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マザーグースの世界へ
ようこそ


東京都立多摩図書館 2005.12.19〜2006.2.1


目次

1 はじめての絵本 マザーグース
2 クリスマスは、お正月もつづく?!
3 絵本作家はマザーグースがお好き




 *このページの写真は、全て管理人の個人的スナップです(2005年12月24日撮影)。画像編集ソフトがないため、トリミングなどの加工はできていません。
 なお、「展示リスト」に記載されていない展示図書については、写真説明に書名、画家名、出版社、発行年を記しました。



はじめての絵本 マザーグース


<マザーグースって何?>

 マザーグースとは、英語圏で100年以上伝承されてきたわらべうたのことです。今でもマザーグースは、子どもたちが初めて歌ってもらう唄です。また、初めて読んでもらう本もマザーグースです。子どもたちは、マザーグースの唄を歌ったり、遊んだりしながら、言葉やリズムを覚えます。  日本のわらべうたと大きく違うのは、大人の文化でもある点でしょう。クリスティのミステリ『そして誰もいなくなった』を始め、多くの小説や映画の題名、新聞の見出しなどにも使われています。英文学を学ぶとき、「聖書とシェイクスピアとマザーグースを知っていることが三大要件」と言われるほどです。

<「マザーグース」の呼び名>

 「Nursery Rhyme (ナーサリー・ライム=子ども部屋の詩)」というのが、英語での一般的な呼び方ですが、日本では、大正時代の北原白秋の『まざあ・ぐうす』の翻訳から、近年ではブームにもなった谷川俊太郎訳の『マザー・グースのうた』で使われた「マザーグース」の名称で根づいています。

<よく知られた唄>

「ロンドン橋」、「きらきら星」、「メリーさんの羊」、「ハンプティ・ダンプティ」、「誰がコック・ロビンを殺したか?」、「ハートの女王」、「ヘイディドルディドル、猫にバイオリン」、「6ペンスのうた」、「ハバードおばさんと犬」、「さんびきのこねこ」

☆展示リスト☆

1 『ロンドン橋がおちまする!』 スピア絵、渡辺茂男訳、冨山房、1978 (原書1967)
2 The Queen of Hearts, illustrated by R. Caldecott,福音館、2001復刻 (原書1881)
3 『ハバードおばさんといぬ』 ローベル絵、岸田衿子訳、文化出版局、1980 (原書1968)
4 『いたずらこねこ』 ガルドン絵、中井貴恵訳、ほるぷ出版、2004 (原書1986)
5 The Mother Goose Treasury, illustrated by R. Briggs, 1986 (初版1966)



 [棚の上]左から、 スピアの 『ロンドン橋がおちまする!』、 ブリッグズ The Mother Goose Treasury


 [上段]左から、 ブルック Ring o' roses (初版1922)より「ハンプティ・ダンプティ」、 ローベルの 『ハバードおばさんといぬ』、 堀内誠一絵、谷川俊太郎訳『マザー・グースのうた』第3集(草思社、1975)より「だれがこまどりころしたの」。


 [中段]左から、 カルデコットThe Queen of Hearts、 ガルドン『いたずらこねこ』(原題Three Little Kittens)、 武井武雄絵、アン・ヘリング訳 『ハンプティダンプティの本』(集英社、1980)より「ハンプティ・ダンプティ」。


 [下段]左から、 堀内誠一絵、谷川俊太郎訳 『マザー・グースのうた』第1集(草思社、1975)より「メリーはこひつじかっていた」、 カルデコットSing a song for sixpence




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クリスマスは、お正月もつづく?!


 イギリスやアメリカでは、クリスマスは12月25日に終わるのではなく、その日から始まって12日間続きます。12月25日はイエス・キリストが生まれた日、1月6日は東方の三博士がキリストの降誕を祝いに来た日であり、旧ユリウス暦でのクリスマス当日でもありました。
 かつては12月25日から12日間、毎日贈り物をする習慣がありました。この習慣を歌ったマザーグースに「The twelve days of Christmas (クリスマスの12日)」があります。

<その他のクリスマスの唄>

「ジャック・ホーナーくん、すみっこでクリスマス・パイを食べていた」、「クリスマスは年に一回だけ」、「奥さん起きて、パイ焼いて」、「クリスマスがやってくる」

<新年を歌ったマザーグースの唄>

 「ふねが三そうやってきた」は、新年をうたっている唄です。新年を歌ったマザーグースの唄は、あまりありません。日本と異なり、クリスマスから新年までが、ひとつながりのお休みだからです。

☆展示リスト☆

6 『クリスマスは12日つづく』 ドゥンツェ絵、岸田今日子訳、太平出版社、1992 (原書1992)
7 『クリスマスの12にち』 ワイルドスミス絵、石坂浩二訳、講談社、1997 (原書1972)
8 『クリスマスの12にち』 ボーラム絵、わしづなつえ訳、福音館書店、1999 (原書1997)
9 『ディア・マザーグース』 ひらいたかこ訳・絵、架空社、1990
10 Little Songs of Long Ago, illustrated by H. W. le Mair, 1988復刻 (初版1912)
11 The Baby’s Opera, illustrated by W. Crane, ほるぷ出版、1992復刻 (原書1877)
12 『マザー・グースのうた』 第2集 堀内誠一絵、谷川俊太郎訳、草思社、1975



