サイドバックの選手に替えて中盤の選手を入れる。すると32分、日本のゴール前で吉田がファールしてFKを与え、このキックが壁を越え、吉田をかすめてゴールイン。川島が左へ横っ飛びしたが、届かなかった。とたんにスタジアムが沸き返った。日本がキックオフして試合が再開しても、数分、ゴール直後と同じボルテージの歓声が続いていた。やはり日本は1対0で逃げ切るのは下手だ。
39分、清武に替えて細貝が入る。細貝だから長谷部かと思ったが、キャプテンは残した。遠藤がトップ下に上がる。立て続けに相手CKとなるが、なんとかしのぐ。そして44分、左サイドの酒井高徳がドリブルで持ち上がり、クロスを入れると、ニアで遠藤がヒールで落とし、ファーに走り込んだ岡崎が押し込み、土壇場で勝ち越し点。スタジアムがシーンとなった。岡崎は試合後、「ヨレヨレで得点以外は何もしていない。」と言っていたが、確かに後半は運動量がそうとう落ちていた。しかし、前回のホームでのオマーン戦以来という得点は、値千金のゴールだった。
ロスタイム4分に入ると、帰り始める観客。本田がヨレヨレながらボールをキープ。ファールを受けてFKを得る。遠藤はボールの所に行かず、長谷部が蹴ってまた本田へ。49分には遠藤を下げて、ボランチの高橋が入る。最後は、吉田が大きく蹴ったボールを本田が右のタッチライン際でキープ。これが切れたところでタイムアップ。これで勝ち点13となり、首位キープ。オマーンは勝ち点5のままで3位から4位に。もう1試合は、最下位イラクがヨルダンに1対0で勝って、勝ち点5となり3位に浮上。オーストラリアは試合がなく、勝ち点5のまま得失点差で2位。
サッカー短評 (2012.11/7)
川崎フロンターレvs.浦和レッズ 4対2 (2012.11/7 等々力) 第31節
久々にホームで勝った。27節の札幌戦以来とのこと。今日は初めて最初から3バック。先発は、GK西部、DF伊藤宏樹、ジェシ、実藤。左アウトサイドに登里、右に田中裕介。憲剛と宏希のダブルボランチに左ウイングにレナト、右に楠神。小林のワントップ。立ち上がりからボールを支配され、すぐ5バックに。ノボリが対面の相手サイドバック平川のあがりに懸命に対応。田中は、相手ウイングの梅崎に対応。失点の前にも二回、ペナルティーエリアの前でFKを与えた。名手マルシオ・リシャルデスと柏木が立つ。これはなんとか防いだが、前半19分にとうとう失点。相手DF山田からのロングフィードを、原口が落とし、走り込んだ柏木にうちこまれた。
しかし、3分後の22分、フロンターレもFKを得る。かなり距離はあったが、レナトのキックがレッズの壁左端のマルシオのかばい手に当たって、いい具合のループシュートとなり、ゴールに吸い込まれた。風間監督も思わず小さくガッツポーズ。これで相手の勢いをそぐことができた。
しかも28分に楠神が巧みにファールをもらい、さらに近い位置でのFK。今度は憲剛とレナトの二人が立ち、憲剛が味方にあれこれ指示。相手GKもどっちが蹴るかわからなかったと思う。レナトが、壁の左側にジェシが空けた隙間を狙って左から巻くような鋭いキックで左下隅に決める。これで2点目。このときは監督は、宏樹とノボリに指示を出していた。
さらに5分後、レナトがハットトリック。ゴール前でボールをつなぎ、最後にもらったレナトが一瞬止まって、スライディングした相手DF坪井をかわし、冷静に流し込んだ。
3位のレッズは、1位ヒロシマと勝ち点6差。この試合に勝ってヒロシマが負ければ差が3に縮まる。逆になれば差が9に開き、残り3試合で逆転はほぼ不可能になってくる。フロンターレは後半頭から楠神に替えて山瀬が入る。しかし、優勝争いに残るために後がないレッズが、攻勢を強め、なかなか山瀬にボールが入らない。13分に、またもや失点。ゴール前で攻撃参加していた槙野がポストプレー、柏木がさばいたパスを再び受けた槙野のシュートが決まった。前節の2点差を追いつかれた神戸戦のいやーな記憶がよみがえる。
監督が試合後に「後半は引きすぎた」と振り返っていたが、何度も真ん中でボールを失うようになり、20分に宏希に替えて稲本を入れる。これがあたり、憲剛が少し前でボールをさばけるようになる。そして27分に、山瀬が追加点。ゴール前での小林のシュートを相手ボランチ鈴木啓太がクリアしようとして足にあてただけのこぼれ球に、山瀬がつめて、まっすぐ打ち抜いた。
レッズも左サイドバックの平川に替えて宇賀神を入れ、このサイドからの突破を試みるが、ノボリとレナトが戻ってよく対応。それでも中央で宏樹のヘディングやジェシのスライディング、西部のスーパーセーブなどがあり、なんとかロスタイムの3分まで守りきった、という感じ。今、1点差では逃げ切れない感じがする。ホームだが、最後までスタンドから「アヴァンテ」が聞こえなかった。
これでひとつ順位が上がって11位。すぐ上にいたセレッソが2位仙台と引き分けため。すぐ下の鹿島もスコアレスドロー。
サッカー短評 (2012.11/4)
清水エスパルスvs.鹿島アントラーズ 1対1延長前半0対1 (2012.11/3 国立) ナビスコカップ決勝
結局、試合巧者の鹿島が逃げ切って連覇した。リーグ戦は現在13位だが、「今年も主要タイトルのひとつをとることができた」と岩政が言っていた。怪我人が多いらしく、センターバックの相棒は青木だった。
試合は、前半は互いに相手の長所を消し合って0対0。直前のリーグ戦で対戦し、そのときはカシマスタジアムで、両サイドから崩され、大前に決められてホームの鹿島が敗戦。その教訓を生かして、若い左サイドバックの庄司に大前のマンマークをさせたらしい。
後半になると、選手間の距離があきだし、オープンな展開に。両者ともPKで1点ずつ決めたが、追加点はとれずに延長戦へ。延長前半に、PKを蹴った若い柴崎がゴールを決め、そのまま後半も逃げ切った。大前はPKの1点だけ。
サッカー短評 (2012.10/27)
ヴィッセル神戸vs.川崎フロンターレ 3対3 (2012.10/27 ホームズス) 第30節
せっかく2点リードしたのに、勝ちきれなかった。先発は、帰ってきたGK西部、DF山越、ジェシ、実藤、田中裕介。稲本と宏希のダブルボランチ、左ワイドにレナト、トップ下憲剛、右に楠神。ワントップに小林。大島と宏矢がU20の合宿に参加。ただでさえ怪我人だらけのFW陣がますます手薄に。
前半は神戸のペース。8分に田中英雄にミドルシュートを打たれるが、枠をはずしてくれた。20分には、相手センターバックの伊野波にロングシュートを打たれ、左上の角に当たって難を逃れる。
フロンターレの初シュートは、30分。楠神のドリブル突破からゴール前の宏希にパス、宏希が勝負したこぼれ球に小林がつめたもの。枠の左上にはずれたが、とにかくシュートしないと始まらない。
神戸は、残留争いに巻き込まれないよう、勝ち点3をとりたいという強い意思を感じる。中央の都倉や田代に放り込み、落としたボールをつないでくる。ところが、押し込まれていたフロンターレが先制。宏希からパスを受けたレナトがペナの外から思い切りよく左足を一閃。右下隅に気持ちよく決まった。前半はこのまま終了。
後半頭から、稲本に替えて宏樹が入り、3−4−3にシフト。しかし両サイドバックをウイングバックにしてより攻撃的に、という布陣はすぐ5バックにもなる。11分、クリアボールが小さくなったこぼれを都倉に決められ、追いつかれる。17分の相手CKは決められたかと思ったが、なんとかクリア。
20分、憲剛のFKから小林が最後押し込み、再びリード。23分には、楠神のインターセプトから、憲剛、楠神に再び渡り、右サイドからロングクロスを入れると、3相手DFにわずかにかすってファーサイドのネットにゴールイン。これで連敗ストップできそうな感じだったのに、その後の試合運びがつたない。
31分、野沢から大久保に渡り、大久保がループで右サイドバックの奥井へパス、奥井が入れたクロスを田代が押し込み、1点差。これですっかりバタバタしてしまった。37分には、田代から右の朴へ渡り、また右からのクロスに都倉が競り勝ってヘディングで3点目。とうとう追いつかれた。神戸は前半、FW吉田と左SBの相馬を怪我で交替というアクシデントがありながら、根性を見せた。
直後に山越に替えて登里を入れるが、遅かった。ロスタイム4分まで、実藤も攻撃参加してシュートしたが、いかんせん、枠にとばない。
試合後の監督インタビューで、「チームとしてかなりできた」が、崩れるときは「一人のミスから崩されてしまう。」「攻撃参加から守備に戻るとき正しい位置にいない」のでやられてしまう。順位は12位のまま。
サッカー短評 (2012.10/21)
川崎フロンターレvs.ガンバ大阪 2対3 (2012.10/20 等々力) 第29節
残留に必死なガンバに先制され、追いついたもののまた勝ち越され、 また同点にしたのもつかの間、後半40分にダメ押しされた。1点目と3点目は、今季途中でKリーグのウルサン(?)から戻ってきた家長。レアンドロはジェシが完封したのだが…。遠藤や憲剛は代表のヨーロッパ遠征から二日前に戻ったばかり。先発は、GK杉山、DF山越、ジェシ、実藤、田中裕介。稲本と宏希のダブルボランチ、憲剛のトツプ下。楠神のワントップ、左ワイドにレナト、右に山瀬。スカパーの解説の玉乃さんは「山瀬の使い方が気の毒だ」としきりに言っていた。
とにかく17位のチームとは思えない。最初のシュートはフロンターレの憲剛だったが、5分以降はガンバペース。15分、ガンバはFW佐藤がGK杉山と接触した際に傷めたため、倉田と交替。21分、その倉田からのパスを受けた家長が得点。レナトが何度かシュートするが枠にいかず。前半はなんとか1失点でしのぐ。稲本の存在感が光る。
後半は頭から山瀬に替えて大島が入る。後半最初のシュートもフロンターレ。大島からのパスを楠神がシュート。13分、憲剛の左CKをジェシがヘディング、相手DFにあたったこぼれをファーでフリーの楠神がつめて押し込んだ。これで同点。14分には宏希に替えて怪我上がりの小林が入る。楠神が右に回り、大島がボランチに。
しかし、19分、家長、遠藤、倉田とパスでほんろうされ、最後は攻め上がってきた左サイドバックの藤春にシュートをうたれ、また逆転。23分、ガンバは二川に替えて佐々木を入れてくる。27分、大島からのパスを受けた楠神がドリブル、ゴールラインぎりぎりから折り返しのクロス、飛び込んだのはなんと憲剛。ヘッドで得点し、再び追いつく。
しかし、31分、レアンドロの右からのクロスにジェシと実藤の二人ともいってしまい、クリアが小さくなったこぼれ球を、中央でフリーの家長にひろわれ、きっちりたたきこまれてしまう。
36分、足がつり始めた稲本に替えて宏矢が入る。憲剛がボランチの位置へ。直後のガンバの攻撃をなんとか防ぎ、カウンターで楠神のパスに反応した宏矢が、絶好機のシュートを相手GK正面にうってしまい、決められない。44分、倉田にバー直撃のシュートをうたれる。ロスタイム4分、小林もシュートするが防がれる。ホームゲームなのにまた負けて、11位から12位に後退。
試合後の監督インタビューでは、「得点後の中盤をあけてしまい、正しい位置にいなかった」のが、よくなかった点としてあげられていた。それにしても本当にFWに怪我人が多い。結局、黒津は今季もほとんど怪我で棒に振ったようだし、矢島の復帰もいつになるのか。
サッカー短評 (2012.10/20)
日本vs.ブラジル 0対4 (2012.10/16 ヴロツワフ・ポーランド) 国際親善
完敗。試合への入り方は、フランス戦よりよかった。先発は、GK川島、DF長友、今野、吉田、内田。遠藤と長谷部のダブルボランチ、憲剛のトップ下。本田のワントップに左ワイド香川、右に清武。ブラジルの前線は、なんとネイマールのワントップに左にカカ、右にフッキ、トップ下にオスカルという豪華布陣。
7分に日本の初シュートは清武。9分にも香川のパスを受けた本田がシュートするが相手GK。しかし、12分、相手ボランチのパウリーニョにすごいミドルシュートを決められ、あっさり失点。15分には憲剛のスルーパスを受けた香川がシュートするが枠にもいかず、オフサイド。24分、カカのシュートを今野がスライディングで止めたが、横たわった腕にボールが当たり、なんとハンドでPKとなる。これを簡単にネイマールに決められ、前半で2失点。
30分過ぎから、CK、FKを得るが、ブラジルの高いバックラインに跳ね返される。34分には、危うく3失点目か、というシュートをカカにうたれるが、右ポストが防いでくれる。
日本は後半頭から二人交替。憲剛に替えて乾、内田に替えて酒井宏樹。ブラジルの最初の攻撃でCKを与え、またまた失点。オスカルの右CKはファーで長友。クリアが小さく、ネイマールへ。シュートが吉田にあたり、3点目。直後に日本もCKから本田がシュートまでいくが、ポストの右。14分のフッキのシュートは右ポスト直撃。17分、長谷部に替えて細貝が入る。
27分、細貝が右サイドの酒井にパス、持ち上がって入れたクロスを本田がダイレクトでシュートするが相手GK。31分、今度はカカに決められる。ネイマールからのパスを受けたカカが吉田をドリブルでかわし、ゴールの右隅に。32分、ブラジル最初の交替はフッキに替えてジュリアーノ。フッキのクロスは、長友がずいぶんがんばって防いでいた。
37分、40分と本田がシュートするが枠の外や力なく防がれる。ブラジルは選手の虫干しに入り、ネイマール、ボランチ・ラミレス、オスカルと次々交替。日本もロスタイム3分に入るところで、清武に替えて宮市、吉田に替えて栗原を入れる。栗原はパワープレーか?と思ったが、そんな場面も作れず、宮市の快速を生かす展開にもできず。結局なんにもできないことがわかった。
サッカー短評 (2012.10/13)
日本vs.フランス 1対0 (2012.10/12 サンドニ) 国際親善
なんと勝ってしまった。前半はサンドバック状態だったのに。前田と伊野波が怪我で離脱、代わりに佐藤寿人と酒井高徳が追加招集。本田も右足打撲とかでベンチ。先発は、GK川島、DF長友、今野、吉田、酒井宏樹。長谷部と遠藤のダブルボランチ、憲剛のトップ下。ハーフナーのワントップに左ワイドに香川、右に清武。このうち長谷部と酒井宏樹はチームで試合に出ていない。
日本のキックオフで始まり、ゴール前にクロスを入れる所までいったが、相手GK。その後は攻められっぱなし。3分、5分、8分、9分とクリアして相手CK。ただ枠にシュートが来なかった。直前の雨で滑りやすく、バウンドが伸びる。憲剛が滑り、スパイクを履き替える。
11年前の雨中の対戦では、日本はぬれたボール扱いでも全くかなわず、0対5の敗戦。本当はもっと点差がついてもおかしくなかった。このときのFIFAランクはフランスが2位で日本は42位だった。今は、フランス13位、日本23位。
16分、清武のパスを受けた酒井宏樹が右から入れたクロスにハーフナーがかろうじて頭で触るがヒットせず。前半のシュートはこれ1本。21分に香川からのパスを受けた憲剛が真ん中からブロックされつつもシュートするが、ファールで認められず。
フランスは、とにかくゴール前まで来るのが速い。中央が手厚いと見るやサイドから展開してクロスが入る。相手FWのベンゼマやジルーがシュートをはずしているだけ。競技場は満員に近く、観客は、早く点を取れとばかりにウェーブも。
38分には、香川のファールでゴール正面のFKを与える。これをベンゼマが蹴ったが、壁の右端を越えて来たボールを川島が見事なセーブ。なんとか無失点でハーフタイム。
後半、フランスは三人替えてくる。ベンゼマに替えて、小柄なクロッサー、バルブエナが入る。5分、8分と相手CK。ハーフナーや吉田がヘッドでクリア。しかし、後半の方が日本もチャンスを多く作れるように。10分、香川がもらったファールから、遠藤のFK。パスを受けた憲剛がシュート、こぼれ球に寄せたハーフナーが、なんとか香川につなぐが、香川のシュートもヒットせず。13分にもハーフナーがポストプレーで落としたボールを憲剛が左足でシュートするが相手GK。フジテレビ解説の清水さんが、「ハーフナーに今のようにボールが収まったのは初めてだ。」と言う。
17分に、長谷部に替えて細貝、憲剛に替えて乾が入る。乾は香川のいた左ワイドに、香川が憲剛のいたトップ下に。もとセレッソ三人組が並ぶ。さっそく20分に乾がシュート。
フランスはいよいよ23分、点を取ろうと二人交替。入った内の一人はリベリ。29分には、後半入った選手に替えてFW投入。29分に、リベリが酒井と清武の間をドリブル突破。シュートまでいかれるがなんとかセーブ。33分、相手FWジルーのオーバーヘッドのこぼれを押し込まれるが、オフサイドで助かる。
41分、日本が二人交替。酒井宏樹に替えて内田、ハーフナーに替えてボランチの高橋が入る。解説の清水さんが「誰がトップに入るのか?」たぶん香川だが、ゼロトップのような感じか。
42分、とうとう失点か、というシュートを相手FWジルーにうたれるが、川島がファインセーブ。川島が打たれ強くて本当によかった。
43分、今野がロングドリブルで中央を攻め上がり、なぜか右サイドにいる長友にパス。長友は終始、全力疾走し、失速しなかったのはさすが。長友の低い折り返しのクロスに香川が相手DFともつれながら倒れ込みシュート。これが決まって、なんと日本が先制。ロスタイムは2分あったが、逃げ切った。6回目の対戦で初勝利。 試合後の選手インタビューで、「これで喜んでいるわけにもいいかない。」と今野あたりが言っていたが、フランスがシュートをはずしてくれただけ、という面も大きい。フランスは、監督がデシャンになってから、これが4試合目とか。すぐ後の10/16日にワールドカップの欧州予選でスペインと対戦するそうだ。
サッカー短評 (2012.10/12)
川崎フロンターレvs.徳島ボルティス 3対2 (2012.10/10 等々力) 天皇杯3回戦
テレビ放映なし。なんとか延長後半でふりきった。3バックで臨んだらしい。GK杉山、DFジェシ、井川、実藤。宏希のワンボランチ、左に山越、右に田中裕介。トップ下に山瀬、左ワイドにレナト、右に登里、。ワントップに楠神。
前半24分、先に失点。しかし、直後に楠神がしかけて得たFKをレナトが直接決めて、同点。27分に登里が怪我で大島と交替、ダブルボランチに。後半24分、井川に替えて宏矢が入り、4バックに。33分、レナトのパスを受けた楠神が、相手GKの逆をついて逆転。しかし、ロスタイムに追いつかれて、延長戦へ。
延長前半は無得点。7分に足がつりそうになった楠神に替えて小林が入る。延長後半もPK戦になろうというロスタイムに、レナトが個人技で突破して、シュートを決めて、4回戦へ。
サッカー短評 (2012.10/6)
柏レイソルvs.川崎フロンターレ 1対0 (2012.10/6 日立台) 第28節
勝ち点は同じ39で9位と12位。どちらが上位に残れるかの瀬戸際。しかし、終始ペースを握られ、FK一発にやられ、したたかに逃げ切られた。
先発は、GK杉山、DF山越、ジェシ、実藤、田中裕介。憲剛と宏希のダブルボランチ、山瀬のトップ下、左ワイドにレナト、右に大島。ワントップは引き続き楠神。レイソルは、レアンドロ・ドミンゲスが怪我で離脱。そのトップ下の位置に茨田を起用。トップは工藤、左にジョルジワグネル、右に澤。。レアンドロがいないので、前線にロングボールを入れてくることが予想される。
たちあがりから、レイソルにボールを支配され、シュートまでいかれる。幸い、枠に来ないので、さほど怖くないが、自分たちのリズムが出ない。大島と宏希がねらわれている感じ。20分過ぎにレナトがシュートするまでシュートゼロ。27分に楠神がペナルティーエリアのすぐ外からシュート。いいシュートだったが、相手GK。30分過ぎからFKやCKでジェシに合わせるが、相手DFもわかっていてクリア。44分にペルティーエリア手前左寄りでレイソルのFK。ジョルジワグネルが蹴るが壁に当たる。ロスタイムにレナトが鋭いシュートをうつがわずかに枠の外。
前半は憲剛にマークが厳しかったので、後半頭から大島とポジションチェンジ。レイソルは11分、澤に替えて田中順也を入れる。16分のFKはレナトが蹴ったが、枠に飛ばず。18分、憲剛のスルーパスに走り込んだ楠神が相手DF二人に挟まれながら反転、倒されるが、なんとシュミレーションの判定。21分、実藤のファールでペナルティーエリアすぐ外で相手FK。またジョルジワグネルが蹴ったが、今度は壁を越えて見事に左上にゴールイン。杉山は中央から一歩も動けず。Jスポーツ解説、FKの名手だった三浦淳宏さんが、「GKのポジショニングがたいせつ」と言っていたが、適切な位置取りだったのか。
失点後、緊張が切れたのか、走らされる場面が多くなる。相手のパス回しに後手をふみ、最終ラインが低くなる。解説の三浦さんは「フロンターレはあと5メートル守備ラインをあげた方がいい」と言う。26分、大島に替えてレネ・サントスが入る。なんとレネは前線に入り、楠神とツートップ。29分には楠神に替えて登里が入る。ノボリは左ワイドに入り、レナトが右へ。トップ下は憲剛。レネと山瀬のツートップか。33分、ノボリからパスを受けたレネがエリア内で倒れるが、これもシュミレーション。イエローカードも出る。レナト、ノボリのクロスが入るが中と合わない。連携はまだまだ低い。ロスタイム4分。47分に実藤が攻撃参加、山瀬がシュートするがうちそこない、こぼれたボールを田中裕介が鋭くシュートするが、相手GKがファインセーブ。49分、山越がドリブルでエリア内に持ち込み、また相手DF那須と接触し倒されるが、これもシュミレーション。結局、得点できずにタイムアップ。
試合後のインタビューで風間監督は「今日は見ての通りで、振り返りたくない。選手たちがかわいそうだ。」と怒っていた。「うちの一番いい場面が一番のミスになってしまった。」解説の三浦さんが、「判定についてはあまり言わない監督なんですが…」と驚いていた。
サッカー短評 (2012.9/29)
川崎フロンターレvs.コンサドーレ札幌 1対0 (2012.9/29 等々力) 第27節
後半35分、後半31分に入ったレナトが個人技で取った1点でなんとか逃げ切り、2ヵ月ぶりのホームでの勝利。相手はこの試合負けると降格決定。しかもJリーグ史上最速降格決定とか。しかし、こちらも11位だし、人の事情にかまっている余裕はない。先発は、GK杉山、DF山越、ジェシ、実藤、田中裕介。憲剛と宏希のダブルボランチ、宏矢のトップ下、左ワイドに山瀬、右に大島。ワントップは前節に続き楠神。陸前高田の子どもたちを招待した「川崎修学旅行2」。昨年は新潟戦で負けてしまった。今年はようやく勝利をプレゼントできた。
前半立ち上がりは、札幌が積極的に攻め込み、10分には山本にシュートまでいかれたが、枠に来なくて助かった。なかなかパスがつながらなかったが、次第につなげるようになり、16分、田中裕介の攻め上がりから、ゴールラインぎりぎりの折り返しに楠神がシュートしたが、枠の上にはずれた。山瀬や大島もシュートするものの枠に飛ばず。札幌は前節も前半はよかったらしく、得点できないまま、ハーフタイム。
後半も最初だけ札幌がボールを支配したが、すぐに川崎フロンターレのリズムに。しかし、相変わらず、なかなかシュートまでいけず、シュートしても全員で体をはって守る札幌の守備を破れない。15分頃、山瀬が決めたかに見えたが、なぜか枠の外。CKも前半だけで7本、後半も9本あったが、決まらず。札幌は、後半1分、DFキムに替えてDF櫛引、16分にFW内村に替えて186pのFW上原を入れる。長身FWに放り込むのかと思ったが、そういう場面には至らず。山越が左サイドをドリブルで攻め上がり、奥深くまでいくが、味方が近くにいなくて実らず。
30分、宏矢に替えてレナトが左ワイドに入る。山瀬が右に回り、大島がトップ下に。35分、憲剛からパスを受けた山越がペナルティーエリアに進入、今度はヒールでレナトにつなぐ。するとレナトが技ありのミドルシュートを決め、やっと先制。左足のアウトで蹴ったようで、相手GKは逆に跳んでいた。この後、レナトは左足を相手DFノースに踏まれ、しばらく治療して心配したが、ひねりはしなかったらしく戻った。
負けると降格の札幌は、なんとか同点にしようと攻めてくるが、GK杉山が防ぐ。44分には、珍しく守備固めの交替。楠神に替えて井川がボランチに入り、憲剛がトップ下に、なんと大島がトップに。スカパー!解説の川本さんは「ゼロトップですか」と言う。ロスタイムは4分もあり、ボールキープするかと思えば、憲剛がシュート。追加点か、と思ったが、左回転で左ポストに当たり、枠の外へ。いつの間にかサポーターの「アヴァンテ」も聞こえてきて、なんとか無失点のままタイムアップ。
試合後のインタビューで風間監督は、「最初は個人が目立つようにやってきたが、今はチームとしてやることができるようになってきた。」「レナトの得点場面より、前半もっと簡単に点を取れるところがあった。」順位は11位のまま。
サッカー短評 (2012.9/22)
FC東京vs.川崎フロンターレ 1対2 (2012.9/22 味の素ス) 第26節
久々に勝った。7/28の大宮戦以来の勝ちらしい。今節は、田中裕介と井川が警告累積で出場停止。小林は怪我で全治3週間。先発は、GK杉山、DF山越、実藤、ジェシ、伊藤宏樹。憲剛と宏希のダブルボランチ、宏矢のトップ下。楠神のワントップに左ワイドに山瀬、右に大島。
第20回多摩川クラシコとやらで、スカパー!の解説も、FC東京OBの藤山とフロンターレOB中西哲生のダブル解説。今までの対戦成績はほぼ互角だが、2007年以降、その年の最初の対戦で勝った方が連勝するというジンクスがあるらしい。今年の等々力(4/8第5節)では負けているが、そのときとは監督が違う。
いきなり2分、相手ボランチの米山にミドルシュートをうたれ、杉山が横っ飛びでセーブ。杉山は今季まだ2試合目で、DFとの連携などいろいろ課題はあるが、「これでいい入り方ができた」と中西。14分、山瀬からのボールを受けた憲剛がシュートするが、ボールはカーブをかいて枠の外へ。前半のシュートはこれ一本。
21分にも危ないシュートを梶山にうたれ、杉山が右手の先ではじいてクロスバー。31分にはルーカスにこわいシュートをうたれるが、左にはずしてくれた。とにかくFC東京のワンタッチパスに後手後手で、「ルーカスがバイタルエリアでフリーでボールを受けている。」と中西。「ルーカスが落ちたときDFがついていって、なおかつボランチと挟むとよい」と中西は言うが、修正できない。石川にもうたれるが、枠に来なくて助かった。とにかく無失点で前半を切り抜けたのが勝因。
後半1分、フロンターレは中盤でブレスをかけにいき、相手のキックオフのボールを奪い、山瀬、宏矢、山瀬とつないで楠神にパス、走り込んだ楠神は一旦切り返して相手DFを一人かわし、ゴールにボールを転がし込んだ。相手ペースになる前に、先制できたのは大きい。前半はずっと東京ペースでいつ失点してもおかしくない感じだった。続けて8分、ドリブルした宏希がファールで倒され、ゴール前でFK。憲剛のボールはジェシの頭にぴたりと合い、追加点。
FC東京は、17分、米本に替えて新加入のヴチチェビッチをトップ下に入れる。梶山がボランチに下がる。さらに23分、左サイドバックの丸山に替えてドリブラーの田辺を入れてくる。しかし、フロンターレは、ジェシと実藤がクロスをはねかえし、ルーカスに体を寄せ、宏樹も的確に中に絞ったり、サイドに切ったり、やはりベテランDFが二人出ていると安定感がある。
DFからの攻撃の組み立ては、FC東京の方に一日の長がある。中西は、「」フロンターレの縦パスはまっすぐだが、東京の高橋は、斜めに縦パスを入れている。」と言う。
26分、またしてもルーカスに怖いシュートをうたれるが、これも杉山がかろうじて左手指先にあて、クロスバー。宏矢に替えて小松が入る。小松がワントップに、楠神がトップ下になる。中西は「楠神はこの方がやりやすいだろう」と言う。小松は相変わらずボールが収まらない。ヘディングでは競り勝つが、味方に落とせない。30分、左サイド田辺からクロスを入れられるが、バーにあたって出ていってしまう。FC東京は、羽生に替えてエジミウソン(去年、レッズからカタールに行ったはずでは?)を入れる。
32分、楠神に替えて登里が入る。登里は珍しく右ワイドに入り、大島がトップ下に。ノボリは左で出ることが多いが、中西は「右で使うのは訳があるはず。田辺対策かもしれない。」と言う。FC東京は疲れと焦りからかパスが不正確になり、フロンターレも憲剛、山瀬がシュートするも枠に飛ばず。
