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ねずみの本


2008年は、ねずみ年。干支にちなんで、おすすめのねずみの本を紹介します。


目次

1 絵本  ぐりとぐら   ねずみのとうさんアナトール   スニッピーとスナッピー   ねずみくんのチョッキ   アンジェリーナはバレリーナ   フレデリック  
2 児童文学−幼年   ぼく字がかけるよ   番ねずみのヤカちゃん  
  3 児童文学   石のねずみストーン・マウス   くらやみ城の冒険   冒険者たち   番外・新刊


牛の本 とらの本 うさぎの本 りゅうの本 ヘビの本 馬の本 羊の本




1 絵本

 ぐりとぐら (こどものとも傑作集)  なかがわりえこ文、おおむらゆりこ絵 福音館書店

   日本で一番有名な野ねずみかもしれない。「ぼくらの名前はぐりとぐら。 この世でいちばん好きなのはおりょうりすること、たべること。ぐり、ぐら、ぐり、ぐら」 という歌も、たくさんの子どもたち、子どもだった人たちに愛唱されてきた。
   続編に『ぐりとぐらのおきゃくさま』『ぐりとぐらのかいすいよく』『ぐりとぐらのえんそく』 『ぐりとぐらとくるりくら』『ぐりとぐらのおおそうじ』『ぐりとぐらとすみれちゃん』がある。

画像は洋書
 ねずみのとうさんアナトール  イブ・タイタス文、ポール・ガルドン絵、晴海耕平訳 童話館

   こちらはフランスのねずみ。フランスの首都パリの郊外で一家を養っている。 毎晩自転車で出勤することとか、人間によく思われたいとか、大人のアタマで考えるとオカシイ。 でも、チーズのことなら、ねずみに聞け、という結末には誰もがナットク!
   1972年に、日本人のイラストで文研出版から翻訳されていたが、今度は本場のガルドンの 挿絵で再刊。
スニッピーとスナッピー ワンダ・ガアグ作、さくまゆみこ訳 あすなろ書房

   こちらの野ねずみ2人組は、ふたごのきょうだいです。毛糸玉をおいかけて、人間の家に 来てしまいました。でも、ふたりはおそろしいネズミ取りのことを知らないまま、チーズのにおいにひかれて…。 ふたりのお父さんが家では新聞を読んでいたりして、なかなか文明的なところは、アナトールと似ているかも しれません。
   以前には、渡辺茂男の訳で『すにっぴいとすなっぴい』のタイトルで岩波書店から出て いました。『100まんびきのねこ』の作者、ガアグのねずみの本。

画像は小型本
ねずみくんのチョッキ  なかえよしを作、上野紀子絵 ポプラ社

   ねずみくんのおかあさんが編んでくれた素敵な赤いチョッキ。あひるさんやら さるさんやら次々に借りて「少しきついがにあうかな?」の繰り返しがおかしい。チョッキがだんだん伸びて いき、ねずみくんの心配そうな顔!
   「ねずみくんの絵本」シリーズの中で、このチョッキの話は何度も変奏され、 『また! ねずみくんのチョッキ』『またまた! ねずみくんのチョッキ』『やっぱりねずみくんの チョッキ』『それいけ! ねずみくんのチョッキ』『とりかえっこ! ねずみくんのチョッキ』と続き、 オチもいろいろ楽しめる。
 アンジェリーナはバレリーナ キャサリン・ホラバード文、ヘレン・クレイグ絵、おかだよしえ訳  講談社

   バレエの好きな女の子のねずみアンジェリーナのシリーズ。踊るのが好きで好きで、家では お手伝いもしないし、学校では友だちとも遊ばないし、踊ってばかりのアンジェリーナ。いくら言い聞かせても やめないので、おとうさんがバレエシューズを買ってきて、ちゃんとバレエ教室で習ったらいいと言ってくれた のです!
   他に『アンジェリーナはじめてのステージ』『アンジェリーナのクリスマス』『アンジェ リーナのハロウィーン』『アンジェリーナ おねえさんになる』『アンジェリーナ スターになる』がある。
   以前、大日本絵画から『バレエのすきなアンジェリーナ(標題作)』『アンジェリーナとおうじょさま (講談社版なし)』『アンジェリーナとおまつり(講談社版なし)』 『アンジェリーナのはつぶたい(はじめてのステージ)』『アンジェリーナとなかよしアリス (講談社版なし)』など別の題名、きたむらまさお訳で発行されていた。
フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし レオ・レオニ作、谷川俊太郎訳 好学社

   なかまのねずみたちが、冬にそなえて食料をあつめているとき、フレデリックだけ何もして いないように見えた。でも、フレデリックは働くように言われるたびに、ぼくだって、「光」や「色」や 「言葉」を集めているんだ、と言う。なかなか目に見えないものを絵本で表現するのはむずかしいが、 フレデリックの表情がいい。
   『スイミー』『あおくんときいろちゃん』など数々の名作絵本の作者、レオ・レオニの ねずみの本。他にも『アレクサンダとぜんまいねずみ』『みどりのしっぽのねずみ』 『おんがくねずみジェラルディン』『シオドアとものいうきのこ』 『ティリーとかべ』『マシューのゆめ』『いろいろ1ねん』など多くのねずみの本がある。


