踊る牝牛 (『
風にのってきたメアリー・ポピンズ
』新版 より) P. L. トラヴァース作、林 容吉 訳 岩波書店 (岩波少年文庫)
ジェーンが耳痛で寝ているので、マイケルは窓から見えるものを話してきかせていました。
すると、通りの向こうから、牛がやってきて、一軒一軒門からのぞいて何かを探しているようでした。
メアリー・ポピンズの語るところによると、その牝牛の通り名は、赤牛といって、いつも貴婦人のように
わきまえをもって、くらしていました。物事は黒いか白いかで、子牛はきちんとしつけなければなりません。
ところが、ある晩、突然に、赤牛は、こともあろうにホーンパイプ踊りを始めて、やめられなくなってしまい
ました。きみょうに楽しい気分でしたが、一週間、踊り続けて疲れ果て、とうとう王様の宮廷に助言を求めに
行きます…。
王様が書記官に調べさせた百科事典には「月をとびこえた牝牛の話」が出ていたので、
王様も考えあぐねて、月を跳び越すことを助言します。牝牛が月を飛び越すといったら、イギリスの
子どもたちは誰でもすぐに、「Hey, diddle, diddle」のマザー・グースの唄を思い起こすに決まっています。
マザー・グースが「牛」の項目に出ている百科事典があるのでしょうか?
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