勝てそうな予感がしてきた43分、エジミウソンに1点返される。フロンターレの中盤のボールさばきが鈍くなってきて、憲剛がヴチチェビッチにボールを奪われ、エジミウソンにつながれ、シュートをうたれた。杉山はゴール内のボールを相手が取りに来ても離さなかったので、遅延行為でイエローカード。
とうとう45分まで来るが、ロスタイムも5分。この数字を見て、FC東京の選手もサポーターも勢いづく。47分、なぜか交替で入った小松が腰を傷めたらしく、三人目の交替は小松を下げてレネ・サントス。そのままトップに入り、前からプレスをかけるということらしい。FC東京は攻撃をかけ続けるが全員でしのぐ。最後は相手と交錯した杉山が痛そうに右足を押さえてしばらく倒れる。フロンターレのサポーターがいつの間にか「アヴァンテ」を歌っている。大丈夫か。松尾主審は立ち上がった杉山がゴールキックを蹴ってもまだ時計を見なかったが、そのあと、ボールをクリアしたところでやっとタイムアップ。なんとシュート6本で2点。
前節の引き分けで12位になり、今節の勝ち点3で11位に浮上。試合後の風間監督インタビューは藤山がしたが、中西の方がよかったのではないか。ハーフタイムでプレスがかかるようになったが、ボランチの所をあけないように、楠神は下がってこないように、両サイドは先に戻って背中を見せない守備をするように修正したらしい。これを言われなくとも前半の途中で自分たちでできるようになればいいのだが。
サッカー短評 (2012.9/15)
川崎フロンターレvs.鹿島アントラーズ 2対2 (2012.9/15 等々力) 第25節
なんとか追いついて終わった。開始5分で興梠にスカッと決められたのが最後まで響いた。
久々に観戦した。まだだいぶ暑いが、風が吹くと少しはまし。また先発の顔ぶれが変わった。GK杉山、DF山越、井川、実藤、田中裕介。大島と宏希のダブルボランチに憲剛のトップ下。宏矢のワントップに、左ワイドに登里、右に山瀬。西部はどうしたんだろう。ベンチにもいない(右足のねんざらしい)。
鹿島には新しいブラジル人が二人も入り、MF登録のレナトとドゥトラ。ジュニーニョはベンチから。5分の失点は、GK杉山の飛び出しと、DF陣の連携がうまくなかった。9分には、山瀬の惜しいシュートが左ポストを直撃。これが入っていたら、すぐ追いついて、自分たちのペースにできたのだが。
15分、実藤がドゥトラのドリブルを止めにいったのが、イエローになり、PKの判定。これをまた興梠に決められ、前半で早くも2点ビハインド。ホーム3連敗かと不吉な思いがよぎる。それにしても今日の主審は、フロンターレにばかりイエローを5枚も出した。ホームアドバンテージなんてあったもんじゃない。
なんとか前半のうちに得点してほしいと応援していると、19分、大島がボールをカットして実藤へ。実藤はドリブルしてから憲剛へ。憲剛のスルーパスに走り込んで合わせたのは、ゴール前にあがった実藤だった。これでPKを与えた分の責任はとった。1点返すとだいぶボールが回るようになり、27分、FK。憲剛が直接左上隅をねらったが、相手GK曽ヶ端が触り、クロスバー。惜しかった。残り5分あたりから鹿島が再び攻勢をかけてきて防戦一方になるが、なんとかしのいでハーフタイム。
後半の立ち上がりも鹿島が攻め込み、耐える形に。山越の裏にポンとボールを入れられ、興梠が走ってふりきり、ピンチになる、というパターンが多い。枠をはずしてくれただけ、というのもあった。フロンターレの攻撃は、パスを丁寧につないでいくのはいいのだが、一人ずつ横とか前とか足下につなぐので、スタンドから見ていると、鹿島の陣形もきれいにこちらのパスに合わせて左右にスライドしているのがよくわかる。
17分、登里に替えて楠神が入る。楠神には点を取ってほしい。しかし、この直後に鹿島の連続攻撃を受ける。21分、鹿島の大迫に替えてジュニーニョが入ってくる。
29分、田中裕介がなぜか憲剛のパスを受けて左の方からシュート。決まったかに思ったが、わずかに枠の右。32分、鹿島が二人交替。レナトに替えて増田、ドゥトラに替えて遠藤が入る。33分、大島と山越がパス交換して、大島がシュート、相手GKの腕に当たりながらゴールの中へ。ようやく追いついた。34分、宏矢に替えて小松が入る。39分、交替で入った遠藤にこわいミドルシュートをうたれる。ジュニーニョに裏をとられて危ない場面もあったが、井川が捨て身のスライディングでなんとかクリア。残り5分は、鹿島の猛攻。ロスタイムは4分もあり、最後、ジュニーニョにシュートされたらこわかったが、折り返しのパスで、これは誰にも合わず。ほんとになんとかしのぎきってタイムアップ。ようやく負けない試合を見ることができた。鹿島のサポーターは、たくさん来ていたが、試合後、選手たちにブーイングしていた。
サッカー短評 (2012.9/11,12)
日本vs.イラク 1対0 (2012.9/11 埼玉ス) W杯アジア最終予選グループB
けっこう、薄氷の勝利だった。香川が練習で腰を傷め、清武が初先発。GK川島、DF長友、伊野波、吉田、駒野。遠藤と長谷部のダブルボランチ、本田のトップ下。前田のワントップ、左ワイドに清武、右に岡崎。
ジーコ監督率いるイラクは、先発をがらりと変えたらしい。「主力のコンディションが整わなかった」と言うが、日本の事前のスカウティングを空振りさせる意図もあったに違いない。警戒していた点取り屋のユーヌス・マフムードはベンチスタート。若手を中心に、本田、遠藤、長谷部にマンマーク。あとは走ってカウンター。これがなかなか鋭くて、開始4分で相手CKを与えてしまう。ニアで相手2番にフリーでヘディングシュートされてしまうが、川島がはじき出す。続けての相手CKもなんとかクリアし、こぼれ球のシュートは枠の大外。日本は11分に長友が清武とワンツーで攻め上がってシュートしたのが最初のシュート。イラクは若くてもやはり中東。20分、長友が競った相手が派手に倒れてみせてFKを得る。21分にも相手CK。
少し相手ペースの中、相手エンド右サイドでスローイン。駒野がボールを入れるのに合わせて、岡崎が動き出し、マークをはずしてダイレクトでクロスをあげると、これまたマークをはずした前田が少し後ろから走り込んでヘッドで押し込み、きれいな先制点を決める。試合後の岡崎のインタビューによると「練習でやってきた形」だそうだ。
41分、清武の突破から得た左CKで遠藤がゴール前の吉田に合わせるが、相手GKが防ぎ、イラクのカウンターを受ける。ずっとセットープレーを蹴っている9番の選手が駒野をかわしてシュートするが、GK川島がふせぐ。前半で同点にされていたら、どうなるかわからなかった。前半最後は日本のCKが続くが、追加点ならず。
日本は、後半、左右のサイドから何度も攻撃。6分の日本のFKからのこぼれ球を本田がシュートするが、相手DFにブロックされる。18分の日本の右CKは本田が蹴るがクリアされ、こぼれ球を吉田がオーバーヘッドシュートするが、枠の上。イラクは19分、FW11番に替えていよいよマフムードを入れてくる。少し右に流れてボールを受けるが、伊野波が必死にくいさがって自由にさせない。
24分、遠藤、清武、長友と渡ったボールを長友がすばやくゴール前にクロス、本田のヘッドに合うが、枠をそれる。30分にはイラク二人目の交替。続けて33分にもあのセットプレーキッカーの9番を下げる。
35分、清武のクロスに本田が走り込んでダイビングヘッド、決まったかに見えたが、相手GKがわずかにさわって右ポストに当たる。この日、本田のシュートの中で一番惜しかった。試合後、ザッケローニ監督と何か話していると思ったら、翌日の『日刊スポーツ』に、「もっとゴールをとれたはずなのにとれてないのが満足していない」と言われていたらしい。
44分、清武に替えて細貝が入る。スリーボランチ気味になったらしい。さらに45分、前田に替えてハーフナーが入る。ロスタイム3分。この時間になってもまだ長友のオーバーラップは鋭い。驚くばかりだ。ザック監督は、最後に高橋を誰かと交替させようとピッチサイドに行かせたが、結局出番なし。清武は、香川の代役というより、長友といい関係を作り、サイドチェンジ、ポジションチェンジも含めて、パサーとしての持ち味を発揮し、合格点の出来。香川と酒井宏樹がスタンドから見ている姿がときどきテレビで映し出された。
これで勝ち点10を積み上げ、依然、B組首位。オーストラリアがなんとヨルダンに敗れ、ヨルダンが勝ち点4で2位に浮上した。オーストラリアは勝ち点2のままの3位。イラクも勝ち点2の同率3位。A組では、韓国がアウェーでウズベキスタンと引き分け、勝ち点7で1位。勝ち点4でイラン、カタール、レバノンが続く。
サッカー短評 (2012.9/10)
川崎フロンターレvs.徳山大学 2対0 (2012.9/8 等々力) 天皇杯2回戦
放送はなかったが、勝った。ホッとした。何しろ昨年覇者のFC東京、現在リーグ2位の広島を始め、札幌、神戸、鳥栖などJ1のチームが次々に敗れる波乱が多かった。こちらもリーグ戦2連敗中で、今回、代表で憲剛が不在。
得点は、2点とも山瀬。後半4分と32分。2点目は、宏矢、ノボリとつないでドリブルしてから入れたクロスにヘッドで飛び込んだ。
先発は、GK杉山、DF山越、井川、ジェシ、田中裕介。大島と宏希のダブルボランチ、宏矢のトップ下。山瀬のワントップに左ワイドに登里、右に小林。
TVKの「ファイト! フロンターレ」を見た感じでは、前半はかなり攻め込まれたところもあった。徳山大学(山口県代表)は失うものがないし、どんなチームかもわからないので、天皇杯の初戦はいつも苦戦する。次戦は、10/10、ヴォルティス徳島と等々力で対戦。
サッカー短評 (2012.9/8,9)
U20日本女子vs.U20ナイジェリア女子 2対1 (2012.9/8 国立) U20女子ワールドカップ3位決定戦
先制し、追加点をとったが、FKから1点返され、最後はしのいで何とか銅メダルを確保した。先発は、GK池田、DF浜田、高木、土光、中村。猶本と藤田のダブルボランチ、田中陽子のトップ下。道上のワントップに左ワイドに横山、右に田中美南。
ナイジェリアのキックオフで始まるが日本がボールをとって相手のリズムにさせない。しかし前半4分に相手FK。ボールのところに三人立ち、左右の選手が同時に寄せた後真ん中の選手が蹴った。GK池田がかろうじて触り、ポストに当たる。いきなりのピンチをなんとかしのいだ。11分の日本のFKは、田中陽子が蹴るが、味方に合わず。この世代、U17ワールドカップで一度ナイジェリアと対戦して負けているらしいが、そのときのチームにいたのは、キャプテンの藤田と木下だけ。ほとんど選手がアフリカのチームとは初対戦。そのせいか、シュートまでいけない。一瞬早く相手の足が伸びてきてカットされてしまう。
しかし24分、田中陽子がかなり長い距離のシュートを決める。相手DFが三人くらい寄ってきたが、その間をぬって左足で無回転のキックを蹴ると、相手GKホワイトの左手に当たってゴールの中へ。蹴った本人もびっくりしたような顔で、ベンチの方へ走っていった。試合後のインタビューでは、「蹴ったら入りました。」と言っていた。
フジテレビの解説、大竹さんによると「ナイジェリアの選手は、基本的に個人技で打開しようとする」ので、日本が二人でボールを取りに行っても味方が近寄って助けるということはしない。シュートも早撃ちで助かった面もある。32分にも日本のFK。田中陽子と横山がボールのところに立ち、田中陽子が直接ねらったものの、枠をはずれる。35分には横山に替えて柴田が入る。柴田の運動量で前から守備ということか。
後半は、頭からワントップを交替。道上に替えて西川が入る。ナイジェリアも二人交替。入った選手は二人ともFWらしい。ナイジェリアが攻勢を強めてきたが、5分に日本の追加点。相手の出鼻をくじく。柴田が中央でドリブル、西川にパス、斜めに走り込んだ西川が飛び出した相手GKの上をループシュートで流し込んだ。解説の大竹さんが「きれいな得点でしたね。」と言う。
ナイジェリアのCF、9番のオパラノジには、高木が集中してついていて、効果的なシュートを打たせない。土光も16歳と思えない冷静さでカバーに入ったり、ラインを統率したりしている。しかし、次第に日本の選手間が広くなり出し、DFラインも下がりがちになる。16分には、左サイドの浜田が攻め上がった後を使われる。浜田も攻撃参加はいいが、シュートで終わらないと守備のバランスが崩れる。
19分には、日本の3点目かという惜しい場面。左サイドの浜田からのクロスを西川がヘッドでゴール前に落とし、走り込んだボランチの藤田が詰めたが、右ポスト直撃。この後、藤田の足がつったようで、22分に木下と交替。
28分、ナイジェリアに左サイドでFKを与える。キッカーはFWオパラノジ。池田は壁を二人立てたが、その上を越えて落ちてきたボールをはじききれず、ゴールイン。1点差になり、ナイジェリアに勢いが出てくる。日本もナイジェリアも疲れが見え、パスが不正確になったり、シュートは枠にいかなかったりする。日本は押し込まれ、苦し紛れのクリアが直接相手に渡ったりして、残り時間をうまく消費できないあたりに若さが出る。最後もクロスを放り込んだりせずにコーナーフラッグの所にいってもいいのに、つい攻めてしまう。ロスタイム2分にもナイジェリアにボールが渡ったりしたが、なんとかしのぎきる。
地元の大会で初のベスト4、初のメダルを自力でつかみとった。吉田監督も、試合後のインタビューで第一声は、「疲れました。」やはり若い世代は、ヨーロッパやアフリカのチームとの対戦がないので、監督もいろいろ初めての経験になったらしい。観衆も今までで最大の2万9千人も入った。
ドイツ対アメリカの決勝は、連覇をねらうドイツに対して、グループリーグで3対0と敗れて不利と見られていたアメリカが、なんと前半44分のオハイの得点を守りきって1対0で優勝。ここまで無失点できたドイツの選手たちは全力を出し切ったが、1点が遠く、倒れて泣いていた。
大会MVP(ゴールデンボール=記者投票による最優秀選手)には、ドイツのFWマロージャン、シルバーボールは日本の柴田、ブロンズボールはアメリカのキャプテン、DFのジョンストンが受賞。大会得点王(ゴールデンブーツ)は、7得点の北朝鮮キム・ウンファ。シルバーブーツ(6得点タイ)を田中陽子とドイツのロッツェンが受賞。最優秀GK(ゴールデングローブ)は、ドイツのGKベンカート。日本チームはフェアプレー賞も受賞。メダルのプレゼンターには、FIFAのブラッター会長、日本サッカー協会名誉総裁の高円宮妃殿下のほか、澤穂希の姿もあった。また澤と宮間が大会アンバサダーで参加、宮間はU20女子ワールドカップを持って表彰式のとき入場してきた。
サッカー短評 (2012.9/6)
日本vs.UAE 1対0 (2012.9/6 東北電力ス) 国際親善
勝つには勝ったが、肝心の守備陣の「解答」は出なかったようなピリッとしない試合だった。先発は、GK川島(スタンダール・リエージュ)、DF駒野、伊野波、吉田(サウサンプトン)、酒井宏樹(ハノーファー)。遠藤と長谷部(ヴォルフスブルク)のダブルボランチ、本田(チェスカ・モスクワ)のトップ下。ハーフナー(フィテッセ)のワントップに、左ワイドに香川(マンチェスター・ユナイテッド)、右に清武(ニュルンベルク)。課題のセンターバックの第1チョイスは伊野波らしい。先発11人のうち、8人が海外組となった。UAEは、ワールドカップ予選はアジア三次予選で敗退し、現在のフル代表は、ほぼロンドン五輪代表。監督も五輪代表監督だった人。なんでも、2000年に若手育成特別プログラムで、技術、メンタルなど養成した第一世代なのだそうだ。このチームで次々回のロシアワールドカップ出場をねらうらしい。
日本はキックオフ直後に、清武、香川とパスをつないで本田が惜しいシュートをうったが、以後は徐々にUAEもボールをつなぐようになる。足下の技術は確かにうまい。10番のオマル・アブドルラフマンは小柄だが、セットプレーノキッカーもつとめ、一番パスもさばいたのではないか。ボール支配率は日本が55%、UAEが45%。今回も香川がフィットしたとはとうてい言えない。清武はとてもうまくブレーしたと思う。それでも、清武と酒井は新しくこのチームに入ったばかりなので、最後の連携が合っていない。日本テレビ解説の都並さんは「酒井は攻撃参加のタイミングが遅い。」と言う。
得点は、後半24分。日本は、後半頭から、香川に替えて岡崎、伊野波に替えて水本、長谷部に替えて細貝が入る。さらに19分、本田に替えて憲剛が入る。その憲剛からのパスを受けた駒野がすばらしい精度の速いクロスを入れると、ニアで岡崎がつぶれ、飛び出した相手GKを越えたボールにハーフナーがヘッドで合わせた。
全体にコンディションが悪いようで、攻守とも連携が悪い。岡崎も何本かシュートをうったが、枠に飛ばず。34分に酒井宏樹に替えて酒井高徳、42分には遠藤に替えて高橋が入る。酒井高徳は、昨年移籍するまでアルビレックス新潟に所属していたので、入ったとき、スタンドから大きな拍手が起こった。観客は4万2千人。遠藤は下がるとき、長谷部から受け取ったキャプテンマークを憲剛に渡していった。
結局、吉田と組むCBの正解は見つからず。
サッカー短評 (2012.9/4,5)
U20日本女子vs.U20ドイツ女子 0対3 (2012.9/4 国立) U20女子ワールドカップ準決勝
開始1分で失点し、、20分までにさらに2失点。ドイツの速さと強さに慣れる前に決定機を与えすぎた。自分たちのリズムをとれないときに動揺してしまい、立ち直るのに時間がかかりすぎ。先発は、GK池田、DF浜田、土光、木下、高木。キャプテン藤田と猶本のダブルボランチ、柴田のトップ下。西川のワントップに左ワイドに田中陽子、右に田中美南。
ドイツのキックオフから日本は複数でボールを取りにいったが、そこをかわされ、相手FWマロジャンがドリブルからスルーパス、そこへ走り込んだ相手MFロイボルツがGK池田の横をぬくシュートを決める。日本の右サイドから何度か攻め込まれる。フジテレビ解説の東明さん(アトランタ五輪代表DF)が「ドイツはバックラインからロングボールを前線に入れてくるスタイルなのだが…。」と言っていると、15分、ちょうどロングフィードが来て、木下がクリアしようとヘッドにあてるが、相手FWマロジャンに出てしまい、GK池田もとびだしたが、ループで決められ、あっという間に2失点。これで中盤と守備陣はすっかり動揺してしまう。ダブルボランチの二人もねらわれ、横パスをたびたびカットされる。19分の右CKでは、みなボールウォッチャーになってしまい、相手FWロッツェンがフリーでヘディングを合わせて3失点目。
25分に田中美南に替えて横山が入る。西川と横山は、ドイツ相手でもそう簡単に倒れない。しかし、ドイツの選手は、ボールを取れなくても体をぶつけてくる。これが結構、気持ち的にダメージがあったようだ。それでも30分頃から日本も攻め上がれるようになり、後半に望みをつなぐ。青島アナは、「吉田監督は、この試合だけでなく、このチームがU17のときから『3点取られたら5点取ればいい』と言ってきた。」と言う。
後半は、立ち上がりから積極的にプレスにいく。3分にCKをとるが、横山がショートコーナーで猶本とワンツーからドリブルするが味方に合わず。7分には、左サイドを攻め上がった浜田からのクロスを西川がシュートするが、防がれる。16分に田中陽子に替えてポストプレーのできる道上が入る。ここで青島アナが「田中陽子の連続得点は4試合で途切れました。」と言う。しかし、田中陽子を下げたのは失敗ではないか。セットプレーのキッカーとしては、横山は田中陽子ほどの変化と正確さはない。16分には、柴田がドリブルで相手DFをかわしてシュートするが枠にとばず。柴田はかなり相手のいやがるプレーをして、振り返ってシュートの姿勢を見せていた。19分、ドイツ一人目の交替。
22分には、猶本がさばいたボールを横山が左からゴール前にクロスを入れるが、道上は相手DFに押さえられて動けず。29分には、柴田ががんばってこぼれたボールに横山がつめ、相手GKがはじいたボールを道上が蹴るが弱くて捕られてしまう。このへんからドイツも疲れたのかあまり動けなくなる。35分、ドイツ二人目の交替。41分、日本も三人目の交替。右サイドバックの高木に替えて中村が入る。
最後は日本がCKをとるが、普通のロングボールだと跳ね返され、柴田がシュートするが防がれる。結局立ち上がりの失点が響いた形。後半くらい最初からやれれば、もう少し戦えただろうが、これが経験のなさ。3位決定戦は、決勝と同じ9/8、アメリカに0対2で負けたナイジェリアと対戦。アフリカ勢と初対戦で、メダルをとれるか。
サッカー短評 (2012.9/1)
ベガルタ仙台vs.川崎フロンターレ 2対1 (2012.9/1 ユアスタ) 第24節
せっかく先制したのに、サイドからのクロスへの寄せが甘くて追いつかれ、最後はリャンに正面のFKを与えて逆転された。後半はシュートを30分過ぎまで打てなかった。手倉森監督の分析は的確だった。
先発は、4ヵ月ぶりの山瀬のワントップ。宏矢のトップ下、左ワイドに登里、右に大島。憲剛と宏希のダブルボランチ。DF山越、井川、レネ・サントス、田中裕介。GK西部。風間監督は、「今季はずっと試行錯誤が続くだろう。」とのこと。せっかくジェシがベンチに戻ってきたが、体調が今ひとつらしい。
前半は何回かパスをつないでペナルティーエリアに侵入。しかし、最後のパスやクロスが合わず。もう1タイミング早くシュートの意識を持てないものか。それでも32分、憲剛へのパスがちょっとずれたが、そのままうまくキープしてエリアに侵入、一瞬タメを作ると相手DFが三人くらい寄せてきた瞬間をねらって、小さくループバス。そこへ走り込んだノボリがヘッドで合わせて、先制。試合後、Jスポーツの解説、三浦淳宏さんに「パスがつながったのは、このときだけでしたね。」と言われてしまう。
後半10分くらいからずっと仙台に攻め続けられる。とうとう、3回目のCKを相手DF田村に押し込まれて追いつかれる。16分、レネがエリアすぐ外で相手ボランチ角田に詰めたのがファールとなり、ほぼ正面で相手FK。キッカーはもちろんリャン。フロンターレの壁の間や前に仙台の選手も立つ。その仙台の選手がいるあたりの上を越えて、左隅にキックが決まる。直後にレネに替えてジェシが入る。21分、仙台の大田に替えて関口が入る。23分には、フロンターレの宏矢に替えて小林がワントップに入り、山瀬がトップ下に。26分には大島に替えてレナトが入る。この時点でまだ後半はシュートゼロ。すっかり押し込まれた展開。
33分、山瀬が鋭いシュートを放ち、ようやく後半最初のシュート。憲剛のスルーパスが強すぎるように見えるときは、チームの状態が悪い。ジェシはやはり跳ね返す力が強い。相手FWウィルソンもしっかり押さえてくれる。39分の憲剛のCKにニアで田中裕介が飛び込むがクリアされる。41分、相手DF上本が受けたボールに小林がつめよって入れ替わり、相手GKと1対1になるが、一瞬シュートのタイミングを逃し、ブロックされ、シュートできず。アナウンサーには「絶好の同点のチャンスだった」と言われてしまう。ロスタイムは5分もあったが、たいしたチャンスは作れないままタイムアップ。連敗で13位に後退。
フロンターレにイエローカードが5枚も出て、特に後半7分の宏矢のはボールだけ蹴っているのに出て、誤審だと思う。試合後、風間監督も珍しく「判定は審判がするものだが、ファールでリズムを崩した面もあった。」とコメント。解説の三浦淳宏さんも「風間さんが審判のことを言うのは珍しい。」と言っていた。
サッカー短評 (2012.8/31)
U20日本女子vs.U20韓国女子 3対1 (2012.8/30 国立) U20女子ワールドカップ準々決勝
柴田が2得点。田中陽子がダメ押し点。一度は追いつかれたが、流れの中からの得点で突き放して、初のベスト4進出。先発は、GK池田、DF左から173p の浜田、木下、16歳の土光、高木。キャプテン藤田と猶本のダブルボランチ、柴田のトップ下。左ワイドに田中陽子、右に田中美南。ワントップに西川。体調不良だった藤田が先発復帰、ワントップが西川の初先発に。
立ち上がりからボールを回して、積極的に行った。8分、猶本、田中陽子、西川とつなぎ、下がりながら受けた西川がスルーパス、そこへ走り込んだ小柄な柴田が、間一髪、相手GKより早くボールに右足でさわり、ゴールにころがしこんだ。これで楽になったと喜んでいると、韓国も15分、ブラジルから2得点したFW9番チョン・ウナが、左サイドを突破した相手20番からのクロスボールにフリーで飛び込み、きれいにヘッドで同点。しかし、日本もすぐに反撃。右サイド田中美南からのパスを中央で受けた柴田がエリアに持ち込み、今度は左足で鋭くシュート、ボールは左ポスト内側を直撃し、ネット右奥へ。これでまた勝ち越し。
21分の日本のFKは、田中陽子がねらったが、壁に当たる。韓国もFK、CKと攻勢をかけてくるが、なんとかしのぐ。フジテレビ解説の大竹さんは、「ここでがんばれたのは大きい。」と言う。1点目のようにすぐに追いつかれると、韓国に勢いを与えることになる。34分、韓国はボランチの選手を交替。
37分、右サイドの田中美南が相手DF3人に囲まれながら、オーバーラップしてきた高木にパス、高木がゴールライン際からクロスを入れると、ファーサイドでフリーだった田中陽子がきれいに左ポスト際に打ち込み、3点目。45分、右サイドバックの高木に替えて中村が入る。高木は1対1も強く、攻め上がりやロングフィードもよかったが、どこか傷めていたのだろうか? ロスタイム1分。46分の日本のFK。田中陽子が蹴ったボールを猶本が受けたところでハーフタイム。外国の主審は、よくこういう笛を吹く。
後半4分、日本のFK。また田中陽子が直接狙ったようだが、右に大きく外れる。解説の大竹さんは、「無回転を打とうとしたがうまく蹴れなかった。」この後、2点のビハインドを追う韓国に、パスをカットされ、何度か攻め込まれる。だんだん日本のパスの精度、スピートが落ちてきた。16分、左サイドバックの浜田に替えてFW横山が左ワイドに入る。左ワイドの田中陽子が左サイドバックに下がる。アナンウンサーが「田中陽子が左サイドバックをやるのは初めて見ました。メディアに非公開の練習でやったのかもしれませんが。」と言う。
24分、韓国二人目の交替。FW20番に替わりFW14番が入る。アナウンサーは「この選手も要警戒」と言う。韓国は最後のクロスがFWに合わない。日本も後から入った横山がドリブル突破をはかるが相手の多いところに突っ込み、奪われる。大竹さんは、「横山はこのプレーが得意なんですが…」と言いつつも、時間帯や試合の状況を考えると、あまりよくない選択と思ったらしい。
41分、ワントップの西川に替えて道上が入る。前から追って時間を使えということだろう。ロスタイム3分。韓国はここで3人目の交替。DFを入れ替える。後半はどちらにも追加点が入らないままタイムアップ。
9月4日の準決勝の相手は、ノルウェーを4対0で破ったドイツ。反対側の山では、北朝鮮を延長で退けたアメリカと、メキシコに勝ったナイジェリアが対戦。
サッカー短評 (2012.8/26,27)
U20日本女子vs.U20スイス女子 4対0 (2012.8/26 国立) U20女子ワールドカップグループA
先制点(前半30分)まで少し時間がかかったが、危なげなく勝った。田中陽子のFKはすごい。一人で本田と遠藤の役をやっているよう。
前半立ち上がりは、スイスも攻めてきたが、クロスが味方に合わない。ちなみにスイスは2連敗で、この日は若手で臨んだらしい。日本は、相手ボールになってもすぐにボールが奪える。20分くらいまで一方的に攻める。右ウイングの田中美南の突破がいい。17分の柴田のシュートは、枠の外へ。25分にも、左サイドバックの浜田からの低く速いクロスに飛び込むがわずかに届かず。30分、田中陽子のFK。ペナルティーエリアやや左寄りから、左上隅に縦のカーブを描いて決まった。
この後、日本の選手が積極的にゴールをねらい、38分の田中美南のシュートは惜しくも左ポスト。44分、柴田がスルーパスに裏へ抜け出し、相手GKベーニと1対1になるが、トラップが大きくなり、シュート打てず。ロスタイムの道上のシュートは枠の左。
後半頭から、FW道上に替えて西川が入る。2分、またも田中陽子のFKが決まる。今度はやや右寄り。横山と二人で立ち、田中が横山を指さした後、自分で蹴り、左足で右隅に蹴り込んだ。相手GKは反応したが、やや呆然。7分、連続右CKで、田中陽子のキックはファーの西川へ。後ろ向きでトラップした西川は、振り向きざまにシュートし、これがニアサイドを切り裂いて決まって3点目。