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2 児童文学−幼年

 ぼく字がかけるよ―教室ねずみジョンのお話  ビバリィ・ランデル作、かわいともこ訳 偕成社

   ねずみのジョンは、一年生の教室の戸だなに、うしろに住んでいた。ある日、教室でエサを 探していると、突然生徒たちが「ジョン、ジョン」と呼び始めた。驚いたジョンは、巣穴に逃げ帰った。 次の日も「ジョン、こっちへおいで」と呼ばれる。のぞいてみると、誰もこっちを見ていない。不思議に 思っていると、先生が黒板に白い線もようを書き始めた。生徒たちは黒板の字を読んでいたのだ。 文字の読み書きができるようになったジョンは、教室のマスコットに。
 番ねずみのヤカちゃん リチャード・ウィルバーさく、松岡享子やく 福音館書店

   ねずみのくせに声が大きいから「やかましい」のヤカちゃん。人間のドドさん夫婦の家に 住んでいる。決して、見られたり、音をたてたりしてはいけない、とおかあさんが教えると、1番目の 子ねずみは「うん、わかったよ。おっかちゃん」。2番目の子ねずみも 「うん、わかったよ。おっかちゃん」。3番目の子ねずみも 「うん、わかったよ。おっかちゃん」。ヤカちゃんだけが 「うん、わかったよ。おっかちゃん」。で、毎回みんなに、「しーっ!  しずかに!」と言われてしまう。 子ねずみたちを独り立ちさせる時におかあさんが歌う、「ねずみとり」と「猫」について教える歌が なかなか。


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3 児童文学

石のねずみストーン・マウス ジェニー・ニモ作、安藤紀子訳 偕成社

   ストーン・マウスは、ねずみの形をした石。マリアおばさんに拾われて「ストーン・マウス」と 名づけられてから、見ることも聞くこともできるようになった。小さな女の子のエリーが、ストーン・マウスを 見つけて、「わぁー、石のねずみだ!」エリーがわらった時、ストーン・マウスには、自分の心臓が うごいているのが、ちゃんとわかった。
   『チャーリー・ボーンは真夜中に』の作者の低学年向け作品。
くらやみ城の冒険  <ミス・ビアンカ・シリーズ> マージェリー・シャープ作、渡辺茂男訳 岩波書店

   ねずみたちは、国際的な組織「囚人友の会」を世界中につくっている。舞台はヨーロッパの どこかの国。この国の牢にノルウェーの詩人が囚われている。通訳にノルウェーのねずみを呼んでこなければ ならない。そこで白羽の矢が立ったのが、大使のぼうやに飼われている、白ねずみのミス・ビアンカだった。
   初めてミス・ビアンカが囚人を救出する『くらやみ城の冒険(小さい勇士の物語)』の続編に 『ダイヤの館の冒険(ミス・ビアンカのぼうけん)』『ひみつの塔の冒険(古塔のミス・ビアンカ)』 『地下の湖の冒険(地底のミス・ビアンカ)』『オリエントの冒険』『南極の冒険』『さいごの冒険』がある。 ( )内は、初訳のタイトル。『オリエントの冒険』は、バーナードがすっかり中年のおじさんになっていて がっかりしたが、後の2冊では盛り返す。でも最後の2冊は、挿絵がガース・ウィリアムスではないので、 ちょっとガッカリ! ※画像は『ダイヤの館の冒険』
冒険者たち ガンバと十五ひきの仲間 斎藤惇夫作 岩波書店

  家ネズミのガンバは、港で怪我だらけの島ネズミから、夢見が島がイタチに襲われている、と助けを 求められる。はじめ、自分で行くつもりはなかったガンバだが、十五ひきの仲間たちとイタチに闘いを挑む。
  読みごたえのある、動物ファンタジーの古典。常識で考えれば、ネズミがイタチに適うはずが ないのだが、すっかりネズミの側にたってハラハラしてしまう。藪内正幸の挿絵がいい。


番外・新刊

ネズミ父さん大ピンチ! ジェフリー・ガイ作、内藤文子訳 徳間書店

   これは2007年末に出た新刊です。なんと猫と取引するネズミが登場。ネズミ一家の主アナクグリは、 新しく農家からもらわれて家に来た、猫のハンニバルと取引しようと考えます。ハンニバルは、農家ではつらい 生活を送っていたので、この家で太りたいと思っています。もし、ドブネズミを捕って人間に見せられたら、 アナクグリ一家を見逃してもよいと言うのです。果たして、家の外に出たこともないアナクグリは、ドブネズミを 首尾よく家におびき寄せられるのでしょうか? 子ネズミたちが、ある程度大きくなるまでは名前がなくて、 一号とか二号とか呼ばれているのが妙にリアリティがあっておかしい。
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