天の火をぬすんだウサギ ジョアンナ・トゥロートン 文、山口文生 訳 評論社
北米インディアンに伝わる昔話を元にした絵本。地上に火がなくて寒かった時代。火は山の上にあって、天の人が守っている。
動物たちが協力して、天の人から火を盗む。動物たちのなかで、強いのは野牛で、物知りはオオカミだけど、「一番賢い」のがウサギとは
少し意外。いたずらの王様とあるから「ずる賢い」イメージらしい。天の人に、豊作を約束する新しい踊りを教えるという名目で、まんまと
ウサギが盗んだ火を、いろいろな動物がバトンリレーして、ついに地上に火がもたらされる。その過程で、だからアライグマの尻尾には
黒い輪がついたとか、シカの尻尾は短くなったとか由来譚にもなっている。最後に火を「森」に隠すのが面白い。
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