8分、ややワンサイドゲームになりつつある中、田中陽子に替えて、同じボランチの中里が入る。スイスは6番のセリミがフル代表にも選ばれていて、ボールを捌いたり、シュートしたりするが、他の選手はパスが不正確。左サイドバックの浜田は元FWで、シュートもねらうが、相手GK。ボランチの猶本も後半はスルーパスだけでなく自らもミドルを打つが、枠にいかず。
27分、交替で入った中里が怪我らしく、坂本が入る。32分、左ウイングの横山が、体重の乗った強いシュートをうつが、相手GKがかろうじて触り、クロスバー。36分のCB木下のシュートもバー直撃。38分、猶本がエリア内で相手DFに倒され、PK獲得。これを自分で決める。ゴール左上サイドネットに豪快に蹴り込んだ。スイスはシュート数1。
これでグループ首位通過し、8/30の決勝トーナメント1回戦(準々決勝)は、U17のとき決勝で敗れた、B組2位の韓国。もっともB組の1位はナイジェリアで、こっちはもっと強そうだった。A組2位のメキシコと対戦。C組は北朝鮮が3連勝で1位、2位はノルウェー。D組は、ドイツが3連勝で1位、2位はアメリカ。
サッカー短評 (2012.8/25,27)
川崎フロンターレvs.名古屋グランパス 0対1 (2012.8/25 等々力) 第23節
またホームで負けた。結局、決定力の差、個人技の差が出た。ストイコビッチ監督に「川崎にはゲームを楽しんでもらった。我々は1点で充分だった。」(8/26朝日新聞)と言われてしまった。
先発は、GK西部、DF山越、井川、伊藤宏樹、田中裕介。憲剛と宏希のダブルボランチ、左ワイドに登里、右に大島。宏矢のトップ下で小林のワントップ。名古屋グランパスは、ケネディ、ダニウソン、ダニエルが怪我。増川が出場停止。しかし、0−5と大敗したガンバ戦に出場停止だった闘利王が戻ってきた。阿部とCBコンビを組む。玉田、金崎も怪我から復帰。永井もいる。
大島は、シュートできそうなところでもパスを出している。登里はドリブルで勝負するのはいいが、田中隼磨にことごとくひっかかる。16分、宏矢のシュートは枠に跳んだが、相手GK楢崎が片手でセーブ。名古屋は、ほとんどプレスに来ないので、かなりパスは回る。しかし、ペナルティーエリアに入ってもパスをつなごうとするので、防がれてしまう。31分、名古屋の金崎にシュートを打たれ、左ポストに直撃。34分、田中裕介のシュートは枠の左。小林のループは枠の上。37分のFKは、憲剛と宏希がボールの所に立ち、宏希が蹴るが、壁に当たる。名古屋の藤本のFKも枠を外れる。
後半立ち上がりは名古屋に攻め込まれるが、しのぐ。7分のFKは憲剛が蹴り、宏矢がニアに飛び込むがサイドネットの外。13分の山越の速いクロスに、小林がフリーでヘディングするが、枠のわずかに左へ。20分の大島のシュートは、相手GK楢崎の指先ではじかれ、ポストに当たる。23分の憲剛のFKは直接ねらったが、ボールが落ちずにバーの上。
29分、相手ボランチの田口からフリーで金崎にパスが通り、再三鋭いシュートを打っていた金崎にとうとう決められてしまう。田口にプレスがかからなかった時点で勝負あった。37分、ノボリに替えてレナトが入る。38分、レナトの左CKに小林が飛び込むが枠に跳ばず。42分、またレナトの左CKに今度はファーで井川がヘディングするがうちあげてしまう。45分、レナトのヘディングシュートはわずかに枠の右。93分にも、レナトがヘディングシュートをたたきつけるが、バーに阻まれる。
スカパー解説は名波。風間監督は、「これ以上チャンスを作るのは難しい。シュートを決めるのは、選手個人の問題。」と言う。名古屋は闘利王がいれば守りきれるということか。最後はヨレヨレながらも、走り抜いた。
サッカー短評 (2012.8/22)
U20日本女子vs.U20ニュージーランド女子 2対2 (2012.8/22 宮城ス) U20女子ワールドカップA組
第一戦が大量得点で気が緩んだのか、中二日で疲れたのか、いきなり前半2失点。先発は二人入れ替えてきた。たちあがりはいい入り方をしたのに、11分に失点すると、攻め急いで相手ボールにしてしまい、4分後に再び失点。最初の点は、相手CKから。長身のウィルキンソンが蹴った、急回転する球を仲田がクリアしようと蹴ったが、弱くて蹴り出せずゴールの中へ。続けて15分、右ウイングのウィルキンソンのクロスをFWホワイトがミドルで右隅に突き刺した。ウィルキンソンとホワイトは、フル代表にも呼ばれている選手で能力は高い。ロングで放り込む戦法らしい。
日本は29分、オウンゴールの仲田に替えて西川が入る。失点のショックから少しずつ回復し、最初のボール回しが戻りつつある。37分に1点返す。西川のクロスは味方に合わなかったが、クリアしようとする相手DFに田中陽子がつめより、クリアボールを至近距離で受け、シュートすると、別の相手DFにあたってゴールになる。46分にも左ショートコーナーから田中陽子がシュートすると惜しくもクロスバー。真下に落ちるが相手DF二人がラインをわる前にクリア。
後半は、もう少し点がとれたと思う。フジの解説、清水さんが「焦らずにもう一度サイドを使って攻めた方がいい」。追加点は26分。田中陽子の左CKに道上が走り込んでヘディングをたたきつけるとこれが見事に決まる。ニュージーランドはここまでに二人交替しているが、足が止まってきた。32分、ボランチでキャブテンの藤田に替えて田中美南(みな)が入る。西川が左ワイドに移り、 田中美は西川のポジションに入る。何度もシュートするが枠にとばない。ロスタイム2分、日本のCKになるが、ボールが入り、ニアで蹴ろうとした瞬間ホイッスル。あのキックがゴールインしてもノーゴールになったかというタイミング。勝ち越せそうだったが攻め急いで、同点止まり。最初に思いがけなく2失点してしまい、ゲームプランが狂い、立て直すのに時間がかかった。やはり若いチーム。
サッカー短評 (2012.8/21)
横浜F.マリノスvs.川崎フロンターレ 2対2 (2012.8/18 日産ス) 第22節
五分の対戦成績で迎えた神奈川ダービー。マリノスは5位で、14戦負けなし。平均年齢30.09歳とか。ドゥトラ39歳、中澤34歳、マルキーニョス36歳、中村俊輔34歳。一方、フロンターレの先発は、19歳が三人。GK西部、DF福森(19)、井川、実藤、田中裕介。風間宏希と稲本のダブルボランチ、憲剛のトップ下。風間宏矢(19)のワントップに左に山越、右に大島(19)。楠神が、風間監督になってから初めて先発落ち。山越は広島戦以来のウイング、大島は初のポジション。ペンチに4ヵ月ぶりにジェシが戻ってきた。
試合は、前半マリノスペース。11分、実藤から田中裕介への横パスをカットされ、大黒が入れたクロスにマルキーニョスが二歩下がりながらヘディングで先制される。福森がついていたが、巧みなバックステップ。17分に憲剛がシュートするが枠の上。27分のフロンターレのFKでは、左利きの福森もボールの近くに立つが、憲剛が直接狙って相手GK。34分にまた失点。小野から俊輔にわたり、俊輔がゴールエリア左横まで切れ込んで、絶妙なクロス、これがまたマルキーニョスのヘッドにぴたりと合った。38分の宏希が持ち上がって打ち切れずに落としたボールを大島がシュート下が、枠の左。
後半頭から稲本に替えて小林。憲剛がボランチに下がり、宏希がトップ下に。4分、マルキーニョスにシュートを打たれるが枠の上。16分、福森に替えて楠神。山越が左サイドバックへ下がり、楠神が左ウイングに。山越は、サイドバックからの攻撃参加はなかなかいいが、初めからあがっていると、ほとんど役に立たない。17分、憲剛の右CKをニアで田中が合わせて1点返す。24分に、実藤が競り合いで落ちたとき、腰から落ちて起き上がれず。西部が×サイン。急遽ジェシが入る。27分、兵藤、俊輔、マルキーニョスとわたってシュートを打たれるがクロスバー直撃。あわやハットトリックされるところだった。直後のフロンターレのカウンターで、楠神がドリブルからシュートまでいくが、はずれる。TBSチャンネルの解説、中西が「楠神は大学の後輩だから厳しくいつも言っているが、ドリブルの後、最後パスかシュートを選ぶ判断を的確に。もっと結果を出してもらわないと。」と言われていた。
だんだんマリノスのブレスが弱くなってきて、パスが回るようになってくる。31分、マリノスは小野を下げてボランチの中町を入れて守備を引き締める。33分、宏希が憲剛のパスに走り込んで、とびだした相手GKをかわして小林につなぎ、小林が押し込むがなぜかオフサイド。ゴールラインに相手DFがひとりいて、もう一人は小林と並んでいた。直後にオフサイド確認リプレーが出たが、誤審だと思う。37分、小林のシュートの跳ね返りを楠神がうつが、枠の上。40分、田中裕介が相手ボールをカットしてドリブル、そのままミドルシュート。これが相手GKの指先をはじいてゴール右隅に決まり、同点に追いつく。43分、マリノスは二人同時投入。DF小林に替えて谷口、大黒に替えて斎藤。ロスタイム6分。なんとか両チームとも勝ち越そうと攻防が激しくなる。46分、大島のシュートはまたも枠を外れる。47分、49分と俊輔のCK。後の方のボールをシュートされるが、西部がキャッチしてファインセーブ。フロンターレの攻撃も、小林がオフサイドになったりして実らず。28.8度もある中で引き分け。追いついたフロンターレはサポーターも選手も晴れ晴れした顔。
試合後の中西の監督インタビューでは、聞かれる前から「すごく疲れました。」と笑っていた。「大島はドリブルもすごくうまいので、ウイングで数試合使ってみたい。」とも言っていた。「後半はもっと決めるチャンスがあったので、もったいなかった」とも。田中裕介については「1失点目は自分のミスからだとわかっていたので、取り返してくれた。」と言っていた。
サッカー短評 (2012.8/22)
U20日本女子vs.U20メキシコ女子 4対1 (2012.8/19 宮城ス) U20女子ワールドカップA組
日本はアジアチャンピオンらしい。布陣は4−4−1−1か4−2−3−1か。ワントップの道上によくボールがおさまって、前半10分過ぎから日本の攻撃の時間が続く。しかし30分に相手CKが三回続き、これをしのぐと、日本が先制。道上のシュートを相手GKが防いだボールをひろって最後はトップ下の小柄な柴田が決めた。
後半は、左ワイドの仲田に替えて横山、トップ下柴田に替えて田中陽子が入る。11分に追加点。ボランチの猶本の見事なシュート。3点目は、32分、横山のシュート。バーをたたいて決まった。4点目はPK。田中陽子が相手GKの逆をついて決めた。しかし、最後にメキシコにFKを与え、このこぼれ球を途中から入った相手FWに決められ、失点。
左サイドバックの浜田の攻撃参加がなかなかいい。フジテレビの字幕には、「鮫島の後継者」。田中陽子は右CKも蹴るが、プレー全般の質が高い。字幕には「宮間の後継者」。
サッカー短評 (2012.8/15,)
U23ブラジルvs.U23メキシコ 0対2 (2012.8/12 ウェンブリー) ロンドンオリンピック決勝
開始30秒でメキシコが先制。結局これが勝敗を分けた。せっかくネイマールの華麗な技を見たかったのに、発揮できずじまい。
サッカー短評 (2012.8/11,17)
U23日本vs.U23韓国 0対2 (2012.8/11 カーディフ) ロンドンオリンピック3位決定戦
なんだか女子のアメリカ戦のような展開。それでも前半38分までは0対0で進んだ。しかし、追いつけないでいるうち、後半最初にも失点。得点者は違ったが、ほぼ同じような形。女子と違うのは、1点返せなかったところ。
後半、セットプレーから、吉田のヘディングが相手ゴールに入ったが、その前に大津のキーパーチャージをとられて無効に。あとはそこまでのチャンスを作り出せなかった。
この世代は、U20もU17もアジア予選で韓国に敗れて出場できていない。オリンピックでも勝てなかった。所詮、韓国の選手たちの「メダルをとったら兵役免除」をしのぐモチベーションも足りなかった。ズルズル滑るピッチにも持ち味を封印された。酒井がずいぶん滑っていた。
先発は、GK権田、DF徳永、吉田、鈴木、酒井。扇原と山口のダブルボランチ。東のトップ下に永井のワントップ。左に大津、右に清武。前半は、日本はパスをつなごうとしてはカットされる、の繰り返し。扇原が展開どころか守備でファールを取られることが多い。韓国は思い切りよく前線につなぎ、オーバーエイジのFWパクにクロスを入れようとする。38分の失点は、日本のDFは3−4人いたにも関わらず、フェイントでかわされてたたきこまれた。
後半11分、日本がシュートまでいった攻撃の直後、カウンターでまた失点。相手GKからのキックから2本で前線のパクへ。パクが落としたボールにクが走り込んで、蹴ったシュートが決まった。ク・ジャチョルは、前半イエローカードをもらったほど、プレーに強引さがあるが、FWとしては必要な素質かもしれない。14分、扇原に替えて山村が入ると、少しボール回しが落ち着く。しかし、16分には、酒井が滑って相手選手をフリーにしてしまい、ピンチになるが、なんとか権田とDF陣で防ぐ。17分、東に替えて杉本、26分には永井に替えて宇佐美が入るが、この二人を生かす攻撃ができず。
次第に引き分けすらも難しい感じになってくるが、せめて1点返したかった。40分からは吉田を前線にあげて、42分にCK。宇佐美の左CKは吉田の頭に合い、待望のゴールかと思ったが、その前に大津が相手GKを倒してしまい、取り消し。残念だった。韓国は初のメダル。
サッカー短評 (2012.8/12,17)
川崎フロンターレvs.サガン鳥栖 1対2 (2012.8/11 等々力) 第21節
またホームで負けた。しかもすぐ下の順位の鳥栖に。前半は、かなりつなぐサッカーができていた。スカパー解説の田中誠が「両チームともボールへの寄せが遅い。」と言っていたが。先発は、GK西部、DF山越、井川、実藤、田中。大島と風間宏希のダブルボランチ、憲剛のトップ下。風間宏矢のワントップに左に楠神、右に小林。
前半は、たちあがりは攻め込まれたが、風間サッカーのめざすところが少しは出せた。19分に憲剛が先制したまではよかった。しかし、前半に追加点を取れなかったのが響いた。
後半10分の最初の失点はオウンゴール。あれは残念だけどありうること。でも、その直後に豊田に決められたのは、解説の田中誠が言うように、「気落ちした」せいかも。そんなにナイーブなことでどうする。そのまま5バックに移行した鳥栖に守りきられて負けた。
9位のまま。
サッカー短評 (2012.8/10)
日本女子vs.アメリカ女子 1対2 (2012.8/10 ウェンブリー) ロンドンオリンピック決勝
前半、失点後の大儀見のバー直撃シュート、宮間のやはりバー直撃シュート、後半大野の振り返りざまのシュート、岩渕の相手DFからボールカットしてからのシュート、どれか決まってほしかったが、今回は、アメリカの方が強かった。先発は、GK福元、DF鮫島、熊谷、岩清水、近賀。沢と阪口のダブルボランチ、左アウトサイドに川澄、右に宮間。大儀見のワントップ。
開始8分に失点。アメリカは、最初からロングボールをツートップに入れて、ワンバックとモーガンを走らせる。左サイドヒースからのグラウンダーのパスをモーガンが受けて、真ん中へクロス、そこへ合わせようとしたワンバックの後ろから飛び込んできたロイドにヘッドで決められる。
18分、日本も左サイドから川澄がクロスを入れ、大儀見がヘッド、相手GKソロがわずかに触ってクロスバー。さらにこぼれ球を起きあがった大儀見がシュートするがバランスが悪く、枠の外。26分、宮間のFKは、壁のモーガンの手に当たったが、ドイツの主審は取らず。ちなみに、この主審は昨年の女子ワールドカップの決勝でも笛を吹いた。33分、また左サイドの川澄から中央へパス、大野が受けて宮間に落とし、宮間のシュートはクロスバー直撃。
44分、このままハーフタイムかというとき、バックパスを受けたGK福元の鮫島へのキックがずれてワンバックに渡る。ワンバックはボックスに落とし、シュートされるが枠の外。前半のうちに追いつきたかったが、0対1のままハーフタイム。
しかし、後半も開始9分で、またもやロイドのミドルシュートで失点。何度かモーガンからチャンスを作られていたが、モーガンから左へ回ったラフィノー、ロイドとパスが渡り、まだペルティーエリアの外で阪口がマークに寄せるが、寄せきれずにシュートされ、左のサイドネットを揺らす。
アメリカは、ここまで毎試合得点で5得点のワンバックと3得点のモーガンはシュートが決まらない。ワンバックには沢がかなりマークしており、モーガンは早撃ちで枠にこない。12分、アメリカは俊足のアウトサイド、ラフィノーに替えてやはり俊足のチェイニーを入れる。日本も14分、阪口を下げて田中を入れる。今回も日本は、なかなかパスがぴたりと通らないが、18分、宮間が大野へスルーパス、大野はゴール前に上がった沢へ、沢の最初のシュートは相手DFに当たり、はねかえりをさらに沢が蹴るとこぼれたボールにファーで大儀見がつめて1点返す。21分、大儀見の落としたボールを宮間がシュートするが枠の上。
32分、日本はDF鮫島を下げて岩渕を入れる。これで背水の陣。宮間はこの試合、何回かショートコーナーを蹴ったが、うまく中央にいいボールを入れられない。35分、アメリカが二人目の交替。38分、岩渕が緩慢な相手DFからボールを奪ってゴールへドリブル、右上をねらってシュートするが、相手GKがはじく。惜しかった。41分、大野を下げて丸山が入る。解説の川上さんは「攻撃陣のバランスはいいので、誰を替えるのか」と言っていた。丸山はほとんどボールにふれられずに、ロスタイム2分もボールを失ってタイムアップ。
サッカー短評 (2012.8/8)
U23日本vs.U23メキシコ 1対3 (2012.8/7 ウェンブリー) ロンドンオリンピック準決勝
日本が大津のゴールで先制し、メキシコが追いつく展開。日本は44年ぶりのベスト4、二度目のメダルへの挑戦、と大騒ぎだが、なんとメキシコも44年ぶりのベスト4だそうだ。メキシコにとっては、3位決定戦でメダルを逃したリベンジとなる。先発は、GK権田、DF徳永、吉田、鈴木、酒井。扇原と山口のダブルボランチ、東のトップ下。永井のワントップに左大津、右に清武。永井は前日練習は別メニューで、関塚監督も「準決勝出場は難しいかもしれない」と言っていたが、煙幕だったのかもしれない。メキシコは、9番のFWベラルタと3番のDFサルシドがオーバーエイジ。しかし、こわいのは10番の右ウイング、ドスサントスらしい。
たちあがり5分くらいボールを回されていたが、次第に日本もパスをつなげるようになり、12分、大津が思い切りよくシュート、見事に決まった。しかし、これでメキシコもスイッチが入り、だんだん押される展開に。やっぱりメシキコはうまくて速い。
31分には、CKから、ニアで競り負け、すらされたボールを走り込んできた8番のファビアンにヘディングできれいに決められた。さらにメキシコは、前半のうちに逆転との意気込みで攻めかかってきたが、日本も耐えて、ハーフタイム。
メキシコは、後半最初からドスサントスに替えてR.ヒメネスが入る。どうして替えたのだろう。4分、日本の連続CKからのシュートはいずれも相手DF。16分のメキシコのFKはクリアしたが、20分、権田からのフィードを受けた扇原が、ボールを奪われ、あっという間にミドルシュートを決められる。決めたのはオーバーエイジのFWベラルタ。
26分、東に替えて長身の杉本が入る。しかし、日本は杉本に放り込むどころか、メキシコの攻撃を防いだり、中途半端なカウンターをしたりで生かせない。29分の扇原のCKも杉本に合わない。先に宇佐美を入れた方がよかったかもしれない。32分、清武を下げて宇佐美が入る。清武を下げたのはまずかったのではないか。気の利いたピンポイントのパスを出す選手がいなくなって、宇佐美も生きなかった。ここは思い切って永井と替えるべきだったのではないか。とうとう38分、扇原に替えて斉藤を入れるが、打開できず。41分、斉藤が杉本と壁パスでシュートまでいくが、これが唯一、杉本が役に立った場面。45分、メキシコは余裕の二人目の交替。日本はDF吉田がパワーブレーで前線に上がるが、ファールをとられる。ロスタイム3分。ボールをキープしなければ、同点のチャンスはないのに、相手ボールにしてしまい、最後は交替で入ったばかりのコルテスにシュートを決められ、力負け。でも、歴然とした力の差があった。
これで、日本は3位決定戦にメダルの望みをかけることに。もうひとつの試合では、3対0でブラジルが韓国に勝ち、日本は韓国との対戦。決勝はブラジル対メキシコに。ブラジルはいよいよ悲願の金メダルなるか。
サッカー短評 (2012.8/7)
日本女子vs.フランス女子 2対1 (2012.8/6 ウェンブリー) ロンドンオリンピック準決勝
辛勝だった。最後のロスタイムまで、同点にされそうなピンチがあった。しかし、GK福元の気迫のセーブで逃げ切った。先発は、GK福元、DF鮫島、熊谷、岩清水、近賀。沢と阪口のダブルボランチに左サイドハーフに川澄、右に宮間。大儀見と大野のツートップ。
フランスは、大会直前の親善試合のようには、たちあがりプレスをかけてこなかった。おかげで、日本のリズムでパスが回り、何度かチャンスを作れていた。32分、中央やや右寄りのFK。宮間が蹴ったボールを相手GKがこぼし、ゴール前で混乱となり、一瞬速くボールにつめよった大儀見がかすかにさわって、ゴール内にころがしこんだ。いい時間の泥臭い先制点。この後、フランスは、パワーとスピードのサッカーにしてきたが、前半は無失点で逃げ切る。
後半は、4分、またも同じような位置からFK。今度は阪口の頭に合わせ、ループ気味のシュートが相手DF二人の頭上をこえ右下隅に。フランスはここまで10得点、5失点、失点のうち半分近くがセットプレーらしい。思いがけなく、2点ビハインドになったフランスの猛攻が続く。日本は耐えに耐えた。解説の川上さんが言うとおり、「ずっと守ってはいられないので、隙を見て攻めたい。」ということだったが、攻めきれず、ボールを失い、シュートまでいけない。
もう一つの準決勝は、アメリカがカナダに辛くも延長勝ち。決勝はワールドカップと同じ顔合わせとなった。
サッカー短評 (2012.8/5)
ジュビロ磐田vs.川崎フロンターレ 2対2 (2012.8/4 ヤマハ) 第20節
前半の得点は、田中裕介。しかし、そこまでは、風間サッカーの目指す形でペナルティーエリアの中で何人もパスをつないでたどり着いた。先発は、GK西部、DF山越、井川、実藤、田中裕介。風間宏希と稲本のダブルボランチ、憲剛のトップ下。左ウイングに楠神、右に小林、ワントップに風間宏矢。ジュピロは山田が2試合ぶりに怪我から復帰。
たちあがりは、アウェイだが、積極的にボールをつなぎ、攻撃のリズムをとる。5分には、宏矢がシュート。何度か松浦にドリブルされたり、右サイドの駒野からクロスが入ったりするが、決定的なシュートまで打たせず。17分、パスをつないで宏希がゴール前へ。しかしシュートするスペースを見つけられずにヒールパス。走り込んだ田中裕介が流し込んで先制。
しかし、20分過ぎから次第にジュビロが攻勢を強め、ペースを握られる。33分、追加点のチャンスがあったが、楠神のシュートは枠の左。そうこうするうち、43分、山崎の絶妙なシュートが井川と実藤の間をぬけてゴール左上隅に吸い込まれ、追いつかれる。続けて、山崎にシュートされるが、からくも枠の左外。同点のままハーフタイム。
後半頭から稲本に替えて大島。ジュビロは、追いついた勢いで攻勢をかける。10分、小林に替えてレナトが入る。直後にレナトがシュートするが、サイドネット。レナトはボールを持つとほとんどパスせず、ドリブルする。近くにフォローする味方がいないこともあるが、チームのパスのテンポに合っていない。ドリブルしてシュートまでいけばいいが、とられてしまうことも。だんだん足が止まってくる。30分、ジュビロ右サイドの駒野からの鋭いクロスボールが、スライディングした井川にあたって、飛び出した西部の上を絶妙にこえて失点。31分、楠神に替えて登里が入る。37分、憲剛からループパスを受けたレナトが、相手GKをかわして、左足アウトサイドでシュート、追いつく。直後にカウンターを受け。交替で入った山本にフリーであわせられるが、はずしてくれる。なんとか引き分けて9位キープ。
サッカー短評 (2012.8/5)
U23日本vs.U23エジプト 3対0 (2012.8/4 マンチェスター) ロンドンオリンピック決勝トーナメント1回戦
なんとまた無失点で勝った。前半14分の永井の得点がよかった。その直後、蹴られた足が結局だめで交替したのは残念だったが。エジブトは全然自分たちのサッカーができず、レッドカードで10人になり、結局こわいと言われていた快足の右ウイング11番M.サラーを途中で替えた。オーバーエイジのCFモフセンも交替。最後は負傷で9人になっては勝てるわけもなかったが。
先発は、GK権田、DF徳永、吉田、鈴木、酒井宏樹。山口と扇原のダブルボランチ、東のトップ下。ワントップに永井、左に大津、右に清武。前半は、得点するまで、ほとんど日本がボールを支配していた。14分、清武のボールカットから、すばやいパス、永井がゴール前に走り込むと、相手DFとGKが衝突、かわした永井はボールをゴールへ流し込む。直後に遅れて守備に戻ってきた相手DF6番に倒されたが、起きあがってみんなと喜んでいた。永井はいったん治療後、ドクターの丸が出てピッチに戻ったが、ダッシュできず、自らバツサインを出し、20分、斉藤が入る。大津がワントップに。
ここから次第にエジプトがボールを支配するようになり、耐える時間が続く。相手の右ウイング11番M.サラーが事前の情報では、こわい選手ということだったが、徳永を中心によく対応。27分、33分とシュートまでいかれるが、枠の外。前半だけで相手7本以上CKを与えたが、大事に至らず。37分にはFKも与えたが、相手が直接ねらってはずしてくれた。41分、清武、東、斉藤とパスが渡り、斉藤が裏へ抜けていこうとしたところを後ろから、相手DFサミルが倒してしまい、一発レッド。PKかと思ったが、わずかに外で、このFKは清武が蹴り、相手の壁が防ぐ。これが相手のカウンター攻撃になるが、なんとか防ぐ。44分には、日本のゴール前で混戦。相手クロスを権田がはじくが、ボールが相手選手にあたってこぼれる。権田は足でクリアしようとして空振り、倒れたままのところへ飛び込まれるが、山口が蹴り出す。エジプトは、退場したCBの代わりにMFを一人下げて、2番のCB、A.サラーを入れる。リードしたままハーフタイム。
後半、日本は立ち上がりから連続攻撃。左右のCKに吉田が合わせようとするが、相手DFがクリア。13分には、エジプトは右ウイングの11番M.サラーを交替してしまう。19分、東が着地したときに足首をひねったらしく、倒れ込む。しばらくプレーするが、27分、酒井高徳と交替。これでまた怪我で二人交替。酒井が左サイドハーフに入り、清武がトップ下に。33分、大津がゴール正面やや右で倒され、日本のFK。キッカーには清武と扇腹が立ち、清武が蹴ったボールに、吉田が少し後ろから相手DFの間に走り込み、ダイビングヘッドでゴール左下隅へ。やっとセットプレーで得点した吉田はすごく嬉しそうだった。
続けて斉藤が追加点のチャンスがあったが、わずかに枠の外。36分、エジプトのDF、A.サラーが日本の選手にタックルした際、自分が怪我してピッチに戻れず、エジプトは9人に。交替で入った選手がいなくなり、エジプトには痛手。39分、清武から扇原、扇原のダイレクトのパスに大津が飛び込み、ヘッドでダメ押しの追加点。ここで清武に替えて宇佐美が入る。宇佐美は東の交替のとき入るかと思ったが、周囲との連携、守備の能力などで酒井が先に入ったようだ。ロスタイムは3分。少し短いと思ったが、エジプトの状態を考えるといたずらに長くとってもしかたないとアメリカの主審は思ったのかもしれない。最後に宇佐美が左サイドから、ゴール右上隅をねらい澄ましたシュートをうったが、相手GKに防がれたところでタイムアップ。
これで、銀メダルをとったメキシコ以来のベスト4進出決定。
サッカー短評 (2012.8/4)
日本女子vs.ブラジル女子 2対0 (2012.8/3 カーディフ) ロンドンオリンピック準々決勝