 [棚の上]左から、 ドゥンツェ『クリスマスは12日つづく』、 クレインThe Baby’s Operaより「ふねが三そうやってきた」(I saw three ships)。後者は、ポスター、パンフレット表紙に使用したイラスト。


 [上段]左から、 ル・メールLittle Songs of Long Agoより「奥さん起きてパイ焼いて」(Dame, get up and bake your pies)、 ボーラム 『クリスマスの12にち』


 [中段]左から、 デ・パオラTomie de Paola's Mother Goose (*) (本のデータは「絵本作家はマザーグースがお好き」の部分に掲載)より「クリスマスは年一回だけ」(Christmas comes but once a year)「クリスマスがやってくる」(Christmas is coming)など、 ひらいたかこ 『ディア・マザーグース』より「クリスマスの12にち」。
 *デ・パオラの絵本には、この写真を撮った後で、和訳を書いた紙を添えました。



 [下段]左から、 ワイルドスミス 『クリスマスの12にち』、 堀内誠一絵、谷川俊太郎訳『マザー・グースのうた』第2集より「ふねが三そうやってきた」。




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絵本作家はマザーグースがお好き


 マザーグースには、ABCの唄から、言葉遊び、天候のことわざ、なぞなぞ、元は芝居の一場面だった愛の唄や政治的風刺を含んだ戯れ唄まで、様々な唄があります。そのため、昔から画家の想像力をかきたてる素材として人気がありました。英米の絵本作家は、必ずと言っていいほど、一度はマザーグース絵本を描いています。

<19世紀の絵本作家>

 ウォルター・クレーン、ランドルフ・カルデコット、ケイト・グリーナウェイの3人は、近代的な絵本を確立した、19世紀イギリスの絵本作家です。クレーンは、ラファエル前派の流れをくむ、装飾的なイラストを得意としています。初めて子ども向けに描いた本が、マザーグース絵本のThe Baby's Operaでした。カルデコットは、現代にも通じる躍動感のある絵を描きます。生涯で16冊絵本を描きましたが、半数がマザーグース絵本です。彼の本は廉価で多くの子どもたちに親しまれました。グリーナウェイは、現在でもグリーティング・カードなどで人気があります。

<20世紀の絵本作家>

 最近の絵本作家では、「メイシーちゃん」シリーズのルーシー・カズンズ、「がまくんとかえるくん」シリーズのアーノルド・ローベル、『ゆきだるま』『さむがりやのサンタ』のレイモンド・ブリッグズもマザーグース絵本を描いています。

☆展示リスト☆

13 Mother Goose, illustrated by K. Greenaway, 19-- (初版1881)
14 Hey diddle diddle, illustrated by R. Caldecott福音館、2001復刻 (原書1882)
15 Beatrix Potter's Nursery Rhyme Book, illustrated by B. Potter, 1984 (イラスト初出は、”The tale of Peter Rabbit”, 1902 などより)
16 『マザー・グース』 ラッカム絵、寺山修司訳、新書館、1984 (原書1913)
17 『ターシャ・テューダーのマザー・グース』 山田詩子訳、フェリシモ、2000 (原書1944)
18 Tomie de Paola's Mother Goose, illustrated by T. de Paola, 1985
19 The Random House book of Mother Goose, illustrated by A. Lobel, 1986
20 The Little Dog Laughed, illustrated by L. Cousins, 1989



 [棚の上]左から、 グリーナウェイ Mother Gooseより「ハンプティ・ダンプティ」、 カルデコットHey diddle diddle


 [上段]左から、 カズンズThe Little Dog Laughedより「ハンプティ・ダンプティ」、 ラッカム絵、寺山修司訳『マザー・グース』より「ハンプティ・ダンプティ」。


 [中段]左から、 ローベルThe Random House book of Mother Gooseより「ハンプティ・ダンプティ」、 ブリッグズThe Mother Goose Treasuryより「ハンプティ・ダンプティ」。


 [下段]左から、 ルメールOur old nursery rhymesより「ハンプティ・ダンプティ」、 ポターBeatrix Potter's Nursery Rhyme Bookより「ハンプティ・ダンプティ」。








 英語原詩の歌詞カード6種類作成。「クリスマスの12日」「ふねが三そうやってきた」「奥さん起きてパイ焼いて」「クリスマスがやってくる/ジャック・ホーナーくん」「誰が殺したクック・ロビン」「ロンドン橋/ハンプティ・ダンプティ」。パンフレットともに、自由に持っていけるようにしてあります。唄によって、歌詞カードの減り方が異なり、早く減るのは、「ロンドン橋/ハンプティ・ダンプティ」。
 また、この横に小さい机を置いて、棚に並べきれなかった『ターシャ・テューダーのマザー・グース』や、カルデコットのその他のマザーグース絵本などを「ご自由にご覧ください」としました。




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