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ウサギの本


2011年は、ウサギ年。干支にちなんで、おすすめのウサギの本を紹介します。


目次

1 絵本   ちいさなうさこちゃん   わたしのワンピース   しろいうさぎとくろいうさぎ   ピーターラビットのおはなし   野うさぎのフルー   天の火をぬすんだウサギ   うさぎさんてつだってほしいの   ふわふわしっぽと小さな金のくつ  

2 児童文学   チム・ラビットのぼうけん   なぞのうさぎバニキュラ   ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち


ねずみの本 牛の本 虎の本 りゅうの本 ヘビの本 馬の本 羊の本




1 絵本

 ちいさなうさこちゃん ディック・ブルーナ さく、いしいももこ やく 福音館書店

   おなじみ「うさこちゃん」シリーズの一冊目。この本にだけ、「とうさん」が「ふわふわさん」と名前が出てきます。 わたしは、顔がだ円形のこのうさこちゃんが好きです。
わたしのワンピース にしまきかやこ えとぶん こぐま社

   空からふってきた布でうさぎさんが作ったワンピース、花ばたけをいけば花もよう。雨にあえば水たまもよう。40年以上も 子どもたちに喜ばれてきた絵本。作者のにしまきさんが新人のころの作品ですが、これをこえる絵本はまだ作れないとか。
しろいうさぎとくろいうさぎ ガース・ウィリアムズ ぶん・え、まつおかきょうこ やく 福音館書店

   うさぎのふわふわした白い毛と黒い毛がさわれそうで、眺めるだけでも楽しい。おはなしは、いろいろ深読みできそうだが、 くろいうさぎが「ぼく、かんがえているんだ」という表情もいい。

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ピーターラビットのおはなし ビアトリクス・ポター さく、いしい ももこ やく 福音館書店

   ウサギといえば、はずせないのがこの本。「おとうさんがじこにあった」マグレガーさんのはたけに、いけないと知りつつしのびこむピーター。いやあさぞかし、マグレガーさんのつくるニンジンはおいしいんでしょうね! 文ではレタスとサヤインゲンとハツカダイコンも食べたようですが…あのニンジンをかじっている至福の顔といったら! 
 3月3日には、郵便局から、グリーティング切手「ピーターラビットと仲間たち」(50円切手)、「『ピーターラビットのおはなし』」(80円切手)も発行されました。
 天の火をぬすんだウサギ ジョアンナ・トゥロートン 文、山口文生 訳 評論社

   北米インディアンに伝わる昔話を元にした絵本。地上に火がなくて寒かった時代。火は山の上にあって、天の人が守っている。 動物たちが協力して、天の人から火を盗む。動物たちのなかで、強いのは野牛で、物知りはオオカミだけど、「一番賢い」のがウサギとは 少し意外。いたずらの王様とあるから「ずる賢い」イメージらしい。天の人に、豊作を約束する新しい踊りを教えるという名目で、まんまと ウサギが盗んだ火を、いろいろな動物がバトンリレーして、ついに地上に火がもたらされる。その過程で、だからアライグマの尻尾には 黒い輪がついたとか、シカの尻尾は短くなったとか由来譚にもなっている。最後に火を「森」に隠すのが面白い。
野うさぎのフルー  リダ・フォシェ 文、フェードル・ロジャンコフスキー 絵、いしいももこ 訳・編 童話館出版

    1964年に福音館から出版された絵本の改訳再刊。昔、横長の判型の本で読みました。うさぎの耳がレーダーだとか、 おいしそうな食事のフルコース、行動範囲の地図…。雌のキャプシーヌとの出会いなど、物語の部分もありますが、うさぎの生態を知る 科学読み物としても優れています。文と絵のレイアウトは、福音館書店の方がよかったのですが、残念ながら手に入りません。

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うさぎさんてつだってほしいの シャーロット・ゾロトウ ぶん、モーリス・センダック え、こだまともこ やく 冨山房

   おかあさんのたんじょうびにあげるものがなくて、女の子はプレゼントを考えるのをうさぎさんにてつだってもらう。 「おかあさんは赤がすきなの」赤い毛糸の腹巻き、赤い屋根、消防自動車、ベニスズメ、リンゴ…。うさぎさんが思いつくいろいろなもののうち、 女の子はどれにするのかな? 「黄色いもの」、「緑のもの」、「青いもの」と、ものづくしの楽しみが繰り返される。大人の目で読むと、 バナナの入手先とかは「?」だし、うさぎさんとお別れするときには、もう夕闇が迫っていて、一日かかったのかとか思うけれど…。 センダックにも初期にはこんな絵本もあったんだなぁ。
ふわふわしっぽと小さな金のくつ デュ・ボウズ・ヘイワード 作、マージョリー・フラック 絵、羽島葉子 訳 PARCO出版

   「イースター・バニー」は、イースターの前の晩に、世界中の子どもたちに幸せを呼ぶ卵を配る、大事なお役目。心が やさしくて、足が速くて、とてもかしこいうさぎが、たったの5匹だけ選ばれます。ふわふわしっぽも、イースター・バニーになりたいと 思っていましたが、21ぴきも子どもを育てなくてはなりません。あきらめて、次のイースター・バニー選びを見に宮殿へ行くと…思いがけず、 長老は、ふわふわしっぽに目をとめます。ふわふわしっぽが、長老の懸念を次々と晴らす場面は痛快! 晴れて選ばれたふわふわしっぽに 与えられた特別な仕事とは…そして金のくつをはくと…? 『アンガスとあひる』『おかあさんだいすき』の画家の、もうひとつの傑作。

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2 児童文学

 チム・ラビットのぼうけん アリソン・アトリー 作、石井桃子 訳 童心社

   ピーター・ラビットとはまたひと味違った、いたずら好きの子うさぎチムの話が9篇。中でも「チムとはさみ」が印象的。 夢中になるあまりやり過ぎちゃうのはわかるけど、おかあさんに見分けてもらえないのは、さぞかしショックで悲しかったことでしょう。 続編の『チム・ラビットのおともだち』もあります。

  (表紙画像は原書)
  なぞのうさぎバニキュラ デボラ&ジェイムズ・ハウ作、久慈美貴 訳 福武書店

   犬のハロルドの語りで、モンロー一家にうさぎが来たところから始まる。うさぎの名前は、吸血鬼の映画を見に行ったら 座席にいた、というので「バニー」+「ドラキュラ」で「バニキュラ」と決定。不思議なことに、うさぎが来てからというもの、台所に真っ白な 野菜が出現。真っ白なトマトに始まり、レタス、にんじん、グリンピース、かぼちゃ、ズッキーニ…。この家では、猫のチェスターが読書家で、 あのうさぎは吸血鬼なんだから、やっつけなくちゃいけないと、本から得た知識で、にんにくをまいたり、水につけようとしたり。ハロルドも 協力を求められるが、どうもそこまでの熱意は持てない。さて、この騒ぎのてんまつはいかに?! うさぎは外国人らしく、口をきかないのが ちょっと不気味。チェスターのツッコミとハロルドのボケがいい味でおかしい。原書では、第6巻までシリーズ化されています。
ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち リチャード・アダムズ作、神宮輝夫 訳 評論社

   うさぎを主人公にした、壮大なファンタジーというのが斬新だった。住み慣れた草原に開発の魔手。予言者ファイバーの 言葉を信じた10匹のうさぎたちがヘイズルをリーダーに、新天地を求める旅へ。「シルフレイ」―無心で草を食べたりすること―とか、 「サーン状態」―キツネなどの捕食動物に見つめられて硬直している状態―とかのうさぎ語もしっくりきて、覚えてしまった。

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