金メダルをねらうブラジルは、オリンピック3大会連続銅メダル。FWマルタとクリスチアネが健在。日本は、ボール支配率32パーセント、シュート10本のうち2本を決めて、守りきった。先発は、GK福元、DF鮫島、熊谷、岩清水、近賀。沢と阪口のダブルボランチ、左ワイドに川澄、右に宮間。大儀見とと大野のツートップ。ブラジルは、グループリーグでは、3バックのシステムだったが、この試合は4バック。
開始40秒で大野がシュート。ちゃんと枠にいったが、惜しくも相手GK。会場が沸いた。しかし、ブラジルは前半に得点する決意で攻め込んできて、前半途中でのボール支配率は、ブラジルが70パーセントを越えていた。4分、早くもゴール前でFKを与えるが、壁を抜けたボールをGK福元がキャッチ。日本は沢が、相手トップ下のマルタを見ることが多い。15分まで、相手CKが7回。17分、左サイドのホザーナからのクロスに混戦となり、シュートされるが、はずしてくれただけだった。
20分過ぎから、少し日本のパスもつながるように。23分には、大儀見の振り返りざまのシュートも。24分、宮間のシュート、26分、川澄のシュートは枠の外。
27分、左サイドのセンターラインを越えたあたりで日本のFK。沢がすばやくキックしたようだったが、テレビの画面はフィンランドの主審の大写し。NHKの内山アナの実況で、大儀見がDFの裏をとったらしいことがわかる。やっとカメラがロングになると、なるほど大儀見がDF二人に後追いされながら相手GKに向かっている。そのまま冷静に右隅に流し込んで先制。内山アナはボールがゴールラインを割る前に「ゴール!」と言っていた。大儀見は、今大会初得点。この後、ブラジルはさらに攻め込んでくるが、なんとかリードしたままハーフタイム。左サイドのホザーナの突破、中央のクリスチアネの強引なヘディング、マルタのCK、若いFW9番のタイスゲデスのFKなど迫力がある。
両チーム交替なしで始まった後半立ち上がりも、ブラジルは得点する勢いで攻めてきた。しかし、日本は決定的な場面を作られないようにして守る。それでも、ブラジルのシュートが枠に来なかっただけという場面は作られた。4分、7阪口へのファールでマルタにイエローカードが出た。しかし、このFKの宮間のキックは枠の上。この大会、宮間のキックの精度が少し低いような気がする。14分には、今度は阪口にイエローが出る。マルタのFKも枠の右。
後半28分、後半初めてというくらいのカウンターのチャンス。バックラインから大儀見に通ったパスをすばやくゴール前の大野へ。大野はダイレクトでうつタイミングもあったが、トラップで少しバランスをくずしたため、相手DFをかわしてからすぐにシュート。見事に決まった。この思いがけない2点目で、ブラジルの集中が少しばらけたようだ。
だんだん両チームとも足が止まってくる。35分、ブラジル一人目の交替。左SBのホザーナが下がる。40分、大野に替えて安藤、ブラジルも二人目の交替。44分には、大儀見を下げて高瀬が入る。ロスタイムは2分。しのいでベスト4。
次の相手は、スウェーデンに勝ったフランス。もうひとつの山では、ニュージーランドに勝ったアメリカと、イギリスに勝ったカナダの対戦。
サッカー短評 (2012.8/2)
U23日本vs.U23ホンジュラス 0対0 (2012.8/1 コヴェントリー) ロンドン五輪グループリーグD
オリンピックの前には、誰も予想しなかったグループ1位で決勝トーナメント進出。グループリーグの最終戦は、1位を争う試合になった。日本は、勝つか引き分けでグループ1位、負ければ2位。決勝トーナメント1回戦は、1位なら、グループCの2位エジプト、2位ならグループC1位のブラジル。優勝候補のブラジルとはできればなるべく後で当たりたい。ホンジュラスは、モロッコがスペインに勝てば、3位になってしまうが、スペインが勝つか引き分けなら、2位通過。
先発は、5人入れ替えた。GK権田、DF酒井高徳、吉田、鈴木、村松。山口と山村のダブルボランチ、大津のトップ下。杉本のワントップに、左に斉藤、右に宇佐美。村松、杉本、宇佐美は初出場。山村と斉藤が初先発。これで出場していないのは、GKの安藤だけ。ホンジュラスは、左サイドバックはオーバーエイジ。対面は斉藤と酒井。
前半は、ホンジュラスがかなり攻め込んできた。CKに逃れたプレーが何回もあった。10分からの連続CKはちょっと危なかったがGK権田が防ぐ。日本の最初のシュートは、16分の大津。酒井からのパスをドリブルしてシュートしたが、相手GK。このへんからホンジュラスの出足が鈍くなり、拮抗してきた。しかし、日本はパスがうまくつながらず、他のシュートもみんな枠にいかなかった。29分、宇佐美が右サイドに回ってパスを受け、相手DFに足をかけられたが、笛は鳴らず。しかし、会場の観客からいっせいに大きなブーイング。チュニジアの主審は、両手を広げ、しかたない、というジェスチャー。
かなり危なかったのは、39分のホンジュラスの攻撃。相手FWベントソンが吉田をかわしてシュート、これを権田がはじいた後、こぼれ球に必死でおおいかぶさり、つめてきた相手選手には、鈴木が体をぶつけて遅らせた。41分の相手FKも、壁の間に立っていたホンジュラスの選手に当たって、ゴールに飛んできたが、権田が横っ飛びではじき、鈴木か誰かが大きくサイドに蹴り出した。
44分の日本のFKには、杉本が競り勝ち、ヘッドでヒットしたシュートをうったが、相手DFが顔でクリア。杉本はこの場面くらいしかいいところがなかった。斉藤、宇佐美は少し持ち味が出せた。大津と宇佐美のワンツーが合えば、面白そうな場面もあった。村松は、最初何度かボールをとられたが、次第に落ちいてきた。
後半は、日本ボールのキックオフをホンジュラスがねらって奪い取った。そのまま得点しようという勢い。しかし、前半より早く足が止まり、10分過ぎには再び膠着状態。5分の大津のシュートは枠の上。しかし、なんとか打開したいという気持ちは見える。11分には杉本が相手DFにはさまれながら強引にシュート、相手GK。15分、ホンジュラス一人目の交替。19分、宇佐美からの左CKをファーで山村が折り返すが、ボールには相手DFの方が早く触る。
22分、杉本に替えて清武が入る。ワントップに大津、宇佐美がトップ下に。27分、ホンジュラスが日本の左サイドから攻め上がり、吉田がつり出されて足を痛めている間にクロスが入り、中央は2対2の状況だったが、村松がよく寄せて相手FWを自由にせず、ヘディングは枠の上にはずれた。29分、山村から酒井、酒井からのクロスが反対側の清武に、清武が中央に入れたいいクロスに宇佐美がとび込むが、ほんの少し間に合わず、相手GK。清武と宇佐美が合ってくればすごく面白そう。清武がサイドチェンジのロングパスをピタリと足下におさめたトラップに拍手がおこるなど、さすがイギリスという感じ。
32分、ホンジュラス二人目の交替。36分、斉藤に替えて永井が入る。永井がワントップに。直後の日本の左サイドのFK。宇佐美が直接ねらい、枠内の右上隅にとんだが、相手GKがなんとかはじき出す。観客席からどよめきが起きる。イギリス人が多いらしく、ゴールやシュートに結びつかなくても、いいプレーには拍手が起こるのがいい感じ。
40分、永井が左サイドを駆け上がって、中央に折り返し、清武はちょっとシュート準備ができていなかったらしく、とっさに上がってきた山村へ。山村のシュートはヒットしたが、相手DF。42分、大津に替えて東が入る。大津は少し前に競り合いで倒れた後、腰を押さえていた。43分の宇佐美からの右CKに山村がヘッドで合わせるが、相手GK。ロスタイムは4分あったが、後ろでパスを回して時間を使う。客席からはブーイングも。イギリスらしい。一回だけ、鈴木が前線の永井へ大きくフィードしたが方向がずれ、相手選手にボールが渡ってしまったが、なんとか取り返してタイムアップ。
サッカー短評 (2012.7/31)
日本女子vs.南アフリカ女子 0対0 (2012.7/31 カーディフ) ロンドン五輪グループリーグF
控え組を7人先発させたが、らしくない展開に終始した。先発は、GK海堀、DF矢野、熊谷、岩清水、近賀。宮間と田中のダブルボランチ。安藤と丸山のツートップに、左ウイング岩渕、右に高瀬。
とにかくパスがずれてつながらない。それでも前半15分までは、丸山、安藤、田中がシュートしていた。ほとんど枠にいかないか、弱かったが、1点入っていれば、南アフリカを元気づけることにはならなかった。しかし、20分過ぎから、相手に「やれる」と思われて、ポンポンとパスをつながれ、攻め込まれた。本当にこわいシュートはうたれなかったが、FWモディセは、ロングシュートでスウェーデンから1点とっている。
宮間のパスは狙われているとは思うが、あまり通らない。左サイドバックの矢野との息も合っていない。DFラインからのフィード、矢野の切り込んでからのパス、いずれも相手に出てしまう場面があまりにも多かった。右にはった高瀬には、ボールが収まらず、安藤にはボールが入らない。唯一、岩渕の動きがキレがあり、期待できた。もっとドリブルで勝負してもいいと思う。ただ、変な遠慮みたいのがなくなったのはよかった。
後半12分、岩渕に替えて川澄が入る。するとさっそく、宮間から縦パスが通り、攻撃がつながり出す。しかし、南アフリカがしっかり締めている中央からの攻撃にかたより、守備をこじ開けることができない。後半32分、宮間に替えて阪口が入る。田中が攻撃的な位置に入ったのかと思えばそうでもない。
翌日の『朝日新聞』の佐々木監督の談話で、川澄を入れたときに、「引き分けねらい」を伝えたそうだ。「あなたのすばらしい切れ込んでからのシュートは控えてほしい。」と言って。
サッカー短評 (2012.7/30)
U23日本vs.U23モロッコ 1対0 (2012.7/29 ニューカッスル) ロンドン五輪グループリーグD
なんと2戦目にして決勝トーナメント進出を決めた。決勝点は、後半の永井の得点。両チームとも疲れが出ている時間の俊足が生きた。先発は、GK権田、DF徳永、吉田、鈴木、酒井高徳。山口と扇原のダブルボランチ、東のトップ下、左ウイングに大津、右に清武。永井のワントップ。初戦とは右サイドバックだけ入れ替わった。大津の怪我は軽かったらしい。
前半はモロッコに押された。NHK解説の宮本によれば、「当たりが重い」のに慣れないらしい。モロッコの方がルーズボールへの寄せが早い。奪ったボールを素早く前線へキック。オーバーエイジのFWアムラバトがシュート、クロス、CK獲りなど活躍。前半18分、相手CKからヘディングされ、これは酒井高徳にあたるが、こぼれ球が相手FWアムラバトの前に落ちて、あわやというところだったが、GK権田の前で酒井が倒れながら足で クリア。日本は途中でワントップを大津に変え、永井が左へ。モロッコに35分にもミドルシュートをうたれるが、GK権田が両手でパンチング。
日本のシュートは枠に飛ばない。42分、扇原の右CKは、鈴木の頭にぴったり合ってたたきつけたが、相手GKがゴールライン上でキャッチ。ボールを押さえた後、腕を少し引いたのでラインを割ったかもしれなかったが、ゴールとは認められず。客席からはブーイングも。惜しかった。44分の左CKに吉田がヘディング、枠の外。
後半8分、モロッコの7本目のCK。解説の宮本が「後半最初で7本目は多い。」と言う。18分の清武のシュートは、決まったかと思ったが、相手GKが片手で触り、バーにあたり、またGKの体にあたって手前に落ちたところをキャッチされた。25分、大津のシュートは相手GK。27分、モロッコ一人目の交替。オーバーエイジのアムラバトが下がる。このへんからモロッコの運動量が落ちてきた。(※後で知ったが、モロッコはイスラム教のラマダンで、午前二時半に食事しただけとのこと。)29分、モロッコ二人目の交替。日本も33分、大津に替えて斉藤が入る。また永井がワントップになる。
36分の日本の右CK。解説の宮本が「CKの守備でモロッコはニアが空くので狙うといい。」と言う。扇原のキックはニアへとぶが、相手DF。しかし、39分、中央で清武が相手DFの間から前線へループパス。そこへ猛然と走り込んだ永井が、相手DFと相手GKがつめよる一瞬前に右足アウトサイドでループシュート。これが空っぽのゴール内にころがりこんで、待望の1点。関塚監督がベンチ前で躍り上がって喜んでいた。実況の進藤アナは前半の早い時間から「日本が勝てば決勝トーナメント進出決定」と言っていたが、少し現実的に。
モロッコが捨て身の反撃。42分の相手CKは吉田がクリア。44分にFKも与え、永井がクリア。45分、清武に替えて、長身FW杉本が入る。ロスタイムは3分。46分にも相手FK。GK権田がクリア。47分のモロッコの至近距離のシュートは、GK権田が防ぎ、こぼれ球もシュートされるが、かろうじて吉田がクリア。もう少しで引き分けるところだった。日本は三人目の交替として、ライン際に山村が立っていたが、入る機会がなかった。
驚いたことに、グループDのもう一試合でスペインが連敗、敗退が決まった。
サッカー短評 (2012.7/29)
川崎フロンターレvs.大宮アルディージャ 4対1 (2012.7/28 等々力) 第19節
四試合連続無得点のうっぷんを晴らした。先発は、GK西部、DF初先発の山越、井川、実藤、田中裕介。稲本と憲剛のダブルボランチ、トップ下に監督の長男、風間宏希(こうき)。ワントップは監督の次男、風間宏矢(こうや)、左ウイングに楠神、右に小林。風間兄弟はもちろん初先発。矢島が怪我したらしい。大宮アルディージャのキャプテンマークは、去年までフロンターレにいた菊池。
先週は、東日本大震災チャリティーマッチでリーグ戦はお休み。憲剛が呼ばれていたが、左足親指関節のねんざで辞退。かわりに井川が出場。また、この中断期間に、なんと田坂がドイツ・ボーフムへ7/20完全移籍。びっくりした。続けて柴崎もヴェルディに1月末までレンタル移籍の報道。
前半は、今までのよくないフロンターレだった。開始1分でチョにネットをゆらされるが、オフサイド。パスをつなごうとしては、ずれてボールを相手に渡してカウンターを受ける。大宮アルディージャのFW長谷川に早い時間からミドルュートをうたれた。大宮アルディージャはベルデニック監督に替わって守備を立て直し、攻撃も前節は神戸に一時2対1とは勝ち越した。フロンターレの守備も甘くて、後手後手に回り、とうとう前半19分に先制を許した。これも自分たちのパスミスから。
フロンターレの初シュートは、7分の風間宏希。振り返りざまにうったが枠に飛ばず。宏希も宏矢もチャージに弱い。特に宏矢は相手DFを背負ってボールを落とすことができない。攻撃が形にならないので、風間監督の指示で宏希を一列下げて、憲剛を前にあげる。そこから時々攻撃の形を作る。ロスタイムに入ってから、楠神の惜しいシュートも。もうこれが最後の攻撃という時間、山越の左からのクロスを相手DFが高くクリア。この落ちてきたボールを憲剛がダイレクトでシュート、ゴールを決める。さすが、こういうところで気持ちを結果に結びつける憲剛はすごい。追いついてハーフタイムでひと安心。
後半、交替なしで出てきたフロンターレは、前線からプレスをかけ続け、2分、小林がドリブルで一人相手DFをかわした後、菊池に倒され、PK獲得。これを小林が落ち着いて左上に決め、さっさと逆転。小林は、PKを蹴るのがはじめてとは思えなかった。19分、小林を下げてレナトが入る。その少し前の接触プレーで小林が足を押さえて倒れていたので、怪我かもしれない。23分には、宏希に替えて大島を投入。
24分、宏矢がドリブルでペナルティーエリアに侵入、飛び出した相手GKをかわして折り返したボールを受けた憲剛はシュートするかと思えば、ダイレクトで左の楠神にはたき、これを楠神が決めて、3点目。これでようやく楽になってきた。すると、26分には、レナトも追加点。インターセプトして、そのまま攻め上がり、強烈なシュート。第2節以来の得点に、レナトはすごく喜び、ベンチのレネ・サントスの所に走っていった。
しかし、大宮の戦う気持ちはとぎれず、CKから危ない場面を作られる。CKからのボールがクロスバーにあたり、跳ね返りをシュートされ、ゴールライン上で実藤がはじき、稲本がクリア。大宮は28分、ここまで何本もいいシュートをうっていたFW長谷川に替えて、新外国人FWズラタンを入れる。32分にはMFカルリーニョスに替えて上田を入れる。FKでは上田にいいボールをゴール前に入れられるがなんとかしのぐ。
それでもリードしている余裕から、パスがつながり、疲れているがプレスもかかる。ロスタイムは5分もあったが、大宮の反撃をしのいで、後半は無失点で久々の勝利。ホームでの勝利は5/23以来とか。
試合後のヒーローインタビューには憲剛と小林がいっしょに呼ばれた。小林が憲剛の得点を「さすがだと思った。」と言えば、憲剛は小林を「点をとるまではよかった。」監督インタビューでは、解説の田中さんがなんだかすごく親しげに「八宏はうまいからできるけど、他の選手全員にあのサッカーをやらせるのは難しいのではないか」というような質問。風間監督は、「練習ではもっとできている。選手全員にもっとできると期待している。」と言っていた。他の試合では、名古屋グランパスが最下位の札幌に負けたりして、フロンターレは7位に浮上。
サッカー短評 (2012.7/29,30)
日本女子vs.スウェーデン女子 0対0 (2012.7/28 コヴェントリー) ロンドン五輪グループリーグF
なかなかしんどい試合だった。中二日での試合に疲労も見えた。双方とも失点したくなくて様子見のような展開。先発は、GK福元、DF鮫島、熊谷、岩清水、近賀。沢と坂口のダブルボランチ、左サイドハーフに川澄、右に宮間。大儀見と大野のツートップ。カナダ戦と同じ。
前半は、スウェーデンのプレスを受ける形になった。シュートもうたれたが、ほとんど枠に来なくて助かった。スウェーデンはワントップのシェリン頼みの攻撃だが、そこはしっかりとディフェスしていた。シェリンは下がってボールをさばいたりしていたが、そこはそれほどこわくない。日本のシュートもヒットしたものがなく、相手GKやDFに防がれる。
後半序盤、ドイツ女子ワールドカップでスウェーデンから得点した川澄が、シュートするが決まらず。続けて、カナダから得点ときと逆の形で川澄のヒールパスを大野が受けてクロス、沢がシュートするがこれもヒットせず。8分の右CKは競り合った大儀見のファールをとられる。
14分、沢に替えて田中が入る。すると前よりパスが回るような感じ。18分、スウェーデンも一人目の交替。20分の大儀見のシュートはヒットしたが、相手GK。26分、相手FWシェリンがシュートするが、GK福元。30分の日本のショートコーナーから熊谷のヘッドは枠にいかず。33分、スウェーデン二人目の交替。35分、日本も大野に替えて岩淵が入る。岩淵は、当たりには勝てないが、ファールをもらい、日本のFK。このFKからつないだボールを岩淵がシュートするが相手GK。42分、スウェーデン三人目の交替。ロスタイム3分。47分、大儀見に替えて安藤が入る。スウェーデンにシュートを打たれるが、GK福元や枠の外でタイムアップ。さすが世界ランク4位だけ合って互角の戦いだった。
これで日本はグループ2位のまま。一試合目で南アフリカに4対1で勝ったスウェーデンがグループ首位。グループFの1位は、決勝トーナメントでアメリカ、フランスのいるグループGの2位と当たる。どちらにも負けている日本としては、2位通過して、ブラジル、イギリスのいるグループEの2位と当たりたい。狙ってできるものでもないが、南アフリカ戦で大量点でもとらない限り、2位が現実的になってきた。
サッカー短評 (2012.7/26,27)
U23日本vs.U23スペイン 1対0 (2012.7/26 グラスゴー) ロンドン五輪グループリーグD
日本がなんと1点リードで逃げ切った。前半34分、扇原の右CKから、大津が先制。スペイン相手にびびらずにプレスをかけて、いい試合への入り方ができた。先発は、GK権田、DF徳永、吉田、鈴木、酒井(宏樹)。扇原と山口のダブルボランチ。前線は永井のワントップ、左に大津、右に清武、トップ下に東。
スペインは左サイドバックのアルバとセンターバックのハビ・マルティネス、FWのマタがオーバーエイジらしい。GKはプレミアのチェルシーの正GKらしい。開始5分で、パスをつながれ、対応が後手後手になり、シュートを打たれた。わずかに枠の外だったが、フリーでうたれてしまった。25分にも、マタに右サイトから強烈なシュートを打たれた。これはGK権田が横っ飛びでセーブ。しかし、スペインの前半のシュートはこれ2本。
前半のボール支配率は、スペイン66パーセント、日本34%。それでも日本も時折ボールを奪ってはカウンター攻撃。34分のCKは、ニアに入った吉田のマークにスペインDFが3人くらいいって、大津は比較的フリーになっていた。ニアで競った吉田の頭には触れずに落ちたボールに大津が果敢につめて、左隅に蹴りこんだ。
この得点でスペインに焦りが見えた。やはり若いチームらしい。続けて清武が相手GKと1対1になるが、シュートは角度がなくわずかに枠の右を通過。41分、永井のスピードに驚異を感じた相手MFマルティネスがひっぱって倒す。すると、主審は一発レッド。これでずいぶん有利になった。というかこれで互角くらいか。
後半、スペインは猛攻を仕掛けてくるかと思ったが、交替はなし。日本は殊勲の大津に替えて斉藤が入る。大津は得点後、接触プレーで足を傷めたようだった。5分、東のミドルシュートは相手GK。15分、清武が惜しいシュートをはずす。11分、スペイン一人目の交替、18分、スペイン二人目の交替。この後、スペインの攻撃を立て続けに受けるが、シュートが枠に来なかったり、吉田や徳永が対応したりしてしのぐ。
後半29分、酒井宏樹が足を傷めて交替。酒井高徳が入る。けっこうしっかり捻ったようで、心配。とにかく永井はよく走った。10人のスペインは疲れてきたようで、日本の攻撃の機会も増える。36分にはスペイン三人目の交替。41分、扇原に替えて山村が入る。直後に永井が相手DFからボールを奪ってシュートするが相手GKが防ぐ。さすがマンチェスター・ユナイテッドのGKだけあって何度もチャンスはくれない。ロスタイム4分も、吉田を中心に守りきって大金星。
サッカー短評 (2012.7/26,30)
日本女子vs.カナダ女子 2対1 (2012.7/25 コヴェントリー) ロンドン五輪グループリーグF
開会式前の試合で、日本代表の先陣を切って勝利を手にした。有言実行ですごい。初めはカナダがずいぶんプレスをかけてきた。宮間にボールが入ると二人はきた。しかし、カナダの攻撃は、前線のFWシンクレアにロングボールを放り込むだけ。シンクレアは175pもある大女でキャプテン。もう一人のFWタンクレディも速い。しかし、熊谷と岩清水を中心によく守っている。そのうち、日本のパスがだんだんつながりだし、ゴールに迫れるようになってきた。そして、沢の配球に前線で大野ががんばってヒールで川澄に落とし、川澄が斜めに走り込んで、冷静に逆サイドに蹴りこみ、先制。これで、楽になった。
しかも、前半終わりにセットプレーからの流れで宮間が追加点。44分、鮫島がオーバーラップし、大野とワンツーしてからクロス、そこへ走りこんだ宮間がヘッドで押し込んだ。
後半6分、大儀見のシュートは惜しくも相手DFにクリアされる。10分にルーズボールを相手右サイドバックのウィルキンソンに拾われ、クロスが入り、これを相手FWタンクレディに決められ1点差に。19分、大野に替えて安藤が入る。 17分、21分と大儀見がシュートするも決まらず。25分、カナダは二人同時に交替。アシストのサイドバックのウィルキンソンとセッセルマンが下がる。31分にもカナダは三人目の交替。39分、沢がシュートするが、相手GK。
この後、カナダに怪我人が出て、10人となる。ロスタイム3分しのいで幸先良く勝ち点3。
サッカー短評 (2012.7/15)
サンフレッチェ広島vs.川崎フロンターレ 3対0 (2012.7/14 広島ビッグアーチ) 第18節
折り返しの雨の試合は、連続アウェイ。最近、全然点が取れない。先発は、GK西部、DF田中淳一、井川、実藤、田中裕介。憲剛と稲本のダブルボランチ、左ワイドに田坂。右にレナト、トップ下に楠神。小林のワントップ。
立ち上がりがよくなかった。前線からブレスを全くしないでいると、広島の攻撃を受け、2分でCKから失点。高萩の右CKは、ゴール前でなく長いショートコーナーで、相手MF清水がダイレクトでうったボレーが入ってしまった。それでも前半、この出会い頭の1点ですめば違ったのだろうが、15分、井川が高萩に猛烈にブレスをかけられると、バックパス。西部のトラップが大きくなったところに佐藤寿人がつめより、これがゴールに。これでがっくりきていると、19分、高萩が川崎フロンターレ陣内から無造作に右前方に大きくフィード。そこへ走り込んだ右サイドの石川がフリーで持ち上がって中央にクロス、佐藤寿人がヘッドで合わせて、あっという間に3対0。
フロンターレは、時々パスがつながるが、シュート前のラストパスにミスパスが多く、なかなかシュートまでいけず。Jスポーツ解説の野々村さんが、「パスをつなぐことで頭がいっぱい」になっていると指摘。しかも「どうしてもツータッチ、スリータッチになってしまう」。これでは広島の守備は崩せない。レナトのFKが右上角を直撃したのが一番惜しかった。
後半、風間監督がどうするかと思ったら、田坂に替えて、この日、特別指定が認められたばかりの筑波大4年生、山越を投入。大学ではDFらしいが、田坂のポジションに。さっそく後半5分、逆サイドの田中裕介のクロスをシュートするが枠をはずれる。試合後の監督インタビューでは、山越について「ボールを取られない」と評価。6分、レナトに替えて矢島が入り、小林が右ワイドに。後半は、シュートで終わる形を作れるようになるが、なかなか枠にいかず。最後40分に楠神に替えて小松を入れ、ツートップに。しかし、小松に放り込むところまでいかず。結局今季は広島に連敗。広島はこれで首位に浮上。仙台が名古屋グランパスと引き分けたため、勝ち点で並び、得失点差も同じだが、総得点で上回った。フロンターレは10位に転落。
試合後の監督インタビューで、野々村さんがGKがボールをつなごうとして失点したことについて聞くと、「ミスはするものだし、だからなんだという感じ。西部はよくやっている。」との答えに「聞きたい答えが聞けました」。
サッカー短評 (2012.7/12)
日本女子vs.オーストラリア女子 3対0 (2012.7/11 国立) オリンピック壮行
同じ日のU23男子五輪代表戦の前にあった、女子の方は快勝した。本来、こちらが前座なのだが、今は逆転している感じ。翌日のスポーツ紙の見出しも「沢得点」などが一面。
先発は、GK福本、DF鮫島、熊谷、岩清水、近賀。坂口と沢のダブルボランチ、左アウトサイドに宮間、右に川澄。永里あらため大儀見と安藤のツートップ。
前半、押し込みながら、得点できないでいたが、宮間のPKで先制。前半終了間際に、大儀見(旧姓・永里)の追加点。後半13分にCKからの流れで沢が3点目を決め、無失点で貫禄勝ち。
サッカー短評 (2012.7/11)
U23日本vs.U23ニュージーランド 1対1 (2012.7/11 国立) オリンピック壮行
困ったものだ。せっかく、たいしてプレスもしてこない相手から、後半26分、やっとのことで1点とったと思ったら、守りきることもできず、ロスタイムのパスミスで追いつかれてしまうとは。
先発は、GK権田、DF左サイドバックにオーバーエイジの徳永、山村、鈴木、坂井宏。山口と扇原のダブルボランチ、東野トップ下、左ワイドに永井、右に清武。ワントップに大津。オーバーエイジの吉田麻也はベンチにはいたが、今日の登録メンバーからははずれて大事をとった。ニュージーランドは、オーバーエイジを3人入れてきて、そのフィットを図る試合という位置づけらしく、交替枠はGK1人、フィールドフレーヤー6人あったにも関わらず、あまり使わなかった。ちなみに、ニュージーランドのオーバーエイジはセンターバックのキャプテン、ネルセン(34)。他はワントップのFWスメルツ(30)、もうひとりは右サイドバックか。
前半から、日本が圧倒的にボールを支配し、パス回しもなんとかできていた。大津の惜しいシュートや東のシュートもあった。清武はFKで直接ねらったが、枠の外だった。永井のバー直撃が一番惜しかった。
しかし、なんでもない横パスを不用意に渡してしまうミスは、前半から出ていた。38分、最終ラインのボール回しで、鈴木のパスがずれて相手FWにわたり、ここは山口がファール覚悟で止めてイエローをもらった。後半24分にも、パスミスを大津がカバーしてイエロー。
