タチ はるかなるモンゴルをめざして ジェイムズ・オールドリッジ 作、中村 妙子 訳 評論社
現代の馬の祖型である蒙古野馬の貴重な生き残りを保護しようと、モンゴルからイギリスの保護地へ送られたのが、若い
牡馬のタチ。その発見のいきさつから捕獲までを、モンゴルの少年バリュートが、イギリスの少女キティーにあてた3通の手紙で綴ります。
キティーのおじいさんは動物学者で、受け入れる保護地の責任者であり、キティーの世話するシェトランド種の牝のポニー、ピーブが
タチを保護地にひきとめるだろうと期待しています。タチがイギリスに着くと、今度はキティーからの手紙が続き、しばらくすると、
タチがピープをつれて、保護地を脱走したことがわかります。驚いたことに、タチは泳げないのに、フランスのルアーブルで目撃された
らしいという情報が入ります。いったいどうやって海峡をわたったのでしょう? タチとピープの冒険に、読者はハラハラしながら、ついて
いくしかありません。読みながら、思わず世界地図を見たくなります。
作者はオーストラリア生まれの元従軍記者で、作家となってからはこれが最初の児童向けの作品ということです。
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