交替もちょっと不可解。後半10分に東に替えてFW杉本が入ったのはわかる。得点をとるため、ターゲットマンになれる192pのFWを入れ、大津がトップ下に。18分にイエローをもらった山口に替えて村松が入ったのもまだわかる。しかし、25分に永井を下げて入れたのは、本番に出られないバックアップメンバーの山崎。ほぼ同じポジションにメンバー入りした斉藤がいるのに。この直後に先制したとは言え、31分に扇原に替えて入れたのもバックアップの米本。ボランチを二人とも替えてしまって、攻守のバランスが崩れたのが失点の遠因ではないか。斉藤が入ったのは、36分、清武との交替。独特のドリプルから惜しいシュートもうったが、追加点はならず。
得点の部分はよかった。オーバーエイジの徳永は、前半は少し様子を見ている感じだったが、後半は、相手ボールになったときの的確な守備でピンチの目を摘み、さすがの安定感を出していた。攻撃参加も始め、得点のシーンは、徳永が攻め上がってパスを出した後、そのままゴール前に走り込んで鋭いシュートをうったのが、跳ね返り、杉本が押し込んだもの。
サッカー短評 (2012.7/7)
清水エスパルスvs.川崎フロンターレ 0対0 (2012.7/7 日本平) 第17節
前半はほとんどやりたいパス回しができなかった。憲剛が持つと3〜4人がプレスに来た。先発は、GK西部、DF左サイドバックに田中雄大、井川、実藤、田中裕介。稲本と憲剛のダブルボランチ、トップ下に楠神、左アウトサイドに矢島、右にレナト、小林のワントップ。前半途中から、矢島のワントップに変える。
エスパルスもここ6試合勝てていない。あと1点でチーム1000ゴールで足踏みしている。この日はチーム創立20周年試合という位置づけで勝ちたかったと思うが、アレックスや大前がシュートをはずしてくれて、助かった。
主審がパラグアイの人で、開始直後に手によるプッシングを2-3回厳しく笛を吹いたが、全体としてはあまり吹かなかった。日本人はジャンプする競り合いで安易に手を使うらしいが、この両チームはあまり空中戦にならなかったこともある。
11分にペルティーエリア右からのFKをレナトがねらったが、惜しくも右隅の角に当たる。フロンターレの前半のシュートはこれ1本。エスパルスの李にもFKでねらわれるが枠の上。エスパルスは小野にあまりボールが入らない。ボランチの村松は、組み立てというより憲剛のマーカーらしいが、うまく押さえられていない。スカパー解説の沢登が「中村に自由にやらせたら何でもできてしまう。」と言う。スカパーのくせにアナウンサーは静岡の人らしく、西部と矢島がエスパルスに所属していたことや風間監督が清水商業出身なのでフロンターレにも「いわば清水の血が流れている」とかばかり言う。
後半頭から田中雄大に替えて田中淳一が入る。田中雄大は左サイドバックが本職なので久々の先発でがんばっていたとは思うが、相変わらず1対1の対応が弱く、持ち味の攻め上がりからの左足のクロスも出せずじまい。
2分、憲剛のスルーパスを受けた楠神がペナルティーエリア内で二人の相手DFの間でくるりと向きを変えてシュートしたが、ヒットせず相手GK。しかし、このターンには、清水寄りのアナウンサーも「うまい!」と言っていた。試合後の解説者イチオシプレーヤーでも野々村が取り上げていた。11分、エスパルスは二人交替。小野に替えて高木、MF杉山に替えて高原。12分、楠神のドリブルがファールで止められて得たFKを、またレナトが直接ねらうが、バーのわずか上で、レナトはすごく悔しそうだった。
後半は、少しねらい通りのパス回しが出るようになったが、最後のパスの精度や、シュートでいいと思うところでもうひとつドリブルやパスを選んだりして、フィニッシュしていない。18分、相手FW高原に反転してシュートを打たれるが、GK西部の正面で、かろうじて押さえる。19分、小林に替えて田坂が入る。小林も今季先発が少ない。得点もまだ1点ではないか。
このへんから、暑さで足が止まり始める。田中淳一は高原とよく勝負した。高木のクロスもクリアしていた。稲本は前半、パスミスもあったが、後半は、セーフティーにやっていた。28分、エスパルスは岩下に替えて小林大悟を入れる。村松が一列下がって、小林はボランチに。38分、憲剛がファールを受けてペナルティーエリア正面右寄りでFK。憲剛は起きあがるのがしんどそうだった。レナトのキックは、相手DFがクリア。40分過ぎから立て続けにエスパルスにシュートまでいかれるが、なんとかしのぐ。カウンターで、実藤が持ち上がって、田坂がクロス、矢島が折り返して、再び実藤がゴール前に飛び込むが、体勢が崩れうてず、オフサイドの旗。リプレーだと矢島が既にオフサイドだったらしい。最後にエスパルスのアレックスにシュートをうたれるが、防いだところでロスタイム3分もタイムアップ。
試合後の監督インタビューでは、沢登の「試合の感想は」の質問に、風間監督は「へたくそで面白くない試合だった。」「ゴール前ではもっと冷静に、冷淡なくらいでいい」。楠神の見事なターンからシュートした場面も「もうボールひとつ左におけばなんでもないのに」とのこと! はぁ、そうなんですか。これでリーグ前半が終了。6位から8位に後退。練習には、ケガしていたジェシと小宮山が戻ってきた。大島と杉浦も別メニューで参加。7/1付けで、風間監督の長男(21)と次男(19)をドイツのクラブから完全移籍で獲得したというお知らせが出ていた。
サッカー短評 (2012.7/2)
スペインvs.イタリア 4対0 (2012.7/2 キエフ・ウクライナ) ユーロ2012決勝
すごい試合だった。スペインは、結局4−3−3のゼロトップのメンバー。一番前の真ん中にセスク。左にイニエスタ、右にシルパ。二列目にはシャビ、シャビ・アロンソ、プスケツ。センターバックにピケとセルヒオ・ラモス、GKはキャプテンのカシージャス。大会前にDFプジョル、前回得点王のビジャが欠け、心配されたが、フェルナンド・トーレスが得点しなくても決勝まで1失点で来た。得点できなかったのは、準決勝のポルトガル戦だけ(TBSで放映なし)。引いて守る相手を崩すのが得意で、果敢に攻めてくるポルトガルには手こずった。
一方、この大会のイタリアは、攻撃的な「新生イタリア」。準決勝のドイツ戦が象徴的だったが、まず攻め上がって先制、続けて前半のうちに追加点を取り、先制されたことのなかったドイツを撃破。準々決勝でイングランド相手にPK戦までいった疲労もあったはずだが、見事に勝ち上がってきた。トップには、先発に復帰してドイツ戦で2得点したバロテッリとカッサーノ。二列目にモントリーヴォ、デ・ロッシほか、ボランチにピルロ、GKはキャプテンのブッフォン。
この大会では、グループリーグの初戦で対戦、1対1で引き分けた。ワールドカップや過去のユーロでの対戦成績は、イタリアに分がある。イタリアは勝てば44年ぶりの優勝、スペインは前回に続き連覇をねらう。最初は、イタリアが何度か攻撃をしかけ、スペインがいなしている感じだった。しかし、スペインが14分、シャビ、イニエスタとつなぎ、右サイドに流れたセスクに通り、セスクがライン際までもっていき、中央に折り返したボールにシルバが飛び込み、ヘディングで決めた。TBS解説の金田さんは、「セスクはシルバの額めがけて蹴っている。」
41分の追加点が決定的だった。GKカシージャスからのロングフィードを左サイドバックのアルバが高い位置で受け、持ち上がってからシャビにはたき、再びシャビからのスルーパスを冷静に相手DFの間から、GKブッフォンののばした指先をかすめて右隅に流し込んだ。アルバは元はウイングで攻撃センスにすぐれているとか。
イタリアは少し運がなかった。21分、左サイドバックのキエッリーニが負傷交替。後半にも12分に三人目の交替で入ったばかりのモッタが負傷退場で10人での戦いに。これに対しスペインは余裕の選手交代。一人目が後半12分、得点したシルバを下げてペドロ、30分にセスクに替えてフェルナンド・トーレス、42分にはイニエスタも替えてマタを入れる。そのトーレスが39分に得点、43分には、トーレスからのパスでマタも得点。ロスタイムは4分もいらない感じだった。
サッカー短評 (2012.6/30)
川崎フロンターレvs.ヴィッセル神戸 0対1 (2012.6/30 等々力) 第16節
フロンターレユース出身の都倉の一発にやられた。二試合連続無得点はいただけない。先発は、GK西部、DFサイドバックにリーグ戦初出場の田中淳一、井川、実藤、田中裕介。稲本と憲剛のダブルボランチに、左ワイドに田坂、右にレナト。トップ下に楠神、ワントップが矢島。左サイドは、前節は福森がよかったと思ったが、また新人を使ってきた。しかもFWとして入団してきた「パウロ」を。神戸は、西野監督になって、ナビスコカップを含めてここまで3連勝。今日は、イエロー累積で大久保がいない上、連続得点中の若い小川もケガでいない。
それなのに、前半3分、いきなりFKで危ない場面。相手DF北本がヘディング、西部がはじいたボールを吉田がシュートしネットをゆらされるが、オフサイドで認められず。ここを含めて西部は3点くらいは防いだ。18分の野沢のミドルシュートも利き足でない左足なのに、実に鋭いボールだったが、西部が触ってバーにあたる。跳ね返りに都倉がつめたが、枠の外で助かった。それにしても、前半はパスをつなげなかった。ハイプレッシャーをかけられ、パスが不正確になり、ずれたところを拾われる。この繰り返し。矢島に有効なボールが全く入らない。それでも前半30分頃からは、少しはボールをつなげるようになったし、失点もしないでハーフタイム。
後半も立ち上がりは、ペースをつかんでいた。しかし、得点はできない。14分に田坂に替えて小林を入れる。小林も1本シュートをうったが、相手GK。そうこうするうち、後半32分、都倉が稲本とのボールの競り合いを制して前を向き、ロングシュートを放つと、まっすぐゴールネットに突き刺さった。ちょうど、ユーロの準決勝で、不利と言われたイタリアのドイツ相手に2点目をたたき込んだ、FWバロテッリのシュートに似ていた。都倉もそれが頭に合ったらしく、同じようにユニフォームを脱ぎ捨て仁王立ち。確かにすごいシュートで、うった方をほめるしかない感じではあった。都倉と競り負けた稲本は、少し前から足が痛かったらしかったが、風間監督は交替カードをなかなか切らない。やっと柴崎と交替したのは後半45分。ロスタイムは4分あったが、マイボールにできずに、時間を使われた。
試合後、風間監督は、TBSチャンネル解説、中西永輔さんの「試合をひとことで」にこたえて、「ゴール前でボールを止められないこと。」きちんと止められれば前を向く余裕も生まれるし、そのままシュートをうつこともできる。あとは個人個人の技術なので急には変わらない、とも。「現段階で何パーセントできているか」との質問には、「20〜30パーセント」。「今いろいろ選択枝が見えるようにはなったが、それを体現できていない。」今週は、速いパス回しにくわえて、速い判断をみがく練習をしてきたらしいが、確かにすぐには結果が出ない。 パウロは、前半は中途半端な感じで迷っているのかなと思ったが、後半は思い切りよく攻撃参加も見せ、シュートも上にはずれたが、1本うった。レナトは矢島や楠神と重なる動きもあり、もったいなかった。順位は6位に後退。
サッカー短評 (2012.6/23)
川崎フロンターレvs.横浜F.マリノス 0対0 (2012.6/23 等々力) 第15節
7戦負けなしのマリノスとリーグ戦3連勝のフロンターレ。先発は、GK西部、DF左から福森、井川、実藤、田中裕介。憲剛と稲本のダブルボランチ、左ワイドに田坂、右にレナト、トップ下に楠神。矢島のワントップ。
開始1分で谷口にシュートをうたれるが、枠に飛ばず。4分で中村俊輔が左足をひねって交替。対面の福森は、俊輔の桐光学園高校の後輩。同じ左足利きということで対戦を楽しみにしていたらしいが…。7分、兵藤のFKから栗原がヘディング、10分、左サイドのドゥトラからのクロスがフリーで入るなど、しばらく押される展開。21分の、右サイドの小林からのクロスに斉藤学が飛び込んでうったシュートは、決まったかに見えたが、西部がかろうじて防ぐ。
マリノスは、俊輔に替わって入ったMF森谷が前線にいて、FWの小野やマルキーニョスが下がってボールをもらって、ラストパスを入れることが多い。フロンターレも次第に憲剛が前を向いてパスを出せるようになり、ボールがつながり出す。24分に楠神がうったのが久々のシュート。37分につないだボールを田坂がエリア内でヒールで憲剛に落とし、憲剛がシュートするが、ポストの左へ。41分には、マリノスの右CKをファーの中澤がヘディング、それを小野にうたれるが、ボールは井川にあたってからクロスバーをたたき、なんとかクリア。前半のシュートは4本。マリノスは5本。0対0のままハーフタイム。
風間監督は、原則として、ある選手がどうしても悪くなければ交替しないらしい。3分、左サイドの福森が持ちあがって、左足のアウトで鋭いクロス、矢島に通ったが、納めきれず、相手GK。8分、CKからの流れでレナトが何度かシュートをうつが、防がれる。12分、福森のミドルは枠の上。福森はポーカーフェイスで、表情に乏しいが、攻守に落ち着いてよくやったと思う。あぶない場面でも、セーフティーにクリアしたり、球際でもよく競っている。田中雄大より守備はいいと思う。
32分に、稲本に替えて柴崎が入る。イナは前節、ケガ明けなのに雨の中90分出たし、今日も接触で足を痛そうにしているときもあった。柴崎もケガ明けでリーグ戦は久しぶり。マリノスは34分に森谷に替えて大黒を投入。1点を取りに来た。フロンターレも38分にレナトに替えて黒津、42分に田坂に替えて小林を入れる。しかし、40分からマリノスに連続してCKを与え、防戦が続く。44分、西部のキックを受けた田中裕介がミドルシュート。ロスタイム1分、左ショートコーナーから矢島がヘディングするが、枠の外。後半は7本のシュートをうち、4本のシュートを防いだ。今年最初の神奈川ダービーはスコアレスドロー。
風間監督は、試合後のインタビューで、「選手の中で意識のレベルがそろっていない。大人と子どもがいる。」と言う。順位は4位で変わらず。
サッカー短評 (2012.6/16)
サガン鳥栖vs.川崎フロンターレ 0対1 (2012.6/16 ベストアメニティス) 第14節
かろうじて競り勝った。そもそもナビスコ初戦で鳥栖に負けて、相手にJ1で戦えるという自信をつけさせたのがケチのつき始めだった。鳥栖のホーム不敗神話を断ち切って、ひとつケジメをつけられた。
先発は、GK西部、DF伊藤宏樹、井川、実藤、田中裕介。憲剛と稲本のダブルボランチ、左ワイドに田坂、右にレナト、矢島と楠神の縦のツートップ。稲本と宏樹が怪我からの復帰戦。黒津と小松がベンチに戻ってきた。これでもまだ主力が8人も怪我だとか(小宮山、ジェシ、森下、山瀬、大島、登里…)。激しい雨の中、前半は、前線までボールが届かなかった。開始直後4分に左CKから田中裕介のヘディングシュートがあったが、前半のシュートはなんとこれ一本のみ。鳥栖の堅い守りに、憲剛がなかなか前にパスを供給できない。苦し紛れにスルーパスを入れても味方に合わない。相手ボランチのキャプテン、藤田と岡本が憲剛に自由に持たせない。水沼やキム・ミヌが素早いパスやクロスを供給し、前線の豊田や池田がシュート。パスが合わなかったり、シュートをはずしてくれたり、オフサイドだったり、西部が防いだりで、なんとか前半を無失点で終える。
風間監督は、ハーフタイムに「ボールを獲られるな、出したら動く、正確にプレー。」と言ったようだが、試合後のインタビューでは、憲剛にマークがついているなら、憲剛が動いてスペースを作りそこから始める、という意識づけをしたらしい。確かにボールがつながるようになり、憲剛も前を向いてボールを扱える時間が増えた。さっそく後半3分には、憲剛がドリブルで持ち上がり、深い位置から折り返し、楠神がシュート、防がれた跳ね返りを田中がシュート、ゴールの右上角に直撃。惜しかった。
そしてついに、後半35分、憲剛がレナトにあてて、レナトが落としたボールを田坂が右の田中裕介にはたき、田中が持ち上がる間に田坂は中央へ走り込み、クロスが入ったとき、ペナルティーエリアのニアサイド寄りの相手DFの間でヘディングシュート。これが左上隅にきれいに吸い込まれ、待望の先制。エリア内にはレナト、矢島、楠神も入っており、相手DFはボールウォッチャーになり、田中にも田坂にもプレスがかかっていなかった。ベンチでは、中山通訳が躍り上がって喜んでいて、風間監督はもっと控えめに喜んでいた。
鳥栖は26分に水沼に替えて攻撃的MF早坂、39分には池田に替えてFWトジン、44分にはキム・ミヌに替えてFW岡田を入れて攻勢を強める。ロスタイム4分の間にも、左CK、藤田のFKなどチャンスを作られたが、最後のFKを西部がはじいてポストにあてて出したところでタイムアップの笛。後半も、得点の場面以外は相手に渡してしまうミスパスもあり、内容はよくなかったが、ナビスコで連敗していたので、公式戦久々の勝ち星。試合前は7位と8位の対決だったが、これで4位に浮上。
サッカー短評 (2012.6/12)
オーストラリアvs.日本 1対1 (2012.6/12 ブリスベン) ワールドカップアジア最終予選B組
初のアウェーの試合は引き分けた。日本は、ヨルダン戦で負傷した吉田と、アゼルバイジャン戦で腰を傷めた森本が離脱。代わりは招集しなかった。季節は逆だが、ブリスベンには、オーストラリア代表の帰国する一日前に入ったという。先発は、GK川島、DF長友、今野、栗原、内田。遠藤と長谷部のダブルボランチ、左ワイドに香川、右に岡崎、本田のトップ下。ワントップに前田。
オーストラリアは、6/8が初戦で、気温40度近くの中、アウェーのオマーン戦を0対0でしのぎ、初冬の本国に戻ってきた。日本が最初の2戦で勝ち点6、得失点差+9を得たので、自分たちのホームでは勝ち点3がほしいところだろう。監督は、元浦和レッズ監督のオジェック氏。キャプテンはDFニール、39歳のGKシュウォーツァー、FWケーヒルなど南アフリカワールドカップに出場したメンバーに、アレックス(清水エスパルス)、ノース(コンサドーレ札幌)など。ベンチにはキューウェル、ケネディ(名古屋グランパス)、ミリガン(ジェフ千葉)なども控える。
オーストラリアは、キックオフから攻め込んできた。ホームとはいえ、日程的には不利なので、スタミナがあるうちに先制しようということか。ロングボールがケーヒルに入り、シュートは川島が防ぐ。NHK解説の山本さんは、「多少、ボールが不正確でも、プレミアでやっている選手はコントロールしてしまう」と言う。ケーヒルは32歳らしいが、相変わらず強くてずるうまい感じ。ファールをもらうのがすごくうまい。日本は8分に最初のCKを得る。遠藤がショートコーナーで長谷部がクロス、岡崎がヘディングするが枠の外。直前にピッチに水をまいたせいか、土質のせいか岡崎がよく滑る。芝もあちこち薄くなっている。13分、オーストラリアはMFブレシアーノがミリガンと交替。25分には、本田がFKで直接ねらうが、枠の右にそれる。28分の右CKも本田がショートコーナーを選択。どうもオーストラリアはショートコーナーが苦手らしい。まあ高いボールを放り込んでも、そう簡単に勝てないし。前半0対0で折り返したのはまずまずか。
後半7分にも本田が直接FKでねらうが壁に当たる。11分、ミリガンが二枚目のイエローカードで退場。サウジの主審は、最初二枚目を出したことに気がついていないようだった。日本は前半の終わりから、だんだん自分たちのパス回しができる時間も増えてきた。20分に先制点。本田の右ショートコーナーから遠藤、再び本田。本田はドリブルしながらペナルティエリアのゴールライン際を進み、折り返し。岡崎が相手DFを連れて動き、ファーで栗原がほぼフリーでシュートを押し込んだ。栗原は、この直前、ショートコーナーを蹴る前のゴール前の攻防で相手DFニールの挑発にのり、相手の顔に手をかけて押したりしていた。前半22分に栗原、29分に今野がイエローをもらっていたので、解説陣はハラハラしていた。ゲストの宮本は「イエローが出やすい状況なのだから、ああいう挑発にのってはいけない。」先制されたオーストラリアは、ロングパスをつないでCKを得る。ゴール前で内田の守備がアレックスへのファールとなり、PKの判定。これを決められ、同点。一人多くて先制したが、やはり最終予選は簡単には勝てない。28分、日本は、内田に替えて酒井が入る。32分、34分、37分と香川がシュートするが、相手DFやGKに防がれる。香川は、この試合でもシュートできるところでパスしていたが、ようやく少しシュートし始める。41分、岡崎に替えて清武が入る。43分のFKは遠藤が蹴るが、ボールが落ちずに枠の上へ。44分、栗原が二枚目のイエローをもらい退場。そんな危険なブレーには見えなかったが、オーストラリアの数的不利の帳尻あわせか。ゴール正面のFKとなったが、川島が壁を越えてきたキックを右手ではじき出す。ロスタイムに入り、清武がシュートするが、枠の左。栗原のアナを埋めるために、香川を下げて伊野波が入る。オーストラリアもロスタイム3分ぎりぎりで選手交替。終了直前にペルティエリア近くで本田がファールを受け、FKを得る。蹴ろうとしていると主審のタイムアップの笛。どこまでも日本に嫌がらせのような主審だった。イエローカード7枚のうち、日本が5枚。オーストラリアはミリガンだけに2枚。日本は、栗原の2枚を初め、今野と内田が通算2枚目で次のイラク戦に出場できない。
サッカー短評 (2012.6/9)
川崎フロンターレvs.ジュビロ磐田 0対1 (2012.6/9 等々力) ナビスコカップ
雨の中の試合。日本代表選手は憲剛と、ジュビロは前田と駒野。フロンターレは、稲本がベンチに帰ってきた。先発は、GK西部、DF登里、井川、実藤、レネ・サントス。柴崎と田中裕介のダブルボランチ、左ワイドに田坂、右にレナト、トップ下に楠神、矢島のワントップ。
前半は、レネ・サントスの側から山田、松浦が攻め上がってくるのを防ぐ展開。9分に田坂、11分にレナトがシュートするが防がれる。この後はもっぱら守りに奔走。矢島に全然ボールが通らない。25分にとうとう失点。山田から、オーバーラップしてきた左サイドバックの宮崎、宮崎のクロスにワントップの山崎が飛び込んで合わせられた。登里の側からも山本修に攻め上がられてシュートまで行かれたが、ポストがはじく。
ゴール前の攻防で、登里が腰から落ちて担架が入る。いったんはピッチに戻ったが、やっぱりだめで、39分、田中雄大と交替。前節の大島に続き、若手の離脱は痛い。40分にやっとボールがゴール前までつながり、矢島に入ったものの振り返るスペースはなく、オーバーヘッドシュートは枠の上。
後半は、頭から柴崎に替えて小林が入る。左ワイドに小林、田坂がボランチに。2分、4分とレナトが連続シュート。少しずつ枠に近くなっている。相変わらず、パスミスから相手にボールを渡してはピンチになるが、滑りやすいピッチの中、ジュビロも前半より寄りの速さは鈍ってきた。レネ・サントスの寄せが前半から甘く、山田に何度もチャンスを作られていたが、32分、レネに替えて稲本が入る。稲本をアンカーに、田中裕介は右サイドバックに。田坂が少し前に上がる。34分、中央を切り裂いて相手センターバックの真ん中で小林がボールを受けるが惜しくもオフサイド。最後まで自分たちのミスパスで苦しい展開になったが、ジュビロも決定力が足りず。田中裕介が、前節は最後の失点の起点になってしまったが、今日は、よくボール奪取していた。風間監督になってから、明らかに守備力があがったと思う。結局、ロスタイム4分の間、かなり攻撃のリズムは出てきたが、シュートまでいけずタイムアップ。
風間体制になってから復帰した選手と、最初からいる選手とで理解度の差があるらしい。ハーフタイムに「ボールが見えるポジションを取れ」という指示が出たが、ボールを受けるべき選手が相手DFの背後に隠れている、ということらしい。それにしても怪我人が多すぎる。宏樹も左内転筋肉離れで1〜2週間、大島は左ヒザ内側靱帯損傷で5週間、福森も左ハムストリング肉離れで3週間、杉浦が左足首ねんざで4週間、そしてノボリはなんと左第四腰椎突起骨折で全治8週間! 小宮山もジェシも森下もまだ帰ってこない。
サッカー短評 (2012.6/8)
日本vs.ヨルダン 6対0 (2012.6/8 埼玉ス) ワールドカップアジア最終予選
立ち上がりから、積極的に相手ゴールに迫るが、CK6本目でやっと先制。これで流れをつかみ、前半のうちに4得点。過去二回の対戦でいずれも引き分けているヨルダンに、戦意喪失させた。
先発は、GK川島、DF長友、今野、吉田、内田。遠藤と長谷部のダブルボランチ、本田のトツプ下、左ワイドに香川、右に岡崎。ワントップに前田。前半11分、遠藤は左CKから直接ゴールをねらうが、惜しいところで相手GKにはじき出される。18分、本田の右CKを前田が相手DFと競りながら、ヘディング。と思ったが、リプレーで見ると、首と肩の間だった。NHK解説の福西が、「どこでもいいから押し込もうという気持ちが感じられる。」続けて21分、遠藤がふわりとループで本田へパス。ゆるく逆回転がかかった蹴りやすいボールで、本田が飛び出した相手GKをかわしてシュート。あっという間の追加点。ザッケローニ監督は、試合後のインタビューで、選手たちに試合前、「オマーン戦より精度の高いプレー」をしてほしいと言っていたが、そのとおりになった。26分のFKは本田が直接ねらったが、枠の右に大きくそれる。
27分、長谷部と競り合った相手選手が二枚目のイエローで退場。ひじが長谷部の頭にあたり、長谷部は出血して倒れる。長谷部が治療して戻るまで10人対10人に。30分には、またもや遠藤のパスに走り込んだ岡崎がシュート、相手DFに当たるが、こぼれ球がファーサイドにころがり、そこに走り込んでいた本田が押し込んで3点目。35分には、やっと香川が得点。本田、長谷部、岡崎とゴールに迫るが、相手GKがはじき、こぼれ球を内田が香川に横バス、香川がフリーでシュートして4点目。この後、もう1〜2点とれそうな勢いになったが、ボールを持って攻め上がったCBの吉田が、相手にボールを奪われ、取り返そうと足を伸ばした後、滑り、右ヒザの内側靱帯を傷める。一度はピッチに戻ったが、自ら申し出て交替。44分、栗原が入る。この間、ヨルダンが初めてシュート性のクロスを入れてくるが、GK川島がキャッチ。これが川島のファーストタッチらしい。
後半は、ヨルダンが少し攻撃的に出て、3分に相手FK。フリーでヘディングそれるが、枠の左上外。この後もシュートわ打たれるが、6分、前田が相手ペナルティーエリア内で倒れ、PKをもらう。スローリプレーで見ると、殆ど足はかかっていないように見えたが、普通のスピードだといかにも倒されたように見える。主審は韓国のキム・ドンジンさん。このPKを本田が前田にゆずってもらって蹴り、見事にゴール右に決め、ハットトリック。12分には、本田も怪我が直ったばかりだからか、交替となり、憲剛が入る。
前半から、香川は前田と重なったり、シュートしてもいいところでパスにしたり、味方に出したつもりが誰もいなかったりと相変わらず回りと合っていなかったが、憲剛となら合うかもしれない。15分、憲剛が左足でミドルシュート。枠に跳んだが、相手GKがはじくと、悔しそうな表情。このCKを遠藤がまた直接狙うが、相手GKがはじく。27分には、今野を下げて伊野波が入る。ザック監督は、若手を試すより、センターバックのバックアップ要員の経験値を上げる選択。30分の左CKは憲剛が蹴り、ファーで栗原がヘディングするが防がれる。40分には香川がシュートするがポストにあたる。しかし、44分、また、憲剛の左CK。ショートコーナーから長友がクロスをゴール前に入れると、ファーで栗原が競り勝ってヘディングシュート。これが決まって6点目。栗原の代表初ゴールとなった。
試合後のインタビューで、前田は「ゴール以外はシュートしていない。次もゴールを決めて勝ちたい。」と言っていた。最後まで献身的に守備もしていた。本田はハットトリックにも「みんなに協力してもらって取れた。」香川は「ゴールは相手のミスもあったので喜べない。」と浮かない顔。観客は、今日も満員。これで勝ち点6、得失点差は9になった。オーストラリアは今夜初戦をアウェイのオマーンで戦うそうだ。
サッカー短評 (2012.6/7)
セレッソ大阪vs.川崎フロンターレ 3対2 (2012.6/6 キンチョウス) ナビスコカップ
前半のうちに先制したのはよかった。日本代表の最終予選の合間に行われているので、フロンターレは憲剛、セレッソは清武がいない。先発は、GK西部、DF登里、井川、実藤、田中裕介。怪我上がりの柴崎と大島のダブルボランチ、左ワイドに田坂、右にレナト。トップ下に楠神、矢島のワントップ。セレッソは、他にも正GKのキム・ジンヒョンと攻撃的MFのキム・ボギョンもいない。
得点は、楠神。30分、相手GKと一対一になり、一瞬のタイミングでニアを打ち抜いた。楠神らしいゴールだった。
しかし、後半に入ってすぐ2分に失点したのがいただけない。セレッソはホームだから、後半頭から一人交替してきて、「サポートを早く」変えてきた。フロンターレは、この試合を落とすとナビスコ敗退が決まる。12分、怪我上がりの柴崎に替えてレネ・サントスが入る。レネが右サイドバックに入り、田中裕介がボランチに。ところが直後の13分、裕介がボールを失い、柿谷に決められ、さらに失点。
18分には、田坂に替えて小林が入り、攻撃の姿勢を見せる。23分、矢島と小林のパス交換から、矢島が相手DFに囲まれた中で、落ち着いてシュートし、惜しくもバー右上の角に当たる。しかしこの跳ね返りをつめていたレナトがこれまた冷静に押し込み、同点に。この後しばらくは、希望があったが、レナトのFKが相手GKにぎりぎりで上に押し出され、絶好の逆転機を逃す。これで逆転までいけるとよかったのだが、この後は、守備の時間が増える。しかも、大島が守備で無理をして内側靱帯を傷めたようで、田中雄大と交替。雄大を右サイドバックに入れ、田中のワンボランチにして、ノボリと楠神の二列目にシフト。
しかし、40分に、またも柿谷に3点目を決められ、万事休した。
サッカー短評 (2012.6/3)
日本vs.オマーン 3対0 (2012.6/3 埼玉ス) ワールドカップアジア最終予選
立ち上がりは少し堅かったが、攻める姿勢が出た、いい入り方だった。先発は、GK川島、DF長友、今野、吉田、内田。長谷部と遠藤のダブルボランチ、本田のトップ下、左ワイドに香川、右に岡崎。ワントップに前田。ベンチには、宮市、清武、酒井、権田らの若手と憲剛も。
開始30秒で右CK。遠藤が蹴ったが相手DFがクリア。何度か攻めた後の12分、前田が少し下がってきてもらったボールを香川にあて、香川が落としたボールを再び受けた前田はワンタッチで左サイドの長友へ。長友が折り返したボールに、ゴール前で岡崎が相手DF二人を引き連れていったあとに本田が走り込んでダイレクトでシュート! これが決まって待望の先制点。その後のボール回しを落ち着いてできるように。ザッケローニ監督もガッツポーズ。
14分には、香川がシュートしたが、オフサイド。香川のまともなシュートはこれ1本ではないか。リードしている安心感からか、次第に前に攻める姿勢が消え、パスミスから相手チャンスを与えたりし始める。ザッケローニ監督もライン際で難しい顔で、叫んでいる。
20分過ぎ、相手のクリアミスで、エリア内にいた長友にボールが渡り、ゴールに迫るが倒されるも、PKにはならず。主審は、ウズベキスタンのイルマトフさん。27分には、DFラインの裏に走り込んだ前田がヘディングシュートするがオフサイドの判定。31分には、長友が本田とのパス交換で左サイドをえぐり、クロスを入れると、走り込んだ岡崎に合うが、フリーだったのに岡崎のシュートはポストの右へ。NHK解説の長谷川さんは「あれは決めなきゃいけません。」39分、ドリブルした香川がシュートするかと思えば、ゴールライン際からパス、長友が鋭いシュートをうつが、相手GKがはじく。
オマーンは、堅守で三次予選を突破した。最後の三試合は無失点とか。その割にカウンターが鋭いわけではなく、前線にロングボールを放り込んだりもせず、パスをつなごうとしてくるが、途中でひっかかってしまう。監督は、南アフリカ大会では、カメルーンの監督だったルグエン氏。30歳のGKアルハブシが、イギリスのプレミアリーグのウィガンでプレーしていて、キャプテン。
解説の長谷川さんは、「前半のうちに追加点がほしい。」と言っていたが、1対0のままハーフタイム。
後半は、オマーンボールで始まったが、攻勢をかける前に日本ボールに。6分、本田からのパスを受けた香川がドリブル、スルーパスに抜け出した前田のトラップはまずかったが、左ポストに助けられてゴールに押し込む。リプレー画面で見たら、オフサイドだったが、副審の旗は上がらず。得点は認められたので、これでひと息。9分には、岡崎がさらに追加点。香川からのパスを受けた前田がシュート、相手DFに当たったこぼれを岡崎がシュート、相手GKが一度はじくが、再度岡崎がシュートしてネットをゆらした。
12分、内田に替えて酒井が入る。内田は、前半にイエローカードをもらった。相手選手との競り合いでボールを失った後、追いかけない場面もあった。NHKの野地アナウンサーが「それを考えると微妙な面もある」と言う。オマーンも負傷者も出て、二人一度に交替。
24分、遠藤のCKを吉田がヘディングするが、相手GKがセーブ。29分、岡崎に替えて清武が入る。右側の二人を五輪代表に替え、チャンスを演出してみろということか。41分、遠藤に替えて細貝が入る。ザック監督は、無失点で逃げ切りをねらう。
42分、清武が本田にスルーパス、本田はぎりぎりで止めるが、相手DFがクリア、CKに。清武がCKを蹴るが、ゴールならず。44分には、酒井が右サイドを駆け上がり、折り返しを入れ、本田がシュート、相手GKがはじき、さらにそれを清武がシュート、決まるかと思ったが、またも相手GKがはじく。
ロスタイムは1分。オマーン選手の負傷で担架も入り、お互い三人ずつ交替もしたのに少ないと思うが、点差を考慮したのかもしれない。3対0でタイムアップ。オマーンは前半のシュート1本に終わった。
香川の動きにキレがないように感じる。どちらかの足が痛いのか、疲れがたまっているのか。清武が入るとき、交替は香川かなと思ったくらいだった。本田はだいぶ復調してきた。ボールを失わないのはさすが。遠藤は少しパスミスもあった。長友は最後まで元気ハツラツとしていてすごいと思う。今野のクリアミスを絞ってカバーしたりもしていた。
観客は、6万3千人も入って、すごかった。
サッカー短評 (2012.5/26)
川崎フロンターレvs.ベガルタ仙台 3対2 (2012.5/26 等々力) 第13節
等々力劇場が戻ってきた。後半ロスタイムに矢島が逆転弾。やれやれよかった。先発は、GK西部、DF左サイドバックにボランチの福森が初出場、井川、実藤、田中裕介。憲剛と大島のダブルボランチに、左ワイドに登里、右に小林。楠神と矢島のツートップ。なんと森下と田坂まで怪我で離脱。山瀬も怪我。柴崎はベンチに帰ってきた。仙台も、前節の試合で名古屋に勝ちはしたが、関口とDF上本が負傷し欠場。
試合への入り方は今までで一番よかった。風間監督になってから7試合目。相手は首位・仙台だが、自分たちでボールを回して主導権を握っていた。8分の相手FKは少し正面だったが、リャンが直接ねらい、西部がはじき出す。12分、フロンターレのFKでは、憲剛と左利きの福森が立ち、憲剛が右上隅に蹴ったが、相手GKが触ってバーに当たる。20分、楠神からボールを受けた実藤が持ち上がって、ライン近くから折り返し、小林がダイレクトで押し込んで先制。小林は弓を射るパフォーマンス。小林のそばには矢島もいたので、DFはマークしづらかったようだ。
ところが4分後、仙台の攻撃をクリアするとき、小林が味方だと思ってパスを出した先にいたのはレフェリー。その向こうにいた相手ボランチの富田に拾われ、ミドルシュートを打たれる。これがなんと、ゴール右に吸い込まれて同点。仙台は前半3本しかシュートしなかったが、試合はシュート数やボール支配率決まるわけではない。その後も川崎フロンターレか主導権を持って攻めたが追加点が取れずにハーフタイム。Jスポーツ解説の福田さんは、「同点にされたのは川崎にとって痛い。」
後半は仙台が修正してきて、ボールをキープ。相手FWのウィルソンや赤峰にシュートを打たれ、かろうじてセーブ。しかし、9分、相手右サイドバックの太田へのチェックが遅れ、相手MF松下にいいパスが通る。松下の折り返しを受けたウィルソンがエリアの外から意表つくシュート。これも決まり、再びビハインド。11分、小林に替えてレナトが入る。16分、登里→楠神→憲剛と渡ったボールをもう一度、楠神にスルーパス。相手DFは「オフサイド」と手を挙げていたが笛は鳴らず。楠神の折り返しに走り込んだ登里が決めて、今度はフロンターレが同点に追いつく。左サイドバックで初先発した福森は、前半は攻め上がらなかったが、後半は登里とパス交換してゴール近くまで攻撃参加。レナトも大島からのボールをヘディングシュートしたりしたが、ゴールできず。お互いに少しずつ足が止まってきて、仙台もシュートするが枠に飛ばず。36分、レナトが長い距離をドリブルしてペナルティーエリアまで進入するがシュートできず。41分、フロンターレのFK。今度はボールの所に憲剛とやはり左利きのレナトが立つ。ここで逆転できるとよかったが、レナトのキックは壁に当たる。ロスタイム3分。フロンターレは引き分けたくないので攻めてはカウンター攻撃を受ける。しかし、92分、憲剛のパスを受けた福森が左サイドを駆け上がって、フリーで中央へクロス。これに矢島が飛び込んで、ついに勝ち越し。相手DFの太田の足がつっていたが、仙台は既に3人交替。3分過ぎても笛が鳴らず、楠神に替えて宏樹が入る。ここでやっとサポーターが「アヴァンテ」を歌い出す。
首位に勝ったが、順位は7位のまま。ここで、ワールドカップのアジア最終予選のため、リーグ戦は3週間中断。次は6月6日のナビスコカップ5回戦のセレッソ戦。
サッカー短評 (2012.5/23)
日本vs.アゼルバイジャン 2対0 (2012.5/23 エコパ) 国際親善
ビリッとしなかったが、無失点で勝てた。海外組もシーズン後の疲れがあったと思うが、相手のプレスもさほど強くなくて、攻撃の形はほとんど出させなかった。先発は、GK川島、DF長友、伊野波、栗原、内田。長谷部と細貝のダブルボランチ、本田のトップ下。森本のワントップに左ワイドに香川、右に岡崎。今回、ACLに出たクラブが翌日にリーグ戦があるため、ガンバの遠藤、今野が呼ばれていない。吉田麻也(VVV)とハーフナーも直前まで試合があったので、呼ばれていない。今回のねらいは、9ヵ月ぶりの本田の回復具合の確認、海外組でレギュラーでない選手の試合勘調整、新戦力の見極めなどだろう。初招集は、FC東京のボランチ、高橋と長谷川、柏の左サイドバック、酒井。
本田は、ボールを失わないようにすごく気をつけてパスしている感じ。鋭さはない。岡崎は少し疲れが残っているような顔。その割には、最後まで走っていた。17分に、長谷部からのスルーパスに走り込んだ森本が、らしいシュートを放ってネットを揺らしたが、わずかにオフサイド。22分、右CKから何度かシュートまでいったが、最後の伊野波のボレーが枠の外へ。24分のFKは、テレビ朝日の進藤アナウンサー、解説の松木さんなどが、ワールドカップのときと同じような位置だから、「決まったら、本田復活」と言っていた。キックは右上隅に飛び、相手GKがかろうじてはじくとポストに当たり、もう一度GKに当たってラインを割った。解説のセルジオさんは「決まってほしかった。」と言う。その右CKを栗原がヘディング、再びゴール前で混戦になるが、最後に岡崎が体勢をくずしながらうったシュートは枠の上。「こんなにゴールに向かう代表の試合は初めて」とセルジオさんは嬉しそう。
30分過ぎ、相手DFとの接触で、森本が腰を痛めて交替。前田が入る。セルジオさんが「森本がボールに触りたくて下がってくるが、もう少し我慢して前線でDFを二人くらいひきつけておけば、ボールが出てくるのに。」と言っていた。43分、香川が先制点。長谷部からのパスを受けて、相手DFをかわしてから、ひねったシュート。右サイドネットに入り、ブンデスリーガ14点の実力を発揮。ロスタイムになってから、アゼルバイジャンにきわどいシュートをうたれたが、GK辛島がセーブ。川島は怒っていた。急増DFラインとの連携は不安。
後半、アゼルバイジャンは少し攻撃的に。2分にいきなり相手FWオズカラ(20歳)がシュート、これはサイドネットの外。日本は後半頭から二人交替。内田に替えて酒井、長谷部に替えて高橋。酒井はリーグ戦やU23代表の試合で見ているが、高橋はほとんど知らない。ところがけっこううまくボールをさばいたり、攻撃参加したりしている。
13分に追加点。香川のドリブルからのクロスを本田がヘディングで落としたボールに岡崎が突進、シュートはあたりそこなったが、あわてた相手DFも手伝って、ボールはゴールイン。続けて右の酒井からのクロスに本田がどんぴしゃりのヘディングシュート。残念ながら相手GKが止める。17分に香川に替えて待望の宮市が初登場。宮市は、28分に岡崎からのパスを受けて、強烈なシュートをうったが相手GK。その後は、他の選手へのパスを選択したので、ゴールはなかった。29分に怪我上がりの本田に替えて憲剛が入る。憲剛の仕事は、前線を活性化させて、攻めることで守ることだろう。さっそくパスしたボールに走り込んだのは、高橋。よく上がってくるのが見えていたと思う。高橋のシュートは枠をはずれる。憲剛は40分過ぎにミドルシュートもうったが、相手GK正面。テレビの解説陣は、「宮市が入ってから、長友は上がるのを控えてスペースを与えているようだ」と言う。
アゼルバイジャンの交替で入ったベテランFWスパシッチが、伊野波をうまくいなしてゴール前にドリブル。かろうじて伊野波はボールをゴールラインの外にけり出した。42分の伊野波と槙野の交替は、この軽率なブレーのためかもしれない。槙野はロスタイムのFKでボールの所へいき、そこに立っていた憲剛にキッカーをやらせてくれと言ったようだった。しかし槙野のけったボールは相手の壁に跳ね返される。
怪我した森本が心配。すぐ直らないようだと、6月の最終予選3連戦は全て棒にふることに。国内組のレギュラーとして前田と憲剛は期待された働きができたと思う。キャプテンマークは、長谷部から本田、本田から岡崎が受け取り、最後のキリンチャレンジカップは岡崎がセレモニーでもらっていた。
サッカー短評 (2012.5/19)
大宮アルディージャvs.川崎フロンターレ 0対2 (2012.5/19 NACK5) 第12節
アウェイで完封勝利。とてもこういう結果になるとは思えない展開だった。前半は押されっぱなし。ラファエルや東や、韓国五輪代表、チョ・ヨンチョルのシュートが一つでも決まっていれば全く違う展開になっていただろう。ただ相手がはずしてくれただけ、たまたまポストやバーに当たっただけのシュートが何本もあった。
先発はまた変わって、GK西部、DFは左から森下、井川、実藤、田中裕介。稲本のワンボランチに憲剛と大島のダブル司令塔、左ワイドに楠神、右に田坂。矢島のワントップ。イナが帰ってきてくれて、守備に少しは安定感が、と喜んだのもつかの間、18分に、怪我上がりの稲本がバツを出したらしく、登里がピッチへ。楠神が矢島と縦のツートップ、左サイドハーフに登里、右に田坂、憲剛と大島のダブルボランチの4−4−2へ。
稲本がいなくなってからバランスがとれるまで少し時間がかかった。フロンターレの初シュートは、なんと24分の大島のドリブルからのミドル(その前の矢島の強引なシュートはオフサイドだった)。守備では田中裕介が光っていた。左ワイドの相手FWチョを押さえたり、ラファエルのシュートをゴールライン上で止めたり。GK西部も、もちろんよかったが、(ナビスコのときの杉山と比べたら杉山に悪いが、)西部は守備陣の信頼を得ている感じ。
TBS解説の金田さんが言うように、「前戦の矢島に全然ボールが通らない」。それでも前半30分過ぎから攻撃の形が作れるようになり、最後のロスタイムに憲剛がFKで直接ねらったが、バーの上だった。
後半は、15分くらいまでカウンターの応酬。前半の初めよりはいいが、パスミスも相変わらず多い。楠神のヒールパスはあまり通らない。しかしファールをもらうのは上手い。18分のFKは憲剛と田坂がボールの所にいて、結局田坂が蹴ったが相手の壁がブロック。22分、憲剛のパスを受けた楠神がゴール前にドリブル、相手DF菊池がスライディングで止めたが、こぼれたボールに大島が反応、落ち着いてゴールを決めた。大島は、試合後のインタビューで「楠神からボールがこぼれてきそうな気がしたのでついていった。相手DFも倒れていたし冷静にシュートできた。」と言っていた。相手より少ない得点チャンスでリード。
得点した後に危ない場面が続くのは相変わらず。大宮はホーム3連勝で、今日勝つと、チーム史上初のホーム4連勝なのだとか。27分、憲剛の左CKは珍しくショートコーナー。ボールを再度もらった憲剛が左足でゴール前にクロス、実藤が競り勝って落としたボールを楠神が倒れ込みながら回し蹴りで押し込んで追加点。いい展開になってきた。
32分に大宮はラファエルに替えてFW長谷川を入れるが、解説の金田さんに「交替が遅いですね」と言われる。36分には、ボランチのカルリーリョスに替えて上田。37分、大宮のFKを上田が蹴るがGK西部がキャッチ。40分過ぎから立て続けに相手CKとなったが、なんとかしのいだ。五輪代表の東の絶好のシュートも枠をはずれた。42分、楠神に替えて宏樹がなんとボランチの位置へ。宏樹はポリバレントだったのだなあ。ロスタイム3分。最後まで大宮の攻撃を受けたが、93分過ぎて、サポーターがようやく「アヴァンテ」を歌い出した。
無失点で勝って、7位に浮上。風間監督と大宮の鈴木監督は、1979年のワールドユース日本大会で選手としてともに戦った仲とかで、試合後の挨拶は本当に親しそうだった。試合後の監督インタビューでは、金田さんが風間理論の実演を依頼。相手を背負いながらボールを受けたとき、ワンタッチで向き直る技術。まだターンするまでに距離を取りすぎたり時間がかかりすぎている、と言う。金田さんは「あなたは足の後ろ側でボールを扱えたから。」と笑っていた。
サッカー短評 (2012.5/17)
川崎フロンターレvs.浦和レッズ 0対3 (2012.5/16 等々力) ナビスコカップ
またしても大敗。BSフジの解説、清水さんに言われたとおり、「ホームだし、ナビスコは得失点差も大事なのだから1点でもとらないと」いけなかったのだが、全然できなかった。それでも、2失点した柏戦よりは、つなぐサッカーをしようとはしていた。先発は、大幅に変更し、GK杉山、DFは左から森下、伊藤宏樹、実藤、レネ・サントス。田中裕介のワンボランチに大島とレナトのトップ下。左ワイドに楠神、右に田坂。小林のワントップ。布陣も違えばメンバーも違う。これでパスがスムーズにつながったら驚きだ。
一方、レッズも、リーグ戦とは違うメンバーらしい。デスポトビッチのワントップに、柏木トップ下、左ワイドに原口、ボランチに山田伸久と若い小島。左に宇賀神、右に高橋俊希。3バックの真ん中に阿部、左に五輪代表の浜田、右にスピラノビッチ。清水さんがほめたように、小島がいい球さばき。メンバーが違うのでパスが合わないこともあったが、次第によくつながるようになり、32分に失点。きれいに崩され、左の原口からの低いクロスに走り込んだ柏木がつめて決められた。
フロンターレは守備が後手後手になり、数的不利になるのを修正するため、布陣を手直し。楠神と小林のツートップにして、レナトと田坂の左右ワイド、大島と田中のダブルボランチの4−4−2へ。しかし、ほとんどトップにボールが入らないし、パスもシュートも迷いがあって、前半のシュートはたったの3本。
後半頭から、小林に替え矢島、レネ・サントスに替えて憲剛が入る。憲剛が早めに前線へスルーパスを入れることによって、多少、攻撃の形が見えだした、後半12分、また失点。宏樹がペナルティーエリアのすぐ外で相手のボールをカットしようとしてかわされ、宇賀神につながれ、ミドルシュートを決められた。解説の清水さんは「不用意なプレー」。レナトがボールを持つと誰も近くにいない。孤立してしまって結局取られてしまう。憲剛だけはボールを出した後、もう一度走って近くにいくこともあるが、もっと楠神とか寄った方がいいと思う。
24分にはレナトに替えて登里を入れたが、ノボリの入れたクロスはことごとく通らず。22分、レッズは柏木を下げて若い矢島を入れる余裕。しかもこれが一人目の交替。なんとか1点返そうとやっているのはわかるが、清水さんの言うように、「一人一人の考えていることがバラバラ」。大島は、もっとボールをもらったときのプレーを考えておかないといけないと言う。もっとも、これはレッズの高橋にも同じことを再三言っていた。高橋は32分に野田と交替。最後はレッズも足が止まってきた。35分、浜田の足が両足ともつって立てなくなったので、槙野と交替。フロンターレはここをつかなければななかったが、逆にまた失点。37分に原口から今度は宇賀神が右からシュート。これが逆サイドのネット上隅に鮮やかに決まった。宇賀神は決めた後、誰かに謝っていたので、本当はクロスだったらしい。
柏戦と同じく、両チームの戦術習熟度の差がはっきり出た。
サッカー短評 (2012.5/13)
川崎フロンターレvs.柏レイソル 0対2 (2012.5/12 等々力) 第11節
せっかく見に行ったのに惨敗だった。昨年までの悪いときの、途中で修正できないフロンターレだった。前節との違いは稲本がいないくらいだったが、守備が固まっていない今の状態ではそこが大きかった。先発は、GK西部、DF登里、森下、井川、レネ・サントス。レネは初先発。田中裕介のワンボランチ、憲剛と大島のトップ下、左ワイドに楠神、右に田坂、ワントップに矢島。田中裕介のワンボランチがいかにも不安だし、ノボリとクスで酒井の攻め上がりを止められるか。レネ・サントスは未知数で楽しみだが、井川、田坂との連携は不安。
前半から、レイソルにパスをつながれていたが、あとから全体を考えると、前半の方が得点のチャンスがあった。昨年優勝したレイソルもまだ調子が出なくて、ACLの疲れもある。相手の攻めに迫力がない五分五分のときに得点しないと、後半はまだ風間サッカーを続ける体力がないのかも。憲剛の前方へのパスは厳しいボールばかり、森下のフィードは長すぎるものばかり。レネ・サントスが18分に攻め上がってシュートまでいったのはよかった。レネはけっこう足が速い。23分、矢島も強引にシュート、枠ははずれたが、そもそも矢島にほとんどボールが入らなかった。30分以降は押し込まれ、なんとか無失点のままハーフタイム。
後半は頭から交替するかと思ったが同じメンバー。レイソルは前半の勢いで迫ってくる。11分、憲剛のFKのこぼれ球を楠神がシュートし、クロスバー。「たられば」は言ってもキリがないが、ここで同点になっていれば、持ち直したかも。全体にレイソルの方がこぼれ球への寄りが早かった。フロンターレはミスパスが多かった。風間監督の試合後の会見では、「もっともっと自信を持ってプレーすることを高めていかないと」。16分に相手CKからのゴール前での混戦はなんとか防いだが、18分、右サイドの酒井からのクロスを相手FW田中に折り返され、再びゴール前で混戦となり、今度は相手FW工藤に押し込まれてしまった。
20分、やっと一人目の選手交替。レネ・サントスに替えて伊藤宏樹。宏樹がそのまま右サイドバックに入ったようだ。25分、ノボリに替えて小林が入る。宏樹が左サイドに回り、田中裕介が右サイドに。憲剛と大島はダブルボランチに。なんとか追いつこうとクロスボールを入れるが、前線に合わず。44分になって楠神に替えてレナトが入ったが、時間が遅すぎる。またレナトと周囲のタイミングか合わなくなってしまった。45分に、レナトのFKから小林がヘッド、田坂のシュートが枠に飛ばずに万事休す。ロスタイムにもう1点失点したのは余分だった。またまた、順位表の下半分の10位に逆戻り。
翌日の新聞に「柏の酒井、独ハノーバー移籍へ」と記事が出た。5/7にも、セレッソの清武のニュルンベルグ移籍がほぼ決定と報道されていた。五輪代表のドイツ移籍の流れが止まらない。レイソルは、ACLはますます厳しくなった。
サッカー短評 (2012.5/6)
名古屋グランパスvs.川崎フロンターレ 2対3 (2012.5/6 瑞穂) 第10節
なんと6位のグランパスにアウェイで勝った。先発は、前節の布陣とほぼ同じ。GK西部、DF登里、森下、井川、田中裕介。稲本のアンカーに憲剛と大島のダブル司令塔、矢島のワントップの左に楠神。右に田坂。キックオフから積極的にボールを前に運び、相手に触らせないまま、シュートまでいった。これはゴールネットを揺らせなかったが、2分、ノボリから大島、矢島とパスがわたり、矢島がつぶれてこぼれたボールに田坂が走り込んで左足で左ポストの内側にあてて決めた。幸先はよかったが、9分に藤本、玉田、ケネディと渡ったボールをケネディに決められ、すぐ同点に。
ところが14分、憲剛が斜めに出したループのパスに矢島がオフサイドぎりぎりから抜けだし、ヘディングを相手GK楢崎の足下にたたきつけ、追加点。15分もしないうちに、合わせて3点も入り、Jスポーツ解説の三浦淳宏さんは、「面白い試合ですね」。38分の右CKは惜しかった。憲剛の入れたボールに矢島がヘッド。これはクロスバーに当たり、こぼれを相手DFクリアしたが小さく、それを森下が正面でヘディングするがこれもバー直撃。
しかし、前半ロスタイム2分、憲剛からのパスを受けたのは、最終ラインから攻め上がってきた森下。もう一度憲剛に戻すと、憲剛は右に開いている矢島へ。矢島はフリーで相手GK近くまで詰め寄り、最後は落ち着いて角度のないところから、GKの股間を抜いてニアから反対側のネットまで流し込んだ。思いがけず、2点のリードで後半へ。
名古屋は、後半頭から二人交替。腰痛から復帰したばかりでまた痛みが出たケネディに替えて永井、ボランチの中村直志に替えて小川が入る。すると、ボール回しがよくなり、フロンターレの守備は下がり始める。それでも得点が生まれないので、ストイコビッチ監督は、11分に三枚目のカードを切る。右サイドバックの石櫃に替えて増川を入れ、闘利王を前線へ。闘利王の所に増川、石櫃の所に小川が回る。13分にはフロンターレも田坂に替えてFW小林が入る。最終ラインのダニエル、ボランチのダニルソンと藤本、左サイドのアレックスから、前線の闘利王にどんどんボールが入る。闘利王はポストプレーヤーとしても優秀で、けっこう味方につなぐ。永井は足が速くて一人ワンツーもできる。その永井に田中裕介もよくついていった。
だいぶサンドバッグ状態に耐えていたが、とうとう25分、藤本に1点返される。左サイドにひらいた金崎が守備に来た小林をかわすとクロス、これに藤本が左足を振り抜いた。このままホームチームが流れにのってしまうか、と思われたが、フロンターレの風間監督は失点直後の26分、左サイドバックの登里に替えて伊藤宏樹を入れ、宏樹をセンターに、森下を左サイドにする。39分には、三枚目の交替として、楠神に替えてレナトを入れる。すぐにレナトはドリブルからシュートまでいったが枠ははずれた。レナトに前線でキープしてもらおうという意図はあたり、守備が安定して、小林が左サイドから攻め上がる場面も。ロスタイムは4分あったが、全員で守り、最後はレナトと小林でカウンターをしかけ、時間も使いながらシュートまでいった。
後半は防戦一方となったが、上位チームを破り、6位に浮上。みんなが楽しそうにやっているのがいい。「ボールを失わない。足下に正確なパス。横パスやバックパスは不要。失わなければずっと攻撃できる。ボールを獲りにいくのは得点した後のキックオフのときだけ。」風間理論は、正確なパスと正確なトラップが基本のようだ。矢島は相手DFの裏を取るのがうまくなった。今日は元日本代表の闘利王のマークをはずしていた。
サッカー短評 (2012.5/3)
川崎フロンターレvs.ジュビロ磐田 4対3 (2012.5/3 等々力) 第9節
なんとか勝った! なぜかかなり注目されている「風間フロンターレ」、監督二戦目にして勝利。先発は、「調子のいい選手を使う」ということでまた違う布陣。GK西部、DFはなんと左サイドバックに登里、森下、今季初先発の井川、田中裕介。稲本のワンポランチに、トップ下は憲剛と大島。3トップの真ん中に矢島、左に楠神、右に小林。雨がやんだばかりの等々力だが、芝の状態はいい。
風間監督がいう「ボールを失わないサッカー」のためにはミスパスが多すぎる。ジュビロの右サイドは、日本代表の駒野と新たな代表候補でジュビロ新キャプテンの山田。新米サイドバックのノボリと楠神で押さえられるか。駒野からのクロスが何本もフリーであがる。ワントップの前田だけでなく、逆サイドの菅沼にも通る。相手左サイドの金沢からもクロスがあがり、トップ下の山崎にシュートをうたれたりもした。ボールがよく周り、こういうサッカーがフロンターレもしたいのだろうと思う。フロンターレはシュートに行く前にボールロスしてカウンターを受けるの繰り返し。GK西部がシュートをパンチしたり、はじいたりして大活躍。
ところが、30分、フロンターレが先制。憲剛のパスを左サイドで受けた矢島が中央に低いクロス。そこに大島が走り込み、ダイレクトでシュート。これがJリーグ初ゴール。ネットをゆらした。この後、またまたジュビロの攻撃を受けるが、なんとか無失点のままハーフタイム。
後半頭から小林に替えて山瀬が入る。6分、楠神がエリア内にドリブルで切り込んで、相手MF山本康裕がクスを倒してPK。これを矢島が落ち着いて蹴りこみ、2点目。しかも、8分、相手DF金沢のバックパスが中途半端になり、GK八田とDF藤田がお見合い。これを奪った田中裕介がさらに追加点。勝てそうな展開になってきた。ジュビロは菅沼に替えてFW阿部を入れる。しかし、14分、駒野のクロスに山本がヘッドで合わせて1点返される。16分、憲剛の斜めのロングスルーパスに抜け出した矢島が相手GKと一対一になり、落ち着いて右隅に流し込む。取られた直後の追加点で、よかった。
それにしても後半は点の取り合いに。21分、ルーズボールをひろった相手FW阿部があげたクロスにまたしても山本が飛び込み、2失点目。これでPK献上の分は取り返した。33分、駒野のクロスが井川の腕にあたり、PKの判定。しかし、前田のキックをGK西部がはじき出す。この後のCKもしのいだ。これが後で見れば、大きかった。
38分、ノボリに替えて田中雄大が入る。ジュビロの猛攻をしのぐ。また西部がファインセーブ。山崎に替わったペクのタイミングをずらしたミドルシュートだったが、よく反応した。しかし、ロスタイム(4分)に入った直後、ペクのクロスをファーサイドに滑り込んだ相手FW阿部にたたき込まれ、ついに1点差。フロンターレは、楠神に替えて宏樹を入れる。サポーターがあと1分で「アヴァンテ」を歌い出す。なんとか時間を使って、ホーム開幕以来の勝利をつかむ。
TBS解説の小倉の監督インタビューで風間監督は開口一番、「疲れました。」でも笑顔だった。今はできなかったことより、選手ひとりひとりの特徴をのばすためのヒントを与えて進化させている状態らしい。稲本をボランチに戻したのはよかった。センターバックでは戻り切れていなかった。矢島は裏をとるように言われて、真ん中で待っているだけでなくなった。ノボリは駒野をおさえきれなかったが、がんばっていた。田中雄大は最後に攻め上がっていいクロスを入れた。井川はPKをとられたあたりから、スタミナが切れてきてすごくきつそうだった。チーム構築中なので、勝ち負けにこだわらない、と言うが、やっぱり勝たないときつくなるところ。勝ち点13、12位から9位に浮上。
サッカー短評 (2012.4/28)
川崎フロンターレvs.サンフレッチェ広島 1対4 (2012.4/28 等々力) 第8節
風間監督就任初試合。練習は、4/24火曜日から四日間。まだとうてい新しい形はできていないと思われる。TBS解説の金田さんは、「風間フロンターレらしさが一つでも出ていれば十分。」と言っていた。大幅に先発を変更。もっとも、ジェシ(全治3ヵ月)と柴崎(全治4週間)がいないせいもある。GK西部、DF田中雄大、森下、稲本、伊藤宏樹。憲剛と田中裕介のダブルボランチ、トップ下に山瀬、左サイドハーフに楠神、右に小林。ワントップに矢島。楠神と田中雄大は初先発。ベンチに初めてレネ・サントスが入った。ずっと先発だったレナトと田坂はベンチスタート。試合前に、前節200試合出場を達成した宏樹に花束贈呈のセレモニー。
前半15分に失点。高桑がポストプレーで落としたボールを相手FW佐藤寿人がすかさず左へパス。駆け上がってきた山岸がフリーで持ち上がり、シュートが決まった。フロンターレもボールを速く動かそうという意識はだいぶ見えたが、パスが合わない。楠神が面白い動きをするが反応が間に合う選手がいない。
前半33分、右サイドバックの宏樹が攻撃参加。駆け上がりながら中央の憲剛にパス、そのまま斜めにペナルティエリアに走り込むと憲剛からスルーパス。左足のシュートは、相手GK西川の右足のそばをコロコロとゴール内へ。宏樹は3年ぶりの得点とか。しかも通算4点目。今までにない、得点の形で、さあこれから、という感じに。
ところが38分、カウンターを受け、今季大宮から広島に移籍してきた石原に初得点を決められる。せっかく同点に追いついたのに、再びリードを許してハーフタイム。
後半は、開始早々の2分、前半から何度も田中雄大を振り切って、いいクロスをあげていたミキッチが右サイドを突破し、クロス。そこへ飛び込んだ佐藤寿人にきれいに合わされて3失点目。これで出鼻をくじかれた。13分、山瀬に替えて田坂が入る。憲剛が一列上がるかと思ったが、そうでもない。2点リードした広島にガッチリ守られ、後半は攻撃が機能しない。憲剛から田坂にスルーパスが出るがオフサイド。逆にミキッチと左サイドの山岸に何度もクロスをあげられ、17分には、あわや4点目というシュートを寿人にうたれるが、ポスト直撃。この直後にはバー直撃のシュートもうたれ、守備の手直しをしないでいいのかと思っていると、25分、宏樹に替えて小松が入る。これで右サイドに田中裕介が入ったようだ。憲剛と田坂のダブルボランチに小松と矢島のツートップ。直後のFKで、矢島がなかなかいいヘディングシュートをしたが、相手GK西川に止められる。なんとこれが後半最初のシュートらしい。
広島も30分、ミキッチに替えてファンが入る。31分には、楠神に替えてレナトが入る。しかし、攻めきれないでいるうちに、33分、ミキッチに替わったファンに右サイドを突破され、またもやあがったクロスに寿人が頭で合わせて、とうとう4失点。ホームでやるような試合じゃない。この後、寿人はお疲れ様の交替。37分、フロンターレのFK。ペナルティエリアすぐ外右の位置からレナトがいいボールを入れたがシュートまでいけず。小松のシュート(?)はゴールの左外ネット。レナトのシュートは、DFがクリア。ようやく左サイドを上がってきた田中雄大からのクロスに小松が飛び込むが合わず。ロスタイム4分あったが、シュートまでいけずタイムアップ。広島は、フロンターレに11年ぶりの勝利。
矢島はよく前線で体を張っていた。四人に囲まれてもなかなかボールを失わない。楠神も周りとタイミングがあってくれば面白い。小林はサイドで生きるかまだわからない。風間監督は足下に正確なパスを素早くつなぐように言っているらしいが、小林はスペースに走り込むタイプ。田中裕介のボランチは、右サイドよりマシかもしれない。宏樹の右サイドは、攻撃参加の思い切りがよかった。逆に左サイドの田中雄大は、去年と同じ課題を露呈。攻撃参加が中途半端で、持ち味の左足のクロスが全然見られなかった。しかも対面するミキッチの突破を一度も止められなかった。小宮山の方がマシではないか。稲本のセンターバックは、初めてとのことで、石原の2点目のときには寄せきれなかった。当分攻撃参加は控えてもらうしかないだろう。
サッカー短評 (2012.4/21)
コンサドーレ札幌vs.川崎フロンターレ 2対3 (2012.4/21 札幌) 第7節
前半に2失点してからの逆転勝利。二日前のナビスコ杯の試合で、ジェシと柴崎が負傷交代、実藤が退場と先発三人がいない。おまけに発熱していた憲剛はベンチスタート。先発は、GK西部、DF小宮山、森下、宏樹、田中。稲本と大島のダブルボランチ、左サイドハーフに田坂、右にレナト。矢島と小林のツートップ。
開始9分で相手の左サイドから田中の裏をとられて上げられた、いいクロスに飛び込んだ相手FW前田にヘッドで押し込まれた。守備が後手後手で、ジェシがいないとこうももろいか、という感じ。32分には反対サイドの小宮山の裏をとられて上げられたクロスにまたもやヘディングで決められた。一方、攻撃も選手の距離感、動き出しが悪く、大島のシュートをゴール前で田坂がブロックする始末。小林と矢島も重なっている。ナビスコ杯の試合では、稲本のコーチングがきいたらしいが、中二日では久々のフル出場の疲れがあるらしい。
後半、頭から二人くらい替えないとチームに活が入らないと思ったが、同じメンバー。6分に大島が鋭いシュートをうつが、相手GKがかろうじて触り、ポストに当てて枠の外へ。しかし、12分に稲本に替えて憲剛が入ると、いきなり、矢島、レナトと渡ったパスをエリア内で憲剛に横パス。憲剛は行きかけた体を急ブレーキで止めてトラップ、そのまま体をねじってシュートをゴールネットに突き刺した。リプレーを見たら左足で、俊輔みたいだった。札幌も前半とばした疲れが出たのか少しボールウォッチャーになってきた。やはり怪我人で何人か先発が若手になっているらしい。22分には、エリア内でレナトと競っていた相手DFがのばした手にボールにあたり、ハンドでPK。これをレナトが相手GKの指先をはじいて同点。フロンターレは動きがよくなり、攻撃も厚くなってきた。
札幌は、26分、35分とMFに替えてFWを入れてきたが、フロンターレも勝ち越し点をねらって、37分、レナトに替えて小松、40分には小林に替えて山瀬を入れる。すると、43分、小松から田坂に渡ったボールを田坂がエリア内に持ち込み、がんばってキープし、ヒールで流したところへ山瀬が走り込んでニアへシュートをたたき込んだ。スカパー!の八塚アナは入らなかったように見えたらしく「残念でした」と実況していたが、画面では「2−3」と表示され、後で言い直していた。ロスタイムは4分あったが、なんとかボールをキープして時間を使い切った。リーグ戦久々の勝利でやっと勝ち点10で10位に浮上。札幌は開幕戦のスコアレスドロー以外は六連敗らしい。山瀬はヒーローインタビューにニコリともせずに答えていたが、昨年ほぼ先発で全試合出た身としては今年の状況に満足はしていないということだろう。宏樹が200試合、小宮山が150試合出場達成。
おととい4/19木曜の朝日新聞朝刊に「川崎監督に風間氏」とあってびっくり。なんでも解説の仕事や大学の仕事の整理をしてから就任らしい。
サッカー短評 (2012.4/18)
川崎フロンターレvs.ベガルタ仙台 3対1 (2012.4/18 等々力) ナビスコカップグループリーグ
久々に勝った。それも首位の仙台に。憲剛が当日の朝発熱で欠場。稲本がキャプテンマークを巻いてフル出場。先発は、GK西部、DF小宮山、森下、ジェシ、実藤。稲本と柴崎のダブルボランチに、左サイドハーフにレナト、右に田坂。ツートップは矢島と小林。
フジテレビ解説の清水さんが「フロンターレの攻撃は真ん中に集中している。もっと左右に開かないと」と言われるように、守りの堅い仙台の中央から攻めている。小林のシュート、レナトの個人技のシュート、矢島のバー直撃のシュート、いずれも単発で得点に結びつかず。ただ、「攻めきる」「シュートで終わる」意識は高くなっているか。前半からロスタイム4分。1分過ぎたところで小林がシュート、相手DFにあたったのを矢島がヘッドでつなぎ、そこへ走り込んだ田坂がヘディングで押し込んだ。続いてロスタイム3分に、今度は小林の追加点。レナトのスルーパスにオフサイドギリギリで走り込んだ小林が、相手GKと1対1になり、かわして冷静に流し込んだ。最後の最後で柴崎が内転筋を傷めて大島が出る。思わぬリードで後半へ。
ところが、後半9分、実藤が二枚目のイエローをもらって退場。いずれも手を使って相手選手を止めようとしたもの。望月監督代行は、レナトを下げて同じ右サイドバックに田中を入れる。残り30分以上苦しい試合になるかと思ったが、12分、田坂が左の小宮山にパス、小宮山が今日初めてというほどサイドを駆け上がって、中央に低く鋭いクロス、そこに飛び込んだ小林が押し込んだ。すごく小林らしい取り方で、その上、退場が出た直後の得点で、すごく元気が出た。今季公式戦で初の3失点のベガルタは、ベンチに温存していた主力を投入。14分、FW柳沢に替えて関口、16分、DF田村に替えて、得点するサイドバック菅井を入れてきた。ところが、20分、矢島とヘディングで競り合ったDFの渡辺が出血の怪我で、三人目の交替、富田を入れざるを得なくなる。怪我の渡辺は、望月監督代行が仙台監督だったときに、起用され始めた選手とかで、今日は成長した姿を見せたいと言っていたそうだ。
25分には、今度はフロンターレのジェシがピッチにすわりこみ、右ひざがそうとう痛そう。かなり前からガッチリテーピングしてあり、心配していたのだが、とうとう交替して、宏樹が入る。今季はナビスコの一試合にフル出場しただけだが、宏樹がいてよかった。これで最終ラインの四人のうち三人は昨年のメンバー。GK西部との連携が未知数だが、あとはやってみるしかない。しかし交替枠のうち二人も怪我のアクシデントで使わざるを得なかったのは心配。ピッチのメンバーの内、矢島と稲本はかなりキツそう。小林はずいぶん戻って走り回っている。大島はちょっとどう守ったらいいか整理されてない。稲本は残ったスタミナを計算してうまく相手をブロック。さすが元日本代表。後半のロスタイムは5分。なった直後に失点。足が痛いはずの相手DF太田が右から駆け上がってクロス、中でいったんはクリアしたが、そのこぼれ球を関口が再びクロス、そこへとびこんだ相手MF武藤にヘディングを合わされた。 それでもなんとか残り時間を使って、あと1分でスタンドが「アヴァンテ」を歌い出した。ようやく勝って、ベンチのメンバーもみんな笑顔で出てきて輪になって喜びを分かち合う。今日は最後に失点してしまったが、3点取れたことが収穫。それにしてもジェシと柴崎の怪我が心配だ。
サッカー短評 (2012.4/14)
ガンバ大阪vs.川崎フロンターレ 3対2 (2012.4/15 万博) 第6節
まだ勝ち星がないガンバが初勝利をホームでねらう一戦。こちらは、今年からチームに来た望月コーチが監督代行初戦。先発は、GK西部、DF小宮山、森下、ジェシ、実藤。柴崎と憲剛のダブルボランチにサイドハーフ左にレナト、右に田坂、小林と矢島のツートップ。前の方の配置を変えてきた。
開始20秒でフロンターレが先制! 中央のレナトから左の小宮山へ、小宮山が入れたクロスに走り込んだ田坂がドンピシャのヘッド。幸先がいい。ガンバは憲剛と柴崎へのマークが甘く、フリーでボールがさばける。ガンバも次第にパスが回り始めるが、「左サイドに攻撃が偏っている」とNHK-BSの解説、山野さんが言う通り、実藤の側から、サイドバックの藤春、サイドハーフの倉田が上がってくる。しかし、30分のフロンターレ田坂の右CK。いつもはジェシがターゲットだが、山野さんの「ジェシを超えた先をねらってくる」というねらい通り、ジェシがニアへ走り込み、相手DF中沢をつれていった後ろへフリーの小林が飛び込み、ヘディングで追加点。今季初めて2点目をとれた。ここまで出来すぎの感じ。
このままハーフタイムになればよかったのだが、前半ロスタイムに失点。左サイドの藤春からゴール前にあがっていた今野、今野がループで入れたクロスに中沢がヘッドでわずかにふれて1点返されてハーフタイム。相手を生き返らせてしまった。
後半、「どこで二川を入れてくるか」と山野さんがポイントにあげていたが、14分に寺田に替わって入ってきた。22分にはラフィーニャに替えて大卒ルーキーのFW阿部も投入。すると23分、左ハーフの倉田から藤春、藤春の速いクロスに相手FW佐藤が走り込んできて押し込まれた。実藤は、もっと厳しく藤春にプレスをかけてほしかった。フロンターレは3点目をとれそうな時間帯もあったが、同点とされてからは、ガンバがペースを握った。憲剛にもプレスがかかるように。26分、小林に替えて楠神、28分、レナトに替えて小松を入れたが、追加点は奪えず。32分、ガンバは倉田に替えてDFキムをボランチに入れ、遠藤を一列前へあげる。リーグ戦初勝利をねらうガンバの勢いを止められず、39分、ガンバ右サイドの加地が、今日初めてという上がりで小宮山の体当たりをかわし、中央にクロス。これに相手FW阿部が合わせてついに勝ち越された。今季初の3失点。フロンターレは42分に柴崎を下げて山瀬を入れたが、機能せず。ロスタイムは4分あったが、あとはガンバがたくみに時間稼ぎ。万博で10年以上勝っていない、というのを止められるか、という前半だったが果たせず。
レナトを交替させたのは、どうかと思うし、山瀬もあんなに時間がなくては気の毒だ。選手交代は難しい。でも、初めて2点取れたし、ツートップも小松とレナトより矢島と小林の方が憲剛のスルーパスが生きると思う。順位が落ちるかと思ったが、11位のまま。今節では、未勝利だった札幌、鹿島、新潟、ガンバ大阪、横浜F.マリノスのうち、ガンバと鹿島、新潟が初勝利。
サッカー短評 (2012.4/12)
川崎フロンターレvs.FC東京 0対1 (2012.4/8 等々力) 第5節
前半は、得点のチャンスもあった。初めのうちは、単発だったが、次第に重層的な攻めも出てきていた。しかし決めきれずにハーフタイム。先発は、GKに戻ってきた西部、DF小宮山、森下、ジェシ、実藤。憲剛と柴崎のダブルボランチ、左に小林、右に田坂。ツートップは矢島とレナト。矢島と小林は初先発。
22分のレナトのCKにジェシがヘッドであわせたのは惜しかった。攻撃陣はまだかみ合わず。レナトと田坂のワンツーは通らず。憲剛のスルーパスにレナト反応が遅れる。FC東京のシュートが枠に来なかっただけ、という場面も。西部の飛び出しで防いだシュートもあった。30分の石川のループシュートを西部が下がりながらキャッチした場面では、Jスポーツ解説の名波は、「あれは難しい」。39分の小林のドリブルからのシュートはがんばったが、相手DFがブロック。
後半は、3分に相手MF長谷川アーリアが二枚目のイエローで退場。人数では優位に立ったが、アナウンサーに「浦和レッズ戦では相手が9人になったが引き分けで終わった。」と言われる。その直後の攻撃で矢島や憲剛がシュートをうつが防がれる。FC東京は6分、羽生に替えてMF米本を入れる。憲剛のパスからレナトのシュートは相手GK、田坂のミドルはポストの左外。FC東京のFWルーカスもシュートを枠の上へ。田坂は自分でうつより、小林に入れたクロスの方がいい。30分には、田坂に替えて稲本を入れる。憲剛が一列前へ。31分の憲剛のFKは相手GK。33分、レナトに替えて小松を入れる。この形の交替は初めて。直後の右CKで森下、実藤とつなぐが枠に行かず。解説の名波は、「フロンターレはもう少しサイドから崩した方がいいと思う。」と言われ、実際、真ん中へのフィードやスルーパスが多かった。小宮山の左からのクロスは、中央のFW二枚と合わなかったが、これを繰り返していけばいい。
42分、FC東京の連続カウンターをあび、相手ポランチの高橋にミドルをうたれ、GK西部がかろうじて押し出す。その相手CKからのボールを中央で競り勝った相手DF森重にあわせられ、失点。44分、田坂をはずして山瀬を入れる。ロスタイムはなんと6分。山瀬の左からの折り返しに小松は合わず。最後の憲剛のFKは、直接ゴールをねらうが、壁にあたり、こぼれを小林がシュートするが防がれる。試合後、FC東京のポポビッチ監督は、自らサポーター席の近くまで行って、喜びを分かち合っていた。これで11位に落ちた。
4/11「朝日新聞」夕刊に「相馬監督解任」の見出し。ショック…! 解任理由は、「成績不振。去年は連敗していてもチームに一体感があった。今年は監督と選手に距離があった。」。当面は、望月コーチが監督代行。日本人で後任を探すとのこと。やっばりJFLで一年では、監督としての経験が不足だったということか。
今日、初先発の矢島と小林をツートツプにした方がいいと思ったが、今季小松とレナトのツートップにこだわったのはどうしてだったのだろう。
サッカー短評 (2012.4/8)
サンフレッチェ広島vs.川崎フロンターレ 1対1 (2012.4/4 広島ビッグアーチ) ナビスコカップグループリーグ
最後の5分で佐藤寿人に押し込まれて引き分け。
前半は、なんとか0対0で折り返した。先発は、GK安藤、DF小宮山、森下、ジェシ、田中祐介。憲剛と柴崎のダブルボランチ、左サイドハーフに登里、右に田坂。ツートップは矢島とレナト。サンフレッチェ広島はリーグ戦から6人入れ替え、若手を起用。こちらはほぼベストメンバーなのに対し、広島の佐藤寿人はベンチスタート。立ち上がりは、フロンターレが続けてチャンスを作ったが、決めきれないでいるうちに均衡してしまう。
後半たちあがり、広島に押されていたが、3分、レナトの右CKにジェシがニアで合わせて来日初ゴール。これを待っていた。しかし15分、相手CKのこぼれ球を韓国U22のファンにシュートされ、これがクロスバーで命拾い。17分、広島は一気に二人交替。高萩に替えて佐藤寿人。大崎に替えてユース所属の18歳、野津田。フロンターレも20分、ノボリに替えて山瀬が入る。28分、矢島に替えて小松が入る。相手FWの若い野津田はプレースキッカーで、CK、FKともいいボールを蹴る。フロンターレはもう少し攻撃の呼吸が合わないと無駄が多い。40分の失点は、相手ボランチの青山がループで入れたボールに寿人がDFの背後でフリーで飛び込み、ヘッドで決めたもの。佐藤寿人は消えるが本当にうまいが、フリーにしてはいけない選手。ロスタイムは3分あったが、追加点をねらうというより、失点しないのがせいいっぱい。これでナビスコは1分け1敗。
サッカー短評 (2012.4/2)
浦和レッズvs.川崎フロンターレ 1対1 (2012.3/30 埼玉ス) 第4節
最後は相手が9人になったのに、勝ちきれなかった。まだ全然攻撃の連携ができていない。ボールを持った選手がパスの受け手を探して止まっている場面が多い。雨と風の中での試合。
先発は、GK安藤、DF小宮山、森下、ジェシ、田中祐介。柴崎と憲剛のダブルボランチに、左サイドハーフ山瀬、右に田坂。小松とレナトのツートップ。西部はどうしたのだろう。ベンチにもいないから怪我だろうか。
前半10分、先に失点。梅先のクロスをポポに押し込まれた。これで2点取らないと勝てない。まだ一試合で2点以上の得点はしたことがない。20分過ぎに連続してシュートする場面があったが、押し込めず。
後半頭から山瀬に替えて矢島を入れる。今まで矢島は小松に替わっていたから、これは新しい交替の形。小松とツートップになるのではなく、山瀬のところに入ったようだ。矢島はやっぱりポストプレーがうまい。14分、田中の右からのクロスをファーで小松が折り返し、これに飛び込んだ矢島がヘッドで同点弾。
後半29分、レッズの阿部が二枚目のイエローで退場。レッズはここまでに、MF矢島に替えてリシャルデス、鈴木啓太に替えて山田を入れていたので、ここでポポに替えてDF浜田を入れる。ところが35分に槙野も二枚目のイエローで退場。主審は家本さん。しかし、フロンターレはこの数的優位をうまく使えない。ミドルシュートを枠外にうっていてどうする。39分には、小松に替えて小林を入れる。40分過ぎには、連続シュートを浴びせたが、またも決まらず。レッズのサポーターの大声援で、相馬監督のジェシに攻撃参加を指示する声も届かず。ロスタイム5分もあったが、柏木にCKでボールを踏まれたりしてタイムアップ。せっかく2009年からの対レッズ連敗を止めるチャンスだったのに。9位に後退。
サッカー短評 (2012.3/24)
川崎フロンターレvs.セレッソ大阪 0対1 (2012.3/24 等々力) 第3節
流れの中から得点できていなかったので、こんなこともあるかと思ってはいた。前半は、雨の中の試合。ホーム開幕のチケットを取り損ねたので、初観戦。すっかり寒くなってしまった。
先発はここ二試合と同じ。GK西部、DF小宮山、森下、ジェシ、実藤。憲剛と柴崎のダブルボランチ、左サイドハーフに山瀬、右に田坂。小松とレナトのツートップ。田坂と山瀬は頻繁に左右入れ替わった。
セレッソも、前線のケンペスとブランキーニョ、右サイドハーフのキム・ボギョンは新加入だが、連携はフロンターレよりできている感じ。立ち上がりから押し込まれた。16分の山瀬のシュートが初シュートだと思う。30分過ぎの小宮山のミドルも枠にいかず。小松、レナトもいいボールがいかなかったこともあるが、シュートしない。清武があまり好調でなくて助かった。こちらの守備をかいくぐって、フリーの相手FWがはずしてくれただけのシュートもあった。
後半、13分、18分と中央右寄りでFKの場面があったが、いずれもレナトが直接決めたときより距離があった。一回目は相手GK、二回目は実藤がファーから折り返したが、味方に合わず。30分、押し込まれる中、ついに失点。29分に交替で入ったセレッソの柿谷が、清武からのパスを受けて左サイドを駆け上がり、ゴール前に折り返し、それを受けたキム・ボギョンに決められた。
フロンターレも直後に、田坂に替えて矢島が入る。失点の前に交替しようとしていたときには、小松との交替だったようだが。さらに36分には、山瀬に替えて楠神、実藤に替えて田中裕介を投入。ちょっと手を打つのが遅かったのではないか。ロスタイムにレナトがファールで倒され、一瞬、PKかと思ったが、ファールした丸橋がイエロー二枚目で退場。このFKは壁に跳ね返され、チャンスにならず。結局、矢島や楠神がシュートすることなく、タイムアップ。
ナビスコに続いて連敗。せっかく4位だったのに、8位に後退。試合後の相馬監督の質疑応答によれば、レナトにはマンマークがついていたとのこと。そういうとき、今はパスの出しどころがないのが問題。山瀬や楠神とパス交換のタイミングが合えばいいのだが。レナトのコメントには「日本のサッカーはリズムが速く、ブラジルとは全然違う。セレッソのブランキーニョも同じ事を話していた。」とのこと。
サッカー短評 (2012.3/20)
サガン鳥栖vs.川崎フロンターレ 2対1 (2012.3/20 ベストアメニティス) ナビスコカップグループリーグ
たちあがりは、川崎の速いパス回しに鳥栖の選手がついてこられていなかった。しかし押している時間帯にシュートまでもっていけず、前半30分過ぎから次第にボールを回されるようになり、最後はやや押される感じでハーフタイム。
先発は、前節と6人替え、GK安藤、DF森下、伊藤、ジェシ、田中裕介。柴崎と稲本のダブルボランチに左サイドハーフに楠神、右に田坂。小林とレナトのツートップ。リーグ戦から中二日ということで、憲剛はベンチにもいない。鳥栖も、絶対的なエース豊田はスタンドから観戦。
後半8分に失点。右サイドから崩され、ペナルティエリア内で細かくつながれ、マークがずれてフリーで相手FW岡田に打たれた。18分に楠神に替えて山瀬を入れるが、20分にまた失点。21分に小林に替えて矢島を入れたが、前線にボールが入らない。鳥栖は、前半とうってかわって、ハイプレスをかけてきて、こちらがボールを持つと二人で寄せてきて、落ち着いたボール回しができず、結局取り返されてしまう、の繰り返し。
33分に田坂が右から入れたクロスに、ニアで矢島が飛び込み1点返す。直後に稲本を下げて小松も投入。しかし、パスが通らず、ロスタイムも5分あったが、同点に持ち込めず、鳥栖の昇格後公式戦初勝利を献上。憲剛がいないだけでなく、連携の悪いところ、レナトにボールが収まらないとどうなるか、というのが早々に露呈してしまった。
サッカー短評 (2012.3/17)
鹿島アントラーズvs.川崎フロンターレ 0対1 (2012.3/17 鹿島ス) 第2節
赤いジュニーニョと対戦。雨の中の試合。サポーターはバスを去年より増やして20台で駆けつけた。先発は、前節と同じく、GK西部、DF小宮山、森下、ジェシ、実藤。憲剛と柴崎のダブルボランチ、左に山瀬、右に田坂。小松とレナトのツートップ。鹿島は、GK曽ヶ端、DFアレックス、中田、岩政、新井場。柴崎岳と小笠原のダブルボランチ、増田と遠藤が二列目。大迫とジュニのツートップ。
最初にシュートしたのはフロンターレのレナトだったが、その直後のアントラーズの攻撃で、大迫のクロスから遠藤にシュートまでうたれ、GK西部がなんとかセープ。その後は全体的に押され気味で我慢の展開。15分のレナトのFKは直接相手GK曽ヶ端がキャッチ。レナトはとても悔しそうだった。スカパーの解説の野々村さんが「捕られて悔しいのか、思うようなボールを蹴れなくて悔しいのか」。33分、34分とゴール前まで攻め込まれる。ジェシは、的確な指示を出しているようだ。押されている時間が続くが、憲剛のミドルシュートはよかった。43分、ジェシがペナルティーエリアの外側でファールを取られた。スローリプレイを見るとボールだけ蹴っているのだが、西村主審には見えなかったらしい。このFKは壁が防ぐ。ロスタイム1分に入ってから、レナトがファールを受けて、今度はこちらのFK。かなり距離があったので曽ヶ端が少し前寄りにポジショニング。そこへ頭上を抜いてバーぎりぎりにボールが飛んできて、見事に決まる。今度こそ、レナトの来日初得点。これでハーフタイム。
後半は、リードしている余裕からか、パスもつながるように。しかしやはりレナトが孤立する場面が多い。山瀬ともパス交換のタイミングが合わないし、田坂は預けたボールが返ってこない。小松との連携も全然。アントラーズは、後半頭から増田に替えてボランチの新人、山村を入れる。17分には、小笠原に替えて19歳の土屋を入れる。攻撃の起点になる選手を下げて入ったのだから、何か仕掛けてくるかと思ったが、山村も土屋も試合を変えることはできない。フロンターレも19分に、小松に替えて矢島が入る。28分、山瀬に替えて稲本が入る。憲剛を山瀬の位置にあげて、もう1点取りに行くのかと思ったら、スリーボランチの指示。29分、大迫がジュニーニョに配球、シュートを打たれるがGK西部がセーブ。34分、アントラーズは遠藤に替えてFW岡本を入れる。とうとうゲームを作るのは二年目の柴崎岳一人になった。36分には、フロンターレも三人目の交替。レナトに替えて楠神が入る。前からボールを追えということだろう。楠神、小宮山、柴崎でシュートまでいくが、枠に飛ばず。ロスタイムは4分。フロンターレが時間を使う。アントラーズはファールが増えてきた。49分になってから、サポーターが「アヴァンテ」を歌うのが聞こえてきた。
1点差勝利はハラハラする。二試合続けて1対0というのもらしくない。憲剛が「開幕から1−0、1−0勝利というのは記憶にない」とコメントしていた。相馬監督は試合後、鹿島アントラーズの新監督ジョルジーニョと抱き合って挨拶していた。アントラーズは開幕戦はベガルタ仙台に敗戦、2連敗。フロンターレは連勝で4位。
サッカー短評 (2012.3/14)
U23日本vs.U23バーレーン 2対0 (2012.3/14 国立) ロンドン五輪アジア最終予選
前半は0対0だったが、後半2点とってロンドンオリンピック出場を決めた。先発は、GK権田、DF比嘉、浜田、鈴木、酒井。扇原と山口のダブルボランチに、東のトップ下、左に原口、右に清武。大津のワントップ。追加招集した清武と大津を使ってきた。永井、山村はベンチから。大迫は呼ばれていない。前半は、最初から積極的に攻め込み、何度か得点のチャンスを作ったが、バーレーンの守備もプレスが速く、最後のところも体をはって守ってきた。前回のアウェイの対戦の時と監督が替わっていて、イギリス人のテイラー監督がパスをつなぐサッカーにしてきた。
NHKのアナウンサーは「得点まであと一歩です。」と言ったが、解説の福西と宮本はそう思っていないようで、「相手の中盤をくずしていない。」「すぐ縦パスを入れず、もっと相手を引き出してからゴール前に入れないと」「原口のドリブルが見たい」と言われてしまう。試合への入り方は、よかったが、バーレーンが日本の速いパスに慣れた後は、速攻をしかけられる場面も何度かあり、途中でリズムを変えられなかった。前半は0対0。もうひとつの会場のシリア対マレーシアも0対0。
後半10分、待望の先制点。左サイドバックの比嘉から原口、原口が持ち上がって低いクロスを入れると、中央に走り込んだ大津に相手DFが二人ひっぱられ、後ろから走り込んだ扇原がほぼフリーで合わせて、利き足でない方の右足で押し込んだ。4分後、今度は原口から東、東が左サイドから低いクロスをゴール前に送ると、大津は前に行きすぎたが、ファーに走り込んだ清武が完全にフリーで、鋭いシュートを左上隅にたたき込んだ。この追加点でオリンピック出場権がぐっと近づいた。「1点先制したからこそ思い切り打てた」と解説の宮本。清武は19分にも、山口からのスルーパスをシュートしたが、惜しくも左ポスト直撃。この後25分間をどう戦うか。宮本は、「この先、フル代表でもアジア予選で対戦するのだから、日本には勝てないんだと思わせるためにも、5点6点とねらってほしい」と言う。こういうときチームの方向性をまとめあげる選手がピッチに見当たらない。
31分、清武に替えて永井が入る。すぐに東がスルーパスを通して、永井が走るが、相手DFのクリアが永井にあたりゴールキック。35分、バーレーンは二人目と三人目を同時に投入。日本も37分に大津に替えて斎藤が入る。斎藤は、ドリブルで時間を使うことを期待されたのだと思うが、見せ場は作れなかった。ロスタイム3分の直前に、扇原に替えて山村が入る。いよいよ守備固めかと思ったが、バーレーンは最後まで士気を落とさず、危うく最後に1点返されそうになったが、なんとかしのいでタイムアップ。
試合後は、みんな本当に嬉しそうだった。インタビューでは、口々に「予選突破は最低限。これからが本番」と語ってはいたが。関塚監督の「今度は世界を相手にこのメンバーで戦っていきたい。」というコメントを聞いて、解説の宮本が「オーバーエイジはどうするんでしょうね。」と言っていた。
サッカー短評 (2012.3/10)
川崎フロンターレvs.アルビレックス新潟 1対0 (2012.3/10 等々力) 第1節
昨年リーグ戦で二敗したアルビレックス新潟との対戦。どちらも新加入選手が五人ずつ先発。フロンターレは、GK西部(湘南より)、DF左から小宮山、森下(京都より)、ジェシ(ブラジルより)、実藤。憲剛と柴崎のダブルボランチ、左サイドハーフに山瀬、右に田坂。小松(セレッソより)とレナト(ブラジルより)のツートップ。最終ラインを大幅に変えた。アルビレックス新潟の移籍組は、FWに平井(ガンバより)、矢野(フライブルグより)、MFミネイロ(ブラジルより)、小谷野(鹿島より)、大井(ジュビロより)。平井以外は先発。
朝には、みぞれが降る寒い開幕となった。キックオフにはやんでいたが。たちあがりは、新潟の積極的な攻撃をしのぐ形になった。いきなり矢野にシュートを打たれる。GK西部は跳び出しがいい。ミネイロ、ブルーノロペスもシュートをねらう。11分、ペナルティーエリア右奥よりでFKのチャンス。レナトが左足でねらう。直接入ったようにも見えたが、ニアで跳んだ実藤のヘッドをかすめていた。憲剛が真っ先にレナトのところに祝福にいった。相馬監督もガッツポーズ。直後に新潟もFK。ミネイロが蹴ったボールに相手DF鈴木が合わせるが枠の上。やれやれ。得点の直後に相手に攻め込まれる癖は直っていない。スカパーの解説、名波が「双方ともバタバタ感がある」。
27分、右CKをレナトが蹴り、実藤のヘッドから山瀬がねらうが相手GK。31分、山瀬が打ったミドルシュートはわずかにポスト左。山瀬は去年もこういう惜しいのが多かった。昨年唯一、全試合出場とはビックリだが。36分のFKもレナトがねらう。正面やや右よりから壁を越えたが、相手GK。相手右ウイングの小谷野からクロスが何度も入る。ゴール前では、ジェシがブルーノロペスを押さえている。前評判どおり人に強い。ファールしないで止められる。
後半も互いに攻め合う展開。なんだかガンバとの試合みたい。レナトの足がけっこう速いので、カウンターのとき味方が追いついてなくてもったいない。パスの預け手をさがしているうちにチャンスが消える。14分の柴崎の目が覚めるようなミドルシュートは、相手GKがかろうじてはじく。解説の名波が「力が抜けたいいシュート」とほめた。16分に小松のシュートがバー直撃。入ったかと思った。17分に新潟は一気に二人交替。キャプテンのボランチ、本間に替えて村上、小谷野に替えてFW平井。22分の相手FK。中央やや左からミネイロが入れたボールに、ジェシと森下とGK西部が殺到。ボールはジェシがヘッドでクリアしたが、森下と衝突した西部が傷んでしばし中断。すかさず相馬監督の声が響く。西部は左ヒザがかなり痛そうだったが復帰。31分の相手右CK。ミネイロ の蹴ったボールに相手DF鈴木が合わせ、西部は触れず、ゴール前で憲剛がクリア。ここで山瀬に替えて稲本。スリーボランチ気味になり、憲剛と柴崎が攻撃参加を増やす。35分には、小松に替えて小林。レナトのワントップの形に。レナトは元々FWではないので、ワントップだとどう動いていいかよくわからないよう。相手GKの飛びだしてのセーブは、スロー再生画面ではエリアの外でパンチングしていた。主審は見えなかったらしい。36分には、ゴール前で実藤が身を呈して相手選手の突進を止め、ボールをクリア。しばらく倒れていた。39分、新潟が三人目の交替。ミネイロを下げて田中亜土夢。新潟が同点をねらって猛攻。ロスタイム4分。46分、レナトに替えて黒津が入る。直後の新潟の攻撃をしのぎ、ボールを取り戻し、前線の小林へ。もう少しロスタイムの時間の使い方をうまくしないと、肝が冷える。とにかく開幕戦を勝利でしめくくった。
雨上がりのすごく寒い中、ホーム開幕ということで1万8千人もの入場者があった。心配だった新布陣もなんとか機能しそうだし、ジェシが本当に安定感をもたらしている。試合前に、陸前高田市の子どもたちがこの試合をパブリックビューイングで観戦している様子が競技場のグラウンドレベルのモニターに映っている様子が紹介された。昨年、連敗中にホームの新潟戦に、復興支援の一環として陸前高田市の子どもたちを「川崎修学旅行」として招いたが、負けてしまったので、選手たちはその分もがんばったと思う。
サッカー短評 (2012.3/3)
柏レイソルvs.FC東京 2対1 (2012.3/3 国立) スーパーカップ
前半の初めは、FC東京に何度かCKがあって、得点のチャンスはあった。しかし、26分、柏レイソルのジョルジ・ワグネルが左足を一閃すると、すばらしいミドルシュートがゴール隅に突き刺さった。そこから流れが変わり、レイソルが盛り返した。前半終了直前の43分、FC東京ゴール前の攻防で、FC東京DFが手を使ったとしてPKの判定。これをレアンドロ・ドミンゲスが決めて、早くも2点差。
後半20分、先発してルーカスと縦のツートップを組んでいた長谷川アーリアジャスールが、こぼれ球に反応して1点返した。FC東京はさらに羽生とマリノスから獲得した渡辺を投入。羽生のあわや同点ゴールというシュートもあったが、追いつけず。ワンタッチ、ツータッチでパスをつなぐサッカーを貫き、サイドも積極的に使って攻めたが、采配4年目のネルシーニョ戦術の成熟度が勝るレイソルに及ばなかった。
サッカー短評 (2012.2/29)
日本vs.ウズベキスタン 0対1 (2012.2/29 豊田ス) ブラジルW杯アジア三次予選最終戦
日本もウズベキスタンも最終予選進出は決まっているので、グループ首位の争い。ウズベキスタンは、前の試合で、故意にイエローカードを受けたとして、この試合6人と最終予選初戦5人出場停止。その中には主力のジェパロフなどが含まれている。と聞いて、「楽勝」と思ったが甘かった。東京で雪が降ったこの日、名古屋は雨上がりだったが、スタジアムの屋根は閉じていた。
前半うまくボールが回っていないと感じたが、結局、前半22分の岡崎のシュートがバーに当たったのが一番ゴールに近かった。先発は、GK川島、DF長友、今野、吉田、内田。遠藤と長谷部のダブルボランチに、香川のトップ下、左に岡崎、右に藤本、ワントップにハーフナー。「前半の20分くらいは遠藤にボールがわたらなかった」とNHK解説の長谷川さんは言う。タメがなく、香川にあて、香川が右にひらいたハーフナーにパス、ハーフナーのクロスを相手DFがオウンゴールになりそうなクリア。この試合は遠藤がCKを蹴ったが、最初のCKは結局大きすぎた。岡崎のシュートも香川のパスから。25分にも長友が左を突破してそのままシュート、ハーフナーが押し込もうとしたがわずかに届かず。36分にもハーフナーと相手GKがせったこぼれ球を岡崎が押し込んだが、ハーフナーのファールをとられてノーゴール。44分、遠藤の左CKは吉田の頭に合うがバーの上。
このままもう少し連携がよくなれば得点できるかと思っていたが、後半になってもウズベキスタンのプレスは落ちてこない。日本の攻め上がりのウラをねらってロングフィードして、受けた相手が体の強さを生かしてドリブルで突進。日本は止められずにゴール前まで進入させてしまう場面が前半から何回かあったが、後半9分、日本の攻撃の後のカウンターで、日本のゴール前が数的不利のところへクロスを入れられ、一回はGK川島がはじくが、相手FW9番につめられ、失点。15分に藤本に替えて乾が入る。香川との連携を期待されたようだが、乾がサイドから中に入りすぎるらしく、監督からだいぶ強く注意されていた。乾が入って少し前戦が活性化したが、乾は香川にパスばかりして、自分でシュートを打とうとしないので、あまりこわくない。ゲスト解説の宮本が、「センターバック二人で守っている場面が多い」と言っていた。21分にハーフナーに替えて李が入るが、状況は良くならず。かえってウズベキスタンにボールをキープされて、シュートもはずしてくれただけ、というのを少なくとも二本は打たれた。ロスタイムの4分に何度かCKを得るが、ねばり強い守りにクリアされ、得点できずタイムアップ。引き分けでもグループ2位なのに、敗戦したので、3/7のFIFAランクが下がると、最終予選の組み分けでシードされない可能性も。
サッカー短評 (2012.2/24)
日本vs.アイスランド 3対1 (2012.2/24 長居) 国際親善
前半2分に前田がヘディングで得点。左サイドバックに入った槙野がいい上がりを見せ、入れると思わせてからもうひとつかわして入れたクロスに前田が下がり目から走り込んで合わせた。アイスランドのDFは全員ボールウォッチャーになっていた。こんなにあっけなくて強化試合になるのかと思っていたら、この先制点の後、前半は追加点なし。ボールは71%支配していても相手の守備をくずせなくなった。
海外組はシーズン中で呼べず、本田、香川らは怪我もしている。国内組はまだ開幕前で、若手の初招集も四人。そのFW久保(18。京都)、柴崎(19。鹿島)、磯村(19。名古屋)らは使わないが、ベンチで代表の雰囲気を感じてほしいとのこと。先発は、GK西川、DF左から槙野(ケルンから浦和にレンタル)、今野(ガンバに移籍)、駒野。遠藤と増田誓志のダブルボランチ、柏木のトップ下に前田のワントップ、左に大久保、右に藤本。キャプテンは遠藤。
アイスランドはFIFAランク103位だが、初のW杯予選突破をねらって、1月に初の外国人監督となるスウェーデン人のラーゲルベック監督を招聘。ラーゲルベック監督はスウェーデン代表とナイジェリア代表監督の経験があり、いずれも本大会に出場。今回は若手を多く呼んだチーム構成。全員、名前に「ソン」が付き、平均身長が183p超。
アイスランドは18分に初シュート。日本は25分に柏木のミドルシュート、33分に藤本の左上隅をねらった鋭いシュートをうつが枠にいかず。前半終盤は、アイスランドのブレスがかかり、何度かCKを与えた。
後半頭から、大久保に替えて田中順也、柏木に替えて中村憲剛が入る。大久保はシュートもしたが、ボールを獲られたりもしたし、イエローももらった。アイスランドも3人交替。そのうちの一人、7番のソルステインソンがスローインの際、ハンドスプリングスロー(ボールを持ったまま前転してスロー。遠心力で足で蹴ったくらいのロングスローになる。)をするたびに会場が沸いた。たぶん、みんな、私と同様初めて見たのだと思う。アイスランドは、立ち上がりから積極的に攻め込んできて、前半とは違うチームのよう。しかしシュートが枠にいかない。そうこうするうち、田中順也から憲剛、憲剛から藤本とダイレクトでパスがつながり、藤本はフリーで相手GKをかわしてシュートを決める。日本テレビの解説、北沢さんは「こういうプレーが期待されている」と言 う。藤本は、代表11試合目の初ゴール。
19分に藤本に替えて石川、駒野に替えて伊野波が入る。20分から30分にかけてアイスランドが攻勢。31分に栗原に替えて近藤を入れる。すると34分、憲剛のFKに合わせた槙野が中央で倒れた後、こぼれ球を寝たまま蹴りこみ、3点目。憲剛は2アシスト。
37分、日本は最後の交替で今野に替えて森脇を入れる。森脇が攻め上がって、スピードのある石川にパス。石川のクロスは相手GKへ。憲剛も石川にパスを出し、今度は石川がシュートするが枠の上。45分にもアイスランドは何度目かのハンドスプリングスローにヘディングで合わせるがゴールできず。ロスタイム4分に入って、槙野がエリア内で相手の肩に手をかけて倒し、イエローをもらう。PKは相手FWの11番、先発のスマウラソンが確実に決め、1点返される。
後半はひきしまった試合になった。初先発だった増田は結局フル出場。何度かザック監督からもっと前にいくよう言われたようだが、なんとかそつなくこなしたか。槙野はミソもつけたが、やはり攻撃参加が魅力。田中順也は前田との補完も上手くやっていた。石川の独特のリズムも面白い。柏木は今ひとつアピールに欠けた。ベンチの久保は出してみたかった。
サッカー短評 (2012.2/22)
U23マレーシアvs.U23日本 4対0 (2012.2/22 マレーシア) ロンドン五輪アジア最終予選
前半を2対0で折り返し。1点目は、35分、東からのパスを受けた原口が相手GKと一対一。GKが飛び出してきたとき、すぐ後ろに上がってきていた右サイドバックの酒井にボールがこぼれ、酒井ががら空きのゴールに流し込んだ。2点目は44分、扇原の右CKからFW大迫がヘディングでたたき込んだ。少し後ろから走り込み、相手GKの足下にたたきつけた。1点差ではなく、2点差でハーフタイムに入れたのは、大きい。
マレーシアは夜になっても29度近くあるらしい。選手たちは、グアム合宿や直前シンガポール合宿で暑さ対策はしてきた。清武、山崎、山田直樹を怪我で欠く中、新たに長身FW杉本(セレッソ大阪)、斉藤(横浜マリノス)らを初招集。ボルシアから大津を追加招集するはずだったが、急遽チームにけが人が出て、呼べず、代わりに登里(川崎フロンターレ)を追加。先発は、GK権田、DF比嘉、浜田、鈴木、酒井。ダブルボランチは山口と扇原のセレッソコンビ。大迫のワントップ、左に原口、右に斉藤。キャプテンマークは、GK権田が巻いた。山村、永井はベンチスタート。
後半10分、待望の追加点。右サイドバックの酒井が高い位置からクロス、中央で跳んだ大迫の頭上をこえていったが、ファーに走り込んでいた原口が押し込んだ、
大迫が後半、競り合いで押されて、落ちたとき頭を激しく打った。いったん担架で外に出たが、またピッチに戻ってきた。しばらく後で頭をおさえてしゃがんでいたら、UAEの主審にイエローカードを出されてしまった。関塚監督は、後半14分、大迫に替えて永井を投入。
後半14分、左サイドバックの比嘉がドリブルでエリア内に切れ込み、相手DFにカットされるが、そのボールを拾った扇原がミドルシュート、相手GKがはじくが、そこにいた斉藤に押し込まれる。
その後25分に、扇原も負傷交替。そのままボランチの山村が入る。永井も激しいチャージを受けて、しばらくピッチ上でうずくまっていた。しかし、関塚監督は、永井は大丈夫そうと見たのか、38分、原口に替えて杉本を入れる。杉本を真ん中に、左に斉藤、右に永井と変わる。
杉本は、入ってすぐ、シュートのチャンスがあったがよりフリーな味方にパスしてシュート0。永井も何本かうったが、スピードを生かした攻撃はできず。
マレーシアは、前半はハイプレスで来たが、後半しばらくするとブレスがかからなくなり、日本より先に足が止まって、ラフなチャージが増えてきた。それでも最後の5分とロスタイム3分で、シュートをねらったり、CKをとったりしてあきらめない姿勢を見せた。
日本は、4点とってから、選手たちにさらに得点しようという意思の一致が弱くなったようだ。試合後のインタビューで、斉藤や扇原は、まだ得点できたと思っているようだった。酒井や権田、東は「4点とれてよかった」と言っていた。シリアが最後ホームでマレーシアと対戦することを考えると、得失点差+4で足りるかどうか。微妙なところ。選手たちには、もっとどん欲に得点してほしかった。
この後行われたバーレーン対シリアは、なんとバーレーンが1対0で勝利。また日本がグループ1位に返り咲いた。
サッカー短評 (2012.2/5)
U23シリアvs.U23日本 2対1 (2012.2/5 ヨルダン) ロンドン五輪アジア最終予選
負けてグループCの2位に転落。グループ1位しか直接アジア代表になれない。2位になるとプレーオフ、プレーオフでアフリカのセネガルとやることになる。ただまだ勝ち点9は同じで得失点差が1点少ないだけ。あとは互いの残り二試合の得点にかかる。
シリアの国内情勢が不安定なため、隣のヨルダン開催。シリアは同じ会場で既にバーレーンと対戦して勝っている。前日に10年ぶりという大雨が降り、ピッチに水たまりができたらしい。土は粘土質で固く、でこぼこに砂を入れて芝を刈り、ローラーをかけたらしい。試合当日は日が差すにつれ、ピッチが固くなり思うよりボールがはねる。
シリアは予想通りハイブレッシャーで試合に入る。ただ、日本で対戦したときとはツートップの役割が違い、192pの長身FWスマが少し下がってボールをさばき、運動量の多いマルドキアンがワントップののように前線にいる。
日本の先発は、GK権田、DF比嘉、浜田、鈴木、酒井。骨折から復帰のキャプテン山村と守備的な山口のダブルボランチ。二列目は、練習試合で負傷した清武が帰国したので、左から山崎、山田、東。ワントップには永井。永井が開始直後にシュートした以外は、前半は、ほとんど日本が攻撃の時間がなかった。前半のわりと早い時間に、相手DFと競って高くジャンプした山崎が着地の時左手を負傷して交替。入ったのは大迫で、永井が山崎の位置に。これはこれでよかったと思う。大迫が入ればボールの収まりどころができるので、攻撃の時間が作れる。ただ東や山田は守備の時間が多く、名前も顔も見えない。酒井の攻撃参加も全く余地なし。山村と山口の位置が低めで、そこをねらわれているらしい。相手の監督は最近就任したらしいが、そうとう研究してきたようだ。ゲスト解説の宮本によれば、DFラインが山村と山口にもっと前に行くように指示して、攻撃の開始をもっと高い位置から始められるとよいとのこと。
前半18分、何度も相手の圧力を耐えてきたが、FKで失点。ちょうど入ったばかりの大迫が相手選手と競ってオウンゴール。GK権田は、右ポストぎりぎりにはずんだボールを取りにいって、さわったもののゴールイン。
よかったのは、前半のロスタイムに、後ろからのフィードをうまく納めた大迫が、永井にいいパスを出して、永井は相手DFにつかまれながら、ゴールに流し込んだこと。このままハーフタイムになり、シリアに水をさすことができた。
しかし、後半、いい形までいきながら、得点までもっていけない。相手のプレスが弱くなり、パスがつなげて日本らしい形が少しは出来てきたが、山村の試合勘がちょっと戻っていない感じ。二人目の交替は、山村と扇原。扇原は左利きでセットプレーのとき、バリエーションがつけられる。
しかし、大迫の絶好のシュートがはずれた後、流れが再びシリアにいってしまい、とうとう後半44分すぎ、セットプレーのこぼれ球を上がってきた相手CBのキャプテンが思い切りキック。これがちょうどゴールバーのすぐ下のネットに突き刺さった。その後ロスタイム3分内に、日本のCKから押し込んだボールを相手GKが持ったままゴール内によろけ、そのまま前に倒れ込んで負傷したジェスチャー。リプレーを見るとボールはゴールラインをわったように見えるが、主審の笛が鳴っていないので認められず。相手GKの治療でさらにロスタイムはのびたが、結局それ以上のチャンスはなくタイムアップ。
サッカー短評 (2012.1/9)
市立船橋vs.四日市中央工業 2対1 (2012.1/9 国立) 高校選手権決勝
ドラマでもこうはうまくいかないという展開。開始1分で、ここまで得点王タイの四日市のFW浅野がCKからのボールを押し込んで7得点目。そして両校が持ち味を出して攻め合い、1対0のまま後半へ。次第に市立船橋のボールがつながるようになり、後半最後に連続CKのチャンス。ロスタイム2分に入った後半46分、何度目かのCKのこぼれ球をキャプテンでエースの和泉が押し込んで土壇場での同点。
7年ぶりという決勝戦での延長突入。7年前は、野洲高校が鹿児島実業を破って初優勝。そこから6年連続初優勝校が続いたという。今回は、優勝経験校同士の対戦。市立船橋は9年ぶり五度目の、四日市中央は20年ぶり二度目で初の単独優勝をねらう。20年前は、帝京との両校優勝だった。市立船橋の朝岡監督は1994年の初優勝のメンバーで、監督1年目の35歳。対する四日市中央の樋口監督は、17年目。四日市中央が前回優勝したときのメンバー、小倉や中西もスタンドで観戦していた。市立船橋には、準決勝に勝った後、OBの北嶋が激励に訪れた。北嶋の時は、清水商業に負けたらしい。
四日市中央は準決勝の尚志(福島)戦で、キャプテンでボランチの國吉が警告累積で決勝は出場停止。替わりにボランチには初先発の生川(なるかわ)、キャプテンマークはCBの西脇が巻いた。その生川の足がつって、後半最後に交替。ずっと中盤でボールを拾って、市立船橋の攻撃をくいとめていた。延長に入ってからFW金平も追加。
一方、準決勝の大分戦は絶妙な直接FKと和泉の決勝ゴールで勝ち上がった市立船橋は、決勝の90分間はビハインドだった。後半早い時間にウイングの11番菅野を俊足の7番池辺に交替。ロングボールを前線の188pのFW岩淵にあて、ポストプレーから和泉や8番杉山や7番が拾い、10番の和泉につなげてチャンスを作る戦法。延長に入ってからMF宇都宮も入れた。
延長に入ってからは全体的には市立船橋の方が押していたが、CB同士がクリアボールを味方にあてて相手FW浅野に拾われるという場面もあった。このままPK戦かとも思ったが、後半5分、市立船橋のパスが見事につながり、最後はまたも和泉が決めて決勝点。そのまま逃げ切った。90回目の大会にふさわしい決勝戦だった。
サッカー短評 (2012.1/1,3)
FC東京vs.京都サンガ 4対2 (2012.1/1 国立) 天皇杯決勝
史上初のJ2同士の決勝。FC東京はセレッソ大阪を1対0で、京都サンガは、横浜F.マリノスを延長戦で4対2と下して決勝進出。ただ、京都は準決勝でCBの森下が累積警告で決勝は出られない。地力からもFC東京が有利と言われていたが、立ち上がりは京都サンガが細かいパスをすばやくつないで攻め込む時間も多く、前半13分に京都が先制。ところが、2分後にCKから、FC東京・今野のヘディングでたちまち同点。36分には、FC東京・森重がFKを決めて逆転。今野がヘディングで得点することがあるのは知っていたが、森重があんなすごいFKを蹴るとは知らなかった。これでだいぶ試合は、FC東京に傾いたが、前半終了間際の42分、ルーカスが見事な追加点を流し込んで勝負あった。
FC東京で元日の天皇杯決勝を戦ったことがあるのは、ルーカスのみ。それもガンバ大阪時代に二回。一方、京都サンガは、チームとしては9年前に優勝している。ただ、今季のJ2リーグで京都はFC東京に2敗。後半になると運動量が落ちてボールを拾えなくなる。21分、ルーカスが相手GKをかわして4点目を決める。しかし、京都も、後半9分に投入した、17歳のFW久保が1点返し、意地を見せた。
これで来季のACLには、FC東京が出場。大熊監督は退任し、フロント入りするらしい。1/3日の新聞をみたら、来季の監督はポポビッチ氏。ネットのニュースには、今野がガンバ大阪に移籍とあり、びっくり。
移籍がらみで、フロンターレも大変動! 菊地が大宮アルディージャへ、横山がセレッソ大阪へ、それぞれ完全移籍。いったいセンターバックはどうするんだ。ジュビロの加賀にオファーを出しているらしいけど。京都の森下にも出しているらしい。ジュニーニョが鹿島アントラーズと契約というのもびっくりした。MF養父が帰ってきたかと思うまもなく、ロアッソ熊本に完全移籍。FW棗も栃木へレンタル移籍。セレッソから長身FW小松を、湘南からGK西部を獲得。ブラジルのコリチーバから得点できるMFレナト(23)も獲得。同じコリチーバのキャプテン、長身CBジェシ(31)にもオファー。来季は大改造の年になるのは間違いない。